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JP7588471B2 - きのこエキスの製造方法 - Google Patents
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JP7588471B2 - きのこエキスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、きのこエキスの製造方法に関する。
従来、ブナシメジ、シイタケ、マッシュルーム等のきのこは、ヌクレオチドをはじめとするさまざまな旨味成分を有する食品であり、きのこから抽出して得られるエキスは、各種出汁類や加工食品の調味料として幅広く用いられている。
きのこエキスを製造する技術としては、きのこを加圧加熱処理し、次いでエキス分及び/又は繊維分を分離取得することを特徴とするきのこの処理法(特許文献1)、きのこの子実体、菌糸体および菌核などを超音波で破砕し、プロテアーゼまたはセルラーゼの一方、あるいは両方を作用させて酵素処理した後、きのこの有効成分を抽出することを特徴とするきのこ類の有効成分の抽出方法(特許文献2)、きのこエキスの製造方法であって、きのこと食塩を接触させてきのこエキスを抽出する方法(特許文献3)、茸類の子実体を粉砕する粉砕工程と、粉砕された前記子実体の粉砕物から、アルコール濃度が30~90[%]、30~80[℃]の含水アルコールで、含水アルコール可溶性のエキスを抽出する抽出工程と、前記抽出工程に続き、前記エキスを含んだ前記含水アルコールを沸点以下で加熱し、アルコールを除去する除去工程と、を有することを特徴とする茸類エキスの抽出方法(特許文献4)、キノコ類の子実体の酵素分解物の製造方法であって、(1)キノコ類の子実体を熱水処理する工程、および(2)該工程(1)で得られたキノコ類の子実体を、酵素製剤で処理する工程、を含む、方法(特許文献5)、等が開示されている。
しかしこれらの技術で得られるきのこエキスは、必ずしも十分な旨味を有するものではなかった。そこで、より強い旨味を有するきのこエキスの製造方法が求められていた。
特開平3‐43058号公報 特開2002‐262820号公報 特開2004‐248531号公報 特開2005‐269990号公報 特開2014‐42512号公報
本発明は、より強い旨味を有するきのこエキスを製造可能なきのこエキスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、エキス抽出を特定の温度で行い、さらに、抽出したエキスを特定の酵素で処理することで、得られるエキスは、強い旨味を有することを見出し、この知見に基づいて本発明を成すに至った。
即ち、本発明は、
(1)下記工程1及び2を含むことを特徴とするきのこエキスの製造方法。
工程1:きのこを、50~80℃の水を用いて抽出する工程
工程2:工程1で得られたエキスをAMPデアミナーゼ処理する工程、
(2)工程1において、プロテアーゼ処理を行う上記(1)に記載のきのこエキスの製造方法、
から成っている。
本発明の製造方法で得られるきのこエキスは、より強い旨味を有する。また、本発明の製造方法で得られるきのこエキスは、食品に添加することで、該食品の風味を増強することができ、風味増強剤として用いることができる。
本発明の製造方法で用いられるきのこは、子嚢菌門又は担子菌門に属する菌類の子実体である。きのこの品種としては、食用可能であれば特に制限は無い。担子菌門のきのことしては、ハラタケ目として、例えば、ブナシメジ、シイタケ、エリンギ、ホンシメジ、エノキタケ、マツタケ、シャカシメジ、ヒラタケ、アワビタケ、マッシュルーム、ササクレヒトヨタケ、クリタケ、ナメコ、ハナイグチ、チチタケ等が挙げられ、ヒダナシタケ目として、例えば、マイタケ、アンズタケ、ハナビラタケ、ヤマブシタケ、コウタケ、マンネンタケ、スエヒロタケ等が挙げられ、スッポンタケ目として、例えば、キヌガサタケ等が挙げられ、ヒメノガステル目として、例えば、ショウロ等が挙げられ、キクラゲ目として、例えば、キクラゲ等が挙げられる。子嚢菌門のきのことしては、チャワンタケ目として、例えば、トリュフ、イモタケ等が挙げられる。
上記きのこの用いられる部位としては特に制限は無く、子実体の全体を用いても、一部(例えば、傘、柄、石突等)を用いても良い。
上記きのこの形状としては特に制限は無く、例えば、そのままの形状のもの、細断又は粉砕したもの等、いずれも用いることができる。また、きのこの状態としては特に制限は無く、例えば、生のもの、冷凍したもの、乾燥したもの等、いずれも用いることができる。
本発明の製造方法は、上記きのこを用いて、次の工程1及び工程2を実施することを特徴とする。
[工程1]
工程1は、きのこを、50~80℃の水を用いて抽出(以下「水抽出」ともいう)する工程である。水としては、きのこからエキスを抽出できるものであれば特に制限は無いが、例えば、蒸留水、イオン交換水、逆浸透膜処理水、限外ろ過膜処理水等の精製水、水道水等の飲料水等が挙げられる。
工程1で水抽出を行う際、水と共に有機溶媒を併用しても良い。該有機溶媒としては食品の製造に用いることができるものであれば特に制限は無いが、例えば、エタノール等が挙げられる。有機溶媒を併用する場合の比率としては、水:有機溶媒(質量比)が、通常99:1~50:50、好ましくは97:3~80:20である。
水抽出における抽出温度は、50~80℃、好ましくは、55~70℃である。抽出温度が50℃未満の場合及び80℃を超える場合は、得られるきのこエキスの旨味が不十分なものとなる。抽出時間としてはきのこからエキスを抽出できる時間であれば特に制限は無いが、通常0.5~24時間、好ましくは1~12時間である。きのこに対する水の添加量としては、きのこからエキスを抽出できる添加量であれば特に制限は無いが、きのこ(生又は冷凍のもの)100質量部に対し、通常50~300質量部、好ましくは80~200質量部である。
抽出の方法としては、きのこからエキスを抽出できる方法であれば特に制限は無いが、例えば、きのこに水を添加し、前記温度に加温して当該温度に保った状態で、撹拌する方法等が挙げられる。
なお、工程1の水抽出時に、プロテアーゼ処理を行うことが好ましい。プロテアーゼ処理によりエキスの抽出効率を向上させることができ、また、エキス中のタンパク質が低分子化されることにより、得られるエキスは、より強い旨味を有する。
上記プロテアーゼ処理に用いるプロテアーゼとしては、きのこエキスの旨味成分への影響の観点から、好ましくは、ブロメライン、パパイン等の植物由来のプロテアーゼ、スミチームMP(商品名;新日本化学工業社製)、スミチームFALP‐G(商品名;新日本化学工業社製),スミチームBNP(商品名;新日本化学工業社製)等の微生物由来のプロテアーゼである。
上記プロテアーゼ処理の方法としては、工程1の水抽出時に、きのこにプロテアーゼによる酵素反応を施すことができる方法であれば特に制限は無いが、例えば、工程1の水抽出時に、きのこに水を添加する際に、併せてプロテアーゼを添加して撹拌しながらきのこに酵素反応を施す方法等が挙げられる。きのこに対するプロテアーゼの添加量は、きのこ(生又は冷凍のもの)100質量部に対し、通常0.01~1.0質量部、好ましくは0.02~0.5質量部である。プロテアーゼ処理後は、次の工程2で用いるAMPデアミナーゼへの影響の観点から、工程1で得られたエキスを加熱する等の方法により、プロテアーゼを失活させることが好ましい。
[工程2]
工程2は、工程1で得られたエキスをAMPデアミナーゼ処理する工程である。AMPデアミナーゼとしては、例えば、Aspergillus属等の微生物由来のAMPデアミナーゼ、動物由来のAMPデアミナーゼ等が挙げられ、いずれも用いることができる。
AMPデアミナーゼ処理の方法としては、工程1で得られたエキスに対し、AMPデアミナーゼによって酵素反応を施すことができる方法であれば特に制限は無いが、例えば、工程1で得られたエキスに対し、AMPデアミナーゼを添加し、撹拌しながら酵素反応を施す方法等が挙げられる。
AMPデアミナーゼ処理において、処理温度は、通常0~65℃、好ましくは50~60℃、処理時間は、通常0.1~6時間、好ましくは0.5~2時間である。AMPデアミナーゼの使用量は、工程1で用いたきのこ(生又は冷凍のもの)100質量部に対し、通常0.01~1質量部、好ましくは0.02~0.5質量部である。
本発明の製造方法では、工程1及び工程2以外に、任意の工程を行っても良く、例えば、工程1と工程2の間又は工程2の後に、固形部(抽出残差)と液部(抽出エキス)を分離する固液分離工程、また、液部の抽出エキスを濃縮する工程等が挙げられる。
上記した方法により得られるきのこエキスは通常液状であるが、公知の方法により粉末化しても良い。
本発明の製造方法により得られるきのこエキスは、より強い旨味を有するため、従来のきのこエキス同様、各種食品の原材料として用いることができる。該食品としては特に制限は無いが、例えば出汁類、スープ類、ドレッシング類、つゆ・タレ類等が挙げられる。該食品100質量%中の本発明のきのこエキスの使用量としては、該食品の形態にもよるので一概には言えないが、例えば出汁類(顆粒状又は粉末状)に使用する場合、きのこエキス固形分として10~20質量%である。
本発明の製造方法により得られるきのこエキスは、食品に添加することで、該食品の風味を増強することができ、風味増強剤として用いることもできる。なお、ここでいう風味とは、食品を口に含んだ際に感じる香気及び呈味である。また該風味には、先味(口に入れたときに最初に感じる風味)、中味(先味に続いて感じる風味)、後味(最後に感じる風味)の全てを含む。
風味増強の対象となる食品としては特に制限は無いが、風味増強効果の得られやすいものとして、例えば、乳製品(例えば、チーズ、バター、サワークリーム等)、スープ類(例えば、鶏ガラスープ、豚骨スープ、魚介スープ等)、ごま、豆乳及びこれらを原料として用いた加工食品等が挙げられる。
本発明のきのこエキスを風味増強剤として用いる場合の、きのこエキスの使用方法としては、最終的に本発明のきのこエキスが食品に配合される方法であれば特に制限は無く、例えば、製造後の食品に添加する方法、食品を製造する工程において他の原材料と共に用いる方法等が挙げられる。
本発明のきのこエキスを風味増強剤として用いる場合の、食品100質量部に対する、きのこエキス固形分の添加量としては、通常0.01~3質量部、好ましくは0.05~1質量部である。0.01質量部未満だと風味増強効果が十分でない場合があり、3質量部を超えると食品の本来の風味を損なう場合があり、好ましくない。
以下に本発明を実施例で説明するが、これは本発明を単に説明するものであって、本発明を限定するものではない。
[ブナシメジエキスの製造1]
(1)実施例1
(1‐1)エキス抽出工程
ステンレスビーカーに、冷凍ブナシメジ(子実体の全体;そのままの形状のもの)1000g、水850gを入れ、デジタル撹拌機(型式:TORNADO;AS ONE CORPORTION社製)を用いて撹拌しながら加熱し、60℃で120分間の水抽出を行い、エキスを得た。
(1‐2)固液分離工程
得られたエキスを100メッシュの篩で濾過することで固液を分離し、さらに、篩を通過しなかった固形分を手で圧搾することでさらにエキスを回収した。
(1‐3)濃縮工程
固液分離後のエキスを、減圧濃縮機(型式:ロータリーエバポレーター N-1000S;東京理化器械社製)を用いて固形分含有量25質量%になるまで濃縮した。
(1‐4)AMPデアミナーゼ処理工程
ステンレスビーカーに、濃縮エキス150g、AMPデアミナーゼ(商品名:デアミザイムG;天野エンザイム社製)0.25gを入れ、デジタル撹拌機(型式:TORNADO;AS ONE CORPORTION社製)を用いて撹拌しながら加熱し、55℃で30分間、AMPデアミナーゼ処理を行った。その後、95℃に昇温してAMPデアミナーゼを失活させ、ブナシメジエキス(実施例品1)を得た。
(2)実施例2
(2‐1)エキス抽出工程
ステンレスビーカーに、冷凍ブナシメジ(子実体の全体;そのままの形状のもの)1000g、プロテアーゼ(商品名:ブロメラインF;天野エンザイム社製)0.5g、水850gを入れ、デジタル撹拌機(型式:TORNADO;AS ONE CORPORTION社製)を用いて撹拌しながら加熱し、60℃で120分間の水抽出を行った。その後、95℃に昇温してプロテアーゼを失活させた。
(2‐2)固液分離工程、濃縮工程及びAMPデアミナーゼ処理工程
得られたエキスについて、実施例1の固液分離工程、濃縮工程、AMPデアミナーゼ処理工程と同様の操作を行い、ブナシメジエキス(実施例品2)を得た。
(3)実施例3
実施例2において、水抽出時の温度を60℃に代えて70℃にした以外は、実施例2と同様の操作を行い、ブナシメジエキス(実施例品3)を得た。
(4)実施例4
実施例2において、水抽出時の温度を60℃に代えて55℃にした以外は、実施例2と同様の操作を行い、ブナシメジエキス(実施例品4)を得た。
(5)実施例5
実施例2において、水抽出時の温度を60℃に代えて50℃にした以外は、実施例2と同様の操作を行い、ブナシメジエキス(実施例品5)を得た。
(6)実施例6
実施例2において、水抽出時の温度を60℃に代えて75℃にした以外は、実施例2と同様の操作を行い、ブナシメジエキス(実施例品6)を得た。
(7)実施例7
実施例2において、水抽出時の温度を60℃に代えて80℃にした以外は、実施例2と同様の操作を行い、ブナシメジエキス(実施例品7)を得た。
(8)比較例1
実施例2において、水抽出時の温度を60℃に代えて45℃にした以外は、実施例2と同様の操作を行い、ブナシメジエキス(比較例品1)を得た。
(9)比較例2
実施例2において、水抽出時の温度を60℃に代えて85℃にした以外は、実施例2と同様の操作を行い、ブナシメジエキス(比較例品2)を得た。
(10)比較例3
実施例2において、AMPデアミナーゼ処理を行わなかった以外は、実施例2と同様の操作を行い、ブナシメジエキス(比較例品3)を得た。
(11)対照例
(11‐1)エキス抽出工程
ステンレスビーカーに、冷凍ブナシメジ(子実体の全体;そのままの形状のもの)1000g、水850gを入れ、デジタル撹拌機(型式:TORNADO;AS ONE CORPORTION社製)を用いて撹拌しながら加熱し、95℃で60分間の水抽出を行い、エキスを得た。
(11‐2)固液分離工程、濃縮工程
得られたエキスについて、実施例1の固液分離工程、濃縮工程と同様の操作を行い、ブナシメジエキス(対照品)を得た。
[ブナシメジエキスの旨味の評価]
得られたブナシメジエキス(実施例品1~7、比較例品1~3、対照品)について、各エキス5gをお湯95gで希釈したものを喫食し、官能評価試験を行った。試験では、表1に示す評価基準に従い10名のパネラーで評価を行い、評価点の平均値を求め、下記基準に従って記号化した。結果を表2に示す。
◎:平均点3.5以上
〇:平均点2.5以上、3.5未満
△:平均点1.5以上、2.5未満
×:平均点1.5未満
Figure 0007588471000001
Figure 0007588471000002
結果から明らかなように、本発明の製造方法で得られたブナシメジエキス(実施例品1~7)は、「〇」以上の優れた結果であった。これに対し、比較例の製造方法により得られたブナシメジエキス(比較例品1~3)は、「△」であり、本発明のものに比べて劣っていた。
[シイタケエキス、エリンギエキス、ホンシメジエキス、マイタケエキスの製造]
(1)実施例8
(1‐1)エキス抽出工程
ステンレスビーカーに、冷凍シイタケ(子実体の全体;そのままの形状のもの)1000g、プロテアーゼ(商品名:ブロメラインF;天野エンザイム社製)0.5g、水850gを入れ、デジタル撹拌機(型式:TORNADO;AS ONE CORPORTION社製)を用いて撹拌しながら加熱し、60℃で120分間の水抽出を行った。その後、95℃に昇温してプロテアーゼを失活させた。
(1‐2)固液分離工程
得られたエキスを100メッシュの篩で濾過することで固液を分離し、さらに、篩を通過しなかった固形分を手で圧搾することでさらにエキスを回収した。
(1‐3)濃縮工程
固液分離後のエキスを、減圧濃縮機(型式:ロータリーエバポレーター N-1000S;東京理化器械社製)を用いて固形分含有量25質量%になるまで濃縮した。
(1‐4)AMPデアミナーゼ処理工程
ステンレスビーカーに、濃縮エキス150g、AMPデアミナーゼ(商品名:デアミザイムG;天野エンザイム社製)0.25gを入れ、デジタル撹拌機(型式:TORNADO;AS ONE CORPORTION社製)を用いて撹拌しながら加熱し、55℃で30分間、AMPデアミナーゼ処理を行った。その後、95℃に昇温してAMPデアミナーゼを失活させ、シイタケエキス(実施例品8)を得た。
(2)実施例9
実施例8において、冷凍シイタケ(子実体の全体;そのままの形状のもの)1000gを冷凍エリンギ1000g(子実体の全体;1cm幅に細断したもの)にした以外は、実施例8と同様の操作を行い、エリンギエキス(実施例品9)を得た。
(3)実施例10
実施例8において、冷凍シイタケ(子実体の全体;そのままの形状のもの)1000gを冷凍ホンシメジ(子実体の全体;そのままの形状のもの)1000gにした以外は、実施例8と同様の操作を行い、ホンシメジエキス(実施例品10)を得た。
(4)実施例11
実施例8において、冷凍シイタケ(子実体の全体;そのままの形状のもの)1000gを冷凍マイタケ(子実体の全体;適宜の大きさに手で割いたもの)1000gにした以外は、実施例8と同様の操作を行い、マイタケエキス(実施例品11)を得た。
(5)実施例8の対照例
(5‐1)エキス抽出工程
ステンレスビーカーに、冷凍シイタケ(子実体の全体;そのままの形状のもの)1000g、水850gを入れ、デジタル撹拌機(型式:TORNADO;AS ONE CORPORTION社製)を用いて撹拌しながら加熱し、95℃で60分間の水抽出を行い、エキスを得た。
(5‐2)固液分離工程、濃縮工程
得られたエキスについて、実施例8の固液分離工程、濃縮工程と同様の操作を行い、シイタケエキス(対照品)を得た。
(6)実施例9の対照例
(6‐1)エキス抽出工程
ステンレスビーカーに、冷凍エリンギ1000g(子実体の全体;1cm幅に細断したもの)1000g、水850gを入れ、デジタル撹拌機(型式:TORNADO;AS ONE CORPORTION社製)を用いて撹拌しながら加熱し、95℃で60分間の水抽出を行い、エキスを得た。
(6‐2)固液分離工程、濃縮工程
得られたエキスについて、実施例9の固液分離工程、濃縮工程と同様の操作を行い、エリンギエキス(対照品)を得た。
(7)実施例10の対照例
(7‐1)エキス抽出工程
ステンレスビーカーに、冷凍ホンシメジ(子実体の全体;そのままの形状のもの)1000g、水850gを入れ、デジタル撹拌機(型式:TORNADO;AS ONE CORPORTION社製)を用いて撹拌しながら加熱し、95℃で60分間の水抽出を行い、エキスを得た。
(7‐2)固液分離工程、濃縮工程
得られたエキスについて、実施例10の固液分離工程、濃縮工程と同様の操作を行い、ホンシメジエキス(対照品)を得た。
(8)実施例11の対照例
(8‐1)エキス抽出工程
ステンレスビーカーに、冷凍マイタケ(子実体の全体;適宜の大きさに手で割いたもの)1000g、水850gを入れ、デジタル撹拌機(型式:TORNADO;AS ONE CORPORTION社製)を用いて撹拌しながら加熱し、95℃で60分間の水抽出を行い、エキスを得た。
(8‐2)固液分離工程、濃縮工程
得られたエキスについて、実施例11の固液分離工程、濃縮工程と同様の操作を行い、マイタケエキス(対照品)を得た。
[シイタケエキス、エリンギエキス、ホンシメジエキス、マイタケエキスの旨味の評価]
得られたシイタケエキス、エリンギエキス、ホンシメジエキス、マイタケエキス(実施例品8~11、それらに対応する対照品)について、各エキス5gをお湯95gで希釈したものを喫食し、官能評価試験を行った。試験では、表3に示す評価基準に従い10名のパネラーで評価を行い、評価点の平均値を求め、下記基準に従って記号化した。結果を表4に示す。なお評価は、各実施例品と、それらに対応する対照品を比較した。
◎:平均点3.5以上
〇:平均点2.5以上、3.5未満
△:平均点1.5以上、2.5未満
×:平均点1.5未満
Figure 0007588471000003
Figure 0007588471000004
結果から明らかなように、本発明の製造方法で得られたシイタケエキス、エリンギエキス、ホンシメジエキス、マイタケエキス(実施例品8~11)は、「◎」の優れた結果であった。
[ブナシメジエキスの製造2]
(1)実施例12
(1‐1)エキス抽出工程
ステンレスビーカーに、冷凍ブナシメジ(子実体の全体;そのままの形状のもの)1000g、プロテアーゼ(商品名:ブロメラインF;天野エンザイム社製)0.5g、水850gを入れ、デジタル撹拌機(型式:TORNADO;AS ONE CORPORTION社製)を用いて撹拌しながら加熱し、60℃で120分間の水抽出を行った。その後、95℃に昇温してプロテアーゼを失活させた。
(1‐2)固液分離工程
得られたエキスを100メッシュの篩で濾過することで固液を分離し、さらに、篩を通過しなかった固形分を手で圧搾することでさらにエキスを回収した。
(1‐3)濃縮工程
固液分離後のエキスを、減圧濃縮機(型式:ロータリーエバポレーター N‐1000S;東京理化器械社製)を用いて固形分含有量25質量%になるまで濃縮した。
(1‐4)AMPデアミナーゼ処理工程
ステンレスビーカーに、濃縮エキス150g、AMPデアミナーゼ(商品名:デアミザイムG;天野エンザイム社製)0.25gを入れ、デジタル撹拌機(型式:TORNADO;AS ONE CORPORTION社製)を用いて撹拌しながら加熱し、55℃で30分間、AMPデアミナーゼ処理を行った。その後、95℃に昇温してAMPデアミナーゼを失活させた。
(1‐5)粉末化工程
AMPデアミナーゼ処理後のエキス170gに、賦形剤としてデキストリン(商品名:サンデック#100;三和澱粉工業社製)47gを添加し、スプレードライヤー(型式:L‐8i;大川原化工機社製)を用いて、噴霧乾燥(送風温度140℃;排風出口温度90℃)し、粉末状のブナシメジエキス(実施例品12;きのこエキス固形分含有量50質量%)を得た。
(2)比較例4
実施例12において、水抽出時の温度を60℃に代えて45℃にした以外は、実施例12と同様の操作を行い、粉末状のブナシメジエキス(比較例品4;きのこエキス固形分含有量50質量%)を得た。
(3)比較例5
実施例12において、水抽出時の温度を60℃に代えて85℃にした以外は、実施例12と同様の操作を行い、粉末状のブナシメジエキス(比較例品5;きのこエキス固形分含有量50質量%)を得た。
(4)比較例6
実施例12において、AMPデアミナーゼ処理を行わなかった以外は、実施例12と同様の操作を行い、粉末状のブナシメジエキス(比較例品6;きのこエキス固形分含有量50質量%)を得た。
[ブナシメジエキスの食品の風味増強効果の評価]
(1)ラーメンスープの風味増強効果についての官能評価試験
ラーメンスープの素(商品名:シャンファン塩ラーメンスープの素;理研ビタミン社製)66gとお湯600gを混合し、ラーメンスープを得た。200mL容ビーカーに、該ラーメンスープ100g、ブナシメジエキス(実施例品12又は比較例品4~6のいずれか)0.15gを添加してスパチュラで30秒間撹拌し、試験区1~4とした。これらのラーメンスープについて風味増強効果を評価するため、何ら添加していないラーメンスープを風味の基準(対照)とし、官能試験を行った。
試験では、表5に示す評価基準に従い10名のパネラーで先味、中味、後味について評価を行い、評価点の平均値を求め、下記基準に従って記号化した。結果を表6に示す。なお、表5において、先味とは口に入れたときに最初に感じる風味をいい、中味とは先味に続いて感じる風味をいい、後味とは最後に感じる風味をいう。
〇:平均点2.5以上
△:平均点1.5以上、2.5未満
×:平均点1.5未満
Figure 0007588471000005
Figure 0007588471000006
結果から明らかなように、ブナシメジエキス(実施例品12)を添加した試験区1では、「○」の結果であり、先味から後味にかけて、安定して風味が増強されていることが分かった。これに対し、ブナシメジエキス(比較例品4~6)を添加した試験区2~4では、「△」の結果であり、風味増強効果が十分でなかった。
(2)わかめスープの風味増強効果についての官能評価試験
即席わかめスープ(商品名:焙煎ごまスープ;理研ビタミン社製)1袋分(9.8g)とお湯180gを混合し、わかめスープを得た。該わかめスープに、ブナシメジエキス(実施例品12又は比較例品4~6のいずれか)0.2gを添加してスパチュラで30秒間撹拌し、試験区5~8とした。このわかめスープについて風味増強効果を評価するため、何ら添加していないわかめスープを風味の基準(対照)とし、官能試験を行った。
試験では、表7に示す評価基準に従い10名のパネラーで先味、中味、後味について評価を行い、評価点の平均値を求め、下記基準に従って記号化した。結果を表8に示す。なお、表7において、先味とは口に入れたときに最初に感じる風味をいい、中味とは先味に続いて感じる風味をいい、後味とは最後に感じる風味をいう。
〇:平均点2.5以上
△:平均点1.5以上、2.5未満
×:平均点1.5未満
Figure 0007588471000007
Figure 0007588471000008
結果から明らかなように、ブナシメジエキス(実施例品12)を添加した試験区5では、「〇」の結果であり、先味から後味にかけて、安定して風味が増強されていることが分かった。これに対し、ブナシメジエキス(比較例品4~6)を添加した試験区6~8では、「△」の結果であり、風味増強効果が十分でなかった。
(3)ドレッシングの風味増強効果についての官能評価試験
200mL容ビーカーに、ドレッシング(商品名:リケンサラダデュオ ごまわさびドレッシング;理研ビタミン社製)100g、ブナシメジエキス(実施例品12又は比較例品4~6のいずれか)0.1gを添加してスパチュラで30秒間撹拌し、試験区9~12とした。このドレッシングについて風味増強効果を評価するため、何ら添加していないドレッシングを風味の基準(対照)とし、官能試験を行った。
試験では、表9に示す評価基準に従い10名のパネラーで評価を行い、評価点の平均値を求め、下記基準に従って記号化した。結果を表10に示す。なお、表9において、先味とは口に入れたときに最初に感じる風味をいい、中味とは先味に続いて感じる風味をいい、後味とは最後に感じる風味をいう。
〇:平均点2.5以上
△:平均点1.5以上、2.5未満
×:平均点1.5未満
Figure 0007588471000009
Figure 0007588471000010
結果から明らかなように、ブナシメジエキス(実施例品12)を添加した試験区9では、「〇」の結果であり、先味から後味にかけて、安定して風味が増強されていることが分かった。これに対し、ブナシメジエキス(比較例品4~6)を添加した試験区10~12では、「△」の結果であり、風味増強効果が十分でなかった。
(4)ポテトスナック菓子の風味増強効果についての官能評価試験
1000mL容ビニール袋に、ポテトスナック菓子(商品名:ピザポテト;カルビー社製)100g、ブナシメジエキス(実施例品12又は比較例品4~6のいずれか)0.1gを入れて手で持ち、30秒間均一になるように混合し、試験区13~16とした。このポテトスナック菓子について風味増強効果を評価するため、何ら添加していないポテトスナック菓子を風味の基準(対照)とし、官能試験を行った。
試験では、表11に示す評価基準に従い10名のパネラーで評価を行い、評価点の平均値を求め、下記基準に従って記号化した。結果を表12に示す。なお、表11において、先味とは口に入れたときに最初に感じる風味をいい、中味とは先味に続いて感じる風味をいい、後味とは最後に感じる風味をいう。
〇:平均点2.5以上
△:平均点1.5以上、2.5未満
×:平均点1.5未満
Figure 0007588471000011
Figure 0007588471000012
結果から明らかなように、ブナシメジエキス(実施例品12)を添加した試験区13では、「〇」の結果であり、先味から後味にかけて、安定して風味が増強されていることが分かった。これに対し、ブナシメジエキス(比較例品4~6)を添加した試験区14~16では、「△」の結果であり、風味増強効果が十分でなかった。

Claims (2)

  1. 下記工程1及び2を含むことを特徴とするきのこエキスの製造方法。
    工程1:きのこ(ただし、ヒラタケ属のきのこを除く)を、50~80℃の水を用いて抽出し、該水抽出時にプロテアーゼ処理を行う工程
    工程2:工程1で得られたエキスをAMPデアミナーゼ処理する工程
  2. きのこが、ブナシメジ、シイタケ、ホンシメジ及びマイタケからなる群から選択される1種又は2種以上である請求項1に記載のきのこエキスの製造方法。
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