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JP7548067B2 - 抵抗溶接装置および抵抗溶接方法 - Google Patents
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JP7548067B2 - 抵抗溶接装置および抵抗溶接方法 - Google Patents

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Description

本開示は、抵抗溶接装置および抵抗溶接方法に関する。
従来から、例えば特許文献1に記載されるように、頭部と軸部とを備える金属製のリベットを用いて、異種金属部材を抵抗溶接により接合する抵抗溶接装置および抵抗溶接方法が知られている。こうした溶接装置および抵抗溶接方法では、例えば、頭部、軸部、アルミニウム板、鉄板の順で並ぶように、リベット、アルミニウム板および鉄板を2つの電極の間に挟み、これらを加圧通電して、アルミニウム板を貫通した軸部と鉄板との間にナゲットを生成し、頭部と鉄板との間にアルミニウム板を挟むことで、アルミニウム板と鉄板とを接合する。
特許文献1に記載される装置では、加圧通電時に、軸部とアルミニウム板との境界付近にエアを吹き付けながら、溶融金属を逐次吹き飛ばすようにすることで、バリの発生を抑制して、リベットの頭部とアルミニウム板との接合強度を高めている。
特開2020-69499号公報
しかし、上記特許文献1に記載される装置では、エアにより吹き飛ばされた溶融金属が、一方の電極とリベットとを保持するホルダの先端へ付着する可能性があった。ホルダの先端に溶融金属が付着して蓄積すると、溶融金属がリベットの頭部に落下し、そのまま接合加工されることで、製品にバリが生じ品質低下に繋がる虞れがあった。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本開示の一形態によれば、抵抗溶接装置が提供される。この抵抗溶接装置は、リベットと、互いに材質が異なる複数の金属部材と、を重ねて挟んで加圧通電することで、前記複数の金属部材を抵抗溶接により接合する抵抗溶接装置であって、前記リベットと前記複数の金属部材とを挟む一対の電極であって、加圧通電時に前記リベットと接する第1電極と、第2電極と、からなる一対の電極と、前記第1電極を内部に収容し、前記複数の金属部材のうちの前記第1電極側の最外金属部材と対向する先端を含む部位が前記第1電極に対して加圧方向およびその反対方向に移動可能であり、前記先端を含む部位に前記リベットを保持可能なホルダと、前記ホルダの前記先端に設けられ、前記ホルダの内部から、前記最外金属部材に向けて前記加圧方向にエアを噴出する噴出口と、前記エアの噴出により前記ホルダに生じる前記反対方向への反力よりも小さい付勢力で、前記ホルダを前記加圧方向に付勢する弾性部材と、を備える。
上記形態によれば、ホルダの先端に形成される噴出口からエアが噴出されると、ホルダの先端には、加圧方向とは反対方向、すなわち金属部材から離間する方向への反力が作用する。このとき、反力を受けた弾性部材の加圧方向への付勢力は、反力より小さいため、弾性部材は反力が作用する方向に弾性変形し、ホルダの先端は金属部材から離間する。ホルダの先端が金属部材から離間した状態で加圧通電を開始し溶接することで、溶接時にエアにより吹き飛ばされた溶融金属がホルダへ付着することを抑制できる。
(2)上記形態において、前記弾性部材はコイルばねであり、前記反力を受けて収縮し、前記反力が解消されると伸張して元の状態に復帰するものとしてもよい。この形態によれば、エアの噴出量を低減させることでエアの噴出による反力が低減したとき、弾性部材は、収縮した状態から伸張して元の状態に戻る。このため、弾性部材の伸張に伴って、ホルダを金属部材から離間させたり、元の状態に戻したりすることができる。
(3)上記形態において前記ホルダは、前記弾性部材を内部に収容する第1ホルダ部と、前記先端を含む第2ホルダ部とを有し、前記第2ホルダ部は、前記第1ホルダ部に対して前記加圧方向および前記反対方向に移動可能に構成されており、前記第2ホルダ部は、前記反力により、前記第1電極および前記第1ホルダ部に対して前記反対方向に移動するようにしてもよい。
この形態によれば、第2ホルダ部は、反力により、第1電極および第1ホルダ部に対して反対方向に移動する。これにより、噴出口が形成される第2ホルダ部の先端を、エア噴射時に金属部材から離間させることができる。加えて、第1ホルダ部を反対方向に移動させることを要しないので、第2ホルダ部に加えて第1ホルダ部も反対方向に移動させる構成と比較して、エアの噴射により生じる反力を小さく抑えることができる。このため、エアの噴射量を抑制できる。
(4)本開示の他の形態によれば、抵抗溶接装置を用いて、リベットと、互いに材質が異なる複数の金属部材と、を重ねて挟んで加圧通電することで、前記複数の金属部材を接合する抵抗溶接方法が提供される。この形態の抵抗溶接方法において、前記抵抗溶接装置は、前記リベットと前記複数の金属部材とを挟む一対の電極であって、加圧通電時に前記リベットと接する第1電極と、第2電極と、からなる一対の電極と、前記第1電極を内部に収容し、前記複数の金属部材のうちの前記第1電極側の最外金属部材と対向する先端を含む部位が前記第1電極に対して加圧方向およびその反対方向に移動可能であり、前記先端を含む部位に前記リベットを保持可能なホルダと、前記ホルダの前記先端に設けられ、前記ホルダの内部から、前記最外金属部材に向けて前記加圧方向にエアを噴出する噴出口と、前記エアの噴出により前記ホルダに生じる前記反対方向への反力よりも小さい付勢力で、前記ホルダを前記加圧方向に付勢する弾性部材と、を備える。この形態の抵抗溶接方法は、前記リベットおよび前記複数の金属部材を、前記一対の電極により挟む挟み込み工程と、前記噴出口から前記エアを噴出させることにより前記ホルダの前記先端を前記最外金属部材から離間させる離間工程と、前記離間工程により前記ホルダの前記先端を前記最外金属部材から離間させた状態を維持しつつ、前記一対の電極により加圧通電することにより、前記リベットを前記複数の金属部材のうちの少なくとも一部に対して埋入させる埋入工程と、を含む。
上記形態によれば、離間工程においてホルダの先端が最外金属部材から離間し、この離間した状態を維持しつつ、埋入工程において一対の電極により加圧通電するため、溶接時にエアにより吹き飛ばされた溶融金属がホルダへ付着することを抑制できる。
(5)上記形態において、前記埋入工程後に、前記噴出口からの前記エアの噴出量を低減させることにより、前記弾性部材の付勢力を利用して前記ホルダの前記先端を元の位置に復帰させる復帰工程と、をさらに含んでいてもよい。この形態によれば、弾性部材の付勢力により、簡易にホルダを元の状態に戻すことができる。
本開示の第1実施形態における抵抗溶接装置の概略構成を示す断面図である。 本開示の第1実施形態における抵抗溶接装置の概略構成を示す断面図である。 本開示の第1実施形態における抵抗溶接装置の概略構成を示す断面図である。 本開示の第1実施形態としての抵抗溶接方法を示す工程図である。
A.実施形態:
A1.抵抗溶接装置の全体構成:
本開示の第1実施形態における抵抗溶接装置および抵抗溶接方法について、図1~図4を参照して説明する。まず、抵抗溶接装置の構成について説明する。図1~図3は、本開示の実施形態における抵抗溶接装置の概略構成を示す断面図である。なお、図1~図3は、後述の抵抗溶接方法における互いに異なる工程での抵抗溶接装置の概略構成を示す。
第1実施形態の抵抗溶接装置および抵抗溶接方法では、リベット11と、互いに材質が異なる複数(本実施形態では2つ)の金属部材12,13と、を重ねて挟んで加圧通電することで、複数の金属部材12,13を抵抗溶接により接合する。本実施形態では、複数の金属部材12,13として、アルミニウム板12と鉄板13とを接合する。アルミニウム板12は、「金属部材のうちの第1電極側の最外金属部材」に相当する。また、「最外金属部材」は、金属部材12,13の重なり方向に沿った第1電極14側に位置する最も外側の金属部材である。
図1~図3の各図に示すように、抵抗溶接装置10は、第1電極14と第2電極15とからなる一対の電極、ホルダ30、コイルばね40、エア流路36、および噴出口37を備えている。抵抗溶接装置10は、さらに、図示しない加圧通電部、エア供給部、電源部、電力制御部および接続用のケーブル等を有している。
第1電極14は、第1シャンク16と第1電極部18とを有している。第1電極14は、加圧通電時にリベット11と接する。第2電極15は、図示しない第2シャンクと第2電極部19とを有している。第2電極15は、加圧通電時に下層側の金属部材である鉄板13と接する。各電極14,15において、接合される金属部材12,13側の電極部18,19は、先端がなだらかに徐々に細くなっている。各電極部18,19は、シャンク16,17から先端に行くほど徐々に径が小さくなっている。なお、先端面は平面でもよいし、Rが付いた曲面であってもよい。各電極14,15は、クロムを含有する銅合金で形成されている。なお、第1電極14およびホルダ30において金属部材12,13側となる先端側を「下」とし、基端側を「上」ともいう。
リベット11は、鉄製であり、頭部21と軸部22とを有している。頭部21は円盤形状をなしている。軸部22は、略円柱状に形成されており、頭部21の中央部から一方側(下方)に突出している。軸部22は、突出側の先端、すなわち下方の先端に向かうにつれて徐々に径が小さくなっている。また、頭部21の外周縁部には、軸部22と同じ方向に突出する環状壁23が全周に亘って設けられている。これにより、軸部22の外周面と頭部21の一面と環状壁23の内周面とで区画される環状溝24が、軸部22の周りに形成されている。
ホルダ30は、円筒部材であり、ホルダ30全体の内部に第1電極14を収容している。ホルダ30は、第1ホルダ部31と、第1ホルダ部31と同軸に配置される第2ホルダ部32とを有して構成されている。第1ホルダ部31に、第1シャンク16の基端部が固定されている。第2ホルダ部32の径は、第1ホルダ部31の径より小さい。第2ホルダ部の軸方向長さは、第1ホルダ部31の軸方向長さより長く、概ね3倍程度である。
第2ホルダ部32は、上筒部33と、中間筒部34と、下筒部35とを有している。上筒部33、中間筒部34、および下筒部35は、第1ホルダ部31側から順に同軸に配置されている。中間筒部34の径は、上筒部33より大きい。下筒部35の径は、上筒部33の径より小さい。第2ホルダ部32は、第1ホルダ部31および第1電極14に対して、加圧方向およびその反対方向に移動が可能である。
なお、「加圧方向」とは、加圧通電する際に、第1電極14がリベット11および2つの金属部材12、13を加圧する方向を意味する。「加圧方向」およびその「反対方向」は、第1電極14(第1シャンク16)の軸に沿っている。また、「加圧方向」は図1において矢印A1に示すように下向きである。「反対方向」は、図1において矢印A2に示すように上向きであり、第2ホルダ部32(ホルダ30)の先端が「金属部材12,13から離間する方向」と一致する。以下、「加圧方向A1」、「反対方向A2」と表記する。
第2ホルダ部32は、後述するエア噴射時に反対方向A2の反力を受けたとき、上昇して第2ホルダ部32の上筒部33が第1ホルダ部31の内部に入り込み、中間筒部34の上端が第2ホルダ部32の下端に係止するようになっている。第2ホルダ部32の昇降動作の移動量は、上筒部33の上下長さと略一致している。
第2ホルダ部32(下筒部35)の下端近傍には、図示しないマグネットが内蔵されている。これにより、クランプ時には磁力により第2ホルダ部32内の第1電極部18より下側に、リベット11を保持できるようになっている。第2ホルダ部32は、「複数の金属部材12,13のうちの第1電極14側の最外金属部材(アルミニウム板12)と対向する先端を含む部位」に相当する。
コイルばね40は、第1シャンク16の軸方向に伸縮可能に、第1シャンク16の外周を取り巻くようにして第1ホルダ部31内に収容されている。コイルばね40の下端は、第2ホルダ部32の上底面に固定されている。コイルばね40の上端は、第1ホルダ部31の上底面に固定されている。コイルばね40は、後述する噴出口37からのエアの噴出により、エア噴流がアルミニウム板12に当たってはね返ることでホルダ30に生じる反力よりも小さい付勢力で、第2ホルダ部32を金属部材12,13側へ付勢する。換言すると、コイルばね40は、第2ホルダ部32に生じる金属部材12,13から離間する反対方向A2への反力よりも小さい付勢力で、第2ホルダ部32を加圧方向A1に付勢する。このような付勢力は、例えば、実験等により反対方向A2への反力を特定し、かかる反力よりも付勢力が小さくなるようなばね定数およびストローク長を設定することにより実現できる。コイルばね40は、加圧通電が実行されていない状態において自然長の状態で第1ホルダ部31の内部に配置されている。
なお、図1では、リベット11とアルミニウム板12と鉄板13とを一対の電極14,15に挟み込んだ挟み込み工程P20の状態を図示しているが、リベット11をホルダ30に保持する前の状態におけるホルダ30、コイルばね40、および第1電極14の位置関係は図1と同様である。
エア流路36は、第2ホルダ部32の内部に、第1シャンク16の軸方向に沿って形成されている。本実施形態では、エア流路36および噴出口37は、第2ホルダ部32の軸方向に垂直な断面において、周方向に略均等間隔に3つ形成されている。エア流路36は、第2ホルダ部32の内壁と第1電極14の外壁との間に区画された空洞として形成されている。エア流路36の下端は、噴出口37として形成されている。すなわち、噴出口37が形成される位置は、ホルダ30の先端の位置と一致する。
エアは、ホルダ30に形成される図示しないエア入口からホルダ30内部のエア流路36を通り、噴出口37から流出する。噴出口37は、ホルダ30の下端に位置し、ホルダ30の内部から、アルミニウム板12へ向けてエアを噴出する。
A2.抵抗溶接方法について:
次に、上記詳述した抵抗溶接装置10による、異種金属部材の抵抗溶接方法について説明する。図4は、本開示の第1実施形態としての抵抗溶接方法を示す工程図である。本実施形態の抵抗溶接方法は、図4に示すように、用意工程P10と、挟み込み工程P20と、離間工程P30と、埋入工程P40と、復帰工程P50と、を備え、この順序で実行される。以下、各工程について順に説明する。まず、用意工程P10では、リベット11と、アルミニウム板12と、鉄板13と、第1電極14と、第2電極15とを用意する。
挟み込み工程P20では、図1に示すように、第2ホルダ部32内の下端にリベット11を保持し、頭部21、軸部22、アルミニウム板12および鉄板13の順で並ぶように、各部材を配置する。換言すると、鉄板13に重ねられたアルミニウム板12に対して直交するようにリベット11の軸部22を当てた状態で、リベット11、アルミニウム板12および鉄板13を、第1電極14と第2電極15とにより挟む。このとき、リベット11の頭部21側に第1電極部18を当て、鉄板13側に第2電極部19を当てる。
離間工程P30では、図2に示すように、噴出口37からエアを噴出させることでホルダ30に反対方向A2への反力を発生させ、反力により第2ホルダ部32の先端をアルミニウム板12から離間させる。
エア噴出量は適宜設定されるが、例えばエア噴射圧を0.8MPa以上の高圧とし、エア流量を100~200L/分程度とする。図示しないエア供給部からエア入口にエアを供給すると、エアは第2ホルダ部32内部のエア流路36を通り、図2に矢印A3で示すように噴出口37から流出する。第2ホルダ部32の下端は、噴出されたエアによって反対方向A2への反力を受ける。軸方向に噴出されたエアは、矢印A3に示すように、アルミニウム板12に当たり、リベット11の軸部22や外側へ回り込む。このエア流れにより、後述する埋入工程P40において溶融したアルミニウムは、リベット11周辺から外部へ飛ばされる。
このとき、第2ホルダ部32は、エアの反力を受けて第1ホルダ部31および第1シャンク16に対して、アルミニウム板12から離れる上昇方向に相対移動する。すなわち、図1に示すように、第2ホルダ部32の先端(噴出口37が形成される位置)がアルミニウム板12に接する状態から、上筒部33の上下長さ分だけ上昇して、図2に示すように、先端がアルミニウム板12から離れた状態となる。コイルばね40は、第1ホルダ部31内において、上筒部33の上端面と第1ホルダ部31の上底面との間で押圧されて、軸方向に収縮する。
このとき、エアの噴出により、第2ホルダ部32に生じる金属部材12,13から離間する反対方向A2への反力よりも、コイルばね40の収縮により生じる第2ホルダ部32を金属部材12,13側の加圧方向A1へ付勢する付勢力は小さい。このため、エア噴射が継続される間、図2に示すように、第2ホルダ部32は、第2ホルダ部32の下端がアルミニウム板12から離間するように持ち上げられた状態が維持される。すなわち、第2ホルダ部32の先端は、溶融したアルミニウムが吹き飛んで付着することがない程度に十分な距離だけアルミニウム板12と離間する。
埋入工程P40では、図3に示すように、離間工程P30により第2ホルダ部32の先端をアルミニウム板12から離間させた状態を維持しつつ、一対の電極によりリベット11、アルミニウム板12および鉄板13を加圧通電することで、リベット11の軸部22をアルミニウム板12に対して埋入させる。
より詳細には、第1電極14と第2電極15を相互に接近させ、リベット11の頭部21と鉄板13とに加圧力を作用させるとともに各電極14,15間に電流を印加して、リベット11、アルミニウム板12および鉄板13を加圧通電することにより、発生するジュール熱でアルミニウム板12を溶融させながら軸部22をアルミニウム板12に貫通させる。なお、埋入工程P40において、溶融したアルミニウムは、エア流れにより、リベット11周辺から外部へ飛ばされる。
そして、通電およびエア噴射を継続し、貫通した軸部22と鉄板13との間にナゲット41を生成し、頭部21と鉄板13との間にアルミニウム板12を挟むことで、アルミニウム板12と鉄板13とを接合する。溶融したアルミニウムの一部は、リベット11の環状溝24内に充填される。
この埋入工程P40からナゲット41の生成までの加圧通電される間は、エア噴射が継続される。このため、第2ホルダ部32は、その下端がアルミニウム板12に対して、エアにより吹き飛ばされた溶融アルミニウムが付着しない程度に十分な距離離れるように、常に上方へ持ち上げられた状態が維持される。ナゲット41の生成が終了したら、通電を停止する。
その後、復帰工程P50では、エア噴射を停止することで、第2ホルダ部32を下降させる。すなわち、エア噴射を停止すると反対方向A2への反力が解消されるので、コイルばね40は加圧方向A1への復元力(付勢力)により自然長まで伸張する。よって、コイルばね40の復元力により、第2ホルダ部32は、第1ホルダ部31および第1電極14に対して相対的に下降し、元の状態(図1参照)に自然に復帰する。このように、復帰工程P50では、噴出口37からのエアの噴出量を低減させることにより、コイルばね40の付勢力を利用してホルダ30の先端を元の位置に復帰させるようにしている。このため、次のリベット11を再びホルダ30に保持させることができ、連続して溶接作業が可能である。
上記接合方法において、n枚(nは2以上の整数)の金属部材を接合する場合に、最も第1電極14側に位置する金属部材を第1金属部材とし、以下、第2電極15側へ重ねて配置される金属部材を、順に第2金属、…第n金属部材とする。埋入工程P40では、軸部22を第1金属部材~第n-1金属部材に貫通させる。そして、軸部22と第n金属部材との間にナゲットが生成される。
(1)上記実施形態の抵抗溶接装置10および抵抗溶接方法によれば、ホルダ30の先端に形成される噴出口37からエアが噴出されると、第2ホルダ部32の先端には、金属部材12,13から離間する反対方向A2への反力が作用する。このとき、反力を受けたコイルばね40の加圧方向A1への付勢力は、反力より小さいため、コイルばね40は反力を受けて収縮し、第2ホルダ部32の先端はアルミニウム板12から離間する。
このように、第2ホルダ部32の先端が最外金属部材であるアルミニウム板12から離間した状態で加圧通電を開始し溶接することで、溶接時にエアにより吹き飛ばされた溶融金属がホルダ30へ付着することを抑制できる。ひいては、溶接時に発生したスパッタがホルダ30に付着し蓄積することもなく、製品としてバリが生じることを回避できる。
(2)上記実施形態の抵抗溶接装置10および抵抗溶接方法によれば、弾性部材としてコイルばね40を用いており、エア噴出を終了すると、復元力によってコイルばね40が元の長さまで伸張するため、第2ホルダ部32を自然に元の位置まで復帰させることができる。
(3)上記実施形態の抵抗溶接装置10および抵抗溶接方法によれば、ホルダ30を、第1ホルダ部31と、第2ホルダ部32とで構成し、エア噴出を受けて第2ホルダ部32のみが第1電極14に対して相対移動する。このため、第1ホルダ部31を反対方向A2に移動させることを要しないので、第2ホルダ部32に加えて第1ホルダ部31も反対方向A2に移動させる構成と比較して、エアの噴射により生じる反力を小さく抑えることができる。このため、エアの噴射量を抑制できる。
(4)さらに、エアがホルダ30内部を流れることで、外部からのエア流れを発生させるノズル等の部材が不要となり、ノズル等の部材とホルダ30等が干渉することを抑制でき、干渉領域が大幅に削減できる。
(5)また、第2ホルダ部32を昇降させる機構として、例えばエアシリンダ等のアクチュエータが不要であるため、狭い作業範囲内でも、溶接作業を行うことができる。
B.他の実施形態:
(B1)上記第1実施形態の抵抗溶接装置10では、コイルばね40は、第1シャンク16の外周を取り巻くようにして第1ホルダ部31内に収容されているものとしたが、この構成に限られない。反力を受けたときに変形することで第2ホルダ部32を金属部材12,13から離間する反対方向A2に移動させることができればよく、どのような形態で第1ホルダ部31内に収容されていてもよい。
(B2)上記第1実施形態の抵抗溶接装置10では、コイルばね40は、自然長の状態で配置されるものとしたが、若干縮んだ状態で配置されていてもよい。
(B3)上記第1実施形態の抵抗溶接装置10において、弾性部材としてコイルばね40以外のものを用いてもよい。例えば、板バネや空気バネで構成してもよい。
(B4)上記第1実施形態の抵抗溶接装置10では、ホルダ30は第1ホルダ部31と第2ホルダ部32とを有する構成としたが、この構成に限られない。例えば単体のホルダ30であって、ホルダ30全体を弾性部材により付勢するようにしてもよい。
(B5)上記第1実施形態の抵抗溶接方法では、埋入工程P40からナゲット41の成形までエア噴射を継続したが、ナゲット成形時は埋入工程P40時に比べて噴き出す溶融アルミニウムの量が少ないため、埋入工程P40時のみエア噴射してホルダ30を引き上げておくようにしてもよい。
(B6)上記第1実施形態の抵抗溶接装置10および抵抗溶接方法で用いたリベット11は、頭部21に環状壁23と環状溝24とを有する形態としたが、有していなくてもよい。リベット11の材質や形状は適宜変更可能である。
本開示は、上記各実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する各実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…抵抗溶接装置、11…リベット、12…アルミニウム板(金属部材)、13…鉄板(金属部材)、14…第1電極、15…第2電極、16…第1シャンク、18…第1電極部、19…第2電極部、21…頭部、22…軸部、23…環状壁、24…環状溝、30…ホルダ、31…第1ホルダ部、32…第2ホルダ部、33…上筒部、34…中間筒部、35…下筒部、36…エア流路、37…噴出口、40…コイルばね(弾性部材)、41…ナゲット、P10…用意工程、P20…挟み込み工程、P30…離間工程、P40…埋入工程、P50…復帰工程

Claims (5)

  1. リベットと、互いに材質が異なる複数の金属部材と、を重ねて挟んで加圧通電することで、前記複数の金属部材を抵抗溶接により接合する抵抗溶接装置であって、
    前記リベットと前記複数の金属部材とを挟む一対の電極であって、加圧通電時に前記リベットと接する第1電極と、第2電極と、からなる一対の電極と、
    前記第1電極を内部に収容し、前記複数の金属部材のうちの前記第1電極側の最外金属部材と対向する先端を含む部位が前記第1電極に対して加圧方向およびその反対方向に移動可能であり、前記先端を含む部位に前記リベットを保持可能なホルダと、
    前記ホルダの前記先端に設けられ、前記ホルダの内部から、前記最外金属部材に向けて前記加圧方向にエアを噴出する噴出口と、
    前記エアの噴出により前記ホルダに生じる前記反対方向への反力よりも小さい付勢力で、前記ホルダを前記加圧方向に付勢する弾性部材と、
    を備える抵抗溶接装置。
  2. 前記弾性部材はコイルばねであり、前記反力を受けて収縮し、前記反力が解消されると伸張して元の状態に復帰する請求項1に記載の抵抗溶接装置。
  3. 前記ホルダは、前記弾性部材を内部に収容する第1ホルダ部と、前記先端を含む第2ホルダ部とを有し、
    前記第2ホルダ部は、前記第1ホルダ部に対して前記加圧方向および前記反対方向に移動可能に構成されており、
    前記第2ホルダ部は、前記反力により、前記第1電極および前記第1ホルダ部に対して前記反対方向に移動する請求項1または請求項2に記載の抵抗溶接装置。
  4. 抵抗溶接装置を用いて、リベットと、互いに材質が異なる複数の金属部材と、を重ねて挟んで加圧通電することで、前記複数の金属部材を接合する抵抗溶接方法であって、
    前記抵抗溶接装置は、
    前記リベットと前記複数の金属部材とを挟む一対の電極であって、加圧通電時に前記リベットと接する第1電極と、第2電極と、からなる一対の電極と、
    前記第1電極を内部に収容し、前記複数の金属部材のうちの前記第1電極側の最外金属部材と対向する先端を含む部位が前記第1電極に対して加圧方向およびその反対方向に移動可能であり、前記先端を含む部位に前記リベットを保持可能なホルダと、
    前記ホルダの前記先端に設けられ、前記ホルダの内部から、前記最外金属部材に向けて前記加圧方向にエアを噴出する噴出口と、
    前記エアの噴出により前記ホルダに生じる前記反対方向への反力よりも小さい付勢力で、前記ホルダを前記加圧方向に付勢する弾性部材と、
    を備え、
    前記リベットおよび前記複数の金属部材を、前記一対の電極により挟む挟み込み工程と、
    前記噴出口から前記エアを噴出させることにより前記ホルダの前記先端を前記最外金属部材から離間させる離間工程と、
    前記離間工程により前記ホルダの前記先端を前記最外金属部材から離間させた状態を維持しつつ、前記一対の電極により加圧通電することにより、前記リベットを前記複数の金属部材のうちの少なくとも一部に対して埋入させる埋入工程と、
    を含む抵抗溶接方法。
  5. 前記埋入工程後に、前記噴出口からの前記エアの噴出量を低減させることにより、前記弾性部材の付勢力を利用して前記ホルダの前記先端を元の位置に復帰させる復帰工程と、
    をさらに含む請求項4に記載の抵抗溶接方法。
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