JP7575876B2 - 無機化合物からなる物品、および無機化合物からなる物品の製造方法 - Google Patents
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本発明の他の態様に係る無機化合物からなる物品の製造方法は、多孔質構造を有する多孔質部と、前記多孔質部を囲み非多孔質構造を有する枠体と、を有し、前記多孔質部と前記枠体との間に応力緩和部を有する無機化合物からなる物品の製造方法であって、無機化合物の粉末を含む粉末を用いて粉末層を形成する工程と、前記粉末層に前記物品の三次元形状に基づいてエネルギービームを照射し、前記粉末を溶融および凝固、または焼結させる工程と、を含む、ことを特徴とする。
(付加製造装置)
まず、図6を用いて、本実施形態で使用する付加製造装置100について説明する。図6は、付加製造装置100の構成を説明するための概略構成図である。図6に示すように、付加製造装置100は、造形テーブル101、プレート102、造形容器103、垂直移動機構104,105、粉末供給容器106、ローラー107、移動ガイド108、レーザー光源109、スキャナ110、集光レンズ111、および制御部112を備えている。
本発明は、多孔質構造と非多孔質構造が一体となった、無機化合物からなる物品の製造方法である。
本発明で用いる材料粉末は、無機化合物の粉末である。ここで、無機化合物とは金属を除く固体状の無機化合物のことであり、固体の結合状態(結晶質または非晶質)は問わない。本明細書において無機化合物とは、水素を除く周期表1族から14族までの元素に、アンチモンおよびビスマスを加えた元素群のうちの1種類以上の元素を含有する酸化物、窒化物、酸窒化物、炭化物、またはホウ化物を指す。材料粉末として使用可能な無機化合物の粉末としては、金属酸化物、非金属の酸化物、窒化物、フッ化物、ホウ化物、塩化物、硫化物などが挙げられる。材料粉末は1種類の無機化合物により構成されてもよく、2種類以上の無機化合物を混合したものでもよい。また、無機化合物の粉末とは、無機化合物を主成分とする粉末を意味し、無機化合物以外の成分を含むことを排除するものではない。
本発明における粉末層の形成工程の好適な実施形態の一例を説明する。
本発明における、粉末層に造形物のスライスデータに基づいてエネルギービームを照射して粉末を溶融および凝固または焼結させる工程(以下、造形工程と略称する)について、好適な実施形態に基づいて説明する。
本発明の無機化合物からなる物品の製造方法は、以下に説明する加熱処理を施しても、多孔質部と枠体と境界部に破断が生じない物品を得るための方法である。具体的には、材料粉末にエネルギービームを照射して材料粉末を溶融および凝固または焼結させる工程(造形工程)を行い、多孔質部と枠体との境界部に生じる応力を緩和するための応力緩和部を有する物品を製造する。
造形工程で得られた造形物は、造形工程後に加熱されることが好ましい。加熱処理は、造形工程で造形物中の各部に形成された応力やマイクロクラックを低減させる効果がある。マイクロクラックを減少または消滅させるためにより効果的な工程として、造形物の主成分と共晶を形成しうる成分を含む液体を造形物に吸収させたうえで加熱する固定が好ましい。造形物の主成分が酸化アルミニウムである場合は、ジルコニウム成分を含む液体(以降、ジルコニウム成分含有液と言う)を造形物に吸収させたうえで加熱する工程が挙げられる。マイクロクラックの減少または消滅によって、造形物の強度は飛躍的に向上する。
ジルコニウム成分の原料、有機溶媒、安定化剤で構成されるジルコニウム成分含有液が、好ましい例である。
ジルコニウム成分の粒子としては、ジルコニウム粒子やジルコニウムの酸化物であるジルコニア粒子を用いることができる。ジルコニウム粒子またはジルコニア粒子は、トップダウン法でそれぞれの材料を破砕して作製してもよいし、ボトムアップ法で金属塩、水和物、水酸化物、炭酸塩などから水熱反応などの手法を用いて合成してもよいし、または市販品を用いてもよい。
粒子のサイズは、マイクロクラックに侵入させるため300nm以下、より好ましくは50nm以下である。
粒子の形状はとくに限定されず、球状、粒状、柱状、楕円球状、立方体状、直方体状、針状、柱状、板状、鱗片状、ピラミッド状あってもよい。
上述した溶液の調製は、室温で反応させても、還流させて調製してもよい。
粉末層にエネルギービームを照射し、粉末を溶融および凝固、または焼結させる造形工程では、照射部とその周囲との温度差が大きいので、冷えて固まる際に造形物中にマイクロクラックが多く発生する。
本発明の無機化合物からなる物品は、多孔質構造を有する多孔質部と、前記多孔質部を囲み非多孔質構造を有する枠体と、を面方向に備え、前記多孔質部と前記枠体との間に応力緩和部を有している。
本実施例は、溶融/凝固条件にて、非多孔質構造からなる枠体と薄肉化された応力緩和部と、格子状のパターンを有する多孔質部とを備える板状の物品を作製し、吸着プレートとして用いる例である。
本実施例は、造形後にジルコニウム含浸を実施せずに加熱を1回のみ行った例である。ジルコニウム含浸工程が無く、加熱が1回という以外は実施例1と同じ条件で無機化合物からなる物品を作製した。
本実施例は、多孔質部における開気孔の配置がランダムである場合の例である。
ランダムな配置の開気孔を有する多孔質部を得るために、描画速度を220mm/s、描画ピッチを125μmとした以外は実施例1と同じ条件で、無機化合物からなる物品を作製した。
本実施例は、形状が実施例1と異なる物品を作製した例である。
目的の物品の概略形状を図3(f)に示す。物品は、直径4cm、厚さ15mmの円板で、円板の外周部は非多孔質部で形成され、中央に直径1cmの円形で円板の厚さ方向に連通した多孔質部がある。そして、非多孔質部と多孔質部との間に図3(f)に示すような板の面内方向に薄肉化された形状の応力緩和部が、放射状に等間隔で8つのパーツに分かれて存在する。応力緩和部の各パーツの平均幅(2mm)を足した応力緩和部の平均幅(16mm)は、円形の多孔質部の円周長さπの約51%である。形状以外は実施例1と同じ条件で、無機化合物からなる物品を作製した。
本実施例は、応力緩和部が実施例1と異なる形状の物品を作製した例である。目的の物品の概略形状を図3(a)に示す。図に示すように、本実施例の造形物には板の厚さ方向に平行に薄肉化された形状の応力緩和部がある。応力緩和部の厚み5.6mmは均一で、多孔質部の厚み8mmの70%である。本実施例では造形方向(粉末層の積層方向)に対して90°のオーバーハング部となる応力緩和部の下部に多孔質部と同じ条件で形成した支持体を設けた。実施例1と同様にしてエネルギービームの照射によって材料粉末を溶融/凝固または焼結させる工程を繰り返して支持体が付いた造形物を形成した。造形物から支持体を除去した後、基台から切り離して未結合の粉末を洗浄除去し、実施例1と同様の製造方法を経て実施例5の無機化合物からなる物品を作製した。
本実施例は、応力緩和部の平均幅が実施例4と異なる物品を作製した例である。
物品は、直径4cm、厚さ15mmの円板で、枠体(円板の外周部)は非多孔質構造で形成され、中央に直径1cmの円形で円板の厚さ方向に連通した多孔質構造からなる多孔質部がある。そして、板の面内方向に薄肉化された形状の応力緩和部が、放射状に等間隔で10個のパーツに分かれて存在する。応力緩和部の各パーツの平均幅(0.9mm)を足した応力緩和部の平均幅(9mm)は、円形の多孔質部の円周長さπの約29%である。応力緩和部の平均幅とパーツの数以外は実施例4と同じ条件で、無機化合物からなる物品を作製した。
多孔質部と枠体との間に応力緩和部を有さない比較用の物品を作製した。目的の比較用の物品は、4cm角、厚さ8mmの正方形の板状で、枠体(板の外周部)は非多孔質構造で形成され、中央に1cm角の正方形状で板の厚さ方向に連通した多孔質構造からなる多孔質部がある。そして、多孔質部と枠体の間に応力緩和部は設けられていない。
実施例1から実施例6の造形物は、加熱工程を経ても多孔質部と枠体とが一体となった無機化合物からなる物品を形成することができた。一方で、応力緩和部を有さない比較例では、加熱工程で多孔質部と枠体との境界に亀裂が入り、多孔質と枠体が一体となった物品を得ることができなかった。
301…材料粉末
302…粉末層
303…非造形部
304,404,704…枠体
305,405,705…多孔質部
306,406,706…応力緩和部
307,407,707…物品
308,408,708…支持部
Claims (20)
- 多孔質構造を有する第一の部分と、前記第一の部分より大きな密度を有する枠体とが、面内方向に前記枠体が前記第一の部分を囲むように配置され、
前記第一の部分と前記枠体との間に応力緩和部である第二の部分を有し、
前記第一の部分と、前記枠体と、前記第二の部分とが、一体となった無機化合物からなる物品であって、
前記第二の部分は、第一の構造、第二の構造及び第三の構造の少なくとも一つを有し、
前記第一の構造においては、前記第二の部分の前記面内方向に垂直な方向の平均厚さが、前記第一の部分の前記面内方向に垂直な方向の平均厚さより小さく、
前記第二の構造においては、前記第二の部分が、互いに離間した非連続な複数のパーツで構成されており、
前記第三の構造においては、前記第二の部分の空隙率が、前記第一の部分の空隙率より大きく前記枠体の空隙率より小さい、ことを特徴とする物品。 - 前記第一の部分と前記第二の部分との間に、前記第一の部分を囲むように第三の部分を有し、前記第三部分は、前記第三の部分の断面の単位面積当たりの空隙率が10%以下である構造からなる、ことを特徴とする請求項1に記載の物品。
- 前記第三の部分の前記面内方向における厚みは5mm以下である、ことを特徴とする請求項2に記載の物品。
- 前記第二の部分は、前記第一の部分の端部から10mm以内の範囲に設けられている、ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の物品。
- 前記第一の部分の断面における単位面積当たりの空隙率が15%以上であり、前記枠体の断面の単位面積当たりの空隙率が10%以下であることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の物品。
- 前記枠体及び前記第二の部分のそれぞれは、酸化アルミニウム又は酸化ジルコニウムの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の物品。
- 前記第二の部分の空隙率Aと前記枠体の空隙率Bとの比A/Bが、0.9以上1.1以下である、ことを特徴とする請求項6に記載の物品。
- 前記第一の部分、前記枠体及び前記第二の部分のそれぞれが第一の金属元素を含み、前記第一の部分、前記枠体及び前記第二の部分のそれぞれが第一の金属元素と異なる第二の金属元素を含む、ことを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の物品。
- 前記第一の金属元素がアルミニウムであり、第二の金属元素が希土類元素である、ことを特徴とする請求項8に記載の物品。
- 前記物品が板状であることを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載の物品。
- 通気口が接続され、凹部を有する本体部と、
前記凹部を塞ぐ吸着プレートと、を有する吸着台であって、
前記吸着プレートが、請求項1から10の何れか一項に記載の物品である、ことを特徴とする吸着台。 - 前記第一の部分に含まれる金属又は樹脂の重量濃度が、前記第一の部分における前記共通する無機化合物の重量濃度の1/10以下である、ことを特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載の物品。
- 前記無機化合物が、酸化物、窒化物、フッ化物、ホウ化物、塩化物及び硫化物からなる群より選択される少なくとも1つである、ことを特徴とする請求項1から10及び12の何れか一項に記載の物品。
- 前記枠体が、2相以上からなる相分離構造を含む、ことを特徴とする請求項1から10、12及び13の何れか一項に記載の物品。
- 前記第一の部分及び前記枠体が前記第二の部分を介して繋がり一体となっている、ことを特徴とする請求項1から10及び12から14の何れか一項に記載の物品。
- 前記第二の部分が前記第一の構造を有する、ことを特徴とする請求項1から10及び12から14の何れか一項に記載の物品。
- 前記第二の部分が前記第二の構造を有する、ことを特徴とする請求項1から10及び12から14の何れか一項に記載の物品。
- 前記第二の部分が前記第三の構造を有する、ことを特徴とする請求項1から10及び12から14の何れか一項に記載の物品。
- 前記第一の部分、前記枠体及び前記第二の部分を含む物体を直接造形方式で形成する、ことを特徴とする請求項1から10及び12から18の何れか一項に記載の物品の製造方法。
- 前記第一の部分、前記枠体及び前記第二の部分を含む物体を粉末床溶融結合方式で形成する、ことを特徴とする請求項1から10及び12から18の何れか一項に記載の物品の製造方法。
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