JP7555866B2 - バルブタイミング変更装置 - Google Patents
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Description
ここで、ベーンロータがボルトよりも軟質のアルミニウム材料等により形成される場合は、ブッシュを座金として機能させることができるものの、ベーンロータに凹状嵌合孔を設けているため、凹状嵌合孔を機械加工する分だけ高コスト化を招く。
しかしながら、この装置においては、座金を脱落しないように予め組み付けることができず、特に、ボルト及びカムシャフトを除いて、当該装置と座金を製品として提供する場合は、取り扱い上の利便性が悪く又管理コストの増加を招く。
一実施形態に係るバルブタイミング変更装置Mは、図1に示すように、内燃エンジンEのカムシャフト1に装着されるものであり、図4及び図5に示すように、ベーンロータ10、ハウジングロータ20、座金30、ベーンロータ10をハウジングロータ20に対してロックするロック機構40を備えている。
ボルトBは、硬質の鉄系金属材料により形成され、鍔付きの頭部B1、ネジ部B2、首下部B3を備えている。
油圧制御系2は、図2及び図3に示すように、ポンプから吐出される作動油の流れを制御する油圧制御弁2a、油圧制御弁2aと進角通路1bとを接続する進角側通路2b、油圧制御弁2aと遅角通路1cとを接続する遅角側通路2c、油圧制御弁2aの駆動を制御する制御手段(不図示)により構成されている。
ここでは、バルブタイミング変更装置Mにおいて、ボルトBを挿入する側を「前側」と称し、カムシャフト1を連結する側を「後側」と称する。
すなわち、座金30が当接するベーンロータ10の端面は、ハウジングロータ20の内壁面21dと接触する接触端面と同一の平面上に画定されている。
後面10bは、軸線Sに垂直な平面であり、四つのベーン部11及びハブ部12の後側の端面を画定する。そして、後面10bは、軸線Sの方向においてハウジングロータ20の内壁面22dと摺動自在に接触する接触端面として機能する。
ハブ部12は、ボルトBにより押圧されてカムシャフト1に固定される領域であり、座金30を介してボルトBが締め付けられることにより、面圧が低減され、又、ボルトBの頭部B1の回転による擦り傷等の発生が抑制ないし防止される。
貫通孔13は、ボルトBのネジ部B2及び首下部B3を非接触にて通して首下部B3の周りに作動油の通路を画定するべく、軸線Sを中心とし前面10aから後面10bまで貫通する内径Hrの円形状に形成されている。
進角通路16は、図5、図7、図15に示すように、カムシャフト1の進角通路1bに連通するべく嵌合凹部17の底面に開口して軸線Sの方向に伸長する二つの通路16a、ハブ部12の外周面に開口する四つの通路16bにより形成されている。そして、進角通路16は、進角室ACに作動油を供給し又進角室ACから作動油を排出する。
嵌合凹部17は、ベーンロータ10の後面10b側において、カムシャフト1の軸部1aの前端部を嵌合させるべく、円筒状の凹部として形成されている。
シール挿入溝18は、矩形断面をなすように形成され、ハウジングロータ20の内周面21fと摺動自在に接触するシール部材18aが嵌め込まれる。
そして、ハウジングロータ20は、ベーンロータ10を所定角度範囲において相対的に回転可能に収容する。
前側ハウジング21は、図4ないし図6、図9及び図10に示すように、開口部21a、ネジbを通す四つの円孔21b、四つのシュー部21c、内壁面21d、座金収容部21e、ベーンロータ10に取り付けられたシール部材18aが摺動自在に接触する内周面21fを備えている。
四つの円孔21bは、四つのシュー部21cの領域において、軸線Sの方向に貫通するように形成されている。
四つのシュー部21cは、円筒壁から中心(軸線S)に向かって突出すると共に周方向において等間隔に配置して形成されている。
内壁面21dは、図9に示すように、軸線Sに垂直な平面をなし、軸線Sの方向においてベーンロータ10の端面である前面10aが摺動自在に接触する。
そして、座金収容部21eは、バルブタイミング変更装置MがボルトBによりカムシャフト1に固定される前の状態において、座金30をベーンロータ10の端面(前面10a)に隣接するように保持して脱落を規制する。
具体的には、座金30が軸線Sを中心とする位置から最大に偏倚した状態であっても、座金30の円孔31の大部分が貫通孔13と対向するように移動範囲が規制される。
ここで、「貫通孔13に臨む」とは、円孔31の全体が貫通孔13と対向する状態は勿論のこと、円孔31の一部が貫通孔13と部分的に対向する状態も含む概念である。
ここでは、座金30が軸線Sを中心とする位置から最大に偏倚した状態であっても、座金30の大部分が貫通孔13と対向する形態を示したが、円孔31の全領域が貫通孔13と対向する領域から逸脱しない範囲に規制されてもよい。この場合は、ボルトBの挿入作業をより円滑に行うことができる。
また、前側ハウジング21は、ダイカスト又は焼結体として形成されているため、座金収容部21eを一体成形することができる。したがって、座金収容部を機械加工により形成する場合に比べて低コスト化を達成することができる。
嵌合内周面22bは、カムシャフト1の軸部1aに回動自在に嵌合される。
内壁面22dは、軸線Sに垂直な平面をなし、軸線Sの方向においてベーンロータ10の端面である後面10bが摺動自在に接触する。
通路22eは、嵌合穴22fに対する作動油の供給及び排出を行うべく、内壁面22dにおいて溝状にかつ進角通路16(通路16a)に連通するように形成されている。
嵌合穴22fは、内壁面22dにおいて、ロック機構40に含まれるロックピン42が嵌合し得るように形成されている。
そして、座金30は、ボルトBが締め付けられる前の状態で、ハウジングロータ20内の座金収容部21eに収容される。
これによれば、座金30がハウジングロータ20の座金収容部21eに収容された状態において、座金30が開口部21aを通り抜けて脱落するのを防止することができ、又、座金30が貫通孔13から最大に偏倚した状態であっても、円孔31を貫通孔13に臨む領域に留めるようにすることができる。
円筒ホルダ41は、コイルバネ43により付勢されたロックピン42を往復動自在に保持するべく、ベーンロータ10の取付け穴14に嵌め込まれる。
ロックピン42は、軸線Sの方向に往復動自在であり、コイルバネ43の付勢力によりベーンロータ10の後面10bから突出して後側ハウジング22の嵌合穴22fに嵌合し、又、嵌合穴22fに導かれた作動油の油圧を受けて又は通路14bを通して導かれた作動油の油圧を受けてベーンロータ10内に埋没するように形成されている。
コイルバネ43は、ベーンロータ10の後面10bからロックピン42を突出させる向きに付勢力を及ぼす。
一方、進角通路16及び通路22eを経て導かれる作動油の油圧がコイルバネ43の付勢力よりも大きくなると、ロックピン42がベーンロータ10の後面10bから没入して、ベーンロータ10のロックが解除される。また、通路14bを経て供給される作動油の油圧がコイルバネ43の付勢力よりも大きくなると、ロックの解除状態が維持される。
予め、ロック機構40が組み込まれたベーンロータ10、四つのシール部材18a、前側ハウジング21及び後側ハウジング22、座金30、四つのネジbを準備する。
先ず、前側ハウジング21の収容室が上向きになるように前側ハウジング21をセットする。そして、座金30を前側ハウジング21の座金収容部21eに配置する。この際に、座金収容部21eは円環状凹部として形成されているため、座金30を落し込むだけで容易に配置することができる。
続いて、前面10aが座金30と対向するように、ベーンロータ10を前側ハウジング21の収容室に挿入する。そして、ベーンロータ10の四つのシール挿入溝18に、それぞれシール部材18aを嵌め込む。
続いて、ベーンロータ10の後面10bを覆うように、前側ハウジング21に後側ハウジング22を対向させて接合し、四つのネジbを円孔21bに通してネジ孔22cに捩じ込み、後側ハウジング22を前側ハウジング21に結合する。
以上により、バルブタイミング変更装置Mの組付けが完了する。尚、組付け手順としては、上記の手順に限るものではなく、その他の手順で行ってもよい。
また、座金30を前側ハウジング21の座金収容部21eに配置することにより、座金30をベーンロータ10の端面(前面10a)に隣接するように保持してハウジングロータ20からの脱落を規制することができる。
したがって、バルブタイミング変更装置Mを内燃エンジンEの組立ラインに供給する際に、如何なる状態で搬送されても、座金30のガタツキを抑制し、又、座金30の脱落を防止することができる。それ故に、バルブタイミング変更装置Mを取り扱う際の利便性が向上する。
例えば、内燃エンジンEの組立ラインにおいて、カムシャフト1の軸線Sが水平となるようにセットされる場合、図11に示すように、バルブタイミング変更装置Mは、水平方向からカムシャフト1に近づけられて、ハウジングロータ20の嵌合内周面22bにカムシャフト1の軸部1aが嵌め込まれ、又、位置決めピンPが位置決め穴19に嵌合されつつ、ベーンロータ10の嵌合凹部17にカムシャフト1の軸部1aの先端部分が嵌合される。
この状態において、座金30には重力が作用するため、座金収容部21eの範囲内で軸線Sより下側に偏倚した状態に保持される。
この状態において、座金30は、軸線Sに垂直な方向において、円孔31がベーンロータ10の貫通孔13に臨む領域から逸脱しないように保持されている。
その後、ボルトBをカムシャフト1の雌ネジ穴1dに完全に捩じ込んで座金30及びベーンロータ10を締め付け、ベーンロータ10をカムシャフト1に固定する。
この装着作業においては、座金30を別途に準備する必要がなく、ボルトBを捩じ込むだけでよいため、装着作業を円滑にかつ容易に行うことができ、組立ラインにおける生産性が向上する。
特に、座金30が軸線Sを中心とする位置から最大に偏倚した状態であっても、円孔31が貫通孔13に臨む領域から逸脱しないように保持されているため、ボルトBの挿入作業を円滑に行うことができる。
内燃エンジンEが停止した状態においては、進角室AC及び遅角室RC内の作動油が排出されて、図14に示すように、ベーンロータ10は最遅角位置に位置付けられる。
また、ロック機構40のロックピン42が嵌合穴22fに嵌合して、ベーンロータ10がハウジングロータ20に対してロックされた状態にある。
これにより、内燃エンジンEの始動時には、ベーンロータ10のバタツキ等を防止しつつ、円滑に始動させることができる。
そして、内燃エンジンEの始動後は、油圧制御弁2aが適宜切り替えられて、ベーンロータ10及びカムシャフト1が進角側へ又は遅角側へあるいは所定の角度位置に保持されるように位相制御が行われる。
これにより、ベーンロータ10は、進角室AC内の作動油の油圧により、図15に示すように、ハウジングロータ20に対して時計回りに、すなわち、進角側に回転する。
これにより、ベーンロータ10は、遅角室RC内の作動油の油圧により、図16に示すように、ハウジングロータ20に対して反時計回りに、すなわち、遅角側に回転する。
尚、ベーンロータ10が最遅角位置に移動した場合、ロックピン42は嵌合穴22fに対向するが、遅角室RC内の作動油が通路14bを通してロックピン42を埋没させる方向に作用しているため、ロックピン42は嵌合穴22fに嵌合することなくロックの解除状態が維持される。
また、座金収容部21eは、軸線Sに垂直な方向において、座金30の円孔31がベーンロータ10の貫通孔13に臨む領域から逸脱しない範囲で座金30を移動自在に収容するため、カムシャフト1に当該装置Mを装着する際に、ボルトBを容易に挿入して締め付けることができ、又、装着後において座金30がハウジングロータ20と接触しないように隙間を確保して固定することができる。
さらに、座金収容部21eは、軸線Sの方向において、座金30の板厚Tよりも小さい寸法の隙間Cの範囲で座金30を移動自在に収容するため、当該装置Mを搬送する際のガタツキを抑制することができ、又、装着後において座金30がハウジングロータ20と接触しないように隙間を確保して固定することができる。
また、ハウジングロータ20が、開口部21a及び座金収容部21eを有する有底円筒状の前側ハウジング21と、外周にスプロケット22aを有し前側ハウジング21に結合される円板状の後側ハウジング22を含む構成とすることにより、座金30をハウジングロータ20内に容易に配置することができ、又、当該装置Mの組付けを容易に行うことができる。
さらに、前側ハウジング21がダイカスト又は焼結体として形成されることにより、座金収容部21eを一体成形することができ、機械加工により形成する場合に比べて、低コスト化を達成することができる。
上記実施形態においては、座金収容部として円環状凹部をなす座金収容部21eを示したが、これに限定されるものではなく、座金30をベーンロータ10の端面(前面10a)に隣接するように保持して脱落を規制するものであれば、その他の形態をなす座金収容部を採用してもよい。
上記実施形態においては、ハウジングロータ20の開口部として円形状の開口部21aを示したが、これに限定されるものではなく、ボルトBの挿入が可能でかつ座金の脱落を防止できるものであれば、その他の形態をなす開口部を採用してもよい。
S 軸線
B ボルト
B1 頭部
M バルブタイミング変更装置
10 ベーンロータ
10a 前面(端面、接触端面)
13 貫通孔
20 ハウジングロータ
21 前側ハウジング(ハウジングロータ)
21a 開口部
21d 内壁面
21e 座金収容部
22 後側ハウジング(ハウジングロータ)
22a スプロケット
30 座金
31 円孔
40 ロック機構
Claims (7)
- カムシャフトにより駆動される吸気バルブ又は排気バルブの開閉タイミングを変更するバルブタイミング変更装置であって、
前記カムシャフトと一体的に回転するべく固定されるベーンロータと、
前記ベーンロータを収容すると共に前記カムシャフトの軸線回りに前記ベーンロータに対して所定角度範囲を相対的に回転可能なハウジングロータと、
前記ベーンロータを前記カムシャフトに固定するボルトを締め付ける際に、前記ベーンロータの端面と前記ボルトの頭部の間に介在させる座金と、を備え、
前記ハウジングロータは、前記ボルトを通すべく前記軸線を中心とする円形状の開口部と、前記座金を前記ベーンロータの端面に隣接するように保持して脱落を規制する座金収容部を含み、
前記ベーンロータは、前記軸線の方向において前記ハウジングロータの内壁面と接触する接触端面を含み、
前記座金収容部は、前記軸線の方向において前記ベーンロータの端面と対向するべく、前記開口部の周囲において円環状凹部として形成され、
前記座金が当接する前記ベーンロータの端面は、前記接触端面と同一の平面上に画定されている、
ことを特徴とするバルブタイミング変更装置。 - 前記座金は、前記開口部よりも大きい外径をなす、
ことを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング変更装置。 - 前記ベーンロータは、前記ボルトを非接触にて通すべく、前記軸線を中心とする円形状の貫通孔を含み、
前記座金は、前記ボルトのネジ部を通す円孔を含み、
前記座金収容部は、前記軸線に垂直な方向において、前記座金の円孔が前記ベーンロータの貫通孔に臨む領域から逸脱しない範囲で前記座金を移動自在に収容する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブタイミング変更装置。 - 前記座金収容部は、前記軸線の方向において、前記座金の板厚よりも小さい隙間の範囲で前記座金を移動自在に収容する、
ことを特徴とする請求項3に記載のバルブタイミング変更装置。 - 前記ベーンロータは、アルミニウム材料により形成され、
前記座金は、鉄系材料により形成された平座金である、
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一つに記載のバルブタイミング変更装置。 - 前記ハウジングロータは、前記開口部及び前記座金収容部を有する有底円筒状の前側ハウジングと、外周にスプロケットを有し前記前側ハウジングに結合される円板状の後側ハウジングを含む、
ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか一つに記載のバルブタイミング変更装置。 - 前記前側ハウジングは、ダイカスト又は焼結体として形成されている、
ことを特徴とする請求項6に記載のバルブタイミング変更装置。
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|---|---|---|---|
| JP2021047075A JP7555866B2 (ja) | 2021-03-22 | 2021-03-22 | バルブタイミング変更装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2021047075A JP7555866B2 (ja) | 2021-03-22 | 2021-03-22 | バルブタイミング変更装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2022146223A JP2022146223A (ja) | 2022-10-05 |
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Family
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Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2021047075A Active JP7555866B2 (ja) | 2021-03-22 | 2021-03-22 | バルブタイミング変更装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
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Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000352302A (ja) | 1999-06-10 | 2000-12-19 | Mikuni Corp | バルブタイミング変更装置 |
| US20010045195A1 (en) | 2000-05-19 | 2001-11-29 | Dieter Neller | Rotary piston adjuster for hydraulic phase adjustment of a shaft relative to a drive pinion |
| JP2002235512A (ja) | 2000-12-08 | 2002-08-23 | Denso Corp | バルブタイミング調整装置 |
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Patent Citations (3)
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| JP2002235512A (ja) | 2000-12-08 | 2002-08-23 | Denso Corp | バルブタイミング調整装置 |
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