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JP7571482B2 - 赤外線ガス分析装置及びその校正方法 - Google Patents
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JP7571482B2 - 赤外線ガス分析装置及びその校正方法 - Google Patents

赤外線ガス分析装置及びその校正方法 Download PDF

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Description

本発明は、赤外線ガス分析装置及びその校正方法に関する。
赤外線ガス分析装置は、試料ガスに含まれる測定対象成分の濃度を測定するものである。例えば、赤外線ガス分析装置では、測定対象成分を含まないガスが基準ガス(比較ガスと呼ばれてもよい)として用いられる。赤外線ガス分析装置は、基準ガスと試料ガスとの赤外線吸収量の差を検出することにより、試料ガス中の測定対象成分の濃度を測定する。
測定対象となる試料ガスには、発電所や焼却炉等の燃焼設備における排出ガスが挙げられる。このような試料ガスには不純物(汚染物質)が含まれるため、試料ガスが流通する測定セルには、不純物が堆積する。その結果、測定基準となるゼロ点が不純物の堆積量に応じてずれてしまう、いわゆるゼロ点ドリフトという現象が生じ得る。従来では、測定セルの汚染によるゼロ点ドリフトを防止するため、基準ガスと試料ガスを一定周期で交互に切り替えながら測定することでゼロ点ドリフトを打ち消すドリフトキャンセル方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
実公昭57-11251号公報
ところで、上記のような赤外線ガス分析装置では、基準ガスとしてドライ窒素が用いられることがある。しかしながら、この場合、ドライ窒素をボンベ等で予め準備しなくてはならず、ランニングコストが高くなってしまう。そのため、実際には、ドライ窒素の代わりとして大気をポンプで吸引し、除湿器で除湿したガス(ドライエア)を基準ガスとして用いることが多い。
しかしながら、ドライエアといっても大気中の水分を完全に除去することはできない。このため、ドライエアを基準ガスとして用いた場合には、ガス中の残存水分が僅かに赤外線を吸収してしまい、誤差として測定結果に影響を及ぼすことになる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、安価なランニングコストで且つ高精度な測定が可能な赤外線ガス分析装置及びその校正方法を提供することを目的の1つとする。
本発明の一態様の赤外線ガス分析装置は、測定対象成分が含まれた試料ガスの赤外線吸収量と基準ガスの赤外線吸収量との差に基づいて試料ガスの測定対象成分の濃度を測定する赤外線ガス分析装置であって、測定時に前記試料ガス及び前記基準ガスが交互に流通される測定セルと、前記測定セル内で赤外線照射された前記試料ガス及び前記基準ガスの赤外線吸収量をそれぞれ検出する検出器と、前記検出器の出力に基づいて前記試料ガスの測定対象成分の濃度を演算する制御部と、を備え、前記基準ガスは、前記測定対象成分が含まれない第1の基準ガスと第2の基準ガスを含み前記第1の基準ガスは残存水分が混在する除湿されたガスであり、前記第2の基準ガスは水分を含まないガスであり、前記測定時には、前記第1の基準ガスが前記基準ガスとして前記試料ガスと交互に前記測定セル内に流通され、前記測定セルに対する前記試料ガスの流通を切り替える第1の電磁弁と、前記測定セルに対する前記第1の基準ガスの流通を切り替える第2の電磁弁と、前記測定セルに対する前記第2の基準ガスの流通を切り替える第3の電磁弁と、を更に備え、前記制御部は、前記第1の電磁弁、前記第2の電磁弁及び前記第3の電磁弁を切り替え、前記基準ガスとして前記第1の基準ガスを前記測定セルに流通させて検出した第1の赤外線吸収量と前記試料ガスとして前記測定対象成分が含まれないガスを前記測定セルに流通させて検出した第2の赤外線吸収量との差と、前記基準ガスとして前記第2の基準ガスを前記測定セルに流通させて検出した第3の赤外線吸収量と前記試料ガスとして前記測定対象成分が含まれない前記ガスを前記測定セルに流通させて検出した第4の赤外線吸収量との差と、に基づいて、ゼロ校正を実施する。
また、本発明の一態様の赤外線ガス分析装置の校正方法は、測定対象成分が含まれた試料ガスの赤外線吸収量と基準ガスの赤外線吸収量との差に基づいて試料ガスの測定対象成分の濃度を測定する赤外線ガス分析装置の校正方法であって、測定時に前記試料ガス及び前記基準ガスが測定セルに交互に流通され、前記基準ガスは、前記測定対象成分が含まれない第1の基準ガスと第2の基準ガスを含み前記第1の基準ガスは残存水分が混在する除湿されたガスであり、前記第2の基準ガスは水分を含まないガスであり、前記測定時には、前記第1の基準ガスが前記基準ガスとして前記試料ガスと交互に前記測定セル内に流通され、前記赤外線ガス分析装置の制御部が、前記基準ガスとして前記第1の基準ガスを前記測定セルに流通させて検出した第1の赤外線吸収量と前記試料ガスとして前記測定対象成分が含まれないガスを前記測定セルに流通させて検出した第2の赤外線吸収量との差と、前記基準ガスとして前記第2の基準ガスを前記測定セルに流通させて検出した第3の赤外線吸収量と前記試料ガスとして前記測定対象成分が含まれない前記ガスを前記測定セルに流通させて検出した第4の赤外線吸収量との差と、に基づいて、ゼロ校正を実施する
本発明によれば、安価なランニングコストで且つ高精度な測定が可能である。
本実施の形態に係る赤外線ガス分析装置の全体構成図である。 従来例に係るゼロ校正方法を示すタイムチャートである。 本実施の形態に係るゼロ校正方法の一例を示すタイムチャートである。 本実施の形態に係るスパン校正方法の一例を示すタイムチャートである。 本実施の形態に係る赤外線ガス分析装置の動作説明図である。 本実施の形態に係る赤外線ガス分析装置の動作説明図である。
以下、本発明を適用可能な赤外線ガス分析装置について説明する。図1は、本実施の形態に係る赤外線ガス分析装置の全体構成図である。なお、以下に示す赤外線ガス分析装置はあくまで一例にすぎず、これに限定されることなく適宜変更が可能である。なお、本実施の形態では、赤外線ガス分析装置が通常備える基本構成は当然に備えるものとし、適宜説明を省略する。
図1に示すように、本実施の形態に係る赤外線ガス分析装置100は、測定対象成分を含む試料ガスに赤外線を照射し、その赤外線の吸収量を検出することにより、試料ガス中の測定対象成分の濃度を測定する。赤外線ガス分析装置100は、その役割に応じて、光学系、ガス供給系、制御系の3つに大別される。具体的に光学系は、測定セル10、光源11、チョッパ12、モータ13、検出器14を含んで構成される。ガス供給系は、試料ガス供給源、後述する2つの基準ガス供給源、及び各ガス供給源から測定セルに導入されるガスの切り替えを行うガス切り替え機構(後述する複数の電磁弁)を含んで構成される。ガス供給系の詳細は後述する。制御系は、A/D変換部20、制御部21、及び半導体リレー22を含んで構成される。
測定セル10は、一端側にガスの導入口15が設けられ、他端側にガスの排出口16が設けられた筒状体で形成される。測定セル10には、所定のガス(後述する試料ガス、基準ガス等)が流通される。測定セル10の一端側には、赤外線の光源11、チョッパ12、及びモータ13が設けられている。測定セル10の他端側には、検出器14設けられている。
光源11は、所定波長の赤外線を測定セル10内で一端側から他端側に向けて照射する。チョッパ12は、測定セル10と光源11との間に設けられており、モータ13によって回転駆動される。チョッパ12は、光源11と検出器14との間の光路を断続的に遮断する。すなわち、チョッパ12は、モータ13によって回転駆動されることにより、測定セル10に対する赤外線の入射を一定周期で断続的に制御する。モータ13の駆動は制御部21によって制御される。
検出器14は、ガス中の測定対象成分が吸収する赤外線吸収波長と同一波長域の赤外線強度を検出する。検出器14は、測定セル10内のガスの測定対象成分の濃度(以下、単にガスの濃度と呼ぶことがある)に応じた赤外線吸収量の変化を検出し、その変化に応じた電気信号を出力する。
A/D変換部20は、上記の電気信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。なお、検出器14とA/D変換部20との間に、検出器14からの電気信号を増幅するアンプ(不図示)が設けられてもよい。A/D変換部20で変換されたデジタル信号は、制御部21に入力される。
制御部21は、装置内の所定構成を統括制御するものであり、各種処理を実行するマイクロプロセッサやメモリ等のハードウエアと、メモリから読み出されてマイクロプロセッサによって実行されるソフトウエアにより構成される。メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の一つ又は複数の記憶媒体で構成される。
例えば制御部21は、上記したA/D変換部20から入力されたデジタル信号に基づいて、ガスの濃度を算出する。また、制御部21は、モータ13の駆動を制御する。更に制御部21は、ガス切り替え機構を構成する複数の電磁弁40の開閉制御を半導体リレー22を介して実施する。半導体リレー22は、各電磁弁の開閉信号を制御部21から各電磁弁に中継する。また、詳細は後述するが、測定時、ゼロ校正時、又はスパン校正時に、所定のガスに対応した電気信号に基づいて、種々の演算処理を実施する。
次にガス供給系について説明する。図1では、測定セル10に流通されるガスとして1つの試料ガスと、2つの基準ガス(第1の基準ガスと第2の基準ガス)が示されている。各ガスの供給元は特に図示しないものの、各ガスは、所定のガス通路及び電磁弁を介して測定セル10に流通可能に構成される。なお、測定セル10に流通されるガスはこれらに限らず、適宜変更が可能である。例えば、後述するスパン校正用のドライスパンガス(不図示)の供給系統を設けてもよい。この場合、ガスの種類ごとに電磁弁を設けることが好ましい。
なお、試料ガスは、検出器14で検出可能な測定対象成分を含むガスであり、当該ガス中の測定対象成分の濃度に応じて赤外線を吸収する。試料ガスは、例えば発電所や焼却炉等の燃焼設備における排出ガスである。本実施の形態では、基準ガスが、第1の基準ガスと第2の基準ガスとによって構成される。基本的に、基準ガスには、赤外線を吸収しないガスが用いられる。
具体的に、第1の基準ガスは、所定温度(例えば2℃~5℃)の冷却された除湿空気(以下、ドライエアと呼ぶ)である。ドライエアは、僅かながら水分を含んでいる。また、第2の基準ガスは、赤外線を吸収する測定対象成分を含まない乾燥窒素(以下、ドライ窒素と呼ぶ)である。ドライ窒素は、水分を含んでいない。なお、本実施の形態では、第1の基準ガスとしてドライエアを用い、第2の基準ガスとしてドライ窒素を用いる場合について説明するが、この構成に限定されない。第1、第2の基準ガスの種類は、適宜変更が可能である。また、これらのガスの詳細については後述する。
ここで各ガスの流通経路について説明する。図1に示すように、試料ガスは、試料ガス流路30から電磁弁40(第1の電磁弁)及び導入ガス流路31を介して測定セル10に流通可能である。第1の基準ガスは、基準ガス流路32から電磁弁41(第2の電磁弁)及び導入ガス流路33を介して測定セル10に流通可能である。第2の基準ガスは、基準ガス流路34から電磁弁42(第3の電磁弁)及び導入ガス流路35を介して測定セル10に流通可能である。
上記した3つの電磁弁40-42は、例えば、三方電磁弁で構成することができる。三方電磁弁は、共通流入ポート(Common:com)と、常閉流出ポート(Normally Close:NC)及び常開流出ポート(Normally Open:NO)から構成されている。NCとNOの切り替えは、上記した制御部21によって制御される。
試料ガス流路30の下流端は、電磁弁40の共通流入ポートに接続されている。導入ガス流路31の上流端は、電磁弁40の常開流出ポートに接続されている。導入ガス流路31の下流端は、測定セル10の導入口15に接続されている。また、測定セル10の排出口16には、排出ガス流路36の上流端が接続されている。排出ガス流路36の下流端は、外部に開放されている。また、電磁弁40の常閉流入ポートには、排出ガス流路37の上流端が接続されている。試料ガスは、電磁弁40の開閉状態に応じて測定セル10に流通、又は外部に排出される。
基準ガス流路32の下流端は、電磁弁41の共通流入ポートに接続されている。導入ガス流路33の上流端は、電磁弁41の常閉流出ポートに接続されている。導入ガス流路33の下流端は、導入ガス流路31の途中に接続されている。また、電磁弁41の常開流入ポートには、排出ガス流路38の上流端が接続されている。排出ガス流路38の下流端は、外部に開放されている。また、排出ガス流路37の下流端は、排出ガス流路38の途中に接続されている。第1の基準ガスは、電磁弁41の開閉状態に応じて測定セル10に流通、又は外部に排出される。
基準ガス流路34の下流端は、電磁弁42の共通流入ポートに接続されている。導入ガス流路35の上流端は、電磁弁42の常閉流出ポートに接続されている。導入ガス流路35の下流端は、導入ガス流路31の途中に接続されている。また、電磁弁42の常開流入ポートには、排出ガス流路39の上流端が接続されている。排出ガス流路39の下流端は、外部に開放されている。第2の基準ガスは、電磁弁42の開閉状態に応じて測定セル10に流通、又は外部に排出される。
このように構成される赤外線ガス分析装置100においては、所定のガスが測定セル10内を流通している際に、当該ガスに赤外線を照射してその吸収量を検出する。例えば、試料ガスの測定の際には、図1に示すように、電磁弁40の常開流出ポートが開放され、試料ガスは、試料ガス流路30及び導入ガス流路31を通じて導入口15から測定セル10内に流通する。
測定セル10内では、光源11から発せられた赤外光が、チョッパ12によって断続光となり、測定セル10の内側面を反射しながら検出器14に向かって入射する。その際、測定セル10内に存在する測定対象成分の濃度に応じて、測定セル10内での赤外線吸収量が変化する。検出器14は、その赤外線吸収量の変化を検出して、所定の電気信号(濃度信号と呼ばれてもよい)として出力する。そして、試料ガスは、排出口16から排出ガス流路36を通じて外部に排出される。
ところで、上記したように、測定対象となる試料ガスには、発電所や焼却炉等の燃焼設備における排出ガスが挙げられる。このような排出ガスには、不純物が含まれるため、測定が繰り返されると、測定セル10内には不純物が堆積するおそれがある。この結果、測定基準となるゼロ点が不純物の堆積量に応じてずれてしまう、いわゆるゼロ点ドリフトという現象が生じ得る。
そのため、従来を含め本実施の形態では、測定セル10内へ試料ガスと基準ガスを所定時間おきに交互に流通させ、2つのガスの赤外線吸収量の差から試料ガス中の測定対象成分を算出することで測定が行われる。測定セル10に試料ガスと基準ガスとを交互に複数回流通させることで、基準ガスによるゼロ点信号と、試料ガスによる試料ガス測定信号とを交互に取得することが可能である。このため、試料ガス測定信号からゼロ点信号を差し引く演算処理を行うことで、上記のようなゼロ点ドリフトの影響を受けない濃度信号を得ることが可能である。このような測定方法は、例えばドリフトキャンセル方式と呼ばれている。
また、こうした方式が採用された赤外線ガス分析装置100であっても、試料ガスを測定するに先立って、測定の基準となるゼロ校正及びスパン校正が定期的に実施される。ゼロ校正とは、測定範囲の下限となるゼロ点を定めることをいい、スパン校正とは、スパン校正用のガスを用いて予め定められた測定範囲の基準点となるスパン点を定めることをいう。
ところで、校正を実施する際には、基準ガス又は試料ガスとして、しばしばドライ窒素が採用される。例えば、ゼロ校正時において、基準ガスとしてドライ窒素が使用された場合、試料ガスにもドライ窒素が使用される。ドライ窒素は、測定対象成分を一切含まないため、試料ガス及び基準ガスの電気信号のレベルは等しくなり、2つの電気信号の差は0となる。これにより、適正なゼロ校正が実施される。また、スパン校正時には、基準ガスとしてドライ窒素が使用され、試料ガスとして予め定められた濃度信号を示すドライスパンガスが使用される。
しかしながら、基準ガスにドライ窒素を用いる場合、ドライ窒素専用のボンベを準備する必要があるため、装置のランニングコストが高くなる傾向がある。そのため、除湿した空気(ドライエア)を基準ガスに用いることが多くなっている。ドライエアは、空気をポンプで吸引し、電子クーラー等によって2度程度に冷却されることで除湿される。
ところが、ドライエアといっても、空気中の水分を完全に除去することはできず、ドライエアには、僅かながら残存水分が混在している。この場合、ドライエア中に残った水分が赤外線を吸収してしまう。その結果、ゼロ校正時における試料ガス及び基準ガスの検出信号のレベルが異なってしまい、2つの電気信号の差が0とならずに誤差が発生する。
ここで、図2を参照して、基準ガスにドライエアを用いた場合のゼロ校正方法について説明する。図2は、従来例に係るゼロ校正方法を示すタイムチャートである。図2の横軸は時間を示しており、縦軸は電気信号の大きさ(レベル)を示している。
図2に示すように、基準ガスと試料ガスを交互に一定周期で切り替えながら測定を実施する。その際、基準ガスとしてドライエアが用いられ、試料ガスとしてドライ窒素が用いられる。上記したように、ドライエアには残存水分が含まれるため、残存水分が吸収した分の赤外線が電気信号として出力される。一方で、ドライ窒素は測定対象成分を一切含まないため、電気信号のレベルがゼロとなっている。両者の電気信号のレベル差をΔSとすると、このドライエアのレベルを基準にゼロ校正が実施される。また、この条件でスパン校正が実施されると、スパン信号のレベルは、上記誤差が含まれた値となってしまう。
このように、赤外線ガス分析装置において、ランニングコストと測定精度は、トレードオフの関係にあるといえる。
そこで、本件発明者は、装置のランニングコストと測定精度を両立すべく、本発明に想到した。本実施の形態では、基準ガスとして2種類のガス(ドライエア及びドライ窒素)を用意し、測定セル10に対してドライエアとドライ窒素を選択的に流通させることの可能な第3の電磁弁42を設ける構成とした。ゼロ校正時においては、ドライエアに基づく電気信号とドライ窒素に基づく電気信号との差分を演算することで、基準ガスにドライエアを用いた場合に生じていた校正誤差をなくすことが可能となっている。また、スパン校正時には、ドライエアを用いたゼロ校正の誤差分を補正することにより、ドライ窒素を用いてスパン校正した場合と同等の校正を行うことが可能になっている。
ここで、図3から図6を参照して、本実施の形態に係る赤外線ガス分析装置の構成方法について説明する。図3は、本実施の形態に係るゼロ校正方法の一例を示すタイムチャートである。図4は、本実施の形態に係るスパン校正方法の一例を示すタイムチャートである。図3及び図4の横軸は時間を示しており、縦軸は電気信号の大きさ(レベル)を示している。図5及び図6は、本実施の形態に係る赤外線ガス分析装置の動作説明図である。以下の説明において、各電磁弁の開閉を制御する主体及び各種校正のための演算処理の主体は、制御部21とする。
図3に示すように、ゼロ校正の際には、先ず、第1の基準ガスとしてドライエアが用いられ、第1の基準ガスは、測定セル10内に流通される。具体的には、図5に示すように、電磁弁41の常閉流出ポートが開放され、第1の基準ガスは、基準ガス流路32及び導入ガス流路33を通じて導入口15から測定セル10内に流通する。そして、第1の基準ガスは、排出口16から排出ガス流路36を通じて外部に排出される。このときの電気信号のレベルをSrz1とする。
所定時間の経過後、各電磁弁が切り替えられ、試料ガスとしてドライ窒素が用いられ、試料ガスは、測定セル10内に流通される。試料ガスの流れは、図1と同様のため、説明を省略する。なお、このときの電気信号のレベルをSsz1とする。制御部21は、第1の基準ガスによるゼロ点信号レベルとして、Ssz1-Srz1=Sz1を算出する。
更に所定時間の経過後、各電磁弁が切り替えられ、次に第2の基準ガスとしてドライ窒素が用いられ、第2の基準ガスは、測定セル10内に流通される。具体的には、図6に示すように、電磁弁42の常閉流出ポートが開放され、第2の基準ガスは、基準ガス流路34及び導入ガス流路35を通じて導入口15から測定セル10内に流通する。そして、第2の基準ガスは、排出口16から排出ガス流路36を通じて外部に排出される。このときの電気信号のレベルをSrz2とする。
所定時間の経過後、各電磁弁が切り替えられ、試料ガスとしてドライ窒素が用いられ、試料ガスは、測定セル10内に流通される。試料ガスの流れは、図1と同様のため、説明を省略する。なお、このときの電気信号のレベルをSsz2とする。制御部21は、第2の基準ガスによるゼロ点信号レベルとして、Ssz2-Srz2=Sz2を算出する。このように、第1の基準ガスによるゼロ校正によるレベルと第2の基準ガスによるゼロ校正のレベルは異なるため、制御部21は、その差分として、Sz1-Sz2=Sz3を算出して記憶する。このSz3は、補正値と呼ばれてもよい。
このように、2種類の基準ガスによって算出されたSz1とSz2の差分Sz3を算出することにより、基準ガスにドライエアを用いた場合に生じていた校正誤差をなくすことが可能になっている。なお、ゼロ校正は、上記の手順を複数回繰り返して実施し、その平均をとってもよい
また、スパン校正の際には、図4に示すように、先ず、第1の基準ガスとしてドライエアが用いられ、第1の基準ガスは、測定セル10内に流通される。第1の基準ガスの流れは、図5と同様のため、説明を省略する。なお、このときの電気信号のレベルをSrs1とする。
所定時間の経過後、各電磁弁が切り替えられ、試料ガスとしてドライスパンガスが用いられ、試料ガスは、測定セル10内に流通される。試料ガスの流れは、図1と同様のため、説明を省略する。なお、このときの電気信号のレベルをSss1とする。制御部21は、第1の基準ガスによるスパン点信号レベルとして、Sss1-Srs1=Ss1を算出する。更に制御部21は、先のゼロ校正で算出したゼロ校正の補正値Sz3を用いて、スパン信号レベルとして、Ss1-Sz3を算出する。この場合、Ss1及びSz3は共に、ドライエアを用いた場合の誤差分が含まれている。そのため、その差分であるSs1-Sz3は、当該誤差分が相殺され、上記したようなドライ窒素を用いた場合の校正と同等の校正を実施することが可能である。なお、スパン校正は、上記の手順を複数回繰り返して実施し、その平均をとってもよい。
このように、本実施の形態によれば、ゼロ校正の際に基準ガスとして第1、第2の基準ガス(ドライエア及びドライ窒素)を交互に切り替えたことにより、両者の差分を考慮して基準ガスにドライエアを用いた場合の誤差分を補正することが可能である。また、スパン校正の際にも当該差分(補正値)を用いることでドライエアの誤差分を気にすることなく適切な校正を実施することが可能である。なお、高価なドライ窒素は、ゼロ校正の一部分でしか使用されず、スパン校正や通常の測定の際には、基準ガスとして第1の基準ガスであるドライエアを使用することが可能である。したがって、ランニングコストと測定精度を両立した赤外線ガス分析装置100を実現することが可能である。
また、本実施の形態は上記の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらに、技術の進歩又は派生する別技術によって、技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
下記に、上記の実施の形態における特徴点を整理する。
上記実施の形態に係る赤外線ガス分析装置は、測定対象成分が含まれた試料ガスの赤外線吸収量と基準ガスの赤外線吸収量との差に基づいて試料ガスの測定対象成分の濃度を測定する赤外線ガス分析装置であって、測定時に前記試料ガス及び前記基準ガスが交互に流通される測定セルと、前記測定セル内で赤外線照射された前記試料ガス及び前記基準ガスの赤外線吸収量をそれぞれ検出する検出器と、前記検出器の出力に基づいて前記試料ガスの濃度を演算する制御部と、を備え、前記基準ガスは、前記測定対象成分が含まれない第1の基準ガスと第2の基準ガスによって構成され、前記測定セルに対する前記試料ガスの流通を切り替える第1の電磁弁と、前記測定セルに対する前記第1の基準ガスの流通を切り替える第2の電磁弁と、前記測定セルに対する前記第2の基準ガスの流通を切り替える第3の電磁弁と、を更に備え、前記制御部は、前記第2の電磁弁及び前記第3の電磁弁を切り替えてゼロ点校正を実施する。
また、上記実施の形態に係る赤外線ガス分析装置において、前記第1の基準ガスは、ドライエアであり、前記第2の基準ガスは、ドライ窒素である。
また、上記実施の形態に係る赤外線ガス分析装置において、前記制御部は、ゼロ校正時に前記第1の基準ガスに基づく電気信号と前記第2の基準ガスに基づく電気信号との差分を演算する。
また、上記実施の形態に係る赤外線ガス分析装置において、前記制御部は、前記第1の電磁弁及び前記第2の電磁弁を切り替え、前記第1の基準ガスを用いて前記試料ガスの測定を実施する。
また、上記実施の形態に係る赤外線ガス分析装置において、前記制御部は、前記ゼロ校正時に演算した前記差分に基づいてスパン校正を実施する。
また、上記実施の形態に係る赤外線ガス分析装置の校正方法は、測定対象成分が含まれた試料ガスの赤外線吸収量と基準ガスの赤外線吸収量との差に基づいて試料ガスの測定対象成分の濃度を測定する赤外線ガス分析装置の校正方法であって、測定時に前記試料ガス及び前記基準ガスが測定セルに交互に流通され、前記基準ガスは、前記測定対象成分が含まれない第1の基準ガスと第2の基準ガスによって構成され、ゼロ校正の際に、前記第1の基準ガスと前記基準ガスとを切り替えて誤差分を補正する。
以上説明したように、本発明は、安価なランニングコストで且つ高精度な測定することができるという効果を有し、特に、赤外線ガス分析装置及びその構成方法に有用である。
100 赤外線ガス分析装置
10 測定セル
11 光源
12 チョッパ
13 モータ
14 検出器
15 導入口
16 排出口
20 A/D変換部
21 制御部
22 半導体リレー
30 試料ガス流路
31 導入ガス流路
32 基準ガス流路
33 導入ガス流路
34 基準ガス流路
35 導入ガス流路
36 排出ガス流路
37 排出ガス流路
38 排出ガス流路
39 排出ガス流路
40 電磁弁(第1の電磁弁)
41 電磁弁(第2の電磁弁)
42 電磁弁(第3の電磁弁)

Claims (6)

  1. 測定対象成分が含まれた試料ガスの赤外線吸収量と基準ガスの赤外線吸収量との差に基づいて試料ガスの測定対象成分の濃度を測定する赤外線ガス分析装置であって、
    測定時に前記試料ガス及び前記基準ガスが交互に流通される測定セルと、
    前記測定セル内で赤外線照射された前記試料ガス及び前記基準ガスの赤外線吸収量をそれぞれ検出する検出器と、
    前記検出器の出力に基づいて前記試料ガスの測定対象成分の濃度を演算する制御部と、を備え、
    前記基準ガスは、前記測定対象成分が含まれない第1の基準ガスと第2の基準ガスを含み
    前記第1の基準ガスは残存水分が混在する除湿されたガスであり、
    前記第2の基準ガスは水分を含まないガスであり、
    前記測定時には、前記第1の基準ガスが前記基準ガスとして前記試料ガスと交互に前記測定セル内に流通され、
    前記測定セルに対する前記試料ガスの流通を切り替える第1の電磁弁と、
    前記測定セルに対する前記第1の基準ガスの流通を切り替える第2の電磁弁と、
    前記測定セルに対する前記第2の基準ガスの流通を切り替える第3の電磁弁と、を更に備え、
    前記制御部は、前記第1の電磁弁、前記第2の電磁弁及び前記第3の電磁弁を切り替え
    前記基準ガスとして前記第1の基準ガスを前記測定セルに流通させて検出した第1の赤外線吸収量と前記試料ガスとして前記測定対象成分が含まれないガスを前記測定セルに流通させて検出した第2の赤外線吸収量との差と、
    前記基準ガスとして前記第2の基準ガスを前記測定セルに流通させて検出した第3の赤外線吸収量と前記試料ガスとして前記測定対象成分が含まれない前記ガスを前記測定セルに流通させて検出した第4の赤外線吸収量との差と、に基づいて、ゼロ校正を実施する、赤外線ガス分析装置。
  2. 前記第1の基準ガスは、ドライエアであり、前記第2の基準ガスは、ドライ窒素である、請求項1に記載の赤外線ガス分析装置。
  3. 前記検出器は、前記試料ガス及び前記基準ガスの赤外線吸収量の変化に応じた電気信号を出力し、
    前記制御部は、前記ゼロ校正時に、前記第1の赤外線吸収量と前記第2の赤外線吸収量との差に応じた電気信号と、前記第3の赤外線吸収量と前記第4の赤外線吸収量との差に応じた電気信号との差分を演算する、請求項1又は請求項2に記載の赤外線ガス分析装置。
  4. 前記制御部は、前記ゼロ校正の後、前記第1の電磁弁及び前記第2の電磁弁を切り替え、前記基準ガスとして前記第1の基準ガスを用いて前記試料ガスの測定対象成分の濃度の測定を実施する、請求項3に記載の赤外線ガス分析装置。
  5. 前記制御部は、前記ゼロ校正時に演算した前記差分に基づいてスパン校正を実施する、請求項3又は請求項4に記載の赤外線ガス分析装置。
  6. 測定対象成分が含まれた試料ガスの赤外線吸収量と基準ガスの赤外線吸収量との差に基づいて試料ガスの測定対象成分の濃度を測定する赤外線ガス分析装置の校正方法であって、
    測定時に前記試料ガス及び前記基準ガスが測定セルに交互に流通され、
    前記基準ガスは、前記測定対象成分が含まれない第1の基準ガスと第2の基準ガスを含み
    前記第1の基準ガスは残存水分が混在する除湿されたガスであり、
    前記第2の基準ガスは水分を含まないガスであり、
    前記測定時には、前記第1の基準ガスが前記基準ガスとして前記試料ガスと交互に前記測定セル内に流通され、
    前記赤外線ガス分析装置の制御部が、
    前記基準ガスとして前記第1の基準ガスを前記測定セルに流通させて検出した第1の赤外線吸収量と前記試料ガスとして前記測定対象成分が含まれないガスを前記測定セルに流通させて検出した第2の赤外線吸収量との差と、
    前記基準ガスとして前記第2の基準ガスを前記測定セルに流通させて検出した第3の赤外線吸収量と前記試料ガスとして前記測定対象成分が含まれない前記ガスを前記測定セルに流通させて検出した第4の赤外線吸収量との差と、に基づいて、ゼロ校正を実施する
    赤外線ガス分析装置の校正方法。
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