JP7536031B2 - 安定性が改善されたノロウイルス様粒子 - Google Patents
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Description
1.ノロウイルスジェノグループIのVP1カプシドタンパク質であって、前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号3におけるArg472に対応する位置にArg残基またはLys残基を有する、カプシドタンパク質。
2.アミノ酸配列ストレッチAla-Ala-Leu-Leu/Val-His-Tyr(配列番号57)がAla-Ala-Leu-Leu/Val-Arg/Lys-Tyr(配列番号58)に修飾されていて、Leu/ValがLeuまたはValのいずれかを意味し、Arg/LysがArgまたはLysのいずれかを意味するアミノ酸配列を有する、ノロウイルスジェノグループIのVP1カプシドタンパク質。
3.アミノ酸配列ストレッチAla-Ala-Leu-Leu/Val-His-Tyr-Val/Leu/Ile-Asp(配列番号59)がAla-Ala-Leu-Leu/Val-Arg/Lys-Tyr-Val/Leu/Ile-Asp(配列番号60)に修飾されていて、Val/Leu/IleがValまたはLeuまたはIleのいずれかを意味する、項目2に記載のカプシドタンパク質。
4.前記カプシドタンパク質が、以下のジェノグループIのジェノタイプ:GI.1、GI.2、GI.3、GI.4、GI.5、GI.6、GI.7、GI.8またはGI.9のいずれかに属する、項目1から3のいずれか一項に記載のカプシドタンパク質。
5.前記カプシドタンパク質が、会合してノロウイルス様粒子(ノロウイルスのウイルス様粒子)を形成することが可能である、項目1から4のいずれか一項に記載のカプシドタンパク質。
6.前記カプシドタンパク質が、配列番号3におけるArg472に対応する位置のアミノ酸残基がArgまたはLysであることを除いては、配列番号6~21のいずれか1つに定義されるアミノ酸配列を有する、または前記タンパク質が配列番号3~5のいずれか1つに定義されるアミノ酸配列を有する、項目1から5のいずれか一項に記載のカプシドタンパク質。
7.
(i)前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号3におけるArg472に対応する位置のアミノ酸残基がArgまたはLysであることを除いては、配列番号6~21のいずれか1つのアミノ酸配列の少なくとも480、好ましくは少なくとも500の近接するアミノ酸残基からなるかまたはそれを含むか、または
(ii)前記タンパク質のアミノ酸配列が、少なくとも480、好ましくは少なくとも500アミノ酸残基からなるかまたはそれを含み、この長さにわたって少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%の配列同一性を、配列番号6~21のいずれか1つのアミノ酸配列の、少なくとも500の近接するアミノ酸残基の配列セグメントに対して有するか、または
(iii)前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号6~21のいずれか1つのアミノ酸配列の少なくとも480、好ましくは少なくとも500の近接するアミノ酸残基の配列セグメントと比較して、1~50、好ましくは1~40、より好ましくは1~30の欠失、置換、付加または挿入を有し、
項目(ii)または(iii)において、配列番号3におけるArg472に対応する位置のアミノ酸残基がArgまたはLysである、項目1から6のいずれか一項に記載のカプシドタンパク質。
8.前記タンパク質のアミノ酸配列が、少なくとも510、好ましくは少なくとも520、より好ましくは少なくとも530、および最も好ましくは少なくとも540アミノ酸残基を含む、項目7に記載のカプシドタンパク質。
9.
(i’)前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号3、4または5の残基43~残基540までのアミノ酸配列からなるかまたはそれを含むか、または
(ii’)前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号3、4または5の残基43~残基540までのアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%の配列同一性を有するか、または
(iii’)前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号3、4または5の残基43~残基540までのアミノ酸配列と比較して、1~50、好ましくは1~40、より好ましくは1~30の欠失、置換、付加または挿入を有し、
項目(ii’)または(iii’)において、配列番号3におけるArg472に対応する位置のアミノ酸、または配列番号2におけるHis472に対応する位置のアミノ酸がArgまたはLysである、項目1から6のいずれか一項に記載のカプシドタンパク質。
10.
(i’’)前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号3、4または5のアミノ酸配列からなるかまたはそれを含むか、または
(ii’’)前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号3、4または5のアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%の配列同一性を有するか、または
(iii’’)前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号3、4または5のアミノ酸配列と比較して、1~50、好ましくは1~40、より好ましくは1~30の欠失、置換、付加または挿入を有し、
項目(ii’’)または(iii’’)において、配列番号3におけるArg472に対応する位置のアミノ酸、または配列番号2におけるHis472に対応する位置のアミノ酸がArgまたはLysである、項目1から9のいずれか一項に記載のカプシドタンパク質。
11.前記タンパク質が、
(i’’’)配列番号3、4または5の残基43~残基540までのアミノ酸配列を含むアミノ酸配列のポリペプチドを含むか、または
(ii’’’)配列番号3、4または5の残基43~残基540までのアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列のポリペプチドを含むか、または
(iii’’’)配列番号3、4または5の残基43~残基540までのアミノ酸配列と比較して、1~50、好ましくは1~40、より好ましくは1~30の欠失、置換、付加または挿入を有するアミノ酸配列のポリペプチドを含み、
項目(ii’’’)または(iii’’’)において、
配列番号3中のArg472に対応する位置のアミノ酸、または配列番号2におけるHis472に対応する位置のアミノ酸がArgまたはLysである、項目1から6のいずれか一項に記載のカプシドタンパク質。
12.項目7の(i)~(iii)に定義の、項目9の(i’)~(iii’)に定義の、項目10の(i’’)~(iii’’)に定義の、または項目11の(i’’’)~(iii’’’)に定義のVP1カプシドタンパク質。
13.項目1から12のいずれか一項に記載のカプシドタンパク質をコードする核酸分子。
14.項目1から12のいずれか一項に記載のカプシドタンパク質からなるかまたはそれを含むウイルス様粒子(VLP)。
15.前記VLPが少なくとも60、好ましくは少なくとも90、より好ましくは約180分子の前記タンパク質を含む、項目14のVLP。
16.項目1から12のいずれか一項に定義のカプシドタンパク質または項目14もしくは15のVLPならびに任意選択で薬学的に許容される担体を含む免疫原性組成物。
17.ノロウイルスジェノグループIIのVP1カプシドタンパク質、またはジェノグループIIのVP1カプシドタンパク質からなるかまたはそれを含むVLPをさらに含む、項目16に記載の免疫原性組成物。
18.項目16または17の免疫原性組成物を含む、ノロウイルス感染に対するワクチン。
19.項目1から12のいずれか一項に定義のカプシドタンパク質または項目14または15のVLPを含む、ノロウイルス感染に対するワクチン。
20.ノロウイルスジェノグループIIのVP1カプシドタンパク質またはジェノグループIIのVP1カプシドタンパク質からなるかまたはそれを含むVLPを含む、項目18または19に記載のワクチン。
21.5:1~1:5、好ましくは3:1~1:3、より好ましくは2:1~1:2の質量比で、ジェノグループIのVP1カプシドタンパク質および前記ジェノグループIIのVP1カプシドタンパク質を含む、項目20に記載のワクチン。
22.アジュバントをさらに含む、項目18から21のいずれか一項に記載のワクチン。
23.対象におけるノロウイルス感染の予防または治療における使用のための、項目1から12のいずれか一項に定義のカプシドタンパク質、または項目14または15のVLP,または項目18から22のいずれか一項に記載のワクチン。
24.項目1から12のいずれか一項に定義のカプシドタンパク質、または項目14または15のVLP、または項目18から22のいずれか一項に記載のワクチンを、1回または複数回、対象に投与することを含む、対象においてノロウイルス感染を予防または治療する方法。
25.ジェノグループIのVP1カプシドタンパク質のPドメイン中の配列ストレッチAla-Ala-Leu-Leu/Val-His-Tyr(配列番号57)におけるHis残基を、ArgまたはLysに置き換えることを含む、ノロウイルスジェノグループIのVLPの安定性を高める方法。
26.項目1から12のいずれか一項に定義のカプシドタンパク質を、カプシドタンパク質をコードする核酸分子から発現させ、発現させたカプシドタンパク質が会合してVLPを形成することを可能にすることを含む、項目25の方法。
27.項目1から12のいずれか一項に定義のカプシドタンパク質を、カプシドタンパク質をコードする核酸分子から発現させ、発現させたカプシドタンパク質が会合してVLPを形成することを可能にすることを含む、ノロウイルスジェノグループIのVLPを作製する方法。
本発明者らは、安定性が改善されたVLPへと会合することができるNoVジェノグループIのVP1タンパク質の変異体を見出した。本発明は、従って、NoVジェノグループIのVP1タンパク質を提供する。これらのVP1タンパク質はより安定なVLPへと会合することまたは会合させることができる。一実施形態では、本発明のジェノグループIのVP1タンパク質は、ジェノグループIのVP1タンパク質間で高度に保存されたヒスチジン残基の位置に、ArgまたはLys残基、好ましくはArg残基を有する。この位置は、配列番号1においては474の位置または配列番号2もしくは3においては472の位置である。他のジェノグループIのVP1タンパク質における対応する位置は、少なくとも500アミノ酸からなるアミノ酸配列を配列番号3に対してアライメントすることによって確認することができる。従って、本発明は、NoVジェノグループIのVP1カプシドタンパク質であって、前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号2のHis472に対応する位置、または配列番号3、4もしくは5におけるArg472に対応する位置に、ArgまたはLys残基、好ましくはArg残基を有するカプシドタンパク質を提供する。ここここでは、配列番号3において示されるアミノ酸配列が、本発明のカプシドタンパク質がVP1配列中でArgまたはLys残基を有する位置を確認するための好ましい参照配列である。
(i)前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号3におけるArg472に対応する位置のアミノ酸残基がArgまたはLysであることを除いては、配列番号6~21のいずれか1つのアミノ酸配列の少なくとも500の近接するアミノ酸残基からなるかまたはそれを含むか、または
(ii)前記タンパク質のアミノ酸配列が、少なくとも500アミノ酸残基からなるかまたはそれを含み、かつこの長さにわたって少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%の配列同一性を、配列番号6~21のいずれか1つのアミノ酸配列の、少なくとも500の近接するアミノ酸残基の配列セグメントに対して有するか、または
(iii)前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号6~21のいずれか1つのアミノ酸配列の、少なくとも500の近接するアミノ酸残基の配列セグメントと比較して、1~50、好ましくは1~40、より好ましくは1~30、さらにより好ましくは1~20の欠失、置換、付加または挿入を有し、
項目(ii)または(iii)において、配列番号3におけるArg472に対応する位置のアミノ酸残基(または配列番号6の残基469)が、ArgまたはLys、好ましくはArgである。これらの実施形態では、近接するアミノ酸残基の最小の数は、好ましくは510、より好ましくは520、さらにより好ましくは530、最も好ましくは540アミノ酸残基である。
(i’)前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号3、4または5の残基43~残基540までのアミノ酸配列からなるかまたはそれを含むか、または
(ii’)前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号3、4または5の残基43~残基540までのアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有するか、または
(iii’)前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号3、4または5の残基43~残基540までのアミノ酸配列と比較して、1~50、好ましくは1~40、より好ましくは1~30、さらにより好ましくは1~20の欠失、置換、付加または挿入を有し、
項目(ii’)または(iii’)において、配列番号3、4または5におけるArg472に対応する位置のアミノ酸がそれぞれ、ArgまたはLys、好ましくはArgである。
(i’’)前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号3、4または5のアミノ酸配列からなるかまたはそれを含む、
(ii’’)前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号3、4または5のアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する、
(iii’’)前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号3、4または5のアミノ酸配列と比較して、1~50、好ましくは1~40、より好ましくは1~30、さらにより好ましくは1~20の欠失、置換、付加または挿入を有し、
項目(ii’’)または(iii’’)において、配列番号3、4または5におけるArg472に対応する位置のアミノ酸がそれぞれ、ArgまたはLys、好ましくはArgである。
(i’’’)配列番号3、4または5の残基43~残基540までのアミノ酸配列を含むアミノ酸配列からなるポリペプチド分子を含むこと、または
(ii’’’)配列番号3、4または5の残基43~残基540までのアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチド分子を含むこと、または
(iii’’’)配列番号3、4または5の残基43~残基540までのアミノ酸配列と比較して、1~50、好ましくは1~40、より好ましくは1~30、さらにより好ましくは1~20の欠失、置換、付加または挿入を有するアミノ酸配列からなるポリペプチド分子を含むこと、
によって規定され、
項目(ii’’’)または(iii’’’)において、配列番号3、4または5におけるArg472に対応する位置のアミノ酸がそれぞれ、ArgまたはLys、好ましくはArgである。
本発明はまた、本発明のVP1カプシドタンパク質からなるかまたはそれを含むVLPも提供する。VLPはウイルスの構造タンパク質からなる粒子であるが、ウイルスの核酸は含有しない。好ましくは、VLPはウイルスの構造タンパク質からなる粒子であるが、前記VLPのVP1あるいはVP1およびVP2をコードするノロウイルスの核酸は含有しない。ノロウイルスの場合は、VLPは、構造タンパク質VP1あるいはVP1およびVP2タンパク質(あるいはここここに記載の任意の断片または誘導体)からなる。本発明のVLPは、本発明のVP1カプシドタンパク質、例えば上記の項目(i)~(iii)、項目(i’)~(iii’)、項目(i’’)~(iii’’)、または項目(i’’’)~(iii’’’)のいずれか一項に定義のものを含むかまたはそれからなる。これらのタンパク質は、好ましくはVLPを形成することが可能である。
本発明はさらに、少なくとも1つのNoV抗原が本発明のジェノグループIのVP1カプシドタンパク質である1つまたは複数のNoV抗原を含む免疫原性組成物を提供する。従って、本発明のVP1カプシドタンパク質は、ここでは「本発明の抗原」とも呼ばれる。免疫原性組成物は、哺乳動物において、組成物中の1つまたは複数のNoV抗原に対して免疫応答を生じさせることが可能である。免疫原性組成物は、NoV抗原として本発明のVP1カプシドタンパク質、または、好ましくは、本発明のVLPを含む。免疫原性組成物はさらに、薬学的に許容される担体および/またはワクチンアジュバントを含んでもよい。
(a)前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号22~53のいずれか1つのアミノ酸配列からなる少なくとも500の近接するアミノ酸残基からなるかまたはそれを含む、または
(b)前記タンパク質のアミノ酸配列が、少なくとも500アミノ酸残基からなるかまたはそれを含み、この長さにわたって少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%の配列同一性を、配列番号22~53のいずれか1つのアミノ酸配列からなる少なくとも500の近接するアミノ酸残基の配列セグメントに対して有する、または
(c)前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号22~53のいずれか1つのアミノ酸配列からなる少なくとも500の近接するアミノ酸残基の配列セグメントと比較して、1~50、好ましくは1~40、より好ましくは1~30の欠失、置換、付加または挿入を有する。
(a’)前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号22~53のいずれか1つのアミノ酸配列からなるかまたはそれを含むか、または
(b’)前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号22~53のいずれか1つのアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有するか、または
(c’)前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号22~53のいずれか1つのアミノ酸配列と比較して、1~50、好ましくは1~40、より好ましくは1~30、さらにより好ましくは1~20の欠失、置換、付加または挿入を有する。
ジェノタイプI.1の抗原およびジェノタイプII.1の抗原を含むもの、
ジェノタイプI.1の抗原およびジェノタイプII.4の抗原を含むもの、
ジェノタイプI.1の抗原およびジェノタイプII.6の抗原を含むもの、
ジェノタイプI.4の抗原およびジェノタイプII.1の抗原を含むもの、
ジェノタイプI.4の抗原およびジェノタイプII.4の抗原を含むもの、
ジェノタイプI.4の抗原およびジェノタイプII.17の抗原を含むもの、
ジェノタイプI.4の抗原およびジェノタイプII.2の抗原を含むもの、
ジェノタイプI.1の抗原およびジェノタイプII.17の抗原を含むもの、
ジェノタイプI.1の抗原およびジェノタイプII.2の抗原を含むもの、
および
ジェノタイプI.4の抗原およびジェノタイプII.6の抗原を含むもの、
これらのすべての免疫原性組成物の実施形態では、組成物は、少なくとも本発明のVP1カプシドタンパク質をジェノグループI抗原として含有し、好ましくは、ジェノグループI抗原は、本発明のVP1カプシドタンパク質である。ジェノグループIおよびIIの抗原は、配列番号を参照に上記で規定されたものであってもよい。免疫原性組成物がジェノタイプI.1またはI.4(GI.4)の抗原、およびジェノタイプII.4(GII.4)またはGII.17(GII.17)の抗原を含有する実施形態が好ましい。免疫原性組成物がジェノタイプI.1またはI.4の抗原、およびジェノタイプII.4の抗原を含有する実施形態がより好ましい。これらのすべての実施形態では、免疫原性組成物はさらに、以下でさらに説明するような薬学的に許容される担体またはワクチンアジュバントを含有してもよい。
ジェノタイプI.1の抗原からなるかまたはそれを含むVLPならびにジェノタイプII.1の抗原からなるかまたはそれを含むVLPを含む組成物、
ジェノタイプI.1の抗原からなるかまたはそれを含むVLPならびにジェノタイプII.4の抗原からなるかまたはそれを含むVLPを含む組成物、
ジェノタイプI.1の抗原からなるかまたはそれを含むVLPならびにジェノタイプII.6の抗原からなるかまたはそれを含むVLPを含む組成物、
ジェノタイプI.1の抗原からなるかまたはそれを含むVLPならびにジェノタイプII.2の抗原からなるかまたはそれを含むVLPを含む組成物、
ジェノタイプI.1の抗原からなるかまたはそれを含むVLPならびにジェノタイプII.17の抗原からなるかまたはそれを含むVLPを含む組成物、
ジェノタイプI.4の抗原からなるかまたはそれを含むVLPならびにジェノタイプII.1の抗原からなるかまたはそれを含むVLPを含む組成物、
ジェノタイプI.4の抗原からなるかまたはそれを含むVLPならびにジェノタイプII.4の抗原からなるかまたはそれを含むVLPを含む組成物、および
ジェノタイプI.4の抗原からなるかまたはそれを含むVLPならびにジェノタイプII.6の抗原からなるかまたはそれを含むVLPを含む組成物。
ジェノタイプI.4の抗原からなるかまたはそれを含むVLPならびにジェノタイプII.2の抗原からなるかまたはそれを含むVLPを含む組成物、
ジェノタイプI.4の抗原からなるかまたはそれを含むVLPならびにジェノタイプII.17の抗原からなるかまたはそれを含むVLPを含む組成物。
これらのすべての実施形態では、ジェノタイプIの抗原からなるかまたはそれを含むVLPは本発明のVLPであり、ここで、前記VLPのVP1タンパク質分子の100%が本発明のVP1カプシドタンパク質であってもよい。
本発明のワクチンは、対象への投与に適した形態、または投与前に対象への投与に適した形態へと容易に導くことができる形態の本発明の免疫原性組成物を含む。好ましくは、ワクチンは、好ましくは単回投与で対象に投与する量の抗原を含有する単回または単位用量の投与形態として適した投与形態の免疫原性組成物を含有する。
上述のNoV抗原は、哺乳動物細胞、昆虫細胞、および植物または植物細胞を包含する異なる産生宿主中で発現しかつそれらから精製することができる(総説として:Herbst-Kralovetz、M.、Mason、H.S.& Chen、Q.2010、Exp.Rev.Vaccines、9:299~307)。NoV抗原およびNoV VLPの信頼できる精製プロトコールおよびその改良版が、バキュロウイルス発現系を使用する昆虫細胞に対して記載されている(Jiang、X.ら、1992、J.Virol.、66:6527~6532;Prasad BVV、Hardy D、Estes M.2000、J.Infect.Dis.、181:S317~S321;Huhti、L.ら、2010、Arch.Virol.、155:1855~1858;Koho、T.ら、2012、J.Virol.Methods、181:6~11;Huhti、L.ら、2013、Arch.Virol.、158:933~942;WO2013192604)、および植物に対して(Santi L.ら、2008、Vaccine、26:1846~1854;Lai、H.& Chen、Q.2012、Plant Cell Rep.、31:573~584)。EP2601970もまた、NoV VLPの作製に関するものとみなすことができる。
ノロウイルスVP1野生型および突然変異体バージョンに対する発現ベクターの構築および機能試験
ノロウイルスGI.4 Chiba 407のVP1カプシドタンパク質(Japan、1987)(GenBank accession no.:BAB18267、544アミノ酸残基、配列番号1、図1)に相当する配列を、遺伝子合成を用いて作製し、隣接するタイプIIS制限酵素BsaI部位をクローニングのために付加した。各モジュールに対して異なるカスタマイズされたオーバーハングを作製することによりこれらの制限酵素認識部位の除去による最終コンストラクトのアセンブルが可能になるタイプIIS制限酵素BsaIを使用して、ノロウイルスGI.4 Chiba 407のモジュールをTMVベースのウイルスの発現ベクター(magnICON(登録商標)システム、以下を参照)中にクローニングした(Engler、C.、Kandzia、R.& Marillonnet、S.2008、PLoS One、3:e3647)。
植物材料からのノロウイルスVLPの精製
ノロウイルスVP1のVLPを、以下に記載の通りに精製した。ベンサミアナタバコ植物中でウイルスVLPを容易に発現することを可能にする(Zahin、M.ら、2016、PLoS One、11(8):e0160995)、アセンブルされたTMVベースのmagnICON(登録商標)ベクター(Glebaら、2005、Vaccine、23:17~18;Marillonnetら、2005、Nat.Biotechnol.、23:718~723;Glebaら、Curr.Opin.Biotechnol.、2007、18:134~141;Klimyuk、V.ら、2014、Curr.Top.Microbiol.Immunol.、375:127~154)を保有する希釈されたアグロバクテリウム・ツメファシエンス培養物で、5週齢のベンサミアナタバコ植物を減圧浸潤した(80~100mbarで3~4分間)。植物材料を、浸潤後6~14日で回収した。浸潤後7~8日の時点で回収することにより、最も高い発現レベルがもたらされる。
精製したVP1 VLPの特徴づけ
透過型電子顕微鏡(TEM)
会合したVLPの存在を、透過型電子顕微鏡によってモニターした。TEM顕微鏡写真を、精製したVLPのサイズ、分散度および正二十面体の形態を可視化するために取得した。
[Ref.]J.Robbin Harris:Negative staining of thinly spread biological particulates、Methods in Molecular Biology 117:Electron Microscopy Methods and Protocols chapter S.13~30
VLPの形成、相対的な含有量およびサイズ(モル質量および半径)を、紫外線(UV)を用いたサイズ排除高速液体クロマトグラフィー(SE-HPLC)、光散乱(LS)および屈折率(RI)検出によって確認した。
VP1の純度試験のために、Agilent 2100 バイオアナライザ(Agilent Technologies Deutschland GmbH社; Waldbronn、Germany)上で、Agilent Protein 230キット(サイジング範囲:14~230kDa)および2100エキスパートソフトウェア(Kuschel、M.ら 2002、J Biomol Tech 13(3):172~178)の組み合わせで、CGE-on-a-chip分析を実施した。すべての試薬およびチップは、メーカーの使用説明書に従って調製した。タンパク質分離のためのゲル色素混合物を、チップ上の指定されたリザーバーにピペットで移し、チッププライミングステーションを使用して微小流体のチャネルの中へ押し込んだ。
[Ref.] Kuschel、M.、T.Neumann,ら(2002).「Use of lab-on-a-chip technology for protein sizing and quantitation.」J Biomol Tech 13(3):172~178。
H472Rアミノ酸置換は顕著にVLPの会合を変化させ、VLPの均一性を改善する。単一の高度に均一な(homogenic)VLP産生物が、試験的なスケールで作製した試験バッチ中に検出された。
SE-HPLC:Chi_NCHRは、以前のChiおよびChi_NC調製物(75~85%)と比較して、はるかに高いVLPの含有量および純度(95.0%)を示した。
CGE、還元:Chi_NCHRのVP1の分解は、Chi_NC調製物と比較して同レベル(80~85%)のままであり改善はなかった。
TEM:顕著な変化はないが、おそらく、Chi_NCHRの突起ドメインはChi_NC-VLPまたはChi-VLPのものよりもはっきりとしている。
筋肉内(IM)送達経路を使用した、マウスにおける、精製されたGI.4 ChibaのNC(野生型)およびGI.4 ChibaのNCHR突然変異体バージョンのVP1 VLPの相対的な免疫原性。
0週目および3週目に、PBS(pH7.3)中で、組換えノロウイルスVLPをBALB/CマウスにIMで2回投与した。群を、10μgのVLP用量のGI.4 Chiba NC(I群)またはGI.4 Chiba NCHR(II群)のいずれかのGI.4 Chiba VLPで免疫化した。すべてのマウスを、試験の5週目で終了させた。液性(抗体)免疫応答をELISAベースのアッセイによって分析した。
BALB/c Ola/Hsd雌マウス(Envigo社、Netherlands)を、動物施設に常温で輸送した。動物は、免疫化の1週前に順化させ、7週齢時に免疫化した。健康状態のモニタリングデータの要約フォームがマウスの輸送に伴い提供された。動物の健康状態(病気の臨床徴候)および愛護は、動物施設の職員によって毎日モニターされた。すべての手順は認可され、すべての手順をフィンランド国立動物実験委員会の指針に従って実施した。
免疫化および関連する手順時に、マウスはイソフルランを吸入させて麻酔した。試験のはじめに動物の重さを量り、群の入れ墨および個別に耳に穴をあけることで印を付けた。被験物質(50μl量)を、0.5mLインスリンシリンジ(29G×1/2’’-0.33×12mm)を用いて、尾側の硬い筋肉にIMで投与した。
動物の体重を終了時に記録した。マウスは、1mg/kgのメデトミジン(Dorbene(登録商標)1mg/mL、Laboratorios Syva社)および75mg/kgのケタミン(Ketalar(登録商標)50mg/mL、Pfizer)で麻酔し、腋窩(腋の下)領域から終末部全血を採取することによって終了させた。血清を、個別に採取した全血試料から分離し、使用するまで-20℃で保管した。
血清中の抗原特異的IgGの力価を、先に記載されているような酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)(Blazevicら、2011、Vaccine、29:81268133;Tamminenら、2012、Immunology、135:89~99)によって試験した。ブタ胃ムチン(PGM)ベースの相同なブロッキングアッセイ(Lindesmithら、2012、J.Virol.、86:873~883)を、先に記載されているように、推定上のNoV受容体であるヒトの組織血液型抗原(HBGA)に対するNoV VLPの結合をブロックする免疫血清の能力を決定するために使用した(Uusi-Kerttulaら、2014、Microbes Infect.、16:472~480)。
Claims (16)
- ノロウイルスジェノグループIのVP1カプシドタンパク質であって、前記タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号3におけるArg472に対応する位置にArg残基を有し、かつ配列番号3のアミノ酸配列に対し少なくとも90%の配列同一性を有する、カプシドタンパク質。
- Pドメイン中のアミノ酸配列Ala-Ala-Leu-Leu/Val-His-TyrがAla-Ala-Leu-Leu/Val-Arg-Tyrに修飾されており、Leu/ValがLeuまたはValのいずれかを意味するアミノ酸配列を有する、ノロウイルスジェノグループIのVP1カプシドタンパク質。
- Pドメイン中のアミノ酸配列Ala-Ala-Leu-Leu/Val-His-Tyr-Val/Leu/Ile-AspがAla-Ala-Leu-Leu/Val-Arg-Tyr-Val/Leu/Ile-Aspに修飾されており、Val/Leu/IleがValまたはLeuまたはIleのいずれかを意味する、請求項2に記載のカプシドタンパク質。
- 前記カプシドタンパク質が、ノロウイルスジェノグループIの以下のジェノタイプ:GI.1、GI.2、GI.3、GI.4、GI.5、GI.6、GI.7、GI.8またはGI.9のいずれかに属する、請求項1から3のいずれか一項に記載のカプシドタンパク質。
- 請求項1から4のいずれか一項に記載のカプシドタンパク質をコードする核酸分子。
- 請求項1から4のいずれか一項に記載のカプシドタンパク質からなるかまたはそれを含むウイルス様粒子(VLP)。
- 請求項1から4のいずれか一項に定義されるカプシドタンパク質または請求項6に定義されるVLPを含む免疫原性組成物。
- 薬学的に許容される担体をさらに含む、請求項7に記載の免疫原性組成物。
- ノロウイルスジェノグループIIのVP1カプシドタンパク質をさらに含む、またはジェノグループIIのVP1カプシドタンパク質からなるかもしくはそれを含むVLPをさらに含む、請求項7または8に記載の免疫原性組成物。
- 請求項7から9のいずれか一項に記載の免疫原性組成物を含む、または請求項1から4のいずれか一項に定義されるカプシドタンパク質を含む、または請求項6に定義されるVLPを含む、ノロウイルス感染に対するワクチン。
- ノロウイルスジェノグループIIのVP1カプシドタンパク質またはジェノグループIIのVP1カプシドタンパク質からなるかもしくはそれを含むVLPを含む、請求項10に記載のワクチン。
- 対象におけるノロウイルス感染の予防または治療における使用のための、請求項1から4のいずれか一項に定義されるカプシドタンパク質、または請求項6に定義されるVLP、または請求項10または11に記載のワクチン。
- 対象がヒト対象である、請求項12に記載のカプシドタンパク質、VLP、またはワクチン。
- ジェノグループIのVP1カプシドタンパク質のPドメイン中の配列Ala-Ala-Leu-Leu/Val-His-TyrにおけるHis残基を、Argに置き換えることを含む、ノロウイルスジェノグループI VLPの安定性を高める方法。
- 請求項1から4のいずれか一項に定義されるカプシドタンパク質、または請求項6に定義されるVLP、または請求項10または11に記載のワクチンを含む、対象においてノロウイルス感染を予防または治療するための医薬であって、1回または複数回対象に投与される、医薬。
- 前記対象がヒト対象である、請求項15に記載の医薬。
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