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JP7532082B2 - トナー - Google Patents
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JP7532082B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、及びトナージェット法のような画像形成方法に用いられるトナーに関する。
近年、プリンタや複写機は、高画質・高耐久性であると同時に、特にプリンタでは小型化・廃棄物レス化が広く求められている。
プリンタはネットワークを介して、多人数で使用するネットワークプリンタや、SOHO等で使用される個人用プリンタなど、様々なビジネスシーンに適応しなければならない。また、オフィスやSOHO環境においては、廃トナー交換等の廃棄物の発生に対するメンテナンスフリーも強く望まれている。よって、プリンタの省スペース化、すなわち小型化や廃棄物レス化への要求は未だ強い。
プリンタの小型化に関しては、主に定着装置の小型化とプロセスカートリッジの小型化が有効である。特に、プロセスカートリッジはプリンタの容積の大部分を占めており、プロセスカートリッジの小型化がプリンタの小型化に大きく貢献できる。
プロセスカートリッジの小型化に関しては、現像装置やクリーニング装置の小型化が有効である。現像装置の小型化に着目すると、電子写真の現像方式には二成分現像方式や一成分現像方式があるが、小型化には一成分現像方式が適している。これは、キャリア等の部材を使用しないためである。
また、クリーニング装置に着目すると、そもそもクリーニング装置を有さないクリーナーレスシステムが、プロセスカートリッジの小型化に非常に適している。多くのプリンタでは、転写工程にて残存した静電潜像担持体(感光体)上のトナー(転写残トナー)は、クリーニングブレード等によりかき取られ、クリーニング容器に回収され廃トナーとなる。一方、クリーナーレスシステムではクリーニングブレード、クリーニング容器が無く、転写残トナーは再度現像装置に回収され現像に寄与するため、プロセスカートリッジを大幅に小型化できるとともに、廃トナーの発生も無く廃棄物レス化にも大きく貢献できる。クリーナーレスシステムにおいて、トナーに求められる性能として、カブリの低減がある。カブリとは、帯電量の低下したトナーが、非画像部に非正規現像してしまう画像弊害であり、カブリの低減のためにはトナーの帯電安定性が非常に重要である。特許文献1ではトナーの帯電安定性を向上させるために、有機ケイ素重合体を含有する表層を有するトナーが提案されている。
特開2018-194836号公報
クリーナーレスシステムにおいては、例えば、メデイアである紙等の填料や添加物が感光体の表面に付着し、異物(帯電阻害成分)として現像装置に回収されてしまうことがある。これらの帯電阻害成分が、プロセスカートリッジ内に混入・残留(以下、コンタミとも称する)してしまうと、トナーに対する帯電付与が適正に行われなくなることが原因で、カブリが発生しやすくなる場合がある。特に、メデイアとしてタルクを含有した紙を使用した場合、タルクが現像装置に回収されると、そのへき開性によりトナー担持体に固着、融着しやすくなり、同時にその帯電付与性により、トナーの帯電量を低下させやすくなりカブリが発生してしまう。このカブリ現象は、トナーの帯電量が相対的に低くなる、高温高湿下で特に顕著に発生しやすい。
特許文献1によれば、トナーの帯電安定性が向上し、カブリ低減が図られるものの、使用環境や紙種によっては改善の余地がある。
このように、プリンタの小型化、廃棄物レス化に関しては、クリーナーレスシステムという有効な手段があるものの、そのクリーナーレスシステムにおいては、使用環境や紙種が限定されてしまうなど、未だ解決が望まれる課題がある。
そこで本発明は、より幅広い使用環境や紙種に対応したクリーナーレスシステムに好適な、カブリが発生しにくいトナーを提供することを課題とする。
本発明は、芯粒子と、該芯粒子を覆う外殻と、を有するトナー粒子を有するトナーであって、
該外殻は、有機ケイ素重合体を含有しており、該外殻には、欠落部があり、走査電子顕微鏡の反射電子像から算出される、芯粒子を覆う外殻の被覆率をX%、Xの標準偏差をZ、蛍光エックス線測定から算出される外殻の芯粒子に対する質量の割合をY質量%としたとき、該X、Y、Zが下記式を満たすことを特徴とするトナーに関するものである。
Y≦0.04X+0.2 (1)
40≦X≦95 (2)
Z≦5.0 (3)
より幅広い使用環境や紙種に対応したクリーナーレスシステムに好適な、カブリが発生しにくいトナーが提供される。
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○~××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
本発明において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び/又は「メタクリル」を意味する。
以下に、本発明のトナーについて、さらに詳しく説明する。
本発明者らは、前記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、芯粒子と、該芯粒子を覆う外殻と、を有するトナー粒子を有するトナーであって、芯粒子に、有機ケイ素重合体を含有する外殻を特定の状態で形成させることで、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明のトナーは、芯粒子と、該芯粒子を覆う外殻と、を有するトナー粒子を有するトナーであって、該外殻は、有機ケイ素重合体を含有しており、該外殻には、欠落部があり、走査電子顕微鏡の反射電子像から算出される、芯粒子を覆う外殻の被覆率をX%、Xの標準偏差をZ、蛍光エックス線測定から算出される外殻の芯粒子に対する質量の割合をY質量%としたとき、該X、Y、Zが下記式を満たすことを特徴とする。
Y≦0.04X+0.2 (1)
40≦X≦95 (2)
Z≦5.0 (3)
式(1)は、有機ケイ素重合体を含有する素材を特定の被覆率Xで被覆するときに、その質量Yを0.04X+0.2以下で被覆することであり、すなわち、式(1)を満たすことで外殻は、凹凸の少ない、均一な膜を与える。それにより、トナー粒子内及びトナー粒子間で均一な帯電が可能となる。式(2)は、外殻に欠落部があることを表しており、有機ケイ素重合体を含有する素材部がX%、欠落部が(100-X)%となる。さらに、式(3)は該欠落部がより均一に点在することを表している。トナー粒子がこのような表面構造を持つことで、プリント中に現像機内に帯電阻害成分がコンタミした場合でも帯電阻害が抑制され、カブリの発生が抑えられる。
Xは70以上90以下が好ましい。Xが70以上であることで表面の帯電均一性が向上し、帯電阻害成分がある場合、ない場合のいずれの場合においてもカブリがより抑制される。Xが90以下であることで帯電阻害成分コンタミの許容量が増え、プリント寿命が延びる。
外殻の欠落部の最大面積は1.0×105nm2以下であることが好ましい。これにより、帯電の均一性が向上していると考えられる。特に、帯電阻害成分混入時の高温高湿下でのカブリが抑制される。
外殻の欠落部に、周期表の1族~13族のいずれかの元素を含有する微粒子を含有することが好ましく、Ca、Mg、Al、Na等が挙げられる。これらの元素が示す電気的陽性により、後述する帯電阻害成分を捕捉する効果が向上していると考えられる。帯電阻害成分混入時のカブリがさらに抑制される。
上記結果をもとに、帯電阻害成分の混入によるカブリの発生と、本発明のトナーがそれを抑制するメカニズムについて、本発明者らは次のように考えている。帯電阻害成分はトナー粒子表面と同極の帯電性を有しており、トナー粒子表面と帯電阻害成分が接触剥離することにより、トナー粒子表面の電荷が奪われてしまう。この帯電が損なわれたトナー粒子がカブリとなる。これに対して、本発明のトナーでは、現像プロセス中において、有機ケイ素重合体を含有する外殻は帯電し、欠落部は帯電していないと考えられる。帯電阻害成分は帯電する外殻と同極の帯電性を有しているため、電気的に中性な欠落部に捕捉されやすくなっている。このため、帯電阻害成分がトナー粒子表面の外殻欠落部に捕捉されることで、帯電阻害が抑制されたのではないかと考えている。
トナーを構成する各成分及びトナーの製造方法について説明する。
<結着樹脂>
トナー粒子は、結着樹脂を含有する。結着樹脂の含有量は、トナー粒子中の樹脂成分全量に対して、50質量%以上であることが好ましい。
結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、スチレンアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、これらの混合樹脂や複合化樹脂などが挙げられる。安価、容易に入手可能で低温定着性に優れる点でスチレンアクリル樹脂やポリエステル樹脂が好ましい。さらに現像耐久性に優れる点でスチレンアクリル樹脂を含むことがより好ましい。
ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸、ポリオール、ヒドロキシカルボン酸などの中から好適なものを選択して組み合わせ、例えば、エステル交換法又は重縮合法など、従来公知の方法を用いて合成することで得られる。
多価カルボン酸は、1分子中にカルボキシ基を2個以上含有する化合物である。このうち、ジカルボン酸は1分子中にカルボキシ基を2個含有する化合物であって、好ましく使用される。
例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、アジピン酸、β-メチルアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、フマル酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、シクロヘキサン-3,5-ジエン-1,2-カルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、マロン酸、ピメリン酸、スペリン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロフタル酸、クロロフタル酸、ニトロフタル酸、p-カルボキシフェニル酢酸、p-フェニレン二酢酸、m-フェニレン二酢酸、o-フェニレン二酢酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル-p,p’-ジカルボン酸、ナフタレン-1,4-ジカルボン酸、ナフタレン-1,5-ジカルボン酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などを挙げることができる。
また、ジカルボン酸以外の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸、イタコン酸、グルタコン酸、n-ドデシルコハク酸、n-ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n-オクチルコハク酸、n-オクテニルコハク酸などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリオールは、1分子中に水酸基を2個以上含有する化合物である。このうち、ジオールは1分子中に水酸基を2個含有する化合物であり、好ましく使用される。
具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,14-エイコサンデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,4-ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジオール、ポリテトラメチレングリコール、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2~12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及び、これと炭素数2~12のアルキレングリコールとの併用である。
三価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラエチロールベンゾグアナミン、ソルビトール、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、上記三価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
スチレンアクリル樹脂としては、下記重合性単量体からなる単独重合体、又はこれらを2種以上組み合わせて得られる共重合体、さらにはそれらの混合物が挙げられる。
スチレン、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレン、p-メトキシスチレン及びp-フェニルスチレンのようなスチレン系モノマー;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、iso-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、n-アミル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチルフォスフェートエチル(メタ)アクリレート、ジエチルフォスフェートエチル(メタ)アクリレート、ジブチルフォスフェートエチル(メタ)アクリレート及び2-ベンゾイルオキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、マレイン酸のような(メタ)アクリル系モノマー;
ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル系モノマー;
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン系モノマー;
エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類。
スチレンアクリル樹脂は、必要に応じて多官能性の重合性単量体を用いることができる。多官能性の重合性単量体としては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2’-ビス(4-((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン及びジビニルエーテルなどが挙げられる。
また、重合度を制御するため、公知の連鎖移動剤及び重合禁止剤をさらに添加することも可能である。
スチレンアクリル樹脂を得るための重合開始剤としては、有機過酸化物系開始剤やアゾ系重合開始剤が挙げられる。
有機過酸化物系開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ-α-クミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t-ブチルパーオキシマレイン酸、ビス(t-ブチルパーオキシ)イソフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド及びtert-ブチル-パーオキシピバレートなどが挙げられる。
アゾ系重合開始剤としては、2,2’-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル及びアゾビスメチルブチロニトリル、2,2’-アゾビス-(イソ酪酸メチル)などが挙げられる。
また、重合開始剤として、酸化性物質と還元性物質とを組み合わせたレドックス系開始剤を用いることもできる。
酸化性物質としては、過酸化水素、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩)の無機過酸化物並びに4価のセリウム塩の酸化性金属塩が挙げられる。
還元性物質としては還元性金属塩(2価の鉄塩、1価の銅塩及び3価のクロム塩)、アンモニア、低級アミン(メチルアミン及びエチルアミンのような炭素数1以上6以下程度のアミン)、ヒドロキシルアミンのようなアミノ化合物、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム及びナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートなどの還元性硫黄化合物、低級アルコール(炭素数1以上6以下)、アスコルビン酸又はその塩並びに低級アルデヒド(炭素数1以上6以下)が挙げられる。
重合開始剤は、10時間半減期温度を参考に選択され、単独又は混合して利用される。重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが、一般的には重合性単量体100.0質量部に対し0.5質量部以上20.0質量部以下が添加される。
<離型剤>
本発明のトナーには、離型剤として、公知のワックスを用いることができる。
具体的には、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムに代表される石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスに代表される天然ワックス及びそれらの誘導体が挙げられ、誘導体には酸化物や、ビニルモノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物も含まれる。
また、高級脂肪族アルコールなどのアルコール;ステアリン酸、パルミチン酸などの脂肪酸又はその酸アミド、エステル、ケトン;硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物ワックス、動物ワックスが挙げられる。これらは単独又は併用して用いることができる。
これらの中でも、ポリオレフィン、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス、又は石油系ワックスを使用した場合に、現像性や転写性が向上する傾向があり好ましい。なお、これらのワックスには、トナーの本発明の効果に影響を与えない範囲で酸化防止剤が添加されていてもよい。
また、結着樹脂に対する相分離性、又は、結晶化温度の観点からは、ベヘン酸ベヘニル、セバシン酸ジベヘニルなどの高級脂肪酸エステルなどが好適に例示できる。
また、離型剤の含有量は、結着樹脂100.0質量部に対して、1.0質量部以上30.0質量部以下であることが好ましい。
離型剤の融点は、30℃以上120℃以下であることが好ましく、より好ましくは60℃以上100℃以下である。
上記のような熱特性を呈する離型剤を用いることにより、離型効果が効率良く発現され、より広い定着領域が確保される。
<可塑剤>
本発明のトナーには、シャープメルト性を向上させるために結晶性の可塑剤を使用することが好ましい。可塑剤としては、特に限定されることなく、下記のようなトナーに用いられる公知のものを用いることができる。
具体的には、ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸パルミチルのような1価のアルコールと脂肪族カルボン酸のエステル、又は、1価のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステル;エチレングリコールジステアレート、セバシン酸ジベヘニル、ヘキサンジオールジベヘネートのような2価のアルコールと脂肪族カルボン酸のエステル、又は、2価のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステル;グリセリントリベヘネートのような3価のアルコールと脂肪族カルボン酸のエステル、又は、3価のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステル;ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテートのような4価のアルコールと脂肪族カルボン酸のエステル、又は、4価のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステル;ジペンタエリスリトールヘキサステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテートのような6価のアルコールと脂肪族カルボン酸のエステル、又は、6価のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステル;ポリグリセリンベヘネートのような多価アルコールと脂肪族カルボン酸のエステル、又は、多価カルボン酸と脂肪族アルコールのエステル;カルナバワックス、ライスワックスのような天然エステルワックス。これらは単独又は併用して用いることができる。
<着色剤>
トナー粒子は着色剤を含有してもよい。着色剤として、公知の顔料、染料を用いることができる。耐候性に優れる点から着色剤としては、顔料が好ましい。
シアン系着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物及び塩基染料レーキ化合物などが挙げられる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62及び66。
マゼンタ系着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物及びペリレン化合物などが挙げられる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221及び254、及びC.I.ピグメントバイオレット19。
イエロー系着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物及びアリルアミド化合物などが挙げられる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185、191及び194。
黒色着色剤としては、カーボンブラック並びに上記イエロー系着色剤、マゼンタ系着色剤及びシアン系着色剤を用いて黒色に調色されたものが挙げられる。
これらの着色剤は、単独で、又は混合物で、さらにはこれらを固溶体の状態で用いることができる。
着色剤は、結着樹脂100.0質量部に対して1.0質量部以上20.0質量部以下用いることが好ましい。
<荷電制御剤、及び荷電制御樹脂>
トナー粒子は、荷電制御剤又は荷電制御樹脂を含有してもよい。
荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に摩擦帯電スピードが速く、かつ、一定の摩擦帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナー粒子を懸濁重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
荷電制御剤としてはトナーを負荷電性に制御するものと正荷電性に制御するものがある。
トナーを負荷電性に制御するものとしては、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、オキシカルボン酸及びジカルボン酸系の金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールのようなフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン及び荷電制御樹脂などが挙げられる。
トナーを正荷電性に制御する荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。
グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム-1-ヒドロキシ-4-ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートのような4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩のようなオニウム塩並びにこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、及び、フェロシアン化物);高級脂肪酸の金属塩;荷電制御樹脂。
これら荷電制御剤の中でも、含金属サリチル酸系化合物が好ましく、特にその金属がアルミニウム又はジルコニウムであるものが好ましい。
荷電制御樹脂としては、スルホン酸基、スルホン酸塩基若しくはスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体を挙げることができる。スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体としては、特にスルホン酸基含有アクリルアミド系モノマー又はスルホン酸基含有メタクリルアミド系モノマーを共重合比で2質量%以上含有する重合体が好ましく、より好ましくは5質量%以上含有する重合体である。
荷電制御樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が35℃以上90℃以下であり、ピーク分子量(Mp)が10000以上30000以下であり、重量平均分子量(Mw)が25000以上50000以下であることが好ましい。これを用いた場合、トナー粒子に求められる熱特性に影響を及ぼすことなく、好ましい摩擦帯電特性を付与することができる。さらに、荷電制御樹脂がスルホン酸基を含有している為、例えば重合性単量体組成物中における荷電制御樹脂自身の分散性や、着色剤などの分散性が向上し、着色力、透明性及び摩擦帯電特性をより向上させることができる。
これら荷電制御剤又は荷電制御樹脂は、単独であるいは2種類以上組み合わせて添加してもよい。
荷電制御剤又は荷電制御樹脂の添加量は、結着樹脂100.0質量部に対して、0.01質量部以上20.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上10.0質量部以下である。
<カルボキシ基含有スチレン系樹脂>
カルボキシ基含有スチレン系樹脂としては、スチレン、並びに、アクリル酸単量体及びメタクリル酸単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種を共重合体成分として含有していることが好ましい。
その他の共重合成分としては、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル;アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル及びメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。
カルボキシ基含有スチレン系樹脂は、
スチレンと、
アクリル酸及びメタクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも一種と、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル及びメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種と、
を含むモノマーの重合体が好ましい。
より好ましくは、スチレンと、
アクリル酸及びメタクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも一種と、
アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ベヘニル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル及びメタクリル酸2-ヒドロキシエチルからなる群より選ばれる少なくとも一種と、
を含むモノマーの重合体である。
カルボキシ基含有スチレン系樹脂の酸価は、該カルボキシ基含有スチレン系樹脂の単量体組成物中に含有されるアクリル酸及びメタクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも一種の量により適切な値とすることができる。
カルボキシ基含有スチレン系樹脂の重量平均分子量は、8000~50000であることが好ましい。
結着樹脂中のカルボキシ基含有スチレン系樹脂の含有量は、5質量%~30質量%であることが好ましい。
<有機ケイ素重合体>
本発明において、トナー粒子は、有機ケイ素重合体を含有する外殻を有する。有機ケイ素重合体としては、下記式(4)で表される構造を有する有機ケイ素化合物の重合体が挙げられる。
Figure 0007532082000001
(式(4)中、R1は、炭素数1以上6以下(好ましくは炭素数1以上3以下)の炭化水素基(好ましくはアルキル基)、又は、アリール基を表し、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アセトキシ基、又は、(好ましくは炭素数1以上4以下の)アルコキシ基を表す。)
上記式(4)として、具体的に以下が挙げられる。
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリアセトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリクロロシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、ブチルメトキシジクロロシラン、ブチルエトキシジクロロシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらは単独又は併用して用いることができる。
有機ケイ素重合体は、下記式(5)で表される構造を有することがより好ましい。
R-SiO3/2 ・・・(5)
ここで、Rは炭素数1以上6以下(好ましくは1以上3以下)の炭化水素基(好ましくはアルキル基)又は、アリール基を示す。
有機ケイ素重合体の代表的な製造例としては、ゾルゲル法と呼ばれる製造方法が挙げられる。
一般的に、ゾルゲル反応では、反応媒体の酸性度によって生成するシロキサン結合の結合状態が異なることが知られている。具体的には、媒体が酸性である場合には、水素イオンが一つの反応基(例えば、アルコキシ基;-OR基)の酸素に親電子的に付加する。次に、水分子中の酸素原子がケイ素原子に配位して、置換反応によってヒドロシリル基になる。水が十分に存在している場合には、H+ひとつで反応基(例えば、アルコキシ基;-OR基)の酸素をひとつ攻撃するため、媒体中のH+の含有率が少ないときには、ヒドロキシ基への置換反応が遅くなる。よって、シランに付いた反応基のすべてが加水分解する前に縮重合反応が生じ、比較的容易に、一次元的な線状高分子や二次元的な高分子が生成し易い。
一方、媒体がアルカリ性の場合には、水酸化物イオンがケイ素に付加して5配位中間体を経由する。そのため全ての反応基(例えば、アルコキシ基;-OR基)が脱離しやすくなり、容易にシラノール基に置換される。特に、同一シランに3個以上の反応基を有するケイ素化合物を用いた場合には、加水分解及び縮重合が3次元的に生じて、3次元の架橋結合の多い有機ケイ素重合体が形成される。また、反応も短時間で終了する。
また、ゾルゲル法は、溶液から出発し、その溶液をゲル化することによって材料を形成しているため、様々な微細構造及び形状をつくることができる。特に、トナー粒子が水系媒体中で製造される場合には、有機ケイ素化合物のシラノール基のような親水基による親水性によってトナー粒子の表面に存在させやすい。
従って、有機ケイ素重合体を形成するには、反応媒体がアルカリ性の状態でゾルゲル反応を進めることが好ましく、水系媒体中で製造する場合には、具体的には、pH8.0以上、反応温度50℃以上、反応時間5時間以上で反応を進めることが好ましい。これによって、より強度の高い、耐久性に優れた有機ケイ素重合体を形成することができる。
<トナーの製造方法>
トナー粒子の製造方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、溶融混錬粉砕法、乳化凝集法、溶解懸濁法などが挙げられるが、好ましくは懸濁重合法である。懸濁重合法を利用することで上記式(1)乃至(3)を満たす外殻を有するトナー粒子を得やすい。
有機ケイ素重合体を含有する外殻の形成に関し、本発明では以下の方法が好ましい。
まず、懸濁重合法により無機微粒子分散剤を表面に担持したトナー芯粒子の水分散液を得る。この時、無機微粒子分散剤の被覆状態を調整することで、外殻の欠落部の大きさや数を調整することができる。無機微粒子分散剤の被覆状態は、無機微粒子分散剤のゼータ電位、粒径、量などを変更することで調整することができる。また、無機微粒子分散剤に周期表の1族~13族の元素を担持させておくことで、外殻の欠落部に周期表の1族~13族の元素を含有する微粒子を導入することができる。
次に、有機ケイ素化合物は加水分解処理を行ったものを用いることが好ましい。例えば、加水分解の仕込み濃度は有機ケイ素化合物の量を100質量部とした場合、イオン交換水やRO水などイオン分を除去した水40質量部以上500質量部以下が好ましく、より好ましくは水100質量部以上400質量部以下である。加水分解の条件としては、好ましくはpHが2~7、温度が15℃~80℃、時間が30分~600分である。
次に、得られた有機ケイ素化合物の加水分解液とトナー芯粒子分散液とを混合して有機ケイ素化合物を縮合し、トナー芯粒子に有機ケイ素重合体を含有する外殻を形成する。この時、上記の無機微粒子分散剤の被覆状態の調整に加えて、さらに有機ケイ素化合物の縮合pH、有機ケイ素化合物の加水分解液の投入時間、投入回数を変更することで、上記式(1)乃至(3)を満たす外殻を有するトナー粒子を得ることができる。
懸濁重合法に使用する、水系媒体としては、以下のものが挙げられる。
水、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、これらの混合溶媒。好ましくは水である。
水系媒体を調製する時に使用する分散安定剤としては、公知の無機化合物の分散安定剤、及び、有機化合物の分散安定剤を用いることができる。外殻の調整の容易性から無機化合物の分散安定剤が好ましい。
無機化合物の分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、及び、アルミナが挙げられる。
一方、有機化合物の分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、及び、デンプンが挙げられる。 これら分散安定剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対して0.2質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
得られたトナー粒子には、トナーへの各種特性を付与するために外添剤を外添してもよい。トナーの流動性を向上させるための外添剤としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、及び、それらの複酸化物微粒子のような無機微粒子が挙げられる。無機微粒子の中でもシリカ微粒子及び酸化チタン微粒子が好ましい。
シリカ微粒子としては、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカ又はヒュームドシリカ、及び水ガラスから製造される湿式シリカが挙げられる。
無機微粒子としては、表面及びシリカ微粒子の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3 2-の少ない乾式シリカの方が好ましい。また、乾式シリカは、製造工程において、塩化アルミニウム、塩化チタン他のような金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粒子であってもよい。
無機微粒子は、その表面を処理剤によって疎水化処理することによって、トナーの摩擦帯電量の調整、環境安定性の向上、及び、高温高湿下での流動性の向上を達成することができるので、疎水化処理された無機微粒子を用いることが好ましい。
無機微粒子を疎水化処理するための処理剤としては、未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、ケイ素化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、及び、有機チタン化合物が挙げられる。その中でも、シリコーンオイルが好ましい。これらの処理剤は単独で用いてもあるいは併用してもよい。
無機微粒子の総添加量は、トナー粒子100質量部に対して、1.00質量部以上5.00質量部以下であることが好ましく、より好ましくは1.00質量部以上2.50質量部以下である。
以下、本発明における各種物性の測定方法について説明する。
<トナー粒子の外殻の被覆率X及びその標準偏差Zの測定方法>
トナー粒子の表面の反射電子像は、走査電子顕微鏡(SEM)により取得した。
SEMの装置及び観察条件は、下記の通りである。
使用装置:カールツァイスマイクロスコピー株式会社製 ULTRA PLUS
加速電圧:1.0kV
WD:2.0mm
Aperture Size:30.0μm
検出信号:EsB(エネルギー選択式反射電子)
EsB Grid:800V
観察倍率:50,000倍
コントラスト:63.0±5.0%(参考値)
ブライトネス:38.0±5.0%(参考値)
解像度:1024×768
前処理:トナー粒子をカーボンテープに散布(蒸着は行わない)
本発明の加速電圧及びEsB Gridは、トナー粒子の最表面の構造情報の取得、未蒸着試料のチャージアップ防止、エネルギーの高い反射電子の選択的検出、といった項目を達成するように設定する。観察視野は、トナー粒子の曲率が最も小さくなる頂点付近を選択する。
被覆率Xは、上記手法で得られたトナー粒子の表面の反射電子像を、画像処理ソフトImageJ(開発元 Wayne Rashand)を用いて解析することで取得する。以下に手順を示す。
まずImageメニューのTypeから、解析対象の反射電子像を8-bitに変換する。次に、ProcessメニューのFiltersから、Median径を2.0ピクセルに設定し、画像ノイズを低減させる。反射電子像下部に表示されている観察条件表示部を除いた上で画像中心を見積もり、ツールバーの長方形ツール(Rectangle Tool)を用いて反射電子像の画像中心から1.5μm四方の範囲を選択する。
次に、ImageメニューのAdjustから、Thresholdを選択し、Applyをクリックして外殻で被覆されている部位と被覆されていない欠落部位との二値化画像を得る。
次に、ツールバーの直線ツール(Straight Line)を用い、反射電子像下部に表示されている観察条件表示部中のスケールバーを選択しておく。その状態でAnalyzeメニューのSet Scaleを選択すると、新規ウインドウが開き、Distance in Pixels欄に選択されている直線のピクセル距離が入力される。前記ウインドウのKnown Distance欄に前記スケールバーの値(例えば100)を入力し、Unit of Mesurement欄に前記スケールバーの単位(例えばnm)を入力し、OKをクリックするとスケール設定が完了する。続いて、AnalyzeメニューのHistogramを選択し、開いたウインドウのCountの数値とModeの数値を読み、次のように算出する。
被覆率X=Mode/Count×100
上記手順を、評価対象のトナー粒子につき20視野について行い、それらの平均値を最終的な被覆率X、それらの標準偏差をZとして採用する。
<トナー粒子の外殻の芯粒子に対する質量割合Yの測定方法>
トナー粒子の外殻の芯粒子に対する質量割合Yを以下の方法で測定する。
波長分散型蛍光X線分析装置「Axios」(PANalytical社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いる。なお、X線管球のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は27mm、測定時間10秒とする。また、軽元素を測定する場合にはプロポーショナルカウンタ(PC)、重元素を測定する場合にはシンチレーションカウンタ(SC)で検出する。
測定サンプルとしては、専用のプレス用アルミリングの中にトナー4gを入れて平らにならし、錠剤成型圧縮機「BRE-32」(前川試験機製作所社製)を用いて、20MPaで、60秒間加圧し、厚さ2mm、直径39mmに成型したペレットを用いる。
有機ケイ素重合体を含まない樹脂粒子100質量部に対して、シリカ(SiO2)微粉末を0.5質量部となるように添加し、コーヒーミルを用いて充分混合する。同様にして、シリカ微粉末を5.0質量部、10.0質量部となるように樹脂粒子とそれぞれ混合し、これらを検量線用の試料とする。
それぞれの試料について、錠剤成型圧縮機を用いて上記のようにして検量線用の試料のペレットを作製し、PETを分光結晶に用いた際に回折角(2θ)=109.08°に観測されるSi-Kα線の計数率(単位:cps)を測定する。この際、X線発生装置の加速電圧、電流値はそれぞれ、24kV、100mAとする。得られたX線の計数率を縦軸に、各検量線用試料中のSiO2添加量を横軸として、一次関数の検量線を得る。次に、分析対象のトナーを錠剤成型圧縮機を用いて上記のようにしてペレットとし、そのSi-Kα線の計数率を測定する。そして、上記の検量線から横軸の値を読み取り、その値をYとする。
<トナー粒子の外殻の欠落部の最大面積の測定方法>
上記トナー粒子の外殻の被覆率X及びその標準偏差Zの測定方法と同じ方法で、外殻で被覆されている部位と被覆されていない欠落部位との二値化画像を得る。EditメニューのInvertを選択し、二値化画像の白黒を反転させる。
次に、AnalyzeメニューのAnalyze Particlesを選択し、400nm2未満の欠落部をカウントしないようにSize欄を設定して(例えば400-Infinity)、Show欄をOutlinesに設定して、Display results、Exclude on edges 、Clear results、Include holes、Summarizeをそれぞれ選択して、OKを選択する。出てきたResultsウインドウのLabel値がMaxの行のArea値を読む。上記手順を、評価対象のトナー粒子につき20視野について行い、それらの平均値を最終的な外殻の欠落部の最大面積として採用する。
<欠落部に含有する元素の分析方法>
欠落部に含有する元素は、走査電子顕微鏡(SEM)で取得できるエネルギー分散型X線分析(EDS)による元素マッピングにより確認した。
SEM/EDSの装置及び観察条件は、下記の通りである。
使用装置(SEM):カールツァイスマイクロスコピー株式会社製 ULTRA PLUS
使用装置(EDS):サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製 NORANSystem 7、Ultra Dry EDS Detecter
加速電圧:5.0kV
WD:7.0mm
Aperture Size:30.0μm
検出信号:SE2(二次電子)
観察倍率:50,000倍
モード:Spectral Imaging
前処理:トナー粒子をカーボンテープに散布し、白金スパッタ
<トナー又はトナー粒子の重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)の測定>
トナー又はトナー粒子の重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーチューブのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー又はトナー粒子約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー又はトナー粒子を分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。なお、文中の「部」は、特に断りのなり限り質量基準である。
<カルボキシ基含有スチレン系樹脂1の製造例>
フラスコ内にキシレン300部を投入し、撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換した後、昇温して還流させた。
・スチレン 92.53部
・メタクリル酸メチル 2.50部
・メタクリル酸2-ヒドロキシエチル 2.50部
・メタクリル酸 2.48部
・パーブチルD(日本油脂製) 2.00部
上記混合液を添加した後、重合温度を175℃、圧力を0.10MPaとして5時間重合を行った。その後、減圧下にて脱溶剤工程を3時間行い、キシレンを除去して、粉砕することでカルボキシ基含有スチレン系樹脂1を得た。得られたカルボキシ基含有スチレン系樹脂1は重量平均分子量(Mw)=15000、酸価=15mgKOH/gであった。
<ポリエステル樹脂1の製造例>
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に、
・テレフタル酸 21.0部
・イソフタル酸 21.0部
・ビスフェノールA-プロピレンオキサイド2モル付加物 89.5部
・ビスフェノールA-プロピレンオキサイド3モル付加物 23.0部
・シュウ酸チタン酸カリウム 0.030部
前記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下、220℃で15時間反応を行い、さらに10~20mmHgの減圧下で1時間反応させ、ポリエステル樹脂1を得た。ポリエステル樹脂1のガラス転移温度(Tg)は74.8℃、酸価は8.2mgKOH/gであった。
<有機ケイ素化合物の加水分解液の製造例>
撹拌機、温度計を備えた反応容器に、イオン交換水60.0部を秤量し、10質量%の塩酸を用いてpHを3.0に調整した。これを撹拌しながら加熱し、温度を70℃にした。その後、外殻用有機ケイ素化合物であるメチルトリエトキシシラン40.0部を添加して2時間以上撹拌して加水分解を行った。加水分解の終点は目視にて油水が分離せず1層になったことで確認を行い、冷却して外殻用有機ケイ素化合物の加水分解液を得た。
<トナー1の製造例>
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた四つ口容器中にイオン交換水700部と0.1モル/リットルのNa3PO4水溶液1000部と1.0モル/リットルのHCl水溶液24.0部を添加し、高速撹拌装置T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社)を用いて12,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1.0モル/リットルのCaCl2水溶液85部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca3(PO42を含む水系分散体を調製した。
・スチレンモノマー 75.0部
・n-ブチルアクリレート 25.0部
・カルボキシ基含有スチレン系樹脂1 6.0部
・ヘキサンジオールジアクリレート 0.5部
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3) 6.5部
・ポリエステル樹脂1 5.0部
・帯電制御剤 ボントロンE-88(オリエント化学社製) 0.7部
・離型剤(炭化水素ワックス、融点:79℃) 5.0部
・可塑剤(エチレングリコールジステアレート) 15.0部
上記材料をアトライタ(三井三池化工機株式会社)で3時間分散させて得られた重合性単量体組成物を60℃で20分間保持した。その後、重合性単量体組成物に重合開始剤であるt-ブチルパーオキシピバレート12.0部(トルエン溶液40%)を添加した重合性単量体組成物を水系媒体中に投入し、高速撹拌装置の回転数を12,000rpmに維持しつつ10分間造粒した。
その後、高速撹拌装置をプロペラ式撹拌器に変えて、内温を70℃に昇温させ、ゆっくり撹拌しながら5時間反応させトナー母体(芯粒子)1を得た。
次に、水分散体の内温を55℃にして、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0に調整して、有機ケイ素化合物の加水分解液15.2部を2時間かけて滴下後、さらに5時間反応させ、外殻を形成させた。30℃に冷却後、10%塩酸を添加して分散安定剤を除去した。さらに、ろ別、洗浄、乾燥して重量平均粒径が6.1μmのトナー粒子1を得た。得られたトナー粒子1をトナー1とした。
トナー1の有機ケイ素化合物の加水分解液投入量及び物性を表1に示した。
<トナー2~4及び比較トナー2の製造例>
表1に示す有機ケイ素化合物の加水分解液投入量に変更すること以外はトナー1と同様の方法でトナー2~4及び比較トナー2を得た。トナー2~4及び比較トナー2の有機ケイ素化合物の加水分解液投入量及び物性を表1に示した。
<トナー5の製造例>
トナー母体の水分散体を得た後、そこに追加添加塩として、1.0モル/リットルのCaCl2水溶液43部を徐々に添加し、さらに70℃で1時間撹拌した以外は、トナー1と同様の方法でトナー5を得た。トナー5の有機ケイ素化合物の加水分解液投入量、追加添加塩及び物性を表1に示した。
<トナー6~8の製造例>
表1に示した追加添加塩種に変更する以外はトナー5と同様の方法でトナー6~8を得た。トナー6~8の有機ケイ素化合物の加水分解液投入量、追加添加塩種及び物性を表1に示した。
<比較トナー1の製造例>
トナー1の製造例と同じ方法でトナー母体の水分散体を得た。
次に、内温を55℃にして、有機ケイ素化合物の加水分解液を24.0部添加して、そのまま30分保持した後に、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0に調整して更に5時間保持し、外殻を形成させた。30℃に冷却後、10%塩酸を添加して分散安定剤を除去した。さらに、ろ別、洗浄、乾燥をして重量平均粒径が6.3μmの比較トナー粒子1を得た。得られた比較トナー粒子1を比較トナー1とした。比較トナー1の有機ケイ素化合物の加水分解液投入量及び物性を表1に示した。
<比較トナー3の製造例>
「ポリエステル樹脂2の合成」
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 9mol部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 95mol部
・テレフタル酸 50mol部
・フマル酸 30mol部
・ドデセニルコハク酸 25mol部
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えたフラスコに上記のモノマーを仕込み、1時間で195℃まで上げて、反応系内が均一に撹拌されていることを確認した。これらモノマー100部に対してジステアリン酸スズを1.0部投入した。さらに生成する水を留去しながら195℃から5時間かけて250℃まで温度を上げ、250℃でさらに2時間脱水縮合反応を行った。
その結果、ガラス転移温度が60.2℃、酸価が13.8mgKOH/g、水酸基価が28.2mgKOH/g、重量平均分子量が14200、数平均分子量が4100、軟化点111℃の非晶性ポリエステル樹脂2を得た。
「ポリエステル樹脂3の合成」
・ビスフェノールA-エチレンオキサイド2モル付加物 48mol部
・ビスフェノールA-プロピレンオキサイド2モル付加物 48mol部
・テレフタル酸 65mol部
・ドデセニルコハク酸 30mol部
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えたフラスコに上記のモノマーを投入し、1時間で195℃まで上げて、反応系内が均一に撹拌されていることを確認した。これらモノマー100部に対してジステアリン酸スズを0.7部投入した。さらに生成する水を留去しながら195℃から5時間かけて240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を行った。次いで、温度を190℃まで下げ、無水トリメリット酸の5mol部を徐々に投入し、190℃で1時間反応を継続した。
その結果、ガラス転移温度が55.2℃、酸価が14.3mgKOH/g、水酸基価が24.1mgKOH/g、重量平均分子量が53600、数平均分子量が6000、軟化点108℃のポリエステル樹脂3を得た。
「樹脂粒子分散液1の調製」
・ポリエステル樹脂2 100部
・メチルエチルケトン 50部
・イソプロピルアルコール 20部
容器にメチルエチルケトン、イソプロピルアルコールを投入した。その後、上記樹脂を徐々に投入して、撹拌を行い、完全に溶解させてポリエステル樹脂2溶解液を得た。このポリエステル樹脂2溶解液の入った容器を65℃に設定し、撹拌しながら10%アンモニア水溶液を合計で5部となるように徐々に滴下し、さらにイオン交換水230部を10ml/minの速度で徐々に滴下して転相乳化させた。さらにエバポレータで減圧して脱溶剤を行い、ポリエステル樹脂2の樹脂粒子分散液1を得た。この樹脂粒子の体積平均粒径は、135nmであった。また、樹脂粒子固形分量はイオン交換水で調整して20%とした。
「樹脂粒子分散液2の調製」
・ポリエステル樹脂3 100部
・メチルエチルケトン 50部
・イソプロピルアルコール 20部
容器にメチルエチルケトン、イソプロピルアルコールを投入した。その後、上記材料を徐々に投入して、撹拌を行い、完全に溶解させてポリエステル樹脂3溶解液を得た。このポリエステル樹脂3溶解液の入った容器を40℃に設定し、撹拌しながら10%アンモニア水溶液を合計で3.5部となるように徐々に滴下し、さらにイオン交換水230部を10ml/minの速度で徐々に滴下して転相乳化させた。さらに減圧して脱溶剤を行い、ポリエステル樹脂3の樹脂粒子分散液2を得た。樹脂粒子の体積平均粒径は、155nmであった。また、樹脂粒子固形分量はイオン交換水で調整して20%とした。
「着色剤粒子分散液の調製」
・銅フタロシアニン(ピグメントブルー15:3) 45部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製) 5部
・イオン交換水 190部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKA製ウルトラタラックス)により10分間分散した後に、アルティマイザー(対抗衝突型湿式粉砕機:(株)スギノマシン製)を用い圧力250MPaで20分間分散処理を行い、着色剤粒子の体積平均粒径が120nmで、固形分量が20%の着色剤粒子分散液を得た。
「離型剤粒子分散液の調製」
・離型剤(炭化水素ワックス、融点:79℃) 15部
・可塑剤(エチレングリコールジステアレート) 45部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製) 2部
・イオン交換水 240部
以上を100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで115℃に加温して分散処理を1時間行い、体積平均粒径160nm、固形分量20%の離型剤粒子分散液を得た。
「比較トナー粒子3の製造」
・樹脂粒子分散液1 500部
・樹脂粒子分散液2 400部
・着色剤粒子分散液 50部
・離型剤粒子分散液 165部
フラスコ中にイオン性界面活性剤ネオゲンRKを2.2部加えた後、以上の材料を撹拌した。次いで、1mol/Lの硝酸水溶液を滴下してpH3.7にした後、これにポリ硫酸アルミニウム0.35部を加え、IKA製ウルトラタラックスで分散を行った。加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら55℃まで加熱した。55℃で40分保持した。
次に、内温を55℃のまま、有機ケイ素化合物の加水分解液を40.0部添加した。そのまま30分保持した後に、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0に調整して更に5時間保持し、外殻を形成させた。30℃に冷却後、ろ別、洗浄、乾燥して比較トナー粒子3を得た。得られた比較トナー粒子3を比較トナー3とした。比較トナー3の有機ケイ素化合物の加水分解液投入量及び物性を表1に示した。
Figure 0007532082000002
<トナー担持体1の製造例>
下記の手順によって、トナー担持体1を製造した。
(イソシアネート基末端プレポリマーの合成)
窒素雰囲気下、反応容器中でトリレンジイソシアネート(TDI)(商品名:コスモネートT80;三井化学(株)製)17.7部に対し、以下の材料を反応容器内の温度を65℃に保持しつつ、徐々に滴下した。
ポリプロピレングリコール系ポリオール(商品名:エクセノール4030;旭硝子(株)製)100.0g
滴下終了後、温度65℃で2時間反応させた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、イソシアネート基含有量3.8質量%のイソシアネート基末端プレポリマーを得た。(アミノ化合物の合成)
撹拌装置、温度計、還流管、滴下装置および温度調整装置を取り付けた反応容器中で、撹拌しながらエチレンジアミン100.0部(1.67モル)、純水100部を40℃まで加温した。次に、反応温度を40℃以下に保持しつつ、プロピレンオキシド425.3部(7.35モル)を30分かけて徐々に滴下した。さらに1時間撹拌して反応を行い、反応混合物を得た。得られた反応混合物を減圧下加熱して水を留去し、アミノ化合物426gを得た。
(基体の準備)
基体として、外径10mm(直径)で算術平均粗さRa0.2μmの研削加工したアルミニウム製円筒管にプライマー(商品名、DY35-051;東レ・ダウコーニング(株)製)を塗布、焼付けした。
(弾性ローラの作製)
上記で用意した基体を金型に配置し、以下の材料を混合した付加型シリコーンゴム組成物を金型内に形成されたキャビティに注入した。
・液状シリコーンゴム材料(商品名、SE6724A/B;東レ・ダウコーニング(株)製)100部、
・カーボンブラック(商品名、トーカブラック#4300;東海カーボン(株)製)15部、
・耐熱性付与剤としてのシリカ粉体 0.2部、
・白金触媒 0.1部。
続いて、金型を加熱してシリコーンゴム組成物を温度150℃で15分間加硫して硬化させた。周面に硬化したシリコーンゴム層が形成された基体を金型から脱型した後、当該基体を、さらに温度180℃で1時間加熱して、シリコーンゴム層の硬化反応を完了させた。こうして、基体の外周に膜厚0.5mm、直径11mmのシリコーンゴム弾性層が形成された弾性ローラを作製した。
(表面層の作製)
表面層の材料として、以下のものを撹拌混合した。
・イソシアネート基末端プレポリマー 617.9部、
・アミノ化合物 34.2部、
・カーボンブラック(商品名、MA230;三菱化学(株)製) 117.4部、
・ウレタン樹脂微粒子(商品名、アートパールC-400;根上工業(株)製)
130.4部。
次に、総固形分比が30質量%となるようにMEK(メチルエチルケトン)を加え表面層形成用塗料を調製した。
次に、先に作製した弾性ローラのゴムの無い部分をマスキングして垂直に立て、1,500rpmで回転させ、スプレーガンを30mm/秒で下降させながら前記塗料を塗布した。続いて、熱風乾燥炉中で温度180℃、20分間加熱して塗布層を硬化・乾燥することで弾性層外周に膜厚約8μmの表面層を設けたトナー担持体1を得た。
[トナー評価]
画出し評価には、市販のレーザープリンタLASERJET PRO P1606(HP社製)を改造して用いた。
上記評価機のプロセスカートリッジを取り出し、カートリッジからクリーニングブレードを取り外してクリーナーレスシステムとした。そして、トナー担持体を上記トナー担持体1に変更して感光体に接触して現像するように設置し、現像バイアスは直流のみが印加されるように、外部からバイアスを印加できるように改造した。下記の製品トナーを抜き取り、トナー1を150g充填した。
<カブリ評価1(普通紙、N/N)>
カートリッジを、常温常湿(N/N、温度23℃/湿度50%RH)環境下に24時間静置した後、画出し評価を行った。メディアとしては、普通紙(A4サイズのXEROX 4200用紙、XEROX社製、75g/m2)を用いた。
印字比率1%の画像で6,000枚通紙後、ベタ白画像の感光体上のカブリトナーをテーピングし、テーピングしたテープを白紙に貼り付け、テーピング無しのテープとの差分でカブリ濃度(%)を算出した。尚、カブリ測定には、TC-6DS((有)東京電色製)を用い、5点の平均値をもってカブリ濃度(%)とし、下記の指標で判断した。
A:5%未満
B:5%以上10%未満
C:10%以上15%未満
D:15%以上20%未満
E:20%以上
<カブリ評価2(タルク紙、N/N)>
カートリッジを、常温常湿(N/N、温度23℃/湿度50%RH)環境下に24時間静置した後、画出し評価を行った。メディアとしては、タルク紙であるCTM-2(王子製紙(株)製)を用いた。
印字比率1%の画像で3,000枚通紙後の、ベタ白画像の感光体上のカブリトナーをテーピングし、テーピングしたテープを白紙に貼り付け、テーピング無しのテープとの差分でカブリ濃度(%)を算出した。尚、カブリ測定には、TC-6DS((有)東京電色製)を用い、5点の平均値をもってカブリ濃度(%)とし、下記の指標で判断した。
A:5%未満
B:5%以上10%未満
C:10%以上15%未満
D:15%以上20%未満
E:20%以上
<カブリ評価3(タルク紙、N/N)>
カートリッジを、常温常湿(N/N、温度23℃/湿度50%RH)環境下に24時間静置した後、画出し評価を行った。メディアとしては、タルク紙であるCTM-2(王子製紙(株)製)を用いた。
印字比率1%の画像で6,000枚通紙後の、ベタ白画像の感光体上のカブリトナーをテーピングし、テーピングしたテープを白紙に貼り付け、テーピング無しのテープとの差分でカブリ濃度(%)を算出した。尚、カブリ測定には、TC-6DS((有)東京電色製)を用い、5点の平均値をもってカブリ濃度(%)とし、下記の指標で判断した。
A:5%未満
B:5%以上10%未満
C:10%以上15%未満
D:15%以上20%未満
E:20%以上
<カブリ評価4(タルク紙、H/H)>
カートリッジを、高温高湿(H/H、温度30℃/湿度80%RH)環境下に24時間静置した後、画出し評価を行った。メディアとしては、タルク紙であるCTM-2(王子製紙(株)製)を用いた。
印字比率1%の画像で3,000枚通紙後のベタ白画像の感光体上のカブリトナーをテーピングし、テーピングしたテープを白紙に貼り付け、テーピング無しのテープとの差分でカブリ濃度(%)を算出した。尚、カブリ測定には、TC-6DS((有)東京電色製)を用い、5点の平均値をもってカブリ濃度(%)とし、下記の指標で判断した。
A:5%未満
B:5%以上10%未満
C:10%以上15%未満
D:15%以上20%未満
E:20%以上
〔実施例1~8〕
実施例1~8では、トナー1~8をそれぞれ用いて上述の評価を行った。その評価結果を表2に示す。
〔比較例1~3〕
比較例1~3では、比較トナー1~3をそれぞれ用いて上述の評価を行った。その評価結果を表2に示す。
表中の括弧内の数字はカブリ濃度を表す。
Figure 0007532082000003

Claims (5)

  1. 芯粒子と、該芯粒子を覆う外殻と、を有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該外殻は、有機ケイ素重合体を含有しており、該外殻には、欠落部があり、走査電子顕微鏡の反射電子像から算出される、芯粒子を覆う外殻の被覆率をX%、Xの標準偏差をZ、蛍光エックス線測定から算出される外殻の芯粒子に対する質量の割合をY質量%としたとき、該X、Y、Zが下記式を満たすことを特徴とするトナー。
    Y≦0.04X+0.2 (1)
    40≦X≦95 (2)
    Z≦5.0 (3)
  2. 該Xが70≦X≦90である請求項1に記載のトナー。
  3. 該欠落部の最大面積が1.0×105nm2以下である請求項1または2に記載のトナー。
  4. 該欠落部に、周期表の1族~13族のいずれかの元素を含有する微粒子を有する請求項1~3のいずれか1項に記載のトナー。
  5. 該トナーがクリーナーレスシステムのプロセスカートリッジに用いられる請求項1~4のいずれか1項に記載のトナー。
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