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JP7539001B2 - 溶接機の制御方法 - Google Patents
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JP7539001B2 - 溶接機の制御方法 - Google Patents

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Description

本開示は、溶接機の制御方法、特に溶接作業者が手動で操作するタイプの溶接トーチを有する溶接機の制御方法に関する。
従来、溶接作業者が手動で操作する溶接トーチに加速度センサ等のセンサを取り付けて、センサからの出力信号に基づいてアーク溶接を制御する技術が知られている(例えば、特許文献1~3参照)。
特開2013-066906号公報 特開2013-223879号公報 国際公開第2019/202854号
ところで、手動で溶接トーチを操作するアーク溶接においては、溶接トーチの誤操作等により、意図しないタイミングで溶接機が動作し、溶接出力が発生することがある。このような場合は、溶接作業が不安全になるだけでなく、溶接不良や溶接品質の低下を招くことがある。
しかし、特許文献1,2に開示された従来の構成には、意図しないタイミングで溶接機が動作することを防止する技術は開示されていない。
一方、特許文献3には、溶接トーチに流れる電流が所定値以下で、かつ溶接トーチの先端が所定の期間動いていないと加速度センサ及び角速度センサによって検出された場合は、溶接トーチに設けられたトーチスイッチの操作を無効することが開示されている。
しかし、特許文献3に開示された構成では、検出すべき項目が複数に亘り、信号処理や制御が複雑になる。
本開示はかかる点に鑑みてなされたもので、その目的は、意図しないタイミングで溶接機が動作するのを簡便に防止できる溶接機の制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本開示に係る溶接機の制御方法は、加速度センサが取り付けられた溶接トーチを有する溶接機の制御方法であって、前記溶接トーチの加速度を所定の時間間隔毎に検出する第1ステップと、前記第1ステップで検出された前記加速度を用いて、所定の期間における前記加速度の移動平均値を算出する第2ステップと、前記所定の期間における前記加速度の検出回数と、前記所定の期間における前記加速度と前記移動平均値との差分の絶対値が所定のしきい値を超えた場合の回数とを比較して、前記検出回数と前記回数との比が所定値未満である場合は、前記溶接機の動作を制限する第3ステップと、を備えたことを特徴とする。
本開示によれば、意図しないタイミングでの溶接機の動作を簡便に防止できる。また、溶接作業者の作業安全性を向上できる。
図1は、一実施形態に係るアーク溶接機の構成を示す模式図である。 図2は、溶接トーチの外観を示す模式図である。 図3は、溶接トーチの内部構造を示す模式図である。 図4は、電源装置と溶接トーチの機能ブロックの概略構成図である。 図5は、溶接トーチのX軸方向の加速度の時間変化の一例である。 図6は、変形例に係る電源装置と溶接トーチの機能ブロックの概略構成図である。
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態)
[アーク溶接機の構成及び溶接トーチの構成]
図1は、本実施形態に係るアーク溶接機の構成の模式図を示す。図2は、溶接トーチの外観の模式図を、図3は、溶接トーチの内部構造の模式図をそれぞれ示す。
図1に示すように、アーク溶接機10(以下、単に溶接機10と呼ぶことがある)は、電源装置20とワイヤ送給装置30と溶接トーチ60とを備えている。また、ガスボンベ80からガスホース81及びワイヤ送給装置30を介してシールドガス、例えば、COガスが溶接トーチ60に供給されている。なお、シールドガスの圧力及び流量が所定の値になるように、図示しない流量調整器で調整され、シールドガスが供給される。なお、ガスホース81はトーチケーブル41の内部に収容されており、後述する電力ケーブル40と制御ケーブル50も同様にトーチケーブル41の内部に収容されている。
電源装置20は、出力端子21の一方に電力ケーブル40が、他方にワークケーブル42がそれぞれ接続されており、電力ケーブル40から溶接トーチ60に溶接用の電力が供給される。具体的には、トーチケーブル41内に収容されて溶接トーチ60に接続された電力ケーブル40及び図示しない溶接用チップを介して溶接トーチ60内を通る溶接ワイヤ70に溶接電流が供給される。また、電源装置20は、ワイヤ送給装置30に対してワイヤ送給速度や溶接ワイヤ70を流れる溶接電流を制御するための制御信号を送るように構成されている。電源装置20の機能及び内部の機能ブロック構成については後で述べる。
ワイヤ送給装置30は、ワイヤ送給機構(図示せず)とワイヤ送給機構を駆動するモータ31とで構成され、電源装置20からの制御信号に応じて、溶接ワイヤ70を所定の速度でワーク(溶接対象物)Wに向けて送給する。また、ガスボンベ80から供給されたシールドガスを溶接トーチ60に供給する。なお、シールドガスは、流量調整器を介して溶接トーチ60に直接供給されるようにしてもよい。
制御ケーブル50は、電源装置20とワイヤ送給装置30とに接続され、前述したように、溶接ワイヤ70のワイヤ送給速度を制御する制御信号を送るとともに、溶接トーチ60に設けられた各種デバイスと電源装置20との間で各種信号の授受を行うように構成されている。また、制御ケーブル50を介して、溶接トーチ60に設けられた各種デバイスの駆動電力が供給される。また、制御ケーブル50は、溶接の開始/停止を決定するトーチスイッチ64の操作信号を電源装置20に送るように構成されている。
図2,3に示すように、溶接トーチ60は、トーチ本体61とトーチホルダ63とトーチスイッチ64とヘッド62とを有している。また、溶接トーチ60は、内部に溶接ワイヤ70を保持しており、溶接ワイヤ70は、ヘッド62の先端からワークWに向けて送給される。
図2に示すように、トーチホルダ63には、表示部100と操作部200とが配置されており、表示部100は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示デバイスで構成される。表示部100は、溶接条件等の各種表示を行う。操作部200は、例えば、操作ボタン(図示せず)等のデバイスで構成され、溶接作業者の操作により、溶接トーチ60に設けられた各種デバイス、または電源装置20に操作信号を出力する。例えば、表示部100の表示/非表示を操作部200の操作により切り替えることができる。なお、表示部100がタッチパネルである場合は、操作部200の機能は表示部100に集約でき、操作部200を省略できる。
また、図3に示すように、トーチホルダ63の内部にはセンサ部300が取り付けられており、配線65を介してトーチケーブル41内を通る制御ケーブル50に電気的に接続されている。また、トーチホルダ63には、トーチスイッチ64が取り付けられており、トーチスイッチ64も配線66を介してトーチケーブル41内を通る制御ケーブル50に電気的に接続されている。トーチスイッチ64を操作する、つまり、トーチスイッチ64を押すことで、溶接開始状態、つまり、ワイヤ送給装置30が作動し、溶接ワイヤ70に溶接電流が流れるON状態と、溶接停止状態、つまり、溶接電流の供給が停止し、ワイヤ送給装置30も停止するOFF状態とが切替えられる。ただし、後で述べるように、センサ部300での検出結果に基づいて、溶接作業者が溶接トーチ60を手に持っていると判定できた場合のみ、トーチスイッチ64の操作が有効となる。
[電源装置及び溶接トーチの機能ブロック構成]
図4は、電源装置と溶接トーチの機能ブロックの概略構成図を、図5は、溶接トーチのX軸方向の加速度の時間変化の一例をそれぞれ示す。なお、図示しないが、前述したように、制御ケーブル50は、ワイヤ送給装置30を介して、電源装置20と溶接トーチ60とに接続されている。
図2~4に示すように、溶接トーチ60には、表示部100と操作部200とセンサ部300とが設けられている。表示部100と操作部200の機能は前述した通りである。
図4に示すように、センサ部300は、加速度センサ310と角速度センサ320とこれら加速度センサ310,角速度センサ320の出力を信号処理する信号処理部330とで構成されるともに、これらが1つのパッケージ内に集積されたデバイスである。なお、加速度センサ310と角速度センサ320とは、三次元空間の互いに直交する3軸(図2に示すX軸、Y軸、Z軸)方向の加速度または角速度の変化をそれぞれ検出するセンサである。つまり、センサ部300は、いわゆる6軸センサである。また、信号処理部330は、ICまたはLSIで構成されている。センサ部300は、溶接トーチ60における各軸方向の加速度及び角速度やそれらの変化を検出する。これらの値は所定の時間間隔毎に検出される。また、各軸方向の加速度及び角速度の変化と、予め定められたセンサ部300と溶接トーチ60の先端であるヘッド62の先端との位置の差とから溶接トーチ60の先端の移動速度や動きや検出する。
また、信号処理部330は、加速度センサ310及び角速度センサ320のアナログ出力信号を受け取って、ノイズのフィルタリングや信号増幅あるいはアナログ出力信号のデジタル化処理を行ったりする。なお、本実施形態では、加速度センサ310と角速度センサ320と信号処理部330とを1つのパッケージ内に集積しているが、それぞれを別個に準備してプリント基板に実装するようにしてもよい。センサ部300のうち、加速度センサ310の検出信号は、後で述べるトーチスイッチ64の操作の有効/無効判定に用いられる。
一方、電源装置20には、制御部400と記憶部500とが設けられており、制御部400は、演算部410と判定部420と溶接制御部430とを少なくとも有している。
なお、制御部400は、マイクロコンピュータやLSI上で所定のソフトウェアを実行して実現される機能ブロックであり、これに含まれる演算部410、判定部420、溶接制御部430も同様である。なお、演算部410と判定部420と溶接制御部430とが、それぞれ別のLSI上に実装されていてもよい。
制御部400のうち、溶接制御部430は、ワイヤ送給装置30から送給される溶接ワイヤ70のワイヤ送給速度を制御する。また、溶接制御部430は、溶接出力、つまり、溶接ワイヤ70に流れる溶接電流や溶接電圧を制御する。
演算部410は、センサ部300の信号処理部330から出力された信号、つまり、加速度センサ310や角速度センサ320での検出値に基づいて、各種演算処理を実行する。例えば、溶接トーチ60の先端の速度や振れ幅や溶接トーチ60の姿勢等を算出する。
記憶部500は、溶接条件、例えば、設定電圧や設定電流、またこれに対応するワイヤ送給速度を保存する。また、記憶部500は、所定の時間間隔毎に加速度センサ310で検出された溶接トーチ60の加速度を順次保存する。以降の説明では、主にX軸方向の加速度A(以下、単に加速度Aという)について述べる。演算部410は、記憶部500に保存された加速度Aに基づいて、加速度Aの移動平均値MA(以下、単に移動平均値MAという)を算出する。ここで、移動平均値とは、予め設定された一定期間毎の平均値を、区間をずらしながら求めた値である。本実施形態において、この一定期間は、図5に示す期間Tである。
判定部420は、期間Tにおいて、加速度Aが、移動平均値MA±しきい値Kを超えた場合の回数E、言い換えると、加速度Aと移動平均値MAとの差分の絶対値がしきい値Kを超えた場合の回数Eをカウントする。ここで、しきい値Kは正の値である。
図5に示すように、加速度Aは、時間的に大きく変動することがある。例えば、溶接作業者が溶接トーチ60を手に持っている場合、手振れの影響で、溶接トーチ60は、不規則に、時に大きく動く。この動きが加速度Aに反映され、図5に示すように、所定の期間Tにおいて、加速度Aが、移動平均値MA±しきい値Kを超えることが発生しうる。なお、しきい値Kの値は、手振れに起因した加速度センサ310の出力信号のレンジに応じて、適宜設定される。よって、溶接トーチ60のサイズや重量も、しきい値Kの設定に影響する。
また、判定部420は、所定の期間Tにおける加速度Aの検出回数Nと前述の回数Eとを比較して、検出回数Nと回数Eとの比(=E/N)が所定値未満である場合は、溶接作業者が溶接トーチ60を手に持っていないと判定し、所定値以上であれば、溶接作業者が溶接トーチ60を手に持っていると判定する。本実施形態では、この所定値を0.5としているが、特にこれに限定されず、適宜他の値を取りうる。また、検出回数Nは100個であるが、これも特に限定されず、適宜他の値を取りうる。
溶接制御部430は、判定部420で溶接作業者が溶接トーチ60を手に持っていないと判定された場合、トーチスイッチ64の操作を無効にする。したがって、この状態で、トーチスイッチ64を押しても、ワイヤ送給装置30は作動せず、溶接ワイヤ70に溶接電流は流れない。つまり、アーク溶接機10の動作が制限される。
一方、溶接制御部430は、判定部420で溶接作業者が溶接トーチ60を手に持っていると判定された場合、トーチスイッチ64の操作を有効にする。したがって、アーク溶接機10の動作制限が解除される。この状態で、トーチスイッチ64を押すと、ワイヤ送給装置30が作動し、溶接ワイヤ70に所定の溶接電流が流れる溶接開始状態となる。
[効果等]
以上説明したように、本実施形態に係る溶接機の制御方法は、加速度センサ310が取り付けられた溶接トーチ60を有する溶接機10の制御方法である。
この制御方法は、溶接トーチ60の加速度Aを所定の時間間隔毎に検出する第1ステップと、第1ステップで検出された加速度Aを用いて加速度Aの移動平均値MAを算出する第2ステップと、を備えている。
また、所定の期間Tにおける加速度Aの検出回数Nと、所定の期間Tにおいて、加速度Aと移動平均値MAとの差分の絶対値がしきい値Kを超えた場合の回数Eとを比較して、検出回数Nと回数Eとの比(=E/N)が所定値未満である場合は、アーク溶接機10の動作を制限する第3ステップと、を備えている。
本実施形態によれば、溶接トーチ60の加速度A及びその移動平均値MAに基づいて、溶接機10の動作を制限することで、トーチスイッチ64の誤動作等により、意図しないタイミングで溶接出力が発生するのを簡便に防止できる。このことにより、溶接作業者の作業安全性を向上できる。また、ワークWに対し、意図しない箇所に溶接を行う等の溶接不良の発生を防止できる。
また、特許文献3に開示された構成とは異なり、溶接機10の動作制限の判定にあたって、検出すべき項目が、加速度Aのみでよいため、判定のための演算処理が簡略化される。
さらに、溶接機10の動作制限の判定にあたって、加速度Aを直接用いるのではなく、その移動平均値MAを用いることで、判定精度を高めることができる。これについてさらに説明する。
従来知られているように、加速度センサ310の出力信号は、温度によって変動する温度依存性を有している。このため、周辺環境の温度が変動すると、加速度センサ310で検出される加速度も変動してしまう。また、加速度センサ310には個体差があるため、この個体差によって、異なる溶接機10の間で、加速度センサ310で検出される加速度にばらつきを生じる。また、加速度センサ310を図示しない実装基板に実装するときの実装誤差、あるいはセンサ部300をトーチホルダ63に取り付けるときの取り付け誤差によっても、加速度センサ310で検出される加速度にばらつきを生じる。
このように、加速度センサ310の出力信号、言い換えると、加速度センサ310で検出される加速度には数多くの変動要因がある。したがって、加速度Aを直接用いて、溶接機10の動作制限の判定を行うと、加速度Aの検出ばらつきに起因して、溶接機10の動作制限の判定精度が低下するおそれがある。
一方、本実施形態によれば、移動平均値MAを用いることで、前述の変動要因の影響が緩和されるため、溶接機10の動作制限の要否を高精度で判定することができる。
なお、判定部420が、回数Eに代えて、以下の回数Fをカウントするようにしてもよい。回数Fは、所定の期間Tにおける加速度Aと、所定の期間Tにおける加速度Aと加速度Aの標準偏差SD(以下、単に標準偏差SDという)との差分の絶対値がしきい値K1を超えた場合の回数である。この場合は、第3ステップにおいて、所定の期間Tにおける加速度Aの検出回数Nと、所定の期間Tにおいて、加速度Aと標準偏差SDとの差分の絶対値が、しきい値K1を超えた場合の回数Fとを比較して、検出回数Nと回数Fとの比(=F/N)が所定値未満である場合は、溶接機10の動作を制限する。
このようにしても、回数Eを用いる場合と同様に、意図しないタイミングで溶接出力が発生するのを簡便に防止できる。また、溶接作業者の作業安全性の向上と溶接不良の発生の防止が図れることは言うまでもない。なお、しきい値K1は、しきい値Kと異なる値である。ただし、同じ値であってもよい。
また、これとは別の方法で溶接機10の動作を制限してもよい。例えば、所定の期間Tにおける標準偏差SDが、所定のしきい値以下である場合、判定部420は、溶接作業者が溶接トーチ60を手に持っていないと判定し、溶接機10の動作を制限するようにしてもよい。
第3ステップにおいて、検出回数Nと回数Eまたは回数Fとの比が所定値未満である場合に、溶接トーチ60に設けられたトーチスイッチ64の操作を無効にする。
このようにすることで、トーチスイッチ64を操作しても、溶接開始状態とはならず、溶接機10の動作を確実に制限することができる。このことにより、意図しないタイミングでの溶接出力の発生の防止、また、溶接作業者の作業安全性の向上と溶接不良の発生の防止が確実に図れることは言うまでもない。
また、本実施形態では、溶接トーチ60のX軸方向の加速度A及びその移動平均値MAを用いて、溶接機10の動作を制限する方法を示したが、特にこれに限定されるものでなく、例えば、Y軸方向の加速度AやZ軸方向の加速度Aやそれらの移動平均値を用いるようにしてもよい。また、各軸方向の加速度A,A,Aのそれぞれの2乗の和の平方根を用いてもよい。
なお、手振れによる溶接トーチ60の動きは、Z軸方向よりも溶接トーチ60の長手方向であるY軸方向を含む平面内で起こりやすい。よって、X軸方向の加速度AまたはY軸方向の加速度Aを用いることで、手振れ、ひいては、溶接作業者が溶接トーチ60を手に持っているか否かを高精度に判定でき、溶接機10の動作制限の判定精度が高められる。
また、本実施形態では、検出回数Nと回数Eまたは回数Fとの比が所定値未満である場合に、溶接機10の動作を制限する例を示したが、例えば、溶接機10の溶接条件の変更を禁止するようにしてもよい。つまり、溶接作業者が溶接トーチ60を手に持っていないと判定された場合は、溶接機10の溶接条件の変更を禁止するようにしてもよい。
このようにすることで、意図しない溶接条件の変更を防止できる。このことにより、溶接不良の発生が防止できる。また、溶接作業者の作業安全性の向上が図れる。
また、本実施形態に係る溶接機10は、加速度センサ310が取り付けられた溶接トーチ60と、溶接トーチ60と電気的に接続され、溶接トーチ60に溶接用の電力を供給する電源装置20とを少なくとも備えている。
電源装置20は、制御部400と記憶部500とを有し、制御部400は、演算部410と判定部420と溶接制御部430とを少なくとも有している。
加速度センサ310は、所定の時間間隔毎に溶接トーチ60の加速度を検出する。
記憶部500は、加速度センサ310で検出された溶接トーチ60の各軸方向の加速度を順次保存する。
演算部410は、記憶部500に保存された加速度Aに基づいて、その移動平均値MAを算出する。
判定部420は、所定の期間Tにおいて、加速度Aと移動平均値MAとの差分の絶対値がしきい値Kを超えた場合の回数Eをカウントする。また、判定部420は、所定の期間Tにおいて、加速度Aの検出回数Nと、加速度Aと移動平均値MAとの差分の絶対値がしきい値Kを超えた場合の回数Eとを比較して、検出回数Nと回数Eとの比(=E/N)が所定値未満である場合は、溶接作業者が溶接トーチ60を手に持っていないと判定する。
溶接制御部430は、判定部420で溶接作業者が溶接トーチ60を手に持っていないと判定された場合、溶接機10の動作を制限する。
本実施形態の溶接機10によれば、前述した通り、トーチスイッチ64の誤動作等により、意図しないタイミングで溶接出力が発生するのを簡便に防止できる。このことにより、溶接作業者の作業安全性を向上できる。また、ワークWに対し、意図しない箇所に溶接を行う等の溶接不良の発生を防止できる。
また、溶接制御部430は、判定部420で溶接作業者が溶接トーチ60を手に持っていないと判定された場合、トーチスイッチ64の操作を無効にすることで、溶接機10の動作を制限する。このことにより、意図しないタイミングでの溶接出力の発生の防止、また、溶接作業者の作業安全性の向上と溶接不良の発生の防止が確実に図れる。
なお、演算部410が、記憶部500に保存された加速度Aに基づいて、期間Tにおける加速度Aの標準偏差SDを算出し、判定部420は、期間Tにおいて、加速度Aと標準偏差SDとの差分の絶対値がしきい値K1を超えた場合の回数Fをカウントするようにしてもよい。また、判定部420が、期間Tにおいて、加速度Aの検出回数Nと、加速度Aと標準偏差SDとの差分の絶対値がしきい値K1を超えた場合の回数Fとを比較して、検出回数Nと回数Fとの比(=F/N)が所定値未満である場合は、溶接作業者が溶接トーチ60を手に持っていないと判定するようにしてもよい。
<変形例>
図6は、変形例に係る電源装置と溶接トーチの機能ブロックの概略構成図を示す。
図6に示す構成は、溶接トーチ60に演算部610や判定部620や記憶部500を設けられている点で、図4に示す構成と異なる。なお、演算部610や判定部620の機能は、図4に示す演算部410や判定部420の機能と同じである。
また、センサ部300の出力信号を電源装置20に設けられた制御部400に送るにあたって、溶接トーチ60に通信部630が設けられ、通信部630から制御部400の溶接制御部430に当該信号が絶縁信号として送られる。
本変形例によれば、実施形態に示す構成が奏するのと同様の効果を奏することができる。つまり、意図しないタイミングでの溶接出力の発生の防止、また、溶接作業者の作業安全性の向上と溶接不良の発生の防止が図れる。また、意図しない溶接条件の変更の防止、また、溶接不良の発生の防止と溶接作業者の作業安全性の向上が図れる。
さらに、本変形例によれば、溶接トーチ60の各軸方向の加速度や角速度を正確に算出することができる。制御ケーブル50を含むトーチケーブル41が非常に長くなる場合、センサ部300の出力信号が小さいと、制御ケーブル50を伝搬して制御部400に入力される信号のなまりが大きくなり、溶接トーチ60の各軸方向の加速度や角速度を正確に算出することが難しくなることがある。このような場合に、溶接トーチ60に、演算部610や判定部620や記憶部500を設けることで、制御ケーブル50での信号のなまりを無くし、溶接トーチ60の各軸方向の加速度や角速度を正確に算出することができる。
なお、信号処理部330に演算部410や判定部420を組み込んで一体化してもよい。また、通信部630を無線信号を送受信する機能ブロックとしてもよい。その場合は、電源装置20に図示しない無線通信部を設けて、通信部630とこの無線通信部との間で信号の授受が行われる。
なお、本願明細書において、溶接ワイヤ70を用いた、いわゆる消耗電極式のアーク溶接機10を例に取って説明したが、アーク溶接機10を、TIG等の非消耗電極式のアーク溶接機としてもよい。ただし、その場合は、ワイヤ送給装置30は不要となるので、電源装置20から電力ケーブル40を介して直接、溶接トーチ60に電力が供給される。また、ワイヤ送給装置30の代わりに溶接棒または溶加材送給装置を配置してもよい。また、溶接トーチ60は、制御ケーブル50により、電源装置20と直接に接続される。
本開示の溶接機の制御方法は、溶接トーチの加速度に基づいて、意図しないタイミングでの溶接出力の発生を簡便に防止でき、有用である。
10 アーク溶接機(溶接機)
20 電源装置
30 ワイヤ送給装置
31 モータ
40 電力ケーブル
41 トーチケーブル
42 ワークケーブル
50 制御ケーブル
60 溶接トーチ
61 トーチ本体
62 ヘッド
63 トーチホルダ
64 トーチスイッチ
70 溶接ワイヤ
80 ガスボンベ
81 ガスホース
100 表示部
200 操作部
300 センサ部
310 加速度センサ
320 角速度センサ
330 信号処理部
400 制御部
410,610 演算部
420,620 判定部
430 溶接制御部
500 記憶部
630 通信部
W ワーク(溶接対象物)

Claims (4)

  1. 加速度センサが取り付けられた溶接トーチを有する溶接機の制御方法であって、
    前記溶接トーチの加速度を所定の時間間隔毎に検出する第1ステップと、
    前記第1ステップで検出された前記加速度を用いて、所定の期間における前記加速度の移動平均値を算出する第2ステップと、
    前記所定の期間における前記加速度の検出回数と、前記所定の期間において、前記加速度と前記移動平均値との差分の絶対値が所定のしきい値を超えた場合の回数とを比較して、前記検出回数と前記回数との比が所定値未満である場合は、前記溶接機の動作を制限する第3ステップと、
    を備えたことを特徴とする溶接機の制御方法。
  2. 加速度センサが取り付けられた溶接トーチを有する溶接機の制御方法であって、
    前記溶接トーチの加速度を所定の時間間隔毎に検出する第1ステップと、
    前記第1ステップで検出された前記加速度を用いて、所定の期間における前記加速度の標準偏差を算出する第2ステップと、
    前記所定の期間における前記加速度の検出回数と、前記所定の期間において、前記加速度と前記標準偏差との差分の絶対値が所定のしきい値を超えた場合の回数とを比較して、前記検出回数と前記回数との比が所定値未満である場合は、前記溶接機の動作を制限する第3ステップと、
    を備えたことを特徴とする溶接機の制御方法。
  3. 請求項1または2に記載の溶接機の制御方法において、
    前記第3ステップでは、前記検出回数と前記回数との比が所定値未満である場合に、前記溶接トーチに設けられたトーチスイッチの操作を無効にすることを特徴とする溶接機の制御方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の溶接機の制御方法において、
    前記加速度は、前記溶接トーチの長手方向を含む平面内での前記溶接トーチの動きに関する加速度であることを特徴とする溶接機の制御方法。
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