JP7585564B2 - セラミド含有ニオソームを含む化粧料 - Google Patents
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Description
特許文献1及び2には、セラミドを前記2重膜の構成成分として複合体化して含有するニオソーム及びこのニオソームを含有する化粧料が記載されている。
1.次の(A)~(E)を含むニオソームを含有してなる皮膚外用組成物。
(A)ポリメタクリル酸のカルボキシル基の一部がメトキシジエチレングリコールおよびラウロキシテトラエチレングリコールによりエステル化された構造を有する共重合体
(B)セラミド類
(C)非イオン界面活性剤
(D)多価アルコール
(E)水
2.(A)ポリメタクリル酸のカルボキシル基の一部がメトキシジエチレングリコールおよびラウロキシテトラエチレングリコールによりエステル化された構造を有する共重合体の平均分子量が1,000~1,000,000である、1に記載の皮膚外用組成物。
3.(C)非イオン界面活性剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及び脂肪酸ソルビタンの両方を含むものである1又は2に記載の皮膚外用組成物。
4.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が、ポリオキシエチレン鎖の平均重合度が60~100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油であり、脂肪酸ソルビタンがセスキイソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタンから選ばれる1以上である3に記載の皮膚外用組成物。
5.(D)多価アルコールが、ジプロピレングリコールまたはペンチレングリコールのいずれか又は両方である1~4のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
6.皮膚外用組成物の形態が化粧水である1~5のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
7.ポリメタクリル酸のカルボキシル基の一部がメトキシジエチレングリコールおよびラウロキシテトラエチレングリコールによりエステル化された構造を有する共重合体とセラミド類を二重膜に複合化して含むニオソーム。
8.ポリメタクリル酸のカルボキシル基の一部がメトキシジエチレングリコールおよびラウロキシテトラエチレングリコールによりエステル化された構造を有する共重合体が、ランダム共重合体である7に記載のニオソーム。
9.ポリメタクリル酸のカルボキシル基の一部がメトキシジエチレングリコールおよびラウロキシテトラエチレングリコールによりエステル化された構造を有する共重合体の、メトキシジエチレングリコール(MDEGMA)部およびラウロキシテトラエチレングリコール(LTEGMA)部がポリメタクリル酸のカルボキシル基全体を100%とした場合に各々、50~70%、2~10%である7又は8に記載のニオソーム。
皮膚の温度とpHで崩壊したニオソームから放出されたセラミドは、皮膚角層中で放出されると、角層のラメラ構造に組み込まれて、ラメラ構造の形成を促進するため、皮膚のバリア機能をより強化する。このため、本発明のニオソームを含有する組成物は、従来の技術では困難であった、セラミドによる皮膚バリア機能の強化を達成することが可能となる。
本発明のニオソームは、セラミド類とポリメタクリル酸のカルボキシル基の一部がメトキシジエチレングリコールおよびラウロキシテトラエチレングリコールによりエステル化された構造を有する共重合体を含んでいる。このニオソームは、皮膚の温度とpHで崩壊する。
各含有成分について説明する。
(A)ポリメタクリル酸のカルボキシル基の一部がメトキシジエチレングリコールおよびラウロキシテトラエチレングリコールによりエステル化された構造を有する共重合体
本願明細書では、(A)ポリメタクリル酸のカルボキシル基の一部がメトキシジエチレングリコールおよびラウロキシテトラエチレングリコールによりエステル化された構造を有する共重合体を単に「共重合体」と簡略して記載する。
共重合体は、ポリメタクリル酸のカルボキシル基がメトキシジエチレングリコール(MDEGMA)およびラウロキシテトラエチレングリコール(LTEGMA)によってエステル化された構造を有している。
(化学式1)
本発明において(A)共重合体は、本発明のニオソーム含有組成物中に全量あたり、0.01~10.0質量%、好ましくは0.1~5.0質量%、特に好ましくは0.3~1質量%含有される。
さらにまた、本発明のニオソームを含有する組成物中には、(A)共重合体を(B)セラミド類1質量部に対して、好ましくは0.1~10.0質量部、より好ましくは0.5~5.0質量部含有する。
また共重合体の数平均分子量については特に制限されないが、1,000~1,000,000が好ましく、15,000~40,000がより好ましく、20,000~30,000が特に好ましい。
本発明で用いるセラミド類とは、セラミド、セラミド誘導体、セラミド類似物質である。
セラミドは、人の皮膚(角層)に存在する細胞間脂質の約50%を占めるアミド誘導体である。セラミドとしてはN-アシルスフィンゴシン(セラミド)、N-アシルジヒドロスフィンゴシン(ジヒドロセラミド)、N-アシルフィトスフィンゴシン(フィトセラミド)等が挙げられる。なお前記のスフィンゴシンの化学名は(2S,3R,4E)-2-アミノ-4-オクタデセン-1,3-ジオール、ジヒドロスフィンゴシンの化学名は(2S,3R)-2-アミノオクタデカン-1,3-ジオール、フィトスフィンゴシンの化学名は(2S,3S,4R)-2-アミノ-1,3,4-オクタデカントリオールである。
本発明のニオソームを含有する組成物に含有されるセラミド類としては、皮膚外用剤中でも通常化粧品に使用されるものが好ましく、難溶性のセラミドといわれるものがより好ましい。このようなセラミド類としては、セラミド1~6を例示できる。セラミド類は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。セラミド2又はセラミド3が特に好ましい。
セラミド2の化学名は(2S,3R)-2-オクタデカノイルアミノオクタデカン-1,3-ジオールであり、市販品としては(高砂香料工業株式会社製 Ceramide TIC-001)を用いることができる。 本発明に用いるセラミド3の化学名は2-オクタデカノイルアミノ-1,3,4-オクタデカントリオールであり、市販品としては(DOOSAN社製 DS-CeramideY3S)を用いることができる。
本発明においてのセラミド類は、本発明のニオソームを含有する組成物中に全量あたり、好ましくは0.01~5.0質量%、より好ましくは0.05~1.0質量%、特に好ましくは0.1~0.5質量%含有される。
本発明の組成物において用いる非界面活性剤としては、通常化粧料や外用剤に用いられるものであれば使用可能である。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ラウレス-4、ラウレス-7、ラウレス-9、ラウレス-21、ラウレス-23、セテス-10、セテス-20、ステアレス-2、ステアレス-20、ステアレス-21、セテアレス-25、べへネス-20、べへネス-30、オレス-2、オレス-10)、ポリオキシエチレンステリルエーテル(PEG-5フィトステロール、PEG-10フィトステロール、PEG-30フィトステロール)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(ステアリン酸PEG-25、ステアリン酸PEG-40、ステアリン酸PEG-45、ステアリン酸PEG-55、ステアリン酸PEG-75、ステアリン酸PEG-100、ステアリン酸PEG-150、ジステアリン酸PEG-150)、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル(ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、イソステアリン酸PEG-8グリセリル、イソステアリン酸PEG-20グリセリル、イソステアリン酸PEG-60グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、テトラオレイン酸ソルベス-30、テトラオレイン酸ソルベス-40、テトラオレイン酸ソルベス-60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(PEG-10水添ヒマシ油、PEG-20水添ヒマシ油、PEG-40水添ヒマシ油、PEG-60水添ヒマシ油、PEG-100水添ヒマシ油)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80)、グリコール脂肪酸エステル(ステアリン酸PG、グリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル(SE)、イソステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル)、脂肪酸ソルビタンエステル(ラウリン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、オリーブ油脂肪酸ソルビタン、ヤシ脂肪酸ソルビタン)、ショ糖脂肪酸エステル(ラウリン酸スクロース、パルミチン酸スクロース、ステアリン酸スクロース、ヤシ脂肪酸スクロース)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(ラウリン酸ポリグリセリル-2、ステアリン酸ポリグリセリル-2、オレイン酸ポリグリセリル-2、イソステアリン酸ポリグリセリル-2、イソステアリン酸ポリグリセリル-4、ラウリン酸ポリグリセリル-10、ミリスチン酸ポリグリセリル-10、ステアリン酸ポリグリセリル-10、オレイン酸ポリグリセリル-10、イソステアリン酸ポリグリセリル-10、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6)、脂肪酸アルカノールアミド(コカミドDEA、コカミドMEA、ラウラミドDEA)、アルキルグリコシド((カプリリル/カプリル)グルコシド、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、セテアリルグルコシド、ヤシ油アルキルグルコシド)を例示できる。
本発明においては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と脂肪酸ソルビタンの併用が好ましい。
本発明において用いるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、ポリオキシエチレン鎖の平均重合度が好ましくは60~100であり、より好ましくは80~100であり、特に好ましくは100である。
ポリオキシエチレン鎖の平均重合度が60より小さいと経時安定性が不十分となる場合がある。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は必要に応じて1種または2種を組み合わせて用いることができる。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、市販品(日本サーファクタント工業株式会社製POE(100)硬化ヒマシ油(NIKKOL HCO-100)、日本エマルジョン株式会社製POE(100)硬化ヒマシ油(EMALEX HC-100)、日本サーファクタント工業株式会社製POE(80)硬化ヒマシ油(NIKKOL HCO-80)等)を好ましく用いることができる。
本発明における脂肪酸ソルビタンは、ソルビタン脂肪酸エステルとも呼ばれる。ソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビトールに炭素数8~22の脂肪酸がエステル結合したものを用いることができる。本発明に適したものは、セスキイソステアリン酸ソルビタンまたはセスキオレイン酸ソルビタンまたはオレイン酸ソルビタンであり、好ましくはセスキイソステアリン酸ソルビタンまたはセスキオレイン酸ソルビタンであり、より好ましくはセスキオレイン酸ソルビタンである。セスキイソステアリン酸ソルビタンの市販品としては、NIKKOL SI-15RV(日光ケミカルズ株式会社)やコスモール 182V(日清オイリオグループ株式会社)、セスキオレイン酸ソルビタンの市販品としては、レオドール AO-15V(花王株式会社)やコスモール 82(日清オイリオグループ株式会社)を例示できる。オレイン酸ソルビタンの市販品としてはレオドール AО-10V(花王株式会社)を例示できる。
また、前記の脂肪酸ソルビタンは、必要に応じて1種または2種を組み合わせて用いることができる。
また、本発明のニオソームを含有する組成物中に(C)成分の非イオン性界面活性剤を、(B)セラミド類1質量部に対して、好ましくは0.5~20.0質量部、より好ましくは1~10.0質量部、特に好ましくは(C)2.0~6.0質量部含有する。
本発明のニオソームを含有する組成物は、(D)多価アルコールを含有する。多価アルコールとしては、ジプロピレングリコールまたはペンチレングリコール、あるいはこの両方を含有することが好ましい。多価アルコールの含有量は、ジプロピレングリコールを含有する場合は、セラミド類1質量部に対して20質量部以上とする。ペンチレングリコールを含有する場合は、セラミド類1質量部に対して15質量部以上で含有することが好ましい。両方の多価アルコールを含有する場合は、ジプロピレングリコールとペンチレングリコールの含有量比を求め、これを基準としてセラミド類の含有量が、基準を満たしていることを確認する。ジプロピレングリコール又はペンチレングリコールの含有量が、セラミドに対して上記の量を下回る場合、セラミドの結晶化などが発生する恐れがある。
本発明のニオソームを含有する組成物は、必須成分として水を含有する。水はニオソームを形成する上で重要な成分である。本発明のニオソームを含有する組成物を100質量%としたとき、上記の成分及び(F)の任意成分の合計量の残余量を水の含有量とする。
水の含有量は、ニオソームを含有する組成物中に、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が特に好ましい。本発明のニオソームを含有する組成物中に含まれる水の含有量は、(F)任意成分の含有量で調整可能である。
本発明のニオソームを含有する組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、皮膚外用剤や化粧料に含有される各種成分を含有することができる。本発明のニオソームを含有する組成物には、任意成分として本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料に通常用いられている成分、例えば、有機粉体、水溶性高分子、塩類、pH調整剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、薬効成分、香料等を配合することができる。また、アスコルビン酸誘導体、植物抽出液等の美容成分を配合することができる。
かくして加熱撹拌することによって、セラミド類をニオソーム構造中に含有するニオソームが分散した、本発明のニオソームを含有する組成物を得ることができる。この組成物は常温または低温において、含有するニオソームや、ニオソーム構成成分の分離や、組成物の粘度変化がなく、極めて安定である。
本発明のニオソームを含有する組成物の具体的な形態は、化粧水、乳液、クリームなどの液状の剤型が適する。
ニオソーム複合体の水分散液において、共重合体が親水性を維持できる条件下では、共重合体は、ニオソームに担持された状態で水中に安定して存在する。この水分散液の温度、および/またはpHの変化に伴って共重合体が疎水性になると、水中で共重合体は凝集し疎水性グロビュールとなる。ニオソーム複合体において、共重合体はニオソームに担持されているため、共重合体のこの立体構造変化は、ニオソームの2重膜の表面近傍で起こる。疎水性である共重合体の凝集物であるグロビュールは非イオン性界面活性剤2重膜の親油性部分に入り込み、2重膜が破壊される。
共重合体とセラミド類を非イオン性界面活性剤の2重膜に複合化して含むニオソーム中には、(A)共重合体、(B)セラミド類、(C)非イオン性界面活性剤の含有比率が、(A)共重合体量の質量を1としたとき、(B)セラミド類を好ましくは0.01~3、より好ましくは0.04~2、特に好ましくは0.1~1、(C)非イオン性界面活性剤を好ましくは0.5~10、より好ましくは1~6、特に好ましくは2~4の比率になるように含有する。
<試験例1:共重合体の合成>
1.共重合体の合成
共重合体の合成は、特許文献3に記載の方法によって合成した。なお反応過程の模式図を図1に示した。すなわち、メトキシジエチレングリコールメタクリレート(MD)64.1g、メタクリレート(MAA)21.6g、ラウロキシテトラエチレングリコールメタクリレート(LT)14.4gおよびペルオキシジ炭酸ジプロピル1.94gを窒素雰囲気下で蒸留イソプロパノール(100g)に滴下して60℃で2時間静置した。窒素雰囲気下で溶液を80℃に昇温し、1時間反応させた。共重合体を凍結乾燥により回収した。共重合体収量は99.8g(97.8%)であった。.
得られた共重合体の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および多分散指数(Mw/Mn)はTHFを移動相としたGPCにより決定した。ポリマーの組成をプロトンNMRにより決定した。
共重合体は、MD、MAAおよびLTのラジカル共重合により合成されるため、カルボキシ基、オリゴエチレングリコール基、疎水性基を有している。これら官能基の組成と分子量に関しては各々NMRとGPCにより評価し、その結果を下記表1に示す。
この結果、共重合体中のMD、MAAおよびLTの官能基比はモノマーの添加量によって、おおよそ制御できた。また、得られた共重合体の数平均分子量は22,000程度であった。また共重合体の、多分散度はラジカル重合であるため、2.7と比較的高い値を示した。また共重合体の分子量は、反応時間を調整することで制御できるものと考えられる。
以下の試験には、この共重合体を用いた。
試験例1で調製した共重合体を用いて本発明のニオソームを含有する組成物(実施例1)及び共重合体を含有しないニオソームを含有する組成物(比較例1)を調製した。それぞれの組成は下記表2に示す。
組成物の調製は常法による。
pH6.5に調整した実施例1及び比較例1の粒子径を、動的光散乱により測定したところ、いずれの組成物も単峰性の粒径分布を示した。この結果から、共重合体の有無に関わらず、セスキオレイン酸ソルビタンおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含む組成物は、安定な曲率を有するニオソームを自発的に形成していることが明らかになった。また、得られた組成物はいずれも安定な溶液であった。
1.試験方法
pH6.5に調整した実施例1および比較例1の経時安定性を一ヶ月間、5、25、40、50℃に設定した恒温槽に保存することで評価した。所定時間経過後に、動的光散乱法により形成した種々のニオソームの平均粒径を測定し、粒径の変化を安定性の指標とした。
粒径の測定結果を図3に示す。
pH6.5に調整した実施例1および、比較例1のいずれも、どの温度帯においても単峰性の粒径分布測定結果を示し、温度安定性を有していることが分かった。試験試料の調製条件であるpH6.5 は、弱酸性化粧水を想定したものである。すなわちpH6.5の化粧料の場合、非イオン性界面活性剤として、セスキオレイン酸ソルビタンおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含むニオソームは安定であることが確認できた。
1.試験方法
実施例1の組成物をヒト皮膚表面の示すpH条件であるpH5.0に調整した溶液、同じくpH5.0に調整した比較例1の組成を持つ溶液、それぞれ5、25、40℃に設定した恒温槽に8時間保存した。保存後、動的光散乱による粒径測定および顕微鏡観察を行った。粒径及び顕微鏡観察における外観の変化からpHおよび温度に対する応答性を評価した。
なお実施例1の組成物及び比較例1の組成物をpHのみを6.5に調整したものを、比較のため25℃で8時間保存した。
顕微鏡観察では、このpH6.5、40℃で8時間保存した実施例1の組成物も観察した。
粒径の測定結果を図3に示す。
また顕微鏡観察による画像を図4及び図5に示す。
比較例の組成物の平均粒径は、pH及び温度に関わらず変化しなかった。この結果は、比較例の組成物に含有されるニオソーム、すなわちニオソームに共重合体を含まないものが皮膚のpHであるpH5.0の条件にした場合、および温度40℃にした場合も、条件変化に応答しなかったことを示している。
一方実施例1の組成物は、pH5.0において温度が25℃に上昇すると、やや粒径が増大し、40℃に上昇すると著しい粒径の増大を示した。すなわち実施例1のニオソームは、皮膚表面の温度及びpHにおいて、ニオソームが不安定化して、構造変化を起こしていると考えられる。
pH6.5の条件では、実施例1の組成物に含まれるニオソームは、均一な球状の形態を維持している(図4)これを拡大してみても均一な球状のベシクルが観察される(図4中の拡大画像を参照)。
一方で、pH5.0の条件では、ニオソーム粒子が膨張し、セラミド結晶の放出が確認された(図5)。
1.試験方法
pH5.0の条件で、5℃、25℃、40℃の恒温槽保存条件下で実施例1、比較例1のニオソームを含有する組成物を保存し、8時間経過後、各々の組成物を孔径0.45μmのメンブレンフィルターによりろ過し、放出されて結晶化したセラミドを除去した。ろ液中のセラミド濃度を、HPLCを用いて測定した。セラミドの測定は、液体クロマト用カラム(CAPCELLPAK MGIII:大阪ソーダ社製)を用いて常法により定量した。
ニオソームからのセラミド放出量測定試験結果(ろ過液のセラミド量測定結果)を図6に示す。図6に示す通り、組成物のろ過液中のセラミド量が明らかに減少している。これは、ニオソーム状態のセラミドが減少していることを表している。すなわち、実施例1のニオソームは、pH5.0の条件で、温度依存的に、セラミドを放出する。温度が25℃に上昇すると放出量が増加し、40℃でその効果は最大となった。
この試験結果から実施例1の組成物は、皮膚のpH条件では、温度依存性にセラミドを放出することが明らかとなった。
1.試験方法
被験者3名に1週間の間、実施例1の組成物及び比較例1の組成物を、それぞれ右前腕内側部(実施例1の組成物)、左前腕内側(比較例1の組成物)に、1日2回塗布して評価した。
評価にあたっては、連用前後における角層ラメラを定量することで効果を確認した。
なお角層ラメラの定量は、連用開始前、後において、テープストリッピング法により角層を採取し、マイクロスコープを用いる画像解析法によって行った。すなわち角層細胞の面積に対するラメラの面積を、ラメラ率として算出した。このラメラ面積の変化(増加)がラメラ形成効果を表している。
ラメラ率の測定結果を図7に示す。
なお、測定結果は3名のラメラ率の平均値及び標準偏差値である。図7に示す通り、実施例1はラメラ率が顕著に増加した。一方、比較例1は、セラミドを実施例と同様に高含有しているにも関わらずラメラ形成がほとんど促進されなかった。
1.試験方法
試験例5と同様に、被験者3名に実施例1の組成物及び比較例1の組成物を、それぞれ右前腕内側部(実施例1の組成物)、左前腕内側(比較例1の組成物)に塗布して評価した。
皮膚の保湿効果は、水分量計を用いて測定することで評価した。測定は、塗布後に塗布部のコンダクタンスを30分、1時間、2時間、3時間、4時間後測定し、塗布前に対するコンダクタンス値の増加を皮膚保湿効果とした。
使用前のコンダクタンス値から増加したコンダクタンス値(μS)を測定時間をX軸としてプロットしたグラフを図8に示す。なお測定結果は3名のコンダクタンス変化の平均値と標準偏差である。
塗布後30分までは、実施例1、比較例1の組成物には、大きな差は認められなかったが1時間経過後から、比較例1の組成物はコンダクタンス値が時間経過とともに大きく減少した。一方本発明のニオソームを含有する組成物を塗布した場合は、コンダクタンスの低下が緩やかであった。すなわち本発明の実施例1は、保湿性を長時間維持できた。
実施例2~7について、実施例1と同様に調製し、試験(安定性と、pHと温度に対する応答性)を行った。
実施例1と同等の試験結果が得られた。以下表3にその組成と結果を示す。安定性及びpHと温度に対する応答性評価の欄が「〇」の表記は、実施例1と同等であることを示している。
Claims (6)
- 次の(A)~(F)を含むニオソームを含有してなる皮膚外用組成物。
(A)ポリメタクリル酸のカルボキシル基の一部がメトキシジエチレングリコールおよびラウロキシテトラエチレングリコールによりエステル化された構造を有し、平均分子量が1,000~1,000,000である共重合体であり、含有量が(B)1質量部に対して0.1~10.0質量部
(B)セラミド2又は3を含むセラミド
(C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及び脂肪酸ソルビタンを含み、かつ、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を1としたとき、脂肪酸ソルビタンを質量比0.4~16で含む非イオン界面活性剤であり、含有量が(B)1質量部に対して0.5~20.0質量部
(D)ジプロピレングリコール及び/又はペンチレングリコールを含み、
ペンチレングリコールを含まずにジプロピレングリコールを含有する場合は、(B)1質量部に対してジプロピレングリコールを20質量部以上、
ジプロピレングリコールを含まずにペンチレングリコールを含有する場合は、(B)1質量部に対してペンチレングリコールを15質量部以上、
(E)水
(F)pH調整剤 - ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が、ポリオキシエチレン鎖の平均重合度が60~100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油であり、脂肪酸ソルビタンがセスキイソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタンから選ばれる1以上である請求項1に記載の皮膚外用組成物。
- 皮膚外用組成物の形態が化粧水である請求項1又は2に記載の皮膚外用組成物。
- ポリメタクリル酸のカルボキシル基の一部がメトキシジエチレングリコールおよびラウロキシテトラエチレングリコールによりエステル化された構造を有する共重合体とセラミド類を二重膜に複合化してなるニオソーム。
- ポリメタクリル酸のカルボキシル基の一部がメトキシジエチレングリコールおよびラウロキシテトラエチレングリコールによりエステル化された構造を有する共重合体が、ランダム共重合体である請求項4に記載のニオソーム。
- ポリメタクリル酸のカルボキシル基の一部がメトキシジエチレングリコールおよびラウロキシテトラエチレングリコールによりエステル化された構造を有する共重合体の、メトキシジエチレングリコール(MDEGMA)部およびラウロキシテトラエチレングリコール(LTEGMA)部がポリメタクリル酸のカルボキシル基全体を100%とした場合に各々、50~70%、2~10%である請求項5に記載のニオソーム。
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| JP2020159814A JP7585564B2 (ja) | 2020-09-24 | 2020-09-24 | セラミド含有ニオソームを含む化粧料 |
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