詳細な説明
定義
特に定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本発明の実施または試験では、本明細書に記載されるものと類似または同等の任意の方法および材料を使用し得るが、好ましい方法、デバイスおよび材料を次に記載する。本明細書で引用されるすべての技術的刊行物および特許公報は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書におけるいかなるものも、先行発明によるこのような開示に本発明が先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。
特に指示がない限り、本発明の実施は、当技術分野の技術範囲内の組織培養、免疫学、分子生物学、微生物学、細胞生物学および組換えDNAの従来の技術を用いる。例えば、Sambrook and Russell eds.(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rdedition;the series Ausubelら、eds.(2007)Current Protocols in Molecular Biology;the series Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.,N.Y.);MacPhersonら、(1991)PCR 1:A Practical Approach(IRL Press at Oxford University Press);MacPhersonら、(1995)PCR 2:A Practical Approach;Harlow and Lane eds.(1999)Antibodies,A Laboratory Manual;Freshney(2005)Culture of Animal Cells:A Manual of Basic Technique,5thedition;Gait ed.(1984)Oligonucleotide Synthesis;米国特許第4,683,195号;Hames and Higgins eds.(1984)Nucleic Acid Hybridization;Anderson(1999)Nucleic Acid Hybridization;Hames and Higgins eds.(1984)Transcription and Translation;Immobilized Cells and Enzymes(IRL Press(1986));Perbal(1984)A Practical Guide to Molecular Cloning;Miller and Calos eds.(1987)Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(Cold Spring Harbor Laboratory);Makrides ed.(2003)Gene Transfer and Expression in Mammalian Cells;Mayer and Walker eds.(1987)Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology(Academic Press,London);およびHerzenbergら、eds(1996)Weir’s Handbook of Experimental Immunologyを参照のこと。
範囲を含むすべての数字表示、例えばpH、温度、時間、濃度および分子量は近似であり、必要な場合には1.0もしくは0.1の増分で、またはあるいは+/-15%もしくはあるいは10%もしくあるいは5%もしくあるいは2%の変動で(+)または(-)に変動する。必ずしも明記に記述されているとは限らないが、すべての数字表示は、「約」という用語が前に付くことを理解すべきである。必ずしも明記に記述されているとは限らないが、本明細書に記載される試薬は単に例示的なものであり、このようなものの同等物は当技術分野で公知であることも理解すべきである。
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「a」、「an」および「the」という単数形は、文脈上特に明確な指示がない限り、複数の参照を含む。例えば、「ポリペプチド」という用語は、それらの混合物を含む複数のポリペプチドを含む。
本明細書で使用される場合、「含むこと(comprising)」という用語は、組成物および方法が、列挙されているエレメントを含むが他のものを除外しないことを意味することを意図する。組成物および方法を定義するために使用される場合の「から本質的になる」は、目的の用途のための組み合わせに対して任意の本質的に重要な他のエレメントを除外することを意味するものとする。したがって、本明細書で定義されるエレメントから本質的になる組成物は、単離および精製方法からの微量夾雑物ならびに薬学的に許容され得る担体、例えばリン酸緩衝食塩水、保存剤などを除外しない。「からなる」は、他の成分の微量元素および本発明の組成物を投与するための実質的な方法ステップを超えるものを除外することを意味するものとする。これらの各移行用語により定義される実施形態は、本発明の範囲内である。
「バイオフィルム」は、微生物が分泌するDNAなどのポリマーと一緒に、有機または無機の構造物であり得る構造物の表面に接着する微生物の薄層を意図する。それらは、マクロビオティックおよび抗菌剤に対して非常に耐性である。それらは、歯肉組織、歯および修復物に生息し、歯周プラーク疾患としても公知の齲歯および歯周病を引き起こす。それらはまた、慢性中耳感染症を引き起こす。バイオフィルムはまた、歯科インプラント、ステント、カテーテルラインおよびコンタクトレンズの表面上に形成し得る。それらは、ペースメーカー、心臓弁置換物、人工関節および他の外科インプラント上で成長する。Centers for Disease Control)は、院内感染(病院内感染)の65%超がバイオフィルムにより引き起こされると推定する。真菌バイオフィルムはまた、医療デバイスを頻繁に汚染する。それらは慢性膣感染症を引き起こし、妨げられた免疫系(hobbled immune system)を有する人々において生命を脅かす全身感染症をもたらす。バイオフィルムはまた、多数の疾患に関与する。例えば、嚢胞性線維症患者は、抗生物質耐性バイオフィルムをもたらすことが多いシュードモナス感染症を有する。
「阻害すること、競合することまたは滴定すること」という用語は、DNA/タンパク質マトリックスの形成の減少を意図する。
「DNA BIIポリペプチドまたはタンパク質」は、DNA結合ドメインから構成されるDNA結合タンパク質またはポリペプチドであって、したがって、微生物DNAに対する特異的または一般的な親和性を有するDNA結合タンパク質またはポリペプチドを意図する。一態様では、それらは、副溝でDNAに結合する。DNABIIタンパク質の非限定的な例は、組み込み宿主因子(IHF)タンパク質である。バイオフィルムに関連し得る他のDNA結合タンパク質としては、DPS(Genbankアクセッション番号:CAA49169)、H-NS(Genbankアクセッション番号:CAA47740)、Hfq(Genbankアクセッション番号:ACE63256)、CbpA(Genbankアクセッション番号:BAA03950)およびCbpB(Genbankアクセッション番号:NP_418813)が挙げられる。
DNABIIファミリーは、核様体関連タンパク質(NAP)と称されるタンパク質のクラスのメンバーであり、細胞内細菌核様体を部分的に形成する細菌タンパク質である(Browningら、(2010)Curr.Opin.Microbiol.13:773-780)。加えて、このファミリーは遍在的であり、事実上すべての真正細菌により発現される。これまでに特性評価されたすべてのファミリーメンバーは、サブユニットのホモ二量体またはヘテロ二量体のいずれかとして機能する。前記ファミリーは、HU(ヒストン様タンパク質)およびIHF(組み込み宿主因子)の2つのタイプに分けられる。これらのファミリーメンバー間の主な差異は、HUは配列非依存的にDNAに結合するが、IHFはコンセンサス配列(WATCAANNNNTTR、ここで、WはAまたはTであり、Rはプリンであり、Nは、属全体で保存されている任意の塩基である(Swingerら、(2004)Curr.Opin.Struct.Biol.14:28-35)に結合することである。すべてのDNABIIタンパク質はDNAに結合してそれをかなり屈曲させ、例えば、大腸菌IHFは、DNAを仮想Uターンに屈曲させ得る(Riceら、(1996)Cell 87:1295-1306)。加えて、すべてのファミリーメンバーは、プレベントまたは湾曲DNA構造、例えばホリデイジャンクション(DNA組換えの中心となる十字型様構造)に対する選好性を有する。実際、DNABIIタンパク質は、遺伝子発現、組換え、修復および複製を含むすべての細胞内DNA機能を促進するアクセサリー因子として機能する(Swingerら、(2004)Curr.Opin.Struct.Biol.14:28-35)。
「IHF」タンパク質の「組み込み宿主因子」は、バクテリオファージがそれらのDNAを宿主細菌に組み込むために使用する細菌タンパク質である。それらはまた、細胞外微生物DNAに結合する。大腸菌におけるIHFタンパク質サブユニットをコードする遺伝子は、himA(Genbankアクセッション番号:POA6X7.1)およびhimD(POA6Y1.1)遺伝子である。これらの遺伝子のホモログは他の生物に見られる。
「HMGB1は、DNAの副溝に結合してそれを歪曲させると報告されている高移動度群ボックス(HMGB)1タンパク質であり、干渉剤の例である。組換えまたは単離されたタンパク質およびポリペプチドは、Atgenglobal、ProSpecBio、Protein1およびAbnovaから市販されている。
「HU」は、典型的には大腸菌に関連するヘテロ二量体タンパク質のクラスを指す。HUタンパク質は、DNA接合部に結合することが公知である。関連タンパク質は他の微生物から分離されている。大腸菌HUの完全なアミノ酸配列は、Laineら、(1980)Eur.J.Biochem.103(3):447-481により報告された。HUタンパク質に対する抗体はAbcamから市販されている。
本明細書で使用される場合、ESKAPE病原体は、Enterococcus faecium、Staphylococcus aureus、Klebsiella pneumoniae、Acinetobacter baumannii、Pseudomonas aeruginosaおよびEnterobacter種を含む。これらの病原体は、世界中で院内感染の主な原因である。
「Haemophilus influenzae」という用語は、例えば、多くの異なる感染症、例えば耳感染症、眼感染症および副鼻腔炎を引き起こし得る病原性細菌を指す。「Haemophilus influenzae」の多くの異なる株が単離されており、IhfA遺伝子またはタンパク質を有する。「Haemophilus influenzae」の異なる株のいくつかの非限定的な例としては、Rd KW20、86-028NP、R2866、PittGG、PittEE、R2846および2019が挙げられる。
RuvABCは、分岐点移動を媒介し、細菌における相同組換え中に作られたホリデイジャンクションを分解する3つのタンパク質の複合体である。RuvAおよびRuvBは、ホリデイジャンクション中間体で形成された四本鎖DNA構造に結合し、推定スプーリング機構を使用して、鎖を相互に移動させる。RuvAB複合体は、二重鎖DNAの巻き戻しを支援するDNAヘリカーゼ活性を実行し得る。RuvAB複合体へのRuvCタンパク質の結合は、DNA鎖を切断し、それによりホリデイジャンクションを分解すると考えられる。
RuvAは、高い親和性でホリデイジャンクションに結合するDNA結合タンパク質である。前記複合体は、1つまたは2つのRuvA四量体のいずれかからなり、電荷で覆われている溝があり、その溝を通って流入DNAが運ばれると考えられる。前記構造はまた、四量体の中心におけるいわゆる「酸性ピン」(これは、DNA二重鎖を分離するように機能する)の存在を示した。
RuvBは、DNAの存在下でのみ活性なATPaseであり、RuvAと比較して、RuvBはDNAに対する低い親和性を有する。RuvBタンパク質は、新たに形成されたDNA二重鎖の出口点で六量体環を形成すると考えられ、それらは、RuvA四量体を介して新たなDNAを「スプール」することが提案されている。
RuvCは、ホリデイジャンクションを切断するレゾルバーゼである。RuvCタンパク質は溶液中で二量体を形成することが示されており、その構造は2.5Aで解明されている。それは、単一のRuvA四量体のDNA露出開口面に結合するか、または2つの四量体の1つを置き換えると考えられる。結合は、RuvC上の非構造化ループ(これは、結合RuvA上で構造化される)により媒介されることが提案されている。RuvCは、いずれかの方向で複合体に結合され得るので、水平的または垂直的にホリデイジャンクションを分解する。
RusAは、相同遺伝子組換えおよびDNA修復中に作製されたホリデイジャンクション中間体を分解するエンドヌクレアーゼ(dndonuclease)である。それは、4方向DNA接合部の配列および構造選択的切断を示し、CCジヌクレオチドの5’側の同じ極性の2本の鎖に対称的なニックを導入する。それはまた、ruvABまたはruvCの不活性化に関連する遺伝子組換えおよびDNA修復の欠陥を修正する。タンパク質の配列および変異分析は、2019年9月22日に最終アクセスされたwww.uniprot.org/uniprot/P0AG74に開示されている。
「微生物DNA」は、バイオフィルムを産生する微生物由来の一本鎖または二本鎖DNAを意図する。
バイオフィルムを「阻害すること、防止することまたは破壊すること」は、バイオフィルムの構造の予防もしくは減少または治療的減少を意図する。一態様では、予防は除外され、バイオフィルムの構造の減少のみである。
「干渉剤」は、バイオフィルム構造の競合、阻害、防止のいずれか1つまたはそれよりも多くを行う薬剤を意図する。
「ベントポリヌクレオチド」は、他の鎖と対形成しない1本の鎖上に小さなループを含有する二本鎖ポリヌクレオチドを意図する。いくつかの実施形態では、ループは、1塩基~約20塩基長、もしくはあるいは2塩基~約15塩基長、もしくはあるいは約3塩基~約12塩基長、もしくはあるいは約4塩基~約10塩基長であるか、またはあるいは約4、5、もしくは6、もしくは7、もしくは8、もしくは9、もしくは10個の塩基を有する。
ホリデイジャンクション(HJ)は、遺伝情報のセグメントを交換するために、遺伝子組換えの過程中に、2本の二本鎖DNA分子が4本の鎖に分離されると形成する十字状構造である。相同組換えは減数分裂中に起こり、相同染色体対の母系染色分体と父系染色分体との間の遺伝子の交換を特徴とする。類似の塩基配列の長いストレッチを有する2つの親DNA分子は一本鎖に分離され、四本鎖DNA構造につながる塩基対形成をもたらす。ホリデイジャンクションは、1本の鎖を「解離」させて第2鎖上に水素結合を再形成することにより、DNA二重鎖に沿って移動する。
診断または処置の「被験体」は、細胞または動物、例えば哺乳動物またはヒトなどである。診断または処置に供される非ヒト動物は、感染を受けるものまたは動物モデル、例えばサル、ネズミ、例えばラット、マウス、チンチラ、イヌ科動物、例えばイヌ、ウサギ科動物、例えばウサギ、家畜、スポーツ動物およびペットである。一態様では、被験体は、小児または幼児被験体である。
「タンパク質」、「ペプチド」および「ポリペプチド」という用語は互換的に使用され、それらの最も広範な意味では、2つまたはそれを超えるサブユニットアミノ酸、アミノ酸類似体またはペプチド模倣物の化合物を指す。サブユニットは、ペプチド結合により連結され得る。別の実施形態では、サブユニットは、他の結合、例えばエステル、エーテルなどにより連結され得る。タンパク質またはペプチドは、少なくとも2つのアミノ酸を含有しなければならず、アミノ酸の最大数について制限はなく、タンパク質またはペプチド配列を含み得る。本明細書で使用される場合、「アミノ酸」という用語は、グリシンならびにDおよびL光学異性体の両方、アミノ酸類似体ならびにペプチド模倣物を含む天然および/もしくは非天然または合成アミノ酸のいずれかを指す。
「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」という用語は互換的に使用され、任意の長さのポリマー形態のヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドのいずれかまたはそれらの類似体を指す。ポリヌクレオチドは任意の三次元構造を有し得、任意の公知または未知の機能を実行し得る。以下は、ポリヌクレオチドの非限定的な例である:遺伝子または遺伝子断片(例えば、プローブ、プライマー、ESTタグまたはSAGEタグ)、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボソームRNA、RNAi、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分枝ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離されたDNA、任意の配列の単離されたRNA、核酸プローブおよびプライマー。ポリヌクレオチドは、改変ヌクレオチド、例えばメチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチド類似体を含み得る。存在する場合、ヌクレオチド構造への改変は、ポリヌクレオチドのアセンブリの前にまたはその後に付与され得る。非ヌクレオチド構成成分がヌクレオチドの配列の途中に挿入されていてよい。ポリヌクレオチドは、重合後に、例えば、標識構成成分とのコンジュゲーションによりさらに改変され得る。この用語はまた、二本鎖および一本鎖分子の両方を指す。特に指定または要求がない限り、ポリヌクレオチドである本発明の任意の実施形態は、二本鎖形態と、二本鎖形態を構成することが公知であるかまたは予測される2つの各相補的一本鎖形態との両方を包含する。
ポリヌクレオチドは、4つのヌクレオチド塩基:アデニン(A);シトシン(C);グアニン(G);チミン(T);およびポリヌクレオチドがRNAである場合にはチミンに代えてウラシル(U)の特定の配列から構成される。したがって、「ポリヌクレオチド配列」という用語は、ポリヌクレオチド分子のアルファベット表示である。このアルファベット表示は、中央処理装置を有するコンピュータにおけるデータベースに入力され、バイオインフォマティクス用途、例えば機能ゲノミクスおよび相同性検索ために使用され得る。
DNAまたはRNAなどの核酸に関して本明細書で使用される場合、「単離された」または「組換え」という用語は、高分子およびポリペプチドの天然供給源に存在するそれぞれ他のDNAまたはRNAから分離された分子を指す。「単離されたまたは組換え核酸」という用語は、断片として天然に存在しない核酸断片であって、天然状態で見出されない核酸断片を含むことを意図する。「単離された」という用語はまた、本明細書では、他の細胞タンパク質から単離されたポリヌクレオチド、ポリペプチドおよびタンパク質を指すために使用され、精製および組換えポリペプチドの両方を包含することを意図する。他の実施形態では、「単離されたまたは組換え」という用語は、細胞、組織、ポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体またはその断片(複数可)が天然で通常付随する構成要素、細胞などから分離されていることを意味する。例えば、単離された細胞は、異なる表現型または遺伝子型の組織または細胞から分離された細胞である。単離されたポリヌクレオチドは、そのネイティブまたは天然環境で、例えば染色体上で通常付随する3’および5’近接ヌクレオチドから分離されている。当業者には明らかであるように、天然に存在しないポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体またはその断片は、それをその天然に存在するカウンターパートと区別するために「単離」を必要としない。
明示的な記載がなく、特に意図がない限り、本発明がポリペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチドまたは抗体に関する場合、このようなものの同等物または生物学的同等物は本発明の範囲内であると推定されるべきである。本明細書で使用される場合、「その生物学的同等物」は、参照のタンパク質、抗体、ポリペプチドまたは核酸に言及する場合の「その同等物」と同義であることを意図し、所望の構造または機能性を依然として維持しながら最小の相同性を有するものを意図する。特に本明細書に具体的な記載がない限り、本明細書で言及される任意のポリヌクレオチド、ポリペプチドまたはタンパク質はまた、その同等物を含むことが企図される。例えば、同等物は、少なくとも約80%の相同性または同一性、あるいは少なくとも約85%、またはあるいは少なくとも約90%、またはあるいは少なくとも約95%、またはあるいは98%パーセントの相同性または同一性を意図し、参照タンパク質、ポリペプチドまたは核酸と実質的に同等の生物学的活性を示す。
別の配列と特定のパーセンテージ(例えば、80%、85%、90%または95%)の「配列同一性」を有するポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド領域(またはポリペプチドもしくはポリペプチド領域)は、アラインメントされた場合に、塩基(またはアミノ酸)のパーセンテージが、2つの配列の比較において同じであることを意味する。アラインメントおよび相同性または配列同一性のパーセントは、当技術分野で公知のソフトウェアプログラム、例えば、Current Protocols in Molecular Biology(Ausubelらeds.1987)Supplement 30,section 7.7.18,Table 7.7.1に記載されているものを使用して決定され得る。好ましくは、デフォルトパラメータがアラインメントに使用される。好ましいアラインメントプログラムは、デフォルトパラメータを使用したBLASTである。特に、好ましいプログラムは、以下のデフォルトパラメータを使用したBLASTNおよびBLASTPである:遺伝コード=標準;フィルタ=なし;鎖=両方;カットオフ=60;期待値=10;マトリックス=BLOSUM62;表示=50配列;ソート=HIGH SCORE;データベース=非冗長性、GenBank+EMBL+DDBJ+PDB+GenBank CDS translations+SwissProtein+SPupdate+PIR。これらのプログラムの詳細は、以下のインターネットアドレス:ncbi.nlm.nih.gov/cgi-bin/BLASTに見出し得る。
「相同性」または「同一性」または「類似性」は、2つのペプチド間または2つの核酸分子間の配列類似性を指す。相同性は、比較目的でアラインメントされ得る各配列中の位置を比較することにより決定され得る。比較配列中の位置が同じ塩基またはアミノ酸により占有される場合、それらの分子は、その位置において相同である。配列間の相同性の程度は、それらの配列により共有される一致または相同位置の数の関数である。「非関連」または「非相同」配列は、本発明の配列の1つと40%未満の同一性またはあるいは25%未満の同一性を共有する。
本明細書で使用される場合、「検出可能な標識」という用語は、「標識」組成物を生成するために、検出すべき組成物に直接的または間接的にコンジュゲートされた直接的または間接的に検出可能な化合物または組成物、例えばN末端ヒスチジンタグ(N-His)、磁気的に活性な同位体、例えば115Sn、117Snおよび119Sn、非放射性同位体、例えば13Cおよび15N、ポリヌクレオチドまたはタンパク質、例えば抗体を意図する。この用語はまた、挿入配列の発現によりシグナルを提供するポリヌクレオチド、例えば緑色蛍光タンパク質(GFP)などにコンジュゲートされた配列を含む。標識は、それ自体により検出可能であり得るか(例えば、放射性同位体標識または蛍光標識)、または酵素標識の場合には、検出可能な基質化合物もしくは組成物の化学的変更を触媒し得る。標識は、小規模な検出に適切であり得るか、またはハイスループットスクリーニングのためにより適切であり得る。そのため、適切な標識としては、限定されないが、磁気的に活性な同位体、非放射性同位体、放射性同位体、蛍光色素、化学発光化合物、色素および酵素を含むタンパク質が挙げられる。標識は単に検出され得るか、またはそれは定量され得る。単に検出される反応は、一般に、その存在が単に確認される反応を含むが、定量される反応は、一般に、定量可能な(例えば、数値的に報告可能な)値、例えば強度、偏光および/または他の特性を有する反応を含む。発光または蛍光アッセイでは、検出可能な反応は、結合に実際に関与するアッセイ構成成分に関連する発光団もしくはフルオロフォアを使用して直接的に生成され得るか、または別の構成成分(例えば、レポーターまたは指示薬)に関連する発光団もしくはフルオロフォアを使用して間接的に生成され得る。シグナルを生成する発光標識の例としては、限定されないが、生物発光および化学発光が挙げられる。検出可能な発光反応は、一般に、発光シグナルの変化または出現を含む。アッセイ構成成分を発光標識するための適切な方法および発光団は当技術分野で公知であり、例えば、Haugland,Richard P.(1996)Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals(6thed)に記載されている。発光プローブの例としては、限定されないが、エクオリンおよびルシフェラーゼが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「発現」は、ポリヌクレオチドがmRNAに転写されるプロセス、および/または転写されたmRNAが続いてペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質に翻訳されるプロセスを指す。ポリヌクレオチドがゲノムDNAに由来する場合、発現は、真核細胞におけるmRNAのスプライシングを含み得る。
ポリヌクレオチドに適用される場合、「コードする」という用語は、そのネイティブ状態において、または当業者に周知の方法により操作されると、転写および/または翻訳されてポリペプチドおよび/またはその断片のmRNAを産生し得る場合に、ポリペプチドを「コードする」と言われるポリヌクレオチドを指す。アンチセンス鎖はこのような核酸の相補体であり、コード配列はそれから推定され得る。
本明細書で使用される場合、「処置すること」、「処置」などの用語は、本明細書では、所望の薬理学的および/または生理学的効果を得ることを意味するために使用される。効果は、障害もしくはその兆候もしくは症状の完全なもしくは部分的な予防の点で予防的であり得、ならびに/または障害および/もしくは障害に起因する有害作用の部分的もしくは完全な治癒の点で治療的であり得る。
予防することは、障害または作用の素因がある系または被験体において、インビトロまたはインビボで障害または作用を予防することを意図する。このようなものの例は、バイオフィルムを産生することが公知の微生物を感染させた系において、バイオフィルムの形成を予防することである。
「組成物」は、活性剤と、アジュバントなど、不活性な(例えば、検出可能な剤または標識)または活性な別の化合物または組成物との組み合わせを意味することを意図する。
「医薬組成物」は、組成物をインビトロ、インビボまたはエクスビボにおける診断または治療用途に適したものにする活性剤と不活性または活性な担体との組み合わせを含むことを意図する。
「薬学的に許容され得る担体」は、本発明の組成物において使用され得る任意の希釈剤、賦形剤または担体を指す。薬学的に許容され得る担体としては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばホスフェート、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分的なグリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられる。適切な医薬担体は、この分野における標準の参照テキストであるRemington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Companyに記載されている。それらは、好ましくは、意図された投与形態、すなわち経口錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、シロップ剤などに関して選択され、従来の医薬実務と一致している。
注射用途に適切な医薬組成物は、(構成成分が水溶性である)滅菌水性液剤または分散液剤と、滅菌注射用液剤または分散液剤の即時調製のための滅菌粉剤・散剤(sterile powder)とを含み得る。静脈内投与の場合、適切な担体としては、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF,Parsippany,N.J.)またはリン酸緩衝食塩水(PBS)が挙げられる。すべての場合において、非経口投与のための組成物は滅菌でなければならず、容易な注射可能性が存在する程度に流動性でなければならない。それは、製造および保管の条件下で安定であるべきであり、細菌および真菌などの微生物の汚染作用から保護されなければならない。
経口組成物は、一般に、不活性希釈剤または食用担体を含む。経口治療投与の目的の場合、活性化合物は賦形剤と共に組み込まれ、錠剤、トローチ剤またはカプセル剤、例えばゼラチンカプセル剤の形態で使用され得る。経口組成物はまた、うがい薬として使用するために流体担体を使用して調製され得る。薬学的に適合性の結合剤および/またはアジュバント材料は、組成物の一部として含められ得る。錠剤、丸薬、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分または類似の性質の化合物:結合剤、例えば微結晶性セルロース、トラガカントガムもしくはゼラチン;賦形剤、例えばデンプンもしくはラクトース、崩壊剤、例えばアルギン酸、Primogelもしくはトウモロコシデンプン;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムもしくはSterotes;流動促進剤、例えばコロイド性二酸化ケイ素;甘味剤、例えばスクロースもしくはサッカリン;または香味剤、例えばペパーミント、サリチル酸メチルもしくはオレンジフレーバーのいずれかを含有し得る。
吸入による投与の場合、化合物は、適切な噴射剤、例えば二酸化炭素などのガスまたはネブライザーを含有する加圧容器またはディスペンサーからエアロゾルスプレーの形態で送達され得る。
本発明の「生物学的に活性な薬剤」または活性剤は、単離されたまたは組換えポリペプチド、単離されたまたは組換えポリヌクレオチド、ベクター、単離された宿主細胞または抗体、ならびにそれらの1つまたはそれよりも多くを含有する組成物の1つまたはそれよりも多くを意図する。
「投与」は、処置過程を通して1つの用量で連続的または断続的に行われ得る。投与の最も有効な手段および投与量を決定する方法は当業者に公知であり、治療に使用される組成物、治療の目的、処置されている標的細胞、および処置されている被験体により異なる。単回または複数回投与は、処置医師により選択される用量のレベルおよびパターンで行われ得る。適切な投与用製剤および薬剤の投与方法は当技術分野で公知である。投与経路もまた決定され得、最も有効な投与経路を決定する方法は当業者に公知であり、処置に使用される組成物、処置の目的、処置されている被験体の健康状態または疾患ステージ、および標的細胞または組織によって異なる。投与経路の非限定的な例としては、経口投与、経鼻投与、注射および局所適用が挙げられる。
本発明の薬剤は、任意の適切な投与経路による治療のために投与され得る。好ましい経路は、レシピエントの状態および年齢、ならびに処置されている疾患により異なることも認識されよう。
「有効量」という用語は、所望の効果を達成するために十分な量を指す。治療的または予防的用途の文脈では、有効量は、問題の状態のタイプおよび重症度、ならびに個々の被験体の特徴、例えば一般的健康、年齢、性別、体重および医薬組成物に対する耐性に依存する。免疫原性組成物の文脈では、いくつかの実施形態では、有効量は、病原体に対する防御反応をもたらすために十分な量である。他の実施形態では、免疫原性組成物の有効量は、抗原に対する抗体生成をもたらすために十分な量である。いくつかの実施形態では、有効量は、受動免疫をそれを必要とする被験体に付与するために必要な量である。免疫原性組成物に関して、いくつかの実施形態では、有効量は、上記要因に加えて、使用目的、特定の抗原性化合物の免疫原性の程度、および被験体の免疫系の健康/反応性に依存する。熟練技術者は、これらのおよび他の要因に応じて、適切な量を決定することができる。
インビトロ適用の場合、いくつかの実施形態では、有効量は、問題の適用のサイズおよび性質に依存する。本明細書で使用される場合、「接触させること」という用語は、薬剤と接触させることまたはそれに接触させることを意味する。それはまた、インビトロ標的の性質および感度ならびに使用の方法に依存する。当業者は、これらおよび他の検討事項に基づいて有効量を決定することができる。有効量は、実施形態に応じて、組成物の1回またはそれを超える投与を含み得る。
「コンジュゲート部分」という用語は、キメラポリペプチドの残基と共有結合を形成することにより、単離されたキメラポリペプチドに付加され得る部分を指す。部分は、キメラポリペプチドの残基に直接結合し得るか、またはキメラポリペプチドの残基と共有結合を形成するリンカーと共有結合を形成し得る。
「ペプチドコンジュゲート」は、1つまたはそれを超えるポリペプチドと別の化学的化合物または生物学的化合物との共有結合または非共有結合による会合を指す。非限定的な例では、化学的化合物とのポリペプチドの「コンジュゲーション」は、その意図する目的でポリペプチドの安定性または有効性の改善をもたらす。一実施形態では、ペプチドは担体にコンジュゲートされ、担体は、リポソーム、ミセルまたは薬学的に許容され得るポリマーである。
「リポソーム」は、同心脂質二重層からなる微細小胞である。構造的に、リポソームは、数百オングストロームから数ミリメートルの寸法を有する長い管から球体までのサイズおよび形状の範囲である。小胞形成性脂質は、外層の脂質組成を提供する特定の程度の流動性または剛性の最終複合体を達成するように選択される。これらは、中性(コレステロール)または双極性であり、リン脂質、例えばホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルイノシトール(PI)およびスフィンゴミエリン(SM)および他のタイプの双極性脂質、限定されないが、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)を含み、炭化水素の鎖長は14~22の範囲内であり、飽和されているかまたは1つもしくはそれを超える二重C=C結合を有する。単独で、または他の脂質構成成分と組み合わせて安定リポソームを産生することができる脂質の例は、リン脂質、例えば水素化大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、レシチン、ホスファチジルエタノールアミン、リゾレシチン、リゾホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、セファリン、カルジオリピン、ホスファチジン酸、セレブロシド、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、パルミトイルオレオイルホスファチジルエタノールアミン(POPE)およびジオレオイルホスファチジルエタノールアミン4-(N-マレイミド-トリエチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(DOPE-mal)である。リポソームに組み込まれ得るさらなる非リン含有脂質としては、ステアリルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、アルキル-アリールスルフェート、アセチルパルミテート、グリセロールリシノレエート、ヘキサデシルステアレート、両性アクリルポリマー、ポリエチルオキシレート化脂肪酸アミドおよび上記カチオン性脂質(DDAB、DODAC、DMRIE、DMTAP、DOGS、DOTAP(DOTMA)、DOSPA、DPTAP、DSTAP、DC-Chol)が挙げられる。負電荷脂質としては、ホスファチジン酸(PA)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)およびジセチルホスフェートが挙げられ、これらは小胞を形成することができる。典型的には、リポソームは、それらの全体的なサイズおよびラメラ構造の性質に基づいて、3つのカテゴリーに分けられ得る。New York Academy Sciences Meeting,“Liposomes and Their Use in Biology and Medicine,”December 1977により開発された3つの分類は、多層小胞(MLV)、小単層小胞(SUV)および大単層小胞(LUV)である。生物学的活性な薬剤は、本明細書に記載される方法にしたがって、投与のためにこのようなものに封入され得る。
「ミセル」は、液体コロイド中に分散した界面活性物質分子の凝集体である。水溶液中の典型的なミセルは、周囲溶媒と接触した親水性「頭部」領域を有する凝集体であって、疎水性尾部領域をミセル中心に隔離している凝集体を形成する。このタイプのミセルは、順相ミセル(水中油型ミセル)として公知である。逆ミセルは中心に頭部基を有し、尾部は外に伸びている(油中水型ミセル)。ミセルは、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体または組成物を付着させて、標的細胞または組織への効率的な送達を容易にするために使用され得る。
「薬学的に許容され得るポリマー」という語句は、1つまたはそれを超える本明細書に記載されるポリペプチドにコンジュゲートされ得る化合物群を指す。ポリペプチドへのポリマーのコンジュゲーションは、インビボおよびインビトロでポリペプチドの半減期を増加させることができると企図される。非限定的な例としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、糖、ポリオールならびにそれらの混合物が挙げられる。生物学的活性な薬剤は、本明細書に記載される方法にしたがって投与のために薬学的に許容され得るポリマーにコンジュゲートされ得る。
「遺伝子送達ビヒクル」は、挿入ポリヌクレオチドを宿主細胞内に運搬し得る任意の分子と定義される。遺伝子送達ビヒクルの例は、リポソーム、ミセル、天然ポリマーおよび合成ポリマーを含む生体適合性ポリマー;リポタンパク質;ポリペプチド;多糖;リポ多糖;人工ウイルスエンベロープ;金属粒子;および細菌またはウイルス、例えばバキュロウイルス、アデノウイルスおよびレトロウイルス、バクテリオファージ、コスミド、プラスミド、真菌ベクター、ならびに様々な真核生物および原核生物宿主における発現について記載されている当技術分野で典型的に使用される他の組換えビヒクルであり、遺伝子療法のために、および単純なタンパク質発現のために使用され得る。
本発明のポリヌクレオチドは、遺伝子送達ビヒクルを使用して細胞または組織に送達され得る。本明細書で使用される場合、「遺伝子送達」、「遺伝子移入」、「形質導入」などは、導入に使用される方法に関係なく、宿主細胞への外因性ポリヌクレオチド(「導入遺伝子」と称されることもある)の導入に関する用語である。このような方法としては、様々な周知の技術、例えば、ベクター媒介性遺伝子移入(例えば、ウイルス感染/トランスフェクションまたは様々な他のタンパク質ベースもしくは脂質ベースの遺伝子送達複合体による)、および「ネイキッド」ポリヌクレオチドの送達を容易にする技術(例えば、エレクトロポレーション、「遺伝子銃」送達およびポリヌクレオチドの導入に使用される様々な他の技術)が挙げられる。導入ポリヌクレオチドは、宿主細胞において安定にまたは一過性に維持され得る。安定な維持は、典型的には、導入ポリヌクレオチドが宿主細胞と適合性の複製起点を含有するか、または宿主細胞のレプリコン、例えば染色体外レプリコン(例えば、プラスミド)もしくは核もしくはミトコンドリア染色体に組み込まれることを必要とする。当技術分野で公知であり、本明細書に記載されているように、多くのベクターが、哺乳動物細胞への遺伝子の移入を媒介することができることが公知である。
「プラスミド」は、染色体DNAとは別個の染色体外DNA分子であって、染色体DNAと独立して複製することができる染色体外DNA分子である。多くの場合、それは環状二本鎖である。プラスミドは、微生物の集団内における水平な遺伝子移入の維持を提供し、典型的には、所定の環境状態下で選択的利点を提供する。プラスミドは、競合的な環境ニッチにおいて天然に存在する抗生物質への耐性を提供する遺伝子を保有し得るか、またはあるいは産生されるタンパク質は、同様の状況下で毒素として作用し得る。
遺伝子操作で使用される「プラスミド」は、「プラスミドベクター」と称される。多くのプラスミドが、このような用途のために市販されている。複製すべき遺伝子は、細胞を特定の抗生物質に対して耐性にする遺伝子と、この場所におけるDNA断片の挿入を容易にすることを可能にするいくつかの一般的に使用される制限部位を含有する短い領域である多重クローニング部位(MCSまたはポリリンカー)とを含有するプラスミドのコピーに挿入される。プラスミドの別の主な用途は、大量のタンパク質を作製することである。この場合、研究者は、目的の遺伝子を有するプラスミドを含有する細菌を成長させる。細菌はタンパク質を産生してその抗生物質耐性を付与するのと同じように、それはまた、挿入遺伝子から大量のタンパク質を産生するように誘導され得る。これは、遺伝子またはそれがコードするタンパク質を大量生産する安価かつ簡単な方法である。
「酵母人工染色体」または「YAC」は、(100kbを超える最大3000kbの)大きなDNA断片をクローニングするために使用されるベクターを指す。それは人工的に構築された染色体であり、酵母細胞における複製および保存に必要なテロメア、セントロメアおよび複製起点配列(replication origin sequence)を含有する。初期環状プラスミドを使用して構築し、それらは、制限酵素を使用することにより線状化され、次いで、DNAリガーゼが、突出末端の使用により、目的の配列または遺伝子を線状分子内に付加し得る。酵母はそれ自体が真核細胞であるため、翻訳後修飾を有する真核生物タンパク質産物を得ることができるので、酵母発現ベクター、例えばYAC、YIp(酵母組み込みプラスミド)およびYEp(酵母エピソームプラスミド)は極めて有用であるが、しかしながら、YACは、BACよりも不安定であり、キメラ効果を生じさせることが見出されている。
「ウイルスベクター」は、宿主細胞に送達すべきポリヌクレオチドを含むインビボ、エクスビボまたはインビトロのいずれかで組換え的に産生されるウイルスまたはウイルス粒子と定義される。ウイルスベクターの例としては、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、アルファウイルスベクターなどが挙げられる。感染性タバコモザイクウイルス(TMV)ベースのベクターは、タンパク質を製造するために使用され得、タバコ葉においてGriffithsinを発現することが報告されている(O’Keefeら、(2009)Proc.Nat.Acad. Sci.USA 106(15):6099-6104)。アルファウイルスベクター、例えばセムルキ森林ウイルスベースのベクターおよびシンドビスウイルスベースのベクターもまた、遺伝子療法および免疫療法における使用のために開発されている。Schlesinger&Dubensky(1999)Curr.Opin.Biotechnol.5:434-439およびYingら、(1999)Nat.Med.5(7):823-827を参照のこと。レトロウイルスベクターにより遺伝子移入が媒介される態様では、ベクター構築物は、レトロウイルスゲノムまたはその一部および治療遺伝子を含むポリヌクレオチドを指す。
本明細書で使用される場合、「レトロウイルス媒介性遺伝子移入」または「レトロウイルス形質導入」は同じ意味を有し、細胞に侵入してそのゲノムを宿主細胞ゲノムに組み込むウイルスにより、遺伝子または核酸配列が宿主細胞に安定に移入されるプロセスを指す。ウイルスは、その通常の感染機構を介して宿主細胞に侵入し得るか、またはウイルスが異なる宿主細胞表面受容体もしくはリガンドに結合して細胞に侵入するように改変され得る。本明細書で使用される場合、レトロウイルスベクターは、ウイルスまたはウイルス様侵入機構により、外因性核酸を細胞に導入することができるウイルス粒子を指す。
レトロウイルスは、RNAの形態でそれらの遺伝情報を有する;しかしながら、ウイルスが細胞に感染すると、RNAはDNA形態に逆転写され、感染細胞のゲノムDNAに組み込まれる。組み込まれたDNA形態はプロウイルスと称される。
DNAウイルスベクター、例えばアデノウイルス(Ad)またはアデノ随伴ウイルス(AAV)により遺伝子移入が媒介される態様では、ベクター構築物は、ウイルスゲノムまたはその部分および導入遺伝子を含むポリヌクレオチドを指す。アデノウイルス(Ad)は、50個を超える血清型を含む比較的十分に特性評価された同一祖先からのウイルス群である。例えば、国際公開第95/27071号を参照のこと。Adは、宿主細胞ゲノムへの組み込みを必要としない。組換えAd由来ベクター、特に野生型ウイルスの組換えおよび生成の可能性を減少させるベクターも構築されている。例えば、国際公開第95/00655号および国際公開第95/11984号を参照のこと。野生型AAVは、宿主細胞ゲノムに組み込まれる高い感染力および特異性を有する。Hermonat&Muzyczka(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6466-6470およびLebkowskiら、(1988)Mol.Cell.Biol.8:3988-3996を参照のこと。
プロモーターと、ポリヌクレオチドが機能的に連結され得るクローニング部位との両方を含有するベクターは当技術分野で周知である。このようなベクターは、インビトロまたはインビボでRNAを転写することができ、Stratagene(La Jolla,CA)およびPromega Biotech(Madison,WI)などの供給源から市販されている。発現および/またはインビトロ転写を最適化するために、クローンの5’および/または3’非翻訳部分を除去、付加または変化させて、転写または翻訳レベルのいずれかで発現に干渉し得るかまたはそれを減少させ得る余分な潜在的な不適切な代替翻訳開始コドンまたは他の配列を排除することが必要であり得る。あるいは、発現を増強するために、コンセンサスリボソーム結合部位が開始コドンのすぐ5’側に挿入され得る。
遺伝子送達ビヒクルはまた、DNA/リポソーム複合体、ミセルおよび標的ウイルスタンパク質-DNA複合体を含む。本発明の方法では、ターゲティング抗体またはその断片も含むリポソームが使用され得る。細胞または細胞集団へのポリヌクレオチドの送達に加えて、細胞または細胞集団への本明細書に記載されるタンパク質の直接的な導入は、タンパク質トランスフェクションの非限定的な技術により行われ得るか、あるいは発現を増強し、および/または本発明のタンパク質の活性を促進し得る培養条件が他の非限定的な技術である。
本明細書で使用される場合、「抗体」および「免疫グロブリン」という用語は、任意のタイプの抗体または免疫グロブリン、抗原への特異的結合を保持する抗体の断片、例えば限定されないが、Fab、Fab’、F(ab)2、Fv、scFv、dsFv、Fd断片、dAb、VH、VL、VhHおよびV-NARドメインを含む、抗原への特異的な結合を保持する抗体の断片;ミニボディ、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディおよびカッパボディ;抗体断片から形成された多重特異性の抗体断片および1つまたはそれを超える単離されたCDRまたは機能的パラトープ;キメラ抗体、ヒト化抗体、一本鎖抗体および抗体の抗原結合部分を含む融合タンパク質および非抗体タンパク質を含む。免疫グロブリン分子の重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体(Ab)の定常領域は、宿主組織への免疫グロブリンの結合を媒介し得る。
本明細書における「抗体」という用語は最も広い意味で使用され、具体的には、それらが所望の生物学的活性を示す限り、全長モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)および抗体断片を含む。
本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」は、実質的に均一な抗体集団から得られた抗体を指す。各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対するものであるので、モノクローナル抗体は高度に特異的である。抗体は、例えば、放射性同位体、検出可能な生成物を生成する酵素、蛍光タンパク質などで検出可能に標識され得る。抗体は、他の部分、例えば特異的結合ペアのメンバー、例えばビオチン(ビオチン-アビジン特異的結合ペアのメンバー)などにさらにコンジュゲートされ得る。抗体はまた、限定されないが、ポリスチレンプレートまたはビーズなどを含む固体支持体に結合され得る。
モノクローナル抗体は、当技術分野で公知のハイブリドーマ技術または組換えDNA法を使用して生成され得る。抗体を生成または選択するための代替的な技術は、目的の抗原へのリンパ球のインビトロ曝露、および細胞、ファージまたは同様の系における抗体ディスプレイライブラリーのスクリーニングを含む。
本明細書で使用される場合、「ヒト抗体」という用語は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列由来の可変領域および定常領域を有する抗体を含むことを意図する。本発明のヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によりコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロでランダムもしくは部位特異的変異誘発により、またはインビボで体細胞変異により導入された変異)を含み得る。しかしながら、本明細書で使用される場合、「ヒト抗体」という用語は、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖系列由来のCDR配列がヒトフレームワーク配列にグラフトされた抗体を含むことを意図しない。したがって、本明細書で使用される場合、「ヒト抗体」という用語は、タンパク質の実質的にあらゆる部分(例えば、CDR、フレームワーク、CL、CHドメイン(例えば、CH1、CH2、CH3)、ヒンジ、(VL、VH))がヒトにおいて実質的に非免疫原性であり、ごくわずかな配列変化または変動のみを有する抗体を指す。同様に、霊長類(サル、ヒヒ、チンパンジーなど)、齧歯類(マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ハムスターなど)および他の哺乳動物に指定された抗体は、このような種、亜属、属、亜科、科特異的抗体を指定する。さらに、キメラ抗体は、上記の任意の組み合わせを含む。このような変化または変動は、必要に応じておよび好ましくは、ヒトまたは他の種における免疫原性を保持するか、または非改変抗体と比べてそれを減少させる。したがって、ヒト抗体は、キメラ抗体またはヒト化抗体とは異なる。ヒト抗体は、機能的に再編成されたヒト免疫グロブリン(例えば、重鎖および/または軽鎖)遺伝子を発現することができる非ヒト動物または原核もしくは真核細胞により産生され得ることに注意する。さらに、ヒト抗体が一本鎖抗体である場合、それは、ネイティブヒト抗体に見られないリンカーペプチドを含み得る。例えば、Fvは、重鎖の可変領域および軽鎖の可変領域を接続するリンカーペプチド、例えば2~約8個のグリシンまたは他のアミノ酸残基を含み得る。このようなリンカーペプチドは、ヒト起源のものであるとみなされる。
本明細書で使用される場合、例えば、ヒト免疫グロブリン遺伝子を保有するトランスジェニックマウスを免疫することにより、またはヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリーをスクリーニングすることにより、ヒト免疫グロブリン配列を使用した系からヒト抗体が得られた場合、ヒト抗体は特定の生殖系列配列「に由来する」。ヒト生殖系列免疫グロブリン配列「に由来する」ヒト抗体は、ヒト抗体のアミノ酸配列をヒト生殖系列免疫グロブリンのアミノ酸配列と比較することにより、そのまま同定され得る。選択されたヒト抗体は、典型的には、ヒト生殖系列免疫グロブリン遺伝子によりコードされるアミノ酸配列とアミノ酸配列が少なくとも90%同一であり、他の種(例えば、マウス生殖系列配列)の生殖系列免疫グロブリンアミノ酸配列と比較してヒト抗体をヒトであると同定するアミノ酸残基を含有する。特定の場合では、ヒト抗体は、生殖系列免疫グロブリン遺伝子によりコードされるアミノ酸配列とアミノ酸配列が少なくとも95%またはさらには少なくとも96%、97%、98%または99%同一であり得る。典型的には、特定のヒト生殖系列配列に由来するヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン遺伝子によりコードされるアミノ酸配列と10個以下のアミノ酸差異を示す。特定の場合では、ヒト抗体は、生殖系列免疫グロブリン遺伝子によりコードされるアミノ酸配列と5個以下またはさらには4個以下、3個以下、2個以下または1個以下のアミノ酸差異を示し得る。
「ヒトモノクローナル抗体」は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する単一の結合特異性を示す抗体を指す。この用語はまた、組換えヒト抗体を意図する。これらの抗体を作製するための方法は本明細書に記載されている。
本明細書で使用される場合、「組換えヒト抗体」という用語は、組換え手段により調製、発現、作製または単離されたすべてヒト抗体、例えば、ヒト免疫グロブリン遺伝子についてトランスジェニックまたは染色体導入動物(例えば、マウス)またはそれから調製されたハイブリドーマから単離された抗体、抗体を発現するように形質転換された宿主細胞から、例えば、トランスフェクトーマから単離された抗体、組換え体、コンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離された抗体、およびヒト免疫グロブリン遺伝子配列を他のDNA配列にスプライシングすることを伴う任意の他の手段により調製、発現、作製または単離された抗体を含む。このような組換えヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する。しかしながら、特定の実施形態では、このような組換えヒト抗体は、インビトロ変異誘発(または、ヒトIg配列についてトランスジェニックな動物が使用される場合には、インビボ体細胞変異誘発)に供され得るので、組換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系列VHおよびVL配列に由来および関連するが、インビボでヒト抗体生殖系列レパートリー内に天然に存在しなくてもよい配列である。これらの抗体を作製するための方法は本明細書に記載されている。
本明細書で使用される場合、キメラ抗体は、その軽鎖および重鎖遺伝子が、典型的には遺伝子操作により、異なる種に属する抗体可変領域および定常領域遺伝子から構築された抗体である。
本明細書で使用される場合、「ヒト化抗体」または「ヒト化免疫グロブリン」という用語は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含有するヒト/非ヒトキメラ抗体を指す。ほとんどの部分について、ヒト化抗体は、レシピエントの可変領域由来の残基が、所望の特異性、親和性および能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)、例えばマウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類の可変領域由来の残基で置き換えられたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。ヒト化抗体は、レシピエント抗体またはドナー抗体に見られない残基を含み得る。ヒト化抗体はまた、必要に応じて、典型的にはヒト免疫グロブリンのものである免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部分を含み得る。非ヒト抗体は、フレームワーク領域、定常領域またはCDR中の1つまたはそれを超えるアミノ酸がヒト抗体由来の対応する位置のアミノ酸で置換されたものを含有する。一般に、ヒト化抗体は、ヒト宿主において、同じ抗体の非ヒト化型と比較して減少した免疫反応を生じさせると予想される。ヒト化抗体は、抗原結合または他の抗体機能に対する効果を実質的に有しない保存的アミノ酸置換を有し得る。保存的置換の分類としては、グリシン-アラニン、バリン-ロイシン-イソロイシン、フェニルアラニン-チロシン、リジン-アルギニン、アラニン-バリン、セリン-トレオニンおよびアスパラギン-グルタミンが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「抗体誘導体」という用語は、例えば、抗体を第2の分子に連結するために、アルキル化、ペグ化、アシル化、エステル形成またはアミド形成などにより、アミノ酸の1つまたはそれよりも多くが化学的に改変された全長抗体または抗体の断片を含む。これとしては、限定されないが、ペグ化抗体、システイン-ペグ化抗体およびそれらのバリアントが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「免疫コンジュゲート」という用語は、第2の剤、例えば細胞毒性剤、検出可能な剤、放射性剤、ターゲティング剤、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、合成抗体、半合成抗体または多重特異性抗体に会合または連結された抗体または抗体誘導体を含む。
適切な蛍光標識の例としては、限定されないが、フルオレセイン、ローダミン、テトラメチルローダミン、エオシン、エリスロシン、クマリン、メチルクマリン、ピレン、マラカイトグリーン、スチルベン、ルシファーイエロー、Cascade blue(商標)およびTexas Redが挙げられる。他の適切な光学色素は、Haugland,Richard P.(1996)Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals(6thed.)に記載されている。
別の態様では、蛍光標識は、細胞または組織中にまたはその表面上に存在する細胞構成成分、例えば細胞表面マーカーへの共有結合的付着を容易にするように官能化される。適切な官能基としては、限定されないが、イソチオシアネート基、アミノ基、ハロアセチル基、マレイミド、スクシンイミジルエステルおよびハロゲン化スルホニルが挙げられ。これらはすべて、蛍光標識を第2の分子に結合させるために使用され得る。蛍光標識の官能基の選択は、リンカー、薬剤、マーカーまたは第2の標識剤のいずれかへの結合部位に依存する。
「真核細胞」は、モネラ界を除く生物界のすべてを含む。それらは、膜結合核により容易に区別され得る。動物、植物、真菌および原生生物は、その細胞が内部膜および細胞骨格により複雑な構造に組織化された真核生物または生物である。最も特徴的な膜結合構造は核である。特に指定がない限り、「宿主」という用語は、例えば、酵母、高等植物、昆虫および哺乳動物細胞を含む真核生物宿主を含む。真核細胞または宿主の非限定的な例としては、サル、ウシ、ブタ、マウス、ラット、鳥類、爬虫類およびヒトが挙げられる。
「原核細胞」は、通常、核またはいかなる他の膜結合細胞小器官も欠き、2つのドメイン(細菌および古細菌)に分けられる。あるいは、染色体DNAを有することに代えて、これらの細胞の遺伝情報は、プラスミドと称される環状ループ中にある。細菌細胞は非常に小さく、およそ動物ミトコンドリアのサイズである(直径約1~2μm、長さ10μm)。原核細胞は、3つの主な形状:ロッド形状、球状およびスパイラルを特徴とする。真核生物のような精巧な複製プロセスを経る代わりに、細菌細胞は、二分裂により分裂する。例としては、限定されないが、bacillus細菌、大腸菌およびSalmonella細菌が挙げられる。
「ネイティブ」または「天然」抗原は、エピトープを含有するポリペプチド、タンパク質または断片であって、天然生物学的供給源から単離され、被験体において抗原受容体、特にT細胞抗原受容体(TCR)に特異的に結合し得るポリペプチド、タンパク質または断片である。
「抗原」および「抗原性」という用語は、抗体により認識されるか、または抗体-リガンド対のメンバーとして別様に作用する能力を有する分子を指す。「特異的結合」は、免疫グロブリンの重鎖および軽鎖の可変領域との抗原の相互作用を指す。抗体-抗原結合は、インビボまたはインビトロで起こり得る。当業者は、タンパク質、核酸、脂肪酸、脂質、リポ多糖および多糖を含む高分子が、抗原としての作用する潜在性を有することを理解する。当業者は、抗体リガンドとして作用する潜在性を有するタンパク質をコードする核酸が、抗原を必ずコードすることをさらに理解する。当業者は、抗原が全長分子に限定されず、部分的分子も含み得ることをさらに理解する。「抗原性」という用語は、抗原の特性を有する分子への形容詞的言及である。この用語は、免疫原性である物質、すなわち免疫原と、免疫学的不応答性またはアネルギーを誘導する物質、すなわちアネルゲンとを包含する。
「変更された抗原」は、対応する野生型抗原の一次配列とは異なる一次配列を有する抗原である。変更された抗原は、合成または組換え法により作製され得、限定されないが例えば、リン酸化、グリコシル化、架橋、アシル化、タンパク質分解性の切断、抗体分子、膜分子または他のリガンドへの連結により、翻訳中にまたはその後に特異的に改変された抗原性ペプチドが挙げられる(Fergusonら、(1988)Ann.Rev.Biochem.57:285-320)。本発明の合成または変更された抗原は、天然エピトープと同じTCRに結合することを意図する。
本明細書ではネイティブまたは野生型抗原とも称される「自己抗原」は、抗原への自己寛容により、被験体において免疫反応をほとんどまたは全く誘導しない抗原性ペプチドである。自己抗原の例は、黒色腫特異的抗原gp100である。
本明細書で使用される場合、「固相支持体」または「固体支持体」は互換的に使用され、特定のタイプの支持体に限定されない。むしろ、多数の支持体が利用可能であり、当業者に公知である。固相支持体としては、シリカゲル、樹脂、誘導体化プラスチックフィルム、ガラスビーズ、綿、プラスチックビーズ、アルミナゲルが挙げられる。本明細書で使用される場合、「固体支持体」はまた、合成抗原提示マトリックス、細胞およびリポソームを含む。適切な固相支持体は、所望の最終用途および様々なプロトコールのための適切性に基づいて選択され得る。例えば、ペプチド合成の場合、固相支持体は、ポリスチレン(例えば、Bachem Inc.,Peninsula Laboratoriesから入手されるPAM樹脂など)、POLYHIPE.RTM.樹脂(Aminotech,Canadaから入手される)、ポリアミド樹脂(Peninsula Laboratoriesから入手される)、ポリエチレングリコールがグラフトされたポリスチレン樹脂(TentaGel.RTM.,Rapp Polymere,Tubingen,Germany)またはポリジメチルアクリルアミド樹脂(Milligen/Biosearch,Calif.から入手される)などの樹脂を指し得る。
固相支持体の例としては、ガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然セルロース、改変セルロース、ポリアクリルアミド、斑糲岩および磁鉄鉱が挙げられる。担体の性質は、ある程度まで可溶性であり得るか、または不溶性であり得る。カップリングされた分子がポリヌクレオチド、ポリペプチドまたは抗体に結合することができる限り、支持材料は、実質的に任意の可能な構造形態を有し得る。したがって、支持体の配置は、ビーズのように球状であり得るか、または試験管の内面もしくはロッドの外面のように円柱状であり得る。あるいは、表面は平坦、例えばシート、試験紙などであり得るか、またはあるいはポリスチレンビーズであり得る。当業者は、抗体もしくは抗原に結合させるための多くの他の適切な担体を把握しているか、またはルーチンな実験の使用によりそれらを確認することができる。
本開示の実施モード
組成物
本開示の方法において使用するための組成物、すなわち、バイオフィルム中のホリデイジャンクション(HJ)構造を切断する薬剤が本明細書で提供される。一態様では、薬剤は、HJ特異的エンドヌクレアーゼ、例えばRuvABCペプチド複合体および/またはRusAポリペプチドである。このようなもののアミノ酸配列としては、例えば、下記野生型および変異型ならびにその同等物が挙げられ、同等物は、本明細書に記載されるアミノ酸変異を維持する。ペプチドおよびポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド、ベクター、ならびにペプチド、ポリヌクレオチドおよび/またはベクターを含む宿主細胞がさらに提供される。
一態様では、
を含むか、またはそれから本質的になるか、またはさらにはそれからなるRusAタンパク質配列およびその同等物が本明細書で提供され、同等物は、ここに示されている変異アミノ酸(太字)を含有する。
別の態様では、
を含むか、またはそれから本質的になるか、またはさらにはそれからなるRuvBタンパク質配列およびその同等物が本明細書で提供され、同等物は、ここに示されている変異アミノ酸(太字)を含有する。
またさらなる態様では、
を含むか、またはそれから本質的になるか、またはさらにはそれからなるRuvCタンパク質配列およびその同等物が本明細書で提供され、同等物は、ここに示されている変異アミノ酸(太字)を含有する。
RuvA:
および
RuvB:
および
RuvC:
の配列の組み合わせを含むか、またはそれから本質的になるか、またはさらにはそれからなるRuvA、BおよびCタンパク質複合体ならびにその同等物も本明細書で提供され、同等物は、ここに示されている変異アミノ酸(太字)を含有する。
本明細書に記載される単離されたポリペプチドの1つまたはそれよりも多くを含むか、またはあるいはそれから本質的になるか、またはさらにはそれからなる組換えポリペプチドであって、いずれかまたは両方の末端に位置する少なくとも1つのさらなるアミノ酸をさらに含む組換えポリペプチドも本明細書で提供される。
野生型ポリペプチドまたはタンパク質の機能的同等物またはバリアント、例えば、アミノ酸の保存的アミノ酸置換を有するものもまた本発明の範囲内であると理解され、同等物は、本明細書に記載されるアミノ酸変異を維持する。
さらなる態様では、ポリペプチドは、検出可能な標識にコンジュゲートまたは連結される。適切な標識は当技術分野で公知であり、本明細書に記載されている。
またさらなる態様では、検出可能な標識を有するまたは有しないポリペプチドは、宿主原核生物または真核生物宿主細胞に含まれ得るか、またはその表面上において発現され得る。
タンパク質およびポリペプチドは、精製、化学合成および組換え法を含む当業者に公知の多くのプロセスにより取得可能である。ポリペプチドは、抗体を用いた免疫沈降などの方法、ならびにゲル濾過、イオン交換、逆相およびアフィニティークロマトグラフィーなどの標準的な技術により、宿主細胞系などの調製物から単離され得る。このような方法については、例えば、Deutscherら、(1999)Guide To Protein Purification:Methods In Enzymology(Vol.182,Academic Press)を参照のこと。したがって、本発明はまた、これらのポリペプチドを得るためのプロセス、ならびにこれらのプロセスにより取得可能なおよび得られた生成物を提供する。
ポリペプチドはまた、市販の自動ペプチド合成機、例えばPerkin/Elmer/Applied Biosystems,Inc.,Model 430Aまたは431A,Foster City,Calif.,USAにより製造されたものを使用して化学合成により得られ得る。合成したポリペプチドを沈殿させ、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によりさらに精製し得る。したがって、本発明はまた、タンパク質の配列および試薬、例えばアミノ酸および酵素を提供し、適切な配向および線状配列でアミノ酸を一緒に連結することにより、本発明のタンパク質を化学的に合成するためのプロセスを提供する。
あるいは、タンパク質およびポリペプチドは、本明細書に記載される宿主細胞およびベクター系を使用して、例えば、Sambrookら、(1989)前掲に記載されている周知の組換え法により得られ得る。
診断方法において使用するための検出可能な剤にコンジュゲートされた本明細書に記載されるポリペプチドも本出願により提供される。例えば、検出可能に標識されたポリペプチドはカラムに結合され、抗体の検出および精製に使用され得る。それらはまた、以下に記載されるように、抗体の産生のための免疫原として有用である。本発明のポリペプチドは、細胞プロセスをモジュレートする薬剤または薬物をスクリーニングするためのインビトロアッセイ系において有用である。
本発明のペプチドに改変を行って、変更した特性をそれらに提供し得ることは当業者に周知である。本明細書で使用される場合、「アミノ酸」という用語は、グリシンならびにDおよびL光学異性体の両方、アミノ酸類似体ならびにペプチド模倣物を含む天然および/もしくは非天然または合成アミノ酸のいずれかを指す。ペプチド鎖が短い場合、3つまたはそれを超えるアミノ酸のペプチドは、一般的にオリゴペプチドと称される。ペプチド鎖が長い場合、ペプチドは、一般的にポリペプチドまたはタンパク質と称される。
本発明のペプチドは、非天然アミノ酸を含むように改変され得る。したがって、ペプチドは、D-アミノ酸、D-アミノ酸とL-アミノ酸との組み合わせ、および特殊な特性をペプチドにもたらす様々な「デザイナー」アミノ酸(例えば、β-メチルアミノ酸、C-α-メチルアミノ酸およびN-α-メチルアミノ酸など)を含み得る。加えて、特定のカップリングステップにおいて特定のアミノ酸を割り当てることにより、α-へリックス、ベータターン、ベータシート、ガンマターンを有するペプチドおよび環状ペプチドが生成され得る。一般に、αヘリックス二次構造またはランダム二次構造が好ましいと考えられる。
本発明のポリペプチドはまた、様々な固相担体、例えば埋込物(implant)、ステント、ペースト、ゲル、歯科インプラントもしくは医療用インプラント、または液相担体、例えばビーズ、滅菌溶液もしくは水溶液、薬学的に許容され得る担体、薬学的に許容され得るポリマー、リポソーム、ミセル、懸濁液およびエマルジョンと組み合わされ得る。非水性溶媒の例としては、プロピルエチレングリコール、ポリエチレングリコールおよび植物油が挙げられる。インビボで抗体を調製するかまたは免疫反応を誘導するために使用される場合、担体はまた、特異的免疫反応を非特異的に増大させるために有用なアジュバントを含み得る。当業者は、アジュバントが必要であるかを容易に決定し、それを選択し得る。しかしながら、単に例示目的で、適切なアジュバントとしては、限定されないが、フロイント完全アジュバントおよびフロイント不完全アジュバント、無機塩類およびポリヌクレオチドが挙げられる。他の適切なアジュバントとしては、モノホスホリルリピドA(MPL)、大腸菌易熱性エンテロトキシンの変異体誘導体、コレラ毒素の変異体誘導体、CPGオリゴヌクレオチドおよびスクアレンに由来するアジュバントが挙げられる。
抗体およびその誘導体
本開示はまた、本明細書に開示される方法において使用するための、単離されたポリペプチドに結合し、ならびに/またはそれを特異的に認識してそれに結合する抗体を提供する。抗体は、本明細書に記載される様々な抗体のいずれかであり得、このようなものの非限定的な例としては、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト抗体、ベニア化抗体、ダイアボディ、ヒト化抗体、抗体誘導体、組換えヒト化抗体またはそれらのそれぞれの誘導体もしくは断片が挙げられる。一態様では、断片は、抗体のCDRを含むか、またはあるいはそれから本質的になるか、またはさらにはそれからなる。一態様では、抗体は検出可能に標識されるか、またはそれにコンジュゲートされた検出可能な標識をさらに含む。本明細書に開示されるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株も提供される。上記実施形態の1つまたはそれよりも多くを含むか、またはあるいはそれから本質的になるか、またはさらにはそれからなる組成物が本明細書でさらに提供される。抗体および断片のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド、ならびに抗体ポリペプチドおよびその断片を組換え的にまたは化学的に合成するための方法がさらに提供される。抗体ポリペプチドは、真核もしくは原核細胞において、または本明細書に記載される当技術分野で公知の他の方法により産生され得る。一態様では、抗体は、本明細書に記載される変異タンパク質を選択的に認識してそれに結合する能力について選択される。
抗体は、文献に十分に記載されている当技術分野で公知の従来の技術を使用して生成され得る。ポリクローナル抗体の産生のためのいくつかの方法が存在する。例えば、ポリクローナル抗体は、典型的には、適切な哺乳動物、例えば限定されないが、ニワトリ、ヤギ、モルモット、ハムスター、ウマ、マウス、ラットおよびウサギを免疫することにより産生される。抗原を哺乳動物に注射し、抗原に特異的な免疫グロブリンを産生するようにBリンパ球を誘導する。免疫グロブリンは、哺乳動物の血清から精製され得る。
モノクローナル抗体は、文献に十分に記載されている当技術分野で公知の従来のハイブリドーマ法を使用して生成され得る。例えば、ハイブリドーマは、適切な不死細胞株(例えば、骨髄腫細胞株、例えば限定されないが、Sp2/0、Sp2/0-AG14、NSO、NS1、NS2、AE-1、L.5、P3X63Ag8,653、Sp2 SA3、Sp2 MAI、Sp2 SS1、Sp2 SA5、U397、MIA 144、ACT IV、MOLT4、DA-1、JURKAT、WEHI、K-562、COS、RAJI、NIH 313、HL-60、MLA 144、NAMAIWA、NEURO 2A、CHO、PerC.6、YB2/O)など、またはヘテロミエローマ、それらの融合生成物、またはそれらに由来する任意の細胞もしくは融合細胞、または当技術分野で公知の任意の他の適切な細胞株(以下のウェブアドレス、例えば2007年11月26日に最終アクセスされたatcc.org,lifetech.comにおけるものを参照のこと)を抗体産生細胞、例えば限定されないが、単離またはクローニングされた脾臓、末梢血、リンパ、扁桃腺、または他の免疫もしくはB細胞含有細胞、または内因性もしくは異種核酸として、組換え体もしくは内因性ウイルス、細菌、藻類、原核生物、両生類、昆虫、爬虫類、魚類、哺乳動物、齧歯類、ウマ、ヒツジ(ovine)、ヤギ、ヒツジ(sheep)、霊長類、真核生物ゲノムDNA、cDNA、rDNA、ミトコンドリアDNAもしくはミトコンドリアRNA、クロロプラストDNAもしくはクロロプラストRNA、hnRNA、mRNA、tRNA、一本鎖、二本鎖もしくは三本鎖核酸、ハイブリダイズ核酸などもしくはそれらの任意の組み合わせとして重鎖もしくは軽鎖定常もしくは可変もしくはフレームワークCDR配列を発現する任意の他の細胞と融合させることにより産生される。また、目的の抗原で免疫されたヒトまたは他の適切な動物の末梢血または特定の実施形態では脾臓またはリンパ節から抗体産生細胞を得、次いで、目的の活性についてスクリーニングし得る。任意の他の適切な宿主細胞もまた、本開示の抗体、その指定断片またはバリアントをコードする異種または内因性核酸を発現させるために使用され得る。融合細胞(ハイブリドーマ)または組換え細胞は、選択培養条件または他の適切な公知の方法を使用して単離され得、限界希釈もしくは細胞選別または他の公知の方法によりクローニングされ得る。
必須の特異性の抗体を産生または単離する他の適切な方法が使用され得、限定されないが、当技術分野で公知の方法を使用してペプチドまたはタンパク質ライブラリー(例えば限定されないが、バクテリオファージ、リボソーム、オリゴヌクレオチド、cDNAなどのディスプレイライブラリー;例えば、MorphoSys(Martinsreid/Planegg,Del.)、BioInvent(Lund,Sweden)、Affitech(Oslo,Norway)などの様々な商業的供給業者から入手可能)から組換え抗体を選択する方法が挙げられる。当技術分野で公知の方法は特許文献に記載されており、それらのいくつかとしては、米国特許第4,704,692号;米国特許第5,723,323号;米国特許第5,763,192号;米国特許第5,814,476号;米国特許第5,817,483号;米国特許第5,824,514号;および米国特許第5,976,862号が挙げられる。代替的な方法は、当技術分野で公知であり、および/または本明細書に記載されるように、ヒト抗体のレパートリーを産生することができるトランスジェニック動物(例えば、SCIDマウス、Nguyenら、(1977)Microbiol.Immunol.41:901-907(1997);Sandhuら、(1996)Crit,Rev.Biotechnol.16:95-118;Erenら、(1998)Mumma 93:154-161)の免疫に依拠する。このような技術としては、限定されないが、リボソームディスプレイ(Wanesら、(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:4937-4942;Hanesら、(1998)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:14130-14135);単一細胞抗体産生技術(例えば、選択リンパ球抗体法(「SLAM」)(米国特許第5,627,052号;Wenら、(1987)J.Immunol 17:887-892;Babcookら、(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:7843-7848);ゲルマイクロ液滴およびフローサイトメトリー(Powellら、(1990)Biotechnol.8:333-337;One Cell Systems,(Cambridge,Mass.);Grayら、(1995)J.Imm.Meth.182:155-163;およびKennyら、(1995)Bio.Technol.13:787-790);B細胞選択(Steenbakkersら、(1994)Molec.Biol.Reports 19:125-134)が挙げられる。
本開示の抗体誘導体はまた、本明細書に開示される抗体をコードするポリヌクレオチドを適切な宿主に送達して、例えばミルク中にこのような抗体を産生するトランスジェニック動物または哺乳動物、例えばヤギ、ウシ、ウマ、ヒツジなどを提供することにより調製され得る。これらの方法は当技術分野で公知であり、例えば、米国特許第5,827,690号;米国特許第5,849,992号;米国特許第4,873,316号;米国特許第5,849,992号;米国特許第5,994,616号;米国特許第5,565,362号;および米国特許第5,304,489号に記載されている。
「抗体誘導体」という用語は、抗体または断片の線状ポリペプチド配列への翻訳後修飾を含む。例えば、米国特許第6,602,684号B1は、免疫グロブリンのFc領域と同等の領域を含み、増強したFe媒介性細胞傷害性を有する抗体(全抗体分子、抗体断片または融合タンパク質を含む)の改変グリコール形態の生産のための方法、およびそのようにして生産された糖タンパク質について記載している。
本明細書に開示される抗体はまた、共有結合的付着が抗体による抗イディオタイプ反応の生成を妨げないように、抗体への任意のタイプの分子の共有結合的付着により改変された誘導体を含む。抗体誘導体としては、限定されないが、グリコシル化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、公知の保護基/遮断基による誘導体化、タンパク質分解性切断、細胞内リガンドまたは他のタンパク質への結合などにより改変されている抗体が挙げられる。加えて、誘導体は、1つまたはそれを超える非古典的アミノ酸を含有し得る。
抗体誘導体はまた、本明細書に開示されるポリヌクレオチドを送達して、植物部分またはそれから培養された細胞においてこのような抗体、指定部分またはバリアントを産生するトランスジェニック植物および培養植物細胞(例えば限定されないが、タバコ、トウモロコシおよびウキクサ)を提供することにより調製され得る。例えば、Cramerら、(1999)Curr.Top.Microbol.Immunol.240:95-118およびそこで引用されている参考文献は、例えば、誘導性プロモーターを使用した、大量の組換えタンパク質を発現するトランスジェニックタバコ葉の生産について記載している。トランスジェニックトウモロコシは、他の組換え系において産生されたかまたは天然供給源から精製されたものと同等の生物学的活性を有する商業生産レベルの哺乳動物タンパク質を発現させるために使用されている。例えば、Hoodら、(1999)Adv.Exp.Med.Biol.464:127-147およびそこで引用されている参考文献を参照のこと。抗体誘導体はまた、タバコ種子およびジャガイモ塊茎を含む、一本鎖抗体(scFv)などの抗体断片を含むトランスジェニック植物種子から大量に生産されている。例えば、Conradら、(1998)Plant Mol.Biol.38:101-109およびそこで引用されている参考文献を参照のこと。したがって、抗体はまた、公知の方法にしたがって、トランスジェニック植物を使用して生産され得る。
免疫原性を改変するか、または結合、親和性、オン速度、オフ速度、アビディティ、特異性、半減期もしくは任意の他の適切な特徴を減少、増強もしくは改変するために、抗体誘導体はまた、例えば、外因性配列を付加することにより産生され得る。一般に、非ヒトまたはヒトCDR配列の一部または全部は維持され、可変および定常領域の非ヒト配列は、ヒトもしくは他のアミノ酸または他のアイソタイプ由来の可領もしくは定常領域で置き換えられる。
一般に、CDR残基は、抗原結合への影響に直接的におよび最も実質的に関与する。抗体のヒト化または操作は、任意の公知の方法、例えば限定されないが、米国特許第5,723,323号;米国特許第5,976,862号;米国特許第5,824,514号;米国特許第5,817,483号;米国特許第5,814,476号;米国特許第5,763,192号;米国特許第5,723,323号;米国特許第5,766,886号;米国特許第5,714,352号;米国特許第6,204,023号;米国特許第6,180,370号;米国特許第5,693,762号;米国特許第5,530,101号;米国特許第5,585,089号;米国特許第5,225,539号;および米国特許第4,816,567号に記載されているものを使用して実施され得る。
本開示のキメラ、ヒト化または霊長類化抗体は、標準的な分子生物学技術を使用して調製された参照モノクローナル抗体の配列に基づいて調製され得る。重鎖および軽鎖免疫グロブリンをコードするDNAは目的のハイブリドーマから得られ得、標準的な分子生物学技術を使用して、非参照(例えば、ヒト)免疫グロブリン配列を含有するように操作され得る。例えば、キメラ抗体を作るために、マウス可変領域は、当技術分野で公知の方法(米国特許第4,816,567号)を使用して、ヒト定常領域に連結され得る。ヒト化抗体を作るために、マウスCDR領域は、当技術分野で公知の方法(米国特許第5,225,539号および米国特許第5,530,101号;米国特許第5,585,089号;米国特許第5,693,762号;および米国特許第6,180,370号)を使用して、ヒトフレームワークに挿入され得る。同様に、霊長類化抗体を作るために、マウスCDR領域は、当技術分野で公知の方法(国際公開第93/02108号および国際公開第99/55369号)を使用して、霊長類フレームワークに挿入され得る。
部分ヒト抗体から完全ヒト抗体までを作製するための技術は当技術分野で公知であり、任意のこのような技術が使用され得る。一実施形態によれば、完全ヒト抗体配列は、ヒト重鎖および軽鎖抗体遺伝子を発現するように操作されたトランスジェニックマウスにおいて作製される。異なるクラスの抗体を産生することができるこのようなトランスジェニックマウスの複数の系統が作製されている。所望の抗体を産生するトランスジェニックマウス由来のB細胞を融合させて、所望の抗体の持続的産生のためのハイブリドーマ細胞株を作製し得る(例えば、Russelら、(2000)Infection and Immunity April 2000:1820-1826;Galloら、(2000)European J.of Immun.30:534-540;Green(1999)J.of Immun.Methods 231:11-23;Yangら、(1999A)J.of Leukocyte Biology 66:401-410;Yang(1999B)Cancer Research 59(6):1236-1243;Jakobovits(1998)Advanced Drug Reviews 31:33-42;Green and Jakobovits(1998)J.Exp.Med.188(3):483-495;Jakobovits(1998)Exp.Opin.Invest.Drugs 7(4):607-614;Tsudaら、(1997)Genomics 42:413-421;Sherman-Gold(1997)Genetic Engineering News 17(14);Mendezら、(1997)Nature Genetics 15:146-156;Jakobovits(1996)Weir’s Handbook of Experimental Immunology,The Integrated Immune System Vol.IV,194.1-194.7;Jakobovits(1995)Current Opinion in Biotechnology 6:561-566;Mendezら、(1995)Genomics 26:294-307;Jakobovits(1994)Current Biology 4(8):761-763;Arbonesら、(1994)Immunity 1(4):247-260;Jakobovits(1993)Nature 362(6417):255-258;Jakobovitsら、(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90(6):2551-2555;および米国特許第6,075,181号を参照のこと)。
本明細書に開示される抗体はまた、キメラ抗体を作るように改変され得る。キメラ抗体は、抗体の重鎖および軽鎖の多様なドメインが、1つを超える種由来のDNAによりコードされるものである。例えば、米国特許第4,816,567号を参照のこと。
あるいは、本明細書に開示される抗体はまた、ベニア化抗体(veneered antibody)を作るように改変され得る。ベニア化抗体は、第1の種の抗体が第2の種において免疫原性ではなく、それにより、抗体の免疫原性を減少させるように、第1の種の抗体の外部アミノ酸残基が、第2の種のもので賢明に置き換えられたかまたは「ベニア化」されたものである。タンパク質の免疫原性はその表面の性質に主に依存するので、抗体の免疫原性は、別の哺乳動物種抗体に通常見られるものとは異なる露出残基を置き換えることにより低減され得る。外部残基のこの賢明な置き換えは、内部ドメインまたはドメイン間接触に対してほとんどまたは全く効果を有しないはずである。したがって、可変領域フレームワーク残基に限定される変更の結果として、リガンド結合特性は影響を受けないはずである。抗体の外面または皮のみが変更され、支持残基は依然として乱されないので、前記プロセスは「ベニア化(veneering)」と称される。
「ベニア化」の手順は、Kabatら、(1987)Sequences of Proteins of Immunological interest,4th ed.,Bethesda,Md.,National Institutes of Healthによりコンパイルされたヒト抗体可変ドメインの利用可能な配列データ、このデータベースの更新、ならびに他のアクセス可能な米国および外国データベース(核酸およびタンパク質の両方)を使用する。ベニア化抗体を産生するために使用される方法の非限定的な例としては、欧州特許第519596号;米国特許第6,797,492号が挙げられ、Padlanら、(1991)Mol.Immunol.28(4-5):489-498に記載されている。
「抗体誘導体」という用語はまた、2つの抗原結合部位を有する小さな抗体断片であって、同じポリペプチド鎖中の軽鎖可変ドメイン(VL)に接続された重鎖可変ドメイン(VH)を含む「ダイアボディ」を含む(例えば、欧州特許出願公開第404,097号;国際公開第93/11161号;およびHollingerら、(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448を参照のこと)。同じ鎖上の2つのドメイン間における対形成を可能にするには過度に短いリンカーを使用することにより、ドメインは、別の鎖の相補的ドメインと強制的に対形成し、2つの抗原結合部位を作る(親抗体の超可変領域に挿入された1つまたはそれを超えるアミノ酸と、抗原に対する親抗体の結合親和性よりも少なくとも約2倍強い標的抗原に対する結合親和性とを有する抗体バリアントについて開示しているChenらの米国特許第6,632,926号も参照のこと)。
「抗体誘導体」という用語は、操作された抗体分子、断片および単一ドメイン、例えばscFv、dAb、ナノボディ、ミニボディ、ユニボディおよびアフィボディをさらに含む、およびHudson(2005)Nature Biotech 23(9):1126-36;米国特許出願公開第2006/0211088号;国際公開第2007/059782号;米国特許第5,831,012号)。
「抗体誘導体」という用語は、「線状抗体」をさらに含む。線状抗体を作製するための手順は当技術分野で公知であり、Zapataら、(1995)Protein Eng.8(10):1057-1062に記載されている。簡潔に言えば、これらの抗体は、一組の抗原結合領域を形成する一組のタンデムEdセグメント(VH-CH1-VH-CH1)を含む。線状抗体は、二重特異性または単一特異性であり得る。
本明細書に開示される抗体は、限定されないが、プロテインA精製、硫酸アンモニウム沈殿またはエタノール沈殿、酸抽出、アニオン交換クロマトグラフィーまたはカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含む公知の方法により、組換え細胞培養物から回収および精製され得る。高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)も精製に使用され得る。
本開示の抗体は、普通に精製した生成物、化学合成手順の生成物、ならびに例えば酵母、高等植物、昆虫および哺乳動物細胞を含む真核生物宿主から、またはあるいは上記原核生物宿主から組換え技術により産生された生成物を含む。多くの抗体産生系がBirch&Radner(2006)Adv.Drug Delivery Rev.58:671-685に記載されている。
試験されている抗体がタンパク質またはポリペプチドと結合する場合、試験されている抗体および本開示により提供される抗体は同等である。抗体が、本明細書に開示される抗体と同じ特異性を有するかどうかについては、過度の実験を用いずに、本明細書に開示される抗体が、その抗体が通常反応性であるタンパク質またはポリペプチドに結合することを、試験されている抗体が防止するかどうかを決定することにより、決定することも可能である。試験されている抗体が、本明細書に開示されるモノクローナル抗体による結合の減少により示されるように本明細書に開示される抗体と競合する場合、2つの抗体は同じまたは近縁エピトープに結合する可能性がある。あるいは、本明細書に開示される抗体を、それが通常反応性であるタンパク質と共にプレインキュベートし、試験されている前記抗体がその抗原結合能力を阻害されるかを決定し得る。試験されている抗体が阻害される場合、そのときには、その抗体は、ほとんど確実に本明細書に開示される抗体と同じまたは近縁エピトープ特異性を有する。
「抗体」という用語はまた、すべての免疫グロブリンアイソタイプおよびサブクラスの抗体を含むことを意図する。特定のアイソタイプのモノクローナル抗体は、初期融合から選択することにより直接調製され得るか、またはSteplewskiら、(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:8653もしくはSpiraら、(1984)J.Immunol.Methods 74:307に記載されている手順を使用してクラススイッチバリアントを単離するためのsib選択技術を使用することにより、異なるアイソタイプのモノクローナル抗体を分泌する親ハイブリドーマから二次的に調製され得る。あるいは、組換えDNA技術も使用され得る。
本明細書に記載されるモノクローナル抗体の特異性を有する他のモノクローナル抗体の単離もまた、抗イディオタイプ抗体を産生することにより、当業者により達成され得る。Herlynら、(1986)Science 232:100。抗イディオタイプ抗体は、目的のモノクローナル抗体に存在するユニークな決定基を認識する抗体である。
本明細書に開示されるいくつかの態様では、抗体を検出可能にまたは治療的に標識することが有用である。適切な標識は上記に記載されている。抗体をこれらの剤にコンジュゲートするための方法は当技術分野で公知である。単に例示目的で、抗体は、検出可能な部分、例えば放射性原子、発色団、フルオロフォアなどで標識され得る。このような標識抗体は、インビボまたは単離された試験サンプルのいずれかで診断技術に使用され得る。
低分子量ハプテンへの抗体のカップリングは、アッセイにおける抗体の感度を増加させ得る。次いで、ハプテンは、第2の反応により特異的に検出され得る。例えば、アビジンと反応するビオチン、または特定の抗ハプテン抗体と反応し得るジニトロフェノール、ピリドキサールおよびフルオレセインなどのハプテンを使用することが一般的である。Harlow and Lane(1988)前掲を参照のこと。
本開示の抗体の可変領域は、抗体の1つまたはそれを超える結合特性(例えば、親和性)を改善するように、VHおよび/またはVL CDR1、CDR2および/またはCDR3領域内のアミノ酸残基を変異させることにより改変され得る。変異は、部位特異的変異誘発もしくはPCR媒介変異誘発により導入され得るか、または抗体結合または目的の他の機能特性に対する効果は、適切なインビトロもしくはインビボアッセイで評価され得る。特定の実施形態では、保存的改変が導入され、典型的にはCDR領域内の1個以下、2個以下、3個以下、4個以下または5個以下の残基が変更される。変異は、アミノ酸置換、付加または欠失であり得る。
例えば、1つまたはそれを超えるフレームワーク残基を対応する生殖細胞系列配列に「復帰変異」させることにより、フレームワーク改変を抗体に行って、免疫原性を減少させ得る。
加えて、本明細書に開示される抗体は、抗体の1つまたはそれを超える機能特性、例えば血清半減期、補体結合、Fc受容体結合および/または抗原依存性細胞傷害性を変化させるためのFc領域内の改変を含むように操作され得る。このような改変としては、限定されないが、軽鎖および重鎖のアセンブリを容易にするか、または抗体の安定性を増加もしくは減少させるためのヒンジ領域中のシステイン残基の数の変化(米国特許第5,677,425号)、および抗体の生物学的半減期を減少させるためのFcヒンジ領域中のアミノ酸変異(米国特許第6,165,745号)が挙げられる。
加えて、本明細書に開示される抗体は、化学的に改変され得る。抗体のグリコシル化は、例えば、抗原に対する抗体の親和性を増加させるように、抗体配列内の1つまたはそれを超えるグリコシル化部位を改変することにより変化させ得る(米国特許第5,714,350号;および米国特許第6,350,861号)。あるいは、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性を増加させるために、低減した量のフコシル残基を有する低フコシル化抗体または増加した二分枝GlcNac構造を有する抗体は、変化したグリコシル化機構を有する宿主細胞において抗体を発現させることにより得られ得る(Shields,R.Lら、(2002)J.Biol.Chem.277:26733-26740;Umanaら、(1999)Nat.Biotech.17:176-180)。
本明細書に開示される抗体は、1つまたはそれを超えるPEG基が抗体または抗体断片に結合される条件下で、抗体またはその断片をポリエチレングリコール(PEG)またはPEGの反応性エステルもしくはアルデヒド誘導体と反応させることにより、生物学的半減期を増加させるようにペグ化され得る。抗体ペグ化は、反応性PEG分子(または類似の反応性水溶性ポリマー)を用いたアシル化反応またはアルキル化反応により行われ得る。本明細書で使用される場合、「ポリエチレングリコール」という用語は、他のタンパク質を誘導体化するために使用されているPEGの形態のいずれか、例えばモノ(C1-C10)アルコキシポリエチレングリコールもしくはアリールオキシポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコールマレイミドを包含することを意図する。ペグ化すべき抗体は非グリコシル化抗体であり得る。タンパク質をペグ化するための方法は当技術分野で公知であり、本明細書に開示される抗体に適用され得る(欧州特許出願公開第0154316号および欧州特許出願公開第0401384号)。
加えて、抗体は、抗体の抗原結合領域を血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミンにコンジュゲートまたは融合させることにより、得られる分子の半減期を増加させるように化学的に改変され得る。このようなアプローチは、例えば、欧州特許出願公開第0322094号および欧州特許出願公開第0486525号に記載されている。
本開示の抗体またはその断片は診断剤にコンジュゲートされ、診断的に、例えば、疾患の発症または進行をモニタリングし、所定の処置レジメンの有効性を決定するために使用され得る。診断剤の例としては、酵素、補欠分子族、蛍光材料、発光材料、生物発光材料、放射性材料、様々な陽電子放射トモグラフィーを使用した陽電子放出性金属および非放射性常磁性金属イオンが挙げられる。検出可能な物質は直接的に、または当技術分野で公知の技術を使用してリンカーを介して間接的にのいずれかで抗体またはその断片にカップリングまたはコンジュゲートされ得る。適切な酵素の例としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ベータ-ガラクトシダーゼまたはアセチルコリンエステラーゼが挙げられる。適切な補欠分子族複合体の例としては、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンが挙げられる。適切な蛍光材料の例としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリドまたはフィコエリトリンが挙げられる。発光材料の例としては、ルミノールが挙げられる。生物発光材料の例としては、ルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびエクオリンが挙げられる。適切な放射性材料の例としては、125I、131I、インジウム-111、ルテチウム-171、ビスマス-212、ビスマス-213、アスタチン-211、銅-62、銅-64、銅-67、イットリウム-90、ヨウ素-125、ヨウ素-131、リン-32、リン-33、スカンジウム-47、銀-111、ガリウム-67、プラセオジム-142、サマリウム-153、テルビウム-161、ジスプロシウム-166、ホルミウム-166、レニウム-186、レニウム-188、レニウム-189、鉛-212、ラジウム-223、アクチニウム-225、鉄-59、セレン-75、ヒ素-77、ストロンチウム-89、モリブデン-99、ロジウム-1105、パラジウム-109、プラセオジム-143、プロメチウム-149、エルビウム-169、イリジウム-194、金-198、金-199および鉛-211が挙げられる。モノクローナル抗体は、抗体に共有結合的に連結された二官能性のキレート剤の使用により、放射性金属イオンと間接的にコンジュゲートされ得る。キレート剤は、アミン(Mearesら、(1984)Anal.Biochem.142:68-78)、アミノ酸残基のスルフヒドリル基(sulfhydral group)(Koyama(1994)Chem.Abstr.120:217-262)および炭水化物基(Rodwellら、(1986)PNAS USA 83:2632-2636;Quadriら、(1993)Nucl.Med.Biol.20:559-570)を介して結合され得る。
さらに、本開示の抗体またはその断片は、治療剤にコンジュゲートされ得る。適切な治療剤としては、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロールおよびピューロマイシン、代謝拮抗剤(例えば、メトトレキサート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、フルダラビン、5-フルオロウラシル、デカルバジン(decarbazine)、ヒドロキシウレア、アスパラギナーゼ、ゲムシタビン、クラドリビン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオエパ、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)、ロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、ダカルバジン(DTIC)、プロカルバジン、マイトマイシンC、シスプラチンおよび他の白金誘導体、例えばカルボプラチン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(以前はアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ダウノルビシン(以前はダウノマイシン)、ドキソルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、プリカマイシン、アントラマイシン(AMC))、ジフテリア毒素および関連分子(例えば、ジフテリア毒素A鎖およびその活性断片、ならびにハイブリッド分子)、リシン毒素(例えば、リシン毒素Aまたは脱グリコシル化リシン毒素A鎖)、コレラ毒素、志賀様毒素(SLT-I、SLT-II、SLT-IIV)、LT毒素、C3毒素、志賀毒素、百日咳毒素、破傷風毒素、ダイズボーマン-バークプロテアーゼ阻害剤、Pseudomonas外毒素、アロリン、サポリン、モデクシン、ゲラニン、アブリンA鎖、モデクシンA鎖、アルファ-サルシン、Aleurites fordiiタンパク質、ジアンチンタンパク質、Phytolacca americanaタンパク質(PAPI、PAPIIおよびPAP-S)、momordica charantia阻害剤、クルシン、クロチン、sapaonaria officinalis阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrietocin)、フェノマイシン、エノマイシン毒素および混合毒素が挙げられる。
さらなる適切なコンジュゲート分子としては、リボヌクレアーゼ(RNase)、DNase I、アンチセンス核酸、阻害性RNA分子、例えばsiRNA分子、免疫賦活性核酸、アプタマー、リボザイム、三重鎖形成分子および外部ガイド配列が挙げられる。アプタマーは、規定の二次構造および三次構造、例えばステムループまたはGカルテットにフォールディングされる15~50塩基長の範囲の小さな核酸であり、小分子、例えばATP(米国特許第5,631,146号)およびテオフィリン(米国特許第5,580,737号)ならびに大きな分子、例えば逆転写酵素(米国特許第5,786,462号)およびトロンビン(米国特許第5,543,293号)に結合し得る。リボザイムは、分子内的にまたは分子間的に化学反応を触媒することができる核酸分子である。リボザイムは、典型的には、その後の切断を伴う標的基質の認識および結合を介して、核酸基質を切断する。三重鎖形成機能核酸分子は、三重鎖を形成することにより二本鎖または一本鎖核酸と相互作用し得、DNAの3つの鎖は、ワトソン・クリックおよびフーグスティーン塩基対形成の両方に依存して複合体を形成する。三重鎖分子は、高度な親和性および特異性で標的領域に結合し得る。
機能的核酸分子は、標的分子により保有される特異的活性のエフェクター、阻害剤、修飾物質(modulator)および刺激剤として作用し得るか、または機能的分子は、いかなる他の分子とも独立してデノボ活性を保有し得る。
治療剤は、利用可能な多数の方法のいずれかを使用して、抗体に直接的にまたは間接的に連結され得る。例えば、薬剤は、N-スクシニル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)などの架橋剤を使用してジスルフィド結合形成を介して、または抗体のFc領域における炭水化物部分を介して、還元抗体構成成分のヒンジ領域に結合され得る(Yuら、1994 Int.J.Cancer 56:244;Upeslacisら、“Modification of Antibodies by Chemical Methods,”in Monoclonal antibodies:principles and applications,Birchら、(eds.),pages 187-230(Wiley-Liss,Inc.1995);Price,“Production and Characterization of Synthetic Peptide-Derived Antibodies,”in Monoclonal antibodies:Production,engineering and clinical application,Ritterら、(eds.),pages 60-84(Cambridge University Press 1995))。
治療剤を抗体にコンジュゲートするための技術は周知である(Amonら、“Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy,”in Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy;Reisfeldら、(eds.),pp.243-56(Alan R.Liss,Inc.1985);Hellstromら、“Antibodies For Drug Delivery,”in Controlled Drug Delivery(2nd Ed.);Robinsonら、(eds.),pp.623-53(Marcel Dekker,Inc.1987);Thorpe“Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy:A Review,”in Monoclonal Antibodies ’84:Biological And Clinical Applications,Pincheraら、(eds.),pp.475-506(1985);“Analysis,Results,And Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radiolabeled Antibody in Cancer Therapy,”in Monoclonal Antibodies For Cancer Detection And Therapy,Baldwinら、(eds.),pp.303-16(Academic Press 1985)、およびThorpeら、“The Preparation And Cytotoxic Properties Of Antibody-Toxin Conjugates,”(1982)Immunol.Rev.62:119-58)。
少なくとも2つまたはそれを超える異なる結合部位または標的分子に結合する二重特異性または多重特異性分子を生成するために、本明細書に開示される抗体またはその抗原結合領域は、別の機能的分子、例えば別の抗体または受容体のリガンドに連結され得る。1つまたはそれを超える他の結合分子、例えば別の抗体、抗体断片、ペプチドまたは結合模倣物への抗体の連結は、例えば、化学的カップリング、遺伝子融合または非共有結合的会合により行われ得る。多重特異性分子は、第1および第2の標的エピトープに加えて、第3の結合特異性をさらに含み得る。
二重特異性および多重特異性分子は、当技術分野で公知の方法を使用して調製され得る。例えば、二重特異性分子(hi-specific molecule)の各結合単位を個別に生成し、次いで、互いにコンジュゲートされ得る。結合分子がタンパク質またはペプチドである場合、様々なカップリングまたは架橋剤が共有結合的コンジュゲーションに使用され得る。架橋剤の例としては、プロテインA、カルボジイミド、N-スクシンイミジル-S-アセチル-チオアセテート(SATA)、5,5’-ジチオビス(2-ニトロ安息香酸))(DTNB)、o-フェニレンジマレイミド(oPDM)、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)およびスルホスクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-I-カルボキシレート(スルホ-SMCC)(Karpovskyら、(1984)J.Exp.Med.160:1686;Liuら、(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:8648)が挙げられる。結合分子が抗体である場合、それらは、2つの重鎖のC末端ヒンジ領域のスルフヒドリル結合によりコンジュゲートされ得る。
本開示の抗体またはその断片は、抗体が結合して「枯渇」抗体を形成する細胞に対して毒性の部分に連結され得る。これらの抗体は、NK細胞を枯渇させることが望まれる用途において特に有用である。
本明細書に開示される抗体はまた固体支持体に結合され得、これは、イムノアッセイまたは標的抗原の精製に特に有用である。このような固体支持体としては、限定されないが、ガラス、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルまたはポリプロピレンが挙げられる。
抗体はまた、多くの異なる担体に結合され得る。したがって、本開示はまた、抗体と、活性または不活性な別の物質とを含有する組成物を提供する。周知の担体の例としては、ガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然セルロースおよび改変セルロース、ポリアクリルアミド、アガロースおよび磁鉄鉱が挙げられる。担体の性質は、本明細書に開示される目的のために可溶性または不溶性であり得る。当業者は、モノクローナル抗体を結合させるために適切な他の担体について把握しているか、またはルーチンな実験を使用してこのようなものを確認することができる。
本明細書で提供される抗体の態様のいくつかでは、抗体は全長抗体である。
本明細書で提供される抗体の態様のいくつかでは、抗体はモノクローナル抗体である。
本明細書で提供される抗体の態様のいくつかでは、抗体はキメラまたはヒト化である。
本明細書で提供される抗体の態様のいくつかでは、抗体は、Fab、F(ab)’2、Fab’、scFvおよびFvからなる群より選択される。
本明細書で提供される抗体の態様のいくつかでは、抗体はFcドメインを含む。本明細書で提供される抗体の態様のいくつかでは、抗体は、非ヒト動物、例えばラット、ヒツジ、ウシ、イヌ、ネコまたはウサギ抗体である。本明細書で提供される抗体の態様のいくつかでは、抗体は、ヒトもしくはヒト化抗体であるか、またはヒトにおいて非免疫原性である。
本明細書で提供される抗体の態様のいくつかでは、抗体はヒト抗体フレームワーク領域を含む。
他の態様では、本明細書で提供される抗体のCDR中の1つまたはそれを超える残基は、別のアミノ酸で置換される。置換は、同じアミノ酸ファミリー内の置換であるという意味で、「保存的」であり得る。天然に存在するアミノ酸は以下の4つのファミリーに分けられ得、保存的置換はこれらのファミリー内で起こる。
1)塩基性側鎖を有するアミノ酸:リジン、アルギニン、ヒスチジン。
2)酸性側鎖を有するアミノ酸:アスパラギン酸、グルタミン酸。
3)非電荷極性側鎖を有するアミノ酸:アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン。
4)非極性側鎖を有するアミノ酸:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、システイン。
別の態様では、1つまたはそれを超える残基が、抗体の1つまたはそれを超えるCDRに付加されるか、またはそれらから欠失される。このような付加または欠失は、CDRのNもしくはC末端またはCDR内の位置において起こる。
アミノ酸の付加、欠失または置換により抗体のCDRのアミノ酸配列を変えることにより、標的抗原に対する結合親和性の増加などの様々な効果が得られ得る。
ポリヌクレオチド、ベクターおよび宿主細胞
本開示はまた、上記で特定されているポリペプチドまたは抗体の1つまたはそれよりも多くをコードする単離されたまたは組換えポリヌクレオチドおよびそれらの各相補鎖を提供する。単離されたまたは組換えポリヌクレオチドを含むベクターがさらに提供され、その例は当技術分野で公知であり、本明細書に簡単に記載されている。1つを超える単離されたまたは組換えポリヌクレオチドが単一ユニットとして発現させるべき一態様では、単離されたまたは組換えポリヌクレオチドは、ポリシストロン性ベクター内に含有され得る。ポリヌクレオチドは、DNA、RNA、mRNAまたは干渉RNA、例えばsiRNA、miRNAまたはdsRNAであり得る。
本開示はさらに、RNA転写のプロモーターならびにDNAまたはRNAの複製および/または一過性発現もしくは安定的発現のための他の調節配列に機能的に連結された単離されたまたは組換えポリヌクレオチドを提供する。本明細書で使用される場合、「機能的に連結された」という用語は、プロモーターが、DNA分子からのRNAの転写を指令するように配置されていることを意味する。このようなプロモーターの例は、SP6、T4およびT7である。特定の実施形態では、細胞特異的プロモーターは、挿入されたポリヌクレオチドの細胞特異的発現に使用される。終始コドンおよび選択マーカー配列、ならびにDNAの挿入片がそのプロモーターに機能的に連結され得るクローニング部位と共にプロモーターまたはプロモーター/エンハンサーを含有するベクターが当技術分野で公知であり、市販されている。一般的な方法およびクローニング戦略については、Gene Expression Technology(Goeddel ed.,Academic Press,Inc.(1991))およびそこで引用されている参照文献、ならびに様々な適切なベクターについてのマップ、機能的特性、商業的供給業者およびGenEMBL受託番号の参照を含有するEssential Data Series(Gacesa and Ramji,eds.,John Wiley&Sons,N.Y.(1994))を参照のこと。
一実施形態では、本開示のポリヌクレオチド由来のポリヌクレオチドは、本明細書に記載される診断的および治療的有用性を有するポリペプチド、タンパク質、抗体またはその断片、ならびにタンパク質の転写産物を同定するためのプローブ(これは存在してもよいしまたは存在しなくてもよい)をコードする。これらの核酸断片は、例えば、より大きなポリヌクレオチドの制限酵素消化により調製され、次いで、検出可能なマーカーで標識され得る。あるいは、ランダム断片は、分子のニックトランスレーションを使用して生成され得る。このような断片の調製および標識のための方法については、Sambrookら、(1989)前掲を参照のこと。
これらの核酸を含有する発現ベクターは、タンパク質およびポリペプチドを産生するための宿主ベクター系を得るために有用である。これらの発現ベクターは、宿主生物において、エピソームとして、または染色体DNAの不可欠な一部として複製可能でなければならないことが示されている。適切な発現ベクターの非限定的な例としては、プラスミド、酵母ベクター、ウイルスベクターおよびリポソームが挙げられる。インビトロおよびインビボの両方における高レベルの発現および細胞の効率的な形質転換により、アデノウイルスベクターはインビボで遺伝子を組織に導入するために特に有用である。核酸が適切な宿主細胞、例えば原核または真核細胞および宿主細胞複製物に挿入される場合、タンパク質は組換え的に産生され得る。適切な宿主細胞はベクターに依存し、公知の方法を使用して構築された原核および真核細胞、例えば哺乳動物細胞、動物細胞、ヒト細胞、サル細胞、昆虫細胞、酵母細胞および細菌細胞を含み得る。Sambrookら、(1989)前掲を参照のこと。細胞への外因性核酸の挿入のためのウイルスベクターの使用に加えて、核酸は、当技術分野で公知の方法、例えば細菌細胞のための形質転換;哺乳動物細胞のための、リン酸カルシウム沈降を使用したトランスフェクション;またはDEAE-デキストラン;エレクトロポレーション;またはマイクロインジェクションにより、宿主細胞に挿入され得る。方法についてはSambrookら、(1989)前掲を参照のこと。したがって、本開示はまた、タンパク質またはポリペプチドまたは抗体もしくはそれらの断片をコードするポリヌクレオチドを含有する宿主細胞、例えば哺乳動物細胞、動物細胞(ラットまたはマウス)、ヒト細胞または原核細胞、例えば細菌細胞を提供する。
ポリヌクレオチドは、改変ヌクレオチド、例えばメチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチド類似体を含み得る。存在する場合、ヌクレオチド構造への改変は、ポリヌクレオチドのアセンブリの前にまたはその後に付与され得る。非ヌクレオチド構成成分がヌクレオチドの配列の途中に挿入されていてよい。ポリヌクレオチドは、重合後に、例えば、標識構成成分とのコンジュゲーションによりさらに改変され得る。この用語はまた、二本鎖および一本鎖分子の両方を指す。特に指定または要求がない限り、ポリヌクレオチドである本発明の任意の実施形態は、二本鎖形態と、二本鎖形態を構成することが公知であるかまたは予測される2つの各相補的一本鎖形態との両方を包含する。
ベクターが、インビボまたはエクスビボで遺伝子療法に使用される場合、複製能力欠損レトロウイルスまたはアデノウイルスベクターなどの薬学的に許容され得るベクターが好ましい。本開示の核酸を含有する薬学的に許容され得るベクターは、挿入されたポリヌクレオチドを一過性または安定的発現のためにさらに改変され得る。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容され得るベクター」という用語は、限定されないが、核酸を選択的に標的としそれを分裂細胞へと導入する能力を有するベクターまたは送達ビヒクルを含む。このようなベクターの例は、ウイルスタンパク質を産生して感染宿主細胞においてベクターを拡散させることができないことにより定義される「複製能力欠損」ベクターである。複製能力欠損レトロウイルスベクターの例は、LNL6(Millerら、(1989)BioTechniques 7:980-990)である。遺伝子マーカーのレトロウイルス媒介遺伝子移入のために複製能力欠損レトロウイルスを使用する方法が確立されている(Bordignon(1989)PNAS USA 86:8912-8952;Culver(1991)PNAS USA 88:3155;およびRill(1991)Blood 79(10):2694-2700)。
本開示はまた、本開示のポリヌクレオチドを含有し、および/またはそれを発現する遺伝子改変細胞を提供する。遺伝子改変細胞は、上流調節配列、例えばプロモーターまたは遺伝子活性化因子の挿入により作製され得る(米国特許第5,733,761号を参照のこと)。
ポリヌクレオチドは、細胞における核酸の検出および/または遺伝子の発現のために、検出可能マーカー、例えば酵素標識または放射性同位体にコンジュゲートされ得る。検出可能なシグナルを生じさせることができる蛍光リガンド、放射性リガンド、酵素リガンドまたは他のリガンド、例えばアビジン/ビオチンを含む多種多様な適切な検出可能なマーカーが当技術分野で公知である。一態様では、放射性試薬または他の環境的に望ましくない試薬に代えて、蛍光標識または酵素タグ、例えばウレアーゼ、アルカリホスファターゼまたはペルオキシダーゼを用いることが望まれる可能性がある。酵素タグの場合、熱量測定インジケーター基質(calorimetric indicator substrate)を用いて、相補的な核酸含有サンプルとの特異的ハイブリダイゼーションを同定するための、目視可能な手段または分光光度的に検出可能な手段を提供し得る。したがって、本開示はさらに、相補的一本鎖ポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションが可能になる条件下で(好ましくは、中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件)、またはより好ましくは高度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、標的一本鎖ポリヌクレオチドを、本開示のポリヌクレオチドの一部である標識一本鎖ポリヌクレオチド(プローブ)と接触させることにより、一本鎖ポリヌクレオチドまたはその相補体を検出するための方法を提供する。ハイブリダイズしたポリヌクレオチド対は、ハイブリダイズしなかった一本鎖ポリヌクレオチドから分離される。ハイブリダイズしたポリヌクレオチド対は、当業者に公知の方法、例えばSambrookら(1989年)前掲に記載されている方法を使用して検出される。
本開示で具体化されるポリヌクレオチドは、化学合成、組換えクローニング法、PCRまたはそれらの任意の組み合わせを使用して得られ得る。化学的なポリヌクレオチド合成は当技術分野で公知であり、本明細書に詳細に記載される必要はない。当業者は、本明細書で提供される配列データを使用して、DNA合成機を用いることにより、または商業的サービスを依頼することにより所望のポリヌクレオチドを得ることができる。
本開示のポリヌクレオチドは、PCRを使用して単離または複製され得る。PCR技術は、米国特許第4,683,195、米国特許第4,800,159、米国特許第4,754,065、米国特許第4,683,202号の主題であり、PCR:The Polymerase Chain Reaction(Mullisら、eds.,Birkhauser Press,Boston(1994))またはMacPhersonら、(1991)および(1995)ならびにそこで引用されている参考文献に記載されている。あるいは、当業者は、本明細書で提供される配列および市販のDNA合成機を使用して、DNAを複製し得る。したがって、本開示はまた、ポリヌクレオチドの線状配列、ヌクレオチド、適切なプライマー分子、化学物質、例えば酵素およびそれらを複製のための指示を提供し、ポリヌクレオチドを得るために適切な方向でヌクレオチドを化学的に複製または連結することにより、本開示のポリヌクレオチドを得るためのプロセスを提供する。別の実施形態では、これらのポリヌクレオチドはさらに単離される。なおさらに、当業者は、複製および増幅のために、ポリヌクレオチドを適切な複製ベクターに挿入し、ベクターを適切な宿主細胞(原核または真核細胞)に挿入し得る。そのようにして増幅されたDNAは、当業者に公知の方法により、細胞から単離され得る。この方法によりポリヌクレオチドを得るためのプロセス、およびそのようにして得られたポリヌクレオチドが本明細書でさらに提供される。
RNAは、最初に、DNAポリヌクレオチドを適切な宿主細胞に挿入することにより得られ得る。DNAは、任意の適切な方法により、例えば、適切な遺伝子送達ビヒクル(例えば、リポソーム、プラスミドまたはベクター)の使用により、またはエレクトロポレーションにより送達され得る。細胞が複製してDNAがRNAに転写されたら、次いで、RNAは、例えば、Sambrookら、(1989)前掲に記載されている当業者に公知の方法を使用して単離され得る。例えば、mRNAは、Sambrookら、(1989)前掲に記載されている手順にしたがって、様々な溶菌酵素または化学溶液を使用して単離され得、製造業者により提供される添付の指示にしたがって、核酸結合樹脂により抽出され得る。
本開示のポリヌクレオチドとの配列相補性または相同性を示すポリヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションプローブとして、または本明細書で同定された特定のポリヌクレオチドの同等物として有用である。転写産物の完全なコード配列は公知であるので、この配列または相同配列の任意の部分は、本開示の方法において使用され得る。
「完全に一致する」プローブは、特異的なハイブリダイゼーションに必要ではないことが当技術分野で公知である。少数の塩基の置換、欠失または挿入により達成されるプローブ配列の軽微な変化は、ハイブリダイゼーション特異性に影響を及ぼさない。一般に、20%程度の塩基対ミスマッチ(最適にアラインメントされた場合)が許容され得る。好ましくは、前述のmRNAを検出するために有用なプローブは、相同領域と少なくとも約80%同一である。より好ましくは、プローブは、相同領域のアラインメント後に、対応する遺伝子配列と85%同一であり、さらにより好ましくは、それは90%の同一性を示す。
これらのプローブは、様々な細胞またはこれらの細胞を含有する組織を検出、予後診断、診断またはモニタリングするために、ラジオアッセイ(例えば、サザンおよびノーザンブロット分析)において使用され得る。プローブはまた、本開示のポリヌクレオチドに対応する遺伝子の発現の検出のためのハイスループットスクリーニングアッセイにおいて使用するために、チップなどの固体支持体またはアレイに結合され得る。したがって、本開示は、ハイスループットスクリーニングにおいて使用するために固体支持体に結合された本開示のポリヌクレオチドまたはその同等物またはその相補体またはその断片を含むかまたはそれに対応するプローブを提供する。
断片の合計サイズおよび相補的ストレッチのサイズは、特定の核酸セグメントの目的の使用または適用に依存する。より小さな断片は、一般に、ハイブリダイゼーション実施形態において使用され、相補領域の長さは、例えば、少なくとも5から10から約100ヌクレオチドまでの間で、またはさらには検出したい相補配列に応じて全長で変動し得る。
ハイブリッドの安定性および選択性を増加させ、それにより、得られる特定のハイブリッド分子の特異性を改善するために、5~10ヌクレオチド長を超えるストレッチにわたる相補配列を有するヌクレオチドプローブが一般に好ましい。より好ましくは、10ヌクレオチド長もしくはそれを超えるまたは50ヌクレオチド長もしくはそれを超えるまたはさらには所望の場合にはより長い遺伝子相補的ストレッチを有するポリヌクレオチドを設計し得る。このような断片は、例えば、化学的手段により断片を直接合成することにより、核酸複製技術、例えば米国特許第4,603,102号に記載されている2つのプライミングオリゴヌクレオチドを用いたPCR技術の適用により、または組換え産生のために選択配列を組換えベクターに導入することにより容易に調製され得る。一態様では、プローブは、約50~75ヌクレオチド長もしくはそれを超えるあるいは50~100ヌクレオチド長である。
本開示のポリヌクレオチドは、本明細書に記載される細胞において発現される遺伝子または遺伝子転写産物の検出のためのプライマーとして機能し得る。この文脈では、増幅は、妥当な忠実度で標的配列を複製することができるプライマー依存的ポリメラーゼを用いる任意の方法を意味する。増幅は、天然または組換えDNAポリメラーゼ、例えばT7 DNAポリメラーゼ、大腸菌DNAポリメラーゼのクレノウ断片および逆転写酵素により行われ得る。単に例示目的で、プライマーは、プローブについて特定されているものと同じ長さである。
ポリヌクレオチドを増幅するための1つの方法はPCRであり、PCR増幅のためのキットは市販されている。増幅後、得られるDNA断片は、当技術分野で公知の任意の適切な方法により、例えば、アガロースゲル電気泳動、続いて、臭化エチジウム染色および紫外線照射による可視化により検出され得る。
有効量の遺伝子送達ベクターまたはビヒクルを細胞に投与するための方法は開発されており、当業者に公知であり、本明細書に記載されている。細胞における遺伝子発現を検出するための方法は当技術分野で公知であり、DNAマイクロアレイへのハイブリダイゼーション、インサイチューハイブリダイゼーション、PCR、RNase保護アッセイおよびノーザンブロット分析などの技術が挙げられる。このような方法は、細胞における遺伝子の発現を検出および定量するために有用である。あるいは、コードされるポリペプチドの発現は、様々な方法により検出され得る。特に、標的ポリペプチドと特異的に反応性であるポリクローナルまたはモノクローナル抗体を調製することが有用である。このような抗体は、例えば、免疫組織学法、ELISAおよびウエスタンブロット法などの技術を使用して、ポリペプチドを発現する細胞を可視化するために有用である。これらの技術は、発現されたポリヌクレオチドの発現レベルを決定するために使用され得る。
一態様では、HMGボックスドメインを含むポリペプチドは、原核生物および真核生物宿主細胞由来の野生型および組換え産生ポリペプチドおよびタンパク質を含む。
タンパク質およびポリペプチドは、精製、化学合成および組換え法を含む当業者に公知の多くのプロセスにより入手可能である。ポリペプチドは、抗体を用いた免疫沈降などの方法、ならびにゲル濾過、イオン交換、逆相およびアフィニティークロマトグラフィーなどの標準的な技術により、宿主細胞系などの調製物から単離され得る。このような方法については、例えば、Deutscherら、(1999)Guide To Protein Purification:Methods In Enzymology(Vol.182,Academic Press)を参照のこと。したがって、本開示はまた、これらのポリペプチドを得るためのプロセス、ならびにこれらのプロセスにより取得可能なおよび得られた生成物を提供する。
ポリペプチドはまた、市販の自動ペプチド合成機、例えばPerkin/Elmer/Applied Biosystems,Inc.,Model 430Aまたは43lA,Foster City,CA,USAにより製造されたものを使用して化学合成により得られ得る。合成したポリペプチドを沈殿させ、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によりさらに精製し得る。したがって、本開示はまた、タンパク質の配列および試薬、例えばアミノ酸および酵素を提供し、適切な配向および線状配列でアミノ酸を一緒に連結することにより、本開示のタンパク質を化学的に合成するためのプロセスを提供する。
あるいは、タンパク質およびポリペプチドは、例えば、本明細書に記載される宿主細胞およびベクター系を使用して、Sambrookら、(1989)前掲に記載されている周知の組換え法により得られ得る。
本発明のポリペプチドはまた、様々な固相担体、例えば埋込物、ステント、ペースト、ゲル、歯科インプラントもしくは医療用インプラント、または液相担体、例えばビーズ、滅菌溶液もしくは水溶液、薬学的に許容され得る担体、懸濁液およびエマルジョンと組み合わされ得る。非水性溶媒の例としては、プロピルエチレングリコール、ポリエチレングリコールおよび植物油が挙げられる。インビボで抗体を調製するかまたは免疫反応を誘導するために使用される場合、担体はまた、特異的免疫反応を非特異的に増大させるために有用なアジュバントを含み得る。当業者は、アジュバントが必要であるかを容易に決定し、それを選択し得る。しかしながら、単に例示目的で、適切なアジュバントとしては、限定されないが、フロイント完全アジュバントおよびフロイント不完全アジュバント、無機塩類およびポリヌクレオチドが挙げられる。他の適切なアジュバントとしては、モノホスホリルリピドA(MPL)、大腸菌易熱性エンテロトキシンの変異体誘導体、コレラ毒素の変異体誘導体、CPGオリゴヌクレオチドおよびスクアレンに由来するアジュバントが挙げられる。
組成物
本開示はまた、単独で、または互いにもしくは他の薬剤、例えば抗生物質および許容され得る担体もしくは固体支持体と組み合わせて本開示のポリペプチド、類似物、ムテインまたは断片のいずれかを含むか、またはそれから本質的になるか、またはさらにはそれからなる医薬組成物を提供する。これらの組成物は、本明細書に記載される様々な診断方法および治療方法に有用である。
薬剤は、薬学的に許容され得る担体などの担体と組み合わされ得、例えば、吸入または直接注射による局所または全身送達のために製剤化され得る。
使用方法
一態様では、本開示は、バイオフィルムを阻害または破壊するための方法であって、前記バイオフィルムを、前記バイオフィルム中のホリデイジャンクション(HJ)構造を切断する薬剤と接触させることを含む方法を提供する。接触することはインビトロまたはインビボである。一態様では、薬剤は、HJ特異的エンドヌクレアーゼ、例えばRuvABCまたはRusAである。一態様では、バイオフィルムは、尿路病原性大腸菌(UPEC)、分類不能Haemophilus influenza(NTHI)またはS.epidermidisの1つまたはそれよりも多くにより形成される。
バイオフィルムの阻害もしくは破壊またはバイオフィルム感染症に付随する疾患もしくは状態の処置を必要とする被験体におけるバイオフィルムを阻害もしくは破壊するかまたはバイオフィルム感染症に付随する疾患もしくは状態を処置するための方法であって、前記被験体に、前記バイオフィルム中のホリデイジャンクション(HJ)構造を切断する有効量の薬剤を投与することを含む方法も提供される。一態様では、薬剤は、HJ特異的エンドヌクレアーゼ、例えばRuvABCまたはRusAである。
被験体は、哺乳動物、例えばヒト患者または小児ヒト患者であり得る。投与は局所または全身であり得る。
一態様では、疾患または状態は、UPEC、NTHIまたはS.epidermidis、Streptococcus agalactiae、Neisseria meningitidis、Treponemes、denticola、pallidum)、Burkholderia cepacia)またはBurkholderia pseudomallei、Haemophilus influenzae(分類不能)、Moraxella catarrhalis、Streptococcus pneumoniae、Streptococcus pyogenes、Pseudomonas aeruginosa、Mycobacterium tuberculosisによる感染症、上気道、中気道および下気道(耳炎、副鼻腔炎、気管支炎だけではなく、さらには慢性閉塞性肺疾患(COPD)の悪化、慢性咳、嚢胞性線維症(CF)および市中肺炎(CAP)の合併症および/または主因である。
一態様では、疾患または状態は嚢胞性線維症であり、投与は吸入療法または局所によるものである。別の態様では、薬剤の投与または薬剤を接触させることは、DNase処置の非存在下で実施される。一態様では、治療から除外されるDNAse処置は、DNA骨格中のホスホジエステル結合の切断を触媒する酵素を含む。十字型構造だけではなくDNAの様々な二次構造も標的とすることが公知のDNase酵素の3つの非限定的な例としては、DNAse I、T4 EndoVIIおよびT7 Endo Iが挙げられる。一態様では、治療から除外されるDNAse処置は、Pulmozyme(登録商標)(ドルナーゼアルファ;Genentech,Inc.)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはさらにはそれからなる。
別の態様では、抗菌薬などのさらなる薬剤がインビトロで接触されるか、または被験体に投与される。投与は同時または逐次であり得る。
したがって、本開示の方法に適用可能な投与経路としては、鼻腔内、筋肉内、気管内、皮下、皮内、局所適用、静脈内、直腸、経鼻、経口的、吸入および他の経腸および非経口的な投与経路が挙げられる。投与経路は、所望により組み合わされ得るか、または薬剤および/もしくは所望の効果に応じて調整され得る。活性剤は、単回用量または複数回用量で投与され得る。送達に適切なこれらの方法および経路の実施形態は、全身経路または局所経路を含む。一般に、本開示の方法に適切な投与経路としては、限定されないが、経腸経路、非経口的経路または吸入による経路が挙げられる。
吸入投与以外の非経口投与経路としては、限定されないが、局所、経皮、皮下、筋肉内、眼窩内、嚢内、脊髄内、胸骨内および静脈内経路、すなわち、消化管を通る経路以外の任意の投与経路が挙げられる。非経口投与は、阻害剤の全身送達または局所送達をもたらすように行われ得る。全身送達が望まれる場合、投与は、典型的には、医薬調製物の侵襲的または全身的に吸収される局所投与または粘膜投与を伴う。
本開示の化合物はまた、経腸投与により被験体に送達され得る。経腸投与経路としては、限定されないが、経口および直腸(例えば、坐薬を使用する)送達が挙げられる。
皮膚または粘膜を介した活性物質の投与方法としては、限定されないが、適切な医薬調製物の局所適用、経皮透過(transcutaneous transmission)、経真皮透過、注射および表皮投与が挙げられる。経真皮透過については、吸収促進剤またはイオン泳動が適切な方法である。イオン泳動的浸透は、数日間またはそれを超える期間にわたって、非損傷皮膚を通じて電気的パルスによりそれらの生成物を連続的に送達する市販の「パッチ」を使用して達成され得る。
本開示の方法の様々な実施形態では、活性物質は、連続的に、毎日、少なくとも1日1回(QD)、様々な実施形態では1日2回(BID)、1日3回(TID)またはさらには1日4回経口投与される。典型的には、治療有効1日量は、少なくとも約1mg、または少なくとも約10mg、または少なくとも約100mgまたは約200mg~約500mg、時には化合物に応じて約1g~約2.5gまでである。
投与は、本開示の方法にしたがって、カプセル剤、錠剤、経口懸濁剤、筋肉内注射用懸濁剤、静脈内注入用懸濁剤、局所適用用ゲル剤もしくはクリーム剤または関節内注射用懸濁剤を使用して達成され得る。
標準的な薬学的手順により、細胞培養または実験動物において、本明細書に記載される組成物の投与量、毒性および治療有効性を決定して、例えば、LD50(集団の50%に対して致死的な用量)およびED50(集団の50%において治療的に有効な用量)を決定し得る。毒性作用と治療効果との間の用量比は治療指数であり、それはLD50/ED50比として表され得る。高い治療指標を示す組成物が好ましい。毒性副作用を示す化合物が使用され得るが、非感染細胞への潜在的な損傷を最小化し、それにより副作用を減少させるために、このような化合物を罹患組織部位に向ける送達系を設計するように注意すべきである。
細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒトにおいて使用するための範囲の投与量の製剤化において使用され得る。このような化合物の投与量は、好ましくは、毒性をほとんどまたは全く伴わずにED50を含む循環濃度の範囲内である。投与量は、用いられる剤形および利用される投与経路に応じて、この範囲内で異なり得る。前記方法において使用される任意の化合物について、治療有効用量は、最初に細胞培養アッセイから推定され得る。用量は、細胞培養で決定されるIC50(すなわち、症状の最大半阻害を達成する試験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するように、動物モデルにおいて製剤化され得る。このような情報は、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するために使用され得る。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーにより測定され得る。
いくつかの実施形態では、治療効果または予防効果を達成するために十分な組成物の有効量は、約0.000001mg/体重キログラム/投与~約10,000mg/体重キログラム/投与の範囲である。適切には、投与量は、約0.0001mg/体重キログラム/投与~約100mg/体重キログラム/投与の範囲である。投与は、初回用量、続いて1回またはそれを超える「追加」用量として提供され得る。追加用量は、初回用量の1日後、2日後、3日後、1週間後、2週間後、3週間後、1カ月後、2カ月後、3カ月後、6カ月後または12カ月後に提供され得る。いくつかの実施形態では、追加用量は、前の投与に対する被験体の反応の評価後に投与される。
当業者は、限定されないが、疾患または障害の重症度、以前の処置、被験体の一般的健康および/もしくは年齢、ならびに/または存在する他の疾患を含む特定の要因が、被験体を有効に処置するために必要な投与量およびタイミングに影響を与え得ることを認識する。また、治療有効量の本明細書に記載される治療用組成物による被験体の処置は、単一の処置または一連の処置を含み得る。一態様では、「処置」という用語は予防を除外する。
本開示の組成物および関連方法は、他の治療の投与と組み合わせて、またはこのような治療の非存在下で使用され得る。これらとしては、限定されないが、DNase酵素、抗生物質、抗菌薬または他の抗体の投与が挙げられる。一態様では、嚢胞性線維症に付随する微生物感染症およびバイオフィルムを処置するために、ポリペプチドは、DNアーゼ酵素と共に投与される。
いくつかの実施形態では、前記方法および組成物は、本開示の組成物と相乗的に作用するデオキシリボヌクレアーゼ(DNase)酵素、例えばDNaseを含む。DNaseは、DNA骨格中のホスホジエステル結合の切断を触媒する任意の酵素である。十字構造だけではなく、DNAの様々な二次構造もまた標的とすることが公知のDNase酵素の3つの非限定的な例としては、DNase I、T4 Endo VIIおよびT7 Endo Iが挙げられる。特定の実施形態では、バイオフィルムを不安定化するために必要な抗DNABII抗体の有効量は、DNaseと組み合わされた場合に低減される。インビトロで投与される場合、DNaseは、アッセイに直接添加され得るか、または酵素を安定化することが公知の適切なバッファー中に添加され得る。DNaseの有効単位用量およびアッセイ条件は様々であって良く、当技術分野で公知の手順にしたがって最適化され得る。
他の実施形態では、前記方法および組成物は、抗生物質および/または抗菌薬と組み合わされ得る。抗菌薬は、細菌、真菌または原虫などの微生物を死滅させるか、またはそれらの成長を阻害する物質である。バイオフィルムは、一般に、抗生物質の作用に対して耐性であるが、本明細書に記載される組成物および方法は、バイオフィルムを伴う感染症を、感染症を処置するための従来の治療方法に対して感受性にするために使用され得る。他の実施形態では、本明細書に記載される方法および組成物と組み合わせた抗生物質または抗菌薬の使用は、抗菌薬および/またはバイオフィルム減少剤の有効量の低減を可能にする。本開示の方法と組み合わせて有用な抗菌薬および抗生物質のいくつかの非限定的な例としては、ミノサイクリン、アモキシシリン、アモキシシリン-クラブラン酸、セフジニル、アジスロマイシンおよびスルファメトキサゾール-トリメトプリムが挙げられる。バイオフィルム減少剤と組み合わされた抗菌薬および/または抗生物質の治療有効量は、従来の方法により容易に決定され得る。いくつかの実施形態では、バイオフィルム減少剤と組み合わされた抗菌剤の用量は、他の細菌感染症、例えば、感染症の病因がバイオフィルムを含まない細菌感染症において有効であることが示されている平均有効用量である。他の実施形態では、用量は、平均有効用量の0.1、0.15、0.2、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.5、3.0または5倍である。抗生物質または抗菌薬は、抗DNABII抗体の添加前に、それに併せてまたはその後に添加され得る。
他の実施形態では、前記方法および組成物は、細菌感染症を処置する抗体と組み合わされ得る。本明細書に記載される方法および組成物と組み合わせて有用な抗体の一例は、関連のない外膜タンパク質(例えば、OMP P5)に対する抗体である。この抗体のみによる処置は、インビトロでバイオフィルムを減量しない。この抗体とバイオフィルム減少剤との併用療法は、同じ濃度で使用されるいずれかの試薬により達成され得るよりも大きな効果をもたらす。バイオフィルム減少剤またはバイオフィルムを減少させるための方法と組み合わされた場合に相乗効果を提供し得る他の抗体としては、抗rsPilA、抗OMP26、抗OMP P2および抗全OMP調製物が挙げられる。
本明細書に記載される組成物および方法は、バイオフィルムを伴わない細菌感染症の処置において有効であるが、バイオフィルムが関与する細菌感染症の処置において別段有効でない一般的な治療モダリティに対して、バイオフィルムが関与する細菌感染症を感受性にするために使用され得る。他の実施形態では、本明細書に記載される組成物および方法は、バイオフィルムを伴う細菌感染症の処置において有効な治療モダリティと組み合わせて使用され得るが、このようなさらなる治療とバイオフィルム減少剤または方法との組み合わせは、バイオフィルム減少剤またはさらなる治療剤のいずれかの有効用量が低減され得るような相乗効果を生じさせる。他の場合では、このようなさらなる治療とバイオフィルム減少剤または方法との組み合わせは、処置が増強されるような相乗効果を生じさせる。処置の増強は、感染症を処置するために必要な時間の短縮により証明され得る。
さらなる治療的処置は、バイオフィルムを減少させるために使用される方法または組成物の前に、それに併せてまたはその後に添加され得、同じ製剤内にまたは別個の製剤として含められ得る。
キット
薬剤と、本明細書に記載されるインビトロおよびインビボ方法を実施するために必要な指示とを含有するキットも特許請求されている。したがって、本開示は、これらの方法を実施するためのキットであって、本開示の生物学的薬剤と、本開示の方法を行う(例えば、組織を収集し、および/またはスクリーニングを実施し、および/または結果を分析し、および/または有効量の本明細書で定義される生物学的薬剤を投与する)ための指示とを含み得るキットを提供する。これらは単独で、または他の適切な抗菌剤と組み合わせて使用され得る。
一実施形態では、本開示は、本明細書に記載されるポリペプチドと、バイオフィルムの分解またはバイオフィルムを産生する微生物感染症の阻害、予防もしくは処置において使用するための指示とを含むキットを提供する。一実施形態では、キットは、アジュバント、抗原性ペプチドまたは抗菌薬の1つまたはそれよりも多くをさらに含む。さらに別の実施形態では、キットは、液体担体、薬学的に許容され得る担体、固相担体、薬学的に許容され得る担体、埋込物、ステント、ペースト、ゲル、歯科インプラントまたは医療用インプラントの群から選択される担体をさらに含む。
バイオフィルム中のホリデイジャンクション(HJ)構造を切断する薬剤と、本明細書に記載される方法において使用するための指示とを含むキットも提供される。
実験
実験番号1
RuvAを組み込むために、出願人は、a-DNABIIの存在下、16時間および24時間の時点でRuvA(450nM)を予め形成されたバイオフィルムに添加した。24時間の時点で、HJ特異的エンドヌクレアーゼRuvC(100nM)またはRusA(350nM)を添加した。40時間の時点で、バイオフィルムをLIVE/DEAD(登録商標)で染色し、または免疫蛍光のために適切な抗体で標識し、共焦点レーザー走査顕微鏡法を使用して分析した。
原型のHJ特異的DNA結合タンパク質RuvAの添加は、バイオフィルムマトリックス内に容易に組み込まれ、かつ尿路病原性大腸菌、分類不能Haemophilus influenzae(NTHI)およびStaphylococcus epidermidisにより形成された細菌バイオフィルムのα-DNABII媒介性破壊を防止した。次に、出願人は、RuvA結合HJ DNA部位でHJ特異的エンドヌクレアーゼ複合体RuvABCをアセンブリし、その結果、バイオフィルム構造が崩壊した。加えて、別のHJ特異的エンドヌクレアーゼRusAによる細菌バイオフィルムの処置もまた、複数の細菌種のバイオフィルム構造の完全な崩壊をもたらした。RusAの添加はまた、NTHIにより形成されたバイオフィルム中の複雑な網様eDNA格子構造の形成を防止した。バイオフィルムマトリックス内のHJ DNA構造の存在の最終確認として、出願人は、HJ DNAを認識する十字型DNAに対するモノクローナル抗体で細菌バイオフィルムを標識したところ、バイオフィルムマトリックス全体でHJ DNAの均一な分布を観察した。播種時におけるバイオフィルムへのRusAの添加もまた、バイオフィルムマトリックス内の十字型DNAを劇的に減少させた。
まとめると、これらのデータは、細菌バイオフィルムのeDNA格子がHJ組換え中間体に構造的に関連しており、細菌バイオフィルムの構造的完全性に重要であることを示した。
原型のHJ DNA結合タンパク質RuvAは、UPEC、NTHIおよびS.epidermidisのバイオフィルム構造安定化におけるDNABIIタンパク質の欠如を補償する
出願人は、複数の単一(Jurcisekら、(2007)、後掲.;Goodmanら、(2011)、後掲;およびNovotnyら、(2013)、後掲)および混合細菌種(Gustaveら、(2013)、後掲、Idiculaら、(2016)、後掲)により形成されたバイオフィルムマトリックス内のeDNAが絡み合ったクモの巣状構造(interwoven web-like structure)に組織化されて、これがDNABIIタンパク質により安定化されることを以前に示した。細菌バイオフィルム内のeDNAのこの組織化はHJ DNAと視覚的に類似するので、出願人は、それがHJ組換え中間体に構造的に関連することを確認するために試験した。これを確認するために、出願人は、UPEC、NTHIおよびS.epidermidisにより形成されたバイオフィルムの細胞外マトリックス内のeDNA格子構造を安定化するDNABIIタンパク質を大腸菌RuvA(細菌における原型のHJ結合タンパク質である)で置き換えた。予め形成されたUPEC、NTHIおよびS.epidermidisバイオフィルムを、大腸菌IHF(α-IHF)に対する過免疫ポリクローナル抗体と共にインキュベートして、細胞外マトリックス内のDNABIIタンパク質を枯渇させた一方、RuvAを、それがバイオフィルムマトリックス内のDNABIIタンパク質を機能的に置き換え得るようにα-IHFと組み合わせて添加した。α-IHFはIHFおよびHUと交差反応するので(図7)、細菌バイオフィルムマトリックスの構造的安定性に重要なタンパク質のDNABIIファミリーを枯渇させる。UPEC(図1A)、NTHI(図1B)およびS.epidermidis(図1C)を含む複数の細菌により形成されたバイオフィルムのα-IHF媒介性破壊をRuvAの添加により防止することができたことは明らかであった。非特異的DNA結合タンパク質であるH-NSの添加は、バイオフィルムマトリックス内のDNABIIタンパク質の喪失を補償することができなかったので、陰性対照として機能した(図1)。加えて、出願人はまた免疫蛍光を実施したところ、α-IHFで処理するか(図2A、2B)またはRuvAの存在下でα-IHFで処理すると(図2C、2D)、UPECにより形成されたバイオフィルムの細胞外マトリックス内のDNABIIタンパク質が枯渇し、RuvAがバイオフィルムマトリックス内に同時に組み込まれる(図2E、2F)ことを確認した。ウエスタンブロット分析によりα-IHFおよびα-RuvAの特異性を決定し、それらの標的タンパク質に非常に特異的であることが見出された(図7)。出願人らは、RuvAが高い親和性でHJ DNAに排他的に結合することを示している(Lloyd and Sharples 1993,Rice,Raffertyら、1997)。HJ DNAへのRuvAの高い親和性および特異性を考慮すると、この結果は、RuvAがDNABIIタンパク質の喪失を補償して、α-IHFによるDNABIIタンパク質の枯渇の結果としてDNABIIタンパク質により作られたHJ DNAの空間に選択的に結合することにより、eDNA構造を安定化したことを示唆していた。
RuvAにより安定化された細菌バイオフィルムマトリックスは、HJ特異的エンドヌクレアーゼ複合体RuvABCによる処理により破壊される
RuvAはDNABIIタンパク質を容易かつ有効に置き換えて、UPEC、NTHIおよびS.epidermidisにより形成されたバイオフィルムの構造的安定性を維持したので、出願人は、RuvAにより安定化されたバイオフィルムマトリックスが、HJ特異的エンドヌクレアーゼ複合体RuvABCによる破壊に対して感受性であると仮定した。RuvCは、HJ DNAをニック入りの線状二重鎖DNAに分解するHJ特異的エンドヌクレアーゼである。RuvABC複合体は、合成HJ DNAを二重鎖DNAに切断することが示された(図8)。次に、出願人は、上記のようにDNABIIタンパク質をRuvAで置き換えたUPEC、NTHIおよびS.epidermidisバイオフィルムを予め形成し、次いで、バイオフィルムをRuvABC複合体と共にインキュベートした。驚くべきことに、図3から明らかなように。マトリックスのDNABIIタンパク質を枯渇させてRuvAとRuvABC複合体により安定化させたバイオフィルムの処理(図3ではα-IHF IgG+RuvABCにより示されている)は、UPEC(図3A)、NTHI(図3B)およびS.epidermidis(図3C)において、DNABIIタンパク質によりマトリックスを安定化させた対照バイオフィルム(図3ではナイーブIgG+RuvABCにより示されている)と比較してバイオフィルムバイオマスの有意な減少を誘導した。エンドヌクレアーゼRuvCの非存在下(図3ではナイーブIgG+RuvABおよびα-IHF IgG+RuvABにより示されている)では、UPEC、NTHIおよびS.epidermidisにより形成されたバイオフィルムの有意な破壊は観察されなかった。まとめると、これらのデータは、UPEC、NTHIおよびS.epidermidisにより形成されたバイオフィルム内のeDNA格子構造が、細菌バイオフィルム細胞外マトリックスの安定性において重要な構造的役割を果たすHJ DNA構造を含有することを示唆していた。
細菌バイオフィルムは、別のHJ特異的レゾルバーゼRusAによる処理により破壊される
細菌バイオフィルム細胞外マトリックス内のHJ DNA構造の存在をさらに検証するために、出願人は、予め形成されたUPEC、NTHIおよびS.epidermidisバイオフィルムを様々な濃度のHJ特異的エンドヌクレアーゼRusAと共にインキュベートした。図4に示されているように、二重鎖DNAへの合成HJ DNAの切断により、RusAの活性を検証した。RusAによる処理はバイオフィルムマトリックスを不安定化させ、UPEC(図4A)、NTHI(図4B)およびS.epidermidis(図4C)により形成されたバイオフィルムの対照と比較してバイオフィルムバイオマスの有意な用量依存的減少を誘導した。RusAは非常に高い親和性でHJおよびY-DNAに結合し(Chan,Vincentら、1998)、HJ-DNAのみを選択的に切断する。RusAの切断特異性を考慮すると、これらのデータは、RusAが、細菌バイオフィルム細胞外マトリックス内のHJ DNAに結合してそれを切断したので、UPEC、NTHIおよびS.epidermidisバイオフィルムを破壊したことを示唆していた。
RusAおよびRuvABCは、バイオフィルム細胞外マトリックス内のHJ DNAを標的とし、NTHIバイオフィルム内のeDNA格子様ネットワークの破壊を媒介した
HJ特異的エンドヌクレアーゼによる複数の細菌により形成されたバイオフィルムの処理はバイオフィルムを破壊したので、出願人は、これらのエンドヌクレアーゼがバイオフィルム細胞外マトリックス内のHJ DNA構造を特異的に標的として、バイオフィルム破壊を媒介すると推論した。eDNAの構造を可視化し、eDNA格子構造に対するRusAおよびRuvABCの効果を評価するために、出願人は、RusAまたはRuvABCの非存在下または存在下、pH9.0でNTHIバイオフィルムを16時間形成させた。次いで、出願人は、二本鎖DNAに対するモノクローナル抗体で非固定NTHIバイオフィルムを標識して、eDNAを可視化した。RusAの非存在下では、eDNAは複雑なクモの巣状構造に組織化されたが(図5では対照により示されている)、RusAまたはRuvABCの存在下では、eDNA格子構造は完全に消滅した(図5)。出願人はまた、HJ DNA構造のエルボー領域に特異的に結合する(Frappier,Priceら、1987)十字型DNAに対するモノクローナル抗体でこれらのバイオフィルムを標識して、NTHIにより形成されたバイオフィルムの細胞外マトリックス内のホリデイジャンクション(HJ)を直接可視化した。ナイーブIgGを陰性対照として使用した(図6A)。RusAの非存在下では、バイオフィルムマトリックス内の緑色蛍光の均一な分布から明らかなように、HJはバイオフィルムマトリックス全体に分布していた(図6B)。播種時におけるバイオフィルムへのRusAの添加は、観察された緑色蛍光を劇的に減少させた(図6C)。さらに、RusAの存在下では、細菌(FilmTracer(商標))に対するHJ DNA(α-十字型標識)の比により決定したHJ DNAの相対的存在量は、RusAの非存在下と比較したバイオフィルムマトリックス内のHJ DNAの量の統計的に有意な減少を明らかにした(図6D)。まとめると、これらのデータは、細菌バイオフィルム細胞外マトリックスの安定性に対するHJ DNAの存在および重要な意義を確認した。
方法
細菌株
この研究では、全国小児病院における慢性中耳炎を有する子供の上咽頭から単離されたNTHI株86-028NPを使用した。この菌株はシークエンシングされており(Harrison,Dyerら、2005)、十分に特性評価されている(Bakaletz,Tallanら、1988、Bakaletz,Leakeら、1997、Holmes and Bakaletz 1997、Masonら、2003)。UPEC株UTI89は、膀胱炎を有する患者から単離された(Mulvey,Schillingら、2001)。S.epidermidis株#1618は、漿液性中耳炎を有する患者から単離された。
タンパク質精製
RuvA遺伝子はpAM159にクローニングされ、(Sedelnikovaら、(1997)Acta Crystallogr.D.Biol.Crystallogr.53(Pt 1):122-124)に記載されている。40mMトリスpH8.5、2mM EDTAで平衡化したHiTrap DEAE-Sepharose樹脂カラム(GE Healthcare)により、タグ無し組換えRuvAを精製した。40mMトリスpH8.5、2mM EDTAおよび1M NaClを含有する溶出バッファーの30カラム容量の線形勾配で結合タンパク質を溶出させた。RuvAを含有する画分をプールし、40mMトリスpH8.5、2mM EDTA、100mM NaClおよび1M硫酸アンモニウムで平衡化したHiTrap Butyl FF樹脂カラム(GE Healthcare)によりさらに精製した。段階勾配を使用して、トリスpH8.5、2mM EDTA、100mM NaClおよび0mM~1M硫酸アンモニウムを含有する溶出バッファーで結合タンパク質を溶出させた。RuvAを含有する画分をプールし、40mMトリスpH8.5、2mM EDTAで平衡化したHiTrap QFF陰イオン交換カラム(GE Healthcare)によりさらに精製した。40mMトリスpH8.5、2mM EDTAおよび1M NaClを含有する溶出バッファーの30カラム容量の線形勾配で結合タンパク質を溶出させた。以前に記載されているように(Devaraj,Buzzoら、(2017)、後掲)、HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare)により、RuvAをさらに精製した。以前に記載されているように(Novotnyら、(2016)、後掲)、IMPACTキット(New England Biolabs)を使用して、タグ無し組換えRuvB、RuvCおよびRusAを生成した。以下のオリゴヌクレオチドを使用して、UPEC株UTI89ゲノムDNAからこれらの各遺伝子をPCR増幅した。RuvB:5’-GCGTGCATATGATTGAAGCAGACCGTCTGAT-3’および5’-GCGTGGCTCTTCCGCACGCCGGCATTTCTGGCGGCGTTA-3’.RuvC:5’-GCGTGCATATGGCTATTATTCTCGGCATTGA-3’および5’-GCGTGGCTCTTCCGCACGCACGCAGTCGCCCTCTCGC-3’.RusA:5’-GCGTGCATATGGTGAATACCTACAGCATCACATTACCCTG-3’および5’-GCGTGGCTCTTCCGCACGCTTCATTCCCCATTTCGGTG-3’。(Novotnyら、(2016)、後掲)に記載されているように、PCR産物をpTXB1ベクターにクローニングした。構築物を大腸菌発現株ER2566(New England Biolabs)に形質転換し、100μgアンピシリン/mlを含有するLB寒天上で選択した。これらの各タンパク質を過剰発現させ、記載されているように(Novotnyら、(2016)EBIoMedicine 10:33-44)、キチン樹脂カラムにより精製した。40mMトリスpH8.5、2mM EDTAで平衡化したDEAE-Sepharose樹脂カラム(GE Healthcare)によりRuvBを精製した。40mMトリスpH8.5、2mM EDTAおよび1M NaClを含有する溶出バッファーの30カラム容量の線形勾配で結合タンパク質を溶出させた。以前に記載されているように(Devaraj,Buzzoら、(2017)MicrobiologyOpen)、HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare)によりRuvCおよびRusAをさらに精製した。遠心分離フィルタ(3000MWCO)でタンパク質を濃縮し、-80℃における長期保存のための保存バッファー(50mMトリスpH7.4、600mM KCl、1mM EDTA、10%グリセロール)で透析した。AKTA pure system(GE Healthcare)を使用して、すべてのタンパク質を精製した。Pierce BCAタンパク質アッセイキット(Thermo Fisher Scientific)により、タンパク質濃度を決定した。
血清からのIgGの精製
出願人は、(Devaraj,Buzzoら、2017)に記載されているように、HiTrap Protein G HPカラム(GE Healthcare)を用いて、大腸菌IHF(α-IHF)に対するウサギナイーブ血清またはウサギポリクローナル抗血清からIgGを精製した。
RuvAによる細菌バイオフィルム構造の安定化およびRuvABC複合体による破壊
5%CO2を含有する加湿雰囲気中、チョコレート寒天上で、NTHI株86-028NPを37℃で18~20時間培養し、次いで、ヘム(2μg/ml)およびβ-NAD(2μg/ml)(sBHI)を補充したブレインハートインフュージョン培地(BHI)に490nmでOD0.65まで懸濁した。培養物をsBHIブロスで希釈(1:6)し、次いで、37℃、5%CO2で静的に3時間インキュベートした。2.5×105CFU/mlを含有するように培養物をsBHIブロスで希釈し、200μlのこの懸濁液を8ウェルチャンバーカバーガラススライド(Fisher Scientific)の各ウェルに接種した。5%CO2を含有する加湿雰囲気中、LB寒天上で、UPEC株UTI89を37℃で18~20時間培養し、次いで、LBブロスに490nmでOD0.65まで懸濁した。培養物をLBブロスで希釈(1:12)し、次いで、37℃、5%CO2で静的に2.5時間インキュベートした。2.5×105CFU/mlを含有するように培養物をLBブロスで希釈し、200μlのこの懸濁液を8ウェルチャンバーカバーガラススライドの各ウェルに接種した。5%CO2を含有する加湿雰囲気中、チョコレート寒天上で、S.epidermidisを37℃で18~20時間培養し、次いで、トリプシン大豆ブロス(TSB)に490nmでOD0.65まで懸濁した。培養物をTSBで希釈(1:6)し、次いで、37℃、5%CO2で静的に3時間インキュベートした。2.5×105CFU/mlを含有するように培養物をTSBで希釈し、200μlのこの懸濁液を8ウェルチャンバーカバーガラススライドの各ウェルに接種した。37℃、5%CO2における各細菌種の16時間インキュベーション後、培地を、新鮮培地(対照)または以下の1つを含有する新鮮培地で交換した:ナイーブIgG(150μg/ml)、α-IHF IgG(150μg/ml)、RuvA(450nM)、H-NS(450nM)、ナイーブIgG+RuvA、α-IHF+RuvA、ナイーブIgG+H-NSまたはα-IHF+H-NS。S.epidermidisの場合では、300μg/mlのナイーブおよびα-IHF IgGを使用した。さらなる8時間のインキュベーション期間の後、上記のように培地を再び交換し、チャンバーカバーガラススライドをさらに16時間インキュベートした。RuvABC複合体によるバイオフィルム破壊を評価するために、24時間の時点で、バイオフィルムを、ナイーブIgG+RuvAまたはα-IHF+RuvAと組み合わせてRuvB(1130nM)およびRuvC(90nM)と共に16時間インキュベートした。40時間の時点で、バイオフィルムを免疫蛍光用に調製し(以下を参照のこと)、または食塩水(0.9%NaCl)で2回洗浄し、製造業者の指示にしたがってLIVE/DEAD(登録商標)染色(Molecular probes,Eugene,OR)で染色した。(Devaraj,Buzzoら、2017)に記載されているように、バイオフィルムを固定し、イメージングし、分析した。すべてのインビトロバイオフィルムアッセイを別々の日に最低3回繰り返した。データは、平均値±SEMとして示されている。
免疫蛍光による細菌バイオフィルム内のDNABIIタンパク質およびRuvAの検出
上記「細菌バイオフィルム構造の安定化」のセクションに記載されているように、NTHI株86-028NP、UPEC株UTI89およびS.epidermidisにより形成されたバイオフィルムを8ウェルチャンバーカバーガラス上に24時間かけて樹立した。(Devaraj,Buzzoら、2017)に記載されているように、免疫蛍光を実施した。簡潔に言えば、リン酸緩衝食塩水(PBS)中で、非固定40時間バイオフィルムを、α-IHF(1:200)または大腸菌RuvA(α-RuvA;Abcam)に対する抗血清(1:200)と共に室温で1時間インキュベートした。バイオフィルムをPBSで1回洗浄し、次いで、PBS中で、AlexaFluor(登録商標)594(Molecular Probes)にコンジュゲートしたヤギ抗ウサギIgGと共に室温で1時間インキュベートした。バイオフィルムをPBSで1回洗浄し、次いで、PBS中、DAPI(200μg/ml)で10分間染色した。バイオフィルムをPBSで1回洗浄し、次いで、Zeiss 510メタレーザー走査型共焦点顕微鏡(Zeiss)により63倍対物レンズを使用してイメージングした。AxioVision Rel.4.8(Zeiss)を用いて、三次元画像を再構成した。
RusAによる細菌バイオフィルムの破壊
上記「細菌バイオフィルム構造の安定化」のセクションに記載されているように、NTHI株86-028NP、UPEC株UTI89およびS.epidermidisにより形成されたバイオフィルムを8ウェルチャンバーカバーガラス上に24時間かけて樹立した。(Devaraj,Buzzoら、2017)に記載されているように、バイオフィルム破壊アッセイを実施した。24時間の時点で、バイオフィルムを様々な濃度のRusA(1~20μg/ml)と共にさらに16時間インキュベートした。(Devaraj,Buzzoら、2017)に記載されているように、バイオフィルムを染色し、固定し、イメージングし、分析した。すべてのインビトロバイオフィルムアッセイを別々の日に最低3回繰り返した。データは、平均値±SEMとして示されている。
NTHI株86-028NPにより形成されたバイオフィルム内のeDNA格子構造および十字型DNAの可視化
pH9.0に調整したsBHI中、RusA(10μg/ml)の存在下または非存在下で、NTHI株86-028NPバイオフィルムを16時間形成した。16時間の時点で、バイオフィルムをPBSで1回洗浄し、1:200希釈のマウスα-dsDNAモノクローナル抗体(Abcam)と共に室温で1時間インキュベートしてeDNAを標識し、または1:200希釈のマウスα-十字型DNAモノクローナル抗体(Novus Biologicals)と共に室温で1時間インキュベートして十字型DNAを標識した。バイオフィルムをPBSで1回洗浄し、次いで、PBS中でAlexaFluor(登録商標)488(Molecular Probes)およびFilmTracer(商標)FM(登録商標)4-64(Molecular Probes)にコンジュゲートした1:200希釈の各ヤギ抗マウスIgGと共に室温で1時間インキュベートした。バイオフィルムをPBSで1回洗浄し、次いで、Zeiss 510メタレーザー走査型共焦点顕微鏡(Zeiss)により63倍対物レンズを使用してイメージングした。eDNA格子構造を可視化するためにZen 2012(Zeiss)を用いて、または十字型DNAを可視化するためにAxioVision Rel.4.8(Zeiss)を用いて、三次元画像を再構成した。(Devaraj,Buzzoら、2017)に記載されているように、十字型DNAの相対的存在量を定量した。
電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)
以下のオリゴヌクレオチドからHJ DNAを生成した:5’-GACGCTGCCGAATTCTGGCTTGCTAGGACATCTTTGCCCACGTTGACCC-3’、5’-6-カルボキシフルオレセイン(FAM)-TGGGTCAACGTGGGCAAAGATGTCCTAGCAATGTAATCGTCTATGACGTT-3’、5’-CAACGTCATAGACGATTACATTGCTAGGACATGCTGTCTAGAGACTATCGA-3’および5’-ATCGATAGTCTCTAGACAGCATGTCCTAGCAAGCCAGAATTCGGCAGCGT-3’。以下のオリゴヌクレオチドからY-DNAを生成した:5’-GACGCTGCCGAATTCTGGCTTGCTAGGACATCTTTGCCCACGTTGACCC-3’,5’FAM-TGGGTCAACGTGGGCAAAGATGTCCTAGCAATGTAATCGTCTATGACGTT-3’。以下のオリゴヌクレオチドから二重鎖DNAを生成した:5’FAM-TGGGTCAACGTGGGCAAAGATGTCCTAGCAATGTAATCGTCTATGACGTT-3’および5’-AACGTCATAGACGATTACATTGCTAGGACATCTTTGCCCACGTTGACCCA-3’
等モル濃度の各オリゴヌクレオチドを混合し、10分間かけて95℃に加熱し、次いで、ゆっくりと室温に冷却して、HJ DNA、Y DNAおよび二重鎖DNAを作製した。0.5×TBEランニングバッファー中、200ボルトで6%非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動を2.5時間使用して、HJ、Yおよび二重鎖DNAを分解し、クラッシュアンドソーク法によりゲルから精製した(参照)。反応バッファー(50mMトリスpH7.8、60mM KCl、100μg/mlBSA、200μM EDTA)中で、RuvA(濃度)を20nMホリデイジャンクション(HJ)DNA、二重鎖またはY-DNAと共に37℃で30分間インキュベートした。次いで、0.5×TBEランニングバッファー中、200ボルトで6%非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動を2.5時間使用して、反応混合物を分離した。Typhoon FLA 7000(GE Healthcare)を用いて、分解したDNAをイメージングした。
切断アッセイ
反応バッファー(バッファー組成をここに入れてください)中で、RusAおよびRuvABCによるFAM標識HJ DNAの切断を37℃で実施した。0.5×TBEランニングバッファー中、200ボルトで6%非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動を2.5時間使用して、DNA産物を分離した。Typhoon FLA 7000(GE Healthcare)を用いて、分解したDNAをイメージングした。
統計的評価
対応のないt検定(GraphPad Prism version 6.0)により、統計的有意性を評価した。p≦0.05を*として表し、p≦0.01を**により表し、p≦0.001を***により表した。
実験番号2
多くの口腔細菌(例えば、Aggregatibacter actinomycetemcomitans、Porphyromonas gingivalis)は、歯槽骨および歯肉を破壊する炎症性疾患、例えば歯周炎およびインプラント周囲炎の病因に関与している。これらの細菌の病因の調査は、有効な動物モデルの欠如により妨げられている。特定の細菌の病原性を調査する課題の1つは、外因性細菌が動物の口腔に入った場合のバイオフィルムを樹立することの困難性である。歯周炎の動物モデルが開発されているが、培養可能な細菌は、接種動物の口腔からほとんど回収されない。特定の細菌の病原性を評価し得る有効な動物モデルの開発は、それらの病原性機構の解明において非常に有用である。この実施例は、口腔疾患の処置において、開示されるポリペプチドおよび組成物ならびにそれらの効果を試験するためのモデルを提供する。
AlO3(100μm)およびHClエッチング(pH7.8、80℃で20分間)を用いてグリットブラストにより、機械加工チタン製歯科インプラント(1.2×4.5mm)の表面を改変する。Aggregatibacter actinomycetemcomitans(Aa)のD7S臨床株を接種したTSB培地中で、機械加工およびナノ加工インプラントを37℃で1~3日間インキュベートした。LIVE/DEAD(登録商標)BacLight(商標)で染色した後、SEMおよび共焦点レーザー走査顕微鏡法により、インプラント上の細菌バイオフィルムを分析する。Aaバイオフィルムの樹立の有無にかかわらず、インプラントを上顎骨の小臼歯と切歯領域との間で雌ラットの歯槽骨に経粘膜的に配置する。インビボで配置したインプラント上のAaバイオフィルムの存在を検出するために、2日後に、唾液およびインプラントの口腔表面から細菌サンプルを収集する。培養およびPCR分析により、Aaを検出し得る。埋め込みの6週間後に、インプラント周囲の骨および粘膜組織のマイクロCTおよび組織学的分析を実施し得る。本明細書に記載されるようにポリペプチドおよび組成物を表面に付着させ、バイオフィルムおよび細菌成長をアッセイする。
実験番号3
この実験は、ライム病を処置するための干渉剤の前臨床試験のためのマウスモデルを提供する。Dresserら、Pathogens 5(12)e1000680,Epub 2009 Dec.4.を参照のこと。ライム病は、米国で最も一般的なダニ媒介性疾患である。定義によれば、人口が都市から郊外および農村地域に移動し続け、(マダニ種Ixodesを運ぶ)オジロジカがこれらの地域をますますうろつくにつれて、これらの流行地域は拡大している。ライム病は、スピロヘータである微生物Borrelia burgdorferiにより引き起こされる。B.burgdorferiは、Ixodesダニの咬傷を介して伝染し、続いて、血流を介して他の組織および器官に感染する。
この動物モデルでは、背側皮下および腹腔内注射を介して、または静脈内注射を介して、スピロヘータをC3H/HeNマウスに注射する。感染のおよそ7日後に、微生物負荷の評価ならびに組織および器官における病理の評価のために、血液および生検標本を回収する。本発明の方法および組成物は、生じたB.burgdorferiバイオフィルム(これは、チャレンジ後に形成し、疾患の病因および慢性的性質の両方に寄与すると考えられる)の減少および/または排除のための治療的および予防的戦略の両方を開発することが企図される。
実験番号4
この実験は、COPDおよび嚢胞性線維症などの肺疾患を処置するための開示されるポリペプチドおよび組成物の前臨床試験のためのブタモデルを提供する。Stoltzら、(2010)Science Translational Medicine 2(29):29ra31を参照のこと。嚢胞性線維症は、CF膜貫通コンダクタンス調節因子(CFTRと称される)アニオンチャネルをコードする遺伝子の変異による常染色体劣性疾患である。このモデルでは、「CFTR」と称される遺伝子の欠陥を保有するように特別に飼育されているCFブタと称されるブタは、複数の細菌種による下気道の感染症を含むCF肺疾患の特徴を自然発生的に発症する。疾患の兆候および関連病状の改善を評価するために、噴霧により組成物をブタに投与して、ポリペプチドをこれらの動物の肺に送達し得る。あるいは、疾患の兆候および関連病状の改善を評価するために、噴霧によりポリペプチドを適切な動物モデルの肺に送達し得る。
実験番号5
出願人はまた、結核(TB)の前臨床モデルも提供する。Ordwayら、(2010)Anti.Agents and Chemotherapy 54:1820を参照のこと。この動物モデルでは、バリアコロニーでSPFモルモットを維持し、エアロゾルスプレーを介して感染させて、約20cfuのM.tuberculosis株Erdman K01桿菌をそれらの肺に送達する。チャレンジ後25、50、75、100、125および150日目に、動物を屠殺し、組織病理学的評価のために細菌ロードを決定し、組織を回収する。TBの古典的な兆候を発症しないマウスとは異なり、このようにチャレンジしたモルモットは、ヒト疾患の特徴である中枢性壊死を伴う十分に組織化された肉芽腫を発症する。さらに、ヒトと同様に、モルモットは、原発巣複合体の一部として、流入領域リンパ節の重度の化膿性肉芽腫性および壊死性リンパ節炎を発症する。このモデルの使用は、生じたM.tuberculosisバイオフィルム(これは、チャレンジ後にこれらの動物の肺に形成することが観察されており、疾患の病因および慢性化の両方に寄与すると考えられる)の減少および/または排除のための治療的および予防的戦略を確認および特定するための前臨床スクリーニングを提供する。
実験番号6
カテーテル/留置器具バイオフィルム感染症の複数の動物モデルが公知である。Otto(2009)Nature Reviews Microbiology,7:555を参照のこと。典型的には、正常皮膚フローラと考えられるが、微生物Staphylococcus epidermidisは、多くが重要な日和見病原体とみなすものになっており、院内感染の原因となる因子の中で第1位にランク付けされている。主に、この細菌は、デバイス挿入中にこの一般的な皮膚生着菌(skin colonizer)により汚染された留置医療デバイスで発生する感染症の大部分の原因である。典型的には生命を脅かすものではないが、これらのバイオフィルム感染症の処置に関連する困難性は、それらの頻度と相まって、それらを深刻な公衆衛生負担にする。ウサギ、マウス、モルモットおよびラットを含むカテーテル関連S.epidermidis感染症のいくつかの動物モデルがあり、これらはすべて、病因の分子機構を研究するために使用されており、予防および/または治療の研究に役立っている。ラット頸静脈カテーテルは、E.Faecalis、S.aureusおよびS.epidermidisバイオフィルム形成を妨げる治療法を評価するために使用されている。バイオフィルムの減少は、3つの方法で測定されることが多い-(i)カテーテルを超音波処理し、CFUを計算するか、(ii)カテーテルの一部を切断するか、もしくは単にプレート上に置いてスコア化するか、または(iii)クリスタルバイオレットまたは別の色素でバイオフィルムを染色し、溶出させ、CFUの代用としてODを測定し得る。
均等物
特に定義がない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語はすべて、本技術が属する技術分野における当業者により一般に理解される意味と同じ意味を有する。
本明細書に例示的に記載される技術は、本明細書に具体的に開示されていない任意の1つまたは複数のエレメント、1つまたは複数の制限するものの非存在下で適切に実施され得る。したがって、例えば、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含有する」などの用語は、限定的ではなく発展的に読まれるものとする。加えて、本明細書で用いられる用語および表現は、限定ではなく説明の観点から使用されており、示されて記載されている特徴またはその部分の任意の均等物を除外するこのような用語および表現の使用を意図するものではなく、様々な改変が、特許請求の範囲に記載されている本技術の範囲内で可能であると認識される。
したがって、本明細書で提供される材料、方法および例は、好ましい態様の代表的なものであり、例示的であり、本技術の範囲に対する限定として意図されないことを理解すべきである。
本技術は、本明細書で広範かつ一般的に記載されている。一般的な開示内に入るより狭い種および亜属分類もまたそれぞれ、本技術の一部を形成する。これは、除外される材料が本明細書に具体的に記載されているか否かにかかわらず、属から任意の主題を除く条件付きまたは否定的制限を伴う本技術の一般的な説明を含む。
加えて、本技術の特徴または態様がマーカッシュグループの観点から記載されている場合、当業者は、本技術がまた、それにより、マーカッシュグループの任意の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループの観点から記載されることを認識する。
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許および他の参考文献は、それぞれが参照により個々に組み込まれるのと同程度に、それらの全体が参照により明示的に組み込まれる。矛盾の場合には、定義を含む本明細書が優先する。
他の態様は、以下の特許請求の範囲内に記載されている。
配列表
ポリヌクレオチド配列
RusA:
RuvA:
RuvB:
RuvC
タンパク質配列(太字アミノ酸は野生型配列に対する変異である)
野生型RusAタンパク質:
変異RusA:
野生型RuvA:
変異RuvB:
変異RuvC:
参考文献