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JP7582467B2 - 遠隔操作システム及び遠隔操作方法 - Google Patents
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JP7582467B2 - 遠隔操作システム及び遠隔操作方法 - Google Patents

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Description

本開示は、遠隔操作システム及び遠隔操作方法に関する。
例えば薄鋼板の製造プロセスにおいて、製造ライン内に設置されているロールに付着した異物、あるいはその異物がロールに噛み混んだことによってロール自体に生じた凹凸が鋼板に転写されて生じた欠陥が発生する場合がある。このような、圧延ロールの状態変化に起因するような欠陥は、例えば、凸および凹ローキ、ダルはげ、ノッチ、押しキズ、スリキズと呼ばれる点状の欠陥、線状マークと呼ばれる製品の長手方向に続く欠陥、及び、チャタマークと呼ばれる幅方向に長い欠陥等を含む。これらは、ロール性欠陥とも称される。これらのロール性欠陥は、一般的に極めて微小な凹凸である。ロール性欠陥が存在する部分とそれ以外の部分とは、光学的に差が小さい。したがって、そのままの状態で観察してもロール性欠陥は発見されにくい。つまり、薄鋼板の製造ラインでのロール性欠陥の発見は困難である。ところが、薄鋼板が塗装され、表面粗さが塗料に埋められて表面が滑らかになることによって、ロール性欠陥が明瞭に見えるようになり、外観上大きな問題となる。しかもロール性欠陥は、ロール性起因のため周期性を持ってコイル全長にわたって分布する上に、一旦発生するとロールを交換したりプロセスを改善したりするまで連続的に発生する。したがって、このような欠陥を出荷前に発見することは品質管理上重要な問題である。
このような微小凹凸表面欠陥を見つけるために、製鉄プロセスの各検査ラインにおいて、全てのコイルについて、操業中に鋼板の走行を一度停止した状態で、検査員が砥石がけによって研磨を行った後に目視検査をしている。砥石がけによって研磨を行うと、凹部に比べて凸部がより砥石に当たり反射率が高くなるので、凹凸部の差が明確になり目視で確認可能となる。このような検査は砥石がけ検査とも称される。
しかしながら、砥石がけ検査において、検査ラインを停止して検査員が鋼板に接触して行う検査のため、鋼板のエッジで手足を切創する、突然動き出す鋼板に巻き込まれるなどのリスクがある。つまり、砥石がけ検査は、いわゆる3K作業であるため自動化が望まれている。
このような砥石掛け検査のリスク低減のため特許文献1及び2に記載の発明がなされている。この技術は多軸ロボットを用いて3方向の自由度をもって砥石を動かすことに特徴があり、幅方向に長い欠陥又は長手方向に長い欠陥のいずれの欠陥にも適用可能な技術である。また、検査対象の法線方向の押し付け力を、砥石可動面の幅と鋼板の引っ張り強度とをパラメータとした一定値にすることで、研削ムラなく砥石がけができることに特徴がある。
特開平08-54326号公報 特開平07-186035号公報
しかし、前述した特許文献1及び2に記載の技術において、検査対象の法線方向に一定の位置となるように研磨する、又は、検査対象の法線方向に一定の力で押しながら研磨するため、熟練した検査員が行っているような、鋼板のうねりに合わせた微妙な力加減を再現することができない。したがって、欠陥の検出性能が従来の砥石掛け検査と比較すると落ちるという課題があった。
本開示は、上記事実に鑑み、研磨作業の質を保ちつつ遠隔操作で研磨作業を実行できる遠隔操作システム及び遠隔操作方法を提供することを目的とする。
本開示の一実施形態に係る遠隔操作システムは、作業者による操作を受け付ける操作部と、作業対象物を研磨する研磨部材を搭載したマニピュレータと、前記操作部に対して前記作業者が入力した動きに応じて前記マニピュレータを動かすとともに前記マニピュレータが受ける反力を前記操作部へフィードバックする制御装置とを備える。
本開示の一実施形態に係る遠隔操作方法は、作業対象物を研磨する研磨部材の遠隔操作方法であって、前記研磨部材を搭載するマニピュレータを前記作業対象物に接近させる工程と、マスタ操作装置の操作部を操作することによって前記マニピュレータを遠隔操作し、前記研磨部材を前記作業対象物に当接させる工程と、前記研磨部材が受ける反力に基づいて前記操作部を操作することで前記研磨部材を遠隔操作し、前記研磨部材によって前記作業対象物を研磨する工程とを含む。
本開示に係る遠隔操作システム及び遠隔操作方法によれば、研磨作業の質を保ちつつ遠隔操作で研磨作業が実行され得る。
本開示に係る遠隔操作システムの構成例を示す図である。 マニピュレータの回転軸を説明する図である。 図1から研磨部材とあて具との位置を入れ替えた構成例を示す図である。 コイルを研磨する構成例を示す図である。 本開示に係る遠隔操作方法の手順例を示すフローチャートである。
本開示は、作業対象物に対する研磨作業を実行する研磨部材を備えるマニピュレータを遠隔操作する遠隔操作システム、及び、マニピュレータの遠隔操作方法に関する。研磨作業の一例として、作業対象物としての鋼板に研磨部材の一例である砥石を掛ける砥石掛け検査の装置及び方法が説明される。研磨作業は、作業対象物に接触する作業、作業対象物との間に摩擦を生じさせる作業、又は、作業対象物の表面処理作業を含んでよい。
本開示に係る遠隔操作システムは、いわゆるバイラテラル制御によるマスタスレーブシステムとして構成されるとする。遠隔操作システムは、マスタ操作装置の操作部に入力された操作の動きに応じて、マスタ操作装置から離れて位置するマニピュレータの動作を制御するように構成されることによって遠隔操作を実現する。遠隔操作システムの産業上の利用分野として、高所、難所、高温環境又は粉塵環境等の人間によるアクセスが困難な建築物又は構造物のエリアで行う保全作業等の種々の作業分野が挙げられる。
以下、本開示に係る遠隔操作システム及び遠隔操作方法の実施形態が図面に基づいて説明される。各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下の実施形態は、本開示の技術的思想を具体化するための装置又は方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものでない。すなわち、本開示の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
<第1実施形態>
(システム全体構成)
図1に示されるように、遠隔操作システム1は、マスタ操作装置10と、スレーブ操作装置20と、制御装置30とを備える。マスタ操作装置10は、操作部12を備える。スレーブ操作装置20は、マニピュレータ22と、マニピュレータ22に搭載されている研磨部材4及びあて具5とを備える。あて具5は、ダンパー6を介してマニピュレータ22に取り付けられているとする。マニピュレータ22は、スレーブアームとして構成される。研磨部材4は、作業対象物7を研磨する。あて具5は、研磨部材4で作業対象物7を研磨する際に、研磨部材4に当接するように構成される。ダンパー6は、あて具5が作業対象物7に当接するときに作用する力を緩和するように構成される。作業対象物7は、鋼板であるとする。
制御装置30は、マスタ操作装置10及びスレーブ操作装置20(マニピュレータ22)と通信可能に接続される。制御装置30と、マスタ操作装置10又はスレーブ操作装置20(マニピュレータ22)とは、無線で通信可能に接続されてもよい。制御装置30は、操作部12に入力された操作に応じてマニピュレータ22の動作を制御するとともに、マニピュレータ22が受ける反力を操作部12にフィードバックする。
制御装置30は、遠隔操作システム1の各部を制御及び管理できるように、例えばCPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)等の少なくとも1つのプロセッサを含んで構成されてよい。制御装置30は、1つのプロセッサで構成されてよいし、複数のプロセッサで構成されてよい。制御装置30を構成するプロセッサは、後述する記憶部に格納されたプログラムを読み込んで実行することによって、遠隔操作システム1の各構成部を制御及び管理してよい。
制御装置30は、記憶部を備えてよい。記憶部は、各種の情報又はデータ等を格納する。記憶部は、例えば制御装置30において実行されるプログラム、又は、制御装置30において実行される処理で用いられるデータ若しくは処理の結果等を格納してよい。また、記憶部は、制御装置30のワークメモリとして機能してよい。記憶部は、例えば半導体メモリ等を含んで構成されてよいがこれに限定されない。例えば、記憶部は、制御装置30として用いられるプロセッサの内部メモリとして構成されてもよいし、制御装置30からアクセス可能なハードディスクドライブ(HDD)として構成されてもよい。記憶部は、非一時的な読み取り可能媒体として構成されてもよい。記憶部は、制御装置30と一体に構成されてもよいし、制御装置30と別体として構成されてもよい。
制御装置30は、通信部を備えてよい。通信部は、有線又は無線によって遠隔操作システム1のマスタ操作装置10又はスレーブ操作装置20等の各構成部と通信するための通信インタフェースを含んで構成されてよい。通信インタフェースは、ネットワークを介して他の装置と通信可能に構成されてよい。通信部は、遠隔操作システム1の各構成部との間でデータを入出力する入出力ポートを含んで構成されてよい。通信部は、遠隔操作システム1の各構成部との間で必要なデータ及び信号を送受信する。通信部は、有線通信規格に基づいて通信してよいし、無線通信規格に基づいて通信してもよい。例えば無線通信規格は3G、4G又は5G等のセルラーフォンの通信規格を含んでよい。また、例えば無線通信規格は、IEEE802.11及びBluetooth(登録商標)等を含んでよい。通信部は、これらの通信規格の1つ又は複数をサポートしてよい。通信部は、これらの例に限られず、種々の規格に基づいて他の装置と通信したりデータを入出力したりしてよい。
スレーブ操作装置20のマニピュレータ22は、一例として図2に示されるように、6つの軸(回転軸)を備え、6軸方向に自由度を有する垂直多関節型のアームロボットであるとする。回転軸は、マニピュレータ22の先端から順番に、T軸、B軸、R軸、U軸、L軸及びS軸と称されるとする。マニピュレータ22は、マスタ操作装置10によって遠隔操作されるように構成される装置である限り、アームに限られず、種々の構造又は形状を有する装置として構成されてよい。
マスタ操作装置10の操作部12は、作業者による操作入力を受け付ける。操作部12は、一例として、マニピュレータ22と同じ垂直多関節型のアームロボットであるとする。マスタ操作装置10の操作部12とスレーブ操作装置20のマニピュレータ22とが同一又は類似の態様で構成されることで、遠隔操作システム1としてのマスタスレーブ制御システムが容易に制御され得る。マスタ操作装置10とスレーブ操作装置20とは、必ずしも相似形で構成されなくてもよいし、同じ自由度で構成されなくてもよい。操作部12は、操作軸として構成されてもよいし、ジョグシャトルのような回転型コントローラとして構成されてもよい。操作部12は、これらの例に限られず種々の態様で構成されてよい。
制御装置30は、マスタ操作装置10を制御するとともに、マニピュレータ22の各部の位置(角度)と、マニピュレータ22の各部に作用する反力とをマスタ操作装置10へフィードバックする。具体的に、制御装置30は、マニピュレータ22のアームの角度から軌道計算されるマニピュレータ22の先端の位置及び姿勢と、マニピュレータ22の各部に作用する反力とを、バイラテラル制御で双方向に伝達可能に構成される。マニピュレータ22のアームが多関節ロボットとして構成される場合、制御装置30は、マニピュレータ22の各関節に設けられた駆動モータのトルクを、反力としてマスタ操作装置10に伝達するように構成されてよい。
マニピュレータ22に、作業対象物7としての鋼板の表面に砥石掛けをするための研磨部材4としての砥石が取り付けられている。図1に例示される構成において、研磨部材4は、マニピュレータ22の先端のT軸で回転する部分に取り付けられている。
マニピュレータ22に、反力を伝える接触部材としてダンパー6が取り付けられている。ダンパー6は、緩衝機能を備える。図1に例示される構成において、ダンパー6は、T軸(図2参照)とB軸(図2参照)との間から突出する第1ロッドと、第1ロッドの先端から第1ロッドに交差する方向に延びる第2ロッドとを含んで構成されている。なお、ダンパー6の形状はロッド等に限られず、マニピュレータ22よりも先に、又はマニピュレータ22とともに作業対象物7に接近して当接するような寸法及び形状で構成されてよい。
ダンパー6の先端(第2ロッドの先端)に、あて具5が取り付けられている。接触部材は、ダンパー6又はあて具5を含むともいえる。あて具5は、作業対象物7に接触しやすいように、作業対象物7である鋼板の表面に倣った形状の当接面を有している。あて具5の形状は、作業対象物7である鋼板が平板である場合には平らなブロック部材であってよいし、作業対象物7である鋼板が湾曲している場合には湾曲したカバー部材であってよい。あて具5は、研磨部材4と並んで配置されている。あて具5の位置は、作業対象物7である鋼板の表面に当接する際に、研磨部材4の研磨面(砥石の砥石面)が作業対象物7である鋼板の表面(又は表面の接線)に対して平行となり、かつ、適切な力で押し付けられる(所定の反力が作用する)状態で、研磨部材4が作業対象物7である鋼板に当接(接触)するように調整されている。
(研磨方法)
作業対象物7である鋼板の砥石掛け検査(研磨作業)を行う場合、作業者は、まず、マスタ操作装置10の操作部12を操作してマニピュレータ22を作業対象物7である鋼板に接近させる。作業者は、次に、操作部12を操作して研磨部材4を作業対象物7である鋼板の表面に当接(接触)させる。
ここで、研磨部材4を作業対象物7である鋼板に当接させる際に、作業者は、マニピュレータ22にダンパー6を介して取り付けられているあて具5を研磨部材4より先に、又は研磨部材4とともに作業対象物7である鋼板に当接させる。このとき、作業対象物7である鋼板からマニピュレータ22に対して研磨部材4及びあて具5を介して反力が作用する。作業者は、作業対象物7である鋼板から作用する反力を操作部12で検知しながら操作することによって、ダンパー6がマニピュレータ22を支持するように操作できる。そして、作業者は、作業対象物7である鋼板に対してダンパー6でマニピュレータ22を支持したまま、作業対象物7である鋼板の表面上にある目標の作業対象箇所に対して、マニピュレータ22の先端に取り付けられている研磨部材4を作業対象物7である鋼板に当接(接触)させる位置及び向きを調整する。
ダンパー6は、マニピュレータ22の先端側から1番目の軸(T軸)の自由度を持つ箇所よりマニピュレータ22の付け根側に設けられている。このようにすることで、作業対象物7である鋼板にあて具5を当接させた後、あて具5を動かさずに、研磨部材4のみがT軸の回転によって作業対象物7である鋼板の表面と平行な方向に自由に向きを変えることができる。
その後、作業者は、研磨部材4が作業対象物7である鋼板から受ける反力(マニピュレータ22の反力)に基づいてマスタ操作装置10の操作部12を操作することによって、研磨部材4によって作業対象物7である鋼板の表面を研磨(砥石掛け)する。作業対象物7である鋼板の表面上を大きく研磨(砥石掛け)する際には、マニピュレータ22の各軸の動作を利用してあて具5が作業対象物7である鋼板と接触したままの状態で研磨部材4とあて具5とを一体として作業対象物7である鋼板に対して鋼板の表面に沿う方向に動かすことによって、研磨(砥石掛け)が実行される。
以上のように、作業者が作業対象物7である鋼板から研磨部材4が受ける反力に基づいてマスタ操作装置10の操作部12を操作することによって、作業者が遠隔からでも反力を感じながら研磨部材4の当たり具合を調整しながら研磨作業(砥石掛け検査)を実行できる。また、あて具5を作業対象物7である鋼板に当接させることによって、作業対象物7である鋼板に対して研磨部材4を回転させたり移動させたりするときに、研磨部材4を作業対象物7に押し付ける力が安定しやすくなる。研磨作業の質は、研磨部材4を作業対象物7に押し付ける力によって制御され得る。研磨部材4を作業対象物7に押し付ける力が安定することによって、研磨作業の質が向上し得る。このため、熟練した検査員が行っているような、作業対象物7(鋼板)のうねりに合わせた微妙な力加減を再現することができる。
<第2実施形態>
(構成)
第2実施形態に係る遠隔操作システム1は、図3に示されるように、ダンパー6及びあて具5の位置がB軸よりも付け根に近い(B軸とR軸との間に取り付けられている)点で第1実施形態と異なる。すなわち、ダンパー6は、あて具5を作業対象物7である鋼板に当接(接触)させた状態で、研磨部材4が少なくともT軸及びB軸の2軸で駆動される位置に(2軸で移動可能となるように)取り付けられている。
第2実施形態において、作業者は、あて具5を作業対象物7である鋼板に接触させて固定し、マニピュレータ22の先端側から2番目のB軸で研磨部材4を作業対象物7である鋼板の表面に接触させる。作業者は、マニピュレータ22の先端側から1番目のT軸で研磨部材4のみを作業対象物7である鋼板の表面と平行な方向に自由に向きを変えることができる。このため、作業者は、あて具5の接触後にあて具5を動かさずに研磨部材4の作業対象物7への当たり方を微調整でき、かつ、研磨部材4の位置を自由に動かすことができる。なお、図3において、あて具5は、B軸よりも付け根側に取り付けられているが、R軸よりも付け根側、すなわち、あて具5を作業対象物7である鋼板に当接させた状態で、研磨部材4が3軸以上で駆動される位置に取り付けられてもよい。
また、第2実施形態において、ダンパー6又はあて具5が作業対象物7である鋼板から受ける反力は、ダンパー6よりも付け根側に位置する軸(R軸又はU軸等)で検知される。また、研磨部材4が作業対象物7である鋼板から受ける反力は、ダンパー6よりも先端側に位置するT軸又はB軸で検知される。すなわち、研磨部材4が受ける反力とダンパー6又はあて具5が受ける反力とが区別して検知され得る。反力が区別して検知されることによって、作業者は、反力に基づいて研磨部材4の作業対象物7である鋼板への当たり具合を微調整することができ、精度よく研磨作業(砥石掛け検査)を実行できる。
(研磨方法)
以下、研磨方法が説明される。作業対象物7である鋼板は、検査室に配置されるとする。作業対象物7である鋼板は、圧延方向に張力をかけて張られた状態で中空に浮いているとする。作業対象物7である鋼板は、張力をかけずに床に接するように置かれていてもよい。作業者は、検査室から離れた操作室からマニピュレータ22を操作する。
作業者は、まず、操作室のマスタ操作装置10の操作部12を操作し、ダンパー6を介してマニピュレータ22に取り付けられているあて具5を作業対象物7である鋼板の表面に接触させる。この時、あて具5が作業対象物7である鋼板と接触したことによる反力(マニピュレータ22の反力)がバイラテラル制御によってマスタ操作装置10にフィードバックされる。作業者は、操作部12を動かすときの抗力としてフィードバックされた反力を感知できる。作業者は、フィードバックされた反力を感じながらあて具5を作業対象物7である鋼板に当接させることで、マニピュレータ22と作業対象物7である鋼板との距離が一定に保たれる。そして、作業者は、作業対象物7である鋼板に対してダンパー6(あて具5)でマニピュレータ22を支持したまま、あて具5が取り付けられている箇所より先端側にあるT軸又はB軸を動かすことによって、研磨部材4を作業対象物7である鋼板の表面に沿うように動かして研磨(砥石掛け)を実行する。
なお、作業者は、検査室のマニピュレータ22及び研磨部材4の位置をカメラ等で撮影した映像を、操作室のディスプレイに表示することにより、操作室からでも映像を観察できる。検査室は、操作室から窓を通して見えるように構成されてもよい。検査室と操作室とが分けられなくてもよい。この場合、マスタ操作装置10とスレーブ操作装置20とは、同じ部屋の中で離れて配置されてよい。
以上述べてきた研磨方法によれば、作業者は、作業対象物7である鋼板に接触することなく遠隔からでも反力を感じながら研磨部材4の作業対象物7である鋼板への当たり具合を調整して操作できる。その結果、作業者は、あたかも作業対象物7である鋼板に対して砥石を直接かけるように、研磨作業(砥石掛け検査)を実行できる。これにより、熟練した検査員が行っているような、作業対象物7(鋼板)のうねりに合わせた微妙な力加減を再現することができる。
<第3実施形態>
第3実施形態に係る遠隔操作システム1は、図4に示されるように、作業対象物7である鋼板がロール状に巻回されている(コイルになっている)点で、第1及び第2実施形態と異なる。
あて具5は、ロール状の鋼板の表面形状に合わせた曲面の当接面を有する。このようにすることで、あて具5が作業対象物7である鋼板の表面に当接しながら、鋼板の円筒面に沿って移動しやすくなっている。あて具5は、ダンパー6を介してマニピュレータ22の先端側の1番目に位置するT軸より付け根側(つまりT軸とB軸との間)に取り付けられている。あて具5が作業対象物7であるロール状の鋼板に接触することで、マニピュレータ22と鋼板との距離が一定に保たれる。あて具5の位置は、作業対象物7であるロール状の鋼板の表面に当接する際に、研磨部材4の研磨面(砥石の砥石面)が作業対象物7であるロール状の鋼板の表面の接線に対して平行となり、かつ、適切な力で押し付けられる状態で、研磨部材4が作業対象物7である鋼板に当接するように調整されている。
作業者は、マニピュレータ22と作業対象物7であるロール状の鋼板の表面との距離を一定に保ちながら、鋼板の表面に対して研磨部材4を滑らせるように移動させて研磨作業(砥石掛け検査)を実行できる。研磨(砥石掛け)対象が曲面である場合、研磨部材4を移動させるための操作の自由度が高すぎると、作業者が研磨部材4の鋼板に対する当たり方を安定させて研磨するために熟練する必要がある。そこで、あて具5をマニピュレータ22の先端側の1番目のT軸と2番目のB軸との間に取り付けて研磨部材4の自由度をあえてT軸だけにすることによって、熟練者でなくても容易に研磨(砥石掛け)が可能になる。このため、熟練した検査員が行っているような、作業対象物7(ロール状の鋼板)のうねりに合わせた微妙な力加減を再現することができる。
以上、本開示に係る3つの実施形態を説明してきたが、上述してきた実施形態の構成に限られず、他の種々の実施形態が含まれ得る。例えば、作業対象物7として、鋼板に限られず鋼管等の材料が研磨されてよい。研磨部材4として砥石に限られず研磨布紙等が用いられてよい。研磨作業として砥石による砥石掛け検査に限られず、欠陥除去のための研磨が実行されてもよい。
また、マニピュレータ22は、必ずしも接触部材、すなわちダンパー6又はあて具5を備えなくてもよい。マニピュレータ22がダンパー6又はあて具5を備えない場合、作業者は、研磨部材4を作業対象物7である鋼板の表面に直接当接させ、研磨部材4が受ける反力に基づいてマスタ操作装置10の操作部12を操作することで、研磨部材4の作業対象物7である鋼板への当たり方を調整できる。
<実施例>
図3に示される遠隔操作システム1による研磨作業の遠隔操作の実施例が説明される。本実施例において、作業対象物7である鋼板の表面の研磨(砥石掛け)が実行された。作業対象物7である鋼板は、連続ラインにおいて数千メートルに及ぶ長さの途中の一部の鋼板であるとする。作業対象物7である鋼板は、圧延方向に張力をかけて張られた状態で中空に浮いているとする。
作業者は、操作室でマスタ操作装置10の操作部12を操作し、ダンパー6を介してマニピュレータ22に取り付けられているあて具5を作業対象物7である鋼板の表面に接触させた。この時、マニピュレータ22(あて具5)が作業対象物7である鋼板と接触したことによる反力がバイラテラル制御によってマスタ操作装置10にフィードバックされる。作業者は、フィードバックされた反力を、操作部12を動かすときの抗力として感じることができた。作業者は、抗力を感じながら操作部12を動かしてあて具5を作業対象物7である鋼板に当接させることで、マニピュレータ22から作業対象物7である鋼板までの距離を一定に保つことができた。また、作業者は、作業対象物7である鋼板に対してダンパー6(あて具5)でマニピュレータ22を支持したまま、あて具5が取り付けられている箇所よりも先端側に位置するT軸又はB軸を利用して研磨部材4を作業対象物7である鋼板の表面に対して動かして研磨(砥石掛け)を実行できた。このようにすることで、作業者は、作業対象物7である鋼板に接触することなく遠隔からでも反力を感じながら研磨部材4(砥石)の当たり具合を操作できる。その結果、作業者は、あたかも作業対象物7である鋼板に対して砥石を直接かけるように、研磨作業(砥石掛け検査)を実行できた。
<フローチャート>
遠隔操作システム1は、図5に例示されるフローチャートの手順を含む遠隔操作方法を実行してもよい。遠隔操作方法は、遠隔操作システム1を構成するプロセッサに実行させる遠隔操作プログラムとして実現されてもよい。遠隔操作プログラムは、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されてよい。
制御装置30は、マニピュレータ22を作業対象物7に接近させる(ステップS1)。具体的に、制御装置30は、マスタ操作装置10の操作部12に入力された操作内容を取得し、操作部12の動きに応じてマニピュレータ22を動かす。
制御装置30は、マニピュレータ22に取り付けられている研磨部材4を作業対象物7に接触させる(ステップS2)。制御装置30は、研磨部材4の接触圧力を制御する(ステップS3)。具体的に、作業者が操作部12にフィードバックされる反力を感知して操作部12を操作する。制御装置30は、この作業者による操作部12の動きに応じて研磨部材4の接触圧力を制御する。
制御装置30は、研磨部材4を駆動する(ステップS4)。具体的に、制御装置30は、作業者による操作部12の動きに応じて研磨部材4が取り付けられた部分を駆動する。制御装置30は、作業者がT軸を回転させる指示を入力した場合に、T軸を回転させて研磨部材4を回転させてもよい。
制御装置30は、研磨が完了したか判定する(ステップS5)。具体的に、制御装置30は、作業者からの入力によって研磨が完了したか判定してよい。制御装置30は、研磨が完了していない場合(ステップS5:NO)、ステップS3の接触圧力の制御の手順に戻って研磨作業を継続する。制御装置30は、研磨が完了した場合(ステップS5:YES)、研磨部材4を作業対象物7から離す(ステップS6)。制御装置30は、ステップS6の手順の実行後、図5のフローチャートの手順の実行を終了する。
以上述べてきたように、本開示に係る遠隔操作システム1及び遠隔操作方法によれば、マスタ操作装置10によってマニピュレータ22の先端に取り付けられている研磨部材4を用いて作業対象物7である鋼板が研磨される。そして、研磨の際に、研磨部材4が受ける反力がマスタ操作装置10にフィードバックされる。このようにすることで、作業者は、作業対象物7に接近することなく遠隔からでも反力を感じながら研磨部材4の作業対象物7である鋼板への当たり具合を調整でき、あたかも直接研磨するように研磨作業を実行できる。また、マニピュレータ22にダンパー6又はあて具5を取り付けることによって、作業者が研磨部材4を安定して作業対象物7の表面に平行に当てることが容易になる。その結果、研磨作業の効率及び安定性が向上する。
本開示の実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は改変を行うことが可能であることに注意されたい。従って、これらの変形又は改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本開示に係る実施形態は装置が備えるプロセッサにより実行されるプログラム又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものである。本開示の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
1 遠隔操作システム
4 研磨部材
5 あて具(接触部材の一例)
6 ダンパー(接触部材の一例)
7 作業対象物
10 マスタ操作装置(12:操作部)
20 スレーブ操作装置(22:マニピュレータ)
30 制御装置

Claims (7)

  1. 作業者による操作を受け付ける操作部と、
    作業対象物を研磨する研磨部材を搭載したマニピュレータと、
    前記操作部に対して前記作業者が入力した動きに応じて前記マニピュレータを動かすとともに前記マニピュレータが受ける反力を前記操作部へフィードバックする制御装置とを備え、
    前記マニピュレータは、前記研磨部材が前記作業対象物に当接するより先に、前記作業対象物に当接するように構成される接触部材を更に搭載する、遠隔操作システム。
  2. 前記マニピュレータは、前記接触部材が前記作業対象物に当接した状態で前記研磨部材が前記マニピュレータの1つの軸のみで駆動されるように、前記接触部材を搭載する、請求項1に記載の遠隔操作システム。
  3. 前記接触部材は、前記作業対象物に当接する部分に、前記作業対象物の表面形状に倣った形状のあて具を有する、請求項1に記載の遠隔操作システム。
  4. 前記あて具は、前記作業対象物の表面に当接する際に、前記研磨部材の研磨面が前記作業対象物の表面又は表面の接線に対して平行になるように構成されている、請求項3に記載の遠隔操作システム。
  5. 前記接触部材は、緩衝機能を有するダンパーを含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載の遠隔操作システム。
  6. 前記マニピュレータは、少なくとも2つの軸を備え、
    前記接触部材は、前記作業対象物に当接した状態で前記研磨部材が少なくとも2つの軸で駆動される位置に取り付けられている、請求項1、3又は4のいずれか一項に記載の遠隔操作システム。
  7. 作業対象物を研磨する研磨部材と、前記研磨部材が前記作業対象物に当接するより先に、前記作業対象物に当接するように構成される接触部材との遠隔操作方法であって、
    前記研磨部材及び前記接触部材を搭載するマニピュレータを前記作業対象物に接近させる工程と、
    マスタ操作装置の操作部を操作することによって前記マニピュレータを遠隔操作し、前記研磨部材及び前記接触部材を前記作業対象物に当接させる工程と、
    前記研磨部材及び前記接触部材が受ける反力に基づいて前記操作部を操作することで前記研磨部材及び前記接触部材を遠隔操作し、前記研磨部材によって前記作業対象物を研磨する工程と
    を含む遠隔操作方法。
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