JP7557766B2 - 人工椎間板 - Google Patents
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Description
ここで、従来用いられている人工椎間板として、生体活性セラミックス材料からなる2枚の略板状体が生体適合性のある高分子弾性材料からなる略板状体の上面および下面に接着剤で一体的に取り付けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この場合、高分子弾性材料からなる略板状体と生体活性セラミックス材料からなる略板状体との接合が剥がれてしまい、高分子弾性材料からなる略板状体が生体活性セラミックス材料からなる2枚の略板状体の間から脱落するおそれがあった。
さらに、この脱落による機能損失を防止するために人工椎間板の装着部位を固定する必要があり、この固定施術によって装着部位の運動機能が著しく制限されるという問題があった。
なお、本明細書において、「上下」とは、人の頭側を上、足側を下とする。
また、上側板状部分に上端を連結するとともに下側板状部分に下端を連結して弾性部材を囲繞した状態で上側板状部分と下側板状部分とを相対移動自在に変位させる筒状部分を備えていることにより、上側板状部分または下側板状部分の一方が、筒状部分の弾性変形により他方に対して揺動自在となるため、隣り合う椎体の相対移動に追従することができることに加え、弾性部材の外周が筒状部分で取り囲まれているため、弾性部材が人工椎間板の側方に脱落することを防ぐことができる。
したがって、外部からの荷重や衝撃を吸収する弾性部材の脱落を抑制して優れた衝撃吸収性を発揮するとともに隣り合う椎体の相対移動に対して高い自由度で追従することができる。
さらに、筒状部分が、上側板状部分または下側板状部分のいずれか一方に固定される筒状の外側壁体と、上側板状部分または下側板状部分のいずれか他方に固定されて弾性部材を取り囲む筒状の内側壁体と、外側壁体の内周面に一体に外接する外側弾性層体と、内側壁体の外周面に一体に内接する内側弾性層体と、外側弾性層体の内周面と内側弾性層体の外周面との相互間に一体に配置されて外側弾性層体および内側弾性層体よりも変形しにくい剛性壁体とで構成されていることにより、筒状部分が外側壁体と内側壁体との相互間に複数の弾性層体と少なくとも1つの剛性壁体とを介在させた積層体構造となり、筒状部分が剛性壁体を有さない場合、すなわち、外側壁体と内側壁体との間を弾性体層のみで埋める場合に比べて弾性体層の厚みが小さくなるため、人工椎間板の横方向の変形量が抑制され、隣り合う椎体間の過度の横ずれを防止することができる。
また、外側弾性層体、内側弾性層体、弾性部材の具体的な素材については、ポリエチレン系樹脂、シリコーン系ゴムなどであれば良いが、椎間板と同程度の弾力特性を発揮して生体と適合するものであれば、これら以外の如何なる素材であっても良い。
さらに、外側弾性層体と内側弾性層体との相互間に配置される剛性壁体の具体的な素材については、前述した外側弾性層体および内側弾性層体よりも変形しにくい素材、すなわち、剛性を発揮するチタン、コバルトクロム、ステンレス等の金属系材料や、上側板状部分、下側板状部分、および筒状部分の外側壁体と内側壁体と同素材を用いると良い。
5層に限定されるものではなく、例えば、外側壁体、外側弾性層体、剛性壁体、中間弾性層体、剛性壁体、内側弾性層体、内側壁体からなる7層積層体で構成されても良い。
なお、本発明の人工椎間板に用いる筒状部分の外側壁体と内側壁体との相互間には、外側壁体に外接する外側弾性層体と、内側壁体に内接する内側弾性層体と、外側弾性層体と内側弾性層体との間に配置する剛性壁体とを介在させることが望ましいが、筒状部分の外側壁体と内側壁体との相互間において椎体間の相対移動に対する追従性を発揮することができれば剛性壁体を用いることなく単一の弾性層体を介在させた3層積層体で構成されても差し支えない。
ここで、図1は本発明の人工椎間板100を椎体の相互間に装着した使用態様図であり、図2は本発明の第1実施例である人工椎間板100の全体を示す斜視図であり、図3は図2に示す人工椎間板100の正面断面図であり、図4Aは図3に示す人工椎間板100の組み立て分解図であり、図4Bは図4Aに示す人工椎間板100の正面断面図であり、図5Aは図2に示す人工椎間板100に用いた筒状部分の正面断面図であり、図5Bは図5AにおけるA-A線で矢視した断面図である。
そして、図6Aは図2に示す人工椎間板100の基本的なセッティング状態の説明図であって、図6Bは図6Aに示す人工椎間板100が引っ張り荷重を受けた状態の動作説明図であり、図6Cは図6Aに示す人工椎間板100が圧縮荷重を受けた状態の動作説明図であり、図6Dは図6Aに示す人工椎間板100が左側に偏荷重を受けた状態の動作説明図であり、図6Eは図6Aに示す人工椎間板100が右側に偏荷重を受けた状態の動作説明図である。
まず、本発明の第1実施例である人工椎間板100は、図1に示すように、脊椎の上下方向で隣り合う上方側の椎体UVと下方側の椎体DVとの間に存在していた本来の椎間板を置換術により切除した後に装着される。
これにより、人工椎間板の周方向に対する方向的特異性を無くして椎体に対する装着時の位置決め負担を軽減するとともに、上側板状部分110と下側板状部分120とが上方側の椎体UVと下方側の椎体DVとから荷重を受けた場合、弾性部材130と筒状部分140とが上側板状部分110と下側板状部分120とを相対移動自在に変位させ、本来の椎間板の役割や機能と代替することができる。
次に、図3乃至図5Bに基づいて、本実施例の人工椎間板100の詳細構造を説明する。
下面112の略中央には、上方側の椎体UVに向けて凹形状に形成された円形の凹部112aが設けられている。
弾性部材130の上面側がこの凹部112aにはまり込むことで、弾性部材130は上側板状部分110と連結する。
上面122の略中央には、上面122の略中央に上面122の外周周辺から立ち上がる台座状に形成された台座部122aが設けられている。
この台座部122aの表面は、外周から中央に向けて緩やかに窪んでいる。
弾性部材130が台座部122aの表面の窪みに載置されることで、弾性部材130は下側板状部分120と連結する。
そして、この円柱状の弾性部材130に形成された上側対向面131が、上側板状部分110に形成された円形状の凹部112aに対向して一体に連結されるとともに、円柱状の弾性部材130に形成された下側対向面132が、下側板状部分120に形成された円錐台状の台座部122aに対向して一体に連結されている。
また、本実施例では、外側壁体141は上側板状部分110と、内側壁体142は下側板状部分120とそれぞれ接着剤により一体に接合しているが、一体成型しても良い。
また、外側弾性層体143と内側弾性層体144との相互間に配置される剛性壁体145の素材については、前述した外側弾性層体143および内側弾性層体144よりも変形しにくい素材、すなわち、剛性を発揮するチタンを採用しているが、これ以外であっても良い。
本実施例の人工椎間板100を脊椎の上下方向で隣り合う上方側の椎体UVと下方側の椎体DVとの間に存在していた本来の椎間板を置換術により切除した後に装着して使用した場合の動作を、模式的に示した図6A乃至図6Eに基づいて、以下に説明する。
そして、この上側板状部分110に生じた引っ張り力が、弾性部材130と筒状部分140とに伝達され、図6Bの上向きの矢印で示すように、これらの弾性部材130と筒状部分140とが弾性変形して伸張することにより吸収される。
この時、弾性部材130の外周囲は、筒状部分140に取り囲まれているため、筒状部分140から側方へ飛び出すことはない。
この時、この上側板状部分110に負荷された荷重や衝撃による押圧力が、弾性部材130と筒状部分140とに伝達され、図6Cの下向きの矢印で示すように、これらの弾性部材130と筒状部分140とが弾性変形して圧縮されることにより吸収される。
この時、この上側板状部分110の左側に生じた荷重や衝撃による偏荷重が、弾性部材130と筒状部分140とに伝達され、図6Dの左向きの矢印で示すように、これらの弾性部材130と筒状部分140の左側とで圧縮変形を生じるとともに右側で伸びを生じることにより吸収される。
この時、この上側板状部分110の右側に生じた荷重や衝撃による偏荷重が、弾性部材130と筒状部分140とに伝達され、図6Eの右向きの矢印で示すように、これらの弾性部材130と筒状部分140の右側とで圧縮変形を生じるとともに左側で伸びを生じることにより吸収される。
同時に、上側板状部分110に上端を連結されるとともに下側板状部分120に下端を連結された筒状部分140の弾性変形により、上側板状部分110または下側板状部分120の一方が、他方に対して揺動自在となる。
上述したような本実施例の人工椎間板100は、上方側の椎体UVに連結する上側板状部分110と、下方側の椎体DVに連結する下側板状部分120と、上側板状部分110と下側板状部分120との上下間に配置される弾性部材130と、この弾性部材130を囲繞した状態で上側板状部分110と下側板状部分120に連結する筒状部分140とで構成されているため、外部からの荷重や衝撃を吸収する弾性部材130の脱落を抑制して優れた衝撃吸収性を発揮するとともに隣り合う椎体DVの相対移動に対する自由度の高い追従性を発揮することができる。
ここで、図7Aは、本発明の第2実施例である人工椎間板200の基本的なセッティング状態の説明図であり、図7Bは、図7Aに示す人工椎間板200が引っ張り荷重を受けた状態の動作説明図であり、図7Cは、図7Aに示す人工椎間板200が右側に偏荷重を受けた状態の動作説明図である。
この時、この上側板状部分210に生じた引っ張り力が、上側板状部分210に一体に連結されていない弾性部材230には伝達されずに筒状部分240のみに伝達され、図7Bの上向きの矢印で示すように、この筒状部分240が生じる伸びによる弾性変形で吸収されるため、第1実施例である人工椎間板100の筒状部分140に比較すると、引っ張り力に対する抗力は少ないが変形度合いは増加する。
なお、弾性部材230の外周囲は、筒状部分240に取り囲まれているため、第1実施例である人工椎間板100と同様に、筒状部分240から側方へ飛び出すことはない。
ここで、図8Aは、本発明の第3実施例である人工椎間板300の基本的なセッティング状態の説明図であり、図8Bは、図8Aに示す人工椎間板300が引っ張り荷重を受けた状態の動作説明図であり、図8Cは、図8Aに示す人工椎間板300が右側に偏荷重を受けた状態の動作説明図である。
さらに、本発明の第3実施例の人工椎間板300を構成する円柱状の弾性部材330は、図8Bに示すように、この弾性部材330の上側対向面331が、上側板状部分310に形成された円形状の下面312に連結されることなく対向配置されているとともに、シリコーン系樹脂からなる弾性部材330より摩擦係数の小さいポリテトラフルオロエチレンからなるフッ素系樹脂の滑り部材350が、弾性部材330の上側対向面331に接着層360を介して設けられている。
これにより、本発明の第2実施例の人工椎間板200のように、弾性部材230が上側板状部分210の下面212に一体に連結することなく対向配置しているのみの場合に比べると、図8Cの右向きの矢印で示すように、滑り部材350に対向する上側板状部分310が、弾性部材330に対して動き易くなるため、人工椎間板300が椎体UVの揺動に対して滑らかに追従することができる。
110 、210 、310 ・・・上側板状部分
111 、211 、311 ・・・上面
112 、212 、312 ・・・下面
112a、212a ・・・凹部
120 、220 、320 ・・・下側板状部分
121 、221 、321 ・・・下面
122 、222 、322 ・・・上面
122a、222a、322a・・・台座部
130 、230 、330 ・・・弾性部材
131 、231 、331 ・・・上側対向面
132 、232 、332 ・・・下側対向面
133 、233 、333 ・・・外側面
140 、240 、340 ・・・筒状部分
141 、241 、341 ・・・外側壁体
142 、242 、342 ・・・内側壁体
143 、243 、343 ・・・外側弾性層体
144 、244 、344 ・・・内側弾性層体
145 、245 、345 ・・・剛性壁体
350 ・・・滑り部材
360 ・・・接着層
UV ・・・上方側の椎体
DV ・・・下方側の椎体
C ・・・中心軸
G1、G2、G3 ・・・間隙
Claims (4)
- 脊椎の上下方向で隣り合う上方側の椎体と下方側の椎体との間に装着される人工椎間板であって、
前記上方側の椎体に連結して前記上方側の椎体から荷重を受ける上側板状部分と、
前記下方側の椎体に連結して前記下方側の椎体から荷重を受ける下側板状部分と、
前記上側板状部分と前記下側板状部分との上下間に配置される弾性部材と、
前記上側板状部分に上端を連結するとともに前記下側板状部分に下端を連結して前記弾性部材を囲繞した状態で前記上側板状部分と前記下側板状部分とを相対移動自在に変位させる筒状部分とで構成され、
該筒状部分が、
前記上側板状部分または前記下側板状部分のいずれか一方に固定される筒状の外側壁体と、
前記上側板状部分または前記下側板状部分のいずれか他方に固定されて前記弾性部材を取り囲む筒状の内側壁体と、
前記外側壁体の内周面に一体に外接する外側弾性層体と、
前記内側壁体の外周面に一体に内接する内側弾性層体と、
前記外側弾性層体の内周面と前記内側弾性層体の外周面との相互間に一体に配置されて前記外側弾性層体および前記内側弾性層体よりも変形しにくい剛性壁体とで構成されていることを特徴とする記載の人工椎間板。 - 前記上側板状部分と前記下側板状部分とが、円盤状に形成され、
前記弾性部材が、円柱状に形成され、
前記筒状部分が、円筒状に形成され、
前記上側板状部分と前記下側板状部分と前記弾性部材と前記筒状部分との中心軸が、一致していることを特徴とする請求項1に記載の人工椎間板。 - 前記弾性部材が、前記上側板状部分および前記下側板状部分に固定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の人工椎間板。
- 前記弾性部材より摩擦係数の小さい滑り部材が、前記弾性部材の上面または下面の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の人工椎間板。
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