JP7526384B2 - 細胞培養基材 - Google Patents
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Description
バクテリアセルロース産生菌の菌体懸濁液を、減圧下および/または超音波下でウエルに注入する工程、
ウエルに注入したバクテリアセルロース産生菌を培養する工程、および
培養後に得られたバクテリアセルロースをフィルターで濾過する工程
を含む、1mm以下のバクテリアセルロースの粒子の製造方法が提供される。
ウエル表面を親水性溶媒で湿らせた後、バクテリアセルロース産生菌の菌体懸濁液をウエルに注入する工程、
ウエルに注入したバクテリアセルロース産生菌を培養する工程、および
培養後に得られたバクテリアセルロースをフィルターで濾過する工程
を含む、1mm以下のバクテリアセルロースの粒子の製造方法が提供される。
培養容器に、細胞、培養液、および1mm以下のバクテリアセルロースの粒子を導入する工程、
前記細胞と前記粒子とを接触させ、前記粒子の表面に前記細胞を接着させる工程、および
前記粒子の表面に前記細胞を接着させたまま、前記粒子の表面に接着した前記細胞を増殖させる工程
を含む、細胞培養方法が提供される。
本発明の一つの態様によれば、1mm以下のバクテリアセルロースの粒子を含む細胞培養基材が提供される。本発明の細胞培養基材は、1mm以下のバクテリアセルロースの粒子を含むものであれば特に限定されるものではないが、好ましくは、700μm以下のバクテリアセルロースの粒子を含むものであり、より好ましくは、300μm以下のバクテリアセルロースの粒子を含むものである。また、本発明の細胞培養基材は、1mm以下のバクテリアセルロースの粒子を含むものであれば特に限定されるものではないが、好ましくは50μm以上の粒子を含むものであり、より好ましくは、100μm以上のバクテリアセルロースの粒子を含むものである。また、バクテリアセルロースの粒子の形状は、形状の中の最長が1mm以下であれば当該粒子の形状は特に限定されるものではないが、例えば、球状、円錐状、円盤状等のどのような形状であってもよい。本明細書において、円錐状とは、平面上の円(内部を含む)の全ての点と、その平面上に無い一点とを結ぶ線分によってできる立体のみならず、長方形をその一辺のまわりに回転させて得られる円柱の形態も含み、円柱の片方の円と、別の片方の円とが異なる面積を有する立体(以下、「バケツ状」(台形形状)ともいう)も含む。バクテリアセルロースの粒子の形状は、好ましくは円錐状であり、より好ましくはバケツ状である。また、バクテリアセルロースの粒子は、ゲル状(バクテリアセルロースのゲル粒子)であることが好ましい。さらに、バクテリアセルロースとは、微生物が生産することができるセルロースをいい、後述のバクテリアセルロース産生菌により生産できるものをいう。本発明の好ましい態様によれば、1mm以下のバクテリアセルロースの粒子である細胞培養基材が提供される。
本発明の別の態様によれば、
バクテリアセルロース産生菌の菌体懸濁液を、減圧下および/または超音波下でウエルに注入する工程、
ウエルに注入したバクテリアセルロース産生菌を培養する工程、および
培養後に得られたバクテリアセルロースをフィルターで濾過する工程
を含む、1mm以下のバクテリアセルロースの粒子の製造方法が提供される。
本発明の製造方法の別の態様によれば、
ウエル表面を親水性溶媒で湿らせた後、バクテリアセルロース産生菌の菌体懸濁液をウエルに注入する工程、
ウエルに注入したバクテリアセルロース産生菌を培養する工程、および
培養後に得られたバクテリアセルロースをフィルターで濾過する工程
を含む、1mm以下のバクテリアセルロースの粒子の製造方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、
培養容器に、細胞、培養液、および1mm以下のバクテリアセルロースの粒子を導入する工程、
前記細胞と前記粒子とを接触させ、前記粒子の表面に前記細胞を接着させる工程、および
前記粒子の表面に前記細胞を接着させたまま、前記粒子の表面に接着した前記細胞を増殖させる工程
を含む、細胞培養方法が提供される。
培養容器に、細胞、培養液、および1mm以下のバクテリアセルロースの粒子を導入する工程、
前記細胞と前記粒子とを接触させ、前記粒子の表面に前記細胞を接着させる工程、
前記粒子の表面に前記細胞を接着させたまま、前記粒子の表面に接着した前記細胞を増殖させる工程、および
前記粒子の表面に接着した前記細胞の増殖後、セルラーゼを培養液に加えて前記粒子を加水分解する工程
を含む、細胞培養方法が提供される。
[1]菌体懸濁液の調製
前培養:
バクテリアセルロース産生菌であるAcetobacter xylinum(NBRC13693)(正式学名:Komagataeibacter xylinus)をNBRC(製品評価技術基盤機構 生物遺伝資源部門)から入手した。コロニー(菌塊)を形成させるため、下記の表1の組成の寒天培地上で当該産生菌を30℃で2~7日間培養した。菌体の大量培養のため、得られたコロニーを下記の表1の組成の110mLの液体培地に接種して以下の条件で液体培養(振とう培養)を行った。液体培養によって得られた菌液を下記の減圧法またはエタノール湿潤法により本培養を行った。
液体培養条件:
旋回:160rpm
培養温度:30℃
培養時間:72時間
初発OD660(660nmにおける濁度)=0.01→約0.4
上記の液体培養により得られた菌液を回収して、遠心分離機にて8500rpmで15分間遠心分離を行った。遠心分離により回収した菌体をBC作製培地に懸濁した。開口径700μmのマルチウエルプレートを真空デシケーターVS型(アズワン社製)により、3分間減圧(0.01MPa)し、さらに超音波洗浄機(アズワン社製)により、3分間超音波(出力180W、発信周波数40KHz)を適用して、菌体懸濁液をマルチウエル中へ注入した(コーナー部の余分な液を吸引した)。前記マルチウエルプレートのウエルにシリコンオイルを0.5mL/区画で積層した場合(シリコンオイル培養品)と、積層しない場合(ダイレクト培養品)とに分けて、30℃で所定日数(2日、4日、および6日間)、静置培養を行った(減圧操作及び超音波照射により、菌体が死滅しないことを確認した)。マルチウエルプレートのウエルに積層する液体として、シリコンオイル以外にも、流動性パラフィンおよび植物油でも行った。シリコンオイル、流動性パラフィン、および植物油の中では、シリコンオイルおよび流動性パラフィンがより堅牢(rigid)なBCゲル粒子を作製することができた(図1参照)。
なお、菌体懸濁液のマルチウエルへの注入を、(a)減圧のみの場合、(b)超音波のみの場合、(c)減圧も超音波もいずれも行わない場合でのウエル内の気泡の程度を測定した。その結果、減圧および超音波を行った場合に比べて、減圧のみの場合にはウエル中に気泡が少し残り、超音波のみの場合にはウエル中に気泡がさらに残り、減圧も超音波も行わない場合にはウエル中に気泡だらけとなった。ウエル中が気泡だらけとなる場合には、BCゲル粒子の製造効率が著しく低下する。
(1)2mLのエタノールを開口径700μmのマルチウエルプレート中の各区画に注入して吸引を行い、ウエルの菌体懸濁液との接触表面をエタノールで湿らせた。この操作を2回繰り返した。
(2)(1)の後、2mLの下記の表2の組成のBC作製培地を(1)と同様にして、開口径700μmのマルチウエルプレート中の各区画に注入して吸引を行った。この操作を2回繰り返した。
(3)上記の減圧法と同様に、液体培養により得られた菌液を回収して、遠心分離機にて8500rpmで15分間遠心分離を行い、遠心分離により回収した菌体を下記の表2の組成のBC作製培地に懸濁し、菌体懸濁液を得た。
(4)(1)および(2)の操作を経たマルチウエルプレートへ、(3)の操作により得られた2mLの菌体懸濁液を(1)および(2)と同様にして、開口径700μmのマルチウエルプレート中の各区画に注入して吸引を行った。この操作を2回繰り返し、その後菌体懸濁液を注入した。
(5)菌体懸濁液をマルチウエル中へ注入後、前記マルチウエルプレートのウエルにシリコンオイルを0.5mL/区画で積層した場合(シリコンオイル培養品)と、積層しない場合(ダイレクト培養品)とに分けて、30℃で所定日数(2日、4日、および6日間)、静置培養を行った(エタノール湿潤法により、菌体が死滅しないことを確認した)。マルチウエルプレートのウエルに積層する液体として、シリコンオイル以外にも、流動性パラフィンおよび植物油でも行った。シリコンオイル、流動性パラフィン、および植物油の中では、シリコンオイルおよび流動性パラフィンがより堅牢なBCゲル粒子を作製することができた。
上記の本培養(1)および本培養(2)における、所定日数(2日、4日、および6日間)の静置培養後に、3mLのイソプロピルアルコールをマルチウエルプレートの各区画に注入して吸引した(シリコンオイルを積層した場合のみ)。その後、5mLの無菌水をマルチウエルプレートの各区画に注入して、3回のペペッティングを行い、またはアスピレータで吸引した。その後、メンブランフィルター(ADVANTEC社製)(ポリカーボネート製、孔径:8μm)で濾過した。メンブランフィルターによる濾過後、10倍量の水で1日間浸漬した。浸漬後、同様にメンブランフィルターで濾過し、リン酸緩衝液(PBS)(pH6.88)に懸濁して、その懸濁液についてオートクレーブ(121℃、15分間)を行った。
[1]BCゲル粒子上でのh-MSCの培養
上記で得られたPBSで懸濁したダイレクト培養品およびシリコンオイル培養品(静置培養4日目のBCゲル粒子)を予めh-MSC growth培地(Lonza社製)に3日間浸漬した。その後、ヒト間葉系細胞(h-MSC)(Lonza社製)を2.0×104細胞/ウエルになるように播種した。ヒト間葉系細胞の播種後、37℃で、7日間静置培養した。
7日間静置培養後のヒト間葉系細胞が増殖したBCゲル粒子(7日後)を含む培養液1mLに、セルラーゼの原液を1mL加え、さらにPBSを3mL加えて、37℃、pH6.5で往復振とう(160rpm)培養を行った。いずれのBCゲル粒子も20分間で分解した。
セルラーゼによる分解前は、静置培養7日目の時点において、死細胞はほとんど見られなかった。
セルラーゼによる分解後は、ダイレクト培養品における生存率は95%であり、シリコンオイル培養品における生存率は92%であり(図2参照)、セルラーゼ添加によるBCゲル粒子の分解前後において、生存率の低下は5~10%であり、実用上の問題は見られなかった。また、ダイレクト培養品と、シリコンオイル培養品とで、静置培養、セルラーゼによる分解、細胞の生存率の観点でほとんど違いがないことが分かった。
Claims (6)
- バクテリアセルロース産生菌の菌体懸濁液を、減圧下および/または超音波下でウエルに注入する工程、
ウエルに注入したバクテリアセルロース産生菌を培養する工程、および
培養後に得られたバクテリアセルロースをフィルターで濾過する工程
を含む、1mm以下のバクテリアセルロースの粒子の製造方法。 - ウエル表面を親水性溶媒で湿らせた後、バクテリアセルロース産生菌の菌体懸濁液をウエルに注入する工程、
ウエルに注入したバクテリアセルロース産生菌を培養する工程、および
培養後に得られたバクテリアセルロースをフィルターで濾過する工程
を含む、1mm以下のバクテリアセルロースの粒子の製造方法。 - 親水性溶媒がエタノールおよび/またはイソプロピルアルコールである、請求項2に記載の粒子の製造方法。
- ウエルに注入したバクテリアセルロース産生菌を培養する工程が、ウエルに注入したバクテリアセルロース産生菌に、更にシリコンオイルまたは流動パラフィンを積層して培養する工程である、請求項1~3のいずれか一項に記載の粒子の製造方法。
- 1mm以下のバクテリアセルロースの粒子が細胞培養基材である、請求項1~4のいずれか一項に記載の粒子の製造方法。
- 培養容器に、細胞、培養液、および1mm以下のバクテリアセルロースの粒子を導入する工程、
前記細胞と前記粒子とを接触させ、前記粒子の表面に前記細胞を接着させる工程、
前記粒子の表面に前記細胞を接着させたまま、前記粒子の表面に接着した前記細胞を増殖させる工程、および
前記粒子の表面に接着した前記細胞の増殖後、セルラーゼを前記培養液に加えて前記粒子を加水分解する工程
を含む、細胞培養方法。
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Non-Patent Citations (1)
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|---|
| Micromachines,Vol. 9, No. 36,2018年01月17日,p. 1-10,doi: 10.3390/mi9010036 |
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