JP7589148B2 - エチレンの製造方法、及び重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1によれば、従来使用されているチーグラー・ナッタ触媒が有する欠点が少ないメタロセン触媒が開発されていること、メタロセン触媒は原料オレフィン中の不純物に対して極めて敏感であること、ナフサ、原油、天然ガス等を用いて得られる工業用エチレン中には数ppm(容量)~数百ppm(容量)程度の二酸化炭素が含まれること、二酸化炭素は、メタロセン触媒の重合において触媒毒として悪影響をもたらすことが記載されている。そして、特許文献1に記載の発明は、前記ハイブリッド系吸着剤を用いて経済的で、簡易かつ効率的に二酸化炭素を除去することで、メタロセン触媒等の遷移金属錯体触媒によるオレフィン重合において、不純物による触媒活性の低下を十分に抑止でき、高い生産性で重合体を工業的に安定して生産することが可能となることが記載されている。
[1]廃棄物由来のエタノールを含む原料エタノールから、エチレンを含むエチレン含有生成物を得るエチレン生成工程と、
前記エチレン生成工程の前に、前記原料エタノールを精製する第1の精製工程、及び前記エチレン生成工程の後に前記エチレン含有生成物を精製する第2の精製工程の少なくともいずれかとを含む、
エチレンの製造方法。
[2]前記第1の精製工程が、前記原料エタノールから炭素数3~14の脂肪族不飽和炭化水素、炭素数3~14の脂肪族飽和炭化水素、炭素数3~10のアルコール、及び炭素数3~10のエーテルからなる群から選択される少なくとも1つを除去することを含む、上記[1]に記載のエチレンの製造方法。
[3]前記第2の精製工程が、前記エチレン含有生成物から炭素数3~14の脂肪族不飽和炭化水素、炭素数3~14の脂肪族飽和炭化水素、炭素数3~10のアルコール、炭素数3~10のエーテル、一酸化炭素、及び酸素からなる群から選択される少なくとも1つを除去することを含む、上記[1]又は[2]に記載のエチレンの製造方法。
[4]前記炭素数3~14の脂肪族不飽和炭化水素が、プロピレンを含む、上記[2]または[3]に記載のエチレンの製造方法。
[5]前記炭素数3~14の脂肪族飽和炭化水素が、炭素数6~14の脂肪族飽和炭化水素を含む、上記[2]~[4]のいずれか1項に記載のエチレンの製造方法。
[6]前記炭素数3~10のアルコールが、2-プロパノールを含む、上記[2]~[5]のいずれか1項に記載のエチレンの製造方法。
[7]前記炭素数3~10のエーテルが、ジブチルエーテルを含む、上記[2]~[6]のいずれか1項に記載のエチレンの製造方法。
[8]上記[1]~[7]のいずれか1項に記載の方法で製造されるエチレンを含むモノマーを重合して重合体を得る重合工程を含む、重合体の製造方法。
本発明は、廃棄物由来のエタノールを含む原料エタノールから、エチレンを含むエチレン含有生成物を得るエチレン生成工程と、エチレン生成工程の前に、原料エタノールを精製する第1の精製工程、及びエチレン生成工程の後にエチレン含有生成物を精製する第2の精製工程の少なくともいずれかとを含むものである。
本発明においては、エチレン生成工程の前、後、又はこれら両方に精製工程を行うことで、廃棄物由来のエタノールを原料とした場合でも、エチレンの重合反応が適切に進行し、かつ、重合体の分子量が十分に高くなるなど得られる重合体の品質が良好となる。
[原料エタノール]
本発明で原料として使用する原料エタノールは、廃棄物由来のエタノールを含むものである。廃棄物由来のエタノールは、廃棄物を燃焼、熱分解などさせることで得られる廃棄物由来ガスから生成される。
廃棄物としては、産業固形廃棄物などの産業廃棄物でもよいし、都市固形廃棄物(MSW)などの一般廃棄物でもよく、プラスチック廃棄物、生ゴミ、廃棄タイヤ、バイオマス廃棄物、食料廃棄物、建築資材、木材、木質チップ、繊維、紙類等の可燃性物質が挙げられる。これらのなかでは、都市固形廃棄物(MSW)が好ましい。
廃棄物由来ガスは、好ましくはガス資化性微生物又は金属触媒のいずれかにより、エタノールに変換される。
原料ガス生成工程において廃棄物のガス化は、例えばガス化炉を用いるとよい。ガス化炉は、炭素源を燃焼(不完全燃焼)させる炉であり、例えば、シャフト炉、キルン炉、流動床炉、ガス化改質炉、プラズマガス化炉等が挙げられる。廃棄物を原料ガスにガス化する際の温度は、特に制限されるものではないが、通常100~2500℃であり、好ましくは200~2100℃である。
原料ガスは、上記の通り様々な汚染物質、ばいじん粒子、不純物、好ましくない量の化合物等の特定の物質を除去ないし低減することで合成ガスとするとよい。合成ガスを微生物発酵によりにエタノールを得る場合には、原料ガスから、微生物の安定培養に好ましくない物質や、好ましくない量の化合物等を低減ないし除去し、原料ガスに含まれる各成分の含有量が微生物の安定培養に好適な範囲となるようにしておくことが好ましい。また、合成ガスより金属触媒を用いてエタノールを得る場合にも、金属触媒を失活させる物質を低減ないし除去するとよい。
合成ガス中の水素濃度は、合成ガス中の一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素の合計濃度に対して、通常10体積%以上80体積%以下であり、好ましくは30体積%以上55体積%以下であり、より好ましくは30体積%以上50体積%以下である。
合成ガス中の窒素濃度は、合成ガス中の一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素の合計濃度に対して、通常40体積%以下であり、好ましくは1体積%以上20体積%以下であり、より好ましくは5体積%以上15体積%以下である。
例えば、一酸化炭素や水素濃度を変更したい場合は、廃プラ等の炭化水素(炭素および水素)の比率が高い廃棄物に変更し、窒素濃度を低下させたい場合は原料ガス生成工程において酸素濃度の高いガスを供給する方法等がある。
さらに、原料ガス及び合成ガスの少なくともいずれかは、一酸化炭素、二酸化炭素、水素および窒素の各成分の濃度調整を適宜行ってもよい。濃度調整は、これら成分の少なくとも1種を原料ガス又は合成ガスに添加するとよい。添加量は、原料ガス又は合成ガスの全量に対して、例えば50体積%未満、好ましくは30体積%未満、より好ましくは10体積%未満である。
合成ガスは、エタノール変換工程においてエタノールに変換される。合成ガスは、エタノール変換工程において、上記のとおりガス資化性微生物又は金属触媒のいずれかにより、エタノールに変換させるとよいが、ガス資化性微生物により変換させることが好ましい。ガス資化性微生物を用いて、エタノールに変換する場合、微生物発酵槽に合成ガスを供給し、微生物発酵槽にて合成ガスを微生物発酵させて、エタノールを製造する。微生物発酵槽は、連続発酵装置とすることが好ましい。
微生物発酵槽に供給する合成ガスは、上記した合成ガス精製工程を経て得られた合成ガスをそのまま合成ガスとして用いてもよいし、別の所定のガスを追加してから供給してもよい。別の所定のガスとして、例えば二酸化硫黄等の硫黄化合物、リン化合物、および窒素化合物からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
分離工程では、例えば、エタノール含有培養液を、0.01~1000kPa(絶対圧)の条件下、23~500℃に加熱して、微生物を含む液体ないし固体成分と、エタノールを含む気体成分とに分離するとよい。このような分離工程を実施することにより、後述するエタノールの分離精製時の蒸留操作において、蒸留装置内で発泡が生じなくなるため、連続的に蒸留操作を行うことができる。また、後述する分離精製時に効率的にエタノールの分離精製を行うことができる。
上記分離工程で得られたエタノールを含む気体成分は、凝縮により液化してエタノール含有液とするとよい。液化工程で用いられる装置は、特に限定されないが、熱交換器、特にコンデンサー(凝縮器)を用いることが好ましい。凝縮器の例としては、水冷式、空冷式、蒸発式等が挙げられ、それらのなかでも水冷式が好ましい。凝縮器は一段でもよいし、複数段からなるものでもよい。
前段精製工程は、エタノール含有液を、エタノールの濃度を高めた留出液と、エタノールの濃度を低下させた缶出液とに分離する工程である。精製工程に用いられる装置は、例えば、蒸留装置、浸透気化膜を含む処理装置、ゼオライト膜を含む処理装置、エタノールより沸点の低い低沸点物質を除去する処理装置、エタノールより沸点の高い高沸点物質を除去する処理装置、イオン交換膜を含む処理装置等が挙げられる。これらの装置は単独でまたは2種以上を組み合わせてもよい。単位操作としては、蒸留装置又は膜分離を好適に用いることができ、蒸留装置がより好ましい。また、膜分離としては、ゼオライト膜を好適に用いることができる。
これらの水素化活性金属は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。水素化活性金属としては、CO転化率のさらなる向上、エタノールの選択率が向上する点から、ロジウム、マンガン及びリチウムを組み合わせたものや、ルテニウム、レニウム及びナトリウムを組み合わせたもの等、ロジウム又はルテニウムとアルカリ金属とその他の水素化活性金属とを組み合わせたものが好ましい。
金属触媒としては、ロジウム系触媒が好ましい。ロジウム系触媒は、ロジウム系触媒以外の他の金属触媒を併用してもよい。他の金属触媒としては、銅単独又は銅と銅以外の遷移金属とが担体に担持された触媒が挙げられる。
金属触媒を使用する場合には、通常はエタノールに加えてアセトアルデヒドや酢酸を含む生成物が得られるので、該生成物は、蒸留などの前段精製工程を経て原料エタノールとされるとよい。
また、原料エタノールは、廃棄物由来のエタノールを含むものであれば、市販品を使用してもよい。
原料エタノールは、エチレン生成工程によりエタノールをエチレンに変換させ、それにより、エチレン含有生成物が得られる。具体的には、原料エタノールを触媒に接触させて、エチレンに変換させればよい。原料エタノールは、脱水反応によりエチレンに変換される。
ゼオライト、及び脱アルミニウム化したゼオライトは、基本的にH型であるのが有利である。また、副成分(約50%以下の成分)として、金属補償イオン、例えばNa、Mg、Ca、La、Ni、Ce、Zn、Coから選択される少なくとも1種を含むことができる。
P改質ゼオライトにおけるリン原子含有率は、少なくとも0.05質量%であり、好ましくは0.3~7質量%であるのが有利である。
また、原料となるゼオライトに対して、浸出によって少なくとも10質量%のアルミニウムがゼオライトから抽出および除去されているのが有利である。
P改質ゼオライトと混合できる材料としては、種々の不活性若しくは触媒活性材料、又は種々の結合剤材料などが挙げられる。具体的には、カオリン、その他のクレーのような組成物、各種形態の希土類金属、燐酸塩、アルミナまたはアルミナゾル、チタニア、ジルコニア、石英、シリカまたはシリカゾルおよびこれらの混合物が挙げられる。これらの成分は触媒および配合触媒の圧縮強度の増加に有効である。触媒はペレット、球に成形したり、その他の形状に押出したり、噴霧乾燥粒子にすることができる。最終触媒生成物中に含まれるP改質ゼオライトの量は全触媒の10~90質量%、好ましくは全触媒の20~70質量%である。
P改質ゼオライトの好適な例は、シリコアルミノホスフェートであり、より好ましくはAELグループのシリコアルミノホスフェートであり、その代表的な例はSAPO-11である。SAPO-11はALPO-11をベースにし、Al/P比は基本的に1原子/原子である。合成中に珪素先駆体を加えてALPO骨格中に珪素を挿入することで、10員環のゼオライトのミクロポアの表面に酸サイトができる。珪素の含有量は0.1~10原子%である(Al+P+Siは100)。
ヘテロポリ酸のアニオンは、典型的には、1種又は複数種の中心原子を対称的様式で取り巻く周辺原子として知られる、12~18個の酸素が結合した多価金属原子を含む。周辺原子は、モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブ、タンタル、及びそれらの組合せから適当に選択される。中心原子は、好ましくはケイ素又はリンである。また、中心原子は、元素の周期表中のI~VIII族の原子から選択される任意の1つ、例えば、銅、ベリリウム、亜鉛、コバルト、ニッケル、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、鉄、セリウム、ヒ素、アンチモン、ビスマス、クロム、ロジウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン、ジルコニウム、バナジウム、イオウ、テルル、マンガンニッケル、白金、トリウム、ハフニウム、テルル及びヨウ素などを含むことができる。適当なヘテロポリ酸としては、Keggin、Wells-Dawson及びAnderson-Evans-Perloffヘテロポリ酸が挙げられる。
適当なヘテロポリタングステン酸の例として、18-リンタングステン酸(H6[P2W18O62]・xH2O)、12-リンタングステン酸(H3[PW12O40]・xH2O)、12-ケイタングステン酸(H4[SiW12O40]・xH2O)、ケイタングステン酸セシウム水素(Cs3H[SiW12O40]・xH2O)、リンタングステン酸一カリウム(KH5[P2W18O62]・xH2O)、12-ケイタングステン酸一ナトリウム(NaK3[SiW12O40]・xH2O)、及びカリウムリンタングステン酸(K6[P2W18O62]・xH2O)が挙げられる。2種以上の異なるヘテロポリタングステン酸及び塩の混合物も使用することができる。
触媒担体の形状は、特に限定されず、例えば、粉末形態、顆粒状形態、ペレット化形態、球状形態、又は押し出された形態であってよい。
触媒を例えば反応容器に充填して、その触媒を充填した反応容器に、原料エタノール、又は、原料エタノールと、水及びその他の任意成分から選択される少なくとも1種とをガスとして供給し、気相脱水反応をすることで、反応容器から気相でエチレン含有生成物を排出させるとよい。反応容器から排出されるガスにエタノールが残る場合には、エチレン含有生成物からエタノールを含む成分を分離して、そのエタノールを含む成分を再度反応容器に供給してもよい。
なお、ヘテロポリ酸担持触媒の場合には、原料エタノールと接触する前に、ヘテロポリ酸担持触媒を220℃以上の温度に加熱し、その温度で十分な時間保つことでヘテロポリ酸担持触媒のヘテロポリ酸成分から結合水を除去してもよい。
本発明のエチレンの製造方法では、上記のとおり、エチレン生成工程の前に、原料エタノールを精製する第1の精製工程、又は、エチレン生成工程の後にエチレン含有生成物を精製する第2の精製工程の少なくともいずれかを行う。また、好ましくは第1及び第2の精製工程の両方を行う。
なお、本明細書では、第2の精製工程が行われる場合には、第2の精製工程により精製されたエチレン含有生成物を、本発明の製造方法で製造される「エチレン」とし、第2の精製工程が省略される場合には、エチレン生成工程で得られたエチレン含有生成物を、本発明の製造方法で製造される「エチレン」とする。本発明の製造方法で製造される「エチレン」は、エチレン単独からなるものでもよいが、合成ないし精製を経ても不可避的に混入される不純物を含む組成物であってもよい。
廃棄物には、様々な成分が含まれ、そのため、廃棄物から生成された原料エタノールには、様々な有機化合物が含有される。また、有機化合物のうち、上記炭素数の有機化合物は、様々な工程を経て得られた原料エタノールに残存していることが多い。原料エタノールにこのような有機化合物が残存していると、エチレン生成工程における脱水反応や、さらに後段のエチレンを使用した重合反応を阻害したり、エチレンから得られる重合体の品質を低下させたりすることがある。したがって、第1の精製工程において、特定の炭素数の炭化水素やアルコール、エーテルを除去することで、エチレンの重合反応を好適に進行させ、また、得られる重合体の品質も良好にしやすくなる。
なお、第1及び第2の精製工程でいう「除去」とは、原料エタノール又はエチレン含有生成物から対象物質を完全に除く態様のみならず、対象物質の含有量を低減する態様も含まれる。
一酸化炭素及び酸素は、電気陰性度が高く、エチレンの重合反応において重合反応を阻害することがある。例えば、チーグラー・ナッタ触媒等の特定の触媒を用いた場合に、重合反応を阻害することがある。また、酸素は、高圧重合などのラジカル重合では重合開始剤になり得るため、酸素が多く含まれることで重合が暴走することなどもある。そのため、第2の精製工程において、一酸化炭素や酸素をエチレン含有組成物から取り除くことで、これらによりエチレンの重合反応が阻害されることを防止できる。
これら比較的炭素数が大きい(炭素数6~14)脂肪族飽和炭化水素は、廃棄物由来の原料エタノールには比較的多く含まれる。一方で、これら脂肪族飽和炭化水素は、食品に含まれる油脂成分との相溶性が高く、本発明で製造されるエチレンから生成される重合体を食品用途で包装材などに使用すると、食品への流出が懸念される。そのため、比較的炭素数が大きい脂肪族飽和炭化水素を取り除くことで、食品安全上好ましい。
また、上記したいずれかの工程で取り除かれる炭素数3~14の脂肪族飽和炭化水素は、廃棄物由来の原料エタノールに多く含有される観点から、炭素数10~14の脂肪族飽和炭化水素を含むことが好ましい。
第1の精製工程において、炭素数6~14の脂肪族不飽和炭化水素を除去する方法は、特に限定されないが、クロマトグラフィーを有する分離装置により除去されるとよい。クロマトグラフィーとしては、逆相クロマトグラフィーなどを使用するとよい。さらに、蒸留装置、活性炭吸着などにより除去してもよい。
第2の精製工程において除去される特定の有機化合物には、具体的には、2-プロパノールなどの低分子量アルコール、ジエチルエーテルなどの低分子量エーテルから選択される少なくとも1つが含まれることがさらに好ましい。また、第2の精製工程において除去される特定の有機化合物には、これらに加えて、プロピレンなどの低分子量の脂肪族不飽和炭化水素などもさらに含まれることがよりさらに好ましい。すなわち、第2の精製工程では、低分子量有機化合物として、プロパノール及びジエチルエーテルが除去されることがよりさらに好ましく、これらに加えてさらに、プロピレンが除去されることが特に好ましい。
低分子量有機化合物は、特定の分離装置を使用することで、未反応のエタノール、一酸化炭素、酸素などとともに効率的にエチレンから除去できる。
また、ジエチルエーテルは、エチレン生成工程においてはエタノールと共にエチレンを生成する原料になり得る。したがって、ジエチルエーテルは、第1の精製工程よりも、第2の精製工程において多い割合で除去することが好ましい。なお、割合とは、第1の精製工程では原料エタノール、第2の精製工程ではエチレン含有生成物に対する割合である。
この場合、エチレンよりも融点が高い水、二酸化炭素、エタノールその他の有機化合物などの物質は、冷媒の温度が上記凝縮器よりも高い1又は2以上の前段の凝縮器を用いて、取り除いておくとよい。前段の凝縮器としては、例えば、冷媒の温度が比較的高い(例えば、常圧では0~25℃)第1の凝縮器と、第1の凝縮器よりも冷媒の温度が低い第2の凝縮器(例えば、常圧では-50~-90℃)とを組み合わせて使用してもよい。
また、凝縮器はいかなる形態のものでもよく、冷媒が通された金属管などに、気相のエチレン含有生成物を接触させてもよいし、冷媒とエチレン含有生成物を直接接触させてもよい。
本発明で製造されたエチレンは、様々な用途に使用可能であるが、好ましくは、エチレン由来の構成単位を含む重合体を製造する重合工程に供される。重合工程では、エチレンを含むモノマーを重合して重合体が得られる。重合体は、エチレン単体を重合して得られたホモポリエチレンでもよいが、エチレンとエチレン以外のモノマー成分を重合した共重合体でもよい。
また、エチレン由来の構成単位を含む重合体であればこれら以外でもよく、例えば、エチレン以外のモノマーとの共重合体であってもよい。当該エチレン以外のモノマーとしては、特に制限されないが、プロピレン、1-ブテン、2-ブテン、イソブテン、1-ペンテン、1-へキセン、1-へプテン、1-オクテン、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、アクリルニトリル、フッ化ビニル、塩化ビニル、臭化ビニル、テトラフルオロエチレン、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、一酸化炭素等が挙げられる。具体的な共重合体としては、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンアクリル酸メチル共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、エチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等が挙げられる。
直鎖状低密度ポリエチレンは、一般的にエチレンと、少量のエチレン以外のα-オレフィンとの共重合体であり、エチレン以外のα-オレフィンとしては、炭素数3~10のα-オレフィンが挙げられ、具体的には、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、4-メチル-ペンテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1、デセン-1等が挙げられる。直鎖状低密度ポリエチレンの密度は0.942g/cm3未満であり、典型的には密度は0.930g/cm3以下であり、また、例えば0.880g/cm3以上、典型的には0.910g/cm3以上である。
超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)は、エチレン単独重合体であってもよいが、エチレンとエチレン以外のα-オレフィンとの共重合体であってもよい。エチレン以外のα-オレフィンは、上記LLDPEで述べたとおりである。
メタロセン触媒としては、例えば、遷移金属をπ電子系の不飽和化合物で挟んだ構造を有するビス(シクロペンタジエニル)金属錯体等の化合物が挙げられる。より具体的には、チタン、ジルコニウム、ニッケル、パラジウム、ハフニウム、及び白金等の四価の遷移金属に、1又は2以上のシクロペンタジエニル環又はその類縁体がリガンド(配位子)として存在する化合物が挙げられる。
チーグラー・ナッタ触媒及びメタロセン触媒は、それぞれ特定の共触媒(助触媒)と組み合わせて使用してもよい。具体的な共触媒としては、メチルアルミノキサン(MAO)、ホウ素系化合物等が挙げられる。
また、スタンダード触媒としては、酸化モリブデンを使用した公知の触媒であり、例えば、ガンマ-アルミナ・酸化モリブデンなどが挙げられる。
(原料ガス生成工程)
ごみ焼却設備で一般廃棄物を燃焼した後に排出されるガスを用いた。原料ガスの成分は、一酸化炭素約30体積%、二酸化炭素約30体積%、水素約30体積%および窒素は約10体積%であった。
上記にて製造された原料ガスを、圧力スイング吸着方式の分離装置(PSA)を用いて、ガス温度を80℃まで加温した条件にて、合成ガス中に含まれている二酸化炭素を、60~80体積%除去した後、150℃のスチームを用いた二重管式熱交換器にて、ガスの昇温と25℃の冷却水を用いた二重管式熱交換器を用いて再冷却を行い、不純物を析出させ析出した不純物をフィルターで除去することにより、合成ガスを製造した。
主反応器、合成ガス供給孔、および排出孔を備えた、クロストリジウム・オートエタノゲナム(微生物)の種菌と、菌培養用の液状培地(リン化合物、窒素化合物および各種ミネラル等を適切量含む)を充填した連続発酵装置(微生物発酵槽)に、上記のようにして得られた合成ガスを連続的に供給し、37℃で培養(微生物発酵)を連続300時間行った。その後、排出孔からエタノールを含有する培養液を約8000L抜き出した。
上記エタノール変換工程で得られた、エタノールを含有する培養液を、固液分離フィルター装置を用いて培養液導入圧200kPa以上、温度37℃の条件にて固液分離して、エタノール含有液を得た。
続いて、エタノール含有液を、170℃のスチームを用いた加熱器を備えた蒸留装置に導入した。蒸留塔底部の温度を8~15分以内に101℃まで上昇させた後、上記エタノール含有液を蒸留塔中部から導入し、連続運転時においては、塔底部を101℃、塔中部を99℃、頭頂部を91℃にて、15秒/Lの条件にて連続運転し、精製されたエタノールを得た。蒸留塔内部の圧力は60~95kPa(絶対圧)であった。精製されたエタノール(原料エタノール)は、エタノール純度が90容量%以上であった。
得られたエタノールを逆相クロマトグラフィーにより精製し、主に炭素数6~14の脂肪族飽和炭化水素を除去する。
第1の精製工程で精製された原料エタノールからエチレンを含む生成物を製造する。
具体的には、活性アルミナ触媒を反応管に充填し、温度525℃、圧力0.5MPaGに調整する。第1の精製工程で得られるエタノールを反応管に供給し、気相脱水反応をすることで、エチレンを含むエチレン含有生成物を製造する。
5℃に冷却した第1の凝縮器、-70℃に冷却した第2の凝縮器、及び-170℃に冷却した第3の凝縮器をこの順に配置して、これらに上記で製造したエチレン含有生成物を順次バブリングすることで精製したエチレンを製造する。第1の凝縮器で主に水を除去し、第2の凝縮器で主に未反応のエタノール、2-プロパノール、ジエチルエーテルを除去し、第3の凝縮器で主にプロピレン、一酸化炭素、及び酸素を除去する。
反応管を窒素置換した後、助触媒である修飾メチルアルミノキサン(MMAO)、チーグラー・ナッタ触媒、およびトルエンを添加する。常圧下に室温で撹拌した後、50℃まで昇温し、エチレンを供給して重合を行うことで、ポリエチレン樹脂(HDPE)を製造する。
本実施例で製造されるポリエチレンは、第1及び第2の精製工程を経ることで、エチレンの重合反応における重合活性が好適に進行し、かつ得られる重合体の品質を良好にできる。比較として市販高純度のエチレンを用いて重合されたポリエチレンとしても、分子量は同等のものができる。
Claims (11)
- 廃棄物由来の合成ガスから、ガス資化性微生物による微生物発酵により、エタノール含有培養液を生成するエタノール変換工程と、
得られたエタノール含有培養液から、微生物を含む成分を分離して、エタノール含有液を得る分離工程と、
前記エタノール含有液を蒸留装置を用いて精製して、廃棄物由来のエタノールを含む原料エタノールを得る前段精製工程と、
前記原料エタノールをクロマトグラフィー、蒸留装置、及び活性炭吸着のいずれかで炭素数6~14の脂肪族不飽和炭化水素を除去するようにさらに精製する第1の精製工程と、
前記第1の精製工程を経た原料エタノールから、エチレンを含むエチレン含有生成物を得るエチレン生成工程と
を含むエチレンの製造方法。 - 製造されたエチレンにおいて、炭素数6~14の脂肪族飽和炭化水素の含有量が、0.3体積%以下である、請求項1に記載のエチレンの製造方法。
- 前記エチレン生成工程の後に、前記エチレン含有生成物から炭素数3~14の脂肪族不飽和炭化水素、炭素数3~14の脂肪族飽和炭化水素、炭素数3~10のアルコール、炭素数3~10のエーテル、一酸化炭素、及び酸素からなる群から選択される少なくとも1つを除去する第2の精製工程をさらに含む、請求項1又は2に記載のエチレンの製造方法。
- 前記第2の精製工程において一酸化炭素及び酸素を除去する請求項3に記載のエチレンの製造方法。
- 廃棄物由来の合成ガスから、ガス資化性微生物による微生物発酵により、エタノール含有培養液を生成するエタノール変換工程と、
得られたエタノール含有培養液から、微生物を含む成分を分離して、エタノール含有液を得る分離工程と、
前記エタノール含有液を蒸留装置を用いて精製して、廃棄物由来のエタノールを含む原料エタノールを得る前段精製工程と、
前記原料エタノールから、エチレンを含むエチレン含有生成物を得るエチレン生成工程と、
前記エチレン生成工程の後に一酸化炭素、及び酸素を除去するように前記エチレン含有生成物を精製する第2の精製工程と
を含むエチレンの製造方法。 - エチレン生成工程の前に、前記原料エタノールから炭素数3~14の脂肪族不飽和炭化水素、炭素数3~14の脂肪族飽和炭化水素、炭素数3~10のアルコール、及び炭素数3~10のエーテルからなる群から選択される少なくとも1つを除去する第1の精製工程を含む、請求項5に記載のエチレンの製造方法。
- 製造されたエチレンにおいて、一酸化炭素の含有量が、1体積%以下であり、かつ酸素の含有量が1体積%以下である請求項4~6のいずれか1項に記載のエチレンの製造方法。
- 前記炭素数3~14の脂肪族不飽和炭化水素が、プロピレンを含む、請求項3または6に記載のエチレンの製造方法。
- 前記炭素数3~10のアルコールが、2-プロパノールを含む、請求項3、6、及び8のいずれか1項に記載のエチレンの製造方法。
- 前記炭素数3~10のエーテルが、ジブチルエーテルを含む、請求項3、6、8及び9のいずれか1項に記載のエチレンの製造方法。
- 請求項1~10のいずれか1項に記載の方法で製造されるエチレンを含むモノマーを重合して重合体を得る重合工程を含む、重合体の製造方法。
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