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JP7542815B2 - 永久磁石回転子および回転電気機械、永久磁石回転子の製造方法 - Google Patents
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永久磁石回転子および回転電気機械、永久磁石回転子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、永久磁石回転子および回転電気機械に関し、さらに詳しくは、ロータコアに永久磁石が埋め込まれた永久磁石回転子、および、そのような永久磁石回転子を有する回転電気機械に関するものである。
永久磁石埋め込み(IPM)モータ等、永久磁石回転子を用いた回転電気機械においては、高効率化や小型化を目指し、開発が進められている。発明者らも、特許文献1~4のように、弧形状の永久磁石を多層でロータコアに埋め込む形態の永久磁石回転子において、高効率化や小型化が可能な構造について、開発を進めている。
特開2019-187197号公報 特開2019-187198号公報 特開2019-187199号公報 特開2019-187200号公報
永久磁石回転子を有する回転電気機械において、性能限界を決める要因の1つに、永久磁石の不可逆減磁がある。例えば、固定子のコイルが発する磁界が、永久磁石の磁化方向と反対向きに、永久磁石に印加されて、逆磁界として作用し、永久磁石の不可逆減磁を引き起こす要因となりうる。また、回転電気機械の運転時の発熱も、永久磁石の不可逆減磁を引き起こす可能性がある。
永久磁石回転子において、永久磁石の不可逆減磁を抑制する方法の1つに、永久磁石の成分として、TbやDy等、重希土類を多く含有するものをはじめとして、高保磁力の材料を用いることが挙げられる。また、永久磁石の厚さを大きくすることでも、永久磁石への逆磁界の影響を低減し、不可逆減磁を低減することができる。しかし、回転電気機械の高価格化を避ける観点から、永久磁石における重希土類の含有量は、できる限り少なく抑えることが好ましい。また、永久磁石の使用量も、少ない方が好ましい。
そこで、永久磁石の高保磁力化や使用量の増大に頼らなくても、永久磁石の形状および配置の検討により、不可逆減磁を抑制することができる永久磁石回転子および回転電気機械を開発することが望まれる。永久磁石回転子において、弧形状の永久磁石を多層に配置する場合には、層ごとに、固定子のコイルからの逆磁界による影響が異なり、複数の層の永久磁石を含む永久磁石回転子全体として、不可逆減磁に対して高い耐力を有する構造を開発することが重要となる。
本発明が解決しようとする課題は、弧形状の永久磁石が多層に配置された構造において、不可逆減磁を抑制することができる永久磁石回転子、およびそのような永久磁石回転子を有する回転電気機械を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明にかかる永久磁石回転子は、ロータコアと、前記ロータコアに埋設され、磁極を構成する複数の永久磁石とを有する永久磁石回転子であって、前記ロータコアの回転軸に直交する断面において、前記複数の永久磁石は、それぞれ前記ロータコアの内周側に向かって凸の弧形状を有し、前記ロータコアの外周側から内周側に向かって、2層以上の層状に配列されており、前記永久磁石の厚さが、前記ロータコアの内周側に配置された前記永久磁石ほど厚くなっており、前記ロータコアの径方向に隣接する任意の2つの前記永久磁石のパーミアンス係数の差が、該2つの永久磁石のパーミアンス係数の平均値の15%以下である。
ここで、前記複数の永久磁石は、前記ロータコアの外周側から内周側に向かって、外側磁石と内側磁石の2層で配列されているとよい。
前記複数の永久磁石は、前記ロータコアの外周側から内周側に向かって、外側磁石と内側磁石の2層で配列されており、前記内側磁石の開角を、電気角でθM2として、θopt-5°≦θM2≦θopt+5°であるとよい。
ここで、前記外側磁石および前記内側磁石の厚さを、それぞれLm1およびLm2とし、前記外側磁石と前記内側磁石のパーミアンス係数の平均値をPcとして、前記θoptは、°を単位として、
θopt=260(Lm1/Lm2-380(Lm1/Lm2+260(Lm1/Lm2)+14.5Pc+54.3である。
この場合に、前記外側磁石の開角を、電気角でθM1として、50°≦θM1≦120°であるとよい。
前記複数の永久磁石は、同心の円弧形状を有しているとよい。
前記複数の永久磁石は、熱間塑性加工磁石であるとよい。
本発明にかかる回転電気機械は、上記の永久磁石回転子を有するものである。
上記発明にかかる永久磁石回転子においては、ロータコアの回転軸に直交する断面において、複数の弧形状の永久磁石が、層状に配列されていることにより、高いリラクタンストルクが得られる。同時に、それら複数の永久磁石の厚さが、ロータコアの内周側に配置された永久磁石ほど厚くなっていることにより、外周側の永久磁石よりも不可逆減磁を起こしやすい傾向のある内周側の永久磁石において、不可逆減磁を回避しやすくなっている。さらに、ロータコアの径方向に隣接する任意の2つの永久磁石のパーミアンス係数の差が、それらの永久磁石のパーミアンス係数の平均値の15%以下に抑えられている。効果として、それらの永久磁石のうち一部の永久磁石において、多くの部位のパーミアンス係数が極端に小さくなることによる、不可逆減磁が生じにくくなり、永久磁石回転子全体として、磁力を維持し、不可逆減磁に対して高い耐力を得ることができる。その結果として、永久磁石における重希土類含有量や、永久磁石の使用量を少なく抑えながら、不可逆減磁を起こしにくく、磁力を維持できる永久磁石回転子とすることができる。
ここで、複数の永久磁石が、ロータコアの外周側から内周側に向かって、外側磁石と内側磁石の2層で配列されている場合には、永久磁石が2層のみで設けられた簡素な構成において、それら2層の永久磁石の不可逆減磁を効果的に抑制することができる。
複数の永久磁石が、ロータコアの外周側から内周側に向かって、外側磁石と内側磁石の2層で配列されており、内側磁石の開角を、電気角でθM2として、θopt-5°≦θM2≦θopt+5°である場合には、外側磁石と内側磁石のパーミアンス係数の差を小さく抑え、永久磁石回転子全体として、不可逆減磁を抑制して、不可逆減磁に対して高い耐力を発揮することができる。θoptが、外側磁石の厚さLm1と内側磁石の厚さLm2の比率(Lm1/Lm2)に応じて、それら2つの永久磁石のパーミアンス係数の差が最も小さくなる開角θM2の最適値を示すものだからである。最適値θoptには、2つの永久磁石のパーミアンス係数の平均値として、2つの永久磁石の材質や合計の厚さ、固定子のコイルからの逆磁界の大きさ等のパラメータも考慮することができる。
この場合に、前記外側磁石の開角を、電気角でθM1として、50°≦θM1≦120°であると、永久磁石回転子の外側に形成される磁束密度分布の高調波成分を低減するとともに、永久磁石を2層で配置していることによるリラクタンストルク向上の効果を高く得ることができる。永久磁石回転子は、これらの特性を、内側磁石の開角θM2を上記のように設定することによる不可逆減磁抑制の効果とともに、備えたものとなる。
前記複数の永久磁石が、同心の円弧形状を有している場合には、比較的単純な形状と配置を有する永久磁石を用いて、不可逆減磁が効果的に抑制された永久磁石回転子を得ることができる。
前記複数の永久磁石が、熱間塑性加工磁石である場合には、熱間塑性加工磁石は、弧形状の永久磁石の成形を行いやすく、また、磁化方向をラジアル方向としやすいため、複数の弧形状の永久磁石が層状に配列された永久磁石回転子を構成するのに、好適に利用することができる。
上記発明にかかる回転電気機械は、上記の永久磁石回転子を有するため、永久磁石回転子における永久磁石の不可逆減磁を、効果的に抑制することができる。
本発明の一実施形態にかかる永久磁石回転子および回転電気機械の構成を示す横断面図である。 本発明の一実施形態にかかる永久磁石回転子の一部を抜き出した断面図である。図1の拡大図に相当する。 m1=0.9mm,Lm2=2.1mm,θM1=59.5°の場合について、永久磁石におけるパーミアンス係数の分布を示す図である。(a)はθM2=99.5°の場合、(b)はθM2=135.4°の場合を示している。 m1=0.9mm,Lm2=2.1mmの場合について、開角θM1および開角θM2を変化させた際のパーミアンス係数の変化を示す図である。 m1=1.2mm,Lm2=1.8mmの場合について、開角θM1および開角θM2を変化させた際のパーミアンス係数の変化を示す図である。 m1=1.5mm,Lm2=1.5mmの場合について、開角θM1および開角θM2を変化させた際のパーミアンス係数の変化を示す図である。 開角θM2の最適値を、厚さ比Lm2/Lm1の関数としてプロットした図である。逆磁界の大きさを変化させた場合について、それぞれ結果を示している。 開角θM2の最適値に対応するパーミアンス係数の値を、厚さ比Lm2/Lm1の関数としてプロットした図である。逆磁界の大きさを変化させた場合について、それぞれ結果を示している。 開角θM2の最適値を、厚さ比Lm1/Lm2の関数としてプロットした図である。逆磁界の大きさを変化させた場合について、それぞれ結果を示しており、逆磁界の大きさが100%の場合について、プロット点を3次関数で近似した近似式による曲線も、合わせて示している。 逆磁界の大きさを変化させた場合について、パーミアンス係数と、近似式における切片の値の関係を示す図である。 2層の永久磁石の厚さの合計を変化させた場合について、パーミアンス係数の挙動を示す図である。(a)はLm1=0.6mm,Lm2=1.4mm、(b)はLm1=0.8mm,Lm2=1.2mm、(c)はLm1=1.8mm,Lm2=2.7mmの場合を示している。 内側磁石のパーミアンス係数に対する開角θM2の傾きを、厚さ比Lm1/Lm2の関数としてプロットした図である。(a)は開角θM1が約60°の場合、(b)は開角θM1が約75°の場合を示している。
以下、本発明の実施形態にかかる永久磁石回転子および回転電気機械について、図面を参照しながら詳細に説明する。本明細書において、角度の表記は電気角(°)によるものとする。
[回転電気機械の構成]
本発明の一実施形態にかかる回転電気機械1の概略を、回転軸に直交する断面図で、図1に示す。回転電気機械1は、本発明の一実施形態にかかる永久磁石回転子10を有している。本明細書においては、回転電気機械1がモータである場合を中心に説明するが、発電機である場合にも、同様の構成を適用することができる。
回転電気機械1は、永久磁石埋め込み(IPM)モータとして構成されている。モータ1は、中空筒状のステータ(固定子)30と、ステータ30の中空部内に、同軸状に、軸回転可能に支持されたロータ(永久磁石回転子)10と、を有している。
ステータ30は、ステータコア31と、コイル(図略)とを有している。ステータコア31は、複数層の電磁鋼板を積層してなるものであり、円環形状のバックヨーク部31aと、バックヨーク部31aから円環形状の内側に向かって突出した複数のティース31bを、一体に備えている。そして、各ティース31bの外周に、コイルが巻き回されている。
ロータ10は、略円柱状の外形を有するロータコア11と、ロータコア11に埋設された複数の永久磁石Mと、を有している。ロータコア11の中心には、中空部が形成され、シャフト40が挿通されている。ロータ10をステータ30の中空部に同軸状に収容した状態で、ステータコア31のティース31bとロータコア11の外周面の間には、エアギャップ50が確保される。ロータ10の構成の詳細について、次に説明する。
[永久磁石回転子の構成の概略]
上記のように、ロータ(永久磁石回転子)10は、ロータコア11と、複数の永久磁石Mとを有している。ロータ10の構成を、図1,2に示す。図2は、ロータ10の磁極1つ分を示したものであり、永久磁石Mの極性を磁極ごとに交互に変えながら、複数(ここでは4個)の磁極を回転対称に連続的に配置したものが、図1のようなロータ10の全体構造となる。なお、以下では、「径方向」、「外周」、「内周」、「外側」、「内側」等、回転体における方向を示す語は、特記しないかぎり、ロータコア11についての方向を指すものとする。
ロータコア11は、複数の電磁鋼板を積層して構成されており、略円柱形状の外周面を有している。ロータコア11には、軸方向に貫通または陥没した空隙として、複数のスロットSが形成されている。スロットSは、ロータコア11の内周側(径方向内側)に向かって凸な弧形状を有している。スロットSの具体的な形状は特に限定されるものではないが、ここでは、それぞれが、略円弧形状を有している。つまり、各スロットSにおいて、ロータコア11の内周側に位置する内周側端縁と、ロータコア11の外周側に位置する外周側端縁が、それぞれ、ロータコア11の内側に向かって凸な円弧として形成されている。
各スロットSには、それぞれ、永久磁石Mが埋設されている。スロットSが略円弧形状を有することに対応し、永久磁石Mも、略円弧形状を有している。永久磁石Mは、スロットSの外周側端縁と内周側端縁を結ぶ厚さ方向には、スロットSの略全域を占めている。スロットSの長手方向(弧形状に沿った方向)に永久磁石Mが占める領域の長さは、特に限定されず、出力等、必要とされる特性に応じて、適宜選択すればよい。各スロットSに埋め込まれる永久磁石Mは、複数に分割されていてもよい。図示した形態においては、内側のスロット14に埋設された永久磁石16が、2つに分割されている。
スロットSおよびスロットS内に埋設される永久磁石Mは、リラクタンストルク向上等の観点から、ロータコア11の外周側(径方向外側)から内周側(径方向内側)に向かって、2層以上で配置されている。2層以上であれば、具体的な層数や配置は、特に限定されるものではないが、本実施形態においては、構造の単純化等の観点から、2層となっている。つまり、ロータコア11の外周側から内周側に向かって、外側磁石15が埋設された外側スロット13と、内側磁石16が埋設された内側スロット14の2層が配置されている。また、それらは、同心円弧状に配置されている。
後に詳しく説明するように、本実施形態においては、外側磁石15の厚さLm1と、内側磁石16の厚さLm2の関係が指定されている。また、外側磁石15の開角θM1および内側磁石16の開角θM2として、好適な範囲が設定されている。各永久磁石15,16の厚さとは、永久磁石15,16の外周側端縁と内周側端縁の間の距離を指す。また、各永久磁石15,16の開角θM1,θM2とは、各永久磁石15,16の外周側端縁の長手方向の両端部が、ロータコア11の回転中心Rに対してなす角度を指す。
各永久磁石Mの磁化方向は、特に限定されるものではないが、弧形状の焦点を中心とする放射方向(ラジアル方向)となっていることが好ましい。永久磁石Mの種類は、特に限定されるものではないが、金属磁石であることが好ましい。つまり、表面近傍を除き、意図的に添加された金属酸化物や有機化合物を含まず、金属磁石材料のみよりなっていることが好ましい。さらには、金属磁石材料の微結晶粒より構成された熱間塑性加工磁石であることが好ましい。熱間塑性加工磁石は、弧形状への成形、およびラジアル方向への着磁を、比較的簡便に行うことができる。
本実施形態においては、複数の永久磁石Mの間で、厚さの関係、およびパーミアンス係数の関係が規定されることによって、不可逆減磁が抑制されている。永久磁石の肉厚が薄いと、比較的減磁を起こしやすいが、本実施形態において、永久磁石Mの厚さの関係を下記のように規定することで、永久磁石Mが比較的薄い場合でも、効果的に減磁を抑制することができる。以下に、永久磁石Mの厚さおよびパーミアンス係数の関係性、およびそれらによってもたらされる効果について、主に図2を参照しながら、詳細に説明する。
[永久磁石の厚さおよびパーミアンス係数]
本実施形態においては、上記のように、弧形状の永久磁石Mが、ロータコア11の径方向に沿って、外周側から内周側へと、複数層、好ましくは2層に配列されている。それら層状に配置された永久磁石Mの厚さは、ロータコア11の内周側に配置された永久磁石Mほど、厚くなっている。つまり、永久磁石Mの層数が2層である場合には、外側磁石15の厚さLm1よりも、内側磁石16の厚さLm2の方が、大きくなっている(Lm1<Lm2)。
ロータ10を回転させてモータ1を運転した際に、発熱が生じ、その発熱によって、永久磁石Mに、不可逆減磁部位(不可逆減磁が起こった部位)が発生する可能性がある。また、ステータ30に設けられたコイルからの磁界が、永久磁石Mの磁化方向と反対向きに永久磁石Mに印加されて、逆磁界として作用し、不可逆減磁部位が発生する原因となる可能性がある。ステータ30のコイルからの逆磁界は、外周側に位置する永久磁石M(外側磁石15)の位置においては、外周側正面に位置する少数のティース31bに設置されたコイルからの磁界のみとなる。これに対して、内周側に位置する永久磁石M(内側磁石16)の位置においては、外周側正面に位置するティース31bのみならず、周方向に沿ってその両側の広い範囲に位置する複数のティース31bに設置されたコイルからの磁界が、合成されて、逆磁界を構成する。よって、内周側の永久磁石M(内側磁石16)ほど、逆磁界の影響を受けやすくなる。しかし、弧形状の永久磁石Mにおいて、その厚さを大きくしておくほど、逆磁界の印加による不可逆減磁を起こしにくくなる。そこで、内周側の永久磁石M(内側磁石16)ほど、厚さを大きくしておけば、ロータ10全体として、永久磁石Mの不可逆減磁を、小さく抑えることができる。
各永久磁石Mにおいて、具体的な不可逆減磁の起こりやすさの程度は、パーミアンス係数に依存し、パーミアンス係数が大きいほど、不可逆減磁が起こりにくくなる。不可逆減磁は、磁化(磁気モーメント)を発現する各結晶を最小単位として発生する。したがって、永久磁石内におけるパーミアンス係数は、各結晶における逆磁界に相関し、永久磁石内で分布することとなる。ここで、不可逆減磁が発生した結晶は磁化がなくなり、永久磁石が発生する磁束は、その永久磁石の中で不可逆減磁が発生した体積に相関して、減少する。このように、パーミアンス係数の大きさおよび不可逆減磁の起こりやすさは、1つの永久磁石の中で空間分布を有するが(図3参照)、本明細書においては、特記しない限り、パーミアンス係数は、1つの永久磁石Mの全域における平均値を指すものとし、不可逆減磁の起こりやすさについても、1つの永久磁石Mにおける平均的な傾向の観点から言及するものとする。モータの重要性能であるトルク/出力性能に関して、各永久磁石M全体の平均的な挙動で、不可逆減磁が起こりにくいほど、高い性能が得られる。
ロータ10に、環境の異なる複数の永久磁石Mが設けられる場合に、それらの永久磁石Mのパーミアンス係数の値が近く、相互間の値の差が小さいほど、複数の永久磁石Mのうち一部の永久磁石Mにおいて、他の永久磁石Mと比較して、不可逆減磁の発生部位が極端に多くなる事態を避け、ロータ10全体として、不可逆減磁の影響を低く抑えることができる。そこで、ロータ10において、ロータコア11の径方向に沿って層状に配置された複数の永久磁石Mの間で、パーミアンス係数の差を、できる限り小さくすることが好ましい。
具体的には、ロータコア11の径方向に沿って隣接する任意の2つの永久磁石Mの組において、それら2つの永久磁石Mのパーミアンス係数の平均に対して、それら2つの永久磁石のパーミアンス係数の差が、所定の上限値A以下となるようにすればよい。上限値Aとしては、15%、さらには8%との値を挙げることができる。ここで、隣接する任意の2つの永久磁石Mの組において、パーミアンス係数の差が所定の上限値A以下となるとは、複数層に配列された永久磁石Mの群において、どの隣接する2つの永久磁石Mの組を取っても、それら2つのパーミアンス係数の差が、所定の上限値以下となることを意味する。永久磁石Mが2層で設けられる場合には、外側磁石15のパーミアンス係数をPc、内側磁石16のパーミアンス係数をPcとして、下記式1のように、それらの差が、平均値に対して、上限値A以下となるようにすればよい。
|Pc-Pc|/{(Pc+Pc)/2}×100%≦A (1)
あるいは、2つの永久磁石15,16のパーミアンス係数の差の値、つまり|Pc-Pc|が、所定の上限値B以下となるようにしてもよい。上限値Bの具体的な値は、2つの永久磁石15,16のパーミアンス係数Pc,Pcの大きさにもよるが、例えばそれらのパーミアンス係数Pc,Pcの平均値が、0.6以上、0.8以下である場合に、差の上限値Bとしては、0.1との値を挙げることができる。なお、2つの永久磁石15,16のパーミアンス係数Pc,Pcの大きさは、平均値で、概ね0.3以上、さらには0.4以上であることが好ましい。
弧形状の永久磁石Mにおいて、パーミアンス係数は、その永久磁石Mの材質に加え、厚さや開角によって定まる具体的な形状や寸法、配置にも依存する。そこで、複数の永久磁石Mがロータコア11の径方向に層状に配置されたロータ10において、径方向に隣接する永久磁石Mの間で、パーミアンス係数の平均に対する差の比率が、上限値A以下となるように、さらには可及的に小さくなるように、各永久磁石Mの形状や寸法、配置を設定すればよい。上記のように、内周側に配置された永久磁石M(内側磁石16)ほど、厚さを大きくしておけば、外周側の永久磁石M(外側磁石15)の方が厚い場合や、各永久磁石Mの厚さが同じである場合と比較して、隣接する永久磁石Mの間のパーミアンス係数の差を小さくすることができる。
ロータ10に埋設された複数の永久磁石Mの間で、パーミアンス係数の差を小さくし、各永久磁石Mにおいて、不可逆減磁が発生する体積を小さく抑えることで、各永久磁石Mを厚く形成する必要性を、低減することができる。すると、ロータ10に使用する永久磁石Mの総量を、少なく抑えることができる。また、DyやTb等の重希土類を多く含有する永久磁石は、保磁力が高く、不可逆減磁を起こしにくいが、そのように重希土類元素を多く含む高価な永久磁石を用いなくても、各永久磁石Mにおいて、不可逆減磁が発生する体積を小さく抑え、永久磁石M全体として、不可逆減磁を抑制することができる。ロータ10に使用する永久磁石Mの総量および重希土類含有量を少なく抑えながら、不可逆減磁を抑制し、クニック点よりも上の動作点で、モータ1を運転することが可能となる。
各永久磁石Mのパーミアンス係数の値は、その永久磁石Mの構成(形状、寸法、配置)によって定まるので、内周側の永久磁石M(内側磁石16)の厚さを大きくすること以外にも、各永久磁石Mの具体的な構成を検討することで、永久磁石Mの間のパーミアンス係数の差を小さくすることができる。永久磁石Mの具体的な構成の検討は、例えば、電磁界解析を用いたシミュレーションによって行うことができる。ある具体的な永久磁石Mの構成に対して、パーミアンス係数をシミュレーションによって見積もり、層間のパーミアンス係数の差が、平均値に対して、上記上限値A以下となるように、あるいは最小となるように、永久磁石Mの構成を選択すればよい。この際、各永久磁石Mの厚さの関係性、および各永久磁石Mの開角に着目して、永久磁石Mの構成を検討することで、効率的に、パーミアンス係数の差を小さくできる構成を探索することができる。以下に、一例として、永久磁石Mが2層に設けられる場合について、好適な永久磁石Mの厚さの関係性および開角について説明する。
[永久磁石が2層の場合の好適な構成]
永久磁石Mが外側磁石15と内側磁石16の2層で配置される場合に、それらの間のパーミアンス係数の差を小さくするためには、上でも説明したとおり、内側磁石16の厚さLm2を、外側磁石15の厚さLm1よりも大きくすればよい。さらに、各永久磁石15,16のパーミアンス係数は、それら永久磁石15,16の厚さLm1,Lm2のみならず、各永久磁石15,16の開角θM1,θM2、特に内側磁石16の開角θM2にも依存する。概ね、内側磁石16の開角θM2を大きくするほど、外側磁石15のパーミアンス係数が小さくなり、一方で内側磁石16のパーミアンス係数が大きくなる傾向がある。そして、内側磁石16の開角θM2の変化に対して、そのように逆の傾向を示す外側磁石15と内側磁石16のパーミアンス係数が、相互に等しくなる開角θM2が存在する。その2つの永久磁石15,16のパーミアンス係数が等しくなる時の開角θM2を、最適開角θoptとして見積もることができる。
後の実施例に示されるように、最適開角θoptは、2つの永久磁石15,16の厚さの比率(厚さ比;Lm1/Lm2)によって変化し、2つの永久磁石15,16の厚さ比Lm1/Lm2の関数として表現することができる。そして、2つの永久磁石15,16のパーミアンス係数が、完全に等しくなくても、両者の間に所定の上限値の範囲内で差が存在することを許容する場合には、開角θM2の値に、最適開角θoptを中心として、範囲を設定することができる。
後の実施例から導かれるように、最適開角θoptは、厚さ比Lm1/Lm2の関数として、下の式2のように表現することができる。単位は電気角(°)である。
θopt=260(Lm1/Lm2-380(Lm1/Lm2+260(Lm1/Lm2)+14.5Pc+54.3 (2)
ここで、Pcは、2つの永久磁石15,16のパーミアンス係数Pc,Pcの平均値である。つまり、Pc=(Pc+Pc)/2である。
そして、2つの永久磁石15,16のパーミアンス係数の値の間に、上限値をBとして、差が存在することを許容するならば、内側磁石16の開角θM2を、式3のように表現することができる。
θopt-C・B/2≦θM2≦θopt+C・B/2 (3)
ここで、Cは定数であり、内側磁石16のパーミアンス係数に対する開角θM2の比例定数に対応する(θM2=C・Pc)。後の実施例に示すように、C=100とすることができる。B=0.1とするならば、開角θM2の範囲は、以下のようになる。
θopt-5°≦θM2≦θopt+5° (4)
また、2つの永久磁石15,16のパーミアンス係数の間の差を、上記のように、平均値Pcに対する比率についての上限値Aで表現する場合には、式3より、開角θM2の範囲は、下の式5のように表現することができる。
θopt-C・A・Pc/2≦θM2≦θopt+C・A・Pc/2 (5)
上記式2によって、最適開角θoptを、2つの永久磁石15,16の厚さの比率Lm1/Lm2の関数として定め、さらに、式3または式5によって、最適開角θoptを中心とした許容範囲内に内側磁石16の開角θM2を設定することで、2つの永久磁石15,16のパーミアンス係数の差を所定の上限以下に収め、ロータ10全体として、不可逆減磁を小さく抑えることが可能となる。例えば、2つの永久磁石15,16の厚さの合計が定まっている時に、2つのパーミアンス係数の差を所定の上限以下に収めることができる厚さLm1,Lm2の分配比と、内側磁石16の開角θM2との組み合わせを、設定することができる。さらに、式2では、Lm1/Lm2のゼロ次の項に、2つの永久磁石15,16のパーミアンス係数の平均値Pcの寄与が含まれている。2つの永久磁石15,16のパーミアンス係数の値は、永久磁石15,16の磁束量や、逆磁界の大きさ等の要因によって変化するが、2つの永久磁石15,16のパーミアンス係数の平均値Pcを、式2に代入することで、それらの要因を考慮して、開角θM2と永久磁石15,16の厚さ比Lm1/Lm2の関係を定めることができる。例えば、使用する永久磁石15,16の厚さの合計や、材質を変更することで、永久磁石15,16の磁束量が変化し、また、ステータ30のコイルに流す電流量を変更することで、逆磁界の大きさが変化するが、それらの影響を、パーミアンス係数の大きさの変化の形で、式2に取り込むことができる。
以上のように、内側磁石16の開角θM2によって、2つの永久磁石15,16のパーミアンス係数の差の値が変化し、その開角θM2と、永久磁石15,16の厚さ比Lm1/Lm2との関係に基づいて、パーミアンス係数の差を所定の上限以下とする開角θM2を定めることができる。一方で、外側磁石15の開角θM1は、パーミアンス係数の差の値に大きな影響を与えるものではなく、上記式2によって内側磁石16の開角θM2の最適値として定まる最適開角θoptは、外側磁石15の開角θM1にほぼ依存しない。よって、外側磁石15の開角θM1は、特に限定されるものではなく、開角θM2を定めた内側磁石16よりもロータコア11の外周側に、所定の厚さLm1を有する外側磁石15を収められる範囲で、開角θM1を任意に設定すればよい。ただし、外側磁石15の開角θM1は、50°以上、さらには75°以上としておくことが好ましい。すると、モータ1において、エアギャップ50に形成される磁束密度分布の高調波成分が低減され、高調波に由来する振動や騒音を低減することができる。一方、外側磁石15の開角θM1は、120°以下、さらには105°以下としておくことが好ましい。すると、外側磁石15と内側磁石16の間に、十分な間隔を確保しやすく、永久磁石15,16を複数の層に配置することによるリラクタンストルク向上等の効果を、高めることができる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。ここでは、永久磁石を2層で配置する形態について、各永久磁石の厚さおよび開角を変化させた際のパーミアンス係数を、シミュレーションによって見積もったうえで、2つの永久磁石のパーミアンス係数の差を小さくすることができる構成について考察した。
[解析方法]
図1,2に示したように、ロータに2層の円弧形状の永久磁石が同心状に配置されたモデルを作成した。この際、2層の永久磁石の厚さ、およびそれぞれの開角を様々に変化させたモデルを作成した。そして、各モデルに対して、シミュレーションを行い、各永久磁石のパーミアンス係数を評価した。シミュレーションは、有限要素法(FEM)を用いた電磁界解析によって行った。
シミュレーションにおいて、2つの永久磁石の厚さの合計は、3.0mmを基本とした。2つの永久磁石の厚さおよび開角の他に、シミュレーションに用いたパラメータを、下の表1にまとめる。シミュレーションにおいては、巻線電流を変化させることで、逆磁界の大きさを、表1に示す逆磁界100%の場合を基本として、80%,100%,120%の3とおりに変化させた。
Figure 0007542815000001
[解析結果]
(1)永久磁石の厚さおよび開角とパーミアンス係数の関係
まず、2層の永久磁石の厚さの合計を固定して、その厚さの分配比を様々に変化させるとともに、2つの永久磁石の開角θM1,θM2を変化させ、各永久磁石のパーミアンス係数がどのように変化するのかを確認した。ここで、外側磁石の厚さLm1を0.7mmから1.5mmの範囲で、0.1mm間隔で変化させるとともに、2層の永久磁石の厚さの合計が常に3.0mmとなるように、内側磁石の厚さLm2も変化させた。そして、各厚さの組に対して、外側磁石の開角θM1を、50°から110°の範囲で、4とおりに変化させるとともに、内側磁石の開角θM2についても、90°から165°の範囲で、約5°間隔で変化させた。逆磁界の大きさは、100%とした。
シミュレーション結果の一例として、図3に、Lm1=0.9mm,Lm2=2.1mm,θM1=59.5°の場合について、得られたパーミアンス係数の分布を示す。(a)はθM2=99.5°の場合、(b)はθM2=135.4°の場合を示している。図3(a)と図3(b)の大きな差として、図3(a)では、外側磁石のパーミアンス係数が、全域で1.0以上との大きな値となっているのに対し、内側磁石のパーミアンス係数は、0.6以下となっており、外側磁石と内側磁石で、パーミアンス係数に大きな差が生じている。一方で、図3(b)では、外側磁石と内側磁石のいずれでも、パーミアンス係数が、おおむね0.7~0.9の範囲に収まっており、2つの永久磁石の間で、パーミアンス係数に大きな差は生じていない。また、図3(a),(b)のいずれにおいても、外側磁石および内側磁石のそれぞれの内部に、パーミアンス係数が分布を有しており、特に内側磁石の内部に、顕著なパーミアンス係数の分布が見られるが、図3(a)の場合に比べて、図3(b)の場合の方が、各永久磁石の内部におけるパーミアンス係数の分布の程度も、小さくなっている。このことから、図3(b)の場合の方が、図3(a)の場合に比べて、各永久磁石の内部、および2層の永久磁石の間のいずれにおいても、パーミアンス係数の差が小さくなっていることが分かる。以降、外側磁石および内側磁石のそれぞれの全域におけるパーミアンス係数の平均値に基づいて、2層の永久磁石のパーミアンス係数の差について議論する。
図4~6に、代表的な永久磁石の厚さの組について、開角θM1,θM2を変化させた場合に得られた、外側磁石(PM1)および内側磁石(PM2)のパーミアンス係数を示す。外側磁石の厚さLm1および内側磁石の厚さLm2を、図4ではLm1=0.9mm,Lm2=2.1mm、図5ではLm1=1.2mm,Lm2=1.8mm、図6ではLm1=1.5mm,Lm2=1.5mmとしている。なお、図4のθM1=59.5°のグラフで、最も左側のデータ点、および右から2番目のデータ点が、それぞれ図3(a),(b)の分布図に対応するものである。
図4~6の各グラフにおいては、外側磁石の開角θM1が大きい一部の場合を除いて、概ね、内側磁石の開角θM2が大きくなるのに伴って、外側磁石(PM1)のパーミアンス係数が低下し、内側磁石(PM2)のパーミアンス係数が上昇する傾向が見られている。図6のLm1=Lm2となっている形態においては、外側磁石の開角θM1の異なる4ついずれのグラフにおいても、外側磁石のパーミアンス係数の折れ線と、内側磁石のパーミアンス係数の折れ線が、交差していない。つまり、図示している範囲で、内側磁石の開角θM2を変化させたとしても、2層の永久磁石のパーミアンス係数を揃えることはできない。一方で、図4,5のLm1<Lm2である場合には、外側磁石の開角θM1の異なる4ついずれのグラフでも、外側磁石のパーミアンス係数の折れ線と、内側磁石のパーミアンス係数の折れ線が、内側磁石の開角θM2が90°から165°の範囲の中で、交差している。つまり、内側磁石の開角θM2を適切に選択することで、2層の永久磁石のパーミアンス係数を揃えることができる。この傾向は、図示を省略したものも含め、Lm1<Lm2となる全ての厚さの組において、得られた。なお、図4の交点は、図3(b)の条件に対応しており、交点においては、外側磁石と内側磁石の間、また各永久磁石の内部でのパーミアンス係数の分布が小さくなっていることが確認される。
このことから、内側磁石の厚さを、外側磁石よりも厚くすることで、2層の永久磁石のパーミアンス係数を、相互に等しい状態か、それに近い状態とできることが分かる。2層の永久磁石のパーミアンス係数の差を小さくすることで、2層の永久磁石の両方を、バランスよく、不可逆減磁を起こしにくい状態とし、ロータ全体として、不可逆減磁に対する耐性を高めることができる。
図4,5の各グラフにおいて、外側磁石のパーミアンス係数の折れ線と、内側磁石のパーミアンス係数の折れ線の交点における開角θM2の値は、2つの永久磁石のパーミアンス係数が揃う際の開角θM2、つまり最適開角θoptとなる。図4および図5のそれぞれにおいて、外側磁石の開角θM1の異なる4つのグラフで、それぞれ、その最適開角θoptの値を読み取ると、外側磁石の開角θM1によらず、最適開角θoptが、10°程度の誤差範囲で、一定となっていることが分かる。つまり、外側磁石の開角θM1を特定の値に限定しなくても、内側磁石の開角θM2を最適化することができれば、2層の永久磁石のパーミアンス係数を揃えられることが分かる。図示を省略した他の厚さの組についても、概ね同様の結果が得られた。
2つの永久磁石のパーミアンス線の交点における開角θM2の値、つまり最適開角θoptの値を読み取り、外側磁石の開角θM1の異なる4とおりの場合について、その値を平均すると、図4では約128°、図5では約148°となっている。このことから、内側磁石の厚さLm2が小さい方が、内側磁石の開角θM2の最適値θoptが大きくなっていると言える。
図7に、Lm1<Lm2である全ての厚さの組について、同様にしてられた内側磁石の開角θM2の最適値θoptの値を、厚さ比Lm2/Lm1の関数として示す(逆磁界100%)。図7によると、開角θM2の最適値θoptは、全領域で、厚さ比Lm2/Lm1に対して単調減少となっている。つまり、図4と図5の比較で得られた、内側磁石の厚さLm2が小さい方が、開角θM2の最適値θoptが大きくなるという傾向が、全領域で確認される。図7には、逆磁界の大きさを変化させた場合についても、結果を示しているが、いずれの逆磁界についても、同様の単調減少の傾向が見られている。逆磁界が大きくなるほど、開角θM2の最適値が小さくなっているが、逆磁界が変化しても、単調減少カーブの形状は、ほぼ変化しておらず、概ね、縦軸方向に平行移動させたものとなっている。
上記のように、図4および図5のそれぞれにおいて、外側磁石の開角θM1の値を変化させても、2つの永久磁石のパーミアンス係数の折れ線が交差する交点における内側磁石の開角θM2の値、つまり最適開角θoptの値は、10°程度の誤差で一定となっているが、その交点におけるパーミアンス係数の値も、ほぼ一定となっている。しかも、その交点におけるパーミアンス係数の値は、図4でも図5でも、約0.76となっており、永久磁石の厚さ比を変化させても、内側磁石の開角θM2の最適値θoptに対応するパーミアンス係数は、変化しないと言える。
図8に、全ての厚さの組について、内側磁石の開角θM2の最適値θoptに対応するパーミアンス係数、つまり上記の交点におけるパーミアンス係数について、4とおりの開角θM1で平均した値を、厚さ比Lm2/Lm1の関数として表示している(逆磁界100%)。これによると、厚さ比Lm2/Lm1を変化させても、パーミアンス係数の値は、ほぼ変化しておらず、図4と図5の比較で得られた、開角θM2の最適値θoptに対応するパーミアンス係数は、永久磁石の厚さ比Lm2/Lm1によらず不変であるとの傾向が、全領域で確認される。表示したパーミアンス係数の平均値を全領域でとると、0.76となる(減磁界100%)。図8には、逆磁界の大きさを変化させた場合についても、結果を示しているが、いずれの逆磁界においても、同様に、永久磁石の厚さ比Lm2/Lm1によって、パーミアンス係数がほぼ変化しないという結果になっている。そのパーミアンス係数の値は、逆磁界が大きくなるほど、小さくなっている。
以上の結果から、2つの永久磁石の厚さの関係を、Lm1<Lm2とし、さらに、内側磁石の開角θM2を、厚さ比Lm2/Lm1に応じた最適開角θoptに設定すれば、2つの永久磁石のパーミアンス係数を揃えられることが分かる。最適開角θoptは、厚さLm2を小さくするほど大きくなり、厚さ比Lm2/Lm1に対して単調減少の傾向を示す。一方、最適開角θoptに対応するパーミアンス係数は、厚さ比Lm2/Lm1を変化させても、ほぼ変化しない。
(2)内側磁石の開角の最適値の定式化
次に、内側磁石の開角θM2の最適値θoptを、2つの永久磁石の厚さの比率に対する関数として定式化する。図7において、厚さ比Lm2/Lm1が小さい領域で、開角θM2の最適値θoptの値が発散する傾向が見られるので、定式化しやすいように、横軸の厚さ比を、逆数であるLm1/Lm2としたグラフを、図9に示す。
図9において、折れ線は、中途域において、傾きが一旦緩やかになる挙動を示している。そのような挙動を示す関数として、三次関数を挙げることができる。そこで、逆磁界100%の折れ線を3次関数(y=ax+bx+cx+d)で近似したものが、図9中の近似曲線となる。逆磁界が80%および120%の場合についても、3次関数のゼロ次の項dを変化させるだけで、同じ近似式を用いて、データ点をよく近似できる(図略)。そこで、ゼロ次の項dを逆磁界の関数として、図9の3つの折れ線をそれぞれ近似できる共通の3次の近似式を得ると、下の式6のようになる。単位は、電気角(°)である。
θopt=260(Lm1/Lm2-380(Lm1/Lm2+260(Lm1/Lm2)-4.38・H+86.0 (6)
ここで、Hは、kOeを単位とする逆磁界の大きさを表す。逆磁界の大きさは、100%の場合に、下の式7によって計算される値とした。
(3/2)0.5・I・N/(Lm1+Lm2)=4.57kOe (7)
ここで、Iは相巻線の電流振幅であり、25.45Aである。Nはコイルの巻数であり、35Tである。
以上より、2つの永久磁石の厚さLm1,Lm2を所定の比率とした際に、2つの永久磁石のパーミアンス係数を等しくする開角θM2の最適値θoptを、上記式6によって設定することができる。式6は、逆磁界の大きさが変化しても、適用することができる。
上記の式6は、ステータコイルからの逆磁界の大きさを取り込んだものであるが、逆磁界の大きさの変化は、各永久磁石において、パーミアンス係数の変化として現れ、逆磁界が大きいほど、各永久磁石のパーミアンス係数の値が小さくなる。そこで、式6において、Lm1/Lm2のゼロ次の項への逆磁界(H)の寄与を、パーミアンス係数の寄与に変換して、式を書き直すことを試みる。この際、上で説明した図8のデータを用いる。図8には、永久磁石の厚さ比Lm2/Lm1に対して、開角θM2の最適値に対応するパーミアンス係数(図4,5の交点におけるパーミアンス係数)を示している。永久磁石の厚さ比Lm2/Lm1が変わっても、そのパーミアンス係数の値はほぼ変化しておらず、逆磁界の大きさの異なる3つの場合について、それぞれパーミアンス係数の平均値をとったものを、図10の横軸に示す。図10の縦軸には、式6のゼロ次の項である-4.38・H+86.0の大きさ、つまり図9のデータを近似した近似曲線における縦軸切片の値(単位:°)を示す。
図10によると、逆磁界の大きさの異なる3つの場合のプロット点が、よく直線に乗っている。このことは、式6のLm1/Lm2のゼロ次の項を、逆磁界(H)の関数から、パーミアンス係数の関数へと書き換えられることを示している。図10の近似直線の式(切片=14.5・PC+54.3)を用いて、Lm1/Lm2のゼロ次の項を、パーミアンス係数の1次関数として、式6を書き直すと、上にも記載した式2が得られる。
θopt=260(Lm1/Lm2-380(Lm1/Lm2+260(Lm1/Lm2)+14.5Pc+54.3 (2)
ここで、Pcは、外側磁石と内側磁石の永久磁石のパーミアンス係数の平均値であり、2つの永久磁石のパーミアンス係数が等しくなる場合には、そのバーミアンス係数に対応する。
このように、式2において、Lm1/Lm2のゼロ次の項を、パーミアンス係数の関数として表現することで、ステータコイルからの逆磁界の大きさ以外にも、2つの永久磁石のパーミアンス係数を変化させる要因があれば、それらの要因による影響を、パーミアンス係数の変化の形で取り込んで、内側磁石の開角θM2の最適値θoptを、永久磁石の厚さ比Lm1/Lm2の関数として、得ることができる。ステータコイルからの逆磁界以外に、永久磁石のパーミアンス係数を変化させる要因として、2層の永久磁石の合計の厚さの変化を挙げることができる。永久磁石の厚さの合計値を大きくすると、各永久磁石におけるパーミアンス係数が大きくなる。
図11(a),(b)に、2層の永久磁石の厚さの合計を、上記の3.0mmの1.5分の1に対応する2.0mmとした場合について、内側磁石の開角θM2を変化させた際の、外側磁石(PM1)および内側磁石(PM2)のパーミアンス係数の変化を示す。(a)は、Lm1=0.6mm,Lm2=1.4mmとした場合、(b)はLm1=0.8mm,Lm2=1.2mmとした場合を示している。ステータコイルからの逆磁界の大きさは、(a)では、上記で永久磁石の厚さを3.0mmとしたシミュレーションにおける「80%」との減磁界に対応する値となっており、(b)では「120%」との減磁界に対応する値となっている。
図11(a)からは、2本の折れ線の交点における開角θM2の値、つまり最適開角θoptを、137°と読み取ることができる。交点におけるパーミアンス係数の値は、1.06となっている。一方、式2に基づいて、つまり厚さLm1,Lm2の値と、パーミアンス係数Pcとして上記1.06との値を式2に代入して、最適開角θoptを計算すると、132°となる。この値は、上記の読み取り値と、5°の精度で一致している。一方、図11(b)からは、2本の折れ線の交点における開角θM2の値、つまり最適開角θoptを、145°と読み取ることができる。交点におけるパーミアンス係数の値は、0.545となっている。一方、式2に基づいて、最適開角θoptを計算すると、144°となる。この値は、上記の読み取り値と、1°の精度で一致している。
さらに、図11(c)に、2層の永久磁石の厚さの合計を、上記の3.0mmの1.5倍に対応する4.5mmとした場合について、内側磁石の開角θM2を変化させた際の、外側磁石および内側磁石のパーミアンス係数の変化を示す。Lm1=1.8mm,Lm2=2.7mmとした場合を示している。ステータコイルからの逆磁界の大きさは、上記で永久磁石の厚さを3.0mmとしたシミュレーションにおける「120%」との減磁界に対応する値となっている。
図11(c)からは、2本の折れ線の交点における開角θM2の値、つまり最適開角θoptを、144°と読み取ることができる。交点におけるパーミアンス係数の値は、0.44となっている。一方、式2に基づいて、最適開角θoptを計算すると、142°となる。この値は、上記の読み取り値と、2°の精度で一致している。
以上のように、2層の永久磁石の厚さの合計を、上記の3.0mmよりも小さくした場合についても、大きくした場合についても、共通の式2によって、内側磁石の開角θM2の最適値θoptを、±5°程度の精度で、よく表現することができる。つまり、上記式2は、ステータコイルからの逆磁界の大きさを変化させたデータに基づいて、Lm1/Lm2のゼロ次の項を決定したものであるが、ステータコイルからの逆磁界に限らず、永久磁石の厚さの絶対値等、永久磁石におけるパーミアンス係数を変化させる要因を、式2のゼロ次の項に取り込んで、開角θM2の最適値θoptを決定することができる。
(3)内側磁石の開角θM2の許容範囲
上記において、2層の永久磁石のパーミアンス係数を揃えることができる内側磁石の開角θM2の最適値θoptを、式2を用いて永久磁石の厚さ比Lm1/Lm2の関数として表現できることが、明らかになった。ロータにおける不可逆減磁を最も抑制できるのは、そのように2層の永久磁石のパーミアンス係数が揃っている場合であるが、必ずしも、2層の永久磁石のパーミアンス係数が完全には揃っていなくても、不可逆減磁に対して、十分に高い耐性を得ることができる。そこで、内側磁石の開角θM2において、最適値θoptの周辺に、許容範囲を設けることを考える。
ここで、2層の永久磁石のパーミアンス係数の値の間に許容される差の上限が、Bである場合を想定する。この場合、最適値θoptに対応するパーミアンス係数、つまり図4,5,11等のグラフの交点におけるパーミアンス係数に対して、±B/2程度の範囲に、内側磁石の開角θM2を設定すればよいことになる。そこで、パーミアンス係数にして±2/Bとの範囲に対応する範囲を、内側磁石の開角θM2の値に付すことを考える。つまり、開角θM2と、内側磁石のパーミアンス係数Pcの間に、θM2=C・Pcとの比例関係が成り立つ場合に、許容される開角θM2の範囲を、式3のように表現することができる。
θopt-C・B/2≦θM2≦θopt+C・B/2 (3)
内側磁石におけるパーミアンス係数Pcと開角θM2の間の比例定数Cを求めるために、図12に、永久磁石の厚さ比Lm1/Lm2を横軸にとり、内側磁石のパーミアンス係数Pcに対する開角θM2の傾き(ΔθM2/ΔPc)を縦軸に示す。各プロット点は、図4,5に示されるような、開角θM2を変化させた際の内側磁石(PM2)のパーミアンス係数Pcの折れ線に対して、全域を直線に近似して、傾きを計算したものに対応している。図12(a)は、θM1=約60°の場合、図12(b)はθM1=約75°の場合を示している。ここで、外側磁石の開角θM1について、「約」と表示しているのは、概ね±5°の領域であり、永久磁石の厚さ比Lm1/Lm2を変えてシミュレーションを行った際に、開角θM1が完全には揃っていないことを考慮したものである。図12(a),(b)には、それぞれ、3とおりの逆磁界についての結果を示している。
図12によると、(a),(b)いずれの場合においても、永久磁石の厚さ比Lm1/Lm2の全域で、また3ついずれの逆磁界においても、縦軸の値が、100°以上となっている。つまり、上記式3に代入すべき係数Cの値が、C≧100°であることが分かる。ここで、係数Cは、内側磁石の開角θM2に、許容可能な範囲を付すためのものであり、小さい値に設定しておいた方が、許容されない範囲にまで開角θM2を広げる事態を避けることができる。そこで、式3において、C=100°とすればよい。
式3において、パーミアンス係数に設ける許容範囲Bを、0.1とすると、式3は、下の式4のようになる。
θopt-5°≦θM2≦θopt+5° (4)
つまり、内側磁石の開角θM2として、最適値θoptを中心とした±5°の範囲の値を許容することになる。図4,5の折れ線は、内側磁石の開角θM2を約5°ごとに変化させたものであるが、そのグラフにおいて、折れ線に若干のがたつきが見られており、開角θM2における許容範囲を、±5°とすることは、妥当であると解釈できる。よって、内側磁石の開角θM2を、式4のように、最適開角θoptを中心に±5°の範囲で設定すれば、2層の永久磁石を有するロータにおいて、不可逆減磁に対する耐性を、十分に高められると言える。
さらに、B=0.1とのパーミアンス係数の絶対値についての許容範囲を、パーミアンス係数の大きさに対する割合Aで表示することを考える。図8に示されるように、逆磁界の大きさが100%である場合に、開角θM2の最適値θoptに対応するパーミアンス係数の値は、0.76である。B=0.1との誤差を、このパーミアンス係数に対する割合に変換すると、13%となる。よって、2層の永久磁石のパーミアンス係数の平均値Pcに対する割合としての許容誤差Aを、概ね15%としておけば、2層の永久磁石を有するロータにおいて、不可逆減磁に対する耐性を、十分に高められると言える。
以上、本発明の実施形態について説明した。本発明は、これらの実施形態に特に限定されることなく、種々の改変を行うことが可能である。
1 モータ(回転電気機械)
10 ロータ(永久磁石回転子)
11 ロータコア
15 外側磁石
16 内側磁石
30 ステータ(固定子)
m1 外側磁石の厚さ
m2 内側磁石の厚さ
M 永久磁石
R ロータコアの回転中心
S スロット
θM1 外側磁石の開角
θM2 内側磁石の開角

Claims (5)

  1. ロータコアと、前記ロータコアに空隙として形成された複数のスロットにそれぞれ埋設され、磁極を構成する複数の永久磁石とを有し、前記複数の永久磁石の極性を前記磁極ごとに交互に変えながら、複数の前記磁極が回転対称に連続的に配置された、永久磁石埋め込みモータを構成する永久磁石回転子であって、
    前記ロータコアの回転軸に直交する断面において、前記磁極1つ分の構成として、
    前記複数のスロットのそれぞれは、前記ロータコアの内周側に向かって凸な円弧形状を有しており、前記ロータコアの内周側に位置する内周側端縁および前記ロータコアの外周側に位置する外周側端縁がそれぞれ、前記ロータコアの内側に向かって凸な円弧として構成され、
    前記複数の永久磁石は、それぞれ前記ロータコアの内周側に向かって凸の弧形状を有し、前記複数のスロットのそれぞれの前記外周側端縁と前記内周側端縁を結ぶ厚さ方向に、各スロットの全域を占め、磁化方向が各永久磁石の円弧形状の焦点を中心とする放射方向となっており、
    前記複数のスロットおよび前記複数の永久磁石は、前記ロータコアの外周側から内周側に向かって、外側磁石が埋設された外側スロットと、内側磁石が埋設された内側スロットの2層で、同心円弧状に配列されており、
    前記内側スロットに埋設された前記内側磁石は、前記内側スロットの円弧形状に沿った方向に、2つに分割されており、
    前記永久磁石の厚さが、前記ロータコアの内周側に配置された前記永久磁石ほど大きくなっており、
    前記外側磁石と前記内側磁石のパーミアンス係数の差が、該2つの永久磁石のパーミアンス係数の平均値の15%以下であり、
    前記永久磁石埋め込みモータにおける、前記ロータコアの回転中心に対してなす前記内側磁石の開角を、電気角でθM2として、θopt-5°≦θM2≦θopt+5°である、永久磁石回転子。
    ここで、前記外側磁石および前記内側磁石の厚さを、それぞれLm1およびLm2とし、前記外側磁石と前記内側磁石のパーミアンス係数の平均値をPcとして、前記θoptは、°を単位として、
    θopt=260(Lm1/Lm2-380(Lm1/Lm2+260(Lm1/Lm2)+14.5Pc+54.3である。
  2. 前記永久磁石埋め込みモータにおける、前記ロータコアの前記回転中心に対してなす前記外側磁石の開角を、電気角でθM1として、50°≦θM1≦120°である、請求項1に記載の永久磁石回転子。
  3. 前記複数の永久磁石は、熱間塑性加工磁石である、請求項1または請求項2に記載の永久磁石回転子。
  4. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の永久磁石回転子を有し、永久磁石埋め込みモータとして構成される、回転電気機械。
  5. ロータコアと、前記ロータコアに空隙として形成された複数のスロットにそれぞれ埋設され、磁極を構成する複数の永久磁石とを有し、前記複数の永久磁石の極性を前記磁極ごとに交互に変えながら、複数の前記磁極が回転対称に連続的に配置された、永久磁石埋め込みモータを構成する永久磁石回転子を製造する方法であって、
    製造される前記永久磁石回転子を、
    前記ロータコアの回転軸に直交する断面において、前記磁極1つ分の構成として、
    前記複数のスロットのそれぞれが、前記ロータコアの内周側に向かって凸な円弧形状を有しており、前記ロータコアの内周側に位置する内周側端縁および前記ロータコアの外周側に位置する外周側端縁がそれぞれ、前記ロータコアの内側に向かって凸な円弧として構成され、
    前記複数の永久磁石が、それぞれ前記ロータコアの内周側に向かって凸の弧形状を有し、前記複数のスロットのそれぞれの前記外周側端縁と前記内周側端縁を結ぶ厚さ方向に、各スロットの全域を占め、磁化方向が各永久磁石の円弧形状の焦点を中心とする放射方向となっており、
    前記複数のスロットおよび前記複数の永久磁石が、前記ロータコアの外周側から内周側に向かって、外側磁石が埋設された外側スロットと、内側磁石が埋設された内側スロットの2層で、同心円弧状に配列されており、
    前記内側スロットに埋設された前記内側磁石が、前記内側スロットの円弧形状に沿った方向に、2つに分割されており、
    前記永久磁石の厚さが、前記ロータコアの内周側に配置された前記永久磁石ほど大きくなったものとし、
    前記外側磁石と前記内側磁石のパーミアンス係数の差を、該2つの永久磁石のパーミアンス係数の平均値の15%以下とし、
    前記永久磁石埋め込みモータにおける、前記ロータコアの回転中心に対してなす前記内側磁石の開角を、電気角でθM2として、θopt-5°≦θM2≦θopt+5°とする、永久磁石回転子の製造方法。
    ここで、前記外側磁石および前記内側磁石の厚さを、それぞれLm1およびLm2とし、前記外側磁石と前記内側磁石のパーミアンス係数の平均値をPcとして、前記θoptは、°を単位として、
    θopt=260(Lm1/Lm2-380(Lm1/Lm2+260(Lm1/Lm2)+14.5Pc+54.3である。
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