JP7571559B2 - エアバッグ収納カバー - Google Patents
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Description
成分(A):プロピレン系重合体
成分(B):エチレン系共重合体
成分(C):スチレン・共役ジエンブロック共重合体の部分水素添加物
成分(A):プロピレン系重合体
成分(B):エチレン系共重合体
成分(C):スチレン・共役ジエンブロック共重合体の部分水素添加物
以下の説明は、本発明の実施の形態の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載内容に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、下記成分(A)~(C)を、成分(A)100質量部に対して、成分(B)を11~68質量部、成分(C)を1~58質量部の割合で含む熱可塑性エラストマー組成物である。
成分(A):プロピレン系重合体
成分(B):エチレン系共重合体
成分(C):スチレン・共役ジエンブロック共重合体の部分水素添加物
成分(A):プロピレン系重合体
成分(B):エチレン系共重合体
成分(C):スチレン・共役ジエンブロック共重合体の部分水素添加物
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、低温耐衝撃性と耐熱性に優れた成形体を得ることができるという効果を奏する。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物がこのような効果を奏する理由の詳細は定かではないが、以下のように推察される。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物では、成分(A)により耐熱性を得ると共に、成分(B)及び成分(C)により低温耐衝撃性を得る。このとき、成分(A)の100質量部に対して成分(B)を11~68質量部、成分(C)を1~58質量部の割合で用いることが重要である。後掲の実施例1~4と比較例1及び比較例4の結果より明らかなように、この特定の配合組成において、成分(B)と成分(C)の相互作用により、優れた低温耐衝撃性と耐熱性が得られると考えられる。
成分(A)のプロピレン系重合体とは、全単量体単位に対するプロピレン単位の含有率が50質量%よりも多い重合体である。即ち、成分(A)は、プロピレン単位の含有率が50質量%を超え100質量%以下であるポリプロピレン系樹脂である。
成分(A)において、プロピレン系重合体成分は剛性、耐熱性に寄与する。
log(MFRブレンド)=w1log(MFR1)+w2log(MFR2)+…
……+wilog(MFRi)+…+wnlog(MFRn) …(I)
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(B)としてエチレン系共重合体を含有する。成分(B)のエチレン系共重合体は、全単量体単位に対するエチレン単位の含有率が50質量%以上のものであればよく、特に制限はないが、なかでもエチレン・α-オレフィン共重合体が好ましい。エチレン・α-オレフィン共重合体は、エチレン単位とα-オレフィン単位との合計の含有率を100質量%としたときに、エチレン単位の含有率が50~80質量%、α-オレフィン単位の含有率が20~50質量%であるものが好ましい。エチレン単位の含有率が上記範囲内であると、他の成分との親和性が良好となって熱可塑性エラストマー組成物の微分散性が向上する傾向にある。
これらの値を求める際の具体的な測定条件は次のとおりである。
即ち、サンプル量10mgを採り、DSCを用い、25℃から200℃まで100℃/分の昇温速度で融解させ、200℃で1分間保持した後、-130℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、-130℃で10分間保持した後、10℃/分の昇温速度で200℃まで測定して求める。
成分(B)におけるエチレン・α-オレフィン共重合体ブロックは、エチレン単位及びα-オレフィン単位に加え、非共役ジエンに基づく単量体単位(非共役ジエン単位)等の他の単量体単位を有していてもよい。該非共役ジエンとしては、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエンのような鎖状非共役ジエン;シクロへキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5-ビニルノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネンのような環状非共役ジエン等が挙げられる。好ましくは、5-エチリデン-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエンである。
成分(B)中に、これらのエチレン・α-オレフィン共重合体ブロックは1種で用いられてもよく、2種以上組み合わせ用いられてもよい。これらの中でも、成分(B)は、エチレンからなる重合体ブロックとエチレン・1-オクテン共重合体ブロックとを含むエチレン系ブロック共重合体であることが最も好ましい。
成分(C)のスチレン・共役ジエンブロック共重合体の部分水素添加物における好適な共役ジエンはブタジエン、イソプレン又はこれらの混合物である。成分(C)のスチレン・共役ジエンブロック共重合体の部分水素添加物としては、例えば、スチレン・ブタジエン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(以下、単に「S-B-B-S」と略記することがある。)を挙げることができる。
機器:東ソー株式会社製「HLC-8220GPC(R)」
カラム:東ソー株式会社製「TSKgelSuperHM-M(6.0mmI.D×15cm×2+G)」
検出器:示差屈折率検出器(RI/内蔵)
溶媒:クロロホルム
温度:40℃
流速:0.25mL/分
注入量:0.1質量%×20μL
較正試料:単分散ポリスチレン
較正法:ポリスチレン換算
較正曲線近似式:3次式(双曲線)
排除限界設定時間:12分
本発明の熱可塑性エラストマー組成物において、成分(B)の含有量は、得られる成形体の低温特性、耐熱性の観点から、成分(A)100質量部に対して通常11質量部以上であり、好ましくは15質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは25質量部以上、特に好ましくは30質量部以上である。また、成分(B)の含有量は、得られる成形体の耐熱性の観点から、成分(A)100質量部に対して通常68質量部以下であり、好ましくは65質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは55質量部以下、特に好ましくは50質量部以下である。
具体的には、成分(A)100質量部に対する成分(B)の含有量がWB質量部で、成分(C)の含有量がWC質量部である場合、WB-WC(質量部)が1質量部以上、特に15質量部以上となることが好ましい。一方、成分(B)の含有量を確保する観点から、WB-WC(質量部)は60質量部以下、特に40質量部以下であることが好ましい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、上記の成分以外に本発明の効果を著しく損なわない範囲内で、各種目的に応じて以下の添加剤、無機フィラー、有機フィラーや成分(A)~(C)以外の樹脂(以下、「その他の樹脂」と称する。)等の任意成分を配合することができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)~(C)やその他の成分を通常の押出機やバンバリーミキサー、ロール、ブラベンダープラストグラフ、ニーダーブラベンダー等を用いて常法で混練して製造することができる。これらの製造方法の中でも、押出機、特に二軸押出機を用いることが好ましい。本発明の熱可塑性エラストマー組成物を押出機等で混練して製造する際には通常160~240℃、好ましくは180~220℃に加熱した状態で溶融混練することによって製造することができる。更に、本発明の熱可塑性エラストマー組成物に、下記の架橋剤や架橋助剤を配合して動的に熱処理することにより、部分的に架橋させてもよい。
本発明において、ISO 180(2013年)に従って測定された-45℃におけるノッチ付きIZOD衝撃強度を、低温耐衝撃性の指標とする。このノッチ付きIZOD衝撃強度の測定方法の詳細は、後掲の実施例の項に記載される通りである。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物について測定された-45℃におけるノッチ付きIZOD衝撃強度は、50kJ/m2以上であることが好ましく、55kJ/m2以上であることがより好ましく、60kJ/m2以上であることが更に好ましく、70kJ/m2以上であることが特に好ましい。一方、本発明の熱可塑性エラストマー組成物のノッチ付きIZOD衝撃強度の上限は特に制限されないが、通常150kJ/m2以下である。
本発明において、加熱条件110℃で1000時間加熱した耐熱試験後に、上記の低温耐衝撃性の評価と同様にして測定されたノッチ付きIZOD衝撃強度を、耐熱性の指標とする。この耐熱試験方法及びその後のノッチ付きIZOD衝撃強度の測定方法の詳細は、後掲の実施例の項に記載される通りである。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物について耐熱試験後に測定された-45℃におけるノッチ付きIZOD衝撃強度は、50kJ/m2以上であることが好ましく、52kJ/m2以上であることがより好ましく、57kJ/m2以上であることが更に好ましく、60kJ/m2以上であることが特に好ましい。一方、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の耐熱試験後のノッチ付きIZOD衝撃強度の上限は特に制限されないが、通常150kJ/m2以下である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を通常の射出成形法又は、必要に応じて、ガスインジェクション成形法、射出圧縮成形法、ショートショット発泡成形法等の各種成形法を用いて成形体とすることができ、本発明のエアバッグ収納カバーを製造することができる。特に、本発明のエアバッグ収納カバーは射出成形により製造することが好ましく、射出成形を行う際の成形条件は以下の通りである。
エアバッグ収納カバーを射出成形する際の成形温度は一般に150~300℃であり、好ましくは160~280℃である。射出圧力は通常、5~100MPaであり、好ましくは10~80MPaである。また、金型温度は通常0~80℃であり、好ましくは20~60℃である。
本発明のエアバッグ収納カバーは、運転席用エアバッグ収納カバー、助手席用エアバッグ収納カバー、歩行者用エアバッグ収納カバー、ニー・エアバッグ収納カバー、サイド・エアバッグ収納カバー、カーテン・エアバッグ収納カバー等のいずれにも好適に用いることができる。
[成分(A)]
(A-1):プロピレン系ブロック共重合体(第1工程でプロピレン単独重合体を重合し、続いて第2工程でエチレン・プロピレン共重合体を重合して得られたもの)
MFR(ISO 1133):65g/10分
(測定条件:230℃、荷重21.18N(2.16kgf))
プロピレン系重合体成分の含有率:92質量%
エチレン・プロピレン共重合体成分の含有率:8質量%
エチレン・プロピレン共重合体成分中のエチレン単位の含有率:43質量%
(A-2):LyondellBasell社製HifaxX(登録商標)1956A(第1工程でプロピレン単独重合体を重合し、続いて第2工程でエチレン・プロピレン共重合体を重合して得られたもの)
MFR(ISO 1133):1.1g/10分
(測定条件:230℃、荷重21.18N(2.16kgf))
プロピレン系重合体成分の含有率:70質量%
エチレン・プロピレン共重合体成分の含有率:30質量%、
エチレン・プロピレン共重合体成分中のエチレン単位の含有率:65質量%
(B-1):ダウ・ケミカル社製Engage(登録商標)XLT8677(エチレンからなる重合体ブロックとエチレン・1-オクテン共重合体ブロックとを有するエチレン系ブロック共重合体)
結晶融解ピーク温度:119℃
結晶融解熱量:37J/g
ガラス転移温度(DSC法):-67℃
MFR(ASTM D1238):0.5g/10分
(測定条件:190℃、荷重21.18N(2.16kgf))(カタログ値)
密度(ISO 1183-A法):0.872g/cm3(測定温度:23℃)
(C-1):旭化成社製タフテック(商標登録)P1083(スチレン・ブタジエン・ブチレン・スチレンブロック共重合体)
スチレン単位含有率:20質量%(カタログ値)
ブタジエン・ブチレン含有率:80質量%(カタログ値)
ブタジエン・ブチレン重合体における1,4-結合量:63%
1,4-結合の重合体部の水素添加率:65%
1,2-結合の重合体部の水素添加率:97%
重量平均分子量(Mw):95,000
密度(ISO 1183):0.89g/cm3(カタログ値)
(C’-1):LCY社製Globalprene(商標登録)3411(スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体)
スチレン単位含有率:30質量%(カタログ値)
共役ジエン単位含有率:70質量%(カタログ値)
重量平均分子量(Mw):240,000
密度(ASTM D792):0.94g/cm3(カタログ値)
1) 低温耐衝撃性(ノッチ付きIZOD衝撃強度)
得られた熱可塑性エラストマー組成物を用いて、インラインスクリュウタイプ射出成形機(住友電装社製「SE180」)により、射出圧力100MPa、射出速度27mm/s、シリンダー設定温度220℃、金型温度40℃にて、IZOD衝撃強度測定用の試験片として、厚さ4mm×幅10mm×長さ80mmに成形し、試験片を得た。その後、ダンベルにノッチを入れ(ノッチの寸法と評価方法はISO 180(2013年)に準拠)、温度-45℃でIZOD衝撃強度を測定した。IZOD衝撃値が大きいものほど、低温耐衝撃性に優れるものと評価される。
上記1)で得られたノッチ付き試験片をオーブン(エスペック社製「パーフェクトオーブン」)に入れ、110℃で1000時間静置した。その後、試験片を取り出し、常温環境下に静置したものを耐熱試験用試験片として用い、上記1)と同様にして温度-45℃でIZOD衝撃強度を測定した。耐熱試験後のIZOD衝撃値が大きいものほど、耐熱性に優れるものと評価される。
[実施例1]
(A-1)75質量部、(A-2)25質量部、(B-1)61質量部、(C-1)8質量部、(A-1)、(B-1)、(C-1)の合計100質量部に対して酸化防止剤0.2質量部(内訳(BASFジャパン社製商品名イルガノックス(登録商標)1010)0.1質量部と(BASFジャパン社製商品名イルガフォス(登録商標)168)0.1質量部)、耐候助剤(BASFジャパン社製商品名チヌビン(登録商標)XT855FF)0.2質量部及び着色剤(黒色顔料、カーボン濃度40質量%品)1.5質量部をヘンシェルミキサーにて1分間ブレンドし、同方向2軸押出機(神戸製鋼製「TEX30α」、L/D=45、シリンダブロック数:13)へ20kg/hrの速度で投入し、180~210℃の範囲で昇温させ、溶融混練を行い、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。得られた熱可塑性エラストマー組成物のペレットについて、前記1)~2)の評価を行った。それらの評価結果を表-1に示す。
表-1に示す配合にした以外は実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た(ただし、酸化防止剤、耐候助剤及び着色剤の配合量の記載については表-1においては省略した。)。得られた熱可塑性エラストマー組成物のペレットについて、実施例1と同様に評価した。評価結果を表-1に示す。
表-1に示すとおり、本発明の熱可塑性エラストマー組成物に該当する実施例1~4の熱可塑性エラストマー組成物は、-45℃のIZOD衝撃強度の値が50kJ/m2以上であり、低温耐衝撃性に優れることがわかる。また、耐熱試験後に於いても-45℃のIZOD衝撃強度の値が50kJ/m2以上である。これらのことから、実施例1~4の熱可塑性エラストマー組成物は低温耐衝撃性と耐熱性に優れることがわかる。
比較例2は成分(C)の代りに、水素添加していない成分(C’-1)を25質量部配合した例であり、耐熱性が劣る。
比較例3、4は成分(C-1)の配合量が58質量部を超える例であり、低温耐衝撃性と耐熱性が劣る。
Claims (5)
- 下記成分(A)~(C)を、成分(A)100質量部に対して、成分(B)を11~68質量部、成分(C)を1~58質量部の割合で含む熱可塑性エラストマー組成物であり、ISO 180を参照し、前記熱可塑性エラストマー組成物より作成したノッチ付きIZOD衝撃強度測定用の試験片を加熱条件110℃で1000時間加熱した耐熱試験後の試験片を用いて-45℃雰囲気下にて測定したIZOD衝撃値が50kJ/m 2 以上150kJ/m 2 以下である熱可塑性エラストマー組成物よりなるエアバッグ収納カバー。
成分(A):プロピレン系重合体
成分(B):エチレン系共重合体
成分(C):共役ジエンブロック中の1,4-結合由来の二重結合の水素添加率が、20~80%である、スチレン・共役ジエンブロック共重合体の部分水素添加物 - 前記成分(A)がプロピレン系ブロック共重合体である、請求項1に記載のエアバッグ収納カバー。
- 前記熱可塑性エラストマー組成物における前記成分(C)の含有割合が、前記成分(B)の含有割合よりも少ない、請求項1又は2に記載のエアバッグ収納カバー。
- 前記成分(B)は110~125℃に結晶溶融ピークを有し、かつその結晶融解熱量が20~60J/gである、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアバッグ収納カバー。
- ISO 1133に従って、測定温度230℃、測定荷重21.18Nの条件で測定される前記成分(A)のメルトフローレートが20~150g/10分である、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアバッグ収納カバー。
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