JP7547263B2 - 耐熱性アルミニウム合金及び耐熱性アルミニウム合金部材 - Google Patents
耐熱性アルミニウム合金及び耐熱性アルミニウム合金部材 Download PDFInfo
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Si:12.0~15.0wt%、
Cu:4.0~5.0wt%、
Ni:1.5~2.5wt%、
Mg:1.5~2.5wt%、
Fe:0.2~0.8wt%、
Ti:0.1~0.2wt%、
Zr:0.05~0.15wt%、
V:0.05~0.15wt%、
P:0.005~0.015wt%、を含有し、
残余がAlと不可避不純物からなること、
を特徴とする耐熱性アルミニウム合金、を提供する。
本発明の耐熱性アルミニウム合金からなり、
任意の断面において、析出物の面積率が5%以上であり、長径が100μm以下の晶出物の面積率が20%以上であること、
を特徴とする耐熱性アルミニウム合金部材、も提供する。
本発明の耐熱性アルミニウム合金は、150℃近傍での耐力の向上に寄与する析出物と、250℃近傍での耐力及び強度の向上に寄与する晶出物を、共に増加させることのできる組成となっている。以下、各成分について詳細に説明する。
Si:12.0~15.0wt%(好ましくは12.5~13.5wt%)
Siは鋳造性を向上させる作用を有するだけでなく、初晶Siや共晶Si等の晶出物を形成し、耐摩耗性や低線膨張性および高温強度を向上させる作用を有し、さらに時効処理を行うとMg-Si系析出物を形成し、引張強度を向上せる。この効果は、12.0wt%以上で顕著となる。逆に15.0wt%を越えると破壊の起点となる粗大な初晶Siが形成されやすくなり、引張強度や伸びが低下する。
Cuは、固溶強化により、常温の機械的性質を向上させるだけでなく、Al―Cu系化合物として晶出し、高温でも機械的特性の向上に寄与する効果がある。この効果は、4.0wt%以上で顕著となる。逆に5.0wt%を越えると晶出物として消費され、時効処理を行った際に析出するAl-Cu系化合物が少なくなり、200℃未満での機械的性質が低下する。
Niは、Al-Ni系の晶出物を形成し、高温強度の向上に寄与し、特に250℃以上の高温強度の向上に有効である。この効果は、1.5wt%以上で顕著となる。逆に2.5wt%を越えると破壊の起点となる粗大なAl-Ni-Cu系晶出物を形成しやすくなる。また200℃未満の温度域での機械的性質の向上に寄与するAl-Cu系の時効析出相を減少させる。
Mgは、固溶強化による強度向上に寄与するとともに時効処理を行うとMg-Si系析出物を形成し、さらに強度の向上に寄与する。この効果は、1.5wt%以上で顕著となる。逆に2.5wt%を越えると母相を硬くしすぎて延性を低下させる。
Feは、Al-Fe-Si系晶出物を形成し、高温強度の向上に寄与する。またダイカスト時における金型の焼き付き防止にも寄与する。この効果は、0.2wt%以上で顕著となる。逆に0.8wt%を越えるとAl-Fe-Si系晶出物が粗大化しやすくなる。
Tiは、鋳造組織の微細化に寄与すると同時に、それぞれTi系晶出物を形成し、高温強度の向上に寄与する。この効果は、0.1wt%以上で顕著となる。逆に0.2wt%を超えると晶出物が粗大化しやすくなり、伸びが低下し、強度が低下しやすくなる。
Zrは、鋳造組織の微細化に寄与すると同時に、Zr―Si系析出物を形成し、200℃未満での機械的特性向上に寄与する。この効果は、0.05wt%以上で顕著となる。逆に0.15wt%を超えると晶出物が粗大化しやすくなり、伸びが低下し強度が低下しやすくなる。
Vは、鋳造組織の微細化に寄与すると同時に、それぞれV―Si系晶出物を形成し、高温強度の向上に寄与する。この効果は、0.05wt%以上で顕著となる。逆に0.15wt%を超えると晶出物が粗大化しやすくなり、伸びが低下し、機械的強度が低下しやすくなる。更に、V-Si系晶出物は、Ni,Cu及びMgが殆ど含まれないため、Vを添加することによる、200℃未満の機械的性質の向上に寄与する析出物の量の低下に結びつかない。
Pは、初晶Siを微細化する効果がある。この効果は0.005wt%以上で顕著となる。逆に0.015wt%を越えると鋳造時の湯流れ性が悪化し、鋳造欠陥が発生しやすくなる。
Mn:0.01~0.10wt%(好ましくは、0.01~0.05wt%)
Mnは、Al-Mn-Si系、Al-Fe-Mn-Si系晶出物を形成し、高温強度の向上に寄与する。この効果は、0.01wt%以上で顕著となる。0.10wt%を越えると熱伝導性が低下し、耐熱性アルミニウム合金部材が高温になりやすくなる。
本発明の耐熱性アルミニウム合金部材は、本発明の耐熱性アルミニウム合金からなり、任意の断面において、析出物の面積率が5%以上であり、長径が100μm以下の晶出物の面積率が20%以上となっている。析出物の面積率が5%以上となっていることで、150℃近傍で優れた耐力を有している。また、長径が100μm以下の晶出物の面積率が20%以上となっていることで、250℃近傍で優れた耐力及び強度を有している。ここで、長径が100μmを超える粗大な晶出物は破壊の起点となるため、好ましくない。
本発明の内燃機関用ピストンは、本発明の耐熱性アルミニウム合金部材からなっており、熱伝導率が高い値となっている。その結果、内燃機関用ピストンの温度上昇が抑制され、広範囲の環境温度で使用することができる。
表1に実施例として示す組成(wt%)を有するアルミニウム合金の溶湯を、フラックスによる脱滓処理、静置処理、脱ガス処理等の溶湯処理を行った後、重力金型鋳造法を用いて、鋳込み温度740±10℃、冷却速度30℃/minで、図1の形状に鋳造した。
表1に比較例として示す組成を用いたこと以外は実施例と同様にして鋳物を得た。また、実施例と同様にして、引張特性及び熱伝導率を評価した。得られた引張特性を表2に示す。
Claims (7)
- Si:12.0~15.0wt%、
Cu:4.0~5.0wt%、
Ni:1.5~2.5wt%、
Mg:1.5~2.5wt%、
Fe:0.2~0.8wt%、
Ti:0.1~0.2wt%、
Zr:0.05~0.15wt%、
V:0.05~0.15wt%、
P:0.005~0.015wt%、を含有し、
残余がAlと不可避不純物からなること、
を特徴とする耐熱性アルミニウム合金。 - 更に、Mn:0.01~0.10wt%を含有すること、
を特徴とする請求項1に記載の耐熱性アルミニウム合金。 - 請求項1又は2に記載の耐熱性アルミニウム合金からなり、
任意の断面において、析出物の面積率が5%以上であり、長径が100μm以下の晶出物の面積率が20%以上であること、
を特徴とする耐熱性アルミニウム合金部材。 - 150℃における0.2%耐力が260MPa以上であり、
250℃における0.2%耐力が120MPa以上であること、
を特徴とする請求項3に記載の耐熱性アルミニウム合金部材。 - 150℃における引張強度が280MPa以上であり、
250℃における引張強度が140MPa以上であること、
を特徴とする請求項3又は4に記載の耐熱性アルミニウム合金部材。 - 熱伝導率が120W/mK以上であること、
を特徴とする請求項3~5のうちのいずれかに記載の耐熱性アルミニウム合金部材。 - 請求項3~6のうちのいずれかに記載の耐熱性アルミニウム合金部材からなること、
を特徴とする内燃機関用ピストン。
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| JP2021048082A JP7547263B2 (ja) | 2021-03-23 | 2021-03-23 | 耐熱性アルミニウム合金及び耐熱性アルミニウム合金部材 |
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|---|---|---|---|---|
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| JP2014152375A (ja) | 2013-02-13 | 2014-08-25 | Art Metal Mfg Co Ltd | 内燃機関用ピストン材料及びその製造方法 |
| CN104651679A (zh) | 2015-02-16 | 2015-05-27 | 山东滨州华创金属有限公司 | 一种活塞用难溶解金属增强铝合金材料 |
| JP2017519105A (ja) | 2014-05-14 | 2017-07-13 | フェデラル−モーグル ニュルンベルグ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | エンジンコンポーネントを製造する方法、エンジンコンポーネント、および、アルミニウム合金の使用 |
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Patent Citations (6)
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|---|---|---|---|---|
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| US20170226957A1 (en) | 2014-05-14 | 2017-08-10 | Federal-Mogul Nürnberg GmbH | Method for producing an engine component, engine component, and use of an aluminum alloy |
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| JP2022147009A (ja) | 2022-10-06 |
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