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JP7548826B2 - 壁体 - Google Patents
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JP7548826B2 - 壁体 - Google Patents

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Description

本発明は壁体に関する。
近年、環境負荷低減などの観点から、建物への木質材料の利用が推奨されている。特許文献1では、火災時におけるコンクリート柱の爆裂を抑制するためコンクリート柱を木質被覆材で耐火被覆する構造が提案されている。
一方、地震力を負担する構造要素である耐震壁については、鉄筋コンクリート(RC)による壁体(RC耐震壁)とすることが一般的である。
特開2020-16044号公報
しかしながら、RC耐震壁を用いると、室内で感じる閉塞感が強く、建物の美観の面からは、耐震壁が木質材料で被覆されることが望ましい。特許文献1では特殊な装置を用いて棒状のコンクリート柱を回転させながらその周囲に帯状の木質被覆材を巻き付けているが、係る方法を面状の壁体に適用することは現実的ではなかった。
また通常の耐震壁では、配筋と型枠設置、コンクリート打設、脱型といった工程が壁体工事において必要となり、施工が複雑で工費が嵩むという問題点があった。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、施工が容易で美観に優れた壁体等を提供することである。
前述した目的を達成するための本発明は、木質材料による板状の埋設型枠と、2枚の前記埋設型枠の内側に設けられた板状のコンクリート部材と、前記2枚の前記埋設型枠の間に、鉛直方向に間隔を空けて複数設けられる木質材料による束材と、を具備し、コンクリートに埋設される横筋が、複数の前記束材の間を通して配置されることを特徴とする壁体である。
本発明では、耐震壁などの壁体について、木質板材をコンクリート部材の埋設型枠として用いることで、壁体の表面が木現しとなって閉塞感が低減され、美観に優れる。また通常の壁体工事における脱型工程が不要となり、壁体が容易に施工できる。また、コンクリート部材の一部が木質の束材で代替されるので壁体を軽量化でき、また束材により埋設型枠の設置精度の管理も容易になる。
記2枚の前記埋設型枠が連結材により連結されることも望ましい。
建物の内壁等では、壁体の両面を木現しとすることが美観の面で特に好ましい。この場合、コンクリート部材を挟んだ2枚の埋設型枠を連結材で連結することで、連結材が、2枚の埋設型枠の間にコンクリートを打設する際に埋設型枠に加わる側圧に抵抗し、埋設型枠の間隔を保持できる。また埋設型枠がコンクリート部材を拘束することで、壁体の耐力、靭性等の向上も期待できる。
前記壁体は、前記埋設型枠と前記コンクリート部材を一体化するためのせん断補強材を有することが望ましい。
これにより埋設型枠とコンクリート部材が一体化し、壁体の面外剛性が向上してその面外変形が抑制される。
本発明によれば、施工が容易で美観に優れた壁体等を提供できる。
耐震壁1を示す図。 耐震壁1の構築方法を示す図。 ボルト6とナット7を示す図。 ドリフトピン8、棒材9、9a、コッター45、カプラー10を示す図。 耐震壁1の配置の例。 耐震壁1a、1bを示す図。 埋設型枠4の小口面にコッター45、棒材46を設ける例。 引張材47を示す図。 束材49を示す図。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は本発明の壁体の実施形態に係る耐震壁1を示す図である。図1(a)は耐震壁1の立面図、図1(b)は図1(a)の線A-Aに沿った水平方向の断面図である。
図1に示すように、耐震壁1は、柱2と梁3とに囲まれた構面内に配置される。柱2と梁3はRC部材であるが、鉄骨部材でもよい。
耐震壁1は、埋設型枠4、コンクリート部材5、ボルト6、ナット7等を有する。
埋設型枠4は、CLT(Cross Laminated Timber)、LVL(Laminated Veneer Lumber)、集成材などの木質材料により形成された板状の部材であり、コンクリート部材5と共に地震力を負担する。本実施形態では、2枚の埋設型枠4が、板面同士が対向するように配置される。また柱2により長期荷重を負担する設計とすることで、埋設型枠4を長期荷重の負担を考慮する部材として取り扱わずに済み、当該部材に要求される耐火被覆が不要になる。
ここで、埋設型枠4としては、CLTを特に好適に用いることができる。すなわち、地震力等の外力には正負があり1方向からの力ではない。そのため、埋設型枠4の材料としては、繊維方向の強度が高く繊維直交方向の強度が低い異方性材料である通常の木質材料よりも、木材を繊維方向が直交するように積層接着することで方向毎の性質の差異を低減したCLTが優れている。
コンクリート部材5は、2枚の埋設型枠4の内側に設けられる板状の部材である。本実施形態の耐震壁1では、埋設型枠4が地震力を負担することで、コンクリート部材5の厚さを一般的な耐震壁より薄くでき、コンクリート量の低減による環境負荷の軽減、軽量化を実現できる。ただし、耐震壁1ではコンクリート部材5を主な耐震要素とすることから、原則としてコンクリート部材5の厚さは埋設型枠4よりも大きい。しかしながら、環境面や耐震壁1の重量に配慮してコンクリート部材5を埋設型枠4より薄くすることも考えられる。
コンクリート部材5は、コンクリート51に補強筋として横筋52と縦筋53を埋設したものである。横筋52は埋設型枠4と平行に配置される水平方向の鉄筋であり、鉛直方向に間隔を空けて複数本設けられる。縦筋53は鉛直方向の鉄筋であり、横筋52に沿って水平方向に間隔を空けて複数本設けられる。
これらの補強筋はシングル配筋として配置され、横筋52は平面において一列のみ設けられる。複数本の縦筋53は、横筋52の両埋設型枠4側に交互に配置される。このように縦筋53を千鳥状配置とすることで、横筋52の片側のみに縦筋53が配置される場合と比較して、地震時等に耐震壁1に加わる圧縮力に対し、耐震壁1の面外変形を抑制できる。なお、上下複数本の横筋52を、縦筋53の両埋設型枠4側に交互に配置することも可能である。
ボルト6とナット7(以下、ボルト6等ということがある)は2枚の埋設型枠4を連結する連結材であり、ボルト6は埋設型枠4とコンクリート部材5の間のせん断補強材としても機能する。すなわち、耐震壁1の面外変形時に埋設型枠4とコンクリート部材5の間で生じるせん断力にボルト6が抵抗することで、埋設型枠4とコンクリート部材5が構造的に一体化し、耐震壁1の面外剛性が向上してその面外変形が抑制される。ボルト6等は、水平方向および鉛直方向に間隔を空けて複数配置される。
図2は耐震壁1の構築方法を示す図である。本実施形態では、図2(a)に示すように耐震壁1のコンクリート部材5の補強筋(横筋52および縦筋53)と柱2の補強筋21を配筋した後、図2(b)に示すように柱2を構築する。前記したように柱2はRC部材であり、補強筋21の周囲に型枠(不図示)を配置してコンクリートを打設することで構築される。
本実施形態では、その後、図2(c)に示すように柱2の間で2枚の埋設型枠4を対向させて配置する。ここで、図3(a)に示すように、2枚の埋設型枠4には頭付きのボルト6の軸部を通すための貫通孔41が設けられる。ボルト6の軸部を一方の埋設型枠4側から両埋設型枠4の貫通孔41に通し、他方の埋設型枠4の貫通孔41から突出した軸部の先端にナット7を締め込むことにより、図3(b)に示すように2枚の埋設型枠4が連結される。ボルト6の頭部とナット7は、埋設型枠4の外面に設けた凹部42に収容される。ただし、埋設型枠4の壁面外にボルト6の頭部とナット7が突出する形(不図示)で連結されていても構わない。
ボルト6とナット7により2枚の埋設型枠4を連結した状態を図2(d)に示す。この後、2枚の埋設型枠4の内側にコンクリート51を打設することで、図1に示す耐震壁1が構築される。ボルト6等は、コンクリート51の打設時に埋設型枠4に加わる側圧に抵抗し、埋設型枠4の間隔を保持する。埋設型枠4は、表面仕上げ材を兼ねた永久型枠としてコンクリート51の硬化後も残置される。
なお、埋設型枠4の収まりとして、埋設型枠4が柱2や梁3に直接接しない(埋設型枠4と柱2や梁3の間に若干の隙間がある)場合もあり、このようなケースでは、上記隙間に外側から当て板をしてコンクリート51を打設すればよい。
以上説明したように、本実施形態では、耐震壁1について、木質板材をコンクリート部材5の埋設型枠4として用いることで、耐震壁1の表面が木現しとなって閉塞感が低減され、美観に優れる。また通常の壁体工事における脱型工程が不要となり、耐震壁1を容易に施工できる。
さらに、埋設型枠4に地震力を負担させることで、耐震壁1の剛性や耐力が向上する。結果、耐震壁1におけるコンクリート量を低減でき、環境面で優れ、耐震壁1も軽量化できる。またコンクリート部材5が埋設型枠4で覆われるので、地震時などにコンクリート部材5にひび割れが生じても耐震壁1の美観が損なわれず、ひび割れへの水の侵入やそれに伴う補強筋の腐食を防止できる。
また本実施形態では、2枚の埋設型枠4の間にコンクリート部材5を設けて耐震壁1とすることで、耐震壁1の両面が木現しとなり、耐震壁1を建物の内壁に用いる場合等において特に好ましい美観となる。
ボルト6等は、2枚の埋設型枠4の間にコンクリート51を打設する際に埋設型枠4に加わる側圧に抵抗し、埋設型枠4の間隔を保持する。また埋設型枠4がコンクリート部材5を拘束することで、耐震壁1の耐力、靭性等の向上も期待できる。
また、ボルト6は埋設型枠4とコンクリート部材5の間のせん断補強材としても機能する。すなわち、地震力や建物の長期荷重などにより柱2や梁3から耐震壁1に圧縮力が作用すると、耐震壁1の面外変形により埋設型枠4とコンクリート部材5との境界面にせん断(ずれ)が生じる可能性があるが、ボルト6をこのせん断に抵抗するせん断補強材として用いることで、埋設型枠4とコンクリート部材5が一体化し、耐震壁1の面外剛性が向上してその面外変形を抑制できる。
さらに、埋設型枠4と柱2や梁3との間に隙間がある場合、ボルト6はコンクリート部材5に加わった地震力を埋設型枠4に伝達し、コンクリート部材5の応力を緩和させるためにも有効である。
ただし、埋設型枠4とコンクリート部材5の間のせん断を問題としない場合や、埋設型枠4が柱2および梁3に直接接している場合等では、ボルト6を省略することも可能である。この場合、コンクリート51の打設時には、埋設型枠4の外側に仮設のサポート材(不図示)を設けて埋設型枠4に加わる側圧を支持させ、埋設型枠4の間隔を保持する。あるいは埋設型枠4を連結する連結材としてセパレータ等を用いてもよい。
本実施形態では、コンクリート部材5の補強筋をシングル配筋とすることにより、配筋作業の省力化とコストダウンが可能になり、鉄筋のかぶり厚も確保しやすく鉄筋の腐食防止にも有効である。通常のRC耐震壁で壁厚が200mm以上の場合にはダブル配筋が推奨されるが、本実施形態の耐震壁1では、コンクリート部材5の厚さが200mm以上であっても、横筋52および縦筋53の径を大きくすることによりシングル配筋を実現することが可能である。
しかしながら、本発明が以上の実施形態に限ることはない。例えば本実施形態では埋設型枠4の連結材兼せん断補強材としてボルト6を用いたが、図4(a)に示すように、せん断補強材としてドリフトピン8を用いてもよい。
この場合、2枚の埋設型枠4のうち一方に貫通孔43を、他方に凹部44を設け、ドリフトピン8を貫通孔43に挿入して凹部44に向かって押し込むことで、ドリフトピン8の先端を凹部44内に位置させ、ドリフトピン8の基端を貫通孔43内に位置させる。その後、貫通孔43の残りの空間431を栓(不図示)で塞ぐことも可能である。
ドリフトピン8は、2枚の埋設型枠4をセットした後で配置してもよいが、一方の埋設型枠4の貫通孔43に予めドリフトピン8を挿入した状態で両埋設型枠4をセットし、その後ドリフトピン8を他方の埋設型枠4の凹部44に向かって押し込んでもよい。
その他、せん断補強材としては、図4(b)に示すように埋設型枠4から内側に突出する棒材(ダボ)9を設けてもよく、図4(c)に示すように棒材9aの先端を拡径させてもよい。
さらに、図4(d)に示すように、2枚の埋設型枠4の内面にコッター(凹部)45を形成してもよく、この場合、埋設型枠4のコッター45にコンクリート51が入り込むことで埋設型枠4とコンクリート部材5が一体化する。
また図4(e)に示すように、棒材9としてネジ鉄筋やミリネジを用い、2枚の埋設型枠4から突出する棒材9の先端をカプラー10に螺合させ、棒材9同士をカプラー10によって連結してもよい。この場合、棒材9とカプラー10が埋設型枠4の連結材としても機能し、埋設型枠4によるコンクリート部材5の拘束効果も期待できる。
また本実施形態では柱2と梁3で囲まれた構面内に立面視で1枚の埋設型枠4が配置されているが、図5(a)に示すように上記構面内に複数枚(図の例では2枚)の埋設型枠4が並置されてもよい。さらに、図5(b)に示すように、建物の上下層に耐震壁1を配置し、これらの耐震壁1をPC鋼棒11により導入したプレストレス力で緊結することで、耐力を向上させることもできる。
また、壁式構造とする場合等では、耐震壁1の全周が柱2や梁3に囲まれていなくてもよく、例えば耐震壁1の平面における端部の一方のみに柱2が設けられていてもよい。また耐震壁1を、図5(c)に示すように平面視でL字状に交差するように設けてもよく、平面視で十字状に交差するように設けることも可能である。さらに、耐震壁1に開口を設けることも可能であり、窓や出入口などとして用いることができる。耐震壁1では、必要に応じて開口の補強材も設けられる。
また、本実施形態ではコンクリート部材5を鉄筋コンクリートとしているが、図6(a)の耐震壁1aのように、横筋52や縦筋53を省略し、コンクリート部材5aを無筋コンクリートとしてもよい。本実施形態では埋設型枠4に地震力を負担させることでコンクリート部材5aを薄くできるが、耐震壁1aでは埋設型枠4の座屈防止効果によって部材の薄さを補える。また、無筋コンクリートはひび割れが入りやすいが、埋設型枠4で覆うことで美観が保たれる。なおコンクリート部材5aに用いるコンクリートを繊維補強コンクリートとし、靭性を向上させてもよい。
さらに、本実施形態では2枚の埋設型枠4の内側にコンクリート部材5を設けているが、図6(b)の耐震壁1bのように、2枚の埋設型枠4の一方を省略し、1枚の埋設型枠4の側方にコンクリート部材5を設けた構成としてもよい。
例えば耐震壁を建物の外壁に適用する場合など、耐火仕様の制限により片面を耐火材料とする時には、埋設型枠4と通常型枠の間にコンクリート51を打設し、通常型枠を脱型して図6(b)に示すように片面を耐火材料であるコンクリート部材5とすることができる。なお図6(b)の例では埋設型枠4とコンクリート部材5の間のせん断補強材として前記した棒材9(図4(b)参照)を用いている。
また本実施形態では、埋設型枠4の小口面を未処理の平らな状態としたが、埋設型枠4の柱2や梁3に面した小口面、あるいは図5(a)のように埋設型枠4を並置する場合の隣接する埋設型枠4の小口面について、接着剤やダボ、コッター等を採用し、部材間のせん断力に対し抵抗させてもよい。
接着剤を用いる場合は、埋設型枠4の小口面に接着剤を塗布するだけでなく、埋設型枠4の小口面と柱2や梁3との間、あるいは、隣接する埋設型枠4の小口面の間に隙間を設け、当該隙間に接着剤を圧入してもよい。
また図7(a)は小口面にコッター45を形成した例であり、隣接する埋設型枠4の小口面を凹凸形状に切削してコッター45を設け、両小口面の凹凸を互いに噛み合わせたものである。
図7(b)はダボとコッターを併用する例であり、埋設型枠4の梁3に面した小口面にコッター45が形成され、コッター45の底面から梁3側に突出するように埋設型枠4に棒材(ダボ)46が固定される。棒材46にはラグスクリューボルトなどを用いることができる。埋設型枠4の小口面と梁3との間には後打ちモルタル12などの充填材が打設され、棒材46の突出部が後打ちモルタル12に埋設される。
図7(b)は埋設型枠4の梁3に面した小口面の例であるが、埋設型枠4の柱2に面した小口面を同様の構成とすることも可能であり、柱2に面した小口面と梁3に面した小口面の双方を同様の構成とすることも可能である。
また図8(a)に示すように、埋設型枠4と梁3に跨るように引張材47を設けてもよい。引張材47には例えば鉄筋やボルトを用いることができる。図8(a)の例では、引張材47が耐震壁1の上下辺の両端部の計4箇所に配置される。
地震等により耐震壁1に図8(a)の矢印aに示すように層間せん断力が作用すると、耐震壁1に生じる回転モーメントにより、矢印bに示すように耐震壁1の上下辺の一方の端部において埋設型枠4と梁3が離間する方向の引張力が生じる。また矢印a’に示すように耐震壁1に反対方向の層間せん断力が作用すると、耐震壁1に生じる反対方向の回転モーメントにより、矢印b’に示すように耐震壁1の上下辺の他方の端部において埋設型枠4と梁3が離間する方向の引張力が生じる。引張材47はこれらの引張力に抵抗し、耐震壁1の耐力を向上させることができる。
なお、梁3がRC部材である場合は、埋設型枠4の小口面と梁3のコンクリートに引張材47を埋設するが、梁3が鉄骨部材である場合は、図8(b)に示すように梁3(H形鋼)のフランジに形成された孔に引張材47である頭付きボルトの軸部を通し、当該軸部の先端を埋設型枠4の小口面に埋め込まれた雌ネジ48に螺合すればよい。
また図9(a)に示すように、2枚の埋設型枠4を連結するように木質材料による束材49を設けてもよい。これにより埋設型枠4間のコンクリート部材5の一部を束材49に代替し、耐震壁1の重量を低減できる。また束材49により埋設型枠4の設置精度の管理が容易になる。
束材49は柱状の部材であり、例えば埋設型枠4の全高さに亘って配置される。また束材49は、埋設型枠4と平行な水平方向に間隔を空けて複数本設けられても良い。
束材49には、CLTを特に好適に用いることができる。すなわち、地震時には耐震壁1の面内で斜め方向の圧縮力が加わる場合があるが、この際、異方性材料である通常の木質材料を用いると、強度の低い繊維直交方向にも力が加わり、耐力や剛性の低下を起こしやすくなる。一方、CLTは前記したように異方性を有しないため、CLTを束材49に用いることで上記した耐力や剛性の低下を防止できる。
図9(a)の例では、横筋52を通すため、柱状の束材49に横筋52に沿った水平方向の貫通孔491が設けられるが、図9(b)に示すように鉛直方向に間隔を空けて束材49を設けてもよい。横筋52は、上下の束材49の間に通して配置することができる。なお図9(a)、(b)ではコンクリート51の図示を省略している。
埋設型枠4と束材49は、接着剤、ボルト、ドリフトピン、ビス等を用いて連結される。耐震壁1の施工時は、一方の埋設型枠4を耐震壁1の位置にセットした後、当該埋設型枠4に束材49を取り付けてもよいが、予め1枚の埋設型枠4に束材49を取り付けたものを耐震壁1の位置にセットしてもよい。
さらに、図9(c)に示すように、2枚の埋設型枠4を束材49で連結したものをプレキャスト部材とし、当該プレキャスト部材を施工現場まで運搬して耐震壁1の位置にセットすることもできる。これは図1のようにボルト6等を用いるケース、図4(a)のようにドリフトピン8を用いるケース、図4(e)に示すように棒材9同士をカプラー10で連結するケースも同様であり、プレキャスト化することで耐震壁1の施工が容易となる。
また、埋設型枠4の間のコンクリート部材5を含めて耐震壁1をプレキャスト化することもでき、耐震壁1の施工が更に容易になる。本実施形態では埋設型枠4に地震力を負担させることでコンクリート量を低減し耐震壁1を軽量化できるため、コンクリート部材5を含めてプレキャスト化しても運搬、設置等に問題が生じることはない。ただし、重量面を考慮し、耐震壁1を縦あるいは横に分割したものをプレキャスト化し、現場でプレキャスト部材を組み合わせて耐震壁1を構築してもよい。これは図9(c)のようにコンクリート部材5を除く部分をプレキャスト化する場合でも同様である。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a、1b:耐震壁
2:柱
3:梁
4:埋設型枠
5、5a:コンクリート部材
6:ボルト
7:ナット
8:ドリフトピン
9、9a、46:棒材
10:カプラー
11:PC鋼棒
12:後打ちモルタル
21:補強筋
41、43、491:貫通孔
42、44:凹部
45:コッター
47:引張材
48:雌ネジ
49:束材
51:コンクリート
52:横筋
53:縦筋

Claims (3)

  1. 木質材料による板状の埋設型枠と、
    2枚の前記埋設型枠の内側に設けられた板状のコンクリート部材と、
    前記2枚の前記埋設型枠の間に、鉛直方向に間隔を空けて複数設けられる木質材料による束材と、
    を具備し、
    コンクリートに埋設される横筋が、複数の前記束材の間を通して配置される
    ことを特徴とする壁体。
  2. 記2枚の前記埋設型枠が連結材により連結されることを特徴とする請求項1記載の壁体。
  3. 前記埋設型枠と前記コンクリート部材を一体化するためのせん断補強材を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の壁体。
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