JP7552065B2 - 水性顔料分散体及び水性インクの製造方法、並びに水性顔料分散体及び水性インクの設計方法 - Google Patents
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Description
そのため、現在では、複数の分析方法の組み合わせにより、顔料界面近傍で起こっている現象を定性的に説明するに留まっている。
また、本発明は、大規模な設備を要さずに、かつ短期間で高い顔料分散安定性を有する水性顔料分散体を設計することができる水性顔料分散体の設計方法、及びその設計方法を用いた水性インクの設計方法を提供することを目的とする。
[1] 第2の顔料と第2の顔料分散剤と第2の水性媒体とを含有する水性顔料分散体の製造方法であって、
第1の顔料と第1の顔料分散剤としてのポリビニルピロリドンと第1の水性媒体とを含有し、前記第1の顔料に対する前記第1の顔料分散剤の組成比率が異なる複数の評価用分散体を用意する工程と、
前記複数の評価用分散体のそれぞれについて、パルスNMR測定によりT2緩和時間を求め、前記T2緩和時間の逆数に基づいて親水化度の指標を得る工程と、
前記複数の評価用分散体のそれぞれについて、粒子の体積平均粒径の測定を行い、前記粒子の総表面積の指標を得る工程と、
前記親水化度の指標を横軸とし、前記粒子の総表面積の指標を縦軸としたときの、前記親水化度の指標、前記粒子の総表面積の指標、及び前記組成比率の関係を示すグラフにおいて前記粒子の総表面積の指標が極大値をとるときの、前記第1の顔料に対する前記第1の顔料分散剤の組成質量比率(R/P)の±0.2以下の範囲を、前記水性顔料分散体における前記第2の顔料に対する前記第2の顔料分散剤の組成質量比率として決定する工程と、
前記決定した組成質量比率に従って前記第2の顔料と前記第2の顔料分散剤と前記第2の水性媒体とを混合する工程と、
を含み、
前記第2の顔料のハンセン溶解度パラメータが、前記第1の顔料のハンセン溶解度パラメータの±3(J/cm3)1/2以下であり、
前記第2の顔料分散剤のハンセン溶解度パラメータが、前記第1の顔料分散剤のハンセン溶解度パラメータの±10(J/cm3)1/2以下であり、
前記第2の水性媒体のハンセン溶解度パラメータが、前記第1の水性媒体のハンセン溶解度パラメータの±3(J/cm3)1/2以下である、
ことを特徴とする水性顔料分散体の製造方法。
[2] 前記親水化度の指標を得る工程が、前記複数の評価用分散体の中の1つの評価用分散体における前記第1の顔料分散剤と前記第1の水性媒体との組成比率と同じ組成比率を有しかつ前記第1の顔料を含有しないブランク溶液について、前記パルスNMR測定によりT2緩和時間を求め、前記1つの評価用水分散体の前記T2緩和時間の逆数及び前記ブランク溶液の前記T2緩和時間の逆数から、下記式(1)により、前記親水化度の指標である親水化度の指標(Rsp)を得ることを、前記複数の評価用分散体のそれぞれについて行う処理を含む、
前記[1]に記載の水性顔料分散体の製造方法。
[3] 前記粒子の総表面積の指標が、前記粒子の体積平均粒径の逆数と正比例する値である前記[1]~[2]のいずれかに記載の水性顔料分散体の製造方法。
[4] 前記粒子の総表面積の指標を得る工程が、前記粒子の体積平均粒径から、下記式(2)により、前記粒子の総表面積の指標である粒子の総表面積値(TSA)を得ることを、前記複数の評価用分散体のそれぞれについて行う処理を含む、
前記[1]~[3]のいずれかに記載の水性顔料分散体の製造方法。
前記式(2)中、Ψpは、粒子体積比を意味し、下記式(3)で表される。
前記式(3)中、Cpは、前記評価用分散体における前記第1の顔料の濃度を表す。
前記式(3)中、ρwは、前記第1の水性媒体の密度を表す。
[5] 前記[1]~[4]のいずれかに記載の水性顔料分散体の製造方法により水性顔料分散体を製造する工程と、
前記水性顔料分散体と、バインダー樹脂と、第3の水性媒体とを混合する工程と、
を含むことを特徴とする水性インクの製造方法。
[6] 第2の顔料と第2の顔料分散剤と第2の水性媒体とを含有する水性顔料分散体における前記第2の顔料と前記第2の顔料分散剤と前記第2の水性媒体との組成比率を決定する水性顔料分散体の設計方法であって、
第1の顔料と第1の顔料分散剤としてのポリビニルピロリドンと第1の水性媒体とを含有し、前記第1の顔料に対する前記第1の顔料分散剤の組成比率が異なる複数の評価用分散体を用意する工程と、
前記複数の評価用分散体のそれぞれについて、パルスNMR測定によりT2緩和時間を求め、前記T2緩和時間の逆数に基づいて親水化度の指標を得る工程と、
前記複数の評価用分散体のそれぞれについて、粒子の体積平均粒径の測定を行い、前記粒子の総表面積の指標を得る工程と、
前記親水化度の指標を横軸とし、前記粒子の総表面積の指標を縦軸としたときの、前記親水化度の指標、前記粒子の総表面積の指標、及び前記組成比率の関係を示すグラフにおいて前記粒子の総表面積の指標が極大値をとるときの、前記第1の顔料に対する前記第1の顔料分散剤の組成質量比率(R/P)の±0.2以下の範囲を、前記水性顔料分散体における前記第2の顔料に対する前記第2の顔料分散剤の組成質量比率として決定する第1の工程と、
前記決定した組成質量比率に従って前記水性顔料分散体における前記第2の顔料と前記第2の顔料分散剤と前記第2の水性媒体との組成比率を決定する第2の工程と、
を含み、
前記第2の顔料のハンセン溶解度パラメータが、前記第1の顔料のハンセン溶解度パラメータの±3(J/cm3)1/2以下であり、
前記第2の顔料分散剤のハンセン溶解度パラメータが、前記第1の顔料分散剤のハンセン溶解度パラメータの±10(J/cm3)1/2以下であり、
前記第2の水性媒体のハンセン溶解度パラメータが、前記第1の水性媒体のハンセン溶解度パラメータの±3(J/cm3)1/2以下である、
ことを特徴とする水性顔料分散体の設計方法。
[7] 前記[6]に記載の水性顔料分散体の設計方法を用いて前記第2の顔料と前記第2の顔料分散剤と前記第2の水性媒体とを含有する水性顔料分散体を設計する工程と、
前記設計された水性顔料分散体と、バインダー樹脂と、第3の水性媒体との組成比率を決定する工程と、
を含むことを特徴とする水性インクの設計方法。
また、本発明によれば、大規模な設備を要さずに、かつ短期間で高い顔料分散安定性を有する水性顔料分散体を設計することができる水性顔料分散体の設計方法、及びその設計方法を用いた水性インクの設計方法を提供することができる。
本発明の水性顔料分散体の製造方法は、複数の評価用分散体を用意する工程と、親水化度の指標を得る工程と、粒子の総表面積の指標を得る工程と、決定する工程と、混合する工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
水性顔料分散体の製造方法は、第2の顔料と第2の顔料分散剤と第2の水性媒体とを含有する水性顔料分散体を製造する方法である。
なお、第2の顔料、第2の顔料分散剤、及び第2の水性媒体の詳細については、後述する。
本発明の水性顔料分散体の設計方法は、複数の評価用分散体を用意する工程と、親水化度の指標を得る工程と、粒子の総表面積の指標を得る工程と、決定する第1の工程と、決定する第2の工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
また、本発明者らは、大規模な設備を要さずに、かつ短期間で高い顔料分散安定性を有する水性顔料分散体を製造することができる、水性顔料分散体の設計方法、及びその設計方法を用いた水性インクの設計方法を提供することを目的とし、鋭意検討を行った。
そのところ、水性顔料分散体のパルスNMR測定により得られる親水化度の指標と、粒子の総表面積の指標とから、水性顔料分散体における顔料分散安定性に効果的な顔料と顔料分散剤との比率を見つけることができた。また、その比率は、測定に用いた顔料、顔料分散剤、及び水性媒体のそれぞれとハンセン溶解度パラメータが近似する顔料、顔料分散剤、及び水性媒体にも適用できることを見出した。
その結果、顔料、顔料分散剤、及び水性媒体を含有する評価用顔料分散体について、パルスNMR測定を用いて親水化度の指標を求め、また粒子の総表面積の指標を求め、求めたそれらの指標を用いて、評価用分散体における顔料、顔料分散剤、及び水性媒体のそれぞれに近似する溶解度パラメータを有する顔料、顔料分散剤、及び水性媒体を含有する水性顔料分散体における顔料及び顔料分散剤の組成比率を決定することで、本発明の課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
具体的には、本発明者らは、評価用分散体について求めた親水化度の指標を横軸とし、粒子の総表面積の指標を縦軸としたグラフに、顔料に対する顔料分散剤の組成比率をプロットした際に、極大値をとる組成比率が、顔料分散安定性に優れる組成比率であることを見出した。
複数の評価用分散体を用意する工程としては、第1の顔料と第1の顔料分散剤としてのポリビニルピロリドンと第1の水性媒体とを含有し、第1の顔料に対する第1の顔料分散剤の組成比率が異なる複数の評価用分散体を用意する工程であれば、特に限定されない。評価用分散体は、通常、第1の顔料と第1の顔料分散剤と第1の水性媒体とを混合して得られる。
ポリビニルピロリドンの分子量としては、特に限定されないが、顔料分散剤として標準的な分子量という点で、重量平均分子量80,000~120,000が好ましい。
第1の顔料、その他の第1の顔料分散剤、及び第1の水性媒体の詳細については、後述する。
評価用分散体における第1の水性媒体の含有量としては、特に限定されないが、例えば、50~99質量%であってもよいし、60~95質量%であってもよいし、75~90質量%であってもよい。
複数の評価用分散体における第1の顔料に対する第1の顔料分散剤の組成質量比率としては、特に限定されないが、例えば、0.01~0.99であってもよいし、0.05~0.80であってよいし、0.10~0.70であってもよい。
ただし、評価用分散体における第1の顔料、第1の顔料分散剤、及び第1の水性媒体の
合計含有量は、100質量%を超えない。
(1)第1の顔料分散剤及び第1の水性媒体を含有する混合物に、第1の顔料を添加した後、撹拌分散装置を用いて第1の顔料を混合物中に分散させることにより評価用分散体を調製する方法。
(2)第1の顔料及び第1の顔料分散剤を2本ロールやミキサー等の混練機を用いて混練し、得られた混練物を、第1の水性媒体に添加し、撹拌分散装置を用いて評価用分散体を調製する方法。
(3)メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等のような水と相溶性を有する有機溶剤中に第1の顔料分散剤を溶解して得られた溶液に第1の顔料を添加した後、撹拌分散装置を用いて第1の顔料を有機溶液中に分散させ、次いで水性媒体を用いて転相乳化させた後、有機溶剤を留去し評価用分散体を調製する方法。
親水化度の指標を得る工程としては、複数の評価用分散体のそれぞれについて、パルスNMR測定によりT2緩和時間を求め、T2緩和時間の逆数に基づいて親水化度の指標を得る工程であれば、特に限定されない。
パルスNMR測定は、以下の特徴を有する。
・試料の状態(個体材料の硬さ、液体試料の分子運動など)に非常に敏感
・乾燥や脱気などの前処理が不要
・濃度の上限は原理根本的に無制限、濃度の下限は、1%~2%
・測定時間は最初から最後まで僅か5分程度
・再現性が良好
・測定装置:Acron Area(XiGo Nanotools社製)
・パルス系列:CPMG法
・共鳴周波数:13MHz
・測定温度:30℃
・測定試料:1.0cm3
すなわち、親水化度の指標を得る工程においては、複数の評価用分散体の中の1つの評価用分散体における第1の顔料分散剤と第1の水性媒体との組成比率と同じ組成比率を有しかつ第1の顔料を含有しないブランク溶液について、パルスNMR測定によりT2緩和時間を求め、1つの評価用水分散体のT2緩和時間の逆数及びブランク溶液のT2緩和時間の逆数から、下記式(1)により、前記親水化度の指標である親水化度の指標(Rsp)を得ることを、複数の評価用分散体のそれぞれについて行う処理を含むことが好ましい。
ただし、本発明において、式(1)は、本発明の効果を阻害しない範囲で、変形がされていてもよい。例えば、式(1)の右辺に、右辺の(Rav-Rb)/Rbを整数倍するような係数aが付されていてもよい。その場合、求められるRspは、係数aがない場合と比べてa倍大きい値である。しかし、粒子の総表面積の指標と組み合わせて顔料と顔料分散剤との組成比率の最適範囲を求める際には、その値の変化は、求められる最適範囲には、影響しない。そのような変形された式(1)も前記式(1)に含まれる。
粒子の総表面積の指標を得る工程としては、複数の評価用分散体のそれぞれについて、粒子の体積平均粒径の測定を行い、粒子の総表面積の指標を得る工程であれば、特に限定されない。
・測定装置:マイクロトラックMT3000II(マイクロトラック・ベル社製)
・測定溶媒:水
・溶媒屈折率:1.333
・存在比率:体積基準
・粒子透過性:透過
・粒子形状:非球形
・粒子屈折率:1.81
・解析モード:ロジン・ラムラー分布(±2σ)(装置付属ソフト:DMS ver.11.0.0-246V)
更に、粒子の総表面積の指標を得る工程は、粒子の体積平均粒径から、下記式(2)により、前記粒子の総表面積の指標である粒子の総表面積値(TSA)を得ることを、複数の評価用分散体のそれぞれについて行う処理を含むことが好ましい。
式(2)中、Ψpは、粒子体積比を意味し、下記式(3)で表される。
式(3)中、Cpは、評価用分散体における第1の顔料の濃度を表す。
式(3)中、ρwは、第1の水性媒体の密度を表す。
なお、本発明において、式(2)は、本発明の効果を阻害しない範囲で、変形がされていてもよい。例えば、式(2)の右辺に、右辺の〔6/(ρp×Mv)〕×Ψpを整数倍するような係数bが付されていてもよい。その場合、求められるTSAは、係数bがない場合と比べてb倍大きい値である。しかし、親水化度の指標と組み合わせて顔料と顔料分散剤との組成比率の最適範囲を求める際には、その値の変化は、求められる最適範囲には、影響しない。そのような変形された式(2)も前記式(2)に含まれる。
水性顔料分散体の製造方法における組成質量比率を決定する工程、及び水性顔料分散体の設計方法における組成質量比率を決定する第1の工程としては、親水化度の指標を横軸とし、粒子の総表面積の指標を縦軸としたときの、親水化度の指標、粒子の総表面積の指標、及び組成比率の関係を示すグラフにおいて粒子の総表面積の指標が極大値をとるときの、第1の顔料に対する第1の顔料分散剤の組成質量比率(R/P)の±0.2以下の範囲を、水性顔料分散体における第2の顔料に対する第2の顔料分散剤の組成質量比率として決定する工程であれば、特に限定されない。
評価用分散体の顔料分散安定性は、前記グラフにおける極大値においてもっとも安定化する。そして、前記グラフにおいて粒子の総表面積の指標が極大値をとるときの組成質量比率(R/P)の±0.2以内の範囲であれば、顔料分散安定性は他の範囲と比べ優れたものとなる。
ここで、最大値ではなく、極大値を採用した理由は次の通りである。顔料表面は界面化学的には広い分布を有しており、マクロに見て均一な顔料分散系であっても、ミクロに見るとその顔料表面において溶剤や樹脂とおそらく不均一な吸着が生じていると予想される。また、当該界面化学的な分布も、顔料種によっては複数のピークを有する場合もある。このため、前記グラフにおいて極大値ではなく最大値を採用してしまうと、最適な値を見落とす懸念があるからである。
混合する工程としては、決定した組成質量比率に従って第2の顔料と第2の顔料分散剤と第2の水性媒体とを混合する工程であれば、特に限定されない。
ここで、決定した組成質量比率に従って第2の顔料と第2の顔料分散剤と第2の水性媒体とを混合する際、決定した組成質量比率と全く同じであってもよいし、顔料分散安定性を損なわない範囲で少し組成質量比率を変えてもよい。例えば、製造される水性顔料分散体における第2の顔料の濃度は、決定した組成質量比率における水性顔料分散体の第2の顔料の濃度と、±2質量%変わっていてもよい。例えば、製造される水性顔料分散体における第2の顔料分散剤の濃度は、決定した組成質量比率における水性顔料分散体の第2の顔料分散剤の濃度と、±2質量%変わっていてもよい。例えば、製造される水性顔料分散体における第2の水性媒体の濃度は、決定した組成質量比率における水性顔料分散体の第2の水性媒体の濃度と、±2質量%変わっていてもよい。
(1)第2の顔料分散剤及び第2の水性媒体を含有する混合物に、第2の顔料を添加した後、撹拌分散装置を用いて第2の顔料を混合物中に分散させることにより水性顔料分散体を調製する方法。
(2)第2の顔料及び第2の顔料分散剤を2本ロールやミキサー等の混練機を用いて混練し、得られた混練物を、第2の水性媒体に添加し、撹拌分散装置を用いて水性顔料分散体を調製する方法。
(3)メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等のような水と相溶性を有する有機溶剤中に第2の顔料分散剤を溶解して得られた溶液に第2の顔料を添加した後、撹拌分散装置を用いて第2の顔料を有機溶液中に分散させ、次いで水性媒体を用いて転相乳化させた後、有機溶剤を留去し水性顔料分散体を調製する方法。
水性顔料分散体の設計方法における決定する第2の工程としては、決定した組成質量比率に従って水性顔料分散体における第2の顔料と第2の顔料分散剤と第2の水性媒体との組成比率を決定する工程であれば、特に限定されない。
ここで、決定した組成質量比率に従って第2の顔料と第2の顔料分散剤と第2の水性媒体との組成比率を決定する際、決定した組成質量比率と全く同じであってもよいし、顔料分散安定性を損なわない範囲で少し組成比率を変えてもよい。例えば、設計される水性顔料分散体における第2の顔料の濃度は、決定した組成質量比率における水性顔料分散体の第2の顔料の濃度と、±2質量%変わっていてもよい。例えば、設計される水性顔料分散体における第2の顔料分散剤の濃度は、決定した組成質量比率における水性顔料分散体の第2の顔料分散剤の濃度と、±2質量%変わっていてもよい。例えば、設計される水性顔料分散体における第2の水性媒体の濃度は、決定した組成質量比率における水性顔料分散体の第2の水性媒体の濃度と、±2質量%変わっていてもよい。
第2の顔料分散剤のハンセン溶解度パラメータは、第1の顔料分散剤のハンセン溶解度パラメータの±10(J/cm3)1/2以下である。
第2の水性媒体のハンセン溶解度パラメータは、第1の水性媒体のハンセン溶解度パラメータの±3(J/cm3)1/2以下である。
ハンセン溶解度パラメータ(Hansen solubility parameter, HSP)は、物質の溶解性の予測に用いられる値である。HSPは「分子間の相互作用が似ている2つの物質は、互いに溶解しやすい」との考えに基づいている。HSP〔単位:(J/cm3)1/2〕は以下の3つのパラメータで構成されている。
・δd:分子間の分散力によるエネルギー
・δp:分子間の双極子相互作用によるエネルギー
・δh:分子間の水素結合によるエネルギー
これら3つのパラメータは、3次元空間(ハンセン空間)における座標とみなすことができる。そして2つの物質のHSPをハンセン空間内に置いたとき、2点間距離が近ければ近いほど互いに溶解しやすいことを示している。すなわち、2つの物質のハンセン溶解度パラメータの差は、それら2つの物質の親水性及び疎水性の状態が似ていることを示している。
第2の顔料分散剤のハンセン溶解度パラメータが、第1の顔料分散剤のハンセン溶解度パラメータの±10(J/cm3)1/2以下であれば、2つの顔料分散剤は、顔料分散安定性の観点において、親水性及び疎水性の状態が似ているということができる。
第2の水性媒体のハンセン溶解度パラメータが、第1の水性媒体のハンセン溶解度パラメータの±3(J/cm3)1/2以下であれば、2つの水性媒体は、顔料分散安定性の観点において、親水性及び疎水性の状態が似ているということができる。
そのため、これらの範囲内であれば、評価用分散体で得られた顔料分散安定性に優れる顔料と顔料分散剤との組成比率を、水性顔料分散体における顔料と顔料分散剤との組成比率に適用しても、顔料分散安定性に優れる水性顔料分散体が得られる。
なお、第1の顔料と第2の顔料とは同じであってもよい。第1の顔料分散剤と第2の顔料分散剤とは同じであってもよい。第1の水性媒体と第2の水性媒体とは同じであってもよい。
第2の顔料分散剤のハンセン溶解度パラメータは、第1の顔料分散剤のハンセン溶解度パラメータの±8(J/cm3)1/2以下であることが好ましく、±5(J/cm3)1/2以下であることがより好ましく、±3(J/cm3)1/2以下であることがさらに好ましい。
第2の水性媒体のハンセン溶解度パラメータは、第1の水性媒体のハンセン溶解度パラメータの±2.5(J/cm3)1/2以下であることが好ましく、±2(J/cm3)1/2以下であることがより好ましく、±1.5(J/cm3)1/2以下であることがさらに好ましい。
透明スクリュー管瓶(ねじ口瓶、容量:20cm3)に、被測定対象たる顔料10mg(0.01g)と有機溶剤9.99gとを仕込み(顔料濃度:0.1質量%)、高速振とう機(キュートミキサー)で30分間振盪混合した後、多検体・分散性評価粒子径分布測定装置であるLUMiSizerで4000rpm×30分間遠心処理(25℃)する。その後、透過光量が20%未満である場合に、顔料分散性良好として、その有機溶剤を「良溶媒」と判定し、透過光量が20%以上である場合にその有機溶剤を「貧溶媒」と判定する。
有機溶剤と、それに対応する判定結果「良溶媒」あるいは「貧溶媒」を、コンピュータソフトウェアであるHansen Solubility Parameters in Practice 4th Edition 4.1.07(HSPiP)に入力して、被測定対象たる顔料のハンセン溶解度パラメータを算出する。
なお、使用する有機溶剤のハンセン溶解度パラメータは、上記コンピュータソフトウェアであるHansen Solubility Parameters in Practice 4th Edition 4.1.07(HSPiP)に収録された値をそのまま使用することができる。
透明スクリュー管瓶(ねじ口瓶、容量:20cm3)に、被測定対象たる顔料分散剤50mg(0.05g)と有機溶剤9.95gとを仕込み(顔料分散剤濃度:0.5質量%)、高速振とう機(キュートミキサー)で30分間振盪混合した後、25℃の環境下で24時間静置する。
24時間静置後の目視観察により、顔料分散剤の全量溶解が確認できた場合にはその有機溶剤を「良溶媒」と判定し、溶解残があるなど全量溶解が確認できなかった場合にはその有機溶剤を「貧溶媒」と判定する。
有機溶剤と、それに対応する判定結果「良溶媒」あるいは「貧溶媒」を、コンピュータソフトウェアであるHansen Solubility Parameters in Practice 4th Edition 4.1.07(HSPiP)に入力して、被測定対象たる顔料分散剤のハンセン溶解度パラメータを算出する。
なお、使用する有機溶剤のハンセン溶解度パラメータは、上記コンピュータソフトウェアであるHansen Solubility Parameters in Practice 4th Edition 4.1.07(HSPiP)に収録された値をそのまま使用することができる。
第1の顔料及び第2の顔料(以下、単に「顔料」と称することがある。)としては、特に限定はなく、例えば、従来のスクリーン捺染や水性インクジェット記録用インクにおいて通常使用される有機顔料または無機顔料を使用することができる。
第1の顔料分散剤及び第2の顔料分散剤(以下、単に「顔料分散剤」と称することがある)としては、例えば、ポリビニルアルコール類;ポリビニルピロリドン類;アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体などのアクリル樹脂;スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-α-メチルスチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-α-メチルスチレン-アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体などのスチレン-アクリル樹脂;スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン-アクリル酸共重合体の水性樹脂、及び、水性樹脂の塩を使用することができる。顔料分散剤としては、味の素ファインテクノ(株)製品)のアジスパーPBシリーズ、ビックケミー・ジャパン(株)のDisperbykシリーズ、BASF社製のEFKAシリーズやJONCRYLシリーズ、日本ルーブリゾール株式会社製のSOLSPERSEシリーズ、エボニック社製のTEGOシリーズ等を使用することができる。
(1)ポリマー(G)の酸価を予め、JIS試験方法K 0070-1992に基づく酸価測定方法により測定する。具体的には、テトラヒドロフランにポリマー(G)0.5gを溶解させ、フェノールフタレインを指示薬として、0.1M水酸化カリウムアルコール溶液で滴定し酸価を求める。
(2)水50mLに対して、ポリマー(G)を1g添加後、得られた酸価を100%中和するだけの0.1mol/L水酸化カリウム水溶液を加え、100%中和とする。
(3)100%中和させた液を、25℃の温度下で、2時間超音波洗浄器(株式会社エスエヌディ超音波洗浄器US-102、38kHz自励発振)中で超音波を照射させた後24時間室温放置する。
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC-8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-550」
なお、本明細書における他のポリマーの酸価の測定方法も、JIS試験方法K 0070-1992に準拠している。
第1の水性媒体及び第2の水性媒体(以下、単に「水性媒体」又は「水性媒体(C)」と称することがある。)としては、水を単独、または、水と後述する有機溶剤(F)との混合溶媒を使用することができる。
本発明の水性インクの製造方法は、水性顔料分散体を製造する工程と、混合する工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
本発明の水性インクの設計方法は、水性顔料分散体を設計する工程と、組成比率を決定する工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
水性顔料分散体を製造する工程は、本発明の水性顔料分散体の製造方法により水性顔料分散体を製造する工程である。
水性顔料分散体を設計する工程は、本発明の水性顔料分散体の設計方法により水性顔料分散体を設計する工程である。
混合する工程としては、水性顔料分散体と、バインダー樹脂と、第3の水性媒体とを混合する工程であれば、特に制限されず、一般的な水性インクを製造する際の混合方法を用いることができる。
組成比率を決定する工程としては、設計された水性顔料分散体と、バインダー樹脂と、第3の水性媒体との組成比率を決定する工程であれば、特に限定されない。
本発明で製造される水性インクは、本発明の水性顔料分散体の製造方法で製造される水性顔料分散体と、バインダー樹脂と、第3の水性媒体とを含有する。
水性インクは、更に、添加剤等を含有していてもよい。
バインダー樹脂(A)は、例えば、顔料を被記録媒体上に固着するためのものである。
第3の水性媒体としては、水性顔料分散体の説明において挙げた水性媒体が挙げられる。
添加剤としては、例えば、界面活性剤(E)、糖類、防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
以下の原材料を用いて、評価用顔料分散体を調製した。
・顔料:三菱カーボンブラック「#960」(製品名、三菱ケミカル(株))
・顔料分散剤:ポリビニルピロリドン(PVP)「K-30」(製品名、日本触媒(株)製)
・水性媒体:「イオン交換水」
具体的には、50mLポリエチレン製密閉容器に、所定量の顔料、顔料分散剤、及び水性媒体を、表2の配合組成(g)で仕込んだ後、直径0.5mmのZrビーズYTZ-0.5(製品名、(株)ニッカトー製)10gを更に加え、ペイントコンディショナーにより分散した。分散時間は一律2時間とした。
なお、表2の配合組成(g)の数値は実際の仕込み量(g)である。
・No.1-1~No.1-9(顔料濃度10質量%)の材料仕込み量は合計10.00g
・No.2-1~No.2-9(顔料濃度15質量%)の材料仕込み量は合計6.67g
・No.3-1~No.3-9(顔料濃度20質量%)の材料仕込み量は合計5.00g
得られた評価用顔料分散体の体積平均粒径を以下の方法により測定した。結果を表2に示した。
・測定装置:マイクロトラックMT3000II(マイクロトラック・ベル社製)
・測定溶媒:水
・溶媒屈折率:1.333
・存在比率:体積基準
・粒子透過性:透過
・粒子形状:非球形
・粒子屈折率:1.81
・解析モード:ロジン・ラムラー分布(±2σ)(装置付属ソフト:DMS ver.11.0.0-246V)
得られた体積平均粒径の値を用い、以下の式(2)により、粒子の表総面積値(TSA)を求めた。結果を表2に示した。
式(2)中、Ψpは、粒子体積比を意味し、下記式(3)で表される。
式(3)中、Cpは、評価用分散体における第1の顔料の濃度を表す。
式(3)中、ρwは、第1の水性媒体の密度(イオン交換水の場合、1.0g/cm3)を表す。
得られた評価用顔料分散体について、パルスNMR測定を以下の条件で行った。また、以下の式(1)により、Rspを求めた。結果を表2に示した。
・測定装置:Acron Area(XiGo Nanotools社製)
・パルス系列:CPMG法
・共鳴周波数:13MHz
・測定温度:30℃
・測定試料:1.0cm3
ここで、顔料を含有しないブランク溶液は、以下の方法で調製した。
以下の表2に記載の配合組成で顔料分散剤と水性媒体とを混合し、顔料分散剤を水性媒体に溶解させることで、顔料を含有しないブランク溶液を得た。
表2及び図1の結果から、顔料濃度10質量%では、組成質量比(R/P)が0.3の時にTSAは極大値を示した。顔料濃度15質量%では、組成質量比(R/P)が0.3の時にTSAは極大値を示した。顔料濃度20質量%では、組成質量比(R/P)が0.4の時にTSAは極大値を示した。
図2では、図1のような、山形の曲線は得られなかった。このことから、組成質量比を求める際に、親水化度の指標と、粒子の総表面積の指標とを用いることが適当であることが確認された。
評価用分散体の顔料分散安定性を以下の評価方法で評価した。結果を表3に示した。
供試サンプルをポリエチレン容器に密封し、60℃雰囲気下に30日間保存し、保存前と保存後の平均粒子径(D50)を、以下の平均粒子径測定方法に従って測定した。また同様に、保存前と保存後の評価用分散体の粘度を、以下の粘度測定方法に従って測定した。
動的光散乱式ナノトラック粒度分析計UPA-150EX(日機装株式会社製)用いて、測定(供試サンプル温度25℃)した。粒子径の値として、体積平均粒子径(Mv)、50%粒子径(D50)を用いた。
保存前後の変動比(=(保存後の測定値)/(保存前の測定値)×100(%))
<<評価基準>>
・〇:保存前後の平均粒子径(D50)および粘度の変化が、両方とも20%未満
・×:保存前後の平均粒子径(D50)および粘度の変化が、少なくとも一方が20%以上
以下の材料について、本明細書に記載の方法でハンセン溶解度パラメータを求めた。結果を表4に示した。
<材料>
・顔料:三菱カーボンブラック「#960」(製品名、三菱ケミカル(株))
・顔料:三菱カーボンブラック R(製品名、三菱ケミカル(株))
・顔料分散剤:ポリビニルピロリドン(PVP)「K-30」(製品名、日本触媒(株)製)
・顔料分散剤:アクリディックWML542(製品名、DIC株式会社、スチレンアクリル樹脂、酸価=170mgKOH/g)
・顔料分散剤:ARFON UH-2170(製品名、東亜合成株式会社)
以下の原材料を用いて、水性顔料分散体を調製した。
・顔料:三菱カーボンブラック「#960」(製品名、三菱ケミカル(株))
・顔料分散剤:アクリディックWML542(製品名、DIC株式会社、スチレンアクリル樹脂、酸価=170mgKOH/g)の理論値100%中和物(中和剤:水酸化カリウム)
・水性媒体:「イオン交換水」
具体的には、50mLポリエチレン製密閉容器に、所定量の顔料、顔料分散剤、及び水性媒体を、表5の配合組成(g)で仕込んだ後、直径0.5mmのZrビーズYTZ-0.5(製品名、(株)ニッカトー製)10gを更に加え、ペイントコンディショナーにより分散した。分散時間は一律2時間とした。
以下の原材料を用いて、水性顔料分散体の調製1と同様の方法で水性顔料分散体を調製しようとしたが、分散不良のため、分散体が得られなかった。
・顔料:三菱カーボンブラック R(製品名、三菱ケミカル(株))
・顔料分散剤:ARFON UH-2170(製品名、東亜合成株式会社)
・水性媒体:「イオン交換水」
Claims (7)
- 第2の顔料と第2の顔料分散剤と第2の水性媒体とを含有する水性顔料分散体の製造方法であって、
第1の顔料と第1の顔料分散剤としてのポリビニルピロリドンと第1の水性媒体とを含有し、前記第1の顔料に対する前記第1の顔料分散剤の組成比率が異なる複数の評価用分散体を用意する工程と、
前記複数の評価用分散体のそれぞれについて、パルスNMR測定によりT2緩和時間を求め、前記T2緩和時間の逆数に基づいて親水化度の指標を得る工程と、
前記複数の評価用分散体のそれぞれについて、粒子の体積平均粒径の測定を行い、前記粒子の総表面積の指標を得る工程と、
前記親水化度の指標を横軸とし、前記粒子の総表面積の指標を縦軸としたときの、前記親水化度の指標、前記粒子の総表面積の指標、及び前記組成比率の関係を示すグラフにおいて前記粒子の総表面積の指標が極大値をとるときの、前記第1の顔料に対する前記第1の顔料分散剤の組成質量比率(R/P)の±0.2以下の範囲を、前記水性顔料分散体における前記第2の顔料に対する前記第2の顔料分散剤の組成質量比率として決定する工程と、
前記決定した組成質量比率に従って前記第2の顔料と前記第2の顔料分散剤と前記第2の水性媒体とを混合する工程と、
を含み、
前記第2の顔料のハンセン溶解度パラメータが、前記第1の顔料のハンセン溶解度パラメータの±3(J/cm3)1/2以下であり、
前記第2の顔料分散剤のハンセン溶解度パラメータが、前記第1の顔料分散剤のハンセン溶解度パラメータの±5(J/cm3)1/2以下であり、
前記第2の水性媒体のハンセン溶解度パラメータが、前記第1の水性媒体のハンセン溶解度パラメータの±3(J/cm3)1/2以下であり、
前記第2の顔料分散剤と前記第1の顔料分散剤とは異なるものであり、
前記第2の水性媒体と前記第1の水性媒体とが同一である、
ことを特徴とする水性顔料分散体の製造方法。 - 前記親水化度の指標を得る工程が、前記複数の評価用分散体の中の1つの評価用分散体における前記第1の顔料分散剤と前記第1の水性媒体との組成比率と同じ組成比率を有しかつ前記第1の顔料を含有しないブランク溶液について、前記パルスNMR測定によりT2緩和時間を求め、前記1つの評価用水分散体の前記T2緩和時間の逆数及び前記ブランク溶液の前記T2緩和時間の逆数から、下記式(1)により、前記親水化度の指標である親水化度の指標(Rsp)を得ることを、前記複数の評価用分散体のそれぞれについて行う処理を含む、
請求項1に記載の水性顔料分散体の製造方法。
前記式(1)中、Ravは、前記1つの評価用水分散体の前記T2緩和時間の逆数を表し、Rbは、前記ブランク溶液の前記T2緩和時間の逆数を表す。 - 前記粒子の総表面積の指標が、前記粒子の体積平均粒径の逆数と正比例する値である請求項1~2のいずれかに記載の水性顔料分散体の製造方法。
- 請求項1~4のいずれかに記載の水性顔料分散体の製造方法により水性顔料分散体を製造する工程と、
前記水性顔料分散体と、バインダー樹脂と、第3の水性媒体とを混合する工程と、
を含むことを特徴とする水性インクの製造方法。 - 第2の顔料と第2の顔料分散剤と第2の水性媒体とを含有する水性顔料分散体における前記第2の顔料と前記第2の顔料分散剤と前記第2の水性媒体との組成比率を決定する水性顔料分散体の設計方法であって、
第1の顔料と第1の顔料分散剤としてのポリビニルピロリドンと第1の水性媒体とを含有し、前記第1の顔料に対する前記第1の顔料分散剤の組成比率が異なる複数の評価用分散体を用意する工程と、
前記複数の評価用分散体のそれぞれについて、パルスNMR測定によりT2緩和時間を求め、前記T2緩和時間の逆数に基づいて親水化度の指標を得る工程と、
前記複数の評価用分散体のそれぞれについて、粒子の体積平均粒径の測定を行い、前記粒子の総表面積の指標を得る工程と、
前記親水化度の指標を横軸とし、前記粒子の総表面積の指標を縦軸としたときの、前記親水化度の指標、前記粒子の総表面積の指標、及び前記組成比率の関係を示すグラフにおいて前記粒子の総表面積の指標が極大値をとるときの、前記第1の顔料に対する前記第1の顔料分散剤の組成質量比率(R/P)の±0.2以下の範囲を、前記水性顔料分散体における前記第2の顔料に対する前記第2の顔料分散剤の組成質量比率として決定する第1の工程と、
前記決定した組成質量比率に従って前記水性顔料分散体における前記第2の顔料と前記第2の顔料分散剤と前記第2の水性媒体との組成比率を決定する第2の工程と、
を含み、
前記第2の顔料のハンセン溶解度パラメータが、前記第1の顔料のハンセン溶解度パラメータの±3(J/cm3)1/2以下であり、
前記第2の顔料分散剤のハンセン溶解度パラメータが、前記第1の顔料分散剤のハンセン溶解度パラメータの±5(J/cm3)1/2以下であり、
前記第2の水性媒体のハンセン溶解度パラメータが、前記第1の水性媒体のハンセン溶解度パラメータの±3(J/cm3)1/2以下であり、
前記第2の顔料分散剤と前記第1の顔料分散剤とは異なるものであり、
前記第2の水性媒体と前記第1の水性媒体とが同一である、
ことを特徴とする水性顔料分散体の設計方法。 - 請求項6に記載の水性顔料分散体の設計方法を用いて前記第2の顔料と前記第2の顔料分散剤と前記第2の水性媒体とを含有する水性顔料分散体を設計する工程と、
前記設計された水性顔料分散体と、バインダー樹脂と、第3の水性媒体との組成比率を決定する工程と、
を含むことを特徴とする水性インクの設計方法。
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