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JP7576259B2 - ゴム構造体の構造およびゴム構造体の使用方法 - Google Patents
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本発明は、ゴム構造体の構造およびゴム構造体の使用方法に関し、さらに詳しくは、使用初期において接触する対象面に不要な傷を付けることなく、対象面に対する動摩擦力を向上させることができる汎用性が高いゴム構造体の構造およびゴム構造体の使用方法に関するものである。
タイヤなどのゴム構造体は、道路などの対象面に接触して使用される。このようなゴム構造体は、対象面に対する動摩擦力の大きさが、性能を示す1つの指標になっている。例えば、氷雪などの対象面に対する動摩擦力を大きくするために、種子の殻などの硬質粒子をトレッドゴムに添加して、引っ掻き効果により摩擦力を向上させるタイヤが知られている。しかしながら、このような硬質粒子がトレッド面に露出する構造では、道路路面を過度に傷つけて損傷させるデメリットがある。
或いは、湿潤路面に対するタイヤの摩擦力を向上させるために、例えば、ゴム組成物に配合する配合剤および添加物が種々工夫されている(例えば、特許文献1参照)。即ち、従来、摩擦力を向上させるために特別なゴム組成物を開発している。換言すると、タイヤに限らず様々なゴム構造体において、接触表面に汎用の加硫ゴムなどが用いられる構造の場合は、対象面に対して動摩擦力を向上させることが難しい。それ故、接触する対象面に不要な傷を付けることなく、対象面に対する動摩擦力を向上させる汎用性が高いゴム構造体を実現するには改善の余地がある。
特開2001-335664号公報
本発明の目的は、使用初期において接触する対象面に不要な傷を付けることなく、対象面に対する動摩擦力を向上させることができる汎用性が高いゴム構造体の構造およびゴム構造体の使用方法を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明のゴム構造体は、加硫ゴムとこの加硫ゴムに埋設された剛体とを備えて、使用時に対象面に接触する接触表面を有するゴム構造体の構造であって、前記剛体が埋設されている前記加硫ゴムからなる前記接触表面から所定深さの前記接触表面の近傍領域に前記剛体が前記接触表面から露出しない状態で散在していて、前記剛体のヤング率が前記加硫ゴムのヤング率の50%以下または200%以上であることを特徴とする。
本発明の別のゴム構造体の構造は、加硫ゴムとこの加硫ゴムに埋設された剛体とを備えて、使用時に対象面に接触する接触表面を有するゴム構造体の構造であって、前記剛体が埋設されている前記加硫ゴムからなる前記接触表面から所定深さの前記接触表面の近傍領域に前記剛体が前記接触表面から露出しない状態で散在していて、前記剛体の密度が前記加硫ゴムの密度の70%以下または130%以上であることを特徴とする。
本発明のゴム構造体の使用方法は、上記のゴム構造物の構造を備えたゴム構造体の使用方法であって、前記剛体の直径相当寸法が、前記対象面の算術平均高さSaの30%以上、前記所定深さが1mm未満であり、前記対象面に対して前記接触表面を摺動させるように前記ゴム構造体を前記対象面に対して相対移動させることを特徴とする。
本発明のゴム構造体の構造では、前記加硫ゴムに埋設された前記剛体が、前記接触表面から所定深さの前記接触表面の近傍領域に前記接触表面から露出しない状態で散在していて、前記剛体のヤング率または前記剛体の密度を、前記加硫ゴムに対して顕著に変化させている。このようにゴム構造体において接触表面の近傍領域での剛性(ヤング率)や密度を周囲の加硫ゴムとは顕著に異なる構造にすることで、接触表面を対象面に摺動させると、剛体が埋設されていない場合に比して、ゴム構造体のヒステリシスロスが大きくなる。これに伴い、接触表面に汎用の加硫ゴムが用いられていても対象面に対する動摩擦力が向上する。また、剛体は接触表面に露出していないので、ゴム構造体の使用初期においては、剛体によって対象面に不要な傷を付けることがない。
本発明のゴム構造体の使用方法では、前記剛体の直径相当寸法が、前記対象面の算術平均高さSaの30%以上、前記所定深さが1mm未満の条件にする。この条件下で、前記対象面に対して前記接触表面を摺動させるように前記ゴム構造体を前記対象面に対して相対移動させることで、対象面に対する動摩擦力をより効果的に向上させることができる。
本発明の構造が採用されているゴム構造体を、断面視で模式的に例示する説明図である。 図1のA矢視図である。 図1のゴム構造体の接触表面を対象面に接触させた状態を拡大して模式的に例示する説明図である。 ゴム構造体であるタイヤの右半分を、幅方向断面視で例示する説明図である。 図3のゴム構造体を対象面に対して相対移動させている状態を模式的に例示する説明図である。 ゴム構造体の対象面に対する動摩擦力と剛体のヤング率との関係を例示するグラフ図である。 ゴム構造体の対象面に対する動摩擦力と剛体の密度との関係を例示するグラフ図である。 ゴム構造体の対象面に対する動摩擦力と剛体の接触表面からの深さ位置との関係を例示するグラフ図である。 ゴム構造体の対象面に対する動摩擦力と剛体の直径との関係を例示するグラフ図である。
本発明のゴム構造体の構造およびゴム構造体の使用方法を、図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1~図3に例示する実施形態のゴム構造体1には本発明の構造が採用されていて、使用時に対象面5に接触する接触表面2を有し、対象面5に対する動摩擦力が大きいことが特徴である。即ち、このゴム構造体1の構造を採用することで、動摩擦係数を高くすることが可能になっている。この動摩擦係数はJIS K7125に規定された試験方法に準拠して測定することができる。
ゴム構造体1は、加硫ゴム3と加硫ゴム3に埋設された剛体4とを備えている。接触表面2から所定深さhの接触表面2の近傍領域Rには剛体4が接触表面2から露出しない状態で散在している。剛体4が埋設されている接触表面2の近傍領域Rとは、所定深さh(剛体4と接触表面2との最短距離)が例えば、接触表面2から0.05mm以上1mm未満の範囲である。尚、適切な所定深hは、剛体4の大きさや対象面5の粗さに応じて異なることがあり、包括的にいえば10mm以下の範囲になる。
この近傍領域Rよりも深い領域にも剛体4が埋設されていてもよいが、近傍領域Rよりも深い領域に剛体4が埋設されていても、ゴム構造体1の動摩擦力の向上をそれ程期待できない。したがって、この実施形態では剛体4は、近傍領域Rのみに埋設されている。また、この実施形態では、多数の剛体4が上下二層の状態で散在しているが、多層状態や単層状態で散在してもよい。
第1の実施形態では剛体4のヤング率は、加硫ゴム3のヤング率の50%以下または200%以上に設定されている。加硫ゴム3のヤング率は概ね0.9MPa以上1.1MPa以下の範囲である。加硫ゴム3は汎用のゴム組成物で形成することができる。
したがって、第1の実施形態ではゴム構造体1は、接触表面2の近傍領域Rが周囲とは顕著にヤング率を異ならせた剛性分布を有する構造になっている。接触表面2の近傍領域Rが周囲とは顕著にヤング率を小さくした剛性分布を有する構造にすることも、顕著にヤング率を大きくした剛性分布を有する構造にすることもできる。
剛体4としては、金属粒子、樹脂粒子、無機充填剤粒子を例示できる。具体的には、金属粒子としては、加硫ゴム3よりも硬い鋼球、アルミニウム球などを用いることができる。樹脂粒子としては、加硫ゴム3よりも硬い硬質樹脂球、加硫ゴム3よりも柔らかい軟質樹脂球などを用いることができる。無機充填剤粒子としては加硫ゴム3よりも硬いシリカなどを用いることができる。
剛体4は粒状体(球状体)に限らず、棒状体であってもよい。剛体4の断面形状は円形、楕円形の他に、三角形、四角形などの様々な多角形であってもよいが、できるだけ表面には角(特に鋭角な角)がない形状にすることが好ましい。剛体4の表面に角が存在していると、加硫ゴム3の傷の起点になり易いためである。
剛体4の直径d(直径相当寸法d)は例えば、0.1mm以上2.0mm以下である。円形断面以外の剛体4を対象にした直径相当寸法dとは、その断面形状の外接円の直径の80%である。
すべての剛体4を同じ仕様にして、例えば同じ材質で同じ断面形状および直径相当寸法にすることもできる。或いは、異なる仕様の剛体4を混在させることもできる。例えば、同じ材質で直径相当寸法dを0.1mm以上2.0mm以下の範囲で異ならせた剛体4を混在させることもできる。
それぞれの剛体4は、隣り合って配置されるどうしの間隔mが剛体4の直径相当寸法d(隣り合う剛体4のうちより小さい直径相当寸法d)の50%以上200%以下程度にして散在させるとよい。剛体4の配置密度が高過ぎても低過ぎてもゴム構造体1の摩擦力を向上させ難くなるためである。
ゴム構造体1の形状はブロック状体に限らず、図4に例示するように、円環状のタイヤ1Aの場合もある。図4中の一点鎖線CLはタイヤ幅方向中心を示している。タイヤ1Aでは、接触表面2はトレッド面2Aとなる。タイヤ1Aの場合の対象面5は、トレッド面2Aが接地するアスファルト路面等になる。ゴム構造体1としては、その他にブレーキパッド、シール材(パッキン)などを例示できる。
ゴム構造体1の構造の第2の実施形態としては、第1の実施形態の剛体4のヤング率を特定した構造に代えて、剛体4の密度を特定した構造にすることもできる。
第2の実施形態では、接触表面2から所定深さhの接触表面2の近傍領域Rに剛体4が接触表面2から露出しない状態で散在していて、剛体4の密度が加硫ゴム3の密度の70%以下または130%以上に設定されている。剛体4の密度の上限は例えば加硫ゴム3の密度の2500%程度である。加硫ゴム3の密度は概ね900kg/m3以上1500kg/m3以下の範囲である。
したがって、第2の実施形態ではゴム構造体1は、接触表面2の近傍領域Rが周囲とは顕著に密度を異ならせた密度分布を有する構造になっている。接触表面2の近傍領域が周囲とは顕著に密度を小さくした密度分布を有する構造にすることも、顕著に密度を大きくした密度分布を有する構造にすることもできる。ゴム構造体1のその他の構成は、第1の実施形態で説明した同様のアレンジを第2の実施形態においても適用することができる。
上述したそれぞれの実施形態のゴム構造体1の使用方法は、以下のとおりである。
対象面5は表面に様々な凹部6a、凸部6bを有する凹凸面になっている。ゴム構造体1の使用条件は、剛体4の直径相当寸法dが対象面5の算術平均高さSaの30%以上、かつ、剛体4が埋設されている所定深さhが、0.05mm以上1mm未満であることが望ましい。この条件を満たす凹凸を有する対象面5にすることで、ゴム構造体1の動摩擦力をより効果的に向上させることができる。
そして、図3に例示するように対象面5に接触表面2を接触させたゴム構造体1を、図5に例示するように、対象面5に向かって所定圧力で押圧した状態にする。この時の押圧力は、ゴム構造体1の使用条件に応じた圧力になる。これにより、接触表面2が対象面5に押し込まれた状態になる。詳述すると、対象面5の凸部6bに接触表面2が押し込まれた状態(凸部6bが接触表面2に喰い込んだ状態)になる。対象表面5の凹凸具合、ゴム構造体1に付与される押圧力などに応じて、近傍領域Rの変形具合は異なる。
この状態で、対象面5に対して接触表面2を摺動させるようにゴム構造体1を対象面5に対して相対移動させる。相対移動方向は、図5の矢印で示すように対象面5の面に沿った方向である。対象面5を固定してゴム構造体1を移動させてもよく、ゴム構造体1を固定して対象面5を移動させることもできる。ゴム構造体1は近傍領域Rを変形させながら相対移動して、その際の抵抗力として動摩擦力が生じる。
ゴム構造体1がタイヤ1Aの場合は、接触表面2はトレッド面2Aとなる。そして、路面などの対象面5にトレッド面2Aが押圧された状態で、タイヤ1Aを転動させる。即ち、トレッド面2Aを対象面5に沿った接線方向に移動させてタイヤ1Aを対象面5に摺動させるようにする。
第1の実施形態では、接触表面2の近傍領域Rでは剛性が周囲の加硫ゴム3と顕著に異なっていることに起因して、接触表面2を対象面5に摺動させると、剛体4が埋設されていない場合に比して、ゴム構造体1(近傍領域R)のヒステリシスロスが大きくなる。これに伴い、接触表面2の周辺では発熱が促進されて、ゴム構造体1に汎用の加硫ゴム3が用いられていても対象面5に対する動摩擦力が向上する。
第2の実施形態では、接触表面2の近傍領域では密度が周囲の加硫ゴム3と顕著に異なっていることに起因して、接触表面2を対象面5に摺動させると、剛体4が埋設されていない場合に比して、ゴム構造体1(近傍領域R)のヒステリシスロスが大きくなる。これに伴い、接触表面2の周辺では発熱が促進されて、ゴム構造体1に汎用の加硫ゴム3が用いられていても対象面5に対する動摩擦力が向上する。
また、それぞれの実施形態では、剛体4は接触表面2に露出していない。それ故、それぞれの剛体4を覆っている加硫ゴム3が摩耗して剛体4が露出するまでの期間、即ち、少なくともゴム構造体1の使用初期においては、剛体4によって対象面5に不要な傷を付けることがない。
したがって、ゴム構造体1がタイヤ1Aの場合は、タイヤ1Aの少なくとも使用初期では、道路路面に不要な傷を付けることなく、優れたグリップ力を発揮する。ゴム構造体1がブレーキパッドやシール材の場合はそれぞれ、少なくともその使用初期では、対象面5に不要な傷を付けることなく、優れた制動性能、優れたシール性能を発揮する。
また、それぞれの実施形態において、相対移動速度は概ね0.1m/s以上の範囲である。相対移動速度の上限値はゴム構造体1が実用上、耐え得る速度である。相対移動速度が速くなるに連れて動摩擦力が向上する傾向がある。
第1の実施形態の動摩擦力に対する剛体4のヤング率による影響(一般的な傾向)を、図6に基づいて説明する。図6に記載されているデータは、ゴム構造体1に埋設された球状の剛体4のヤング率のみを異ならせて、共通条件下で対象面5に対して接触表面2を摺動させるようにゴム構造体1を対象面5に沿って相対移動させた場合に生じる動摩擦力を算出したものである。対象面5の算術平均高さSaは1.0mm、接触表面2を対象面5に対して0.2mm程度押し込んだ設定にした。縦軸は動摩擦力の大きさを指数で示していて、数値が大きくなるに連れて(矢印の方向に向かって)動摩擦力が大きいことを意味する。加硫ゴム3のヤング率は1MPaであり、ゴム構造体1に剛体4が埋設されていない場合のデータを△で示している。即ち、図6の破線で示す動摩擦力の大きさが、剛体4が埋設されていないゴム構造体1での動摩擦力である。図6に示すように、ヤング率が加硫ゴム3に対して顕著に異なる剛体4が近傍領域Rに埋設されることで、剛体4が埋設されていな場合に比して動摩擦力が向上する。尚、剛体4のヤング率を過剰に大きくしても動摩擦力が大幅に向上することはない。
第2の実施形態の動摩擦力に対する剛体4の密度による影響(一般的な傾向)を、図7に基づいて説明する。図7に記載されているデータは、ゴム構造体1に埋設された球状の剛体4の密度のみを異ならせて、共通条件下で対象面5に対して接触表面2を摺動させるようにゴム構造体1を対象面5に沿って相対移動させた場合に生じる動摩擦力を算出したものである。対象面5の算術平均高さSaは1.0mm、接触表面2を対象面5に対して0.2mm程度押し込んだ設定にした。加硫ゴム3の密度は1500kg/m3であり、ゴム構造体1に剛体4が埋設されていない場合のデータを△で示している。即ち、図7の破線で示す動摩擦力の大きさが、剛体4が埋設されていないゴム構造体1での動摩擦力である。図7に示すように、密度が加硫ゴム3に対して顕著に異なる剛体4が近傍領域Rに埋設されることで、剛体4が埋設されていな場合に比して動摩擦力が向上する。尚、剛体4の密度を過剰に大きくすると、ある程度までは相応に動摩擦力も大きくなる。
それぞれの実施形態の動摩擦力に対する剛体4の深さ位置による影響(一般的な傾向)を図8に基づいて説明する。この深さ位置とは、剛体4と接触表面2との最短距離である。図8に記載されているデータは、ゴム構造体1に埋設された球状の剛体4の深さ位置のみを異ならせて、共通条件下で対象面5に対して接触表面2を摺動させるようにゴム構造体1を対象面5に沿って相対移動させた場合に生じる動摩擦力を算出したものである。対象面5の算術平均高さSaは1.0mm、接触表面2を対象面5に対して0.2mm程度押し込んだ設定にした。ゴム構造体1に剛体4が埋設されていない場合のデータを△で示している。即ち、図8の破線で示す動摩擦力の大きさが、剛体4が埋設されていないゴム構造体1での動摩擦力である。図8に示すように、深さ位置が小さい程、剛体4が埋設されていな場合に比して動摩擦力が向上する。尚、深さ位置がある程度大きくなると、動摩擦力を向上させる効果がなくなる。
それぞれの実施形態の動摩擦力に対する剛体4の大きさ(直径d)による影響(一般的な傾向)を図9に基づいて説明する。図9に記載されているデータは、ゴム構造体1に埋設された球状の剛体4の直径のみを異ならせて、共通条件下で対象面5に対して接触表面2を摺動させるようにゴム構造体1を対象面5に沿って相対移動させた場合に生じる動摩擦力を算出したものである。。対象面5の算術平均高さSaは1.0mm、接触表面2を対象面5に対して0.2mm程度押し込んだ設定にした。ゴム構造体1に剛体4が埋設されていない場合のデータを△で示している。即ち、図9の破線で示す動摩擦力の大きさが、剛体4が埋設されていないゴム構造体1での動摩擦力である。図9に示すように、剛体4の直径dが大きい程、剛体4が埋設されていな場合に比して動摩擦力が向上する。
球状の剛体をゴム構造体の接触表面の近傍領域に、剛体の中心どうしの間隔を1mmにして単層状に埋設したゴム構造体のシミュレーションモデルにおいて、加硫ゴムのヤング率を1MPa、対象面の算術平均高さSaを0.5mm(高さ0.5mmの凸部が連続する凹凸面)、対象面に対する接触表面の押込み量を0.2mm、ゴム構造体の内部減衰比を1×10-6にしたことを共通条件として、剛体の仕様を表1のように異ならせて、ゴム構造体を対象面に沿って相対移動速度10m/sで摺動させた場合のゴム構造体の動摩擦力を算出した。その結果は、表1に示すとおりである。表1中の動摩擦力は、剛体が埋設されていないゴム構造体の従来例の動摩擦力を基準の100として指数で示した。指数の数値が大きくなるに連れて動摩擦力が大きいことを意味する。
Figure 0007576259000001
表1の結果から、剛体のヤング率を加硫ゴムのヤング率に対して顕著に異ならせるとともに、剛体の深さ位置を1mm未満かつ直径を0.2mm以上にしたケースNo.5~13は、従来例(剛体の埋設無し)に比して、動摩擦力が向上することが分かる。
さらに、球状の剛体をゴム構造体の接触表面の近傍領域に、剛体の中心どうしの間隔を1mmにして単層状に埋設したゴム構造体のシミュレーションモデルにおいて、加硫ゴムの密度を1500kg/m3、対象面の算術平均高さSaを0.5mm(高さ0.5mmの凸部が連続する凹凸面)、対象面に対する接触表面の押込み量を0.2mm、ゴム構造体の内部減衰比を1×10-6にしたことを共通条件として、ゴム構造体に埋設された球状の剛体の仕様を表2のように異ならせて、ゴム構造体を対象面に沿って相対移動速度10m/sで摺動させた場合のゴム構造体の動摩擦力を算出した。その結果は、表2に示すとおりである。表2中の動摩擦力は、剛体が埋設されていないゴム構造体の従来例の動摩擦力を基準の100として指数で示した。指数の数値が大きくなるに連れて動摩擦力が大きいことを意味する。
Figure 0007576259000002
表2の結果から、剛体の密度を加硫ゴムの密度に対して顕著に異ならせるとともに、剛体の深さ位置を1mm未満かつ直径を0.2mm以上にしたケースNo.1、3~8、10~13は、従来例(剛体の埋設無し)に比して、動摩擦力が向上することが分かる。
1 ゴム構造体
1A タイヤ
2 接触表面
2A トレッド面
3 加硫ゴム
4 剛体
5 対象面
6a 凹部
6b 凸部

Claims (6)

  1. 加硫ゴムとこの加硫ゴムに埋設された剛体とを備えて、使用時に対象面に接触する接触表面を有するゴム構造体の構造であって、
    前記剛体が埋設されている前記加硫ゴムからなる前記接触表面から所定深さの前記接触表面の近傍領域に前記剛体が前記接触表面から露出しない状態で散在していて、前記剛体のヤング率が前記加硫ゴムのヤング率の50%以下または200%以上であることを特徴とするゴム構造体の構造。
  2. 加硫ゴムとこの加硫ゴムに埋設された剛体とを備えて、使用時に対象面に接触する接触表面を有するゴム構造体の構造であって、
    前記剛体が埋設されている前記加硫ゴムからなる前記接触表面から所定深さの前記接触表面の近傍領域に前記剛体が前記接触表面から露出しない状態で散在していて、前記剛体の密度が前記加硫ゴムの密度の70%以下または130%以上であることを特徴とするゴム構造体の構造。
  3. 前記所定深さが、前記接触表面から0.05mm以上1mm未満の範囲である請求項1または2に記載のゴム構造体の構造。
  4. 前記剛体が金属粒子、樹脂粒子、無機充填剤粒子のいずれかである請求項1~3のいずれかに記載のゴム構造体の構造(ただし、それぞれの前記粒子の表面に金属のコーティング層を有するものを除く)
  5. 前記ゴム構造体がタイヤであり、前記接触表面がトレッド面である請求項1~4のいずれかに記載のゴム構造体の構造。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載のゴム構造物の構造を備えたゴム構造体の使用方法であって、
    前記剛体の直径相当寸法が、前記対象面の算術平均高さSaの30%以上、前記所定深さが1mm未満であり、前記対象面に対して前記接触表面を摺動させるように前記ゴム構造体を前記対象面に対して相対移動させることを特徴とするゴム構造体の使用方法。
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