JP7567779B2 - セパレータ材料および非水系電気化学デバイス - Google Patents
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Description
なお、本発明において、多孔性薄膜材料の「厚さ」は、JIS K7130に準拠して測定した厚みを指す。また、本発明において、「沸点」は、標準大気圧下で沸騰させて還流を行い、蒸気の再凝縮温度を温度計で計測することにより測定することができる。
なお、本発明において、「高分子成分」とは、JIS K7252に準拠して測定した重量平均分子量が10000以上の成分を指す。
なお、本発明において、「イオン伝導度」は、交流法にて測定したイオン伝導度を指し、測定温度±1℃に制御した恒温槽中で、サンプルを2枚のステンレス製の平行極板に挟んで10~100mVの範囲の交流を印可して得られたナイキストプロットの円弧直径から算出される体積固有抵抗を逆数にすることにより求めることができる。
そして、本発明のセパレータ材料は、燃焼性が低く、且つ、着火等により外装が破壊された場合であっても外部に物質が漏えいし難い。また、本発明の非水系電気化学デバイスは、内部または外部から着火した場合であっても、燃焼し難く、且つ、外部への物質漏えいが少ない。
本発明のセパレータ材料は、厚さが300μm以下の多孔性薄膜材料に対して電解質組成物を含浸させたものである。
本発明のセパレータ材料の多孔性薄膜材料としては、特に限定されることなく、例えば、ポリオレフィン多孔膜、ポリオレフィン不織布、フッ素樹脂多孔膜、紙、セルロース不織布、アラミド不織布およびガラス繊維フィルターなどの細孔を多数有する薄膜材料を用いることができる。
なお、多孔性薄膜材料の厚さを300μm以下とすることでセパレータ材料の燃焼性が低下する理由は、明らかではないが、電解質組成物の保持量を低減すると共に電解質組成物の移動を抑制することで、電解質組成物が燃焼に寄与するのを防止することができるためであると推察される。
なお、本発明において、「溶融開始温度」は、示差走査熱量測定(DSC)により3℃/分で昇温した時の融解ピークから求めることができる。
なお、本発明において、「不燃」とは、800℃まで加熱しても発火も引火もしないことを指す。
そして、微粒子の粒子径は、特に限定されることなく、例えば10μm以下であることが好ましく、0.1μm以上5μm以下であることがより好ましい。なお、本発明において、「粒子径」は、JIS K8825に準拠して測定することができる。
電解質組成物は、少なくとも1種のイオン性物質と、所定の化合物を所定の割合で含む有機組成物とを含有し、任意に、高分子成分および/または添加剤を更に含有し得る。そして、本発明の電解質組成物は、温度100℃の大気圧下において液状であることを必要とする。
ここで、イオン性物質としては、セパレータ材料が用いられる非水系電気化学デバイスにおける電気化学反応に利用されるイオンの種類に応じた任意のイオン性物質を用いることができる。
なお、イオン性物質の配合量は、非水系電気化学デバイスの種類に応じて適宜に設定することができる。具体的には、電解質組成物中のイオン性物質の濃度は、電解質組成物を取り扱い易い粘度範囲とする観点からは、0.01mol/L以上2.5mol/L未満とすることが好ましい。一方、電気化学デバイスの安全性、耐熱性および寿命を向上する観点からは、電解質組成物中のイオン性物質の濃度は、2.5mol/L以上とすることが好ましい。
これらのイオン性物質は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機組成物は、温度5℃の大気圧下において固体である化合物を80質量%以上の割合で含むことを必要とし、任意に、温度5℃の大気圧下において液体である化合物および難燃剤からなる群より選択される少なくとも1種を更に含有し得る。また、有機組成物は、大気圧下における沸点が130℃未満の低沸点有機化合物の含有割合が0質量%以上20質量%以下であることを必要とする。
温度5℃の大気圧下において固体である化合物および低沸点有機化合物の含有割合が上記範囲内でなければ、着火等により外装が破壊された際に電解質組成物が外部に漏えいするのを十分に抑制することができない。なお、温度5℃の大気圧下において固体である化合物および低沸点有機化合物の含有割合を上記範囲内とすることで着火等により外装が破壊された際に電解質組成物が外部に漏えいするのを抑制することができる理由は、明らかではないが、温度5℃の大気圧下において固体である化合物を主成分とする有機組成物を用いることで、電解質組成物が高粘度になると共に、火災などで高温にさらされた際に成分の一部が揮散して電解質組成物が液状を保てる範囲を逸脱する(固体が析出する)ためであると推察される。
ここで、温度5℃の大気圧下において固体である化合物としては、特に限定されることなく、大気圧下における沸点が130℃以上の高沸点有機化合物が挙げられる。また、温度5℃の大気圧下において固体である化合物は、通常、難燃性を有さない化合物であり、難燃剤とは異なるものである。更に、温度5℃の大気圧下において固体である化合物は、分子量が10000未満であることが好ましい。
そして、温度5℃の大気圧下において固体である化合物としては、例えば、グルタル酸無水物、コハク酸無水物、スクシノニトリル、ジグリコール酸無水物、スルホラン、エチルメチルスルホン、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホレン、硫酸エチレン(1,3,2-ジオキサチオラン-2,2-ジオキシド)、イタコン酸無水物、エチレンカーボネート、N-メチルオキサゾリドン、フルオロエチレンカーボネート、メチルカーバメート、N,N-ジメチルイミダゾリジノン、シュウ酸ジメチル、ビニレンカーボネート、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
これらの化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、温度5℃の大気圧下において固体である化合物は、2種類以上を併用することが好ましく、3種類以上を併用することがより好ましい。
また、燃焼時に発生する熱を低減する観点からは、温度5℃の大気圧下において固体である化合物は、炭素数が8以下の化合物であることが好ましく、炭素数5以下の化合物であることがより好ましい。
なお、温度5℃の大気圧下において固体である化合物を用いて液状となる組成を知りたい場合は、組成物の配合に使用する化合物全てを等量ずつ混合し、それらの化合物のうちの最も融点の高い化合物の融点以上にまで全体を加熱して融解させ、その後液体として使用したい温度まで冷却して、全体が液状のままならばそのまま使用でき、一部が固体となった場合は上澄みの組成をガスクロマトグラフや液体クロマトグラフにて定量すれば、液状を呈する組成を知ることができる。
また、温度5℃の大気圧下において液体である化合物としては、特に限定されることなく、大気圧下における沸点が130℃以上の高沸点有機化合物が挙げられる。また、温度5℃の大気圧下において液体である化合物は、通常、難燃性を有さない化合物であり、難燃剤とは異なるものである。更に、温度5℃の大気圧下において液体である化合物は、分子量が10000未満であることが好ましい。
そして、温度5℃の大気圧下において液体である化合物としては、例えば、リン酸トリスエチルヘキシル、アジポニトリル、1,3-プロパンスルトン、リン酸トリブチル、テトラグライム、リン酸トリスブトキシエチル、ビニルエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、トリグライム、リン酸トリエチル、シトラコン酸無水物、N-メチルピロリドン、γ-ブチロラクトン、リン酸トリメチルなどが挙げられる。
これらの化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
中でも、ハンドリング性および電解質組成物の調製の容易性の観点から、温度5℃の大気圧下において液体である化合物としては、プロピレンカーボネートを用いることが好ましい。
難燃剤としては、炭素数が24以下のリン酸エステル類、炭素数が24以下の亜リン酸エステル類、ホスファゼン類などを用いることができる。そして、有機組成物に難燃剤を含有させれば、セパレータ材料を更に燃焼し難くすることができる。
また、炭素数が24以下の亜リン酸エステル類としては、例えば、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリイソプロピルおよび亜リン酸トリブチル等のアルキル亜リン酸エステルなどが挙げられる。
更に、ホスファゼン類としては、例えば、モノエトキシシペンタフルオロシクロトリホスファゼン、ジエトキシシテトラフルオロシクロトリホスファゼン、モノフェノキシペンタフルオロシクロトリホスファゼンなどが挙げられる。
なお、上述した化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
低沸点有機化合物としては、大気圧下における沸点が130℃未満であれば特に限定されることなく、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピルなどが挙げられる。これらの化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、低沸点有機化合物は、分子量が10000未満であることが好ましい。
任意成分である高分子成分としては、特に限定されることなく、例えば、置換基を有していてもよいエチレンオキシド連鎖を有する重合体、および、エピクロロヒドリン系重合体が挙げられる。そして、置換基を有していてもよいエチレンオキシド連鎖を有する重合体としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド-プロピレンオキサイド共重合体、エチレンオキサイド-プロピレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル共重合体、エチレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル共重合体、オキシエチレン連鎖を有するポリアクリレート系重合体などのエチレンオキサイド系重合体が挙げられる。これらの重合体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。そして、電解質組成物に高分子成分を含有させれば、セパレータ材料を更に燃焼し難くすることができる。
更に、高分子成分は、架橋構造を有していてもよいが、電解質組成物中で良好に溶解させる観点からは架橋構造を有さないことが好ましい。ここで、架橋構造は、例えば紫外線照射などの任意の架橋方法を用いて高分子成分に導入することができる。また、電解質組成物中で良好に溶解させる観点から、高分子成分は、ゲル含有量が少ないことが好ましい。ゲル含有量は高分子成分のうちの20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることが更に好ましい。高分子成分のゲル含有量は、プロピレンカーボネートに対して高分子成分を5質量%の比率で添加して、100℃で12時間掛けて攪拌溶解させて、不溶分を100℃においてメンブレンフィルタで濾別し、真空乾燥してプロピレンカーボネートを除去し、残渣重量を測ることにより知ることができる。
任意成分である添加剤としては、特に限定されることなく、例えば濡れ剤などの電気化学デバイスの分野において使用し得る任意の添加剤を用いることができる。
ここで、濡れ剤としては、親水部と疎水部を分子内に有するものであれば特に限定されることなく、例えば、炭素数8以上の長鎖アルキルカルボン酸塩、炭素数8以上の長鎖アルキルスルホン酸塩、炭素数8以上の長鎖パーフルオロアルキルカルボン酸塩、炭素数8以上の長鎖パーフルオロアルキルスルホン酸塩、炭素数8以上の長鎖アルキルリン酸エステル、炭素数8以上の長鎖パーフルオロアルキルリン酸エステル、フッ素置換エーテル、炭素数8以上の末端アルキル基を有するエチレンオキシド重合体、エチレンオキサイド(EO)-プロピレンオキサイド(PO)ブロック共重合体などが挙げられる。なお、上記の化合物が有するアルキル基は、一部に不飽和結合を有していてもよいし、分岐鎖を有していてもよい。そして、これらの濡れ剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
電解質組成物は、温度100℃の大気圧下において液状であることを必要とする。ここで、「液状」には、単一の液相状態以外に、主となる液相中に5体積%以下の割合で別の液相が一つ以上する状態や、液相中に5体積%以下の微量な固相を含む状態も含まれる。
なお、本発明において、「粘度」とは、温度25℃においてEMS粘度計(京都電子工業製、EMS-1000S)を用いて密閉条件で有機組成物が揮散せず、空気中の水分が混入しないようにモーター回転数1000rpmで測定した粘度を指す。なお、この測定方法で測定した粘度は、基本的には、JIS Z8803に準拠して測定した値と同じ値となる。そして、電解質組成物の粘度は電解質組成物の組成を変更することにより調整することができる。具体的には、例えば、高粘度の化合物を配合したり、イオン性物質の濃度を高くしたりすることで、電解質組成物の粘度を高めることができる。
多孔性薄膜材料への電解質組成物の含浸は、特に限定されることなく、電解質組成物中への多孔性薄膜材料の浸漬、多孔性薄膜材料への電解質組成物の注液などの任意の方法を用いて行うことができる。
本発明の非水系電気化学デバイスは、本発明のセパレータ材料を備えている。具体的には、本発明の非水系電気化学デバイスは、通常、正極および負極と、正極と負極とを隔離するセパレータ材料と、電解液とを備えている。そして、本発明の非水系電気化学デバイスは、本発明のセパレータ材料を備えているので、内部または外部から着火した場合であっても、燃焼し難く、且つ、外部への物質漏えいが少ない。
直径2cmのステンレス製の皿に評価対象の化合物100mgを入れ、ライターの炎を1秒間当てて着火の有無を調べた。結果を以下に示す。
この結果より、沸点が130℃を下回る化合物や、表面積の大きい評価対象は着火し易いことが分かる。
<着火した化合物>
ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、エチレンオキサイド-プロピレンオキサイド共重合体(粉末状)
<着火しなかった化合物>
スクシノニトリル、エチレンカーボネート、ジメチルスルホン、シュウ酸ジメチル、グリコリド、アジポニトリル、テトラグライム、プロピレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、リン酸トリメチル等の難燃剤、ヒドリンゴム(塊状)、アクリルゴム(塊状)
参考例1で着火しなかった化合物のうち、スクシノニトリル、エチレンカーボネート、ジメチルスルホン、シュウ酸ジメチル、グリコリド、アジポニトリル、テトラグライム、プロピレンカーボネートおよびフルオロエチレンカーボネートについて、着火するまで炎を当て続ける試験を実施した。
その結果、いずれの化合物も着火した。なお、スクシノニトリル、エチレンカーボネート、ジメチルスルホン、シュウ酸ジメチル、グリコリドおよびフルオロエチレンカーボネートの燃焼は、アジポニトリル、テトラグライムおよびプロピレンカーボネートの燃焼と比較して穏やかであり、炎は皿の内側に収まっていた。
エチレンカーボネートやジメチルスルホン等の温度5℃の大気圧下において固体である化合物と、プロピレンカーボネート等の温度5℃の大気圧下において液体である化合物とについて、それぞれ、プラスチック製の直径5cmの皿に10g計り取り、125℃のホットプレートに乗せた。そして、上方2cmの位置にガラス板を水平に設置した。
その結果、エチレンカーボネートやジメチルスルホン等の温度5℃の大気圧下において固体である化合物は、蒸気がガラス上に付着したものの、その場に留まっていた。一方、プロピレンカーボネート等の温度5℃の大気圧下において液体である化合物は、蒸気がガラス上に付着した後、付着量が増えると周囲に移動する挙動を示した。
これより、温度5℃の大気圧下において固体である化合物は、火災時等でも流動し難く、燃焼の拡大を招き難いことが分かった。
エチレンカーボネートを45g、ジメチルスルホンを45g、LiBF4を10g秤り取り、混合して均一な溶液の電解質組成物とした。
この電解質組成物をガラス板に1g取り、60℃のホットプレート上で放置しておいたところ有機化合物が揮散して重量の減少が見られた。
重量の減少に伴って粘性が上がる様子が観察され、重量の20%ほどが失われた時点でホットプレートから降ろして観察したところ固体が析出しており、流動性はなくなっていた。
これは電解質組成物を構成する有機化合物の一部揮散により、組成がアンバランスになり、有機化合物と塩とが相互に溶けた状態を維持できなくなったためと考えられる。
ジメチルカーボネートを90g、LiBF4を10g秤り取り、混合して均一な溶液の電解質組成物とした。
参考例4と同様に試験したところ、ジメチルカーボネートの沸点が90℃と低いことから重量減少のスピードが著しく早かった。
重量の60%が失われた時点でホットプレートから降ろして観察したが固体の析出は見られなかった。
表1に示す多孔性薄膜材料をそれぞれ2cm×2cmの正方形に切抜き、ピンセットで1辺をつまんで下から3秒間炎に当てた。そして、着火の有無および形状の変化の有無を確認した。結果を表1に示す。
また、実施例および比較例において、各種評価は以下の方法で行った。
多孔性薄膜材料の厚みは、定圧デジタル測厚計(東洋精機製)を用いて測定した。
<電解質組成物の粘度>
電解質組成物の粘度は、温度25℃において、EMS粘度計(京都電子工業製、EMS-1000S)を用いてモーター回転数1000rpmで測定した。
<電解質組成物のイオン伝導度>
インピーダンスアナライザ(ソーラトロン社製)を用いて温度-20℃および25℃において測定した。
<セパレータ材料の着火試験>
作製したセパレータ材料を、直径16mm、厚み500μmの円盤状ステンレス板2枚で全周からセパレータ材料が2mmはみ出すように挟んで、試験片とした。
そして、試験片のはみ出し部付近にバーナーを当てて着火の有無を調べた。その後、試験片の中央部に5秒間バーナーの火を当てることにより燃焼性を評価した。具体的には、バーナーの火を離した後の継続燃焼の有無、および、はみ出し部の状態について、目視観察を行った。
試験後にステンレス板を剥がして、ステンレス板に接していた部分のセパレータ材料が乾いているか湿っているか、および、セパレータ材料の多孔性薄膜材料に損傷(穴空き)があるか否かを観察した。そして、湿っている部分の面積(湿潤面積)の割合が電解質組成物が燃焼せずに残った量を反映していると判断した。
<電解質組成物の調製>
イオン性物質としてのLiBF4を10gと、有機組成物としてのエチレンカーボネート80gおよびジメチルスルホン20gとを秤り取り、混合して均一な溶液の電解質組成物とした。
そして、粘度およびイオン伝導度を測定した。結果を表2に示す。
<多孔性薄膜材料の準備>
厚み210μmのガラス繊維フィルタ(ADVANTEC社製、GA-55)を直径20mmの円形に切り出し、多孔性薄膜材料とした。
<セパレータ材料の作製>
電解質組成物に多孔性薄膜材料を浸漬し、電解質組成物を多孔性薄膜材料に含浸させた。そして、電解質組成物が含浸した多孔性薄膜材料を引き上げ、余剰の電解質をこそぎ取ってセパレータ材料とした。
そして、着火試験を行った。結果を表2に示す。
多孔性薄膜材料の準備時に、ガラス繊維フィルタ(ADVANTEC社製、GA-55)のガラス繊維を表面からピンセットで慎重に剥がして厚みをそれぞれ100μm(実施例2)および50μm(実施例3)とした以外は実施例1と同様にして、電解質組成物の調製、多孔性薄膜材料の準備およびセパレータ材料の作製を行った。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表2に示す。
多孔性薄膜材料の準備時に、ガラス繊維フィルタ(ADVANTEC社製、GA-55)に替えて、それぞれ、厚み25μmのポリオレフィン(PO)微多孔膜(ポリポア製、セルガード2325)(実施例4)、厚み29μmのアルミナコートポリオレフィン(PO)微多孔膜(実施例5)、厚み100μmのPTFEメンブレンフィルター(メルク社製、オムニポアJMWP04700)(実施例7)、および、厚み35μmの紙(ニッポン高度紙工業製、TF4535)(実施例8)を用いた以外は実施例1と同様にして、電解質組成物の調製、多孔性薄膜材料の準備およびセパレータ材料の作製を行った。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表2に示す。
なお、実施例4のポリオレフィン(PO)微多孔膜(ポリポア製、セルガード2325)は、特開2000-103886号公報の実施例に従って親水化処理を行ってから用いた。また、実施例5のアルミナコートポリオレフィン(PO)微多孔膜としては、親水化処理を行った実施例4のポリオレフィン(PO)微多孔膜の両面に対し、特開2014-149935号公報に記載の方法に従って、端部3mmを除く部分に厚さ2μmのアルミナ粒子層を形成したものを用いた。
電解質組成物の調製時に、有機組成物として表2に示す化合物を表2に示す量で用いた以外は実施例1と同様にして、電解質組成物の調製、多孔性薄膜材料の準備およびセパレータ材料の作製を行った。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表2に示す。
なお、表中、「EO-PO共重合体」とは、重量平均分子量が100万のエチレンオキサイド(EO)-プロピレンオキサイド(PO)共重合体(EO:PO=90:10)を指す。
電解質組成物の調製時に、イオン性物質として10gのLiBF4に替えて30gのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)を使用し、有機組成物として表2に示す化合物を表2に示す量で用いた以外は実施例1と同様にして、電解質組成物の調製、多孔性薄膜材料の準備およびセパレータ材料の作製を行った。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表2に示す。
電解質組成物の調製時に、イオン性物質として10gのLiBF4に替えて40gのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)を使用し、有機組成物として表2に示す化合物を表2に示す量で用いた以外は実施例1と同様にして、電解質組成物の調製、多孔性薄膜材料の準備およびセパレータ材料の作製を行った。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表2に示す。
電解質組成物の調製時に、イオン性物質として10gのLiBF4に替えて30gのマグネシウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Mg(TFSI)2)を使用し、有機組成物として表2に示す化合物を表2に示す量で用いた以外は実施例1と同様にして、電解質組成物の調製、多孔性薄膜材料の準備およびセパレータ材料の作製を行った。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表2に示す。
電解質組成物の調製時に、有機組成物として表2に示す化合物を表2に示す量で用いた以外は実施例1と同様にして、電解質組成物の調製、多孔性薄膜材料の準備およびセパレータ材料の作製を行った。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表2に示す。
多孔性薄膜材料の準備時に、ガラス繊維フィルタ(ADVANTEC社製、GA-55)に替えて、厚み25μmのポリオレフィン(PO)微多孔膜(ポリポア製、セルガード2325)を用いた以外は比較例1と同様にして、電解質組成物の調製、多孔性薄膜材料の準備およびセパレータ材料の作製を行った。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表2に示す。
多孔性薄膜材料の準備時に、ガラス繊維フィルタ(ADVANTEC社製、GA-55)に替えて、厚み675μmのガラス繊維フィルタ(GEヘルスケアライフサイエンス社製、Whatman(登録商標) GF/B)を用いた以外は実施例1と同様にして、電解質組成物の調製、多孔性薄膜材料の準備およびセパレータ材料の作製を行った。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表2に示す。
電解質組成物の調製時に、有機組成物として表2に示す化合物を表2に示す量で用いた以外はそれぞれ比較例1および比較例2と同様にして、電解質組成物の調製、多孔性薄膜材料の準備およびセパレータ材料の作製を行った。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表2に示す。
また、実施例1~19のセパレータ材料は、温度5℃の大気圧下において固体である化合物の割合が高く、外部への物質漏えいが起こり難かった。
実施例10で作製したセパレータ材料を介在させて、セパレータ材料と同じ電解質組成物を含浸させた正極合材層(正極活物質:リン酸鉄リチウム)を有する正極と、リチウム金属製の負極とを貼り合わせ、リチウムイオン二次電池を製造した。作製後、直ぐに電圧3.8~3.0V、電流値0.1Cの条件で繰り返し充放電を行ったところ、充放電が可能であることが確認された。
Claims (10)
- 厚さが300μm以下の多孔性薄膜材料に対して電解質組成物を含浸させてなり、
前記電解質組成物は、少なくとも1種のイオン性物質と、有機組成物とを含有し、且つ、温度100℃の大気圧下において液状であり、
前記有機組成物は、温度5℃の大気圧下において固体である化合物を80質量%以上の割合で含み、大気圧下における沸点が130℃未満の低沸点有機化合物の含有割合が0質量%以上20質量%以下であり、
前記電解質組成物は、温度-20℃におけるイオン伝導度が1.0×10 -4 S/cm以上である、セパレータ材料。 - 前記有機組成物は、温度40℃の大気圧下において液体である有機化合物の含有割合が0質量%以上20質量%以下である、請求項1に記載のセパレータ材料。
- 厚さが300μm以下の多孔性薄膜材料に対して電解質組成物を含浸させてなり、
前記電解質組成物は、少なくとも1種のイオン性物質と、有機組成物とを含有し、且つ、温度100℃の大気圧下において液状であり、
前記有機組成物は、温度5℃の大気圧下において固体である化合物を80質量%以上の割合で含み、大気圧下における沸点が130℃未満の低沸点有機化合物の含有割合が0質量%以上20質量%以下であり、温度40℃の大気圧下において液体である有機化合物の含有割合が0質量%以上20質量%以下である、セパレータ材料。 - 前記有機組成物は、温度5℃の大気圧下において固体である化合物を2種類以上含む、請求項1~3の何れかに記載のセパレータ材料。
- 前記有機組成物は、温度5℃の大気圧下において固体である化合物を3種類以上含む、請求項1~4の何れかに記載のセパレータ材料。
- 前記有機組成物は、難燃剤を更に含有する、請求項1~5の何れかに記載のセパレータ材料。
- 前記電解質組成物は、高分子成分を更に含有する、請求項1~6の何れかに記載のセパレータ材料。
- 前記多孔性薄膜材料が融点を有するものである、請求項1~7の何れかに記載のセパレータ材料。
- 前記多孔性薄膜材料の表面に不燃性の微粒子が付着している、請求項1~8の何れかに記載のセパレータ材料。
- 請求項1~9の何れかに記載のセパレータ材料を備える、非水系電気化学デバイス。
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