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JP7577459B2 - 部材の耐用年数推定方法 - Google Patents
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JP7577459B2 - 部材の耐用年数推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、部材の耐用年数推定方法に関する。
高温高湿の環境下に製品を曝して部材の劣化度を評価する方法が知られている。
例えば特許文献1には、ウレタン結合によって架橋するエポキシ樹脂系接着剤を80℃、85%RHの環境下で最長20日間の促進試験を実施したものの接着強度と赤外分光法によるピーク強度比を照合することにより接着剤の劣化度を評価する方法が開示されている。
特開2011-191274号公報
上述したように、部材の劣化度を評価する方法は知られているが、部材の耐用年数を具体的に推定できる方法はあまり知られていない。
本発明は、部材の耐用年数を推定できる部材の耐用年数推定方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1] 下記工程(A)~(F)を含む、部材の耐用年数推定方法。
工程(A):前記部材の実暴経年品の劣化度合いを測定し、経過年数(横軸)に対して劣化度合い(縦軸)をプロットしたグラフ(a)を作成する工程。
工程(B):実暴前の前記部材に対して劣化促進試験を行い、前記劣化促進試験後の部材の劣化度合いを測定し、試験日数(横軸)に対して劣化度合い(縦軸)をプロットしたグラフ(b)を作成し、劣化曲線を得る工程。
工程(C):前記劣化曲線に前記グラフ(a)のプロットが近似するように、前記グラフ(a)と前記グラフ(b)を重ね合わせたグラフ(c)を得る工程。
工程(D):前記グラフ(c)に基づき、任意の経過年数と、その経過年数における劣化度合いに対応する試験日数から、下記式(1)より劣化促進試験の促進倍率(α)を求める工程。
促進倍率(α)=任意の経過年数/試験日数 ・・・(1)
工程(E):前記劣化促進試験後の前記部材に対して機能評価試験を行い、前記部材の機能が喪失するのに要する前記劣化促進試験の試験日数(β)を求める工程。
工程(F):下記式(2)より前記部材の耐用年数(γ)を求める工程。
耐用年数(γ)=促進倍率(α)×試験日数(β) ・・・(2)
[2] 前記劣化促進試験が前記部材の実暴環境と同種の因子を促進したものであり、前記因子が紫外線、湿度、温度、酸素、酸、アルカリ及び有機溶剤からなる群より選ばれる1種以上である、前記[1]の部材の耐用年数推定方法。
[3] 前記部材がガラス転移点を有し、前記劣化促進試験が前記部材のガラス転移点以上の環境下で行われる、前記[2]の部材の耐用年数推定方法。
[4] 前記劣化促進試験が湿度95%RH超、100%RH以下の環境下で行われる、前記[2]又は[3]の部材の耐用年数推定方法。
[5] 前記劣化促進試験が100℃超の環境下で行われる、前記[2]~[4]のいずれかの部材の耐用年数推定方法。
[6] 前記劣化促進試験が有酸素の環境下で行われる、前記[2]~[5]のいずれかの部材の耐用年数推定方法。
[7] 前記試験日数(β)が5日以上である、前記[1]~[6]のいずれかの部材の耐用年数推定方法。
[8] 前記部材がガラス転移点を有し、前記部材の実暴環境の平均温度が、前記部材のガラス転移点以下である、前記[1]~[7]のいずれかの部材の耐用年数推定方法。
[9] 前記機能評価試験が、複合サイクル試験、塩水噴霧試験、前記劣化促進試験前後の厚み測定、前記劣化促進試験前後の重量測定、透過率測定及び電気化学試験からなる群より選ばれる1種以上である、前記[1]~[8]のいずれかの部材の耐用年数推定方法。
[10] 前記劣化度合いが、化学分析手法により求めたものである、前記[1]~[9]のいずれかの部材の耐用年数推定方法。
[11] 前記劣化度合いが、機械分析手法により求めたものである、前記[1]~[9]のいずれかの部材の耐用年数推定方法。
[12] 前記劣化度合いが、物理分析手法により求めたものである、前記[1]~[9]のいずれかの部材の耐用年数推定方法。
[13] 前記部材が塗覆装材である、前記[1]~[12]のいずれかの部材の耐用年数推定方法。
[14] 前記塗覆装材が焼付塗膜である、前記[13]の部材の耐用年数推定方法。
[15] 前記劣化促進試験が前記焼付塗膜の焼付処理時の最高到達温度未満の環境下で行われる、前記[14]の部材の耐用年数推定方法。
[16] 前記塗覆装材が金属の表面に形成され、前記塗覆装材が防錆性を有し、前記機能評価試験後の発錆面積率を前記部材の機能損失の指標とする、前記[13]~[15]のいずれかの部材の耐用年数推定方法。
[17] 前記塗覆装材が金属の表面に形成され、前記塗覆装材が防錆性を有し、前記機能評価試験後の発錆領域における断面の金属平均減肉量を前記部材の機能損失の指標とする、前記[13]~[15]のいずれかの部材の耐用年数推定方法。
[18] 前記金属が黒皮付き炭素鋼である、前記[16]又は[17]の部材の耐用年数推定方法。
[19] 前記部材が熱硬化性樹脂を含む、前記[1]~[18]のいずれかの部材の耐用年数推定方法。
[20] 前記部材の厚みが5~100μmである、前記[1]~[19]のいずれかの部材の耐用年数推定方法。
[21] 前記耐用年数(γ)が前記実暴経年品の経過年数の2倍以上である、前記[1]~[20]のいずれかの部材の耐用年数推定方法。
[22] 前記耐用年数(γ)が60年以上である、前記[1]~[21]のいずれかの部材の耐用年数推定方法。
[23] 前記劣化曲線が非線形である、前記[1]~[22]のいずれかの部材の耐用年数推定方法。
[24] 前記試験日数(β)が前記劣化曲線上で非線形領域にある、前記[1]~[23]のいずれかの部材の耐用年数推定方法。
本発明によれば、部材の耐用年数を推定できる部材の耐用年数推定方法を提供できる。
(a)は部材の実暴経年品の経過年数(横軸)に対して劣化度合い(縦軸)をプロットしたグラフ(a)の一例を模式的に示した図であり、(b)は劣化促進試験後の部材の試験日数(横軸)に対して劣化度合い(縦軸)をプロットしたグラフ(b)の一例を模式的に示した図である。 図1(a)に示すグラフ(a)と、図1(b)に示すグラフ(b)を重ね合わせたグラフ(c)の一例を模式的に示した図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
以下の実施の形態は、本発明を説明するための単なる例示であって、本発明をこの実施の形態にのみ限定することは意図されない。本発明は、その趣旨を逸脱しない限り、様々な態様で実施することが可能である。
なお、本発明において「実暴」とは部材が製品として使用される環境にて暴露させる実暴露のことであり、「実暴経年品」とは実暴環境下で使用された部品のことである。本発明において長期の耐用年数を見積もる場合は、実暴期間として3年以上が好ましく、より好ましくは10年以上であり、さらに好ましくは20年以上である。
本発明は、部材の耐用年数を推定する方法である。
対象となる部材としては、例えば塗覆装材が挙げられる。塗覆装材は、例えば鉄骨住宅の柱、梁等の金属の表面に形成される。塗覆装材としては、例えば塗膜、フィルムコート、シートラミネートなどが挙げられる。これらのうち、塗膜としては建築材料の塗装に使用される塗料からなる塗膜が挙げられ、特に、鉄骨住宅の柱、梁等の金属の表面に形成された塗膜が好ましく、例えば焼付塗膜などが耐用年数の長い塗膜として挙げられる。本発明は、このような長い耐用年数が期待される部材の耐用年数を具体的に推定する場合に適している。
塗覆装材が金属の表面に形成されている場合、金属としては、炭素鋼が好ましく、黒皮付き炭素鋼がより好ましい。
部材に含まれる成分としては特に制限されず、例えば耐溶剤性、耐熱性、高硬度に優れる熱硬化性樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド、熱可塑性樹脂の架橋物、エラストマーの架橋物などが挙げられる。これらの中でも、耐水性、耐薬品性などの耐久性や強度に優れる観点からエポキシ樹脂が好ましい。
部材の厚みは特に限定されないが、後述する劣化促進試験を部材のガラス転移点以上の環境下で行う場合の影響を考慮すると薄いほど好ましく、具体的には5~100μmが好ましく、5~60μmがより好ましく、10~40μmがさらに好ましい。
本発明の部材の耐用年数推定方法は、以下に示す工程(A)~工程(F)を含む。
工程(A):前記部材の実暴経年品の劣化度合いを測定し、経過年数(横軸)に対して劣化度合い(縦軸)をプロットしたグラフ(a)を作成する工程。
工程(B):実暴前の前記部材に対して劣化促進試験を行い、前記劣化促進試験後の部材の劣化度合いを測定し、試験日数(横軸)に対して劣化度合い(縦軸)をプロットしたグラフ(b)を作成し、劣化曲線を得る工程。
工程(C):前記劣化曲線に前記グラフ(a)のプロットが近似するように、前記グラフ(a)と前記グラフ(b)を重ね合わせたグラフ(c)を得る工程。
工程(D):前記グラフ(c)に基づき、任意の経過年数と、その経過年数における劣化度合いに対応する試験日数から、下記式(1)より劣化促進試験の促進倍率(α)を求める工程。
促進倍率(α)=任意の経過年数/試験日数 ・・・(1)
工程(E):前記劣化促進試験後の前記部材に対して機能評価試験を行い、前記部材の機能が喪失するのに要する前記劣化促進試験の試験日数(β)を求める工程。
工程(F):下記式(2)より前記部材の耐用年数(γ)を求める工程。
耐用年数(γ)=促進倍率(α)×試験日数(β) ・・・(2)
<工程(A)>
工程(A)は、前記部材の実暴経年品の劣化度合いを測定し、経過年数(横軸)に対して劣化度合い(縦軸)をプロットしたグラフ(a)を作成する工程である。
対象となる部材が、鉄骨住宅の柱、梁等の金属の表面に形成された塗覆装材である場合、建設から例えば3年以上経過した住宅から塗覆装材を採取し、劣化度合いを測定する。塗覆装材の採取の回数及びタイミングは特に制限されないが、建設から数年おきに、合計3回以上、塗覆装材を採取することが好ましい。塗覆装材の採取は、建設から30年程度経過するまで、定期的に行えば充分であるが、必要に応じて採取する年数を伸ばしてもよい。例えば、建設から30年経過するまで、5年おきに合計6回程度、塗覆装材を採取するのが好ましい。
部材の実暴環境は特に制限されないが、例えば紫外線が照射する環境、湿気に曝される環境、温度の影響を受ける環境、酸素に曝される環境、酸、アルカリ又は有機溶剤に曝される環境などが挙げられる。
紫外線が照射する環境とは、例えば部材に太陽光が照射する環境である。
湿気に曝される環境とは、絶対湿度が0%でない場合、その水分により部材が影響を受ける環境をいい、例えば部材が住宅の壁の中、すなわち躯体環境に設置されている場合もそれにあてはまる。部材の実暴環境の平均湿度は住宅の躯体環境においては、20~90%RHの場合が多い。ここでいう「平均湿度」とは、部材が実暴露される環境の1年間の湿度を平均したものである。
温度の影響を受ける環境とは、例えば部材が住宅の壁の中に設置されている環境の温度に応じて熱劣化は受け得ることを想定している。部材がガラス転移点を有する場合、部材の実暴環境の平均温度は、部材のガラス転移点以下が好ましい。ここでいう「平均温度」とは、部材が実暴露される環境の1年間の温度を平均したものであり、住宅の躯体環境の場合は一般に10~30℃である。
酸素に曝される環境とは、部材が設置されている場所に酸素が存在している環境のことであり、住宅の躯体環境の場合の酸素濃度は一般に約21%である。
酸、アルカリ又は有機溶剤に曝される環境とは、部材が酸、アルカリ又は有機溶剤と接する状態の環境のことである。例えばアルカリと接する状態としては、部材がコンクリートと接する状態などが挙げられる。
実暴経年品の劣化度合いは、化学分析手法、機械分析手法、物理分析手法により求めることができる。
化学分析手法としては、例えば赤外分光法(IR)、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)などを用いた方法が挙げられる。
IRを用いる場合、特定領域に吸収極大を有するピークの強度を測定し、別の特定領域に吸収極大を有するピークの強度との比率から、実暴経年品の劣化度合いを測定する。例えば実暴経年品が塗覆装材である場合、採取した塗覆装材のIR測定を行い、得られた赤外吸収スペクトル(IRスペクトル)から着目官能基のピーク強度、着目官能基と基準官能基のピーク強度比、もしくは複数の着目官能基のピーク強度の比を劣化度合いの指標とする。例えばエステル基の加水分解等を追う場合は、1720±20cm-1の領域に極大吸収を有するカルボキシ基のC=Oに由来するピーク強度や、1655±20cm-1の領域に極大吸収を有する酸に由来するピーク強度やそれらを含むピーク強度の比率を求める。ウレタン基の加水分解等を追う場合は上記ピークに加えて1540±20cm-1の領域に極大吸収を有するN-Hに由来するピーク強度やそれを含むピーク強度の比率を求める。また、基準ピークとして湿熱劣化の場合に経年で殆ど劣化しないと思われる官能基、例えばベンゼン環の1510±20cm-1や無機物に由来するピーク(例えば570±20cm-1)とし、上記の劣化により変化するピーク強度との比率を取ってピーク強度比とすることもできる。さらに、これらのピーク強度比の比を取ることにより、変化する官能基同士の比率を劣化度合いの指標とすることができる。
GPCを用いる場合、実暴経年品の質量平均分子量を測定し、これを劣化度合いの指標とする。
機械分析手法としては、例えば鉛筆硬度の測定、碁盤目試験、厚み測定、重量測定などが挙げられる。
鉛筆硬度の測定では、実暴経年品の鉛筆硬度をJIS K 5600-5-4:1999に準拠した方法で測定し、これを劣化度合いの指標とする。
碁盤目試験では、JIS K 5600-5-6:1999に準拠した方法、すなわち実暴経年品の表面に、大きさ1mm×1mmの碁盤目を25個形成し、その表面に粘着テープを貼り付け、粘着テープを剥離した後の碁盤目の残存数を測定し、これを劣化度合いの指標とする。
厚み測定では、実暴経年品の厚みをJIS K 5600-5-7:2014に準拠した方法で測定し、これを劣化度合いの指標とする。
重量測定では、実暴経年品の重量を測定し、これを劣化度合いの指標とする。
物理分析手法としては、例えば電気化学試験、劣化因子透過速度の測定などが挙げられる。
電気化学試験としては、例えば電気化学インピーダンス(EIS)法、イオン透過抵抗測定法(RST法、例えば特開2016-217822号公報に記載の方法)などが挙げられる。
EIS法では、実暴経年品の抵抗値を測定し、これを劣化度合いの指標とする。
RST法では、実暴経年品のイオン透過抵抗値を測定し、これを劣化度合いの指標とする。
劣化因子透過速度の測定では、JIS K 7126:2006に準拠した方法により実暴経年品の酸素の透過速度を測定し、これを劣化度合いの指標とする。または、JIS K 7129:2019に準拠した方法により実暴経年品の水蒸気の透過速度を測定し、これを劣化度合いの指標とする。
上述した中でも、化学劣化メカニズムを照合できる観点から、実暴経年品の劣化度合いは、化学分析手法により求めることが好ましい。特に、部材が熱硬化性樹脂を含む場合、この部材の実暴経年品の劣化度合いは、IRにより求めることが好ましい。
工程(A)では、例えば図1(a)に模式的に示すような、実暴経年品の経過年数(横軸)に対して、経過年数に応じた劣化度合い(縦軸)をプロットしたグラフ(a)が得られる。
なお、図1(a)中、黒丸のプロットは実邸から回収した実暴経年品の劣化指標(例えばIRピーク強度比)を縦軸とし、建設からの経過年数を横軸としたものである。
<工程(B)>
工程(B)は、実暴前の前記部材に対して劣化促進試験を行い、前記劣化促進試験後の部材の劣化度合いを測定し、試験日数(横軸)に対して劣化度合い(縦軸)をプロットしたグラフ(b)を作成し、劣化曲線を得る工程である。
工程(B)では、実暴前の部材と同じ組成の部材(試験片)を準備して、試験片に対して劣化促進試験を行う。例えば、実暴前の部材が、鉄骨住宅の柱、梁等の金属の表面に形成された塗覆装材(i)である場合、柱や梁等と同じ種類の金属の表面に、塗覆装材(i)と同等組成の塗覆装材(ii)を形成したものを劣化促進試験用の試験片とする。
劣化促進試験では、部材の実暴環境と同種の因子、具体的には紫外線、湿度、温度、酸素、酸、アルカリ及び有機溶剤からなる群より選ばれる1種以上を促進することが好ましい。例えば、屋外で使用される部材に対しては紫外線、湿度、温度が劣化因子となりうる。また住宅における柱や梁など、外壁と内装材の間にある躯体環境などの日光が遮蔽された空間で使用される部材に対しては湿度、温度が劣化因子となりうる。通常の大気環境下で使用される場合は酸素が劣化因子となりうる。また、木材など酸性を示す材料と接触して使用する場合には酸が劣化因子となり、コンクリートなどアルカリ性を示す材料と接触して使用する場合にはアルカリが劣化因子となりうる。また二重結合やベンゼン環を持つ部材は紫外線劣化が起こりやすく、エステル基、ウレタン基、アミド基を持つ部材は加水分解が起こりやすく、使用される環境や部材から促進する劣化因子を選択する。
具体的な劣化促進試験の条件の一例を以下に示す。
劣化促進試験で湿度を促進する場合、劣化促進試験は湿度70%RH超、100%RH以下の環境下で行われることが促進倍率(α)を上げる観点で好ましく、湿度95%RH超、100%RH以下の環境下であることがより好ましい。実暴環境が有酸素の環境下にある場合は劣化促進試験の環境も有酸素の環境下で行われることがより好ましい。
劣化促進試験で温度を促進する場合、温度を上げるほど促進倍率(α)を上げる観点で好ましく、具体的には100℃超の環境下で行われることが好ましく、100℃超の環境下、かつ有酸素の環境下で行われることがより好ましい。このとき、湿度については特に制限されないが、95%RH超、100%RH以下が好ましい。また、温度の上限は部材の成型時の最高温度もしくは硬化反応温度より低いことが好ましい。部材が焼付塗膜である場合、劣化促進試験は焼付塗膜の焼付処理時の最高到達温度未満の環境下で行われることが好ましく、150℃未満の環境下で行われることがより好ましい。使用環境において劣化因子の拡散性が大きく部材の厚みが薄いことなどにより部材の劣化反応に比して劣化因子が部材内にある程度存在する場合は、実暴環境が部材のガラス転移点以下である場合も、促進温度をガラス転移点以上としても多くの場合、差し支えない。この観点より本発明が好ましく適用できる部材の厚みとしては5~100μmであり、より好ましくは5~60μmであり、さらに好ましくは10~40μmである。
劣化促進試験で温度と湿度を促進する場合は、100℃超の湿熱環境下で促進試験をすることができるPCT(Pressure Cooker Test)やHAST(Highly Accelerated temperature and humidity Stress Test)等の高度加速寿命試験を用いることが好ましい。100℃超の湿熱環境下、かつ有酸素の環境下で劣化促進試験を行う場合は、酸素環境下でHASTを実施できるAir-HASTが好適である。
劣化促進試験をHAST又はAir-HASTにより行う場合の温度は、100℃超150℃以下が好ましく、105~140℃がより好ましく、110~135℃がさらに好ましく、湿度の範囲としては70~100%RHが好ましく、96~100%RHがより好ましい。特に好ましい温度と湿度の条件の一例としては、温度が130℃であり、湿度が100%RHである。
劣化促進試験は、劣化しにくいものの耐用年数を類推するためには5日以上行うことが好ましく、より好ましくは10日以上であり、さらに好ましくは20日以上であり、特に好ましくは30日以上である。
劣化促進試験は連続して行ってもよいし、断続的に行ってもよい。劣化促進試験を断続的に行う場合は、合計日数で5日以上、劣化促進試験を行うことが好ましい。
試験日数の上限は特に設けないが、例えば130℃を促進温度とした場合、機能損失を確認できるための所要日数としては多くの部材において100日以内であり、その中の多くの部材は60日以内である。また、促進温度を変えた場合は10℃の違いで反応速度が凡そ2倍変化する10℃2倍則により促進日数を類推して試験日数を設定することもできる。
工程(B)では、劣化促進試験後の部材(試験片)の劣化度合いを測定する。試験片の劣化度合いは、実暴経年品の劣化度合いの測定方法と同じ方法で求め、例えば上述した化学分析手法、機械分析手法、物理分析手法により求める。
工程(B)では、例えば図1(b)に模式的に示すような、劣化促進試験の試験日数(横軸)に対して、試験日数に応じた劣化度合い(縦軸)をプロットしたグラフ(b)と、当該プロットの劣化曲線が得られる。
なお、図1(b)中、白抜き三角のプロットは劣化促進試験を行った部材の劣化指標(例えば図1(a)と同じ指標としたIRピーク強度比)を縦軸とし、劣化促進試験日数を横軸としたものである。
<工程(C)>
工程(C)は、前記劣化曲線に前記グラフ(a)のプロットが近似するように、前記グラフ(a)と前記グラフ(b)を重ね合わせたグラフ(c)を得る工程である。
具体的には、劣化曲線にグラフ(a)のプロットが近似するように、グラフ(a)とグラフ(b)の横軸の縮尺を調整して、グラフ(a)とグラフ(b)を重ね合わせる。
グラフ(b)の劣化曲線にグラフ(a)のプロットを近似させることで、例えば図2に模式的に示すようなグラフ(c)が得られる。図2に示すグラフ(c)は、図1(a)に示すグラフ(a)に対して、図1(b)に示すグラフ(b)の横軸の縮尺を一律に設定して、グラフ(a)にグラフ(b)を重ね合わせたグラフである。
なお、近似に当たっては設定する安全率に応じて調整することができる。グラフ(a)のプロット群の中央部にグラフ(b)の劣化曲線を通るように近似することに対して安全率を高く取る場合には、グラフ(a)のプロット群の中で経過年数に比して劣化度合いの最も大きいプロットプロットにグラフ(b)の劣化曲線を通るように近似するなどの調整を適宜行い、横軸の縮尺を設定して重ね合わせたグラフ(c)を得る。
<工程(D)>
工程(D)は、前記グラフ(c)に基づき、任意の経過年数と、その経過年数における劣化度合いに対応する試験日数から、下記式(1)より劣化促進試験の促進倍率(α)を求める工程である。
促進倍率(α)=任意の経過年数/試験日数 ・・・(1)
例えば図2に示すグラフ(c)の場合、経過年数20年における劣化度合いに対応する試験日数は8日であることから、劣化促進試験の促進倍率(α)は20[年]/8[日]=2.5[年/日]と算出される。
<工程(E)>
工程(E)は、前記劣化促進試験後の前記部材に対して機能評価試験を行い、前記部材の機能が喪失するのに要する前記劣化促進試験の試験日数(β)を求める工程である。
機能評価試験としては、例えば複合サイクル試験、塩水噴霧試験、劣化促進試験前後の厚み測定、劣化促進試験前後の重量測定、透過率測定、電気化学試験などが挙げられる。これらの試験法や測定法は、単独で行ってもよいし、併用して行ってもよい。
複合サイクル試験及び塩水噴霧試験は、劣化促進試験後の部材の機能性を評価するものである。特に、部材が鉄骨住宅の柱、梁等の金属の表面に形成された塗覆装材である場合、部材(ここでは塗覆装材)の防錆性を評価するものである。すなわち、塗覆装材の素地である金属に対しての腐食促進試験である複合サイクル試験又は塩水噴霧試験を塗装金属に対して実施することにより塗覆装材による金属劣化因子バリア性、すなわち防錆性を評価する。
機能評価試験として複合サイクル試験又は塩水噴霧試験を行う場合、複合サイクル試験又は塩水噴霧試験後の発錆面積率を部材の機能損失の指標とすることが好ましい。具体的には、部材が塗覆装材であり、金属の表面に形成されている場合、機能評価試験前の塗覆装材の面積に対する、機能評価試験後に生じた錆の面積の割合(発錆面積率)を求め、これを部材の防錆機能損失の指標とする。そして、例えば、発錆面積率が50%となった時点で部材の機能が損失したとみなす場合、発錆面積率が50%となるのに要する劣化促進試験の試験日数を試験日数(β)とする。例えば、図1(b)、図2に示すように、劣化促進試験を60日間行った後の部材に対して機能評価試験を行い、機能評価試験後の発錆面積率が50%であったとすると、試験日数(β)は60日となる。
なお、部材の種類や使用目的に応じて、部材の機能が損失したとみなす発錆面積率を適宜決定すればよい。
また、複合サイクル試験又は塩水噴霧試験後の発錆領域における断面の金属平均減肉量(金属平均減肉率ともいう。)を部材の機能損失の指標としてもよい。具体的には、部材が塗覆装材であり、金属の表面に形成されている場合、機能評価試験前の金属の厚さに対する、機能評価試験後に生じた錆の領域(発錆領域)における金属の厚さの割合(金属減肉量)を求め、その平均値である金属平均減肉量を部材の機能損失の指標とする。金属平均減肉量は、塗覆装材及び金属腐食生成物を除去した後の劣化促進試験前後での金属の重量変化により発錆領域の全体にわたって求めてもよいし、発錆領域の一部、例えば最も錆が生じている箇所の範囲の重量変化もしくは断面画像における一定の長さ(例えば10mmの長さ)の領域について、金属の厚みの平均値を求めてもよい。そして、例えば、金属平均減肉量が10%となった時点で部材の機能が損失したとみなす場合、金属平均減肉量が10%となるのに要する劣化促進試験の試験日数を試験日数(β)とする。
なお、部材の種類や使用目的に応じて、部材の機能が損失したとみなす金属平均減肉量を適宜決定すればよい。
複合サイクル試験は、JASO M609に準拠して行われる。具体的には、劣化促進試験後の部材に濃度5質量%の塩化ナトリウム水溶液を35℃の条件下で2時間噴霧する塩水噴霧工程と、塩水噴霧工程後の部材を60℃、湿度20~30%RHで4時間乾燥させる高温乾燥工程と、高温乾燥工程後の部材を温度50℃、湿度95%RHの条件で2時間湿潤させる湿潤工程とを1サイクルとし、好ましくは60~360サイクル、より好ましくは120~180サイクル実施する。
塩水噴霧試験は、JIS Z 2371:2015に準拠して行われる。具体的には、劣化促進試験後の部材(試験片)に濃度5質量%の塩化ナトリウム水溶液を35℃の条件下で好ましくは500時間以上、より好ましくは1000時間以上噴霧する。
劣化促進試験前後の厚み測定により部材の機能を評価する場合、劣化促進試験前の部材の厚みに対する、劣化促進試験後の部材の厚みの割合(厚みの変化率)を部材の機能損失の指標とする。そして、例えば、厚みの変化率が30%となった時点で部材の機能が損失したとみなす場合、厚みの変化率が30%となるのに要する劣化促進試験の試験日数を試験日数(β)とする。ここでの厚みの変化率は、着目している部材として塗膜等の塗覆装材の耐用年数を算出する場合は、塗覆装材の劣化促進試験前後の塗覆装材の厚みの変化率となる。
なお、部材の種類や使用目的に応じて、部材の機能が損失したとみなす厚みの変化率を適宜決定すればよい。
劣化促進試験前後の重量測定により部材の機能を評価する場合、劣化促進試験前の部材の重量に対する、劣化促進試験後の部材の重量の割合(重量の変化率)を部材の機能損失の指標とする。そして、例えば、重量の変化率が30%となった時点で部材の機能が損失したとみなす場合、重量の変化率が30%となるのに要する劣化促進試験の試験日数を試験日数(β)とする。ここでの重量の変化率は、着目している部材として塗膜等の塗覆装材の耐用年数を算出する場合は、塗覆装材の劣化促進試験前後の塗覆装材の重量の変化率となる。
なお、部材の種類や使用目的に応じて、部材の機能が損失したとみなす重量の変化率を適宜決定すればよい。
透過率測定により部材の機能を評価する場合、透過率測定の方法としては工程(A)の説明において先に例示した劣化因子透過速度の測定の方法が挙げられる。
劣化促進試験前後の部品の酸素又は水蒸気の透過速度を測定し、劣化促進試験後の部材の酸素又は水蒸気の透過速度を部材の機能損失の指標とする。そして、例えば、酸素の23℃、50%RH、1atmでの透過速度が30mg/cm/年となった時点で部材の機能が損失したとみなす場合、酸素の透過速度が30mg/cm/年となるのに要する劣化促進試験の試験日数を試験日数(β)とする。あるいは水蒸気の25℃、95%RHでの透過速度が1g/cm/年となった時点で部材の機能が損失したとみなす場合、水蒸気の透過速度が1g/cm/年となるのに要する劣化促進試験の試験日数を試験日数(β)とする。
なお、部材の種類や使用目的に応じて、部材の機能が損失したとみなす酸素又は水蒸気の透過速度を適宜決定すればよい。
電気化学試験により部材の機能を評価する場合、電気化学試験としては工程(A)の説明において先に例示したEIS法、RST法などが挙げられる。
EIS法にて部材の機能を評価する場合、劣化促進試験前後の部品の抵抗値を測定し、劣化促進試験後の部材の抵抗値を部材の機能損失の指標とする。そして、例えば、1kHzでの抵抗値が10Ω・cmとなった時点で部材の機能が損失したとみなす場合、抵抗値が10Ω・cmとなるのに要する劣化促進試験の試験日数を試験日数(β)とする。
RST法にて部材の機能を評価する場合、劣化促進試験前後の部品のイオン透過抵抗値を測定し、劣化促進試験後の部材のイオン透過抵抗値を部材の機能損失の指標とする。そして、例えば、イオン透過抵抗値が1MΩとなった時点で部材の機能が損失したとみなす場合、イオン透過抵抗値が1MΩとなるのに要する劣化促進試験の試験日数を試験日数(β)とする。
なお、部材の種類や使用目的に応じて、部材の機能が損失したとみなす抵抗値やイオン透過抵抗値を適宜決定すればよい。
上述した中でも、部材の機能評価の精度が高い観点から、機能評価試験としては、複合サイクル試験、劣化促進試験前後の厚み測定、RST法が好ましく、部材が金属の表面に形成された塗覆装材の場合は複合サイクル試験がより好ましい。
試験日数(β)は5日以上であることが好ましく、より好ましくは10日以上であり、さらに好ましくは20日以上であり、特に好ましくは30日以上である。
劣化促進試験を断続的に行う場合、試験日数(β)は合計日数で5日以上であることが好ましい。
<工程(F)>
工程(F)は、下記式(2)より前記部材の耐用年数(γ)を求める工程である。
耐用年数(γ)=促進倍率(α)×試験日数(β) ・・・(2)
例えば図2に示すグラフ(c)の場合、上述したように劣化促進試験の促進倍率(α)は2.5[年/日]である。また、劣化促進試験を60日間行った後の部材に対して機能評価試験を行い、機能評価試験後の発錆面積率が50%となり、部材の機能が損失したとみなす場合、試験日数(β)は60日となることから、部材の耐用年数(γ)は2.5[年/日]×60[日]=150[年]と算出される。
上述した工程(A)~工程(F)を経て、部材の耐用年数(γ)を推定することができる。
以上説明した本発明の部材の耐用年数推定方法は、実暴前の部材と同等組成の部材(試験片)の劣化促進試験と、劣化促進試験後の部材の機能評価試験を行い、部材の実暴経年品と劣化促進試験後の部材の劣化度合いを測定する、という簡便な操作により部材の耐用年数(γ)を推定することができる。劣化曲線は極初期の誘導期間を除いたとしてもその後の劣化挙動が非線形を示すことも多い。本発明は、劣化曲線が非線形を示すような部材に対しても好ましく適用できる。また、試験日数(β)が劣化曲線上で非線形領域にあったとしても本発明を好ましく適用できる。また、部材の実暴経年品の劣化度合いの測定は、経過年数30年程度まで行えば多くの場合、傾向を示すことができるデータを収集できるので、推定する耐用年数の長さに比して比較的短期間で部材の耐用年数(γ)を推定することができる。
本発明の部材の耐用年数推定方法は、部材の耐用年数(γ)が実暴経年品の経過年数の2倍以上である場合に適しており、特に、部材の耐用年数(γ)が60年以上である場合に好適であり、例えば経過年数が20年に対して100年や200年の耐用年数が期待できる部材に対して数十日といった比較的短期間での推定が可能となる。
本発明によれば、耐用年数の見積もりが可能となることから、例えば製品全体のメンテナンスプログラムの策定や、製品全体に合わせた部材仕様の設定が可能となる。

Claims (22)

  1. 日光が遮蔽された空間における部材の耐用年数推定方法であって、
    工程(A):前記部材の前記空間における実暴経年品の劣化度合いを測定し、経過年数(横軸)に対して劣化度合い(縦軸)をプロットしたグラフ(a)を作成する工程と、
    工程(B):実暴前の前記部材に対して劣化促進試験を行い、前記劣化促進試験後の部材の劣化度合いを測定し、試験日数(横軸)に対して劣化度合い(縦軸)をプロットしたグラフ(b)を作成し、劣化曲線を得る工程と、
    工程(C):前記劣化曲線に前記グラフ(a)のプロットが近似するように、前記グラフ(a)と前記グラフ(b)を重ね合わせたグラフ(c)を得る工程と、
    工程(D):前記グラフ(c)に基づき、任意の経過年数と、その経過年数における劣化度合いに対応する試験日数から、下記式(1)より劣化促進試験の促進倍率(α)を求める工程と、
    促進倍率(α)=任意の経過年数/試験日数 ・・・(1)
    工程(E):前記劣化促進試験後の前記部材に対して機能評価試験を行い、前記部材の機能が喪失するのに要する前記劣化促進試験の試験日数(β)を求める工程と、
    工程(F):下記式(2)より前記部材の耐用年数(γ)を求める工程と、
    耐用年数(γ)=促進倍率(α)×試験日数(β) ・・・(2)
    を含み、
    前記部材が、素地が金属である塗膜であり、
    前記劣化促進試験が湿度70%RH超、100%RH以下、かつ、100℃超の環境下で行われる、部材の耐用年数推定方法。
  2. 前記部材がガラス転移点を有し、前記劣化促進試験が前記部材のガラス転移点以上の環境下で行われる、請求項1に記載の部材の耐用年数推定方法。
  3. 前記劣化促進試験が有酸素の環境下で行われる、請求項1又は2に記載の部材の耐用年数推定方法。
  4. 前記試験日数(β)が5日以上である、請求項1~のいずれか一項に記載の部材の耐用年数推定方法。
  5. 前記部材がガラス転移点を有し、前記部材の実暴環境の平均温度が、前記部材のガラス転移点以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の部材の耐用年数推定方法。
  6. 前記機能評価試験が、複合サイクル試験、塩水噴霧試験、前記劣化促進試験前後の厚み測定、前記劣化促進試験前後の重量測定、透過率測定及び電気化学試験からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1~のいずれか一項に記載の部材の耐用年数推定方法。
  7. 前記劣化度合いが、化学分析手法により求めたものである、請求項1~のいずれか一項に記載の部材の耐用年数推定方法。
  8. 前記劣化度合いが、機械分析手法により求めたものである、請求項1~のいずれか一項に記載の部材の耐用年数推定方法。
  9. 前記劣化度合いが、物理分析手法により求めたものである、請求項1~のいずれか一項に記載の部材の耐用年数推定方法。
  10. 前記塗膜が焼付塗膜である、請求項1~9のいずれか一項に記載の部材の耐用年数推定方法。
  11. 前記劣化促進試験が前記焼付塗膜の焼付処理時の最高到達温度未満の環境下で行われる、請求項10に記載の部材の耐用年数推定方法。
  12. 前記塗膜が防錆性を有し、前記機能評価試験後の発錆面積率を前記部材の機能損失の指標とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の部材の耐用年数推定方法。
  13. 前記塗膜が防錆性を有し、前記機能評価試験後の発錆領域における断面の金属平均減肉量を前記部材の機能損失の指標とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の部材の耐用年数推定方法。
  14. 前記金属が黒皮付き炭素鋼である、請求項1~13のいずれか一項に記載の部材の耐用年数推定方法。
  15. 前記塗膜が熱硬化性樹脂を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の部材の耐用年数推定方法。
  16. 前記耐用年数(γ)が60年以上である、請求項1~15のいずれか一項に記載の部材の耐用年数推定方法。
  17. 前記部材の厚みが5~100μmである、請求項1~16のいずれか一項に記載の部材の耐用年数推定方法。
  18. 前記耐用年数(γ)が前記実暴経年品の経過年数の2倍以上である、請求項1~17のいずれか一項に記載の部材の耐用年数推定方法。
  19. 前記劣化曲線が非線形である、請求項1~18のいずれか一項に記載の部材の耐用年数推定方法。
  20. 前記試験日数(β)が前記劣化曲線上で非線形領域にある、請求項1~19のいずれか一項に記載の部材の耐用年数推定方法。
  21. 部材の耐用年数推定方法であって、
    工程(A):前記部材の実暴経年品の劣化度合いを測定し、経過年数(横軸)に対して劣化度合い(縦軸)をプロットしたグラフ(a)を作成する工程と、
    工程(B):実暴前の前記部材に対して劣化促進試験を行い、前記劣化促進試験後の部材の劣化度合いを測定し、試験日数(横軸)に対して劣化度合い(縦軸)をプロットしたグラフ(b)を作成し、劣化曲線を得る工程と、
    工程(C):前記劣化曲線に前記グラフ(a)のプロットが近似するように、前記グラフ(a)と前記グラフ(b)を重ね合わせたグラフ(c)を得る工程と、
    工程(D):前記グラフ(c)に基づき、任意の経過年数と、その経過年数における劣化度合いに対応する試験日数から、下記式(1)より劣化促進試験の促進倍率(α)を求める工程と、
    促進倍率(α)=任意の経過年数/試験日数 ・・・(1)
    工程(E):前記劣化促進試験後の前記部材に対して機能評価試験を行い、前記部材の機能が喪失するのに要する前記劣化促進試験の試験日数(β)を求める工程と、
    工程(F):下記式(2)より前記部材の耐用年数(γ)を求める工程と、
    耐用年数(γ)=促進倍率(α)×試験日数(β) ・・・(2)
    を含み、
    前記部材が塗覆装材であり、
    前記塗覆装材が黒皮付き炭素鋼の表面に形成され、前記塗覆装材が防錆性を有し、前記機能評価試験後の発錆面積率を前記部材の機能損失の指標とする、部材の耐用年数推定方法。
  22. 部材の耐用年数推定方法であって、
    工程(A):前記部材の実暴経年品の劣化度合いを測定し、経過年数(横軸)に対して劣化度合い(縦軸)をプロットしたグラフ(a)を作成する工程と、
    工程(B):実暴前の前記部材に対して劣化促進試験を行い、前記劣化促進試験後の部材の劣化度合いを測定し、試験日数(横軸)に対して劣化度合い(縦軸)をプロットしたグラフ(b)を作成し、劣化曲線を得る工程と、
    工程(C):前記劣化曲線に前記グラフ(a)のプロットが近似するように、前記グラフ(a)と前記グラフ(b)を重ね合わせたグラフ(c)を得る工程と、
    工程(D):前記グラフ(c)に基づき、任意の経過年数と、その経過年数における劣化度合いに対応する試験日数から、下記式(1)より劣化促進試験の促進倍率(α)を求める工程と、
    促進倍率(α)=任意の経過年数/試験日数 ・・・(1)
    工程(E):前記劣化促進試験後の前記部材に対して機能評価試験を行い、前記部材の機能が喪失するのに要する前記劣化促進試験の試験日数(β)を求める工程と、
    工程(F):下記式(2)より前記部材の耐用年数(γ)を求める工程と、
    耐用年数(γ)=促進倍率(α)×試験日数(β) ・・・(2)
    を含み、
    前記部材が塗覆装材であり、
    前記塗覆装材が黒皮付き炭素鋼の表面に形成され、前記塗覆装材が防錆性を有し、前記機能評価試験後の発錆領域における断面の金属平均減肉量を前記部材の機能損失の指標とする、部材の耐用年数推定方法。
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