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JP7553366B2 - 判断支援システム、放射線治療システム及び判断支援システムにおける判断支援方法 - Google Patents
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判断支援システム、放射線治療システム及び判断支援システムにおける判断支援方法 Download PDF

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Description

本発明は、判断支援システム、放射線治療システム及び判断支援システムにおける判断支援方法に関する。
本発明は、好ましくは、治療中の患者の体内構造変化に対応するアダプティブ治療の判断支援機能を備えた放射線治療システムに関する。
放射線治療の目的は、患者体内の標的に集中した放射線を照射して治療することである。標的への線量集中性が向上すると標的周辺の臓器に対する線量が低減され副作用が低減できる。
放射線治療ではどの方向からどれだけの量を照射するかといった放射線照射方法をシミュレーションで決定する治療計画を実施し、その後、複数の日数に渡り照射を行う。治療計画時と照射の間には日にちが経つため、患者体内の構造は変化しうる。この構造変化に伴い、同じ照射方法で照射しても標的、及び、周辺臓器への線量は日々変化しうる。治療計画ではこの変化をあらかじめ見込んで標的・周辺臓器の線量を評価し、照射方法を決定している。一般的に変化が生じても標的に所望の線量が照射されるように、標的そのものよりも広い領域に対して照射するように計画する。
この患者の変化を照射直前に計測し、変化に適応して照射方法を調整出来れば、より標的に集中した線量が実現できると考えられる。これをアダプティブ治療と呼ぶ。このアダプティブ治療を、照射当日に撮影した画像に対し、患者を治療ベッドに寝かせたまま照射方法を調整し、照射することをオンラインアダプティブ治療と呼ぶが、これが実現すれば日々の構造変化に適応した高精度な治療が可能となる。
このオンラインアダプティブ治療を実行するためには、患者が治療ベッドに寝て待っている時間内に、構造変化の把握・計画の修正・検証を実行する必要があり、それぞれを高速に実行可能なソフトウェアと、その時々で必要となる判断を迅速にこなす熟練した操作者が必要となる。このオンラインアダプティブ治療が様々な病院で受け入れられるようになるためには、この治療中の迅速な判断や操作を支援する仕組みが必要である。
治療中の判断・操作を支援する方法は、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1には「アダプティブ放射線治療についての自動ワークフローであって、計画された治療を表す情報を含む指示のセットを取得する手順と、指示のセットを用いて段階的に患者のモデルの生成、及び、患者モデルに対する第1及び第2の治療計画生成という一連の自動化されたステップと、現在の治療セッションに適した治療計画を選択する手順を含む」と記載されている。
米国特許出願公開第2020/0121951号明細書
特許文献1に記載の自動ワークフローを用いることで、予め作成された指示に基づき治療中は自動的に操作が行われて、迅速な治療が可能となる。しかし、自動操作が行われても、自動的に設定されたパラメータにより作成または選択された結果が、治療に適したものなのか判断し、次の操作に移るかどうかは決定するには、専門家の知見が必要となる。このような判断は、専門的な知見を必要とし、経験豊富なスタッフを持たない病院では困難である。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたもので、放射線治療のアダプティブ治療について経験の少ないスタッフの病院においても、治療中の判断・操作を支援することが可能な判断支援システム、放射線治療システム及び判断支援システムにおける判断支援方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、 判断支援システムは、治療中に評価する判断指標と判断基準値の組からなる判断支援データの入力を受け入れ、放射線照射治療の標的ごとに使用する判断支援データの選択入力を受け入れ、治療日に標的を含む所定領域を撮影する撮像装置により撮影された所定領域の画像に対して判断指標の値を計算し、判断指標の値と判断基準値とを比較して表示する。
本発明によれば、放射線治療のアダプティブ治療について経験の少ないスタッフの病院においても、治療中の判断・操作を支援することが可能となる。
実施例1に係る放射線治療システムの概略構成を示す図である。 実施例1に係る放射線治療システムにおける構造変化の判断支援データの一例を示す図である。 実施例1に係る放射線治療システムにおける構造変化の判断支援データの他の例を示す図である。 実施例1に係る放射線治療システムにおける再計画の判断支援データの一例を示す図である。 実施例1に係る放射線治療システムにおける治療計画評価の判断支援データの一例を示す図である。 実施例1に係る放射線治療システムの動作を示すフローチャートである。 実施例1に係る放射線治療システムの位置決め動作を示すフローチャートである。 実施例1に係る放射線治療システムの輪郭作成要否判断動作を示すフローチャートである。 実施例1に係る放射線治療システムの輪郭作成・検証動作を示すフローチャートである。 実施例1に係る放射線治療システムの治療計画選択動作を示すフローチャートである。 実施例1に係る放射線治療システムの治療計画評価動作を示すフローチャートである。 実施例1に係る放射線治療システムの放射線照射動作を示すフローチャートである。 実施例1に係る放射線治療システムの輪郭作成要否判断動作において表示される判断支援データの一例を示す図である。 実施例1に係る放射線治療システムの輪郭作成・検証動作において表示される判断支援データの一例を示す図である。 実施例1に係る放射線治療システムの治療計画選択動作において表示される判断支援データの一例を示す図である。 実施例1に係る放射線治療システムの治療計画評価動作において表示される判断支援データの一例を示す図である。 実施例1に係る放射線治療システムの動作を示すフローチャートである。 実施例1に係る放射線治療システムにおけるモニタの表示例を示す図である。 実施例1に係る放射線治療システムの概略構成を示す図である。 実施例1に係る放射線治療システムの動作を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がな されている。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
なお、実施形態を説明する図において、同一の機能を有する箇所には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
同一あるいは同様な機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。ただし、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
実施例1を図1~図18を参照して説明する。
図1は実施例1における放射線治療システムの概略構成を示す図である。
本実施例の放射線治療システムは、被検体(患者)1を支持するベッド2と、被検体1を治療時に撮影する撮影装置3と、被検体に治療用の放射線を照射する治療放射線照射装置4とを備える。
通常の放射線治療では、被検体1はベッド2に固定され、撮影装置3により体内の構造を撮影し、その画像を参照してベッド2を移動させ、被検体1を計画された位置に移動させる。その後、治療放射線照射装置4から治療放射線を照射し、被検体中の標的5に対し放射線を照射する。
ここで、被検体1の位置を含む放射線を照射する治療計画は、治療開始前に治療計画装置10にてオペレータ11が作成する。治療計画装置10を操作するオペレータ11は、放射線治療を行う医者であってもよいし、放射線技師等であってもよい。治療計画装置10では、撮影装置3、又は病院の別の撮影装置により撮影された被検体の画像を用い、体内の構造を把握したうえで、標的5及び周辺の臓器に対する線量分布をシミュレーションで評価しつつ治療放射線の照射方法を含む治療計画を作成する。作成された治療計画を用いて、計画された位置に被検体1を設置し、治療放射線照射装置4により放射線を照射することで、計画通りの線量が標的5に照射され、また、周辺臓器に対しては計画通りの線量に抑えることができる。
この一連のフローにおいて、治療計画から複数日に渡る治療日の最終日までの間で患者体内の構造変化が生じる。最初に作成した治療計画を初日から最終日まで使用する従来の治療の治療計画においては、この構造変化を予め想定し、構造変化が起きたとしても標的に所望の線量が照射されるように、標的そのものよりも広い領域に対して照射するように計画する。これにより、最初に作成された治療計画通りに治療最終日まで照射しても標的に所望の線量を付与することが可能となる。
一方で、治療日において、患者体内の構造を把握し直し、それに伴って治療計画を修正または新たに作成するアダプティブ治療を実施すれば、構造変化を見込んだ広い範囲への照射が不要となり、周辺臓器への線量をさらに低減可能である。
アダプティブ治療を実現するためには、治療日に迅速に計画を修正する必要があるため、治療室6に隣接し、治療装置を制御するための治療制御室13において、治療計画修正の作業が行われる。続いて、治療制御室13に行われる作業の概略を説明する。なお、治療計画の修正または再作成を、以後、再計画と呼ぶことがある。
まず、撮影装置3で撮影された画像がネットワークを介して患者構造変化認識装置14に送られる。患者構造変化認識装置14では、撮影されたばかりの被検体画像と、治療計画時、又は、その後の治療日で計画を修正した時点での被検体画像とを比較し、被検体の構造変化を認識し、変化後の各臓器の輪郭を生成する。この構造変化の認識、及び、各臓器の輪郭生成には、非剛体レジストレーションの手法を用いても良いし、セグメンテーションの手法を用いても良いし、またそれらの複合的な手法を用いても良い。
構造変化情報、及び、生成された各臓器の輪郭情報は、モニタ12に表示され、オペレータ11が目視により確認する。確認した情報が正しければ承認操作を行い、誤っていれば、手動で修正を行う。この承認作業は、どの程度の構造変化を許容できるかなど、オペレータ11には専門的な知識が必要とされる。承認された構造変化情報や各臓器の輪郭情報と撮影された画像情報は治療計画装置10に送信される。又は、同一のコンピュータ上のソフトウェアである場合には、記憶媒体経由で情報が伝達される。
治療計画装置10では、新たに得られた画像、輪郭情報等を用いて、計画で定められた照射方法により照射を実施した場合の線量分布を求める。得られた線量分布に対し、上記輪郭情報を用いて各臓器の線量評価指標を計算する。線量の指標としては、最大・最小線量、線量平坦度、DVH(Dose Volume Histogram)と呼ばれる指標が良く用いられる。これらの指標から照射の修正の要否をオペレータ11が判断する。
この時、治療計画で想定された治療効果が得られるかどうかが判断の基準となるが、線量評価指標から治療効果を予測するには膨大な知識・経験が必要である。判断の結果、再計画が不要であれば、そのまま照射に移行し、治療放射線照射装置4にて照射を行う。一方、再計画が必要な場合、治療計画時に設定した各臓器への線量目標を満たすように照射方法を最適化し直す。
X線治療のIMRT(Intensity Modulated Radiation Therapy)やVMAT(Volumetric Modulated Arc Therapy)、粒子線治療のスキャニング照射等の照射法では、線量目標をできる限り満たすように照射方法を自動的に決定する機能が備わっている。この時全ての線量目標が満たされれば良いが、満たされない場合、どのような優先順位で線量目標を満たすのか、どのように線量分布を修正するのかには、治療計画時と同様の高度な判断が必要となり、アダプティブ治療、特にオンラインアダプティブ治療の迅速性が求められる中での判断には豊富な経験が必要である。必要な照射方法の修正が完了するとオペレータ11は承認操作を行う。
承認された治療計画情報は、治療計画検証装置15に送信される。治療計画検証装置15では、治療計画装置10で計算された線量分布が妥当かどうかを検証する。通常の治療においては、この検証作業は実際の治療放射線の照射を伴う照射試験により実施される。しかしながら、オンラインアダプティブ治療では、治療室6内に被検体1がいる状態で実施する必要があるため、照射試験は実施できない。替わりに別の計算手法で求めた線量分布と比較する、独立検証と呼ばれる方法が用いられる場合がある。独立検証の場合には、別手法によって求められた線量分布と最適化し直した分布を比較する。
この比較において一致する場合には問題ないが、不一致が起きた場合、それが治療可能な範囲内なのかをその場で判断する必要がある。その違いが何によって生じ、それが許容範囲内なのかは場合場合によって異なるため、豊富な経験による判断が必要となる。許容範囲内と判断した場合にはオペレータ11は承認作業を行う。
上記の流れによって、承認された再計画ずみの照射方法データが作成される。これら全体の操作から最終的に、元の計画データを用いるか、再計画データを用いるかを総合的に判断して、どちらのデータで照射するかオペレータ11が判断して、承認操作し最終的に照射に移行する。
本実施例において、治療計画装置10、患者構造変化認識装置14、及び治療計画検証装置15は、各種情報処理が可能な装置、一例としてコンピュータ等の情報処理装置から構成される。情報処理装置は、演算素子、記憶媒体及び通信インターフェースを有し、さらに、必要に応じてマウス、キーボード等の入力部、ディスプレイ等の表示部を有する。
演算素子は、例えばCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等である。記憶媒体は、例えばHDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶媒体、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)などの半導体記憶媒体等を有する。また、DVD(Digital Versatile Disk)等の光ディスク及び光ディスクドライブの組み合わせも記憶媒体として用いられる。その他、磁気テープメディアなどの公知の記憶媒体も記憶媒体として用いられる。
記憶媒体には、ファームウェアなどのプログラムが格納されている。治療計画装置10等の動作開始時(例えば電源投入時)にファームウェア等のプログラムをこの記憶媒体から読み出して実行し、治療計画装置10等の全体制御を行う。また、記憶媒体には、プログラム以外にも、治療計画装置10等の各処理に必要なデータ等が格納されている。
なお、本実施例の治療計画装置10等は、それぞれ、情報処理装置が通信ネットワークを介して通信可能に構成された、いわゆるクラウドにより構成されてもよい。
本実施例では、オペレータ11が要所要所で行う判断を支援するために、判断支援データ入力装置20を備える。
判断支援データ入力装置20は、治療施設外から治療施設内へ判断支援データを取り込む機能を持つ。他の経験豊富なスタッフを擁する施設で作成された判断支援データを治療施設内で使用することを可能とする。
判断支援データは、図2~図5を参照して後に詳述するように、治療部位毎、治療方針毎に分類された判断支援情報のセットであり、治療法に必要な治療装置の機能情報、輪郭生成後の成否判断に必要な輪郭判断指標、再計画時に必要な各部位の線量評価指標情報・各指標の基準値・優先度、線量評価時に必要な線量評価指標情報・各指標の基準値・優先度を含む。
輪郭作成時の構造変化判断指標は、各部位(標的)ごとの体積変化率、輪郭変形率等である。再計画の判断に必要な線量評価指標は、低線量領域、高線量領域の線量、平均線量、DVH指標等である。DVH指標は、例えば、95%以上の体積に照射された最低線量や、処方線量の20%以上が照射される体積といった値で指定される。治療計画の評価時に使用される指標は、例えば再計画時の分布の一致度、標的のDVHに対する処方の達成度の変化、周辺臓器のDVHに対する処方の達成度の変化等が用いられる。分布の一致度としては、例えばγインデックスと呼ばれる指標を用いることができ、二つの線量分布を小片にわけ、定められた移動量内に定められた差異の線量を持つ小片がどれくらいの割合かで評価する。
判断支援データについて図2~図5を参照してより詳細に説明する。
判断支援データは、判断指標、判断基準値から構成される。また、判断指標毎に、必要性または指標の優先度をつけてもいい。
判断支援データは、病院や医師、患者の属性(大人、子供、肥満、やせ型、男性、女性など)、腫瘍の部位(肝臓、すい臓、肺など。さらには、肺を右上葉、右中葉等に分けるなど臓器中の腫瘍の位置ごとにさらに細分化してもよい)、治療方針ごとに作成され、格納されており、治療を行うオペレータ11は中から好適なものを選択できる。
判断基準値は、○○%や○○mmと示されているが、入力する医師や病院ごとに最適な表示方法を選ぶことができ、判断の基準を示していれば、これに限定されない。
構造変化の判断支援データの一例を図2及び図3に示す。
構造変化の判断支援データの判断指標としては、例えば、標的の形状変化率、周辺臓器の形状変化率、体表から標的までの深さ変化率などが用いられる。このうち、標的の形状変化率と周辺臓器の形状変化率とは、必須の項目である。ここでいう変化率とは、標的の形状変化率は治療計画作成時に撮像したときから、治療時に撮像したとき(たとえば後述する図7のS15での撮影)への変化率である。
標的の形状変化率としては、例えば、標的の体積の変化率や、Jaccard係数またはDice係数などで示される標的の体積一致度が用いられる。標的形状の変化が大きい場合、標的に対する放射線の照射量や分布が当初の計画とずれてしまう可能性が高くなる。そのため、当初の計画のまま照射を行うには、標的の形状変化率が判断基準値以下であることが望ましい。また、体積の変化率の他に、輪郭線の長さの変化率等の輪郭の変化率を使用してもよい。
周辺臓器の形状変化率としては、例えば、周辺臓器の体積の変化率や、Jaccard係数またはDice係数などで示される周辺臓器の体積一致度が用いられる。周辺臓器の形状の変化が大きい場合、周辺臓器に対して当初の計画以上の放射線が照射されてしあう可能性がでてくる。そのため、当初の計画のまま照射を行うには、周辺臓器の形状変化率が判断基準値以下であることが望ましい。また、体積の変化率の他に、輪郭線の長さの変化率等の輪郭の変化率を使用してもよい。
体表から標的までの深さ変化率としては、例えば、水等価厚の変化率が用いられる。照射する放射線が粒子線の場合、照射するビームのエネルギーの大きさによって、最大線量を放出する深さ方向の位置が異なってくる。そのため、標的までの深さ方向の距離や水等価厚が変化すれば、計画した線量や分布と深さ方向でずれが生じてしまう。そのため、当初の計画のまま照射を行うには、体表から標的までの深さの変化率が判断基準値以下であることが望ましい。
標的の形状変化率、周辺臓器の形状変化率、体表から標的までの深さ変化率など、当初の計画通りに放射線を照射するには、どの指標を用いてどの範囲まで許容できるのかの判断は、医師の経験によるところが大きい。本実施例では、この判断指標をあらかじめ取得して、表示することにより、判断を適正化、迅速化でき、高精度・短時間の治療を可能とする。
再計画の判断支援データの一例を図4に示す。
再計画の判断支援データの判断指標としては、例えば、標的5の低線量領域の線量、周辺臓器の高線量領域の線量、周辺臓器と飛程終端との距離の変化、標的5のDVHに対する処方の達成度の変化、周辺臓器のDVHに対する処方の達成度の変化、等が用いられる。
標的5に対しては、再計画の作成前に指定された処方線量が標的全体にわたって一様に照射されることが理想である。しかし、危険臓器の位置や照射角度等の制限から完全に一様にすることは難しい。しかし、標的5内の低線量領域の線量は、処方線量の基準値以上の線量であることが望ましい。そこで、本実施例では、たとえば、処方線量の90%以上と定めている。
標的5に線量を集中させ、正常な周辺臓器への照射される線量は抑える必要がある。そのため、周辺臓器の高線量領域の線量は、制約線量の基準値以下であることが望ましい。そこで、本実施例では、たとえば、基準値は制約線量の110%以下と定めている。
また、周辺臓器と飛程終端との距離の変化は、放射線として粒子線を用いる場合、周辺臓器への線量を抑制するため、周辺臓器と飛程終端との距離が所定の距離以上保たれるように治療計画を立てる。この距離が計画時から変化し、近づきすぎていないか判定する。
標的5のDVHに対する処方の達成度として、たとえば、D○○という指標が用いられる。これは標的5の体積○○%をカバーする最低線量のことで、D95=60Gyならば、標的5の体積の95%に60Gy以上の線量が処方されることを示している。
このD95=60Gyは、治療計画の作成前に指定され、この指標を満たすように治療計画が作成される。すなわち、標的に十分な量の線量が照射される必要があるため、再計画時の達成度の変化は、基準値以上の値であることが望ましい。すなわち、計画時がD95=60Gyであり、基準値が5%以下ならば、標的5の体積の95%処方されている線量の変化が5%以内、すなわちD95=57~63Gyならば基準クリアとなる。
周辺臓器のDVHに対する処方の達成度として、たとえば、平均線量が用いられる。周辺臓器、例えばすい臓、に処方される平均の線量が10Gy以下のように、治療計画の作成前に平均線量の制約値が指定され、この指標を満たすように治療計画が作成される。周辺臓器への線量は低いことが望ましいため、再計画時の達成度の変化は、基準値以下であることが望ましい。
治療計画評価の判断支援データの一例を図5に示す。
治療計画評価の判断支援データの判断指標としては、再計画時の分布の一致度、標的の低線量領域の線量、周辺臓器の高線量領域の線量、標的のDVHに対する処方の達成度の変化、周辺臓器のDVHに対する処方の達成度の変化、等が用いられる。再計画時の分布の一致度としては、ガンマ解析のパス率などが用いられる。
なお、一般の治療計画装置10において外部からデータを導入して治療計画を作成することは既知である。本実施例では、これに加えて、外部から判断支援データを導入することに特徴がある。より具体的には、構造変化の計算において、撮影されたばかりの被検体画像と、治療計画時、又は、その後の治療日で計画を修正した時点での被検体画像とを取り込むことは既知であるが、どの程度の構造変化を許容できるか、判断指標と基準値を導入することが特徴である。また、再計画において、達成すべきDVHの値をデータとして取り込み、治療計画を修正または再作成することは既知である。一方、再作後の治療計画である再計画に対して、所望の線量をその程度達成しているか、その判断指標と基準値を導入することが特徴である。また、治療計画評価の判断においても、所望の線量をその程度達成しているか、その判断指標と基準値を導入することが特徴である。
施設内に取り込まれた判断支援データは、判断支援データベース21に保存される。オペレータ11は治療開始時にこの判断支援データベース21にアクセスし、治療する被検体に適合する判断支援データのセットを選択する。選択された判断支援データのセットは、患者構造変化認識装置14、治療計画装置10、治療計画検証装置15にそれぞれ送信される。
各々の装置は、判断指標の種類・優先度・基準値を表示し、治療日におけるそれらの値を計算し、モニタ12に表示する。図18に示すように、モニタ12の表示画面40では、判断指標41、判断基準値42、計算された判断43が表示され、判断基準値42と判断指標値43の比較から達成度44を表示している。
それを見て、オペレータ11は判断し、承認操作を行う。判断において、参照すべき項目とそれらの優先度や基準値が表示されているため、治療日の値が基準値を満たしているか、また満たしていない場合、優先度の高いものから満たされているかを参照することが可能となり、判断が容易となる。
以上のシステムは、患者構造変化認識装置14、治療計画装置10、治療計画検証装置15が各々別のハードウェアに実装され、ネットワークで連携しているシステムについて説明したが、共通のコンピュータ上にソフトウェアとして実装されていてもよい。
次に、図6~図12のフローチャートを参照して、本実施例の放射線治療システムの動作について説明する。
図6は、実施例1に係る放射線治療システムの動作を示すフローチャートであり、より詳細には、本実施例の放射線治療システムによるオンラインアダプティブ放射線治療の流れを示すフローチャートである。
まず、S0では、オペレータ11が、判断支援データベース21から治療する患者に適した判断支援データを選択する。ここで、判断支援データを作成した病院や患者の特性、がんの部位などから、構造変化の判断支援データ、再計画の判断支援データ、治療計画評価の判断支援データを一括で選択してもよい。また、構造変化の判断支援データ、再計画の判断支援データ、治療計画評価の判断支援データ、それぞれを個別にオペレータが選択してもよい。
次いで、判断支援データベース21は、オペレータ11により選択された判断支援データを患者構造変化認識装置14、治療計画装置10、治療計画検証装置15に送信する。
なお、このS0は、図6に示す全体ワークフローの開始時に実行しているが、判断支援データの選択及び/または送信は、判断支援データを表示する前であればいつでもよい。すなわち、構造変化の判断支援データの選択・送信は、図8に示すS25より前であればよく、再計画の判断支援データの選択・送信は図9に示すS47より前であればよく、治療計画評価の判断支援データの選択・送信は図10に示すS67より前であればよい。
次に、S1では、患者1がベッド2に固定され、ベッド2を移動させ、患者1を治療位置まで動かす。S2では、患者1の治療日に撮像した画像から、各臓器の輪郭の作成の要否判断が行われる。
S3では、臓器の輪郭の作成が必要な場合(S3がYes)、S4に進む。臓器の輪郭の作成が不要な場合(S3がNo)、S8に進む。
S4では、治療日に撮像した画像から、各臓器の輪郭の作成と作成した輪郭の検証が行われる。S5では、S4で作成された輪郭を用いて、治療計画の再計画が行われる。S6では、S5で再計画された治療計画の評価と、計画時に作成された治療計画と再計画された治療計画との選択が行われる。この選択で再計画された治療計画が選択されるとS7が実行され、計画時に作成された治療計画が選択されるとS7を飛ばしてS8を実行してよい。S7では、S6で評価・選択された治療計画の評価が行われる。
S8では、S7の評価結果が問題なく承認されると、承認された治療計画にしたがって、治療放射線照射装置4から放射線が患者1に照射される。このとき、放射された放射線はログとして記憶される。S9では、S8で出力されたログの評価が行われ、アダプティブワークフローで制御された一連の治療室6での放射は完了する。
図7は、実施例1に係る放射線治療システムの位置決め動作を示すフローチャートであり、図6のS1の詳細を示すフローチャートである。図7のフローチャートに示す動作は、治療放射線照射装置4に備えられた図略の位置決め装置により行われる。
まず、S11では、患者1をベッド2に固定する。患者1を固定したら、放射線の照射中心(アイソセンタ)と患部とが大まかに合うように、アイソセンタ位置を示すレーザを使い、ベッド2を移動させる。なお、撮影装置3で患者1の治療日当日の体内の状態を撮影してから患者1をベッド2に固定してもよい。また、患者1の固定後、アイソセンタに患者1を移動させる前に、撮影装置3で患者1の治療日当日の体内の状態を撮影し、その後、患者をアイソセンタ位置に移動させてもよい。
次に、S13では、アイソセンタ位置に移動した患者1の体内を撮影するため、患者1の患部位置や体型などに合った撮影のパラメータを設定する。撮影パラメータは、患者1の情報から自動で設定されてもいいし、手動で設定されてもいい。なお、撮影は、撮影装置3をアイソセンタまで移動させて撮影をしてもいいし、治療放射線照射装置4に取り付けられるなどした別の撮影装置によって撮影されてもよい。また、S11とS13の実行順序に決まりはなく、S13を先に実行してもよい。
次に、S15では、オペレータ11が撮影を指示し、撮影装置3が患者1体内を撮影する。S17では、治療計画時に撮影した画像と、S15で撮影したと画像から、患者1の患部とアイソセンタとを一致させるための移動量を計算する。S19では、オペレータ11が移動を承認すると、患者1を載せたベッド2が移動し、患者1の患部とアイソセンタとが精度よく合わさる。
図8は、実施例1に係る放射線治療システムの輪郭作成要否判断動作を示すフローチャートであり、図6のS2の詳細を示すフローチャートである。図8のフローチャートに示す動作は、患者構造変化認識装置14が実行する。
まず、S21では、治療日当日に撮影した画像から水等価厚(water equivalent Thickness:WET)を計算する。治療計画時の画像から求められる水等価厚と、治療日当日に撮影した画像から水等価厚とを比較し、水等価厚の変化ΔWETを計算する。なお、ここでは、WETを計算することを例に説明したが、他の判断指標でもよい。計算する判断指標は、構造変化の判断支援データを取得し、取得した構造変化の判断支援データに含まれる判断指標を特定し、特定した判断指標を計算するようにしてもよい。
S25では、S21で計算した結果と構造変化の判断支援データとを表示する。S25では、図13に示すように、判断指標、判断基準値、判断指標値が表示される。判断指標と判断基準値は、判断支援データから取得した値であり、判断指標値は当日計算した値である。オペレータ11が判断しやすいように、各指標の優先度も合わせて表示してもよい。判断基準値と判断指標値とを比較した結果を表示してもよい。また、判断基準値と判断指標値とを表示せずに、判断指標と比較結果のみを表示してもよい。
そして、S27では、オペレータ11は、判断支援データを参照しながら、輪郭作成の要否を選択し、入力する。
図9は、実施例1に係る放射線治療システムの輪郭作成・検証動作を示すフローチャートであり、図6のS4の詳細を示すフローチャートである。図9のフローチャートに示す動作は、患者構造変化認識装置14が実行する。
まず、S41及びS43では、撮影されたばかりの被検体画像と、治療計画時、又は、その後の治療日で計画を修正した時点での被検体画像を患者構造変化認識装置14に設定する。患者構造変化認識装置14では、撮影されたばかりの被検体画像と、治療計画時、又は、その後の治療日で計画を修正した時点での被検体画像とを比較し、被検体の構造変化を認識し、変化後の各臓器の輪郭を生成する。
この構造変化の認識、及び、各臓器(OAR(Organ at Risk)、標的、周辺臓器)の輪郭生成には、非剛体画像レジストレーション(deformable image registration:DIR)の手法を用いても良いし、セグメンテーションの手法を用いても良いし、またそれらの複合的な手法を用いても良い。ここで、構造変化の判断支援データで比較に用いる標的や周辺臓器の体積も求める。なお、ここでは、標的や周辺臓器の体積を計算することを例に説明したが、他の判断指標でもよい。計算する判断指標は、構造変化の判断支援データを取得し、取得した構造変化の判断支援データに含まれる判断指標を特定し、特定した判断指標を計算するようにしてもよい。
次に、S45では、作成した輪郭のデータを輪郭検証装置(プログラム)にセットし、輪郭が作成されているか検証する。
S47及びS49では、図14に示すように、構造変化情報、及び、生成された各臓器の輪郭情報は、モニタ12に表示され、オペレータ11が目視により確認する。確認した情報が正しければ承認操作を行い、誤っていれば、手動で修正を行う。承認された構造変化情報や各臓器の輪郭情報と撮影された画像情報は治療計画装置10に送信される。又は、同一のコンピュータ上のソフトウェアである場合には、記憶媒体経由で情報が伝達される。
なお、図9に示すフローチャートにおいて、S41~S43とS45~S49を異なる装置で実行してもよい。
図10は、実施例1に係る放射線治療システムの治療計画選択動作を示すフローチャートであり、図6のS6の詳細を示すフローチャートである。図10のフローチャートに示す動作は、治療計画検証装置15が実行する。
まず、S61では、当日に撮影した画像と計画時に作成した治療計画とを用いて、計画時に作成した治療計画で放射線を照射した場合の線量を計算する。たとえば、計画時の画像で作成された治療計画の線量分布を、当日に撮影した画像に合わせて変形させることにより求める。次に、S63では、照射角度や照射エネルギーなど、計画時とは異なる照射方法で放射線を照射した場合の新たな治療計画を作成、線量を計算する。なお、S61とS63の実行順序に決まりはなく、S63を先に実行してもよい。S61とS63の線量計算では、計画時に指定された達成すべきDVHの値を用いる、または、新たに達成すべきDVHを指定して計算がされる。
さらに、S65では、S61とS63で得られた線量に対してそれぞれ、輪郭情報を用いて各臓器の線量評価指標を計算する。線量の指標としては、最大・最小線量、線量平坦度、DVH(Dose Volume Histogram)と呼ばれる指標が良く用いられる。S0で選択した判断支援データに含まれる項目を取得し、取得した項目を計算してもよい。
S67では、図15に示すように、判断支援データに含まれる評価指標と評価基準値、S65で算出した評価指標値と、を表示する。
S69では、これらの指標から照射の修正の要否をオペレータ11が判断する。この時、治療計画で想定された治療効果が得られるかどうかが判断の基準となるが、線量評価指標から治療効果を予測するには膨大な知識・経験が必要である。判断の結果、再計画が不要であれば、そのまま照射に移行し、治療放射線照射装置4にて照射を行う。一方、再計画が必要な場合、治療計画時に設定した各臓器への線量目標を満たすように照射方法を最適化し直す。
X線治療のIMRT(Intensity Modulated Radiation Therapy)やVMAT(Volumetric Modulated Arc Therapy)、粒子線治療のスキャニング照射等の照射法では、線量目標をできる限り満たすように照射方法を自動的に決定する機能が備わっている。この時全ての線量目標が満たされれば良いが、満たされない場合、どのような優先順位で線量目標を満たすのか、どのように線量分布を修正するのかには、治療計画時と同様の高度な判断が必要となり、オンラインアダプティブ治療の迅速性が求められる中での判断には豊富な経験が必要である。必要な照射方法の修正が完了するとオペレータ11は承認操作を行う。
すなわち、治療計画時の治療計画で照射を行うか、新たに作成された(再計画された)治療計画で照射を行うか選択する。治療計画時の治療計画が選択された場合は、図6のS9に進む。再計画の資料計画が選択された場合は、図6のS7にすすみ、承認された治療計画情報は、治療計画検証装置15に送信される。
図11は、実施例1に係る放射線治療システムの治療計画評価動作を示すフローチャートであり、図6のS7の詳細を示すフローチャートである。図11のフローチャートに示す動作は、治療計画検証装置15が実行する。
治療計画検証装置15では、治療計画装置10で計算された線量分布が妥当かどうかを検証する。通常の治療においては、この検証作業は実際の治療放射線の照射を伴う照射試験により実施される。しかしながら、オンラインアダプティブ治療では、治療室6内に被検体1がいる状態で実施する必要があるため、照射試験は実施できない。替わりに別の計算手法で求めた線量分布と比較する、独立検証と呼ばれる方法が用いられる場合がある。独立検証の場合には、別手法によって求められた線量分布と最適化し直した分布を比較する。この比較において一致する場合には問題ないが、不一致が起きた場合、それが治療可能な範囲内なのかをその場で判断する必要がある。その違いが何によって生じ、それが許容範囲内なのかは場合場合によって異なるため、豊富な経験による判断が必要となる。許容範囲内と判断した場合にはオペレータ11は承認作業を行う。
まず、S71では、図10のS61で計算した当日線量とは異なるアルゴリズムで独立して、治療時の患者1の画像や各臓器の輪郭に基づいて、線量を計算する。次に、S73では、治療放射線照射装置4が、図10のS69で承認された治療計画の通りに放射線を照射するように動作するか検証を行う。なお、S71とS73とは、独立に動作してもいいし、順番が逆でもよい。
S75では、図16に示すように、S71で計算した結果と治療計画評価の判断支援データとが表示される。なお、図10に既に示しているように、この時点で判断指標は既に算出されている。そして、S77では、オペレータ11に承認された治療計画が治療放射線照射装置4に送信される。
図12は、実施例1に係る放射線治療システムの放射線照射動作を示すフローチャートであり、図6のS8、S9の詳細を示すフローチャートである。図12のフローチャートに示す動作は、S8については治療放射線照射装置4が、S9については治療計画検証装置15が実行する。
まず、S81では、オペレータ11が照射を指示すると、治療放射線照射装置4が患者1に図10のS69で承認された治療計画の通りに放射線を照射する。S83では、治療放射線照射装置4は、照射した放射線の位置や線量、装置の動作をログとして生成する。生成されたログは、治療計画検証装置15へと送信される。
S91では、治療計画検証装置15が治療計画とログとを比較し、実際に照射された放射線の位置や線量(実績線量評価)を評価する。そして、S93では、治療計画検証装置15が装置の動作が精確であったかを検証する。
図17は、実施例1に係る放射線治療システムの動作を示すフローチャートであり、本実施例の動作の要部を取り出して示すフローチャートである。
まず、S102において、予め治療前にオペレータ11が判断支援データ入力装置20を用いて判断支援データを入力する。次のS103において、判断支援データ入力装置20は、判断支援データを判断支援データベース21に保存する。
次のS104において、オペレータ11が治療する患者に適した判断支援データを選択する。次のS105において、判断支援データベース21が判断支援データを患者構造変化認識装置14、治療計画装置10、治療計画検証装置15に送信する。これらS104、105は図6のS0に対応する。
次のS106において、患者構造変化認識装置14、治療計画装置10、治療計画検証装置15が判断支援データに基づき判断指標の種類・基準値・達成度を表示する。次のステップ107において、オペレータ11が指標を確認し、承認操作を行う。以上の全てのステップで承認操作が行われると、治療放射線照射装置が治療ビームの照射を行う。これらS106、S107は、図8のS25~S27、図9のS47~S49、及び図10のS67~S69に対応する。
従って、本実施例の放射線治療システムによれば、治療中の判断に必要な適切な評価指標とその成否の基準値、優先度が与えられ、それらの達成度を確認しながら判断が可能となるため、経験の浅い操作者が短時間で適切に判断し、アダプティブ治療が可能となる。
言い換えれば、本実施例によれば、予め経験の豊富なスタッフを擁する病院において作成された判断指標や基準値を、経験の浅いスタッフを擁る病院にて治療に取り入れることが可能となり、治療中の判断を必要とする新規の治療法を迅速に取り入れることが可能となる。また、治療中の判断が適正化・迅速化されることにより、高精度・短時間の治療が可能となる。
なお、本実施例では、判断支援データ入力装置20により判断支援データを治療施設外より取り入れる例を示したが、治療施設内で作成した判断支援データを入力しても良い。また、判断支援データは実績に基づき、AI等で修正・更新されても良い。
実施例2の放射線治療システムを図19、図20を参照して説明する。
実施例1に記載の放射線治療システムに対して、実施例2の放射線治療システムでは、判断支援データ入力装置20がクラウドサーバ30に接続されており、適宜判断支援データ入力装置20がデータを取得することで、常に判断支援データベース上のデータが最新となり、また新たに開発された治療法を迅速に導入可能となる。
ここで、判断支援データには、適合する装置の要件を含んでおり、判断支援データ入力装置20が適合性を判断し、当該施設に適合する判断支援データのみ判断支援データベース21に保存することで、適さないデータを活用した照射を防ぐことが可能となり、迅速に治療データを導入可能となる。施設への適合性の判断指標は、撮影装置の種類・性能、治療放射線照射装置の放射線照射精度、対応する照射技法等である。また、導入されたデータに対し、その施設の特徴を反映した編集を受け入れても良い。具体的には患者位置決めを特徴的な方法で高精度化したり、患者の動きを特徴的な方法で制限したりして高精度化している場合などには、判断指標の基準値を変更して高精度な治療を支援することができる。
図20は、実施例2のシステムのフロー図である。実施例1のフロー図(図17)に対して、S102及びS103がS201、S202に変更となっている。
まず、S201にて、判断支援データ入力装置20がクラウドサーバ30から判断支援データを取得する。次に、S202にて、判断支援データ入力装置20が取得した判断支援データに含まれる装置情報が当該施設に適合するデータのみ判断支援データベース21に保存する。上記データは治療対象部位や治療方法毎に分類されており、個別に適合性が判断され保存される。
従って、本実施例の放射線治療システムによっても、実施例1の放射線治療システムと同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1:被検体 2:ベッド 3:撮影装置 4:治療放射線照射装置 5:標的 6:治療室 10:治療計画装置 11:オペレータ 12:モニタ 13:治療制御室 14:患者構造変化認識装置 15:治療計画検証装置 20:判断支援データ入力装置 21:判断支援データベース 30:クラウドサーバ 40:表示画面 41:判断指標 42:判断基準値 43:判断指標値 44:達成度


Claims (11)

  1. 放射線照射治療中に評価する判断指標と判断基準値の組からなる判断支援データの入力を受け入れ、前記放射線照射治療の標的に対応する前記判断支援データの選択入力を受け入れ、当該選択入力された前記判断支援データの前記判断指標について、前記標的を含む所定領域を撮影する撮像装置により治療日に撮影された前記所定領域の画像に対して前記判断指標の値を計算し、前記判断指標の値と前記判断基準値とを比較して表示し、
    前記判断指標は、前記標的の形状変化率又は形状変化量、前記撮像装置により撮影された前記所定領域の画像内に存在する臓器の形状変化率又は形状変化量、体表から前記標的までの深さ変化率又は深さ変化量の少なくとも一つを含む、ことを特徴とする判断支援システム。
  2. 前記判断支援データを保持する判断支援データベースを有することを特徴とする請求項1に記載の判断支援システム。
  3. 前記判断指標の値の計算は、前記撮像装置により撮影された前記所定領域の画像に基づいてこの画像内に存在する臓器の輪郭作成要否の判断動作中に行うことを特徴とする請求項1に記載の判断支援システム。
  4. 前記判断指標の値の計算は、前記撮像装置により撮影された前記所定領域の画像に基づいてこの画像内に存在する臓器の輪郭作成動作中に行うことを特徴とする請求項1に記載の判断支援システム。
  5. 前記判断指標の値の計算は、前記放射線照射治療の治療再計画の評価時に行うことを特徴とする請求項1に記載の判断支援システム。
  6. 前記判断指標は、前記標的の低線量領域の線量、臓器の高線量領域の線量、前記臓器と飛程終端との距離の変化、前記標的の線量体積ヒストグラム(Dose Volume Histogram)に対する処方の達成度の変化、前記臓器の前記線量体積ヒストグラムに対する処方の達成度の変化の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項に記載の判断支援システム。
  7. 前記判断指標の値の計算は、前記放射線照射治療の治療計画評価時に行うことを特徴とする請求項1に記載の判断支援システム。
  8. 前記判断指標は、前記放射線照射治療の再計画時の分布の一致度、前記標的の低線量領域の線量、臓器の高線量領域の線量、前記標的の線量体積ヒストグラムに対する処方の達成度の変化、前記臓器の前記線量体積ヒストグラムに対する処方の達成度の変化の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項7に記載の判断支援システム。
  9. 前記判断指標の選択入力を受け入れ、前記選択入力された前記判断指標に基づいて前記判断支援データベースから前記判断支援データの入力を受け入れることを特徴とする請求項2に記載の判断支援システム。
  10. 標的を含む所定領域を撮像する撮像装置と、
    前記標的に対して放射線を照射するための放射線照射装置と、
    この放射線照射装置を制御する照射制御装置と、
    を備え、
    前記照射制御装置は、治療中に評価する判断指標と判断基準値の組からなる判断支援データの入力を受け入れ、前記標的に対応する記判断支援データの選択入力を受け入れ、当該選択入力された前記判断支援データの前記判断指標について、前記撮像装置により治療日に撮影された前記所定領域の画像に対して前記判断指標の値を計算し、前記判断指標の値と前記判断基準値とを比較して表示し、
    前記判断指標は、前記標的の形状変化率又は形状変化量、前記撮像装置により撮影された前記所定領域の画像内に存在する臓器の形状変化率又は形状変化量、体表から前記標的までの深さ変化率又は深さ変化量の少なくとも一つを含む、ことを特徴とする放射線治療システム。
  11. 判断支援システムにおける判断支援方法であって、
    前記判断支援システムは、放射線照射治療中に評価する判断指標と判断基準値の組からなる判断支援データの入力を受け入れ、前記放射線照射治療の標的に対応する前記判断支援データの選択入力を受け入れ、当該選択入力された前記判断支援データの前記判断指標について、前記標的を含む所定領域を撮影する撮像装置により治療日に撮影された前記所定領域の画像に対して前記判断指標の値を計算し、前記判断指標の値と前記判断基準値とを比較して表示し、
    前記判断指標は、前記標的の形状変化率又は形状変化量、前記撮像装置により撮影された前記所定領域の画像内に存在する臓器の形状変化率又は形状変化量、体表から前記標的までの深さ変化率又は深さ変化量の少なくとも一つを含む、ことを特徴とする判断支援システムにおける判断支援方法。
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