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JP7567526B2 - ポリアルキレンエーテルグリコールの製造方法 - Google Patents
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JP7567526B2 - ポリアルキレンエーテルグリコールの製造方法 - Google Patents

ポリアルキレンエーテルグリコールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリウレタン、ポリウレタンウレア、ポリエステル等の原料となるポリアル
キレンエーテルグリコールの製造方法に関する。
ポリアルキレンエーテルグリコール、その中でもポリテトラメチレンエーテルグリコー
ル(以下、「PTMG」と略記すことがある)は、熱硬化性ポリウレタン、熱可塑性ポリ
ウレタン、ポリウレタンウレア、熱可塑性エラストマー等のポリエステル原料などに使用
されている。
ポリアルキレンエーテルグリコールの製造方法としては、例えば、酸触媒及び無水酢酸
のようなカルボン酸無水物の存在下で、環状エーテルを開環重合させ、ポリアルキレンエ
ーテルグリコールのジカルボン酸エステルを得て、そして、この得られたジエステルを、
メタノールなどのアルカノールとのアルコリシス反応により、ポリアルキレンエーテルグ
リコールのジエステルをポリアルキレンエーテルグリコールに転化し、生成したポリアル
キレンエーテルグリコール中に含まれるアルカノールは、留去させる。
特許文献1では、触媒の存在下で、ポリアルキレンエーテルグリコールのジエステル類
をアルカノール類とのアルコリシス反応によりポリアルキレンエーテルグリコールに転化
する方法において、生成されたポリアルキレンエーテルグリコールに含まれるアルカノー
ル類を特定の水分量として反応系へ戻すことが開示されている。
特許文献2では、アシルオキシ基含有ポリテトラヒドロフランから、アルコールによる
エステル交換により、末端ヒドロキシル基を有するポリテトラヒドロフランを製造する方
法において、発泡抑制のために特定の反応器を使用することが記載されている。
特開2006-291189号公報 特開平11-158263号公報
しかしながら、従前知られた方法では、アルコリシス反応で得られたポリアルキレンエ
ーテルグリコール及びアルカノールを含む混合物からアルカノールを除去するさいに、発
泡の抑制が不十分であり、少量ずつ、長時間かけて除去が必要であったり、特定の製造設
備を使用して、特定の製造条件で発泡を抑制して除去する必要があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、簡便な操作により、アルコリシス
反応で得られたポリアルキレンエーテルグリコール及びアルカノールを含む混合物から、
発泡を抑制して、効率よくアルカノールを除去することができるポリアルキレンエーテル
グリコールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討した結果、アルコリシス反応で得られたポリ
アルキレンエーテルグリコール及びアルカノールを含む混合物に、特定の化合物を特定量
添加することにより、発泡等の不具合の発生を抑制することができ、該混合物からアルカ
ノールを効率よく除去できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明はこのような知見に基づいて達成されたものであり、以下の[1]~[4]を要
旨とする。
[1] ポリアルキレンエーテルグリコールのジエステルをアルカノールとのアルコリシ
ス反応によりポリアルキレンエーテルグリコール及びアルカノールを含む混合物とする工
程、該混合物に化合物を添加しアルカノールを除去して粗アルキレンエーテルグリコール
とする工程を含むポリアルキレンエーテルグリコールの製造方法において、該化合物の溶
解度バラメータSPaと、該ポリアルキレンエーテルグリコールの溶解度パラメータSP
bとの差の絶対値が12.9以上であり、且つ該化合物の添加量が、該混合物中のポリア
ルキレンエーテルグリコールの量に対し、3質量%以上20質量%以下である、ポリアル
キレンエーテルグリコールの製造方法。
[2] 前記ポリアルキレンエーテルグリコールがポリテトラメチレンエーテルグリコー
ルである[1]に記載のポリアルキレンエーテルグリコールの製造方法。
[3] 前記アルカノールがC~Cのアルカノールである[1]又は[2]に記載の
ポリアルキレンエーテルグリコールの製造方法。
[4] 前記アルカノールを除去する温度が、60℃以上250℃以下である、[1]乃
至3のいずれかに記載のポリアルキレンエーテルグリコールの製造方法。
[5] 前記混合物中のポリアルキレンエーテルグリコールの濃度が30質量%以上90
質量%以下である[1]乃至[4]のいずれかに記載のポリアルキレンエーテルグリコー
ルの製造方法。
[6] 前記ポリアルキレンエーテルグリコールの数平均分子量が600以上8000以
下である、[1]乃至[5]のいずれかに記載のポリアルキレンエーテルグリコールの製
造方法。
本発明のポリアルキレンエーテルグリコールの製造方法を実施することにより、発泡等
の不具合の発生を抑制して、ポリアルキレンエーテルグリコール及びアルカノールを含む
混合物からアルカノールを効率よく除去できることができる。
実施例で用いたガラス製加熱型軽沸分離装置の模式図
以下に、本発明の製造方法を詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発
明の代表的な実施態様に基づいてなされているが、本発明はそのような実施態様に限定さ
れるものではない。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」
の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の製造方法に用いられるポリアルキレンエーテルグリコールのジエステルとして
は、従来公知の任意のものを使用できる。また、本発明に用いられるポリアルキレンエー
テルグリコールのジエステルとしては、アルカノールに溶解しやすく、本発明の効果が顕
著となることから、ポリアルキレンエーテルグリコールのジカルボン酸エステルが好まし
い。以下、ポリアルキレンエーテルグリコールのジエステルとして、ポリアルキレンエー
テルグリコールのジカルボン酸エステルを例に説明する。
ポリアルキレンエーテルグリコールのジカルボン酸エステルの製造方法は、ポリアルキ
レンエーテルグリコールのジカルボン酸エステルが製造されれば、任意のどの方法でもよ
い。ポリアルキレンエーテルグリコールのジカルボン酸エステルは、例えば、カルボン酸
、カルボン酸無水物及び酸触媒の存在下で、環状エーテルを開環重合して得られる。
環状エーテルは、これを構成する環の炭素数が多いと重合性が低下する。環状エーテル
を構成する環の構成炭素数は、通常、2~10であり、2~6であるのが好ましい。環状
エーテルは、具体的には、テトラヒドロフラン(THF)、エチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド、オキセタン、テトラヒドロピラン、オキセパン、1,4-ジオキサン等の
環状エーテル、及び、これら並びにこれらの誘導体から選ばれた一つないしは二つ以上の
組み合わせで用いる。二つ以上の環状エーテルを組み合わせた場合、片方が重合しにくい
ものであっても、重合が進みやすいので好ましい。これらの環状エーテルの誘導体として
は、前記環状エーテルをアルキル基、アリール基、アシル基及びハロゲン原子などで置換
したものなどが挙げられる。ここでアルキル基、アリール基、アシル基などは、更に置換
基を有していてもよい。アルキル基、アリール基、アシル基などが更に置換基を有してい
る例としては、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アリールアルキル基
、アシルアルキル基、アルコキシアルキル基、アシルオキシアルキル基、アリールオキシ
アルキル基、及びこれらの置換基をハロゲン化したものなどが挙げられる。環状エーテル
の誘導体としては、更に具体的には、3-メチルーテトラヒドロフラン、2-メチルーテ
トラヒドロフラン、3-メチルオキセタン、3、3-ジメチルオキセタン、3-クロロメ
チル-3-エチルオキセタン、3,3-ビスクロロメチルオキセタンなどが挙げられる。
これらの中でも、重合しやすく、ポリウレタン樹脂などにしたときの物性が優れているこ
とから、テトラヒドロフランが好ましい。
カルボン酸としては、脂肪族または芳香族カルボン酸を用いる。カルボン酸の炭素数は
、通常2~12、好ましくは2~8である。カルボン酸としては、具体的には、例えば、
酢酸、プロピオン酸、酪酸、マレイン酸、コハク酸、フタル酸、安息香酸等が挙げられる
。これらの中でも、分子量の小さい酢酸が少量で分子量制御の効果が得られるので好適に
用いられる。
カルボン酸無水物としては、上記カルボン酸の無水物などが挙げられる。カルボン酸無
水物は、反応系内の微量水分と反応して、その一部がカルボン酸になる可能性がある。そ
こで、反応系を複雑にしないために、本発明に用いるカルボン酸に対応するカルボン酸無
水物を用いることが好ましい。すなわち、ポリアルキレンエーテルグリコールのジエステ
ルの製造に用いるカルボン酸とカルボン酸無水物としては、酢酸と無水酢酸を用いること
が特に好ましい。
原料液中のカルボン酸無水物の濃度は、目的とするポリアルキレンエーテルグリコール
の分子量や触媒の種類により異なるが、下限が、通常0.1質量%、好ましくは0.5質
量%であり、上限が通常30質量%、好ましくは15質量%である。カルボン酸のカルボ
ン酸無水物に対する比率(モル比)は、通常0~50である。
酸触媒は、重合後の分離除去が容易なことから、活性白土、ゼオライト、超強酸性イオ
ン交換樹脂、複合金属酸化物等の固体酸触媒が好適に用いられる。反応液中の触媒濃度は
、例えば、懸濁床で反応を行う場合、通常、0.1~20質量%とする。
ポリアルキレンエーテルグリコールのジエステルの製造に用いる反応器は、ポリアルキ
レンエーテルグリコールのジエステルを製造できれば、任意のどのような形式の反応器を
用いても良い。ポリアルキレンエーテルグリコールのジエステルを製造する反応器として
は、例えば、固定床や懸濁床などの公知の方式が使用できる。
反応温度は、適宜設定すればよいが、下限が、通常10℃、好ましくは30℃であり、
上限が、通常80℃、好ましくは50℃である。反応温度が上記下限以上であると、反応
速度が速いため好ましい。また、反応温度が上記上限以下であると、環状エーテルが沸騰
しにくいので好ましい。
反応圧力は、反応液が液状を保つ範囲で適宜選択すればよい。反応圧力は、通常、常圧
~0.5MPa、好ましくは常圧~0.3MPaである。圧力が高いと より高い温度で
も液状を保つことができるが、建設費が高騰するうえ、温度が高いほど平衡転化率が低下
する。なお、反応は、減圧下でも行える。反応は、通常、窒素等の不活性ガスなどの本発
明の反応を阻害しない雰囲気下で行う。反応を連続的に行う場合の反応器内における反応
液の滞留時間は、触媒の活性及び濃度等により決められる。連続反応の場合の反応器内に
おける反応液の滞留時間は、短いと転化率が低くなり、長いと平衡転化率に近づき、見か
けの反応速度が低下するので、通常0.5時間~15時間である。
重合した反応液には、目的とするポリアルキレンエーテルグリコールのジエステルの他
に、未反応原料が含有されているので、通常、これを留去させる。未反応原料の留去は、
通常、常圧又は減圧下で行う。留去された環状エーテル、カルボン酸及びカルボン酸無水
物は、必要に応じて精製して再利用してもよい。
本発明において用いるポリアルキレンエーテルグリコールのジエステルとしては、TH
Fを開環重合して得たポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)のジカルボン酸
エステル(PTME)が特に好ましい。
本発明におけるポリアルキレンエーテルグリコール及びアルカノールを含む混合物は、
ポリアルキレンエーテルグリコールのジエステルと、アルカノールとを混合し、アルコリ
シス反応の触媒(以下「触媒」と称する場合がある。)の存在下にアルコリシス反応させ
ることにより得られる。
アルカノールとしてはC~Cのアルカノールが好ましく、分子量が小さいほど同一
質量でもモル数が多く、反応の進行に有利なことから、メタノール、エタノール及びプロ
パノールが好ましく、メタノール及びエタノールが更に好ましく、メタノールが特に好ま
しい。原料液中のポリアルキレンエーテルグリコールのジエステルに対するアルカノール
の質量比は、下限が0.3であることが好ましく、0.6であることが更に好ましく、上
限が3.0であることが好ましく、2.0であることが更に好ましい。アルカノールが上
記下限以上であると、反応溶液が適度な粘度となり反応が円滑に進みやすい。また、アル
カノールが上記上限以下であると、装置規模を適度なものとしやすく、過剰なアルカノー
ルの除去が容易である。
触媒としては、アルカリ金属のアルコシキドが好ましい。アルカリ金属のアルコシキド
としては、具体的には、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソ
プロポキシド等のナトリウム化合物;カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウ
ムイソプロポキシド等のカリウム化合物等が挙げられる。これらのうち、ナトリウム化合
物が好ましい。また、分子量が小さい方が少量で安価なこと等から、特に、ナトリウムメ
トキシドが好ましい。アルカリ金属アルコキシドの使用量は、反応液に対して、下限が、
通常0.002質量%、好ましくは0.005質量%、更に好ましくは0.01質量%、
上限が、通常、0.1質量%、好ましくは0.03質量%、更に好ましくは0.02質量
%である。アルカリ金属アルコキシドの使用量が、上記下限以上であると、反応速度の点
で好ましく、上記上限以下であると、残存触媒の除去が容易な点で好ましい。
各原料及び触媒の反応器への供給方法としては、具体的には、例えば、各原料及び触媒
をタンクに入れ、各タンク中の液をポンプにより流速を制御しつつ混合槽に送液し、混合
槽内で液が均一になるように混合してから、アルコリシス反応に供する方法などが挙げら
れる。ここで、触媒は、通常、固体の状態のものを少量用いるため、触媒のアルカノール
溶液として供するのが好ましい。触媒のアルカノール溶液としては、市販のナトリウムメ
トキシドのメタノール溶液を用いるのが簡便である。
アルコリシス反応に用いる反応器の形式は、ポリアルキレンエーテルグリコールを製造
できれば、任意のどのような形式の反応器を用いても良く、また、複数の反応器を組み合
わせても良い。アルコリシス反応に用いる反応器は、少なくとも一つの反応器が加熱源と
してリボイラーを備えているのが好ましい。ポリアルキレンエーテルグリコールを製造す
る反応器としては、具体的には、バッチ反応槽や連続攪拌槽、管型反応器、反応蒸留塔な
どが知られている。これらのうち、塔底に加熱装置を備えた反応蒸留塔が、効率が良いの
で好ましい。従って、アルコリシス反応は、その少なくとも一部を反応蒸留器で行うのが
好ましい。
また、反応蒸留前に、管型反応器や連続攪拌槽などの前段反応器でアルコリシス反応を
部分的に実施した後、反応蒸留塔でアルコリシス反応を完結させても良い。前段反応器を
用いる場合、前段反応器における転化率が高いほど反応蒸留塔の負荷が低下するので、エ
ステル交換率が平衡転化率の85%以上となるように反応させておくのが好ましい。前段
反応器を用いる場合、ここで副生するカルボン酸アルキルを蒸留などの公知の方法で除去
しても良いし、除去しなくても良い。前段反応器としては、建設費が安いことから、管型
反応器が好適に用いられる。前段反応器で反応を行う場合、圧力が高いほど温度を上げて
反応速度を速くすることが出来るが、圧力が高いほど反応器の建設費が高くなる。前段反
応時の圧力は、下限が、通常0.1MPa、好ましくは0.5MPaであり、上限が、通
常5MPa、好ましくは3MPaであるのが良い。前段反応時の温度は、下限が、通常4
0℃、好ましくは110℃であり、上限が、通常250℃、好ましくは180℃であるの
が良い。前段反応時の滞留時間は、管型反応器の場合、下限が、通常2分、好ましくは5
分、上限が、通常60分、好ましくは20分であるのが良い。前段反応時の滞留時間は、
連続撹拌槽の場合は、下限が、通常0.5時間、好ましくは1時間、上限が通常15時間
、好ましくは10時間であるのがよい。また、前段反応時の加熱は、ジャケットや内部コ
イル、熱交換器など公知の方法を使用することが出来る。前段反応器として管型反応器を
用いる場合は、熱交換器で反応温度まで加熱した反応液を、保温材で断熱した反応器に供
するのが簡便で好ましい。
反応器として反応蒸留塔を用いる場合の反応蒸留塔は、塔頂に還流装置、塔底にリボイ
ラーを備えた充填塔や棚段塔などの常用のものを用いることができる。アルコリシス反応
を進行させるのに充分な反応時間を確保する見地から、反応蒸留塔の原料供給段より下側
(回収段)には、トレイを備えた段塔を用いるのが好ましい。トレイの形式としては泡鐘
トレイ、多孔板トレイ、バルブトレイ等が用いられる。泡鐘トレイは、安定操作範囲は広
いが、構造が複雑なためにコスト高となりやすい。多孔板トレイは、構造が単純で圧力損
失が小さいが、安定操作範囲が狭い等の欠点を有する。このため、前段反応時のトレイの
形式としては、双方の利点を有するバブルトレイが特に好適である。反応蒸留塔の原料供
給段より上側(濃縮段)は、主に、副生したカルボン酸アルキルとアルカノールとの蒸留
分離が行われる部分であるので、通常の蒸留設備であればよく、必ずしも段塔でなくても
、充填塔であってもよい。蒸留塔の理論段数は多い方が反応の押切が容易になるが、建設
費が高騰するので、濃縮部の段数は1~10段、回収部の段数は5~40段が好ましい。
反応蒸留塔の塔底にある加熱装置としては、具体的には、強制循環型リボイラーやサー
モサイホンによる自然循環型リボイラーなど公知の方法が用いられる。このうち、リボイ
ラー内では、アルカノールが蒸発することにより反応液の粘度が高くなるので、強制循環
型リボイラーが好ましい。
反応蒸留塔の反応圧力は、反応液が液状を保つ範囲で適宜選択すればよい。反応圧力は
、反応温度を上げて反応速度を速く出来る点、及び、反応液の発泡の抑制の点からは、高
い方が好ましい。一方、装置の建設費の点では、反応圧力が低い方が好ましい。特に、前
段反応器を用いる場合、通常、反応蒸留塔は前段反応器よりも複雑な構造であるため、反
応圧力は前段反応器よりも反応蒸留塔で低めに設定した方が建設費を低減しやすい。また
、反応蒸留塔の圧力を前段反応器よりも低く設定すると、前段反応器で副生したカルボン
酸アルキルを、反応蒸留塔に供給するときにフラッシュ蒸発させられる点でも好ましい。
反応蒸留塔の反応圧力は、具体的には、下限が、通常、常圧、好ましくは0.2MPa、
更に好ましくは0.5MPaであり、上限が、通常2.0MPa、好ましくは1.0MP
aであるのが良い。
反応蒸留塔の反応温度は、反応圧力に応じて、適宜設定すればよい。反応温度は、具体
的には、例えば、塔底温度の下限が、通常60℃、好ましくは100℃であり、上限が、
通常180℃、好ましくは160℃であるのが良い。反応温度が上記下限以上であると、
反応速度が速いため好ましい。また、反応温度が上記上限以下であると、温度を維持する
のに必要な圧力が低くてもよいので、建設費抑制の点で好ましい。反応温度は、リボイラ
ーの加熱源である熱媒の流量調整又は熱媒の温度等により調整できる。
反応は、通常、窒素等の不活性ガスなどの本発明の反応を阻害しない雰囲気下で行う。
反応を連続的に行う場合の反応器内における反応液の滞留時間は、触媒の活性及び濃度等
により決められる。連続反応の場合の反応器内における反応液の滞留時間は、反応が速い
ため、通常10~30分である。
反応時の還流比は、原料組成や蒸留塔の段数によって変化するが、通常0.5~20、
好ましくは1.0~10.0が良い。還流比が上記上限以下であると、トレイ上の液の触
媒濃度が高いため反応速度が速いため好ましく、還流比が上記下限以上であると、カルボ
ン酸アルキルを完全に分離して反応を押切りやすいため好ましい。
反応蒸留塔で、ポリアルキレンエーテルグリコールとアルカノールとのアルコリシス反
応を行うと、反応蒸留塔の塔頂からアルカノールとカルボン酸アルキルが留出し、塔底か
らポリアルキレンエーテルグリコール及びアルカノールを含む混合物(以下「混合物」と
称する場合がある。)が缶出する。
目的とするポリアルキレンエーテルグリコールを得るためには混合物からアルカノール
を除去して粗ポリアルキレンエーテルグリコールとする必要がある。
本発明の製造方法では、該混合物に化合物を添加して混合物からアルカノールを除去し
て粗ポリアルキレンエーテルグリコールとする工程を含む。該化合物としては、該化合物
の溶解度パラメータSPaと、該混合物に含まれるポリアルキレンエーテルグリコールの
溶解度パラメータSPbとの差の絶対値(以下「溶解度パラメータの差」と称する場合が
ある。)が12.9以上である化合物であり、且つ、該化合物の添加量が、該混合物中の
ポリアルキレンエーテルグリコールの量に対し、3質量%以上20質量%以下である。
溶解度パラメータの差は好ましくは13.0以上、より好ましくは13.1以上、さら
に好ましくは13.2以上、特に好ましくは13.3以上である。また、溶解度パラメー
タの差の上限は15.0が好ましい。溶解度パラメータの差が前記範囲内であることによ
り、発泡を抑制し、効率よくアルカノールを除去することが可能となる。
該化合物の添加量は、該混合物中のポリアルキレンエーテルグリコールの量に対し、3
質量%以上18質量%以下であることが好ましく、4質量%以上16質量%以下であるこ
とがより好ましく、5質量%以上14質量%以下であることがさらに好ましく、6質量%
以上12質量%以下であることが特に好ましい。該化合物の添加量が前記範囲内であるこ
とにより、発泡を抑制し、効率よくアルカノールを除去することが可能となる。
尚、該化合物は単独の化合物でも複数の化合物の混合物であってもよい。
本発明におけるポリアルキレンエーテルグリコールの溶解度パラメータ(以下、「SP
値」と記す。)は、2005年(株式会社 情報機構)、山本秀樹著「SP値基礎・応用
と計算方法」第66頁~第67頁の「2.Fedorの推算法」に基づき算出した。Fe
dorの推算法におけるSP値は、(凝集エネルギー[J/mol])/(分子容[cm
/mol])の1/2乗で定義される値であり、主として、ポリマーの各種溶媒への溶
解性を予測するのに用いられる有用な物性値である。
また、本発明における化合物のSP値は、Fedorsらが提案した方法によって計算
されるものである。具体的には「POLYMER ENGINEERING AND S
CIENCE,FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT
F.FEDORS.(147~154頁)」を参照して求められる値である。例えば、ト
ルエン(SP値:9.1)、キシレン(SP値:9.1)、酢酸エチル(SP値:8.7
)、酢酸ブチル(SP値:8.7)、シクロヘキサノン(SP値:9.8)、メチルエチ
ルケトン(SP値:9.0)、メチルイソブチルケトン(SP値:8.7)、N-メチル
ピロリドン(SP値:11.2)、テトラヒドロフラン(SP値:9.1)、イソプロピ
ルアルコール(SP値:11.5)、水(SP値:23.4)等が挙げられる。
更に、該化合物が複数種の混合物であった場合、日本包装学会誌Vol.6 N0.6
(1997)(317頁)の「2.5溶解度パラメーター(SP)値の算出」に基づき、
各種のモル分率により算出することができる。
該化合物は固体であっても液体であってもよいが、混合物との均一化の観点で液体であ
ることが好ましい。
また、該化合物は混合物に添加されるが、アルカノールを除去する工程において、アル
カノールと共に除去されることが好ましい。すなわち、得られた粗ポリアルキレンエーテ
ルグリコール中の該化合物含有量が少ないことが好ましい。
反応蒸留塔の缶出から得られた混合物は触媒を除去した後、アルカノール除去設備に送
られ、化合物を添加し、アルカノールが除去される。アルカノール除去設備とは、一般的
な軽沸除去設備が適用でき、例えば、蒸留塔、温調ジャケット付き撹拌槽を挙げることが
できる。加熱型軽沸分離装置をアルカノール除去設備として以下説明する。
混合物に化合物の添加は、混合物を該加熱型軽沸分離装置へ送る前であっても、混合物
を該加熱型軽沸分離装置に送った後であってもよい。
アルカノールの除去はバッチ方式でも連続式でも構わない。
バッチ方式では、所望量の混合物及び所望量の化合物を該加熱型軽沸分離装置に投入し
、適宜圧力、加熱温度を設定し、アルカノールを気化し、該加熱型軽沸分離装置より留出
させ、該混合物よりアルカノールを除去する。圧力は低すぎると、発泡が発生しやすくな
り、圧力が高すぎると、アルカノールを気化させるために加熱温度を高める必要が生じ、
ポリアルキレンエーテルグリコールを劣化させる可能性がある。よって、圧力は0.00
5MPa以上5MPa以下が好ましく、0.010MPa以上4MPa以下がより好まし
く、0.0150MPa以上3MPa以下がさらに好ましい。加熱温度は、圧力にもよる
が、60℃以上250℃以下が好ましく、60℃以上210℃以下がより好ましく、60
℃以上180℃以下がさらに好ましく、60℃以上150℃以下がとりわけ好ましく、6
0℃以上120℃以下が特に好ましい。前記範囲内の加熱温度であれば、発泡を抑制して
、効率よくアルカノールを除去することができ、またポリアルキレンエーテルグリコール
の劣化を抑える可能性がある。該加熱型軽沸分離装置の加熱は一般的な方法で実施するこ
とができ、例えば温調ジャケットコイル、内部コイル等が挙げられる。
連続式では、混合物及び化合物をそれぞれ所望の流量で該加熱型軽沸分離装置に投入し
、適宜圧力、加熱温度を設定し、アルカノールを気化し、該加熱型軽沸分離装置より留出
させ、該混合物よりアルカノールを除去する。なお、該加熱型軽沸分離装置は、単独であ
ると、アルカノールの除去は連続式においても、バッチ方式と同様、適宜圧力、加熱温度
を設定し、アルカノールを気化し、該加熱型軽沸分離装置より留出させ、該混合物よりア
ルカノールを除去する。圧力は低すぎると、発泡が発生しやすくなり、圧力が高すぎると
、アルカノールを気化させるために加熱温度を高める必要が生じ、ポリアルキレンエーテ
ルグリコールを劣化させる可能性がある。よって、圧力は0.005MPa以上5MPa
以下が好ましく、0.010MPa以上4MPa以下がより好ましく、0.0150MP
a以上3MPa以下がさらに好ましい。加熱温度は、圧力にもよるが、60℃以上250
℃以下が好ましく、60℃以上210℃以下がより好ましく、60℃以上180℃以下が
さらに好ましく、60℃以上150℃以下がとりわけ好ましく、60℃以上120℃以下
が特に好ましい。前記範囲内の加熱温度であれば、発泡を抑制して、効率よくアルカノー
ルを除去することができ、またポリアルキレンエーテルグリコールの劣化を抑える可能性
がある。該加熱型軽沸分離装置の加熱は一般的な方法で実施することができ、例えば自然
循環型熱交換器、強制循環型熱交換器、ケトル型熱交換器等が挙げられる。
該混合物は、ポリアルキレンエーテルグリコール及びアルカノールを含むが、該ポリア
ルキレンエーテルグリコールの前段階のポリアルキレンエーテルグリコールのジエステル
の好ましい形態がPTMEであるので、該ポリアルキレンエーテルグリコールの好ましい
形態はPTMGである。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り
以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例において、混合物に化合物を添加
しアルカノールを除去して粗ポリアルキレンエーテルグリコールとする工程は、本発明の
効果をより明確にするため、小型の加熱型軽沸分離装置を用いた。
<実施例1-1>
テトラヒドロフラン100重量部、無水酢酸5.5重量部、酢酸0.07重量部を、ジ
ルコニアシリカ触媒4.2重量部の存在下に攪拌しながら35℃で8時間反応させ、得ら
れた反応物からろ過により触媒を除去した後、10torr以下の減圧下で回分留去して
無水酢酸及び酢酸を留去した。更に減圧下で窒素を少量導入して揮発分を除去することに
より、PTMEを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した数平均分子
量は2788であり、無水酢酸含有量は10ppm、酢酸は<10ppmであった。
反応蒸留塔に該PTME200kg、ナトリウムメトキシド210ppmを含有したメ
タノール460kgを仕込み、遂次メタノール等を留去しながらメタノリシス反応を行い
、反応液を得た。なお、反応圧力は常圧であり、反応温度は65℃であった。
該反応液を冷却し、次いでスルホン酸型強酸性イオン交換樹脂(三菱ケミカル株式会社
製PK216LH)と1時間混合することにより、反応液に溶存するナトリウムイオンを除
去した。ナトリウムイオン除去後の反応液(以下「混合液A」)は、PTMGは57.7
質量%、メタノール42.3質量%であった。なお、該PTMGについてゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーで測定した数平均分子量は2612であり、SP値は9.2で
あった。
混合液A(760g)を、図1に示した内径100mmのガラス製加熱型軽沸分離装置
(以下「軽沸分離装置」)に投入した。次いで、回転数を150rpmとして撹拌翼2を
回転させながら水31.6gを混合液Aに添加した。撹拌翼2の回転を停止し、測定した
静止液面高さは109mmであった。回転数150rpmとして撹拌翼2の回転を再開し
、常圧で、ジャケット1により内温を68℃に昇温するとともに、窒素ガス導入部3によ
り該軽沸分離装置内液に1000ml/分で窒素ガスを導入しながら、メタノールの除去
を開始した。留出液容器6へ留出液の留出が開始してから、1分経過したのちに該軽沸分
離装置内の液面上面から発泡上面までの長さを定規により測定したところ7mmであった

なお、添加した化合物である水のSP値は23.4である。
また、混合物に含まれるPTMGの量に対する水の添加量は以下で計算できる。
31.6g÷(760g×57.7質量%)=7.2質量%
結果を表1にまとめた。
<比較例1-1>
実施例1-1と同様に製造した混合液A(760g)を、実施例1-1と同様に軽沸分
離装置に投入した。投入後に測定した静止液面高さは105mmであった。次いで回転数
を150rpmとして撹拌翼2を回転させ、常圧で、ジャケット1により内温を68℃に
昇温するとともに、窒素ガス導入部3により該軽沸分離装置内液に1000ml/分で窒
素ガスを導入しながら、メタノールの除去を開始した。留出液容器6へ留出液の留出が開
始してから、1分経過したのちに該軽沸分離装置内の液面上面から発泡上面までの長さを
定規により測定したところ28mmであり、発泡上面は留出管5下端近辺まで到達してい
た。
結果を表1にまとめた。
<比較例1-2>
実施例1-1と同様に製造した混合液A(760g)を、実施例1-1と同様に軽沸分
離装置に投入した。次いで、回転数を150rpmとして撹拌翼2を回転させながら、水
17.6gとテトラヒドロフラン14.0gの混合物を混合液Aに添加した。撹拌翼2の
回転を停止し、測定した静止液面高さは109mmであった。次いで回転数を150rp
mとして撹拌翼2を回転させ、常圧で、ジャケット1により内温を68℃に昇温するとと
もに、窒素ガス導入部3により該軽沸分離装置内液に1000ml/分で窒素ガスを導入
しながら、メタノールの除去を開始した。留出液容器6へ留出液の留出が開始してから、
1分経過したのちに該軽沸分離装置内の液面上面から発泡上面までの長さを定規により測
定したところ40mmであり、発泡上面は留出管5内まで到達していた。
なお、化合物である水(SP値:23.4)とテトラヒドロフラン(SP値:9.1)
の混合物のSP値は以下で計算できる。
まず、混合物の総モル数を以下で求める。
17.6g÷18.01528g/mol+14.0g÷72.11g/mol=1.
1711mol
総モル数より、水及びテトラヒドロフランのモル分率を求めると、水のモル分率は83
.4%、テトラヒドロフランのモル分率は16.6%となる。モル分率より、SP値は以
下の式で求めることができる。
23.4×83.4%+9.1×16.6%=21.0
結果を表1にまとめた。
<実施例2-1>
テトラヒドロフラン100重量部、無水酢酸5.5重量部、酢酸0.07重量部を、ジ
ルコニアシリカ触媒4.2重量部の存在下に攪拌しながら35℃で8時間反応させ、得ら
れた反応物からろ過により触媒を除去した後、10torr以下の減圧下で回分留去して
無水酢酸及び酢酸を留去した。更に減圧下で窒素を少量導入して揮発分を除去することに
より、PTMEを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した数平均分子
量は2788であり、無水酢酸含有量は10ppm、酢酸は<10ppmであった。
反応蒸留塔に該PTME200kg、ナトリウムメトキシド210ppmを含有したメ
タノール440kgを仕込み、遂次メタノール等を留去しながらメタノリシス反応を行い
、反応液を得た。なお、反応圧力は常圧であり、反応温度は65℃であった。
該反応液を冷却し、次いでスルホン酸型強酸性イオン交換樹脂(三菱ケミカル株式会社
製PK216LH)と1時間混合することにより、反応液に溶存するナトリウムイオンを除
去した。ナトリウムイオン除去後の反応液(以下「混合液B」)は、PTMGは61.8
質量%、メタノール38.2質量%であった。なお、該PTMGについてゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーで測定した数平均分子量は2612であり、SP値は9.2で
あった。
混合液B(760g)を、軽沸分離装置に投入した。次いで、回転数を150rpmと
して撹拌翼2を回転させながら水28.7gを混合液Bに添加した。撹拌翼2の回転を停
止し、測定した静止液面高さは109mmであった。回転数150rpmとして撹拌翼2
の回転を再開し、常圧で、ジャケット1により内温を68℃に昇温するとともに、窒素ガ
ス導入部3により該軽沸分離装置内液に1000ml/分で窒素ガスを導入しながら、メ
タノールの除去を開始した。留出液容器6へ留出液の留出が開始してから、1分経過した
のちに該軽沸分離装置内の液面上面から発泡上面までの長さを定規により測定したところ
7mmであった。
なお、化合物である水のSP値は23.4である。
また、混合物に含まれるPTMGの量に対する水の添加量は以下で計算できる。
28.7g÷(760g×61.8質量%)=6.1質量%
結果を表1にまとめた。
<比較例2-1>
実施例2-1と同様に製造した混合液B(760g)を、実施例2-1と同様に軽沸分
離装置に投入した。投入後の静止液面高さは105mmであった。次いで回転数を150
rpmとして撹拌翼2を回転させ、常圧で、ジャケット1により内温を68℃に昇温する
とともに、窒素ガス導入部3により該軽沸分離装置内液に1000ml/分で窒素ガスを
導入しながら、メタノールの除去を開始した。留出液容器6へ留出液の留出が開始してか
ら、1分経過したのちに該軽沸分離装置内の液面上面から発泡上面までの長さを定規によ
り測定したところ26mmであり、発泡上面は留出管5下端近辺まで到達していた。
結果を表1にまとめた。
<比較例2-2>
実施例2-1と同様に製造した混合液B(760g)を、実施例2-1と同様に軽沸分
離装置に投入した。次いで、回転数を150rpmとして撹拌翼2を回転させながら、水
17.4gとテトラヒドロフラン11.3gの混合物を混合液Bに添加した。撹拌翼2の
回転を停止し、測定した静止液面高さは109mmであった。次いで回転数を150rp
mとして撹拌翼2を回転させ、常圧で、ジャケット1により内温を68℃に昇温するとと
もに、窒素ガス導入部3により該軽沸分離装置内液に1000ml/分で窒素ガスを導入
しながら、メタノールの除去を開始した。留出液容器6へ留出液の留出が開始してから、
1分経過したのちに該軽沸分離装置内の液面上面から発泡上面までの長さを定規により測
定したところ26mmであり、発泡上面は留出管5下端近辺で到達していた。なお、比較
例1-2と同様に化合物のSP値を計算すると21.4であった。
結果を表1にまとめた。
<実施例3-1>
テトラヒドロフラン100重量部、無水酢酸5.5重量部、酢酸0.07重量部を、ジ
ルコニアシリカ触媒4.2重量部の存在下に攪拌しながら35℃で8時間反応させ、得ら
れた反応物からろ過により触媒を除去した後、10torr以下の減圧下で回分留去して
無水酢酸及び酢酸を留去した。更に減圧下で窒素を少量導入して揮発分を除去することに
より、PTMEを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した数平均分子
量は2788であり、無水酢酸含有量は10ppm、酢酸は<10ppmであった。
反応蒸留塔に該PTME200kg、ナトリウムメトキシド210ppmを含有したメ
タノール420kgを仕込み、遂次メタノール等を留去しながらメタノリシス反応を行い
、反応液を得た。なお、反応圧力は常圧であり、反応温度は65℃であった。
該反応液を冷却し、次いでスルホン酸型強酸性イオン交換樹脂(三菱ケミカル株式会社
製PK216LH)と1時間混合することにより、反応液に溶存するナトリウムイオンを除
去した。ナトリウムイオン除去後の反応液(以下「混合液C」)は、PTMGは66.1
質量%、メタノール33.9質量%であった。なお、該PTMGについてゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーで測定した数平均分子量は2612であり、SP値は9.2で
あった。
混合液C(760g)を、軽沸分離装置に投入した。次いで、回転数を150rpmと
して撹拌翼2を回転させながら水34.2gを混合液Cに添加した。撹拌翼2の回転を停
止し、測定した静止液面高さは109mmであった。回転数150rpmとして撹拌翼2
の回転を再開し、常圧で、ジャケット1により内温を69℃に昇温するとともに、窒素ガ
ス導入部3により該軽沸分離装置内液に1000ml/分で窒素ガスを導入しながら、メ
タノールの除去を開始した。留出液容器6へ留出液の留出が開始してから、1分経過した
のちに該軽沸分離装置内の液面上面から発泡上面までの長さを定規により測定したところ
8mmであった。
なお、化合物である水のSP値は23.4である。
また、混合物に含まれるPTMGの量に対する水の添加量は以下で計算できる。
34.2g÷(760g×66.1質量%)=6.8質量%
結果を表1にまとめた。
<比較例3-1>
実施例3-1と同様に製造した混合液C(760g)を、実施例3-1と同様に軽沸分
離装置に投入した。投入後の静止液面高さは105mmであった。次いで回転数を150
rpmとして撹拌翼2を回転させ、常圧で、ジャケット1により内温を69℃に昇温する
とともに、窒素ガス導入部3により該軽沸分離装置内液に1000ml/分で窒素ガスを
導入しながら、メタノールの除去を開始した。留出液容器6へ留出液の留出が開始してか
ら、1分経過したのちに該軽沸分離装置内の液面上面から発泡上面までの長さを定規によ
り測定したところ22mmであり、発泡上面は留出管5下端近辺まで到達していた。
結果を表1にまとめた。
<比較例3-2>
実施例3-1と同様に製造した混合液C(760g)を、実施例3-1と同様に軽沸分
離装置に投入した。次いで、回転数を150rpmとして撹拌翼2を回転させながら、水
25.2gとテトラヒドロフラン9.0gの混合物を混合液Cに添加した。撹拌翼2の回
転を停止し、測定した静止液面高さは110mmであった。次いで回転数を150rpm
として撹拌翼2を回転させ、常圧で、ジャケット1により内温を69℃に昇温するととも
に、窒素ガス導入部3により該軽沸分離装置内液に1000ml/分で窒素ガスを導入し
ながら、メタノールの除去を開始した。留出液容器6へ留出液の留出が開始してから、1
分経過したのちに該軽沸分離装置内の液面上面から発泡上面までの長さを定規により測定
したところ24mmであり、発泡上面は留出管5下端近辺で到達していた。なお、比較例
1-2と同様に化合物のSP値を計算すると21.7であった。
結果を表1にまとめた。
<実施例4-1>
テトラヒドロフラン100重量部、無水酢酸5.5重量部、酢酸0.07重量部を、ジ
ルコニアシリカ触媒4.2重量部の存在下に攪拌しながら35℃で8時間反応させ、得ら
れた反応物からろ過により触媒を除去した後、10torr以下の減圧下で回分留去して
無水酢酸及び酢酸を留去した。更に減圧下で窒素を少量導入して揮発分を除去することに
より、PTMEを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した数平均分子
量は2788であり、無水酢酸含有量は10ppm、酢酸は<10ppmであった。
反応蒸留塔に該PTME200kg、ナトリウムメトキシド210ppmを含有したメ
タノール400kgを仕込み、遂次メタノール等を留去しながらメタノリシス反応を行い
、反応液を得た。なお、反応圧力は常圧であり、反応温度は65℃であった。
該反応液を冷却し、次いでスルホン酸型強酸性イオン交換樹脂(三菱ケミカル株式会社
製PK216LH)と1時間混合することにより、反応液に溶存するナトリウムイオンを除
去した。ナトリウムイオン除去後の反応液(以下「混合液D」)は、PTMGは70.4
質量%、メタノール29.6質量%であった。なお、該PTMGについてゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーで測定した数平均分子量は2612であり、SP値は9.2で
あった。
混合液D(760g)を、軽沸分離装置に投入した。次いで、回転数を150rpmと
して撹拌翼2を回転させながら水24.6gを混合液Dに添加した。撹拌翼2の回転を停
止し、測定した静止液面高さは108mmであった。回転数150rpmとして撹拌翼2
の回転を再開し、常圧で、ジャケット1により内温を74℃に昇温するとともに、窒素ガ
ス導入部3により該軽沸分離装置内液に1000ml/分で窒素ガスを導入しながら、メ
タノールの除去を開始した。留出液容器6へ留出液の留出が開始してから、1分経過した
のちに該軽沸分離装置内の液面上面から発泡上面までの長さを定規により測定したところ
13mmであった。
なお、化合物である水のSP値は23.4である。
また、混合物に含まれるPTMGの量に対する水の添加量は以下で計算できる。
24.6g÷(760g×70.4質量%)=4.6質量%
結果を表1にまとめた。
<比較例4-1>
実施例4-1と同様に製造した混合液D(760g)を、実施例4-1と同様に軽沸分
離装置に投入した。投入後の静止液面高さは105mmであった。次いで回転数を150
rpmとして撹拌翼2を回転させ、常圧で、ジャケット1により内温を74℃に昇温する
とともに、窒素ガス導入部3により該軽沸分離装置内液に1000ml/分で窒素ガスを
導入しながら、メタノールの除去を開始した。留出液容器6へ留出液の留出が開始してか
ら、1分経過したのちに該軽沸分離装置内の液面上面から発泡上面までの長さを定規によ
り測定したところ23mmであり、発泡上面は留出管5下端近辺まで到達していた。
結果を表1にまとめた。
<比較例4-2>
実施例4-1と同様に製造した混合液D(760g)を、実施例4-1と同様に軽沸分
離装置に投入した。次いで、回転数を150rpmとして撹拌翼2を回転させながら、水
17.1gとテトラヒドロフラン7.5gの混合物を混合液Dに添加した。撹拌翼2の回
転を停止し、測定した静止液面高さは108mmであった。次いで回転数を150rpm
として撹拌翼2を回転させ、常圧で、ジャケット1により内温を74℃に昇温するととも
に、窒素ガス導入部3により該軽沸分離装置内液に1000ml/分で窒素ガスを導入し
ながら、メタノールの除去を開始した。留出液容器6へ留出液の留出が開始してから、1
分経過したのちに該軽沸分離装置内の液面上面から発泡上面までの長さを定規により測定
したところ26mmであり、発泡上面は留出管5下端近辺で到達していた。なお、比較例
1-2と同様に化合物のSP値を計算すると22.0であった。
結果を表1にまとめた。
Figure 0007567526000001
実施例1-1~実施例4-1で明らかなように、特定の化合物を特定量添加することで
発泡を抑制する可能となり、メタノール等のアルカノールを効率よく除去することができ
た。
1 ジャケット
2 撹拌翼
3 窒素ガス導入部
4 留出管
5 冷却器
6 留出液容器
7 冷却水
8 圧力調整系

Claims (6)

  1. ポリアルキレンエーテルグリコールのジエステルを、アルカリ金属のアルコシキド触媒の存在下、アルカノールとのアルコリシス反応によりポリアルキレンエーテルグリコール及びアルカノールを含む混合物とする工程、該アルカリ金属のアルコキシド触媒を除去した後に、該混合物にを添加しアルカノールを除去して粗ポリアルキレンエーテルグリコールとする工程を含むポリアルキレンエーテルグリコールの製造方法において、
    の溶解度パラメータSPaと、該ポリアルキレンエーテルグリコールの溶解度パラメータSPbとの差の絶対値が12.9以上であり、且つ
    の添加量が、該混合物中のポリアルキレンエーテルグリコールの量に対し、3質量%以上20質量%以下である、ポリアルキレンエーテルグリコールの製造方法。
  2. 前記ポリアルキレンエーテルグリコールがポリテトラメチレンエーテルグリコールである請求項1に記載のポリアルキレンエーテルグリコールの製造方法。
  3. 前記アルカノールがC~Cのアルカノールである請求項1又は2に記載のポリアルキレンエーテルグリコールの製造方法。
  4. 前記アルカノールを除去する温度が、60℃以上250℃以下である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリアルキレンエーテルグリコールの製造方法。
  5. 前記混合物中のポリアルキレンエーテルグリコールの濃度が30質量%以上90質量%以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリアルキレンエーテルグリコールの製造方法。
  6. 前記ポリアルキレンエーテルグリコールの数平均分子量が600以上8000以下である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のポリアルキレンエーテルグリコールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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