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JP7575658B2 - アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体、発光装置及びアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法 - Google Patents
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JP7575658B2 - アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体、発光装置及びアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法 - Google Patents

アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体、発光装置及びアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体、発光装置及びアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法に関する。
発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)やレーザーダイオード(LD:Laser Diode)等の励起光源と、蛍光体を組み合わせて、光の混色の原理によって白色、電球色等に発光する発光装置が種々開発されている。これらの発光装置は、照明用、車載用、医療用、液晶表示装置のバックライト用等の幅広い分野で利用されている。
このような発光装置では、用途に応じて様々な種類の蛍光体が用いられている。例えば、非特許文献1(Ruixia Zhong et al.“Red phosphrescence in SrAl1425:Cr3+,Eu3+,Dy3+ through persistent energy transfer” APPLIED PHYSICS LETTERS 88.201916(2006))には、693nmに発光ピーク波長を有するSrAl1425:Cr3+,Eu3+,Dy3+で表されるアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体が記載されている。
Ruixia Zhong et al."Red phosphrescence in Sr4Al14O25:Cr3+,Eu3+,Dy3+ through persistent energy transfer" APPLIED PHYSICS LETTERS 88.201916(2006)
本開示は、発光強度が向上されたアルカリ土類アルミン塩蛍光体、発光装置及びアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法を提供することを目的とする。
第一の態様は、アルカリ土類金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素Aと、Alと、Crと、を含み、必要に応じてAlを除く第13族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素Mと、必要に応じてMn、Eu、Ce、Tb、Pr、Nd、Sm、Yb、Ho、Er及びTmからなる群から選択される少なくとも1種の元素Mを含んでいてもよく、前記元素Aのモル比が1.0以上4.0以下の範囲内であり、前記Alと前記元素Mの合計のモル比が4.0以上14.0以下の範囲内であり、前記Crのモル比が0.004以上0.8以下の範囲内であり、前記元素Mのモル比が0以上0.4以下の範囲内であり、前記Crと前記元素Mの合計のモル比が0.004以上0.8以下の範囲内であり、前記Alと前記元素Mの合計のモル比を1としたときの前記元素Mのモル比が0.7以下である、組成を有し、720nm以上900nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する、アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体である。
第二の態様は、前記アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体と、前記アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体を照射する光源と、を備えた発光装置である。
第三の態様は、アルカリ土類金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素Aを含む第1化合物と、Alを含む第2化合物と、Crを含む第3化合物と、を含み、必要に応じてAlを除く第13族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素Mを含む第4化合物と、必要に応じてMn、Eu、Ce、Tb、Pr、Nd、Sm、Yb、Ho、Er及びTmからなる群から選択される少なくとも1種の元素Mを含む第5化合物を含んでいてもよく、前記第1化合物、前記第2化合物、及び前記第3化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物が酸化物であり、組成1モルにおける、前記元素Aのモル比が1.0以上4.0以下の範囲内となり、前記Alと前記元素Mの合計のモル比が4.0以上14.0以下の範囲内となり、前記Crのモル比が0.004以上0.8以下の範囲内となり、前記元素Mのモル比が0以上0.4以下の範囲内となり、前記Alと前記元素Mの合計のモル比を1としたときの前記元素Mのモル比が0.7以下となるように、前記第1化合物、前記第2化合物、及び前記第3化合物を含み、必要に応じて第4化合物と、必要に応じて前記第5化合物を含んでいてもよい原料混合物を準備する工程と、前記原料混合物を1000℃以上1500℃以下の範囲内の温度、還元雰囲気で熱処理して、アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体を得る工程と、を含むアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法である。
本開示によれば、発光強度が向上されたアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体、それを用いた発光装置及びアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法を提供することができる。
図1は、実施例1に係るアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の発光スペクトルと、比較例1に係るアルカリ土類アルミン酸塩の組成を有する化合物の発光スペクトルを示す図である。 図2は、実施例1に係るアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の励起スペクトルを示す図である。 図3は、実施例4、5及び6に係るアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の発光スペクトルと、比較例2に係るアルカリ土類アルミン塩の組成を有する化合物の発光スペクトルを示す図である。
以下、本発明に係るアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体蛍光体、発光装置及びアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法を説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は、以下のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体、発光装置及びアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法に限定されない。なお、色名と色度座標との関係、光の波長範囲と単色光の色名との関係等は、JIS Z8110に従う。なお、本明細書において、蛍光体の組成を表す式中、カンマ(,)で区切られて記載されている複数の元素は、これらの複数の元素のうち少なくとも1種の元素を組成中に含有し、2種以上を組み合わせて含んでいてもよいことを表す。また、本明細書において、蛍光体の組成を表す式中、コロン(:)の前は母体結晶を構成する元素及びそのモル比を表し、コロン(:)の後は賦活元素を表す。本明細書において、「モル比」とは、特に断りのない限り、化合物又は蛍光体の化学組成1モル中の各元素の比を表す。
蛍光体を用いた発光装置には、視認対象に応じて、最適な光を出射することが求められる。例えば医療現場等においては、生体内の情報を簡易に得ることが求められる場合がある。生体内には、光吸収体として例えば水、ヘモグロビン、メラニン等が含まれる。例えばヘモグロビンは、波長が650nm未満の可視光領域の光の吸収率が高く、可視光領域の光を出射する発光装置では、生体内に可視光領域の光が透過し難く、生体内の情報を得難い。そのため、生体内を光が透過しやすい「生体の窓」と呼ばれる650nm以上1000nm以下の近赤外の波長範囲の光を出射する発光装置が求められる場合がある。例えば生体内の血液中の酸素濃度の増減を、酸素と結合するヘモグロビンの光の吸収の増減によって測定することが可能であれば、発光装置からの光の照射によって生体内の情報を簡易に得ることが可能となる。
また、気候変動等の環境変化が起こる中で、野菜等の植物を安定的に供給し、植物の生産効率を高めることが望まれている。人為的な管理が可能となる植物工場は、安全な野菜を市場に安定的に供給することが可能であり、次世代の産業として期待されている。このような植物工場においては、植物の成長を促進し得る光を照射する発光装置が求められる。植物の光に対する反応は、光合成と光形態形成に分けられる。光合成は、光エネルギーを利用して水を分解し、酸素を発生して二酸化炭素を有機物に固定する反応であり、植物の成長のために必要な反応である。光形態形成は、光を信号として利用し、種子の発芽、分化(発芽形成、葉の形成等)、運動(気孔開閉、葉緑体運動)、光屈折等を行う形態的な反応である。光形態形成反応には、690nm以上800nm以下の波長領域の光が植物の光受容体に影響を及ぼすことが分かってきている。そのため、植物工場等で使用する発光装置には、植物の光受容体(クロロフィルa、クロロフィルb、カロテノイド、フィトクロム、クリプトクロム、フォトトロピン)に影響を及ぼし、植物の成長を促進する波長領域の光の照射が可能であることが求められる場合がある。
上述したアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体についても、発光ダイオード(LED)やレーザーダイオード(LD)等の励起光源と組み合わせて発光装置としたとき、これらの用途に適した光源となるように蛍光体としての発光特性を改良する余地がある。
アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体
第一実施形態に係るアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体は、アルカリ土類金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素Aと、Alと、Crと、を含み、必要に応じてAlを除く第13族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素Mと、必要に応じてMn、Eu、Ce、Tb、Pr、Nd、Sm、Yb、Ho、Er及びTmからなる群から選択される少なくとも1種の元素Mを含んでいてもよく、前記元素Aのモル比が1.0以上4.0以下の範囲内であり、前記Alと前記元素Mの合計のモル比が4.0以上14.0以下の範囲内であり、前記Crのモル比が0.004以上0.8以下の範囲内であり、前記元素Mのモル比が0以上0.4以下の範囲内であり、前記Crと前記元素Mの合計のモル比が0.004以上0.8以下の範囲内であり、前記Alと前記元素Mの合計のモル比を1としたときの前記元素Mのモル比が0.70以下である、組成を有し、720nm以上900nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する。アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体は、励起光を吸収して、720nm以上900nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する光を出射することができ、「生体の窓」と呼ばれる近赤外の波長範囲に発光ピーク波長を有する光を出射することができ、植物の光受容体に影響を及ぼす光を出射することができる。本明細書において、近赤外の波長範囲は、700nm以上2500nm以下の波長範囲をいう。
アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体は、元素A、Al、Cr、必要に応じて含まれる元素M及び必要に応じて含まれる元素Mが下記式(I)で表される組成を有することが好ましい。
(Al1-y x+3/2z:Cr,M (I)
(式(I)中、Aは、アルカリ土類金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、Mは、Alを除く第13族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、Mは、Mn、Eu、Ce、Tb、Pr、Nd、Sm、Yb、Ho、Er及びTmからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、v、w、x、y及びzは、0.004≦v≦0.8、0≦w≦0.4、0.004≦v+w≦0.8、1.0≦4.0、0≦y≦0.7、4.0≦z≦14.0を満たす。)
前述の組成を有するアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体は、還元雰囲気で焼成することにより、賦活剤であるCrが3価の価数を有している状態でアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の母体結晶に入りやすくなるため、励起光を吸収して、720nm以上900nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する光を発することができる。
元素Aは、アルカリ土類金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、2種以上の元素を含んでいてもよい。元素Aは、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。元素Aはアルカリ土類金属元素からなる群から選択される2種以上の元素を含んでいてもよい。元素Aは、Srであってもよく、Sr及びCaであってもよい。元素Aが、アルカリ土類金属元素からなる群から選択される2種以上の元素A及び元素Aを含む場合には、元素Aと元素Aのモル比は、元素Aと元素Aの合計のモル比を10としたときに、元素Aと元素Aのモル比(A/A)が1/9以上であってもよく9/1以下であってもよい。アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の組成における元素Aのモル比xは、1.0以上4.0以下の範囲内であり、アルカリ土類アルミン酸塩の組成1モルにおけるAlと元素Mの合計のモル比が14である場合には、4であることが好ましい。
元素Aが、アルカリ土類金属元素からなる群から選択される2種以上の元素を含む場合には、アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体は、下記式(I-1)で表される組成を有していてもよい。
(A 1-u (Al1-y x+3/2z:Cr,M (I-1)
(式(I-1)中、Aは、アルカリ土類金属元素からなる群から選択される1種の元素であり、Aは、Aを除くアルカリ土類金属元素からなる群から選択される1種の元素であり、Mは、Alを除く第13族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、Mは、Mn、Eu、Ce、Tb、Pr、Nd、Sm、Yb、Ho、Er及びTmからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、u、v、w、x、y及びzは、0.1≦u≦0.9、0.004≦v≦0.8、0≦w≦0.4、0.004≦v+w≦0.8、1.0≦x≦4.0、0≦y≦0.7、4.0≦z≦14.0を満たす。)
アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の組成に含まれるAlは、元素A及び酸素(O)とともに、アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の母体結晶となる結晶骨格を構成する。アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の組成にAlの他に、Alを除く第13族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素Mが含まれる場合においても、Alと元素Mとの合計のモル比zが4.0以上14.0以下の範囲内(4.0≦z≦14.0)であれば、アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の母体結晶の結晶骨格が形成される。アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の組成中に元素Mを含む場合には、Alと元素Mのモル比の合計を1としたときに、Alを0.3モル以上含むことが好ましい、Alと元素Mのモル比の合計を1としたときに、Alを0.3モル以上含んでいれば、安定な結晶構造を維持することができる。
アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の組成に元素Mを含む場合には、Alを除く第13族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素であることが好ましい。元素Mは、B、Ga、In、及びTlからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、B、Ga及びInからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましく、B及びGaからなる群から選択される少なくとも1種であってもよく、Gaであってもよい。アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の組成に含まれる元素Mは、組成中のAlと元素Mの合計を1としたときの元素Mのモル比yが0以上0.7以下の範囲内(0≦y≦0.7)であることが好ましく、0.1以上0.7以下の範囲内(0.1≦y≦0.7)でもよく、0.2以上0.6以下の範囲内(0.2≦y≦0.6)でもよい。
アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の組成に元素Mを含み、組成中のAlと元素Mの合計を1とした場合の元素Mのモル比yが0.1以上0.7以下の範囲内(0.1≦y≦0.7)である場合には、発光効率を大きく低下させることなく、発光波長及び形状を変化させることができる。
アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体は、その組成において、元素Aは、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、元素Mが、Ba、Ga及びInからなる群から選択される少なくとも1種の元素であってもよい。また、アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体は、その組成において、元素AがSrであり、元素MがGaであってもよい。
アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体は、Crを含み、Crは賦活元素であり、アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の組成1モル中のCrのモル比vは、0.004以上0.8以下の範囲内(0.004≦v≦0.8)であることが好ましく、0.005以上0.7以下の範囲内(0.005≦v≦0.7)でもよく、0.008以上0.6以下の範囲内(0.008≦v≦0.6)でもよく、0.010以上0.5以下の範囲内(0.010≦v≦0.5)でもよい。アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体が、賦活元素であるCrを含み、アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の組成1モル中のCrのモル比が0.004以上0.8以下の範囲内であると、720nm以上900nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する光を発する蛍光体が得られる。
アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体は、Crの他に共賦活元素となる、Mn、Eu、Ce、Tb、Pr、Nd、Sm、Yb、Ho、Er及びTmからなる群から選択される少なくとも1種の元素Mを含んでいてもよい。アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体が元素Mを含む場合には、元素Mが含まれたことによる特徴的な発光が得られる。例えば元素Mが含まれる場合には、Crのみが含まれるアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体とは異なる波長範囲に発光ピーク波長を有する場合がある。アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体が、その組成中に共賦活元素となる元素Mを含んでいてもよく、元素Mのモル比は、0以上0.4以下の範囲内(0≦w≦0.4)であり、0.1以上0.3以下の範囲内(0.1≦w≦0.3)であってもよい。アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の組成において、Crと元素Mの合計のモル比は、0.004以上0.8以下の範囲内である。
アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の発光スペクトルにおいて、720nm以上900nm以下の範囲内の発光ピーク波長の半値幅は80nm以上であることが好ましく、90nm以上であってもよく、150nm以下でもよく、120nm以下であってもよい。アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体から720nm以上900nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する光が発せられると、例えば生体内の血液中の酸素濃度の増減の情報を、酸素と結合するヘモグロビンの光の吸収の増減によって得ることができる。生体内では、光の吸収と散乱が生じ、生体内の血液中の微妙な光の伝播挙動の変化を測定するためには、発光装置から発光される720nm以上900nm以下の範囲内の発光ピークの半値幅は広い方が好ましい。また、光で照射した場合の物体の色の見え方(以下、「演色性」ともいう。)は、広い領域に発光スペクトルを有することが望ましく、半値幅が広い方が演色性に優れた光を出射できる。例えば植物工場において、植物の成長に影響を与える波長領域の光を出射する場合においても、作業者が作業しやすいように光のスペクトルバランスを崩すことない光を出射することが求められる場合もある。アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の発光スペクトルにおいて、720nm以上900nm以下の範囲内の発光ピークの半値幅が80nm以上であり、150nm以下であれば、演色性を向上させることができる。半値幅は、発光スペクトルにおける発光ピークの半値全幅(Full Width at Half Maximum)をいい、発光スペクトルにおける発光ピークの最大値の50%の値を示す発光ピークの波長幅をいう。
発光装置
発光装置は、アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体と、アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体を照射する光源とを備える。本発明の一実施形態のアルミン酸塩蛍光体は、透光性材料とともに波長変換部材を構成する部材として用いることができる。
発光装置は、光源として例えばLED又はLDからなる発光素子と、発光素子からの光により照射されて発光するアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体を含む波長変換部材を備えることが好ましい。
発光素子は、例えば、窒化物系半導体を用いた半導体発光素子である、LEDチップ又はLDチップを用いることができる。
発光素子は、好ましくは380nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有し、より好ましくは390nm以上495nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有し、さらに好ましくは400nm以上490nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有し、特に好ましくは420nm以上490nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する。
波長変換部材は、アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体と透光性材料を含む。
アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体と透光性材料とともに、アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体以外の他の蛍光体を含んでいてもよい。
アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体を第1蛍光体として、第1蛍光体とは異なる発光ピーク波長を有する第2蛍光体を含んでいてもよい。第2蛍光体は、1種の蛍光体を単独で用いてもよく、2種以上の蛍光体を併用してもよい。第2蛍光体としては、例えば、下記式で表される組成を有する蛍光体が挙げられる。
10(POCl:Eu (i)
(式(i)中、Mは、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1種の元素である。)
MgAl1017:Mn,Eu (ii)
(式(ii)中、Mは、Ba及びSrからなる群から選択される少なくとも1種の元素である。)
MgSi16Cl:Eu (iii)
(式(iii)中、Mは、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1種の元素である。)
SrAl1425:Eu (iv)
12:Ce (v)
(式(v)中、Mは、Y及びGdからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、Mは、Al及びGaからなる群から選択される少なくとも1種の元素である。)
Lu 12:Ce (vi)
(式(vi)中、Mは、Al及びGaからなる群から選択される少なくとも1種の元素である。)
Si6-zAl8-z:Eu (vii)
(式(vii)中、zは、0<z≦4.2を満たす。)
AlSiN:Eu (viii)
(式(viii)中、Mは、Sr及びCaからなる群から選択される少なくとも1種の元素である。)
透光性材料は、樹脂、ガラス及び無機物からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。樹脂は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、及びポリイミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。無機物は、酸化アルミニウム及び窒化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。波長変換部材には、蛍光体と透光性材料の他に、必要に応じてフィラー、着色剤、光拡散材を含んでいてもよい。フィラーとしては、例えば酸化ケイ素、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等が挙げられる。
アルカリ土類アルミン酸塩の製造方法
第三実施形態に係るアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法は、アルカリ土類金属から成る群から選択される少なくとも1種の元素Aを含む第1化合物と、Alを含む第2化合物と、Crを含む第3化合物と、を含み、必要に応じてAlを除く第13族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素Mを含む第4化合物と、必要に応じてMn、Eu、Ce、Tb、Pr、Nd、Sm、Yb、Ho、Er及びTmからなる群から選択される少なくとも1種の元素Mを含む第5化合物とを含んでいてもよく、前記第1化合物、前記第2化合物、及び前記第3化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物が酸化物であり、組成1モルにおける、前記元素Aのモル比が1.0以上4.0以下の範囲内となり、前記Alと前記元素Mの合計のモル比が4.0以上14.0以下の範囲内となり、前記Crのモル比が0.004以上0.8以下の範囲内となり、前記元素Mモル比が0以上0.4以下の範囲内となり、前記Crと前記元素Mの合計のモル比が0.004以上0.8以下の範囲内となり、前記Alと前記元素Mの合計のモル比を1としたときの前記元素Mのモル比が0.7以下となるように、前記第1化合物、前記第2化合物、及び前記第3化合物を含み、必要に応じて前記第4化合物及び必要に応じて前記第5化合物を含んでいてもよい原料混合物を準備する工程と、前記原料混合物を1000℃以上1500℃以下の範囲内の温度、還元雰囲気の中で熱処理して、アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体を得る工程と、を含む。
原料混合物の準備工程
原料
アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体を製造するための原料は、元素Aを含む第1化合物と、Alを含む第2化合物と、Crを含む第3化合物とを含む。第1化合物、第2化合物及び第3化合物としては、それぞれ窒化物、水素化物、フッ化物、酸化物、炭酸塩、塩化物及びこれらの水和物等が挙げられる。第1化合物、第2化合物及び第3化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物は酸化物であり、2種以上が酸化物であってもよい。第2化合物及び第3化合物が酸化物であってもよい。第1化合物は、具体的には、Ca、CaH、CaF、CaO、CaCO、CaCl、SrH、Sr、SrN、SrN、SrF、SrO、SrCO、SrCl、Ba、BaF、BaO、BaCO、BaCl等が挙げられる。第2化合物は、具体的には、AlN、AlF、Al、AlCl等が挙げられる。第3化合物は、具体的には、CrN、CrF、Cr、Cr(CO、CrCl・6HOが挙げられる。元素AがCa、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1種の元素である場合には、第1化合物は、Caを含む化合物、Srを含む化合物及びBaを含む化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。元素AがSrである場合には、第1化合物は、Srを含む化合物であることが好ましい。
元素Mを含む第4化合物は、元素Mを含む、窒化物、水素化物、フッ化物、臭化物、酸化物、炭酸塩、塩化物及びこれらの水和物等が挙げられる。第4化合物は酸化物であってもよい。第4化合物は、固体であることが好ましく、具体的には、BN、B、BCl、GaN、GaBr、Ga、InBr、In、InCl、Tl、TlFが挙げられる。元素Mが、B、Ga及びInからなる群から選択される少なくとも1種である場合には、第4化合物は、Bを含む化合物、Gaを含む化合物及びInを含む化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。元素MがGaである場合には、第4化合物は、Gaを含む化合物であることが好ましい。
元素Mを含む第5化合物は、元素Mを含む、窒化物、水素化物、フッ化物、臭化物、酸化物、炭酸塩、塩化物及びこれらの水和物等が挙げられる。第5化合物は酸化物であってもよい。第5化合物は、固体であることが好ましく、具体的には、MnO、Eu、EuCl・6HO、CeCl・7HO、CeO、TbCl・6HO、Tb、PrCl・7HO、PrF、Pr11、NdCl・6HO、Nd、SmCl・6HO、SmF、Sm、YbF、Yb、Ho、ErCl・6HO、Er、ErF、TmCl・6HO、TmF、Tmが挙げられる。
原料混合物
原料となる各化合物を組成1モルにおける各元素のモル比が特定の値となるように計量し、その後、計量した原料となる各化合物を、混合機を用いて湿式又は乾式で混合し、原料混合物を得る。混合機は工業的に通常用いられているボールミルの他、振動ミル、ロールミル、ジェットミル等を用いることができる。
原料となる各化合物が、各化合物中に含まれる元素A、Al及びCr、並びに、必要に応じて含まれていてもよい元素M及び元素Mが、前記式(I)で表される組成を有するように、計量された各化合物を含む原料混合物を準備することが好ましい。元素Aが2種以上の元素A及び元素Aを含む場合には、前記式(I-1)で表される組成を有するように、計量された元素Aを含む化合物、元素Aを含む化合物、及びその他の化合物を含む原料混合物を準備することが好ましい。
フラックス
原料混合物は、フラックスを含んでいてもよい。原料混合物がフラックスを含むことで、原料間の反応がより促進され、さらには固相反応がより均一に進行するために粒径が大きく、発光特性により優れた蛍光体を得ることができる。蛍光体を得るための熱処理の温度が、フラックスとして用いた化合物の液相の生成温度と同程度の温度であると、フラックスによって原料間の反応が促進される。フラックスとしては、希土類金属元素、アルカリ土類金属元素、及びアルカリ金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むハロゲン化物を用いることができる。フラックスとしては、ハロゲン化物の中でも、フッ化物を用いることができる。フラックスに含まれる元素が、アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体を構成する元素の少なくとも一部と同一の元素である場合には、目的とする組成を有するアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の原料の一部として、アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の組成が目的の組成となるようにフラックスを加えることもでき、目的の組成となるように原料を混合した後、さらに添加するようにフラックスを加えることもできる。
熱処理してアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体を得る工程
原料混合物は、黒鉛等の炭素、窒化ホウ素(BN)、アルミナ(Al)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)等の材質の坩堝やボートに載置して、炉内で熱処理することができる。
熱処理雰囲気
熱処理は、還元雰囲気の中で行う。還元雰囲気は、還元性を有する水素ガスと、窒素ガスとを含む水素窒素雰囲気であってもよい。水素窒素雰囲気は、窒素ガスを好ましくは70体積%以上含有してもよく、80体積%以上含有してもよく、90体積%以上含有してもよい。また、水素窒素雰囲気は、水素ガスを1体積%以上含有してもよく、2体積%以上含有してもよく、3体積%以上含有してもよく、水素ガスを10体積%以下含有してもよい。
熱処理温度
熱処理温度は、1000℃以上1500℃以下の範囲内であり、好ましくは1100℃以上1450℃以下の範囲内であり、より好ましくは1200℃以上1400℃以下の範囲内である。熱処理温度が1000℃以上1500℃以下であれば、熱による分解が抑制され、目的とする組成を有し、安定した結晶構造を有する蛍光体が得られる。
熱処理は二段階以上の複数回の熱処理を行なってもよい。例えば二段階の熱処理を行なう場合には、一回目の熱処理を1000℃以上1500℃以下で行い、二回目の熱処理を1200℃以上1400℃以下の温度で行ってもよい。一回目の熱処理温度が1000℃以上1500℃以下であると、目的とする組成を有する熱処理物を得やすくなる。二回目の熱処理温度が1200℃以上1400℃以下であると、安定した結晶構造を有する蛍光体を得ることができる。
熱処理においては、所定温度で保持時間を設けてもよい。例えば一回目の熱処理と二回目の熱処理の間に、20℃以上28℃以下の室温程度の温度で、保持する時間を設けてもよい。保持時間は、例えば0.5時間以上48時間以内であってもよく、1時間以上40時間以内であってもよく、2時間以上30時間以内であってもよい。保持時間を0.5時間以上48時間以内で設けることによって、結晶成長を促進することができる。
熱処理雰囲気の圧力は、標準気圧(0.101MPa)であってよく、0.101MPa以上であってよく、0.11MPa以上200MPa以下の加圧雰囲気で行なうことが好ましい。熱処理によって得られる熱処理物は、熱処理温度が高温になるほど結晶構造が分解され易くなるが、加圧雰囲気にすることによって、結晶構造の分解が抑制され、発光強度の低下を抑制することができる。熱処理雰囲気の圧力は、ゲージ圧で、より好ましくは0.11MPa以上100MPa以下であり、さらに好ましくは0.5MPa以上10MPa以下であり、製造の容易さの点から、よりさらに好ましくは1.0MPa以下である。
熱処理時間は、熱処理温度、熱処理時の雰囲気の圧力によって適宜選択することができ、好ましくは0.5時間以上20時間以内である。二段階以上の熱処理を行なう場合であっても、一回の熱処理時間は0.5時間以上20時間以内であることが好ましい。熱処理時間が0.5時間以上20時間以内であると、得られる熱処理物の分解が抑制され、安定した結晶構造を有し、所望の発光強度を有する蛍光体を得ることができる。また、生産コストも低減でき、製造時間を比較的短くすることができる。熱処理時間は、より好ましくは1時間以上10時間以内であり、さらに好ましくは1.5時間以上9時間以内である。
熱処理して得られた熱処理物は、粉砕、分散、固液分離、乾燥等の後処理を行ってもよい。固液分離は濾過、吸引濾過、加圧濾過、遠心分離、デカンテーション等の工業的に通常用いられる方法により行うことができる。乾燥は、真空乾燥機、熱風加熱乾燥機、コニカルドライヤー、ロータリーエバポレーター等の工業的に通常用いられる装置により行うことができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
原料として、SrCOが8.86g、Alが10.71g、Crが0.14gとなるように計量した。各原料は、仕込み組成がSrAl1425:Cr0.12となるように計量して各原料を用いた。メノウ乳鉢とメノウ乳棒を用いて、10分間、各原料を混合して、原料混合物を得た。得られた原料混合物を、1300℃、標準気圧(0.101MPa)、水素ガス及び窒素ガスを含む水素窒素雰囲気(水素:3体積%、窒素:97体積%)の中で、8時間熱処理した。熱処理後、得られた熱処理物を粉砕して、実施例1のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体を得た。
実施例2
原料として、CaCOが6.01g、Alが10.71g、Crが0.15gとなるように計量した。仕込み組成がCaAl1425:Cr0.12となるように各原料を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体を得た。
実施例3
原料として、SrCOが4.43g、CaCOが3.01g、Alが10.71g、Crが0.14gとなるように計量した。各原料は、仕込み組成が(Sr0.5Ca0.5Al1425:Cr0.12となるように計量して各原料を用いたことと、熱処理温度を1250℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体を得た。
実施例4
原料として、SrCOが8.86g、Alが7.66g、Gaが5.64g、Crが0.14gとなるように計量した。各原料は、仕込み組成がSrAl10Ga25:Cr0.12となるように計量して各原料を用いたことと、熱処理温度を1250℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体を得た。原料の仕込み組成における、Alと元素M(Ga)の合計のモル比を1としたときの元素M(Ga)のモル比を表1中に記載した。実施例1から3、後述する実施例5及び6、並びに比較例1及び2のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体及びアルカリ土類アルミン酸塩の組成を有する化合物中のAlと元素M(Ga)の合計のモル比を1としたときの元素M(Ga)のモル比も表1中に記載した。
実施例5
原料として、SrCOが8.86g、Alが5.36g、Gaが9.86g、Crが0.14gとなるように計量した。各原料は、仕込み組成がSrAlGa25:Cr0.12となるように計量して各原料を用いたことと、熱処理温度を1200℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体を得た。
実施例6
原料として、SrCOが8.86g、Alが4.60g、Gaが11.27g、Crが0.14gとなるように計量した。各原料は、仕込み組成がSrAlGa25:Cr0.12となるように計量して各原料を用いたことと、熱処理温度を1200℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体を得た。
比較例1
大気雰囲気(酸素:約20体積%、窒素:約78体積%)で熱処理したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1のアルカリ土類アルミン酸塩の組成を有する化合物を得た。
比較例2
原料として、SrCOが8.86g、Alが3.07g、Gaが14.09g、Crが0.14gとなるように計量した。各原料は、仕込み組成がSrAlGa1025:Cr0.12となるように計量して各原料を用いたことと、熱処理温度を1200℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2のアルカリ土類アルミン酸塩の組成を有する化合物を得た。
発光スペクトルの測定
実施例の各アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体及び比較例の各アルカリ土類アルミン酸塩の組成を有する化合物について、量子効率測定システム(QE-2000、大塚電子株式会社製)を用いて発光スペクトルを測定した。量子効率測定システムで用いた励起光の発光ピーク波長は450nmであった。得られた各発光スペクトルから、720nm以上900nm以下の範囲内の発光ピークにおける発光ピーク波長(nm)と、半値幅(nm)を求めた。結果を表1に示す。また、実施例2の発光ピーク波長における発光強度100%とし、実施例のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体及び比較例の各アルカリ土類アルミン酸塩の組成を有する化合物の発光ピーク波長における相対発光強度(%)を測定した。結果を表1に示す。図1に、実施例1に係るアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の発光スペクトルと、比較例1に係るアルカリ土類アルミン酸塩の組成を有する化合物の発光スペクトル示す。図3に、実施例4、5及び6に係るアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の発光スペクトルと、比較例2に係るアルカリ土類アルミン塩の組成を有する化合物の発光スペクトルを示す。
励起スペクトルの測定
実施例1に係るアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体について、分光蛍光光度計(F-4500、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、発光波長を791nmとし、25℃±5℃(室温)で、350nm以上700nm以下の範囲で励起スペクトルを測定した。図2に、実施例1に係るアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の励起スペクトルを示す。
Figure 0007575658000001
実施例1から6に係るアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体は、発光スペクトルにおいて、720nm以上900nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有し、半値幅が80nm以上の広い発光ピークを示した。この結果から、実施例1から6に係るアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体は、「生体の窓」と呼ばれる近赤外の波長範囲に発光ピーク波長を有する光を出射することができ、植物の光受容体に影響を及ぼす光を出射することができる。
図1及び図3に示すように、実施例1、実施例4から6に係る各アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体は、720nm以上900nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有し、80nm以上の広い半値幅を有していた。
図2に示すように、実施例1に係るアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体は350nm以上700nm以下の波長範囲の励起スペクトルにおいて、400nm以上450nm以下の波長範囲及び550nm以上580nm以下の波長範囲の相対強度が高くなった。この結果から、励起光源の発光ピーク波長を選択することによって、アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体は、720nm以上900nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する光を効率よく発光させることができる。
比較例1及び2に係るアルカリ土類アルミン酸塩の組成を有する化合物は、発光ピーク波長が450nmである光を照射しても、ほとんど発光しなかった。
本開示のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体は、照明装置、液晶表示装置のバックライト等に用いる発光装置に用いることができる。また、本発明の一実施形態のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体は、生体内の情報を得るための医療照明用の発光装置や、植物の光受容体に影響を与える植物栽培用の発光装置にも用いることができる。

Claims (15)

  1. アルカリ土類金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素Aと、Alと、Crと、を含み、必要に応じてAlを除く第13族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素Mと、必要に応じてMn、Eu、Ce、Tb、Pr、Nd、Sm、Yb、Ho、Er及びTmからなる群から選択される少なくとも1種の元素Mを含んでいてもよく、前記元素A、前記Al、前記Cr、必要に応じて含まれる前記元素M 及び前記元素M が、下記式(I)で表される、組成を有し、720nm以上900nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する、アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体。
    (Al 1-y x+3/2z :Cr ,M (I)
    (前記式(I)中、v、w、x、y及びzは、0.004≦v≦0.8、0≦w≦0.4、0.004≦v+w≦0.8、x=4.0、0≦y≦0.7、4.0≦z≦14.0を満たす。)
  2. 前記元素Aが、アルカリ土類金属元素からなる群から選択される2種以上の元素を含む場合には、下記式(I-1)で表される組成を有する、請求項1に記載のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体。
    (A 1-u (Al 1-y x+3/2z :Cr ,M (I-1)
    (式(I-1)中、A は、アルカリ土類金属元素からなる群から選択される1種の元素であり、A は、A を除くアルカリ土類金属元素からなる群から選択される1種の元素であり、M は、Alを除く第13族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、M は、Mn、Eu、Ce、Tb、Pr、Nd、Sm、Yb、Ho、Er及びTmからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、u、v、w、x、y及びzは、0.1≦u≦0.9、0.004≦v≦0.8、0≦w≦0.4、0.004≦v+w≦0.8、x=4.0、0≦y≦0.7、4.0≦z≦14.0を満たす。)
  3. 前記元素Aが、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、前記元素Mが、B、Ga及びInからなる群から選択される少なくとも1種の元素である、請求項1又は2に記載のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体。
  4. 前記元素Aが、Srであり、前記元素Mが、Gaである、請求項1又は2に記載のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体。
  5. 720nm以上900nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有し、半値幅が80nm以上である発光スペクトルを有する、請求項1から4のいずれか1項に記載のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体。
  6. 前記式(I)又は前記式(I-1)中、z=14.0である、請求項1から5のいずれか1項に記載のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体と、前記アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体を照射する光源と、を備えた、発光装置。
  8. アルカリ土類金属から成る群から選択される少なくとも1種の元素Aを含む第1化合物と、Alを含む第2化合物と、Crを含む第3化合物と、を含み、必要に応じてAlを除く第13族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素Mを含む第4化合物と、必要に応じてMn、Eu、Ce、Tb、Pr、Nd、Sm、Yb、Ho、Er及びTmからなる群から選択される少なくとも1種の元素Mを含む第5化合物とを含んでいてもよく、前記第1化合物、前記第2化合物、及び前記第3化合物からなる群から選択される少なくとも1種が酸化物であり、
    前記元素A、前記Al、前記Cr、必要に応じて含まれる前記元素M 及び前記元素M が、下記式(I)で表される組成となるように、原料混合物を準備する工程と、
    前記原料混合物を1000℃以上1500℃以下の範囲内の温度、還元雰囲気の中で熱処理して、アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体を得る工程と、を含むアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法。
    (Al 1-y x+3/2z :Cr ,M (I)
    (前記式(I)中、v、w、x、y及びzは、0.004≦v≦0.8、0≦w≦0.4、0.004≦v+w≦0.8、x=4.0、0≦y≦0.7、4.0≦z≦14.0を満たす。)
  9. 前記原料混合物を準備する工程において、前記元素Aが、アルカリ土類金属元素からなる群から選択される2種以上の元素を含む場合には、下記式(I-1)で表される組成となるように、前記原料混合物を準備する、請求項8に記載のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法。
    (A 1-u (Al 1-y x+3/2z :Cr ,M (I-1)
    (式(I-1)中、A は、アルカリ土類金属元素からなる群から選択される1種の元素であり、A は、A を除くアルカリ土類金属元素からなる群から選択される1種の元素であり、M は、Alを除く第13族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、M は、Mn、Eu、Ce、Tb、Pr、Nd、Sm、Yb、Ho、Er及びTmからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、u、v、w、x、y及びzは、0.1≦u≦0.9、0.004≦v≦0.8、0≦w≦0.4、0.004≦v+w≦0.8、x=4.0、0≦y≦0.7、4.0≦z≦14.0を満たす。)
  10. 前記元素Aが、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、必要に応じて含まれる前記元素Mが、B、Ga及びInからなる群から選択される少なくとも1種の元素である、請求項8又は9に記載のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法。
  11. 前記元素AがSrであり、必要に応じて含まれる前記元素MがGaである、請求項8又は9に記載のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法。
  12. 前記第4化合物、及び前記第5化合物からなる群から選択される少なくとも1種が、酸化物である、請求項8から11のいずれか1項に記載のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法。
  13. 前記熱処理の温度が、1100℃以上1450℃以下の範囲内である、請求項8から12のいずれか1項に記載のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法。
  14. 前記還元雰囲気が、窒素ガスと水素ガスとを含み、水素ガスを1体積%以上含有する、請求項8から13のいずれか1項に記載のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法。
  15. 前記式(I)又は前記式(I-1)中、z=14.0である、請求項8から14のいずれか1項に記載のアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法。
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