以下、図面を参照して、本開示をより具体的に説明する。
[第1実施形態]
図1Aは、本開示の第1実施形態に係る手摺構造100を示す平面図である。手摺構造100が取り付けられる壁Wは、例えば鉄骨造の軸組みを有する2階建ての工業化住宅等に設けられた壁である。
なお、本願明細書、及び図面において、「スペーサ」とは、後述するブラケット10における手摺棒固定部11と手摺棒20とを手摺棒20の軸方向(中心軸線Oに沿う方向)に離間させる部位の総称である。「スペーサ」は、手摺棒20の撓みに応じて小口面20aが手摺棒固定部11に対して軸状部材を支点に傾くことができるように構成するための、実施形態の1つである。
手摺構造100が固定される壁Wは、建物において鉛直方向に延びる壁を想定しており、図1Aにおける紙面に垂直な方向が、鉛直方向である。また、図1Aにおける左右方向が、手摺構造100の左右方向(長手方向)であり、図1Aにおける上下方向が、手摺構造100の前後方向である。しかし、手摺構造100が固定される場所(固定部)はこれに限定されるものではなく、建物の腰壁上部、天井又は床等に固定されてもよい。手摺棒20における径方向外側とは、図1Aにおける手摺棒20の中心軸線Oを通り中心軸線Oに垂直な直線に沿って中心軸線Oから離れる方向であり、径方向内側とは、当該直線に沿って中心軸線Oに向かう方向を意味するものとする。
図1Aに示すように、本実施形態に係る手摺構造100は、利用者が手をかける手摺棒20と、手摺棒20の長手方向両端の小口面20a(図2参照)を固定すると共に建物の壁W(固定部)に固定されるブラケット10とを備えている。
本実施形態において、手摺棒20は、断面が略円柱形状を有する棒状部材であり、図1Aの左右方向が手摺棒20の長手方向である。手摺棒20の長手方向端部における周方向の1箇所には、ブラケット10から手摺棒20に向けて突出する回転止め18が挿入されることで手摺棒20の中心軸線O周りの回転を係止する溝状の切り欠き部24が設けられている(図1B及び図2参照)。切り欠き部24の底部は、中心軸線Oに対して傾斜している。図示の例では、切り欠き部24の底部は、小口面20aから手摺棒20の長手方向中央に向かって径方向外側に約45度傾斜している。
ここで、手摺棒20は、略円柱形状の断面を有するものに限られず、楕円形又は多角形などの断面を有するように構成してもよい。
手摺棒20の小口面20aの中心には、1本の皿木ねじ30(軸状部材)をブラケット10の手摺棒固定部11に設けられた孔(後述する突起部12に設けた取り付け穴12a)に貫通させることにより、手摺棒20の小口面20aとブラケット10の手摺棒固定部11を互いに固定する際に用いる下穴22が設けられている。すなわち、皿木ねじ30(軸状部材)を手摺棒20の小口面20aの中心に設けた下穴22に挿入し、ねじ係合又は締結などの方法を用いて固定することで、手摺棒20の小口面20aとブラケット10の手摺棒固定部11を固定している。なお、図1Aでは、下穴22の長さが皿木ねじ30の長さよりも長くなるように図示したが、この態様には限定されず、下穴22の長さが皿木ねじ30の長さより短くてもよい。また、下穴22を設けずに、手摺棒20の小口面20aにねじ込むこともできる。
手摺棒20の材料には、例えばポプラLVL(Laminated Veneer Lumber:単板積層材)を用いることができる。しかし、この態様には限定されず、手摺棒20は、他の木材、金属、合成樹脂等の他の材料を用いて形作ってもよい。
ブラケット10は、建物の壁Wに固定する基部15と、基部15から壁Wに垂直方向に立設された手摺棒固定部11、上壁13及び下壁(図示せず)と、手摺棒固定部11における基部15と反対側(利用者側)の端部を閉塞する前壁14と、手摺棒固定部11から手摺棒20側に突出して設けられ、手摺棒20の長手方向端部を径方向外側から囲んで手摺棒20の脱落を抑制する筒壁部16と、手摺棒固定部11上に一体に設けられ、手摺棒20の小口面20aが当接する突起部12(スペーサ)(図2参照)とを備えている。
手摺棒固定部11には、手摺棒20側に突出し、上述の切り欠き部24に入り込んで手摺棒20の中心軸線O周りの回転を係止する回転止め18が固定されている。
ブラケット10は、図1Aにおける右側が開放されており、手摺構造100の取付作業者は、開放された側から皿木ねじ30にアクセスすることができる。なお、手摺構造100を壁Wに固定した後は、ブラケット10の開放部を化粧板等により閉塞することができる。本実施形態では、基部15、手摺棒固定部11、突起部12、上壁13、下壁、前壁14、筒壁部16及び回転止め18は、亜鉛ダイキャストにより一体形成されている。なお、亜鉛以外の他の金属材料等を用いてもよいし、ブラケット10を複数の部材を組み立てることにより構成してもよい。回転止め18は、手摺棒固定部11とは別部材であってもよい。
基部15は、例えば図示しない取り付け穴(貫通孔)を備えることができ、木ねじ及び当該取り付け穴によって壁Wにねじ固定することができる。しかし、この態様には限定されず、基部15は、他の係合、接着等の手段によって壁Wに固定することもできる。
突起部12は、図2に示すように、手摺棒固定部11上に一体形成され、手摺棒20側に突出する部位である。突起部12は、略ドーム状に突出しており、突起部12の径方向中央位置(中心軸線O上)には、皿木ねじ30を貫通させて手摺棒固定部11と手摺棒20とを固定するための取り付け穴12aが設けられている。すなわち、皿木ねじ30がスペーサである突起部12を貫く構成となっている。突起部12は、図2に示すように、ブラケット10における手摺棒固定部11と手摺棒20とを手摺棒20の中心軸線Oに沿
う方向に離間させる部位であり、本実施形態において「スペーサ」の役割を果たしている。
すなわち、突起部12は、手摺棒20の撓みに応じて小口面20aが手摺棒固定部11に対して軸状部材を支点に傾くことができるように構成するための、実施形態の1つである。
皿木ねじ30は、頭部31が皿状形状を有する木ねじであり、図2に示すように、頭部31が突起部12における手摺棒20とは反対側の面に形成された凹所に入り込んで手摺棒固定部11と手摺棒20とを締結する。
本実施形態において、突起部12の外径は、手摺棒20の外径よりも小さく構成されている。従って、小口面20aと手摺棒固定部11との間の領域であって、突起部12の径方向外側且つ小口面20aの外周端よりも径方向内側の領域に空間が形成されている。これによって、突起部12の径方向外側の領域は、手摺棒固定部11と手摺棒20との間の隙間を形成しており、手摺棒20の小口面20aは、外周部が手摺棒固定部11に当接することなく、皿木ねじ30が配置された中心軸線O上近傍における突起部12を支点に傾くことができる。従って、利用者が手摺棒20につかまることで手摺棒20の長手方向中央部に撓み方向の荷重がかかっても、手摺棒20の小口面20aは、手摺棒固定部11(小口面20aに対向する面)に対して、皿木ねじ30近傍の突起部12(皿木ねじ30の小口面20aと手摺棒固定部11の間における部位)を支点に傾くため、皿木ねじ30に対して引き抜き力がかかるのを抑制することができる。
本実施形態では、突起部12に設けられた取り付け穴12aの内径は、皿木ねじ30のねじ部33の外径よりも僅かに大きく形成されている。この構成によって、手摺棒20の小口面20aが突起部12上で傾く際に、皿木ねじ30が取り付け穴12aに当接して小口面20aの傾きが妨げられてしまうのを抑制することができる。
回転止め18は、図1B及び図2に示すように、切り欠き部24に対応する周方向位置において、手摺棒固定部11と筒壁部16とを斜めに掛け渡すように設けられており、図2における紙面に垂直方向の幅が切り欠き部24の同方向の幅よりも僅かに狭く形成されている。すなわち、回転止め18は、手摺棒固定部11に固定されるとともに手摺棒固定部11から手摺棒20に向けて突出し、手摺棒20に設けられた切り欠き部24に対して遊嵌している。なお、遊嵌とは、特定の方向(本実施形態では中心軸線Oに沿う方向)に相対移動できる状態で、嵌め合わせされることを意味している。すなわち、回転止め18は、手摺棒20の中心軸線O周りの回転に対しては、切り欠き部24の側面24aに即座に当接する一方、切り欠き部24内を中心軸線Oに沿う方向に比較的自由に相対移動することができる。
特に、本実施形態では、回転止め18と切り欠き部24は、図1Bにおける周方向(図2における紙面に垂直方向)に隙間を有して遊びを形成する。この遊びを極力小さくすることによって、手摺棒20の中心軸線O周りのガタつきを小さくした状態で、互いに嵌め合わせられて係止することができる。
このような構成によって、手摺棒20を中心軸線O周りに回転させようとしても、回転止め18の側面18aが切り欠き部24の側面24aに当接して手摺棒20の更なる回転を係止する(図1B等参照)。これによって、手摺棒20の小口面20aを、中心軸線O上の1点のみでブラケット10に固定した場合でも、手摺棒20がブラケット10に対して中心軸線O周りに回転するのを効果的に抑制することができる。
この場合、ブラケット10側には回転止め18を一体形成し、手摺棒20側には切り欠き部24を僅かな後加工により形成することができるので、簡素な手段で手摺棒20の中心軸線O周りの回転を抑制することができる。
本実施形態では、回転止め18を切り欠き部24内に入り込ませることによって手摺棒20の中心軸線O周りの回転を係止制するように構成したが、この態様には限定されない。例えば、図3Aに示す第1変形例のように、皿木ねじ30(ねじ部33)を中心軸線Oに対して前方(図の上方)にオフセットさせると共に、オフセット方向とは直交する鉛直方向(図の左右方向)における手摺棒20と筒壁部16との径方向の隙間が小さくなるように構成してもよい。すなわち、筒壁部16(回転止め)は、手摺棒固定部11に固定されるとともに手摺棒固定部11から手摺棒20に向けて突出し、手摺棒20を外側から係止していてもよい。このような構成の採用によって、手摺棒20に回転モーメントが加わって手摺棒20が皿木ねじ30及び突起部12を中心に回転しようとすると、手摺棒20の外周面が鉛直方向に近接して配置された筒壁部16に当接してそれ以上手摺棒20が回転するのを阻止する。この場合、ブラケット10に設けられた筒壁部16が回転止めの役割を果たすことになる。第1変形例においても、手摺棒20の外周面と筒壁部16との隙間が遊びを形成する。この遊びを極力小さくすることによって、手摺棒20の中心軸線O周りのガタつきを小さくした状態で、係止することができる。
本実施形態において、手摺棒20、ブラケット10、軸状部材、スペーサ、回転止め等の部材・部品を互いに固定する手段は、特に限定されるものではなく、各部材・部品の機能を果たす限り、材料に応じて適宜選択することができる。予め製造工場において溶接、接着などにより一体化して製作してもよく、ねじ係合、締結、嵌合などの汎用的な手段を用いて、建物の施工現場等において組み立てる態様であってもよい。後述する各実施形態および各変形例についても同様である。
また、図3Bに示す第2変形例のように、雌ねじ部19により手摺棒固定部11にねじ係合されたビス35の先端部を、手摺棒20の小口面20aに設けられた有底孔26に進入させてもよい。すなわち、ビス35(回転止め)は、手摺棒固定部11に固定されるとともに手摺棒固定部11から手摺棒20に向けて突出し、ビス35(回転止め)が、手摺棒20に設けられた下穴である有底孔26に対して挿入されたとき、孔底又は孔壁に接触せずに隙間を有した状態で遊びを設けて、嵌合していてもよい。このような構成によって、手摺棒20が中心軸線O周りに回転しようとすると、手摺棒固定部11に一体化されたビス35の先端部外面が有底孔26の内面に当接することで手摺棒20の回転を抑止するように作用する。なお、ビス35を手摺棒固定部11にねじ係合させる代わりに、手摺棒固定部11から手摺棒20側に突出した凸部が有底孔26に嵌合するように構成してもよい。第2変形例においても、有底孔26の内径とビス35の外径との径方向の隙間が遊びを形成する。この遊びを極力小さくすることによって、手摺棒20の中心軸線O周りのガタつきを小さくした状態で、互いに嵌め合わせられて係止することができる。
また、図3Cに示す第3変形例のように、ビス35が手摺棒固定部11に設けられた貫通孔19aを通って手摺棒20側に小口面20aに垂直に突出し、ビス35の頭部が手摺棒固定部11から浮いた状態で、ビス35の先端部が手摺棒20の小口面20aにねじ係合されていてもよい。すなわち、ビス35(回転止め)は、手摺棒20に固定されるとともに手摺棒20から手摺棒固定部11に向けて突出し、手摺棒固定部11の貫通孔19aに対して遊嵌して係止されていてもよい。
図3Cにおいて、貫通孔19aの大きさは、貫通するビス35に対して、十分なクリアランスを有する。すなわち、ビス35の胴体の径寸法は、手摺棒固定部11の貫通孔19aの孔径より小さい寸法であるため、貫通状態において隙間(遊び)が設けてられている。
また、ビス35の胴体の外周面は、ねじ山が設けられた部位とねじを切らない平滑な部位を有し、貫通孔19aに収まる部位は、平滑な外周面である。
このような構成によって、手摺棒20が中心軸線O周りに回転しようとすると、手摺棒20と一体化されたビス35の平滑な部位の外面が貫通孔19aの内面に当接することで手摺棒20の回転を抑止するように作用するとともに手摺棒20の軸線方向の相対移動を制限せずに許容している。
第3変形例においては、貫通孔19aの内径とビス35の外径との径方向の隙間が遊びを形成する。この遊びを極力小さくしつつ、貫通孔19aとビス35との摩擦力を最小化している。
手摺棒20の撓みにより小口面20aが僅かに傾き、小口面20aとブラケット10との距離に変化が生じても、ビス35(回転止め)が抜け(はずれ)たり、小口面20aの傾きに抵抗するビス35(回転止め)に引張/圧縮応力が生じることなく、手摺棒20の中心軸線O周りのガタつきを小さくした状態で、互いに嵌め合わせられて係止することができる。
なお、図3Cにおいて、ビス35は、金属製のほか樹脂製であってもよく、ビス35は、手摺棒固定部11の貫通孔19aに対して遊嵌して係止されていればよく、頭部を有していなくてもよい。
第3変形例をさらに変形した実施形態(図示無し)として、貫通孔19aの代わりに、手摺棒固定部11に有底孔(凹部)を設け、その凹部にビス35の頭を挿入して遊嵌させてもよい。
また、図3Dに示す第4変形例のように、皿木ねじ30(ねじ部33)を手摺棒20の断面視で円形状の中心点から偏心した位置にねじ込ませること、すなわち、中心軸線Oに対して前方(図の上方)にオフセットさせると共に、中心軸線Oの後方(図の下方)における上下2箇所に係止壁16aを設けて、手摺棒20と係止壁16aとの径方向の隙間が小さくなるように構成してもよい。すなわち、係止壁16a(回転止め)は、手摺棒固定部11に固定されるとともに手摺棒固定部11から手摺棒20に向けて突出し、手摺棒20を外側から係止していてもよい。このような構成の採用によって、手摺棒20に回転モーメントが加わって手摺棒20が皿木ねじ30及び突起部12を中心に回転しようとすると、手摺棒20の外周面が一方の係止壁16aに当接してそれ以上手摺棒20が回転するのを阻止する。この場合、ブラケット10に設けられた係止壁16aが回転止めの役割を果たすことになる。第4変形例においても、手摺棒20の外周面と係止壁16aとの隙間が遊びを形成する。この遊びを極力小さくすることによって、手摺棒20の中心軸線O周りのガタつきを小さくした状態で、係止することができる。
なお、第1変形例及び第4変形例では、円形の断面を有する手摺棒20の中心軸線Oに対して皿木ねじ30をオフセットさせることによって筒壁部16又は係止壁16aが手摺棒20の回転を係止するように構成したが、この態様には限定されない。手摺棒20が楕円形又は多角形などの断面を有するように構成し、係止壁16aを、例えば、楕円の短軸上又は多角形の任意の辺に近接させて、配置することによって回転止めとして機能するように構成してもよい。
以上述べたように、本実施形態は、手摺棒20と、手摺棒20の両端を固定すると共に建物の固定部(壁W)に固定されるブラケット10とを備える手摺構造100であって、ブラケット10における手摺棒固定部11には、手摺棒20の小口面20aが軸状部材で固定されており、手摺棒20の撓みに応じて小口面20aが手摺棒固定部11に対して軸状部材を支点に傾くことができるように構成されている。特に、本実施形態では、スペーサを介して手摺棒20の小口面20aが軸状部材(皿木ねじ30)で固定されており、小口面20aと手摺棒固定部11との間の領域であって、スペーサの径方向外側の領域に空間が形成されるように構成した。このような構成の採用によって、スペーサの径方向外側の領域は、手摺棒固定部11と手摺棒20との間の隙間を形成するため、手摺棒20の小口面20aの外周部が手摺棒固定部11に当接することなく、小口面20aが手摺棒固定部11に対して傾くことができる。従って、利用者が手摺棒20につかまることで手摺棒20の長手方向中央部に撓み方向の荷重がかかっても、手摺棒20の小口面20aが手摺棒固定部11に対して傾くときに手摺棒固定部11を押圧する荷重を低減することができる。そのため、当該軸状部材にかかる引き抜き力を低減することができる。
また、本実施形態では、スペーサは、手摺棒固定部11において手摺棒20側に突出して設けられた突起部12であるように構成した。このような構成の採用によって、スペーサを手摺棒固定部11と容易に一体化して部品点数や製造工程を少なくすることができる。
また、本実施形態では、手摺棒固定部11には、手摺棒20の小口面20aが1つの軸状部材で固定されように構成した。このような構成の採用によって、手摺棒20の長手方向中央部に撓み方向の荷重がかかっても、手摺棒20の小口面20aは、当該1つの軸状部材近傍のスペーサを支点に傾くため、当該1つの軸状部材に対して引き抜き力がかかるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、ブラケット10には、手摺棒20の軸周り(中心軸線O周り)の回転を係止する回転止め18が固定されるように構成した。このような構成の採用によって、手摺棒20の小口面20aが1つの軸状部材で固定される場合でも、手摺棒20の軸周りの回転を抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、本開示の第1実施形態のスペーサの変形例である、第2実施形態に係る手摺構造200について、図4等を用いて説明する。図4は、第1実施形態における図2に対応する図面であり、手摺構造200におけるなべ木ねじ130部分の拡大図である。
なお、本実施形態は、第1実施形態と比較して、突起部12の代わりにスペーサ112を設けた他は、第1実施形態の構成と近似している。従って、第1実施形態との差異点を中心に説明する。
図4に示すように、本実施形態に係る手摺構造200は、利用者が手をかける手摺棒20と、手摺棒20の長手方向両端の小口面20aを固定すると共に建物の壁(図示せず)に固定されるブラケット110とを備えている。
ブラケット110は、第1実施形態と同様に手摺棒固定部111を備えており、手摺棒固定部111と手摺棒20の小口面20aとの間には、スペーサ112が配置されている。スペーサ112は、図4に示すように手摺棒20よりも直径が小さく、ブラケット110における手摺棒固定部111と手摺棒20とを手摺棒20の中心軸線Oに沿う方向に離間させる部材である。
なべ木ねじ130は、頭部131がなべ型形状を有する木ねじである。図4に示すように、1本のなべ木ねじ130(軸状部材)のねじ部133を貫通孔111a及び取り付け穴112a(貫通孔)を通して手摺棒20に係合させ、頭部131が手摺棒固定部111に当接することで手摺棒固定部111と手摺棒20とを締結する。
スペーサ112は、リング状部材であり、径方向中央部には、なべ木ねじ130を貫通させて手摺棒固定部111と手摺棒20とを固定するための取り付け穴112aが設けられている。なお、本実施形態においても、取り付け穴112aの内径は、なべ木ねじ130のねじ部133の外径よりも僅かに大きく形成されている。スペーサ112の材料には、例えば硬質ゴム等のゴム材料や、合成樹脂、金属等を用いることができる。
スペーサ112の外径は、図4に示すように、手摺棒20の外径よりも小さく構成されている。このような構成によって、スペーサ112の径方向外側の領域は、手摺棒固定部111と手摺棒20との間の隙間を形成しており、手摺棒20の小口面20aは、外周部が手摺棒固定部111に当接することなく、なべ木ねじ130の近傍におけるスペーサ112上を支点に傾くことができる。従って、利用者が手摺棒20につかまることで手摺棒20の長手方向中央部に撓み方向の荷重がかかっても、手摺棒20の小口面20aは、手摺棒固定部11(小口面20aに対向する面)に対して、なべ木ねじ130が配置されている中心軸線O近傍のスペーサ112(なべ木ねじ130の小口面20aと手摺棒固定部11の間における部位)を支点に傾くため、なべ木ねじ130に対して引き抜き力がかかるのを抑制することができる。
図4に示すように、スペーサ112の外径が手摺棒20の外径より小さくなるようにして、スペーサ112の径方向外側且つ小口面20aの外周端よりも径方向内側の領域に空間が形成されることが好ましいが、この態様には限定されない。スペーサ112の外径が手摺棒20の外径と同じか、又は手摺棒20の外径より大きくてもよい。但し、この場合、スペーサ112は、手摺棒20よりも中心軸線O方向の圧縮剛性が小さいことが必要である。
スペーサ112の外径が手摺棒20の外径と同じである場合、手摺棒20の長手方向中央部に撓み方向の荷重がかかると、手摺棒20の小口面20aが傾き、当該荷重方向における手摺棒20の小口面20aの外周部が手摺棒固定部111に近づく。そのため、小口面20aの当該外周部において、スペーサ112が中心軸線O方向に圧縮されるため、その圧縮荷重に相当する引き抜き荷重がなべ木ねじ130に作用する。しかし、当該圧縮荷重は、スペーサ112の中心軸線O方向の圧縮剛性が小さい部材であるほど小さくなる。従って、スペーサ112の材料として、手摺棒20よりも中心軸線O方向の圧縮剛性が小さい部材を選択することによって、手摺棒20の撓み変形に対してなべ木ねじ130にかかる引き抜き荷重を低減することができる。
なお、スペーサ112が、手摺棒20よりも中心軸線O方向の圧縮剛性が小さいか否かは、図5に示す測定手段によって測定することができる。
圧縮剛性の測定は、互いに固定されていない状態の、手摺棒20と、スペーサ112とを、手摺構造200と同様に手摺棒20の長手方向に直列配置し、高い剛性を備えるブラケット110の代わりに設置した試験用壁TWに対して矢印の向きに所定荷重で押圧する。図5は、手摺棒20とスペーサ112が共に同じ直径Dを有する場合を示している。押圧時に、手摺棒20の軸方向(中心軸線Oに沿う)の長さTがT’に変化し、スペーサ112の軸方向の長さSがS’に変化する場合を考えると、スペーサ112が手摺棒20よりも圧縮剛性が小さいと言えるためには、以下の数式(1)が成立すればよい。
上記の数式(1)の左辺は、手摺棒20の中心軸線Oに沿う方向の圧縮歪み、数式(1)の右辺は、スペーサ112の圧縮歪みである。数式(1)が成立するためには、例えば、スペーサ112の中心軸線O方向の縦弾性係数が手摺棒20の縦弾性係数よりも小さくなるように、スペーサ112及び手摺棒20の材質を選択すればよい。また、所定荷重で押圧したときの圧縮変形は、必ずしも可逆的な弾性変形である必要は無い。スペーサ112は、例えば発泡性部材のように、塑性変形を伴って圧縮変形するものであってもよい。また、スペーサ112は、例えば中心軸線O方向に圧縮変形し易い圧縮コイルばねなど、材料自体の縦弾性係数は小さくないものの、スペーサ112の形状に起因して圧縮剛性が小さくなるように構成されたものであってもよい。
以上述べたように、本実施形態は、手摺棒20と、手摺棒20の両端を固定すると共に建物の固定部(壁W)に固定されるブラケット110とを備える手摺構造200であって、ブラケット110における手摺棒固定部111には、手摺棒20の小口面20aが軸状部材で固定されており、手摺棒の撓みに応じて小口面20aが手摺棒固定部111に対して軸状部材を支点に傾くことができるように構成されている。特に、本実施形態では、
スペーサ112を介して手摺棒20の小口面20aが軸状部材(なべ木ねじ130)で固定されており、スペーサ112は、手摺棒20よりも手摺棒20の軸方向(中心軸線Oに沿う方向)の圧縮剛性が小さくなるように構成した。このような構成の採用によって、スペーサ112が手摺棒20よりも中心軸線Oに沿う方向に圧縮変形し易いため、手摺棒20の撓みに伴う小口面20aの傾きによりスペーサ112が中心軸線O方向に圧縮される。すると、圧縮荷重に相当する引き抜き荷重がなべ木ねじ130に作用するが、当該圧縮荷重は、スペーサ112の中心軸線O方向の圧縮剛性が小さいほど小さくなる。従って、スペーサ112の材料として、手摺棒20よりも中心軸線O方向に圧縮剛性が小さく圧縮変形し易い部材を選択することによって、手摺棒20の撓み変形に対してなべ木ねじ130にかかる引き抜き荷重を低減することができる。この効果は、スペーサ112の外径が手摺棒20の外径と同一、又は手摺棒20の外径よりも大きい場合であっても得ることができる。
また、本実施形態では、スペーサ112は、手摺棒20の軸方向における縦弾性係数が手摺棒20よりも小さくなるように構成した。このような構成の採用によって、例えば硬質ゴム製のOリングなど、素材として圧縮変形し易く量産性の高い部材をスペーサ112に採用して手摺構造200を安価に製造することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態は、第1、第2実施形態に対して、建物等の施工における作業の手間を削減することを目的として、手摺棒20に溝や下穴を設ける等の加工を施す必要がないように、構成したものである。
図6Aは、本開示の第3実施形態に係る手摺構造300における皿木ねじ30部分の平面拡大断面図である。
図6Aに示すように、本実施形態に係る手摺構造300は、利用者が手をかける手摺棒20と、手摺棒20の長手方向両端の小口面20aを固定すると共に建物の壁(固定部)に固定されるブラケット10とを備えている。
本実施形態において、手摺棒20は、略円柱形状を有する棒状部材であり、図6Aの左右方向が手摺棒20の長手方向である。
手摺棒20の小口面20aの径方向中央部には、手摺棒20を皿木ねじ30(軸状部材)によりブラケット10の手摺棒固定部11に固定する際に用いる下穴22が設けられている。図6Aの例では、下穴22の長さが皿木ねじ30の長さよりも長くなるように構成しているが、この態様には限定されず、下穴22の長さは皿木ねじ30の長さより短くてもよい。
ブラケット10は、第1及び第2実施形態と同様に壁に垂直方向に立設された手摺棒固定部11と、手摺棒固定部11上に一体に設けられ、手摺棒20の小口面20aが当接する突起部12(スペーサ)とを備えている。ブラケット10には、手摺棒固定部11から手摺棒20側に突出し、小口面20aに食い込んで手摺棒20の中心軸線O周りの回転を係止する回転止め235が固定されている。
突起部12は、図6Aに示すように、手摺棒固定部11上に一体形成され、手摺棒20側に突出する部位である。突起部12は、略ドーム状に突出しており、突起部12の径方向中央位置(中心軸線O上)には、皿木ねじ30を貫通させて手摺棒固定部11と手摺棒20とを固定するための取り付け穴12aが設けられている。すなわち、皿木ねじ30がスペーサである突起部12を貫く構成となっている。突起部12は、図6Aに示すように、ブラケット10における手摺棒固定部11と手摺棒20とを手摺棒20の中心軸線Oに沿う方向に離間させる部位であり、本実施形態において「スペーサ」の役割を果たしている。
皿木ねじ30は、頭部31が皿状形状を有する木ねじであり、図6Aに示すように、頭部31が突起部12における手摺棒20とは反対側の面に形成された凹所に入り込んで手摺棒固定部11と手摺棒20とを締結する。
本実施形態において、突起部12の外径は、手摺棒20の外径よりも小さく構成されている。従って、小口面20aと手摺棒固定部11との間の領域であって、突起部12の径方向外側且つ小口面20aの外周端よりも径方向内側の領域に空間が形成されている。これによって、突起部12の径方向外側の領域は、手摺棒固定部11と手摺棒20との間の隙間を形成しており、手摺棒20の小口面20aは、外周部が手摺棒固定部11に当接することなく、皿木ねじ30が配置された中心軸線O上近傍における突起部12を支点に傾くことができる。従って、利用者が手摺棒20につかまることで手摺棒20の長手方向中央部に撓み方向の荷重がかかっても、手摺棒20の小口面20aは、皿木ねじ30近傍の突起部12を支点に傾くため、皿木ねじ30に対して引き抜き力がかかるのを抑制することができる。
本実施形態では、突起部12に設けられた取り付け穴12aの内径は、皿木ねじ30のねじ部33の外径よりも僅かに大きく形成されている。この構成によって、手摺棒20の小口面20aが突起部12上で傾く際に、皿木ねじ30が取り付け穴12aに当接して小口面20aの傾きが妨げられてしまうのを抑制することができる。
本実施形態では、木材の手摺棒20の小口面20aにおける周方向2箇所(図6B参照)に、ブラケット10に固定された回転止め235が食い込むことで手摺棒20の中心軸線O周りの回転が係止されている。すなわち、回転止め235は、ブラケット10に対する手摺棒20の中心軸線O周りの回転を係止するとともにブラケット10に対する手摺棒20の中心軸線O方向の相対移動を制限するように手摺棒20と手摺棒固定部11の間に設けられている。回転止め235は、図6Aに示すように、中心軸線Oに沿う延在方向にわたって略同一径を有する柱部236と、柱部236の先端部から先端方向に向かって縮径する先細部237とを備えている。回転止め235は、皿木ねじ30よりも径方向外側に配置されている。本実施形態では、柱部236及び先細部237としてそれぞれ円柱形状及び円錐形状を採用しているが、この態様には限定されず、それぞれ角柱形状及び角錐形状等とするなど他の形状を採用することもできる。また、回転止め235は、柱部236を設けず、先細部237のみから構成されていてもよい。
このように、回転止め235が先細部237を有していることにより、皿木ねじ30で手摺棒固定部11と手摺棒20とを締結する際の締結力によって回転止め235の先細部237を手摺棒20の小口面20aに容易に食い込ませることができる。また、あらかじめ手摺棒20側に下穴を設けずに回転止め235を手摺棒20に食い込ませているため、手摺棒20側の上記食い込みにより形成された有底穴222(図6C参照)と回転止め235との間には隙間が存在しない。したがって、手摺棒20に皿木ねじ30周りの回転モーメントが作用しても、皿木ねじ30よりも径方向外側の半径位置において回転止め235が手摺棒20の周方向への移動を妨げるように作用する。この回転止め235の作用によって、手摺棒20の小口面20aを中心軸線O上の1点のみでブラケット10に固定した場合でも、皿木ねじ30周りの手摺棒20の回転を効果的に抑制することができる。
回転止め235は、例えばブラケット10の手摺棒固定部11と同一の材料により形成してもよいし、手摺棒固定部11とは異なる材料を用いてもよい。回転止め235を手摺棒固定部11と同一の材料により形成する場合には、回転止め235を手摺棒固定部11と一体形成してもよいし、接着や溶接等の手段により固定してもよい。また、回転止め235を手摺棒固定部11とは異なる材料により形成する場合には、例えば接着、ねじ係合、締まり嵌め等の手段により固定してもよい。回転止め235は、突起部12(スペーサ)と手摺棒20の小口面20aとを皿木ねじ30により締結する際に、回転止め235の先細部237が小口面20aに食い込むことができる程度の硬さを備えていればよく、金属材料のほか、各種セラミックスなどの高硬度材料を用いることもできる。
本実施形態の回転止め235は、図6Aに示すように略同一径で延びる柱部236を備えている。この構成によって、例えば手摺棒20の長手方向中心部が撓むなどして図6Cに示すように手摺棒20の小口面20aが回転止め235から離間する方向に変位しても、柱部236の外面の一部が食い込みにより形成された有底穴222の側面にほぼ隙間なく当接している限りにおいて、回転止め235が手摺棒20の周方向への移動を妨げるように作用する。したがって、図6Cのように、回転止め235が多少手摺棒20から引き抜かれてしまった場合でも、手摺棒20の回転止めとして効果的に機能することができる。
本実施形態では、手摺棒20に対する回転止め235の押し込み抵抗力は、手摺棒20に対する軸状部材(皿木ねじ30)の引き抜き抵抗力よりも小さくなるように構成されている。本実施形態では、回転止め235は、図6Bに示すように2本用いられているが、例えば、手摺棒20の長手方向略中央位置に力が作用して、図6Dに二点鎖線で示すように小口面20aがブラケット10に対して傾斜した場合(白抜き矢印は手摺棒20の変位方向を示す)、図6Dの上側の回転止め235には引き抜き力が作用する一方、図の下側の回転止め235には押し込み力が作用する。ここで、軸状部材(皿木ねじ30)の引き抜き抵抗力が回転止め235の押し込み抵抗力よりも大きければ、図6Eに示すように、軸状部材(皿木ねじ30)を引き抜く力が作用して緩みやがたつきが生じることがなく、軸状部材を支点として図の下側の回転止め235が押し込み抵抗力に抗して手摺棒20に対して押し込まれる(白抜き矢印は手摺棒の変位方向を示し、黒矢印は回転止め235及び軸状部材の挿抜方向を示す)。したがって、回転止め235を設けたことにより軸状部材を引き抜く力が作用して、緩みやがたつきが生じ易くなるのを抑制することができる。なお、図6D及び図6Eにおいて、上側の回転止め235には小口面20aから引き抜く力が作用するが、軸状部材を引き抜く力が作用して、緩みやがたつきが生じ易くなる方向に影響を与えることはない。
これに対して、手摺棒20に対する回転止め235の押し込み抵抗力が、手摺棒20に対する軸状部材(皿木ねじ30)の引き抜き抵抗力よりも大きくなるように構成すると、図6Fに示すように、下側の回転止め235が支点となり、軸状部材を小口面20aから引き抜く力が作用して、緩みやがたつきが生じてしまう可能性がある。したがって、第3実施形態のように、回転止め235が、ブラケット10に対する手摺棒20の中心軸線O方向の相対移動を制限するように設けられている場合、手摺棒20に対する回転止め235の押し込み抵抗力が、手摺棒20に対する軸状部材(皿木ねじ30)の引き抜き抵抗力よりも小さくなるように構成することが必要である。
手摺棒20に対する回転止め235の押し込み抵抗力を、手摺棒20に対する軸状部材(皿木ねじ30)の引き抜き抵抗力よりも小さくするための構成としては、例えば図6Aに示すように回転止め235の最大直径を軸状部材(皿木ねじ30)の最大直径よりも小さくするように構成してもよい。回転止め235の最大直径を軸状部材よりも小さくすることによって、回転止め235と手摺棒20との接触面積を減らすことができるので、回転止め235の押し込み抵抗力を相対的に小さくすることができる。
また、図6Aに示すように回転止め235の中心軸線O方向の長さを軸状部材(皿木ねじ30)の中心軸線O方向の長さよりも短くするように構成してもよい。回転止め235の中心軸線O方向の長さを軸状部材よりも短くすることによって、回転止め235と手摺棒20との接触面積を減らすことができるので、回転止め235の押し込み抵抗力を相対的に小さくすることができる。
また、回転止め235と手摺棒20との当接面における静止摩擦力が軸状部材と手摺棒20との当接面における静止摩擦力よりも小さくなるように構成してもよい。回転止め235と手摺棒20との静止摩擦力の方が小さくなる構成としては、例えば図6Aに示すように回転止め235の側面には凹凸を設けずに、軸状部材の側面のみをねじ部として構成することによって、回転止め235と手摺棒20との間の静止摩擦力を、ねじ係合を伴う軸状部材と手摺棒20との間の静止摩擦力より小さくなるようにしてもよい。回転止め235と手摺棒20との静止摩擦力が軸状部材と手摺棒20との静止摩擦力よりも小さくなるように構成することによって、回転止め235の押し込み抵抗力を相対的に小さくすることができる。
なお、本実施形態では、回転止め235を図6Bに示すように2本用いるようにしたが、この態様には限定されない。回転止め235は、少なくとも1箇所に設けられていればよい。また、回転止めは3箇所以上に設けられていてもよい。
次に本実施形態に係る手摺構造300における回転止め部分の変形例について図7Aから図7Cを用いて説明する。この変形例は、図6Aから図6Cに示す例と比較して、回転止め235aの形状が異なる他は、図6Aから図6Cに示す例と構成が近似している。したがって、ここでは図6Aから図6Cに示す例との差異点を中心に説明する。
ブラケット10は、第1及び第2実施形態と同様に壁に垂直方向に立設された手摺棒固定部11と、手摺棒固定部11上に一体に設けられ、手摺棒20の小口面20aが当接する突起部12(スペーサ)とを備えている。ブラケット10には、手摺棒固定部11から手摺棒20側に突出し、小口面20aに食い込んで手摺棒20の中心軸線O周りの回転を係止する回転止め235aが固定されている。
本実施形態では、小口面20aにおける周方向2箇所(図7B参照)にブラケット10に固定された回転止め235aが食い込むことで手摺棒20の中心軸線O周りの回転が抑制されている。すなわち、回転止め235aは、ブラケット10に対する手摺棒20の中心軸線O周りの回転を係止するとともにブラケット10に対する手摺棒20の中心軸線O方向の相対移動を制限するように手摺棒20と手摺棒固定部11の間に設けられている。回転止め235aは、図7A及び図7Bに示すように、手摺棒20の径方向の幅が先端方向に向かって小さくなる先細形状を有するとともに、手摺棒20の周方向の幅が回転止め235aの延在方向(中心軸線O方向)にわたって略同一に形成されている。回転止め235aは、皿木ねじ30よりも径方向外側に配置されている。
このように、回転止め235aが先細形状を有していることにより、皿木ねじ30で手摺棒固定部11と手摺棒20とを締結する際の締結力によって回転止め235aの先端を手摺棒20の小口面20aに容易に食い込ませることができる。また、あらかじめ手摺棒20側に下穴を設けずに回転止め235aを手摺棒20に食い込ませているため、手摺棒20側の上記食い込みにより形成された有底穴222a(図7C参照)と回転止め235aとの間には隙間が存在しない。したがって、手摺棒20に皿木ねじ30周りの回転モーメントが作用しても、皿木ねじ30よりも径方向外側の半径位置において回転止め235aが手摺棒20の周方向への移動を妨げるように作用する。この回転止め235aの作用によって、手摺棒20の小口面20aを中心軸線O上の1点のみでブラケット10に固定した場合でも、皿木ねじ30周りの手摺棒20の回転を効果的に抑制することができる。
回転止め235aは、例えばブラケット10の手摺棒固定部11と同一の材料により形成してもよいし、手摺棒固定部11とは異なる材料を用いてもよい。回転止め235aを手摺棒固定部11と同一の材料により形成する場合には、回転止め235aを手摺棒固定部11と一体形成してもよいし、接着や溶接等の手段により固定してもよい。また、回転止め235aを手摺棒固定部11とは異なる材料により形成する場合には、例えば接着、ねじ係合又は締まり嵌め等の手段により固定してもよい。回転止め235aは、突起部12(スペーサ)と手摺棒20の小口面20aとを皿木ねじ30により締結する際に、回転止め235aの先端部が小口面20aに食い込むことができる程度の硬さを備えていればよく、金属材料のほか、各種セラミックスなどの高硬度材料を用いることもできる。
本実施形態の回転止め235aは、手摺棒20の周方向の幅が回転止め235aの延在方向(中心軸線O方向)にわたって略同一に形成されている。この構成によって、例えば手摺棒20の長手方向中心部が撓むなどして図7Cに示すように手摺棒20の小口面20aが回転止め235aから離間する方向に変位しても、回転止め235aの側面(手摺棒20の周方向に面する面)の一部が食い込みにより形成された有底穴222aの側面にほぼ隙間なく当接している限りにおいて、回転止め235aが手摺棒20の周方向への移動を妨げるように作用する。したがって、図7Cのように、回転止め235aが多少手摺棒20から引き抜かれてしまった場合でも、手摺棒20の回転止めとして効果的に機能することができる。
本実施形態では、手摺棒20に対する回転止め235aの押し込み抵抗力は、手摺棒20に対する軸状部材(皿木ねじ30)の引き抜き抵抗力よりも小さくなるように構成されている。このような構成によって、軸状部材(皿木ねじ30)に引き抜く力が作用して、緩みやがたつきが生じることはなく、軸状部材を支点として図の下側の回転止め235aが押し込み抵抗力に抗して手摺棒20に対して押し込まれる。したがって、回転止め235aを設けたことにより軸状部材(皿木ねじ30)に引き抜く力が作用して、緩みやがたつきが生じ易くなるのを抑制することができる。
なお、本実施形態では、回転止め235aを図7Bに示すように2本用いるようにしたが、この態様には限定されない。回転止め235aは、少なくとも1箇所に設けられていればよい。また、回転止めは3箇所以上に設けられていてもよい。
以上述べたように、本実施形態は、手摺棒20と、手摺棒20の両端を固定すると共に建物の固定部に固定されるブラケット10とを備える手摺構造300であって、ブラケット10における手摺棒固定部11には、手摺棒20の小口面20aが軸状部材で固定されており、手摺棒の撓みに応じて小口面20aが手摺棒固定部11に対して軸状部材を支点に傾くことができるように構成されている。特に、本実施形態では、スペーサ(突起部12)を介して手摺棒20の小口面20aが軸状部材(皿木ねじ30)で固定されており、小口面20aと手摺棒固定部11との間の領域であって、スペーサの径方向外側の領域に空間が形成される、又は、スペーサは、手摺棒20よりも手摺棒20の軸方向の圧縮剛性が小さく、ブラケット10には、手摺棒20の軸周りの回転を係止する回転止め235が固定され、回転止め235は手摺棒20の中心軸線O方向に延在し、軸状部材よりも手摺棒20の径方向外側において小口面20aに食い込む部材であり、手摺棒20に対する回転止め235の押し込み抵抗力は、手摺棒20に対する軸状部材の引き抜き抵抗力よりも小さくなるように構成した。このような構成の採用によって、軸状部材で手摺棒20の小口面20aと突起部12とを締結することにより、手摺棒20側に下穴を設けなくても回転止め235の先端部が手摺棒20に食い込み隙間なく係合した状態となる。そのため、手摺棒20に中心軸線O周りの回転モーメントが生じても、回転止め235が手摺棒20の周方向への移動を効果的に抑制して手摺棒20の中心軸線O周りの回転を抑制することができる。また、回転止め235を設けることで皿木ねじ30を引き抜く力が作用して、緩みやがたつきが生じ易くなることを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、回転止め235は、延在方向にわたって略同一径を有する柱部236と、柱部236の先端に設けられ先端方向に向かって縮径する先細部237とを備えるように構成した。このような構成の採用によって、柱部236の外面の一部が食い込みにより形成された有底穴222の側面にほぼ隙間なく当接している限りにおいて、回転止め235が手摺棒20の周方向への移動を妨げるように作用する。したがって、回転止め235が多少手摺棒20から引き抜かれてしまった場合でも、手摺棒20の回転止めとして効果的に機能することができる。
また、本実施形態では、手摺棒20の径方向における回転止め235aの幅が先端方向に向かって小さくなるとともに、手摺棒20の周方向における回転止め235aの幅が延在方向にわたって略同一であるように構成した。このような構成の採用によって、回転止め235aの側面(手摺棒20の周方向に面する面)の一部が食い込みにより形成された有底穴222aの側面にほぼ隙間なく当接している限りにおいて、回転止め235aが手摺棒20の周方向への移動を妨げるように作用する。したがって、回転止め235aが多少手摺棒20から引き抜かれてしまった場合でも、手摺棒20の回転止めとして効果的に機能することができる。
また、本実施形態では、回転止め235は、軸状部材よりも最大直径が小さくなるように構成した。このような構成の採用によって、回転止め235と手摺棒20との接触面積を減らすことができるので、回転止め235の押し込み抵抗力を相対的に小さくすることができる。
また、本実施形態では、回転止め235は、軸状部材よりも手摺棒20の中心軸線O方向の長さが短くなるように構成した。このような構成の採用によって、回転止め235と手摺棒20との接触面積を減らすことができるので、回転止め235の押し込み抵抗力を相対的に小さくすることができる。
また、本実施形態では、回転止め235は、軸状部材よりも手摺棒20との当接面における静止摩擦力が小さくなるように構成した。このような構成の採用によって、回転止め235の押し込み抵抗力を相対的に小さくすることができる。
[第4実施形態]
次に本開示の第4実施形態に係る手摺構造400について図8を用いて説明する。本実施形態は、第3実施形態と比較して、回転止め335の構成及び回転止め335を固定するブラケット10側の構成が異なる他は、第3実施形態と構成が近似している。したがって、ここでは第3実施形態との差異点を中心に説明する。
ブラケット10は、壁に垂直方向に立設された手摺棒固定部11と、手摺棒固定部11上に一体に設けられ、手摺棒20の小口面20aが当接する突起部12(スペーサ)と、回転止め335を固定するための貫通孔319とを備えている。
回転止め335は、図8に示すように、頭部とねじ部とを有しており、ねじ部の先端部が先端に向けて縮径する先細形状を備えている。ブラケット10の貫通孔319は、回転止め335のねじ部の外径よりも僅かに大きい内径を有しており、貫通孔319と回転止め335のねじ部との隙間には、弾性部材で形成された緩衝部材316が装着されている。
緩衝部材316は、貫通孔319と回転止め335のねじ部との隙間に挿入される緩衝筒部318と、緩衝筒部318に連なり回転止め335の頭部と手摺棒固定部11との間で挟持されるフランジ部317とを有している。
回転止め335が先細形状を備えたねじ部を有していることにより、皿木ねじ30で手摺棒固定部11と手摺棒20とを締結した後に、回転止め335のねじ部を小口面20aにねじ込むことによって、回転止め335の先端を手摺棒20の小口面20aに容易に食い込ませることができる。すなわち、回転止め335は、手摺棒20に固定されるとともに手摺棒20から手摺棒固定部11に向けて突出し、手摺棒固定部11の貫通孔319に対して遊嵌して係止されるようにすることができる。また、ブラケット10側にねじ係合部を形成しておく必要がない。
回転止め335は、皿木ねじ30よりも径方向外側に配置されている。そして、小口面20aにおける周方向1箇所にブラケット10に遊嵌された回転止め335がねじ込まれることで手摺棒20の中心軸線O周りの回転が抑制されている。本実施形態では、あらかじめ手摺棒20側に下穴を設けずに回転止め335を手摺棒20にねじ込ませているため、手摺棒20側の上記ねじ込みにより形成された穴と回転止め335との間には隙間が存在しない。また、本実施形態では、回転止め335のねじ部と貫通孔319との間に緩衝部材316が配置されており、ブラケット10に対する回転止め335のがたつきが抑制されている。したがって、手摺棒20に皿木ねじ30周りの回転モーメントが作用しても、皿木ねじ30よりも径方向外側の半径位置において回転止め335が手摺棒20の周方向への移動を妨げるように作用する。この回転止め335の作用によって、手摺棒20の小口面20aを中心軸線O上の1点のみでブラケット10に固定した場合でも、皿木ねじ30周りの手摺棒20の回転を効果的に抑制することができる。
本実施形態においては、手摺棒20の撓みにより小口面20aが僅かに傾き、小口面20aとブラケット10との距離に変化が生じても、回転止め335が抜けたり(はずれたり)、小口面20aの傾きに抵抗する回転止め335に引張/圧縮応力が生じることなく、手摺棒20の中心軸線O周りのガタつきを小さくすることができる。なお、図8において、回転止め335は、金属製のほか樹脂製であってもよく、また回転止め335は手摺棒固定部11の貫通孔319に対して遊嵌して係止されていればよく、頭部を有していなくてもよい。
また、回転止め335と貫通孔319とのクリアランスを十分にとった場合でも、伸縮性のある緩衝部材316を回転止め335と貫通孔319との間に配置することによって、回転止め335の貫通孔319に対する軸方向の相対移動を阻害することなく、手摺棒20の中心軸線O周りのガタつきを抑制することができる。
なお、緩衝部材は、本実施形態に限定されず、例えば第1実施形態において、回転止め18と切り欠き部24との隙間に配置してもよいし、第1実施形態の第1変形例において、手摺棒20の外周面と筒壁部16との間に設けてもよい。また、緩衝部材は、第1実施形態の第2変形例において、ビス35と有底孔26との間に設けてもよいし、第1実施形態の第4変形例において、手摺棒20の外周面と係止壁16aとの間に設けてもよい。
なお、緩衝部材316の材料としては、例えば、長期にわたり硬化や劣化が抑制され耐候性に優れたエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)やシリコンゴムなどのゴム材料を用いることができる。
次に本実施形態に係る手摺構造400における回転止め部分の変形例について図9を用いて説明する。この変形例は、図8に示す例と比較して、回転止め335aの頭部の形状、及び緩衝部材316aの形状が異なる他は、図8に示す例と構成が近似している。したがって、ここでは図8に示す例との差異点を中心に説明する。
この変形例では、回転止め335aの頭部が皿形状を有しており、弾性部材で形成されたV字形状の緩衝部材316aがC面取りされた貫通孔319aの端部と回転止め335aの頭部との間で挟持されている。また、貫通孔319aの内径は、回転止め335aのねじ部の外径よりも僅かに大きく形成されている。
回転止め335aが先細形状を備えたねじ部を有していることにより、皿木ねじ30で手摺棒固定部11と手摺棒20とを締結した後に、回転止め335aのねじ部を小口面20aにねじ込むことによって、回転止め335aの先端を手摺棒20の小口面20aに容易に固定することができる。すなわち、回転止め335aは、手摺棒20に固定されるとともに手摺棒20から手摺棒固定部11に向けて突出し、手摺棒固定部11の貫通孔319aに対して遊嵌して係止されるようにすることができる。
この変形例においては、手摺棒20の撓みにより小口面20aが僅かに傾き、小口面20aとブラケット10との距離に変化が生じても、回転止め335aが抜けたり(はずれたり)、小口面20aの傾きに抵抗する回転止め335aに引張/圧縮応力が生じることなく、手摺棒20の中心軸線O周りのガタつきを小さくすることができる。なお、図9において、回転止め335aは、金属製のほか樹脂製であってもよい。
また、回転止め335aと貫通孔319aとのクリアランスを十分にとった場合でも、伸縮性のある緩衝部材316aを貫通孔319aと回転止め335aの頭部との間に配置することによって、回転止め335aの貫通孔319aに対する軸方向の相対移動を阻害することなく、手摺棒20の中心軸線O周りのガタつきを抑制することができる。
以上述べたように、本実施形態では、回転止め335は、ブラケット10に設けた取り付け穴(貫通孔319)の内側に弾性部材(緩衝部材316)を介して装着されるように構成した。このような構成の採用によって、弾性部材が、取り付け穴内における回転止め335のがたつきを抑制するので、皿木ねじ30周りの手摺棒20の回転を効果的に抑制することができる。
次に、手摺棒20に対する軸状部材の引き抜き抵抗力、及び手摺棒20に対する回転止め235,335の押し込み抵抗力の測定方法について図10A及び図10Bを用いて説明する。
手摺棒20に対する軸状部材(皿木ねじ30)の引き抜き抵抗力の測定は、例えば、図10Aに示す測定方法を用いて行うことができる。まず、手摺棒20を固定冶具520で固定した状態で、軸状部材を使用時と同じ長さだけ手摺棒20にねじ係合させる。軸状部材の例えば頭部を引き抜き冶具530で保持し、手摺棒20から軸状部材を所定長さだけ引き抜くときの最大荷重を測定する。上記所定長さは、例えば1ミリメートルとしてもよいし、後述する回転止め235の引き抜き抵抗力の測定における所定長さと整合する長さであってもよい。
手摺棒20に対する回転止め235の押し込み抵抗力の測定は、例えば、図10Bに示す測定方法を用いて行うことができる。すなわち、手摺棒20を固定冶具520で固定した状態で、測定板511に装着した回転止め235を押し込み冶具550で保持し、図6A等に示す使用時の押し込み深さだけ押し込んでおく。次に測定板511を押し込み冶具550で保持し、手摺棒20に対して回転止め235を所定長さだけ押し込むときの最大荷重を測定する。上記所定長さは、例えば1ミリメートルとしてもよいし、先述の軸状部材の引き抜き抵抗力の測定における所定長さと整合する長さであってもよい。
以上述べたように、第1実施形態から第4実施形態に係る手摺構造100から400は、図1から図9に示すように、手摺棒20と、手摺棒20の両端を固定すると共に建物の固定部に固定されるブラケット10とを備える手摺構造100から400であって、ブラケット10は、手摺棒20の小口面20aを固定する手摺棒固定部11を有し、手摺棒固定部11には、手摺棒20の小口面20aが軸状部材で固定されており、手摺棒の撓みに応じて小口面20aが手摺棒固定部11に対して軸状部材を支点に傾くことができるように構成されている。手摺構造は、回転止め18,35,235,235a,335,335aを有し、回転止めは、ブラケット10に対する手摺棒20の中心軸線O周りの回転を係止するとともに手摺棒20の中心軸線O方向の相対移動を許容するように手摺棒20と手摺棒固定部11の間に設けられるように構成した。このような構成の採用によって、手摺棒20とブラケット10との軸方向の相対移動を阻害することなく、手摺棒20の中心軸線O周りのがたつきを効果的に抑制することができる。
また、第1実施形態(図1B、図2)及び第1実施形態の第2変形例(図3B)において、回転止め18,35は、手摺棒固定部11に固定されるとともに手摺棒固定部11から手摺棒20に向けて突出し、手摺棒20に対して遊嵌して係止されるように構成した。このような構成の採用によって、手摺棒20の中心軸線O周りのがたつきを抑制するとともに、手摺棒20の径方向への撓みに対して回転止め18と手摺棒20との中心軸線O方向の相対移動を許容して回転止めが干渉しないようにすることができる。
また、第1実施形態の第3変形例(図3C)及び第4実施形態(図8,図9)において、回転止め35,335,335aは、手摺棒20に固定されるとともに手摺棒20から手摺棒固定部11に向けて突出し、手摺棒固定部11に対して遊嵌して係止されるように構成した。このような構成の採用によって、手摺棒20の中心軸線O周りのがたつきを抑制するとともに、手摺棒20の径方向への撓みに対して回転止めと手摺棒20との中心軸線O方向の相対移動を許容して回転止めが干渉しないようにすることができる。
また、第1実施形態の第1変形例(図3A)及び第4変形例(図3D)において、回転止め16,16aは、手摺棒固定部11に固定されるとともに手摺棒固定部11から手摺棒20に向けて突出し、手摺棒20に対して外側から係止するように構成した。このような構成の採用によって、手摺棒20側に穴等を何ら追加することなく手摺棒20の中心軸線O周りのがたつきを抑制することができる。また、手摺棒20の径方向への撓みに対して回転止め16,16aと手摺棒20との中心軸線O方向の相対移動を許容して回転止め16,16aが干渉しないようにすることができる。
また、第4実施形態(図8,図9)において、回転止め335,335aは、手摺棒20又は手摺棒固定部11を、弾性部材(緩衝部材316,316a)を介して係止するように構成した。このような構成の採用によって、回転止めと貫通孔とのクリアランスを十分にとった場合でも、伸縮性のある緩衝部材を回転止めと貫通孔との間に配置することによって、回転止めの貫通孔に対する軸方向の相対移動を阻害することなく、手摺棒20の中心軸線O周りのガタつきを抑制することができる。
また、第3実施形態(図6A)及び第3実施形態の変形例(図7A)において、手摺棒20と、手摺棒20の両端を固定すると共に建物の固定部に固定されるブラケット10とを備える手摺構造300であって、ブラケット10は、手摺棒20の小口面20aを固定する手摺棒固定部11を有し、手摺棒固定部11には、手摺棒20の小口面20aが軸状部材で固定されており、手摺棒20の撓みに応じて、小口面20aが手摺棒固定部11に対して軸状部材を支点に傾くことができるように構成されている。手摺構造300は、回転止め235,235aを有し、回転止めは、ブラケット10に対する手摺棒20の中心軸線O周りの回転を係止するとともにブラケット10に対する手摺棒20の中心軸線O方向の相対移動を制限するように手摺棒20と手摺棒固定部11の間に設けられており、手摺棒20に対する回転止めの押し込み抵抗力は、手摺棒20に対する軸状部材の引き抜き抵抗力よりも小さくなるように構成した。このような構成の採用によって、手摺棒20の中心軸線O周りのガタつきを抑制することができるとともに、回転止め235,235aを設けたことにより軸状部材を引き抜く力が作用して、緩みやがたつきが生じ易くなるのを抑制することができる。
また、第3実施形態(図6A)及び第3実施形態の変形例(図7A)において、回転止め235,235aは、軸状部材よりも最大直径が小さくなるように構成した。このような構成の採用によって、回転止め235,235aと手摺棒20との接触面積を減らすことができるので、回転止め235,235aの押し込み抵抗力を相対的に小さくすることができる。
また、第3実施形態(図6A)及び第3実施形態の変形例(図7A)において、回転止め235,235aは、軸状部材よりも手摺棒20の中心軸線O方向の長さが短くなるように構成した。このような構成の採用によって、回転止め235,235aと手摺棒20との接触面積を減らすことができるので、回転止め235,235aの押し込み抵抗力を相対的に小さくすることができる。
また、第3実施形態(図6A)及び第3実施形態の変形例(図7A)において、回転止め235,235aは、軸状部材よりも手摺棒20との当接面における静止摩擦力が小さくなるように構成した。このような構成の採用によって、回転止め235,235aの押し込み抵抗力を相対的に小さくすることができる。
本開示を諸図面および実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
例えば、実施形態1及び2では、1本の皿木ねじ30又はなべ木ねじ130を用いて手摺棒20をブラケット10,110に取り付けるように構成したが、この態様には限定されない。2本以上の皿木ねじ30等を用いて手摺棒20をブラケット10,110に取り付けるようにしてもよい。例えば、2本の皿木ねじ30等を用いる場合、手摺棒20に最も高い頻度で荷重がかかる方向とは直交する方向に2本の皿木ねじ30が並ぶように配置することが好ましい。更に、軸状部材についても、皿木ねじ30、なべ木ねじ130に限られず、ビスやボルトなど別の軸状部材を用いてもよい。
また、実施形態1,3及び4では、ビス35及び回転止め235,235a,335,335aは、先細部を有する部材として形成したが、この態様には限定されず、先細形状ではなくてもよい。