JP7540186B2 - 熱化学電池電極用導電性組成物 - Google Patents
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Description
前者は、半永久的に連続で発電することが可能であり、後者も熱源(高温)と熱源のない場所(低温)とに繰り返して配置・保持することで繰り返し使用することが可能である。熱化学電池は、基本的に正極と負極あるいは陽極と陰極の両電極とその間に存在する電解質とからなり、主に二つの動作形態がある。一つ目は、両電極間に温度差がある場合に、化学反応の速度差により電解質中にキャリア濃度差が生じ、電位差が発生する形態である(1セルタイプと呼ばれる)。
後者は、電解質を分離材で仕切り、両電極を含めた全体を熱により温めた場合に、分離材の左右の化学反応の違いにより発電(充電)し、低温の場所では逆反応を起こし電位差が発生する形態である(これを2セルタイプと呼ぶ)。いずれの場合も、電解質に接する電極界面でイオンと電子との反応が必要であり、電極が必要となる。
従来の熱化学電池の電極としては、金属、特に触媒活性の大きい白金など貴金属を使用したもの(非特許文献3)や、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)―ポリ(スチレンスルホン酸) (以下、PEDOT/PSSと略記することがある)などの導電性高分子を使用したもの(特許文献1)が知られている。
縮合多環六角網面を有する材料(A)とは、六角網面を構成する原子同士が共有結合している材料を指す。六角網面を構成する元素(構成元素)は、炭素元素が主成分であり、その他ヘテロ元素(N、B、P等)を含む。また、構成元素として、卑金属元素を含んでいても良い。ここでいう卑金属元素とは、遷移金属元素のうち貴金属元素(Ru、Rh、Pd、Ag、Os、Ir、Pt、Au) を除く金属元素であり、卑金属元素としては、Co、Fe、Ni、Mn、Cu、Ti、Vo、Cr、ZnおよびSnからなる群より選ばれる一種以上を含有することが好ましく、Coおよび/またはFeを含有することがより好ましい。
{N×(N1+N2)}=0.1×(30%+20%)=5%
する末端窒素の量を表す指標となる。
はH2O) 吸着法によって求めることができる。解析法はBET法を用い、相対圧(P(吸着平衡圧)/P0(飽和蒸気圧)=0.05~0.3)とガス吸着量のプロットより得られる直線の切片と勾配から、単分子吸着量を求めることで、BET比表面積を算出できる。
まず、バインダー樹脂(B)について説明する。
バインダー樹脂は、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ブタジエン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、エポキシ樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂及びシリコン樹脂等からなる群から選ばれる1種以上を含むことができる。特に、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。ただし、これらの樹脂に限定されるわけではない。バインダー樹脂は1種単独で用いても良いし、2種以上併用しても良い。
バインダー樹脂は、バインダー樹脂が基材に担持された後に、硬化(架橋)反応を受ける、硬化性樹脂とすることもできる。
つまり、バインダー樹脂は、自己硬化性のものを選択したり後述する硬化剤と組み合わせたりして、導電性組成物を基材上に印刷したり塗工したりした後、硬化(架橋)させることもできる。
ポリウレンタン樹脂の合成方法としては、特に限定はされないが、例えば、ポリオール化合物(a)とジイソシアネート(b)とを反応させて得られるものなどが挙げられる。
ポリエステルポリオール類としては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4-ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ダイマージオール等の飽和およびまたは不飽和の炭化水素ジオールに代表される低分子ジオール類と、n-ブチルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル類のアルキルグリシジルエーテル類、バーサティック酸グリシジルエステル等のモノカルボン酸グリシジルエステル類と、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のジカルボン酸類、またはこれらの無水物類とを、脱水縮合して得られるポリエステルポリオール類や、環状エステル化合物を開環重合して得られるポリエステルポリオール類が挙げられる。
上記ポリオール化合物は、単独で用いても、2種類以上併用してもよい。
脂環族ジイソシアネートとしては、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアナートメチル、ビス(4-イソシアネートシクロヘキシル)メタン、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
バインダー樹脂としては、体積抵抗率と基材への密着性および耐久性の観点からポリアミド樹脂が好ましい。体積抵抗率は、(熱)プレス中の樹脂分が流動しやすいため良好な結果となる。
本発明に用いられるポリアミド樹脂とは、基本的に二塩基酸とジアミンの重縮合、アミノカルボン酸の重縮合、或いはラクタムの開環重合などの各種反応で得られるアミド結合を有する高分子の総称であり、各種の変性ポリアミドをはじめ、一部水素添加された反応物で製造されたもの、他のモノマーが一部共重合された製造物、或いは各種添加剤などの他の物質が混合されたものなどを含む広い概念である。
バインダー樹脂としては、体積抵抗率と基材への密着性の観点からポリエステル樹脂が好ましい。体積抵抗率は、(熱)プレス中の樹脂分が流動しやすいため良好な結果となる。
ポリエステル樹脂は、単量体として多価カルボン酸と多価アルコールより構成される重合体である。ポリエステル樹脂は、公知のものが採用できる。 ポリエステル樹脂を構成する多価カルボン酸成分としては、例えば、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、3価以上のカルボン酸等が挙げられ、これらの中から1種または2種以上を選択し使用できる。一方、ポリエステル樹脂を構成する多価アルコール成分としては、脂肪族グリコール、エーテルグリコール類、3価以上のポリアルコール等が挙げることができ、これらの中から1種、又はそれ以上を選び使用できる。ポリエステル樹脂の市販品としてはバイロン(東洋紡株式会社製、「バイロン」は登録商標)、ポリエスター(日本合成化学工業株式会社製、「ポリエスター」は登録商標)、テスラック(日立化成ポリマー株式会社製、「テスラック」は登録商標)などが挙げられる。
熱化学電池電極用導電性組成物は、材料(A)と、バインダー樹脂(B)とを含み、材料(A)の全表面がバインダー樹脂(B)で覆われることなく活性点が露出できているため、目的とする酸化還元反応に対して反応活性点が効果的に機能できる。
次に、溶剤について説明する。導電性組成物中の材料(A)と、バインダー樹脂(B)を均一に混合する場合、溶剤を適宜用いることが出来る。そのような溶剤としては、有機溶剤や水を挙げることが出来る。
有機溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類などの内から導電性組成物の組成に応じ適当なものが使用できる。また、溶剤は2種以上用いてもよい。
尚、スクリーン印刷などの導電性組成物に一定以上の粘性が要求される印刷塗工方式を採用する場合、有機溶剤の25℃で粘度は、30mPa・s~75000mPa・sが好ましい。上記範囲内であれば、高い導電性と塗工に適した分散性を両立することができる。
例えば、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、1、3-ブチレングリコール、イソボルニルシクロヘキサノールが挙げられる。ここで示すところの高粘度溶剤は、二種以上用いて良いし、メチルエチルケトン、トルエン、イソプロピルアルコールのような25℃の時の粘度が30mPa・s未満の低粘度溶剤と併用して使用することも可能である。
導電性組成物を得る際に用いることができる装置としては、顔料分散等に通常用いられている分散機、混合機が使用できる。
例えば、ディスパー、ホモミキサー、若しくはプラネタリーミキサー等のミキサー類;エム・テクニック社製「クレアミックス」、若しくはPRIMIX社「フィルミックス」等のホモジナイザー類;ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、若しくはコボールミル等のメディア型分散機;湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS-5」、若しくは奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機;または、その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の導電性組成物を用いて電極を製造する場合、導電性組成物を、使用用途に応じて紙、プラスチック等の基材の片面または両面上に、スクリーン印刷、ロータリースクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、オフセット印刷、凸版印刷、インクジェット、キャスト法等の通常の印刷方式により印刷または自立膜を形成することができる。
・表面末端窒素: X線分光分析(XPS) (島津/KRATOS社製AXIS-HS)
・BET比表面積の測定: 窒素吸着量測定(マイクロトラック・ベル社製BELSORP-mini)
・X線回折:全自動水平型多目的X線回折装置(リガク社製Smartlab)
・RC、RN、RM: C H N 元素分析(パーキンエルマー社製2400型CHN元素分析装置)、ICP発光分光分析(SPECTRO社製SPECTROARCOSFHS12)
<重量平均分子量(Mw)の測定方法>
Mwの測定は東ソー株式会社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「HPC-8020」を用いた。測定は、溶離液にテトラヒドロフラン(THF)、カラムに「LF-604」(昭和電工株式会社製:迅速分析用GPCカラム:6mmID×150mmサイズ)を直列に2本接続して用い、流量0.6ml/分、カラム温度40℃の条件で行い、重量平均分子量(Mw)の決定は、分子量既知のポリスチレン換算で行った。
共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持した。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。酸価は次式により求めた(単位:mgKOH/g)。酸価(mgKOH/g)=(5.611×a×F)/S
ただし、
S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解した。更にアセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を正確に5ml加え、約1時間攪拌した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続した。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。
水酸基価は次式により求めた(単位:mgKOH/g)。
水酸基価(mgKOH/g)=[{(b-a)×F×28.05}/S]+D
ただし、
S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
メトラー・トレド(株)製「DSC-1」を使用し、-80~150℃まで2℃/分で昇温して測定した。
[製造例1]
グラフェンナノプレートレットxGnP-C-750(XGsciences社製)と鉄フタロシアニンP-26(山陽色素社製)を、質量比1/0.5(グラフェンナノプレートレット/鉄フタロシアニン)となるようにそれぞれ秤量し、乾式混合を行い、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理を行い、材料(A-1)を得た。
ケッチェンブラックEC-600JD(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)とコバルトフタロシアニン( 東京化成社製) を、質量比1/0.5(ケッチェンブラック/コバルトフタロシアニン)となるようにそれぞれ秤量し、乾式混合を行い、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、700℃で2時間熱処理を行い、材料(A-2)を得た。
カーボンナノチューブVGCF-H(昭和電工社製)と鉄フタロシアニン(山陽色素社製) を、質量比1/0.5(カーボンナノチューブ/ 鉄フタロシアニン)となるようにそれぞれ秤量し、乾式混合を行い、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃ で2時間熱処理を行い、材料(A-3)を得た。を得た。
クノーベルMJ(4)150(東洋炭素社製)と鉄フタロシアニン(山陽色素社製)を
、質量比1/0.5(クノーベル/鉄フタロシアニン)となるようにそれぞれ秤量し、乾式混合を行い、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃ で2時間熱処理を行い、材料(A-4)を得た。
フェノール樹脂(群栄化学社製 PSM―4326)と鉄フタロシアニンP-26(山陽色素社製)を質量比3.3:1で秤量し、アセトン中で湿式混合した。上記混合物を減圧留去した後、乳鉢で粉砕し、前駆体とした。上記前駆体粉末をアルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、600℃ で2時間熱処理を行い、炭素焼結体(1)を得た。上記炭素焼結体(1)を濃塩酸中でリスラリーし、静置させ、炭素焼結体(1) 沈殿後、上澄み液を除去した。上記操作を上澄みの着色がなくなるまで、繰り返し行い、ろ過、水洗、乾燥した後、乳鉢で粉砕し、アルミナ製るつぼに充填、電気炉にてアンモニア雰囲気下、800℃ で1時間熱処理し、炭素焼結体(2)を得た。上記炭素焼結体(2)を濃塩酸中でリスラリーし、静置させ、炭素焼結体沈殿後、上澄み液を除去した。上記操作を上澄みの着色がなくなるまで、繰り返し行った後、ろ過、水洗、乾燥し、乳鉢で粉砕し、材料(A-5)を得た。
ポリビニルピリジン(PVP、アルドリッチ社製) をジメチルホルムアミドに溶解させ、PVPに対して質量比2:1の塩化鉄六水和物を加え、室温で24時間攪拌し、ポリビニルピリジン鉄錯体を得た。上記ポリビニルピリジン鉄錯体を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理を行い、得られた炭化物を乳鉢にて粉砕し材料(A-6)を得た。
ポリビニルピリジン(PVP、アルドリッチ社製)をジメチルホルムアミドに溶解させ、PVPに対して質量比2:1の塩化鉄六水和物を加え、室温で24時間攪拌し、ポリビニルピリジン鉄錯体を得た。上記ポリビニルピリジンとケッチェンブラック(ライオン社製EC-600JD)を、質量比1:1で秤量し、乳鉢にて乾式混合を行い前駆体とした。上記前駆体粉末を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理を行い、得られた炭化物を乳鉢にて粉砕し材料(A-7)を得た。
グラフェンナノプレートレットxGnP-C-750(XGsciences社製)を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にてアンモニア窒素雰囲気下、1000℃で2時間熱処理を行い、材料(A-8)を得た。
ガラス瓶にイオン交換水90部と、塩化鉄(II)四水和物0.2部、銅フタロシアニン誘導体SOLSPERSE12000(日本ルーブリゾール社製)3.2部を秤量し均一な水溶液を作製後、グラフェンナノプレートレットxGnP-C-750(XGsciences社製)6.6部を加え、更にメディアとしてジルコニアビーズを添加した後に、ペイントシェーカー(ミツワテック社製:スキャンデックスSK450)で分散し、前駆体混合ペーストを得た。この前駆体混合ペーストをロータリーエバポレータにて減圧留去し、得られた固形分を乳鉢で細かく粉砕し、均一な前駆体粉末を得た。得られた前駆体粉末を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理を行い、材料(A-9)を得た。
[製造例10]
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、テレフタル酸とアジピン酸と3-メチル-1,5-ペンタンジオールとから得られるポリエステルポリオール((株)クラレ製「クラレポリオールP-2011」、Mn=2011)455.5部、ジメチロールブタン酸16.5部、イソホロンジイソシアネート105.2部、トルエン140部を仕込み、窒素雰囲気下90℃3時間反応させ、これにトルエン360部を加えてイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、イソホロンジアミン19.9部、ジ-n-ブチルアミン0.63部、2-プロパノール294.5部、トルエン335.5部を混合したものに、得られたイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー溶液969.5部を添加し、50℃で3時間続いて70℃2時間反応させ、トルエン126部、2-プロパノール54部で希釈後、取り出し、真空乾燥することで、Mw=61,000、酸価=10mgKOH/g、ウレタンプレポリマーの両末端に有する遊離のイソシアネート基に対してポリアミノ化合物および反応停止剤中のアミノ基の合計当量は0.98である、ポリウレタン樹脂のバインダー樹脂(B-1)を得た。
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、多塩基酸化合物としてプリポール1009を156.2g、5-ヒドロキシイソフタル酸を5.5g、ポリアミン化合物としてプリアミン1074を146.4g、イオン交換水を100g仕込み、発熱の温度が一定になるまで撹拌した。温度が安定したら110℃まで昇温し、水の流出を確認してから、30分後に温度を120℃に昇温し、その後、30分ごとに10℃ずつ昇温しながら脱水反応を続けた。温度が230℃になったら、そのままの温度で3時間反応を続け、約2kPaの真空下で、1時間保持し、温度を低下させた。最後に、酸化防止剤を添加し、重量平均分子量24000、酸価13.2KOHmg/g、水酸基価5.5KOHmg/g、ガラス転移温度―32℃のポリアミド樹脂のバインダー樹脂(B-2)を得た。
[実施例1]
材料(A-1)9.6部、水性液状媒体として水49.2部、更に増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液40部(固形分2%)をミキサーに入れて混合し、更にサンドミルに入れて分散した。その後、バインダー樹脂としてエマルション型アクリル樹脂分散溶液(トーヨーケム社製:W―168)4部(固形分50%)を加えミキサーで混合し、熱化学電池電極用導電性組成物(1)を得た。
得られた熱化学電池電極用導電性組成物(1)をテフロン(登録商標)容器に注ぎ入れ、80℃1時間乾燥し、その後100℃3時間で乾燥させ、導電膜を得た。この際、硬化後の膜厚が60μmになるように導電性組成物の量を調整した。得られた導電膜をφ16mmの円板状に打ち抜き電極とした。
アルゴン雰囲気で満たされたグローブボックス中でSUS316製のケースを用い、上記で得られた電極2枚の間にポリプロピレン製のセパレータを介し、さらに電解液として、0.5M K3[Fe(CN)6]/ K4[Fe(CN)6]・3H2Oの水溶液を注入してCR2032型のコイン型電池を作製した。
材料(A)、バインダー樹脂、をそれぞれ表2に記載した種類、量に変更した以外は、実施例1と同様の方法で電極およびコイン型電池を得た。
材料(A-1)12部、バインダー樹脂(B-1)2.9部、溶剤としてN-メチルピロリドンを29.5部、をミキサーに入れて混合し、更にサンドミルに入れて分散を行い、熱化学電池電極用導電性組成物(10)を得た。得られた熱化学電池電極用導電性組成物(10)に対し、実施例1と同様にして、電極、コイン型電池の作製を行った。
材料(A)、バインダー樹脂、をそれぞれ表2に記載した種類、量に変更した以外は、実施例10と同様の方法で電極およびコイン型電池を得た。
PEDOT/PSS溶液 オルガコンS315(日本アグファケミカルズ社製)をテフロン(登録商標)容器に注ぎ入れ、80℃1時間乾燥し、更に150℃3時間で乾燥させ、導電膜を得た。この際、乾燥後の膜厚が60μmになるように導電性組成物の量を調整した。得られた導電膜をφ16mmの円板状に打ち抜き電極とした。更に、実施例1同様にして、コイン型電池を作製した。
電極の体積抵抗率は、ロレスタGP(三菱化学アナリテック社製)を用いて4端子法で測定(JIS-K7194)して判定した。評価結果を表1に示す。
◎◎:「体積抵抗率が3.5×10-3Ω・cm未満(非常に極めて良好)」
◎〇:「体積抵抗率が3.5×10-3Ω・cm以上、4×10-3Ω・cm未満(非常に極めて良好)」
◎:「体積抵抗率が4×10-3Ωcm以上、5×10-3Ω・cm未満(極めて良好)」
○:「体積抵抗率が5×10-3Ω・cm以上、1×10-2Ω・cm未満(良好)」
○△:「体積抵抗率が1×10-2Ω・cm以上、5×10-2Ω・cm未満(使用範囲内)」
△:「体積抵抗率が5×10-2Ω・cm以上、1×10-1Ω・cm未満(不良)」
×:「体積抵抗率が1×10-1Ω・cm以上(極めて不良)」
耐湿熱試験前の体積抵抗率に対する耐湿熱試験後の体積抵抗率の上昇率(変化率)で評価した。以下に評価方法を示す。作製した電極を小型環境試験器(エスペック株式会社:型番SH-661)に投入し、温度60℃、相対湿度90%で5000時間保管して耐湿熱試験を行った後、上記と同様に体積抵抗率の測定を行った。
◎:体積抵抗率の上昇率が10%未満(極めて良好)
〇:体積抵抗率の上昇率が10%以上20%未満(良好)
△:体積抵抗率の上昇率が20%以上30%未満(使用範囲内)
×:体積抵抗率の上昇率が30%以上(極めて不良)
上記コイン型電池を用いて、電池の出力測定を実施した。25℃の屋内で、65℃に加熱したホットプレート上にコイン型電池を置き、コイン型電池の上下で40℃の温度差をつけた。次に、陽極側、陰極側にソースメータをつなぐことで電圧値、電流値を測定し、出力を求めた。
◎◎:電池出力が15μW以上(極めて良好)
◎:電池出力が10μW以上15μW未満(良好)
〇:電池出力が5μW以上10μW未満(使用範囲内)
△:電池出力が5μW未満(不良)
<バインダー樹脂(B)>
・B-1:ポリウレタン樹脂(製造例10で得られたポリウレタン樹脂)
・B-2:ポリアミド樹脂(製造例11で得られたポリアミド樹脂)
・B-3:ポリエステル樹脂 バイロンGK130(東洋紡社製)
・B-4:(メタ)アクリル樹脂 NeoCryl B-728(楠本化成社製)
・B-5:ポリアクリロニトリル樹脂 製品No.181315(Sigma―Ald
rich社製)
Claims (9)
- 縮合多環六角網面を有する材料(A)とバインダー樹脂(B)を含んでなる熱化学電池電極用導電性組成物であって、縮合多環六角網面の構成元素として炭素元素およびヘテロ元素を含んでなり、構成元素の主成分が炭素元素であり、ヘテロ元素として窒素元素を含んでなる熱化学電池電極用導電性組成物。
- X線光電子分光法(XPS)によって測定された、縮合多環六角網面を有する材料(A)表面の全原子に対する窒素原子のモル比をNとし、縮合多環六角網面を有する材料(A)表面の全窒素原子量に対する、N1型窒素原子量の割合とN2型窒素原子量の割合をそれぞれ、N1、N2としたとき、式:N×(N1+N2)で求められる表面末端窒素原子の割合が0.5~25%である請求項1記載の熱化学電池電極用導電性組成物。
- さらに、構成元素として卑金属元素を含んでなる、請求項1または2記載の熱化学電池電極用導電性組成物。
- 卑金属元素が、Coおよび/またはFeを含んでなる請求項3記載の熱化学電池電極用導電性組成物。
- 全構成原子に対する、炭素原子のモル比および窒素原子のモル比をそれぞれ、RCおよびRNとしたとき、RCに対するRNの割合が1~40%である請求項1~4いずれか記載の熱化学電池電極用導電性組成物。
- 全構成原子に対する、炭素原子のモル比、窒素原子のモル比および卑金属原子のモル比をそれぞれ、RC、RNおよびRMとしたとき、RCに対するRNの割合が1~40%であり、RCに対するRMの割合が0.01~20%である請求項3~5いずれか記載の熱化学電池電極用導電性組成物。
- 縮合多環六角網面を有する材料(A)の窒素を吸着種としたBET比表面積(BETN2)が、50~1200m2/gである請求項1~6いずれか記載の熱化学電池電極用導電性組成物。
- 縮合多環六角網面を有する材料(A)のCuKα線を用いて得られるX線回折図において、回折角(2θ)が24~27°の範囲内にピークを有し、該ピークの半値幅が8°以下である請求項1~7いずれか記載の熱化学電池電極用導電性組成物。
- さらに、溶剤を含んでなる請求項1~8いずれか記載の熱化学電池電極用導電性組成物。
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