本願は、米国特許法第120条のもと、2019年4月26日に出願された“Screen Cylinder with Improved Slot Width Protection”と題される米国仮特許出願第62/839,314号明細書の優先権の利益を主張し、その内容全体が参照により本開示に援用されるものとする。
次に、添付の図面にその例が例示されている、硬化された異形バーを有するスクリーンシリンダーの実施形態を詳細に参照する。図面全体で、可能な場合はいつも、同じまたは類似の部品に言及するのに同じ参照符号が用いられる。図1および2を参照すると、本開示の実施形態のスクリーンシリンダー10が例示されている。スクリーンシリンダー10は、複数の異形バー12を含んでよく、複数の異形バー12は、長手方向に整列させられ、かつ複数の異形バー12の取付け端30において少なくとも1つの支持リング14に連結されている。図2を参照すると、異形バー12のそれぞれは、支持リング14から外方を向いている外表面32、異形バー12の外表面32から取付け端30へと延びている第1のスロット表面、および第1のスロット表面の反対側の、異形バー12の外表面32から取付け端30へと延びている第2のスロット表面を含んでよい。1つの異形バーの第1のスロット表面と別の真隣の異形バーの第2のスロット表面とがスロット20を画定してよい。異形バーのそれぞれは、異形バー12の第1のスロット表面の少なくとも一部分と一体化されているかまたはそこに設置されている硬化層を含んでよく、硬化層は異形バー12の母材を上回るビッカース硬さ値を有している。いくつかの実施形態では、異形バーは、異形バー12の外表面32にまたは硬化層に設置されたクロム層を含んでもよい。スクリーンシリンダー10の稼働中、固体懸濁液の許容される部分が、スロットが入った円筒壁16のスロット20を通り抜ける。異形バー12に塗布された硬化層が、固体懸濁液の摩耗作用のある固体成分によりもたらされる異形バー12のスロット表面の摩耗を減じることができる。摩耗を減じることは、スロット20の拡幅を減じることができ、それによってスクリーンシリンダー10の分離効率を経時的に維持することができる。スロット表面の摩耗を減じてスクリーンシリンダー10の分離効率を経時的に維持することは、スクリーンシリンダーの耐用寿命を増加させることができる。
特に断らない限り、本明細書に記載されるいかなる方法も、そのステップが特定の順に実施されることを要求している、またはいずれかの装置で特定の向きが要求される、と解釈すべきという意図はまったくない。したがって、方法クレームがそのステップが踏まれるべき順番を実際に記載していない場合、あるいはいずれかの装置クレームが個々の構成要素について順または向きを実際に記載していない場合、あるいは請求項または本明細書でステップが特定の順に限られると特に記載していない場合、あるいはある装置の構成要素について特に順または向きが記載されていない場合、あらゆる点において、順または向きが推量されると意図しているわけでは決してない。このことは、ステップの配列、操作フロー、構成要素の順、または構成要素の向きに関する論理的事項;文法的構成または句読点から導かれる明白な意味;および本明細書に記載される実施形態の数または種類を含め、あらゆる可能な、不明確な解釈の根拠に当てはまる。
本明細書で使用される方向に関する用語、たとえば上、下、右、左、前、後ろ、上部、底部は、描かれた図およびそこで与えられている座標軸に関して述べられるだけであり、絶対的な向きを表すようには意図されていない。
本明細書で使用される場合、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈からそうでないことが明確でない限り、複数形も含む。したがって、たとえば、“a” component(構成要素)への言及は、文脈からそうでないことが明確でない限り、そのような構成要素を2つ以上有する態様も含む。
本明細書で使用される場合、「長手方向の」という用語は、スクリーンシリンダーの中央軸線Aと概ね平行な向きまたは方向を指してよい。
本明細書で使用される場合、「半径方向の」という用語は、スクリーンシリンダーの中央軸線Aから外方に延びる任意の半径に沿った方向を指してよい(図1)。
本明細書で使用される場合、「上流」および「下流」という用語は、固体懸濁液またはスラリーの流れの方向に対し相対的な各部の位置を指してよい。本開示のスクリーンシリンダーの場合、固体懸濁液の流れは、概して、異形バー12の外表面32から異形バー12の取付け端30へ向かう。
本明細書で使用される場合、「固体異物」または「過大な固体異物」という用語は、木くず、金属片、乾燥した接着剤、または固体懸濁液もしくはスラリー中に存在することが意図されずかつ望ましくない、かつたとえば繊維などの固体懸濁液中に存在することが意図される固体成分から区別され得るその他の異物などの、固体の物体を指してよい。
特に断らない限り、本明細書で提供される母材、硬化層50、およびクロム層40のビッカース硬さ値の値は、ASTM E384-11e1にしたがい0.05重量キログラム(kgf)(約0.49N)の押込荷重を用いて決定されるビッカース硬さ値を指す。
パルプおよび製紙業界では、パルプのスクリーニングは、スクリーンシリンダーを用いての圧力スクリーニングプロセスにより実現され得る。圧力スクリーニングプロセスは、繊維の固体懸濁液などの固体懸濁液をスクリーンシリンダーに導入することを含み得る。繊維は、限定ではないがセルロース繊維、綿繊維、ファイバーグラス繊維、または他の繊維などの、あらゆる種類の繊維であり得る。スクリーンシリンダーは、固体懸濁液の許容される部分がスクリーンシリンダーを通って半径方向に内向きに流れる、内向き流のスクリーンシリンダーであり得、または固体懸濁液の許容される部分がスクリーンシリンダーを通って半径方向に外向きに流れる、外向きのスクリーンシリンダーであり得る。スクリーンシリンダーは、スクリーンシリンダーから固体異物を除去するように機能できる、ローターまたは他のデバイスを含んでよい。パルプまたは他の固体懸濁液およびスラリーを圧力スクリーニングするいくつかのスクリーンシリンダーは、ドリル加工またはミリング加工された複数の穴またはスロットが貫通している中実の金属シリンダーを備える、ユニット式スクリーンシリンダーを有してよい。しかし、これらのユニット式スクリーンシリンダーは、固体懸濁液の許容される部分が通過できるスロット領域が限られるため、スクリーンを通る限られたスループットを提供する。パルプおよび紙の市場は、より高いスループットに関するパルプスクリーニングプロセスのより高い効率のほか、過大な固体異物を固体懸濁液から分離するより高い能力に対する要求を高めている。
圧力スクリーニングプロセスのスループットを改善するために、長手方向に並べられた複数の異形バーを含むスクリーンシリンダーが開発されており、異形バーは、スクリーンシリンダーの長さを延びる複数のスロットを画定している。図1、2A、および2Bを参照すると、複数の異形バー12を含む本開示のスクリーンシリンダー10が、概略的に示されている。スクリーンシリンダー10は、長手方向に整列させられ、かつ複数の異形バー12の取付け端30において少なくとも1つの支持リング14に連結されている、複数の異形バー12を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの支持リング14は、複数の支持リング14を含んでよい。スクリーンシリンダー10は、スクリーンシリンダー10の軸線方向の両端に、環状端部フランジ19を含んでもよい。
異形バー12のそれぞれは、スクリーンシリンダー10の中央軸線Aに対し、および他の異形バー12のそれぞれに対し、長手方向に整列させられてよい。異形バー12は支持リング14の円形の内周または外周に沿って隣り合わせに並べられて、スロットが入った円筒壁16を形成してよい。複数の異形バー12により形成されたスロットが入った円筒壁16は、隣接する異形バー12の各対の間に画定されるスロット20を含んでよい。スロット20は、2つの環状端部フランジ19の間で、スクリーンシリンダー10の長さを延びてよい。本開示のスクリーンシリンダー10の支持構造および動作のさらなる特徴および態様は、米国特許第8,469,198号明細書に見つけることができ、その内容全体が参照により本明細書に援用される。
スクリーンシリンダー10の長さを延びるスロット20を有することにより、複数の異形バー12を含むスクリーンシリンダー10は、概して、許容される固体懸濁液が通り抜けることができる増大した開口領域を提供してよい。スクリーンシリンダー10のスロット20により提供されるより広い開口領域は、ドリル加工またはミリング加工により金属シリンダーに作られた穴またはスロットを有するユニット式のスクリーンシリンダーと比べて、スクリーンシリンダー10を通るより高いスループットを提供することができる。スクリーンシリンダー10が、図1、2A、および2Bに、外向き流のスクリーンシリンダー10として示されており、許容される固体懸濁液はスロット20を通って半径方向外向きに流れる。しかし、本開示の特徴は、内向き流のスクリーンシリンダー、または複数の異形バーを利用する任意の他のタイプの圧力スクリーンデバイスに、等しくうまく適用されることができることが理解される。スクリーンシリンダー10は、固体懸濁液から固体異物を分離するように機能してよい。
図3を参照すると、異形バー12の一実施形態が示されている。異形バー12のそれぞれは、支持リング14に連結された取付け端30を有してよい。異形バー12のそれぞれは、少なくとも1つの支持リング14から外方を向いている外表面32を有してよい。複数の異形バー12の外表面32は、スクリーンシリンダー10のスロットが入った円筒壁16(図1)を形成してよい。なおも図3を参照すると、異形バー12のそれぞれは、異形バー12の外表面32から外表面32の反対側の取付け端30へと延びている、第1のスロット表面34を有してよい。異形バー12のそれぞれは、第1のスロット表面34の反対側に、異形バー12の外表面32から取付け端30へと延びている、第2のスロット表面36を有してよい。1つの異形バー12の第1のスロット表面34と、別の真隣の異形バー12の第2のスロット表面36とが、スクリーンシリンダー10のスロット20の1つを画定する。2つの異形バー12が「真隣」と言われる場合、この2つの異形バー12は隣り合わせであり、したがって、第1の異形バーの第1のスロット表面34と第2の異形バーの第2のスロット表面36とが、第1および第2の異形バーの間に他の異形バーが設置されていない状態で、スロット20を画定している。
第1のスロット表面34は第1の外郭を有してよく、第2のスロット表面36は第2の外郭を有してよい。第2のスロット表面36は、真隣の異形バー12の第1のスロット表面34に向けて突き出したノーズ38のところで、異形バー12の外表面32と出合ってよい。ノーズ38では、1つの異形バー12の第2のスロット表面36の第2の外郭が、別の真隣の異形バー12の第1のスロット表面34の第1の外郭と近寄ってよい。したがって、異形バー12の第2のスロット表面36のノーズ38と、真隣の異形バーの第1のスロット表面34との間に、スロット20の最も狭小な部分が画定されてよい。ノーズ38の下流で、異形バー12の第2のスロット表面36の第2の外郭と、真隣の異形バー12の第1のスロット表面34の第1の外郭とが分かれて、ノーズ38の下流のスロット20の幅を広げてよい。上述したように、スロット20を通る固体懸濁液の流れは、概して、異形バー12の外表面32から取付け端30へ向かう。第1の外郭および第2の外郭は、図3に示されるもの以外の形状を有してよい。たとえば、実施形態では、第1のスロット表面34、第2のスロット表面36、または両方が、異形バー12の取付け端30から外表面32へと延びている滑らかな表面または直線状の表面を含んでよく、あるいはそれぞれが異形バー12の取付け端30から外表面32まで概ね一定の曲げ率を有する外郭を有してよい。第1のスロット表面34および第2のスロット表面36は、スラリーおよび固体懸濁液から過大な固体異物を除去するスクリーンシリンダーを製造するための任意の好適な形状を有してよいことが理解される。
図3を参照すると、異形バー12のそれぞれが、1つ以上の表面に塗布されたクロム層40を含んでよい。具体的には、異形バー12は、外表面32に塗布されたクロム層40を含んでよい。異形バー12の外表面32をローターからの圧力パルスに供してよく、圧力パルスは、スクリーンシリンダー10のスロットが入った円筒壁16(図1)から過大な固体異物を除去するのに十分な洗浄作用を提供する。外表面32のクロム層40は、外表面32の硬さを増大させて、これらの圧力脈動によりもたらされる摩耗を減じてよい。クロム層40は、ASTM E384-11e1にしたがい0.05重量キログラム(kgf)(約0.49N)の押込荷重を用いて決定された場合、900HV0.05~1000HV0.05のビッカース硬さ値(HV)を有してよい。
クロム層40は、スクリーンシリンダー10の組み立て後に、異形バー12の外表面32に塗布されてよい。クロム層40は、電気めっきプロセスを用いて塗布されてよい。スクリーンシリンダー10に電気めっきを施す場合、クロムは通常は電気の流れに対する最小の抵抗を有する領域に優先的に堆積し、それはたいてい並行バー12の外表面32である。クロムが最小の抵抗を有する表面に堆積するので、異形バー12の全外縁表面の全体でクロム層40はむらがあり得、かつ不均一であり得る。図3に示されるように、クロム層40は、電気抵抗が低い領域ではより厚くなり得、電気抵抗がより高い領域ではより薄くなり得、または存在しない場合がある。これらの理由から、異形バー12の外表面32と比べて幾何学的な観点から電気の流れに対しより大きい抵抗を有する異形バー12の第1のスロット表面34および/または第2のスロット表面36にクロム層40を堆積させることは困難であり得る。結果として、第1のスロット表面34および/または第2のスロット表面36のクロム層40は、非常に薄いかまたは存在すらしない場合がある。
スクリーンシリンダー10を、第1のスロット表面34および第2のスロット表面36にクロム層40ができあがるのに十分な時間だけ電気めっきに供することはできる。しかし、クロムめっきは非常に高価であり、クロムの使用およびクロムプロセスの環境規制は増加している。それに加えて、電気めっきプロセスに長時間曝露しても、単にクロム層40の不均一さが増すだけであり得る。クロム層の不均一さは、1つのスロット20から隣のスロットまでの、およびスロット20の長手方向長さに沿ってのスロット幅に、ばらつきを生じ得る。複数の異形バー12のそれぞれにスクリーンシリンダー10の組み立て前にクロム層40を堆積させたとしても、やはりクロム層40は不均一であり得、結果として、異形バー12の外縁表面全部でクロム層40の厚さがばらばらになり得る。より均一なクロム層40を製造するために電気めっき後にクロム層40を研削することは、労働集約的になり得、かつ異形バー12の表面に電気めっきされた高額なクロムを無駄にし得る。
電気めっきにより製造されたクロム層40のむらは、第1のスロット表面34および第2のスロット表面36に、薄いクロム層40を有する部分、またはクロム層40が堆積していない部分を生じ得る。薄いクロム層40は、当初はいくらか摩耗からの保護を提供することができるが、薄いクロム層40が摩耗して下の母材を曝露させ得る。スロット表面にクロム層40が形成されていない場合は、400HV0.05よりも小さいかまたはそれと等しいビッカース硬さ値を有し得る母材が、スロット20を通る摩耗作用のある固体懸濁液の流れに直接曝露され得る。いずれの場合も(たとえば、第1のスロット表面34および/または第2のスロット表面36に、薄いクロム層40があるかまたはクロム層40なし)、第1のスロット表面34および/または第2のスロット表面36がスクリーンシリンダー10の稼働中に過度な摩耗を経験して、スロットの幅が変わること、およびスクリーンシリンダー10の分離効率が減じることがある。
図4を参照すると、異形バー12の典型的な摩耗パターンが概略的に示されている。図4では、破線は、スクリーンシリンダー10を使い始める前の第1のスロット表面34のもとの外郭を表し、実線は、スクリーンシリンダー10をある期間使用した後の第1のスロット表面34の外郭を表す。図4に示されるように、摩耗は、真隣の異形バー12のノーズ38からスロット20を真横に横断した第1のスロット表面34の一部分で最大となり得る。第1のスロット表面34が真隣の異形バー12のノーズ38至近の領域において摩耗すると、スロット幅Wが、時間が経つにつれて増加し得る。増加するスロット幅Wは、スクリーンシリンダー10のスループットを増加させることができるが、スクリーンシリンダー10が固体懸濁液から過大な固体異物を分離する効率を減じることもある。したがって、摩耗は、スクリーンシリンダー10を通過してスクリーンシリンダー10の下流で許容される固体懸濁液に入る固体異物およびデブリの濃度および/または平均サイズの増加をもたらし得る。結果として、第1のスロット表面34および/または第2のスロット表面36に薄いクロム層40を有するかまたはクロム層40が存在しないスクリーンシリンダー10が、セルロース繊維または他の固体成分の固体懸濁液から固体異物を除去するのに用いられた場合、短縮された耐用寿命を有することがある。いくつかの場合では、耐用寿命はわずか3~12カ月に短縮され得る。したがって、スクリーンシリンダー10の摩耗を減じ、かつ分離効率を維持するために、スロット20の領域において第1のスロット表面34、第2のスロット表面36、または両方の硬さを改善する必要性があり、それによってスクリーンシリンダー10の耐用寿命を延長することができる。
上述したように、本開示は、少なくとも第1のスロット表面34の摩耗を減じることができる硬化層を有する異形バー12、および異形バー12を含むスクリーンシリンダーに関する。図5を参照すると、固体懸濁液から固体異物を分離する本開示のスクリーンシリンダー10の異形バー12は、取付け端30、取付け端30の反対側の端に設置された外表面32、異形バー12の外表面32から取付け端30へと延びている第1のスロット表面34、および第1のスロット表面34の反対側の、外表面32から取付け端30へと延びている第2のスロット表面36を含んでよい。本開示の異形バー12は、第1のスロット表面34の少なくとも一部分、第2のスロット表面36の一部分、または両方と一体化されてよい、またはそこに設置されてよい硬化層50をさらに含み、硬化層50は、異形バー12の母材のビッカース硬さを上回るビッカース硬さ値を有してよい。硬化層50は、500HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、700HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、900HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、1000HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、1100HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、あるいは1200HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しいビッカース硬さ値を有してよい。いくつかの実施形態では、異形バー12は、(硬化層50が母材46と一体化されている場合などは)外表面32に設置されたクロム層40を、または(硬化層50が母材46の外表面34にコーティングされている場合などは)硬化層50に設置されたクロム層40を追加で含んでよい。したがって、クロム層40は硬化層50とは違うこと、および硬化層50上に堆積させてよいことを理解すべきである。いくつかの実施形態では、異形バー12は、クロム層40なしで硬化層50を含んでよい。
図5に示されるように、複数の異形バー12が長手方向に、かつ隣り合わせに並べられている場合、1つの異形バー12の第1のスロット表面34と、別の真隣の異形バー12の第2のスロット表面36とが、スクリーンシリンダー10のスロット20の1つを画定する。スロット20は、固体懸濁液の一部分がスロット20を通過するのを許容しながら過大な固体異物の通過を防止するのに十分なスロット幅Wを有してよい。スロット20は、1つの異形バー12の第1のスロット表面34と、真隣の異形バー12の第2のスロット表面36との間の最短距離である、スロット幅Wを有してよい。紙パルプのスクリーニング用のスクリーンシリンダー10の場合、スロット20は、80μm(0.08mm)よりも大きいかまたはそれと等しい、たとえば0.08mm~1.5mmのスロット幅Wを有してよい。本明細書に開示されるスロット幅Wは、紙パルプのスクリーニングで概ね許容される。しかし、限定ではないが、採鉱および探鉱、食品加工、水処理、または他の産業などの他の産業の用途では、異形バー12間の間隔およびスロット幅Wは、特定の産業用途に応じてより大きくてよく、またはより小さくてよいことが理解される。スロット20のスロット幅Wは、異形バー12の長手方向長さに沿って一定であってよい。いくつかの実施形態では、スロット20のスロット幅Wは、スクリーンシリンダー10が完全に組み立てられたときに、15μmよりも小さいかまたはそれと等しい、10μmよりも小さいかまたはそれと等しい、8μmよりも小さいかまたはそれと等しい、7μmよりも小さいかまたはそれと等しい、あるいは6μmよりも小さいかまたはそれと等しい大きさを有する許容差内で違っていてよい。
異形バー12のそれぞれは、母材46を含んでよい。母材46は、変形または破断することなくローターからの圧力パルスに十分耐えられる強度を有する剛性金属であってよい。いくつかの実施形態では、母材46は、ステンレス鋼、たとえば304ステンレス鋼または316ステンレス鋼であってよい。硬化層50なしの母材46は、クロム層40、硬化層50、または両方のビッカース硬さ値よりも小さいビッカース硬さ値を有してよい。いくつかの実施形態では、母材46は、500HV0.05よりも小さい、450HV0.05よりも小さいかまたはそれと等しい、425HV0.05よりも小さいかまたはそれと等しい、あるいは400HV0.05よりも小さいかまたはそれと等しいビッカース硬さを有してよい。いくつかの実施形態では、母材46は焼きなましされていなくてよい。
再び図5を参照すると、硬化層50が、異形バー12の母材46と一体化されてよく、またはそこに設置されてよい。硬化層50は、第1のスロット表面34、第2のスロット表面36、外表面32、またはこれらの組み合わせの、任意の部分に設置されてよい。図6Aを参照すると、いくつかの実施形態では、硬化層50は、異形バー12の第1のスロット表面34の少なくとも一部分と一体化されてよく、またはそこに設置されてよい。上述したように、真隣の異形バー12のノーズ38至近の第1のスロット表面34は、スロット20を通る固体懸濁液の流れからの最大の摩耗を経験する異形バー12の外縁表面の領域であってよい。硬化層50はまた、異形バー12のそれぞれの、外表面32、第2のスロット表面36、または両方の一部分と一体化されてよく、またはそこに設置されてよい。
図6Bを参照すると、いくつかの実施形態では、硬化層50は、異形バー12の第1のスロット表面34および外表面32と一体化されてよく、またはそこに設置されてよい。クロム層40が存在する場合は、異形バー12の外表面32で硬化層50に重ねて堆積させてよい。図6Cを参照すると、いくつかの実施形態では、硬化層50は、第1のスロット表面34および第2のスロット表面36と一体化されてよい。第2のスロット表面36の硬化層50は、異形バー12のノーズ38を覆って延在してよい。クロム層40が存在する場合は、異形バー12の外表面32に、および外表面32至近の硬化層50の一部分に形成されてよい。図6Dを参照すると、いくつかの実施形態では、硬化層50は、異形バー12のそれぞれの全外縁表面と一体化されてよく、またはそこに設置されてよく、全外縁表面は、少なくとも外表面32、第1のスロット表面34、および第2のスロット表面36を含む。本明細書で使用される場合、「全外縁表面」という用語は、硬化層50が異形バー12の外縁表面の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%と一体化されているかまたはそこに設置されていることを指してよい。いくつかの実施形態では、硬化層50は、異形バー12の外縁表面の少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%と一体化されてよく、またはそこに設置されてよい。
硬化層50は、第1のスロット表面34および/または第2のスロット表面36を、スロット20を通過する固体懸濁液の摩耗作用のある構成要素から保護して、異形バー12の第1のスロット表面34および/または第2のスロット表面36における摩耗を減じるかまたは防止するのに十分な厚さを有してよい。たとえば、限定ではなく、硬化層50は、5μmよりも大きいかまたはそれと等しい、10μmよりも大きいかまたはそれと等しい、15μmよりも大きいかまたはそれと等しい、あるいは20μmよりも大きいかまたはそれと等しい厚さを有してよい。実施形態では、硬化層50は、5μm~300μm、5μm~250μm、5μm~200μm、5μm~100μm、5μm~50μm、5μm~30μm、10μm~300μm、10μm~100μm、または10μm~50μmの厚さを有してよい。いくつかの実施形態では、硬化層50は、本開示の範囲を逸脱することなく、300μmを上回る厚さを有してよい。
硬化層50は、スクリーンシリンダー10の稼働中の第1のスロット表面34および/または第2のスロット表面36の摩耗を減じる十分な硬さを有してよい。硬化層50は、異形バー12の母材46を上回る硬さを有してよい。たとえば、硬化層50は、冷間圧延ステンレス鋼のビッカース硬さ値である約400HV0.05を上回るビッカース硬さ値を有してよい。実施形態では、硬化層50は、500HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、700HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、900HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、1000HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、1100HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、あるいは1200HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しいビッカース硬さ値を有してよい。硬化層50は、500HV0.05~5000HV0.05、700HV0.05~2000HV0.05、または1000HV0.05~1500HV0.05のビッカース硬さ値を有してよい。ビッカース硬さ値は、標準試験法ASTM E384-11e1にしたがい実施される測定により決定されてよい。
再び図5を参照すると、硬化層50は、寸法が一定しており滑らかな硬化層外表面56を有してよい。硬化層50に寸法が一定しており滑らかな硬化層外表面56を設けることは、スクリーンシリンダー10の長さに沿ってより一定したスロット幅W、ならびに1つのスロット20から隣のスロットまでのより一定したスロット幅Wを提供してよい。より滑らかな表面仕上げを有する硬化層外表面56を有する硬化層50は、スロット20を通る固体懸濁液の許容される部分の流れに対する抵抗を減じることもでき、かつスクリーンシリンダー10を通る固体懸濁液の許容される部分のより大きい流量を促進することができる。言い換えると、母材またはクロム層40と比べてより滑らかな硬化層外表面56の表面仕上げは、固体懸濁液の許容される部分の固体(たとえば繊維)がスロット20をより通り抜けやすくなることを可能にしてよく、したがって、固体懸濁液からの過大な固体異物の効果的な分離を維持しつつスクリーンシリンダー10のスループットが増加する。
硬化層外表面56の寸法の一定性および滑らかさは、硬化層50の厚さのばらつきの関数であり得る。いくつかの実施形態では、硬化層50は、5μmよりも小さいかまたはそれと等しい、2μmよりも小さいかまたはそれと等しい、1μmよりも小さいかまたはそれと等しい、あるいは0.5μmよりも小さいかまたはそれと等しい、硬化層50の厚さの標準偏差を有してよい。硬化層外表面56の表面仕上げの滑らかさは、硬化層外表面56の表面粗さRa値により定量化されてよい。いくつかの実施形態では、硬化層外表面56は、硬化層50が形成される前の母材46の表面粗さRaよりも小さい表面粗さRaを有してよい。いくつかの実施形態では、硬化層外表面56は、0.025μmよりも大きいかまたはそれと等しい、0.030μmよりも大きいかまたはそれと等しい、0.050μmよりも大きいかまたはそれと等しい、あるいは0.100μmよりも大きいかまたはそれと等しい大きさだけ、母材46の表面粗さRaよりも小さい表面粗さRaを有してよい。いくつかの実施形態では、硬化層外表面56は、0.08~0.30μm、0.09~0.25μm、または0.09~0.20μmの表面粗さRaを有してよい。硬化層50を塗布する前の硬化層外表面56および/または母材46の表面粗さRaは、ASTM A 480/480 Mなどの当技術分野で知られる標準試験法にしたがい決定されてよい。上述したように、減少した硬化層外表面56の表面粗さは、異形バー12に、より滑らかな表面仕上げを与えることができ、そのことはスクリーンシリンダー10を通る固体懸濁液の許容される部分の流量の増加を促進することができる。
クロム層40が塗布されてよいいくつかの実施形態では、硬化層50は、硬化層50上にクロム層40を形成する電気めっきプロセス中の電気抵抗の差を減じるために、母材46およびスクリーンシリンダー10のその他の金属部品の電気伝導度と同様であるかまたはそれよりもわずかに小さい電気伝導度を有してよい。いくつかの実施形態では、硬化層50は、複数の異形バー12の母材46の電気伝導度と同じ電気伝導度を有してよい。いくつかの実施形態では、硬化層50は、母材46の電気伝導度の10%以内である電気伝導度を有してよい。同じまたは同様の電気伝導度は、クロム層40が硬化層50上に電気めっきされることを可能にすることができる。上述したように、クロム層40を製造するための電気めっき中、クロムは、最小電気抵抗の領域(たとえば最大電気伝導度の領域)に優先的に堆積する。したがって、硬化層50の伝導度が母材46またはスクリーンシリンダー10の他の金属部品の電気伝導度よりも実質的に小さい場合、クロムは、異形バー12の外表面32などの異形バー12の硬化表面ではなく、より大きい伝導度およびより小さい電気抵抗を有する母材46または他の金属部品に優先的に堆積することができる。硬化層50の電気伝導度が母材46またはスクリーンシリンダー10の他の金属構成要素よりも実質的に小さい場合は、異形バー12の外表面32において硬化層50に形成したクロム層40は、非常に薄いかまたは存在しない場合があり、クロムはより大きい電気伝導度を有する金属に優先的に堆積している。硬化層50の電気伝導度が母材46の電気伝導度よりも小さいがその10%以内である場合、クロム層40は硬化層50に堆積し得るが、クロム処理プロセスに追加の時間を要することがあり、かつ/またはクロム層40が硬化層50なしの母材46のクロム処理と比べてより薄い厚さを有することがある。クロム層40が付加されないいくつかの実施形態では、硬化層50は、母材46の電気伝導度と10%よりも大きく異なる電気伝導度を有してよい。
図7を参照すると、いくつかの実施形態では、硬化層50は、母材46と一体化されていてよい。本明細書で使用される場合、「~と一体化」という用語は、(母材46にコーティングされた硬化層50とは対照的に)硬化層50が母材46の一部であり、かつ不可分であることを指す。1つ以上の表面において母材46と一体化された硬化層50は、コーティングである硬化層50と区別することができ、後者は母材46とは別の材料であって、母材46の表面に塗布され、そこに付着させられ、または接着させられる。硬化層50は、母材46を表面処理してその表面至近で母材46の一部分を改変し、それによって硬化層50を形成することによって、母材46と一体形成されてよい。したがって、硬化層50は、異形バー12の母材46の表面処理層を含んでよい。図7に示されるように、いくつかの実施形態では、異形バー12は、硬化層50を含んでよく、かつ硬化層50にまたは異形バー12の外表面32に塗布されたクロム層をもたなくてよい。
母材46の表面を処理して硬化層50を形成することは、1つ以上の化学成分を母材46内部へ拡散させることを含んでよく、母材46の表面内部への化学成分の拡散は、母材46の構造および/または特性を外表面至近で変化させて、硬化層50を形成することができる。母材46の表面内部へ化学成分を拡散させる表面処理の例は、限定ではないが、窒化プロセス、軟窒化(nitrocarburizing)プロセス、ホウ化プロセス(すなわち母材46の表面内部へホウ素を拡散させる)、または他の拡散ベースの表面処理を含んでよい。窒化プロセスでは、1つ以上の窒素含有化合物から母材46の表面内部へ高い温度および圧力下で窒素を拡散させてよい。窒化プロセスは、ガス窒化プロセスを含んでよく、ここで母材46は、限定ではないが、窒素ガス(N2)、アンモニアガス(NH3)、窒素プラズマ、または他の窒素含有ガスなどのガス窒素含有化合物を含むガス組成物に曝露されてよい。あるいは窒化は、限定ではないがアルカリ性シアン酸塩などの1つ以上の溶融窒素含有塩を含有する液浴を用いて実施されてもよい。
軟窒化プロセス中、二酸化炭素、炭酸塩、または他の炭素含有化合物などから、窒素および炭素の両方を、母材46の表面内部へ拡散させてよい。軟窒化プロセスは、気相または液相プロセスであってもよい。ホウ化プロセスでは、ホウ素またはホウ素含有化合物を母材46の表面内部へ拡散させてよい。いくつかの実施形態では、母材46と一体化された硬化層50が、窒化物イオンを含んでよい。いくつかの実施形態では、母材46と一体化された硬化層50が、表面内部へ拡散した窒素、炭素、ホウ素、またはこれらの組み合わせを含んでよい。
母材46を表面処理して窒素、炭素、ホウ素、またはこれらの組み合わせを母材46の表面内部へ拡散させることは、母材46の構造を表面至近で変化させてよい。この構造の変化は、母材46の表面至近の硬さを増加させることができ、母材46と一体化された硬化層50の形成をもたらすことができる。硬化層50が母材46と一体化されている場合、硬化層外表面56は母材46の外縁表面(たとえば、異形バー12の外表面32、第1のスロット表面34、および/または第2のスロット表面36)と調和してよい。
母材46と一体化された硬化層50は、母材46において深さDを有してよく、それは母材46の硬さを増加させるのに十分であってよい。いくつかの実施形態では、硬化層の深さDは、電解研磨により硬化層外表面56からいくらか材料が除去されるのを可能にしながら、硬化層外表面56の摩耗を減じるのに十分な増加した硬さを維持するのに十分であってよい。電解研磨は、表面処理後、クロム層40が存在する場合はそれを製造するクロム電気めっきプロセス用に硬化層外表面56を準備するために実施されてよい。母材46と一体化された硬化層50は、5μmよりも大きいかまたはそれと等しい、10μmよりも大きいかまたはそれと等しい、15μmよりも大きいかまたはそれと等しい、あるいは20μmよりも大きいかまたはそれと等しい深さDを、母材46内に有してよい。母材46と一体化された硬化層50を形成する表面処理プロセスの例は、限定ではないが、英国のBodyCote、カナダ国ケベック州のNitrex Metal Inc.、オハイオ州クリーブランドのExpanite A/S、カリフォルニア州オレンジカウンティのBurlington Engineering, Inc.により実施される硬化プロセス、および他の硬化プロセスを含んでよい。
いくつかの実施形態では、母材46と一体化された硬化層50は、母材46の表面内部へ窒素を拡散させる窒化プロセスにより形成されてよい。いくつかの実施形態では、母材46と一体化された硬化層50は、母材46の表面内部へ窒素を拡散させるのに十分な温度および圧力で母材46を窒素含有環境に曝露することにより形成されてよい。上述したように、窒素含有環境は、蒸気相(たとえばアンモニアガスを含むガス)または液相(たとえばアルカリ性シアン酸塩などの溶融塩の浴)であってよい。窒化プロセス中、異形バー12は、約175℃~約700℃、たとえば175℃~250℃、200℃~600℃、200℃~550℃、または350℃~550℃の温度のアンモニア雰囲気(たとえば、アンモニア蒸気またはアンモニア浴)中に維持されてよい。いくつかの実施形態では、窒化プロセスの温度は、母材46の焼きなまし温度よりも低い温度に維持されてよい。母材46の焼きなましは、母材46の強度を減じることがあり、その結果、組み立て中または使用中に異形バー12が変形する場合がある。それに加えて、過剰な温度は、窒化プロセス中に異形バー12の変形をもたらすことがあり、異形バー12のさらなる加工、または仕様外の材料のせいで異形バー12の廃棄を必要にし得る。いくつかの実施形態では、異形バー12のそれぞれの母材46は、窒化プロセス後、焼きなましされなくてよい。異形バー12は、アンモニア雰囲気中、5分~50時間、たとえば1時間~50時間、または1時間~20時間の間、窒化温度に維持されてよい。窒化プロセスは、周囲圧力で、または周囲圧力を上回る圧力で、実施されてよい。
図8を参照すると、窒化プロセスの結果、母材46の表面47に化合物層52が形成してよい。化合物層52は、母材46の構造の、イプシロン相(ε相)、ガンマ相(γ相)、またはこれらの組み合わせへの変化により特徴づけられてよい。化合物層52は、母材46に硬さを与えてよく、したがって、母材46と一体化された硬化層50が形成してよい。化合物層52は、母材46の表面内で深さDにまで延在してよい。化合物層52の深さDは、5μmよりも大きくてよく、またはそれと等しくてよく、10μmよりも大きくてよく、またはそれと等しくてよく、15μmよりも大きくてよく、またはそれと等しくてよく、あるいは20μmよりも大きくてよく、またはそれと等しくてよい。たとえば、窒化後の化合物層52の深さDは、5μm~30μm、10μm~30μm、または15μm~25μmであってよい。図8に示されるように、窒化物イオンは、母材46内部へさらに拡散して、化合物層52からさらに母材46内部へ拡散深さDTまで延在している拡散ゾーン54を形成してよい。拡散ゾーン54は、最大0.1mm、または最大0.5mmの拡散深さDTまで延在してよい。化合物層52および拡散ゾーン54の各厚さは、ASTM B487-85(2007)にしたがい決定されてよい。
外表面32、第1のスロット表面34、第2のスロット表面36、またはこれらの組み合わせなどの母材46の表面の1つ以上を、窒化、軟窒化、ホウ化、または他の表面処理プロセスに供して、母材46と一体化された硬化層50を製造してよい。いくつかの実施形態では、異形バー12全体を窒化、軟窒化、ホウ化、または他の表面処理プロセスに供することができ、したがって外表面32、第1のスロット表面34、および第2のスロット表面36を含む全外縁表面が、母材46と一体化された硬化層50を含む。したがって、拡散ベースの表面処理は、異形バー12の全外縁表面を覆って延在する硬化層50を製造することができる。
窒化、軟窒化、ホウ化、または他の表面処理により形成された、母材46と一体化された硬化層50は、母材46を上回るビッカース硬さ値を有してよい。いくつかの実施形態では、母材46と一体化された硬化層50は、クロム層40のビッカース硬さ値を上回るビッカース硬さ値を有してよい。母材46と一体化された硬化層50は、900HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、1000HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、1100HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、あるいは1200HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しいビッカース硬さを有してよい。いくつかの実施形態では、母材46と一体化された、かつ窒化、軟窒化、ホウ化、または他の表面処理により形成された硬化層50は、1400HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しいビッカース硬さ値を有してよい。
窒化、軟窒化、ホウ化、または他の処理により異形バー12の表面を処理することは、母材46に硬化層を形成する処理前の母材46の表面粗さRaよりも小さい表面粗さRaを有する硬化層50を製造してもよい。いくつかの実施形態では、母材46と一体化された硬化層50は、硬化層50を形成する表面処理以前の母材46の表面粗さRaよりも少なくとも0.025μm、少なくとも0.030μm、少なくとも0.050μm、または少なくとも0.100μm小さい表面粗さRaを有してよい。上述したように、第1のスロット表面34および第2のスロット表面36の粗さを減じると、スロット20を通る流れに対する抵抗を減じることができ、それによって分離効率を維持しながらスクリーンシリンダー10のスループットを改善することができる。
母材46と一体化された硬化層50は母材46を改変することにより製造されるので、窒化、軟窒化、ホウ化、または他の表面処理により形成された、母材46と一体化された硬化層50は、硬化層50を形成する処理前の母材46の電気伝導度の10%以内である電気伝導度を有してよい。母材46と一体化された硬化層50を形成することはまた、異形バー12の幾何形状を変化させないことができる。したがって、異形バー12の表面と一体形成された硬化層50を有する異形バー12を、支持リング14または異形バー12を所定の位置に保持する他の構造に変更を加えることなしに、標準のアセンブリに入替可能としてよい。それに加えて、母材46と一体化された硬化層50は、クロム層40との良好な接合を有してよく、低下した腐食特性を示してよい。
次に図9を参照すると、いくつかの実施形態では、硬化層50は、異形バー12の母材46の1つ以上の表面に塗布された硬質コーティング60を含んでよい。硬質コーティング60は、外表面32、第1のスロット表面34、第2のスロット表面36、またはこれらの組み合わせに塗布されてよい。いくつかの実施形態では、硬化層50は、外表面32、第1のスロット表面34、および第2のスロット表面36を含む異形バー12の全外縁表面上に塗布された硬質コーティング60であってよい。いくつかの実施形態では、硬化層50の硬質コーティング60は、異形バー12の外縁表面の表面積の少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%に塗布されてよい。いくつかの実施形態では、硬化層50の硬質コーティング60は、少なくとも第1のスロット表面34および第2のスロット表面36に塗布されてよい。
硬化層50の硬質コーティング60は、公知のコーティングまたは吹付け方法、たとえば限定ではないが高速フレーム溶射(HVOF)吹付け、プラズマ吹付け、レーザー吹付け、化学的気相成長(CVD)、物理的気相成長(PVD)、原子層堆積(ALD)、電気めっき、無電解めっき(たとえば、無電解ニッケルめっき)、セラミックコーティング、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティング、他のコーティング方法、またはこれらの方法の組み合わせにより、母材46に塗布されてよい。いくつかの実施形態では、硬質コーティング60は、HVOFプロセスを用いて塗布されてよい。硬質コーティング60は、母材46の硬さを上回る硬さを有する化合物を含んでよい。硬質コーティング60の例は、限定ではないが、炭化タングステン、炭化クロム、窒化チタン、窒化クロム、無電解めっきニッケル、セラミックコーティング、アルミナ、他の硬質コーティング材、またはそれらの組み合わせを含んでよい。いくつかの実施形態では、硬質コーティング60は、炭化タングステンコーティングであってよい。いくつかの実施形態では、硬質コーティング60を含む硬化層50は、PVDプロセスを用いて塗布された窒化チタンまたは窒化クロムコーティングであってよい。いくつかの実施形態では、硬化層50の硬質コーティング60は、無電解めっきプロセスを用いて塗布されたニッケル層であってよい。いくつかの実施形態では、硬質コーティング60は、セラミック塗料の薄膜を異形バー12の1つ以上の表面に塗布すること、およびセラミックコーティングを硬化させかつセラミックコーティングを母材46に接合するのに十分な温度で異形バーを焼成することにより形成された、セラミックコーティングであってよい。
硬質コーティング60は、5μmよりも大きいかまたはそれと等しい、10μmよりも大きいかまたはそれと等しい、15μmよりも大きいかまたはそれと等しい、あるいは20μmよりも大きいかまたはそれと等しい厚さを有してよい。硬質コーティング60は、300μmよりも小さいかまたはそれと等しい、250μmよりも小さいかまたはそれと等しい、200μmよりも小さいかまたはそれと等しい、100μmよりも小さいかまたはそれと等しい、あるいは50μmよりも小さいかまたはそれと等しい厚さを有してよい。硬質コーティング60は、5μm~300μm、5μm~100μm、または10μm~50μmの厚さを有してよい。硬質コーティング60は、第1のスロット表面34および/または第2のスロット表面36の摩耗を減じるかまたは防止するのに十分なビッカース硬さ値を有してよい。硬質コーティング60は、母材46のビッカース硬さを上回るビッカース硬さ値を有してよい。いくつかの実施形態では、硬質コーティング60は、クロム層40を上回るビッカース硬さ値を有してよい。硬質コーティング60は、500HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、700HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、900HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、1000HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、あるいは1100HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しいビッカース硬さを有してよい。
再び図5を参照すると、本明細書で先述したように、いくつかの実施形態では、異形バー12は、異形バー12の外表面32にまたは硬化層50に設置されたクロム層40を含んでよい。クロム層40は、異形バー12の外表面32を、スクリーンシリンダー10のスロットが入った円筒壁16から過大な固体異物を除去するためのローターからの圧力脈動により生じる摩耗および破損から保護することができる。いくつかの実施形態では、複数の異形バー12のそれぞれの外表面32は硬化層50を含んでよく、クロム層40は硬化層50に設置されてよい。クロム層40は、第1のスロット表面34、第2のスロット表面36、または両方の1つ以上の部分に形成されてもよい。第1のスロット表面34および第2のスロット表面36に、クロム層40を硬化層50に重ねて堆積させてよい。
クロム層40は、異形バー12の外表面32を保護し、かつローターからの圧力脈動に耐えるのに十分な平均厚さを有してよい。いくつかの実施形態では、クロム層40は、10μmよりも大きいかまたはそれと等しい、20μmよりも大きいかまたはそれと等しい、30μmよりも大きいかまたはそれと等しい、あるいは40μmよりも大きいかまたはそれと等しい平均厚さを有してよい。クロム層40は、異形バー12の外表面32に最大厚さを有してよい。異形バー12のそれぞれのクロム層40の厚さは、異形バー12のそれぞれの外表面32から取付け端30に向けて減少してよい。クロム層40は、約900HV0.05~約1000HV0.05のビッカース硬さ値を有してよい。いくつかの実施形態では、異形バー12は、クロム層40なしの硬化層50を有してよい。いくつかの実施形態では、異形バー12は、実質的にクロムフリーであってよく、たとえば異形バー12の外縁表面の5%未満または5%にクロムを有する。
スクリーンシリンダー10の硬化異形バー12を作製する方法が、取付け端30、および取付け端30の反対の方向に向いている外表面32を含む異形バー12を提供することを含んでよい。異形バー12は、異形バー12の外表面32から取付け端30へと延びている第1のスロット表面34、および第1のスロット表面34の反対側の、外表面32から取付け端30へと延びている第2のスロット表面36を含んでよい。方法は、第1のスロット表面34の少なくとも一部分にまたはそれと一体化されている硬化層50を形成することをさらに含んでよく、硬化層50は、母材46のビッカース硬さを上回るビッカース硬さ値を有する。硬化層50は、500HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、900HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、1000HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、1100HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、あるいは1200HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しいビッカース硬さ値を有してよい。方法は、少なくとも異形バー12の外表面32にまたは硬化層50にクロム層40を堆積させることをさらに含んでよい。いくつかの実施形態では、方法は、第1のスロット表面34に加えて、外表面32の一部分、第2のスロット表面36の一部分、または両方に、硬化層50を形成することを含んでよい。
いくつかの実施形態では、硬化層50を形成することは、異形バー12の少なくとも第1のスロット表面34を表面処理に供し、1つ以上の化学的化合物を第1のスロット表面34において母材46内部へ拡散させることを含んでよい。いくつかの実施形態では、方法は、異形バー12の全外縁表面を表面処理に供することにより、外表面32、第1のスロット表面34、および第2のスロット表面36を含む異形バー12の全外縁表面に硬化層50を形成することを含んでよい。方法は、異形バー12の外縁表面の表面積の少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%に硬化層50を形成することを含んでよい。表面処理は、異形バー12の少なくとも一部分を、窒素含有ガスと、母材46の焼きなまし温度よりも低い温度で、かつ窒素または窒素含有化合物を母材46内部へ拡散させるのに十分な圧力で、接触させることを含んでよい。窒素含有ガスは、窒素ガス、アンモニア、または他の窒素ガスを含んでよい。いくつかの実施形態では、母材46と一体化された硬化層50を形成するための表面処理は、窒化プロセスを含んでよい。窒化プロセスは、本明細書で前述した操作パラメーターのいずれかにしたがい実施することができる。
いくつかの実施形態では、硬化層50を形成することは、硬質コーティング60を異形バー12の少なくとも第1のスロット表面34に塗布することを含んでよい。硬質コーティング60を塗布することは、本明細書で上述したいずれかのコーティングプロセスを含んでよく、硬質コーティング60は、本明細書で上述したいずれかの材料であってよい。いくつかの実施形態では、少なくとも第1のスロット表面34にコーティングを塗布することは、熱吹付けプロセスを含んでよい。いくつかの実施形態では、熱吹付けプロセスは、炭化タングステン高速フレーム溶射(HVOF)プロセスを含んでよい。
異形バー12を製造する方法は、異形バー12を研磨して、硬化層50にクロム層40を電気めっきする準備をすることを含んでよい。研磨することは、当技術分野で公知の金属構成要素を研磨するプロセスを含んでよい。研磨するステップは、表面にクロム層40を塗布する準備をするには十分であるが硬化層50が無効になるかまたは完全に除去されるほどではないようにしてよい。
異形バー12を作製する方法は、異形バー12の外表面32に硬化層50を形成すること、および異形バー12の外表面32に形成された硬化層50の硬化層外表面56にクロム層40を堆積させることを含んでよい。上述したように、方法は、硬化層50を形成することとクロム層40を堆積させることとの間に研磨するステップを含んでよい。クロム層40は、電気めっきプロセスにより塗布されてよい。
本明細書で上述したように、硬化層50を有する異形バー12を含むスクリーンシリンダー10は、本明細書に記載されるように、製紙業界で、パルプ中のセルロースまたは他の繊維の固体懸濁液を処理するのに用いられてよい。しかし、スクリーンシリンダー10はパルプおよび製紙業界での使用に限られなくてよい。たとえば、硬化異形バー12を有する本開示のスクリーンシリンダー10は、採鉱および探鉱の用途、食品の調製および加工作業、水処理プロセス、コーティング作業、ならびに他の産業で、固体懸濁液および/またはスラリーをスクリーニングして過大な固体異物を除去するのに用いられてよい。
再び図1を参照すると、いくつかの実施形態では、スラリーまたは固体懸濁液から過大な固体異物を除去する方法が、スラリーまたは固体懸濁液をスクリーンシリンダー10と接触させることを含んでよい。スクリーンシリンダー10は、少なくとも1つの支持リング14に連結され、かつ長手方向に整列させられている、複数の異形バー12を含んでよい。異形バー12は、本明細書で上述されたいずれかの特徴または特性を有してよい。図5を参照すると、いくつかの実施形態では、複数の異形バー12のそれぞれは、少なくとも1つの支持リング14から外方を向いている外表面32、異形バー12の外表面32から外表面32の反対側の取付け端30へと延びている第1のスロット表面34、および第1のスロット表面34の反対側の、異形バー12の外表面32から取付け端30へと延びている第2のスロット表面36を含んでよい。上述したように、異形バーのそれぞれは、異形バー12のそれぞれの第1のスロット表面34の少なくとも一部分と一体化されているかまたはそこに設置されている硬化層50を含んでよく、硬化層50は、母材46を上回る、たとえば500HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、900HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、1000HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、1100HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しい、あるいは1200HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しいビッカース硬さ値を有する。隣り合わせの対の異形バー12(たとえば真隣の異形バー12の対)の第1のスロット表面と第2のスロット表面とがスクリーンシリンダーの複数のスロットを画定している。スラリーまたは固体懸濁液とスクリーンシリンダーとの接触が、スラリーまたは固体懸濁液の少なくとも一部分にスロット20を通過させてよい。方法は、スクリーンシリンダー10の複数のスロット20からスラリーまたは固体懸濁液の許容される部分を回収することをさらに含んでよい。いくつかの実施形態では、異形バー12は、異形バー12の外表面32にまたは硬化層50に設置されたクロム層40をさらに含んでよい。いくつかの実施形態では、方法は、複数の異形バー12の外表面32から固体異物の少なくとも一部分を除去することをさらに含んでよい。
本開示の実施形態は、以下の各実施例によりさらに明白になろうが、それらは本開示および/または本明細書に記載される特許請求の実施形態を限定するものと解釈してはならない。
実施例1
スクリーンシリンダーの複数のステンレス鋼異形バーを軟窒化プロセスに供して、異形バーの表面と一体化された硬化層を製造した。実施例1の異形バーの母材は316Lステンレス鋼であった。軟窒化プロセスは、異形バーを、370℃~540℃の範囲の温度に維持された溶融塩浴に、硬化層が形成するのに十分な時間にわたり浸漬することにより実現された。塩浴は、窒素を提供するためのシアン酸イオン、および炭素を提供するための炭酸イオンを含んだ。軟窒化プロセスは、化合物層、および化合物層からさらに母材内部へ延在する拡散ゾーンを製造した。
実施例1および2では、窒化物化された試料の化合物層および拡散ゾーンの厚さは、ASTM B487-85(2007)にしたがい測定された。これらの厚さは、1000倍の倍率で測定された。ビッカース硬さ値はASTM E384-11e1にしたがい測定された。窒化物化されたバーそれぞれの拡散ゾーンについて、異形バーの横断面で、0.05重量キログラム(kgf)(約0.49N)の押込荷重を用いてビッカース硬さ(HV)が測定された。化合物層は、異形バーの外表面を1μmの研磨剤で軽く研磨した後、外表面に対し硬さ試験が実施された。押込荷重はここでも0.05重量キログラム(kgf)(約0.49N)であった。ビッカース硬さの測定値はさらに、ASTM E140-12be1の式X1.1.1を用いて近似のロックウェル硬さ(HRC)値に変換された。実施例1の硬化異形バーの化合物層および拡散層の平均厚さ、平均ビッカース硬さ、および平均HRCは、下の表1に提供される。
それに加えて、実施例1の異形バーを溶接試験に供して、スクリーンシリンダーの異形バーと端部フランジとの間の溶接部の接合を評価した。実施例1の異形バーの一部分が、ステンレス鋼フランジに溶接された。溶接部の接合の問題は観測されなかった。
実施例1の異形バーに対し腐食試験も実施された。第1の腐食試験では、実施例1の異形バーのサブセットが、水中に20日間置かれた。1日水に浸漬した後、試料に腐食は見られなかった。20日間の後、実施例1の異形バーの水に浸漬された部分が外表面に腐食の層を呈した。それに加えて、実施例1の異形バーの第2のサブセットが、周囲空気に曝露された。430日後、異形バーは、外表面に小さい腐食領域を呈した。
実施例2
スクリーンシリンダーの第2の複数のステンレス鋼異形バーを軟窒化プロセスに供して、異形バーの表面と一体化された硬化層を製造した。実施例1の異形バーの母材は316Lステンレス鋼であった。軟窒化プロセスは、異形バーを、370℃~540℃の温度に維持された溶融塩浴に、硬化層が形成するのに十分な時間にわたり浸漬することにより実現された。塩浴は、窒素を提供するためのシアン酸イオン、および炭素を提供するための炭酸イオンを含んだ。軟窒化プロセスは、化合物層、および化合物層からさらに母材内部へ延在する拡散ゾーンを製造した。各試料異形バーの拡散ゾーンおよび化合物層の厚さ、ビッカース硬さ、およびHRCは、実施例1で上述した方法にしたがい測定された。実施例2の硬化異形バーの化合物層および拡散層の平均厚さ、平均ビッカース硬さ、および平均HRCは、下の表2に提供される。
実施例2の異形バーも溶接試験に供して、異形バーとスクリーンシリンダーの端部フランジとの間の溶接部の接合を評価した。実施例2の異形バーの一部分が、ステンレス鋼フランジに溶接された。溶接部の接合の問題は観測されなかった。
実施例2の異形バーでも腐食試験が実施された。第1の腐食試験では、実施例2の異形バーのサブセットが、水中に20日間置かれた。水に2日間浸漬した後、試料に腐食は見られなかった。20日間の後、実施例2の異形バーの水に浸漬された部分が外表面に腐食の層を呈した。それに加えて、実施例2の異形バーの第2のサブセットが、周囲空気に曝露された。430日後、異形バーは、外表面に小さい腐食領域を呈した。
実施例3
実施例3では、スクリーンシリンダーの別の複数のステンレス鋼異形バーを、カナダ国ケベック州のNitrex Metals Inc.により提供されるNANO-S(商標)窒化プロセスにしたがい実施される窒化プロセスに供して、異形バーの表面と一体化された硬化層を製造した。窒化プロセスは、化合物層、および化合物層からさらに母材内部へ延在する拡散ゾーンを製造した。実施例3の各試料異形バーの拡散ゾーンおよび化合物層の厚さおよびビッカース硬さは、実施例1で上述した方法にしたがい測定され、結果は下の表3に提供される。
それに加えて、化合物層の硬化層外表面の表面粗さRaが0.10μmと測定され、それは表面粗さRa0.09μmを有した裸の無処理異形バーの表面粗さに匹敵する。
実施例4
実施例4では、複数のステンレス鋼異形バーを炭化タングステンHVOFプロセスに供して、異形バーに炭化タングステンコーティングを被覆した。したがって、実施例4では、硬化層は炭化タングステンを含む硬質コーティングであった。
実施例4の硬質コーティングの厚さは、ASTM B487-85(2007)にしたがい測定された。実施例4では、厚さは、500倍の倍率で測定された。ビッカース硬さ値は、ASTM E384-11e1にしたがい測定された。ビッカース硬さ(HV)は、異形バーの横断面で、0.1重量キログラム(kgf)(約0.98N)の押込荷重を用いて測定された。硬質コーティングの大孔または収縮のない領域で、硬さ試験が実施された。ビッカース硬さの測定値はさらに、ASTM E140-12be1の式X1.1.1を用いて近似のロックウェル硬さ(HRC)値に変換された。実施例4の異形バーの硬質コーティングの平均厚さ、平均ビッカース硬さ、および平均HRCは、下の表4に提供される。
炭化タングステンコーティングを有する実施例4の異形バーは、母材と一体化された硬化層を有する実施例1および2の異形バーと比べて高い平均硬さを呈した。しかし、HVOFにより塗布された炭化タングステンコーティングを有する実施例4の異形バーは、窒化プロセスを用いて硬化層が母材と一体形成されている実施例1および2の異形バーを上回る表面粗さを呈することが観測された。それに加えて、実施例4の異形バーの硬化層(すなわち炭化タングステンコーティング)の厚さは、実施例1および2の異形バーの硬化層の厚さほど一定していなかった。
さらに、実施例4の異形バーに対し、界面インデンテーション法を用いて、母材と炭化タングステンコーティングとの界面の接合試験が実施された。界面インデンテーション法では、母材と炭化タングステンコーティングとの界面で、0.1kgf(約0.98N)および0.5kgf(約4.90N)の荷重を用いたビッカース押込みが加えられた。界面インデンテーション試験に応答して、0.1kgf(約0.98N)の荷重では界面に可視クラックは観測されなかったが、0.5kgf(約4.90N)の押込荷重では、母材と炭化タングステンコーティングとの間の界面に、いくらかの小さなクラックが観測された。
実施例5
実施例5では、HVOFにより塗布された炭化タングステンコーティングを有する実施例4からの複数の異形バーが、クロム電気めっきされて、クロム層が製造された。クロム層は、炭化タングステンコーティングに重ねて塗布された。試料5Aでは、電気めっきプロセスがより長時間にわたり実施され、より厚いクロム層が生じた。試料5Bでは、電気めっき時間が短縮され、より薄いクロム層が生じた。炭化タングステンコーティングの平均厚さが決定された。電気めっきプロセスのむらのため、クロム層の厚さは、試料5Aおよび5Bについてはクロム層最厚領域、クロム層最薄領域、およびクロム層中間厚さ領域で測定された。それに加えて、炭化タングステンコーティングのビッカース硬さ値が、本明細書で上述された方法にしたがい測定された。試料5Aおよび5Bの厚さおよびビッカース硬さ値は、下の表5に提供される。
比較例6
比較例6では、316Lステンレス鋼の母材を有する、硬化層もクロム層もない複数の無処理異形バーのビッカース硬さ値が測定された。比較例6の異形バーのビッカース硬さ値の結果は、下の表6に提供される。
比較例7
比較例7では、複数の異形バーがクロム電気めっきされてクロム層が形成されており、母材とクロム層との間に硬化層はない。比較例7の異形バーのビッカース硬さ値は、本明細書で上に記載された試験方法にしたがい測定された。クロム層を有する、硬化層のない比較例7の異形バーのビッカース硬さ値は、表6に提供される。電気めっきにより塗布されたクロム層の厚さのむらのため、比較例7の異形バーのそれぞれのクロム層のビッカース硬さ値は、より厚いクロム層を有する第1の領域、中間厚さのクロム層を有する第2の領域、およびより薄いクロム層を有する第3の領域で決定された。
実施例1~5の硬化異形バーはすべて、無処理異形バーであった比較例6の平均ビッカース硬さを上回る平均ビッカース硬さを呈した。実施例1および3~5の硬化異形バーはすべて、クロムコーティングで被覆された比較例7の異形バーの硬さに匹敵する、またはそれを上回る平均ビッカース硬さを有した。したがって、本明細書に開示される方法により硬化された硬化異形バーは、母材よりも実質的に高い、かつクロム層だけを堆積させた異形バーの硬さに匹敵するかまたはそれを上回る硬さを有することができる。
本開示の態様(1)は、複数の異形バーを含んでよく、該複数の異形バーが長手方向に整列させられ、かつ該複数の異形バーの取付け端において少なくとも1つの支持リングに連結されている、スクリーンシリンダーに関してよい。複数の異形バーのそれぞれは、少なくとも1つの支持リングから外方を向いている外表面、異形バーの外表面から外表面の反対側の取付け端へと延びている第1のスロット表面、および第1のスロット表面の反対側の、異形バーの外表面から取付け端へと延びている第2のスロット表面を含んでよい。1つの異形バーの第1のスロット表面と、別の真隣の異形バーの第2のスロット表面とが、スロットを画定してよい。複数の異形バーのそれぞれは、異形バーの第1のスロット表面の少なくとも一部分と一体化されているかまたはそこに設置されている硬化層をさらに含んでよい。硬化層は、ASTM E384-11e1にしたがい決定された場合、500HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しいビッカース硬さ値を有してよい。
本開示の態様(2)は、態様(1)を含んでよく、硬化層が、異形バーのそれぞれの第2のスロット表面、外表面、または両方の一部分に設置されていてよい。
本開示の態様は、態様(1)または(2)のいずれか1つを含んでよく、硬化層が、異形バーのそれぞれの全外縁表面に設置されていてよく、全外縁表面が、少なくとも外表面、第1のスロット表面、および第2のスロット表面を含む。
本開示の態様(4)は、態様(1)から(3)までのいずれか1つを含んでよく、硬化層が、9マイクロメートル(μm)よりも小さいかまたはそれと等しい許容差内まで寸法が一定しているトポグラフィーを有する硬化層外表面を有してよい。
本開示の態様(5)は、態様(1)から(4)までのいずれか1つを含んでよく、硬化層が、ASTM E384-11e1にしたがい決定された場合、900HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しいビッカース硬さ値を有してよい。
本開示の態様(6)は、態様(1)から(5)までのいずれか1つを含んでよく、硬化層が、複数の異形バーの母材の電気伝導度と同じ電気伝導度を有してよい。
本開示の態様(7)は、態様(1)から(6)までのいずれか1つを含んでよく、複数の異形バーのそれぞれの母材がステンレス鋼を含んでよい。
本開示の態様(8)は、態様(1)から(7)までのいずれか1つを含んでよく、複数の異形バーのそれぞれの母材が焼きなましされていなくてもよい。
本開示の態様(9)は、態様(1)から態様(8)までのいずれか1つを含んでよく、異形バーの外表面にまたは硬化層に設置されたクロム層をさらに含む。
本開示の態様(10)は、態様(9)を含んでよく、異形バーのそれぞれのクロム層の厚さが、異形バーのそれぞれの外表面から取付け端に向けて減少してよい。
本開示の態様(11)は、態様(1)から(10)までのいずれか1つを含んでよく、硬化層が、異形バーの母材の表面処理層を含んでよい。
本開示の態様(12)は、態様(11)を含んでよく、母材の表面処理層の深さが、5μmよりも大きくてよいかまたは等しくてよい。
本開示の態様(13)は、態様(11)または(12)のいずれか1つを含んでよく、表面処理層が、少なくとも窒化物イオンを含んでよい。
本開示の態様(14)は、態様(1)から(8)までのいずれか1つを含んでよく、複数の異形バーのそれぞれの外表面が硬化層を含んでよく、クロム層が硬化層に設置される。
本開示の態様(15)は、態様(1)から(10)までのいずれか1つを含んでよく、硬化層が、異形バーの第1のスロット表面の少なくとも一部分に塗布された硬質コーティングであってよい。
本開示の態様(16)は、態様(15)を含んでよく、硬質コーティングの厚さが、5μmよりも大きいかまたはそれと等しい、あるいは5μm~300μmである。
本開示の態様(17)は、態様(15)または(16)のいずれか1つを含んでよく、硬質コーティングが、炭化タングステン、炭化クロム、窒化チタン、窒化クロム、無電解めっきニッケル、セラミックコーティング、アルミナ、またはそれらの組み合わせを含んでよい。硬質コーティングは、炭化タングステンコーティングであってよい。硬化層の硬質コーティングは、PVDプロセスにより塗布された窒化チタンまたは窒化クロムコーティングであってよい。硬化層の硬質コーティングは、無電解めっきプロセスを用いて塗布されたニッケル層であってよい。硬質コーティングは、セラミックコーティングであってよい。
本開示の態様(18)は、態様(1)から(17)のいずれか1つを含んでよく、スクリーンシリンダーが、固体懸濁液から固体異物を分離するよう機能してよい。
本開示の態様(19)は、固体懸濁液から固体異物を分離するスクリーンシリンダーの異形バーに関してよい。異形バーは、取付け端および取付け端の反対側の端に設置された外表面、異形バーの外表面から取付け端へと延びている第1のスロット表面、第1のスロット表面の反対側の、外表面から取付け端へと延びている第2のスロット表面、ならびに第1のスロット表面の少なくとも一部分、第2のスロット表面の一部分、または両方と一体化されているかまたはそこに設置されている硬化層を含んでよい。硬化層は、ASTM E384-11e1にしたがい決定された場合、500HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しいビッカース硬さ値を有してよい。
本開示の態様(20)は、態様(19)を含んでよく、複数の異形バーが長手方向に、かつ隣り合わせに並べられている場合、1つの異形バーの第1のスロット表面と別の真隣の異形バーの第2のスロット表面とがスロットを画定してよい。
本開示の態様(21)は、態様(19)または(20)のいずれか1つを含んでよく、硬化層が、異形バーのそれぞれの全外縁表面上に設置されてよい。全外縁表面は、外表面、第1のスロット表面、および第2のスロット表面の少なくとも80%を含んでよい。
本開示の態様(22)は、態様(19)から(21)までのいずれか1つを含んでよく、硬化層が、9マイクロメートル(μm)よりも小さいかまたはそれと等しい許容差内まで寸法が一定しているトポグラフィーを有する硬化層外表面を有してよい。
本開示の態様(23)は、態様(19)から(22)までのいずれか1つを含んでよく、硬化層が、ASTM E384-11e1にしたがい決定された場合、900HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しいビッカース硬さ値を有してよい。
本開示の態様(24)は、態様(19)から(23)までのいずれか1つを含んでよく、硬化層が、複数の異形バーの母材の電気伝導度と同じ電気伝導度を有してよい。
本開示の態様(25)は、態様(19)から(24)までのいずれか1つを含んでよく、複数の異形バーのそれぞれの母材が、ステンレス鋼を含んでよい。
本開示の態様(26)は、態様(19)から(25)までのいずれか1つを含んでよく、複数の異形バーのそれぞれの母材が焼きなましされなくてよい。
本開示の態様(27)は、態様(19)から(26)までのいずれか1つを含んでよく、外表面にまたは硬化層に設置されたクロム層をさらに含んでよい。
本開示の態様(28)は、態様(27)を含んでよく、クロム層の厚さが、異形バーの外表面から取付け端に向けて減少してよい。
本開示の態様(29)は、態様(19)から(28)までのいずれか1つを含んでよく、硬化層が、異形バーの母材内のある深さまで母材の表面処理を含んでよい。
本開示の態様(30)は、態様(29)を含んでよく、硬化層の深さが、5μmよりも大きくてよいかまたは等しくてよい。
本開示の態様(31)は、態様(29)または(30)のいずれか1つを含んでよく、硬化層が、少なくとも窒化物イオンを含んでよい。
本開示の態様(32)は、態様(19)から(28)までのいずれか1つを含んでよく、外表面が硬化層を含んでよく、クロム層が硬化層に重ねて設置されている。
本開示の態様(33)は、態様(19)から(28)までのいずれか1つを含んでよく、硬化層が、母材に塗布された硬質コーティングであってよい。
本開示の態様(34)は、態様(33)を含んでよく、硬質コーティングの厚さが、5μmよりも大きいかまたはそれと等しい、あるいは5μm~300μmである。
本開示の態様(35)は、態様(33)または(34)のいずれか1つを含んでよく、硬質コーティングが、炭化タングステン、炭化クロム、窒化チタン、窒化クロム、無電解めっきニッケル、セラミックコーティング、アルミナ、またはそれらの組み合わせを含んでよい。硬質コーティングは、炭化タングステンコーティングであってよい。硬化層の硬質コーティングは、PVDプロセスにより塗布された窒化チタンまたは窒化クロムコーティングであってよい。硬化層の硬質コーティングは、無電解めっきプロセスを用いて塗布されたニッケル層であってよい。硬質コーティングは、セラミックコーティングであってよい。
本開示の態様(36)は、態様(19)から(35)までのいずれか1つを含んでよく、かつ態様(19)から(35)までのいずれかの異形バーを含むスクリーンシリンダーに関してよい。
本開示の態様(37)は、態様(36)を含んでよく、スクリーンシリンダーが、複数の異形バーを含み、該複数の異形バーは、長手方向に整列させられ、かつ該複数の異形バーの取付け端において少なくとも1つの支持リングに連結されている。
本開示の態様(38)は、スクリーンシリンダーの硬化異形バーを作製する方法に関してよい。方法は、取付け端および取付け端の反対の方向に向いている外表面、異形バーの外表面から取付け端へと延びている第1のスロット表面、ならびに第1のスロット表面の反対側の、外表面から取付け端へと延びている第2のスロット表面を含んでよい異形バーを提供することを含んでよい。方法は、第1のスロット表面の少なくとも一部分にまたはそれと一体化されている硬化層を形成することをさらに含んでよく、硬化層は、ASTM E384-11e1にしたがい決定された場合、500HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しいビッカース硬さ値を有してよい。
本開示の態様(39)は、態様(38)を含んでよく、異形バーの外表面にまたは硬化層にクロム層を堆積させることをさらに含む。
本開示の態様(40)は、態様(38)または(39)のいずれか1つを含んでよく、硬化層を外表面、第2のスロット表面、または両方の一部分に形成することを含む。
本開示の態様(41)は、態様(38)から(40)までのいずれか1つを含んでよく、硬化層を形成することが、異形バーの少なくとも第1のスロット表面を、1つ以上の化学的化合物を第1のスロット表面の母材内部へ拡散させる表面処理に供することを含んでよい。
本開示の態様(42)は、態様(41)を含んでよく、表面処理が、異形バーの少なくとも一部分を、窒素含有ガスまたは窒素含有液浴と、母材の焼きなまし温度よりも低い温度でかつ窒素または窒素含有化合物を母材内部へ拡散させるのに十分な圧力で、接触させることを含んでよい。
本開示の態様(43)は、態様(38)から(40)までのいずれか1つを含んでよく、硬化層を形成することが、異形バーの少なくとも第1のスロット表面にコーティングを塗布することを含んでよい。
本開示の態様(44)は、態様(43)を含んでよく、少なくとも第1のスロット表面にコーティングを塗布することが、熱吹付けプロセスを含んでよい。
本開示の態様(45)は、態様(44)を含んでよく、熱吹付けプロセスが、炭化タングステン高速フレーム溶射(HVOF)プロセスを含んでよい。
本開示の態様(46)は、態様(43)を含んでよく、硬化層を形成することが、セラミック塗料の薄膜を異形バーの1つ以上の表面に塗布すること、およびセラミックコーティングを形成しかつセラミックコーティングを異形バーの母材に接合するのに十分な温度で異形バーを焼成することを含んでよい。
本開示の態様(47)は、態様(38)から(46)までのいずれか1つを含んでよく、異形バーの外表面に硬化層を形成すること、および異形バーの外表面に形成された硬化層の硬化層外表面にクロム層を堆積させることを含む。
本開示の態様(48)は、態様(47)を含んでよく、クロム層の厚さが、異形バーの外表面から取付け端に向けて減少してよい。
本開示の態様(49)は、固体懸濁液から固体異物を除去する方法に関してよい。方法は、固体懸濁液をスクリーンシリンダーと接触させることを含んでよい。スクリーンシリンダーは、少なくとも1つの支持リングに連結され、かつ長手方向に整列させられている、複数の異形バーを含んでよい。複数の異形バーのそれぞれは、少なくとも1つの支持リングから外方を向いている外表面、異形バーの外表面から外表面の反対側の取付け端へと延びている第1のスロット表面、第1のスロット表面の反対側の、異形バーの外表面から取付け端へと延びている第2のスロット表面、および異形バーのそれぞれの第1のスロット表面の少なくとも一部分と一体化されているかまたはそこに設置されている硬化層を含んでよい。硬化層は、ASTM E384-11e1にしたがい決定された場合、500HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しいビッカース硬さ値を有してよい。隣り合わせの対の異形バーの第1のスロット表面と第2のスロット表面とがスクリーンシリンダーの複数のスロットを画定してよく、固体懸濁液とスクリーンシリンダーとの接触が固体懸濁液の少なくとも一部分にスロットを通過させてよい。方法は、スクリーンシリンダーの複数のスロットから許容される固体懸濁液を回収することをさらに含んでよい。
本開示の態様(50)は、態様(49)を含んでよく、複数の異形バーの外表面から固体異物の少なくとも一部分を除去することをさらに含む。
本開示の態様(51)は、態様(49)または(50)のいずれか1つを含んでよく、複数の異形バーのそれぞれが、異形バーの外表面にまたは硬化層に設置されたクロム層を含んでよい。
本開示の態様(52)は、態様(49)から(51)までのいずれか1つを含んでよく、硬化層が、異形バーの母材の表面処理層を含んでよい。
本開示の態様(53)は、態様(49)から(51)までのいずれか1つを含んでよく、硬化層が、異形バーの第1のスロット表面の少なくとも一部分に塗布された硬質コーティングであってよい。
スクリーンシリンダー10の異形バー12、ならびに異形バー12を作製する方法および使用する方法の様々な実施形態が本明細書に記載されているが、これらの実施形態および技法のそれぞれが、1つ以上の実施形態および技法とは別にまたは関連して用いられてよいと考えられていることを理解すべきである。特許請求の主題の趣旨および範囲から逸脱することなく本明細書に記載される実施形態に様々な変更形態および変化形態を加えることができることは、当業者には明白になる。したがって、本明細書は、本明細書に記載される様々な実施形態の変更形態および変化形態を、そのような変更形態および変化形態が添付の請求項およびそれらの均等物の範囲内であるという前提で、網羅するものとする。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
スクリーンシリンダーにおいて、
複数の異形バーであって、長手方向に整列させられ、かつ前記複数の異形バーの取付け端において少なくとも1つの支持リングに連結されている、複数の異形バー、
を含み、
前記複数の異形バーのそれぞれが、
前記少なくとも1つの支持リングから外方を向いている、外表面;
前記異形バーの前記外表面から前記外表面の反対側の前記取付け端へと延びている、第1のスロット表面;
前記第1のスロット表面の反対側の、前記異形バーの前記外表面から前記取付け端へと延びている、第2のスロット表面であって、1つの異形バーの前記第1のスロット表面と別の真隣の異形バーの前記第2のスロット表面とがスロットを画定している、第2のスロット表面;および
前記異形バーの前記第1のスロット表面の少なくとも一部分と一体化されているかまたはそこに設置されている硬化層であって、ASTM E384-11e1にしたがい決定された場合、500HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しいビッカース硬さ値を有する、硬化層、
を含む、スクリーンシリンダー。
実施形態2
前記硬化層が、前記異形バーのそれぞれの前記第2のスロット表面、前記外表面、または両方の一部分に設置されている、実施形態1に記載のスクリーンシリンダー。
実施形態3
前記硬化層が、前記異形バーのそれぞれの全外縁表面に設置されており、前記全外縁表面が、少なくとも前記外表面、前記第1のスロット表面、および前記第2のスロット表面を含む、実施形態1または2のいずれか1つに記載のスクリーンシリンダー。
実施形態4
前記硬化層が、9マイクロメートル(μm)よりも小さいかまたはそれと等しい許容差内まで寸法が一定しているトポグラフィーを有する硬化層外表面を有する、実施形態1から3までのいずれか1つに記載のスクリーンシリンダー。
実施形態5
前記硬化層が、ASTM E384-11e1にしたがい決定された場合、900HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しいビッカース硬さ値を有する、実施形態1から4までのいずれか1つに記載のスクリーンシリンダー。
実施形態6
前記硬化層が、前記複数の異形バーの母材の電気伝導度と同じ電気伝導度を有する、実施形態1から5までのいずれか1つに記載のスクリーンシリンダー。
実施形態7
前記複数の異形バーのそれぞれの母材がステンレス鋼を含む、実施形態1から6までのいずれか1つに記載のスクリーンシリンダー。
実施形態8
前記複数の異形バーのそれぞれの母材が焼きなましされていない、実施形態1から7までのいずれか1つに記載のスクリーンシリンダー。
実施形態9
前記異形バーの前記外表面にまたは前記硬化層に設置されたクロム層をさらに含む、実施形態1から8までのいずれか1つに記載のスクリーンシリンダー。
実施形態10
前記異形バーのそれぞれの前記クロム層の厚さが、前記異形バーのそれぞれの前記外表面から前記取付け端に向けて減少する、実施形態9に記載のスクリーンシリンダー。
実施形態11
前記複数の異形バーのそれぞれの前記外表面が前記硬化層を含み、クロム層が前記硬化層に設置される、実施形態1から10までのいずれか1つに記載のスクリーンシリンダー。
実施形態12
前記硬化層が、前記異形バーの前記第1のスロット表面の少なくとも一部分に塗布された硬質コーティングである、実施形態1から11までのいずれか1つに記載のスクリーンシリンダー。
実施形態13
前記硬質コーティングの厚さが、5μmよりも大きいかまたはそれと等しい、あるいは5μm~300μmである、実施形態1から11までのいずれか1つに記載のスクリーンシリンダー。
実施形態14
前記硬質コーティングが、炭化タングステン、炭化クロム、窒化チタン、窒化クロム、無電解めっきニッケル、セラミックコーティング、アルミナ、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態12または13のいずれか1つに記載のスクリーンシリンダー。
実施形態15
前記硬質コーティングがセラミックコーティングを含む、実施形態12から14までのいずれか1つに記載のスクリーンシリンダー。
実施形態16
前記硬化層が、前記異形バーの母材の表面処理層を含む、実施形態1から11までのいずれか1つに記載のスクリーンシリンダー。
実施形態17
前記母材の前記表面処理層の深さが、5μmよりも大きいかまたはそれと等しい、実施形態16に記載のスクリーンシリンダー。
実施形態18
前記表面処理層が、少なくとも窒化物イオンを含む、実施形態16または17のいずれか1つに記載のスクリーンシリンダー。
実施形態19
固体懸濁液から固体異物を分離するよう機能する、実施形態1から18までのいずれか1つに記載のスクリーンシリンダー。
実施形態20
固体懸濁液から固体異物を除去する方法において、
少なくとも1つの支持リングに連結され、かつ長手方向に整列させられている複数の異形バーを含むスクリーンシリンダーに、固体懸濁液を接触させるステップであって、前記複数の異形バーのそれぞれが、
前記少なくとも1つの支持リングから外方を向いている、外表面;
前記異形バーの前記外表面から前記外表面の反対側の取付け端へと延びている、第1のスロット表面;
前記第1のスロット表面の反対側の、前記異形バーの前記外表面から前記取付け端へと延びている、第2のスロット表面;および
前記異形バーのそれぞれの前記第1のスロット表面の少なくとも一部分と一体化されているかまたはそこに設置されている、硬化層であって、ASTM E384-11e1にしたがい決定された場合、500HV0.05よりも大きいかまたはそれと等しいビッカース硬さ値を有する、硬化層、
を含み、
隣り合わせの対の異形バーの前記第1のスロット表面と前記第2のスロット表面とが前記スクリーンシリンダーの複数のスロットを画定しており、
前記固体懸濁液と前記スクリーンシリンダーとの接触が、前記固体懸濁液の少なくとも一部分に前記スロットを通過させる、ステップ;および
前記スクリーンシリンダーの前記複数のスロットから許容される固体懸濁液を回収するステップ、
を含む、方法。
実施形態21
前記複数の異形バーの前記外表面から固体異物の少なくとも一部分を除去することをさらに含む、実施形態20に記載の方法。
実施形態22
前記複数の異形バーのそれぞれが、前記異形バーの前記外表面にまたは前記硬化層に堆積したクロム層を含む、実施形態20または21のいずれか1つに記載の方法。
実施形態23
前記硬化層が、前記異形バーの前記第1のスロット表面の少なくとも一部分に塗布された硬質コーティングである、実施形態20から22までのいずれか1つに記載の方法。
実施形態24
前記硬化層が、前記異形バーの母材の表面処理層を含む、実施形態20から22までのいずれか1つに記載の方法。