JP7578036B2 - 転写シート及びこれを用いた化粧材の製造方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、基材上に、印刷層と透明樹脂層とを順に有し、該透明樹脂層の最表面にエンボス模様を施した化粧シートが提案されている。
また、特許文献3には、基材シート上に転写層が設けられてなり、転写層が所定の樹脂を含む転写シートが提案されている。
また、特許文献2のようにエンボス加工を施すことで最表面に凹凸形状を形成する手法の場合、エンボスの版の作製は多大な手間がかかり容易なことではなく、さらに所望の柄ごとに版を作製する必要が生じる。そのため、顧客の需要の多様性に十分に対応しやすい手法であるとはいえない。
また、特許文献1の賦型加工、特許文献2のエンボス加工では、製造工程が制約されたり、凹凸形状を付与しようとする物品の材質によっては凹凸形状を付与しにくかったりする場合がある。
さらに、化粧シート等の物品の表面に意匠外観を付与する化粧形態として、凹凸形状及び絵柄層等の装飾層の両方を付与する場合が多い。その場合、特許文献1及び3に記載の発明においては、基材に対して絵柄層の形成のための印刷工程と凹凸形状を賦型するためのエンボス工程という異種の二つの工程が必要となる。そのため、工程時間も長くなり、また製造原価も高くなるという問題もあった。
[1]離型性支持体上に転写層を有する転写シートであって、
前記離型性支持体は、支持体上に離型層を有し、
前記離型層は、シワ形成安定剤を樹脂100質量部に対して0.5質量部以上6.0質量部以下で含む樹脂組成物の硬化物により構成され、前記離型層の前記転写層側の面が不規則なシワにより構成される凹凸形状を有し、前記離型層の60°グロス値が5.0以下である、転写シート。
[2]下記(1)及び(2)の工程を有する、化粧材の製造方法。
(1)請求項1~11のいずれか1項に記載の転写シートの転写層側と、被着体とを密着した積層体を得る工程。
(2)前記積層体から離型性支持体を剥離し、被着体上に転写層を有する化粧材を得る工程。
本実施形態の転写シートは、離型性支持体上に転写層を有してなり、前記離型性支持体は、支持体上に離型層を有し、前記離型層は、シワ形成安定剤を樹脂100質量部に対して0.5質量部以上6.0質量部以下で含む樹脂組成物の硬化物により構成され、前記離型層の前記転写層側の面が不規則なシワにより構成される凹凸形状を有し、前記離型層の60°グロス値が5.0以下であることを特徴とするものである。
本実施形態の転写シートにおける離型性支持体は、支持体上に離型層を有する。離型性支持体は、被着体に転写層を転写した後に、転写層から剥離される。
支持体は、その形態(あるいは形状)は特に制限はないが、転写シートとしての用途を考慮すると、フィルム、シート、板等の平面状の形状であることが好ましい。ここで、フィルム、シート及び板は、通常、相対的に厚みの薄いものからフィルム、シート及び板と称されるが、本明細書中においては、これら三者を厳密に区別する意義は特になく、フィルム、シート及び板の相違によって、本発明の権利解釈に相違が生じることはないものとする。よって、「転写シート」における「シート」には、一般にシートと称されるものを含むのはもちろん、一般にフィルム、板状と称される形状のものも含み得る。また、本明細書では、フィルム、シート及び板については、これらを「シート」、「シート状」等と総称することがある。
支持体がシートであると、既述のように転写シートとして使いやすく、また支持体上に設けられる離型層、さらには剥離層、プライマー層、装飾層、接着剤層等の転写層の形成が容易であるため、製造適性が向上する。
支持体は単層でもよいし、上記材料からなる層を2層以上積層したものであってもよい。支持体が2以上の層の積層体の場合、異種材料の層を2層以上積層し、各層の材料の有する諸性能を互いに補完してなるものが好ましい。
(1)樹脂/金属系材料
(2)樹脂/繊維質材料
(3)樹脂1/樹脂2(例えば、「オレフィン樹脂/アクリル樹脂」等の異なる樹脂により構成される複数の層を有する場合)
等の態様が好ましく挙げられる。
また、支持体が複数層である場合、複数層の各層間に、隣接する各層の接着性を向上させるための層として、接着剤層、粘着剤層、プライマー層(アンカー層、易接着層とも称される。)を更に有するものであってもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、アイオノマー等のポリオレフィン樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレングリコール-テレフタル酸-イソフタル酸共重合体、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート-ブチル(メタ)アクリレート共重合体等のアクリル樹脂;ナイロン6、ナイロン66等に代表されるポリアミド樹脂;三酢酸セルロース、セロファン、セルロイド等のセルロース系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂;ポリビニルアルコール、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂等の熱可塑性樹脂からなる樹脂の支持体が挙げられる。
硬化性樹脂としては、既述の艶消層を構成し得る電離放射線硬化性樹脂、その他熱硬化性樹脂等が挙げられる。
また、天然樹脂としては、天然ゴム、松脂、琥珀等が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤、その他各種添加剤は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン-紫外線処理法等が挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理が表面処理の効果及び操作性等の観点から好ましい。
本実施形態の転写シートにおける離型層は、離型層が、シワ形成安定剤を樹脂100質量部に対して0.5質量部以上6.0質量部以下で含む樹脂組成物(以下、「離型層形成用の樹脂組成物」と称することがある。)の硬化物により構成される層である。すなわち、本実施形態において離型層は、当該離型層を形成する樹脂100質量部に対して0.5質量部以上6.0質量部以下の含有量で、シワ形成安定剤を含む層である。
シワ形成安定剤は、離型層の表面にシワの形成を安定させることで、本実施形態の離型層の全面にわたり均一に艶消効果の視認性が発現し、部分的な艶のムラが低減される、安定的な艶消効果の視認性(以下、単に「安定的な艶消効果の視認性」といった表現、これに準ずる表現を用いる場合がある。)とともに質感を付与する機能を有するものである。
シワ形成安定剤が有する、上記の「シワの形成を安定させる」ことは、より具体的には、「シワ」の形状及びその幾何学的特性値(シワが有する凹凸形状における個々の突起部(凸部)の長さ、幅及びこれらの比、また例えば、Rz(最大高さ)、Rsm(曲線要素の平均長さ)、Ra(算術平均粗さ)、Ssk(スキューネス)、Sku(クルトシス)等の統計的指標、また面内分布(分散σ)等の各種の数値及び指標が、「シワ形成安定剤」を用いることにより、これを用いない場合に比べて収束することを意味する。
さらに、「シワ形成安定剤」と「艶消剤」とは、含有量と表面の艶(グロス値)との関係においても異なる。同じ物質Aをシワ形成開始剤AW(W:シワ,wrincleの略称)として用い、これを特定量Cで含有させて表面にシワを形成させた場合の表面の60°グロス値G60° AW(C)は、同物質Aを単なる艶消剤AM(M:マット、matteの略称)として用い、これを当該特定量Cで含有させるも表面にシワが形成しない場合の表面の60°グロス値G60° AM(C)よりも明らかに低下する。すなわち、以下の関係式が成立する。
G60° AW(C)<G60° AM(C)
なお、本願明細書において「艶消剤」は、既述のように頭出しの効果により凸部を形成する観点から、具体的には当該艶消剤が含まれ得る層、すなわち離型層の厚さの100%超及び30μm超のいずれか小さい方を下限とする平均粒子径を有する粒子を意味する。
有機粒子を構成する有機物としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル-スチレン共重合体樹脂、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル樹脂、ベンゾグアナミン-メラミン-ホルムアルデヒド縮合物、シリコーン、フッ素系樹脂及びポリエステル系樹脂等が挙げられる。
無機粒子を構成する無機物としては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、アルミノシリケート及び硫酸バリウム等が挙げられ、これらの中でも透明性に優れるシリカが好ましい。
また、これと同様の観点から、シワ形成安定剤2の平均粒子径は、好ましくは1nm以上、より好ましくは3nm以上、更に好ましくは5nm以上であり、上限として好ましくは900nm以下、より好ましくは700nm以下、更に好ましくは500nm以下である。
本明細書において、シワ形成安定剤の平均粒子径は、レーザ光回折法による粒度分布測定における質量平均値d50として測定したものである。
離型層は、上記の特定のシワ形成安定剤を特定の含有量で含む離型層形成用の樹脂組成物の硬化物により構成される層であり、既述のように離型層の表面においてシワの形成が安定することで、シワの形状に起因する光拡散効果により安定的に艶消効果の視認性及び質感を発現する層である。離型層の表面形状は、転写層の表面形状に反映される。したがって、離型層の表面形状は、被着体に転写層を転写してなる化粧材の表面形状として反映される。このため、離型層が備える艶消効果及び質感は、被着体に転写層を転写してなる化粧材の艶消効果及び質感に反映される。
本実施形態において、より好ましい不規則なシワは、複数の線条突起部により形成する複数の凸部と、当該複数の線条突起部により囲まれて形成する凹部により構成されるもの、である。
また「蛇行」とは、平面視において、連続する線条の凸部3の延在方向が一方側から他方側に反転している部分(以下、「反転部分」とも称する。)を、少なくとも2箇所以上有し、線条の凸部3をその延在方向に進んだときに、互いに隣接する当該2箇所において交互に線条の凸部3の延在方向が逆向きに反転部分する部分を有することを意味する。例えば、線条の凸部3の平面視形状の幅を無視したときに連続曲線で近似される場合に、ローマ字「S」で近似される部分を有する形態等が挙げられる。また、線条の凸部3の平面視形状の幅を無視したときに直線で近似される場合に、ローマ字「W」で近似される部分を有する形態等が挙げられる。
本実施形態の転写シートを構成する離型層において、一つの突起部(一つの凸部)の形状自体、複数の突起部(複数の凸部)の各々の形状及びその配列、複数の突起部により囲まれた凹部の形状のいずれかが不規則であれば、不規則なシワを有することによる艶消効果の視認性及び質感は得られるが、いずれもが不規則であることが好ましい。本実施形態の転写シートは、離型層が不規則なシワを有することにより、その艶消効果の視認性及び質感は向上し、極めて優れた艶消効果の視認性及び質感を安定的に発現するものとなる。
また図2にも示されるように、離型層の表面は、不規則ながらもある程度の均質性をもった複数の突起部により形成される複数の凸部と、当該凸部により囲まれた凹部と、を有していることが好ましい。よって、1つの凸部(突起部)において、その幅が極端に変化する形状、その高さが極端に変化する形状は、艶消効果の視認性及び質感を得るにあたり好ましい態様とはいえない。不規則なシワを形成する凸部(突起部)、凹部の形状について、安定的に艶消効果の視認性及び質感を向上させる上で優位となり得る具体的な態様について、以下説明する。
ここで、凸部の上記寸法は、本実施形態の転写シートを構成する離型層の任意の10箇所(100μm四方の領域×10箇所)における任意の10の凸部(突起部)、すなわち合計100の凸部の平均値である。また、図2に示されるように、1の凸部(突起部)においてその幅は同じではなく広狭があるため、1の凸部(突起部)の幅は、当該1の凸部(突起部)における任意の5箇所の幅の平均値とする。凸部(突起部)の高さについても同様とする。
ここで、凹部の寸法は、上記の凸部の寸法と同様に決定する。
ここで、凹部の寸法は、上記の凸部の寸法と同様に決定する。
ここで、凸部の占有割合は、本実施形態の転写シートを構成する離型層の任意の10箇所(100μm四方の領域×10箇所)における凸部の占有割合の平均値である。
ここで、本実施形態の転写シートを構成する離型層の任意の10箇所(100μm四方の領域×10箇所)における任意の10の凸部及び凹部(すなわち合計100の凸部及び凹部)について、その80%以上が上記の条件を満たすものであることが好ましく、より好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上、より更に好ましくは95%以上である。また、本明細書における「略同一」の「略」は、概ね同じであることを意味し、枝分かれすることなく、方向の場合は±3°以内の違いを意味し、幅の場合は±5%以内の違いを意味する。
当該凸部の数は、本実施形態の転写シートを構成する離型層の10箇所(100μm四方の領域×10箇所)における凸部の数の平均値である。
凹部の形状としては、例えば図3の2aのように鋭角状のものでもよいし、また2bのように半円又は半楕円状のものであってもよく、これらの組合せであってもよい。また一つの凸部が一部に凹部を有する、図3の2cのような形状であってもよい。
他方、凸部の形状としては、図3の3a、3bのように幅の広狭はあるものの、半円又は半楕円の形状を呈する。
本明細書において、離型層の厚さは、転写シートの断面について、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影した画像から20箇所の厚さを測定し、20箇所の値の平均値とする。なお、SEMの加速電圧は3kV、倍率は厚さに応じて設定とする。また、他の層の厚さについても同様である。
離型層が支持体の部分的に設けられるものである場合、被着体に転写された転写層の表面形状は、部分的に離型層の表面形状を反映しない形状を有することになる。なお、離型層が支持体の部分的に設けられるものである場合、支持体の離型層を有さない箇所には、第2の離型層を有することが好ましい。第2の離型層は、離型性を有し、かつ本発明の効果を阻害しない層であれば、層の形状及び組成は特に制限されない、
離型層を形成する樹脂としては、上記シワ形成安定剤を所定量で含む離型層形成用の樹脂組成物を形成し、硬化することにより硬化物となり離型層を構成する樹脂であればよい。このような樹脂としては、電離放射線硬化性樹脂が挙げられる。
また、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合及び/又は架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も含まれる。
電離放射線硬化性樹脂は、具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂として慣用されている重合性モノマー、重合性オリゴマーの中から適宜選択して用いることができる。
多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子中に2つ以上の電離放射線硬化性官能基を有し、かつ該官能基として少なくとも(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、及びノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー等がある。
シワの形成を安定させて、安定的に艶消効果の視認性及び質感を向上させる観点、更に耐擦傷性及び耐候性等の表面特性、また加工特性を向上させる観点から、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマー、アクリル(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマーがより好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが更に好ましい。
また、これと同様の観点から、これらの重合性オリゴマーの重量平均分子量は、2,500以上7,500以下が好ましく、3,000以上7,000以下がより好ましく、3,500以上6,000以下がさらに好ましい。ここで、重量平均分子量は、GPC分析によって測定され、かつ標準ポリスチレンで換算された平均分子量である。
離型層は、上記シワ形成安定剤を所定含有量で含む樹脂組成物の硬化物により構成され、当該樹脂組成物は、具体的には上記樹脂と、上記シワ形成安定剤を所定含有量で含むものである。本実施形態で用いられる樹脂組成物は、上記シワ形成安定剤及び樹脂の他、所望の性能等に応じて、他の成分を含んでもよい。
離型層形成用の樹脂組成物は、例えばその粘度を低下させる等の目的で、単官能性(メタ)アクリレートを含有してもよい。これらの単官能性(メタ)アクリレートは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α-ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α-アシルオキシムエステル、チオキサントン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
本実施形態の転写シートは、離型層が上記不規則なシワにより構成される凹凸形状を有しており、また離型層の60°グロス値が5.0以下であることから、優れた艶消効果の視認性及び質感を有する転写層を被着体に形成できるものである。本明細書において「艶消」は、光沢を視認しにくいことを意味し、転写層の色調等によりかわるため一概にはいえないが、例えば60°グロス値が5.0以下のものを「艶消」と扱うものとする。また、本実施形態の転写シートは、離型層により艶消を付与するものであり、離型層が有する上記の凹凸形状及び60°グロス値を付与し得るものである。よって、上記離型層の60°グロス値は、本実施形態の転写シートが付与し得る60°グロス値(被着体に転写層を転写してなる化粧材の60°グロス値)を意味する。
このような傾向は、60°グロス値を小さくするほど顕著となる。そのため、艶消剤を用いる従来技術においては、製造上の理由等から艶消剤の使用量を抑制する必要があるため、より優れた艶消効果の視認性を得ることはできない状況にあった。
本明細書において、60°グロス値は、JIS K 5600-4-7:1999に準拠して測定した60°鏡面光沢度のことであり、任意の10箇所におけるグロスメータ等を用いて測定し得る値の平均値である。なお、60°グロス値を測定する際には、サンプルの背面の反射を抑制するために、測定サンプルの背面に、接着剤層を介して黒色板を貼り合わせることが好ましい。
本実施形態の転写シートを構成する離型性支持体は、支持体及び離型層以外の層を有していてもよい。支持体及び離型層以外の層としては、帯電防止層、易接着層等が挙げられる。
転写層は、被着体に転写される層である。
転写層は、少なくとも剥離層を有することが好ましい。また、転写層は、離型性支持体側から、剥離層及び接着剤層をこの順に有することがより好ましい。さらに、転写層は、前記剥離層と前記接着剤層との間に、プライマー層及び装飾層から選ばれる1以上の層を有することがより好ましい。前記剥離層と前記接着剤層との間に、プライマー層及び装飾層を有する場合、前記プライマー層の位置を前記装飾層より前記剥離層側とすることが好ましい。
剥離層は、被着体に転写された際に、転写層の最表面に位置する層である。このため、剥離層は、耐擦傷性、耐候性及び耐汚染性等が良好であることが好ましい。
剥離層に含まれる樹脂の全量に対して、硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物の割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、より好ましくは100質量%である。
熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物は、紫外線吸収剤の使用制限がないため、耐候性を良好にしやすい点で好ましい。
電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物は、耐擦傷性をより良好にしやすい点で好ましい。中でも、電子線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物は、耐擦傷性をより良好にしつつ、紫外線吸収剤の使用制限がないため、耐候性を良好にしやすい点で好ましい。
剥離層が粒子を実質的に含有しないとは、粒子の含有量が剥離層を構成する全固形分の1質量%以下であることを意味し、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0質量%である。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤等が好ましく挙げられ、中でもヒドロキシフェニルトリアジン紫外線吸収剤が好ましい。ヒドロキシフェニルトリアジン化合物は、剥離剤からブリードアウト(bleed out)しにくく、すなわち剥離層形成用の樹脂組成物の硬化物からブリードアウトしにくい。そのため、紫外線吸収剤がブリードアウトしてべたつきが生じる等の、転写後の化粧材の表面の美観の悪化を抑制し、美観が良好に保たれるだけでなく、ブリードアウトした紫外線吸収剤が雨で流出等により徐々に失われ経時的に剥離層中の紫外線吸収剤の濃度が低下することによる耐候性の低下を抑制し、長期にわたって優れた耐光性が得られる。
また、これらの紫外線吸収剤、光安定剤は、分子中に(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する反応性官能基を有するものであってもよい。剥離剤の形成に好ましく採用される上記硬化性樹脂との反応により、ブリードアウトしにくくなるからである。
剥離層中の光安定剤の含有量は、剥離層の樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上15質量部以下が好ましく、0.1質量部以上10質量部以下がより好ましく、1質量部以上7質量部以下がさらに好ましい。
剥離層は、被着体に転写層を転写しやすくするため、必要に応じて形成される層である。例えば、被着体に転写シートの転写層を転写する際に、被着体と転写シートとの間に、別途用意した接着剤を用いる場合には、転写層は接着剤層を有していなくてもよい。また、接着剤を用いることなく、転写層と被着体とを密着できる場合には、転写層は接着剤層を有していなくてもよい。
転写層が接着剤層を有する場合、転写層を構成する層の中で、離型性支持体から最も離れた位置に接着剤層を形成することが好ましい。接着剤層は、後述する装飾層の機能を兼ねることもできる。
粘着剤としては、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ゴム系等の粘着剤を適宜選択して使用できる。
熱硬化型接着剤としては、熱によって化学反応が生じて架橋する性質を有する組成物を含むものが好ましく、例えば、2液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエ-テルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤等を例示できる。なお、2液硬化型ウレタン系接着剤を構成するウレタン系樹脂は、ポリオール(多価アルコール)を主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするポリウレタンである。
熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、スチレン-アクリル共重合、ポリエステル樹脂、アミド樹脂、シアノアクリレート樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられ、これらを単独で、又は複数種を組み合わせて使用できる。これらの中でも、耐候性が良好なアクリル樹脂が好ましい。
接着剤層が着色剤を含むことにより、接着剤層単体、あるいは接着剤層と後述する装飾層との組み合わせにより、転写層の意匠性を高め、また転写層の隠蔽性を向上させて被着材の表面の色、外観を隠蔽することができる。
着色剤の含有量が5質量部以上であることにより、転写層の意匠性を良好にしやすくできる。また、着色剤の含有量が90質量部以下であることにより、接着剤層の接着力の低下を抑制しやすくできる。
転写層は、転写層を構成する層同士の密着性を良好にするため、
転写層各層に、必要に応じて既述の酸化法、凹凸化法等の物理的表面処理、化学的表面処理等の表面処理を施す、またこれらの各層の層間に易接着層としてプライマー層を設けてもよく、またこれらの表面処理とプライマー層とを組み合わせて採用してもよい。プライマー層は、例えば、剥離層と接着剤層との層間に形成することができる。剥離層と接着剤層との間に、プライマー層及び装飾層を有する場合、プライマー層の位置装飾層よりも剥離層側とすることが好ましい。
プライマー層が剥離層と接着層との間に形成されることにより、転写層の層間密着性が良好となり、転写層の耐候性及び耐久性を向上できる。
また、バインダー樹脂は、これら樹脂に、イソシアネート系硬化剤、エポキシ系硬化剤等の硬化剤を添加し、架橋硬化したものであってもよい。
これらの中でも、ポリカーボネート系ウレタン-アクリル共重合体が好ましい。
(1)ポリカーボネートジオールと(ジ)イソシアネートを反応させてポリカーボネート系ポリウレタン高分子を得る。
(2)前記ポリカーボネート系ポリウレタン高分子と、アクリルモノマーとをラジカル重合させ、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体を得る。
ブロッキング防止剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.1~30質量部の範囲が好ましく、より好ましくは1~25質量部、さらに好ましくは3~20質量部、特に好ましくは5~15質量部である。
転写層は、意匠性を高めるため、装飾層を有していてもよい。装飾層は、剥離層と接着剤層との間に形成することが好ましい。
装飾層により表現する絵柄(模様)としては、木材板表面の年輪及び導管溝等の木目模様;大理石、花崗岩等の石板表面の石目模様;布帛表面の布目模様;皮革表面の皮シボ模様;目地溝を含むタイル貼り模様;目地溝を含む煉瓦積模様;砂目模様;梨地模様;互いに平行な方向に伸びる凹條部及び凸條部を複数配列させてなる模様(いわゆる「万線状凹凸模様」又は「光線彫模様」);幾何学模様、文字、図形、水玉及び花柄等の抽象柄模様;等が挙げられる。
着色層及び絵柄層のバインダー樹脂としては特に制限はなく、例えば、ウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、ブチラール樹脂、スチレン樹脂、ウレタン-アクリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル共重合体樹脂、塩素化プロピレン樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等の樹脂が挙げられる。また、1液硬化型樹脂、イソシアネート化合物等の硬化剤を伴う2液硬化型樹脂など、種々のタイプの樹脂を使用できる。
着色剤の含有量は、装飾層を構成する樹脂100質量部に対して、5質量部以上90質量部以下が好ましく、15質量部以上80質量部以下がより好ましく、30質量部以上70質量部以下がさらに好ましい。
着色層及び絵柄層の厚みは、所望の絵柄に応じて適宜選択すればよいが、意匠性を向上させるために、0.5μm以上20μm以下が好ましく、1μm以上10μm以下がより好ましく、2μm以上5μm以下がさらに好ましい。特に、被着材の色及び外観を隠蔽する必要がある場合には、含有する着色剤の種類及び含有量のいかんにもよるが、着色層及び絵柄層の厚さは1.5μm以上とすることが好ましい。
金属薄膜の膜厚は、0.1μm以上1μm以下程度とできる。
転写シートは、転写層の離型性支持体とは反対側にセパレータを有していてもよい。
接着剤層が感圧接着層の場合、転写層上にセパレータを有することにより、転写シートをロール状に巻き取った際にブロッキングを防ぎやすくしたり、転写シートが不用意に他の物体に貼りつくことを防ぎやすくしたりできる。
セパレータとして用いるプラスチックフィルムとしては、上述の支持体で例示したものと同様のものを使用できる。セパレータは、転写層と接する表面が、離型剤等で離型処理されていることが好ましい。離型剤としては、フッ素系離型剤及びシリコーン系離型剤等の公知の離型剤を使用できる。
セパレータの厚みは特に限定されないが、転写シートの取り扱い性を向上させるために、10μm以上200μm以下であることが好ましく、15μm以上150μm以下であることがより好ましく、20μm以上100μm以下であることがさらに好ましい。
本実施形態の転写シートを構成する離型性支持体は、例えば、以下の方法により製造することができる。
支持体の一方の主面側に、シワ形成安定剤を樹脂100質量部に対して0.5質量部以上6.0質量部以下で含む、離型層形成用の樹脂組成物を塗布して塗布層を形成する工程、少なくとも100nm以上200nm未満の波長光で照射して前記塗布層を硬化させて離型層を形成する、離型層形成工程を経て製造することが好ましい。また、樹脂組成物が溶剤を含有する場合、塗布層を形成する工程の後、溶剤乾燥工程を経てもよい。
このような製造方法により、本実施形態の離型性支持体を容易に得ることが可能となる。具体的には、離型層の形成にあたり、少なくとも100nm以上200nm未満という低波長の紫外線を、離型層を形成するシワ形成安定剤を含む樹脂組成物に照射することにより、当該離型層の少なくとも一方の表面に、シワを形成させることができ、離型性支持体の表面(≒離型層の表面)に安定的に艶消効果の視認性及び質感を付与しやすくなる。
また、後述する実施例と比較例との対比より、シワ形成安定剤を含まない場合にシワの形成が不安定となり艶消効果の視認性が離型層の全面にわたって安定して、十分な程度には発現しないことから、当該艶消効果の安定的な発現は、低波長の紫外線による表面部分のみの硬化だけでは説明できない。すなわち、本実施形態の転写シートがシワを安定的に有することで艶消効果の視認性を発現するには、シワ形成安定剤が含まれることが必要不可欠である。シワ形成安定剤を含まない場合にシワの形成の安定による安定的な艶消効果の視認性が得られていないことを考慮すると、シワ形成安定剤がシワ形成のきっかけとなる核のような機能を有しており、当該核を中心に、上記樹脂組成物の表面部分の樹脂が集まりシワの凸部(突起部)と、凸部(突起部)の形成とともに凹部が形成し、結果としてシワの形成が安定するものと考えられる。そして、このようにして形成したシワは、その形状に起因する光拡散効果により、離型性支持体の表面に艶消効果の視認性を安定的に付与するとともに、質感をも安定的に付与するものと考えられる。
エキシマ光は波長ピークが単一であり、また通常の紫外線(例えば、メタルハライドランプ、水銀ランプ等から放射される紫外線)と比べて波長の半値幅が狭いことが特徴として挙げられる。このようなエキシマ光を用いることで、シワの形成が安定し、安定的に艶消効果の視認性及び質感が向上する。
また、これと同様の観点から、紫外線出力密度は、好ましくは0.01W/cm以上、より好ましくは0.1W/cm以上、更に好ましくは0.5W/cm以上であり、上限として好ましくは10W/cm以下、より好ましくは5W/cm以下、更に好ましくは3W/cm以下である。
また、上記波長光を照射する際の酸素濃度は、より低いことが好ましく、好ましくは1,000ppm以下、より好ましくは750ppm以下、更に好ましくは500ppm以下、より更に好ましくは300ppm以下である。
例えば、既述の表面部分と表面から深さ方向に離れた深奥部分の硬化の進行度合いの違いによるシワの形成を安定させ、かつ深奥部分への硬化の進行を促進する観点から、例えば200nm以上の波長光、例えば、380nm以上、好ましくは385nm以上400nm以下程度の波長光で予め照射して離型層形成用の樹脂組成物を全体的に予備硬化させた後に、100nm以上200nm未満の波長光で照射してもよいし、また100nm以上200nm未満の波長光での照射後に、樹脂組成物を更に硬化させるために後硬化を行ってもよい。予備硬化、後硬化については、離型層に求められる所望の性状(例えば、耐擦傷性、耐汚染性等の表面特性、また加工特性)に応じて採用の要否を適宜決めればよい。また、上記波長光は紫外線に属するものであるが、紫外線に限らず他の電離放射線、例えば電子線等を用いることも可能である。例えば、後硬化においては、離型層の耐久性向上のため、電子線が好ましく用いられ得る。
本実施形態の化粧材の製造方法は、下記(1)及び(2)の工程を有する。
(1)上述した本実施形態の転写シートの転写層側と、被着体とを密着した積層体を得る工程。
(2)前記積層体から離型性支持体を剥離し、被着体上に転写層を有する化粧材を得る工程。
工程(1)の被着体については、特に限定されることなく、紙、不織布及び織布等の繊維質材料、樹脂、木質系材料、金属、非金属無機材料等を材質とする被着体を適宜選択できる。
被着材の形態(乃至は形状)は、フィルム、シート、板、多面体、多角柱、円柱、錐体、球面、回転楕円体面等の各種形状とすることができ、特に制限はない。フィルム、シート、板については、上記支持体について説明した内容と同じである。
上記支持体で例示した(1)~(3)の積層体に加えて、以下(4)~(9)の積層体も挙げられる。なお、「/」は各層の界面を示す。
(4)樹脂/金属
(5)樹脂/繊維質材料
(6)金属/木質系材料
(7)金属/非金属無機材料
(8)金属/繊維質材料
(9)金属1/金属2(例えば、金属1が銅、金属2がクロムにより構成される複数の層を有する場合)
金属としては、アルミニウム、ジュラルミン等のアルミニウムを含む合金、鉄、炭素鋼、ステンレス鋼等の鉄を含む合金、胴、真鍮、青銅等の銅を含む合金、金、銀、クロム、ニッケル、コバルト、錫、チタン等が挙げられる。また、金属により構成される金属基材としては、これらの金属をめっき等の処理を施したものを用いることもできる。
また、非金属無機材料としては、セメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、石膏、珪酸カルシウム、木片セメント等の非セラミック系窯業系材料、陶磁器、土器、硝子、琺瑯等のセラミックス系窯業系材料、石灰岩(大理石を含む。)、花崗岩、安山岩等の天然石等が挙げられる。
(a1)平板上の被着体上に、転写シートの転写層側の面を接し、重ね合わせる工程。
(a2)転写シートの剥離フィルム側から加熱及び/又は加圧し、前記平板上の被着体と前記転写シートの転写層とを密着させる工程。
(z1)転写シートの転写層側をインモールド成形用金型の内側に向けて配置する工程。
(z2)前記インモールド成形用金型内に樹脂を射出注入する工程。
(z3)前記転写シートと、前記樹脂とを一体化させて、前記転写シートの転写層と前記樹脂とを密着させ、樹脂成形体を形成する工程。
(z4)前記樹脂成形体を前記インモールド成形用金型から取り出す工程。
(0)転写シートからセパレータを剥離する工程。
更に、上記の各種部材の他にも、化粧材は、単体で、又は他の素材と積層乃至は複合化した形態で、包装材料、ディスプレイ用防眩フィルム、白板又は黒板、クレジットカード、キャッシュカード、テレフォンカード、各種証明書類等の各種カード、各種キーボード類の鍵盤、窓、扉、間仕切り等の透明板(窓ガラス、ショウウィンドウ等)、人工皮革等に用いることができる。すなわち、本実施形態の転写シートは、これらの各種部材等に凹凸形状及び絵柄層等の転写層を転写するための転写シートとして好適に用いられる。
また、化粧材のうち、樹脂化粧板については、主に箪笥、棚、机等の一般家具の表面化粧板、扉(ドア)等の建具、各種カウンター等に好適に用いられる。
1-1.60°グロス値
実施例及び比較例で得られた化粧材のポリカーボネート樹脂板の背面に、接着剤層を介して黒色板を貼り合わせたサンプルを作製した。前記サンプルの剥離層側から、グロスメータ(「マイクログロス(機種名)」、BYKガードナー社製)を用いて、JIS K5600-4-7:1999に準拠して60°鏡面光沢度を測定した。
実施例及び比較例で得られた化粧材について、任意の成人20人に表面の質感(面状態の均一性)について評価させて、以下の基準で評価した。
A:18人以上が、面状態が均一であり、艶消効果の視認性が高いと評価した。
B:15人以上17人以下が、面状態が均一であり、艶消効果の視認性が高いと評価した。
C:14人以下が、面状態が均一であり、艶消効果の視認性が高いと評価した。
実施例及び比較例で得られた化粧材について、下記の耐候性試験を実施した。耐候性試験後の化粧材について、1-2と同一の基準で、表面の質感(面状態の均一性)を評価した。
<耐候性試験>
耐候性試験装置(ダイプラ・ウィンテス株式会社製の商品名「メタルウェザー」)を用いて、耐候性試験を実施した。耐候性試験では、下記の「紫外線照射工程」、「結露工程」、「水噴霧工程」を1サイクルとして、500時間経過するまで前記サイクルを繰り返し実施した。
《紫外線照射工程》
照度:60mW/cm2、ブラックパネル温度:63℃、槽内湿度:50%RH、時間:20時間
《結露工程》
照度:0mW/cm2、ブラックパネル温度:30℃、槽内湿度:98%RH、時間:4時間
《水噴霧工程》
結露工程の前後10秒間、水を噴霧する。
[実施例1]
支持体(コロナ放電処理を施したPETシート。厚さ:100μm)の一方の面に、アクリル樹脂及びウレタン樹脂をバインダー樹脂として含む樹脂組成物を塗布、乾燥して、易接着層(厚さ:2μm)を形成した。
易接着層上に、下記の離型層形成用の樹脂組成物を、グラビア法により塗布し(塗布量:5g/m2(乾燥時))、次いでLEDから構成されるUV照射装置を用いて紫外線を照射し(波長:395nm、紫外線量:0.6W/cm2)、次いでエキシマ光照射装置を用いて紫外線を照射し(波長:172nm(Xe2)、紫外線出力密度:1W/cm、積算光量:10~100mJ/cm2、窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下))、次いで更に高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して(波長:365nm、紫外線出力密度:200W/cm)、離型層を形成した。
上記工程により、支持体上に、易接着層及び離型層を有する離型性支持体を得た。
次いで、コロナ照射した剥離層上に、下記のプライマー層形成用の樹脂組成物を塗布、乾燥し、厚さ2.5μmのプライマー層を形成した。
次いで、上記プライマー層上に、アクリル樹脂(PMMA、重量平均分子量:96,000)を塗布、乾燥し、厚さ4μmのヒートシール性を有する接着剤層を形成した。接着層剤を形成後、常温にて24時間エージングすることで、実施例1の転写シートを得た。
次いで、前記積層体から剥離フィルムを剥離し、実施例1の化粧材を得た。実施例1の化粧材は、被着体上に転写層を有している。
・多官能ウレタンアクリレートオリゴマー(4官能):65質量部
・単官能アクリレートモノマー:35質量部
・シワ形成安定剤(シリカ粒子、平均粒子径:3μm):1.0質量部
・光重合開始剤(ベンゾフェノン系):0.8質量部
・電離放射線硬化性樹脂(2官能ウレタンアクリレートオリゴマー):100質量部
・紫外線吸収剤(BASF社、商品名:Tinuvin479):0.5質量部
・光安定剤(BASF社、商品名:Tinuvin123):0.3質量部
・ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体:100質量部
(重量平均分子量50,000)
・紫外線吸収剤(BASF社、商品名:Tinuvin479):20質量部
・紫外線吸収剤(BASF社、商品名:Tinuvin400):15質量部
・光安定剤(BASF社、商品名:Tinuvin123):3.5質量部
・ブロッキング防止剤(平均粒子径3μmのシリカ):10質量部
・溶剤:適量
実施例1において、離型層形成用の樹脂組成物中のシワ形成安定剤を第1表に示される使用量に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2~3の転写シートを得た。得られた転写シートを用いて、実施例1と同様にして、実施例2~3の化粧材を得た。
実施例1において、離型層形成用の樹脂組成物中のシワ形成安定剤を第1表に示される使用量に変更した。さらに、剥離層形成用の樹脂組成物1を、下記の剥離層形成用の樹脂組成物2に変更した。前述した変更点以外は、実施例1と同様にして、実施例4の転写シートを得た。得られた転写シートを用いて、実施例1と同様にして、実施例4の化粧材を得た。
・電離放射線硬化性樹脂(2官能ウレタンアクリレートオリゴマーと6官能ウレタンアクリレートオリゴマーとの質量比4:6):100質量部
・紫外線吸収剤(BASF社、商品名:Tinuvin479):2質量部
・光安定剤(日本乳化剤株式会社、商品名:サノールLS-3410):3質量部
実施例1において、離型層形成用の樹脂組成物中のシワ形成安定剤の使用量を0質量部とした以外は、実施例1と同様にして転写シートを得た。得られた転写シートを用いて、実施例1と同様にして化粧材を得た。
実施例1において、離型層形成用の樹脂組成物中のシワ形成安定剤の使用量を0質量部とし、代わりに艶消剤(平均粒子径:5.0μm)を15.0質量部使用したものを用い、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射(波長:365nm、紫外線出力密度:200W/cm)した以外は、実施例1と同様にして転写シートを得た。得られた転写シートを用いて、実施例1と同様にして化粧材を得た。
支持体(厚さ100μmのPET)の一方の面からサンドブラスト処理を施した。次いで、サンドブラスト処理面上に、実施例1と同様に、剥離層、プライマー層及び接着剤層を形成し、比較例3の転写シートを得た。次いで、得られた転写シートを用いて、実施例1と同様にして化粧材を得た。
一方、離型層にシワ形成安定剤を含まない比較例1の転写シートを用いて得られた化粧材は、図7に示されるようにその表面にはシワが若干発生していたものの、安定的に艶消効果の視認性が得られず、優れた質感を付与できるものではなかった。離型層に艶消剤を含む比較例2の化粧シートは15.0質量部と実施例におけるシワ形成安定剤の含有量より多い量を含有させても、離型層に相当する表面の層にシワの形成がなく、これを用いて得られた化粧材の60°グロス値は8.3と、実施例におけるシワ形成安定剤よりも多量に艶消剤を用いたにもかかわらず、実施例の化粧材のグロス値に劣っており、また質感にも劣るものであることが確認された。また、サンドブラスト処理された支持体を含む比較例3の転写シートを用いて得られた化粧材は、60°グロス値が21.4と高く、艶消し効果に劣るものであった。
10:離型性支持体
11:支持体
12:離型層
20:転写層
21:剥離層
22:プライマー層
23:装飾層
24:接着剤層
2:凹部
3:凸部(突起部)
Claims (11)
- 離型性支持体上に転写層を有する転写シートであって、
前記離型性支持体は、支持体上に離型層を有し、
前記離型層は、シワ形成安定剤を樹脂100質量部に対して0.5質量部以上6.0質量部以下で含む樹脂組成物の硬化物により構成され、前記離型層の前記転写層側の面が不規則なシワにより構成される凹凸形状を有し、前記離型層の60°グロス値が5.0以下である、転写シート。 - 前記シワ形成安定剤が、平均粒子径が1μm以上前記離型層の厚さの100%以下のシワ形成安定剤1を含む請求項1に記載の転写シート。
- 前記シワ形成安定剤が、平均粒子径が1μm未満のシワ形成安定剤2を含む請求項1又は2に記載の転写シート。
- 前記不規則なシワが、複数の線条突起部により形成する複数の凸部と、前記複数の線条突起部により囲まれて形成する凹部とにより構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の転写シート。
- 前記離型層が、前記支持体上の全面にわたって設けられる請求項1~4のいずれか1項に記載の転写シート。
- 前記樹脂が、電離放射線硬化性樹脂である請求項1~5のいずれか1項に記載の転写シート。
- 前記転写層が、前記離型性支持体側から、剥離層及び接着剤層をこの順に有する請求項1~6のいずれか1項に記載の転写シート。
- 前記剥離層と前記接着剤層との間に、プライマー層及び装飾層から選ばれる1以上の層を有する請求項7に記載の転写シート。
- 前記剥離層が、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物を含む請求項7又は8に記載の転写シート。
- 前記剥離層が、紫外線吸収剤又は光安定剤を含む請求項7~9のいずれか1項に記載の転写シート。
- 下記(1)及び(2)の工程を有する、化粧材の製造方法。
(1)請求項1~10のいずれか1項に記載の転写シートの転写層側と、被着体とを密着した積層体を得る工程。
(2)前記積層体から離型性支持体を剥離し、被着体上に転写層を有する化粧材を得る工程。
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