押出プレス装置は、加工容易な金属材料、例えば、アルミニウム又はその合金(以後:アルミ材)をダイスに押圧させて、所定断面形状のアルミ製品を連続的にダイスから押し出す(押出成形)ことによりアルミ製品を製造する装置である。ダイスには、アルミ製品の断面形状を模した開口部が形成されており、押出成形された長尺のアルミ製品は所定の長さに切断されて個々のアルミ製品となる。
この押出成形が行われる工程を、他の工程と区別して押出工程と呼称する。この押出工程において、アルミ材をダイスに押圧させる圧力を押出圧力と呼称し、この押出圧力は油圧回路により制御される。また、アルミ材をダイスに押圧させる速度、すなわち、後述する押出ステムを前進させる速度を押出速度(ラム速度)と呼称し、この押出速度は、油圧回路に作動油を供給するメインポンプユニットの吐出量の増減により制御される。
従来の押出プレス装置とその押出圧力制御方法について図1乃至図3を参照しながら説明する。図1は、詳細な構成の図示を割愛した押出プレス装置の構成の概要を示す図である。押出成形されるアルミ材は、製造するアルミ製品Wに見合った所定の直径の円筒形のビレットBとして形成され、コンテナ1内のビレット収納部内に挿入される。
コンテナ1の一端には、アルミ製品Wの断面形状を模した開口部が形成されたダイス2が配置されており、その他端からは、ビレットBを押圧する押出ステム3が挿入される。通常、押出ステム3の先端にはダミーブロックが装着されているが、本願においてはこのダミーブロックを含めて押出ステム3と呼称する。
押出圧力を発生させるメインシリンダ4は、シリンダロッドを前進させるための油室のみを有する油圧シリンダを構成し、メインラム4aがシリンダロッドに相当する。そして、このメインラム4aに押出ステム3が取り付けられている。メインポンプユニット5から油圧回路を介してメインシリンダ4の油室に供給される作動油によって、メインラム4aの位置(ラム位置)がダイス2側に移動(前進/図1の右側)すると、押出ステム3も移動(前進)し、ビレットBをダイス2に押圧させる。この押圧により、ビレットBはコンテナ1内で加圧され、ダイス2の、アルミ製品Wの断面形状を模した開口部から連続的に押し出される。なお、図1では、図を簡単にするためにメインポンプユニット5を油圧ポンプとして図示している。
図1に示される押出プレス装置において、例えば、図2に示されるようなラム速度で、ビレットBが押出成形されて一本のアルミ製品Wとなる。図2は、ラム位置に対するラム速度の制御の一例を示すグラフである。ラム速度とは、先に説明した押出速度が、良品を押出成形するための好適な速度(設定押出速度)になるように制御されるメインラム4a(押出ステム3)の前進速度である。図2においては、横軸にラム位置Lを示し、縦軸にラム速度Vを示している。実際の制御においては、ラム速度をゼロから所定速度まで加速させる場合、あるいは、所定のラム速度を異なるラム速度に加減速させる場合、所定の時間を要する。図2においては、メインラム4a(押出ステム3)が移動している場合、そのラム位置の変化がその時間に相当するが、理解を容易にするため、加減速に要する時間(ラム位置の変化)の反映を割愛している。
ラム位置L1からラム位置L2までの区間はアップセットを示している。アップセットとは、ラム位置L1において、押出ステム3をビレットBに押し当て、ラム速度V1でビレットBを押圧する区間である。この押圧により、ビレットBが押し潰され、直径方向に塑性変形し、ビレットBとコンテナ1内のビレット収納部との間隙がビレットBで充填され、押出成形の準備が完了する。
このアップセットは、メインシリンダ4に発生する実押出圧力が設定圧力に到達すると終了となる。なお、アップセットにより、ダイス2からアルミ製品Wが押し出されることはない。この設定圧力は、一般的には8~10MPaである。
アップセットの終了後、ラム位置L2において押出ステム3の前進を停止させる。そして、コンテナ1及び押出ステム3を僅かに後退(図1の左側への移動)させることにより、アップセットによって、コンテナ1内のビレット収納部に閉じ込められていた空気を、ダイス2及びコンテナ1の間隙から排出させる。このような、コンテナ1内のビレット収納部からのガス抜きをバープサイクルと呼称する。
次に、コンテナ1を前進させてダイス2に押圧させる(コンテナシール)と共に、押出ステム3を前進させてラム位置L2に戻す。これでバープサイクルが終了する。なお、このバープサイクルにおける押出ステム3の移動については、図2への反映を割愛している。その後、ラム位置L2からラム位置L3までの区間において、押出ステム3によりラム速度V2でのビレットBの押圧を行わせる。ラム位置L2が押出開始点となる。この区間は、押出工程初期に、ダイス2の端面に押圧されたビレットBの先端部位が、ダイス2のアルミ製品Wの断面形状を模した開口部内に押し出され、ダイス2内にアルミ材の流れ(メタルフロー)が形成されるまで、ビレットBの押圧を行わせるものである。ラム速度V2を低速とするのは、ダイス2の保護を目的とするためである。
次に、ラム位置L3からラム位置L4までの区間において、押出ステム3によりラム速度V3でのビレットBの押圧を行わせる。この区間が実質的な押出成形が行われる区間である。この押圧により、ラム速度V3に準じた設定押出速度で押出ステム3を前進させて、ダイス2からアルミ製品Wが連続的に押し出される。
コンテナ1のビレット収納部内のビレットBが短くなると、ビレットBの押出成形を終了する区間に移行する。ラム位置L5が押出終了点とすると、ラム位置L4から終了区間に入る。ラム位置L4やラム位置L5は、コンテナ1のビレット収納部内に意図的に残すビレットB(ディスカード等と呼称される)の厚み等、諸条件に基づき決定される。このようなラム速度の制御が、メインポンプユニット5からの作動油の吐出量の増減により制御される。
一方、押出成形時に、ラム速度の制御に対応して、メインシリンダ4に発生する実押出圧力は、図3に示すように変化する。図3においては、図2との比較を容易にするために横軸にラム位置Lを示し、縦軸に、メインシリンダ4に発生する実押出圧力Pを示している。図3を参照しながら、押出成形時の実押出圧力の変化を説明する。なお、図3のアップセット終了押出圧力Pupは、先に説明した、アップセットを終了させる設定圧力である。また、図3の定格押出圧力Pmaxについては後述する。
まず、押出ステム3がビレットBに接触するまでの、ラム位置L0からラム位置L1までの区間においては、メインラム4a(押出ステム3)を前進させるために必要な負荷に準じた実押出圧力が発生する。メインラム4aがラム位置L1に到達すると、押出ステム3がビレットBに接触し、アップセットが開始される。このアップセットにより、ビレットBが押し潰されて押出抵抗が増大し、これに伴って実押出圧力が上昇する。実押出圧力がアップセット終了押出圧力Pupに到達し、アップセットが終了するラム位置L2までこの実押出圧力の上昇が継続される。なお、アップセット終了後に行われるバープサイクル(ガス抜き)における押出ステム3の移動については、図2と同様に、図3への反映を割愛している。
バープサイクル終了後、ラム位置L2から押出成形が開始される。先に説明したようにラム位置L2からラム位置L3までの区間では、ダイス2の保護を目的として低速(ラム速度V2)でのビレットBの押圧が行われ、実押出圧力の上昇が継続される。
ラム位置L2からラム位置L5までの区間では、ビレットBをダイス2から押し出すために必要な力に加えて、コンテナ1のビレット収納部の内周面及びビレットBの外周面間に作用する摩擦力に抗する力が、実押出圧力として発生する。また、ラム位置L3近傍において、ラム速度V2をラム速度V3に増速させる。そのため、ビレットBの全長が最も長く、且つ、ラム速度が増速され、押出抵抗が最も大きくなるラム位置L3近傍で、実押出圧力が最大となる。
一方、ビレットBをダイス2から押し出すために必要な力は、ビレットBの温度変化の影響を除けば、略一定であるとされている。そのため、押出ステム3の前進に伴いビレットBが短くなると、これに比例して上記摩擦力も減少し、ラム位置L3近傍でピークに到達した実押出圧力も漸次減少していく。そして、ラム速度V3からラム速度V4に減速するラム位置L4近傍を境に、実押出圧力の減少率が増加し、ラム位置L5において押出成形が完了する。
押出プレス装置においては、このような実押出圧力の変化を鑑み、発生可能な仕様上の最大押出圧力が規定される。この最大押出圧力を定格押出圧力と呼称する。図3の定格押出圧力Pmaxがこれに相当する。定格押出圧力は、図4の油圧回路HCに示す、メインポンプユニット5の作動油の吐出側の油圧回路に設けられたリリーフ弁10に設定される設定リリーフ圧力により規定される。図4は、一般的な押出プレス装置の、リリーフ弁により定格押出圧力が規定される油圧回路の概念図である。
例えば、このリリーフ弁10の設定リリーフ圧力を25MPaに設定する。油圧回路HC内の作動油の圧力(以後、実押出圧力と呼称する。)がこの設定リリーフ圧力を超えると、リリーフ弁10のタンク6側への弁が開放され、作動油がタンク6側へ排出されて、油圧回路HCの実押出圧力が低下する。また、油圧回路HCの実押出圧力が設定リリーフ圧力以下になると、リリーフ弁10のタンク6側への弁が閉塞され、油圧回路HCが再び閉回路となり、油圧回路HCの実押出圧力が設定リリーフ圧力まで上昇する。油圧回路HCに、設定リリーフ圧力を超える実押出圧力が継続して発生するような場合であっても、このような、リリーフ弁10のタンク6側への弁の開閉によって、油圧回路HCの実押出圧力は、若干変動するものの、ほぼ設定リリーフ圧力近傍で制御される。
このようなリリーフ弁10のタンク6側への弁は、圧縮バネ等による開閉機構が採用される。圧力調整用バネとして内蔵される圧縮バネ等の全長を機械的(ネジ等)に手動で調整可能に構成されており、該圧力調整用バネの弾性力を調整することにより、リリーフ弁10の設定リリーフ圧力が調整できる。アルミ製品Wによっては、ダイス2からアルミ製品が安定して押し出される状態において、実押出圧力が定格押出圧力よりも十分に低いものもある。しかしながら、先に説明したように、ラム位置L3近傍において、実押出圧力が最大となる。また、近年の押出成形においては、軽量化ニーズが高まって、高強度アルミニウム合金の薄肉化が進み、押出圧力の高圧化や押出速度の低速化が進んでいる。そのため、油圧回路HCの実押出圧力が、定格押出圧力、あるいはその近傍の高い押出圧力まで到達可能であることが好ましい。
ここで、リリーフ弁には、図5に示すように、リリーフ弁が配置される油圧回路に供給される作動油の流量に準じたオーバーライド特性(圧力オーバーライド)を有していることが知られている。図5の横軸は、メインポンプユニット5から油圧回路に供給される作動油流量(%)で、最大流量を100%とする。縦軸は、リリーフ弁のタンク側への弁が作動(開く)するリリーフ圧力(実リリーフ圧力/MPa)を示している。
理想的なリリーフ弁であれば、油圧回路に供給される作動油の流量によらず、油圧回路の作動油の圧力が、図5中の線aで示される設定リリーフ圧力の25MPaを超えた場合、リリーフ弁のタンク側への弁が開放されるため、油圧回路の実押出圧力は当該設定リリーフ圧力を上限として制御される。
しかしながら、実際には、先に説明したリリーフ弁の機械的な構造に起因して、油圧回路に供給される作動油の流量によって、タンク側への弁が開放される実リリーフ圧力が設定リリーフ圧力と異なる。具体的には、油圧回路に供給される作動油の流量が少ない程、設定リリーフ圧力よりも低い圧力でタンク側への弁が開放され、油圧回路の実押出圧力は設定リリーフ圧力に到達しない。一方、油圧回路に供給される作動油の流量が多い程、設定リリーフ圧力を超えた圧力でタンク側への弁が開放され、油圧回路の実押出圧力は設定リリーフ圧力を超えてしまう。
このようなリリーフ弁の特性を圧力オーバーライドと呼称する。この圧力オーバーライドを図5中の右上がりの線bで示す。すなわち、油圧回路に供給される作動油の流量によって、図5中に斜線で示したように、リリーフ弁が開放される作動油の圧力に(a-b)の圧力差が発生することになる。図5では、一例として、油圧回路に供給される作動油の流量が50%の場合に、リリーフ弁のタンク側への弁が、設定リリーフ圧力の25MPaで開放されることを示す。
このような圧力オーバーライドを有するリリーフ弁を、図4に示す油圧回路HCのリリーフ弁10に用いて、例えば、図2に示されるようなラム速度に従ってメインポンプユニット5の作動油の吐出量が制御されることになる。
ここで問題になるのが、実押出圧力が最大となるラム位置L3近傍の押出圧力の制御である。先に説明したように、油圧回路HCの実押出圧力は、定格押出圧力、あるいはその近傍の高い押出圧力まで到達可能であることが好ましい。また、押出速度の低速化が進んでいる。すなわち、押出成形において、実際にダイス2からアルミ製品Wが押し出される、ラム位置L3からラム位置L4までの区間のラム速度V3を低速とする場合、油圧回路HCに供給される作動油の流量、すなわち、メインポンプユニット5の吐出量も、仕様上の最大吐出量に対して少なく制御される。
その結果、図5に示す圧力オーバーライドの、油圧回路HCに供給される作動油の流量が50%以下の、斜線で示された領域のように、設定リリーフ圧力(線a)よりも(a―b)分、低い圧力でタンク6側への弁が開放され、ラム位置L3近傍における油圧回路HCの実押出圧力が設定リリーフ圧力(線a)に到達しない。
この場合の実押出圧力のイメージを図6に示す。図6の破線部分が、図3の実押出圧力のピーク部分であって、リリーフ弁10の圧力オーバーライドのために、図6に実線で示す実押出圧力のピーク部分のように、ラム位置L3近傍において、実押出圧力は、定格押出圧力Pmaxより低い圧力までしか立ち上がらない。そのため、油圧回路の実押出圧力が、仕様上の定格押出圧力、あるいはその近傍の高い押出圧力まで到達しないという問題がある。また、実押出圧力が定格押出圧力よりも低いため、ラム速度の立ち上がり時間も、定格押出圧力発生時の立ち上がり時間よりも長くなり、押出成形のサイクルタイムが長くなるという問題もある。低速での押出成形において、ラム速度の立ち上がり時間が長くなることは、押出成形のサイクルタイムへの影響が大きい。
一方、ラム位置L3における、ラム速度の立ち上がりを早めるため、ラム速度V3でメインラム4aを前進させるのに必要な作動油の流量よりも、メインポンプユニット5の吐出量を一時的に増加させるフィードバック制御が、ラム位置L3近傍で行われる。
この場合、増加させた作動油の流量によっては、図5に示す圧力オーバーライドの、油圧回路HCに供給される作動油の流量が50%以上の、斜線で示された領域のように、設定リリーフ圧力(線a)よりも(b―a)分、高い圧力でタンク側への弁が開放され、油圧回路HCの作動油の圧力が設定リリーフ圧力(線a)を超える可能性がある。
この場合の実押出圧力のイメージを図7に示す。図7の破線部分が、図3の実押出圧力のピーク部分であって、リリーフ弁10の圧力オーバーライドのために、図7に実線で示す実押出圧力のピーク部分のように、ラム位置L3近傍において、実押出圧力は、定格押出圧力Pmaxを超えた圧力に到達する。到達した圧力と定格押出圧力Pmaxの圧力差が大きな場合は、ダイスや押出プレス装置の受圧部位に過負荷が発生するという問題がある。
そこで、押出プレス装置の押出工程における、このようなリリーフ弁の圧力オーバーライドに起因する問題を解消するため、油圧回路における定格押出圧力を規定するリリーフ弁に、電磁リリーフ弁を採用する押出プレス装置が開示されている。リアルタイムで、設定リリーフ圧力を調整可能な電磁リリーフ弁には様々なタイプのものがあるが、押出プレス装置の定格押出圧力を設定するリリーフ弁には、タンク6側への弁が、圧縮バネ等及び油圧による開閉機構を備える機械式リリーフ弁と、該機械式リリーフ弁のタンク6側への弁の、油圧による開閉機構に、開閉制御信号に従って油圧回路から、開閉用の作動油を供給するパイロット電磁弁とが組み合わされたリリーフ弁が採用されることが一般的である。
例えば、特許文献1の押出しプレス装置には、油圧管路に、定常押し出し時の設定圧P1(本願における定格押出圧力Pmax)が設定されたメインリリーフ弁36と、押出工程の当初、該設定圧P1より高い所定の設定圧P0に設定された電磁リリーフ弁40とが配置されている。押出開始直後、押出速度が低速で、油圧管路に供給される作動油の流量が少ない状態において、作動油は、メインリリーフ弁36からではなく、該設定圧P1より高い所定の設定圧P0に設定された電磁リリーフ弁40からタンク側に排出されるため、油圧管路内の作動油の圧力、すなわち、実押出圧力が、所定の設定圧P0よりも低い、設定圧P1近傍に迅速に到達するとされている。
そして、押出し速度が所定の速度に近づき、油圧管路に供給される作動油量が増加するのに対応して、電磁リリーフ弁40の所定の設定圧P0を減少させ、最終的に、設定圧P1に到達させることにより、所望する押出し圧力への到達が迅速で、リリーフ弁からタンク側へ排出される作動油の流量も減少させることができ、エネルギー効率が高いとされている。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[第1実施形態]
第1実施形態に係る押出プレス装置の基本構成については、先に、図1を参照しながら説明した基本構成と同じであるため、説明は割愛する。一方、第1実施形態に係る押出プレス装置においては、図8に示す油圧回路HC2により、油圧回路HC2の定格押出圧力Pmaxが規定される。図8は、第1実施形態に係る押出プレス装置の、リリーフ弁により定格押出圧力が規定される油圧回路の概念図である。
図4に示す油圧回路HCと図8に示す油圧回路HC2との差異は、メインポンプユニット5の作動油の吐出側の油圧回路HC2に配置されるリリーフ弁が、1つではなく複数(3個)であることと、これら複数(3個)のリリーフ弁を任意に選択可能な選択手段を備えていることである。
図8に示すように、油圧回路HC2に作動油を供給するメインポンプユニット5の吐出側の油圧回路(油圧管路)には、3つに分岐した分岐管路が接続されており、各分岐管路には、後述するリリーフ弁を任意に選択可能な選択手段としての、開閉弁101a、102a、103aを介して、それぞれ、小吐出量用リリーフ弁101、基準吐出量用リリーフ弁102、及び、大吐出量用リリーフ弁103が配置されている。そして、押出工程において、設定押出速度に基づいた、メインポンプユニット5の設定吐出量に準じて、選択手段である開閉弁101a、102a、103aにより、これら複数のリリーフ弁を選択する制御装置を備えている。この制御装置は、これら複数のリリーフ弁を選択する機能のみを有する制御装置である必要はなく、押出プレス装置の一部、あるいは全体の動作を制御するための、押出プレス装置の制御装置にその機能を備えていればよいため、図8への図示を割愛している。
これらのリリーフ弁は、それぞれ圧力オーバーライドを有するものの、パイロット電磁弁が組み込まれた電磁リリーフ弁に対して、構造がシンプルであって、油圧回路(油圧管路)内の作動油に含まれる不純物(所謂、コンタミ)による誤作動の可能性が非常に低く信頼性が高い。また、これらリリーフ弁を任意に選択可能な選択手段としての開閉弁も、流量制御等ではなく、油圧管路の開閉のみを行う弁であるため、これらリリーフ弁と同様に、構造がシンプルであって信頼性が高いことはいうまでもない。
まず、基準吐出量用リリーフ弁102を説明する。基準吐出量用リリーフ弁102には、主設定リリーフ圧力MRPが設定されている。主設定リリーフ圧力MRPは、押出プレス装置のメーカーにおいて出荷前に行われる試運転や、顧客の工場等に押出プレス装置を設置した際に行われる試運転等において設定される値である。
具体的には、押出プレス装置の試運転等において、試運転用の冷間ビレット、ダミーダイス等を使用して、油圧回路HC2の開閉弁102aのみを開放させ、基準吐出量用リリーフ弁102を選択した状態で油圧回路HC2に押出圧力を発生させる。ダミーダイスには、アルミ製品の断面形状を模した開口部が形成されておらず、冷間ビレットがダミーダイスから押し出されることはない。この時、メインポンプユニット5の作動油の最大吐出量を100%として、主設定リリーフ圧力MRPを設定するために予め決められた流量(例えば30%)の作動油をメインポンプユニット5から吐出させる。この流量を基準吐出量と呼称する。そして、メインポンプユニット5の吐出量が基準吐出量である状態において、油圧回路HC2の実押出圧力が定格押出圧力Pmaxに到達するように、基準吐出量用リリーフ弁102の設定リリーフ圧力(主設定リリーフ圧力MRP)が設定される。
次に、小吐出量用リリーフ弁101を説明する。小吐出量用リリーフ弁101には、高設定リリーフ圧力HRPが設定されている。この小吐出量用リリーフ弁101は、油圧回路HC2に供給される作動油の流量が少ない場合の、リリーフ弁の圧力オーバーライドを抑制することを目的としたものである。すなわち、メインポンプユニット5の吐出量が少なく、設定リリーフ圧力よりも低い圧力でタンク側への弁が開放されることを前提に、意図的に、主設定リリーフ圧力MRPよりも所定量高い高設定リリーフ圧力HRPが、小吐出量用リリーフ弁101に設定される。これにより、メインポンプユニット5の吐出量が少ない場合であっても、小吐出量用リリーフ弁101を選択することによって、油圧回路HC2の実押出圧力を、定格押出圧力、あるいはその近傍の高い押出圧力に到達させることができる。
最後に、大吐出量用リリーフ弁103を説明する。大吐出量用リリーフ弁103には、低設定リリーフ圧力LRPが設定されている。この大吐出量用リリーフ弁103は、油圧回路HC2に供給される作動油の流量が多い場合のリリーフ弁の圧力オーバーライドを抑制することを目的としたものである。すなわち、メインポンプユニット5の吐出量が多く、設定リリーフ圧力よりも高い圧力でタンク側への弁が開放されることを前提に、意図的に、主設定リリーフ圧力MRPよりも所定量低い低設定リリーフ圧力LRPが、大吐出量用リリーフ弁103に設定される。これにより、メインポンプユニット5の吐出量が多い場合であっても、大吐出量用リリーフ弁103を選択することによって、油圧回路HC2の実押出圧力を、定格押出圧力、あるいはその近傍の高い押出圧力を上限として制御することができる。
引き続き、図9及び図10を参照しながら、第1実施形態に係る押出プレス装置の、第1実施形態に係る押出圧力制御方法について説明する。まず、図9を参照しながら、第1実施形態に係る押出圧力制御方法の概要を説明する。図9は、第1実施形態に係る押出圧力制御方法の、制御フローのイメージ図である。
第1実施形態に係る押出圧力制御方法の制御フローは、図9に示すように、リリーフ弁特性記憶工程(F101)、吐出量区分設定工程(F102)、ポンプ選択工程(F103)及び、リリーフ弁選択工程(F104)の4つである。これら4つの制御は、押出工程中ではなく、押出工程を開始するまでに行われる。なお、図9は、主要な制御フローを示したイメージ図であって、実際に行われる制御やその順番を正確に示した制御フローではないことを了承されたい。
最初のリリーフ弁特性記憶工程(F101)は、先に説明した試運転等において行われる押出圧力制御の準備工程である。具体的には、まず、試運転用の冷間ビレット、ダミーダイス等をセットした試運転仕様の押出プレス装置において、油圧回路HC2の開閉弁102aのみを開放させ、基準吐出量用リリーフ弁102を選択する。そして、メインポンプユニット5の吐出量を基準吐出量(例えば30%)に設定した後、メインラム4aを前進させて油圧回路HC2に押出圧力を発生させる。
この状態において、油圧回路HC2の実押出圧力が定格押出圧力Pmaxに到達するように、基準吐出量用リリーフ弁102の設定リリーフ圧力を調整する。実押出圧力が発生している状態で、基準吐出量用リリーフ弁102の設定リリーフ圧力の調整は難しいため、油圧回路HC2の実押出圧力を確認しては、定格押出圧力Pmaxと比較して、設定リリーフ圧力を調整するというトライアンドエラーとなる。このようにして、基準吐出量用リリーフ弁102に主設定リリーフ圧力MRPを設定する。
これで、リリーフ弁特性記憶工程(F101)の準備が完了する。基準吐出量用リリーフ弁102に主設定リリーフ圧力MRPが設定された後、再び、メインラム4aを前進させて油圧回路HC2に押出圧力を発生させる。この時、メインポンプユニット5の吐出量を0(ゼロ)%から100%まで増加させると共に、油圧回路HC2に配置された圧力検出手段等(図示せず)により、吐出量に対応する実押出圧力を計測する。吐出量を連続で増加させて、実押出圧力の増加をリニアに計測することが望ましいが、リリーフ弁の圧力オーバーライドを把握することが目的であるため、吐出量を数段階で増加させて、各段階での実押出圧力を計測してもよい。
例えば、メインポンプユニット5の吐出量が少ない、すなわち、設定押出速度が低速である押出成形を重視するのであれば、基準吐出量近傍を含む、基準吐出量より吐出量が少ない区分を、5%、あるいは10%ずつ、細かく吐出量を増加させて、各吐出量に対応する実押出圧力を計測する。そして、基準吐出量より吐出量が多い区分については、吐出量が最大の100%と、あと70%等、2段階程度で吐出量を増加させて、各吐出量に対応する実押出圧力を計測すればよい。
上記のようにメインポンプユニット5の吐出量に対応して計測した実押出圧力を、吐出量と実押出圧力との関係として、押出プレス装置の制御装置等に記憶させる。この吐出量と実押出圧力との関係を図10(a)、(b)に示す。図10(a)、(b)に示すように、基準吐出量(30%)時に、油圧回路HC2の実押出圧力が定格押出圧力Pmaxに到達する。このリリーフ弁特性記憶工程(F101)については、予め、メインポンプユニット5の吐出量の増加形態(連続で増加させるか、段階的に増加させるか、段階的に増加させる場合は、それぞれの段階の吐出量を何%にするか等)を決めておくことにより、リリーフ弁特性記憶工程(F101)の準備が完了した以降の、メインポンプユニット5の吐出量を増加させて、油圧回路HC2の対応する実押出圧力を計測する作業を、プログラムにより自動で行わせることが好ましい。
次に、吐出量区分設定工程(F102)を説明する。この吐出量区分設定工程(F102)も、試運転時等に行われる押出圧力制御の準備工程である。具体的には、リリーフ弁特性記憶工程(F101)により記憶された吐出量と実押出圧力との関係に基づき、適用されるリリーフ弁と、該リリーフ弁が適用される吐出量区分を設定するものである。
具体的には、最初に、基準吐出量(30%)を含むように基準吐出量区分SDVを設定する。基準吐出量区分SDVを設定するためには、適用するリリーフ弁のリリーフ特性、設定押出速度、定格押出圧力や押出成形の対象となるアルミ材の成形困難度等の諸条件を鑑みて設定する必要がある。基準吐出量区分SDVを設定する方法の一例として、吐出量40%を基準吐出量区分SDVの上限に設定し、吐出量10%を下限に設定した状態を図10(a)に示す。この基準吐出量区分SDVの設定によって、後述するポンプ選択工程(F103)において算出される設定吐出量が、同じく後述するリリーフ弁選択工程(F104)において、基準吐出量区分SDVに含まれると判定されると、基準吐出量用リリーフ弁102が、押出工程時における実押出圧力を制御するリリーフ弁として選択される。
基準吐出量区分SDVが設定されると、基準吐出量区分SDVよりも吐出量が少ない区分が、小吐出量区分LDVとして設定されると共に、後述するポンプ選択工程(F103)において算出される設定吐出量が、同じく後述するリリーフ弁選択工程(F104)において、小吐出量区分LDVに含まれると判定されると、小吐出量用リリーフ弁101が、押出工程時における実押出圧力を制御するリリーフ弁として選択される。
また、吐出量区分設定工程(F102)において、基準吐出量区分SDVよりも吐出量が多い区分が大吐出量区分HDVとして設定されてもよい。他の吐出量区分と同様に、後述するポンプ選択工程(F103)において算出される設定吐出量が、同じく後述するリリーフ弁選択工程(F104)において、大吐出量区分HDVに含まれると判定されると、大吐出量用リリーフ弁103が、押出工程時における実押出圧力を制御するリリーフ弁として選択される。
吐出量区分設定工程(F102)において、基準吐出量区分SDVを設定する方法として別例を挙げると、定格押出圧力Pmaxに対する許容上限押出圧力Pmaxup及び許容下限押出圧力Pmaxlowを設定してもよい。具体的には、リリーフ弁特性記憶工程(F101)により記憶された吐出量と実押出圧力との関係において、許容上限押出圧力Pmaxupと同じ実押出圧力に対応する吐出量Q2を、基準吐出量区分SDVの上限に設定すると共に、許容下限押出圧力Pmaxlowと同じ実押出圧力に対応する吐出量Q1を、基準吐出量区分SDVの下限に設定する。図10(b)に、このように設定した状態を示す。
試運転等においては、このように基準吐出量区分SDVを設定しておき、実際の押出工程において、後述するリリーフ弁選択工程(F104)でのリリーフ弁の選択に問題があれば、適宜、基準吐出量区分SDVを再設定すればよい。なお、基準吐出量区分SDVの再設定により、基準吐出量区分SDVより吐出量が少ない区分が、新たに小吐出量区分LDVが再設定されることはいうまでもない。同様に、基準吐出量区分SDVの再設定により、基準吐出量区分SDVよりも吐出量が多い区分が、大吐出量区分HDVが再設定されてもよい。
ここで、先に説明したように、小吐出量用リリーフ弁101の設定リリーフ圧力は、基準吐出量用リリーフ弁102に設定される主設定リリーフ圧力MRPよりも所定量高い高設定リリーフ圧力HRPが設定される。また、大吐出量用リリーフ弁103の設定リリーフ圧力は、基準吐出量用リリーフ弁102に設定される主設定リリーフ圧力MRPよりも所定量低い低設定リリーフ圧力LRPが設定される。
高設定リリーフ圧力HRPを、主設定リリーフ圧力MRPに対して、どの程度、高く設定するか、あるいは、低設定リリーフ圧力LRPを、主設定リリーフ圧力MRPに対して、どの程度、低く設定するかも、適用するリリーフ弁のリリーフ特性、設定押出速度、定格押出圧力や押出成形の対象となるアルミ材の成形困難度等の諸条件を鑑みて決定する必要がある。
一方、高設定リリーフ圧力HRPや、低設定リリーフ圧力LRPの、主設定リリーフ圧力MRPに対する所定量の差異を予め決めておいてもよい。例えば、高設定リリーフ圧力HRPを、主設定リリーフ圧力MRPに対して1MPa高く設定すると共に、低設定リリーフ圧力LRPを、主設定リリーフ圧力MRPに対して1MPa低く設定する。この設定で、実際に押出成形を行わせ、これら設定に問題があれば再調整を行う。このような経験の積み重ねから、押出プレス装置のユーザーの押出成形に好適な、高設定リリーフ圧力HRPや、低設定リリーフ圧力LRPの、主設定リリーフ圧力MRPに対する所定量の差異を決めてもよい。
また、他の一例を挙げる。リリーフ弁特性記憶工程(F101)において、基準吐出量(例えば30%)に対して、目安とする少ない吐出量及び多い吐出量を選択する。仮に、少ない吐出量を10%、多い吐出量を90%とする。基準吐出量用リリーフ弁102の圧力オーバーライドにより、少ない吐出量10%においては、油圧回路HC2の実押出圧力が、主設定リリーフ圧力MRPよりも低くなる。この実押出圧力をPlowとする(MRP>Plow)。一方、多い吐出量90%においては、油圧回路HC2の実押出圧力が、主設定リリーフ圧力MRPよりも高くなる。この実押出圧力をPhighとする(MRP<Phigh)。
そして、それぞれの実押出圧力と主設定リリーフ圧力MRPとの差分を、主設定リリーフ圧力MRPに対して加減した圧力を、高設定リリーフ圧力HRPや低設定リリーフ圧力LRPとして設定する。具体的には、主設定リリーフ圧力MRP及び実押出圧力Plowの差分(MRP―Plow)を、主設定リリーフ圧力MRPに加えた圧力を、高設定リリーフ圧力HRPとして、小吐出量用リリーフ弁101の設定リリーフ圧力として設定する。一方、実押出圧力Phigh及び主設定リリーフ圧力MRPの差分(Phigh-MRP)を主設定リリーフ圧力MRPから減じた圧力を、低設定リリーフ圧力LRPとして、大吐出量用リリーフ弁103の設定リリーフ圧力として設定するものである。この方法であれば、予め、基準吐出量に対して、目安とする少ない吐出量及び多い吐出量を設定しておくことにより、リリーフ弁特性記憶工程(F101)において、高設定リリーフ圧力HRP及び低設定リリーフ圧力LRPを算出させることができる。
さらに、他の一例を挙げる。高設定リリーフ圧力HRPについては、小吐出量用リリーフ弁101が選択される小吐出量区分LDVの中で、実押出圧力を特に制御したい特定の吐出量(例えば10%近傍)をターゲットとする。そして、その特定の吐出量であっても、実押出圧力が、定格押出圧力Pmax、あるいはその近傍の高い押出圧力まで到達可能な設定リリーフ圧力を、試運転において調整してもよい。
一方、低設定リリーフ圧力LRPについても、大吐出量用リリーフ弁103が選択される大吐出量区分HDVの中で、実押出圧力を特に制御したい特定の吐出量(例えば40%近傍)をターゲットとする。そして、その特定の吐出量であっても、実押出圧力が、定格押出圧力Pmax、あるいはその近傍の高い押出圧力を超えない設定リリーフ圧力を、試運転において調整してもよい。このように、この実押出圧力を特に制御したい特定の吐出量(%)を、小吐出量用リリーフ弁101や大吐出量用リリーフ弁103それぞれの設定リリーフ圧力の調整と合わせて、基準吐出量区分の上限や下限を決める際の目安にしてもよい。
また、大吐出量用リリーフ弁103を、ラム速度の立ち上がり時に行われるフィードバック制御における、一時的に増加されるメインポンプユニット5の吐出量に起因する圧力オーバーライドに対応する機能と兼ねて、安全装置として機能させてもよい。具体的には、大吐出量用リリーフ弁103が採用される大吐出量区分HDVの中で、メインポンプユニット5の吐出量が100%であっても、実押出圧力が、定格押出圧力Pmax、あるいはその近傍の高い押出圧力を超えない設定リリーフ圧力(低設定リリーフ圧力LRP)を、試運転において調整する。
このように調整された低設定リリーフ圧力LRPにより、押出工程において大吐出量用リリーフ弁103が選択された状態においては、フィードバック制御時に、メインポンプユニット5の吐出量が、設定ミスや制御不具合によって想定以上に増加したとしても、油圧回路HC2の実押出圧力が、定格押出圧力Pmax、あるいはその近傍の高い押出圧力を超えないように制御され、ダイスや押出プレス装置の受圧部位に過負荷が発生することを回避することができる。
ここで、近年の押出成形においては、省エネルギーを目的として、メインポンプユニット5において、各工程で駆動させる油圧ポンプの台数を限定して、吐出量が制御されることが多い。設定押出速度が低速で、メインポンプユニット5の吐出量が少ない押出工程においては、駆動させる油圧ポンプの台数が特に少ない。そのため、ラム速度の立ち上がり時に行われるフィードバック制御においては、一時的に増加されるメインポンプユニット5の吐出量に起因する圧力オーバーライドがあったとしても、このような、駆動させる油圧ポンプの台数の限定によって、油圧回路HC2の実押出圧力が定格押出圧力Pmaxを大きく超える可能性は低い。そのため、押出プレス装置が押出成形の対象とするアルミ製品や、アルミ材の種類や、押出成形条件によっては、低設定リリーフ圧力LRPが設定された、大吐出量用リリーフ弁103が必須ではない場合がある。
一方、ラム速度の立ち上がり時に行われるフィードバック制御において、圧力オーバーライドによって、油圧回路HC2の実押出圧力が定格押出圧力Pmaxを大きく超える可能性があり、安全装置としての、大吐出量用リリーフ弁103を配置した方が好ましい形態もある。一例を挙げると、硬度が通常のアルミ材よりも高い、押し出し難いアルミ材の押出成形である。このような難押出材の押出成形においては、ラム速度の立ち上がりを早めるために、押出速度のフィードバック制御時に、メインポンプユニット5の駆動可能な油圧ポンプの台数が、設定押出速度に準じたラム速度に必要な作動油の流量の確保に必要な油圧ポンプの台数よりも多く設定される場合である。
例えば、設定押出速度に基づいた設定吐出量(必要な吐出量)が200L/min.であって、最大吐出量が400L/min.の油圧ポンプ1台で設定押出速度が得られる場合であっても、フィードバック制御時のメインポンプユニット5の吐出量増加制御を鑑み、同油圧ポンプ4台を、それぞれ50L/min.(吐出量12.5%/台)、合計200L/min.で駆動させるような設定がなされているものとする。油圧ポンプへの吐出量指令(%)は、各油圧ポンプへの個別の吐出量指令ではなく、駆動可能に設定された4台の油圧ポンプへの共通の吐出量指令として発信される。そのため、フィードバック制御時に100%の吐出量指令が発信された場合、駆動させる油圧ポンプが1台であれば、最大吐出量が400L/min.であるところ、油圧ポンプ4台で最大吐出量が1,600L/min.まで増加される可能性がある。このような形態においては、安全装置としての、大吐出量用リリーフ弁103を配置することが好ましい。
図9に示す、第1実施形態に係る押出圧力制御方法の制御フローの説明に戻る。先に説明した、リリーフ弁特性記憶工程(F101)及び吐出量区分設定工程(F102)は、試運転時等に行われる押出圧力制御の準備工程である。一方、次に説明するポンプ選択工程(F103)は、押出工程が行われる前に行われる制御であって、アルミ製品Wを押出成形する際に、押出成形条件の一つとして入力される設定押出速度に基づき、設定吐出量が算出されると共に、算出された設定吐出量に基づいて、メインポンプユニット5において、押出工程時に駆動させる油圧ポンプの選択を行なう工程である。
ここで、ラム速度は、メインシリンダ4に供給される作動油の流量(単位時間当たりの容積)を、メインシリンダ4の油室の断面積で除した値となる。この作動油の流量を、設定押出速度に基づいた、メインポンプユニット5の設定吐出量と呼称し、この設定吐出量は、前述の関係より、設定押出速度とメインシリンダ4の油室の断面積との積により算出される。実際には、押出ステム3、あるいは、メインラム4aの前進速度を検出可能に配置される速度検出手段(図示せず)により計測し、これを設定押出速度に一致させるフィードバック制御(メインシリンダ4に供給させる作動油流量の増減制御)が行われる。
そして、算出された設定吐出量に基づいて、メインポンプユニット5において、駆動させる油圧ポンプの選択(設定)が行われる。この時、ラム位置L3近傍のフィードバック制御における、メインポンプユニット5の吐出量の増加も考慮されることが好ましい。また、駆動させる油圧ポンプが、特定の油圧ポンプに集中しないように、押出工程の都度、あるいは、予め設定した押出工程のサイクル数等に準じて、駆動させる油圧ポンプが変更されることが好ましい。
ポンプ選択工程(F103)の後、リリーフ弁選択工程(F104)が行われる。リリーフ弁選択工程(F104)も、押出工程が行われる前に行われる制御であって、ポンプ選択工程(F103)で算出された設定吐出量が、吐出量区分設定工程(F102)で設定された基準吐出量区分SDV、及び、小吐出量区分LDVのいずれに含まれるかが判定される。そして、判定された吐出量区分に設定されたリリーフ弁が、押出工程において選択される。なお、リリーフ弁選択工程(F104)において、設定吐出量が大吐出量区分HDVに含まれるか判定された場合に、押出工程において、大吐出量用リリーフ弁103が選択されるように構成されてもよい。
以上、説明した第1実施形態に係る押出プレス装置の、第1実施形態に係る押出圧力制御方法により、押出成形が行われる押出工程において、設定押出速度に基づいた、メインポンプユニット5の設定吐出量に準じて、実押出圧力が最も高くなるラム位置L3近傍の油圧回路HC2の実押出圧力が、定格押出圧力Pmax、あるいはその近傍の高い押出圧力まで到達可能な設定リリーフ圧力が設定されたリリーフ弁が、制御装置(図示せず)によって選択されるため、電磁リリーフ弁を使用することなく、リリーフ弁の圧力オーバーライドを抑制することができる。また、メインポンプユニット5の設定吐出量によらず、実押出圧力が最も高くなるラム位置L3近傍において、油圧回路HC2の実押出圧力を、定格押出圧力Pmax、あるいはその近傍の高い押出圧力まで到達させることができる。
さらに、複数のリリーフ弁に、低設定リリーフ圧力LRPが設定された大吐出量用リリーフ弁103が含まれることにより、ラム速度の立ち上がりを早めるために、押出速度のフィードバック制御時に、メインポンプユニット5において、駆動させる油圧ポンプの台数が、設定押出速度に準じたラム速度に必要な作動油の流量の確保に必要な油圧ポンプの台数よりも多く設定される押出成形、例えば、難押出材の押出成形等においても、大吐出量用リリーフ弁103が選択されることにより、リリーフ弁の圧力オーバーライドを抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、図11を参照しながら、第2実施形態に係る押出圧力制御方法を説明する。第2実施形態に係る押出プレス装置の基本構成は、第1実施形態に係る押出プレス装置と基本的に同じであるため、説明は割愛する。図11は、本発明の第2実施形態に係る押出圧力制御方法における、実押出圧力監視工程の制御フローのイメージ図である。なお、図11は、主要な制御フローを示したイメージ図であって、実際に行われる制御やその順番を正確に示した制御フローではないことを了承されたい。
図9に示す、第1実施形態に係る押出圧力制御方法の制御フローは、押出プレス装置への押出成形の諸条件の入力後、押出工程中ではなく、押出プレス装置の試運転等や、押出工程を開始するまでに行われる。これに対して、第2実施形態に係る押出圧力制御方法は、第1実施形態に係る押出圧力制御方法において、押出工程中に機能させる実押出圧力監視工程をさらに備える点である。そのため、図11を参照しながら、実押出圧力監視工程を説明する。
第2実施形態においては、リリーフ弁選択工程(F104/図9)において、メインポンプユニット5の設定吐出量が、小吐出量区分LDVに含まれると判定され、開閉弁101aのみが開放され、小吐出量用リリーフ弁101が選択された状態で押出工程が開始されたものとする。押出工程がスタート(ラム位置L2/図2)した段階から実押出圧力監視工程が開始され、油圧回路HC2に配置された圧力検出手段等(図示せず)により、計測される実押出圧力が定格押出圧力Pmax以下かどうかが監視される(F201)。
制御フローF201は、押出工程の完了(ラム位置L5/図2)まで継続される(F204)。ここで、ラム位置L3近傍(図2)の押出速度のフィードバック制御により、メインポンプユニット5の吐出量が増加され、小吐出量用リリーフ弁101の圧力オーバーライドにより、油圧回路HC2の実押出圧力が定格押出圧力Pmaxを超えたものとする。この超過量が、予め設定した許容値を超えた場合、制御フローF201において、実押出圧力が定格押出圧力Pmax以下ではない(NO)と判定される。これにより、制御フローがF202に移行し、現状選択されているリリーフ弁(この場合、小吐出量用リリーフ弁101)よりも、設定リリーフ圧力の低いリリーフ弁への切り替えが可能か判定される。
本形態においては、小吐出量用リリーフ弁101に設定された高設定リリーフ圧力HRPよりも低い、主設定リリーフ圧力MRPが設定された基準吐出量用リリーフ弁102が選択可能である。そのため、制御フローF202において、リリーフ弁の切り替えは可能(YES)と判定される。これにより、当初のリリーフ弁選択工程(F104/図9)において選択されていた小吐出量用リリーフ弁101の開閉弁101aが閉塞され、開閉弁102aを開放させて、リリーフ弁を基準吐出量用リリーフ弁102に切り替える再選択が行われる(F203)。
制御フローF203において、リリーフ弁が、小吐出量用リリーフ弁101から基準吐出量用リリーフ弁102に切り替えられた後も、押出工程の完了(ラム位置L5/図2)まで実押出圧力監視工程が継続される(F204)。ラム位置L3近傍から、メインラム4aがさらに前進すると、図3他で説明したように、油圧回路HC2の実押出圧力が低下する。そのため、押出プレス装置の不具合等が発生しない限り、再び、油圧回路HC2の実押出圧力が定格押出圧力Pmaxを超える可能性は低い。その結果、基準吐出量用リリーフ弁102が再選択された状態が維持されて押出工程が完了する(F204/YES)。
このような実押出圧力監視工程を備えることにより、リリーフ弁選択工程(F104/図9)において、小吐出量用リリーフ弁101が選択されるような、設定押出速度が低速である押出成形においては、基準吐出量用リリーフ弁102が、ラム速度の立ち上がり時に行われるフィードバック制御における、一時的に増加されるメインポンプユニット5の吐出量に起因する圧力オーバーライドに対応すると共に、大吐出量用リリーフ弁103に代わる安全装置として機能する。すなわち、フィードバック制御時に、メインポンプユニット5の吐出量が増加したとしても、油圧回路HC2の実押出圧力が、定格押出圧力Pmax、あるいはその近傍の高い押出圧力を超えないように制御される。
また、リリーフ弁選択工程(F104/図9)において、メインポンプユニット5の設定吐出量が、基準吐出量区分SDVに含まれると判定され、押出工程において、開閉弁102aのみが開放され、基準吐出量用リリーフ弁102が選択された状態で押出工程が開始された場合であっても、実押出圧力監視工程を機能させることが好ましい。すなわち、実押出圧力監視工程において、油圧回路HC2の実押出圧力が定格押出圧力Pmaxを超えた場合、制御フローF203において、リリーフ弁を、基準吐出量用リリーフ弁102から大吐出量リリーフ弁103に切り替える再選択が行われればよい。そのため、詳細な説明は割愛する。
そして、レアケースではあるが、リリーフ弁選択工程(F104/図9)において、メインポンプユニット5の設定吐出量が、大吐出量区分HDVに含まれると判定され、押出工程において、開閉弁103aのみが開放され、大吐出量用リリーフ弁103が選択された状態で押出工程が開始された場合、実押出圧力監視工程において、油圧回路HC2の実押出圧力が定格押出圧力Pmaxを超えた場合、制御フローF202において、リリーフ弁の切り替えが困難(NO)と判定される。そして、制御フローF205において、この時の油圧回路HC2の実押出圧力が、高圧異常停止圧力以下であると判定された場合、押出工程は継続される。高圧異常停止圧力とは、油圧回路HC2の実押出圧力の最大許容圧力である。そのため、制御フローF205において、この時の油圧回路HC2の実押出圧力が、高圧異常停止圧力以下ではない、すなわち、高圧異常停止圧力を超えたと判定された場合、押出プレス装置の保護を優先させて、押出工程をその時点で停止させる(高圧異常停止/F206)。
なお、このようなレアケースで、設定吐出量が、大吐出量区分HVDに含まれると判定されることが予想できる場合は、先に説明したように、メインポンプユニット5の吐出量が100%であっても、実押出圧力が、定格押出圧力Pmax、あるいはその近傍の高い押出圧力まで到達可能な低設定リリーフ圧力LRPを大吐出量用リリーフ弁103に設定することによって、上記のような、押出工程途中での押出工程の停止を回避することが好ましい。
[第3実施形態]
次に、図12及び図13を参照しながら、第3実施形態に係る押出圧力制御方法を説明する。第3実施形態に係る押出プレス装置の基本構成も、第1実施形態に係る押出プレス装置と基本的に同じであるため、説明は割愛する。図12は、本発明の第3実施形態に係る押出圧力制御の、吐出量区分再設定工程において新たに行われる、リリーフ弁特性記憶工程において記憶される吐出量と実押出圧力との関係を示す図である。
先に説明したリリーフ弁の機械的な構造に起因した圧力オーバーライドと共に、リリーフ弁には、経年変化により、タンク側への弁からの作動油の漏れ(リーク)が発生して、あるいは、タンク側への弁からの作動油の漏れ量(リーク量)が増加して、メインポンプユニットの同じ吐出量に対する実リリーフ圧力が低下するという問題がある。これを、図12を参照しながら説明する。図12は、第1実施形態に係る押出圧力制御方法で説明した、リリーフ弁特性記憶工程F101において記憶される吐出量と実押出圧力との関係を示す図に基づいており、図12中の破線Xが、試運転等の、押出プレス装置使用の初期において、記憶させた吐出量と実押出圧力との関係(図10(a)、(b))を示している。
一方、リリーフ弁の経年変化により、メインポンプユニットの同じ吐出量に対する実リリーフ圧力が低下した状態で、吐出量区分再設定工程のリリーフ弁特性記憶工程F101において、新たに記憶させた吐出量と実押出圧力との関係を、図12中の実線Yで示している。実際には、メインポンプユニットの吐出量が少ない程、実リリーフ圧力の低下が顕著であるが、理解を容易にするために、破線XをΔPだけ下方に移動したものを実線Yで示している。図12の破線Xで示すように、試運転等の、押出プレス装置使用の初期において、リリーフ弁特性記憶工程において記憶させた吐出量と実押出圧力との関係においては、基準吐出量(30%)に対して、油圧回路HC2の実リリーフ圧力が定格押出圧力Pmaxに到達する設定リリーフ圧力(主設定リリーフ圧力MRP)が設定されている。
しかしながら、リリーフ弁の経年変化、具体的には、タンク側への弁の、弁体及びシール部分の弁開閉時に接触する部位の摩耗や、シール材の硬化等の劣化により、タンク側への弁部分のシール性が低下して、タンク側への弁からの作動油の漏れ(リーク)が発生し、あるいは、漏れ量(リーク量)が増加する。そして、これに起因して、油圧回路HC2の実押出圧力(実リリーフ圧力)が設定リリーフ圧力よりも低くなる。図12においては、基準吐出量(30%)に対する実リリーフ圧力が、主設定リリーフ圧力MRPよりΔP低下しているものとする。
このような状態になると、試運転時等において設定した、各リリーフ弁の設定リリーフ圧力や、同様に、試運転時等の吐出量区分設定工程(図9/F102)において設定した各リリーフ弁に対応する吐出量区分の前提が崩れ、本発明に係る押出圧力制御方法の作用効果が低下する可能性がある。そのため、本発明に係る押出圧力制御方法が、吐出量区分再設定工程を備えることが好ましい。
図13を参照しながら、第3実施形態に係る吐出量区分再設定工程を説明する。図13は、第3実施形態に係る押出圧力制御方法の、吐出量区分再設定工程における、基準吐出量区分の再設定を示す図である。図12と同様に、破線Xが、試運転等の、押出プレス装置使用の初期において、記憶させた吐出量と実押出圧力との関係を示している。また、リリーフ弁の経年変化により、メインポンプユニットの同じ吐出量に対する実リリーフ圧力が低下した状態で、吐出量区分再設定工程のリリーフ弁特性記憶工程F101において、新たに記憶させた吐出量と実押出圧力との関係を、図12中の実線Yで示している。
吐出量区分再設定工程においては、予め、リリーフ弁特性記憶工程(F101/図9)を行わせる所定の頻度を決めておくことが好ましい。この所定の頻度は、経年変化に起因する、メインポンプユニットの同じ吐出量に対する実リリーフ圧力の低下が、押出成形において、アルミ製品Wの品質や、押出成形における成形サイクルタイムに影響を与えることを回避することを目的として決定されることが好ましい。
一方、先に説明したように、リリーフ弁特性記憶工程(F101/図9)を行わせるには、押出プレス装置に、試運転用の冷間ビレット、ダミーダイス等をセットした試運転仕様に戻す必要がある。そのため、この頻度は、押出プレス装置の操業度等、アルミ製品の生産性に大きな影響を与えない程度の頻度であることが好ましい。一例を挙げると、顧客の工場等に押出プレス装置を設置し、実際にアルミ製品Wの製造が開始された初期の段階では、リリーフ弁特性記憶工程(F101/図9)を、比較的短い頻度、例えば2~3カ月毎に行わせて、基準吐出量に対する実リリーフ圧力の低下(ΔP/図12)の程度を確認する。
上記の頻度で確認して、基準吐出量に対する実リリーフ圧力の低下が少ないようであれば、頻度を長くしてもよいし、予想より多いようであれば、頻度を短くしてもよい。あるいは、頻度とは別に、アルミ製品Wの品質や、押出成形における成形サイクルタイムに影響が出ていると判定する判定基準を、アルミ製品の品質基準や成形サイクルタイム等の数値に対する許容値として決めておき、この許容値からの逸脱が確認された際に、適宜、リリーフ弁特性記憶工程(F101/図9)を行わせてもよい。
また、所定の頻度で行われる、あるいは、必要と判断された際に行われるリリーフ弁特性記憶工程(F101/図9)において、都度、吐出量区分設定工程(F102/図9)を行わせてもよいが、基準吐出量に対する実リリーフ圧力の低下ΔPが、予め設定しておいた許容値を超えた場合に、吐出量区分設定工程(F102/図9)を行わせてもよい。
吐出量区分再設定工程において行われる、2回目以降の吐出量区分設定工程(F102/図9)においても、基準吐出量区分SDVの設定については、新たに記憶させた、吐出量と実押出圧力との関係において、適用するリリーフ弁のリリーフ特性、設定押出速度、定格押出圧力や押出成形の対象となるアルミ材の成形困難度等の諸条件を鑑みて再設定する必要がある。ここで、図10(a)を参照しながら説明した、試運転等において行われる、最初(1回目)の吐出量区分設定工程(F102/図9)において、吐出量40%を基準吐出量区分SDVの上限に設定し、吐出量10%を基準吐出量区分SDVの下限に設定した場合を前提に、2回目以降の吐出量区分設定工程(F102/図9)において、基準吐出量区分SDVを再設定する方法の一例を挙げる。
図13に示すように、基準吐出量区分SDVの上限については、前に設定した上限である吐出量40%に対応する破線Xの実押出圧力(点PU1)と、同じ実押出圧力(点PU1’)に対応する実線Yの吐出量Q4(%)を新たな上限とする。一方、下限についても同様に、前に設定した下限である吐出量10%に対応する破線Xの実押出圧力(点PL1)と、同じ実押出圧力(点PL1’)に対応する実線Yの吐出量Q3(%)を新たな下限とする。このような、新たな上限Q4と下限Q4により規定された基準吐出量区分SDVを、補正基準吐出量区分SDV2として、以後の、ポンプ選択工程(F103/図9)及びリリーフ弁選択工程(F104/図9)が行われる。これら工程については、先に説明した内容と同じであるため、説明は割愛する。
なお、図10(b)を参照しながら説明した、試運転等において行われる、最初(1回目)の吐出量区分設定工程(F102/図9)の、基準吐出量区分SDVを再設定する方法の別例として挙げた、定格押出圧力Pmaxに対する許容上限押出圧力Pmaxup及び許容下限押出圧力Pmaxlowを設定する方法においても、図示はしていないが、リリーフ弁特性記憶工程(F101/図9)により新たに記憶された吐出量と実押出圧力との関係(図12及び図13の実線Y)において、許容上限押出圧力Pmaxupと同じ実押出圧力に対応する吐出量を、補正基準吐出量区分SDV2の上限に設定すると共に、許容下限押出圧力Pmaxlowと同じ実押出圧力に対応する吐出量を、補正基準吐出量区分SDV2の下限に設定すればよい。なお、吐出量区分再設定工程においても、補正基準吐出量区分SDV2の再設定により、補正基準吐出量区分SDV2よりも吐出量が少ない区分が、新たな小吐出量区分LDVとして再設定されることはいうまでもない。同様に、補正基準吐出量区分SDV2よりも吐出量が多い区分が、新たな大吐出量区分HDVとして再設定されてもよい。
以上、説明した第3実施形態に係る押出圧力制御方法により、経年変化等に起因して、メインポンプユニット5の同じ吐出量に対する油圧回路の実リリーフ圧力が低下した場合であっても、各リリーフ弁に対応する吐出量区分が再設定されるので、本発明に係る押出圧力制御方法の作用効果が低下することを回避することができる。また、各リリーフ弁に対応する吐出量区分の再設定により、リリーフ弁の経年変化に伴うリーク量が補正されるため、各リリーフ弁の設定リリーフ圧力を再調整する必要はない。