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JP7579353B2 - 重症急性呼吸器症候群(sars)における疾患進行を予後診断するためのプロアドレノメデュリン - Google Patents
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JP7579353B2 - 重症急性呼吸器症候群(sars)における疾患進行を予後診断するためのプロアドレノメデュリン - Google Patents

重症急性呼吸器症候群(sars)における疾患進行を予後診断するためのプロアドレノメデュリン Download PDF

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Description

説明
本発明は、医学的リスク評価、臨床診断および予後、ならびに治療指針、ならびに対応する方法および製品の分野に関する。
本発明は、重症急性呼吸器症候群(SARS)を有するか、または発症するリスクのある患者における疾患進行を予後診断するための方法であって、方法が、患者からの試料中のプロアドレノメデュリン(proADM)もしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定することを含み、当該レベルが、SARS進行の重症度を示す、方法に関する。本方法は、いくつかの実施形態において、患者が、重症急性呼吸器症候群(SARS)の症状を呈する場合、患者が、SARSウイルスによる感染の症状を呈する場合、または、患者が、SARS-CoV2などのSARSコロナウイルスなどのSARSウイルスに感染している場合に使用するように構成される。
本発明は、さらに、患者に対する治療指針、層別化、および/または制御のための方法であって、proADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルが、患者に、入院および/またはICUへの入院などの、強化された処置および/または疾患監視を必要とする状態への疾患進行のリスクがあるか否かを示す、方法に関する。
本発明は、さらに、重症急性呼吸器症候群(SARS)を有するか、または発症するリスクのある患者における疾患進行を予後診断することに関し、患者が、SARSコロナウイルスに感染しており、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の症状が軽度であるかまたはまったくないことを示す。本発明は、さらに、SARSと診断された患者の健康における後の有害事象を予後診断することに関する。
本発明の背景
重症急性呼吸器症候群(SARS)は、2002年に最初に観察されたウイルス媒介性呼吸器疾患である。科学的報告に基づいて、すべての人間のCoVは人獣共通感染症の起源である可能性があると想定されている。人間が感染すると、ウイルスは飛沫感染および人間同士の密接な接触を介して急速に広がり、最終的には流行のシナリオまたはさらにはパンデミックをもたらす可能性がある(1~3)。典型的な症状は、発熱、悪寒、乾性咳、呼吸困難、および下痢である(mayoclinic)。症状の外観および重症度は、感染した患者間で異なる可能性がある。一部の患者は無症候であるようにも見える(4)。したがって、臨床経過は、医療現場に提示されない無害な自己治癒シナリオから、患者が集中治療室(ICU)で生存しない重症の場合まで、様々であり得る。
病態生理学的観点から、SARSは複雑な病状であり、ウイルスは上気道内で複製を開始し、さらに下気道に広がるか、またはより多くの非呼吸器臓器および細胞を標的にする可能性がある。臨床調査では、肝臓、腎臓、心臓、腸、脳およびリンパ球も影響を受ける可能性があることが示されている(Jin2020、Gu2005)。
ウイルスは細胞損傷を直接促進することができ、それによって全身性炎症反応およびそれに続く多臓器損傷が引き起こされることが提示されている。CoVはまた、レニン-アンジオテンシン系を機能不全にし、肺水腫の発症の重要な要因である肺血管透過性を増加させる。全身性炎症反応とレニン-アンジオテンシン系の機能不全の両方が、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を引き起こす、いわゆるサイトカインストームに寄与する。多臓器不全および/またはARDSの発症は、数週間または数日以内の高い死亡リスクを有するSARS患者の重症状態を表している(3、5)。
次の危険因子は、症候群の重篤な経過を助長すると考えられている:年齢、心血管疾患、がん、糖尿病、免疫抑制、喫煙および肥満(6)。この回顧的分析では、これらおよびさらなる臨床パラメータ、ならびに、DダイマーおよびSOFAスコアなどのマーカーがCOVID-19の予後について分析される。Lang Wang他(”Coronavirus disease 2019 in elderly patients:Characteristics and prognostic factors based an 4-week follow-up”,Journal of Infection,vol.80,no.6,1 January 2020,pages 639-645)は、特定の臨床的疾患特性および予後因子に関して、高齢のCOVID-19患者を分析している。Zhengsheng Zou他(”Prognostic Factors for Severe Acute Respiratory Syndrome:A Clinical Analysis of 165 Cases”,Clin Infect Dis 2004 Feb 15;38(4):483-489)も、SARS患者の臨床/予後因子を調べている。
流行シナリオの間、低リスクから高リスクの患者に適切なケアを保証するために、機能的な医療システムを維持する必要があることは明らかである。救急部門または集中治療室は、重度の症状を示す患者で直ちに混雑する可能性がある。重篤患者について、バイオマーカーベースの評価は、治療的介入の拡大を必要とする可能性がある患者、または治療の拡大を必要としない可能性がある患者、および、早期ICU退室の対象となる可能性がある患者を特定するのに役立ち得る。
SARS患者のリスク評価を可能にするバイオマーカーはプロアドレノメデュリン(proADM)であり、これは、これまでSARSに関与していなかった。ProADMは、微小循環を安定させ、内皮透過性およびその結果生じる臓器不全から保護するために複数の組織によって生成されるプロホルモンである(7~14)。SARS患者のリスク層別化に関するproADMのデータはこれまでに発表されていないが、バイオマーカーは、例えば敗血症(15)および下気道感染症(16~18)の分野において、かなりの見込みを示している。Salvador Bello他(”Prognostic power of proadrenomedullin in community-acquired pneumonia is independent of aetiology”,European Respiratory Journal,vol.39,no.5,10 November 2011,pages 1144-1155)は、proADMを病因とは無関係である肺炎の予後因子として説明している。Philipp Schuetz他(Clinical Chemistry and Laboratory Medicine,vol.53,no.4,1 January 2015,pages 521-539)は、proADMを使用してCOPDの疾患進行を予測することができることを示している。Jaume Baldira他(”Biomarkers and clinical scores to aid the identification of disease severity and intensive care requirement following activation of an in-hospital sepsis code”,Annals of Intensive Care,vol.10,no.1,1 January 2020,pages 1-11)は、様々なバイオマーカーおよびスコアを分析し、敗血症が疑われる患者の感染症を特定するのに好適であるとproADMを説明している。
内皮および微小循環は、主に重要な各臓器内の血流の調節および分配とともに、敗血症に対する病態生理学的宿主反応において重要な役割を果たすことが広く認められている(19、20)。したがってproADMなどを介した内皮および微小循環の測度は、個々の臓器機能障害のスコアと比較して、総合的な宿主反応の重症度に関する代替的な指標を提供することができる。
集団全体でのSARSウイルスの潜在的に速い感染速度、および流行またはパンデミックのシナリオでの大規模な入院の可能性を考慮すると、例えばSARSウイルスによって引き起こされるものなどの重症急性呼吸器症候群(SARS)を有するか、または発症するリスクのある患者の疾患進行のリスクを評価するための新規の手段が必要とされている。今に至るまで、臨床医は、患者が強化された治療および/または疾患監視を必要とするか、または臨床ケアから安全に解放することができるかを評価するための十分に信頼できる手段を有していない。
本発明の概要
従来技術における困難に照らして、本発明の根底にある技術的問題は、重症急性呼吸器症候群(SARS)を有するか、または発症するリスクのある患者の疾患進行を予後診断するための手段の提供である。
本発明の根底にある技術的問題は、ヘルスケア供給者によって実行される単純なアッセイに基づいて、以下を判定するための手段の提供であると考えることができる:
-例えば、SARSの症状またはSARSウイルスによる感染の症状を患う患者が、一般医療開業医などのプライマリヘルスケア供給者を訪れた場合に、重症急性呼吸器症候群(SARS)を有するか、または発症するリスクのある患者に入院が必要であるか否か、または
-例えば、SARSの症状またはSARSウイルスによる感染の症状を有する患者がEDまたは病院に現れた場合に、重症急性呼吸器症候群(SARS)を有するか、または発症するリスクのある患者にICUにおける処置および監視が必要であるか否か、または
-例えば、SARSの症状が明らかであるか否かに関係なく、SARSウイルスによる感染の症状を患っていると診断された、重症急性呼吸器症候群(SARS)を有するか、または発症するリスクのある患者に病院またはICUにおける処置および監視が必要であるか否か。
したがって、本発明は、上記患者からの試料において判定されたアドレノメデュリン(ADM)レベル、特にproADMまたはMR-proADMレベルに基づいた、SARSの症状またはSARSウイルスによる感染の症状を有する患者、またはSARSもしくはSARSウイルスによる感染を有すると診断された患者の診断、予後診断、予測、リスク評価および/もしくはリスク層別化、または治療指針、層別化、および/もしくは制御のための方法、キット、およびさらなる手段に関する。
したがって、本発明の1つの目的は、入院またはICUにおける処置および/もしくは監視を必要とする可能性が高いか、またはそのリスクが高い(すなわち、病院またはICUで提供される集中治療を必要とするリスクが高い)患者と、このような治療を必要とするリスクが低い患者とを区別するためのバイオマーカー、またはバイオマーカーの組み合わせもしくは臨床スコアと組み合わせたバイオマーカーの使用である。
本発明の技術的問題の解決策は、独立請求項に提供されている。
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に提供されている。
したがって、proADMは、SARSを有する患者またはSARSのリスクがある患者のSARS進行の重症度を示すためのツールとして使用することができる。そのような患者は、治療的介入の拡大など、強化された治療および/または疾患監視のために臨床状況への移行を必要とする場合がある。代替的に、提案されたアプローチにより、特定の治療法の拡大解除と併せて、臨床ケアからの早期退出のために患者を特定することができる。
したがって、一態様において、本発明は、重症急性呼吸器症候群(SARS)を有するか、または発症するリスクのある患者における疾患進行を予後診断するための方法であって、方法が、患者からの試料中のプロアドレノメデュリン(proADM)もしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定することを含み、当該レベルが、SARS進行の重症度を示す、方法に関する。
実施形態において、判定されたレベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)は、強化された治療に対する患者の必要性を示す。好ましくは、判定されたレベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)は、酸素サポート、侵襲的機械的換気、または非侵襲的機械的換気の必要性を示す。実施形態では、強化された治療、特に酸素サポート、侵襲的機械的換気、または非侵襲的機械的換気の必要性は、proADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定した直後、または30分、1時間、2、3、4、5、6、8、12、16、20、もしくは24時間以内、または2、3、4、5、6、7、10、14、17、21、24、もしくは28日以内であり得る。実施形態では、強化された治療、特に酸素サポート、侵襲的機械的換気、または非侵襲的機械的換気の必要性は、患者の入院中である。
実施形態において、判定されたレベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)は、患者が強化された治療を必要としないかまたは必要としなくなることを示す。好ましくは、判定されたレベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)は、患者が酸素サポート、侵襲的機械的換気、または非侵襲的機械的換気を必要としないかまたは必要としなくなることを示す。実施形態では、判定されたproADMもしくはその断片(単数または複数)は、患者が、proADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定した直後、または30分、1時間、2、3、4、5、6、8、12、16、20、もしくは24時間以内、または2、3、4、5、6、7、10、14、17、21、24、もしくは28日以内に、強化された治療、特に酸素サポート、侵襲的機械的換気、または非侵襲的機械的換気を必要としないかまたは必要としなくなることを示す。実施形態において、判定されたproADMもしくはその断片(単数または複数)は、患者が、患者の入院滞在中に、強化された処置、特に酸素サポート、侵襲的機械的換気、または非侵襲的機械的換気を必要としないかまたは必要としなくなることを示す。
実施形態では、判定されたproADMもしくはその断片(単数または複数)が、例えば、患者が、proADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定した直後、または30分、1時間、2、3、4、5、6、8、12、16、20、もしくは24時間以内、または2、3、4、5、6、7、10、14、17、21、24、もしくは28日以内または入院滞在中に、強化された治療、特に酸素サポート、侵襲的機械的換気、または非侵襲的機械的換気を必要としなくなることを示す場合、判定されたproADMもしくはその断片(単数または複数)は、患者に、入院を必要とする状態への疾患進行のリスクがないことを示す。
一実施形態において、方法は、患者の治療指針、層別化および/または制御をさらに含み、proADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルが、患者に、強化された処置および/または疾患監視を必要とする状態への疾患進行のリスクがあるか否かを示す。
一実施形態では、患者は、重症急性呼吸器症候群(SARS)の症状を呈する。
一実施形態では、患者は、SARSウイルスによる感染の症状を呈する。
一実施形態では、患者は、SARSウイルスに感染している。
一実施形態では、患者は、コロナウイルスに感染している。
一実施形態では、患者は、SARSコロナウイルスに感染している。
一実施形態では、SARSコロナウイルスは、SARS-CoV2を含む。
一実施形態では、患者は、インフルエンザウイルスに感染していない。
一実施形態では、患者は、さらにインフルエンザウイルスに感染している。
一実施形態では、患者は、重症急性呼吸器症候群(SARS)の症状を呈し、インフルエンザウイルスに感染している。一実施形態では、患者は、SARSウイルスによる感染の症状を呈し、インフルエンザウイルスに感染している。一実施形態では、患者は、SARSウイルスに感染しており、インフルエンザウイルスに感染している。一実施形態では、患者は、コロナウイルスに感染しており、インフルエンザウイルスに感染している。一実施形態では、患者は、SARSコロナウイルスに感染しており、インフルエンザウイルスに感染している。
一実施形態では、患者には、さらにインフルエンザウイルス感染を発症するリスクがある。
一実施形態では、患者は、重症急性呼吸器症候群(SARS)の症状を呈し、インフルエンザウイルス感染を発症するリスクがある。一実施形態では、患者は、SARSウイルスによる感染の症状を呈し、インフルエンザウイルス感染を発症するリスクがある。一実施形態では、患者は、SARSウイルスに感染しており、インフルエンザウイルス感染を発症するリスクがある。一実施形態では、患者は、コロナウイルスに感染しており、インフルエンザウイルス感染を発症するリスクがある。一実施形態では、患者は、SARSコロナウイルスに感染しており、インフルエンザウイルス感染を発症するリスクがある。
一実施形態では、患者は、さらにインフルエンザウイルス感染の症状を呈する。
一実施形態では、患者は、重症急性呼吸器症候群(SARS)の症状を呈し、インフルエンザウイルス感染の症状を呈する。一実施形態では、患者は、SARSウイルスによる感染の症状を呈し、インフルエンザウイルス感染の症状を呈する。一実施形態では、患者は、SARSウイルスに感染しており、インフルエンザウイルス感染の症状を呈する。一実施形態では、患者は、コロナウイルスに感染しており、インフルエンザウイルス感染の症状を呈する。一実施形態では、患者は、SARSコロナウイルスに感染しており、インフルエンザウイルス感染の症状を呈する。
一実施形態では、患者は、さらに細菌感染を患っている。
一実施形態では、患者は、重症急性呼吸器症候群(SARS)の症状を呈し、細菌感染を患っている。一実施形態では、患者は、SARSウイルスによる感染の症状を呈し、細菌感染を患っている。一実施形態では、患者は、SARSウイルスに感染しており、細菌感染を患っている。一実施形態では、患者は、コロナウイルスに感染しており、細菌感染を患っている。一実施形態では、患者は、SARSコロナウイルスに感染しており、細菌感染を患っている。
一実施形態では、患者には、さらに細菌感染を発症するリスクがある。
一実施形態では、患者は、重症急性呼吸器症候群(SARS)の症状を呈し、細菌感染を発症するリスクがある。一実施形態では、患者は、SARSウイルスによる感染の症状を呈し、細菌感染を発症するリスクがある。一実施形態では、患者は、SARSウイルスに感染しており、細菌感染を発症するリスクがある。一実施形態では、患者は、コロナウイルスに感染しており、細菌感染を発症するリスクがある。一実施形態では、患者は、SARSコロナウイルスに感染しており、細菌感染を発症するリスクがある。
一実施形態では、患者は、さらに細菌感染の症状を呈する。
一実施形態では、患者は、重症急性呼吸器症候群(SARS)の症状を呈し、細菌感染の症状を呈する。一実施形態では、患者は、SARSウイルスによる感染の症状を呈し、細菌感染の症状を呈する。一実施形態では、患者は、SARSウイルスに感染しており、細菌感染の症状を呈する。一実施形態では、患者は、コロナウイルスに感染しており、細菌感染の症状を呈する。一実施形態では、患者は、SARSコロナウイルスに感染しており、細菌感染の症状を呈する。
一実施形態では、患者は、さらにインフルエンザウイルス感染および細菌感染を患っている。
一実施形態では、患者は、重症急性呼吸器症候群(SARS)の症状を呈し、インフルエンザウイルス感染および細菌感染を患っている。一実施形態では、患者は、SARSウイルスによる感染の症状を呈し、インフルエンザウイルス感染および細菌感染を患っている。一実施形態では、患者は、SARSウイルスに感染しており、インフルエンザウイルス感染および細菌感染を患っている。一実施形態では、患者は、コロナウイルスに感染しており、インフルエンザウイルス感染および細菌感染を患っている。一実施形態では、患者は、SARSコロナウイルスに感染しており、インフルエンザウイルス感染および細菌感染を患っている。
一実施形態では、患者には、さらにインフルエンザウイルス感染および細菌感染を発症するリスクがある。
一実施形態では、患者は、重症急性呼吸器症候群(SARS)の症状を呈し、インフルエンザウイルス感染および細菌感染を発症するリスクがある。一実施形態では、患者は、SARSウイルスによる感染の症状を呈し、インフルエンザウイルス感染および細菌感染を発症するリスクがある。一実施形態では、患者は、SARSウイルスに感染しており、インフルエンザウイルス感染および細菌感染を発症するリスクがある。一実施形態では、患者は、コロナウイルスに感染しており、インフルエンザウイルス感染および細菌感染を発症するリスクがある。一実施形態では、患者は、SARSコロナウイルスに感染しており、インフルエンザウイルス感染および細菌感染を発症するリスクがある。
一実施形態では、患者は、さらに、インフルエンザウイルス感染および細菌感染の症状を呈する。
一実施形態では、患者は、重症急性呼吸器症候群(SARS)の症状を呈し、インフルエンザウイルス感染および細菌感染の症状を呈する。一実施形態では、患者は、SARSウイルスによる感染の症状を呈し、インフルエンザウイルス感染および細菌感染の症状を呈する。一実施形態では、患者は、SARSウイルスに感染しており、インフルエンザウイルス感染および細菌感染の症状を呈する。一実施形態では、患者は、コロナウイルスに感染しており、インフルエンザウイルス感染および細菌感染の症状を呈する。一実施形態では、患者は、SARSコロナウイルスに感染しており、インフルエンザウイルス感染および細菌感染の症状を呈する。
一実施形態では、患者は、重症急性呼吸器症候群(SARS)を発症した場合に有害事象の増加されたリスクを有する患者群に属する。
一実施形態において、有害事象の増加されたリスクを有する患者群は、年齢が60歳以上、好ましくは70歳以上の患者、喘息、嚢胞性線維症、もしくは慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの長期呼吸器疾患もしくは肺疾患の患者、心不全などの長期心疾患の患者、長期腎疾患の患者、肝炎などの長期肝疾患の患者、糖尿病の患者、パーキンソン病、運動ニューロン疾患、多発性硬化症(MS)、脳性麻痺、もしくは学習障害などの長期神経疾患の患者、鎌状細胞貧血もしくは脾臓摘出などの脾臓疾患の患者、HIVもしくはAIDSの患者または免疫抑制薬治療を受けている患者などの、免疫系が弱っている患者、体格指数(BMI)が30以上、BMIが35以上、およびBMIが40以上の患者(重度肥満患者)、妊婦、免疫抑制薬を服用している臓器移植を受けた患者、およびがん患者、特に化学療法もしくは放射線療法を受けているがん患者からなる群から選択される。
一実施形態では、proADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定することは、試料中のMR-proADMのレベルを判定することを含む。
一実施形態では、試料は、全血試料、血清試料、もしくは血漿試料などの血液試料、および/または尿試料からなる群から選択される。
一実施形態では、proADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルは、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の症状の発生後に患者と相談する最初の医療従事者によって得られた試料において判定される。
一実施形態において、患者は、SARSコロナウイルスに感染しており、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の症状が軽度であるかまたはまったくないことを示す。
例えば、本方法は、症状が明らかであるか否かに関係なく、コロナウイルスなどのSARSウイルスの存在を検査することと組み合わせて使用することができる。
一実施形態では、本方法は、
-当該患者からの試料を提供することと、
-当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定することと、を含み、
-当該試料中のproADMレベルもしくはその断片(単数または複数)の低リスクレベルが、当該患者に、強化された処置および/もしくは疾患監視を必要とする状態への疾患進行のリスクがないことを示し、かつ/または
-当該試料中のproADMレベルもしくはその断片(単数または複数)の高リスクレベルが、患者に、強化された処置および/もしくは疾患監視を必要とする状態への疾患進行のリスクがあることを示す。
一実施形態では、当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)の低リスクレベルは、患者が入院を必要とする状態への疾患進行のリスクがないことを示し、および/または、当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)の高リスクレベルは、患者が入院を必要とする状態への疾患進行のリスクがあることを示す。
一実施形態では、当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)の低リスクレベルは、患者がICUにおける処置および/もしくは疾患監視を必要とする状態への疾患進行のリスクがないことを示し、および/または、当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)の高リスクレベルは、患者がICUにおける処置および/もしくは疾患監視を必要とする状態への疾患進行のリスクがあることを示す。
一実施形態では、当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)の低リスクレベルは、患者が酸素サポート、侵襲的機械的換気、または非侵襲的機械的換気を必要とする状態への疾患進行のリスクがないことを示し、および/または、当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)の高リスクレベルは、患者が酸素サポート、侵襲的機械的換気、または非侵襲的機械的換気を必要とする状態への疾患進行のリスクがあることを示す。
実施形態では、当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)の低リスクレベルは、患者が、proADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定した直後、または30分、1時間、2、3、4、5、6、8、12、16、20、もしくは24時間以内、または2、3、4、5、6、7、10、14、17、21、24、もしくは28日以内または入院滞在中に、酸素サポート、侵襲的機械的換気、または非侵襲的機械的換気を必要とする状態への疾患進行のリスクがないことを示し、および/または、当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)の高リスクレベルは、患者が、proADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定した直後、または30分、1時間、2、3、4、5、6、8、12、16、20、もしくは24時間以内、または2、3、4、5、6、7、10、14、17、21、24、もしくは28日以内または入院滞在中に、酸素サポート、侵襲的機械的換気、または非侵襲的機械的換気を必要とする状態への疾患進行のリスクがあることを示す。
一実施形態において、低リスクレベルは、0.87nmol/l±20%以下であり、および/または上記高リスクレベルは、0.87nmol/l±20%を超える。
これは、0.87nmol/l±20%以上のproADMのカットオフ値(好ましくは、MR-proADMのイムノアッセイを使用)が、患者が病状(SARSコロナウイルス感染など)の悪化を経験する可能性が高く、そのため処置および/もしくは疾患監視の強化ならびに/または入院が必要であることを確実に示すことができるという驚くべき発見を表す。
そのため、本明細書に記載の予後報告は、プライマリケアおよび/または病院環境におけるSARSの予後診断および患者管理の分野における驚くべき有益な発見を表すように思われる。
一実施形態において、低リスクレベルは、0.93nmol/l±20%以下であり、および/または上記高リスクレベルは、0.93nmol/l±20%を超える。
これは、0.93nmol/l±20%以上のproADMのカットオフ値(好ましくは、MR-proADMのイムノアッセイを使用)が、患者が病状(SARSコロナウイルス感染など)の悪化を経験する可能性が高く、そのため処置および/もしくは疾患監視の強化ならびに/または入院が必要であることを確実に示すことができるという驚くべき発見を表す。いくつかの実施形態において、0.93nmol/l±20%以上のproADMのカットオフ値は、これを超える値を有する患者として、疾患の重症度、疾患進行、院内死亡のリスクの評価、およびまた患者の体内動態に関する判定を可能にする。これは、このカットオフ値を上回る値を有する患者が、深刻な状態への疾患進行のうちの1つ以上のリスクの増加を示し、院内死亡のリスクを示したためである。
さらなる実施形態において、低リスクレベルは、0.75nmol/l±20%以下であり、および/または上記高リスクレベルは、0.75nmol/l±20%を超える。
さらなる実施形態において、低リスクレベルは、1.5nmol/l±20%以下であり、および/または上記高リスクレベルは、1.5nmol/l±20%を超える。
さらなる実施形態において、低リスクレベルは、0.75nmol/l±20%以下であり、および/または上記高リスクレベルは、2.5nmol/l±20%を超える。
さらなる実施形態において、低リスクレベルは、0.75nmol/l±20%以下であり、および/または上記高リスクレベルは、2.5nmol/l±20%を超える。
症状の発生、医療関係者への患者の提示、および/または入院後の試料単離の特定の時点に関連付けることができる本発明のさらなるカットオフ値が、実施例に開示されている。
「患者が入院を必要とする状態への疾患進行のリスクがある、またはないことを示す」という用語は、いくつかの実施形態では、患者の状態の悪化の予後診断に関する。いくつかの実施形態では、この用語は、病院でのみ、または病院で主に利用可能である特定の治療が必要であるかどうかの予後診断に関する。いくつかの実施形態では、この用語は、疾患帰結の予後診断に関する。
proADMは、いくつかの病状の疾患帰結を予測することが知られているが、本発明は、潜在的な入院を予測する文脈において従来技術に由来しないか、またはこれまでに示唆されなかったであろう特定の患者群におけるプライマリケアシナリオにおいて、重症急性呼吸器症候群(SARS)を有するか、または発症するリスクのある患者適用可能な特定のカットオフ値を提示する。
いくつかの実施形態では、病院で一般的に受けられる治療は、局所および/または経口抗生物質投与を除く治療に関する。
病院で一般的に受けられる治療の例は、抗ウイルス治療の静脈内投与、実験的治療の投与、他の病状に対して承認されている薬剤および処置の適応外使用、抗生物質の静脈内投与、または輸液管理、輸液蘇生、補液、および/もしくは輸液再分配(コロイドおよび/または晶質液など)などの他の輸液療法、または輸血にさらに関する。
病院で主に利用可能な他の治療は、腎代替療法(RRT)、人工的および機械的換気、手術、または病巣洗浄などの洗浄手順であるが、これらに限定されない。
「入院(hospitalization)」という用語は、好ましくは、いくつかの実施形態では、入院(hospital admission)を指す。これは、病院に紹介され、評価され、その後解放される(帰宅する)こととは異なる。入院は、好ましくは、救急室、病棟、集中治療室、または病院もしくは診療所の他の領域にあるかどうかにかかわらず、病院内での患者の病状の制御の維持および/または評価を指す。入院は、好ましくは、いくつかの実施形態では、モニタリングのための患者の一晩の入院に関する。
実施形態では、本発明の方法は、proADMの高リスクレベルが判定された場合、患者を入院させるステップを含む。本発明の実施形態では、患者を入院させることは、病状または健康状態の制御の維持および/もしくは評価、ならびに/または患者の健康状態の変化および/もしくは医療的治療のモニタリングのために、好ましくは数時間、例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、15、18、または24時間以上、患者を病院または診療所または同様の医療機関に入院させることを指す。
本発明の方法は、最先端の既知の方法と比較して、重要な驚くべき進歩を表す。敗血症患者におけるバイオマーカーとしてのproADMのレベルを判定することは記載されているが、コロナウイルス感染または好ましくはCOVID-19(SARS-CoV2による感染)などの重症急性呼吸器症候群(SARS)を有するか、または発症するリスクのある患者において、このような患者が処置および/もしくは疾患監視の強化ならびに/または入院を必要とするかどうかを決定するために、治療指針、層別化、および/または制御のための方法におけるマーカーとしてのproADMの使用に関する開示は以前にない。
特に、本発明の方法は、患者が入院すべきかどうかを示すことに対して決定的であり、この意思決定過程の文脈においてこれまでに開示されていない、proADMもしくはその断片(単数または複数)の高リスクレベルを定義する。本発明は、SARSの症状またはSARSウイルスによる感染の症状を有し、および/またはウイルス性肺炎、肺炎、敗血症、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)および/または呼吸障害の症状を呈しない場合がある患者に特に有用である。本発明の方法はまた、感染症に対する患者の免疫系および/または防御に影響を及ぼし得る血液障害または他の障害を患っていない患者に特に有用であり、これらの患者は、例えば、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の軽度の症状のみを示す可能性がある。
実施形態では、患者は、COVID-19などのSARSとすでに診断されている。
実施形態では、患者は、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の症状を示さない。実施形態では、患者は、SARSを発症するリスクがあり、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の症状を示さない。
一実施形態では、proADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルは、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の症状の発生後に患者と相談する最初の医療従事者によって得られた試料において判定される。
本発明の実施形態では、「SARSもしくはSARSウイルスによる感染の症状の発生後に患者と相談する最初の医療従事者」という用語は、一般開業医(GP)、在宅ヘルスケア労働者または介護者、高齢者住宅の看護師、救急車の運転手、または在宅訪問を行う従事者、救急医療員、医師、地域の診療所の看護師に関するが、これらに限定されない。最初の医療従事者は、好ましくは、医師または他の介護者であるかにかかわらず、感染性疾患の症状を発症したが、好ましくは重篤な病気と診断されていない患者に最初に会うおよび医療スタッフを包含すると解釈される。いくつかの実施形態では、対象に会う最初の医療従事者は、病院、入院エリア、救急治療室または救急部門(ED)にあり、これらの医療従事者は、SARSもしくはSARSウイルス感染の症状を呈する対象を受け入れている。
単一のproADM測定に基づいて、ウイルス性肺炎などの、入院が必要であるほどの重症度のSARSを患者が発症するか否かについて、正確で信頼できる結論を下すことができることはまったく驚くべきことである。proADMのこの予後能力は、発明者の知る限り、新しく、驚くべきものである。
一実施形態では、患者はプライマリケアユニットに送られ、proADMもしくはその断片(単数または複数)の高リスクレベルは、患者の入院が必要であることを示し、proADMまたは断片(単数または複数)の低リスクレベルは、患者の入院が必要ではないことを示す。
本発明の好ましい実施形態では、本方法は、病状の深刻な悪化の深刻なリスクが存在し、それによって入院が必要であるかどうかを日常の臨床的および/または分子診断手段によって判定することが不可能ではないにしても以前は困難であった患者群における潜在的な入院の予後診断によって定義される。この患者群は、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の軽度の症状の患者、またはSARSを発症するリスクのある患者とみなすことができる。
一実施形態では、試料提供時に、患者は、0または1のqSOFAスコアに相当するSARSもしくはSARSウイルスによる感染の軽度の症状を示す。
一実施形態では、試料提供時に、患者は、90以下のPSIスコアに相当するSARSもしくはSARSウイルスによる感染の軽度の症状を示す。
一実施形態では、試料提供時に、患者は、患者において血流感染症、敗血症、重症敗血症、および/または敗血症性ショックの臨床症状を示さない。
一実施形態では、試料提供時に、患者は、患者において気道の細菌感染、肺炎、呼吸不全、多臓器不全、および/または急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の臨床症状を示さない。
qSOFAスコアが0または1に相当する患者など、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の軽度の症状のみを示す患者、およびSARSもしくはSARSウイルスによる感染の症状を示すが血流感染、敗血症、気道の細菌感染、肺炎、呼吸不全、多臓器不全、および/または急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の存在を示さない患者が、本発明によるproADMまたは断片(単数または複数)の高リスクレベルを判定することに基づいて、入院を必要とすると分類することができることはまったく驚くべきことであった。
90以下のPSIスコアに相当する患者など、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の軽度の症状のみを示す患者、およびSARSもしくはSARSウイルスによる感染の症状を示すが血流感染、敗血症、気道の細菌感染、肺炎、呼吸不全、多臓器不全、および/または急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の存在を示さない患者が、本発明によるproADMまたは断片(単数または複数)の高リスクレベルを判定することに基づいて、入院を必要とすると分類することができることはまったく驚くべきことであった。
専門の医師は、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の軽度の症状ならびに/または血流感染、敗血症、気道の追加の細菌感染、肺炎、呼吸不全、多臓器不全および/もしくは急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を示唆しない症状を有する患者が、例えば、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の症状の進行をモニタリングし、治療を実施するために入院を必要とするであろうと予想しないため、これは本発明の方法の大きな利点を表す。このような患者は通常、医療従事者によって検査され、その後、例えば、専門的な医療監視なしで実行することができる治療指示とともに、継続的な医療観察から解放され得る。しかしながら、本発明の方法は、客観的手段によって、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の重篤な症状を示さず、それでも入院を必要とする患者を特定することができる。
一方、用心の理由から、医療従事者、特にSARSもしくはSARSウイルスによる感染の分野を専門としない従事者は、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の症状を有する患者、および血流感染、敗血症、気道の追加の細菌感染、肺炎、呼吸不全、多臓器不全、および/またはARDSを示さない軽度の症状を有する患者さえも、病院または救急診療部へ送る傾向があるが、これは必要ではない場合がある。本発明の方法は、患者が入院しなければならないか否かを決定するために、SARSもしくはSARSウイルスによる感染を専門としない可能性のある経験のない医療従事者にも客観的な基準を提供することができるため、大きな利点を表す。したがって、患者を観察する医療従事者の過度に慎重な意思判定による不必要な入院の割合は、本発明の方法の助力により低下させることができる。一方で、継続的な医療観察が必要であるにもかかわらず、入院しない軽度の症状を有する患者の割合が増加する可能性がある。
0.87nmol/L±20%の好ましいカットオフ値は、完全に予想外で驚くべきものであり、本明細書に記載の患者群および患者を入院させるか否かの意思判定過程に関して、最先端技術では報告されていない。軽度の症状を有する患者、および、機械的換気を必要とする状態などの、重度の病状へと進行する疑いがない患者は、意思決定過程を支持する好適な診断および予後試験がないために、多くの場合、継続的な医療監視から誤って解放される可能性があるため、このカットオフは、これらの患者の入院を決定するのに特に有益である。
一実施形態では、0.5nm/L±20%0.87nmol/L±20%の当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルは、疾患の存在を示し、かつ患者は、入院を必要とする状態への疾患進行のリスクがないことを示す。
健康な患者は、0.0~0.5nmol/LのproADMレベルを有することが多いため、0.5nm/L±20%~0.87nmol/L±20%のproADM値の範囲は特に有益なものである。いくつかの実施形態では、1.5nmol/Lを超える患者もまた、深刻な治療を必要とする。したがって、0.5nm/L±20%~0.87nmol/L±20%のADM値が測定された場合、医療専門家にとって不確実性の「グレーゾーン」が以前から存在していた。しかしながら、本発明は、現在、このような患者のための信頼できる予後報告を可能にする。いくつかの実施形態では、これらの患者は、入院を必要とする深刻な状態に進行する重大なリスクを示さないため、入院から除外される。
0.93nmol/L±20%の好ましいカットオフ値は、完全に予想外で驚くべきものであり、本明細書に記載の患者群および患者を入院させるか否かの意思判定過程に関して、最先端技術では報告されていない。軽度の症状を有する患者、および、機械的換気を必要とする状態などの、重度の病状へと進行する疑いがない患者は、意思決定過程を支持する好適な診断および予後試験がないために、多くの場合、継続的な医療監視から誤って解放される可能性があるため、このカットオフは、これらの患者の入院を決定するのに特に有益である。
一実施形態では、0.5nm/L±20%~0.93nmol/L±20%の当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルは、疾患の存在を示し、かつ患者は、入院を必要とする状態への疾患進行のリスクがないことを示す。
健康な患者は、0.0~0.5nmol/LのproADMレベルを有することが多いため、0.5nm/L±20%~0.93nmol/L±20%のproADM値の範囲は特に有益なものである。いくつかの実施形態では、1.5nmol/Lを超える患者もまた、深刻な治療を必要とする。したがって、0.5nm/L±20%~0.93nmol/L±20%のADM値が測定された場合、医療専門家にとって不確実性の「グレーゾーン」が以前から存在していた。しかしながら、本発明は、現在、このような患者のための信頼できる予後報告を可能にする。いくつかの実施形態では、これらの患者は、入院を必要とする深刻な状態に進行する重大なリスクを示さないため、入院から除外される。
一実施形態では、proADMもしくはその断片の高リスクレベルは、患者が28日、72時間、48時間、24時間、好ましくは12時間以内に生命を脅かす状態への疾患進行のリスクがあることを示し、proADMの低リスクレベルは、患者が28日、72時間、48時間、24時間、好ましくは12時間以内に生命を脅かす状態への疾患進行のリスクがないことを示す。
一実施形態では、proADMもしくはその断片の高リスクレベルは、患者が21日、14日、7日、5日、または4日以内に生命を脅かす状態への疾患進行のリスクがあることを示し、proADMの低リスクレベルは、患者が21日、14日、7日、5日、または4日以内に生命を脅かす状態への疾患進行のリスクがないことを示す。
好ましい実施形態では、proADMもしくはその断片の高リスクレベルは、患者が7日以内に生命を脅かす状態への疾患進行のリスクがあることを示し、proADMの低リスクレベルは、患者が7日以内に生命を脅かす状態への疾患進行のリスクがないことを示す。
実施形態では、上記試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)の高リスクレベル、好ましくは1.5nmol/Lを超える高リスクレベルが、患者に、入院ならびに/またはICUにおける処置および/もしくは疾患監視を必要とする状態への疾患進行および/または有害事象のリスクがあることを示す。実施形態では、上記試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)の高リスクレベル、好ましくは1.5nmol/Lを超える高リスクレベルは、死亡、特に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、21、24、または28日、好ましくは7または28日以内の死亡などの有害事象の発生を示す。実施形態では、上記試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)の低リスクレベル、好ましくは1.5nmol/L以下の低リスクレベルは、死亡、特に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、21、24、または28日、好ましくは7または28日以内の死亡などの有害事象の欠如を示す。
一実施形態では、当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルは、入院を必要とする患者における全身性炎症反応(SIRS)、血液凝固障害、血流感染症、敗血症、重症敗血症、および/または敗血症性ショックの発症のリスクを示す。
一実施形態では、当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルは、気道の細菌感染、肺炎、呼吸不全、多臓器不全、および/またはARDSの発症のリスクを示す。
一実施形態では、そのproADMの高リスクレベルは、患者が72時間、48時間、24時間、好ましくは12時間以内に入院を必要とする全身性炎症反応(SIRS)、血液凝固障害、血流感染症、敗血症、重症敗血症、および/または敗血症性ショックを発症するリスクがあることを示し、proADMの低リスクレベルは、患者が48時間、24時間、好ましくは12時間以内に血流感染症、敗血症、重症敗血症、および/または敗血症性ショックを発症するリスクがないことを示す。
一実施形態では、そのproADMの高リスクレベルは、患者が72時間、48時間、24時間、12時間以内または即時に入院を必要とする、肺炎を含む気道のウイルス感染の発病、呼吸不全、多臓器不全、および/またはARDSを発症するリスクがあることを示し、proADMの低リスクレベルは、患者が48時間、24時間、好ましくは12時間以内または即時に気道の細菌感染、肺炎、呼吸不全、多臓器不全および/またはARDSを発症するリスクがないことを示す。
一実施形態では、当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルは、患者が頻繁なモニタリングおよび/または救命救急治療を必要とすることを示す。一実施形態では、高リスクレベルの患者は、病院環境で提供される医療的治療を必要とする。これらの治療の例には、輸液療法、静脈内抗生物質、機械的換気、実験的治療、薬学的組成物の適応外投与、抗ウイルス治療、いくつかの実施形態では、自宅で自己投与することができる経口抗生物質以外の本質的に任意の治療が含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態では、本方法は、
-感染性疾患を有することが疑われる患者のNEWS、SOFA、qSOFA、CRB-65、PSIおよび/またはAPACHE IIスコアなどの少なくとも1つの臨床スコアを判定することをさらに含み、
-少なくとも1つの臨床スコアおよびproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルが、SARSまたはウイルス誘発性肺炎などのSARSウイルスによる感染の存在を示し、かつ患者が入院を必要とする状態への疾患進行のリスクがあるか否かを示す。
一実施形態では、proADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定することは、試料中のMR-proADMのレベルを判定することを含む。以下の例に示されるように、好ましくはB.R.A.H.M.S(Hennigsdorf,Germany)の確立されたイムノアッセイ製品を使用して判定されたMR-proADMは、本明細書に記載の方法により信頼できる効果的な予後診断を示す。前駆体または断片を含む代替的なADM分子も用いることができる。
一実施形態では、試料は、全血試料、血清試料、もしくは血漿試料などの血液試料、および/または尿試料からなる群から選択される。
一実施形態では、試料は、症状が判定されてから24時間、6時間、2時間、1時間以内、より好ましくは30分または15分以内に患者から単離される。
実施形態では、試料は、症状が判定された後、ならびに/または、医療従事者への提示の時点および/もしく入院の時点の後の24時間(1日)、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、または10日以内に患者から単離される。
驚くべきことに、0.75、0.87、1.5、2.25、および2.5nmol/lの好ましいカットオフレベルは、症状の発生および/または医療従事者への提示および/または疾患進行の予後のための入院の後の種々の時点で使用することができる。これらの好ましいカットオフレベルは、本発明の方法の特定の用途に応じて、有利な感度および特異性と関連付けられる。
一実施形態では、本方法は、上記患者からの試料中の少なくとも1つの追加のバイオマーカーもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定することをさらに含む。好ましくは、少なくとも1つの追加のバイオマーカーのレベルが、抗感染症薬、好ましくは抗ウイルス薬および/または抗生物質もしくは有糸分裂阻害剤による治療の開始を示す。
一実施形態では、本方法は、
a.当該患者からの試料中の少なくとも1つの追加のバイオマーカーもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定すること、ここで少なくとも1つの追加のバイオマーカーは、好ましくはPCTもしくはその断片(単数または複数)である、をさらに含み、かつ
b.少なくとも1つの追加のバイオマーカーのレベルが、抗感染症薬、好ましくは抗ウイルス薬および/または抗生物質もしくは有糸分裂阻害剤による治療の開始を示す。
一実施形態では、少なくとも1つの追加のバイオマーカーは、PCTもしくはその断片(単数または複数)であり、0.25ng/mlを超える、好ましくは0.5ng/mlを超えるPCTもしくはその断片(単数または複数)のレベルは、細菌感染または敗血症を示し、抗感染症薬、好ましくは抗生物質または有糸分裂阻害剤による治療の開始を示す。
一実施形態では、少なくとも1つの追加のバイオマーカーは、PCTもしくはその断片(単数または複数)であり、0.25ng/ml未満のPCTもしくはその断片のレベルは、抗感染症薬、好ましくは抗生物質または有糸分裂阻害剤による治療の開始が必要ないことを示す。
一実施形態では、少なくとも1つの追加のバイオマーカーは、PCTもしくはその断片(単数または複数)であり、0.1ng/ml未満のPCTもしくはその断片(単数または複数)のレベルは、細菌感染の欠如を示す。
以下でより詳細に示されるように、追加のバイオマーカー、特にPCT、またはDダイマー、トロポニンもしくはコペプチンなどの他のもしくは追加の急性期ケアバイオマーカーの組み合わせ測定は、予後診断の改善および/または対象に存在する感染症、心筋梗塞または血液凝固障害の程度、重症度、または種類に関するさらなる指標を可能にする。PCTとproADMとの組み合わせ測定は、いくつかの実施形態では、抗生物質の用量および患者への投与手段に加えて、入院に関する判定につながる可能性がある。したがって、これらのバイオマーカーの組み合わせは、有益であり、本発明の特定の患者群および開業医群において、驚くべき効果を提供する。
実施形態では、少なくとも1つの追加のバイオマーカー追加のバイオマーカーは、アルギニンバソプレッシン(AVP)、プロアルギニンバソプレッシン(proAVP)および/またはコペプチン(CT-proAVP)である。
実施形態では、追加のバイオマーカーは、CT-proET-1などのエンドセリン-1(ET-1)を含む。
驚くべきことに、proADMによる追加のバイオマーカーとしてのET-1(CT-proET-1を含む)および/またはAVP(proAVPおよび/またはCT-proAVPを含む)の組み合わせ測定により、疾患進行の予後の改善が可能になることが示され得る。この改善された予後は、好ましくは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、21、24、または28日以内など、診断および処置開始後の特定の時間枠内の、死亡などの有害事象の発生の兆候または予測を含み得る。
本発明はさらに、疾患進行の予後診断を含む、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の症状を有する患者における治療指針、層別化、および/または制御のための方法に関し、本方法は、
●当該患者の試料を提供することと、
●当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定することと、
●当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルをカットオフ値と比較することと、を含み、
●当該カットオフ値は、0.87nmol/l±20%であり、
●当該カットオフ値未満の当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)の(低リスク)レベルは、患者が入院を必要とする状態への疾患進行のリスクがないことを示し、当該カットオフ値を超える当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)の高リスクレベルは、患者が入院を必要とする状態への疾患進行のリスクがあることを示す。
したがって、本方法は、疾患進行の予後診断を含む、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の症状を有する患者における治療指針、層別化、および/または制御のための方法を用いる治療のために患者を選択することを含む、患者のSARSもしくはSARSウイルスによる感染を治療する方法に関し、本方法は、
●当該患者の試料を提供することと、
●当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定することと、
●当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルをカットオフ値と比較することと、を含み、
●当該カットオフ値は、0.87nmol/l±20%であり、
●当該カットオフ値未満の当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)の(低リスク)レベルは、患者が入院を必要とする状態への疾患進行のリスクがないことを示し、当該カットオフ値を超える当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)の高リスクレベルは、患者が入院を必要とする状態への疾患進行のリスクがあることを示す。
治療方法は、好ましくは本明細書に記載の特定の療法のうちの1つ以上を使用して、当該患者に好適な療法的措置を施すことを含むことが好ましい。
一実施形態では、本発明は、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の症状を有する患者を治療するための方法に関するか、またはそれを含み、本方法は、
-患者から生物学的試料を得るか、または得たことにより、
-当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定するアッセイを実施するか、または実施したことにより、患者がproADMの高または低リスクレベルを有するかどうかを判定するステップを含み、
-当該試料中のproADMレベルもしくはその断片(単数または複数)の低リスクレベルは、0.87nmol/l±20%以下であり、かつ/または
-当該試料中のproADMレベルもしくはその断片(単数または複数)の高リスクレベルは、0.87nmol/l±20%超であり、
-当該試料中のproADMレベルもしくはその断片(単数または複数)の高リスクレベルが判定されると、患者は治療され、当該治療は、好ましくは、入院、または病院でのみもしくは主に病院で利用可能な治療を含む。
本発明はさらに、疾患進行の予後診断を含む、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の症状を有する患者における治療指針、層別化、および/または制御のための方法に関し、本方法は、
-当該患者の試料を提供することと、
-当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定することと、
-当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルをカットオフ値と比較することと、を含み、
-当該カットオフ値は、0.93nmol/l±20%であり、
-当該カットオフ値未満の当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)の(低リスク)レベルは、患者が入院を必要とする状態への疾患進行のリスクがないことを示し、当該カットオフ値を超える当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)の高リスクレベルは、患者が入院を必要とする状態への疾患進行のリスクがあることを示す。
したがって、本方法は、疾患進行の予後診断を含む、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の症状を有する患者における治療指針、層別化、および/または制御のための方法を用いる治療のために患者を選択することを含む、患者のSARSもしくはSARSウイルスによる感染を治療する方法に関し、本方法は、
-当該患者の試料を提供することと、
-当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定することと、
-当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルをカットオフ値と比較することと、を含み、
-当該カットオフ値は、0.93nmol/l±20%であり、
-当該カットオフ値未満の当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)の(低リスク)レベルは、患者が入院を必要とする状態への疾患進行のリスクがないことを示し、当該カットオフ値を超える当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)の高リスクレベルは、患者が入院を必要とする状態への疾患進行のリスクがあることを示す。
-好ましくは、当該試料中のproADMレベルもしくはその断片の高リスクレベルが判定されると、患者は治療され、当該治療は、好ましくは、入院、または病院でのみもしくは主に病院で利用可能な治療を含む。
SARSもしくはSARSウイルスによる感染の症状を有する患者における治療指針、層別化、および/または制御のための方法の実施形態において、0.87nmol/lのカットオフ値に加えてまたは代替的に、0.93nmol/lなどの他のカットオフ値を使用することができる。実施例に示されるように、0.75、1.5、2.25および2.5nmol/lのカットオフ値が、有用であり、したがって、本発明のこの態様の文脈で使用される好適なカットオフ値を表す。実施例は、利用することができ、試料単離の特定の時点と組み合わせて使用した場合に特定の有利に関連するさらなるカットオフ値を開示している。患者における症状の最初の発生、患者の入院、または例えば陽性の臨床検査結果によるSARS感染の診断などの試料単離の時点を判定する事象が本明細書に開示されている。
したがって、本発明は、敗血症などの入院を必要とする状態を発症するSARSもしくはSARSウイルスによる感染の症状を有する患者のリスクを迅速に評価するために、医師、看護師などのプライマリヘルスケア開業医に新しく迅速かつ信頼できる試験を提供する。
本発明の方法の特定の実施形態では、入院を必要とする状態は、感染症、院内感染、敗血症、および/または敗血症性ショックなどのウイルス性感染症関連合併症である。本発明の方法の特定の実施形態では、状態は、好ましくは呼吸器感染性疾患、尿路感染性疾患、皮膚感染性疾患、または腹部感染性疾患に基づく感染症、院内感染、敗血症、および/または敗血症性ショックを含む。
本発明の方法の文脈で使用されるproADMもしくはその断片(単数または複数)のカットオフは、入院を除外するために使用され得ることが特に利点である。したがって、本方法は、試料単離の状況およびその時点で利用可能なさらなる情報、例えば、重度の状態を発症するリスクの増加に応じて、患者の予後診断/リスクのより正確な評価を可能にする。
本発明の方法の結果に応じて、本方法の実施形態は、その後の療法上の判定および/または療法的行為を含み得る。そのような療法上の判定には、医療的治療の開始、変更、または修正が含まれ得る。好ましくは、本発明の方法が病院での治療を必要とする状態を発症することを示す場合、特定の薬物療法、機械的換気、手術、または輸液療法の開始または変更などの好適な療法的措置を開始することができる。
本明細書に開示される任意の療法、医療的治療、または療法的行為は、本発明の方法の文脈では、その後の療法上の判定または療法的行為として、特に機械的換気、静脈内輸液療法、透析、電解質異常(特に、カリウム、カルシウム、およびリン)の管理を含むがこれらに限定されない療法的措置が、具体的に病院おいて施される場合に用いることができる。さらに、患者の維持された集中的な観察およびケアは、数日、数週間、さらには数ヶ月などの長期間にわたって潜在的に望ましい可能性がある。これには、患者をICUに留置または移動すること、および/またはICUでの患者の滞在を延長することが含まれる場合がある。
一方、本発明の方法の結果が入院を必要とする状態を発症するリスクがないことを示す場合、このような合併症に関する特定の治療措置は必要とされない場合がある、またはあまり深刻ではない場合、自己投与可能な治療が処方され得る。
SARSと診断され、重篤である可能性がある患者に関連する本発明の実施形態
本明細書において開示されているさらなる態様において、本発明は、特に治療の開始後短い時間枠内で、SARSと診断されており、重篤である場合がある患者の健康におけるその後の有害事象の予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のための手段の提供に関する。
したがって、本発明は、SARSと診断されており、重篤である場合がある患者の療法を監視するための方法、キット、およびさらには手段、ならびに患者からの試料中で判定されたプロアドレノメデュリン(proADM)レベルに基づいて、SARSと診断されており、重篤である場合がある患者の健康におけるその後の有害事象の予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のための手段を提供することを目的とする。したがって、本発明の1つの目的は、治療を受けたことがあるかあるいは受けている、高い有害事象リスクを有する、SARSと診断されており、重篤である場合がある患者を、低いその後の有害事象リスクを有する、SARSと診断されており、重篤である場合がある患者とは区別するためのバイオマーカーまたはバイオマーカーの組み合わせの使用である。
したがって、実施形態において、本発明は、疾患進行を予後診断するための方法に関し、本方法は、SARSと診断された患者の健康における後の有害事象を予後診断することを含み、予後診断することが、
-当該患者の試料を提供すること、ここで試料は、診断および処置の開始後に患者から単離される、および、
-当該試料中のプロアドレノメデュリン(proADM)もしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定すること、を含み、
-当該proADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルが、当該患者の健康におけるその後の有害事象の可能性を示す。
したがって、実施形態において、本発明は、SARSと診断された患者の健康におけるその後の有害事象の予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化を含む療法を監視するための方法であって、
-当該患者の試料を提供すること、ここで試料は、診断および好ましくは処置の開始後に患者から単離される、および、
-当該試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定すること、を含み、
-当該proADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルが、当該患者の健康におけるその後の有害事象の可能性と相関する、方法に関する。
本発明のこの態様では、本発明の方法の患者は、すでにSARSと診断されており、好ましくは、すでに治療を受けている。したがって、本発明の方法は、その後の有害事象の可能性を判定することに基づいて、開始された治療または療法の成果をモニタリングするために使用することができる。療法モニタリングは、好ましくは、有害事象の予後診断、および/または将来の有害事象に関する患者のリスク層別化またはリスク評価を伴い、このリスク評価および当該リスクの判定は、開始された治療をモニタリングする手段として考慮されるものである。
SARSと診断された患者を治療している医師または医療従事者は、プライマリケア環境などの異なる臨床環境、または、好ましくは救急部門もしくは集中治療室(ICU)などの病院環境で、本発明の方法を用いることができる。方法は、SARSと診断された患者に対して開始された療法の効果を監視するのに非常に有用であり、治療下にある患者が強化された医療的観察下にあるべきであり、追加の療法的措置を受ける可能性のあるはずの高リスク患者であるか否か、あるいは患者が、開始された治療が患者の状態を首尾よく改善する可能性があるため、強化された観察およびさらなる治療措置を必要としない場合のある、健康状態が改善している低リスク患者であるか否か、を判断するのに使用することができる。SARSと診断された患者の当初の治療は、患者の健康における有害事象の可能性に直接的な影響力を有し得る。そのため、将来の有害事象のリスク/予後診断の評価は、開始された療法のフィードバックまたはモニタリングを提供する。
本発明のこの方法の文脈において、ウイルス感染は、好ましくは、SARSコロナウイルスによる感染などのコロナウイルス感染を含む。好ましくは、SARSコロナウイルスは、SARS-CoV2を含む。実施形態では、ウイルス感染はインフルエンザウイルス感染ではない。
さらに、患者は、年齢が60歳以上、好ましくは70歳以上の患者、喘息、嚢胞性線維症、もしくは慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの長期呼吸器疾患もしくは肺疾患の患者、心不全などの長期心疾患の患者、長期腎疾患の患者、肝炎などの長期肝疾患の患者、糖尿病の患者、パーキンソン病、運動ニューロン疾患、多発性硬化症(MS)、脳性麻痺、もしくは学習障害などの長期神経疾患の患者、鎌状細胞貧血もしくは脾臓摘出などの脾臓疾患の患者、HIVもしくはAIDSの患者または免疫抑制薬治療を受けている患者などの、免疫系が弱っている患者、体格指数(BMI)が40以上の患者(重度肥満患者)、妊婦、免疫抑制薬を服用している臓器移植を受けた患者、がん患者、および、特に化学療法もしくは放射線療法を受けているがん患者などの、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の場合に有害事象の増加されたリスクを有する患者群に属し得る。
その後の有害事象発生の可能性は、参照レベル(閾値もしくはカットオフ値、および/または集団平均など)と比較した試料中のproADMもしくはその断片のレベルの比較で評価することができ、参照レベルは、健康な患者またはSARSと診断された患者のproADMもしくはその断片に相当し得る。
したがって、本発明の方法は、患者の健康におけるその後の有害事象の可能性を予測するのを助けることができる。これは、本発明の方法が、合併症を患う可能性がより高いか、あるいは将来的に状態がより重篤になるであろう高リスク患者を、患者の死亡、またはある特定の療法的措置を必要とし得る患者の臨床症状もしくは徴候の悪化などの有害事象を患うであろうことが予想されないため、健康状態が安定しているかあるいは改善さえしている低リスク患者から区別することができることを意味している。
本発明の方法の具体的な利点は、本発明の方法の手段によって、低リスク患者として識別された患者を、ICUからより迅速に退室させ得ることである。また、低リスク患者の場合、患者の健康状態の観察の度合いおよび/または頻度が減少され得る。したがって、患者を担当する病院または他の医療機関は、どの患者が集中治療および観察を必要とするかをより効率的に決定し得る。その結果、例えば、それぞれの病院または機関は、高リスク患者が用いるICUベッドをより効率的に使用し得る。これは、医療従事者がそのような患者に焦点を当てることができながら、低リスク患者をICUから退室させることができるため、高リスク患者に対する医療ケアの改善につながるであろう。これはまた、さもなければ低リスク患者に適用されたであろう不必要な措置のための費用を回避することから、有意な利益をもたらすであろう。
患者がSARSと診断され、最初の治療措置が開始された時点は、「時点0」として定義され、proADMもしくはその断片の判定のために使用される試料の単離時点の基準とし得る。患者の診断および治療の開始が同時に行われない場合、時点0は、診断および医療的治療の開始の2つの事象のうちの遅い方の時点で発生する。典型的には、SARSもしくはSARSウイルスによる感染を患っている患者の診断は、療法の開始直後であるか、またはそれに付随する。
当該患者からの試料中のproADMもしくはその断片のレベルが、上記患者の健康におけるその後の有害事象の発生の可能性に関する重要な情報を提供することができることは、まったく驚くべきことであった。SARSと診断された患者の診断および治療の開始後のproADMもしくはその断片の単回測定が、継続中の治療の成果および患者の健康状態の予後診断に関するそのような重要情報を提供することができるということは示されてこなかった。
SOFA、SAPS II、APACHE II、PSI、CRB-65、およびqSOFAなどの臨床スコアの判定が、患者の検査および調査ならびにその後の分析をも含むいくつかのパラメータの収集に、より多くの時間を必要とする一方で、本発明の実施形態における単一パラメータとしてのproADMもしくはその断片の使用は、proADMレベルをより迅速かつ客観的に判定することができるため、臨床スコアの使用よりも有利である。
好ましい実施形態によれば、試料は、当該診断および治療の開始後30分以内、または当該診断および治療の開始から少なくとも30分、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間後、4日、7日、もしくは10日後に当該患者から単離される。試料単離のさらなる可能な時点は、上記診断および処置開始後2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日または9日を含む。他の実施形態では、試料は、治療の開始から12~36時間および/または3~5日後に当該患者から単離される。
診断および治療の開始から約30分後という短い時点でのproADMもしくはその断片のレベルが、そのような情報を提供することができるという事実は、完全に予想外であった。
実施形態において、試料は、当該診断および治療の開始後30分以内、または当該診断および治療の開始から30分、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間後、4日、7日、もしくは10日後に患者から単離される。
本発明の方法の好ましい実施形態では、当該試料は、当該診断および治療の開始から、約30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、22時間、24時間、30時間、36時間、42時間、48時間、60時間、72時間、84時間、4日、5日、6日、7日、8日、9日、または10日後に当該患者から単離される。
他の実施形態では、試料は、当該診断および処置の開始から、30分~12時間、12~36時間、3~5日、7~14日、8~12日、または9~11日後の時点で単離される。
任意の所与の上記の値の間の範囲を用いて、試料を得る時点を定義することができる。
本発明の別の好ましい実施形態では、患者は、少なくとも1つの追加のバイオマーカーまたは臨床スコアを使用して診断されている。時点0での患者のSARSもしくはSARSウイルスによる感染の初期診断が、少なくとも部分的に、少なくとも1つのバイオマーカーのレベルまたは判定された臨床スコアに基づいていた場合、本発明の文脈において特に有利である。
ある特定の実施形態では、本発明は、マーカー、バイオマーカー、臨床スコアなどの追加のパラメータの判定を含む。
本発明の好ましい実施形態では、当該患者の健康における有害事象は、死亡、好ましくは診断および治療の開始後2~30日以内の死亡、細菌感染などの新たな感染、呼吸不全、臓器不全、ならびに/または病巣洗浄手順、血液製剤の注輸、コロイドの注入、緊急手術、侵襲的機械的換気、ならびに/または腎もしくは肝代替を必要とする臨床症状の悪化である。
本発明の好ましい実施形態では、当該proADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルは、診断および治療の開始後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または最大30日以内の当該患者の健康におけるその後の有害事象の可能性と相関する。
本発明の特定の実施形態において、患者によって受けられる処置は、対症療法、発熱および/もしくは疼痛を低減するための処置、抗炎症治療、抗ウイルス治療、抗生物質治療、酸素サポート、侵襲的機械的換気、非侵襲的機械的換気、腎代替療法、昇圧剤使用、輸液療法、体外血液浄化、ならびに/または臓器保護のうちの1つ以上を含む。
本発明の好ましい実施形態では、試料は、血液試料、血清試料、血漿試料、および/または尿試料からなる群から選択される。
好ましくは、いくつかの実施形態では、方法は、proADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定することにより実行され、proADMの当該判定は、試料中のMR-proADMのレベルを判定することを含む。本明細書に記載の任意の所与の実施形態では、MR-proADMの判定を用いることが好ましく、したがって、各実施形態の文脈において、これが考慮され得る。好ましい実施形態では、「ADM断片」は、MR-proADMであるとみなされ得る。
本発明のさらなる実施形態では、proADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルは、当該患者の健康におけるその後の有害事象の可能性と相関する。好ましい実施形態では、proADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルは、当該患者の健康におけるその後の有害事象の可能性と正に相関する。言い換えれば、判定されたproADMのレベルが高いほど、その後の有害事象の可能性が高い。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)が、その後の有害事象が存在しないことを示し、または、その後の有害事象の低リスクを示し、低重症度レベルが、2.25nmol/l±20%以下であり、または
-高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)は、その後の有害事象を示すか、またはその後の有害事象の高リスクを示し、高重症度レベルが、2.25nmol/l±20%超である。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-2.25nmol/l±20%以下のレベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)が、その後の有害事象が存在しないことを示し、または、その後の有害事象の低リスクを示し、または
-2.25nmol/l±20%超のレベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)が、その後の有害事象を示すかまたはその後の有害事象の高リスクを示す。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)が、その後の有害事象が存在しないことを示し、または、その後の有害事象の低リスクを示し、低重症度レベルが、2.5nmol/l±20%以下であり、または
-高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)は、その後の有害事象を示すか、またはその後の有害事象の高リスクを示し、高重症度レベルが、2.5nmol/l±20%超である。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-2.5nmol/l±20%以下のレベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)が、その後の有害事象が存在しないことを示し、または、その後の有害事象の低リスクを示し、または
-2.5nmol/l±20%超のレベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)が、その後の有害事象を示すか、あるいはその後の有害事象の高リスクを示す。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)が、その後の有害事象が存在しないことを示し、または、その後の有害事象の低リスクを示し、低重症度レベルが、1.5nmol/l±20%以下であり、または
-高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)は、その後の有害事象を示すか、またはその後の有害事象の高リスクを示し、高重症度レベルが、1.5nmol/l±20%超である。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-1.5nmol/l±20%以下のレベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)が、その後の有害事象が存在しないことを示し、または、その後の有害事象の低リスクを示し、または
-1.5nmol/l±20%超のレベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)が、その後の有害事象を示すか、またはその後の有害事象の高リスクを示す。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)が、その後の有害事象が存在しないことを示し、または、その後の有害事象の低リスクを示し、低重症度レベルが、0.87nmol/l±20%以下であり、または
-高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)は、その後の有害事象を示すか、またはその後の有害事象の高リスクを示し、高重症度レベルが、0.87nmol/l±20%超である。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-0.87nmol/l±20%以下のレベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)が、その後の有害事象が存在しないことを示し、または、その後の有害事象の低リスクを示し、または
-0.87nmol/l±20%超のレベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)が、その後の有害事象を示すか、またはその後の有害事象の高リスクを示す。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)が、その後の有害事象が存在しないことを示し、または、その後の有害事象の低リスクを示し、低重症度レベルが、0.75nmol/l±20%以下であり、または
-高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)は、その後の有害事象を示すか、またはその後の有害事象の高リスクを示し、高重症度レベルが、0.75nmol/l±20%超である。
本発明の好ましい実施形態によれば、
-0.75nmol/l±20%以下のレベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)が、その後の有害事象が存在しないことを示し、または、その後の有害事象の低リスクを示し、または
-0.75nmol/l±20%超のレベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)が、その後の有害事象を示すか、またはその後の有害事象の高リスクを示す。
本発明によれば、「その後の有害事象を示す」および「その後の有害事象が存在しないことを示す」の文脈における、「示す」という用語は、リスクおよび/または可能性の尺度として意図される。好ましくは、有害事象の有無の「指標」は、リスク評価として意図されており、典型的には、当該事象の絶対的な有無を明確に指すように限定的な様式で解釈されるものではない。
したがって、「その後の有害事象が存在しないことを示す」または「その後の有害事象を示す」という用語は、それぞれ有害事象の発生の低または高リスクを示すと理解することができる。いくつかの実施形態では、低リスクは、示された値を超えて検出されたproADMレベルと比較して低いリスクに関する。いくつかの実施形態では、高リスクは、示された値未満で検出されたproADMレベルと比較して高いリスクに関する。
ただし、上記を念頭において、proADMの高および低重症度レベルの判定は、本明細書に開示のカットオフ値を使用すると、その後の有害事象の有無の判定に関して非常に信頼できるため、リスクの判定が医療専門家による適切な行為を可能にする。
proADMもしくはその断片のレベルが、SARSと診断されており、この時点で治療を受けていた患者の状況におけるその後の有害事象の有無の可能性と相関し得ることはまったく驚くべきことであった。
本発明の一実施形態では、低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)は、その後の有害事象が存在しないことを示し、低重症度レベルが、1.5nmol/lおよび4nmol/lの範囲のカットオフ値未満である。これらの範囲内の任意の値は、低重症度レベルのproADMもしくはその断片の適切なカットオフ値とみなすことができる。例えば、1.5、1.55、1.6、1.65、1.7、1.75、1.8、1.85、1.9、1.95、2.0、2.05、2.1、2.15、2.2、2.25、2.3、2.35、2.4、2.45、2.5、2.55、2.6、2.65、2.7、2.75、2.8、2.85、2.9、2.95、3.0、3.05、3.1、3.15、3.2、3.25、3.3、3.35、3.4、3.45、3.5、3.55、3.6、3.65、3.7、3.75、3.8、3.85、3.9、3.95、4.0nmol/l。
さらなる実施形態では、低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)は、その後の有害事象が存在しないことを示し、低重症度レベルが、0.7nmol/lおよび1.5nmol/lの範囲内、例えば、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.05、1.1、1.15、1.2、1.25、1.3、1.35、1.4、1.45、1.5nmol/lのカットオフ値未満である。
本発明の一実施形態では、高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)は、その後の有害事象を示し、高重症度レベルが、1.5nmol/lおよび4nmol/lの範囲のカットオフ値超である。これらの範囲内の任意の値は、低重症度レベルのproADMもしくはその断片の適切なカットオフ値とみなすことができる。例えば、1.5、1.55、1.6、1.65、1.7、1.75、1.8、1.85、1.9、1.95、2.0、2.05、2.1、2.15、2.2、2.25、2.3、2.35、2.4、2.45、2.5、2.55、2.6、2.65、2.7、2.75、2.8、2.85、2.9、2.95、3.0、3.05、3.1、3.15、3.2、3.25、3.3、3.35、3.4、3.45、3.5、3.55、3.6、3.65、3.7、3.75、3.8、3.85、3.9、3.95、4.0nmol/l。
さらなる実施形態では、高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)は、その後の有害事象を示し、高重症度レベルが、0.7nmol/lおよび1.5nmol/lの範囲内、例えば、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.05、1.1、1.15、1.2、1.25、1.3、1.35、1.4、1.45、1.5nmol/lのカットオフ値超である。
本明細書に記載の実施形態では、重症度レベルは、好ましくは、低および高重症度またはリスクレベルの間の境界を表すカットオフ値によって定義される。したがって、カットオフを表す任意の実施形態は、2つの重症度レベル間の境界として単一のカットオフ値の形式を使用し得る。
本発明の好ましい実施形態によれば、低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)は、その後の有害事象が存在しないことを示し、低重症度レベルが、2.25nmol/l以下である。
本発明の実施形態では、患者は、集中治療室(ICU)患者であり、
-低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)が、ICUからの当該患者の退室を示すか、または
-高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)が、上記患者をICUに留置すること、および、任意選択的に、ICUでの患者の治療を修正することを示す。
本発明の特定の利点は、proADMもしくはその断片の判定されたレベルの分類に基づいて、ICU患者の健康における将来の有害事象の発生確率を評価することが可能であることである。この評価に基づいて、次の治療オプションおよび判定を調節することが可能である。
例えば、proADMもしくはその断片のレベルが、低重症度レベルのproADMのカテゴリに分類される場合、当該患者の健康における有害事象は、好ましくは次の2~30日以内に発生するであろう可能性が低いため、治療する医師は、ICUから当該患者を退室させることをより自信を持って決定することができる。したがって、この患者をICUにとどめる必要はない場合がある。有害事象のリスクの測定によって評価されるように、継続中の治療が、患者の健康状態を首尾よく改善していると結論付けることも可能であり得る。
対照的に、当該ICU患者のproADMもしくはその断片のレベルの判定が、高重症度レベルのproADMもしくはその断片を示す場合、治療する医師は、患者をICUにとどめるべきである。追加的に、現在の治療が、患者の健康状態を改善していない可能性があり、そのため患者が将来に有害事象を患う可能性がより高いため、患者の治療を調節することを考慮するべきである。
本発明の意味での治療の修正には、限定されないが、継続中の薬物の用量または投与レジメンの調節が含まれるであろう。継続中の治療の異なる治療への変更、継続中の治療にさらなる治療オプションの追加、または継続中の治療の中止。本発明の文脈において患者に適用され得る異なる治療は、本特許明細書の詳細な説明に開示されている。
本発明の特に好ましい実施形態によれば、低重症度レベルは2.25nmol/l以下であり、当該試料は、当該診断および治療の開始から1日以上後にICU患者から単離され、低重症度レベルのproADMまたは断片(単数または複数)は、ICUからの当該患者の退室を示す。
本発明は、さらに、SARSと診断された患者の健康におけるその後の有害事象の予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化を含む療法を監視するための方法であって、
-当該患者の試料を提供すること、ここで、患者は集中治療室(ICU)患者であり、医療的治療が開始されており、試料は、ICUへの入室および治療の開始後に患者から単離される、および、
-当該試料中のアドレノメデュリン(ADM)もしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定すること、を含み、
-当該proADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルが、当該患者の健康におけるその後の有害事象の可能性と相関する、方法に関する。
ICU患者に関する本発明の方法の文脈において、proADMもしくはその断片を判定するために使用される試料の単離時点についての言及は、患者がICUに入室し、最初の治療措置が開始される時点(時点0)である。この時点は、SARSもしくはSARSウイルスによる感染を患っていると診断されたICU患者に関する本発明の方法における診断および治療の開始の時点に相当する。
SARSと診断された患者に関する本発明の方法のすべての実施形態はまた、本明細書のICU患者であるそのような患者に関する本発明の方法の実施形態に対応するとみなされる。
実施形態において、患者が、非ICU病棟に入院している患者または外来患者であるなど、集中治療室(ICU)患者ではなく、
-低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)が、上記患者をICU入室から遠ざけることを示し、または
-高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)が、上記患者をICUに移すこと、および、任意選択的に、ICUでの患者の治療を修正することを示す。
本発明の方法の実施形態において、SARSと診断された患者が、集中治療室(ICU)患者ではなく、通常病棟に入院している患者または外来患者であり、
-低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)が、上記患者をICUから遠ざけることを示し、または
-高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)が、上記患者をICUに移すこと、および、任意選択的に、ICUでの患者の治療を修正することを示し、
-2.25nmol/l±20%が閾値として使用される。
実施形態において、上記試料が、上記診断および治療の開始から1日以上後に上記患者から単離される。診断および治療開始の時点は、患者の入院の時点とみなすことができる。実施形態では、上記試料は、医療従事者への提示および/または入院から1日目(24時間以内)、または入院から1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目または10日目に単離される。
実施形態では、0.75、0.87、1.5または2.5nmol/l±20%などの代替的な閾値が使用され得る。実施例に示されるように、これらの閾値は、意図された医学的結論および本発明の方法から引き出される結果に応じて、特定の有利と関連付けられる。
本発明はさらに、本明細書に記載の医療的徴候の治療方法に関し、治療される患者集団は、本明細書に記載の方法を使用して識別、層別化、モニタリング、予後診断、診断、または評価される。方法の好適な治療について、本明細書に開示されている。したがって、本発明は、有害事象を有するリスクが増加している患者を識別し、予防的もしくはリスクを低減する治療を開始するか、または任意の所与の医療的状態、好ましくは重篤な病気と理解されるものの存在に対処する治療を開始するのに特に有利である。
PCT判定に関連する実施形態:
本発明のさらなる実施形態は、患者から単離された試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)のレベルを加えて判定することを含む。好ましい実施形態では、PCTもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定するための試料は、診断および治療の開始時点前、その時点、またはその後に単離される。
試料中のproADMもしくはその断片の判定を、PCTもしくはその断片の判定と組み合わせることが特に有利であり、proADMを判定するために使用される試料は、PCTを検出するために使用されるのと同じまたは異なる試料であり得る。
PCTの追加の判定は、判定されたPCTレベルに基づいて細菌感染を除外することが可能であるため、本明細書に開示される方法の文脈において有利である。SARS患者は細菌重感染のリスクがあることが多いため、これは特に重要である。
proADMもしくはその断片の判定とPCTもしくはその断片の判定との組み合わせは、同じ試料中であろうと異なる時点で得られた試料中であろうと、その後の有害事象のリスクを判定する正確性および信頼性に関して相乗効果を提供する。これらの相乗効果はまた、proADMもしくはその断片と、Dダイマー、トロポニン、乳酸、CRP、SOFA、SAPS II、APACHE II、NES、CRB-65、PSIスコアなどの他のマーカーもしくは臨床スコア、または他の臨床評価との組み合わせた評価に対して存在する。PCTを判定することを含む本明細書に開示される本発明のすべての実施形態について、PCTの代わりに(またはそれに加えて)本明細書に開示される他の関連するパラメータ、バイオマーカーまたは臨床スコアを含む対応する実施形態が本明細書に開示される。本発明の文脈においてproADMに加えて判定することができる好ましいバイオマーカーは、Dダイマーおよびトロポニンを含む。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本明細書に記載の方法は、加えて、
-患者から単離された第1の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定すること、ここで当該第1の試料は、診断および治療の開始時点前、その時点、またはその後に単離される、
-当該患者から単離された第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定すること、ここで第2の試料は、第1の試料の後、好ましくは第1の試料の単離後30分以内、または第1の試料の単離から30分、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、4日、7もしくは10日後に単離される、および、
-第1の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)のレベルと比較した第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)のレベルの差を判定すること、を含む。
患者から単離された試料中のproADMもしくはその断片の判定と、第1の試料中のPCTもしくはその断片の判定と、第1の試料後に単離された第2の試料中のPCTもしくはその断片のレベルの判定とを組み合わせることが特に有利であり、proADMもしくはその断片の判定に使用される試料が、PCTもしくはその断片の判定に使用される第1の試料または第2の試料と同じまたは異なり得る。
好ましい実施形態では、本明細書に記載の方法は、加えて、
-患者から単離された第1の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定すること、ここで当該第1の試料は、診断および治療の開始時点(時点0)、またはその前に単離される、
-当該診断および治療の開始後好ましくは30分以内、または当該診断および治療の開始から少なくとも30分、好ましくは1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、4日、7日、もしくは10日後に当該患者から単離された、(請求項1に記載の試料に対応する)第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定すること、および、
-第1の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)のレベルと比較した第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)のレベルの差が明らかであるかどうかを判定すること、を含む。
(第2の試料中の)proADMもしくはその断片の判定を、当該患者から単離され、時点0でSARSと当該患者を診断するために使用され得る早期の試料(第1の試料)中のPCTもしくはその断片の判定と、好ましくはproADMもしくはその断片も判定されるのと同じ時点である、診断および治療の開始後のある特定の時点で単離された第2の試料中のPCTもしくはその断片のレベルを判定することと、を組み合わせることが特に有利である。
第1の試料と比較して、第2の試料中のPCTもしくはその断片のレベルの差の判定により、第2の試料中のProADMもしくはその断片のレベルから得られた情報に追加情報が追加される。この組み合わせられた情報に基づいて、第2の試料中のproADMもしくはその断片のレベルについての情報に純粋に基づいて、有害事象の可能性を予測するのに比べて、当該患者の健康における有害事象が発生するかどうかを、より高い確率で予測することが可能であり得る。敗血症用のバイオマーカーは、典型的には相乗的または相補的ではなく、単なる代替的な診断マーカーを表すものであるため、これは驚くべき結論を表している。
本発明の好ましい実施形態では、
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(低重症度レベルが、2.25nmol/l±20%以下である)が、その後の有害事象が存在しないことを示すか、または
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(高重症度レベルが、2.25nmol/l±20%超である)が、その後の有害事象を示す。
本発明の好ましい実施形態では、
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(低重症度レベルが、2.5nmol/l±20%以下である)が、その後の有害事象が存在しないことを示すか、または
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(高重症度レベルが、2.5nmol/l±20%超である)が、その後の有害事象を示す。
本発明の好ましい実施形態では、
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(低重症度レベルが、1.5nmol/l±20%以下である)が、その後の有害事象が存在しないことを示すか、または
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(高重症度レベルが、1.5nmol/l±20%超である)が、その後の有害事象を示す。
本発明の好ましい実施形態では、
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(低重症度レベルが、0.87nmol/l±20%以下である)が、その後の有害事象が存在しないことを示すか、または
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(高重症度レベルが、0.87nmol/l±20%超である)が、その後の有害事象を示す。
本発明の好ましい実施形態では、
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(低重症度レベルが、0.75nmol/l±20%以下である)が、その後の有害事象が存在しないことを示すか、あるいは
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(高重症度レベルが、0.75nmol/l±20%超である)が、その後の有害事象を示す。
PCTに加えて、またはPCTの代替として、Dダイマー、トロポニン、CRP、乳酸塩などの他のバイオマーカー、または1つ以上のNEWS、SAPSII、CRB-65、qSOFA、SOFA、PSI、およびAPACHE IIなどの臨床スコアを、本明細書に開示される本発明の方法の実施形態において使用することができる。
本発明の文脈において、第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCT(または別のマーカーまたは臨床スコア)を判定することは、開始された治療過程にわたる患者におけるそれぞれのマーカーまたは臨床スコアのレベルの減少を示し得る。逆に、第1の試料と比較して上昇した第2の試料中のレベルは、治療過程にわたるマーカーのレベルの増加を示し得る。
診断および治療の開始の日から治療の開始から少なくとも30分後の後の時点まででPCTのレベルが減少している患者が、依然として上昇したその後の有害事象のリスクを呈し得ることはまったく驚くべきことであった。具体的には、高重症度レベルのproADMもしくはその断片が判定されると、このリスクの上昇は明らかである。
PCTは、重篤患者、特にSARSウイルスによる感染などの気道のウイルス感染の患者における二次細菌感染のマーカーであると考えられている。したがって、治療過程にわたるPCT値の減少は、患者の健康状態の改善を示すとみなされる。ただし、本明細書で開示のように、後の時点でのproADMもしくはその断片のレベルが高重症度レベルである場合、PCT値の減少にもかかわらず、患者が将来有害事象を患うリスクにあり得ることが明らかになった。したがって、治療する医師は、第2の試料中のproADMもしくはその断片を判定せずに高リスク患者として識別されなかったであろう、そのような患者の治療を調節することができる。
一方、医師は、治療過程にわたりPCTのレベルが減少しながら、第2の試料中のproADMもしくはその断片のレベルが、低重症度レベルのproADMもしくはその断片であると、有害事象が発生する可能性は低いと確信することができる。したがって、そのような患者は低リスク患者であると識別することができる。SARSと診断された患者の治療過程にわたるPCTレベルの変化の判定と、後の時点でのproADMレベルの判定との組み合わせは、改善された治療監視、患者の健康における将来の有害事象の発生の予後診断、およびリスク評価をもたらすことは、まったく驚くべきことであった。
本明細書に記載の方法の別の好ましい実施形態によれば、
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(低重症度レベルが、2.25nmol/l±20%以下である)が、その後の有害事象が存在しないことを示すか、または
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(高重症度レベルが、2.25nmol/l±20%超である)が、その後の有害事象を示す。
本明細書に記載の方法の別の好ましい実施形態によれば、
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(低重症度レベルが、2.5nmol/l±20%以下である)が、その後の有害事象が存在しないことを示すか、または
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(高重症度レベルが、2.5nmol/l±20%超である)が、その後の有害事象を示す。
本明細書に記載の方法の別の好ましい実施形態によれば、
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(低重症度レベルが、1.5nmol/l±20%以下である)が、その後の有害事象が存在しないことを示すか、または
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(高重症度レベルが、1.5nmol/l±20%超である)が、その後の有害事象を示す。
本明細書に記載の方法の別の好ましい実施形態によれば、
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(低重症度レベルが、0.87nmol/l±20%以下である)が、その後の有害事象が存在しないことを示すか、または
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(高重症度レベルが、0.87nmol/l±20%超である)が、その後の有害事象を示す。
本明細書に記載の方法の別の好ましい実施形態によれば、
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(低重症度レベルが、0.75nmol/l±20%以下である)が、その後の有害事象が存在しないことを示すか、または
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(高重症度レベルが、0.75nmol/l±20%超である)が、その後の有害事象を示す。
本発明の大きな利点は、患者の治療過程にわたりPCTのレベルが増加している場合でさえ、第2の試料中の低重症度レベルのproADMに基づいて、SARSと診断された患者のグループ内の低リスク患者を識別することが可能であることである。増加したレベルのPCTが、SARSと診断された患者の状態が悪化していることを示し、したがって、有害事象の発生を想定するであろうと考えられることは、まったく驚くべきことであった。したがって、成果のある治療を停止し、修正されたかあるいは異なる治療に置き換えることができた。後の時点でのproADMの追加の判定により、増加したPCTレベルを有する患者のグループ内の低リスク患者の識別が可能になり、これは本発明の大きな利点である。
一方、増加しているPCTレベルおよび高重症度レベルのproADMもしくはその断片を有する高リスク患者を識別することが可能であり、これは、将来の有害事象を患う可能性のあるそのような患者のより正確な識別を表す。したがって、これらの患者の治療を調節しながら、この患者が低リスク患者となり得るリスクを最小限にすることができる。
一実施形態では、本発明は加えて、本明細書に記載の診断方法の結果を患者に知らせることを含む。
本発明の方法の好ましい実施形態は、加えて、
-患者から単離された第1の試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定すること、ここで当該第1の試料は、診断および治療の開始時点前、その時点、またはその後に単離される、
-当該患者から単離された第2の試料中のproADMもしくはその断片のレベルを判定すること、ここで当該第2の試料は、第1の試料の後、かつ診断および治療の開始時点後、好ましくは第1の試料の単離後30分以内、または第1の試料の単離から30分、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、4日、7もしくは10日後に単離される、および、
-第1の試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルと比較した第2の試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルの差が明らかであるかどうかを判定すること、を含む。
proADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定するために使用される第1および第2の試料は、PCTもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定するために使用される第1および第2の試料と同じまたは異なり得る。
本発明の方法の好ましい実施形態は、加えて、
-患者から単離された第1の試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定すること、ここで当該第1の試料は、診断および治療の開始時点(時点0)、またはその前に単離される、
-診断および治療の開始後好ましくは30分以内、または当該診断および治療の開始から30分、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、4日、7もしくは10日後に単離された第2の試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定すること、および、
-第1の試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルと比較した第2の試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルの差が明らかであるかどうかを判定すること、を含む。
本発明の方法のさらに好ましい実施形態は、加えて、
-患者から単離された第1の試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)、および任意選択的にPCTもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定すること、ここで当該第1の試料は、診断および治療の開始時点(時点0)、またはその前に単離される、
-当該診断および治療の開始後好ましくは30分以内、または当該診断および治療の開始から少なくとも30分後、当該診断および治療の開始から好ましくは1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、4日、7もしくは10日後に当該患者から単離された第2の試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)、および任意選択的にPCTもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定すること、および、
-第1の試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルと比較した第2の試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルの差、および/またはPCTもしくはその断片のレベルの差を判定すること、を含む。
診断および治療開始の時点から後の時点までのproADMもしくはその断片のレベルの変化の判定が、SARSと診断された患者の健康における将来の有害事象の発生に関する追加情報を提供することができることは驚くべきことであった。本発明のこの実施形態の大きな利点は、時点0で診断マーカーを判定するために使用された同じ試料が、proADMもしくはその断片のベースラインレベルを判定するためにも使用することができることであり、これは診断および治療の開始後時点後でのproADMもしくはその断片のレベルと比較することができる。患者の治療過程にわたるproADMもしくはその断片のレベルの変化を判定することにより、患者の健康における有害事象の発生を予測する正確性をさらに増加することができる。
本明細書に記載の方法の一実施形態では、第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)は、その後の有害事象を示す。
さらなるマーカーを判定することなく、proADMもしくはその断片のレベルの変化に基づいて、患者の健康における有害事象の発生の可能性を確信を持って予測することが可能であることは、驚くべきことであった。診断および治療開始時点から増加したレベルまたは重症度レベルのproADMもしくはその断片は、有害事象の発生するであろう可能性があることを示す。したがって、治療過程にわたるproADMもしくはその断片の変化に基づいて、医師は、患者の治療を変更または修正するか、または当初の治療を貫くかを決定することができる。
本発明の方法の好ましい実施形態では、
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)、および上昇したレベルのPCTもしくはその断片(単数または複数)は、その後の有害事象を示し、かつ/または
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)、および低レベルのPCTもしくはその断片(単数または複数)は、その後の有害事象を示す。
本発明の好ましい実施形態では、第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のproADMもしくはその断片は、上昇した重症度レベルのproADMもしくはその断片に関係する。逆に、本発明の好ましい実施形態では、第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のproADMもしくはその断片は、第1の試料と比較して低重症度レベルの、第2の試料中のproADMもしくはその断片を指す。
SARSと診断された患者の治療の過程にわたり、PCTもしくはその断片の変化を判定することと組み合わせて、proADMもしくはその断片のレベルの変化に基づいて、患者の健康における有害事象の可能性を判定することができることは大きな利点である。したがって、これらの2つのマーカーの変化に基づいて、高リスク患者および低リスク患者を、確信を持って識別することが可能である。PCTレベルの減少が、proADMもしくはその断片のレベルの増加と同時に起きる場合、その後の有害事象の可能性の増加に関連し得ることは、特に驚くべきことであった。
本発明の好ましい実施形態によれば、患者は、集中治療室(ICU)患者であり、
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTもしくもしくはその断片(単数または複数)、および低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(低重症度レベルが、2.25nmol/l±20%以下である)が、ICUからの上記患者の退出を示すか、
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(高重症度レベルが、2.25nmol/l±20%超である)が、患者をICUに留置し、任意選択的に、患者の治療を修正することを示すか、
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(低重症度レベルが、2.25nmol/l±20%以下である)が、ICUからの上記患者の退出を示すか、または
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(高重症度レベルが、2.25nmol/l±20%超である)が、患者をICUに留置し、任意選択的に、患者の治療を修正することを示す。
本発明の好ましい実施形態によれば、患者は、集中治療室(ICU)患者であり、
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(低重症度レベルが、2.5nmol/l±20%以下である)が、ICUからの上記患者の退出を示すか、
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(高重症度レベルが、2.5nmol/l±20%超である)が、患者をICUに留置し、任意選択的に、患者の治療を修正することを示すか、
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(低重症度レベルが、2.5nmol/l±20%以下である)が、ICUからの上記患者の退出を示すか、または
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(高重症度レベルが、2.5nmol/l±20%超である)が、患者をICUに留置し、任意選択的に、患者の治療を修正することを示す。
本発明の好ましい実施形態によれば、患者は、集中治療室(ICU)患者であり、
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(低重症度レベルが、1.5nmol/l±20%以下である)が、ICUからの上記患者の退出を示すか、
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(高重症度レベルが、1.5nmol/l±20%超である)が、患者をICUに留置し、任意選択的に、患者の治療を修正することを示すか、
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(低重症度レベルが、1.5nmol/l±20%以下である)が、ICUからの上記患者の退出を示すか、または
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(高重症度レベルが、1.5nmol/l±20%超である)が、患者をICUに留置し、任意選択的に、患者の治療を修正することを示す。
本発明の好ましい実施形態によれば、患者は、集中治療室(ICU)患者であり、
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(低重症度レベルが、0.87nmol/l±20%以下である)が、ICUからの上記患者の退出を示すか、
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(高重症度レベルが、0.87nmol/l±20%超である)が、患者をICUに留置し、任意選択的に、患者の治療を修正することを示すか、
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(低重症度レベルが、0.87nmol/l±20%以下である)が、ICUからの上記患者の退出を示すか、または
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(高重症度レベルが、0.87nmol/l±20%超である)が、患者をICUに留置し、任意選択的に、患者の治療を修正することを示す。
本発明の好ましい実施形態によれば、患者は、集中治療室(ICU)患者であり、
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(低重症度レベルが、0.75nmol/l±20%以下である)が、ICUからの上記患者の退出を示すか、
-第1の試料と比較して低レベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(高重症度レベルが、0.75nmol/l±20%超である)が、患者をICUに留置し、任意選択的に、患者の治療を修正することを示すか、
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および低重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(低重症度レベルが、0.75nmol/l±20%以下である)が、ICUからの上記患者の退出を示すか、または
-第1の試料と比較して上昇したレベルの、第2の試料中のPCTもしくはその断片(単数または複数)、および高重症度レベルのproADMもしくはその断片(単数または複数)(高重症度レベルが、0.75nmol/l±20%超である)が、患者をICUに留置し、任意選択的に、患者の治療を修正することを示す。
ICU患者の第2の試料(後の時点)の単離の時点でのPCTもしくはその断片のレベルおよびproADMもしくはその断片の重症度レベルの変化の組み合わせた分析手段によって、患者が、継続中の治療を維持しながらICUから退室させることができる低リスク患者であるのかどうか、または患者が、PCTレベルおよび現在のproADMの重症度レベルの変化のそれぞれの組み合わせによって示される有害事象の発生を防ぐために、現在のICUでの療法の修正または調節を必要とする高リスク患者であるのかどうかを決定することができることは、有利である。
本発明のキットに関する実施形態
本発明のさらなる態様は、本明細書に記載される方法を実行するためのキットに関する。
一実施形態では、キットは、
a.患者からの試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定するための検出試薬、および、
b.入院を必要とする状態への疾患進行が起こるかどうかに関する患者のリスクに関する参照データ、特にリスク閾値またはカットオフ値に関する参照データであって、当該参照データが、好ましくは、コンピュータ可読媒体に記憶され、かつ/またはproADMもしくはその断片(単数または複数)の判定されたレベルを、リスク閾値またはカットオフ値と比較するために構成されたコンピュータ実行可能コードの形態で用いられる、参照データ、
c.任意選択的に、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の存在を判定するための検出試薬、好ましくはSARS-CoV2感染などのコロナウイルス感染の存在に対する検出試薬;および、
d.任意選択的に、患者からの試料中の少なくとも1つの追加のパラメータまたはバイオマーカーもしくはその断片(単数または複数)、好ましくはPCT、Dダイマー、トロポニン、体重および/または年齢のレベルを判定するための検出試薬、ならびに、上記少なくとも1つの追加のバイオマーカー(好ましくはPCT)のリスク閾値もしくはカットオフ値の参照レベルなどに関する参照データ、ここで当該参照データは、好ましくは、コンピュータ可読媒体に記憶され、かつ/または少なくとも1つの追加のバイオマーカーもしくはその断片(単数または複数)の判定されたレベルを、閾値もしくはカットオフ値と比較するために構成された、アルゴリズムなどのコンピュータ実行可能コードの形態で用いられる、を含む。
本発明のキットの実施形態では、参照データは、0.87nmol/l±20%のカットオフ値の閾値を含み、患者からの試料中の0.87nmol/l±20%以下のproADMレベルもしくはその断片(単数または複数)の低リスクレベルは、患者が入院を必要とする状態への疾患進行のリスクがないことを示し、かつ/または患者からの試料中の0.87nmol/l±20%超であるproADMレベルもしくはその断片(単数または複数)の高リスクレベルは、患者が入院を必要とする状態への疾患進行のリスクがあることを示す。キットの実施形態では、0.87nmol/l±20%のカットオフ値を含む当該参照データは、proADMもしくはその断片(単数または複数)の判定されたレベルを、リスク閾値またはカットオフ値と比較するために構成されたコンピュータ実行可能コードで提供され、任意選択的に、proADMの判定されたレベルに応じて、患者の入院または(一定の)医療監視からの患者の解放のオプションを含む治療の推奨を提供し得る。
本発明のキットの実施形態では、参照データは、0.93nmol/l±20%のカットオフ値の閾値を含み、患者からの試料中の0.93nmol/l±20%以下のproADMレベルもしくはその断片(単数または複数)の低リスクレベルは、患者が入院を必要とする状態への疾患進行のリスクがないことを示し、かつ/または患者からの試料中の0.93nmol/l±20%超であるproADMレベルもしくはその断片(単数または複数)の高リスクレベルは、患者が入院を必要とする状態への疾患進行のリスクがあることを示す。キットの実施形態では、0.93nmol/l±20%のカットオフ値を含む当該参照データは、proADMもしくはその断片(単数または複数)の判定されたレベルを、リスク閾値またはカットオフ値と比較するために構成されたコンピュータ実行可能コードで提供され、任意選択的に、proADMの判定されたレベルに応じて、患者の入院または(一定の)医療監視からの患者の解放のオプションを含む治療の推奨を提供し得る。
本発明のキットのさらなる実施形態では、参照データは、付加的にまたは代替的に、2.25nmol/l±20%のカットオフ値の閾値を含み、患者からの試料中の2.25nmol/l±20%以下のproADMレベルもしくはその断片(単数または複数)の低重症度レベルは、上記患者のICUからの退出を示し、かつ/または患者からの試料中の2.25nmol/l±20%超であるproADMレベルもしくはその断片(単数または複数)の高重症度レベルは、上記患者をICUに留置し、任意選択的に、ICUにおける患者の処置を修正することを示す。キットの実施形態では、2.25nmol/l±20%のカットオフ値を含む当該参照データは、proADMもしくはその断片(単数または複数)の判定されたレベルを、リスク閾値またはカットオフ値と比較するために構成されたコンピュータ実行可能コードで提供され、任意選択的に、proADMの判定されたレベルに応じて、患者のICUへの留置またはICUからの退出のオプションを含む治療の推奨を提供し得る。
本発明のキットのさらなる実施形態では、参照データは、付加的にまたは代替的に、2.5nmol/l±20%のカットオフ値の閾値を含み、患者からの試料中の2.5nmol/l±20%以下のproADMレベルもしくはその断片(単数または複数)の低重症度レベルは、上記患者のICUからの退出を示し、かつ/または患者からの試料中の2.5nmol/l±20%超であるproADMレベルもしくはその断片(単数または複数)の高重症度レベルは、上記患者をICUに留置し、任意選択的に、ICUにおける患者の処置を修正することを示す。キットの実施形態では、2.25nmol/l±20%のカットオフ値を含む当該参照データは、proADMもしくはその断片(単数または複数)の判定されたレベルを、リスク閾値またはカットオフ値と比較するために構成されたコンピュータ実行可能コードで提供され、任意選択的に、proADMの判定されたレベルに応じて、患者のICUへの留置またはICUからの退出のオプションを含む治療の推奨を提供し得る。
本発明のキットのさらなる実施形態では、参照データは、付加的にまたは代替的に、1.5nmol/l±20%のカットオフ値の閾値を含み、患者からの試料中の1.5nmol/l±20%以下のproADMレベルもしくはその断片(単数または複数)の低重症度レベルは、上記患者のICUからの退出を示し、かつ/または患者からの試料中の1.5nmol/l±20%超であるproADMレベルもしくはその断片(単数または複数)の高重症度レベルは、上記患者をICUに留置し、任意選択的に、ICUにおける患者の処置を修正することを示す。キットの実施形態では、1.5nmol/l±20%のカットオフ値を含む当該参照データは、proADMもしくはその断片(単数または複数)の判定されたレベルを、リスク閾値またはカットオフ値と比較するために構成されたコンピュータ実行可能コードで提供され、任意選択的に、proADMの判定されたレベルに応じて、患者のICUへの留置またはICUからの退出のオプションを含む治療の推奨を提供し得る。
本発明のキットのさらなる実施形態では、参照データは、付加的にまたは代替的に、0.75nmol/l±20%のカットオフ値の閾値を含み、患者からの試料中の0.75nmol/l±20%以下のproADMレベルもしくはその断片(単数または複数)の低重症度レベルは、上記患者のICUからの退出を示し、かつ/または患者からの試料中の0.75nmol/l±20%超であるproADMレベルもしくはその断片(単数または複数)の高重症度レベルは、上記患者をICUに留置し、任意選択的に、ICUにおける患者の処置を修正することを示す。キットの実施形態では、0.75nmol/l±20%のカットオフ値を含む当該参照データは、proADMもしくはその断片(単数または複数)の判定されたレベルを、リスク閾値またはカットオフ値と比較するために構成されたコンピュータ実行可能コードで提供され、任意選択的に、proADMの判定されたレベルに応じて、患者のICUへの留置またはICUからの退出のオプションを含む治療の推奨を提供し得る。
好ましい実施形態では、本発明のキットは、0または1のqSOFAスコアに相当するSARSもしくはSARSウイルスによる感染の軽度の症状を示す患者および/またはウイルス性および/もしくは細菌性肺炎、ARDS、呼吸不全、血流感染、敗血症、重症敗血症、および/または敗血症性ショックの臨床症状を示さないSARSもしくはSARSウイルスによる感染の症状を有する患者において、治療指針、層別化、および/または制御のためのインビトロ方法を実行するためのキットである。
さらに、キットの参照データは、0.5nm/L±20%~0.87nmol/L±20%のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルの参照範囲を含み得る。この範囲のproADMレベルは、患者における感染性疾患の存在を示す可能性があり、本発明以前は、proADMレベルがこの範囲内にある患者が入院を必要とするかどうか不明であったため、医療開業医開業医および/または医療従事者にとって深刻な課題であった。
しかしながら、本発明のキットおよび方法を使用して、このような患者の入院に関する判定を、キットの参照データなどの客観的な基準に基づいて行うことが可能である。キットの参照データは、proADMもしくはその断片(単数または複数)の判定されたレベルを当該参照範囲と比較するために構成されたコンピュータ実行可能コードで提供され得、コンピュータ実行可能コードは、ADMの判定されたレベルが基準範囲を超えている場合は患者を入院させる、または判定されたレベルが基準範囲内またはそれ以下である場合は(一定の)医療監視から患者を解放するオプションを含む治療の推奨を提供することができる。
いくつかの実施形態では、キットの特徴は、本発明の方法を特徴付けるのに使用されるそれらの特徴を含むとみなされ得、逆もまた同様である。
本発明の方法の一般的な実施形態
本明細書に開示のカットオフ値は、血液試料、好ましくは、Thermo Scientific BRAHMS KRYPTORアッセイの手段によって患者から得られた全血試料、または血漿もしくは血清試料中のproADMもしくはその断片のタンパク質レベルの測定値を指す。したがって、本明細書に開示の値は、用いられる検出/測定方法に応じてある程度変動し得、本明細書に開示の特定の値は、他の方法によって判定される対応する値を読み取ることも意図している。
本発明の実施形態では、低または高重症度レベルのいずれかを定義し得るproADMもしくはその断片(単数または複数)のカットオフ値は、およそ0.87nmol/L±20%の任意の値であり得る。他の実施形態では、低または高重症度レベルのいずれかを定義し得るproADMもしくはその断片(単数または複数)のカットオフ値は、およそ0.87nmol/L±好ましくは15%、または12%、または10%、または9、8、7、6、5、4、3、2、または1%の任意の値であり得る。
この範囲内の任意の値(すなわち、0.87nmol/L値の変動ウィンドウ内)は、proADMの高重症度レベルと低症度レベルとの間の適切なカットオフ値とみなすことができる。
本発明の態様では、低または高重症度またはリスクレベルのいずれかを定義し得るproADMもしくはその断片(単数または複数)のカットオフ値は、およそ0.93nmol/L±20%の任意の値であり得る。他の実施形態では、低または高重症度レベルのいずれかを定義し得るproADMもしくはその断片(単数または複数)のカットオフ値は、およそ0.93nmol/L±好ましくは15%、または12%、または10%、または9、8、7、6、5、4、3、2、または1%の任意の値であり得る。
この範囲内の任意の値(すなわち、0.75nmol/L値の変動ウィンドウ内)は、proADMの高重症度レベルと低症度レベルとの間の適切なカットオフ値とみなすことができる。
本発明の態様では、低または高重症度またはリスクレベルのいずれかを定義し得るproADMもしくはその断片(単数または複数)のカットオフ値は、およそ2.25nmol/L±20%の任意の値であり得る。他の実施形態では、低または高重症度レベルのいずれかを定義し得るproADMもしくはその断片(単数または複数)のカットオフ値は、およそ2.25nmol/L±好ましくは15%、または12%、または10%、または9、8、7、6、5、4、3、2、または1%の任意の値であり得る。
この範囲内の任意の値(すなわち、2.25nmol/L値の変動ウィンドウ内)は、proADMの高重症度レベルと低症度レベルとの間の適切なカットオフ値とみなすことができる。
本発明の態様では、低または高重症度またはリスクレベルのいずれかを定義し得るproADMもしくはその断片(単数または複数)のカットオフ値は、およそ2.5nmol/L±20%の任意の値であり得る。他の実施形態では、低または高重症度レベルのいずれかを定義し得るproADMもしくはその断片(単数または複数)のカットオフ値は、およそ2.5nmol/L±好ましくは15%、または12%、または10%、または9、8、7、6、5、4、3、2、または1%の任意の値であり得る。
この範囲内の任意の値(すなわち、2.5nmol/L値の変動ウィンドウ内)は、proADMの高重症度レベルと低症度レベルとの間の適切なカットオフ値とみなすことができる。
本発明の態様では、低または高重症度またはリスクレベルのいずれかを定義し得るproADMもしくはその断片(単数または複数)のカットオフ値は、およそ1.5nmol/L±20%の任意の値であり得る。他の実施形態では、低または高重症度レベルのいずれかを定義し得るproADMもしくはその断片(単数または複数)のカットオフ値は、およそ1.5nmol/L±好ましくは15%、または12%、または10%、または9、8、7、6、5、4、3、2、または1%の任意の値であり得る。
この範囲内の任意の値(すなわち、1.5nmol/L値の変動ウィンドウ内)は、proADMの高重症度レベルと低症度レベルとの間の適切なカットオフ値とみなすことができる。
本発明の態様では、低または高重症度またはリスクレベルのいずれかを定義し得るproADMもしくはその断片(単数または複数)のカットオフ値は、およそ0.75nmol/L±20%の任意の値であり得る。他の実施形態では、低または高重症度レベルのいずれかを定義し得るproADMもしくはその断片(単数または複数)のカットオフ値は、およそ0.75nmol/L±好ましくは15%、または12%、または10%、または9、8、7、6、5、4、3、2、または1%の任意の値であり得る。
この範囲内の任意の値(すなわち、0.75nmol/L値の変動ウィンドウ内)は、proADMの高重症度レベルと低症度レベルとの間の適切なカットオフ値とみなすことができる。
さらに、このようなカットオフ値よりも低い値は、入院を必要とする状態を発症する重大なリスクの不在を示し得、このようなカットオフ値以上の値は、入院を必要とする状態を発症することを示し得る。
本明細書において開示されている本発明の方法の文脈において、本発明の文脈で使用され得る適切なカットオフレベルは、限定されないが、0.7~3.0nmol/Lの任意の値を含む。他の値は、0.72、0.74、0.76、0.80、0.82、0.84、8.60、0.88、0.90、0.92、0.94、0.96、0.98、1.0、1.05、1.1、1.15、1.2、1.25、1.3、1.35、1.4、1.45、1.5、1.55、1.6、1.65、1.7、1.75、1.8、1.85、1.9、1.95、2.0、2.05、2.1、2.15、2.2、2.25、2.3、2.35、2.4、2.45、2.5、2.55、2.6、2.65、2.7、2.75、2.8、2.85、2.9、および2.95nmol/L、または、これらの値の間、もしくはこれらの値を端点として使用する範囲内の値を含む。
本発明の実施形態では、これらの可能なカットオフ値からの偏差、例えば、±30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%の偏差も主張されている。
本明細書に記載の実施形態では、重症度レベルは、好ましくは、低重症度レベルと高重症度レベルとの間の境界を表す1つ以上のカットオフ値によって定義される。したがって、カットオフを表す任意の実施形態は、2つの重症度レベル間の境界として単一のカットオフ値の形式、または各重症度レベルの単一のカットオフレベルを使用し得る。
実施形態では、本発明は、追加的に、本明細書に記載の方法の結果を患者に知らせることを含む。本発明の実施形態では、患者は少なくとも18歳である。
本発明の好ましい実施形態では、試料は、血液試料、血清試料、血漿試料、および/または尿試料からなる群から選択される。血液、血清、または血漿中のproADMもしくはその断片(単数または複数)を判定することは、それが特に正確であることが示されているので、特に有利である。さらに、これらの試料は、特定の時点での患者の実際の状態を非常に正確に反映する。
本発明の実施形態では、proADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定することは、試料中のMR-proADMのレベルを判定することを含む。本明細書に記載の任意の所与の実施形態では、MR-proADMの判定を用いることが好ましく、したがって、各実施形態の文脈において、これが考慮され得る。好ましい実施形態では、「ADM断片」は、MR-proADMであるとみなされ得る。
特定の実施形態によれば、本発明の方法は、
-当該患者からの試料中の少なくとも1つの追加のバイオマーカーもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定すること、ここで少なくとも1つの追加のバイオマーカーは、好ましくはPCTもしくはその断片(単数または複数)および/または乳酸である、および/または
-少なくとも1つの臨床スコアを判定すること、ここで少なくとも1つの臨床スコアは、好ましくはSOFA、qSOFA、PSI、APACHE IIおよび/またはCRB-65である、を加えて含み、
-少なくとも1つの追加のバイオマーカーおよび/または少なくとも1つの臨床スコアのレベル、ならびにproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルは、入院が必要かどうか、または患者が病院での治療を必要とする状態を発症するリスクがあるかを示す。
本発明の文脈で判定され得るさらなる追加のマーカーは、乳酸およびCRPを含む。本発明の文脈で判定され得る臨床スコアは、SIスコア(全身性炎症スコア)、SOFA、qSOFA、SIRS、SAPS II、APACHE II、CRB-65、PSIを含む。
本発明の方法の文脈におけるproADMもしくはその断片(単数または複数)およびSOFA、PSIまたはCRB-65などの少なくとも1つの臨床スコアの判定は、入院を必要とする後の状態の予後診断に関して、さらなる精度を提供することが判明した。
さらなる実施形態では、少なくとも1つの追加のバイオマーカーは、PCT、乳酸、横紋筋融解症の少なくとも1つのマーカー、例えば、クレアチンキナーゼ(CK)、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)、クレアチニン、ミオグロビン、アルドラーゼ、トロポニン、炭酸脱水酵素3型、脂肪酸結合タンパク質(FABP)、トランスアミナーゼ、またはカリウムである。
proADM翻訳結果はその断片(単数または複数)のレベルを判定するための、および任意選択的にPCT、乳酸、および/またはC反応性タンパク質、もしくはそれらの断片(単数または複数)のレベルを判定するための、検出試薬は、好ましくは、方法を実施するのに必要なもの、例えばADMに指向されている抗体、蛍光標識などの好適な標識、好ましくはKRYPTORアッセイでの用途に好適な2つの別個の蛍光標識、試料収集チューブから選択される。
本発明の方法の文脈で開示された実施形態および特徴はまた、本発明のキットにも適用され、逆もまた同様である。
本明細書に記載の方法の一実施形態では、proADMもしくはその断片(単数または複数)、および任意選択的に加えて、例えばPCTもしくはその断片(単数または複数)などの他のバイオマーカーのレベルは、質量分析法(MS)、発光イムノアッセイ(LIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、化学発光および蛍光イムノアッセイ、酵素イムノアッセイ(EIA)、酵素結合イムノアッセイ(ELISA)、発光ベースのビーズアレイ、磁気ビーズベースのアレイ、タンパク質マイクロアレイアッセイ、即時免疫クロマトグラフィーストリップ試験などの迅速試験フォーマット、希土類クリプテートアッセイ、ならびに自動化されたシステム/分析器からなる群から選択される方法を使用して判定される。
本発明による方法は、均質な方法としてさらに具体化することができ、検出される抗体/複数の抗体、およびマーカー、例えば、proADMもしくはその断片によって形成されているサンドイッチ複合体が、液相中で懸濁されたままである。この場合、2つの抗体が使用されると、両方の抗体が検出システムの一部で標識され、それが、両方の抗体が単一のサンドイッチに統合されている場合にシグナルの発生またはシグナルの誘発をもたらすことが好ましい。
そのような技術は、特に蛍光増強または蛍光消光検出方法として具体化されるものである。特に好ましい態様は、例えば、US4882733A、EP-B10180492、またはEP-B10539477、およびそれらで引用された従来技術に記載されているものなど、対で使用される検出試薬の使用に関する。このようにして、反応混合物中の単一の免疫複合体中に直接両方の標識成分を含む反応生成物のみが検出される測定が可能になる。
例えば、そのような技術は、上で引用した出願の教示を実装する、商標名TRACE(登録商標)(Time Resolved Amplified Cryptate Emission)、またはKRYPTOR(登録商標)として提供される。したがって、特に好ましい態様では、本明細書で提供される方法を実行するために診断デバイスが使用される。例えば、proADMタンパク質もしくはその断片のレベル、および/または本明細書で提供される方法の任意のさらなるマーカーのレベルが判定される。特に好ましい態様では、診断デバイスは、KRYPTOR(登録商標)である。
本明細書に記載の方法の一実施形態では、方法は、アッセイが均質相または不均質相中で実施される、イムノアッセイである。
本明細書に記載の方法のさらなる実施形態では、加えて、方法は、感染を検出するための当該患者からの試料の分子分析を含む。感染を検出するための分子分析に使用される試料は、好ましくは血液試料である。好ましい実施形態では、分子分析は、病原体に由来する1つ以上の生体分子を検出することを目的とする方法である。当該1つ以上の生体分子は、核酸、タンパク質、糖、炭水化物、脂質、およびまたはグリコシル化タンパク質などのそれらの組み合わせ、好ましくは核酸であり得る。当該生体分子は、好ましくは、コロナウイルス、例えばSARS-CoV2などの1つ以上の病原体(単数または複数)に特異的である。好ましい実施形態によれば、そのような生体分子は、PCR、qPCR、RT-PCR、qRT-PCRなどの核酸増幅方法、または等温増幅、質量分析、酵素活性の検出、および免疫アッセイに基づく検出方法を含む群から選択される、生体分子の分析のための1つ以上の方法によって検出される。分子分析のさらなる方法は、当業者に既知であり、本発明の方法に含まれる。
本発明の方法の文脈において、例えば米国特許第9074236号に開示されているように、質量分析と組み合わせて実施して、病原体を検出することができる。
さらに、実施形態では、本発明の方法は、X線分析、超音波検査、CTスキャンまたは他の画像診断技術などのさらなる診断手順と組み合わせて実行することができる。
本明細書に記載の方法の一実施形態では、第1の抗体および第2の抗体は、液体反応混合物中に分散して存在し、蛍光または化学発光消光または増幅に基づく標識系の一部である第1の標識成分が、第1の抗体に結合し、当該標識系の第2の標識成分が、第2の抗体に結合し、これにより、検出される両方の抗体の当該proADMもしくはその断片への結合後、測定溶液中で得られたサンドイッチ複合体の検出を可能にする測定可能なシグナルが発生する。
本明細書に記載の方法の一実施形態では、標識系が、特にシアニンタイプの蛍光または化学発光染料と組み合わせた希土類クリプテートまたはキレートを含む。
本明細書に記載の方法の一実施形態では、方法は、加えて、proADMもしくはその断片(単数または複数)の判定されたレベルを、重篤な病気であると診断され、医療的治療下にある患者のproADMもしくはその断片に対応する参照レベル、閾値、および/または集団平均と比較することを含み、当該比較が、コンピュータで実行可能なコードを使用してコンピュータプロセッサで実行される。
本発明の方法は、部分的にコンピュータで実行され得る。例えば、検出されたマーカー、例えばproADMもしくはその断片のレベルを参照レベルと比較するステップは、コンピュータシステムで実施することができる。コンピュータシステムでは、診断、予後診断、予測、リスク評価、および/またはリスク層別化のために示されるスコアを計算するために、マーカー(単数または複数)の判定されたレベルを、対象の他のマーカーレベルおよび/またはパラメータと組み合わせることができる。例えば、判定された値は、コンピュータシステムに入力され得る(医療従事者によって手動で、またはそれぞれのマーカーレベル(単数または複数)が判定されたデバイス(単数または複数)から自動で、のいずれか)。コンピュータシステムは、ポイントオブケア(例えば、プライマリケア、ICU、もしくはED)に直接あり得るか、またはコンピュータネットワークを介して(例えば、インターネット、もしくは任意選択的に病院情報システム(HIS)などの他のITシステムもしくはプラットフォームと組み合わせ可能な特化された医療クラウドシステムを介して)接続される遠隔地にあり得る。典型的には、コンピュータシステムは、値(例えば、マーカーレベル、または年齢、血圧、体重、性別などのパラメータ、またはSOFA、qSOFA、BMIなどといった臨床スコアシステム)をコンピュータ可読媒体に記憶し、事前に定義および/または事前に記憶された参照レベルまたは参照値に基づきスコアを計算することになる。得られたスコアは、ユーザ(典型的には医師などの医療従事者)のために表示および/または印刷されることになる。代替的に、または加えて、関連する予後、診断、評価、治療指針、患者管理指針、または層別化が、ユーザ(典型的には医師などの医療従事者)のために表示および/または印刷されることになる。
実施形態では、SARSと診断された低リスク患者に対して、遠隔患者管理を承認することができる。例えば、SARSと診断された低リスク患者は、外来患者のままであり得るか、またはICUから退出され得るもしくは遠隔患者管理にアクセスすることができる外来患者になり得る。
本発明の一実施形態では、好ましくは、電子健康記録(EHR)からのデータを使用して、敗血症、重症敗血症、および敗血症性ショックのリスクがある入院患者を識別するために機械学習アルゴリズムが存在するソフトウェアシステムを用いることができる。機械学習アプローチは、患者からのEHRデータ(検査結果、バイオマーカーの発現、バイタル、人口統計など)を使用して、ランダムフォレスト分類器でトレーニングすることができる。機械学習は、ルールに基づく単純なシステムとは異なり、明示的にプログラムされなくても、コンピュータにデータの複雑なパターンを学習する能力を提供する一種の人工知能である。以前の研究では、電子健康記録データを使用して警告を誘発して、一般的な臨床的悪化を検出していた。本発明の一実施形態では、proADMレベルの処理は、既存のデータセットとの比較のために適切なソフトウェアに組み込むことができ、例えば、proADMレベルは、有害事象の発生の診断または予後診断を支援する機械学習ソフトウェアで処理され得る。
PCTまたはCRPなどの別のバイオマーカーと組み合わせたproADMもしくはその断片の組み合わせを用いることにより、単一の多重アッセイで、または患者からの試料で行われる2つの別個のアッセイのいずれかで実現され得る。試料は、同じ試料に、または異なる試料に関係し得る。proADMおよび例えばPCTの検出および判定に用いられるアッセイはまた、同じまたは異なり得、例えば、上記のマーカーのうちの1つの判定にイムノアッセイが用いられ得る。好適なアッセイのより詳細な説明を以下に提供する。
重篤であると診断され、治療下にある患者におけるproADMもしくはその断片のカットオフ値および他の参照レベルは、先述の方法によって判定され得る。例えば、参照値および/またはカットオフを確立するために、定量アッセイの変動性を評価する際に変動係数を使用するための方法は、当業者に既知である(George F.Reed et al.,Clin Diagn Lab Immunol.2002;9(6):1235-1239)。
追加的に、確立された技法に従って参照レベルまたはカットオフとして使用するための統計的に有意な値を示すために、機能アッセイの感度を判定することができる。研究所は、臨床的に関連するプロトコルによって、アッセイの機能的感度を独立して確立することが可能である。「機能的感度」は、変動係数(CV)が20%(またはいくつかの他の所定の%CV)を生じる濃度とみなすことができ、したがって低分析物レベルでのアッセイの精度の尺度である。したがって、CVは、標準偏差(SD)の標準化であり、少なくともアッセイのほとんどの有効範囲で、分析物の濃度の大きさに関係なく変動性の概算値を比較することを可能にする。
さらに、ROC分析に基づく方法を使用して、2つの臨床患者群間の統計的に有意な差を判定することができる。受信者動作特性(ROC)曲線は、モデルの適合確率の並べ替え効率を測定して、応答レベルを並べ替える。ROC曲線はまた、診断試験の基準点の設定にも役立ち得る。対角線からの曲線が高いほど、適合度が高い。ロジスティック適合が3つ以上の応答レベルを有する場合、一般化されたROC曲線を生成する。そのようなプロットには、各応答レベルの曲線があり、これは、他のすべてのレベルに対するそのレベルのROC曲線である。例えば、SASのJMP12、JMP13、Statistical Discoveryなど、好適な参照レベルおよびカットオフを確立するために、この種類の分析を可能にすることが可能なソフトウェアが利用可能である。
PCTについても同様にカットオフ値を判定することができる。文献は、適切なカットオフを判定するために当業者が利用可能であり、例えば、Philipp Schuetz et al.(BMC Medicine.2011;9:107)は、0.1ng/mLのカットオフでは、PCTが感染症を除外するのに、非常に高い感度を有したと述べている。Terence Chan et al.(Expert Rev.Mol.Diagn.2011;11(5),487.496)は、感度および特異性に基づいて計算される正および負の尤度比などの指標はまた、診断試験の強度の評価に有用であると記載している。一般的に、値は、複数のカットオフ値(CV)に対する受信者動作特性曲線としてグラフ化される。曲線下の面積の値を使用して、診断上最も妥当なCVを判定する。この文献は、CV(アッセイおよび研究デザインによるカットオフ値)の変動、およびカットオフ値を判定するための好適な方法について記載する。
proADMもしくはその断片の集団平均レベルはまた、参照値、例えば平均proADM集団値として使用することができ、それにより、対照グループが好ましくは10人超、20、30、40、50人、またはそれ以上の対象を含む対照集団と重篤と診断された患者とを比較することができる。
本発明の一実施形態では、PCTのカットオフレベルは、例えば、Luminex MAC Pix E-Bioscience AssayまたはBRAHMS PCT-Kryptor Assayを使用すると、血清試料中の0.01~100.00ng/mLの範囲の値であり得る。好ましい実施形態では、PCTのカットオフレベルは、0.01~100、0.05~50、0.1~20、または0.1~2ng/mL、最も好ましくは>0.05~0.5ng/mLの範囲であり得る。これらの範囲内の任意の値は、適切なカットオフ値とみなすことができる。例えば、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100ng/mLが用いられ得る。いくつかの実施形態では、健康な対象のPCTレベルは、およそ0.05ng/mLである。
発明の詳細な説明
本発明は、proADMが、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の症状を有する患者にとって、処置および/もしくは疾患監視の強化ならびに/または入院が必要かどうかに関する効果的な予後報告を可能にし、それによって治療指針のための効果的な手段を提供するという驚くべき発見に基づいている。特に、本発明は、SARSコロナウイルス、例えば、SARS-CoV2などのコロナウイルス感染を有することが疑われる患者のリスク評価を可能にする。
本明細書で使用される場合、「患者」または「対象」は、脊椎動物であり得る。本発明の文脈において、「対象」という用語は、ヒトおよび動物の両方、特に哺乳動物、および他の生物を含む。
本明細書において使用される場合、感染性疾患の症状を有する患者は、限定されないが、発熱、下痢、倦怠感、筋肉痛、咳(動物に噛まれた場合)、呼吸困難である、発熱を伴う激しい頭痛、発疹もしくは腫れ、原因不明もしくは長期にわたる発熱、または視力の問題のうちの1つ以上を示す対象である。他の症状は、発熱および悪寒、体温が非常に低い、排尿の低減(乏尿症)、頻脈、呼吸促迫、悪心、および嘔吐であり得る。好ましい実施形態では、感染性疾患の症状は、発熱、下痢、倦怠感、筋肉痛、頻脈、呼吸促迫、悪心および嘔吐、ならびに/または咳である。
本明細書で使用される場合、「感染症」は、細菌および/またはウイルスおよび/または真菌感染に関連するすべての疾患または障害を含む。
本明細書で使用される場合、「呼吸管のウイルス感染の症状」を有する患者は、限定ではなく、発熱、咳、鼻水、くしゃみ、咽喉痛、呼吸困難、頭痛、筋肉痛、疲労、頻脈、呼吸促迫、悪心および嘔吐、味覚および/もしくは臭いの欠如ならびに/または倦怠感(気分が悪い)などの、風邪のような症状またはインフルエンザのような病気のうちの1つ以上を呈する対象である。
いくつかの実施形態では、SARSウイルスによる感染の症状は、発熱、咽頭痛、咳、筋痛または倦怠感であり、いくつかの実施形態では、さらに、喀痰、頭痛、喀血および/または下痢である。
いくつかの実施形態において、SARSコロナウイルス、例えば、SARS-CoV-2による感染の症状は、発熱、咽喉痛、咳、味および/もしくは臭いの欠如、息切れならびに/または倦怠感である。
本明細書で使用される場合、「重症急性呼吸器症候群(SARS)を発症するリスクがある患者」という用語は、SARSを発送するリスクが増大した(好ましくは平均を超える)、好ましくは一般集団内の任意の所与のヒトとは異なる対象に関連する。いくつかの実施形態では、患者は、SARSの症状またはSARSウイルス感染の症状を有する。いくつかの実施形態では、患者は、SARSの症状またはSARSウイルス感染の症状を有しない。いくつかの実施形態では、対象は、SARSウイルス感染症または症状を有する人々と接触している。いくつかの実施形態では、SARSを発症するリスクがある人は、SARSウイルス感染の存在について検査されている。いくつかの実施形態において、SARSを発症するリスクがある人は、SARSウイルス感染、好ましくはコロナウイルス感染の存在について陽性であると検査されている。
実施形態では、SARSを発症するリスクがある患者は、(まだ)SARSの特定の症状を示さない無症状の患者である。無症状の患者は、SARSウイルスに感染した人と接触しているため、SARSを発症するリスクがある可能性がある。例えば、無症状の患者は、患者のスマートフォンまたは対応する(ポータブル)デバイスにインストールされており、それぞれのモバイルデバイス/スマートフォン上の対応するアプリを使用する感染した患者と物理的に近接しているかまたは感染した患者への物理的な距離が短いことを示すソフトウェアアプリケーション(アプリ)によって、SARSを発症するリスクがあると特定されている場合がある。感染者への接触/物理的近接性を判定する他の方法は、当業者に知られており、本発明の方法にも同様に適用される。
いくつかの実施形態では、重症急性呼吸器症候群(SARS)を有するか、または発症するリスクがある患者は、コロナウイルス感染を患っている。
コロナウイルスは、哺乳類および鳥類に疾患を引き起こす関連ウイルスのグループである。コロナウイルスの学名はOrthocoronavirinaeまたはCoronavirinaeである。コロナウイルスはコロナウイルス科に属している。この科はコロナウイルス亜科およびトロウイルス亜科に分けられ、これらの亜科は、アルファコロナウイルス、ベータコロナウイルス、ガンマコロナウイルス、デルタコロナウイルス、トロウイルス、およびバフィンウイルスの6つの属にさらに分けられる。アルファコロナウイルス属およびベータコロナウイルス属のウイルスは主に哺乳類に感染するが、ガンマコロナウイルスは鳥類に感染し、デルタコロナウイルス属の成員は哺乳類と鳥類の両方の宿主で発見されている。
人間の場合、コロナウイルスは、一般的な風邪の一部の事例など、軽度であり得る気道感染症、ならびに、SARS、MERS、およびCOVID-19などの致命的であり得る他の気道感染症を引き起こす。コロナウイルスは、一本鎖プラス鎖RNAゲノムおよびらせん対称のヌクレオカプシドを有するエンベロープウイルスである。コロナウイルスのゲノムサイズは約27~34キロベースに及び、既知のRNAウイルスの中で最大である。
限定ではなく、β-CoV属のヒトコロナウイルスOC43(HCoV-OC43)、β-CoV属のヒトコロナウイルスHKU1(HCoV-HKU1)、ヒトコロナウイルス229E(HCoV-229E)、α-CoV、ヒトコロナウイルスNL63(HCoV-NL63)、α-CoV、中東呼吸器症候群関連コロナウイルス(MERS-CoV)、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)などの、様々な種のヒトコロナウイルスが知られている。
コロナウイルスは危険因子が大きく異なる。感染者の30%超を殺傷し得るコロナウイルスもあれば(MERS-CoVなど)、風邪のように比較的無害なコロナウイルスもある。コロナウイルスは、主に冬季および早春季に発生する、例えば、アデノイドの腫れなどによる、発熱および咽喉痛などの、主要な症状を伴う風邪を引き起こす。コロナウイルスは、肺炎(直接ウイルス性肺炎または続発性細菌性肺炎のいずれか)および気管支炎(直接ウイルス性気管支炎または続発性細菌性気管支炎のいずれか)を引き起こす可能性がある。コロナウイルスは、SARSを引き起こす可能性もある。
核酸シーケンシング技術(一般に次世代シーケンシング、NGSと呼ばれる)の進歩により、様々な生物学的試料から得られるシーケンスデータの大規模なセットが提供されており、既知および新規の療法のウイルス株の特性評価が可能になっている。したがって、確立された方法が、コロナウイルス感染を判定するために利用可能である。
ウイルスは、コード化ウイルスの自己複製および持続性を確保するために必要なタンパク質の群をコード化する。ゲノムmRNA産生およびゲノム複製のための酵素、タンパク質成熟のためのプロテアーゼ、ゲノムカプシド形成のためのタンパク質、および宿主の抗ウイルス応答を弱体化させるためのタンパク質は、タンパク質モチーフまたはドメインを保存して同定することができる。おそらく選択圧のために、ウイルスゲノムは合理化され、ウイルスによってコードされる機能タンパク質含有量は、細胞生物よりもはるかに高い。したがって、コード化されたタンパク質ドメインの群によってウイルスゲノムを記述することは、潜在的に有用な分類方法である。したがって、ウイルスの進化を追跡することができ、既知のコロナウイルス株との配列比較に基づいて、コロナウイルスの新規株を判定することができる。
いくつかの実施形態では、患者は、好ましくはSARSウイルス、より好ましくはSARSコロナウイルス(SARS-CoV)による感染を患っている。
本明細書で使用される場合、SARSウイルスは、重症急性呼吸器症候群(SARS)を引き起こすウイルスを指す。コロナウイルスはこれまで主にSARSの原因であったが、他のウイルス感染、例えば人獣共通起源の他のウイルスが、SARSを引き起こす可能性がある。
本明細書で使用される場合、SARSコロナウイルスは、重症急性呼吸器症候群(SARS)を引き起こすコロナウイルスを指す。この症候群は、SARSコロナウイルスの最初に同定された株(SARS-CoVまたはSARS-CoV-1)によって引き起こされ、2000年代初頭に最初に表面化した人獣共通起源のウイルス性呼吸器疾患である。
SARSは飛沫感染を介して誘発され、ウイルスの複製は上気道および下気道または胃腸粘膜において示され得る。並行して、ウイルスは肝臓、腎臓、心臓および脳などの種々の臓器の細胞に直接侵入することもできる。別の異なるメカニズムは、T細胞へのウイルスの直接侵入であると考えられる。COVID-19を患っているSARS患者の相当数は、血中のリンパ球の濃度が臨床的に低く、これはリンパ球減少症としても知られている。臨床的には、患者は乾性咳および息切れ、発熱または下痢などの呼吸器症状を示す。しかし、急性肝障害、心臓障害、または腎臓障害に関連する症状も発生する可能性がある。重症度の低いSARSの状態では、患者は軽度の症状を示すか、または症状がまったくない場合さえある。
臨床的および科学的調査は、SARS-CoVがアンジオテンシン変換酵素2受容体(ACE2)を介して上皮細胞に結合することを提唱している。ACE2は細胞膜に結合したアミノペプチダーゼであり、血管内皮、腎臓、膀胱、心臓、鼻粘膜、気管支および肺において発現する。1つの結果として、ウイルスの結合は、血管漏出とともに上皮および内皮細胞損傷を引き起こし、これが炎症誘発性サイトカインおよびケモカインの分泌を誘発する。このウイルスはまた、ACE2のダウンレギュレーションおよび放出を媒介し、レニン-アンジオテンシン系(RAS)の機能不全をさらに促進する。RASが乱されると、炎症反応および血管透過性を引き起こす可能性がある。呼吸器系に焦点を当てると、ACE2放出は、肺血管透過性を引き起こし、続いて肺水腫を引き起こす可能性がある。
抗体依存性感染増強(ADE)と呼ばれる別の病態生理学的要素が、ウイルスに結合し、ウイルスの細胞への侵入を促進する抗体の存在に関連している。これにより、これらの抗体は、中和効果を示す代わりに、ウイルスの複製および体内でのウイルスの拡散をサポートする。ADEが患者内に存在する場合、全身性炎症反応が活性化または維持され得る。
直接的な細胞損傷(多臓器)およびRAS障害が、SARS患者の有害転帰に関連するいわゆるサイトカインストームをもたらす局所および全身性炎症反応の重要な要因であることが提唱されている。SARSの有害転帰は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、多臓器損傷、またはリンパ球減少症の発症に基づく可能性がある。
高齢の患者(60歳超)、慢性疾患(例えば、心血管疾患、糖尿病、がん、COPD)の患者、または免疫不全の患者は、SARSの重篤な発症に直面するリスクがより高いと考えられている。喫煙および肥満も危険因子と考えられる(1~5、21)。
SARSコロナウイルスの実施形態は、SARSもしくはSARS類似の病状を誘発する任意のコロナウイルスを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態は、2003年に最初に発見されたSARSコロナウイルス(SARS-CoV-1)(上述)、2012年に最初に発見された中東呼吸器症候群(MERS-CoV)、および、2019-2020コロナウイルスパンデミックを引き起こした疾患であるCOVID-19を引き起こすSARS-CoV-2を含むが、これらに限定されない。
好ましい実施形態では、SARSコロナウイルスは、SARS-CoV-2である。
SARS-CoV-2株は、進行中の2019-2020コロナウイルスパンデミックを引き起こした疾患であるCOVID-19を引き起こす。この疾患は、2019年12月に中国の湖北省の首都である武漢で最初に確認され、世界中に広がった。一般的な症状は、発熱、咳、および息切れを含む。他の症状は、筋肉痛、下痢、咽喉痛、味および/または臭いの喪失、ならびに腹痛を含み得る。症例の大部分は軽度の症状を引き起こすが、ウイルス性肺炎および多臓器不全に進行する場合もある。
コロナウイルスは、分子技術、例えば、例としてウイルス遺伝物質のPCRベースの増幅による配列ベースの解析によって判定することができる。ゲノム全体の系統発生解析は、SARS-CoV-2がSARS-CoVおよびMERS-CoVに対してそれぞれ79.5%および50%の配列同一性を共有することを示している。ただし、SARS-CoV-2およびSARS-CoVのORF1abの7つの保存されたレプリカーゼドメイン間には94.6%の配列同一性があり、SARS-CoV-2および他の-CoVのそれらの間には90%未満の配列同一性があり、これは、SARS-CoV-2がBeta-CoVの系統に属していることを暗示している。
他の-CoVと同様に、ゲノムサイズが29.9kbのSARS-CoV-2ビリオン[13]は、ゲノムRNAおよびリン酸化ヌクレオカプシド(N)タンパク質からなるヌクレオカプシドを保持する。ヌクレオカプシドはリン脂質二重層の内部に埋め込まれ、2つの異なるタイプのスパイクタンパク質、すなわち、すべてのCoV中に存在するスパイク糖タンパク質トリマー(S)および一部のCoV間でのみ共有されるヘマグルチニンエステラーゼ(HE)によって覆われている。膜(M)タンパク質およびエンベロープ(E)タンパク質は、ウイルスエンベロープのSタンパク質の中にある。SARS-CoV-2ゲノムは5’および3’末端配列(5’末端にある265nt、3’末端領域にある229nt)を有し、これは-CoVに典型的であり、遺伝子順序5’-レプリカーゼオープンリーディングフレーム(ORF)1ab-S-エンベロープ(E)-膜(M)-N-30を有する。SARS-CoV-2の予測されるS、ORF3a、E、M、およびN遺伝子は、それぞれ長さが3822、828、228、669、および1260ntである。SARS-CoVと同様に、SARS-CoV-2は、MおよびNのORF遺伝子の間に位置する予測ORF8遺伝子(長さ366nt)を担持する。
Jin他(Viruses 2020,12,372)によると、最初の41人の患者では、発熱(98%)、咳(76%)、筋肉痛または倦怠感(44%)が最も一般的な症状であった。あまり一般的ではない症状は、喀痰(28%)、頭痛(8%)、喀血(5%)、および下痢(3%)であった。患者の半数超が呼吸困難を発症した。平均潜伏期間および基本再生産数(R0)は、それぞれ5.2d(95%CI:4.1~7.0)および2.2(95%CI、1.4~3.9)と推定された。血液検査では、正常または減少した(25%)白血球数およびリンパ球減少症(65%)が示された。合計98%の患者が胸部CT下で両側性病変を有していた。入院時のICU患者の胸部CT画像の典型的な所見は、両側多発性小葉および亜区域の浸潤影であった。非ICU患者の代表的な胸部CT所見は、両側のすりガラス状陰影および亜区域の浸潤影を示した。1324の検査室で確認された症例の分析は、下痢はまれであるが、発熱(87.9%)および咳(67.7%)が依然として最も一般的な症状であることを示した。リンパ球減少症が、ICUに入院した患者の82.1%で観察された。
いくつかの実施形態において、対象は、SARS-Covを有するものとして検査および判定されている。核酸検査、血清学的診断、CRISPR/Cas13ベースのSHERLOCK技術、または胸部放射線写真もしくはCTスキャンなどの撮像技術などの様々な方法が、SAR-CoV、例えばSARS-CoV-2を検出するために用いられ得る。
本明細書で使用される場合、「インフルエンザウイルス」という用語は、一般に「the flu」として知られるインフルエンザをもたらすウイルスである。ウイルス分類では、インフルエンザウイルスは、オルトミクソウイルス科の7つの属のうちの4つ、すなわち、インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスB、インフルエンザウイルスC、インフルエンザウイルスDを構成するRNAウイルスである。これらのウイルスは、クループなどの小児の呼吸器感染症の一般的な原因であるパラミクソウイルス科に属するRNAウイルスであるヒトパラインフルエンザウイルスと遠縁であるが、大人のインフルエンザに似た病気を引き起こす可能性もある。インフルエンザウイルスA、B、C、およびDは、全体的な構造が非常に似ている。ウイルス粒子(ビリオンとも呼ばれる)は直径80~120ナノメートルで、結果、最小のビリオンは楕円形になっている。中心核は、ウイルスRNAゲノムと、このRNAをパッケージ化して保護する他のウイルスタンパク質とを含む。
本明細書で使用される場合、「有害事象の増加されたリスクを有する患者」は、好ましくは、上に明示的に開示された患者から選択される。任意の所与の患者を評価することができ、通常、追加の疾患または免疫欠損の存在に基づいて、有害事象の増加されたリスクを有する患者として分類することができる。
いくつかの実施形態では、「有害事象の増加されたリスクを有する患者」は、高血圧、心血管疾患、真性糖尿病、喫煙、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、悪性腫瘍、および慢性腎疾患から選択され、好ましくは、高血圧、心血管疾患、喫煙歴および糖尿病からなる群から選択される。Emami他(Arch Acad Emerg Med.2020 Mar 24;8(1):e35)によると、10件の記事で提示された76993人の患者のデータが、COVID-19の入院患者の基礎疾患の有病率について評価された。分析によると、SARS-CoV-2に感染した人々の高血圧、心血管疾患、喫煙歴、糖尿病の統合有病率は、それぞれ16.37%(95%CI:10.15%~23.65%),12.11%(95%CI 4.40%~22.75%),7.63%(95%CI 3.83%~12.43%)および7.87%(95%CI 6.57%~9.28%)と推定された。入院しているこれらの状態の患者の有病率が高いことに起因して、これはウイルス感染の場合の有害事象の兆候である。
したがって、本発明は、COVID-19などの、気道のSARSウイルス感染などの、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の疾患進行のリスク評価を可能にする。したがって、以下のCOVID-19の病因の説明は一例であり、他のSARS-CoVの医療分野の当業者が参照、評価、および利用することができる。
SARS-CoV-2は、主に呼吸器飛沫、接触、および場合によって糞口感染を介して感染する。一次ウイルス複製は、上気道(鼻腔および咽頭)の粘膜上皮において発生し、下気道および胃腸粘膜においてさらに増殖し、軽度のウイルス血症を引き起こすと推定されている。この時点で制御されている感染はほとんどなく、無症候性のままである。一部の患者はまた、急性肝障害および心臓障害、腎不全、下痢などの非呼吸性症状を呈しており、多臓器障害を示唆している。ACE2は、鼻粘膜、気管支、肺、心臓、食道、腎臓、胃、膀胱、回腸において広く発現しており、これらのヒトの臓器はすべてSARS-CoV-2に対して脆弱である。
Jin他(Viruses 2020,12,372)によると、重度のCOVID-19からの病理学的所見の最初の報告は、細胞性線維粘液性滲出液を伴う肺両側性びまん性肺胞損傷を示した。右肺は、肺細胞の明らかな落屑およびヒアリン膜形成を示しており、これは急性呼吸窮迫症候群を示している。左肺組織は、ヒアリン膜形成を伴う肺水腫を示しており、これは初期段階の急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を示唆している。リンパ球が優勢な間質性単核炎症性浸潤が両方の肺で観察され得た。大きな核、両染性顆粒細胞質、および顕著な核小体を特徴とする非定型の肥大した肺細胞を伴う多核合胞体細胞が肺胞内空間内で同定され、ウイルスの細胞変性様変化を示している。
Jin他(Viruses 2020,12,372)によると、これらの呼吸器の病理学的所見は、SARSおよびMERSに見られる所見と非常に似ている。肝生検標本では、中程度の微小血管脂肪症および軽度の小葉および門脈活動が観察された。これは、SARS-CoV-2感染または薬物使用のいずれかによって引き起こされる可能性がある。さらに、心臓組織にわずかのみの間質性単核炎症性浸潤が見られ、これは、SARS-CoV-2が心臓を直接損傷していない可能性があることを意味する。COVID-19の死亡例では、SARSおよびMERSとは異なり、両方の肺に大量の粘液分泌が見られた。急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は生命を脅かす肺状態であり、十分な酸素が肺に到達して循環するのを妨げ、ほとんどの呼吸器疾患および急性肺障害の死亡率を説明する。ヒトSARS-CoV、MERS-CoV、およびSARS-CoV-2感染の致命的な症例では、個人は機械的換気を必要とする重度の呼吸困難を呈し、組織病理学的所見もARDSを支持する。免疫機能障害およびサイトカインストームも、COVID-19によって誘発された死亡者に見られた。
したがって、本明細書で使用される場合、「処置および/または疾患監視の強化を必要とする」という用語は、好ましくは上記の病因の説明に関連して考慮すると、疾患が悪化するリスクがより高い、すなわち、好ましくはリスクが低い患者と比較して、患者にとってより重篤な健康リスクに進行するリスクがより高い患者を指す。
本明細書で使用される場合、「入院を必要とする状態への疾患進行のリスクがある」という用語は、処置および/または疾患監視の強化を必要とし、それにより、病院において利用可能な治療オプションが、医療スタッフの推奨に基づいて推奨される患者に関連する。言い換えれば、病院の外で通常利用できる処置が、患者を安全にケアし、望ましくない有害事象を回避するには不十分であるというリスクが評価される。
本明細書で使用される場合、「ICUにおける処置および/または疾患監視を必要とする状態への疾患進行のリスクがある」という用語は、処置および/または疾患監視の強化を必要とし、それにより、ICUにおいて利用可能な治療オプションが、医療スタッフの推奨に基づいて推奨される患者に関連する。言い換えれば、ICUの外で通常利用できる処置が、患者を安全にケアし、望ましくない有害事象を回避するには不十分であるというリスクが評価される。
病院の外、病院内、およびICU内で一般的に利用可能な処置オプションは、当業者に知られており、例として、本明細書でも開示されている。
本発明によれば、治療的介入または治療はまた、1型インターフェロン(IFN)、IFN-α、IFN-β、免疫抑制薬、リバビリン、レムデシビル、ロピナビル、ネルフィナビル、クロロキン、回復期血漿、抗SARS CoV抗体、抗-Fc特異的抗体、レニン-アンジオテンシン系(RAS)阻害剤、ACE2-間葉幹細胞(MSC)の静脈内移植、抗炎症薬、腫瘍壊死因子-αブロッカー、プロテイナーゼ阻害剤、ステロイド、ワクチン接種も含み得る。
「重篤」と診断された本明細書に記載の患者は、集中治療室(ICU)患者、自身の健康状態の常時および/または集中的な観察が必要な患者、SARS、SARSおよび敗血症、重症敗血症または敗血症性ショックと診断された患者、SARSおよび1つ以上の既存の器官不全(単数または複数)と診断された患者、手術前または手術後の患者、術中患者、心的外傷後患者、事故患者、火傷患者、1つ以上の開放病変を有する患者などの外傷患者であると診断され得る。本明細書に記載の対象は、救急部門もしくは集中治療室、または救急車などの緊急輸送機関などの他のポイントオブケア環境、または当該症状の患者に対面する一般開業医に存在し得る。
本明細書で使用される場合、本発明の文脈における「診断」は、臨床状態の認識および(早期)検出に関する。重症度の評価もまた、「診断」という用語によって包含され得る。
「予後診断」は、対象の帰結または特定のリスクの予測に関する。これはまた、当該対象についての回復の見込みまたは有害な転帰の見込みの推定が含み得る。
本発明の方法はまた、モニタリング、治療モニタリング、治療指針および/または治療制御のために使用され得る。「モニタリング」は、例えば、治癒過程の進行または患者の健康状態に対する特定の治療または療法の影響を分析するために、患者および発生する可能性のある合併症を追跡することに関する。
本発明の文脈における「治療モニタリング」または「治療制御」という用語は、例えば、治療の有効性に対するフィードバックを得ることによる、当該患者の治療処置のモニタリングおよび/または調整を指す。本明細書で使用される場合、「治療指針」という用語は、1つ以上のバイオマーカーの値/レベルおよび/または臨床パラメータおよび/または臨床スコアに基づくある特定の治療、治療行為、または医療的介入の適用を指す。これには、療法の調整または療法の中止が含まれる。
本発明において、「リスク評価」および「リスク層別化」という用語は、対象を対象のさらなる予後に従って異なるリスク群にグループ分けすることに関する。リスク評価はまた、予防的および/または治療措置を適用するための層別化に関する。「療法層別化」という用語は、特に、患者を、患者の分類に応じてある特定の異なる治療措置を受けるリスク群または治療群などの、異なる群にグループ分けまたは分類することに関する。「療法層別化」という用語はまた、感染症または感染性疾患の症状を有する患者を、ある特定の治療措置を受ける必要がない群にグループ分けまたは分類することに関する。
本明細書で使用される場合、「遠隔患者管理」という用語は、好ましくは、感染性疾患を有する患者を遠隔で管理するための治療アプローチを指し、この中で、患者の健康状態に関するデータが患者(すなわち外来患者)のいる現地で繰り返し収集され、データが遠隔の(地理的に離れている)医療関係者または自動システムに送信され、医療関係者または自動システムは、患者に連絡するために、患者にアドバイスを与えるために、併用治療を開始もしくは変更するために、または患者の健康状態を改善および/もしくは安定させるための任意の他の医学的介入を行うために、当該データに基づいて行動する場合もあり、または行動しない場合もある。
遠隔患者管理は、好ましくは、患者の健康状態に関する遠隔監視、ならびに遠隔医療介入、ガイドラインに基づく外来治療、および/または構造化された患者教育を包含する。
遠隔監視は、好ましくは、患者のいる現地で繰り返されるデータ収集と、医療関係者または自動化医療システムによるレビューを可能にする監視システムまたはデバイスへのその遠隔送信と、を指す。
本明細書で使用される場合、「遠隔患者管理」という用語は、好ましくは、感染性疾患を有する患者を遠隔で管理するための治療アプローチを指し、この中で、患者の健康状態に関するデータが患者(すなわち外来患者)のいる現地で繰り返し収集され、データが遠隔の(地理的に離れている)医療関係者または自動システムに送信され、医療関係者または自動システムは、患者に連絡するために、患者にアドバイスを与えるために、併用治療を開始もしくは変更するために、または患者の健康状態を改善および/もしくは安定させるための任意の他の医学的介入を行うために、当該データに基づいて行動する場合もあり、または行動しない場合もある。
遠隔患者管理は、好ましくは、患者の健康状態に関する遠隔監視、ならびに遠隔医療介入、ガイドラインに基づく外来治療、および/または構造化された患者教育を包含する。
遠隔監視は、好ましくは、患者のいる現地で繰り返されるデータ収集と、医療関係者または自動化医療システムによるレビューを可能にする監視システムまたはデバイスへのその遠隔送信と、を指す。
本発明の文脈では、「proADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定する」などは、proADMもしくはその断片を判定するいずれかの手段を指すことが理解される。断片は、断片が、proADMもしくはその断片のレベルの明白な判定を可能にする限り、任意の長さ、例えば、少なくとも約5、10、20、30、40、50、または100アミノ酸を有することができる。本発明の特に好ましい態様では、「proADMのレベルを判定すること」は、中間領域のプロアドレノメデュリン(MR-proADM)のレベルを判定することを指す。MR-proADMは、proADMの断片および/または領域である。
ペプチドアドレノメデュリン(ADM)は、フェノクロモサイトーム(phenochromocytome)から単離された、52個のアミノ酸を含む血圧降下ペプチドとして発見された(Kitamura et al.,1993)。アドレノメデュリン(ADM)は、185個のアミノ酸を含む前駆体ペプチド(「プレプロアドレノメデュリン」または「プレproADM」)としてコードされる。ADMの例示的なアミノ酸配列は、配列番号1に示されている。
配列番号1:pre-pro-ADMのアミノ酸配列:
ADMはpre-proADMアミノ酸配列の95~146位を含み、それらのスプライス産物である。「プロアドレノメデュリン」(「proADM」)は、シグナル配列を有しないpre-proADM(アミノ酸1~21)、すなわち、pre-proADMのアミノ酸残基22~185を指す。「中間領域プロアドレノメデュリン」(「MR-proADM」)は、pre-proADMのアミノ酸42~95を指す。MR-proADMの例示的なアミノ酸配列は、配列番号2で与えられる。
配列番号2:MR-pro-ADMのアミノ酸配列(pre-pro-ADMのAS 45~92):
ELRMSSSYPT GLADVKAGPA QTLIRPQDMK GASRSPEDSS PDAARIRV
プレproADMまたはMR-proADMのペプチドおよびその断片を本明細書に記載の方法に使用できることも本明細書では想定されている。例えば、ペプチドもしくはその断片は、pre-proADMのアミノ酸22~41(PAMPペプチド)、またはpre-proADMのアミノ酸95~146(bio-ADMとしても知られている生物学的に活性な形態を含む、成熟アドレノメデュリン)を含むことができる。
配列番号3:成熟ADMのアミノ酸配列(プレproADMのAS95~146):
YRQSMNNFQGLRSFGCRFGTCTVQKLAHQIYQFTDKDKDNVAPRSKISPQGY
proADMのC末端断片(pre proADMのアミノ酸153~185)はアドレノテンシンと呼ばれる。proADMペプチドの断片またはMR-proADMの断片は、例えば、少なくとも約5、10、20、30、またはそれ以上のアミノ酸を含むことができる。したがって、proADMの断片は、例えば、MR-proADM、PAMP、アドレノテンシン、および成熟アドレノメデュリンからなる群から選択することができ、好ましくは、本明細書では、断片はMR-proADMである。
これらの様々な形態のADMまたはproADMおよびそれら断片の判定は、例えば、分子の特定の部分に指向された抗体または他の親和性試薬を用いることによって、あるいは質量分析を使用してタンパク質の一部分を測定することにより分子の存在および/または量を判定することによって、これらの分子の特定のサブ領域を測定および/または検出することも包含する。本明細書に記載の「ADMペプチドまたは断片」のうちの任意の1つ以上は、本発明において用いられ得る。
したがって、本発明の方法およびキットはまた、ADMに加えて、少なくとも1つのさらなるバイオマーカー、マーカー、臨床スコア、および/またはパラメータを判定することも含むことができる。
本明細書で使用される場合、パラメータは、特定のシステムを定義する際に役立ち得る特性、特徴、または測定可能な要因である。パラメータは、疾患/障害/臨床状態リスク、好ましくは臓器機能不全(単数または複数)などの健康および生理学に関する評価にとって重要な要素である。さらに、パラメータは、正常な生物学的過程、発病過程、または治療的介入に対する薬理学的応答の指標として客観的に測定および評価される特性として定義される。例示的なパラメータは、肺炎重症度指数(PSI)、急性生理学および長期的健康評価II(APACHE II)、簡易急性生理学スコア(SAPSIIスコア)、連続的臓器不全評価スコア(quick sequential organ failure assessment score)(SOFAスコア)、クイック連続的臓器不全評価スコア(qSOFA)、体格指数、体重、年齢、性別、IGS II、水分摂取量、白血球数、ナトリウム、カリウム、体温、血圧、ドーパミン、ビリルビン、呼吸数、酸素分圧、世界脳神経外科連合(WFNS)評価、グラスゴーコーマスケール(GCS)、CURB-65肺炎重症度スコア、肺炎重症度指数(PSI)、年齢、性別、家族歴、民族、体重、体格指数(BMI)、膀胱鏡検査レポート、白血球数、リンパ球数、CTスキャン、PETイメージングまたはX線などの撮像方法、血圧、心拍数、降圧治療、液体摂取、喘鳴、体温、真性糖尿病の存在、血糖値、および(現在の)喫煙習慣からなる群から選択することができる。
そのようなパラメータは、アッセイの実施および診断ステートメントを改善するために、本明細書に記載の方法と組み合わせてさらに評価することができる。
本発明は、本発明の方法およびキットが、従来の方法を上回って迅速、客観的であり、使いやすく、正確である、という利点を有する。本発明の方法およびキットは、日常的に得られた血液試料もしくはさらなる生体液、または対象から得られる試料中のproADM、PCT、Dダイマー、トロポニン、コペプチン、乳酸、C反応性タンパク質のレベルを判定することができるため、日常的な方法で容易に測定可能であるマーカーおよび臨床スコアに関する。
本明細書で使用される場合、「マーカー」、「代理」、「予後診断マーカー」、「因子」、または「バイオマーカー」もしくは「生物学的マーカー」などの用語は、互換的に使用され、疾患/障害/臨床状態リスク、好ましくは有害事象などの健康および生理学に関連する評価の指標として機能する測定可能かつ定量化可能な生物学的マーカー(例えば、特定のタンパク質もしくは酵素濃度、もしくはその断片、特定のホルモン濃度もしくはその断片、または生物学的物質もしくはその断片の存在)に関する。マーカーまたはバイオマーカーは、正常な生物学的プロセス、病原性プロセス、または療法的介入に対する薬理学的応答の指標として客観的に測定および評価され得る特徴として定義される。バイオマーカーは、試料中で(血液、血漿、尿、または組織検査として)測定され得る。
当該対象のうちの少なくとも1つのさらなるマーカーおよび/またはパラメータは、当該試料中の乳酸のレベル、当該試料中のプロカルシトニン(PCT)のレベル、当該対象の連続的臓器不全評価スコア(SOFAスコア)、任意選択的にクイックSOFAスコア、当該対象の単純化された急性生理学スコア(SAPSII)、当該対象の急性生理学および長期的健康評価II(APACHE II)スコア、ならびに可溶性fms様チロシンキナーゼ-1(sFlt-1)、ヒストンH2A、ヒストンH2B、ヒストンH3、ヒストンH4、カルシトニン、エンドセリン-1(ET-1)、アルギニンバソプレッシン(AVP)、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)、トロポニン、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、C反応性タンパク質(CRP)、膵石タンパク質(PSP)、骨髄性細胞1に発現するトリガー受容体(TREM1)、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-1、インターロイキン-24(IL-24)、インターロイキン-22(IL-22)、インターロイキン(IL-20)その他のIL、プレセプシン(sCD14-ST)、リポ多糖結合タンパク質(LBP)、アルファ-1-アンチトリプシン、マトリックスメタロプロテイナーゼ2(MMP2)、メタロプロテイナーゼ2(MMP8)、マトリックスメタロプロテイナーゼ9(MMP9)、マトリックスメタロプロテイナーゼ7(MMP7、胎盤成長因子(PlGF)、クロモグラニンA、S100Aタンパク質、S100Bタンパク質および腫瘍壊死因子α(TNFα)、ネオプテリン、アルファ-1-アンチトリプシン、プロアルギニンバソプレッシン(AVP、proAVPまたはコペプチン)、プロカルシトニン、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP、pro-ANP)、エンドセリン-1、CCL1/TCA3、CCL11、CCL12/MCP-5、CCL13/MCP-4、CCL14、CCL15、CCL16、CCL17/TARC、CCL18、CCL19、CCL2/MCP-1、CCL20、CCL21、CCL22/MDC、CCL23、CCL24、CCL25、CCL26、CCL27、CCL28、CCL3、CCL3L3、CCL4、CCL4L1/LAG-1、CCL5、CCL6、CCL7、CCL8、CCL9、CX3CL1、CXCL1、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCL14、CXCL15、CXCL16、CXCL17、CXCL2/MIP-2、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7/Ppbp、CXCL9、IL8/CXCL8、XCL1、XCL2、FAM19A1、FAM19A2、FAM19A3、FAM19A4、FAM19A5、CLCF1、CNTF、IL11、IL31、IL6、レプチン、LIF、OSM、IFNA1、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA2、IFNA4、IFNA7、IFNB1、IFNE、IFNG、IFNZ、IFNA8、IFNA5/IFNaG、IFNω/IFNW1、BAFF、4-1BBL、TNFSF8、CD40LG、CD70、CD95L/CD178、EDA-A1、TNFSF14、LTA/TNFB、LTB、TNFa、TNFSF10、TNFSF11、TNFSF12、TNFSF13、TNFSF15、TNFSF4、TRAIL、IP-10、IL18、IL18BP、IL1A、IL1B、IL1F10、IL1F3/IL1RA、IL1F5、IL1F6、IL1F7、IL1F8、IL1RL2、IL1F9、IL33もしくはその断片のレベルからなる群から選択され得る。さらなるマーカーには、膜微粒子、血小板数、平均血小板体積(MPV)、sCD14-ST、プロトロンビナーゼ、アンチトロンビンおよび/アンチトロンビン活性、カチオン性タンパク質18(CAP18)、フォンウィルブランド因子(vWF)切断プロテアーゼ、CRPと組み合わせたリポタンパク質、フィブリノーゲン、フィブリン、B2GP1、GPIIb-IIIa、フィブリンの非変性Dダイマー、血小板因子4、ヒストン、およびPT-アッセイが含まれる。
本明細書で使用される場合、「プロカルシトニン」または「PCT」は、プロカルシトニンペプチドの、アミノ酸残基1~116、2~116、3~116、またはそれらの断片におよぶペプチドに関する。PCTは、カルシトニンホルモンのペプチド前駆体である。したがって、プロカルシトニン断片の長さは、少なくとも12アミノ酸、好ましくは50アミノ酸超、より好ましくは110アミノ酸超である。PCTは、グリコシル化、脂質化、または誘導体化などの翻訳後修飾を含み得る。プロカルシトニンは、カルシトニンおよびカタカルシンの前駆体である。したがって、通常の条件下では、循環中のPCTレベルは非常に低い(約0.05ng/ml未満)。
対象の試料中のPCTのレベルは、本明細書に記載されるようにイムノアッセイによって判定することができる。本明細書で使用される場合、「プロカルシトニン」または「PCT」をコードするリボ核酸またはデオキシリボ核酸のレベルも判定することができる。例えば、Thermo Fisher Scientific/B・R・A・H・M・S GmbHから入手した製品を使用することによるPCTの判定のための方法が、当業者に既知である。
トロポニンは、アクチンおよびミオシンのフィラメントの滑りにより収縮を促進する、筋肉に見られるタンパク質である。それは、3つのサブユニットC、IおよびTを含む。トロポニンTのアイソフォームであるcTnTは、心筋細胞にのみ見られ、その心筋特異性および臨床感度の高さを理由に、最も重要な心臓バイオマーカーである。サブユニットCの配列は、配列番号4で与えられる。サブユニットIの配列は、配列番号5で与えられる。サブユニットTの配列は、配列番号6で与えられる。
「コペプチン」はまた、「CT-proAVP」または「バソプレッシンのC末端部分」とも称される。バソプレッシンは、強力な血管収縮薬である。CT-proAVPのレベルは、以下に記載されるように、イムノアッセイによって対象の血漿または血清中で測定され得る。
バソプレッシンの164アミノ酸前駆体ペプチド(プレプロバソプレッシン)の配列は、配列番号7で与えられる。プロバソプレッシンは、プレプロバソプレッシンの配列のアミノ酸残基19~164に関係する。プロバソプレッシンのアミノ酸配列は、配列番号8で与えられる。プロバソプレッシンは、成熟バソプレッシン、ニューロフィジンII、およびC末端プロバソプレッシン(CT-proAVPまたはコペプチン)に切断される。バソプレッシンは、プレプロバソプレッシンのアミノ酸残基20~28に関係する。バソプレッシンのアミノ酸配列は、配列番号9に示されている。コペプチンは、プレプロバソプレッシンのアミノ酸残基126~164に関係する。コペプチンのアミノ酸配列は、配列番号10に提供されている。ニューロフィジンIIは、プレプロバソプレッシンのアミノ酸残基32~124を含み、その配列は、配列番号11に示されている。
Dダイマーは通常、ヒト血漿には存在しない。このバイオマーカーは、血栓または血餅がプラスミンによって酵素的に分解された後に放出されるフィブリノーゲン分解産物(FDP)の1つである。
一定の濃度範囲(例えば、血液試料中0.5mg/l)未満では、Dダイマーは深部静脈血栓症、肺塞栓症または播種性血管内凝固症候群などの不適切な血栓形成を特徴とする臨床症状を除外するのに役立つことができる。
Dダイマーのレベルが上昇した場合は、さらに検査(超音波、シンチグラフィ、CTスキャンなど)が必要である(Adam SS、Key NS、Greenberg CS(March 2009).”D-dimer antigen:current concepts and future prospects”.Blood.113(13):2878-87.doi:10.1182/blood-2008-06-165845参照)。
乳酸、または乳酸(lactic acid)は、血液を含む体液中に生じる、式CHCH(OH)COOHを有する有機化合物である。乳酸の血液試験は、体内の酸塩基恒常性の状態を判定するために実施される。乳酸は、細胞が十分な酸素を欠いており(低酸素症)、エネルギー生成手段の効率を低下させる必要があると、または状態によって乳酸の過剰生成もしくはクリアランスの減少が生じると蓄積され得る細胞代謝生成物である。乳酸アシドーシスは、例えば、ショック、敗血症性ショック、またはうっ血性心不全など、細胞および組織に送達される酸素量の減少に至り得る状態を有する場合、細胞および組織の酸素量が不十分なこと(低酸素症)によって生じ得、乳酸試験を使用して、低酸素症および乳酸アシドーシスの重症度の検出および評価を助けることができる。
C反応性タンパク質(CRP)は、五量体タンパク質であり、血漿などの体液に見ることができる。CRPレベルは、炎症に応答して上昇し得る。CRP値の測定およびチャート化は、疾患の進行または治療の有効性の判定に有用であることを実証することができる。
本明細書において使用される場合、肺炎重症度指数(PSI)またはPORTスコアは、院外感染性肺炎患者間の罹患率および死亡率を計算するために開業医が使用できる臨床予測ルールである。PSI/PORTスコアは、肺炎患者の入院の必要性を予測するために使用されることが多く、PSIスコアは、死亡および他の有害転帰のリスクが低い院外感染性肺炎の患者を正確に特定することが報告されている。したがって、PSIスコアの予測ルールは、医師が肺炎患者の入院についてより合理的な判定を下すのに役立つ。死亡率予測は、CURB-65を使用した場合と同様である。
本明細書で使用される場合、「連続的臓器不全評価スコア」または「SOFAスコア」は、集中治療室(ICU)に滞在中の患者の状態を追跡するために使用される1つのスコアである。SOFAスコアは、人の臓器機能の程度または不全率を判定するためのスコアリングシステムである。スコアは、6つの異なるスコアに基づき、呼吸器系、心血管系、肝臓系、凝固系、腎臓系、および神経系に対して各1つとなっている。平均SOFAスコアと最高SOFAスコアとの両方が転帰の予測因子である。ICUにおける最初の24~48時間のSOFAスコアの増加により、少なくとも50%~最大95%の死亡率が予測される。9未満のスコアは33%の予測死亡率を付与し、一方14を超えると95%に近いかまたは95%を超え得る。
本明細書で使用される場合、「クイックSOFAスコア」(qSOFAスコア」)は、患者の臓器機能不全または死亡リスクを示すスコアリングシステムである。スコアは、3つの基準に基づく:1)精神状態の変化、2)100mmHg未満の収縮期血圧の低下、3)毎分22呼吸を超える呼吸数。これらの状態のうちの2つ以上を有する患者は、臓器機能不全を有するか、死亡するリスクがより高い。「正の」qSOFAスコア(≧2)は、感染症が疑われる患者の帰結不良のリスクが高いことを示唆する。これらの患者は、臓器機能不全のエビデンスに関してより詳しく評価されるべきである。
本明細書で使用される場合、「APACHE II」または「急性生理学および慢性健康評価II」は、重症度分類の採点システムである(Knausら、1985)。これは、集中治療室(ICU)への患者の入室から24時間以内に適用することができ、AaDO2またはPaO2(FiO2に依存)、体温(直腸)、平均動脈圧、動脈pH、心拍数、呼吸数、ナトリウム(血清)、カリウム(血清)、クレアチニン、ヘマトクリット、白血球数、およびグラスゴーコーマスケールの、12種の異なる生理学的パラメータに基づいて判定され得る。
本明細書で使用する場合、「SAPS II」または「簡易急性生理スコアII」は、疾患または障害の重症度を分類するためのシステムに関する(Le Gall JR et al.,A new Simplified Acute Physiology Score(SAPS II)based on a European/North American multicenter study.JAMA.1993;270(24):2957-63を参照されたい)。SAPS IIスコアは、12種の生理学的変数および3種の疾患関連変数で構成されている。ポイントスコアは、12種の通常の生理学的測定値、以前の健康状態に関する情報、およびICUへの入室時に得られたいくつかの情報から計算される。SAPS IIスコアは、いつでも、好ましくは2日目に判定され得る。「最悪の」測定値は、最高の点数に相関する尺度として定義される。SAPS IIスコアは、0~163点の範囲である。分類システムには、以下のパラメータ:年齢、心拍数、収縮期血圧、体温、グラスゴーコーマスケール、機械的換気またはCPAP、PaO2、FiO2、尿量、血中尿素窒素、ナトリウム、カリウム、重炭酸塩、ビリルビン、白血球、慢性疾患、および入室の種類が含まれる。死亡率と合計SAPS IIスコアとの間にはS字形相関がある。対象の死亡率は、29点のSAPSIIスコアで10%であり、死亡率は、40点のSAPSIIスコアで25%であり、死亡率は、52点のSAPSIIスコアで50%であり、死亡率は、64点のSAPSIIスコアで75%であり、死亡率は、77点のSAPSIIスコアで90%である(Le Gall、前掲書中同箇所)。
本明細書で使用される場合、「試料」という用語は、患者または対象から得られるかまたは単離される、生物学的試料である。「試料」は、本明細書で使用される場合、例えば、患者などの関心対象の分析、診断、予後診断、または評価の目的で得られた体液または組織の試料を指し得る。好ましくは、本明細書では、試料は、血液、血清、血漿、脳脊髄液、尿、唾液、痰、胸水、細胞、細胞抽出物、組織試料、上気道および下気道からの任意の組織試料、組織生検、便試料などの体液の試料である。特に、試料は、血液、血漿、血清である。
本発明の文脈における「血漿」は、遠心分離後に得られる抗凝固剤を含有する血液の実質的に細胞を含まない上清である。例示的な抗凝血剤には、EDTAまたはクエン酸塩などのカルシウムイオン結合化合物、およびヘパリン酸塩またはヒルジンなどのトロンビン阻害剤が含まれる。細胞を含まない血漿は、抗凝固処理された血液(例えば、クエン酸塩処理された、EDTAまたはヘパリン処理された血液)を、例えば、2000~3000gで少なくとも15分間遠心分離することによって得ることができる。
本発明の文脈における「血清」は、血液を凝固させた後に収集される全血の液体画分である。凝固した血液(血餅)が遠心分離されると、血清を上清として得ることができる。
本明細書で使用される場合、「尿」は、放尿(urination)(または排尿(micturition))と呼ばれる過程を通して腎臓によって分泌され、尿道を通して排泄される身体の液体生成物である。
本発明の実施形態では、入院を必要とする状態は、敗血症、重症敗血症、および/または敗血症性ショックであり得る。本発明の文脈における「敗血症」は、感染に対する全身性反応を指す。代替的に、敗血症は、SIRSと確認された感染プロセスまたは感染との組み合わせとして見られ得る。敗血症は、感染および全身性炎症反応の両方の存在によって定義される臨床症候群として特徴付けられ得る(Levy MM et al.2001 SCCM/ESICM/ACCP/ATS/SIS International Sepsis Definitions Conference.Crit Care Med.2003 Apr;31(4):1250-6)。本明細書で使用する「敗血症」という用語は、敗血症、重度敗血症、および敗血症性ショックを含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用する「敗血症」という用語は、敗血症、重度敗血症、および敗血症性ショックを含むが、これらに限定されない。重症敗血症は、臓器機能障害、低灌流異常、または敗血症誘発性低血圧に関連する敗血症を指す。低灌流異常には、乳酸アシドーシス、乏尿症、および精神状態の急激な変化が含まれる。敗血症誘発性低血圧は、低血圧の他の原因(例えば、心原性ショック)が存在しない場合の、約90mmHg未満の収縮期血圧の存在またはベースラインから約40mmHg以上のその低減によって定義される。敗血症性ショックは、低灌流異常または臓器機能不全の存在とともに、適切な輸液蘇生法にもかかわらず持続する敗血症誘発性低血圧を伴う重症敗血症として定義される(Boneら、CHEST 101(6):1644-55、1992)。
代替的に、敗血症という用語は、感染症に対する調節機能不全にある宿主の応答によって引き起こされる、生命を脅かす臓器の機能不全として定義され得る。臨床的操作化では、臓器機能不全は、好ましくはSequential Organ Failure Assessment(SOFA)スコアの2ポイント以上の増加によって表すことができ、10%超の院内死亡率と関連付けられる。敗血症性ショックは、敗血症のサブセットとして定義され得、これにおいては、特に重度の循環器、細胞、および代謝の異常は、敗血症単独よりも高い死亡リスクと関連付けられる。敗血症性ショックを有する患者は、血液量減少が存在しない場合に、65mmHg以上の平均動脈圧および2mmol/L超(18mg/dL超)の血清乳酸レベルを維持するために昇圧剤を必要とすることによって臨床的に識別することができる。
本明細書で使用される「敗血症」という用語は、敗血症の発症におけるすべての可能な段階に関する。「敗血症」という用語には、SEPSIS-2の定義に基づく重症敗血症または敗血症性ショックも含まれる(Bone et al.,2009)。「敗血症」という用語には、SEPSIS-3の定義内に入る対象も含まれる(Singer et al.,2016)。本明細書で使用される「敗血症」という用語は、敗血症の発症におけるすべての可能な段階に関する。
本明細書で使用される場合、本発明の範囲内の「感染症」は、病原性または病原性である可能性がある薬剤/病原体、生命体、および/または微生物による、通常は無菌の組織または体液への侵入によって引き起こされる病理学的プロセスを意味し、好ましくは、細菌、ウイルス、真菌、および/または寄生虫による感染症(単数または複数)に関する。本発明の文脈において、感染は、特に、SARSウイルスによるウイルス感染に関連する。感染はまた、SARS-CoV2感染などのSARSウイルス感染と、同時またはその後に発生する感染、またはSARSウイルス感染の時点ですでに存在した感染などの1つ以上の追加の感染と、を含む感染の組み合わせでもあり得、追加の感染は、細菌感染、ウイルス感染、および/または真菌感染であり得る。少なくとも1つのSARSウイルス、さらに1つ以上の細菌、ウイルス、または真菌を含む、複数の追加の病原体による感染も発生する可能性がある。SARSウイルスによる三重感染の場合、細菌および真菌が想定され得る。感染症は、局所感染症または全身感染症であり得る。本発明の目的では、ウイルス感染症は、微生物による感染症とみなされ得る。
本明細書において使用される場合、「感染性疾患」は、一次ウイルス感染、特にSARSウイルス感染に関連するウイルス感染性疾患または障害を含む。本発明の文脈において、感染性疾患は、SARSウイルス感染に加えて、1つ以上の細菌および/またはウイルスおよび/または真菌による感染を含み得る。
さらに、感染関連合併症は「院内」感染であり得る。院内感染(nosocomial infection)は院内感染(hospital-acquired infection、HAI)とも呼ばれ、病院またはその他の医療施設で感染する感染である。病院および病院以外の両方の設定を強調するために、代わりにヘルスケア関連感染症(HAIまたはHCAI)と呼ばれることもある。このような感染症は、病院、介護施設、リハビリテーション施設、外来診療所、またはその他の臨床現場で感染し得る。院内感染は、様々な手段によって、臨床現場で感染しやすい患者に伝播し得る。医療スタッフは、汚染された機器、ベッドリネン、または空気の飛沫に加えて、感染を広げる可能性がある。感染は、外部環境、別の感染した患者、感染している可能性のあるスタッフ、または場合によっては感染源を判定できないことが原因である可能性がある。場合によっては、微生物が患者自身の皮膚微生物叢から発生し、保護皮膚バリアを外す手術または他の処置の後に日和見感染になる。患者は自分の皮膚から感染症にかかった可能性があるが、感染症は医療現場で発症するため、院内感染とみなされる。
さらに、感染症を患っている対象は、同時に1つよりも多くの感染源(単数または複数)を患っている場合がある。例えば、感染を患っている対象は、細菌感染およびウイルス感染、ウイルス感染および真菌感染、細菌感染および真菌感染、ならびに細菌感染、真菌感染、およびウイルス感染を患っているか、あるいは潜在的な重複感染、例えば1つ以上のウイルス感染および/または1つ以上の真菌感染に加えて1つ以上の細菌感染を含む、本明細書に列挙されている感染のうちの1つ以上を含む混合感染を患っている場合がある。
本発明の文脈において、「医療的治療」または「治療」という用語は、限定されないが、抗炎症戦略、療法的抗体などのADM拮抗薬、si-RNAもしくはDNAの投与、体外血液浄化、またはアフェレーシス、透析、サイトカインストームを防ぐ吸着剤を介する有害物質の除去、炎症性メディエータの除去、血漿アフェレーシス、ビタミンCなどのビタミンの投与、手術、緊急手術、身体に十分な酸素を提供するための機械的換気および非機械的換気のような換気、例えば、病巣洗浄手順、血液製剤の注輸、コロイドの注入、腎もしくは肝代替などの臓器置換、抗生物質治療、侵襲的機械的換気、非侵襲的機械的換気、昇圧剤使用、輸液療法、アフェレーシス、ならびに臓器保護のための措置を含む、様々な治療および療法的戦略を含む。
当業者は、本明細書に記載の治療のどれが病院環境での投与を必要とするかを判定することができる。
当業者はまた、どの病状、およびこのような病状のどの程度の重症度が、病院環境で、例えば、EDまたはICUなどでのみ(または主に)利用可能な治療を必要とするかを判定することができる。
本発明のさらなる治療は、例えば正常血液量に達するために、および血液量増加または血液量減少を防ぐかあるいは治療するために、幹細胞、血液、または血漿のような細胞または細胞製剤の投与、ならびに患者の循環の安定化、および例えば最適な輸液管理戦略を介した内皮性グリコカリクスの保護を含む。さらに、昇圧剤、または例えばカテコールアミン、ならびに未分画ヘパリンまたはN-脱硫酸化再-N-アセチル化ヘパリンを介したアルブミンまたはヘパラナーゼの阻害は、循環および内皮層をサポートするのに有用な治療である。
追加的に、本発明の医療的治療は、限定されないが、血液凝固の安定化、抗線溶治療、iNOS阻害剤、ヒドロコルチゾンのような抗炎症剤、鎮静剤および鎮痛剤、ならびにインスリンを含む。
人工的および機械的換気は、適当な気体交換および換気を強化し、重症低酸素血症時の救命を目的とする効果的なアプローチである。人工的換気は、対象の呼吸を補助または刺激することに関する。人工的換気は、機械的換気、用手的換気、体外式膜型人工肺(ECMO)、および非侵襲的換気(NIV)からなる群から選択され得る。機械的換気は、自発呼吸を機械的に補助または代替する方法に関する。これは、ベンチレーターと呼ばれる機械を伴い得る。機械的換気は、高頻度振動換気または部分的液体換気であり得る。
「腎代替療法」(RRT)は、腎臓の正常な血液濾過機能を代替するために用いられる療法に関する。腎代替療法とは、透析(例えば、血液透析または腹膜透析)、血液濾過、および血液透析濾過を指し得る。そのような技法は、血液を機械に通し、洗浄し、次いで身体に戻す様々な方式である。腎代替療法はまた、腎移植を指し得、古い腎臓がドナーの腎臓に代替されるという点で、究極の形式の代替である。血液透析、血液濾過、および血液透析濾過は、持続的または間欠的であり得、動静脈経路(血液が動脈から出て静脈を介して戻る)または静静脈経路(血液が静脈から出て静脈を介して戻る)を使用することができる。これにより、様々な種類のRRTが得られる。例えば、腎代替療法は、限定されないが、持続的腎代替療法(CRRT)、持続的血液透析(CHD)、持続的動静脈血液透析(CAVHD)、持続的静静脈血液透析(CVVHD)、持続的血液濾過(CHF)、持続的動静脈血液濾過(CAVHまたはCAVHF)、持続的静静脈血液濾過(CVVHまたはCVVHF)、持続的血液透析濾過(CHDF)、持続的動静脈血液透析濾過(CAVHDF)、持続的静静脈血液透析濾過(CVVHDF)、間欠的腎代替療法(IRRT)、間欠的血液透析(IHD)、間欠的静静脈血液透析(IVVHD)、間欠的血液濾過(IHF)、間欠的静静脈血液濾過(IVVHまたはIVVHF)、間欠的血液透析濾過(IHDF)、および間欠的静静脈血液透析濾過(IVVHDF)の群から選択され得る。
医療的治療は、温めた静脈内輸液および温風毛布の使用を含む、低体温症を回避する方法も含む。
医療的治療はまた、出血制御、止血帯を伴うまたは伴わない出血制御技術、創傷洗浄、局所麻酔適用、皮膚接着ストリップ、組織接着剤、縫合糸、ステープルおよび創傷被覆材を使用できる創傷閉鎖技術を含む創傷管理を含む。
本発明で使用される「輸液療法」という用語は、それを必要とする対象への輸液の投与に関する。「補液」または「輸液蘇生」という用語も使用され得る。輸液療法は、経口補水療法(飲用)、静脈内療法、直腸、または皮下組織への輸液の注射により置換される輸液を含むが、これらに限定されない。静脈内方法が好ましい。「コロイド」は、巨大有機分子の分散液(例えば、Gelofusin、Voluvenなど)である。コロイドは、典型的には、分子量により健康な半透性毛細管膜を比較的通過することができない担体溶液内の分子の懸濁液である。一実施形態では、本方法は、輸液療法が、ゼラチン、アルブミンおよび/もしくはデンプン溶液、または血液もしくは血液に由来する輸液から選択されるコロイドを含むことを示す。「晶質液」は、水中の小分子の溶液である(例えば、塩化ナトリウム、グルコース、ハルトマン液、またはリンゲル液)。晶質液は、典型的には、自由に透過するイオンの溶液であるが、輸液の張度を判定するナトリウムおよび塩化物の濃度を含有する。
「輸液管理」は、対象の輸液状態のモニタリングおよび制御、ならびに、例えば、経口、経腸、または静脈内輸液投与による循環または臓器活力を安定化させるための輸液の投与を指す。これは、流体および電解質のバランスの安定化、または血液量増加もしくは血液量減少の予防または修正、ならびに血液製剤の供給を含む。
洗浄手順は、対象の感染、特に院内感染を防ぐための衛生的な方法であり、例えば皮膚、病室の物体、医療デバイス、診断デバイス、または部屋の空気など、患者と接触し得るすべての有機および無機質表面の消毒を含む。洗浄手順には、マウスガード、ガウン、手袋、または衛生的ロックなどの防護服およびユニットの使用、ならびに患者の訪問制限のような対策が含まれる。さらに、洗浄手順は、患者自身、および衣服または患者の洗浄を含む。
好ましい実施形態では、「医学的治療」または「治療」という用語は、静脈内抗生物質、経口抗生物質または局所抗生物質などの抗生物質治療を含む。
本発明の文脈において、用語「医学的治療」または「治療」は、抗炎症戦略、治療抗体、si-RNAもしくはDNAなどのproADMアンタゴニストの投与、体外血液浄化もしくはサイトカイン嵐を防ぐためのアフェレーシス、透析、吸着剤による有害物質の除去、炎症性メディエータの除去、血漿アフェレーシス、ビタミンCなどのビタミンの投与、例えば、集中洗浄手順などの身体に十分な酸素を供給するための機械的換気および非機械的換気などの換気、血液製剤の輸血、コロイドの注入、腎もしくは肝臓の置換、抗生物質治療、侵襲的機械的換気、非侵襲的機械的換気、腎代替療法、昇圧剤の使用、輸液療法、アフェレーシスおよび器官保護のための測定、コルチコステロイド、血液もしくは血小板輸血、血清、血漿もしくは特定の細胞もしくはそれらの組み合わせなどの血液成分の輸血の提供、栓球の形成を促進する薬物、線源管理、手術、原因治療、脾臓摘出術、または心血管および脳血管事象に関しては、抗凝固療法、酸素療法、血栓溶解などの溶解療法、経皮的冠動脈介入、経皮経管的血管形成術、冠動脈バイパス移植術、および/またはステント移植、を含むがこれらに限定されない、様々な治療および治療戦略を含む。いくつかの実施形態では、心血管および脳血管事象の医学的治療には、ニトログリセリン、アセチルサリチル酸、ベータ遮断薬、ACE阻害剤、および/またはクロピドグレルの投与が含まれる。
周術期心筋梗塞に関して、予防の手段として、医学的治療は、特に、スタチン、β遮断薬、α2-アドレナリン作動薬、またはカルシウムチャネル遮断薬もしくは硝酸塩などの他の抗虚血薬の投与を含み得る。
当業者は、本明細書に記載の治療のどれが病院環境での投与を必要とするかを判定することができる。
当業者はまた、どの病状、およびこのような病状のどの程度の重症度が、病院環境で、例えば、EDまたはICUなどでのみ(または主に)利用可能な治療を必要とするかを判定することができる。
本発明のさらなる治療は、例えば正常血液量に達するために、および血液量増加または血液量減少を防ぐかあるいは治療するために、幹細胞、血液、または血漿のような細胞または細胞製剤の投与、ならびに患者の循環の安定化、および例えば最適な輸液管理戦略を介した内皮性グリコカリクスの保護を含む。さらに、昇圧剤、または例えばカテコールアミン、ならびに未分画ヘパリンまたはN-脱硫酸化再-N-アセチル化ヘパリンを介したアルブミンまたはヘパラナーゼの阻害は、循環および内皮層をサポートするのに有用な治療である。
好ましい実施形態では、「医学的治療」または「治療」という用語は、静脈内抗生物質、経口抗生物質または局所抗生物質などの抗生物質治療を含む。より好ましい実施形態では、「医学的治療」または「治療」という用語は、静脈内に適用される抗生物質治療を含む。
追加的に、本発明の医療的治療は、限定されないが、血液凝固の安定化、iNOS阻害剤、ヒドロコルチゾンのような抗炎症剤、鎮静剤および鎮痛剤、ならびにインスリンを含む。
医療的治療は、温めた静脈内輸液および温風毛布の使用を含む、低体温症を回避する方法も含む。
医療的治療はまた、出血制御、止血帯を伴うまたは伴わない出血制御技術、創傷洗浄、局所麻酔適用、皮膚接着ストリップ、組織接着剤、縫合糸、ステープルおよび創傷被覆材を使用できる創傷閉鎖技術を含む創傷管理を含む。
本発明の医療的治療は抗生物質治療であり得、本発明の方法により感染症が診断された場合、または予後が診断された場合に、1つ以上の「抗生物質」または「抗生剤」が投与され得る。本発明による抗生物質または抗生物質製剤はまた、診断された感染または敗血症を治療するために使用される抗真菌または抗ウイルス化合物を潜在的に包含する。病原体を分類別に分けると、任意の所与の感染症の治療に一般的に適用される抗生物質製剤は以下のとおりである。
グラム陽性菌適用範囲:ペニシリン、(アンピシリン、アモキシシリン)、ペニシリナーゼ耐性、(ジクロキサシリン、オキサシリン)、セファロスポリン(第1世代および第2世代)、マクロライド(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン)、キノロン(ガチフロキサシン、モキシフロキサシン、レボフロキサシン)、バンコマイシン、スルホンアミド/トリメトプリム、クリンダマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、リネゾリド、シネルシド。
グラム陰性菌適用範囲:広域ペニシリン(チカルシリン、クラブラン酸、ピペラシリン、タゾバクタム)、セファロスポリン(第2、第3、および第4世代)、アミノグリコシド、マクロライド、アジスロマイシン、キノロン(シプロフロキサシン)、モノバクタム(アゼトレオナム)、スルホンアミド/トリメトプリム、カルバペネム(イミペネム)、クロラムフェニコール。
Pseudomonas適用範囲:シプロフロキサシン、アミノグリコシド、一部の第3世代セファロスポリン、第4世代セファロスポリン、広域ペニシリン、カルバペネム。
真菌治療:アリルアミン、アムホテリシンB、フルコナゾールおよび他のアゾール、イトラコナゾール、ボリコナゾール、ポサコナゾール、ラブコナゾール、エキノカンジン、フルシトシン、ソルダリン(sordarin)、キチンシンターゼ阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、リポペプチド、プラジミシン、リポソーム製剤ナイスタチン、ボリコナゾール、エキノカンジン、イミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ポリエン。
抗ウイルス治療:アバカビル、アシクロビル(Acyclovir)(アシクロビル(Aciclovir))、活性化カスパーゼオリゴマー化薬(oligomerizer)、アデホビル、アマンタジン、アンプレナビル(アゲネラーゼ(Agenerase))、アンプリゲン、アルビドール、アタザナビル、アトリプラ、バラビル(Balavir)、シドフォビル、コンビビル、ドルテグラビル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、二本鎖RNA、ドコサノール、エドクスジン、エファビレンツ、エムトリシタビン、エンフビルチド、エンテカビル、エコリエベル(Ecoliever)、ファムシクロビル、固定用量の組み合わせ(抗レトロウイルス)、ホミビルセン、ホスアンプレナビル、ホスカルネット、ホスホネット、融合阻害剤、ガンシクロビル、イバシタビン、イムノビル(Imunovir)、イドクスウリジン、イミキモド、インジナビル、イノシン、インテグラーゼ阻害剤、インターフェロンIII型、インターフェロンII型、インターフェロンI型、インターフェロン、ラミブジン、ロピナビル、ロビリデ、マラビロク、モロキシジン、メチサゾン、モルフォリノ、ネルフィナビル、ネビラピン、ネキサビル(Nexavir)、ニタゾキサニド、ヌクレオシド類似体、ノビル、オセルタミビル(タミフル)、ペグインターフェロンアルファ-2a、ペンシクロビル、ペラミビル、プレコナリル、ポドフィロトキシン、プロテアーゼ阻害剤(薬理学)、ラルテグラビル、逆転写酵素阻害剤、リバビリン、リボザイム、リファンピシン、リマンタジン、リトナビル、RNase H、プロテアーゼ阻害剤、ピラミジン、サキナビル、ソホスブビル、スタブジン、相乗的エンハンサー(抗レトロウイルス)、テラプレビル、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、チプラナビル、トリフルリジン、トリジビル、トロマンタジン、トルバダ(Truvada)、バラシクロビル(バルトレックス)、バルガンシクロビル、ビクリビロク、ビダラビン、ビラミジン(Viramidine)、ザルシタビン、ザナミビル(リレンザ)、ジドブジン。
さらに、抗生物質製剤は、細菌感染症の治療のためのバクテリオファージ、合成抗微生物ペプチド、または鉄拮抗薬/鉄キレート剤を含む。また、抗VAP抗体、抗耐性クローンワクチン接種、インビトロ刺激もしくは改変Tエフェクター細胞などの免疫細胞の投与のような、病因構造に対する治療用抗体または拮抗薬は、敗血症患者などの重篤患者の治療オプションを表す抗生物質製剤である。感染症に対する、または新たな感染症の予防のためのさらなる抗生物質製剤/治療または療法的戦略には、消毒薬、除染製品、リポソームのような抗ウイルス剤、衛生、創傷手当、手術の使用が含まれる。
先述の抗生物質製剤または治療戦略のうちのいくつかを組み合わせることも可能である。
本発明によれば、proADMおよび任意選択的にPCTおよび/もしくは他のマーカーまたは臨床スコアは、感染性疾患の症状を示す、病院での治療を必要とする病状を発症する患者の診断、予後診断、予測、リスク評価および/またはリスク層別化のためのマーカーとして用いられる。
当業者は、上記のADM分子、もしくはその断片もしくは変異体のうちのいずれか1つ、ならびに標準分子の生物学的実践に従った本発明の他のマーカーの識別、測定、判定、および/または定量化のための手段を得るかあるいは開発することが可能である。
proADMもしくはその断片のレベル、ならびに本発明の他のマーカーのレベルは、マーカーの濃度を信頼して判定する任意のアッセイによって判定することができる。特に、質量分析(MS)および/またはイムノアッセイを添付の実施例に例示されているように用いることができる。本明細書で使用される場合、イムノアッセイは、抗体もしくは抗体結合断片もしくは免疫グロブリンの使用を通して溶液中の巨大分子/ポリペプチドの存在または濃度を測定する生化学的試験である。
本発明の文脈において使用されるADM、またはPCTなどの他のマーカーを判定する方法は、本発明において意図される。例として、質量分析法(MS)、発光イムノアッセイ(LIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、化学発光および蛍光イムノアッセイ、酵素イムノアッセイ(EIA)、酵素結合イムノアッセイ(ELISA)、発光ベースのビーズアレイ、磁気ビーズベースのアレイ、タンパク質マイクロアレイアッセイ、即時免疫クロマトグラフィーストリップ試験などの迅速試験フォーマット、希土類クリプテートアッセイ、ならびに自動化されたシステム/分析器からなる群から選択される方法が用いられ得る。
抗体認識に基づいたADMおよび任意選択的な他のマーカーの判定は、本発明の好ましい実施形態である。本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン(Ig)分子の免疫学的に活性な部分、すなわち抗原と特異的に結合する(免疫反応する)抗原結合部位を含有する分子を指す。本発明によると、抗体は、モノクローナル抗体ならびにポリクローナル抗体であり得る。特に、少なくともproADMもしくはその断片に特異的に結合する抗体が使用される。
関心対象の分子、例えばADMもしくはその断片に対するその親和性が、関心対象の分子を含有する試料中に含まれる他の分子に対するよりも、少なくとも50倍高い、好ましくは100倍高い、最も好ましくは少なくとも1000倍高い場合、抗体は特異的であるとみなされる。所与の特異性を有する抗体をどのように開発し、選択するかは、当該技術分野において周知である。本発明の文脈では、モノクローナル抗体が好ましい。抗体または抗体結合断片は、本明細書に定義されたマーカーもしくはその断片に特異的に結合する。特に、抗体または抗体結合断片は、本明細書で定義されたペプチドのADMに結合する。したがって、本明細書に定義されたペプチドはまた、抗体が特異的に結合するエピトープであり得る。さらに、本発明の方法およびキットでは、ADMまたはproADM、特にMR-proADMに特異的に結合する抗体または抗体結合断片が使用される。
さらに、本発明の方法およびキットでは、proADMもしくはその断片、および任意選択的にPCTなどの本発明の他のマーカーに特異的に結合する抗体または抗体結合断片が使用される。例示的なイムノアッセイは、発光イムノアッセイ(LIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、化学発光および蛍光イムノアッセイ、酵素イムノアッセイ(EIA)、酵素結合イムノアッセイ(ELISA)、発光ベースのビーズアレイ、磁気ビーズベースのアレイ、タンパク質マイクロアレイアッセイ、迅速試験フォーマット、希土類クリプテートアッセイであり得る。さらに、ポイントオブケア試験、および例えば免疫クロマトグラフィーストリップ試験などの迅速試験形式に好適なアッセイを用いることができる。KRYPTORアッセイなどの自動化されたイムノアッセイも意図される。
代替的に、抗体の代わりに、ADMを特異的および/または選択的に認識する他の捕捉分子または分子足場が、本発明の範囲に包含され得る。本明細書では、「捕捉分子」または「分子足場」という用語は、試料からの標的分子または関心対象の分子、すなわち分析物(例えば、ADM、proADM、MR-proADM、およびPCT)を結合するために使用され得る分子を含む。したがって、捕捉分子は、空間的にも、表面電荷、疎水性、親水性、ルイス供与体および/または受容体の存在または非存在などの表面の特徴に関しても適切に成形され、標的分子または関心対象の分子に特異的に結合する必要がある。これにより、結合は、例えば、イオン、ファンデルワールス力、パイ-パイ、シグマ-パイ、疎水性もしくは水素結合相互作用、または捕捉分子もしくは分子足場と標的分子もしくは関心対象の分子との間の先述の相互作用または共有結合性相互作用のうちの2つ以上の組み合わせによって媒介され得る。本発明の文脈において、捕捉分子または分子足場は、例えば、核酸分子、炭水化物分子、PNA分子、タンパク質、ペプチド、および糖タンパク質からなる群から選択され得る。捕捉分子または分子足場は、例えば、アプタマー、DARピン(Designed Ankyrin Repeat Protein)を含む。アフィマーなどが含まれる。
本発明のある特定の態様では、方法は、
a)試料を
i.当該proADMの第1のエピトープに特異的な第1の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体、および
ii.当該proADMの第2のエピトープに特異的な第2の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体と接触させるステップと、
b)2つの抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体の、当該proADMへの結合を検出するステップと、を含む、イムノアッセイである。
好ましくは、一方の抗体を標識し、他方の抗体を固相に結合させるか、または固相に選択的に結合させることができる。アッセイの特に好ましい態様では、抗体のうちの一方が標識される一方で、他方の抗体は、固相に結合されるか、または固相に選択的に結合され得るかのいずれかである。第1の抗体および第2の抗体が、液体反応混合物中に分散して存在し得、蛍光または化学発光消光または増幅に基づく標識系の一部である第1の標識成分が、第1の抗体に結合し、当該標識系の第2の標識成分が、第2の抗体に結合し、これにより、検出される両方の抗体の当該proADMもしくはその断片への結合後、測定溶液中の得られたサンドイッチ複合体の検出を可能にする測定可能なシグナルが発生する。標識系は、希土類クリプテートまたはキレートを、特にシアニン型の蛍光または化学発光染料と組み合わせて含み得る。
好ましい実施形態では、本方法は異種サンドイッチイムノアッセイとして実施され、これにおいては、抗体の1つが、自由裁量で選択された固相、例えば、被覆試験管(例えばポリスチロール試験管;被覆管;CT)もしくは例えばポリスチロールで構成されるマイクロタイタープレート上に、または例えば磁気粒子などの粒子に固定され、それにより、他の抗体が、検出可能な標識に似ているかまたは標識に選択的に結合することを可能にする、形成されたサンドイッチ構造の検出に役立つ群を有するようになる。好適な固相を使用する一時的な遅延またはその後の固定化も可能である。
本発明による方法は、均質な方法としてさらに具体化することができ、検出される抗体/複数の抗体、およびマーカー、ADMもしくはその断片によって形成されているサンドイッチ複合体が、液相中で懸濁されたままである。この場合、2つの抗体が使用されるとき、両方の抗体が検出系の一部で標識され、それが、両方の抗体が単一のサンドイッチに統合される場合にシグナルの発生またはシグナルの誘発をもたらすことが好ましい。そのような技術は、特に蛍光増強または蛍光消光検出方法として具体化されるものである。特に好ましい態様は、例えば、US4882733、EP0180492、またはEP0539477、およびそれらで引用される従来技術に記載のものなど、対で使用される検出試薬の使用に関する。このようにして、反応混合物中の単一の免疫複合体中に直接両方の標識成分を含む反応生成物のみが検出される測定が可能になる。例えば、そのような技術は、上で引用された出願の教示を実装する、商標名TRACE(登録商標)(Time Resolved Amplified Cryptate Emission)、またはKRYPTOR(登録商標)の下で提供されている。したがって、特に好ましい態様では、本明細書で提供される方法を実行するために診断デバイスが使用される。例えば、proADMもしくはその断片のレベル、および/またはPCTなど、本明細書で提供される方法の任意のさらなるマーカーのレベルが判定される。特に好ましい態様では、診断デバイスは、KRYPTOR(登録商標)である。
本発明のマーカー、例えばproADMもしくはその断片、PCTもしくはその断片、または他のマーカーのレベルは、質量分析(MS)に基づく方法によっても判定することができる。そのような方法は、当該生物学的試料または例えば当該試料からのタンパク質消化物(例えばトリプシン消化物)中の例えばADMまたはPCTのうちの1つ以上の修飾または未修飾断片ペプチドの存在、量または濃度を検出すること、ならびに任意選択的にクロマトグラフィー方法を用いて試料を分離し、調製され任意選択的に分離された試料にMS分析を施すことを含み得る。例えば、特にproADMもしくはその断片の量を判定するために、選択反応モニタリング(SRM)、多重反応モニタリング(MRM)または並列反応モニタリング(PRM)質量分析が、MS分析において使用され得る。
本明細書において、「質量分析」または「MS」という用語は、化合物をそれらの質量によって識別するための分析技術を指す。質量分析の質量分解および質量判定能力を高めるために、試料は、MS分析の前に処理することができる。したがって、本発明は、免疫濃縮技術、試料調製に関する方法、および/またはクロマトグラフィー方法、好ましくは液体クロマトグラフィー(LC)、より好ましくは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)または超高速液体クロマトグラフィー(UHPLC)と組み合わせることができるMS検出方法に関する。試料調製方法は、溶解、分画、ペプチドへの試料の消化、枯渇、濃縮、透析、脱塩、アルキル化、および/またはペプチド還元のための技法を含む。しかしながら、これらのステップは、任意選択的である。分析物イオンの選択的検出は、タンデム質量分析(MS/MS)を用いて行われ得る。タンデム質量分析は、質量選択ステップ(本明細書で使用される場合、「質量選択」という用語は、特定のm/zまたは狭い範囲のm/zを有するイオンの単離を意味する)、続いて選択されたイオンの断片化、および得られた生成物(断片)イオンの質量分析によって特徴付けられる。
当業者であれば、質量分析法によって試料中のマーカーのレベルをどのように定量化するかを認識する。例えば、相対定量化「rSRM」または絶対定量化を上記のように用いることができる。
さらに、レベル(参照レベルを含む)は、相対定量を判定する方法または関心対象のタンパク質もしくはその断片の絶対定量を判定する方法などの質量分析に基づく方法によって判定することができる。
相対定量化「rSRM」は、以下によって達成され得る。
1.試料中で検出された所与の標的断片ペプチドからのSRM(選択反応モニタリング)シグネチャーピーク面積を、少なくとも第2、第3、第4、またはそれ以上の生体試料中の標的断片ペプチドの同じSRMシグネチャーピーク面積と比較することによって、標的タンパク質の存在の増減を判定する。
2.試料中に検出された所与の標的ペプチドからのSRMシグネチャーピーク面積と、異なる別々の生物学的供給源に由来する他の試料中の他のタンパク質からの断片ペプチドから生じたSRMシグネチャーピーク面積とを比較することによって標的タンパク質の存在の増減を判定する。ペプチド断片についての2つの試料間のSRMサインピーク面積比較は、例えば、各試料中で分析されたタンパク質の量に対して正規化される。
3.ヒストンタンパク質のレベルの、様々な細胞条件下でそれらの発現レベルを変化させない他のタンパク質のレベルへの変化を正規化するために、所与の標的ペプチドについてのSRMシグネチャーピーク面積を、同じ生体試料内の異なるタンパク質に由来する他の断片ペプチドからのSRMシグネチャーピーク面積と比較することによって、標的タンパク質の存在の増減を判定する。
4.これらのアッセイは、非修飾断片ペプチドおよび標的タンパク質の修飾断片ペプチドの両方に適用することができ、修飾には、リン酸化および/またはグリコシル化、アセチル化、メチル化(モノ、ジ、トリ)、シトルリン化、ユビキチン化が含まれ、修飾ペプチドの相対レベルは、未修飾ペプチドの相対量を判定するのと同じ方法で判定される。
所与のペプチドの絶対定量化は、以下によって達成され得る。
1.個々の生体試料中の標的タンパク質からの所与の断片ペプチドについてのSRM/MRMシグネチャーピーク面積を、生体試料からタンパク質溶解物中にスパイクされた内部断片ペプチド標準のSRM/MRMシグネチャーピーク面積と比較する。内部標準は、調べられている標的タンパク質からの断片ペプチドの標識された合成バージョンまたは標識された組換えタンパク質であり得る。この標準は、消化の前(組換えタンパク質にとって必須)または後に既知量で試料中にスパイクされ、生体試料中の内部断片ペプチド標準および天然断片ペプチドの両方について別個にSRM/MRMシグネチャーピーク面積が判定され、その後、両方のピーク面積の比較を行うことができる。これは未修飾断片ペプチドおよび修飾断片ペプチドに適用することができ、修飾には、リン酸化および/またはグリコシル化、アセチル化、メチル化(例えば、モノ、ジ、またはトリメチル化)、シトルリン化、ユビキチン化が含まれ、修飾ペプチドの絶対レベルは、未修飾ペプチドの絶対レベルを判定するのと同じ方法で判定することができる。
2.ペプチドはまた、外部較正曲線を使用して定量化され得る。正規曲線アプローチは、内部標準として一定量の重いペプチドを、また試料中にスパイクされた様々な量の軽い合成ペプチドを使用する。試験試料のものと同様の代表的なマトリックスを使用して、マトリックス効果を説明するための標準曲線を構築する必要がある。その上、逆曲線法により、マトリックス中の内因性分析物の問題が回避され、一定量の軽いペプチドが内因性分析物の上にスパイクされて内部標準を創出し、様々な量の重いペプチドがスパイクされて一組の濃度標準を創出する。正規曲線または逆曲線のいずれかと比較される試験試料は、較正曲線を作成するために使用されるマトリックス中にスパイクされた内部標準と同じ量の標準ペプチドでスパイクされる。
本発明はさらに、キット、キットの使用、およびそのようなキットが使用される方法に関する。本発明は、本明細書の上記および下記に提供される方法を実行するためのキットに関する。本明細書に提供される定義、例えば方法に関して提供される定義はまた、本発明のキットにも適用される。特に、本発明は、患者の健康におけるその後の有害事象の予後診断、リスク評価、またはリスク層別化を含む療法をモニタリングするためのキットに関し、当該キットは、
-対象からの試料中のproADMもしくはその断片(単数または複数)のレベルを判定するための、ならびに任意選択的に加えてPCT、乳酸、および/またはC反応性タンパク質もしくはそれらの断片(単数または複数)のレベルを判定するための検出試薬、
-当該対象の当該試料中のADMの当該レベルを判定するための検出試薬、および、
-低重症度レベルが、4nmol/l未満、好ましくは3nmol/l未満、より好ましくは2.7nmol/l未満であり、高重症度レベルが、6.5nmol/l超、好ましくは6.95nmol/l超、より好ましくは10.9nmol/l超である、高および/または低重症度レベルのADM、ならびに任意選択的にPCT、乳酸、および/またはC反応性タンパク質レベルに対応する参照レベルなどの参照データであって、当該参照データが、好ましくはコンピュータ可読媒体に記憶され、かつ/あるいはproADMもしくはその断片(単数または複数)の判定されたレベル、ならびに任意選択的に加えてPCT、乳酸、および/またはC反応性タンパク質もしくはそれらの断片(単数または複数)の判定されたレベルを当該参照データと比較するために構成されているコンピュータで実行可能なコードの形式で用いられる、参照データ、を含む、キットに関する。
本明細書で使用される場合、「参照データ」は、ADMおよび任意選択的にPCT、乳酸、C反応性タンパク質、および/または例えば横紋筋融解症のマーカーなどの本明細書に開示される他の好適なマーカーの、参照レベル(単数または複数)を含む。対象の試料中のADM、ならびに任意選択的にPCT、乳酸、および/またはC反応性タンパク質などの他のマーカーのレベルは、キットの参照データに含まれる参照レベルと比較することができる。参照レベルは本明細書において上記に記載されており、添付の実施例においても例示されている。参照データはまた、ADM、および任意選択的にPCT、乳酸、および/またはC反応性タンパク質のレベルが比較される参照試料を含むことができる。参照データはまた、本発明のキットの使用方法の取扱説明書を含むことができる。
キットは、血液試料などの試料を取得するのに有用なアイテムをさらに含むことができ、例えば、キットは、容器を含むことができ、ここで、当該容器は、当該容器を、例えば、あらかじめ決められた量の試料を当該容器に引き込むのに好適である、血液単離に好適であり、かつ気圧よりも低い内圧を示すシリンジであるカニューレもしくはシリンジに取り付けるためのデバイスを含み、ならびに/または界面活性剤、カオトロピック塩、リボヌクレアーゼ阻害剤、イソチオシアン酸グアニジニウム、塩酸グアニジニウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、RNAse阻害タンパク質およびそれらの混合物などのキレート剤と、ニトロセルロース、シリカマトリックス、強磁性球体、カップ回収スピルオーバー、トレハロース、フルクトース、ラクトース、マンノース、ポリエチレングリコール、グリセロール、EDTA、TRIS、リモネン、キシレン、ベンゾイル、フェノール、鉱油、アニリン、ピロール、クエン酸塩、およびそれらの混合物を含むフィルターシステムと、を追加的に含む。
本明細書で使用される場合、「検出試薬」などは、本明細書に記載の、例えば、ADM、PCT、乳酸、および/またはC反応性タンパク質のマーカー(単数または複数)を判定するのに好適な試薬である。このような例示的な検出試薬は、例えば、本明細書に記載のマーカー(単数または複数)のペプチドまたはエピトープに特異的に結合するリガンド、例えば抗体もしくはその断片である。そのようなリガンドは、上記のようにイムノアッセイに使用され得る。マーカー(単数または複数)のレベルを判定するためにイムノアッセイで用いられるさらなる試薬もキットに含まれ得、本明細書において検出試薬とみなされる。検出試薬はまた、MSに基づく方法によってマーカーもしくはその断片を検出するために用いられる試薬にも関係し得る。このため、そのような検出試薬はまた、MS分析用に試料を調製するために使用される試薬、例えば、酵素、化学物質、緩衝剤などであり得る。質量分析計も検出試薬とみなすことができる。本発明による検出試薬はまた、例えば、マーカー(単数または複数)のレベルを判定および比較するために用いられ得る較正溶液(単数または複数)であり得る。
診断試験および/または予後試験の感度および特異性は、試験の分析「品質」だけに依存するのではなく、それらはまた、異常な結果を構成するものの定義にも依存する。実際には、受信者動作特性曲線(ROC曲線)は、典型的には、「正常」集団(すなわち、感染を有さない明らかに健康な個人)、および「疾患」集団、例えば感染を有する対象における、その相対頻度に対する変数の値をプロットすることによって計算される。(ADMのような)任意の特定のマーカーについて、疾患/状態の有無にかかわらず対象についてのマーカーレベルの分布は重複する可能性があるであろう。そのような条件下では、試験は、正常と疾患を100%の正確性で完全に区別することはなく、重複の領域は、試験が正常と疾患を区別できない場所を示している可能性がある。それより下では試験が異常であるとみなされ、それより上では試験が正常であるとみなされ、またはそれを下回るかあるいは上回ると試験が特定の条件、例えば感染を示す、閾値が選択される。ROC曲線の下の面積は、知覚された測定値が状態の正しい識別を可能にするであろう確率の尺度である。試験結果が必ずしも正確な数を付与しない場合でも、ROC曲線を使用することができる。結果をランク付けできる限り、ROC曲線を作成することができる。例えば、「疾患」試料に対する試験の結果は、程度に応じてランク付けされ得る(例えば、1=低い、2=正常、および3=高い)。このランク付けは、「正常な」集団の結果と相関し得、ROC曲線が作成され得る。これらの方法は、当該技術分野において周知であり、例えば、Hanley et al.1982.Radiology 143:29-36を参照されたい。好ましくは、閾値は、約0.5より大きい、より好ましくは約0.7より大きい、さらにより好ましくは約0.8より大きい、さらにより好ましくは約0.85より大きい、および最も好ましくは約0.9より大きいROC曲線面積を提供するように選択される。この文脈における「約」という用語は、所与の測定値の+/-5%を指す。
ROC曲線の横軸は(1-特異性)を表し、これは偽陽性率とともに増加する。曲線の縦軸は感度を表し、これは真陽性率とともに増加する。このため、選択された特定のカットオフについて、(1-特異性)の値が判定され得、対応する感度が得られ得る。ROC曲線下面積は、測定されたマーカーレベルが疾患または状態の正確な識別を可能にするであろう確率の尺度である。このため、ROC曲線下面積は試験の有効性を判定するために使用することができる。
したがって、本発明は、本明細書に記載の方法によって得られた情報に基づいた治療に好適な抗生物質の投与を含む。
本明細書で使用される場合、「備える」および「含む」という用語またはその文法的変化形は、述べられた特徴、整数、ステップ、または構成要素を特定するものとして解釈されるべきであるが、1つの以上の追加の特徴、整数、ステップ、構成要素、またはその群の追加を除外するものではない。この用語は、「からなる」および「から本質的になる」という用語を包含する。
よって、「含む(comprising)」/「含む(including)」/「有する」という用語は、任意のさらなる構成要素(または同様の特徴、整数、ステップなど)が存在することができる/存在し得ることを意味する。「からなる」という用語は、さらなる構成要素(または同様の特徴、整数、ステップなど)が存在しないことを意味する。
「から本質的になる」という用語またはその文法的変化形は、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、整数、ステップ、または構成要素を特定するものと解釈されるべきであるが、1つ以上の追加の特徴、整数、ステップ、構成要素、またはその群の追加を除外しないが、それらの追加の特徴、整数、ステップ、構成要素、またはその群が、請求されている組成物、デバイス、または方法の基本的で新規な特徴を実質的に変化させない場合のみである。
したがって、「から本質的になる」という用語は、特定のさらなる構成要素(または同様に特徴、整数、ステップなど)が存在し得ること、すなわち組成物、デバイスまたは方法の本質的な特徴に実質的に影響を及ぼさないものを意味する。言い換えれば、「から本質的になる」という用語(本明細書では「実質的に含む」という用語と同義に使用することができる)は、必須の構成要素(または同様の特徴)に加えて組成物、デバイスまたは方法における他の構成要素の存在を可能にする。ただし、デバイスまたは方法の本質的な特徴は他の構成要素の存在によって実質的に影響されない。
「方法」という用語は、所与のタスクを達成するための様式、手段、技法、および手順を指し、化学、生物学、および生物物理学的分野の専門家に既知であるか、または専門家によって既知の様式、手段、技法、および手順から容易に開発されるかのいずれかである、様式、手段、技法、および手順を含むが、これらに限定されない。
図面
添付の図面により、本発明をさらに説明する。これらは、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本明細書に記載されている本発明をさらに詳しく説明するために提供される本発明の態様の好ましい実施形態を表す。
研究のフローチャートである。略語:KSA、Cantonal Hospital Aarau;SARS-CoV-2、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2;REHA、リハビリテーション。 時点1(入院から24時間以内)における異なるproADMカットオフおよび中央値:A)0~0.75nmol/L、>0.75~1.5nmol/L、>1.5nmol/L;B)<0.87nmol/L、>0.87nmol/L;C)中央値:<0.93nmol/L、>0.93nmol/Lによる生存率を示す図である。略語:MR-proADM、中間領域プロアドレノメデュリン 時点1(入院から24時間以内)における異なるproADMカットオフおよび中央値:A)0~0.75nmol/L、>0.75~1.5nmol/L、>1.5nmol/L;B)<0.87nmol/L、>0.87nmol/L;C)中央値:<0.93nmol/L、>0.93nmol/Lによる生存率を示す図である。略語:MR-proADM、中間領域プロアドレノメデュリン 生存者および非生存者の異なる測定時点での平均MR-proADM値を示す図である。略語:MR-proADM、プロアドレノメデュリン;SD、標準偏差
実施例
以下の実施例により、本発明をさらに説明する。これらは、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本明細書に記載されている本発明をさらに詳しく説明するために提供される本発明の態様の好ましい実施形態を表す。
実施例1
Pro-ADM(MR-proADM)値を、SARS-CoV-2感染のために入院を必要とした90人の患者の血漿試料中で測定した。試料中のPro-ADMを、MR-proADM Kryptorアッセイ(Thermo Fisher Scientific、BRAHMS GmbH)を使用することによって定量化した。
利用可能な試料を、異なる時点:時点1(入院から24時間(1日目)以内)、時点2(入院から3日目または4日目)、時点3(入院から5日目または6日目)および時点4(入院から7日目または8日目)において測定した。臨床ケアの過程で、24人の患者を集中治療室(ICU)に移した。Pro-ADM値は、患者の院内死亡率に関連していた。
実施例2:COVID-19感染が確認された患者における透過性および内皮安定性のマーカーである中間領域プロアドレノメデュリン:観察研究の結果
発明の概要
導入:プロアドレノメデュリン(MR-proADM)は血管作動性ペプチドであり、血管透過性亢進を軽減し、感染時の内皮安定性を改善する上で重要な役割を果たす。MR-proADMは、敗血症患者のリスク層別化に有望であることが示されているが、COVID-19感染患者におけるこのマーカーに関する臨床データはない。
方法:2020年2月から4月の間に、Cantonal Hospital Aarau(スイス)でSARS-CoV-2感染が確認された連続入院成人患者を含めた。ロジスティック回帰分析およびROC曲線下面積(AUC)において、初期およびフォローアップMR-proADMレベルと院内死亡率との関連を調査した。
結果:含まれた89人の患者の死亡率は19%であった(n=17)。入院時MR-proADMレベル(nmol/)は、生存者と比較して非生存者でほぼ2倍に増加し(1.3(IQR 1.1~2.3)対0.8(IQR 0.7~1.1))、良好な識別を示した(AUC0.78)。初期MR-proADMレベルと死亡率との関連は、性別および年齢調整済みチャールソン併存疾患指数(調整済みオッズ比5.47(95%CI 1.40~21.36、p=0.015))を含む他の予後指標とは無関係であった。入院時MR-proADMレベルについて、死亡率に関する最適な閾値は0.93nmol/Lで、感度は93%(負の予測値97.3)、特異度は60%であった。院内処置のその後の数日間にわたるMR-proADMの動態が、さらなる予後情報を提供した。
結論:MR-proADMのレベルの増大は、COVID-19感染に起因する死亡率と関連しており、入院時および入院滞在中の患者のより良好なリスク層別化に役立つ可能性がある。
序論
新型コロナウイルスである重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)は、現在、世界中の何百万人もの人々に影響を及ぼしている。SARS-Cov-2によって引き起こされたコロナウイルス病2019(COVID-19)は、2020年3月11日に世界保健機関によって世界的規模の流行病と宣言された。COVID-19は伝染性が高く、これは急速かつ世界的な拡大も説明している(22)。SARS-CoV-2の感染に続発する多臓器障害の病態生理学に関与する可能性のある主要なメカニズムは、直接的なウイルス毒性、内皮細胞損傷および血栓炎症、免疫応答の調節不全、ならびにレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の調節不全を含む(23)。心血管および血栓塞栓性合併症、免疫細胞不活性化、および敗血症様多臓器不全の発生率の増大は、複数の経路の関与を示唆している。予備的な証拠によると、患者の約80%は軽度の上気道感染症状しか示さないが、15%は入院を必要とする重度の下気道症状に進行し、5%は主に、時として高レベルの炎症を示す肺不全、および多臓器障害を特徴とする重度の疾患進行により集中治療室での処置が必要とすることが示唆される(24)。大規模な流行を減らし、最小限に抑えるための保護および予防措置に加えて、救急部門に来院する患者の個々のリスクプロファイルの適時の評価は、治療現場およびCOVID-19固有の処置の開始に関する早期の判定を改善するのに役立つ可能性がある。したがって、患者の死亡リスクを早期に客観的に測定することは、そのような措置を促すために重要である。本明細書において、予後バイオマーカーは、患者の個々のリスクを推定し、患者の入院から短時間で客観的かつ測定可能な結果を提供するのに役立つ可能性がある。このようなマーカーは、COVID-19感染の背後にある病態生理学およびその有害転帰についての理解を深める可能性もある。
COVID-19の重症度が異なる患者で種々のサイトカインおよび血液マーカーが比較されているが、今日の研究では、COVID-19に対する宿主反応中のアドレノメデュリン(ADM)の潜在的な役割は調査されていない(25)。ADMおよびその中間領域前駆体ホルモン断片MR-proADMは、内皮の状態に直接関連しているため、敗血症および肺の感染症の患者の内皮機能不全および臓器機能不全のリスクに関連している(26~29)。以前の研究では、MR-proADMが肺炎および敗血症の患者のリスク評価の正確なマーカーであり、それによって連続臓器不全評価スコア(SOFAスコア)などの臨床スコアが改善されることがわかった(30)。したがって、MR-proADMは主に、臓器機能不全および敗血症または敗血症性ショックへの疾患進行の識別を改善するために使用される(31)。MR-proADMは、下気道感染症および敗血症の患者の短期および長期の死亡率の優れた予測因子でもあることが示されている(32~34)。以前は、0.87nmol/LのMR-proADMカットオフが、大規模な多国籍研究において、患者を死亡リスクの低リスクまたは高リスクとして良に分類するものとして提案されていた(35)。Saeed他は2つのコホートにおいて、救急部門に来院した感染が疑われる患者に0.87nmol/LのMR-proADMカットオフを使用すると、再入院率を低下させ、死亡率を増大させずに、外来処置が15%および16.6%増加する可能性があることを示した。(35)。本発明者らの目的は、MR-proADMレベルの初期およびフォローアップレベルと、COVID-19感染が確認された患者の死亡率との関連を調査することであった。
方法
研究設計および設定:この前向き観察研究には、2020年2月26日から2020年4月30日までの間にCantonal Hospital Aarau(スイス)でSARS-CoV-2感染が確認されたすべての連続入院成人患者(≧18歳)が含まれた。この研究は倫理委員会によって承認された(EKZN、2020-01306)。本発明のコホートのベースラインデータは、パンデミックの初期のスイスの人口におけるこの病気の特定の特徴を理解するために以前に公開された(36)。簡単に言えば、COVID-19感染確認の定義は、典型的な臨床症状(例えば、発熱を伴うまたは伴わない呼吸器症状、および/または肺浸潤および/または無嗅覚症/嗅覚障害)と、WHOガイダンス(37)に従って、鼻咽頭スワブまたは下気道検体から採取された陽性リアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)であった。分析されたすべてのデータは、入院中(入院から退院/死亡まで)の臨床ルーチンの一部として評価された。
データ収集:社会人口統計および併存疾患、家庭薬、およびCOVID-19固有の入院薬を含む臨床情報は、退院または死亡するまで評価され、病院電子臨床情報システムからエクスポートされた。実験的処置がすべての患者に提供され、病棟患者については、ヒドロキシクロロキンのみ(第一選択)およびトシリズマブが含まれていた。アジスロマイシンが、フランスから移した患者にも使用された。すべての患者について、年齢調整済みチャールソン併存疾患指数(38)および臨床フレイルスコア(最大9ポイント)(39)が臨床ルーチンの一部として計算された。併存疾患も、医療記録監査を通じて、ICD10コードに基づいて評価された。さらに、院内死亡率、集中治療室(ICU)への入院、入院期間(LOS)、およびICU滞在期間を含む患者の転帰が、医療記録監査によって収集された。臨床検査結果は、臨床ルーチンに従って利用可能であった。
研究の目的および評価項目:この研究の目的は、死亡のリスクが高いまたは低い患者を分類するために、COVID-19感染が確認された患者の死亡を予測するMR-proADMの能力を調査することである。主要評価項目はすべて、院内死亡を引き起こす。
MR-proADMの測定:入院時の血漿および血清試料を、BDVacutainer(登録商標)ヘパリンおよびSSTチューブに収集した。ルーチンの残りの試料を、アッセイされるまで-70℃で直ちに凍結した。ルーチン実験室試験の結果を記録した。中間領域プロアドレノメデュリン(MR-proADM)を、他の場所で詳細に説明されているように、市販の自動蛍光サンドイッチイムノアッセイ(KRYPTOR(商標)、B.R.A.H.M.S Thermo Fisher Scientific、ドイツ)を使用してバッチで評価した(40~41)。簡潔には、イムノアッセイでは、プレプロアドレノメデュリンのアミノ酸45~92に対する2つのポリクローナル抗体であるMR-proADMを利用し、検出限界(LOD)は0.05nmol/Lである(41)。アッセイ間変動係数が20%未満のMR-proADM濃度として定義される機能アッセイ感度は、0.25nmol/Lであった。分析物の値は、健康な個人のガウス分布に従い、男性と女性との間に有意差はなかった(41)。MR-proADMを測定した検査技師は、患者の特徴および研究の特徴を知らされていなかった。
利用可能なデータに応じて、入院中の種々の時点を分析した。
●T(入院日→入院から24時間以内の採血)
●T(3日目/4日目)
●T(5日目/6日目)
●T(7日目/8日目)
統計分析:離散変数は頻度(パーセンテージ)として表され、連続変数は四分位範囲(IQR)を有する中央値または標準偏差(SD)を有する平均として表される。多変量ロジスティック回帰モデルを使用して、MR-proADMレベルと主要評価項目との関連を調べた。事前定義されているように、回帰モデルは、性別および年齢調整済みチャールソン併存疾患指数に合わせて調整した。オッズ比(OR)および対応する95%信頼区間(CI)を、関連性の測度として報告し、C統計(操作受信者曲線下面積(ROC-AUC))を識別の測度として報告された。また、他の母集団での以前の研究に基づいて、種々の事前定義されたMR-proADMカットオフの予後値、すなわち0.75(27、42)、0.87(35)、1.5(27、42)を検証した。生存分析およびログランク検定を使用して、種々のMR-proADMカットオフに従って院内死亡率を比較した。追加的に、種々の潜在的なカットオフの院内死亡率を予測する際のMR-proADMの感度、特異度、正および負の予測値を比較した。<0.05の両側p値が有意であるとみなされた。統計分析は、Stata 15.1(StataCorp、College Station、TX,USA)を使用して実行した。
結果
合計103人の患者がCOVID-19感染を確認されてCantonal Hospital Aarau(スイス)に入院し、29人が他の病院から移された(フランスから3例、ティチーノ州から1例、COVID-19の入院または三次医療病院での処置を受け入れていない地方病院から25例が示された)。一般的なインフォームドコンセントが拒否された(n=4)か、バイオマーカー分析に利用できるアリコートがなかった(n=9)ため、数人の患者を分析から除外する必要があった。まだ入院しており、分析の時点で主要評価項目が評価できなかったため、さらに1人の患者を分析から除外する必要があった。図1に、調査フローの概要を示す。
ベースライン特性
コホート全体における人口統計、併存疾患、ならびに院内治療および院内評価項目を含み、主要評価項目に従って層別化したベースライン特性を表3に要約する。年齢の中央値は67歳(IQR 58~74)で、35%(n=31)が女性であった。合計22%(n=20)の患者が自宅でアンジオテンシン変換酵素阻害薬を服用しており、一方、19%(n=17)はアンジオテンシンII受容体遮断薬の処方を受けており、コルチコステロイドまたは他の免疫抑制治療を受けていた患者はほとんどいなかった。患者は併存疾患の負担が高く、年齢調整済みチャールソン併存疾患指数の中央値は3ポイント、脆弱性スコアの中央値は3ポイントであった。最も一般的な併存疾患には、高血圧(58%、n=52)、慢性腎疾患(27%、n=24)、および肥満(29%、n=26)が含まれていた。全体として、患者の49%が実験的な抗ウイルス治療を受けた(主にヒドロキシクロロキン、まれにリトナビルでブーストしたロピナビル)。合計26%(n=23)の患者がICU治療の必要性を特徴とする重度のCOVID-19進行を発症し、そのうち18人が人工呼吸器を必要とした。全体として、COVID-19により入院した患者の滞在期間(LOS)の中央値は9.0日であった(IQR5.0~18.0)。入院患者の19%(n=17)が、院内死亡率として定義される主要評価項目に到達した。
患者の大多数は、特に、呼吸数が高く、血液ガス分析において酸素化が損なわれている証拠がある呼吸器系に関して、高い臨床的重症度を示した。炎症マーカーC反応性タンパク質(CRP)(平均レベル88.5mg/L)もわずかに増加したが、プロカルシトニン(PCT)レベルは低レベルであった(0.11μg/L)。
MR-proADMレベルおよび院内死亡率の関連
入院時MR-proADMレベルは、生存者と比較して非生存者でほぼ2倍に増加した(1.3(IQR 1.1~2.3)対0.8(IQR 0.7~1.1))。分析した各時点でのMR-proADMレベルおよび院内死亡率の強い関連性が見出された。これらの関連性は、性別および年齢調整済みチャールソン併存疾患指数について調整された多変量モデルにおいて引き続き強固であった(表4)。識別に関しては、MR-proADMは各時点で高いAUCを示し、入院時のAUCが0.78であったのに対し、時点3(入院の5/6日目)においてAUCが0.92で、最も高い結果を示した。
さらに、院内予測におけるMR-proADMの診断正確度を、種々のカットオフについて分析した(表5)。0.93nmol/Lにおいて最適なカットオフが見出され、これは、分析されたコホート内の中央値に近く、感度は92.9%(95%CI 66.1~99.8)、特異度は60%(95%CI 46.5~72.4)であった。さらに、0.93nmol/Lにおけるカットオフが、97.3(95%CI 85.5~99.9)という優れた負の予測値を示した。結果は、以前に提案された他のカットオフ(すなわち、0.75nmol/Lおよび0.87nmol/L)でも同様であった。1.5nmol/Lおよび2.5nmol/Lなどのより高いカットオフを使用すると、示される感度は低くなったが(42.9%および21.4%)、特異度は高くなり、予測値は正になった。
また、MR-proADMレベルが高い患者の死亡までの時間が短いことを示す生存時間分析において、本発明の分析を確認した。種々のカットオフおよびMR-proADM値の中央値(>1.5nmol/l、>0.87nmol/l、および>0.93nmol/l)に従って患者を分類した。結果は、ログランク検定に関しても有意であった(図2のログランク、生存曲線Aのp=0.014、生存曲線Bのログランクp=0.0014、生存曲線Cのログランクp=0.0004)。
MR-proADMの連続測定の動態
主要評価項目によるMR-proADMの動態を図3に示す。非生存者のMR-proADM値は、測定されたすべての時点で生存者と比較して有意に高かった。さらに、生存者では、MR-proADMは分析された時間枠の間低いままであり、一方、非生存者では、MR-proADMはベースライン(時点0)と入院の5/6日(時点2)との間での段階的な増大、および、7/8日目(時点3)頃のわずかな低減を示した。
考察
パンデミックの初期段階におけるCOVID-19感染症の患者を対象としたこの前向き研究の結果は2つある。第一に、透過性および内皮安定性を反映するマーカーである入院MR-proADMのレベルは、致命的な転帰のある患者で2倍に増加し、したがって、年齢、性別および併存疾患負担について調整された統計モデルでも、院内死亡率と強く関連していることがわかった。第二に、MR-proADMの動態を見ると、非生存者におけるそのレベルがさらに上昇しており、一方、生存者のレベルは低く、フォローアップ中は低いままであることもわかった。これらの結果は、MR-proADMがCOVID-19患者の早期のリスク層別化および監視に役立つ可能性があることを示唆している。
重症疾患進行を予測し、COVID-19に関連する死亡率を低下させるためには、COVID-19が確認された有害転帰のリスクが高い患者を早期に特定することが重要である。それでも、患者の個々のリスクプロファイルの予測ルールおよび転帰を予測する能力はまだ不足している。いくつかの炎症性サイトカインおよび予後マーカーがCOVID-19の患者においてすでに調査されているが、死亡のリスクが高いCOVID-19患者を特定するためのMR-proADM測定の予後値を調べた研究はない。それでも、MR-proADMは、血管透過性の低下に重要な役割を果たし、重度の感染後の内皮安定性および完全性を促進し、したがって、COVID-19誘発性内皮炎のリスクがある患者の特定に役立つ可能性があるため、COVID-19のバイオマーカーとして大いに期待されている。実際、末梢組織への血漿漏出および低血圧ショックおよび浮腫の一過性エピソードを特徴とする全身性毛細血管漏出症候群(SCLS)の患者における遺伝子アップレギュレーションを調査した最近の研究では、ADMが最もアップレギュレートされた遺伝子の1つであるだけでなく、その後の内皮細胞への適用が、血管バリア機能に対する保護効果をもたらすことがわかった。(25)ここで、この研究は、スイスのアーラウにある三次医療病院で処置された確認済みのCOVID-19患者におけるMR-proADMの初期および追跡測定の予後成績を評価した。分析されたデータは、MR-proADMが院内死亡率の強力な予測因子であり、COVID-19が確認された患者における識別能力が高いことを示した。この結果は、MR-proADMレベルが臨床評価および他の検査所見と併せて、有害転帰の低いリスクおよび高いリスクを有する、救急部門に提示する患者の特定および分類に役立つ可能性があることを示唆している。
MR-proADMの予後の関連性は、院外感染性肺炎(CAP)(43~45)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)(46、47)、および心血管疾患(48、49)の患者を調査したいくつかの以前の研究においてすでに分析および証明されている。本発明の分析はこの研究に沿っており、COVID-19疾患にさらに分野を拡大する。これも非常に重篤な疾患であるが、最近の研究で示されているように、種々の臓器系に関連する非常に特殊な病態生理学がある。興味深いことに、以前に提案された0.87nmol/Lのカットオフレベルは、以前の研究と同様に、COVID-19患者の死亡率を除外するための非常に高い感度および負の尤度比を有することもわかった(35)。また、本発明の分析と同様に、Christ-Crain他は、MR-proADMの予後正確度度が高く、敗血症患者のICU死亡率を予測するためのAUCが0.81であることを示した(40)。対照的に、Suberviola他は、AUCが0.62である、敗血症患者の病院死亡率を予測するための中程度の値のみを見出した(50)。MR-proADMの予後的役割に関するこの相反する結果は、患者特性、疾患および感染症の基礎となる疾患重症度、ならびに分析された患者集団の試料サイズなどの調査対象母集団の差によって説明することができる。Zhoue他(51)は、CRB-65およびqSOFAのような既存のリスクスコアが、予後不良のCOVID-19感染患者を特定するのに役立つ可能性があることを示したが、それらが含む偽陽性患者は多すぎた。結果は、多くの場合限られたリソースに対する必要以上の需要である。この点で、他の研究では、MR-proADMは単独で使用されるリスクスコアと比較してより正確であり、組み合わせて使用するとこれらのスコアの正確度を向上させることができることが確認されている(30、52)。さらに、MR-proADMは、計算が複雑であることが多いスコアと比較して、バイオマーカーアッセイによって容易に実行することができる。
分析したコホートにおいて0.93nmol/Lの最適なカットオフが見出されており、これは、疾患重症度、疾患進行、院内死亡のリスクの評価、およびまた患者の体内動態に関する判定に推奨することができる。このカットオフは、0.75nmol/L(27、42)および0.87nmol/L(35)における、すでに定義および検証されているMR-proADMカットオフに非常に近い。1.5nmol/Lと2.5nmol/Lの間のより高いカットオフでは、感度は低くなったが、正の予後値は相当に高くなった。EDへの提示後最初の24時間以内に定義されたカットオフを下回る初期MR-proADM値は、死亡リスクが低いと解釈することができ、穏やかな疾患経過を予測することができ、一方、カットオフを超えるMR-proADM値は死亡のリスクが高いことを示し、したがって、深刻な疾患経過を予測する。したがって、医師は患者をより綿密に監視することを選択することができる。この分類により、治療現場の判定および患者の早期退院を改善することによって、病院のリソースをより効率的に使用することができる可能性がある。これは、特にCOVID-19パンデミックのピーク中に医療システムが最大容量に達する地域では不可欠である。
結論
結論として、COVID-19感染症の患者においてMR-proADMを評価するこの最初の研究は、院内死亡率の予測に関するその高い予後値を確認している。初期リスク評価中に臨床所見および他の検査パラメータの結果と組み合わせて使用すると、MR-proADMはこの患者集団の早期リスク層別化を改善する可能性がある。COVID-19が確認された患者におけるMR-proADMの強力な予後値は興味深いものであり、さらなる調査が必要である。
実施例2の表
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Claims (13)

  1. 重症急性呼吸器症候群(SARS)を有するか、または発症するリスクがあり、およびSARSコロナウイルスに感染している患者における疾患進行を予後診断するための参照データを提供する方法であって、前記予後診断が、入院から24時間以内に得られる前記患者からの試料中の中間領域プロアドレノメデュリン(MR-proADMのレベルを判定することを含み、前記レベルが、SARS進行の重症度、および前記患者に、強化された処置および/または疾患監視を必要とする状態への疾患進行のリスクがあるか否かを示す、前記方法。
  2. 患者が、SARS-CoV2に感染している、請求項1に記載の方法。
  3. 患者が、年齢が60歳以上の患者、喘息、嚢胞性線維症、もしくは慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの長期呼吸器疾患もしくは肺疾患の患者、心不全などの長期心疾患の患者、長期腎疾患の患者、肝炎などの長期肝疾患の患者、糖尿病の患者、パーキンソン病、運動ニューロン疾患、多発性硬化症(MS)、脳性麻痺、もしくは学習障害などの長期神経疾患の患者、鎌状細胞貧血もしくは脾臓摘出などの脾臓疾患の患者、HIVもしくはAIDSの患者、または免疫抑制薬治療を受けている患者などの免疫系が弱っている患者、体格指数(BMI)が40以上の患者(重度肥満患者)、妊婦、免疫抑制薬を服用している臓器移植を受けた患者、およびがん患者からなる群から選択される、重症急性呼吸器症候群(SARS)を発症した場合に有害事象の増加されたリスクを有する患者群に属する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 予後診断が、
    -前記患者からの試料を提供すること、ここで試料は、全血試料、または血清試料、または血漿試料から選択される血液試料であり、
    -前記試料中の中間領域プロアドレノメデュリン(MR-proADM)のレベルを判定すること、および
    カットオフ値に対するMR-proADMのレベルを比較すること、ここで前記カットオフ値は、0.93nmol/l±20%である、
    を含み、
    -前記試料中の、カットオフ値より低いMR-proADMレベルが、前記患者に、強化された処置および/もしくは疾患監視を必要とする状態への疾患進行のリスクがないことを示し、または
    -前記試料中の、カットオフ値より高いMR-proADMレベルが、前記患者に、強化された処置および/もしくは疾患監視を必要とする状態への疾患進行のリスクがあることを示す、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. a.試料中の、カットオフ値より低いMR-proADMレベルが前記患者に、入院および/もしくはICUにおける疾患監視を必要とする状態への疾患進行のリスクがないことを示すか、
    または
    b.前記試料中の、カットオフ値より高いMR-proADMレベルが、前記患者に、入院および/もしくはICUにおける疾患監視を必要とする状態への疾患進行のリスクがあることを示す、
    請求項4に記載の方法。
  6. 患者が、SARSコロナウイルスに感染しており、SARSもしくはSARSウイルスによる感染の軽度の症状または無症状を示す、請求項4または5に記載の方法。
  7. 予後診断が、SARSと診断された患者の健康における後の有害事象を予後診断することを含み、
    -前記患者の試料を提供すること、ここで前記試料が、診断および処置の開始後に前記患者から単離され、
    -前記試料中のMR-proADMもしくはその断片のレベルを判定することと、を含み、
    -前記MR-proADMもしくはその断片のレベルが、前記患者の健康におけるその後の有害事象の可能性を示す、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  8. 患者の健康における前記有害事象が、診断および治療の開始後2~30日以内の死亡である、請求項に記載の方法。
  9. 患者によって受けられる前記処置が、対症療法、発熱および/もしくは疼痛を低減するための処置、抗炎症治療、抗ウイルス治療、抗生物質治療、酸素サポート、侵襲的機械的換気、非侵襲的機械的換気、腎代替療法、昇圧剤使用、輸液療法、体外血液浄化、ならびに/または臓器保護のうちの1つ以上を含む、請求項またはに記載の方法。
  10. -全血試料、または血清試料、または血漿試料から選択される血液試料中で判定される低重症度レベルのMR-proADMもしくはその断片が、その後の有害事象の不在を示し、前記低重症度レベルが、2.25nmol/l±20%以下であるか、または
    -全血試料、または血清試料、または血漿試料から選択される血液試料中で判定される高重症度レベルのMR-proADMもしくはその断片が、その後の有害事象を示し、前記高重症度レベルが、2.25nmol/l±20%を超える、請求項のいずれか一項に記載の方法。
  11. a.患者が、集中治療室(ICU)患者であり、
    i.前記低重症度レベルのMR-proADMもしくはその断片が、ICUからの前記患者の退室を示すか、または
    ii.前記高重症度レベルのMR-proADMもしくはその断片が、前記患者を前記ICUに留置すること、および、任意選択的に、前記ICUでの前記患者の前記治療を修正することを示すか、
    または
    b.前記患者が、非ICU病棟に入院している患者もしくは外来患者であるなど、集中治療室(ICU)患者ではなく、
    i.前記低重症度レベルのMR-proADMもしくはその断片が、前記患者をICU入室から遠ざけることを示すか、または
    ii.前記高重症度レベルのMR-proADMもしくはその断片が、前記患者をICUに移すこと、および、任意選択的に、前記ICUでの前記患者の前記治療を修正することを示す、請求項10に記載の方法。
  12. 請求項1~11のいずれか一項に記載の方法を実行するためのキットであって、
    -患者からの試料中のMR-proADMもしくはその断片のレベルを判定するための検出試薬と、
    -強化された処置および/または疾患監視を必要とする状態への疾患進行が起こるかどうかに関する患者のリスクに対する参照データ、または参照データを得るための手段、特にリスク閾値またはカットオフ値に対する参照データ、または参照データを得るための手段であって、前記参照データが、コンピュータ可読媒体に記憶され、および/または前記MR-proADMもしくはその断片の前記判定されたレベルを、前記リスク閾値またはカットオフ値と比較するために構成されたコンピュータ実行可能コードの形態で用いられる、参照データ、または参照データを得るための手段と、
    -SARSコロナウイルス感染の存在を判定するための検出試薬と、
    -任意選択的に、患者からの試料中の少なくとも1つの追加のパラメータまたはバイオマーカーもしくはその断片のレベルを判定するための検出試薬、ならびにリスク閾値もしくはカットオフ値に対する、前記少なくとも1つの追加のバイオマーカーに対する参照データであって、前記参照データが、コンピュータ可読媒体に記憶され、かつ/または前記少なくとも1つの追加のバイオマーカーもしくはその断片の前記判定されたレベルを、前記閾値もしくはカットオフ値と比較するために構成された、アルゴリズムなどのコンピュータ実行可能コードの形態で用いられる、検出試薬と、を含む、キット。
  13. 追加のパラメータまたはバイオマーカーが、プロカルシトニン(PCT)である、請求項12に記載のキット。
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