JP7545690B2 - ペプチド及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本願は、2019年7月2日に日本に出願された特願2019-124016号、及び2019年11月20日に日本に出願された特願2019-209908号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本発明は、フルオロアルキル基が側鎖に導入されたアミノ酸残基を含むペプチド及びその製造方法を提供することを目的とする。
[1] 下記一般式(6-2)又は(6-4)
Rfは、少なくとも2個のフッ素原子で置換された、フッ素原子以外のハロゲン原子でさらに置換されていてもよいC1-30アルキル基(当該C1-30アルキル基がC2-30アルキル基である場合には、炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有していてもよい)であり、
R2は、アミノ基の保護基である)
で表される化合物を、カルボキシ基が保護された含フッ素アミノ酸、カルボキシ基が保護されたアミノ酸、C末端が保護された含フッ素ペプチド、又はC末端が保護されたペプチドと縮合させる、フルオロアルキル基含有ペプチドの製造方法。
Rfは、少なくとも2個のフッ素原子で置換された、フッ素原子以外のハロゲン原子でさらに置換されていてもよいC1-30アルキル基(当該C1-30アルキル基がC2-30アルキル基である場合には、炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有していてもよい)であり、
R1は、下記一般式(p-1)
で表される基、2-(9,10-ジオキソ)アントリルメチル基、ベンジルオキシメチル基、及びフェナシル基から選ばれる保護基である)
で表される化合物を、アミノ基が保護された含フッ素アミノ酸、アミノ基が保護されたアミノ酸、N末端が保護された含フッ素ペプチド、又はN末端が保護されたペプチドと縮合させる、フルオロアルキル基含有ペプチドの製造方法。
Rfは、少なくとも2個のフッ素原子で置換された、フッ素原子以外のハロゲン原子でさらに置換されていてもよいC1-30アルキル基(当該C1-30アルキル基がC2-30アルキル基である場合には、炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有していてもよい)である)
で表される化合物を、
アミノ基を保護基で保護した後、カルボキシ基が保護された含フッ素アミノ酸、カルボキシ基が保護されたアミノ酸、C末端が保護された含フッ素ペプチド、又はC末端が保護されたペプチドと縮合させる、又は、
カルボキシ基を保護基で保護した後、アミノ基が保護された含フッ素アミノ酸、アミノ基が保護されたアミノ酸、N末端が保護された含フッ素ペプチド、又はN末端が保護されたペプチドと縮合させる、
フルオロアルキル基含有ペプチドの製造方法。
[4] さらに、製造されたフルオロアルキル基含有ペプチドのアミノ基又はカルボキシ基の保護基を脱保護する、前記[1]~[3]のいずれかのフルオロアルキル基含有ペプチドの製造方法。
当該ペプチドを構成するアミノ酸残基の少なくとも1個が、側鎖に、少なくとも2個のフッ素原子で置換されたC1-30アルキル基(当該C1-30アルキル基がC2-30アルキル基である場合には、炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有していてもよい)を有している、ペプチド。
[6] 前記少なくとも2個のフッ素原子で置換されたC1-30アルキル基が、フッ素原子以外のハロゲン原子でさらに置換されていてもよい、前記[5]のペプチド。
で表される基である、前記[5]又は[6]のペプチド。
[8] C末端又はN末端が保護基で保護されていてもよい、前記[5]~[7]のいずれかのペプチド。
で表されるトリペプチドである、前記[5]~[8]のいずれかのペプチド。
[10] 細胞膜透過性である、前記[5]~[9]のいずれかのペプチド。
また、本発明に係るペプチドは、フルオロアルキル基が側鎖に導入されているため、細胞膜透過性に優れている。このため、当該ペプチドは、生理活性物質として、医薬分野での利用が期待される。
フルオロアルキル基が側鎖に導入されたアミノ酸であるフルオロアルキル基含有アミノ酸は、例えば、下記の合成反応により製造できる。
化合物2と化合物8を、金属フッ化物の存在下で反応させることにより、化合物2-2を得ることができる。一般式(8)であるRf-R6で表される化合物8は、入手容易なRf-I(フルオロアルキルヨージド)から1工程で合成できるため、導入できるRf基の範囲が広い。
反応は、反応に不活性な溶媒中で行うことができる。溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等の不活性溶媒が挙げられ、テトラヒドロフランが好ましい。
工程1の反応において、化合物2-1(ヒドロキシ基の一方がR6で保護された化合物)、又は化合物2-2と化合物2-1の混合物が得られることがある。その場合、化合物2-1のシリル保護基R6を脱保護することにより、化合物2-2を得ることができる。
工程1-1の反応は、工程1と同様の方法で行うことができる。
化合物2-1のシリル保護基R6を脱保護することにより、化合物2-2を得ることができる。
脱保護は、フッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)、フッ化セシウム、フッ化水素酸塩等のフッ化物塩、又は塩酸、酢酸、パラトルエンスルホン酸等の酸の存在下で行うことができる。
化合物2-2を脱水反応に付すことにより、化合物3を得ることができる。
脱水反応は、五酸化二リン、濃硫酸、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、モレキュラーシーブ(合成ゼオライト)、シリカゲル等の脱水剤の存在下で、行うことができる。脱水剤としては、五酸化二リンが好ましい。脱水剤の量は、化合物2-2の100重量%に対して、10~100重量%が好ましい。脱水反応は、化合物2-2を、脱水剤の存在下で蒸留することにより行うことができる。蒸留は、30℃~150℃の温度で行うことが好ましい。蒸留温度が高すぎると、化合物3が分解する可能性がある。蒸留温度が低すぎると、化合物3を凝縮できず、回収率が低下する可能性がある。蒸留は、減圧、常圧、加圧のいずれの圧力でも実施でき、化合物3の沸点が上記の好ましい温度の範囲に入るように適宜決定できる。圧力は、好ましくは0.1mmHgから5気圧(3800mmHg)である。
化合物3を、化合物9又は化合物10と反応させることにより、化合物4を得ることができる。
化合物4を還元反応に付すことにより、化合物5を得ることができる。
還元反応は、還元剤を使用する方法、又は金属触媒の存在下で還元する方法で行うことができる。
還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素亜鉛、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリエチルホウ素リチウム、水素化トリ(sec-ブチル)ホウ素リチウム、水素化トリ(sec-ブチル)ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム等の水素化ホウ素試薬を使用できる。還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム又は水素化ホウ素亜鉛が好ましく、水素化ホウ素ナトリウムがより好ましい。還元剤の量は、1モルの化合物4に対して、0.5~10モルが好ましい。
反応温度は、好ましくは-78℃~100℃、より好ましくは-10℃~40℃である。反応時間は、好ましくは1~48時間、より好ましくは6~36時間である。
金属触媒としては、パラジウム触媒(例、パラジウム炭素、水酸化パラジウム、パールマン触媒、リンドラー触媒、シリカゲル担持パラジウム触媒、アルミナ担持パラジウム触媒、酸化パラジウム)、ニッケル触媒(例、ラネーニッケル)、白金触媒(例、白金炭素、酸化白金、シリカゲル担持白金触媒、アルミナ担持白金触媒)、ロジウム触媒(例、ロジウム炭素、アルミナ担持ロジウム触媒、酸化ロジウム)、ルテニウム触媒(例、ルテニウム炭素、アルミナ担持ルテニウム触媒、酸化ルテニウム)、コバルト触媒(例、ラネーコバルト)等が挙げられ、パラジウム触媒が好ましい。金属触媒の量は、1モルの化合物4に対して、0.0001~0.1モルが好ましく、0.0005~0.02モルがより好ましい。
化合物5の保護基R2を脱保護することにより、化合物6-1を得ることができる。
脱保護は、保護基R2の種類に応じて行うことができる。
R2がBoc基の場合、酸性条件下で脱保護できる。使用する酸としては、トリフルオロ酢酸(TFA)、塩酸等が挙げられる。酸の量は、1モルの化合物5に対して、1~1000モルが好ましい。
反応は、反応に不活性な溶媒中で行うことができる。溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等の不活性溶媒が挙げられる。反応温度は、好ましくは-20℃~80℃、より好ましくは0℃~40℃である。反応時間は、好ましくは1分間~24時間、より好ましくは5分間~2時間である。
化合物6-1の保護基R1を脱保護することにより、化合物7を得ることができる。
脱保護は、保護基R1の種類に応じて行うことができる。R1がベンジル基、トリフェニルメチル基、9-アントリルメチル基、ピペロニル基、2-(9,10-ジオキソ)アントリルメチル基、ベンジルオキシメチル基、フェナシル基の場合、金属触媒の存在下で還元する方法により、脱保護できる。還元反応は、工程4の金属触媒の存在下で還元する方法と同様の方法で行うことができる。
化合物5の保護基R1を脱保護することにより、化合物6-2を得ることができる。脱保護は、工程6-1と同様の方法で行うことができる。
化合物6-2の保護基R2を脱保護することにより、化合物7を得ることができる。脱保護は、工程5-1と同様の方法で行うことができる。
化合物4を不斉還元反応に付すことにより、化合物5-1を得ることができる。
不斉還元反応は、化合物4を不斉還元触媒の存在下で還元することにより、行うことができる。
反応は、反応に不活性な溶媒中で行うことができる。溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ジクロロメタン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等の不活性溶媒が挙げられる。
還元反応は、水素ガスの存在下で行われる。還元反応は常圧で行ってもよく、加圧下で行ってもよい。水素ガスの圧力は、好ましくは0.5気圧~10気圧である。反応温度は、好ましくは0℃~100℃、より好ましくは10℃~50℃である。反応時間は、好ましくは1~48時間、より好ましくは6~36時間である。
化合物5-1の保護基R2を脱保護することにより、化合物6-3を得ることができる。脱保護は、工程5-1と同様の方法で行うことができる。
化合物6-3の保護基R1を脱保護することにより、化合物7-1を得ることができる。脱保護は、工程6-1と同様の方法で行うことができる。
化合物5-1の保護基R1を脱保護することにより、化合物6-4を得ることができる。脱保護は、工程6-1と同様の方法で行うことができる。
化合物6-4の保護基R2を脱保護することにより、化合物7-1を得ることができる。脱保護は、工程5-1と同様の方法で行うことができる。
化合物6-1を光学分割することにより、化合物6-3を得ることができる。
光学分割は、公知の手法で行うことができる。例えば、キラルカラムを使用する方法、結晶化による方法、ジアステレオマー法等で行うことができる。
キラルカラムを使用する液体クロマトグラフィー、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)により、ラセミ体を光学活性体に分割できる。キラルカラムは、CHIRALPAK(登録商標)(株式会社ダイセル)、CHIRALCEL(登録商標)(株式会社ダイセル)等を使用できる。
ラセミ体と光学活性なアミン又は光学活性な酸との塩を形成させ、結晶性のジアステレマー塩に誘導して分別結晶する。再結晶を繰り返すことにより、単一のジアステレマー塩を得ることができる。必要に応じて、ジアステレオマー塩を中和して、遊離体の光学活性体を得る。光学活性なアミンとしては、ブルシン、シンコニジン、シンコニン、1-フェネチルアミン等が挙げられる。光学活性な酸としては、カンファースルホン酸、酒石酸、マンデル酸等が挙げられる。
ラセミ体に光学活性な試薬を反応させて、ジアステオマーの混合物を得て、これを分別結晶、クロマトグラフィーにより、単一のジアステオマーを分離する。得られた単一のジアステレオマーから光学活性な試薬部分を除去して、目的の光学異性体を得る。
化合物6-3の保護基R1を脱保護することにより、化合物7-1を得ることができる。脱保護は、工程6-1と同様の方法で行うことができる。
化合物6-2を光学分割することにより、化合物6-4を得ることができる。光学分割は、工程10-1と同様の方法で行うことができる。
化合物6-4の保護基R2を脱保護することにより、化合物7-1を得ることができる。脱保護は、工程5-1と同様の方法で行うことができる。
化合物7を光学分割することにより、化合物7-1を得ることができる。光学分割は、工程10-1と同様の方法で行うことができる。
フルオロアルキル基含有ペプチドは、側鎖にフルオロアルキル基が導入されたアミノ酸を原料として製造できる。例えば、化合物6-1、化合物6-2、化合物6-3、又は化合物6-4を原料とすることにより、フルオロアルキル基含有ペプチドを製造できる。
本発明に係るフルオロアルキル基含有ペプチドは、2個以上のアミノ酸からなるペプチドであって、当該ペプチドを構成するアミノ酸残基の少なくとも1個が、側鎖に、少なくとも2個のフッ素原子で置換されたC1-30アルキル基を有している。少なくとも2個のフッ素原子で置換されたC1-30アルキル基は、フッ素原子以外のハロゲン原子でさらに置換されていてもよい。また、当該C1-30アルキル基がC2-30アルキル基の場合、炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有していてもよい。
Bn:ベンジル
Boc:t-ブトキシカルボニル
All:アリル
Et2O:ジエチルエーテル
Fmoc:9-フルオレニルメチルオキシカルボニル
THF:テトラヒドロフラン
TMS:トリメチルシリル
C4F9:1,1,2,2,3,3,4,4,4-ノナフルオロブチル
C8F17:1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-ヘプタデカフルオロオクチル
トリメチル(ノナフルオロブチル)シランとシュウ酸ジベンジルから、2-((t-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキサン酸を合成した。
19F NMR(376MHz,CDCl3) δ-80.79(brs,3F),-121.09(brs,2F),-121.24-121.26(m,2F),-126.12-126.21(m,2F).
19F NMR(376MHz,CDCl3) δ-80.79(brs,3F),-117.78-117.850(t,2F,JF-F=13Hz),-122.01(brs,2F),-125.58(brs,2F).
19F NMR(376MHz,CDCl3) δ-80.76-80.78(t,3F,JF-F=9Hz),-112.37(brs,2F),-121.0(brs,2F),-125.36(brs,2F).
19F NMR(376MHz,CDCl3) δ-80.86-80.89(t,3F,JF-F=9Hz),-115.36-118.55(m,2F),-121.50-123.17(m,2F),-125.00-126.77(m,2F).
19F NMR(376MHz,CDCl3) δ-80.30(brs,3F),-114.64-118.03(m,2F),-120.70-122.40(m,2F),-124.52-126.22(m,2F).
19F NMR(376MHz,D2O) δ-80.38(t,3F),-118.29-121.00(m,2F),-121.00-123.80(m,2F),-126.12-128.12(m,2F).
ノナフルオロブチル基を有するジペプチドを合成した。
1H NMR(400MHz,CDCl3) δ7.31-7.25(m,5H),6.41-6.40(d,N-H,JH-H=7Hz),5.48-5.46(d,1H,JH-H=9Hz),4.99-4.91(m,1H),4.91-4.86(m,1H),3.75(s,3H),3.23-3.10(m,2H),1.47(s,9H).
19F NMR(376MHz,CDCl3) δ-80.98(t,3F,JF-F=7Hz),-114.56-119.80(m,2F),-121.40-123.22(m,2F),-125.03-127.15(m,2F).
1H NMR(400MHz,CDCl3) δ7.30-7.07(m,5H),6.42-6.40(d,N-H,JH-H=9Hz),5.51-5.48(d,1H,JH-H=8Hz),5.00-4.95(m,1H),4.93-4.88(m,1H),3.74(s,3H),3.15-3.13(m,2H),1.44(s,9H).
19F NMR(376MHz,CDCl3) δ-80.77(t,3F,JF-F=9Hz),-113.74-119.30(m,2F),-121.22-122.94(m,2F),-124.82-127.05(m,2F).
実施例1で合成したペプチドのN末端側の保護基を脱保護した。
19F NMR(376MHz,CDCl3) δ-80.71(t,3F,JF-F=7Hz),-115.13-119.94(m,2F),-119.94-121.93(m,2F),-125.02-126.82(m,2F).
19F NMR(376MHz,CDCl3) δ-80.78(t,3F,JF-F=10Hz),-114.61-118.74(m,2F),-121.22-123.09(m,2F),-124.89-126.90(m,2F).
19F NMR(376MHz,CDCl3) δ=-126.2-125.7(m,2F),-121.2-119.7(m,2F),-120.5-114.4(m,2F),-80.7(t,3F)
19F NMR(376MHz,Acetone d6) δ=-126.9-126.3(m,2F),-123.1-121.9(m,2F),-120.1-115.0(m,2F),-81.5(t,3F)
19F NMR(376MHz,Acetone d6) δ=-126.9-125.6(m,2F),-123.1-122.1(m,2F),-120.0-115.3(m,2F),-81.7(t,3F)
実施例5で合成したノナフルオロブチル基を有するトリペプチド(H-Ala-RFAA-Phe-OMe)のN末端に、蛍光物質Alexa Fluor 647を融合させた。
[M]-:m/z calcd.for C55H63F9N5O17S4 - 1364.2964,found 1364.7252
得られた粗生成物を昇華(72℃、0.5mmHg)により精製した。得られた白色固体を100mL容の三口丸底フラスコに直接移し、Et2O(10mL)で溶解し、tert-ブチル(トリフェニルホスファニリデン)カルバメート(5.5mmol)と室温で1時間反応させた。粗生成物を濾過し、濾液を蒸発させた。得られた白色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1w/ 0.4% NEt3)で精製し、α-イミノエステル(311mg、3工程収率:8.2%)を得た。
19F NMR(376MHz,CDCl3) δ=-126.3(m,2F),-122.8(m,2F),-121.8-122.0(m,4F),-121.2(m,2F),-120.2(m,2F),-112.6(m,2F),-81.0(t,3F)
19F NMR(376MHz CDCl3) δ=-126.3(m,2F),-122.9(m,2F),-121.5-122.1(m,8F),-115.3-118.8(m,2F),-81.0(t,3F)
ESI-MS
[M+H]+:m/z calcd.for 726.13,found 726.52
実施例7で合成したヘプタデカフルオロオクチル基を有するトリペプチド(H-Ala-RFAA(C8)-Phe-OMe)のN末端に、蛍光物質Alexa Fluor 647(Thermo Fisher Scientific社製)を融合させた。
MALDI-TOF MS
[M]-:m/z calcd.for C55H72N5O17S4 - 1564.2836,found 1564.5701
ブチル基を有するジペプチド(H-Nle-Phe-OMe)を合成した。
Rotamer A
Δ8.09-7.88(m,1H),7.42-7.04(m,5H),4.67(dd,J=11.0,4.6Hz,1H),4.59(t,J=7.5Hz,1H),3.69(s,3H),3.22(dd,J=13.7,4.6Hz,1H),3.00(dd,J=14.0,10.7Hz,1H),2.00-1.80(m,2H),1.48-1.18(m,2H),0.83-0.73(m,3H)
Rotamer B
7.60(t,J=7.8Hz,1H),7.42-7.04(m,5H),4.75(t,J=6.9Hz,1H),4.25(t,J=6.4Hz,1H),3.64(s,3H),3.10(t,J=7.3Hz,2H),2.00-1.80(m,2H),1.48-1.18(m,2H),0.86(t,J=7.3Hz,3H)
[M+H]+:m/z calcd.for 364.22,found 364.07
[M+H]+:m/z calcd.for 386.21,found 386.06
比較例2で合成したブチル基を有するトリペプチド(H-Ala-Nle-Phe-OMe)のN末端に、蛍光物質Alexa Fluor 647を融合させた。
MALDI-TOF MS
[M]-:m/z calcd.for C55H72N5O17S4 - 1202.3812,found 1202.1449
実施例6で合成したペプチド蛍光コンジュゲート1(Alexa-Ala-RFAA-Phe-OMe)と比較例3で合成したペプチド蛍光コンジュゲート3(Alexa-Ala-Nle-Phe-OMe)を培養細胞に接触させ、細胞内への取り込み効率を調べた。さらに、比較対象として、ブチル基を有さないトリペプチド(H-Ala-Ala-Phe-OMe)のN末端に、蛍光物質Alexa Fluoro 647を融合させたペプチド蛍光コンジュゲート4(Alexa-Ala-Ala-Phe-OMe)も用いた。
細胞取り込みアッセイは、培地(10%FBS及び1%ペニシリン-ストレプトマイシン溶液を含有させたDMEM低グルコース培地)に、最終濃度が3.3μMとなるようにペプチド蛍光コンジュゲート1又は2を添加した0.4%DMSO培地(添加剤なし)で培地交換することによって行った。培地交換後の細胞を37℃で1時間インキュベートし、細胞培養培地及びPBS(リン酸生理食塩水)で洗浄した。
実施例8で合成したペプチド蛍光コンジュゲート2(Alexa-Ala-RFAA(C8)-Phe-OMe)の細胞内への取り込み効率を調べた。比較対象として、ペプチド蛍光コンジュゲート1(Alexa-Ala-RFAA-Phe-OMe)、ペプチド蛍光コンジュゲート3(Alexa-Ala-Nle-Phe-OMe)、及びペプチド蛍光コンジュゲート4(Alexa-Ala-Ala-Phe-OMe)も用いた。
細胞取り込みアッセイは、培地に、ペプチド蛍光コンジュゲート1、2、3、又は4を、最終濃度が1.5μMとなるように添加した以外は、試験例1と同様にして行った。次いで、試験例1と同様にして、細胞を回収してフローサイトメトリーにより分析した。
19F NMR(376MHz CDCl3) δ=-126.2(m,2F),-123.4(m,2F),-122.9(m,2F),-121.9(m,2F),114.9(m,1F),114.2(m,1F),-80.8(t,3F)
19F NMR(376MHz MeOH-d4) δ=-127.2(m,2F),-124.4(m,2F),-123.8(m,2F),-122.8(m,2F),-115.7(m,2F),-82.3(t,3F)
19F NMR(376MHz Acetone-d6) δ=-126.7(m,2F),-123.8(m,2F),-123.4(m,2F),-122.4(m,2F),-114.6(m,2F),-81.4(t,3F)
ESI-MS
[M+H]+:m/z calcd.for 754.16,found 654.52
ESI-MS
[M+H]+:m/z calcd.for 420.29,found 420.72
19F NMR(400MHz Acetone-d6) δ=81.72(m,3F),-120.30(s,4F),-122.24(s,6F),-123.26(s,2F),-126.79(d,J=54.5Hz,2F)
19F NMR(400MHz,CDCl3) δ=-81.03(t,J=10.0Hz,3F),-117.88(t,J=12.9Hz,2F),-121.25(m,4F),-121.96(m4F),-122.85(s,2F),-126.31(d,J=5.7Hz,2F)
19F NMR(400MHz,CDCl3) δ=-79.98~-82.00(m,3F),-112.58(m,2F),-120.10(s,2F),-121.11(s,2F),-121.80(m,4F),-122.71(s,2F),-126.38(m,2F)
19F NMR(400MHz,CDCl3) δ-80.96(t,J=10.0Hz,3F),-115.81(d,J=280Hz,1F),-118.10(d,J=281Hz,1F),-120.88~-123.39(m,10F),-126.23(m,2F)
19F NMR(400MHz,CDCl3) δ=-80.87(t,J=10.0Hz,3F),-115.78(d,J=281.1Hz,1F),-118.12(d,J=281.1Hz,1F),-120.16~-123.43(m,10F),-126.19(s,2F)
19F NMR(400MHz,Acetone-d6) δ=-81.53(s,3F),-115.31(d,J=281.1Hz,1F),-119.15~-120.92(m,1F),-120.92~-124.38(10F),-125.54~-127.82(m,2F)
19F NMR(400MHz,Acetone-d6) δ=-80.91(t,J=10.0Hz,3F),-113.87~-115.77(m,1F),-119.22~-119.98(m,1F),-120.67~-121.35(m,2F),-121.48(m,6F),-122.03~-122.81(m,2F),-126.00(m,2F)
19F NMR(400MHz,Acetone-d6) δ=-81.56(t,J=10.0Hz,3F),-115.49(m,J=272.51F),-119.40~-120.88(m,1F),-121.33~-123.04(m,10F),-126.63(m,2F)
19F NMR(400MHz,CDCl3)δ -80.63(s,3F),-114.56(d,J=281.1Hz,1F),-119.10(d,J=284.0Hz,1F),-122.61―-120.86(m,10F),-126.02(s,2F)
[M+Na]+:calcd.for C27H34F17N3NaO7 858.20,found 858.03
MS(MALDI-TOF MS.m/z)
[M+Na]+:calcd.for C15H21N3O3Na 314.15,found 313.88.
MS(MALDI-TOF MS.m/z)
[M+Na]+:calcd.for C15H18F3N3O3Na 368.12,found 367.92.
MS(MALDI-TOF MS.m/z)
[M+Na]+:calcd.for C18H27N3O3Na 356.20,found 356.23.
MS(MALDI-TOF MS.m/z)
[M+Na]+:calcd.for C18H24F3N3O3Na 410.17,found 410.19.
MS(MALDI-TOF MS.m/z)
[M+Na]+:calcd.for C12H23N3O3Na 280.16,found 280.05.
[M+Na]+:calcd.for C12H17F6N3O3Na 388.11,found 388.18.
[M+Na]+:calcd.for C20H31N3O3Na 384.23,found 384.13.
[M+Na]+:calcd.for C20H25F6N3O3Na 492.17,found 491.97.
実施例15~17及び比較例6~8で合成したペプチドについて、PAMPAアッセイを行った。また、実施例14、15、17及び比較例5、6、8で合成したペプチドについて、MDCK-IIアッセイを行った。MDCK-IIアッセイでは、ポジティブコントロール(「PC」)としてPropranolol(CAS No:318-98-9)を、ネガティブコントロール(「NC」)としてNorfloxacin(CAS No:70458-96-7)をそれぞれ用いた。
ペプチドの透過性は、PAMPAによって測定した。PAMPAアッセイでは、300μLの5% DMSO含有PBSをアクセプタープレート(MultiScreen 96ウェルトランスポートレシーバープレート、Merck社製)の各ウェルに加えた。次いで、5% DMSO/PBSに溶解した150μLのペプチド溶液(20μM)をドナープレート(MultiScreen-IPフィルタープレート、0.45μm、Merck社製)の各ウェルに加えた。1% レシチン(大豆由来)のドデカン液を使用前に30分間超音波処理し、5μLの当該溶液をドナープレートの各ウェルの膜支持体(PVDF)に塗布した。ドナープレートをアクセプタープレート上に置き、当該プレートをインキュベーター内で、25℃で18時間放置した。ペプチドの濃度は、LC/MSを用いて決定した 。実験は3回繰り返して実施した。透過率値(Pe)は、次の式を使用して計算された。
VD:ドナーウェルの体積(0.15cm3)
VA:アクセプターウェルの体積(0.3cm3)
t:インキュベーション時間(s)(18時間= 64800s)
CD(t):時間tでのドナーウェルの化合物濃度
CA(t):時間tにおけるアクセプターウェルの化合物濃度
細胞培養インサート(Falcon社製)にMDCK-II細胞を5.04×104細胞/mLで播種してから5日後に、細胞単層アッセイ(MDCK-IIアッセイ)を実施した。ペプチドのストック溶液は、DMSO溶液中に2mMで調製し、20mM HEPES、pH7.5を含むHBSSによって希釈して、ドナー溶液として、0.1%DMSO/HBSS(+)を溶媒とした2μM ペプチド溶液を調製した。アクセプター溶液は、20mM HEPES、pH 7.5を含むHBSS(+)を溶媒とした0.1% DMSO溶液とした。見かけの透過性(Papp)は、37℃、5% CO2で2時間、ペプチド溶液で、頂端から側底へのインキュベーションにおいて決定された。ペプチド濃度は、LC/MSで分析した。実験は3回繰り返して実施した。透過率値(Papp)は、次の式を用いて算出された。
VB:側底ウェル容積(0.75cm3)
t:インキュベーション時間(s)(2時間=7200s)
C0:頂端チャンバーの初期濃度(2μM)
CB(t):時間tでの側底の化合物濃度
Claims (5)
- 下記一般式(4)
(式中、Rfは、少なくとも2個のフッ素原子で置換された、フッ素原子以外のハロゲン原子でさらに置換されていてもよいC1-30アルキル基(当該C1-30アルキル基がC2-30アルキル基である場合には、炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有していてもよい)であり、
R2は、アミノ基の保護基であり、R1は、カルボキシル基の保護基である)
で表される化合物を還元反応に付した後、前記R1を脱保護することにより、下記一般式(6-2)
(式中、Rf及びR2は、前記と同じである)
で表される化合物を合成し、さらに前記一般式(6-2)で表される化合物を、カルボキシル基が保護された含フッ素アミノ酸、カルボキシル基が保護されたアミノ酸、C末端が保護された含フッ素ペプチド、又はC末端が保護されたペプチドと縮合させる、フルオロアルキル基含有ペプチドの製造方法。 - 下記一般式(4)
(式中、Rfは、少なくとも2個のフッ素原子で置換された、フッ素原子以外のハロゲン原子でさらに置換されていてもよいC 1-30 アルキル基(当該C 1-30 アルキル基がC 2-30 アルキル基である場合には、炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有していてもよい)であり、
R 2 は、アミノ基の保護基であり、R 1 は、カルボキシル基の保護基である)
で表される化合物を還元反応に付した後、前記R 1 を脱保護することにより、下記一般式(6-2)
(式中、Rf及びR 2 は、前記と同じである)
で表される化合物を合成し、
前記一般式(6-2)で表される化合物を、前記R2を脱保護することにより、下記一般式(7)
(Rfは、前記と同じである)
で表される化合物を合成し、さらに前記一般式(7)で表される化合物を、
アミノ基を保護基で保護した後、カルボキシル基が保護された含フッ素アミノ酸、カルボキシル基が保護されたアミノ酸、C末端が保護された含フッ素ペプチド、又はC末端が保護されたペプチドと縮合させる、又は、
カルボキシ基を保護基で保護した後、アミノ基が保護された含フッ素アミノ酸、アミノ基が保護されたアミノ酸、N末端が保護された含フッ素ペプチド、又はN末端が保護されたペプチドと縮合させる、フルオロアルキル基含有ペプチドの製造方法。 - 下記一般式(4)
(式中、Rfは、少なくとも2個のフッ素原子で置換された、フッ素原子以外のハロゲン原子でさらに置換されていてもよいC1-30アルキル基(当該C1-30アルキル基がC2-30アルキル基である場合には、炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有していてもよい)であり、
R2は、アミノ基の保護基であり、R1は、カルボキシル基の保護基である)
で表される化合物を還元反応に付した後、前記R1を脱保護することにより、下記一般式(6-4)
(式中、アスタリスクは、アスタリスクを付した不斉炭素原子の絶対配置がS又はRであることを表し、
Rf及びR2は、前記と同じである)
で表される化合物を合成し、さらに前記一般式(6-4)で表される化合物を、カルボキシル基が保護された含フッ素アミノ酸、カルボキシル基が保護されたアミノ酸、C末端が保護された含フッ素ペプチド、又はC末端が保護されたペプチドと縮合させる、フルオロアルキル基含有ペプチドの製造方法。 - 下記一般式(4)
(式中、Rfは、少なくとも2個のフッ素原子で置換された、フッ素原子以外のハロゲン原子でさらに置換されていてもよいC 1-30 アルキル基(当該C 1-30 アルキル基がC 2-30 アルキル基である場合には、炭素原子間に1~5個のエーテル結合性の酸素原子を有していてもよい)であり、
R 2 は、アミノ基の保護基であり、R 1 は、カルボキシル基の保護基である)
で表される化合物を還元反応に付した後、前記R 1 を脱保護することにより、下記一般式(6-4)
(式中、アスタリスクは、アスタリスクを付した不斉炭素原子の絶対配置がS又はRであることを表し、
Rf及びR 2 は、前記と同じである)
で表される化合物を合成し、
前記一般式(6-4)で表される化合物を、前記R2を脱保護することにより、下記一般式(7-1)
(式中、アスタリスクは、アスタリスクを付した不斉炭素原子の絶対配置がS又はRであることを表し、
Rfは、前記と同じである)
で表される化合物を合成し、さらに前記一般式(7-1)で表される化合物を、
アミノ基を保護基で保護した後、カルボキシル基が保護された含フッ素アミノ酸、カルボキシル基が保護されたアミノ酸、C末端が保護された含フッ素ペプチド、又はC末端が保護されたペプチドと縮合させる、又は、
カルボキシ基を保護基で保護した後、アミノ基が保護された含フッ素アミノ酸、アミノ基が保護されたアミノ酸、N末端が保護された含フッ素ペプチド、又はN末端が保護されたペプチドと縮合させる、フルオロアルキル基含有ペプチドの製造方法。 - さらに、製造されたフルオロアルキル基含有ペプチドのアミノ基又はカルボキシル基の保護基を脱保護する、請求項1~4のいずれか一項に記載のフルオロアルキル基含有ペプチドの製造方法。
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