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JP7585566B2 - 保護カバー及び保護カバーの製造方法 - Google Patents
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JP7585566B2 - 保護カバー及び保護カバーの製造方法 - Google Patents

保護カバー及び保護カバーの製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、保護カバー及び保護カバーの製造方法に関する。
ベローズ(蛇腹)は、伸縮性が要求される保護カバー、継手、ポンプ等に広く用いられている。近年、ベローズの材料としては、熱安定性、耐薬品性、非粘着性、潤滑性等の観点から、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂が採用されている。
このようなフッ素樹脂ベローズの製造方法としては、切削加工の他に、作業性、精度等の向上を目的として屈曲成型が提案されている(特許文献1参照)。
特開昭57-188320号公報
本開示の一態様に係る保護カバーは、伸縮自在な筒状の保護カバーであって、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体を主成分とし、伸長状態で配置され、かつ軸線方向に圧縮可能な蛇腹部を備えており、上記蛇腹部が上記軸線方向に交互に連続する山部及び谷部を有し、上記谷部の底部の平均厚さH1が上記山部の頂部の平均厚さH2よりも大きく、上記谷部の底部の平均厚さH1に対する上記山部の頂部の平均厚さH2の比率H2/H1が、0.05以上1.0以下である。
本開示の別の一態様に係る保護カバーの製造方法は、伸縮自在な筒状の保護カバーを製造する方法であって、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体を主成分とする樹脂組成物を蛇腹状にブロー成形する工程を備え、上記ブロー成形する工程後に形成された蛇腹部が軸線方向に交互に連続する山部及び谷部を有し、上記谷部の底部の平均厚さH1が上記山部の頂部の平均厚さH2よりも大きく、上記谷部の底部の平均厚さH1に対する上記山部の頂部の平均厚さH2の比率H2/H1が、0.05以上1.0以下である。
図1は、本開示の一実施形態に係る保護カバーを示す模式的正面図である。 図2は、本開示の一実施形態に係る保護カバーを示す模式的側面図である。 図3は、本開示の一実施形態に係る保護カバーを示す図2のA-A線に沿う模式的断面図である。 図4は、本開示の一実施形態に係る保護カバーの山部及び谷部を示す模式的部分断面図である。 図5は、実施例における圧縮比率と最大圧縮応力との関係を示すグラフである。 図6は、一部の実施例における圧縮比率と最大圧縮応力との関係を示すグラフである。
[発明が解決しようとする課題]
上記従来技術の場合、ベローズが収縮した状態を定寸とするため、ベローズの保持状態が伸長状態となる用途においては保持(伸長)中に反発応力が発生しやすくなる。そのため、長期間の使用によりベローズ自体に応力がかかり続けた状態となることで疲労が蓄積したり、伸びクリープが発生したりして、性能の劣化が生じるおそれがある。さらに、ベローズを保護カバーとして使用した場合、保護カバーに収納される部材に対しても上記反発応力が働くことで、負荷をかけてしまうおそれがある。
本開示は、このような事情に基づいてなされたものであり、圧縮応力の低減効果に優れ、耐久性を向上できる保護カバーの提供を目的とする。
[本開示の効果]
本開示の保護カバーは圧縮応力の低減効果に優れ、耐久性を向上できる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の一態様に係る保護カバーは、伸縮自在な筒状の保護カバーであって、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体を主成分とし、伸長状態で配置され、かつ軸線方向に圧縮可能な蛇腹部を備えており、上記蛇腹部が上記軸線方向に交互に連続する山部及び谷部を有し、上記谷部の底部の平均厚さH1が上記山部の頂部の平均厚さH2よりも大きく、上記谷部の底部の平均厚さH1に対する上記山部の頂部の平均厚さH2の比率H2/H1が、0.05以上1.0以下である。
当該保護カバーは、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体を主成分とし、上記谷部の底部の平均厚さH1に対する上記山部の頂部の平均厚さH2の比率H2/H1が、0.05以上1.0以下であることで、圧縮応力の低減効果に優れ、当該保護カバーの負荷が低減される。当該保護カバーは、圧縮性が優れるので、当該保護カバーの変位量を向上できる。さらに、上記谷部の底部の平均厚さH1が上記山部の頂部の平均厚さH2よりも大きいことで、圧縮時の形状の変形を抑制できるので、伸縮性を向上できる。また、上記蛇腹部が伸長状態で配置されているので、反発応力の発生が抑制され、性能の劣化に対する抑制効果を向上できる。従って、伸縮が繰り返される状態においても過剰な負荷がかからず、当該保護カバーの耐久性を向上できる。
上記蛇腹部の軸線方向の長さ[mm]に対する平均圧縮量[mm]の比率である圧縮比率0.6における最大圧縮応力[MPa]が、30MPa以上70MPa以下であることが好ましい。上記軸線方向の長さに対する平均圧縮量の比率が0.6における最大圧縮応力が上記範囲であることで、圧縮応力の低減効果がより高められるので、当該保護カバーの負荷をより低減できる。
上記圧縮比率を横軸にとり、上記最大圧縮応力を縦軸にとったグラフにおいて、上記圧縮比率が0.55以下の範囲に上記グラフの勾配が急増する変曲点が存在しないことが好ましい。上記グラフにおいて、上記圧縮比率が0.55以下の範囲に上記グラフの勾配が急増する変曲点が存在しないことで、圧縮応力の低減効果がより高められるので、当該保護カバーの負荷をより低減できる。
本開示の別の一態様に係る保護カバーの製造方法は、伸縮自在な筒状の保護カバーを製造する方法であって、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体を主成分とする樹脂組成物を蛇腹状にブロー成形する工程を備え、上記ブロー成形する工程後に形成された蛇腹部が軸線方向に交互に連続する山部及び谷部を有し、上記谷部の底部の平均厚さH1が上記山部の頂部の平均厚さH2よりも大きく、上記谷部の底部の平均厚さH1に対する上記山部の頂部の平均厚さH2の比率H2/H1が、0.05以上1.0以下である。
当該保護カバーの製造方法は、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体を主成分とする樹脂組成物を蛇腹状にブロー成形する工程を備えているので、伸長状態の保護カバーを容易かつ確実に製造できる。特に、半導体製造装置のような伸縮、回転等の複数の動きを有する保護対象に対しても、追従可能な保護カバーを一体成型できるので、部品点数を少なくできる。また、上記ブロー成形する工程後に形成された蛇腹部における谷部の底部の平均厚さH1が山部の頂部の平均厚さH2よりも大きく、上記谷部の底部の平均厚さに対する上記山部の頂部の平均厚さの比率が、0.05以上1以下であるので、圧縮応力の低減効果及び圧縮性が優れ、耐久性を向上できる保護カバーを得ることができる。
本開示において、「主成分」とは、最も含有量の多い成分であり、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。「圧縮量」とは、軸線方向に圧縮された厚さをいう。「平均圧縮量」とは、試験品10点において測定した圧縮量の平均値をいう。「平均厚さ」とは、任意の10点において測定した厚さ(肉厚)の平均値をいう。「圧縮応力」とは、単位面積当たりの圧縮応力をいい、JIS-K7181(2011)「プラスチック-圧縮特性の求め方」に準拠して測定される。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の好適な実施形態について、以下に図面を参照しつつ説明する。
<保護カバー>
当該保護カバーは、保護対象の伸縮部材の損傷、破損、劣化等を抑制するための保護カバーであり、保護対象の伸縮部材が当該保護カバーの中に収容される。換言すれば、当該保護カバーは、保護対象の伸縮部材を覆うように設けられる。図1は当該保護カバーにおける模式的正面図であり、図2は模式的側面図であり、図3は図2のA-A線に沿う模式的断面図である。図1~図3に示すように、当該保護カバー1は、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体を主成分とする伸縮自在な筒状の保護カバーである。当該保護カバー1は、図2に示すように筒状であり、中空形状に形成されている。当該保護カバー1は、伸長状態で配置され、かつ軸線方向に圧縮可能な蛇腹部2を有する。従って、当該保護カバー1は、保護対象の伸縮部材の動作に応じて伸縮することができる。当該保護カバー1は、蛇腹部2の両端には基部4が連続して形成されている。なお、図1のLは、軸線方向の長さ、すなわち、蛇腹部2の長さを示す。
当該保護カバー1においては、蛇腹部2が当該保護カバー1の軸線方向に交互に連続する山部22及び谷部21を有する。蛇腹部2は、径が小さい谷部21と、谷部21よりも径の大きい山部22とを軸方向に交互に連続させることにより形成される。図4は、当該保護カバー1の山部22及び谷部21を示す模式的部分断面図である。図4に示すように、山部22の外周には頂部26を有し、谷部21の外周には底部25を有し、頂部26及び底部25は斜面により連続的に形成されている。なお、本開示においては、谷部21の底部25の平均厚さをH1で表し、山部22の頂部26の平均厚さをH2で表す。
蛇腹部2の両端に連続して形成される基部4と保護対象の伸縮部材とを密着させることで、保護対象の伸縮部材に対して、外部からの薬液、溶剤、塵埃等の付着、異物の侵入等を抑制できるという効果を奏する。なお、基部4の構造は特に限定されず、保護対象の伸縮部材の構造に応じて設計することができる。基部4が保護対象に固定するための締付部材としての機能を有していてもよい。また、当該保護カバー1は基部4を有していなくてもよい。さらに、当該保護カバー1は保護対象の伸縮部材に装着するための係合部材等と組み合わせて使用してもよい。
当該保護カバー1の保護対象としては特に限定されないが、例えば油圧、空気圧、水圧、電動等によって伸縮駆動する動力シリンダー、ピストンバルブ等の弁部材、往復運動が行われる洗浄装置のピストン部などが挙げられる。当該保護カバー1は、蛇腹部2を有することで、これら保護対象の伸縮運動や往復運動等による様々な作動角における動きに追随して伸縮することができる。
当該保護カバーはエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体を主成分とするブロー成型品である。上記エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)は、エチレン(C)とテトラフルオロエチレン(C)とが重合したフッ素樹脂である。当該保護カバーはエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体を主成分とすることで、一体成型が可能であるとともに、圧縮性が優れる。従って、当該保護カバーは圧縮応力の低減効果に優れ、耐久性を向上できる。さらに、耐腐食性及び耐薬品性を有する。
当該保護カバー1の平均厚さの下限としては、0.05mmであり、0.075mmが好ましく、0.1mmがより好ましい。一方、上記平均厚さの上限としては、10mmであり、5mmが好ましく、1mmがより好ましい。当該保護カバー1の平均厚さが上記下限以上であることで、当該保護カバー1の強度を良好にできる。一方、当該保護カバー1の平均厚さが上記上限以下であることで、圧縮応力の低減効果に優れる。
当該保護カバー1においては、谷部21の底部25の平均厚さH1が山部22の頂部26の平均厚さH2よりも大きい。上記谷部の底部の平均厚さH1が上記山部の頂部の平均厚さH2よりも大きいことで、圧縮時の形状の変形を抑制できるので、伸縮性を向上できる。
上記谷部21の底部25の平均厚さH1に対する上記山部22の頂部26の平均厚さH2の比率H2/H1の下限としては、0.05であり、0.2が好ましい。一方、上記谷部21の底部25の平均厚さH1に対する上記山部22の頂部26の平均厚さH2の比率H2/H1の上限としては、1であり、0.6が好ましい。上記比率H2/H1が上記下限未満の場合、上記山部の厚み不足による座屈や破損のおそれがある。一方、上記比率H2/H1が上記上限を超える場合、圧縮応力が大きくなりすぎて保護カバーの負荷が増大するおそれがある。
上記蛇腹部の軸線方向の長さL[mm]の下限としては、50mmが好ましく、100mmがより好ましい。一方、上記蛇腹部の軸線方向の長さLの上限としては、1000mmが好ましく、500mmがより好ましい。上記軸線方向の長さLが上記範囲であることで、上記蛇腹部の谷山をより適切に成形しやすくなる。
上記蛇腹部の軸線方向の長さ[mm]に対する平均圧縮量[mm]の比率が0.6における最大圧縮応力の下限としては、30MPaが好ましく、40MPaがより好ましい。一方、上記最大圧縮応力の上限としては、70MPaが好ましく、60MPaがより好ましい。上記最大圧縮応力が上記下限未満の場合、当該保護カバー1の強度が十分でないおそれがあるとともに、座屈が生じやすく。一方、上記最大圧縮応力が上記上限を超える場合、当該保護カバー1の負荷が高くなり過ぎることにより、耐久性及び変位量が十分に得られないおそれがある。
上記圧縮比率を横軸にとり、上記最大圧縮応力を縦軸にとったグラフにおいて、上記グラフの勾配が急増する変曲点が存在しない圧縮比率の範囲としては、0.55以下が好ましく、0.65以下がより好ましい。上記圧縮比率の範囲において上記グラフの勾配が急増する変曲点が存在しないことで、圧縮応力の低減効果がより高められるので、当該保護カバーの負荷をより低減できる。
保護カバーにおけるエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体の含有量の下限としては、50質量%が好ましく、75質量%がより好ましく、98質量%がさらに好ましく、100質量%、つまり、成型後の成型体がエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体のみであることが特に好ましい。上記エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体の含有量が上記下限より小さい場合、当該保護カバーの当該保護カバーの適切な成形が不十分となるおそれがある。
なお、当該保護カバーの樹脂成分としては、本発明の効果を損なわない範囲において、上記エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体以外の他の共重合性モノマーに由来する重合単位を含んでいてもよい。例えばパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロピレン、(パーフルオロアルキル)エチレン、クロロトリフルオロエチレン等の共重合性モノマーの重合単位を含んでいてもよい。上記他の共重合性モノマーに由来する重合単位の含有割合の上限としては、上記エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体を構成する全重合単位に対して、例えば3モル%である。
保護カバーは、本開示の目的を損なわない限りにおいて、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体以外の他の成分を含有してもよい。
(摺動剤)
摺動剤を添加することで、摩擦係数を低下させ摺動性が向上する。摺動剤としては、潤滑油(機械油)等の油類、固体潤滑剤のいずれも含まれる。摺動剤の配合量としては、樹脂100質量部に対し1質量部~10質量部の範囲が好ましい。
上記潤滑油としては、スピンドル油、冷凍機油、ダイナモ油、タービン油、マシン油、シリンダー油、ギヤ油等のパラフィン系、ナフテン系鉱油や、グリース、炭化水素、エステル、ポリグリコール、ポリフェニレンエーテル、シリコーン、ハロカーボン系の合成油等を挙げることができる。
上記固体潤滑剤としては、ポリテトラフルオロエチレン粒子、二硫化モリブデン、グラファイト、シリコーンゴム、ポリエチレン等を挙げることができる。ポリエチレンとしては、分子量が200万以上で、粒子径が3μm~40μm程度の超高分子量ポリエチレンが好ましい。
(強化材)
強化材を添加することで、機械的強度や耐クリープ性等を向上することができる。強化材としては、ガラスファイバー(ガラス繊維)や球状ガラス等のガラスフィラー、炭素繊維、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、塩基性硫酸マグネシウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ等の無機系ウィスカ、モンモリロナイト、合成スメクタイト等の無機充填剤を挙げることができる。強化材の配合量としては、樹脂100質量部に対し、5質量部~100質量部が好ましい。
一般に、無機充填剤としては、短繊維状の充填剤が最も弾性率を高める効果が大きいが、平均繊維長が1mm~3mm程度のチョップドストランドのガラスファイバーが好ましい。また、ガラスファイバーは、ガラスからなるので成型体の透明性を高めることができる。さらに、ガラスファイバーが、表面処理剤で表面処理されている場合は、ポリオレフィン系樹脂とガラスファイバーとの親和性が高まり透明性がさらに向上する。
上記表面処理剤としては、アミノ基、グリシジル基、メルカプト基、ビニル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基を有するアルキル鎖をもったシランカップリング剤、チタンカップリング剤が例示される。又、表面処理剤と反応する官能基を有する架橋助剤としては、アミノ基、グリシジル基、ヒドロキシル基、イソシアネート基、カルボキシル基、カルボジイミド基を有するものが例示される。
(酸化防止剤)
酸化防止剤を添加することで、安定性を向上できる。酸化防止剤の配合量としては、樹脂100質量部に対し0.0005質量部~0.5質量部が好ましく、0.001質量部~0.1質量部がより好ましい。
酸化防止剤としては、例えば2,2’-メチレン-ビス[6-(1-メチルシクロヘキシル-p-クレゾール)]、2,2’-メチレン-ビス(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノールl)、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)及び2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾールからなる群より選ばれる1種又は2種以上の組合せが挙げられる。
(架橋助剤)
架橋助剤は、電離放射線照射による樹脂の架橋を促進するために配合される。架橋助剤の配合量としては、架橋助剤の種類により変動するが、通常、樹脂100質量部に対して、1質量部~20質量部が好ましく、2質量部~15質量部がより好ましい。
架橋助剤としては、例えばp-キノンジオキシム、p,p’-ジベンゾイルキノンジオキシム等のオキシム類;エチレンジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アクリル酸/酸化亜鉛混合物、アリルメタクリレート、トリメタクリルイソシアヌレート(以下、TMICともいう。)等のアクリレート又はメタクリレート類;ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニルピリジン等のビニルモノマー類;ヘキサメチレンジアリルナジイミド、ジアリルイタコネート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(以下、TAICともいう。)等のアリル化合物類;N,N’-m-フェニレンビスマレイミド、N,N’-(4,4’-メチレンジフェニレン)ジマレイミド等のマレイミド化合物類等が挙げられる。これらの架橋助剤は単独で用いてもよいし、組み合わせて使用することもできる。
(多官能性モノマー)
多官能性モノマーとは、分子量が1000以下であり、炭素-炭素二重結合を分子内に少なくとも2つ以上有しているモノマーである。多官能性モノマーの分子量が1000以下であることにより、透明性を維持しながら耐熱性に優れた成形体が得られ、これらの特性を両立できる。また、分子量が1000以下であることで、樹脂との混練を容易に実施できる程度の粘度を有し、多官能性モノマー自体の着色が少ないものが多い点でも好ましい。
上記多官能性モノマーとしては、例えば1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート等を挙げることができる。中でも、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記多官能性モノマーとしては、市販品の多官能性モノマーを使用することもできる。ただし、市販品の多官能性モノマーには、安定剤等が本開示の効果に影響を与える程度に含まれている場合があるので、使用前には本開示の効果についての簡易な予備試験等を行い、本開示の効果に影響を与えないことを確認することが好ましい。上記多官能性モノマーとしては、安定剤の配合量が1000ppm以下のものが通常用いられ、本開示の効果への影響を防ぐためには、配合量が少ないものほど好ましい。
多官能性モノマーの配合量としては、樹脂の100質量部に対し、0.05質量部以上、20質量部以下が好ましい。0.05質量部未満では樹脂の照射架橋効率が低くなり、十分な耐熱性、耐光安定性が得られないおそれがある。一方、20質量部を超えると、混練時の取り扱いが困難となり、成形品より添加剤がブリードアウトするおそれがある。また、添加剤自体の自己重合により透明性が低下するおそれがある。
上記成分以外にも、本開示の目的を損なわない限りにおいて添加することができる他の成分としては、例えば紫外線吸収剤、耐候性安定剤、銅害防止剤、難燃剤、着色剤等を挙げることができる。
当該保護カバーによれば、圧縮応力の低減効果に優れ、当該保護カバーの負荷が低減される。さらに、圧縮性が優れるので、当該保護カバーの変位量を向上できる。また、上記蛇腹部が伸長状態で配置されているので、反発応力の発生が抑制され、性能の劣化に対する抑制効果を向上できる。従って、伸縮が繰り返される状態においても過剰な負荷がかからず、当該保護カバーの耐久性を向上できる。
<保護カバーの製造方法>
当該保護カバーの製造方法は、伸縮自在な筒状の保護カバーを製造する方法であって、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体を主成分とする樹脂組成物を蛇腹状にブロー成形する工程を備える。また、当該保護カバーの製造方法は、電子線を照射する工程をさらに備えていてもよい。
(ブロー成型する工程)
ブロー成型する工程では、上述のようにエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体を主成分とする樹脂組成物をエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体を主成分とする樹脂組成物を蛇腹状にブロー成形する。当該保護カバーの製造方法は、ブロー成型する工程を備えているので、伸長状態の保護カバーを容易かつ確実に製造できる。特に、保護対象の伸縮部材である半導体製造装置のように、伸縮、回転等の複数の動きに追従可能な保護カバーを一体成型できるので、部品点数を少なくできる。また、当該保護カバーの製造方法ではエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体を主成分として用いるので、圧縮応力の低減効果に優れ、耐久性を向上できる保護カバーを製造できる。
(電子線を照射する工程)
電子線を照射する工程では、上述のようにブロー成型する工程で得られた成型体に対して電子線を照射する。
電子線は上記成型体を構成するエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体に照射される。この電子線の照射によりエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体の架橋が進み、得られる保護カバーの耐熱性、形状記憶効果、耐薬品性、耐クリープ性及び耐摩耗性を高めることができる。
電子線を照射する工程の雰囲気温度としては、常温以上融点以下とすることができる。従って、当該保護カバーの製造方法の製造効率をより高めることができる。
また、上記電子線を照射する工程においては、大気中で電子線の照射を行うこともできる。従って、雰囲気を調整する設備やエネルギーを必要としないため、より製造効率を高めることができる。
電子線を照射する工程での電子線の照射線量の下限としては、220kGyが好ましく、240kGyがより好ましい。一方、上記電子線の照射線量の上限としては、特に限定されないが、480kGyが好ましい。上記電子線の照射線量が上記下限未満であると、得られる保護カバーの耐クリープ性及び耐摩耗性が十分に向上しないおそれがある。一方、上記電子線の照射線量が上記上限を超えると、電子線照射の費用対効果が十分得られないおそれがある。
また、上述のように、上記ブロー成形する工程後に形成された蛇腹部は軸線方向に交互に連続する山部及び谷部を有し、上記谷部の底部の平均厚さH1が上記山部の頂部の平均厚さH2よりも大きい。従って、圧縮時の形状の変形を抑制できるので、伸縮性を向上できる。
また、上記谷部の底部の平均厚さH1に対する上記山部の頂部の平均厚さH2の比率H2/H1が、0.05以上1以下である。従って、圧縮応力の低減効果及び圧縮性が優れ、耐久性を向上できる保護カバーを得ることができる。
当該保護カバーの製造方法によれば、伸長状態の保護カバーを容易かつ確実に製造できる。また、伸縮運動、往復運動等の複数の動きを有する保護対象に対しても、様々な動きに追随して伸縮することができる複雑な構造の保護カバーを一体成型できるので、部品点数を少なくできる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以下、実施例によって本開示をさらに詳細に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
[蛇腹部No.1~No.10]
No.1~No.10の蛇腹部として、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)からなる樹脂組成物によるブロー成形品を試験品とした。No.1~No.6、No.9及びNo.10の蛇腹部は、12個の山部及び11個の谷部を有し、軸線方向の長さが111mmであった。No.7の蛇腹部は、12個の山部及び11個の谷部を有し、軸線方向の長さが3.33mmであった。No.8の蛇腹部は、12個の山部及び11個の谷部を有し、軸線方向の長さが1332mmであった。また、No.5の蛇腹部は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる樹脂組成物によるブロー成形品を試験品とした。表1に、蛇腹部の長さL、谷部の底部の平均厚さH1、山部の頂部の平均厚さH2、平均厚さH1に対する平均厚さH2の比率H2/H1を示す。
[評価]
(圧縮比率が0.6における最大圧縮応力)
得られたNo.1~No.10の蛇腹部について、軸線方向の長さに対する平均圧縮量と最大圧縮応力との関係を、シミュレーションにより求めた。表2に、No.1~No.10の蛇腹部における軸線方向の長さに対する平均圧縮量と最大圧縮応力との関係について具体的なデータを示す。表1に、No.1~No.10の蛇腹部における上記蛇腹部の軸線方向の長さ[mm]に対する平均圧縮量[mm]の比率である圧縮比率0.6における最大圧縮応力[MPa]を示す。図5に、横軸にNo.1~No.10における圧縮比率をとり、縦軸にこれらの最大圧縮応力をとった場合の関係を示すグラフを示す。図5に示すグラフのうち、No.1及びNo.9における圧縮比率と最大圧縮応力との関係を示すグラフを図6に示す。
(上記圧縮比率を横軸にとり、上記最大圧縮応力を縦軸にとったグラフの変曲点)
No.1~No.10における圧縮比率と最大圧縮応力との関係を示す図5のグラフから、勾配が急増する変曲点が見られる圧縮比率を評価した。図5のグラフに示されたNo.1~No.10の変曲点の圧縮比率を表1に示す。
Figure 0007585566000001
Figure 0007585566000002
表1、表2及び図5の結果から、ETFEを主成分とし、蛇腹部における谷部の底部の平均厚さH1が上記山部の頂部の平均厚さH2よりも大きく、上記谷部の底部の平均厚さH1に対する上記山部の頂部の平均厚さH2の比率H2/H1が0.05以上1.0以下であるNo.1~No.3、No.7及びNo.8は、圧縮比率を高くしても、最大圧縮応力の著しい増加を示さず、圧縮応力の低減効果に優れ、伸縮性を向上できることが示された。また、No.1~No.3、No.7及びNo.8における圧縮比率が0.6における最大圧縮応力の評価では、全て30MPa以上70MPaの範囲であった。さらに、図5のグラフに示すように、No.1~No.3、No.7及びNo.8は、圧縮比率が0.55以下の範囲に上記グラフの勾配が急増する変曲点が見られなかった。このことから、No.1~No.3、No.7及びNo.8は、保護カバーの負荷が低減されるので、耐久性を向上できると考えられる。
一方、谷部の底部の平均厚さH1が山部の頂部の平均厚さH2と同じか、又は谷部の底部の平均厚さH1が山部の頂部の平均厚さH2であるNo.4、No.6及びNo.10、並びにPTFEを主成分とし、谷部の底部の平均厚さH1が山部の頂部の平均厚さH2と同じNo.5は、圧縮比率が高くなるにつれて、最大圧縮応力の著しい増加が見られた。特に、谷部の底部の平均厚さH1に対する上記山部の頂部の平均厚さH2の比率H2/H1が1.0超のNo.6及びNo.10においては、圧縮比率が高くなるにつれて、最大圧縮応力の非常に著しい増加が見られた。すなわち、図5のグラフに示すように、No.4~No.6及びNo.10は、圧縮比率が0.55以下の範囲に上記グラフの勾配が急増する変曲点が現れた。
また、図6に示すように、谷部の底部の平均厚さH1に対する上記山部の頂部の平均厚さH2の比率H2/H1が0.05未満のNo.9においては、圧縮比率を高くしても、最大圧縮応力の増加が見られなかったが、圧縮時に蛇腹部の谷部及び山部に座屈が生じた。これは、No.9においては、座屈しながら圧縮が進行する現象が見られており、座屈時に負荷が逃げるために圧縮比率を高くしても最大圧縮応力が増加することなく、一定の最大圧縮応力で圧縮が進行したことによると考えられる。
以上の結果から、当該保護カバーは圧縮応力の低減効果に優れ、耐久性を向上できることがわかる。
1 保護カバー
2 蛇腹部
4 基部
21 谷部
22 山部
25 谷部の底部
26 山部の頂部
L 軸線方向の長さ
H1 谷部の底部の平均厚さ
H2 山部の頂部の平均厚さ

Claims (4)

  1. 伸縮自在な筒状の保護カバーであって、
    エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体を主成分とし、
    伸長状態で配置され、かつ軸線方向に圧縮可能な蛇腹部を備えており、
    上記蛇腹部が上記軸線方向に交互に連続する山部及び谷部を有し、
    上記谷部の底部の平均厚さH1が上記山部の頂部の平均厚さH2よりも大きく、
    上記谷部の底部の平均厚さH1に対する上記山部の頂部の平均厚さH2の比率H2/H1が、0.20以上0.40以下である保護カバー。
  2. 上記蛇腹部の軸線方向の長さ[mm]に対する平均圧縮量[mm]の比率である圧縮比率0.6に到達するまでの最大圧縮応力[MPa]が、30MPa以上70MPa以下である請求項1に記載の保護カバー。
  3. 上記圧縮比率を横軸にとり、上記最大圧縮応力を縦軸にとったグラフにおいて、上記圧縮比率が0.55以下の範囲に上記グラフの勾配が急増する変曲点が存在しない請求項2に記載の保護カバー。
  4. 伸縮自在な筒状の保護カバーを製造する方法であって、
    エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体を主成分とする樹脂組成物を蛇腹状にブロー成形する工程を備え、
    上記ブロー成形する工程後に形成された蛇腹部が軸線方向に交互に連続する山部及び谷部を有し、
    上記谷部の底部の平均厚さH1が上記山部の頂部の平均厚さH2よりも大きく、
    上記谷部の底部の平均厚さH1に対する上記山部の頂部の平均厚さH2の比率H2/H1が、0.20以上0.40以下である保護カバーの製造方法。
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