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JP7558082B2 - 適正画像選択システム - Google Patents
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Description

本願発明は、写真測量に関するものであり、より具体的には、地物の実体視にとってより適した画像を選択することができる適正画像選択システムに関するものである。
地形図を作成する場合、あるいは3次元地形モデル(3次元座標によって構成される地形モデル)を作成する場合、通常は広範囲に渡って地形計測が行われる。そして広範囲の地形計測を行うにあたっては、航空機から撮影した空中写真を用いて地形の図化(モデル化)を行う写真測量が採用されることがある。この写真測量は、同一箇所を撮影した異なる2枚一組の空中写真(いわゆるステレオペア写真)を用意し、実体視(立体視ともいう)を行うことによって、すなわち双方の写真に写された同一対象物を同定するとともにその対象物の写真上の位置の相違(視差)を利用することによって、地上における対象物の3次元座標を求める手法である。
空中写真に写された地物の座標は、カメラ中心点(撮影主点)を基準とする前方交会法によって求められる。そのため、ステレオペア写真それぞれを撮影した時の撮影主点の座標と撮影方向、カメラの焦点距離や、主点位置のずれ、各種ひずみ(放射性ひずみ、非対称性ひずみ等)といったカメラ諸元は既知とされる。なお、写真撮影時のカメラ主点座標と撮影方向は「外部標定要素」と呼ばれ、カメラの焦点距離や、主点位置のずれ、各種ひずみ等は「内部標定要素」と呼ばれており、外部標定要素と内部標定要素の総称が標定要素である。
空中写真測量によって地上物の座標を求めるには外部標定要素が既知とされると説明したが、必ずしもこの外部標定要素が計測等によって明らかにされるとは限らない。例えば、衛星測位システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)、IMU(Inertial Measurement Unit)を航空機に搭載すれば直接的に外部標定要素を得ることができ、このような計測機器を搭載していない場合は空中三角測量により外部標定要素を求めることができる。
ところで、写真測量のために行われる撮影は、図5に示すように同一個所を多方向から撮影する多重高ラップ撮影によることもある。図5は、多重高ラップ撮影を行う状況を模式的に示すモデル図あり、図6(a)は多重高ラップ撮影によって得られた3×3の多重撮影画像を示す画像図、図6(b)は多重高ラップ撮影によって得られた5×5の多重撮影画像を示す画像図である。
このように、同一個所を撮影した画像が多数ある場合、選択するステレオペア写真によって得られる結果が異なることもあり、場合によっては望ましい結果が得られないこともある。そこで特許文献1では、適切なステレオペア画像の候補を自動選出する技術について提案している。
特開2017-49883号公報
特許文献1に開示される技術は、実体視を実施するユーザのビュー視点に基づく「串刺しベクトル」と、撮影主点に基づく「画像ベクトル」などを用いて、適切なステレオペア画像を自動選出するものである。したがって特許文献1に開示される技術によればユーザは好適に実体視を実施することができるが、反面、オクルージョンを回避するという点では改善の余地があった。
例えば、道路縁の3次元座標を把握したいケースでは、道路縁を覆っている街路樹によってオクルージョンが生じることがある。上空(特に直上)から撮影すると、道路縁を覆う街路樹を収めた空中写真が取得されることもあり、このような空中写真をステレオペア画像として採用すると適切な道路縁の3次元座標を得ることはできない。これに対して、斜方向から撮影した空中写真には道路縁が収められることもあり、この空中写真をステレオペア画像として採用すると適切な道路縁の3次元座標を得ることができる。すなわち、オクルージョンの問題が生じることが予測される場合、多重高ラップ撮影などによって得られる多数の空中写真の中からオクルージョンの少ないものをステレオペア画像として採用することが望ましい。
本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、取得された空中写真の中からオクルージョンの少ないものをステレオペア画像として選択することができる適正画像選択システムを提供することにある。
本願発明は、地形モデルに基づく「法線ベクトル」と、撮影主点に基づく「視線ベクトル」との角度差を利用することによって、オクルージョンの少ない空中写真を選択する、という点に着目したものであり、従来にはなかった発想に基づいてなされた発明である。
本願発明の適正画像選択システムは、対象領域のステレオ実体視に用いる適正画像を選択するシステムであって、画像記憶手段と地形モデル記憶手段、法線ベクトル算出手段、視線ベクトル算出手段、角度算出手段、画像選択手段を備えたものである。このうち画像記憶手段は、対象領域を一部重複しながら撮影して得られた複数の画像を記憶する手段であり、地形モデル記憶手段は、対象領域を3次元で表した地形モデルを記憶する手段である。また法線ベクトル算出手段は、対象領域内で設定される注視点における「法線ベクトル」を地形モデルに基づいて算出する手段であり、視線ベクトル算出手段は、画像を取得したときの撮影主点と注視点とからなる「視線ベクトル」を算出する手段である。そして角度算出手段が、注視点における法線ベクトルと画像に係る視線ベクトルとの角度差を算出し、画像選択手段が、角度算出手段によって算出された角度差に基づいて注視点に適した適正画像を選択する。
本願発明の適正画像選択システムは、座標が付与された複数の格子点と複数の分割領域とを具備する地形モデルを用いたものとすることもできる。
本願発明の適正画像選択システムは、勾配算出手段と領域抽出手段をさらに備えたものとすることもできる。この勾配算出手段は、地形モデルの分割領域の勾配を算出する手段であり、領域抽出手段は、勾配があらかじめ定めた閾値を上回る分割領域を抽出する手段である。この場合、領域抽出手段で抽出された分割領域に係る3次元座標点(この分割領域の格子点や、分割領域に含まれる地物ポリゴン等の構成点)が、注視点として設定される。
本願発明の適正画像選択システムは、2次元地図情報記憶手段と地物抽出手段をさらに備えたものとすることもできる。この2次元地図情報記憶手段は、対象領域の地物に対して地物分類が付与された2次元地図情報を記憶する手段であり、地物抽出手段は、2次元地図情報に基づいての地物分類が付与された地物(例えば、道路縁や歩道縁、中央分離帯の外縁)を抽出する手段である。この場合、地物抽出手段で抽出された地物(例えば、道路縁や歩道縁、中央分離帯の外縁)を含む分割領域に係る3次元座標点が、注視点として設定される。
本願発明の適正画像選択システムには、次のような効果がある。
(1)オクルージョンの少ない画像を選択したうえで対象物の3次元座標を求めることから、例えば道路縁のように陰になりやすい地物でも適切に結果を得ることができる。
(2)ユーザの判断が必要とされないため、ユーザの労力が軽減されるとともに、主観等による人為的なミスも回避され、効率的かつ高精度の結果を得ることができる。
「法線ベクトル」と「視線ベクトル」を模式的に示すモデル図。 本願発明の適正画像選択システムの主な構成を示すブロック図。 本願発明の適正画像選択システムを使用するときの主な処理の流れを示すフロー図。 視点設定手段によって注視点が自動設定される主な処理の流れを示すフロー図。 多重高ラップ撮影を行う状況を模式的に示すモデル図。 (a)は多重高ラップ撮影によって得られた3×3の多重撮影画像を示す画像図、(b)は多重高ラップ撮影によって得られた5×5の多重撮影画像を示す画像図。
本願発明の適正画像選択システムの実施の一例を図に基づいて説明する。
1.全体概要
本願発明は、「法線ベクトル」と「視線ベクトル」との角度差を利用することによってオクルージョンの少ない空中写真を選択することを技術的特徴のひとつとしている。そこで図1を参照しながら、法線ベクトルVNと視線ベクトルVSについて説明するとともに、空中写真を選択する手順について説明する。
法線ベクトルVNと視線ベクトルVSを算出するにあたっては、後述するように注視点PVが設定される。この注視点PVは、例えば道路縁などユーザが座標を求めようとする点であり、特に街路樹が覆った道路縁などオクルージョンが生じるおそれがある点を設定するとよい。
法線ベクトルVNは、図1に示すように注視点PVにおける法線方向に設定され、注視点PVを起点とする任意長さ(例えば単位長さ)のベクトルである。そして注視点PVにおける法線方向は、例えばDSM(DigitalSurfaceModel)やDTM(DigitalTerrainModel)といった3次元地形モデルを用いることで設定することができる。通常、3次元地形モデルは、3次元座標が付与された複数の格子点と、複数の分割領域(以下、「メッシュ」という。)によって構成されており、注視点PVを含む(あるいは注視点PVを格子点とする)メッシュを抽出するとともに、そのメッシュの傾斜(姿勢)に対して垂直となる方向を注視点PVにおける法線方向とすることができる。あるいは、ランダムデータから形成される不整三角網(TIN:Triangulated Irregular Network)を利用して法線方向を求めるなど、従来用いられている種々の手法によって求められる法線方向に基づいて法線ベクトルVNを設定することができる。
一方、視線ベクトルVSは、図1に示すように撮影主点PMを起点とし、注視点PVを終点とするベクトルである。そして、法線ベクトルVNと視線ベクトルVSが得られると、法線ベクトルVNと視線ベクトルVSとの挟角(以下、「ベクトル挟角」という。)を求める。ところで、法線ベクトルVNは原則として1の注視点PVに対してひとつだけ設定されるが、視線ベクトルVSは1の注視点PVに対して撮影主点PMの数だけ設定することができる。すなわち1の注視点PVについて、複数(撮影主点PMの数だけ)のベクトル挟角が得られることとなる。そこで、小さいベクトル挟角を与える視線ベクトルVSを選出し、この視線ベクトルVSに係る空中写真を選択する。ベクトル挟角が小さいということは、法線ベクトルVNが概ね撮影主点PMに向かっているとともに視線ベクトルVSが概ね注視点PVに向かっていることを意味するため、その視線ベクトルVSに係る空中写真はオクルージョンの少ない(すなわち実体視に適した)画像として考えることができるわけである。
2.適正画像選択システム
次に、本願発明の適正画像選択システムについて、図を参照しながら詳しく説明する。図2は、本願発明の適正画像選択システム100の主な構成を示すブロック図である。この図に示すように本願発明の適正画像選択システム100は、法線ベクトル算出手段101と視線ベクトル算出手段102、角度算出手段103、画像選択手段104、画像記憶手段109、3D地形モデル記憶手段110を含んで構成され、さらに勾配算出手段105や領域抽出手段106、地物抽出手段107、注視点設定手段108、2D地図情報記憶手段111、撮影諸元記憶手段112などを含んで構成することもできる。
適正画像選択システム100を構成する法線ベクトル算出手段101と視線ベクトル算出手段102、角度算出手段103、画像選択手段104、勾配算出手段105、領域抽出手段106、地物抽出手段107、注視点設定手段108は、専用のものとして製造することもできるし、汎用的なコンピュータ装置を利用することもできる。このコンピュータ装置は、CPU等のプロセッサと、ROMやRAMといったメモリを具備しており、さらにマウスやキーボード等の入力手段やディスプレイを含むものもあり、タブレット型コンピュータ(iPad(登録商標)など)やスマートフォンといった携帯型端末機器、あるいはパーソナルコンピュータ(PC)やサーバーなどを例示することができる。
また、画像記憶手段109と3D地形モデル記憶手段110、2D地図情報記憶手段111、撮影諸元記憶手段112は、コンピュータ装置の記憶装置を利用することもできるし、そのほかデータベースサーバーに構築することもできる。データベースサーバーに構築する場合、ローカルなネットワーク(LAN:Local Area Network)に置くこともできるし、インターネット経由(つまり無線通信)で保存するクラウドサーバーとすることもできる。
以下、適正画像選択システム100を構成する主な要素ごとに詳しく説明する。
(3D地形モデル記憶手段と2D地図情報記憶手段)
3D地形モデル記憶手段110は、対象とする範囲(以下、「対象領域」という。)の3次元地形モデル(DSMやDTMなど)を記憶する手段である。一方、2D地図情報記憶手段111は、対象領域の2次元地図情報を記憶するものである。ここで2次元地図情報とは、高さ情報を備えていない地形図といった2次元の地形情報であり、地物に関する情報(以下、「地物情報」という。)を具備する地図情報である。また地物情報とは、ポリゴンやポリラインなど地物の平面位置と形状に関する情報(以下、「地物図形」という。)と、地物に関する属性情報を含むものである。さらに地物の属性情報には道路や道路縁、歩道縁、中央分離帯の外縁(以下、単に「中央分離帯縁」という。)、建物や建物の外縁、公園、学校といった地物の種別(以下、「地物分類」という。)が含まれている。つまり、対象領域内に地物図形が平面配置され、この地物図形には地物に関する属性情報(地物分類を含む)が関連付けられているわけである。
(画像記憶手段と撮影諸元記憶手段)
画像記憶手段109は、対象領域を一部重複しながら撮影して得られた複数の画像を記憶する手段であり、例えば図6に示すように多重高ラップ撮影によって得られた多重撮影画像を記憶することができるものである。また撮影諸元記憶手段112は、画像記憶手段109に記憶されるそれぞれの画像を取得したときの撮影主点PMを記憶するものであり、そのほかの外部標定要素や内部標定要素も合わせて記憶することができる。なお撮影主点PMは、その撮影主点PMに係る画像に関連付けられて(紐づけられて)撮影諸元記憶手段112に記憶される。
(注視点設定手段)
注視点設定手段108は、注視点PVを設定する手段である。この注視点設定手段108は、ユーザが地形モデルや画像などを目視しながらポインティングデバイスやキーボードを操作することによって設定する仕様とすることもできるし、ユーザが操作することなく自動で設定する仕様とすることもできる。以下、注視点設定手段108が注視点PVを自動設定する処理について説明する。
既述したとおり注視点PVは、道路縁などユーザが座標を求めようとする点であり、特に街路樹が覆った道路縁などオクルージョンが生じるおそれがある点を設定するとよい。そこで、オクルージョンが予測されるメッシュ(以下、「特定メッシュ」という。)を3D地形モデルから抽出する。具体的には、勾配算出手段105が3D地形モデル記憶手段110から3D地形モデルを読み出すとともにメッシュの傾斜(以下、「メッシュ勾配」という。)を算出し、あらかじめ定めた閾値(以下、「勾配閾値」という。)を上回るメッシュを領域抽出手段106が特定メッシュとして抽出する(図1)。なお、メッシュ勾配は事前に計算したうえで3D地形モデル記憶手段110に記憶させておくこともでき、この場合はメッシュ勾配を算出することなく3D地形モデル記憶手段110から読み出すだけでよい。メッシュ勾配は水平面となす角として算出され、同様に勾配閾値も水平面となす角として設定される。通常、街路樹のような遮蔽物がない場合、その地物(つまりメッシュ)は概ね水平面、あるいは緩い傾斜となっている。これに対して、水平面から大きく傾斜しているメッシュは、通常の状態ではない、すなわち街路樹のような遮蔽物の存在が疑われるわけである。領域抽出手段106によって特定メッシュが抽出されると、注視点設定手段108がその特定メッシュの格子点を注視点PVとして設定する(図1)。あるいは、3D地形モデル記憶手段110が3D地形モデルとは別に(独立した)地物のポリゴンやポリライン等を記憶しているケースでは、特定メッシュに含まれるポリゴン等の3次元の構成点(以下、「3D構成点」という。)を注視点PVとして設定することもできる。すなわち、特定メッシュに係る点(構成する点や含まれる点)であって、3次元座標を有する点であれば、注視点PVとして設定することができるわけである。
また、特定の地物分類が付与された地物(以下、「特定地物」という。)に対して、注視点PVを設定することもある。この場合、地物抽出手段107が2D地図情報記憶手段111に照会することによって特定地物の平面座標を取得する(図1)。例えば、ユーザが特定地物として道路縁を指定すると、地物抽出手段107は道路縁の平面座標を2D地図情報記憶手段111から取得するわけである。もちろんユーザは、道路縁に代えて歩道縁や中央分離帯縁などを特定地物として指定することもできる。そして注視点設定手段108は、特定地物(例えば道路縁)の平面座標に対応するメッシュを特定メッシュとして設定するとともに、特定メッシュの格子点や特定メッシュに含まれる地物ポリゴン等の3D構成点を注視点PVとして設定する(図1)。このとき、地物抽出手段107が取得した特定地物の平面座標に対応するメッシュに対して、勾配算出手段105がメッシュ勾配を算出したうえで領域抽出手段106が特定メッシュとして抽出する仕様とすることもできる。
(法線ベクトル算出手段)
法線ベクトル算出手段101は、法線ベクトルVNを算出する手段である。より詳しくは法線ベクトル算出手段101が、注視点設定手段108によって設定された注視点PVに係るメッシュを3D地形モデル記憶手段110から読み出し、そのメッシュの傾斜(姿勢)に基づいて法線ベクトルVNを算出する。なお法線ベクトル算出手段101は、注視点設定手段108が注視点PVを設定するタイミングで算出することもできるし、メッシュの格子点や地物ポリゴン等の3D構成点ごとにあらかじめ算出しておくこともできる。
(視線ベクトル算出手段)
視線ベクトル算出手段102は、視線ベクトルVSを算出する手段である。より詳しくは視線ベクトル算出手段102が、撮影諸元記憶手段112から撮影主点PMを読み出し、この撮影主点PMと注視点設定手段108によって設定された注視点PVに基づいて視線ベクトルVSを算出する。なお視線ベクトル算出手段102は、既述したとおり撮影主点PMの数だけ視線ベクトルVSを算出することができる。もちろん、全ての撮影主点PM(つまりすべての画像)に対して視線ベクトルVSを算出する仕様とすることもできるし、例えば画角内に注視点PVが含まれる画像のみを選出するなど、特定の条件に合致する画像を選出したうえで視線ベクトルVSを算出する仕様とすることもできる。
(角度算出手段)
角度算出手段103は、法線ベクトルVNと視線ベクトルVSに基づいてベクトル挟角を算出する手段である。また角度算出手段103は、ベクトル挟角に代えて(あるいは加えて)法線ベクトルVNと視線ベクトルVSに基づく内積(以下、「ベクトル内積」という。)を算出することもできる。ただしベクトル内積を算出する場合、法線ベクトルVNと視線ベクトルVSのうちいずれか一方を逆向き(負の値を乗じる)としたうえで算出される。
(画像選択手段)
画像選択手段104は、ベクトル挟角(ベクトル内積)に基づいて、実体視に適した画像(以下、「適正画像」という。)を画像記憶手段109から選択する手段である。ベクトル挟角に基づいて判断する場合は小さな値のベクトル挟角に係る(つまり視線ベクトルVSに係る)画像が選択され、ベクトル内積に基づいて判断する場合は大きな値のベクトル内積に係る(つまり視線ベクトルVSに係る)画像が選択される。このとき、ステレオペアとして上位2つの画像を適正画像として選択することもできるし、ベクトル挟角があらかじめ定めた閾値を下回る(ベクトル内積のときは上回る)すべての画像を適正画像として選択することもできるし、あるいは上位(例えば1~6位)に位置する画像を適正画像として選択することもできる。
(処理の流れ)
続いて、図3を参照しながら本願発明の適正画像選択システム100を使用するときの主な処理の流れについて説明する。なお図3や後述する図4のフロー図では、中央の列に実施する行為を示し、左列にはその行為に必要なものを、右列にはその行為から生ずるものを示している。
はじめに注視点設定手段108によって注視点PVを設定する(図3のStep210)。既述したとおり注視点設定手段108は、ユーザが地形モデルや画像などを目視しながらポインティングデバイスやキーボードを操作することによって設定する仕様とすることもできるし、ユーザが操作することなく自動で設定する仕様とすることもできる。以下、図4を参照しながら、注視点設定手段108による注視点PVの自動設定処理について説明する。
ユーザ操作によって特定地物(例えば道路縁)が指定されると、地物抽出手段107が特定地物の平面座標を2D地図情報記憶手段111から取得する(図4のStep201)。そして勾配算出手段105が、この平面座標に対応するメッシュに対してメッシュ勾配を算出する(あるいは、勾配算出手段105が事前に算出したメッシュを読み出す)とともに(図4のStep202)、領域抽出手段106が、勾配閾値を上回るメッシュを特定メッシュとして抽出する(図4のStep203)。領域抽出手段106によって特定メッシュが抽出されると、注視点設定手段108が特定メッシュに係る3次元座標点(特定メッシュの格子点や、特定メッシュに含まれる地物ポリゴン等の3D構成点)を注視点PVとして設定する(図4のStep210)。
注視点設定手段108によって注視点PVが設定されると、法線ベクトル算出手段101がその注視点PVに対して法線ベクトルVNを算出し(図3のStep220)、また視線ベクトル算出手段102が視線ベクトルVSを算出する(図3のStep230)。なお、メッシュの格子点や地物ポリゴン等の3D構成点ごとにあらかじめ法線ベクトルVNが算出されているときは、注視点PVに対応する法線ベクトルVNを読み出すだけでよい。そして、法線ベクトルVNと視線ベクトルVSが得られると、角度算出手段103がベクトル挟角(ベクトル内積)を算出する(図3のStep240)。なお、視線ベクトル算出手段102は撮影主点PMを変えながら繰り返し視線ベクトルVSを算出し、これに伴い角度算出手段103も繰り返しベクトル挟角を算出する。このとき、全ての撮影主点PMに対して視線ベクトルVSとベクトル挟角を算出することもできるし、画角内に注視点PVが含まれる画像に係る撮影主点PMに対して視線ベクトルVSとベクトル挟角を算出することもできる。
角度算出手段103によってベクトル挟角が算出されると、画像選択手段104がベクトル挟角に基づいて画像記憶手段109から適正画像を選択する。ところで、画像選択手段104が選択した適正画像内に注視点PVが含まれないことも考えられる。そこで、画像選択手段104がベクトル挟角に基づいて選択した画像を一旦、「暫定画像」とし(図3のStep250)、この暫定画像内に注視点PVが含まれるか否かを判定するとよい(図3のStep260)。すなわち、暫定画像内に注視点PVが含まれる場合は(図3のStep260のYes)この暫定画像を適正画像として決定し(図3のStep270)、一方、暫定画像内に注視点PVが含まれない場合は(図3のStep260のNo)撮影主点PMを変更して一連の処理(図3のStep230~Step260)を繰り返し実行する。ただし、画角内に注視点PVが含まれる画像に係る撮影主点PMに対して視線ベクトルVSとベクトル挟角を算出するケースでは、暫定画像の設定処理(図3のStep250)と暫定画像の判定処理(図3のStep260)は省略することができる。
本願発明の適正画像選択システムは、道路施設をはじめとする様々な施設の管理や、自動運転に使用される地図情報として、特に好適に利用することができる。また本願発明によれば、高齢者や車いすにとって有益な段差情報を高い精度で提供することができ、さらに防災計画にも有効活用することができるなど、本願発明の適正画像選択システムは、産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献を期待し得る発明である。
100 本願発明の適正画像選択システム
101 法線ベクトル算出手段
102 視線ベクトル算出手段
103 角度算出手段
104 画像選択手段
105 勾配算出手段
106 領域抽出手段
107 地物抽出手段
108 注視点設定手段
109 画像記憶手段
110 3D地形モデル記憶手段
111 2D地図情報記憶手段
112 撮影諸元記憶手段
PM 撮影主点
PV 注視点
VN 法線ベクトル
VS 視線ベクトル

Claims (5)

  1. 対象領域のステレオ実体視に用いる適正画像を選択するシステムであって、
    前記対象領域を一部重複しながら撮影して得られた複数の画像を記憶する画像記憶手段と、
    前記対象領域を3次元で表した地形モデルを記憶する地形モデル記憶手段と、
    前記対象領域内で設定される注視点における法線ベクトルを、前記地形モデルに基づいて算出する法線ベクトル算出手段と、
    前記画像を取得したときの撮影主点と、前記注視点と、からなる視線ベクトルを算出する視線ベクトル算出手段と、
    前記注視点における前記法線ベクトルと、前記画像に係る前記視線ベクトルと、の角度差を算出する角度算出手段と、
    前記角度算出手段によって算出された前記角度差に基づいて、前記注視点に適した前記適正画像を選択する画像選択手段と、を備えた、
    ことを特徴とする適正画像選択システム。
  2. 前記地形モデルは、座標が付与された複数の格子点と、複数の分割領域と、を具備する、
    ことを特徴とする請求項1記載の適正画像選択システム。
  3. 前記分割領域の勾配を算出する勾配算出手段と、
    前記勾配があらかじめ定めた閾値を上回る前記分割領域を抽出する領域抽出手段と、をさらに備え、
    前記領域抽出手段で抽出された前記分割領域に係る3次元座標点が、前記注視点として設定される、
    ことを特徴とする請求項2記載の適正画像選択システム。
  4. 前記対象領域の地物に対して地物分類が付与された2次元地図情報を記憶する2次元地図情報記憶手段と、
    前記2次元地図情報に基づいて、特定の前記地物分類が付与された前記地物を抽出する地物抽出手段と、をさらに備え、
    前記地物抽出手段で抽出された前記地物を含む前記分割領域に係る前記3次元座標点が、前記注視点として設定される、
    ことを特徴とする請求項3記載の適正画像選択システム。
  5. 前記対象領域の地物に対して地物分類が付与された2次元地図情報を記憶する2次元地図情報記憶手段と、
    前記2次元地図情報に基づいて、道路縁、歩道縁、又は中央分離帯縁を抽出する地物抽出手段と、をさらに備え、
    前記地物抽出手段で抽出された前記道路縁、前記歩道縁、又は前記中央分離帯縁を含む前記分割領域に係る前記3次元座標点が、前記注視点として設定される、
    ことを特徴とする請求項3記載の適正画像選択システム。
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