JP7557136B2 - 被膜及び被膜形成用組成物 - Google Patents
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Description
項1
微粒子が第1の重合体で被覆されてなる複合粒子と、第2の重合体とを含み、
前記第1の重合体及び前記第2の重合体の少なくとも一方は、アルキル基又はフルオロアルキル基を有し、かつ、
前記第2の重合体は、分子内に2つ以上の重合性基を有する化合物に基づく構造単位を有する重合体を含み、
前記微粒子の平均粒子径が1μm以上である、被膜。
項2
前記微粒子の比表面積が30~700m2/gである、項1に記載の被膜。
項3
前記第1の重合体は、下記一般式(1):
項4
少なくとも一種の微粒子を含む被膜であって、
水の接触角が、150°以上であり、
紙製ウエスを荷重100gで100回塗擦した後の水の接触角が150°以上であり、鉛筆硬度が2B以上である、被膜。
項5
前記微粒子の平均粒子径が1μm以上である、項4に記載の被膜。
項6
前記微粒子の比表面積が30~700m2/gである、項4又は5に記載の被膜。
項7
被膜形成用組成物であって、
微粒子が第1の重合体で被覆されてなる複合粒子;及び
分子内に2つ以上の重合性基を有する、少なくとも一種の化合物を含み、
前記微粒子の平均粒子径が1μm以上である、被膜形成用組成物。
項7-1
前記第1の重合体は、上述の一般式(1)で表される化合物に基づく構造単位を有する重合体を含む、項7に記載の被膜形成用組成物。
項8
前記微粒子の比表面積が30~700m2/gである、項7に記載の被膜形成用組成物。項9
硬化後の被膜は、
水の接触角が、150°以上であり、
紙製ウエスを荷重100gで100回塗擦した後の水の接触角が、150°以上であり、鉛筆硬度が2B以上である、項7又は8に記載の被膜形成用組成物。
本開示の被膜Aは、微粒子が第1の重合体で被覆されてなる複合粒子と、第2の重合体とを少なくとも含む。本開示の被膜Aにおいて、前記第1の重合体及び前記第2の重合体の少なくとも一方は、アルキル基又はフルオロアルキル基を有し、かつ、前記第2の重合体は、分子内に2つ以上の重合性基を有する化合物に基づく構造単位を有する重合体を含み、前記微粒子の平均粒子径が1μm以上である。
本開示の被膜Aにおいて、複合粒子は、微粒子が第1の重合体で被覆されてなる。特に、複合粒子は、微粒子の表面と第1の重合体とが化学結合を形成している。化学結合は、例えば、共有結合、配位結合、イオン結合、水素結合及びファンデルワールス力等を挙げることができ、好ましくは共有結合である。
本開示の被膜Aにおいて、第2の重合体は、被膜のバインダーとしての役割を果たし得る成分である。前記第2の重合体は、分子内に2つ以上の重合性基を有する化合物に基づく構造単位を有する重合体を含む。斯かる構造単位を有する限り、第2の重合体の種類は特に限定されず、公知の重合体を広く使用することができる。
熱硬化性樹脂は、フルオロアルキル基を有していてもよいし、フルオロアルキル基を有していなくてもよい。被膜の撥水性が向上しやすいという観点から、熱硬化性樹脂はフルオロアルキル基を有していることが好ましい。
(a)テトラフルオロエチレン構造単位、
(b)水酸基とカルボキシル基とを含まない非芳香族系のビニルエステルモノマー構造単位、
(c)芳香族基とカルボキシル基とを含まない水酸基含有ビニルモノマー構造単位、
(e)水酸基と芳香族基とを含まないカルボキシル基含有モノマー構造単位および
(f)その他モノマー構造単位(ただし、(d)水酸基とカルボキシル基とを含まない芳香族基含有モノマー構造単位を含まない)
からなる重合体を挙げることができる。以下、この重合体を「重合体F」と表記する。熱硬化性樹脂が重合体Fである場合、被膜の耐水性が特に向上する。
CH2=CHR10 (2)
硬化剤の種類は特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂用の硬化剤として使用される化合物を広く適用することができる。特に、硬化剤は、前述の分子内に2つ以上の重合性基を有する化合物であることが好ましい。
本開示の被膜Aは、前述のように、微粒子が第1の重合体で被覆されてなる複合粒子と、第2の重合体とを少なくとも含む。被膜中の両者の含有割合は特に制限されず、任意とすることができる。例えば、被膜が優れた超撥液性及び耐摩耗性を有しつつ、硬度が高くなりやすいという点において、複合粒子及び第2の重合体の全質量に対して、複合粒子は30~70質量%含まれることが好ましい。
被膜Aの形成方法は特に限定されず、例えば、下記の被膜形成用組成物を用いる公知の方法を採用することができる。
被膜形成用組成物は、例えば、微粒子が第1の重合体で被覆されてなる複合粒子と、分子内に2つ以上の重合性基を有する、少なくとも一種の化合物A2(以下、単に「化合物A2」と表記)とを含むことができる。ここで、微粒子が第1の重合体で被覆されてなる複合粒子は、前述の被膜Aに含まれる複合粒子と同一である。また、化合物A2は、例えば、前述の硬化剤と同一であり、一例としては前述のイソシアネート化合物である。被膜形成用組成物は、さらに、前記熱硬化性樹脂を含むこともできる。
本開示の被膜Bは、少なくとも一種の微粒子を含む被膜であって、
水の接触角が、150°以上であり、
紙製ウエスを荷重100gで100回塗擦した後の水の接触角が、150°以上であり、鉛筆硬度が2B以上である。
本開示の被膜の各種物性の測定方法を説明する。なお、念のための注記に過ぎないが、本開示の被膜は、前述の被膜A及び被膜Bを包含する。
平均表面粗さRaの測定は、カラー3Dレーザー顕微鏡(KEYENCE社VK-X1000及びその付属品の顕微鏡ユニット)を用いて行われる。
水の接触角は、すなわち水の静的接触角である。水の接触角は、接触角計(協和界面科学社「Drop Master 701」用いて測定され、具体的には、水(2μLの液滴)を用いて、1サンプルに対して5点の測定が行われる。静的接触角が150°以上になると、その液体は自立して基材表面に存在することができなくなる場合がある。このような場合はシリンジのニードルを支持体として静的接触角を測定し、その時の得られた値を静的接触角とする。
n-ヘキサデカン(n-HDと略記)の接触角は、すなわちn-HDの静的接触角である。n-HDの接触角は、接触角計(協和界面科学社「Drop Master 701」用いて測定され、具体的には、n-HD(2μLの液滴)を用いて、1サンプルに対して5点の測定が行われる。静的接触角が150°以上になると、その液体は自立して基材表面に存在することができなくなる場合がある。このような場合はシリンジのニードルを支持体として静的接触角を測定し、その時の得られた値を静的接触角とする。
被膜を用いて、紙製ウエス(日本製紙クレシア製社製「キムワイプ」(登録商標))を荷重100gで100回塗擦した後の水の接触角は、耐摩耗試験機(井元製作所社「ラビングテスター(3連仕様)151E」)を用いて行う。斯かる試験機に紙製ウエスを装着し、荷重100gにて一定回数(100回)、試料(被膜)表面の拭き取りを行い、その後、前記の水接触角の測定方法で、水接触角を測定する。紙製ウエスの試料に接する面積は1cm2とする。
鉛筆硬度の測定方法は、JIS K 5600-5に準拠する。
[Rf(C6)メタクリレート/微粒子]共重合体/(ゼッフルGK-570+スミジュールN3300)=50/50(w/w)薄膜の作製)
<[Rf(C6)メタクリレート/微粒子]共重合体溶液の調製>
200mL四つ口フラスコに、平均粒子径が2.7μmのシリカ微粒子(富士シリシア化学製、サイリシア310P、比表面積300m2/g)を3g、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学製)0.06g、およびパーフルオロブチルエチルエーテル60gを仕込み、70℃で2時間加熱した。続いて、C6F13CH2CH2OCOC(CH3)=CH2[以下Rf(C6)メタクリレートと略す]6g、アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNと略す)0.3gを投入し、6時間反応させることで複合粒子の分散液を得た。重合後、分散液中の複合粒子の固形分濃度を算出した。
<塗工液の作製>
次いで、上記複合粒子分散液と、熱硬化性樹脂として前記重合体Fに該当するゼッフルGK-570(商品名)(ダイキン工業株式会社製(テトラフルオロエチレンと水酸基含有ビニルモノマーの共重合体))と、硬化剤(イソシアネート化合物)としてスミジュールN3300(住化コベストロウレタン株式会社)と、酢酸ブチルとを混合して、被膜形成用組成物を塗工液として得た。この被膜形成用組成物中、(分散液中の複合粒子の質量):(ゼッフルGK-570(固形分換算)及びスミジュールN3300の総質量)=50:50となるように配合した。
<塗膜の作製>
上記の塗工液をアクリル基材にスプレー法により処理し、130℃で10分熱処理を施すことで、目的の被膜を得た。
3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学製)を、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学製)に変更したこと以外は、実施例1と同様の手順で被膜を作製した。
被膜形成用組成物中、(分散液中の複合粒子の質量):(ゼッフルGK-570(固形分換算)及びスミジュールN3300の総質量)=40:60となるように配合したこと以外は、実施例1と同様の手順で被膜を作製した。
被膜形成用組成物中、(分散液中の複合粒子の質量):(ゼッフルGK-570(固形分換算)及びスミジュールN3300の総質量)=40:60となるように配合したこと以外は、実施例2と同様の手順で被膜を作製した。
シリカ微粒子を平均粒子径が2.7μmのシリカ微粒子(富士シリシア化学製、サイリシア530、比表面積500m2/g)に変更した以外は実施例1と同様の手順で被膜を作製した。
シリカ微粒子を一次粒子の平均粒子径が12nmであるR711(日本アエロジル製)に変更し、かつ、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランを使用しなかったこと以外は実施例1と同様の手順で被膜を作製した。
超撥水材料HIREC100(NTTアドバンステクノロジーズ社製)を用いて、被膜を作製した。
実施例1~5、比較例1~2で得られた被膜の試験片について、以下の試験を行った。
接触角計Drop Master701(協和界面科学社製)を用いて、水の液滴体積2μLとし、1サンプルに対して5点測定した。静的接触角が150°以上になってくると条件によっては、その液体は自立して基材表面に存在することができなくなるので、そのような場合はシリンジのニードルを支持体として静的接触角を測定し、得られた値を静的接触角とした。ここで、転落角が0°とは、ニードルから20μLの液滴を基材に着弾させることができない、もしくは着弾させることができても測定前もしくは測定時0°から1°の間で液滴が転落し、今回用いた機器では測定できないことを意味する。
n-ヘキサデカン(n-HDと略記)の静的接触角は、接触角計(協和界面科学社「Drop Master 701」用いて測定した。具体的には、n-HD(2μLの液滴)を用いて、1サンプルに対して5点の測定を行った。静的接触角が150°以上になると、その液体は自立して基材表面に存在することができなくなる場合があるので、この場合はシリンジのニードルを支持体として静的接触角を測定し、その時の得られた値を静的接触角とした。
鉛筆硬度の測定方法は、JIS K 5600-5に準拠した。
紙製ウエスを荷重100gで100回塗擦した後の水の接触角、耐摩耗試験機(井元製作所社「ラビングテスター(3連仕様)151E」)を用いて行った。斯かる試験機に紙製ウエスを装着し、荷重100g(接触面積:1cm2)にて一定回数(100回)、試料(被膜)表面の拭き取りを行い、その後、前記の水接触角の測定方法で、水接触角を測定した。
摩耗試験回数は、耐摩耗試験機(井元製作所社「ラビングテスター(3連仕様)151E」)を用いて行った。斯かる試験機に紙製ウエス(日本製紙クレシア製社製「キムワイプ」(登録商標))を装着し、荷重100g(接触面積:1cm2)にて試料(被膜)表面の拭き取りを行い、これを静的接触角が150°以下になるまで行った。ここでの耐摩耗性能は、超撥水状態(5回平均の静的接触角の値が150°以上もしくは平均140°以上でその標準偏差を合わせると150°以上)を維持できる回数を摩耗回数と定義した。
Claims (8)
- 微粒子が第1の重合体で被覆されてなる複合粒子と、第2の重合体とを含み、
前記第1の重合体及び前記第2の重合体の少なくとも一方は、アルキル基又はフルオロアルキル基を有し、かつ、
前記第2の重合体は、分子内に2つ以上の重合性基を有する化合物に基づく構造単位を有する重合体を含み、
前記第1の重合体は、下記一般式(1):
(式中、Xは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX 1 X 2 基(但し、X 1 およびX 2 は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子又は塩素原子である。)、シアノ基、炭素数1~6の直鎖状又は分岐状のフルオロアルキル基、置換又は非置換のベンジル基、置換又は非置換のフェニル基、若しくは炭素数1~20の直鎖状又は分岐状アルキル基を示し、Yは、直接結合、酸素原子を有していてもよい炭素数1~10の炭化水素基、-CH 2 CH 2 N(R 1 )SO 2 -基(但し、R 1 は炭素数1~4のアルキル基であり、式の右端がR a に、左端がOにそれぞれ結合している。)、-CH 2 CH(OY 1 )CH 2 -基(但し、Y 1 は水素原子またはアセチル基であり、式の右端がR a に、左端がOにそれぞれ結合している。)、又は-(CH 2 ) n SO 2 -基(nは1~10であり、式の右端がR a に、左端がOにそれぞれ結合している。)を示し、R a は炭素数20以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数6以下の直鎖状又は分岐状のフルオロアルキル基、若しくは分子量400~5000のポリエーテル基又は分子量400~5000のフルオロポリエーテル基を示す。)で表される化合物に基づく構造単位を有する重合体を含み、
前記微粒子の平均粒子径が1μm以上である、被膜。 - 前記微粒子の比表面積が30~700m2/gである、請求項1に記載の被膜。
- 少なくとも一種の微粒子を含む被膜であって、
前記微粒子は第1の重合体で被覆されてなる複合粒子であり、
前記第1の重合体は、下記一般式(1):
(式中、Xは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX 1 X 2 基(但し、X 1 およびX 2 は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子又は塩素原子である。)、シアノ基、炭素数1~6の直鎖状又は分岐状のフルオロアルキル基、置換又は非置換のベンジル基、置換又は非置換のフェニル基、若しくは炭素数1~20の直鎖状又は分岐状アルキル基を示し、Yは、直接結合、酸素原子を有していてもよい炭素数1~10の炭化水素基、-CH 2 CH 2 N(R 1 )SO 2 -基(但し、R 1 は炭素数1~4のアルキル基であり、式の右端がR a に、左端がOにそれぞれ結合している。)、-CH 2 CH(OY 1 )CH 2 -基(但し、Y 1 は水素原子またはアセチル基であり、式の右端がR a に、左端がOにそれぞれ結合している。)、又は-(CH 2 ) n SO 2 -基(nは1~10であり、式の右端がR a に、左端がOにそれぞれ結合している。)を示し、R a は炭素数20以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数6以下の直鎖状又は分岐状のフルオロアルキル基、若しくは分子量400~5000のポリエーテル基又は分子量400~5000のフルオロポリエーテル基を示す。)で表される化合物に基づく構造単位を有する重合体を含み、
水の接触角が、150°以上であり、
紙製ウエスを荷重100gで100回塗擦した後の水の接触角が150°以上であり、鉛筆硬度が2B以上である、被膜。 - 前記微粒子の平均粒子径が1μm以上である、請求項3に記載の被膜。
- 前記微粒子の比表面積が30~700m2/gである、請求項3又は4に記載の被膜。
- 被膜形成用組成物であって、
微粒子が第1の重合体で被覆されてなる複合粒子;及び
分子内に2つ以上の重合性基を有する、少なくとも一種の化合物を含み、
前記第1の重合体は、下記一般式(1):
(式中、Xは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX 1 X 2 基(但し、X 1 およびX 2 は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子又は塩素原子である。)、シアノ基、炭素数1~6の直鎖状又は分岐状のフルオロアルキル基、置換又は非置換のベンジル基、置換又は非置換のフェニル基、若しくは炭素数1~20の直鎖状又は分岐状アルキル基を示し、Yは、直接結合、酸素原子を有していてもよい炭素数1~10の炭化水素基、-CH 2 CH 2 N(R 1 )SO 2 -基(但し、R 1 は炭素数1~4のアルキル基であり、式の右端がR a に、左端がOにそれぞれ結合している。)、-CH 2 CH(OY 1 )CH 2 -基(但し、Y 1 は水素原子またはアセチル基であり、式の右端がR a に、左端がOにそれぞれ結合している。)、又は-(CH 2 ) n SO 2 -基(nは1~10であり、式の右端がR a に、左端がOにそれぞれ結合している。)を示し、R a は炭素数20以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数6以下の直鎖状又は分岐状のフルオロアルキル基、若しくは分子量400~5000のポリエーテル基又は分子量400~5000のフルオロポリエーテル基を示す。)で表される化合物に基づく構造単位を有する重合体を含み、
前記微粒子の平均粒子径が1μm以上である、被膜形成用組成物。 - 前記微粒子の比表面積が30~700m2/gである、請求項6に記載の被膜形成用組成物。
- 硬化後の被膜は、
水の接触角が、150°以上であり、
紙製ウエスを荷重100gで100回塗擦した後の水の接触角が、150°以上であり、鉛筆硬度が2B以上である、請求項6又は7に記載の被膜形成用組成物。
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