JP7572908B2 - 解析システム、解析方法、および解析プログラム - Google Patents
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Description
本開示の一側面は、解析システム、解析方法、および解析プログラムに関する。
引用文献1には、車両の質量を同定する装置が記載されている。この同定装置は、車両の発進時に発進ギヤが設定されクラッチがミート状態になった直後から、そのクラッチがオフ状態になるまでの期間におけるエンジン回転速度およびエンジン燃料噴射量を検出する。同定装置は更に、エンジン・トルクを求め、エンジン回転速度からエンジン回転加速度を求める。そして、同定装置は所与の方程式に基づいてその車両の質量を求める。
引用文献2には、車両の状況を解析する装置が記載されている。この解析装置は、所定の時点における車両の操作状況データおよび走行状況データに基づいて、操作状況と走行状況の関連を示す係数を算出し、この係数を予め積載量別に算出した情報と照合することにより、その時点における車両の積載量を推定する。
貨物自動車の走行状況を推定することが望まれている。
本開示の一側面に係る解析システムは少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、貨物自動車の実際の走行を示す走行データに基づいて、該貨物自動車が発進してから、最初の変速に対応する変速基準速度に該貨物自動車が達するまでの区間である変速前区間での所要時間と、該変速前区間での燃料消費量とのペアを、複数の変速前区間について取得し、複数の変速前区間に対応する複数のペアに基づいて、所要時間と燃料消費量との関係を示す回帰直線を算出し、回帰直線に基づいて貨物自動車の走行状況を推定する。
本開示の一側面に係る解析方法は、少なくとも一つのプロセッサを備える解析システムによって実行される。解析方法は、貨物自動車の実際の走行を示す走行データに基づいて、該貨物自動車が発進してから、最初の変速に対応する変速基準速度に該貨物自動車が達するまでの区間である変速前区間での所要時間と、複数の変速前区間に対応する複数のペアに基づいて、所要時間と燃料消費量との関係を示す回帰直線を算出するステップと、回帰直線に基づいて貨物自動車の走行状況を推定するステップとを含む。
本開示の一側面に係る解析プログラムは、貨物自動車の実際の走行を示す走行データに基づいて、該貨物自動車が発進してから、最初の変速に対応する変速基準速度に該貨物自動車が達するまでの区間である変速前区間での所要時間と、該変速前区間での燃料消費量とのペアを、複数の変速前区間について取得するステップと、複数の変速前区間に対応する複数のペアに基づいて、所要時間と燃料消費量との関係を示す回帰直線を算出するステップと、回帰直線に基づいて貨物自動車の走行状況を推定するステップとをコンピュータに実行させる。
このような側面においては、貨物自動車の特性が現れやすい変速前区間の走行データに基づいて回帰直線が算出される。この統計的手法を用いることで貨物自動車の走行状況を推定できる。
本開示の一側面によれば、貨物自動車の走行状況を推定できる。
以下、添付図面を参照しながら本開示での実施形態を詳細に説明する。図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[システムの概要]
実施形態に係る解析システム1は、貨物自動車の実際の走行を示す走行データを解析して、その解析結果をユーザに提供するコンピュータシステムである。貨物自動車とは、貨物を運搬することを目的とする自動車をいう。走行データとは、貨物自動車のエンジンが始動してから停止するまでの間の貨物自動車の走行または停止を示す電子データである。解析の少なくとも一部として、解析システム1は走行データに基づいて該貨物自動車の走行状況を推定する。一例では、解析システム1は、貨物自動車が実際にどのくらい多くの貨物を載せて走行していたかを、積載量の分布によって推定する。積載量とは、貨物自動車に積まれた貨物の重量をいう。別の例では、解析システム1は貨物自動車の燃費を推定する。燃費とは、1単位量(例えば1リットル)の燃料によって貨物自動車がどれだけの距離を走行したかを示す値をいう。積載量の分布および燃費はいずれも、貨物自動車の走行状況の一例である。ユーザは解析システム1から提供される解析結果を参照して、貨物自動車の実際の走行状況がどのようであったかを知ることができる。
実施形態に係る解析システム1は、貨物自動車の実際の走行を示す走行データを解析して、その解析結果をユーザに提供するコンピュータシステムである。貨物自動車とは、貨物を運搬することを目的とする自動車をいう。走行データとは、貨物自動車のエンジンが始動してから停止するまでの間の貨物自動車の走行または停止を示す電子データである。解析の少なくとも一部として、解析システム1は走行データに基づいて該貨物自動車の走行状況を推定する。一例では、解析システム1は、貨物自動車が実際にどのくらい多くの貨物を載せて走行していたかを、積載量の分布によって推定する。積載量とは、貨物自動車に積まれた貨物の重量をいう。別の例では、解析システム1は貨物自動車の燃費を推定する。燃費とは、1単位量(例えば1リットル)の燃料によって貨物自動車がどれだけの距離を走行したかを示す値をいう。積載量の分布および燃費はいずれも、貨物自動車の走行状況の一例である。ユーザは解析システム1から提供される解析結果を参照して、貨物自動車の実際の走行状況がどのようであったかを知ることができる。
[システムの構成]
図1は解析システム1の全体構成の一例を示す図である。一例では、解析システム1は、貨物自動車についての解析を実行するコンピュータであるサーバ10を備える。サーバ10は通信ネットワークNを介してデータベース20および少なくとも一つのユーザ端末30と接続する。
図1は解析システム1の全体構成の一例を示す図である。一例では、解析システム1は、貨物自動車についての解析を実行するコンピュータであるサーバ10を備える。サーバ10は通信ネットワークNを介してデータベース20および少なくとも一つのユーザ端末30と接続する。
データベース20は、解析システム1において利用される各種のデータを記憶する装置である。データベース20は解析システム1の一構成要素であってもよいし、解析システム1とは別のコンピュータシステムに設けられてもよい。
ユーザ端末30は、解析システム1のユーザによって操作されるコンピュータである。ユーザは例えば、貨物自動車に対するサービスを提供するサービスステーション(例えば給油所)の店員、貨物自動車を所有および管理する事業所の従業員、貨物自動車の運転手などであり得る。ユーザ端末30は、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップ型のパーソナルコンピュータといった携帯端末でもよいし、デスクトップ型のパーソナルコンピュータなどのような据置型のコンピュータでもよい。
通信ネットワークNは、典型的には、インターネット、イントラネット、またはこれらの組合せによって構築される。通信ネットワークNは有線ネットワーク、無線ネットワーク、またはこれらの組合せによって構築され得る。
図2は、サーバ10として機能し得るコンピュータ100の一般的なハードウェア構成を示す図である。例えば、コンピュータ100はプロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、通信制御部104、入力装置105、および出力装置106を備える。プロセッサ101はオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する。主記憶部102は例えばROMおよびRAMで構成される。補助記憶部103は例えばハードディスクまたはフラッシュメモリで構成され、一般に主記憶部102よりも大量のデータを記憶する。補助記憶部103は、少なくとも1台のコンピュータをサーバ10として機能させるためのプログラム110を記憶する。通信制御部104は例えばネットワークカードまたは無線通信モジュールで構成される。入力装置105は例えばキーボード、マウス、タッチパネルなどで構成される。出力装置106は例えばモニタおよびスピーカで構成される。
各装置の各機能モジュールは、プロセッサ101または主記憶部102の上にプログラム110を読み込ませてそのプログラムを実行させることで実現される。プログラム110は、サーバ10の各機能モジュールを実現するためのコードを含む。プロセッサ101はプログラム110に従って、通信制御部104、入力装置105、または出力装置106を動作させ、主記憶部102または補助記憶部103におけるデータの読み出しおよび書き込みを行う。この処理によりサーバ10の各機能モジュールが実現される。処理に必要なデータまたはデータベースは主記憶部102または補助記憶部103内に格納されてもよい。
サーバ10は一つまたは複数のコンピュータにより構成され得る。複数のコンピュータが用いられる場合には、通信ネットワークを介してこれらのコンピュータが互いに接続されることで論理的に一つのサーバ10が構成される。
プログラム110は解析プログラムに相当し得る。プログラム110は、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどの有形の記録媒体に固定的に記録された上で提供されてもよい。あるいは、プログラム110は、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
図3は解析システム1(サーバ10)の機能構成の一例を示す図である。一例では、サーバ10は機能的構成要素としてデータ登録部11、データ抽出部12、および解析部13を備える。
データ登録部11は貨物自動車の走行データをデータベース20に登録する機能モジュールである。一例では、データ登録部11は貨物自動車のロガー40によって記録された走行データを受信し、その走行データをデータベース20に記憶する。データ登録部11はロガー40から通信ネットワークN経由で走行データを受信してもよい。あるいは、ユーザ端末30が、ロガー40によって走行データが書き込まれた持ち運び可能な記録媒体(例えばメモリカード)にアクセスしてその走行データをサーバ10に送信し、データ登録部11がその走行データを受信してもよい。ロガー40の例としてデジタル燃費計、デジタル燃料計などが挙げられる。
走行データは、所与の時間間隔で(例えば1秒ごとに)記録された複数のレコードによって構成される時系列データである。一例では、走行データはデータ項目として、車両コード、ファイル名、ロガーID、記録日時、速度、エンジン回転数、積算走行距離、積算燃料消費量を含む。車両コードは個々の貨物自動車を一意に特定する識別子である。ファイル名は、ファイルシステム上での走行データのファイル名である。ロガーIDは貨物自動車のロガーを一意に特定する識別子である。記録日時はレコードが記録された日時である。速度は記録日時での貨物自動車の速度の瞬間値である。エンジン回転数は記録日時での貨物自動車のエンジン回転数の瞬間値である。積算走行距離は記録日時までの期間における貨物自動車の合計走行距離である。積算燃料消費量は、記録日時までの期間における貨物自動車の合計燃料消費量である。
データ抽出部12は、走行状況の推定に必要な部分データを走行データから抽出する機能モジュールである。一例では、データ抽出部12はショートトリップデータ、発進データ、アイドリングデータ、および定速走行データを抽出し、これらの抽出されたデータを後続処理のためにデータベース20に格納する。ショートトリップデータは、貨物自動車が発進してから停止するまでの間の区間であるショートトリップにおける該貨物自動車の走行を示すデータである。発進データは、貨物自動車が発進してから、最初の変速に対応する変速基準速度に該貨物自動車が達するまでの区間である変速前区間における該貨物自動車の走行を示すデータである。最初の変速とは、典型的にはシフトアップである。変速基準速度は、貨物自動車の一般的な最初の変速時点での速度を参考に設定される基準値であり、車種に依存しない共通の値として予め設定される。一例では、変速基準速度は、貨物自動車の1速発進および2速発進のそれぞれの典型的な最大速度に基づいて設定される。例えば、1速発進では速度が9~10km/hであるときに最初の変速が行われるのが一般的である点を考慮して、1速発進の変速基準速度が8km/hに設定されてもよい。同様に、2速発進では速度が15~18km/hであるときに最初の変速が行われるのが一般的である点を考慮して、2速発進の変速基準速度が13km/hに設定されてもよい。アイドリングデータは、貨物自動車がアイドリング状態にあるときに得られたデータである。定速走行データは、定速と見なすことができる所与の速度範囲で貨物自動車が走行している際に得られたデータである。
解析部13は、データベース20に格納された走行データを解析する機能モジュールである。一例では、解析部13はユーザ端末30からの解析要求に応答してその解析を実行し、解析結果をユーザ端末30に送信する。一例では、解析部13は回帰分析部14、積載量推定部15、および燃費推定部16を備える。
回帰分析部14は、発進データに基づいて、変速前区間での所要時間と燃料消費量との関係を示す回帰直線を算出する機能モジュールである。「変速前区間での所要時間」とは、貨物自動車が発進してから変速基準速度に達するまでに要した時間である。「変速前区間での燃料消費量」とは、貨物自動車が発進してから変速基準速度に達するまでに消費した燃料の量である。
積載量推定部15は、算出された回帰直線に基づいて、貨物自動車の積載量の分布を推定する機能モジュールである。一例では、積載量推定部15は積載量の分布を複数の区分を用いて推定する。本開示ではその区分を「積載量区分」ともいう。例えば、積載量推定部15は、「非常に少ない、少ない、標準、多い、非常に多い」という5個の積載量区分を用いて積載量の分布を推定する。
燃費推定部16は、算出された回帰直線に基づいて、二つの期間における燃料消費量の変化率を推定し、その変化率に基づいて特定の期間における燃費を推定する機能モジュールである。この変化率は、燃料消費量の変化の程度を示す値であり、本開示では「燃料消費変化率」ともいう。燃料消費変化率は燃費以外の値を推定するためにも利用され得る。
[システムの動作]
解析システム1によって実行される処理を具体的に説明する。以下では、或る1台の貨物自動車についての処理について説明するが、解析システム1は複数の貨物自動車のそれぞれについて同様に処理を実行できる点に留意されたい。
解析システム1によって実行される処理を具体的に説明する。以下では、或る1台の貨物自動車についての処理について説明するが、解析システム1は複数の貨物自動車のそれぞれについて同様に処理を実行できる点に留意されたい。
(部分データの抽出)
走行状況を推定するために利用される部分データの抽出について説明する。上述したように、この処理はデータ抽出部12によって実行される。
走行状況を推定するために利用される部分データの抽出について説明する。上述したように、この処理はデータ抽出部12によって実行される。
データ抽出部12は走行データからショートトリップデータを抽出する。一例では、データ抽出部12は走行データを参照して複数のショートトリップを特定し、それぞれのショートトリップについて走行データのレコード群を特定する。そして、データ抽出部12は、それぞれのレコード群にショートトリップIDを関連付けてショートトリップデータを生成し、そのショートトリップデータをデータベース20に格納する。ショートトリップIDは、個々のショートトリップを一意に特定するための識別子である。
データ抽出部12は走行データから発進データを抽出する。一例では、データ抽出部12は走行データを参照して複数の変速前区間を特定し、それぞれの変速前区間について走行データのレコード群を特定する。データ抽出部12は、貨物自動車が発進してから速度を低下させることなく変速基準速度まで達した区間を一つの変速前区間として特定する。上述したように、変速基準速度は1速発進および2速発進のそれぞれについて設定されてもよい。例えば、データ抽出部12は、速度が2速発進の変速基準速度に到達する前にエンジン回転数が低下した場合には、貨物自動車が1速発進したと推定し、発進から1速発進の変速基準速度までの区間を一つの変速前区間として特定する。データ抽出部12は、速度が2速発進の変速基準速度に到達するまでエンジン回転数が低下しなかった場合には、貨物自動車が2速発進したと推定し、発進から2速発進の変速基準速度までの区間を一つの変速前区間として特定する。データ抽出部12は特定されたそれぞれのレコード群に変速前区間IDを関連付けて発進データを生成し、その発進データをデータベース20に格納する。変速前区間IDは、個々の変速前区間を一意に特定するための識別子である。
データ抽出部12は走行データからアイドリングデータを抽出する。一例では、データ抽出部12は走行データを参照して、所与の時間幅(例えば20秒)において連続して速度が0km/hである複数の区間を特定し、それぞれの区間について走行データのレコード群を特定する。そして、データ抽出部12は、それぞれのレコード群にアイドリング区間IDを関連付けてアイドリングデータを生成し、そのアイドリングデータをデータベース20に格納する。アイドリング区間IDは、個々のアイドリング区間を一意に特定するための識別子である。
データ抽出部12は走行データから定速走行データを抽出する。一例では、データ抽出部12は走行データを参照して、所与の時間幅(例えば20秒など)にわたって速度の変動幅が所与の数値範囲内(例えば、該時間幅での平均値±10%など)である複数の区間を特定し、それぞれの区間について走行データのレコード群を特定する。そして、データ抽出部12は、それぞれのレコード群に定速走行区間IDを関連付けて定速走行データを生成し、その定速走行データをデータベース20に格納する。定速走行区間IDは、個々の定速走行区間を一意に特定するための識別子である。
(回帰分析)
図4を参照しながら、変速前区間に対応する走行データである発進データに基づく回帰分析について説明する。図4はその処理の一例を処理フローS1として示すフローチャートである。一例では、処理フローS1は解析部13がユーザ端末30から解析要求を受信したことに応答して実行される。解析要求は貨物自動車の走行に関する解析を要求するためのデータ信号である。一例では、解析要求は、解析しようとする貨物自動車を一意に特定するための特定情報(例えば、車両コード、ファイル名、およびロガーIDのうちの少なくとも一つ)と、解析の対象となる期間(本開示ではこれを「対象期間」ともいう)とを含む。対象期間は、典型的にはある程度長い期間であり、例えば数日、1週間、数週間、1ヶ月、数ヶ月などでもよい。
図4を参照しながら、変速前区間に対応する走行データである発進データに基づく回帰分析について説明する。図4はその処理の一例を処理フローS1として示すフローチャートである。一例では、処理フローS1は解析部13がユーザ端末30から解析要求を受信したことに応答して実行される。解析要求は貨物自動車の走行に関する解析を要求するためのデータ信号である。一例では、解析要求は、解析しようとする貨物自動車を一意に特定するための特定情報(例えば、車両コード、ファイル名、およびロガーIDのうちの少なくとも一つ)と、解析の対象となる期間(本開示ではこれを「対象期間」ともいう)とを含む。対象期間は、典型的にはある程度長い期間であり、例えば数日、1週間、数週間、1ヶ月、数ヶ月などでもよい。
ステップS11では、回帰分析部14が対象期間における発進データを取得する。回帰分析部14は解析要求で示される特定情報および対象期間に対応する発進データをデータベース20から読み出す。
ステップS12では、回帰分析部14がその発進データを補間する。この補間は、発進データのレコード間の時間間隔(例えば1秒)よりも小さい時間間隔(例えば0.1秒)で、発進データの個々のデータ項目の値を算出する処理である。この補間によって、貨物自動車が変速基準速度に達した時点をより詳細に特定することが可能になる。補間の例として線形補間が挙げられる。レコード間の時間間隔が、変速基準速度に達した時点を特定できるほどに小さい場合には、この補間は省略されてよい。
ステップS13では、回帰分析部14が補間された発進データに基づいて、個々の変速前区間について、貨物自動車が発進してから変速基準速度に達するまでの所要時間と、その所要時間における燃料消費量とを算出する。すなわち、回帰分析部14はそれぞれの変速前区間について所要時間および燃料消費量のペアを取得する。
ステップS14では、回帰分析部14が、所要時間と燃料消費量との複数のペアに基づいて、所要時間と燃料消費量との関係を示す回帰直線を算出する。一例では、回帰分析部14はその複数のペアに対して最小二乗法を実行して回帰直線を算出する。
ステップS15では、回帰分析部14が所要時間および燃料消費量のそれぞれのペアをその回帰直線上に写像して、複数のペアに対応する投影点群を該回帰直線上に設定する。
ステップS16では、回帰分析部14が回帰直線上の投影点群についての統計値を算出する。一例では、回帰分析部14は、所要時間に基づく階級ごとの投影点の個数を示す度数分布を生成し、その度数分布に基づいて投影点群に関する基準値および標準偏差を求める。基準値は平均値でもよいし中央値でもよい。
処理フローS1に示すように、回帰分析部14は、回帰直線の算出に加えて、投影点群を設定し、その投影点群の度数分布に基づいて統計値を算出する。図5~図8を参照しながらその一連の処理の一例を説明する。図5は回帰直線の一例を示すグラフである。図6は回帰直線への写像の一例を示すグラフである。図7は回帰直線上の投影点群の一例を示すグラフである。図5~図7に示すグラフについて、横軸は所要時間を示し、縦軸は燃料消費量を示す。図8は投影点群の度数分布の一例を示すヒストグラムであり、横軸は所要時間を、縦軸は投影点の個数を、それぞれ示す。
図5に示すように、回帰分析部14は複数のサンプル点200によって示される所要時間および燃料消費量のペアの集合から得られた回帰直線210を生成する。図6に示すように、回帰分析部14は複数のペアのそれぞれを回帰直線210上に写像する。同図に示すように、この写像は例えば、ペアを示すサンプル点200を回帰直線210への垂線に沿って回帰直線210上に移す操作である。図6の例では、サンプル点201が投影点221として写像され、サンプル点202,203が二つの投影点222として写像され、サンプル点204が投影点223として写像されることを示す。図7はすべてのサンプル点200を回帰直線210上に写像することで設定された投影点群220を示す。図8はその投影点群220の度数分布と、該度数分布から得られた基準値および標準偏差σとを示す。上述したように、基準値は平均値でも中央値でもよい。図8における標準偏差σの位置は基準値±σである。
(積載量の推定)
図9を参照しながら、上記の回帰分析に基づく積載量の推定について説明する。図9はその処理の一例を処理フローS2として示すフローチャートである。一例では、処理フローS2は処理フローS1に続いて実行され、この場合には、指定された対象期間における貨物自動車の積載量の分布が推定される。
図9を参照しながら、上記の回帰分析に基づく積載量の推定について説明する。図9はその処理の一例を処理フローS2として示すフローチャートである。一例では、処理フローS2は処理フローS1に続いて実行され、この場合には、指定された対象期間における貨物自動車の積載量の分布が推定される。
ステップS21では、積載量推定部15が、回帰直線上の投影点群についての統計値に基づいて積載量区分を設定する。一例では、積載量推定部15は回帰直線上の点群の度数分布から得られた基準値Mrおよび標準偏差σを用いて以下のように積載量区分を設定する。上述したように、基準値Mrは平均値でも中央値でもよい。
・Mr±0.5σ:中間の積載量。
・(Mr-σ)以上(Mr-0.5σ)未満:少ない積載量。
・(Mr-σ)未満:非常に少ない積載量。
・(Mr+0.5σ)より大きく(Mr+σ)以下:多い積載量。
・(Mr+σ)より大きい:非常に多い積載量。
この例は、積載量区分が-σ、-0.5σ、+0.5σ、および+σを少なくとも用いて設定されることを示す。これは、標準偏差を用いて積載量区分の境界を設定することを意味する。
・Mr±0.5σ:中間の積載量。
・(Mr-σ)以上(Mr-0.5σ)未満:少ない積載量。
・(Mr-σ)未満:非常に少ない積載量。
・(Mr+0.5σ)より大きく(Mr+σ)以下:多い積載量。
・(Mr+σ)より大きい:非常に多い積載量。
この例は、積載量区分が-σ、-0.5σ、+0.5σ、および+σを少なくとも用いて設定されることを示す。これは、標準偏差を用いて積載量区分の境界を設定することを意味する。
ステップS22では、積載量推定部15がその積載量区分に基づいて積載量の分布を推定する。一例では、積載量推定部15は、それぞれの積載量区分に属する投影点の個数をカウントし、その個数に基づいて積載量の分布を推定する。積載量推定部15は積載量の分布を、個々の積載量区分に属する投影点の個数または割合によって表現してもよい。例えば、積載量推定部15は「非常に少ない=0%,少ない=33%、中間=45%、多い=5%、非常に多い=17%」のように積載量の分布を推定してもよい。
(積載量推定に関する理論)
処理フローS1,S2によって示される積載量推定に関する理論について説明する。質量mの貨物自動車が変速基準速度vで走行している場合の該貨物自動車の運動エネルギEは式(1)で定義される。
E=(1/2)mv2 …(1)
処理フローS1,S2によって示される積載量推定に関する理論について説明する。質量mの貨物自動車が変速基準速度vで走行している場合の該貨物自動車の運動エネルギEは式(1)で定義される。
E=(1/2)mv2 …(1)
変速基準速度vを一定と見なすと、式(1)は定数αを用いて式(2)のように変形できる。
m=αE …(2)
m=αE …(2)
一方で、式(1)は加速度a、時間t、およびニュートンの運動方程式を用いて式(3)のように展開できる。時間tは、貨物自動車が発進してから変速基準速度に達するまでの所要時間を示す。
E=(1/2)mv2=(1/2)ma2t2=(1/2)Fat2 …(3)
E=(1/2)mv2=(1/2)ma2t2=(1/2)Fat2 …(3)
at=cは定数であるので、式(3)は式(4)のように変形できる。
E=(1/2)Fct …(4)
E=(1/2)Fct …(4)
貨物自動車のエンジントルク(Nm)が実用領域でほぼ一定であるため、(1/2)Fc=Cを定数と見なすことができ、したがって、式(4)は式(5)のように変形できる。すなわち、運動エネルギEは、貨物自動車が発進してから変速基準速度に到達するまでの所要時間tに比例する。
E=Ct …(5)
E=Ct …(5)
したがって、運動エネルギEと所要時間tとの間には正の相関がある。これは、変速基準速度に達するまでの所要時間が長いほど多くのエネルギを要すること(すなわち、多くの燃料が消費されること)を意味する。
式(2)および式(5)より、定数αCをC´として、式(6)が導かれる。
m=C´t …(6)
m=C´t …(6)
したがって、質量mと所要時間tとの間にも正の相関がある。これは、積載量が多いほど、変速基準速度に到達するまでに時間が掛かることを意味する。
式(5),(6)から、積載量と、変速前区間での燃料消費量および所要時間とは相関し合うパラメータであるといえる。したがって、所要時間および燃料消費量の関係から積載量を推定することが可能である。
(燃費の推定)
図10を参照しながら、上記の回帰分析に基づく燃費の推定について説明する。図10はその処理の一例を処理フローS3として示すフローチャートである。処理フローS3は、第1対象期間および第2対象期間という二つの対象期間のそれぞれについて、変速前区間での燃料消費量を算出し、該二つの対象期間の間での燃料消費変化率に基づいて第2対象期間での燃費を推定する処理である。一例では、第2対象期間は第1対象期間よりも後の期間である。例えば、第2対象期間の始点は第1対象期間の終点よりも後である。一例では、処理フローS3は解析部13がユーザ端末30から解析要求を受信したことに応答して実行される。この解析要求は、貨物自動車を一意に特定するための特定情報と、第1対象期間および第2対象期間とを含む。
図10を参照しながら、上記の回帰分析に基づく燃費の推定について説明する。図10はその処理の一例を処理フローS3として示すフローチャートである。処理フローS3は、第1対象期間および第2対象期間という二つの対象期間のそれぞれについて、変速前区間での燃料消費量を算出し、該二つの対象期間の間での燃料消費変化率に基づいて第2対象期間での燃費を推定する処理である。一例では、第2対象期間は第1対象期間よりも後の期間である。例えば、第2対象期間の始点は第1対象期間の終点よりも後である。一例では、処理フローS3は解析部13がユーザ端末30から解析要求を受信したことに応答して実行される。この解析要求は、貨物自動車を一意に特定するための特定情報と、第1対象期間および第2対象期間とを含む。
ステップS31では、回帰分析部14が第1対象期間における貨物自動車の発進データに基づいて第1回帰直線を算出する。回帰分析部14は処理フローS1を実行して、第1回帰直線と、その第1回帰直線に基づく基準値および標準偏差σとを算出する。上述したように、基準値は平均値でも中央値でもよい。
ステップS32では、燃費推定部16がその第1回帰直線に基づいて、第1対象期間における変速前区間での第1燃料消費量を算出する。燃費推定部16は基準値および標準偏差σに基づく区間において第1回帰直線を積分して、その積分値に基づいて第1燃料消費量を算出する。この積分値は変速前区間での燃料消費量の全体的な傾向または特徴を示す値であるといえる。積分値は積分区間の面積であるので、燃費推定部16はその値の次数を下げるために、積分値の平方根を第1燃料消費量として求めてもよい。図11は燃料消費量の算出方法を説明するための図である。この例では、燃費推定部16は、回帰直線240と、(基準値-σ)と、(基準値+σ)とで画定される積分値(面積)250の平方根を燃料消費量として算出する。
図10に戻って、ステップS33では、回帰分析部14が第2対象期間における貨物自動車の発進データに基づいて第2回帰直線を算出する。回帰分析部14は処理フローS1を実行して、第2回帰直線と、その第2回帰直線に基づく基準値および標準偏差σとを求める。上述したように、基準値は平均値でも中央値でもよい。
ステップS34では、燃費推定部16がその第2回帰直線に基づいて、第2対象期間における変速前区間での第2燃料消費量を算出する。燃費推定部16は基準値および標準偏差σに基づく区間において第2回帰直線を積分して、その積分値に基づいて第2燃料消費量を算出する。積分についての考え方、および燃料消費量の算出方法は、ステップS32と同様である。
ステップS35では、燃費推定部16が第1燃料消費量および第2燃料消費量に基づいて燃料消費変化率を算出する。一例では、燃費推定部16は下記式によって燃料消費変化率を求める。
燃料消費変化率=(第1燃料消費量-第2燃料消費量)/第1燃料消費量
燃料消費変化率=(第1燃料消費量-第2燃料消費量)/第1燃料消費量
ステップS36では、燃費推定部16が第1対象期間における変速前区間での第1燃費を算出する。一例では、燃費推定部16は第1対象期間における貨物自動車の発進データの個々のレコードで示される積算走行距離および積算燃料消費量に基づいて、個々の変速前区間での走行距離および燃料消費量を算出する。そして、燃費推定部16は走行距離の平均値と燃料消費量の平均値とに基づいて第1燃費を算出する。
ステップS37では、燃費推定部16が第1燃費と燃料消費変化率とに基づいて、第2対象期間における変速前区間での第2燃費を算出する。一例では、燃費推定部16は下記式によって第2燃費を求める。
第2燃費=第1燃費×(1+燃料消費変化率)
第2燃費=第1燃費×(1+燃料消費変化率)
燃料消費変化率が正の値である場合には、第1対象期間よりも第2対象期間の方が変速前区間における燃料消費量が少なく、従って、第2燃費は第1燃費よりも上がる。燃料消費変化率が負の値である場合には、第1対象期間よりも第2対象期間の方が変速前区間における燃料消費量が多く、従って、第2燃費は第1燃費よりも下がる。
(解析結果の表示)
解析部13は解析結果をユーザ端末30に送信し、ユーザ端末30はその解析結果を表示する。図12は解析結果の表示の一例を示す図である。この例に示す画面300は、第2対象期間(第2期間)において第1対象期間(第1期間)よりもどのくらい燃料を削減できたかを示す燃費情報310と、その二つの対象期間における積載量分布を示す積載量情報320とを含む。ユーザは画面300によって、それぞれの対象期間における貨物自動車の走行状況と、二つの対象期間にわたっての走行状況の変化とを知ることができる。
解析部13は解析結果をユーザ端末30に送信し、ユーザ端末30はその解析結果を表示する。図12は解析結果の表示の一例を示す図である。この例に示す画面300は、第2対象期間(第2期間)において第1対象期間(第1期間)よりもどのくらい燃料を削減できたかを示す燃費情報310と、その二つの対象期間における積載量分布を示す積載量情報320とを含む。ユーザは画面300によって、それぞれの対象期間における貨物自動車の走行状況と、二つの対象期間にわたっての走行状況の変化とを知ることができる。
燃費情報310は燃料削減率、燃料削減量、削減コスト、および二酸化炭素の削減量(削減CO2)を示す。燃料削減率は算出された燃料消費変化率である。すなわち、燃料消費変化率は、第2対象期間での燃料消費が第1対象期間での値よりもどのくらい削減されたかを示す値として用いることができる。図12に示すように、解析部13は燃料削減量、削減コスト、および削減CO2を算出してもよい。例えば、解析部13は、第1対象期間に対応する走行データに基づいて総燃料消費量を算出し、その総燃料消費量に燃料消費変化率を乗じて燃料削減量を算出する。解析部13はその燃料削減量に燃料の単価を乗じて削減コストを求める。解析部13は燃料削減量に基づいて所与の手法により削減CO2を算出する。
積載量情報320は、「非常に少ない、少ない、標準、多い、非常に多い」という5個の積載量区分を用いて積載量分布を示す。解析部13は第1対象期間および第2対象期間のそれぞれについて処理フローS1,S2を実行して、それぞれの対象期間について積載量分布を推定する。
解析部13は走行データ、ショートトリップデータ、発進データ、アイドリングデータ、および定速走行データのうちの少なくとも一つに基づいて更なる解析を実行し、その実行結果を画面300に含めてもよい。例えば、解析部13は、対象期間における総走行距離、総走行時間、平均速度、最大速度、トリップの回数、ショートトリップの回数、アイドリング時の燃料消費量などの様々なパラメータを算出してもよい。ここで、トリップとは、貨物自動車のエンジンが始動してから停止するまでの間の区間をいう。解析部13は、第1対象期間の全体における第1燃費を走行データに基づいて算出し、第2対象期間の全体における第2燃費を該第1燃費および燃料消費変化率に基づいて算出してもよい。解析部13は、第1対象期間におけるアイドリング区間での第1燃費をアイドリングデータに基づいて算出し、第2対象期間におけるアイドリング区間での第2燃費を該第1燃費および燃料消費変化率に基づいて算出してもよい。解析部13は、第1対象期間における定速走行区間での第1燃費を定速走行データに基づいて算出し、第2対象期間における定速走行区間での第2燃費を該第1燃費および燃料消費変化率に基づいて算出してもよい。すなわち、解析部13は様々な区間または状況における燃費を算出し得る。
図12は1台の貨物自動車についての解析結果を示す。複数の貨物自動車について解析することで、車両間での走行状況の違いを把握できる。解析システム1は、複数の貨物自動車のそれぞれの走行状況を一括して示す画面をユーザ端末30に提供してもよい。
[効果]
以上説明したように、本開示の一側面に係る解析システムは少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、貨物自動車の実際の走行を示す走行データに基づいて、該貨物自動車が発進してから、最初の変速に対応する変速基準速度に該貨物自動車が達するまでの区間である変速前区間での所要時間と、該変速前区間での燃料消費量とのペアを、複数の変速前区間について取得し、複数の変速前区間に対応する複数のペアに基づいて、所要時間と燃料消費量との関係を示す回帰直線を算出し、回帰直線に基づいて貨物自動車の走行状況を推定する。
以上説明したように、本開示の一側面に係る解析システムは少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、貨物自動車の実際の走行を示す走行データに基づいて、該貨物自動車が発進してから、最初の変速に対応する変速基準速度に該貨物自動車が達するまでの区間である変速前区間での所要時間と、該変速前区間での燃料消費量とのペアを、複数の変速前区間について取得し、複数の変速前区間に対応する複数のペアに基づいて、所要時間と燃料消費量との関係を示す回帰直線を算出し、回帰直線に基づいて貨物自動車の走行状況を推定する。
本開示の一側面に係る解析方法は、少なくとも一つのプロセッサを備える解析システムによって実行される。解析方法は、貨物自動車の実際の走行を示す走行データに基づいて、該貨物自動車が発進してから、最初の変速に対応する変速基準速度に該貨物自動車が達するまでの区間である変速前区間での所要時間と、該変速前区間での燃料消費量とのペアを、複数の変速前区間について取得するステップと、複数の変速前区間に対応する複数のペアに基づいて、所要時間と燃料消費量との関係を示す回帰直線を算出するステップと、回帰直線に基づいて貨物自動車の走行状況を推定するステップとを含む。
本開示の一側面に係る解析プログラムは、貨物自動車の実際の走行を示す走行データに基づいて、該貨物自動車が発進してから、最初の変速に対応する変速基準速度に該貨物自動車が達するまでの区間である変速前区間での所要時間と、該変速前区間での燃料消費量とのペアを、複数の変速前区間について取得するステップと、複数の変速前区間に対応する複数のペアに基づいて、所要時間と燃料消費量との関係を示す回帰直線を算出するステップと、回帰直線に基づいて貨物自動車の走行状況を推定するステップとをコンピュータに実行させる。
このような側面においては、貨物自動車の特性が現れやすい変速前区間の走行データに基づいて回帰直線が算出される。この統計的手法を用いることで貨物自動車の走行状況を推定できる。変速前区間では運転手の操作の違いがほとんど出ないので、その区間の走行データには貨物自動車そのものの特性が現れやすい。加えて、変速前区間での所要時間および燃料消費量の間には相関がある。したがって、その走行データから得られる変速前区間での所要時間および燃料消費量に着目することで、貨物自動車の走行状況をより客観的に推定し得る。また、回帰直線という統計的手法を用いることで、推定のための統一された基準および条件を用意することなく、様々な場面または車種について貨物自動車の走行状況を推定できる。例えば、一つの貨物自動車について様々な期間での走行状況を推定したり、様々な車種について走行状況を推定したりすることが可能である。
他の側面に係る解析システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、走行状況として、貨物自動車の積載量の分布を推定してもよい。本発明者らは、積載量が変速前区間での所要時間および燃料消費量と相関することを見出した。所要時間と燃料消費量との関係を示す回帰直線を用いることで、積載量の分布を推定できる。
他の側面に係る解析システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、積載量の分布を複数の区分を用いて推定してもよい。この区分を導入することで積載量の分布を分かりやすい表現形式でユーザに提示できる。
他の側面に係る解析システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、複数のペアのそれぞれを回帰直線上に写像して、該複数のペアに対応する投影点群を該回帰直線上に設定し、投影点群の分布に基づいて走行状況を推定してもよい。投影点群の分布は変速前区間での走行状況の特徴を表す情報といえるので、該分布を用いることで貨物自動車の走行状況を正確に推定できる。
他の側面に係る解析システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、複数のペアのそれぞれを回帰直線への垂線に沿って該回帰直線上に写像してもよい。このような写像によって、個々のペアの情報をより正確に投影点群に反映させることができる。
他の側面に係る解析システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、投影点群の分布として、所要時間に基づく階級ごとの投影点の個数を示す度数分布を生成してもよい。この度数分布によって、変速前区間での走行状況の特徴が顕現されるので、貨物自動車の走行状況を正確に推定できる。
他の側面に係る解析システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、度数分布に基づいて、投影点群の平均値および中央値の一方である基準値と、投影点群の標準偏差とを算出し、基準値および標準偏差に基づいて走行状況を推定してもよい。投影点群に関するこれらの統計値を用いることで、貨物自動車の走行状況を正確に推定できる。
他の側面に係る解析システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、中央値および標準偏差に基づいて走行状況を推定してもよい。本発明者らは、投影点群の度数分布は正規分布にならない傾向があることを見出した。このような傾向を考慮して中央値を用いることで、貨物自動車の走行状況をより正確に推定できる。
他の側面に係る解析システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、基準値および標準偏差を用いて、貨物自動車の積載量の分布を表すための複数の区分を設定し、複数の区分のそれぞれにおける投影点の個数に基づいて、積載量の分布を推定してもよい。その個々の区分における投影点の個数を考慮することで、積載量の分布を正確に推定できる。
他の側面に係る解析システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、標準偏差をσとして、-σ、-0.5σ、+0.5σ、および+σを少なくとも用いて複数の区分を設定してもよい。標準偏差に基づいてそれぞれの区分を設定することで、積載量の分布を表すための複数の区分を貨物自動車の実状に合うように設定できる。
他の側面に係る解析システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、第1対象期間および第2対象期間という二つの対象期間のそれぞれについて、該対象期間における走行データに対応する複数のペアに基づいて回帰直線を算出し、二つの回帰直線に基づいて、第1対象期間および第2対象期間の間での燃料消費量の変化率を算出してもよい。この変化率によって、二つの対象期間における燃料消費量の違いを適切に推定できる。
他の側面に係る解析システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、二つの対象期間のそれぞれについて、該対象期間に対応する回帰直線の積分値に基づいて変速前区間での燃料消費量を算出し、二つの燃料消費量に基づいて変化率を算出してもよい。この積分値によって燃料消費量の傾向または特徴が表されるので、二つの対象期間における燃料消費量の違いを適切に推定できる。また、運転手の操作の違いがほとんど出ず且つ貨物自動車そのものの特性が現れやすい変速前区間について燃料消費量の変化率を求めることで、燃料消費量の違いをより客観的に推定できる。
他の側面に係る解析システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、二つの対象期間のそれぞれについて、該対象期間に対応する複数のペアのそれぞれを、該対象期間に対応する回帰直線上に写像して、該複数のペアに対応する投影点群を該回帰直線上に設定し、投影点群に基づいて、所要時間に基づく階級ごとの投影点の個数を示す度数分布を生成し、度数分布に基づいて、投影点群の平均値および中央値の一方である基準値と、投影点群の標準偏差とを算出し、基準値および標準偏差に基づく区間において回帰直線を積分して積分値を算出してもよい。投影点群に関するこれらの統計値に基づいて積分区間を設定することで、積分の計算量を抑えつつ、燃料消費量の傾向または特徴を表す積分値を得ることができる。
他の側面に係る解析システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、中央値および標準偏差に基づく区間において回帰直線を積分して積分値を算出してもよい。本発明者らは、投影点群の度数分布は正規分布にならない傾向があることを見出した。このような傾向を考慮して中央値を用いることで、燃料消費量の傾向または特徴をより正確に表す積分値を算出できる。
他の側面に係る解析システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、第1対象期間における走行データに基づいて、第1対象期間における貨物自動車の第1燃費を推定し、第1燃費および変化率に基づいて、第2対象期間における貨物自動車の第2燃費を推定してもよい。この処理によって、走行データを参照することなく第2燃費を簡単に推定できる。
他の側面に係る解析システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、第1対象期間における変速前区間での貨物自動車の燃費を第1燃費として推定し、第1燃費および変化率に基づいて、第2対象期間における変速前区間での貨物自動車の燃費を第2燃費として推定してもよい。この処理によって、走行データを参照することなく、変速前区間での第2燃費を簡単に推定できる。また、運転手の操作の違いがほとんど出ず且つ貨物自動車そのものの特性が現れやすい変速前区間について燃費を求めることで、二つの期間における燃費の変化をより客観的に推定できる。
他の側面に係る解析システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、貨物自動車が発進してから速度を低下させることなく変速基準速度に達した区間を変速前区間として特定してもよい。この処理によって、貨物自動車の運転の実状を考慮して変速前区間を正確に特定できる。
他の側面に係る解析システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、変速前区間に対応する走行データを補間し、補間された走行データに基づいて、変速前区間での所要時間および燃料消費量を特定してもよい。この補間によってその所要時間および燃料消費量を正確に特定できる。
[変形例]
以上、本開示の実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。本開示は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
以上、本開示の実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。本開示は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
積載量分布は、最大積載量に対する比率によって表現される積載量区分を用いて示されてもよい。貨物自動車の最大積載量が別途得られた場合には、最大積載量および比率に基づいて絶対積載量の分布を把握できる。
本開示において、データまたは情報を第1コンピュータから第2コンピュータ“に送信する”との表現は、該第2コンピュータに最終的にデータまたは情報を届けるための送信を意味する。この表現は、その送信において別のコンピュータまたは通信装置がデータまたは情報を中継する場合も含む意味であることに留意されたい。
本開示において、「少なくとも一つのプロセッサが、第1の処理を実行し、第2の処理を実行し、…第nの処理を実行する。」との表現、またはこれに対応する表現は、第1の処理から第nの処理までのn個の処理の実行主体(すなわちプロセッサ)が途中で変わる場合を含む概念を示す。すなわち、この表現は、n個の処理のすべてが同じプロセッサで実行される場合と、n個の処理においてプロセッサが任意の方針で変わる場合との双方を含む概念を示す。
少なくとも一つのプロセッサにより実行される方法の処理手順は実施形態での例に限定されない。例えば、上述したステップ(処理)の一部が省略されてもよいし、別の順序で各ステップが実行されてもよい。また、上述したステップのうちの任意の2以上のステップが組み合わされてもよいし、ステップの一部が修正又は削除されてもよい。あるいは、上記の各ステップに加えて他のステップが実行されてもよい。
1…解析システム、10…サーバ、11…データ登録部、12…データ抽出部、13…解析部、14…回帰分析部、15…積載量推定部、16…燃費推定部、20…データベース、30…ユーザ端末、40…ロガー、110…プログラム、200~204…サンプル点(所要時間および燃料消費量のペア)、210…回帰直線、220…投影点群、221~223…投影点、300…画面、310…燃費情報、320…積載量情報。
Claims (20)
- 少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
貨物自動車の実際の走行を示す走行データに基づいて、該貨物自動車が発進してから、最初の変速に対応する変速基準速度に該貨物自動車が達するまでの区間である変速前区間での所要時間と、該変速前区間での燃料消費量とのペアを、複数の前記変速前区間について取得し、
前記複数の変速前区間に対応する複数の前記ペアに基づいて、前記所要時間と前記燃料消費量との関係を示す回帰直線を算出し、
前記回帰直線に基づいて前記貨物自動車の走行状況を推定する、
解析システム。 - 前記少なくとも一つのプロセッサが、前記走行状況として、前記貨物自動車の積載量の分布を推定する、
請求項1に記載の解析システム。 - 前記少なくとも一つのプロセッサが、前記積載量の分布を複数の区分を用いて推定する、
請求項2に記載の解析システム。 - 前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記複数のペアのそれぞれを前記回帰直線上に写像して、該複数のペアに対応する投影点群を該回帰直線上に設定し、
前記投影点群の分布に基づいて前記走行状況を推定する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の解析システム。 - 前記少なくとも一つのプロセッサが、前記複数のペアのそれぞれを前記回帰直線への垂線に沿って該回帰直線上に写像する、
請求項4に記載の解析システム。 - 前記少なくとも一つのプロセッサが、前記投影点群の分布として、前記所要時間に基づく階級ごとの前記投影点の個数を示す度数分布を生成する、
請求項4または5に記載の解析システム。 - 前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記度数分布に基づいて、前記投影点群の平均値および中央値の一方である基準値と、前記投影点群の標準偏差とを算出し、
前記基準値および前記標準偏差に基づいて前記走行状況を推定する、
請求項6に記載の解析システム。 - 前記少なくとも一つのプロセッサが、前記中央値および前記標準偏差に基づいて前記走行状況を推定する、
請求項7に記載の解析システム。 - 前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記基準値および前記標準偏差を用いて、前記貨物自動車の積載量の分布を表すための複数の区分を設定し、
前記複数の区分のそれぞれにおける前記投影点の個数に基づいて、前記積載量の分布を推定する、
請求項8に記載の解析システム。 - 前記少なくとも一つのプロセッサが、前記標準偏差をσとして、-σ、-0.5σ、+0.5σ、および+σを少なくとも用いて前記複数の区分を設定する、
請求項9に記載の解析システム。 - 前記少なくとも一つのプロセッサが、
第1対象期間および第2対象期間という二つの対象期間のそれぞれについて、該対象期間における前記走行データに対応する前記複数のペアに基づいて前記回帰直線を算出し、
二つの前記回帰直線に基づいて、前記第1対象期間および前記第2対象期間の間での燃料消費量の変化率を算出する、
請求項1~10のいずれか一項に記載の解析システム。 - 前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記二つの対象期間のそれぞれについて、該対象期間に対応する前記回帰直線の積分値に基づいて前記変速前区間での燃料消費量を算出し、
二つの前記燃料消費量に基づいて前記変化率を算出する、
請求項11に記載の解析システム。 - 前記少なくとも一つのプロセッサが、前記二つの対象期間のそれぞれについて、
該対象期間に対応する前記複数のペアのそれぞれを、該対象期間に対応する前記回帰直線上に写像して、該複数のペアに対応する投影点群を該回帰直線上に設定し、
前記投影点群に基づいて、前記所要時間に基づく階級ごとの前記投影点の個数を示す度数分布を生成し、
前記度数分布に基づいて、前記投影点群の平均値および中央値の一方である基準値と、前記投影点群の標準偏差とを算出し、
前記基準値および前記標準偏差に基づく区間において前記回帰直線を積分して前記積分値を算出する、
請求項12に記載の解析システム。 - 前記少なくとも一つのプロセッサが、前記中央値および前記標準偏差に基づく区間において前記回帰直線を積分して前記積分値を算出する、
請求項13に記載の解析システム。 - 前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記第1対象期間における前記走行データに基づいて、前記第1対象期間における前記貨物自動車の第1燃費を推定し、
前記第1燃費および前記変化率に基づいて、前記第2対象期間における前記貨物自動車の第2燃費を推定する、
請求項11~14のいずれか一項に記載の解析システム。 - 前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記第1対象期間における前記変速前区間での前記貨物自動車の燃費を前記第1燃費として推定し、
前記第1燃費および前記変化率に基づいて、前記第2対象期間における前記変速前区間での前記貨物自動車の燃費を前記第2燃費として推定する、
請求項15に記載の解析システム。 - 前記少なくとも一つのプロセッサが、前記貨物自動車が発進してから速度を低下させることなく前記変速基準速度に達した区間を前記変速前区間として特定する、
請求項1~16のいずれか一項に記載の解析システム。 - 前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記変速前区間に対応する前記走行データを補間し、
前記補間された走行データに基づいて、前記変速前区間での前記所要時間および前記燃料消費量を特定する、
請求項1~17のいずれか一項に記載の解析システム。 - 少なくとも一つのプロセッサを備える解析システムによって実行される解析方法であって、
貨物自動車の実際の走行を示す走行データに基づいて、該貨物自動車が発進してから、最初の変速に対応する変速基準速度に該貨物自動車が達するまでの区間である変速前区間での所要時間と、該変速前区間での燃料消費量とのペアを、複数の前記変速前区間について取得するステップと、
前記複数の変速前区間に対応する複数の前記ペアに基づいて、前記所要時間と前記燃料消費量との関係を示す回帰直線を算出するステップと、
前記回帰直線に基づいて前記貨物自動車の走行状況を推定するステップと、
を含む解析方法。 - 貨物自動車の実際の走行を示す走行データに基づいて、該貨物自動車が発進してから、最初の変速に対応する変速基準速度に該貨物自動車が達するまでの区間である変速前区間での所要時間と、該変速前区間での燃料消費量とのペアを、複数の前記変速前区間について取得するステップと、
前記複数の変速前区間に対応する複数の前記ペアに基づいて、前記所要時間と前記燃料消費量との関係を示す回帰直線を算出するステップと、
前記回帰直線に基づいて前記貨物自動車の走行状況を推定するステップと、
をコンピュータに実行させる解析プログラム。
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| JP2012127762A (ja) | 2010-12-14 | 2012-07-05 | Fujitsu Ten Ltd | 情報提供システム、車載装置、および携帯端末装置 |
| JP2014151879A (ja) | 2013-02-13 | 2014-08-25 | Fuji Heavy Ind Ltd | 車両用走行状態表示装置 |
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| JP2022175050A (ja) | 2022-11-25 |
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