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JP7588938B2 - 防虫構造 - Google Patents
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Description

本発明は、例えば、工場の搬入口等に設けて好適な防虫構造に関する。
従来、フォークリフトやハンドリフト等が通過する工場の搬入口に、開閉を高速で行えるシートシャッターと、一般にこれより開閉に時間の掛かるスチールシャッターとを設け、夜間等の人がいない時間帯は比較的頑強なスチールシャッターを閉めておき、昼間等の作業時間帯はスチールシャッターを開けっぱなしにして、フォークリフト等が出入りする際にシートシャッターを開閉する、といったことが行われている。
ところで、上記搬入口では、その出入りの際にスチールシャッター及びシートシャッターの両方が開いた状態になることは避けられない。そのため、例えば降雨時に風に煽られた雨水が、両方のシャッターが開いている状態の搬入口の床面上を流れて建物内に浸入する恐れがある。
そこで、雨水の浸入防止のため、搬入口の床面に、建物内部側が建物外部側よりも高くなる段差を設けることが考えられる。
しかし、上記段差は、雨水の浸入防止とフォークリフト等の通行容易性とを考慮すると、例えば10~15mm程度の高さにするのが好適といえるが、この程度の段差であると歩行虫(アリ、クモ、ダンゴムシ、ヤスデ等)が乗り越えて建物内に侵入する恐れがある。また、10~15mm程度の段差でも、車輪の小さなフォークリフトやハンドリフト等の通行に支障が出る場合がある。
なお、以上のような問題は、工場の搬入口に限らず、建物の内外にわたって延びる通路部(開口部)全般において生じ得ると考えられる。すなわち、フォークリフト等が出入りしない建物でも、通路部を車いす等が通行することを考慮すれば、やはりあまり大きな段差は設けられない。
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、建物の内外にわたって延びる通路部の通行容易性を損なわないようにしながら、この通路部から建物内への雨水浸入防止と歩行虫侵入防止とを図ることができる防虫構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る防虫構造は、建物の内外にわたって延びる通路部の床に、該床を建物の内部側の領域と外部側の領域とに分ける境界として延びるように設けられ、上方に開放され、前記通路部から建物内への歩行虫の侵入防止を図るための防虫溝と、前記防虫溝の上方を覆うように該防虫溝の建物内部側から外部側に向かって延び、外部側の縁が該防虫溝及び前記床の外部側の領域から上方に離間している回転蓋とを具備し、前記回転蓋は、所定以上の大きさの下向きの押圧力を受けると、前記外部側の縁が前記防虫溝内に入り込むように該防虫溝の長手方向に延びる軸回りに回転し、前記押圧力を受けなくなると、該防虫溝の上方を覆う元の状態に復帰し、前記防虫溝から建物内部側に延びる床面が、該防虫溝から建物外部側に延びる床面より高い位置にある(請求項1)。
上記防虫構造において、前記防虫溝の建物内部側の内面及び建物外部側の内面の何れか一方又は両方を、下部より上部が該防虫溝の内側に迫り出すようにしてあってもよい(請求項2)。
上記防虫構造において、前記防虫溝を構成する溝形成部材と前記回転蓋とに、回転蓋が防虫溝の長手方向に延びる軸回りに回転可能な状態で溝形成部材に嵌合する複数の嵌合領域と、前記押圧力を受けて軸回りに回転した回転蓋が前記押圧力を受けなくなると元の状態に復帰するように回転蓋を付勢する付勢手段を設ける複数の付勢領域とを、防虫溝の長手方向に交互に設けてあってもよい(請求項3)。
本願発明では、建物の内外にわたって延びる通路部の通行容易性を損なわないようにしながら、この通路部から建物内への雨水浸入防止と歩行虫侵入防止とを図ることができるが得られる。
すなわち、本願の各請求項に係る発明の防虫構造では、防虫溝により、建物内への歩行虫の侵入防止を図ることができ、また、回転してスロープの役割を果たす回転蓋により、防虫溝の上をフォークリフト等がスムーズに通行することができ、さらに、防虫溝の上方が大きく開放されるように回転蓋を回転させれば、防虫溝内に落下した歩行虫やゴミの掃除をするのが容易となる。
請求項1に係る発明の防虫構造では、防虫溝から建物内部側に延びる床面を建物外部側に延びる床面よりも高くすることにより、建物内への雨水の浸入防止を図ることができる上、建物内部側の床面と建物外部側の床面の高低差を利用して、回転蓋の外部側の縁を防虫溝及び床面から大きく離間させることが容易となり、この離間距離を大きくすることにより、歩行虫が防虫溝を乗り越えるのが困難化し、防虫効果を高めることもできる。
請求項2に係る発明の防虫構造では、防虫溝の内面の下部より上部がその内側に迫り出すようにすることにより、防虫溝内に落下した歩行虫が防虫溝の内面を登り難くすることができ、ひいては建物内への歩行虫の侵入防止効果の更なる向上を図ることができる。
本発明の一実施の形態に係る防虫構造を設けた建物(工場)の搬入口の斜視図である。 前記搬入口の縦断面図である。 前記搬入口の横断面図である。 変形例に係る前記防虫構造を設けた搬入口の縦断面図である。 他の変形例に係る前記防虫構造を設けた搬入口の縦断面図である。
本発明の実施の形態について以下に説明する。
図1に示す例では、防虫構造1を、フォークリフトやハンドリフト等が通過する工場の搬入口(建物の内外にわたって延びる通路部の一例)2の床(床面)に設けてある。この搬入口2は、開閉を比較的高速で行えるシートシャッター3と、これより開閉に時間の掛かるスチールシャッター(重量シャッター)4とをその内外にこの順で備え、夜間等の人がいない時間帯は比較的頑強なスチールシャッター4を閉めておき、昼間等の作業時間帯はスチールシャッター4を開けっぱなしにして、フォークリフト等が出入りする際にシートシャッター3を開閉する、といった使用を想定したものである。なお、図1には、シートシャッター3を全閉し、スチールシャッター4を半開きにした状態を示してある。
そして、防虫構造1は、図2に示すように、搬入口2の床Fにおけるシートシャッター3とスチールシャッター4の間に設けられ、上方に開放された防虫溝(雨水浸入防止溝)5と、防虫溝5の上方を覆うように防虫溝5の建物内部側から外部側に向かって延び、建物外部側の縁6aが防虫溝5及び床Fから常に離間している(どこにも接触しない)回転蓋6とを具備する。
詳述すると、まず、防虫溝5は、図2に示す断面形状を有する例えば金属製の形材からなる溝形成部材7によって構成してある。すなわち、この溝形成部材7は、防虫溝5の底面を形成する底壁部8と、この底壁部8の建物外部側の縁から立ち上がる前壁部9と、底壁部8の建物内部側の縁から立ち上がる後壁部10とを有し、底壁部8、前壁部9及び後壁部10で囲む空間が防虫溝5となるようにしてある。
一方、回転蓋6は、所定以上の大きさの下向きの押圧力を受けると、建物外部側の縁6aが防虫溝5内に入り込むように防虫溝5の長手方向に延びる軸回りに回転し、前記押圧力を受けなくなると、付勢手段(後述するスプリング丁番15)によって防虫溝5の上方を覆う元の状態に復帰する、というものであり、そのために本例では以下のような構成を採用している。
すなわち、本例では、図3に示すように、回転蓋6及び溝形成部材7に、回転蓋6が溝形成部材7に嵌合する複数の嵌合領域R1(薄いグレーで示す部分)と、上記付勢手段を設ける複数の付勢領域R2(濃いグレーで示す部分)とを、その長手方向に交互に設けてある。
より詳しく説明すると、図3中の左側の部分拡大断面図に示すように、嵌合領域R1では、溝形成部材7の後壁部10の上部に設けた鈎状のヒンジ部11と、回転蓋6の建物内部側の端部の下面側に設けた凹溝状のヒンジ部12とが嵌合するのであり、このように嵌合するヒンジ部11,12は、回転蓋6が防虫溝5の長手方向に延びる軸回りに回転し、その起倒を可能とするヒンジ構造(型材丁番)を構成する。図示例では回転蓋6の回転可動範囲は約90度であり、回転蓋6が図3中の左側の部分拡大断面図に実線で示す姿勢よりも上には向かないようにしてある。
一方、図3中の右側の部分拡大断面図に示すように、付勢領域R2には、ヒンジ部11,12を設けず、その代わりに、一方の羽根13が溝形成部材7の後壁部10の内面に固定され、他方の羽根14が回転蓋6の下面に固定され、図外のスプリングによって二枚の羽根13,14が開く方向に付勢されるスプリング丁番15を設けてある。そして、スプリング丁番15による付勢力は付勢領域R2にある回転蓋6のみでなく嵌合領域R1にある回転蓋6にも伝達されるように、各嵌合領域R1にある回転蓋6は、各々の左右両隣の付勢領域R2にある回転蓋6と一体化(一体成形、適宜の部材による連結、溶接等、一体化のための手段は問わない)してある。
そして、このような防虫構造1の施工は、例えば、図2を参照しながら説明すると、コンクリート16を打設し、躯体側溶接アンカー17を設置し、アンカー18を溝形成部材7に一体化し、溶接用鉄筋19で躯体側溶接アンカー17とアンカー18とを一体化した後、モルタル20を打設する、といった手順で行うことができる。
以上説明した本例の防虫構造1では、防虫溝5により、建物内への歩行虫の侵入防止を図ることができる。
また、本例の防虫構造1では、回転してスロープの役割を果たす回転蓋6により、防虫溝5の上をフォークリフト等がスムーズに通行することができる。なお、このスムーズな通行を確実化するために、本例の回転蓋6の上面は、図2に示すように、その外部側の縁6a付近に、前方(外部側)ほど下側に位置する傾斜を有する。
さらに、本例の防虫構造1では、防虫溝5の上方が大きく開放されるように回転蓋6を防虫溝5内に押し込むように回転させれば、防虫溝5内に落下した歩行虫やゴミの掃除をするのが容易となる。こうした清掃は、例えば、送風機、蛇口等に繋がったホース、高圧洗浄機等を用い、ある程度圧力がかかった空気や水を防虫溝5内に噴射等することにより行うことができる。
つまり、本例の防虫構造1では、工場等の建物の内外にわたって延びる通路部(例えば搬入口2)の通行容易性を損なわないようにしながら、この通路部から建物内への雨水浸入防止と歩行虫侵入防止とを図ることができる。
しかも、本例の防虫構造1では、図2に示すように、防虫溝5から建物内部側に延びる床面F1が、防虫溝5から建物外部側に延びる床面F2より高い位置にあることにより、建物内への雨水の浸入防止を図ることができる上、建物内部側の床面F1と建物外部側の床面F2の高低差を利用して、回転蓋6の外部側の縁6aを防虫溝5及び床Fから大きく離間させることが容易となり、この離間距離を大きくすることにより、歩行虫が防虫溝5を乗り越えるのが困難化し、防虫効果を高めることもできる。床面F1、F2の高低差としては、例えば10~15mm程度とすることが考えられる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
図2の例では、前壁部9の内面及び後壁部10の内面がそれぞれ底壁部8の前後から垂直に立ち上がっているが、例えば、図4に示すように、前壁部9の内面(防虫溝5の建物外部側の内面)及び後壁部10の内面(防虫溝5の建物内部側の内面)の何れか一方又は両方を、下部より上部が防虫溝5の内側に迫り出すようにしてもよく、この場合、防虫溝5内に落下した歩行虫が防虫溝5の内面を登り難くすることができ、ひいては建物内への歩行虫の侵入防止効果の更なる向上を図ることができる。
建物内への歩行虫の侵入防止効果を高めるために、例えば防虫溝5内や回転蓋6の下面等に、防虫効果のある薬剤を含む部材を配したり、該薬剤を塗布等したりしてもよい。
防虫溝5内に浸入した雨水の処理を行えるようにするために、例えば、図5に示すように、防虫溝5の建物外部側(スチールシャッター4の外側)の床面F1に側溝21を設けるとともに、一端が防虫溝5内に連通し、他端が側溝21に連通し、一端側から他端側に向かって低くなる傾斜を有する水抜き穴22を設けるようにしてもよい。この場合、防虫溝5内に大量の雨水が流入した場合でも、その雨水が防虫溝5を乗り越えて建物内部側に浸入することをより確実に防止することができる。なお、図5において、23は側溝21を覆うグレーチング蓋である。
本明細書で挙げた変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
1 防虫構造
2 搬入口(通路部)
3 シートシャッター
4 スチールシャッター
5 防虫溝
6 回転蓋
6a 外部側の縁
7 溝形成部材
8 底壁部
9 前壁部
10 後壁部
11 ヒンジ部
12 ヒンジ部
13 一方の羽根
14 他方の羽根
15 スプリング丁番
16 コンクリート
17 躯体側溶接アンカー
18 アンカー
19 溶接用鉄筋
20 モルタル
21 側溝
22 水抜き穴
23 グレーチング蓋
F 床
F1 建物内部側の床面
F2 建物外部側の床面
R1 嵌合領域
R2 付勢領域

Claims (3)

  1. 建物の内外にわたって延びる通路部の床に、該床を建物の内部側の領域と外部側の領域とに分ける境界として延びるように設けられ、上方に開放され、前記通路部から建物内への歩行虫の侵入防止を図るための防虫溝と、
    前記防虫溝の上方を覆うように該防虫溝の建物内部側から外部側に向かって延び、外部側の縁が該防虫溝及び前記床の外部側の領域から上方に離間している回転蓋とを具備し、
    前記回転蓋は、所定以上の大きさの下向きの押圧力を受けると、前記外部側の縁が前記防虫溝内に入り込むように該防虫溝の長手方向に延びる軸回りに回転し、前記押圧力を受けなくなると、該防虫溝の上方を覆う元の状態に復帰し、
    前記防虫溝から建物内部側に延びる床面が、該防虫溝から建物外部側に延びる床面より高い位置にある防虫構造。
  2. 前記防虫溝の建物内部側の内面及び建物外部側の内面の何れか一方又は両方を、下部より上部が該防虫溝の内側に迫り出すようにしてある請求項1に記載の防虫構造。
  3. 前記防虫溝を構成する溝形成部材と前記回転蓋とに、回転蓋が防虫溝の長手方向に延びる軸回りに回転可能な状態で溝形成部材に嵌合する複数の嵌合領域と、前記押圧力を受けて軸回りに回転した回転蓋が前記押圧力を受けなくなると元の状態に復帰するように回転蓋を付勢する付勢手段を設ける複数の付勢領域とを、防虫溝の長手方向に交互に設けてある請求項1又は2に記載の防虫構造。
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