JP7584376B2 - 異常判定方法、異常判定システム及びプログラム - Google Patents
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Description
<実施形態>
(構成)
図1は、実施形態に係る異常判定システムの一例を示すブロック図である。
異常判定システム1は、監視対象の機械設備や作業等の異常を判定するシステムである。例えば、異常判定システム1は、機械設備に設けられたセンサが計測した計測値や制御装置から指令された制御信号などを取得し、運転中の機械設備に異常が生じていないか否かを判定する。あるいは、異常判定システム1は、作業員が用いる工具や機器のセンサが計測した計測値あるいは作業結果に対する計測結果などを取得し、作業に異常が生じていないか否かを判定する。また、このような異常判定に加え、異常判定システム1は、異常ありと判定した場合に、異常の要因およびその改善方法を案内するガイダンス情報を提供する。
モデル構築部131は、正常状態区間の学習データ(正常データ)を学習して、判定モデルを構築する。
異常判定部132は、判定モデルと評価対象データとに基づいて、機械設備や作業が正常か異常かを判定する。
要因評価部133は、異常判定部132が異常と判定した場合、異常と判定する要因となったパラメータのうち、影響度の大きいものを所定個選択し、そのパラメータの値をどのようにすれば(例えば、大きくする、小さくする等)正常状態に近づくかを評価する。
記憶部15は、学習データ、判定モデル、正常状態区間の設定など種々の情報を記憶する。
図2は、実施形態に係る判定モデルの構築方法の一例を示すフローチャートである。最初にデータ取得部11が、学習データを取得し(ステップS1)、学習データを記憶部15に記録する。例えば、学習データは、温度、圧力、電流、電圧など複数のパラメータについての時系列データであり、その大部分は、正常時のものである。次に、ユーザが、正常状態区間を設定する(ステップS2)。設定受付部12は、正常状態区間の設定を受け付け、記憶部15へ記録する。例えば、ある機械設備が時刻t1~t2において正常に動作している場合、ユーザは、時刻t1~t2を正常状態区間として設定する。次に、ユーザが、判定モデルの構築を異常判定装置10へ指示する。すると、モデル構築部131は、判定モデルの構築を開始する。まず、モデル構築部131は、正常状態区間に属する学習データを抽出する(ステップS3)。例えば、モデル構築部131は、学習データの中から時刻t1~t2の正常状態区間のデータを抽出する。次に、モデル構築部131は、抽出した正常時の学習データを学習して、判定モデルを構築する(ステップS4)。運転中の機械設備や実際の作業中に採取できるパラメータのほとんどは正常時のデータである。そこで、正常状態区間を設定して、全ての学習データの中から正常時のデータを抽出し、抽出したデータを学習して、各パラメータについての正常な値の範囲を定めた判定モデルを構築する。判定モデルの構築手法は特に限定されない。例えば、正常データの分布を包絡する範囲を判定モデルとしてもよいし、正常時のデータの確率密度分布を計算して、確率密度分布を用いた判定モデルとしてもよい。例えば、正常データに含まれるパラメータごとの確率密度分布(確率密度関数)を算出して、これを判定モデルとする。あるいは、正常時のデータの各パラメータの値の再現度に基づいて異常判定を行うモデルを構築してもよい。具体的には、学習する正常データの各パラメータを再現するようなモデル(例えば、正常データを入力すると同様の値を出力するオートエンコーダ)を構築して、このモデルを判定モデルとしてもよい。または、正常時における複数のパラメータ間の相関関係を学習して判定モデルを構築してもよい。
図3Aに示す点xと点kは、共に学習データや評価対象データに含まれる複数のパラメータから演算される値を概念的に示した点であって、点xは評価対象データを示し、点kは判定モデルMに含まれる点のうち、点xに最も近い点(最近傍点に限定されず、例えば、n番目に近い点や最近傍点を含む所定範囲内の任意の点であってもよい。)を示す。異常判定部132は、評価対象データ(点x)の異常判定を行う場合、判定モデルMに含まれる近傍点kを特定し、点xと点kの距離(異常度)を算出する。そして、その距離が閾値以上の場合、異常判定部132は、点xによって示される評価対象データは異常であると判定する。点xが異常と判定されると、要因評価部133は、点xおよび点kを構成する各パラメータのうち距離への貢献度が高いパラメータを特定し、特定したパラメータ同士を比較して、点xにおける特定したパラメータの値をどのようにすれば、正常に近づくかを算出する。これらの処理については、次に図3Bを用いて具体的に説明する。
図3Bに距離(異常度)の算出方法、異常要因の特定方法、値の調整方向の算出方法の具体例を示す。一例として学習データおよび評価対象データに含まれるパラメータは3個であり、それぞれをパラメータ1、2、3とする。また、評価対象データxをx=(x1、x2、x3)で表し、判定モデルMに含まれる評価対象データxの近傍点kをk=(k1、k2、k3)で表わす。なお、パラメータの数(3個)は一例であり、その数に限定は無い。
異常判定部132は、図3Bの式(1a)によって、評価対象データxと近傍点kの距離D(x)を算出する。距離D(x)を異常度ともいう。式(1a)に示すように、異常度は、各パラメータ間の差分を足し合わせた1つの値である。異常判定部132は、距離D(x)が閾値Th以上であれば異常と判定し、距離D(x)が閾値Th未満であれば、正常と判定する。
また、異常判定部132は、パラメータ1~3のそれぞれに重み付けを付して、距離D(x)を計算してもよい。例えば、異常判定部132は、パラメータ1~3のそれぞれにA1~A3の重み係数を乗じて、図3Bの式(1b)によって、距離D(x)を計算する。パラメータ1が機器設備や作業の状態に大きく影響することが分かっていて、パラメータ1に重きを置く場合、ユーザは、A1に大きな値を設定する。これにより、異常の検出精度を向上することができる。なお、距離の計算は、ユークリッド距離以外にも、マハラノビス距離やマンハッタン距離を計算してもよい。
要因評価部133は、(k1-x1)2、(k2-x2)2、(k3-x3)2の中から大きい順に所定個を選択する。つまり、要因評価部133は、距離への貢献が高いパラメータを異常の要因として選択する。要因評価部133は、パラメータ1~3のそれぞれに重み付けを付して、異常の要因となるパラメータを特定してもよい。例えば、要因評価部133は、パラメータ1~3のそれぞれにA1~A3の重み係数を乗じた値が大きいものから順に所定個を選択してもよい。パラメータ1が制御上有効なパラメータ(制御しやすい、運転状態などに影響を与えやすい等)の場合、ユーザは、A1に大きな値を設定し、パラメータ1が異常要因として選択されやすくすることができる。
要因評価部133は、異常要因として特定したパラメータについて、2乗する前の差分の計算式によって、正常に近づけるための値の調整方向を算出する。例えば、異常の要因としてパラメータ1を特定した場合、要因評価部133は、(k1-x1)を計算して、(k1-x1)を0に近づける方向を評価する。具体的には、(k1-x1)が正の値であれば、要因評価部133は、x1を大きくする方向が正常に近づける方向であると評価し、(k1-x1)が負の値であれば、x1を小さくする方向が正常に近づける方向であると評価する。
図4Aの左上図は、正常データに含まれる複数のパラメータのうちのパラメータ1の確率密度分布を示している。左上図に例示する正常データから算出された確率密度分布が判定モデルである。図4Aの左下図は、評価対象データに含まれる複数のパラメータのうちのパラメータ1の確率密度分布を示している。各グラフの縦軸は確率密度、横軸はパラメータ1の値を示している。異常判定部132は、所定期間(例えばt1~t2)に計測された評価対象データのデータ集合を用いて確率密度分布を算出し、予め算出してあった正常データの確率密度分布(=判定モデル)との密度比を算出する。より具体的には、異常判定部132は、評価対象データの値が存在するv1~v2の範囲で正常データと評価対象データの確率密度分布の密度比(確率密度分布の曲線を表す確率密度関数の比)を異常度として計算し、密度比が“1”を中心とする許容範囲を逸脱するとパラメータ1は異常であると判定する。図4Aの右図に計算した密度比の例を示す。図の例では、密度比が“1”から乖離している為、評価対象データのパラメータ1については異常と判定される。異常判定部132は、評価対象データに含まれる複数のパラメータのそれぞれについて密度比(異常度)を算出し、1つでも密度比が“1”を中心とする許容範囲から逸脱するパラメータがあれば、所定期間に計測された評価対象データを異常と判定する。あるいは、異常判定部132は、密度比が許容範囲から逸脱するパラメータが所定個以上存在する場合に異常と判定するように構成されていてもよい。
次に、図3A、図3Bを用いて説明した異常判定方法、異常要因の特定方法、正常に近づける方向の評価方法を適用した場合を例に異常判定システム1による異常判定処理の流れを説明する。
図5は、実施形態に係る異常判定処理の一例を示すフローチャートである。
異常判定に先立って、閾値等の設定を行う(ステップS10)。例えば、ユーザは、正常か異常かの判定に用いる異常度の閾値Th、式(1b)を用いる場合にはA1等の重み係数、ガイダンス情報において異常となる要因を最大で何個提示するかの設定(例えば3個など)、ガイダンス情報に提示するパラメータから除外するパラメータの設定などを行う。異常要因の最大提示数の設定については、ガイダンス情報をユーザが視認して、その後の制御などの参考にする場合には人が扱える数を設定する。あるいは、制御装置等と連携し、コンピュータ制御に適用して活用する場合であれば、数十個のパラメータを提示するよう設定してもよい。また、ガイダンス情報に提示するパラメータから除外するパラメータの設定については、制御できないパラメータや制御すると不具合が生じる可能性があるパラメータを設定する。制御できないパラメータを除外するのは、ガイダンス情報として、正常状態へ戻すための値の調整方向が提示されることから、ユーザが制御できるパラメータに限定して提示するという意味である。不具合が生じる可能性があるパラメータについては、次に図6を用いて説明する。また、除外するパラメータを設定するのではなく、ガイダンス情報として提示可能なパラメータの設定を行ってもよい。設定受付部12は、これらの設定を受け付け、設定された情報を記憶部15に記録する。
図6は、実施形態に係るパラメータ評価方法の一例を示すフローチャートである。図5と同内容の処理については同じ符号を付し、簡単に説明する。
異常判定装置10とシミュレータ20は、通信可能に接続されている。また、シミュレータ20は、機械設備の動作を模擬する計算モデルであって、ユーザが、初期条件などの計算条件を設定して動作の模擬を指示すると、シミュレータ20は、機械設備の動作を模擬するよう構成されている。シミュレータ20は模擬中に計算した計算結果(温度、圧力、バルブの開度など)を出力するが、これらは評価対象データとなる。データ取得部11は、シミュレータ20が模擬中に出力する評価対象データを取得し、異常判定装置10は、このデータに対して異常判定等を行う。制御部13は、出力部14を通じて、制御情報をシミュレータ20へ出力することができる。または、ユーザが、制御情報をシミュレータ20へ入力してもよい。シミュレータ20は、制御情報を受け取ると、その内容を模擬計算に反映させる。例えば、制御部13がパラメータ1の値を所定量だけ低下させるようシミュレータ20へ制御情報を出力すると、シミュレータ20は、その制御情報に基づいて、機械設備においてパラメータ1を低下させるような操作が行われた場合の動作を模擬し、パラメータ1の値が所定量だけ低下した状態を算出する。異常判定装置10とシミュレータ20がこのように構成されていることを前提として、以下の説明を行う。
各実施形態に記載の異常判定方法、異常判定システム及びプログラムは、例えば以下のように把握される。
これにより、異常判定だけではなく、どうすれば正常状態に戻せるのかを把握することができる。
これにより、異常判定だけではなく、どのパラメータが要因となって異常度が大きくなっているのか、そのパラメータをどうすれば正常状態に戻せるのかを把握することができる。
これにより、ガイダンス情報として提示されたパラメータを制御して、機械設備や作業の状態を回復することができる。
これにより、異常の要因として特定されたパラメータについて、正常に近づけるための方向を算出することができる。パラメータを算出された方向へ調整することで、監視対象の機械設備や作業の状態を正常な状態に戻すことができる可能性がある。
監視対象から正常データしか得られず正常データを学習した正常モデルしか構築できない場合であっても、その正常モデルを用いて異常判定を行うだけではなく、どうすれば正常状態に戻せるのかを把握することができる。
これにより、各パラメータの関係について、所望の重み付けを設定することにより、ユーザの意図にあったパラメータ(例えば、制御上効果的なパラメータ)についてのガイダンス情報を優先的に提示できるようになる。
これにより、ガイダンス情報に提示されるパラメータとその改善方法が適切かどうかをシミュレーション環境で確認することができる。
これにより、正常データを構成する複数の変数の値の出現しやすさ(確率密度分布)に基づいて、評価対象データの異常度を算出することができる。
これにより、正常データを再現するモデルによる評価対象データの再現度に基づいて、評価対象データの異常度を算出することができる。
10・・・異常判定装置
11・・・データ取得部
12・・・設定受付部
13・・・制御部
131・・・モデル構築部
132・・・異常判定部
133・・・要因評価部
14・・・出力部
15・・・記憶部
20・・・シミュレータ
900・・・コンピュータ
901・・・CPU
902・・・主記憶装置
903・・・補助記憶装置
904・・・入出力インタフェース
905・・・通信インタフェース
Claims (10)
- 複数の変数を含む正常データを学習して作成した判定モデルと、前記複数の変数を含む評価対象データとを比較して、前記変数ごとに前記評価対象データと前記判定モデルとの距離を算出し、前記距離の総和を前記評価対象データの異常度として算出するステップと、
前記異常度に基づいて、前記評価対象データが異常か否かを判定するステップと、
前記複数の変数のうちの少なくとも一つについて、前記異常度を低下させるための値の調整方向を算出するステップと、
前記調整方向を出力するステップと、
を有し、
前記調整方向を算出するステップでは、
前記距離が大きい前記変数から順に所定個を選択し、
選択した前記変数について前記距離を減らす方向を前記調整方向として算出し、
前記調整方向を出力するステップでは、
選択した前記変数と、当該変数ごとの前記調整方向を出力する、
異常判定方法。 - 前記変数を所定個選択する際には、制御可能な前記変数を選択する、
請求項1に記載の異常判定方法。 - 前記調整方向は、1つの前記変数について、前記評価対象データに含まれる前記変数の値から、当該変数に最も近い前記判定モデルに含まれる同じ前記変数の値への方向である、
請求項1から請求項2の何れか1項に記載の異常判定方法。 - 前記複数の変数のデータについて正常区間を設定するステップと、
前記正常区間に含まれる前記データを前記正常データとして学習し、前記変数ごとの正常な範囲を規定する前記判定モデルを作成するステップと、
をさらに有する請求項1から請求項3の何れか1項に記載の異常判定方法。 - 前記変数ごとに重み付けを設定して前記距離を算出する、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の異常判定方法。 - 前記異常度を減らす方向に調整した前記変数の値を、所定の機器の動作または所定の作業を模擬するシミュレータに入力して、前記シミュレータに前記動作または前記作業を模擬させるステップと、
前記模擬の結果に基づいて、前記異常度を減らす目的で前記変数を調整するかどうかを評価するステップと、
をさらに有する請求項1から請求項5の何れか1項に記載の異常判定方法。 - 前記判定モデルは、前記正常データに含まれる前記変数の確率密度分布であり、
前記異常度として算出するステップでは、前記評価対象データに含まれる前記変数の確率密度分布と前記正常データに基づく前記変数の確率密度分布との密度比を算出し、
前記調整方向を算出するステップでは、前記評価対象データの確率密度分布と前記正常データの確率密度分布の位置関係に基づいて、前記値の調整方向を算出する、
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の異常判定方法。 - 前記判定モデルは、前記正常データを入力すると前記正常データを出力するよう構築された前記正常データを再現するモデルであり、
前記異常度として算出するステップでは、前記評価対象データを前記判定モデルに入力したときに前記判定モデルが出力するデータが入力した前記評価対象データをどの程度再現しているかを示す再現度を算出し、
前記調整方向を算出するステップでは、前記再現度に基づいて、前記値の調整方向を算出する。
請求項1から請求項7の何れか1項に記載の異常判定方法。 - 複数の変数を含む正常データを学習して作成した判定モデルと、前記複数の変数を含む評価対象データとを比較して、前記変数ごとに前記評価対象データと前記判定モデルとの距離を算出し、前記距離の総和を前記評価対象データの異常度として算出する手段と、
前記異常度に基づいて、前記評価対象データが異常か否かを判定する手段と、
前記複数の変数のうちの少なくとも一つについて、前記異常度を低下させるための値の調整方向を算出する手段と、
前記調整方向を出力する手段と、
を有し、
前記調整方向を算出する手段は、
前記距離が大きい前記変数から順に所定個を選択し、
選択した前記変数について前記距離を減らす方向を前記調整方向として算出し、
前記調整方向を出力する手段は、
選択した前記変数と、当該変数ごとの前記調整方向を出力する、
異常判定システム。 - コンピュータに、
複数の変数を含む正常データを学習して作成した判定モデルと、前記複数の変数を含む評価対象データとを比較して、前記変数ごとに前記評価対象データと前記判定モデルとの距離を算出し、前記距離の総和を前記評価対象データの異常度として算出するステップと、
前記異常度に基づいて、前記評価対象データが異常か否かを判定するステップと、
前記複数の変数のうちの少なくとも一つについて、前記異常度を低下させるための値の調整方向を算出するステップと、
前記調整方向を出力するステップと、
を有し、
前記調整方向を算出するステップでは、
前記距離が大きい前記変数から順に所定個を選択し、
選択した前記変数について前記距離を減らす方向を前記調整方向として算出し、
前記調整方向を出力するステップでは、
選択した前記変数と、当該変数ごとの前記調整方向を出力する処理、
を実行させるプログラム。
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