人工ニューラルネットワーク(以後、ニューラルネットワークと呼称する。)において、シナプスの結合強度は、ニューラルネットワークに既存の情報を与えることによって、変化することができる。このように、ニューラルネットワークに既存の情報を与えて、結合強度を決める処理を「学習」と呼称する場合がある。
また、「学習」を行った(結合強度を定めた)ニューラルネットワークに対して、何らかの情報を与えることにより、その結合強度に基づいて新たな情報を出力することができる。このように、ニューラルネットワークにおいて、与えられた情報と結合強度に基づいて新たな情報を出力する処理を「推論」又は「認知」と呼称する場合がある。
ニューラルネットワークのモデルとしては、例えば、ホップフィールド型、階層型などが挙げられる。特に、多層構造としたニューラルネットワークを「ディープニューラルネットワーク」(DNN)と呼称し、ディープニューラルネットワークによる機械学習を「ディープラーニング」と呼称する場合がある。
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い意味での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductor又は単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの活性層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有するトランジスタのチャネル形成領域を構成し得る場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)と呼称することができる。また、OSトランジスタと記載する場合においては、金属酸化物又は酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
また、本明細書等において、各実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて、本発明の一態様とすることができる。また、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、互いに構成例を適宜組み合わせることが可能である。
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)と、一つ若しくは複数の別の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)との少なくとも一つの内容に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを行うことができる。
なお、実施の形態の中で述べる内容とは、各々の実施の形態において、様々な図を用いて述べる内容、又は明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)は、その図の別の部分、その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)と、一つ若しくは複数の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)との少なくとも一つの図に対して、組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることができる。
本明細書に記載の実施の形態については、図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなく、その形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態の発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、斜視図などにおいて、図面の明確性を期すために、一部の構成要素の記載を省略している場合がある。
本明細書等において、複数の要素に同じ符号を用いる場合、特に、それらを区別する必要があるときには、符号に“_1”、“[n]”、“[m,n]”等の識別用の符号を付記して記載する場合がある。
また、本明細書の図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置である、演算回路の一例について、説明する。
<演算回路の構成例1>
図1に示す演算回路MAC1は、積和演算、及び関数の演算が可能な演算回路の構成例を示している。演算回路MAC1は、後述する複数のメモリセルに保持された複数の第1データと、入力された複数の第2データと、の積和演算を行い、かつ当該積和演算の結果を用いて活性化関数の演算を行う回路である。なお、複数の第1データ、及び複数の第2データは、一例としては、アナログデータ、又は多値のデータ(離散的なデータ)とすることができる。
演算回路MAC1は、一例として、メモリセルアレイCAと、回路CMSと、回路WDDと、回路XLDと、回路WLDと、回路ACTVと、を有する。
メモリセルアレイCAは、メモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,n]と、メモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]と、を有する。メモリセルアレイCAにおいて、メモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,n]は、m行n列(mは1以上の整数であり、nは1以上の整数である。)のマトリクス状に配置されている。また、メモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]は、メモリセルアレイCAのn+1列目に配置されている。
メモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,n]は、第1データを保持する機能を有し、メモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]は、積和演算を行うために必要になる参照データを保持する機能を有する。なお、参照データも、第1データ、及び第2データと同様に、アナログデータ、又は多値のデータ(離散的なデータ)とすることができる。
メモリセルAM[1,1]は、配線WD[1]と、配線BL[1]と、配線WL[1]と、配線XL[1]と、に電気的に接続されている。また、メモリセルAM[m,1]は、配線WD[1]と、配線BL[1]と、配線WL[m]と、配線XL[m]と、に電気的に接続されている。また、メモリセルAM[1,n]は、配線WD[n]と、配線BL[n]と、配線WL[1]と、配線XL[1]と、に電気的に接続されている。また、メモリセルAM[m,n]は、配線WD[n]と、配線BL[n]と、配線WL[m]と、配線XL[m]と、に電気的に接続されている。また、メモリセルAMr[1]は、配線WDrと、配線BLrと、配線WL[1]と、配線XL[1]と、に電気的に接続されている。また、メモリセルAMr[m]は、配線WDrと、配線BLrと、配線WL[m]と、配線XL[m]と、に電気的に接続されている。
メモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,n]と、メモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]と、のそれぞれの詳細な回路構成の例については、後述する。
回路CMSは、一例として、配線BL[1]乃至配線BL[n]と、配線BLrと、に電気的に接続されている。回路CMSは、配線BL[1]からメモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,1]のそれぞれに電流を供給する機能と、当該電流を定電流に設定する機能を有する。また、回路CMSは、配線BL[n]からメモリセルAM[1,n]乃至メモリセルAM[m,n]のそれぞれに電流を供給する機能と、当該電流を定電流に設定する機能を有する。また、回路CMSは、配線BLrからメモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]のそれぞれに電流を供給する機能と、当該電流とほぼ同じ電流量を配線BL[1]乃至配線BL[n]に供給する機能と、当該電流を定電流に設定する機能を有する。
回路WDDは、一例として、配線WD[1]乃至配線WD[n]と、配線WDrと、に電気的に接続されている。回路WDDは、メモリセルアレイCAが有するそれぞれのメモリセルに格納するためのデータを送信する機能を有する。例えば、回路WDDは、配線WD[1]乃至配線WD[n]に当該データとして第1データを送信し、また、配線WDrに当該データとして参照データを送信することができる。
回路WLDは、一例として、配線WL[1]乃至配線WL[m]に電気的に接続されている。回路WLDは、メモリセルアレイCAが有するメモリセルにデータを書き込む際に、データの書き込み先となるメモリセルを選択する機能を有する。具体例として、メモリセルアレイCAのi行目(iは1以上m以下の整数である。)のメモリセルにデータを書き込むとき、回路WLDは、配線WL[i]に高レベル電位を与え、また、配線WL[i]以外の配線WL[1]乃至配線WL[m]に低レベル電位を与えることで、データの書き込み先となるメモリセルAM[i,1]乃至メモリセルAM[i,n]、メモリセルAMr[i]を選択することができる。
回路XLDは、一例として、配線XL[1]乃至配線XL[m]に電気的に接続されている。回路XLDは、第1データとの乗算を行うための第2データを、メモリセルアレイCAが有するそれぞれのメモリセルに送信する機能を有する。具体的には、例えば、回路XLDは、配線XL[1]乃至配線XL[m]に第2データに応じた電位を与えることができる。
回路ACTVは、一例として、配線BL[1]乃至配線BL[n]と、配線BLrと、配線NIL[1]乃至配線NIL[n]と、に電気的に接続されている。回路ACTVは、例えば、配線BL[1]乃至配線BL[n]と、配線BLrと、に所定の電圧を入力する機能と、を有する。また、回路ACTVは、例えば、配線BL[1]から回路ACTVに流れる電流量に応じた電圧を出力する機能と、当該電圧を用いてあらかじめ定義された関数系に従った演算を行う機能と、当該関数の演算の結果を配線NIL[1]に出力する機能と、を有する。また、回路ACTVは、例えば、配線BL[n]から回路ACTVに流れる電流量を電圧などに変換する機能と、当該電圧を用いてあらかじめ定義された関数系に従った演算を行う機能と、当該関数の演算の結果を配線NIL[n]に出力する機能と、を有する。
特に、回路ACTVにおける、あらかじめ定義された関数系としては、例えば、シグモイド関数、tanh関数、ソフトマックス関数、ReLU関数(ランプ関数)、しきい値関数などを用いることができる。また、これらの関数は、例えば、ニューラルネットワークにおける活性化関数として適用することができる。
<<回路ACTVの構成例>>
次に、演算回路MAC1に適用することができる回路ACTVの構成例について、説明する。
図2は、回路ACTVの構成例を示した回路図である。回路ACTVは、一例として、トランジスタTr51[1]乃至トランジスタTr51[n]と、回路IVC[1]乃至回路IVC[n]と、スイッチSW4A[1]乃至スイッチSW4A[n]と、スイッチSW4B[1]乃至スイッチSW4B[n]と、スイッチSW5[1]乃至スイッチSW5[n]と、スイッチSW5rと、を有する。
トランジスタTr51[1]乃至トランジスタTr51[n]のそれぞれとしては、例えば、pチャネル型トランジスタを適用することができる。
また、トランジスタTr51[1]乃至トランジスタTr51[n]のそれぞれは、互いに電気特性が等しいことが好ましい。そのためには、例えば、トランジスタTr51[1]乃至トランジスタTr51[n]のそれぞれは、互いにサイズ(例えば、チャネル長、チャネル幅、トランジスタの構成など)が等しいことが好ましい。トランジスタTr51[1]乃至トランジスタTr51[n]のそれぞれのサイズを互いに等しくすることによって、トランジスタTr51[1]乃至トランジスタTr51[n]のそれぞれは、互いに同一の条件である場合において、ほぼ同じ動作を行うことができる。ここでの同一の条件とは、例えば、トランジスタTr51[1]乃至トランジスタTr51[n]のそれぞれのソース、ドレイン、ゲートなどの電位などを指す。
また、トランジスタTr51[1]乃至トランジスタTr51[n]は、特に断りの無い場合は、オン状態のときに飽和領域で動作する場合を含むものとする。すなわち、上述したそれぞれのトランジスタのゲート、ソース、及びドレインには、飽和領域で動作する範囲での電圧が適切に入力されている場合を含むものとする。
また、トランジスタTr51[1]乃至トランジスタTr51[n]のそれぞれは、シリコンがチャネル形成領域に含まれているトランジスタ(以後、Siトランジスタと呼称する)を適用することが好ましい。また、シリコンとしては、例えば、非晶質シリコン(水素化アモルファスシリコンと呼ぶ場合がある)、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどとすることができる。
なお、トランジスタTr51[1]乃至トランジスタTr51[n]のそれぞれとしては、pチャネル型トランジスタの代わりに、nチャネル型トランジスタを適用してもよい場合がある。また、トランジスタTr51[1]乃至トランジスタTr51[n]のそれぞれは、OSトランジスタを適用してもよい。
また、スイッチSW4A[1]乃至スイッチSW4A[n]、スイッチSW4B[1]乃至スイッチSW4B[n]、スイッチSW5[1]乃至スイッチSW5[n]、及びスイッチSW5rのそれぞれは、例えば、アナログスイッチ、トランジスタなどの電気的なスイッチを適用することができる。又は、スイッチSW4A[1]乃至スイッチSW4A[n]、スイッチSW4B[1]乃至スイッチSW4B[n]、スイッチSW5[1]乃至スイッチSW5[n]、及びスイッチSW5rとしては、例えば、機械的なスイッチを適用してもよい。なお、スイッチSW4A[1]乃至スイッチSW4A[n]、スイッチSW4B[1]乃至スイッチSW4B[n]、スイッチSW5[1]乃至スイッチSW5[n]、及びスイッチSW5rにトランジスタを適用する場合、当該トランジスタは、OSトランジスタ、またはSiトランジスタとすることができる。
なお、本実施の形態では、スイッチSW4A[1]乃至スイッチSW4A[n]、スイッチSW4B[1]乃至スイッチSW4B[n]、スイッチSW5[1]乃至スイッチSW5[n]、及びスイッチSW5rのそれぞれは、制御端子に高レベル電位が入力されたときにオン状態となり、低レベル電位が入力されたときにオフ状態となるものとする。
スイッチSW4A[1]の第1端子は、スイッチSW5[1]の第1端子と、配線BL[1]と、に電気的に接続され、スイッチSW4A[1]の第2端子は、回路IVC[1]の第1端子に電気的に接続されている。また、配線BL[1]は、一例として、回路ACTVの複数の第1端子の一に電気的に接続されているため、上記の「スイッチSW4A[1]の第1端子は、スイッチSW5[1]の第1端子と、配線BL[1]と、に電気的に接続されている」は、「スイッチSW4A[1]の第1端子は、スイッチSW5[1]の第1端子と、回路ACTVの複数の第1端子の一と、に電気的に接続されている」と換言することができる。回路IVC[1]の第2端子は、トランジスタTr51[1]の第1端子に電気的に接続され、トランジスタTr51[1]の第2端子は、スイッチSW4B[1]の第1端子に電気的に接続されている。スイッチSW4B[1]の第2端子は、配線NIL[1]に電気的に接続されている。また、配線NIL[1]は、一例として、回路ACTVの複数の第2端子の一に電気的に接続されているため、上記の「スイッチSW4B[1]の第2端子は、配線NIL[1]に電気的に接続されている」は、「スイッチSW4B[1]の第2端子は、回路ACTVの複数の第2端子の一に電気的に接続されている」と換言することができる。
同様に、スイッチSW4A[n]の第1端子は、スイッチSW5[n]の第1端子と、配線BL[n]と、に電気的に接続され、スイッチSW4A[n]の第2端子は、回路IVC[n]の第1端子に電気的に接続されている。また、配線BL[n]は、一例として、回路ACTVの複数の第1端子の一に電気的に接続されているため、上記の「スイッチSW4A[n]の第1端子は、スイッチSW5[n]の第1端子と、配線BL[n]と、に電気的に接続されている」は、「スイッチSW4A[n]の第1端子は、スイッチSW5[n]の第1端子と、回路ACTVの複数の第1端子の一と、に電気的に接続されている」と換言することができる。回路IVC[n]の第2端子は、トランジスタTr51[n]の第1端子に電気的に接続され、トランジスタTr51[n]の第2端子は、スイッチSW4B[n]の第1端子に電気的に接続されている。スイッチSW4B[n]の第2端子は、配線NIL[n]に電気的に接続されている。また、配線NIL[n]は、一例として、回路ACTVの複数の第2端子の一に電気的に接続されているため、上記の「スイッチSW4B[n]の第2端子は、配線NIL[n]に電気的に接続されている」は、「スイッチSW4B[n]の第2端子は、回路ACTVの複数の第2端子の一に電気的に接続されている」と換言することができる。
また、スイッチSW5[1]乃至スイッチSW5[n]のそれぞれの第2端子は、配線VSLに電気的に接続され、スイッチSW5[1]乃至スイッチSW5[n]のそれぞれの制御端子は、配線WEに電気的に接続されている。また、トランジスタTr51[1]乃至トランジスタTr51[n]のそれぞれのゲートは、配線VBAに電気的に接続されている。また、スイッチSW4A[1]乃至スイッチSW4A[n]、及びスイッチSW4B[1]乃至スイッチSW4B[n]のそれぞれの制御端子は、配線SL4に電気的に接続されている。
また、スイッチSW5rの第1端子は、配線BLrに電気的に接続され、スイッチSW5rの第2端子は、配線VSLに電気的に接続され、スイッチSW5rの制御端子は、配線WEに電気的に接続されている。
回路IVC[1]乃至回路IVC[n]のそれぞれは、第1端子に入力された電流量に応じた電圧を第2端子に出力する機能を有する。つまり、回路IVC[1]乃至回路IVC[n]は、電流電圧変換回路としての機能を有する。
配線VSLは、一例として、定電圧を与える配線として機能する。当該定電圧としては、例えば、低レベル電位、接地電位などとすることができる。
配線WEは、一例として、スイッチSW5[1]乃至スイッチSW5[n]、及びスイッチSW5rの導通状態と非導通状態との切り替えを行うための電圧を供給する配線として機能する。
配線SL4は、一例として、スイッチSW4[1]乃至スイッチSW4[n]の導通状態と非導通状態との切り替えを行うための電圧を供給する配線として機能する。
配線VBAは、一例として、定電圧を与える配線として機能する。
トランジスタTr51[1]乃至トランジスタTr51[n]のそれぞれは、例えば、トランジスタTr51[1]乃至トランジスタTr51[n]のそれぞれの第1端子-第2端子間の電圧を制御する機能を有する。具体的には、トランジスタTr51[1]乃至トランジスタTr51[n]のそれぞれは、回路IVC[1]乃至回路IVC[n]のそれぞれの第2端子から、トランジスタTr51[1]乃至トランジスタTr51[n]のそれぞれの第2端子に転送される電位を制限する機能を有する。このとき、トランジスタTr51[1]乃至トランジスタTr51[n]のそれぞれの第1端子-第2端子間の電圧は、配線VBAが与える定電圧と、トランジスタTr51[1]乃至トランジスタTr51[n]のそれぞれの第1端子の電位と、によって定められる。
次に、回路IVC[1]乃至回路IVC[n]に適用できる回路の構成例について説明する。図3Aの回路ACTVでは、回路IVC[1]乃至回路IVC[n]の具体的な回路構成を示している。
図3Aの回路ACTVにおいて、回路IVC[1]は、抵抗RE[1]と、オペアンプOP[1]と、を有する。また、回路IVC[n]は、抵抗RE[n]と、オペアンプOP[n]と、を有する。
回路IVC[1]において、オペアンプOP[1]の反転入力端子は、回路IVC[1]の第1端子と、抵抗RE[1]の第1端子と、に電気的に接続されている。また、オペアンプOP[1]の非反転入力端子は、配線VdLに電気的に接続されている。また、オペアンプOP[1]の出力端子は、抵抗RE[1]の第2端子と、回路IVC[1]の第2端子と、に電気的に接続されている。
また、回路IVC[n]において、オペアンプOP[n]の反転入力端子は、回路IVC[n]の第1端子と、抵抗RE[n]の第1端子と、に電気的に接続されている。また、オペアンプOP[n]の非反転入力端子は、配線VdLに電気的に接続されている。また、オペアンプOP[n]の出力端子は、抵抗RE[n]の第2端子と、回路IVC[n]の第2端子と、に電気的に接続されている。
配線VdLは、一例として、定電圧を与える配線として機能する。当該定電圧としては、例えば、接地電位、低レベル電位などとすることができる。
つまり、図3Aの回路ACTVには、抵抗RE[1]乃至抵抗RE[n]とオペアンプOP[1]乃至オペアンプOP[n]と配線VdLとによって、n個の電流電圧変換回路が構成されている。
また、回路IVC[1]乃至回路IVC[n]に適用できる回路の構成例としては、図3Aに示す回路IVC[1]乃至回路IVC[n]に限定されない。例えば、図3Bに示す回路ACTVのとおり、図3Aの回路IVC[1]乃至回路IVC[n]に備えられている抵抗RE[1]乃至抵抗RE[n]のそれぞれを負荷LE[1]乃至負荷LE[n]に変更してもよい。負荷LE[1]乃至負荷LE[n]としては、例えば、ダイオード、トランジスタなどを用いてもよく、これらの回路素子を用いた場合でも、負荷LE[1]乃至負荷LE[n]とオペアンプOP[1]乃至オペアンプOP[n]とによって、n個の電流電圧変換回路を構成することができる。
次に、回路ACTVの具体的な動作例について説明する。なお、ここでは、一例として、図3Aに示す回路ACTVの動作について説明する。
回路ACTVにおいて、配線WEに高レベル電位を入力し、配線SL4に高レベル電位を入力することによって、スイッチSW5[1]乃至スイッチSW5[n]、スイッチSW4A[1]乃至スイッチSW4A[n]、及びスイッチSW4B[1]乃至スイッチSW4B[n]のそれぞれはオン状態となる。このため、回路IVC[1]乃至回路IVC[n]のそれぞれの第1端子には、配線VSLが与える電位が印加される。
配線VSLが与える電位は、例えば、回路IVC[1]乃至回路IVC[n]のそれぞれにおける、初期化用の電位とすることができる。このため、回路IVC[1]乃至回路IVC[n]のそれぞれの第2端子から、当該初期化用の電位に応じた電位が出力される。また、このとき、配線BL[j](jは1以上n以下の整数とする。)から、回路ACTVに電流が流れている場合、当該電流は、配線VSL側に流れる。
また、回路ACTVにおいて、配線WEに高レベル電位を入力し、配線SL4に低レベル電位を入力することによって、スイッチSW5[1]乃至スイッチSW5[n]、及びスイッチSW5rをオン状態になり、スイッチSW4A[1]乃至スイッチSW4A[n]、及びスイッチSW4B[1]乃至スイッチSW4B[n]がオフ状態となる。このとき、配線BL[1]乃至配線BL[n]、及び配線BLrには、配線VSLが与える電位が印加される。
また、回路ACTVにおいて、配線WEに低レベル電位を入力し、配線SL4に高レベル電位を入力することによって、スイッチSW5[1]乃至スイッチSW5[n]のそれぞれはオフ状態となり、スイッチSW4A[1]乃至スイッチSW4A[n]、及びスイッチSW4B[1]乃至スイッチSW4B[n]のそれぞれはオン状態となる。このため、回路IVC[1]乃至回路IVC[n]のそれぞれの第1端子は、配線BL[1]乃至配線BL[n]のそれぞれと導通状態となる。
このとき、配線BL[j](jは1以上n以下の整数とする。)から、回路IVC[j]の第1端子を介して、抵抗RE[j]に電流量IS[j]が流れるものとする。回路IVC[j]に含まれているオペアンプOP[j]は抵抗RE[j]を介した負帰還の構成となっているため、抵抗RE[j]の抵抗値をRとし、配線VdLが与える電位をVrefとし、回路IVC[j]の第2端子の電位をVA[j]としたとき、電位VA[j]は次の式で表すことができる。
また、電位VA[j]は、トランジスタTr51[j]の第1端子に入力される。このとき、トランジスタTr51[j]の第2端子から出力される電位は、トランジスタTr51[j]のゲートに入力される、配線VBAが与える電位と、電位VA[j]と、に応じて決まる。配線VBAが与える電位をVBIASとし、トランジスタTr51[j]のしきい値電圧をVthとし、トランジスタTr51[j]の第2端子から出力される電位をVOUT[j]としたとき、電位VOUT[j]は次の近似式で表すことができる。
なお、式(1.2)は、VA[j]がVBIAS+Vth以上のときに成り立ち、式(1.3)は、VA[j]がVBIAS+Vth未満のときに成り立つ。
式(1.2)、及び式(1.3)より、トランジスタTr51[i]の第1端子に入力される電位と、トランジスタTr51[i]の第2端子から出力される電位と、の関係は、ReLU関数(ランプ関数)の演算としてみなすことができる。
ReLU関数は、例えば、実施の形態3で説明する階層型のニューラルネットワークに含まれるニューロンの活性化関数として扱うことができる。つまり、回路ACTVを用いることによって、階層型のニューラルネットワークにおける活性化関数の演算を行うことができる。
<<メモリセルの構成例>>
次に、メモリセルアレイCAに含まれているメモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,n]、メモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]の構成例について、説明する。
図4は、メモリセルアレイCAと、回路CMSと、の構成例を示した回路図である。メモリセルアレイCA、及び回路CMSは、複数の第1データと複数の第2データとの積和を計算する機能を有する。
図4に示すメモリセルアレイCAにおいて、メモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,n]、メモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]のそれぞれは、トランジスタTr11と、トランジスタTr12と、容量C1と、を有する。
また、メモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,n]、及びメモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]に含まれているトランジスタTr11のサイズは互いに等しいことが好ましい。また、メモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,n]、及びメモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]に含まれているトランジスタTr12のサイズは互いに等しいことが好ましい。
トランジスタのサイズを互いに等しくすることによって、それぞれのトランジスタの電気特性をほぼ等しくすることができる。そのため、メモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,n]、及びメモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]のそれぞれに含まれているトランジスタTr11のサイズを等しくし、かつメモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,n]、及びメモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]のそれぞれに含まれているトランジスタTr12のサイズを等しくすることによって、メモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,n]、及びメモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]のそれぞれは、互いに同一の条件である場合において、ほぼ同じ動作を行うことができる。ここでの同一の条件とは、例えば、トランジスタTr11のソース、ドレイン、ゲートなどの電位、トランジスタTr12のソース、ドレイン、ゲートなどの電位、メモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,n]、及びメモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]のそれぞれに入力されている電圧などを指す。
なお、トランジスタTr11は、特に断りの無い場合は、スイッチング素子として機能する場合を含むものとする。すなわち、トランジスタTr11のゲート、ソース、及びドレインには、トランジスタTr11がスイッチング素子として動作する範囲での電圧が適切に入力されている場合を含むものとする。また、トランジスタTr11は、オン状態のときは飽和領域で動作してもよく、また、線形領域で動作する場合と飽和領域で動作する場合とが混在してもよい。
また、トランジスタTr12は、特に断りの無い場合は、オン状態のときに飽和領域で動作する場合を含むものとする。すなわち、上述したそれぞれのトランジスタのゲート、ソース、及びドレインには、飽和領域で動作する範囲での電圧が適切に入力されている場合を含むものとする。
なお、トランジスタTr11は、OSトランジスタであることが好ましい。加えて、トランジスタTr11のチャネル形成領域には、インジウム、ガリウム、亜鉛の少なくとも一を含む酸化物が含まれていることがより好ましい。又は、トランジスタTr11のチャネル形成領域は、インジウム、元素M(元素Mとしては、例えば、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種などが挙げられる。)、亜鉛の少なくとも一を含む酸化物としてもよい。また、トランジスタTr11は、実施の形態4に記載するトランジスタの構造であることが更に好ましい。
トランジスタTr11として、OSトランジスタを用いることにより、トランジスタTr11のリーク電流を抑えることができるため、計算精度の高い積和演算回路を実現できる場合がある。また、トランジスタTr11として、OSトランジスタを用いることにより、トランジスタTr11が非導通状態における、保持ノード(例えば、後述するノードN[1,1]、ノードN[m,1]、ノードN[1,n]、ノードN[m,n]、ノードNr[1]、ノードNr[m]など)から書き込みワード線(例えば、配線WD[1]乃至配線WD[n]、配線WDrなど)へのリーク電流を非常に小さくすることができる。つまり、保持ノードの電位のリフレッシュ動作を少なくすることができるため、積和演算回路の消費電力を低減することができる。
また、トランジスタTr12に対しても、OSトランジスタを用いることで、トランジスタTr11と同時に作製することができるため、積和演算回路の作製工程を短縮することができる場合がある。また、トランジスタTr12は、OSトランジスタでなく、Siトランジスタとしてもよい。シリコンとしては、例えば、非晶質シリコン(水素化アモルファスシリコンと呼ぶ場合がある)、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどとすることができる。
図4において、トランジスタTr11、及びトランジスタTr12には、バックゲートが図示され、当該バックゲートの接続構成については図示されていないが、当該バックゲートの電気的な接続先は、設計の段階で決めることができる。例えば、バックゲートを有するトランジスタにおいて、そのトランジスタのオン電流を高めるために、ゲートとバックゲートとを電気的に接続してもよい。つまり、例えば、トランジスタTr11のゲートとバックゲートとを電気的に接続してもよいし、また、トランジスタTr12のゲートとバックゲートとを電気的に接続してもよい。また、例えば、バックゲートを有するトランジスタにおいて、そのトランジスタのしきい値電圧を変動させるため、又は、そのトランジスタのオフ電流を小さくするために、そのトランジスタのバックゲートと外部回路などとを電気的に接続するための配線を設けて、当該外部回路などによってそのトランジスタのバックゲートに電位を与える構成としてもよい。
また、図4に図示しているトランジスタTr11、及びトランジスタTr12は、バックゲートを有しているが、本発明の一態様の半導体装置は、これに限定されない。例えば、図4に図示しているトランジスタTr11、及びトランジスタTr12は、バックゲートを有さないような構成、つまり、シングルゲート構造のトランジスタとしてもよい。また、一部のトランジスタはバックゲートを有している構成であり、別の一部のトランジスタは、バックゲートを有さない構成であってもよい。
また、図4に図示しているトランジスタTr11、及びトランジスタTr12は、nチャネル型トランジスタとしているが、本発明の一態様の半導体装置は、これに限定されない。例えば、トランジスタTr11、及びトランジスタTr12の一部、又は全部をpチャネル型トランジスタに置き換えてもよい。
なお、上記のトランジスタの構造、極性に関する変更例は、トランジスタTr11、及びトランジスタTr12だけに限定されない。例えば、後述するトランジスタTr33、トランジスタTr34、更に、明細書の他の箇所に記載されているトランジスタ、又は他の図面に図示されているトランジスタについても同様である。
メモリセルAM[1,1]乃至メモリセル[m,n]と、メモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]と、のそれぞれにおいて、トランジスタTr11の第1端子は、トランジスタTr12のゲートと電気的に接続されている。トランジスタTr12の第1端子は、配線VRと電気的に接続されている。容量C1の第1端子は、トランジスタTr12のゲートと電気的に接続されている。
メモリセルAM[1,1]において、トランジスタTr11の第2端子は、配線WD[1]と電気的に接続され、トランジスタTr11のゲートは、配線WL[1]と電気的に接続されている。トランジスタTr12の第2端子は、配線BL[1]と電気的に接続され、容量C1の第2端子は、配線XL[1]と電気的に接続されている。なお、メモリセルAM[1,1]において、トランジスタTr11の第1端子と、トランジスタTr12のゲートと、容量C1の第1端子と、の電気的な接続箇所をノードN[1,1]としている。
メモリセルAM[m,1]において、トランジスタTr11の第2端子は、配線WD[1]と電気的に接続され、トランジスタTr11のゲートは、配線WL[m]と電気的に接続されている。トランジスタTr12の第2端子は、配線BL[1]と電気的に接続され、容量C1の第2端子は、配線XL[m]と電気的に接続されている。なお、メモリセルAM[m,1]において、トランジスタTr11の第1端子と、トランジスタTr12のゲートと、容量C1の第1端子と、の電気的な接続箇所をノードN[m,1]としている。
メモリセルAM[1,n]において、トランジスタTr11の第2端子は、配線WD[n]と電気的に接続され、トランジスタTr11のゲートは、配線WL[1]と電気的に接続されている。トランジスタTr12の第2端子は、配線BL[n]と電気的に接続され、容量C1の第2端子は、配線XL[1]と電気的に接続されている。なお、メモリセルAM[1,n]において、トランジスタTr11の第1端子と、トランジスタTr12のゲートと、容量C1の第1端子と、の電気的な接続箇所をノードN[1,n]としている。
メモリセルAM[m,n]において、トランジスタTr11の第2端子は、配線WD[n]と電気的に接続され、トランジスタTr11のゲートは、配線WL[m]と電気的に接続されている。トランジスタTr12の第2端子は、配線BL[n]と電気的に接続され、容量C1の第2端子は、配線XL[m]と電気的に接続されている。なお、メモリセルAM[m,n]において、トランジスタTr11の第1端子と、トランジスタTr12のゲートと、容量C1の第1端子と、の電気的な接続箇所をノードN[m,n]としている。
メモリセルAMr[1]において、トランジスタTr11の第2端子は、配線WDrと電気的に接続され、トランジスタTr11のゲートは、配線WL[1]と電気的に接続されている。トランジスタTr12の第2端子は、配線BLrと電気的に接続され、容量C1の第2端子は、配線XL[1]と電気的に接続されている。なお、メモリセルAMr[1]において、トランジスタTr11の第1端子と、トランジスタTr12のゲートと、容量C1の第1端子と、の電気的な接続箇所をノードNr[1]としている。加えて、配線BLrからトランジスタTr12の第2端子に流れる電流をIAMr[1]とする。
メモリセルAMr[m]において、トランジスタTr11の第2端子は、配線WDrと電気的に接続され、トランジスタTr11のゲートは、配線WL[m]と電気的に接続されている。トランジスタTr12の第2端子は、配線BLrと電気的に接続され、容量C1の第2端子は、配線XL[m]と電気的に接続されている。なお、メモリセルAMr[m]において、トランジスタTr11の第1端子と、トランジスタTr12のゲートと、容量C1の第1端子と、の電気的な接続箇所をノードNr[m]としている。加えて、配線BLrからトランジスタTr12の第2端子に流れる電流をIAMr[2]とする。
上述したノードN[1]、ノードN[m]、ノードNr[1]、及びノードNr[m]は、それぞれのメモリセルの保持ノードとして機能する。
配線VRは、メモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,n]、メモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]のそれぞれのトランジスタTr12の第1端子-第2端子間に電流を流すための配線である。そのため、配線VRは、所定の電位を与えるための配線として機能する。なお、本実施の形態では、配線VRが与える電位は、例えば、低レベル電位、接地電位、又は接地電位よりも低い電位とすることができる。
<<回路CMSの構成例>>
次に、回路CMSの構成例について説明する。
図4において、回路CMSは、回路CS1[1]乃至回路CS1[n]と、回路CS2[1]乃至回路CS2[n]と、回路CMと、スイッチSW3[1]乃至スイッチSW3[n]と、スイッチSW7[1]乃至スイッチSW7[n]と、スイッチSW7rと、を有する。
また、スイッチSW3[1]乃至スイッチSW3[n]のそれぞれの制御端子は、配線SL3に電気的に接続されている。また、スイッチSW7[1]乃至スイッチSW7[n]、及びスイッチSW7rのそれぞれの制御端子は、配線SL7に電気的に接続されている。
また、スイッチSW7[1]乃至スイッチSW7[n]のそれぞれの第1端子は、配線BL[1]乃至配線BL[n]のそれぞれに電気的に接続されている。また、スイッチSW7rの第1端子は、配線BLrに電気的に接続されている。
配線SL3は、スイッチSW3[1]乃至スイッチSW3[n]のそれぞれの導通状態、非導通状態の切り替えを行うための電圧を供給する配線として機能する。また、配線SL7は、スイッチSW7[1]乃至スイッチSW7[n]、及びスイッチSW7rのそれぞれの導通状態、非導通状態の切り替えを行うための電圧を供給する配線として機能する。
回路CS1[1]乃至回路CS1[n]のそれぞれは、例えば、定電流を流す電流源回路として機能する。また、詳しくは後述するが、回路CS1[1]乃至回路CS1[n]のそれぞれは、当該定電流の量を設定する機能を有する。
回路CS1[1]乃至回路CS1[n]のそれぞれは、pチャネル型トランジスタであるトランジスタTr33と、容量C6と、スイッチSW1と、を有する。
なお、トランジスタTr33は、Siトランジスタであることが好ましい。また、トランジスタTr33のチャネル形成領域に含まれているシリコンは、例えば、非晶質シリコン(水素化アモルファスシリコンと呼ぶ場合がある)、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどとすることができる。
また、回路CS1[1]乃至回路CS1[n]のそれぞれに含まれているトランジスタTr33は、互いに電気特性が等しいことが好ましい。そのためには、例えば、回路CS1[1]乃至回路CS1[n]のそれぞれのトランジスタTr33は、互いにサイズが等しいことが好ましい。
また、回路CS1[1]乃至回路CS1[n]のそれぞれのトランジスタTr33は、特に断りの無い場合は、オン状態のときに飽和領域で動作する場合を含むものとする。すなわち、上述したそれぞれのトランジスタのゲート、ソース、及びドレインには、飽和領域で動作する範囲での電圧が適切に入力されている場合を含むものとする。
回路CS1[1]乃至回路CS1[n]のそれぞれにおいて、トランジスタTr33の第1端子は配線VHEに電気的に接続され、トランジスタTr33のゲートは容量C6の第1端子と、スイッチSW1の第1端子と、に電気的に接続され、トランジスタTr33の第2端子はスイッチSW1の第2端子に電気的に接続されている。また、容量C6の第2端子は配線VHEに電気的に接続されている。また、スイッチSW1の制御端子は、配線SL1に電気的に接続されている。
回路CS1[1]において、トランジスタTr33の第2端子、及びスイッチSW1の第2端子には、スイッチSW3[1]の第1端子と、スイッチSW7[1]の第2端子と、が電気的に接続されている。
回路CS1[n]において、トランジスタTr33の第2端子、及びスイッチSW1の第2端子には、スイッチSW3[n]の第1端子と、スイッチSW7[n]の第2端子と、が電気的に接続されている。
配線VHEは、定電圧を与える配線として機能する。当該定電圧としては、例えば、高レベル電位とすることが好ましい。
配線SL1は、回路CS1[1]乃至回路CS1[n]のそれぞれのスイッチSW1の導通状態、非導通状態の切り替えを行うための電圧を供給する配線として機能する。
回路CS1[1]乃至回路CS1[n]のそれぞれは、例えば、トランジスタTr33のソース-ドレイン間電圧が変化しても、ソース-ドレイン間に流れる電流量を一定に保つ機能を有する。具体的には、回路CS1[1]乃至回路CS1[n]のそれぞれにおいて、スイッチSW1をオン状態にして、トランジスタTr33をダイオード接続の構成にする。このとき、トランジスタTr33のソース-ドレイン間には、トランジスタTr33のソース-ドレイン(ゲート)間電圧に応じた電流が流れる。また、トランジスタTr33のゲートの電位は、ドレインの電位とほぼ等しくなる。ここで、スイッチSW1をオフ状態にして、トランジスタTr33のゲートの電位を容量C6の第1端子によって保持することにより、トランジスタTr33のゲート-ソース間電圧を一定に保つことができる。このため、トランジスタTr33は、飽和領域で動作する場合、ドレインの電位が変化しても、ソース-ドレイン間に流れる電流量を、スイッチSW1がオン状態のときに流れる電流量のまま一定に保つことができる。
なお、本明細書等では、このように、トランジスタを一時的にダイオード接続の構成にして、当該トランジスタのゲートの電位をドレインの電位にほぼ等しくして、その後、当該トランジスタのゲートとドレインとを非導通状態にして、当該トランジスタのソース-ドレイン間電流の量を一定に保つことを、「トランジスタのソース-ドレイン間に流れる電流の量を、トランジスタに設定(プログラミング)する」などと記載する。また、回路CS1[1]乃至回路CS1[n]のそれぞれのように、当該トランジスタが回路に含まれている場合は、「回路に流れる電流の量を、回路に設定(プログラミング)する」、「回路から流出する電流(回路に流入する電流)の量を、回路に設定(プログラミング)する」などと記載する。
回路CS2[1]乃至回路CS2[n]のそれぞれは、例えば、定電流を流す電流源回路として機能する。また、回路CS2[1]乃至回路CS2[n]のそれぞれも、回路CS1[1]乃至回路CS1[n]のそれぞれと同様に、当該定電流の量を設定する機能を有する。
回路CS2[1]乃至回路CS2[n]のそれぞれは、nチャネル型トランジスタであるトランジスタTr34と、容量C7と、スイッチSW2と、を有する。
なお、トランジスタTr34は、例えば、トランジスタTr11に用いることができるOSトランジスタ、Siトランジスタなどを適用することができる。また、トランジスタTr34にSiトランジスタを適用する場合、トランジスタTr34のチャネル形成領域に含まれているシリコンは、例えば、非晶質シリコン(水素化アモルファスシリコンと呼ぶ場合がある)、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどとすることができる。
また、回路CS2[1]乃至回路CS2[n]のそれぞれに含まれているトランジスタTr34は、互いに電気特性が等しいことが好ましい。そのためには、例えば、回路CS2[1]乃至回路CS2[n]のそれぞれのトランジスタTr34は、互いにサイズが等しいことが好ましい。
また、回路CS2[1]乃至回路CS2[n]のそれぞれのトランジスタTr34は、特に断りの無い場合は、オン状態のときに飽和領域で動作する場合を含むものとする。すなわち、上述したそれぞれのトランジスタのゲート、ソース、及びドレインには、飽和領域で動作する範囲での電圧が適切に入力されている場合を含むものとする。
回路CS2[1]乃至回路CS2[n]のそれぞれにおいて、トランジスタTr34の第1端子は配線VLEに電気的に接続され、トランジスタTr34のゲートは容量C7の第1端子と、スイッチSW2の第1端子と、に電気的に接続され、トランジスタTr34の第2端子はスイッチSW2の第2端子に電気的に接続されている。また、容量C7の第2端子は配線VLEに電気的に接続されている。また、スイッチSW2の制御端子は、配線SL2に電気的に接続されている。
回路CS2[1]において、トランジスタTr34の第2端子、及びスイッチSW2の第2端子には、スイッチSW3[1]の第2端子が電気的に接続されている。
回路CS2[n]において、トランジスタTr34の第2端子、及びスイッチSW2の第2端子には、スイッチSW3[n]の第2端子が電気的に接続されている。
配線VLEは、定電圧を与える配線として機能する。当該定電圧としては、例えば、低レベル電位とすることが好ましい。
配線SL2は、回路CS2[1]乃至回路CS2[n]のそれぞれのスイッチSW2の導通状態、非導通状態の切り替えを行うための電圧を供給する配線として機能する。
回路CS2[1]乃至回路CS2[n]のそれぞれは、例えば、回路CS1[1]乃至回路CS1[n]のそれぞれと同様に、トランジスタTr34のソース-ドレイン間電圧が変化しても、ソース-ドレイン間に流れる電流量を一定に保つ機能を有する。具体的には、回路CS2[1]乃至回路CS2[n]のそれぞれにおいて、スイッチSW2をオン状態にして、トランジスタTr34をダイオード接続の構成にする。このとき、トランジスタTr34のソース-ドレイン間には、トランジスタTr34のソース-ドレイン(ゲート)間電圧に応じた電流が流れる。また、トランジスタTr34のゲートの電位は、ドレインの電位とほぼ等しくなる。ここで、スイッチSW2をオフ状態にして、トランジスタTr34のゲートの電位を容量C7の第1端子によって保持することにより、トランジスタTr34のゲート-ソース間電圧を一定に保つことができる。このため、トランジスタTr34は、飽和領域で動作する場合、ドレインの電位が変化しても、ソース-ドレイン間に流れる電流量を、スイッチSW2がオン状態のときに流れる電流量のまま一定に保つことができる。
回路CMは、例えば、カレントミラー回路として機能する。回路CMは、一例として、トランジスタTr31と、トランジスタTr32[1]乃至トランジスタTr32[n]と、を有する。
また、回路CMがカレントミラー回路として機能するためとして、トランジスタTr31と、トランジスタTr32[1]乃至トランジスタTr32[n]と、のそれぞれは、互いに電気特性が等しいことが好ましい。そのためには、例えば、トランジスタTr31と、トランジスタTr32[1]乃至トランジスタTr32[n]と、のそれぞれは、互いにサイズが等しいことが好ましい。
また、トランジスタTr31と、トランジスタTr32[1]乃至トランジスタTr32[n]と、のそれぞれは、特に断りの無い場合は、オン状態のときに飽和領域で動作する場合を含むものとする。すなわち、上述したそれぞれのトランジスタのゲート、ソース、及びドレインには、飽和領域で動作する範囲での電圧が適切に入力されている場合を含むものとする。
トランジスタTr31、及びトランジスタTr32[1]乃至トランジスタTr32[n]のそれぞれの第1端子は、配線VHEに電気的に接続されている。また、トランジスタTr31の第2端子は、トランジスタTr31のゲートと、トランジスタTr31[1]乃至トランジスタTr31[n]のそれぞれのゲートと、スイッチSW7rの第2端子と、に電気的に接続されている。
トランジスタTr32[1]の第2端子は、スイッチSW3[1]の第2端子と、回路CS2[1]のトランジスタTr34の第2端子と、回路CS2[1]のスイッチSW2の第2端子と、に電気的に接続されている。また、トランジスタTr32[n]の第2端子は、スイッチSW3[n]の第2端子と、回路CS2[n]のトランジスタTr34の第2端子と、回路CS2[n]のスイッチSW2の第2端子と、に電気的に接続されている。
回路CMは、図4に示した構成とすることによって、トランジスタTr31の第1端子-第2端子間に流れる電流とほぼ等しい電流量を、トランジスタTr32[1]乃至トランジスタTr32[n]のそれぞれの第1端子-第2端子間に流すことができる。
スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3[1]乃至スイッチSW3[n]、スイッチSW7[1]乃至スイッチSW7[n]、及びスイッチSW7rとしては、例えば、アナログスイッチ、トランジスタなどの電気的なスイッチを適用することができる。また、スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3[1]乃至スイッチSW3[n]、スイッチSW7[1]乃至スイッチSW7[n]、及びスイッチSW7rとしては、例えば、機械的なスイッチを適用してもよい。なお、スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3[1]乃至スイッチSW3[n]、スイッチSW7[1]乃至スイッチSW7[n]、及びスイッチSW7rにトランジスタを適用する場合、当該トランジスタは、OSトランジスタ、またはSiトランジスタとすることができる。
また、回路CMの構成は、図4に示す構成に限定されない。回路CMの構成は、例えば、図5に示す回路CMのとおり、トランジスタTr31とトランジスタTr35とをカスコード接続し、トランジスタTr32[1]乃至トランジスタTr32[n]のそれぞれとトランジスタTr36[1]乃至トランジスタTr36[n]のそれぞれとをカスコード接続した構成としてもよい。図5に示す回路CMのとおり、カレントミラー回路に含まれるトランジスタをカスコード接続することによって、当該カレントミラー回路の動作をより安定させることができる。
なお、本実施の形態では、スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3[1]乃至スイッチSW3[n]、スイッチSW7[1]乃至スイッチSW7[n]、及びスイッチSW7rのそれぞれは、制御端子に高レベル電位が入力されたときにオン状態となり、低レベル電位が入力されたときにオフ状態となるものとする。
<演算回路の動作例>
次に、演算回路MAC1の動作例について説明する。
図6に演算回路MAC1の動作例のタイミングチャートを示す。図6のタイミングチャートは、時刻T01乃至時刻T14、またその近傍における、配線WL[1]、配線WL[2]、配線WL[m](本動作例において、mは4以上の整数とする。)、配線SL1、配線SL2、配線SL3、配線SL4、配線SL7、配線WE、配線WD[1]、配線WDr、ノードN[1,1]、ノードN[2,1]、ノードN[m,1]、ノードNr[1]、ノードNr[2]、ノードNr[m]、配線XL[1]、配線XL[2]、配線XL[m]の電位の変動を示している。なお、図6では、高レベル電位をHighと表記し、低レベル電位をLowと表記している。
なお、本動作例において、配線VRが与える電圧を接地電位とする。
<<時刻T01から時刻T02まで>>
時刻T01から時刻T02までの間において、配線WEには高レベル電位が入力されている。これにより、回路ACTVに含まれているスイッチSW5[1]乃至スイッチSW5[n]、及びスイッチSW5rがオン状態となる。
スイッチSW5[1]乃至スイッチSW5[n]、及びスイッチSW5rがオン状態となることで、配線BL[1]乃至配線BL[n]、及び配線BLrのそれぞれと配線VSLとの間が導通状態となり、配線BL[1]乃至配線BL[n]、及び配線BLrのそれぞれには、配線VSLから初期化用の電位が与えられる。なお、本動作例において配線VSLが与える初期化用の電位を接地電位とする。
また、時刻T01から時刻T02までの間において、配線SL4には高レベル電位が入力されている。これにより、回路ACTVに含まれているスイッチSW4A[1]乃至スイッチSW4A[n]、及びスイッチSW4B[1]乃至スイッチSW4B[n]がオン状態となる。
スイッチSW4A[1]乃至スイッチSW4A[n]がオン状態となることで、回路IVC[1]乃至回路IVC[n]のそれぞれの第1端子には、配線VSLから接地電位が与えられる。また、本動作例において、配線VdLが与える電位を接地電位とすることによって、回路IVC[1]乃至回路IVC[n]のそれぞれの第2端子からは、0Vの電位が出力される。
また、時刻T01から時刻T02までの間において、配線WL[1]乃至配線WL[m]には低レベル電位が入力されている。
また、時刻T01から時刻T02までの間において、配線SL1乃至配線SL3、及び配線SL7には低レベル電位が入力されている。そのため、回路CMSにおいて、回路CS1[1]乃至回路CS1[n]に含まれているスイッチSW1と、回路CS2[1]乃至回路CS2[n]に含まれているスイッチSW2と、スイッチSW3[1]乃至スイッチSW3[n]と、スイッチSW7[1]乃至スイッチSW7[n]と、スイッチSW7rと、はオフ状態となる。
また、時刻T01から時刻T02までの間において、配線WD[1]、及び配線WDrには接地電位(図6ではGNDと表記している)が入力されている。
また、時刻T01から時刻T02までの間において、配線XL[1]乃至配線XL[m]のそれぞれには、回路XLDからの電圧が供給されている。ここでは、例えば、回路XLDから配線XL[1]乃至配線XL[m]のそれぞれに供給される電圧を、基準電位(図6ではVRFPと表記している。)とする。
なお、時刻T01から時刻T02までの間において、ノードN[1,1]乃至ノードN[m,n]のそれぞれの電位、及びノードNr[1]乃至ノードNr[m]のそれぞれの電位を、接地電位(図6ではGNDと表記している)とする。
<<時刻T02から時刻T03まで>>
時刻T02から時刻T03までの間において、配線SL4には低レベル電位が入力されている。これにより、回路ACTVに含まれているスイッチSW4A[1]乃至スイッチSW4A[n]、及びスイッチSW4B[1]乃至スイッチSW4B[n]がオフ状態となる。
これにより、配線BL[1]乃至配線BL[n]のそれぞれから、回路IVC[1]乃至回路IVC[n]の第1端子のそれぞれの第1端子に電流が流れなくなる。このため、配線BL[1]乃至配線BL[n]のそれぞれの電位の変化による、回路IVC[1]乃至回路IVC[n]の第1端子の電位の変化を抑制することができる。これにより、回路IVC[1]乃至回路IVC[n]の初期化が完了する。
なお、時刻T02から時刻T03までの間において、配線WEには、時刻T02以前から引き続き高レベル電位が入力されている。また、時刻T02から時刻T03までの間において、配線SL1、配線SL2、配線SL3、配線SL4、及び配線SL7には、時刻T02以前から引き続き低レベル電位が入力されている。
<<時刻T03から時刻T04まで>>
時刻T03から時刻T04までの間において、配線WL[1]には高レベル電位が入力されている。これにより、メモリセルアレイCAにおいて、メモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[1,n]、及びメモリセルAMr[1]のそれぞれに含まれているトランジスタTr11のゲートに高レベル電位が印加されて、それぞれのトランジスタTr11がオン状態となる。
また、時刻T03から時刻T04までの間において、配線WD[1]には接地電位よりもVPR-VW[1,1]大きい電位が入力される。このとき、メモリセルAM[1,1]のトランジスタTr11はオン状態となっているため、配線WD[1]とノードN[1,1]との間が導通状態となり、メモリセルAM[1,1]の容量C1の第1端子(ノードN[1,1])には、接地電位よりもVPR-VW[1,1]大きい電位が入力される。
なお、本動作例において、VPRは参照データに対応した電位とし、VW[1,1]はメモリセルAM[1,1]に保持される第1データに対応した電位とする。
また、時刻T03から時刻T04までの間において、配線WDrには接地電位よりもVPR大きい電位が入力される。このとき、メモリセルAMr[1]のトランジスタTr11はオン状態となっているため、配線WDrとノードNr[1]との間が導通状態となり、メモリセルAMr[1]の容量C1の第1端子(ノードNr[1])には、接地電位よりもVPR大きい電位が入力される。
また、スイッチSW5[1]乃至スイッチSW5[n]がオン状態となっているため、配線BL[1]乃至配線BL[n]のそれぞれには、接地電位が入力される。また、メモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,n]において、トランジスタTr12の第1端子には、配線VRからの接地電位が入力されているため、トランジスタTr12の第1端子-第2端子間の電圧はほぼ0Vとなる。このため、メモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,n]のそれぞれのトランジスタTr12の第1端子-第2端子間に電流は流れない。
また、スイッチSW5rもオン状態となっているため、配線BLrにも接地電位が入力される。また、メモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]において、トランジスタTr12の第1端子には、配線VRからの接地電位が入力されているため、トランジスタTr12の第1端子-第2端子間の電圧はほぼ0Vとなる。このため、メモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]のそれぞれのトランジスタTr12の第1端子-第2端子間に電流は流れない。
また、時刻T03から時刻T04までの間において、メモリセルAM[1,2]乃至メモリセルAM[1,n]のトランジスタTr11もオン状態となっているため、このタイミングであれば、配線WD[2]乃至配線WD[n]のそれぞれからメモリセルAM[1,2]乃至メモリセルAM[1,n]に第1データを入力することで、ノードN[1,2]乃至ノードN[1,n]に第1データに応じた電位を書き込むことができる。なお、本動作例では、配線WD[1]に電気的に接続されているメモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,1]と、配線WDrに電気的に接続されているメモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]と、に着目して説明するため、それら以外のメモリセルの動作については記載を省略する。
また、時刻T03から時刻T04までの間において、配線WL[2]乃至配線WL[m]には、時刻T03以前から引き続き低レベル電位が入力されている。そのため、メモリセルアレイCAにおいて、2行目からm行目までに配置されているメモリセルAM[2,1]乃至メモリセルAM[m,1]、及びメモリセルAMr[2]乃至メモリセルAMr[m]のそれぞれに含まれているトランジスタTr11のゲートに低レベル電位が印加されており、それぞれのトランジスタTr11はオフ状態となっている。これにより、配線WD[1]、配線WDrのそれぞれに入力されているデータが、ノードN[2,1]乃至ノードN[m,1]、及びノードNr[2]乃至ノードNr[m]に書き込まれることはない。
<<時刻T04から時刻T05まで>>
時刻T04から時刻T05までの間において、配線WL[1]には低レベル電位が入力されている。これにより、メモリセルアレイCAにおいて、メモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[1,n]、及びメモリセルAMr[1]のそれぞれに含まれているトランジスタTr11のゲートに低レベル電位が印加されて、それぞれのトランジスタTr11がオフ状態となる。
メモリセルAM[1,1]において、トランジスタTr11がオフ状態となることによって、メモリセルAM[1,1]の容量C1の第1端子(ノードN[1,1])に接地電位よりもVPR-VW[1,1]大きい電位が保持される。また、メモリセルAMr[1]において、トランジスタTr11がオフ状態となることによって、メモリセルAMr[1]の容量C1の第1端子(ノードNr[1])に接地電位よりもVPR大きい電位が保持される。
<<時刻T05から時刻T06まで>>
時刻T05から時刻T06までの間において、配線WL[2]には高レベル電位が入力されている。これにより、メモリセルアレイCAにおいて、メモリセルAM[2,1]乃至メモリセルAM[2,n]、及びメモリセルAMr[2]のそれぞれに含まれているトランジスタTr11のゲートに高レベル電位が印加されて、それぞれのトランジスタTr11がオン状態となる。
また、時刻T05から時刻T06までの間において、配線WD[1]には接地電位よりもVPR-VW[2,1]大きい電位が入力される。このとき、メモリセルAM[2,1]のトランジスタTr11はオン状態となっているため、配線WD[1]とノードN[2,1]との間が導通状態となり、メモリセルAM[2,1]の容量C1の第1端子(ノードN[2,1])には、接地電位よりもVPR-VW[2,1]大きい電位が入力される。
なお、本動作例において、VW[2,1]はメモリセルAM[2,1]に保持される第1データに対応した電位とする。
また、時刻T05から時刻T06までの間において、配線WDrには接地電位よりもVPR大きい電位が入力される。このとき、メモリセルAMr[2]のトランジスタTr11はオン状態となっているため、配線WDrとノードNr[2]との間が導通状態となり、メモリセルAMr[2]の容量C1の第1端子(ノードNr[2])には、接地電位よりもVPR大きい電位が入力される。
また、時刻T05から時刻T06までの間において、配線WL[1]、及び配線WL[3]乃至配線WL[m]には、時刻T05以前から引き続き低レベル電位が入力されている。そのため、メモリセルアレイCAにおいて、1行目、及び3行目からm行目までに配置されているメモリセルAM[1,1]、メモリセルAM[3,1]乃至メモリセルAM[m,1]、メモリセルAMr[1]、及びメモリセルAMr[3]乃至メモリセルAMr[m]のそれぞれに含まれているトランジスタTr11のゲートに低レベル電位が印加されており、それぞれのトランジスタTr11はオフ状態となっている。これにより、配線WD[1]、配線WDrのそれぞれに入力されているデータが、ノードN[1,1]、ノードN[3,1]乃至ノードN[m,1]、ノードNr[1]、及びノードNr[3]乃至ノードNr[m]に書き込まれることはない。
<<時刻T06から時刻T07まで>>
時刻T06から時刻T07までの間において、配線WL[2]には低レベル電位が入力されている。これにより、メモリセルアレイCAにおいて、メモリセルAM[2,1]乃至メモリセルAM[2,n]、及びメモリセルAMr[2]のそれぞれに含まれているトランジスタTr11のゲートに低レベル電位が印加されて、それぞれのトランジスタTr11がオフ状態となる。
メモリセルAM[2,1]において、トランジスタTr11がオフ状態となることによって、メモリセルAM[2,1]の容量C1の第1端子(ノードN[2,1])に接地電位よりもVPR-VW[2,1]大きい電位が保持される。また、メモリセルAMr[2]において、トランジスタTr11がオフ状態となることによって、メモリセルAMr[2]の容量C1の第1端子(ノードNr[2])に接地電位よりもVPR大きい電位が保持される。
<<時刻T07から時刻T08まで>>
時刻T07から時刻T08までの間では、上述した時刻T03から時刻T04までの間、及び時刻T05から時刻T06までの間の動作と同様に、メモリセルAM[3,1]乃至メモリセルAM[m-1,n]のそれぞれの容量C1の第1端子に、第1データに対応した電位が保持される。具体的には、例えば、メモリセルAM[3,1]の容量C1の第1端子(ノードN[3,1])には、接地電位よりもVPR-VW[3,1]高い電位が保持され、メモリセルAM[m-1,1]の容量C1の第1端子(ノードN[m-1,1])には、接地電位よりもVPR-VW[m-1,1]高い電位が保持される。
なお、本動作例において、VW[3,1]はメモリセルAM[3,1]に保持される第1データに対応した電位とし、VW[m-1,1]はメモリセルAM[m-1,1]に保持される第1データに対応した電位とする。
<<時刻T08から時刻T09まで>>
時刻T08から時刻T09までの間において、配線WL[m]には高レベル電位が入力されている。これにより、メモリセルアレイCAにおいて、メモリセルAM[m,1]乃至メモリセルAM[m,n]、及びメモリセルAMr[m]のそれぞれに含まれているトランジスタTr11のゲートに高レベル電位が印加されて、それぞれのトランジスタTr11がオン状態となる。
また、時刻T08から時刻T09までの間において、配線WD[1]には接地電位よりもVPR-VW[m,1]大きい電位が入力される。このとき、メモリセルAM[m,1]のトランジスタTr11はオン状態となっているため、配線WD[1]とノードN[m,1]との間が導通状態となり、メモリセルAM[m,1]の容量C1の第1端子(ノードN[m,1])には、接地電位よりもVPR-VW[m,1]大きい電位が入力される。
なお、本動作例において、VW[m,1]はメモリセルAM[m,1]に保持される第1データに対応した電位とする。
また、時刻T08から時刻T09までの間において、配線WDrには接地電位よりもVPR大きい電位が入力される。このとき、メモリセルAMr[m]のトランジスタTr11はオン状態となっているため、配線WDrとノードNr[m]との間が導通状態となり、メモリセルAMr[m]の容量C1の第1端子(ノードNr[m])には、接地電位よりもVPR大きい電位が入力される。
また、時刻T08から時刻T09までの間において、配線WL[1]乃至配線WL[m-1]には、時刻T08以前から引き続き低レベル電位が入力されている。そのため、メモリセルアレイCAにおいて、1行目からm-1行目までに配置されているメモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m-1,1]、メモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m-1]のそれぞれに含まれているトランジスタTr11のゲートに低レベル電位が印加されており、それぞれのトランジスタTr11はオフ状態となっている。これにより、配線WD[1]、配線WDrのそれぞれに入力されているデータが、ノードN[1,1]乃至ノードN[m-1,1]、ノードNr[1]乃至ノードNr[m-1]に書き込まれることはない。
<<時刻T09から時刻T10まで>>
時刻T09から時刻T10までの間において、配線WL[m]には低レベル電位が入力されている。これにより、メモリセルアレイCAにおいて、メモリセルAM[m,1]乃至メモリセルAM[m,n]、及びメモリセルAMr[m]のそれぞれに含まれているトランジスタTr11のゲートに低レベル電位が印加されて、それぞれのトランジスタTr11がオフ状態となる。
メモリセルAM[m,1]において、トランジスタTr11がオフ状態となることによって、メモリセルAM[m,1]の容量C1の第1端子(ノードN[m,1])に接地電位よりもVPR-VW[m,1]大きい電位が保持される。また、メモリセルAMr[m]において、トランジスタTr11がオフ状態となることによって、メモリセルAMr[m]の容量C1の第1端子(ノードNr[m])に接地電位よりもVPR大きい電位が保持される。
<<時刻T10から時刻T11まで>>
時刻T10から時刻T11までの間において、配線WEに低レベル電位が入力される。これにより、回路ACTVにおいて、スイッチSW5[1]乃至スイッチSW5[n]、及びスイッチSW5rのそれぞれがオフ状態となる。
<<時刻T11から時刻T12まで>>
時刻T11から時刻T12までの間において、配線SL1、配線SL2、及び配線SL7に高レベル電位が入力される。これにより、回路CMSにおいて、回路CS1[1]乃至回路CS1[n]のそれぞれに含まれているスイッチSW1と、回路CS2[1]乃至回路CS2[n]のそれぞれに含まれているスイッチSW2と、スイッチSW7[1]乃至スイッチSW7[n]と、スイッチSW7rと、がオン状態となる。
このとき、メモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,1]のそれぞれは、配線BL[1]を介して、回路CMSに含まれる回路CS1[1]と導通状態となる。また、メモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]のそれぞれは、BLrを介して、回路CMSに含まれる回路CMと導通状態となる。
ここで、メモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,1]のそれぞれのトランジスタTr12の第2端子から第1端子に流れる電流を考える。
例えば、配線BLからメモリセルAM[1,1]のトランジスタTr12の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[1,1],1としたとき、IAM[1,1],1は次の式で表すことができる。
kは、トランジスタTr12のチャネル長、チャネル幅、移動度、及びゲート絶縁膜の容量などで決まる定数である。また、Vthは、トランジスタTr12のしきい値電圧である。なお、定数kは、メモリセルAM[1,1]だけでなく、他のメモリセルAM、メモリセルAMrについても適用できるものとする。また、メモリセルAM[1,1]だけでなく、他のメモリセルAM、メモリセルAMrが有するトランジスタTr12のしきい値電圧もVthとする。
また、例えば、配線BLからメモリセルAM[2,1]のトランジスタTr12の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[2,1],1としたとき、IAM[2,1],1は次の式で表すことができる。
また、例えば、配線BLからメモリセルAM[m,1]のトランジスタTr12の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[m,1],1としたとき、IAM[m,1],1は次の式で表すことができる。
ここで、回路CMSに含まれている回路CS1[1]のトランジスタTr33の第1端子-第2端子間に流れる電流について考える。なお、本動作例では、当該電流の量をI1と記載する。
時刻T11から時刻T12までの間において、回路CS1[1]のスイッチSW1はオン状態、スイッチSW3[1]はオフ状態、スイッチSW7[1]はオン状態、回路AVTCのスイッチSW4A[1]はオフ状態となっているため、回路CS1[1]のトランジスタTr33の第1端子-第2端子間に流れる電流の量I1は、キルヒホッフの法則により次の式のとおりに記述することができる。
また、回路CS1[1]のトランジスタTr33はダイオード接続の構成となっており、かつ回路CS1[1]のトランジスタTr33の第1端子には、定電圧として、高レベル電位を与える配線VHEが電気的に接続されているため、回路CS1[1]のトランジスタTr33のゲート(第2端子)の電位は、トランジスタTr33の第1端子-第2端子間に流れる電流の量I1によって決まる。
次に、メモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]のそれぞれのトランジスタTr12の第2端子から第1端子に流れる電流を考える。
例えば、配線BLrからメモリセルAMr[1]のトランジスタTr12の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAMr[1],2としたとき、同様に、IAMr[1],2は次の式で表すことができる。
また、例えば、配線BLrからメモリセルAMr[2]のトランジスタTr12の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAMr[2],2としたとき、同様に、IAMr[2],2は次の式で表すことができる。
また、例えば、配線BLrからメモリセルAMr[m]のトランジスタTr12の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAMr[m],2としたとき、同様に、IAMr[m],2は次の式で表すことができる。
ここで、回路CMSに含まれている回路CS2[1]のトランジスタTr34の第1端子-第2端子間に流れる電流について考える。なお、本動作例では、当該電流の量をI2と記載する。
時刻T11から時刻T12までの間において、回路CS2[1]のスイッチSW2はオン状態、スイッチSW3[1]はオフ状態、スイッチSW7rはオン状態となっているため、回路CS2[1]のトランジスタTr34の第1端子-第2端子間に流れる電流の量は、トランジスタTr32[1]の第1端子-第2端子間に流れる電流の量とほぼ等しくなる。
また、回路CMは、カレントミラー回路の構成となっているため、トランジスタTr32[1]の第1端子-第2端子間に流れる電流の量は、トランジスタTr31の第1端子-第2端子間に流れる電流の量とほぼ等しくなる。
トランジスタTr31の第1端子-第2端子間に流れる電流の量は、配線BLrからメモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]に流れる電流の総和となるため、回路CS2[1]のトランジスタTr34の第1端子-第2端子間に流れる電流の量I2は、次の式のとおりに記述することができる。
また、回路CS2[1]のトランジスタTr34はダイオード接続の構成となっており、かつ回路CS2[1]のトランジスタTr34の第1端子には、定電圧として、高レベル電位を与える配線VLEが電気的に接続されているため、回路CS2[1]のトランジスタTr34のゲート(第2端子)の電位は、トランジスタTr34の第1端子-第2端子間に流れる電流の量I2によって決まる。
<<時刻T12から時刻T13まで>>
時刻T12から時刻T13までの間において、配線SL1に低レベル電位が入力され、配線SL2に低レベル電位が入力されている。これにより、回路CMSにおいて、回路CS1[1]乃至回路CS1[n]のそれぞれに含まれているスイッチSW1がオフ状態となり、回路CS2[1]乃至回路CS2[n]のそれぞれに含まれているスイッチSW2がオフ状態となる。
このため、時刻T12から時刻T13までの間における、回路CS1[1]のトランジスタTr33のゲートの電位が容量C6の第1端子によって保持され、及び回路CS2[1]のトランジスタTr34のゲートの電位が容量C7の第1端子によって保持される。これにより、回路CS1[1]のトランジスタTr33のゲート-ソース間電圧が保持されるため、トランジスタTr33の第1端子-第2端子間には電流量としてI1が常に流れるように設定される。また、同様に、回路CS2[1]のトランジスタTr34のゲート-ソース間電圧が保持されるため、トランジスタTr34の第1端子-第2端子間には電流量としてI2が常に流れるように設定される。つまり、回路CS[1]には、回路CS[1]から流出する電流の量I1が設定され、回路CS2[1]には、回路CS2[1]に流入する電流の量I2が設定される。
<<時刻T13から時刻T14まで>>
時刻T13から時刻T14までの間において、配線SL3には高レベル電位が入力され、配線SL4には高レベル電位が入力されている。これにより、回路CMSにおいて、スイッチSW3[1]乃至スイッチSW3[n]がオン状態となる。また、回路ACTVにおいて、スイッチSW4A[1]乃至スイッチSW4A[n]、及びスイッチSW4B[1]乃至スイッチSW4B[n]がオン状態となる。
また、時刻T13から時刻T14までの間において、配線XL[1]乃至配線XL[m]のそれぞれには、第2データに応じた電位が入力される。ここで、例えば、回路RPC[1]から配線XL[1]に入力される電位を、接地電位よりもVRFP+VX[1]高い電位とし、回路RPC[2]から配線XL[2]に入力される電位を、接地電位よりもVRFP+VX[2]高い電位とし、回路RPC[m]から配線XL[m]に入力される電位を、接地電位よりもVRFP+VX[m]高い電位とする。
なお、本動作例において、電位VX[1]乃至VX[m]は、第2データに対応する電位である。
時刻T13から時刻T14までの間において、配線XL[1]の電位は、基準電位であるVRFPからVRFP+VX[1]に上昇するため、メモリセルAM[1]、及びメモリセルAMr[1]のそれぞれの容量C1の第2端子には、VRFP+VX[1]が印加されることになる。このとき、ノードN[1,1]、及びノードNr[1]は電気的に浮遊状態であるため、容量C1の容量結合によって、ノードN[1,1]、及びノードNr[1]のそれぞれの電位が変化する。
メモリセルAM[1]、及びメモリセルAMr[1]のそれぞれにおいて、トランジスタTr12のゲートの電位の増加分は、配線XL[1]の電位変化に、メモリセルの構成によって決まる容量結合係数を乗じた電位となる。当該容量結合係数は、容量C1の容量、トランジスタTr12のゲート容量、寄生容量などによって算出される。本動作例では、説明の煩雑さを避けるため、配線XL[1]の電位の増加分もトランジスタTr12のゲートの電位の増加分も同じ値として説明する。これは、メモリセルAM[1,1]、及びメモリセルAMr[1]におけるそれぞれの容量結合係数を1としていることに相当する。また、本動作例では、メモリセルアレイCAに含まれている、メモリセルAM[1,1]、及びメモリセルAMr[1]以外のメモリセルについても、それぞれの容量結合係数を1として説明する。
容量結合係数を1としているため、メモリセルAM[1,1]、及びメモリセルAMr[1]のそれぞれの容量C1の第2端子の電位がVRFPからVRFP+VX[1]に変動することによって、ノードN[1,1]、及びノードNr[1]の電位は、それぞれVX[1]上昇する。
ここで、配線BLからメモリセルAM[1,1]のトランジスタTr12の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[1,1],3としたとき、IAM[1,1],3は次の式で表すことができる。
同様に、配線BLrからメモリセルAMr[1]のトランジスタTr12の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAMr[1],4としたとき、IAMr[1],4は次の式で表すことができる。
また、メモリセルAM[2,1]、及びメモリセルAMr[2]についても、容量結合係数を1としているため、それぞれに含まれている容量C1の第2端子の電位がVRFPからVRFP+VX[2]に変動することによって、ノードN[2,1]、及びノードNr[2]の電位は、それぞれVX[2]上昇する。
ここで、例えば、配線BLからメモリセルAM[2,1]のトランジスタTr12の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[2,1],3としたとき、IAM[2,1],3は次の式で表すことができる。
同様に、例えば、配線BLrからメモリセルAMr[2]のトランジスタTr12の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAMr[2],4としたとき、IAMr[2],4は次の式で表すことができる。
また、メモリセルAM[m,1]、及びメモリセルAMr[m]についても、容量結合係数を1としているため、それぞれに含まれている容量C1の第2端子の電位がVRFPからVRFP+VX[m]に変動することによって、ノードN[m,1]、及びノードNr[m]の電位は、それぞれVX[m]上昇する。
ここで、例えば、配線BLからメモリセルAM[m,1]のトランジスタTr12の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAM[m,1],3としたとき、IAM[m,1],3は次の式で表すことができる。
同様に、例えば、配線BLrからメモリセルAMr[2]のトランジスタTr12の第2端子を介して第1端子に流れる電流をIAMr[m],4としたとき、IAMr[m],4は次の式で表すことができる。
時刻T13から時刻T14までの間において、配線BL[1]からメモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,1]に流れる電流の量の総和をI3としたとき、電流の量I3は次の式のとおりに記述することができる。
また、回路CMは、カレントミラー回路の構成となっているため、回路CMに含まれているトランジスタTr32[1]の第1端子-第2端子間に流れる電流の量は、トランジスタTr31の第1端子-第2端子間に流れる電流の量とほぼ等しくなる。また、トランジスタTr31の第1端子-第2端子間に流れる電流の量は、配線BLrからメモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]に流れる電流の総和となる。時刻T13から時刻T14までの間において、回路CMに含まれているトランジスタTr32[1]の第1端子-第2端子間に流れる電流の量をI4としたとき、電流の量I4は次の式のとおりに記述することができる。
また、時刻T13から時刻T14までの間では、スイッチSW3[1]乃至スイッチSW3[n]、スイッチSW4A[1]乃至スイッチSW4A[n]、スイッチSW4B[1]乃至スイッチSW4B[n]がオン状態となるため、回路ACTVには、配線BLを介して、回路CMS及びメモリセルアレイCAからの電流が流れる。具体的には、例えば、回路CS1[1]から電流量I1が流出し、回路CS2[1]に電流量I2が流入し、メモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,1]には合わせて電流量I3が流れ、回路CMのトランジスタTr32[1]のソース-ドレイン間には電流量I4が流れる。ここで、配線BL[1]から配線NIL[1]に流れる電流の量をIS[1]としたとき、電流の量IS[1]は、キルヒホッフの法則により次の式のとおりに記述することができる。
式(1.20)より、配線BL[1]から回路ACTVに入力される電流の量IS[1]は、第1データに応じた電位VW[1,1]乃至VW[m,1]と、第2データに応じた電位VX[1]乃至VX[m]の積和に比例する。つまり、第1データと第2データの積和は、電流の量IS[1]として表すことができる。
なお、本実施の形態では、演算回路MAC1に含まれているトランジスタをOSトランジスタ、又はSiトランジスタとした場合について説明したが、本発明の一態様は、これに限定されない。演算回路MAC1に含まれているトランジスタは、例えば、Geなどがチャネル形成領域に含まれるトランジスタ、ZnSe、CdS、GaAs、InP、GaN、SiGeなどの化合物半導体がチャネル形成領域に含まれるトランジスタ、カーボンナノチューブがチャネル形成領域に含まれるトランジスタ、有機半導体がチャネル形成領域に含まれるトランジスタ等を用いることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で説明した演算回路MAC1とは異なる構成の演算回路について説明する。
<演算回路の構成例2>
図7に示す演算回路MAC2は、メモリセルアレイCAにメモリセルAMb[1]乃至メモリセルAMb[n]を有する点で、演算回路MAC1と異なっている。
メモリセルAMb[1]は、配線BL[1]と、配線WD[1]と、配線XLbと、配線WLbと、に電気的に接続されている。また、メモリセルAMb[n]は、配線BL[n]と、配線WD[n]と、配線XLbと、配線WLbと、に電気的に接続されている。
メモリセルAMb[1]乃至メモリセルAMb[n]の具体的な構成例を図8に示す。なお、図8には、なお、メモリセルAMb[1]乃至メモリセルAMb[n]のそれぞれとの電気的な接続を示すため、メモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,n]と、メモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]と、回路WDDと、回路CMSと、回路ACTVと、も図示している。
図8に示すとおり、メモリセルAMb[1]乃至メモリセルAMb[n]は、メモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,n]、及びメモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]とほぼ同様の構成とすることができる。そのため、図8の演算回路MAC2では、メモリセルAMb[1]乃至メモリセルAMb[n]のそれぞれは、トランジスタTr11と、トランジスタTr12と、容量C1と、を有する。
なお、メモリセルAMb[1]乃至メモリセルAMb[n]のそれぞれにおいて、トランジスタTr12の第1端子は、配線VRAに電気的に接続されている。
また、メモリセルAMb[1]において、トランジスタTr11の第1端子と、トランジスタTr12のゲートと、容量C1の第1端子と、の電気的な接続箇所をノードNb[1]としている。また、メモリセルAMb[n]において、トランジスタTr11の第1端子と、トランジスタTr12のゲートと、容量C1の第1端子と、の電気的な接続箇所をノードNb[n]としている。
配線WLbは、メモリセルAMb[1]乃至メモリセルAMb[n]にデータを書き込む際に、回路WLDからメモリセルAMb[1]乃至メモリセルAMb[n]に対して、選択信号を供給する配線として機能する。また、配線XLbは、例えば、メモリセルAMb[1]乃至メモリセルAMb[n]の容量C1の第2端子に対して、定電位を印加する配線として機能する。当該定電位としては、接地電位、低レベル電位、高レベル電位などとすることが好ましい。又は、配線XLbは、回路XLDから任意の電位を供給するための配線として機能してもよい。
メモリセルAMb[1]乃至メモリセルAMb[n]のそれぞれの配線VRAは、メモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,n]、及びメモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]のそれぞれの配線VRと同様に、低レベル電位、接地電位、又は接地電位よりも低い電位とすることができる。又は、メモリセルAMb[1]乃至メモリセルAMb[n]のそれぞれの配線VRAは、場合によっては、高レベル電位を与える配線としてもよい。例えば、メモリセルAMb[1]から配線BL[1]に正の電流を流したい場合は、メモリセルAMb[1]の配線VRAは、高レベル電位を与える配線とすればよい。
図8の演算回路MAC2の動作例としては、例えば、図6のタイミングチャートにおいて、時刻T02以前から時刻T11までの間では、メモリセルAMb[1]乃至メモリセルAMb[n]のトランジスタTr12がオフ状態となるように、ノードNb[1]乃至ノードNb[n]に接地電位、低レベル電位、又は配線VRが与える電位を保持する。そして、図6のタイミングチャートにおいて、時刻T14から時刻T15までの間では、メモリセルAMb[1]乃至メモリセルAMb[n]のそれぞれのトランジスタTr12の第1端子-第2端子間に任意の電流の量IBIAS[1]乃至IBIAS[n]が流れるように、ノードNb[1]乃至ノードNb[n]のそれぞれに電位VBIAS[1]乃至VBIAS[n]を保持する。例えば、このとき、IBIAS[1]は次の式で表される。
そのため、時刻T14から時刻T15までの間において、例えば、配線BL[1]から、回路ACTVを介して配線NIL[1]に流れる電流量IS[1]は、次の式のとおりとなる。
式(2.2)は、積和演算の結果に対して、更に任意のバイアスを与える演算に相当する。詳しくは、実施の形態3で説明するが、積和演算の結果に更に任意のバイアスを与える演算は、階層型のニューラルネットワークの演算に用いられる。このため、演算回路MAC2は、階層型のニューラルネットワークの演算を行うことに好適であるといえる。
<演算回路の構成例3>
次に、図1の演算回路MAC1、図7の演算回路MAC2とは異なる、本発明の一態様の半導体装置である、演算回路の構成例について説明する。
図9に示す演算回路MAC3は、回路CMSから回路ACTVに積和演算の結果に係る電流が流れる構成になっている点で、演算回路MAC1、及び演算回路MAC2と異なる。
図9の演算回路MAC3において、回路CMSは、配線BLO[1]乃至配線BLO[n]を介して、回路ACTVに電気的に接続されている。なお、それ以外の回路構成については、図1の演算回路MAC1の説明を参酌する。
回路ACTV、及び回路CMSの具体的な構成例を図10に示す。
図10に示す回路CMSは、実施の形態1で説明した図4の回路CMSにおいて、スイッチSW3[1]の第2端子と、トランジスタTr32[1]の第2端子と、回路CS2[1]のトランジスタTr34の第2端子と、に配線BLO[1]を電気的に接続し、スイッチSW3[n]の第2端子と、トランジスタTr32[n]の第2端子と、回路CS2[n]のトランジスタTr34の第2端子と、に配線BLO[n]を電気的に接続した構成となっている。
更に、図10に示す回路CMSは、スイッチSW8[1]乃至スイッチSW8[n]、及びスイッチSW8rを有しており、スイッチSW8[1]乃至スイッチSW8[n]のそれぞれの第1端子は、配線BL[1]乃至配線BL[n]のそれぞれと、スイッチSW7[1]乃至スイッチSW7[n]のそれぞれの第1端子に電気的に接続されている。また、スイッチSW8rの第1端子は、配線BLrに電気的に接続されている。また、スイッチSW8[1]乃至スイッチSW8[n]、及びスイッチSW8rのそれぞれの第2端子は、配線VLLに電気的に接続され、スイッチSW8[1]乃至スイッチSW8[n]、及びスイッチSW8rのそれぞれの制御端子は、配線SL8に電気的に接続されている。
なお、スイッチSW8[1]乃至スイッチSW8[n]、及びスイッチSW8rとしては、例えば、スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3[1]乃至スイッチSW3[n]などに適用できるスイッチを用いることができる。また、本明細書等において、スイッチSW8[1]乃至スイッチSW8[n]、及びスイッチSW8rのそれぞれは、スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3[1]乃至スイッチSW3[n]と同様に、制御端子に高レベル電位が入力されたときにオン状態となり、低レベル電位が入力されたときにオフ状態となるものとする。
配線VLLは、一例として、定電圧を与える配線として機能する。当該定電圧としては、例えば、低レベル電位、接地電位などとすることができる。特に、配線VLLが与える定電圧は、配線VSLが与える定電圧と等しくしてもよい。つまり、配線VLLと配線VSLは1本の配線としてまとめてもよい。
配線SL8は、一例として、スイッチSW8[1]乃至スイッチSW8[n]、及びスイッチSW8rの導通状態と非導通状態との切り替えを行うための電圧を供給する配線として機能する。
また、図10に示す回路ACTVは、図2の回路ACTVとほぼ同様の構成となっている。
また、図10では、回路ACTVと回路CMSとを電気的に接続する配線を、配線BLO[1]乃至配線BLO[n]としている。配線BLO[1]乃至配線BLO[n]のそれぞれは、図2の回路ACTVに含まれているスイッチSW4[1]乃至スイッチSW4のそれぞれの第1端子に電気的に接続されている。
図10に示す構成の回路CMS、及び回路ACTVを、図9の演算回路MAC3に適用することによって、実施の形態1で説明した演算回路MAC1と同様の動作を行うことができる。
なお、図6のタイミングチャートでは、メモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,n]、及びメモリセルAMr[1]乃至メモリセルAMr[m]のそれぞれに第1データに応じた電位を書き込むとき、つまり時刻T03から時刻T09までの間では、配線WEに高レベル電位を与えてスイッチSW5[1]乃至スイッチSW5[n]とスイッチSW5rとをオン状態にして、配線BL[1]乃至配線BL[n]及び配線BLrのそれぞれの電位を接地電位としたが、図10の回路CMS、及び回路ACTVを適用した演算回路MAC3では、配線SL8に高レベル電位を与えて、スイッチSW8[1]乃至スイッチSW8[n]とスイッチSW8rとをオン状態にして、配線BL[1]乃至配線BL[n]及び配線BLrのそれぞれの電位を接地電位とすればよい。また、配線BL[1]乃至配線BL[n]、及び配線BLrのそれぞれから、対応するメモリセルAM、メモリセルAMrに電流を流すとき、例えば、図6のタイミングチャートの時刻T11以降では、配線SL8に低レベル電位を与えて、スイッチSW8[1]乃至スイッチSW8[n]とスイッチSW8rとをオフ状態にすればよい。
また、図9の演算回路MAC3に含まれている回路CMS、及び回路ACTVの構成は、図10に示す構成に限定されない。例えば、図9の演算回路MAC3に含まれている回路CMS、及び回路ACTVは、図11に示す構成例としてもよい。
図11に示す回路CMSは、図10の回路CMSにスイッチSW6[1]乃至スイッチSW6[n]を設けた構成となっている。具体的には、スイッチSW6[1]の第1端子は、スイッチSW3[1]の第2端子と、トランジスタTr32[1]の第2端子と、トランジスタTr34の第2端子と、に電気的に接続されている。また、スイッチSW6[1]の第2端子は、配線BLO[1]に電気的に接続されている。また、スイッチSW6[1]乃至スイッチSW6[n]のそれぞれの制御端子は、配線SL6に電気的に接続されている。
なお、スイッチSW6[1]乃至スイッチSW6[n]としては、例えば、スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3[1]乃至スイッチSW3[n]などに適用できるスイッチを用いることができる。また、本明細書等において、スイッチSW6[1]乃至スイッチSW6[n]のそれぞれは、スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3[1]乃至スイッチSW3[n]と同様に、制御端子に高レベル電位が入力されたときにオン状態となり、低レベル電位が入力されたときにオフ状態となるものとする。
また、図11に示す回路ACTVは、図2の回路ACTVにおいて、スイッチSW4A[1]乃至スイッチSW4A[n]を設けていない構成となっている。そのため、図11の回路ACTVに含まれている回路IVC[1]乃至回路IVC[n]のそれぞれの第1端子には、配線BLO[1]乃至配線BLO[n]が電気的に接続されている。
つまり、図11の回路CMSは、図10の回路ACTVに含まれているスイッチSW4A[1]乃至スイッチSW4A[n]のそれぞれの代わりとしてスイッチSW6[1]乃至スイッチSW6[n]が設けられた構成となっている。
また、図11の回路CMS、及び回路ACTVを適用した演算回路MAC3を用いて、実施の形態1で説明した図6のタイミングチャートの動作を行う場合、スイッチSW3[1]乃至スイッチSW3[n]とスイッチSW4B[1]乃至スイッチSW4B[n]とスイッチSW6[1]乃至スイッチSW6[n]とのそれぞれがオン状態又はオフ状態になるタイミングは同じであるため、配線SL3と配線SL4と配線SL6とは1本の配線としてまとめてもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置によって演算が可能な階層型のニューラルネットワークの構成について説明する。
階層型のニューラルネットワークは、一例としては、一の入力層と、一又は複数の中間層(隠れ層)と、一の出力層と、を有し、合計3以上の層によって構成されている。図12Aに示す階層型のニューラルネットワーク100はその一例を示しており、ニューラルネットワーク100は、第1層乃至第R層(ここでのRは4以上の整数とすることができる。)を有している。特に、第1層は入力層に相当し、第R層は出力層に相当し、それら以外の層は中間層に相当する。なお、図12Aには、中間層として第(k-1)層、第k層(ここでのkは3以上R-1以下の整数とする。)を抜粋して図示している。
ニューラルネットワーク100の各層は、一又は複数のニューロンを有する。図12Aにおいて、第1層はニューロンN1
(1)乃至ニューロンNp
(1)(ここでのpは1以上の整数である。)を有し、第(k-1)層はニューロンN1
(k-1)乃至ニューロンNm
(k-1)(ここでのmは1以上の整数である。)を有し、第k層はニューロンN1
(k)乃至ニューロンNn
(k)(ここでのnは1以上の整数である。)を有し、第R層はニューロンN1
(R)乃至ニューロンNq
(R)(ここでのqは1以上の整数である。)を有する。
なお、図12Aには、ニューロンN1
(1)、ニューロンNp
(1)、ニューロンN1
(k-1)、ニューロンNm
(k-1)、ニューロンN1
(k)、ニューロンNn
(k)、ニューロンN1
(R)、ニューロンNq
(R)に加えて、第(k-1)層のニューロンNi
(k-1)(ここでのiは1以上m以下の整数である。)、第k層のニューロンNj
(k)(ここでのjは1以上n以下の整数である。)を抜粋して図示している。
次に、前層のニューロンから次層のニューロンへの信号の伝達、及びそれぞれのニューロンにおいて入出力される信号について説明する。なお、本説明では、第k層のニューロンNj
(k)に着目している。
図12Bは、第k層のニューロンNj
(k)と、ニューロンNj
(k)に入力される信号と、ニューロンNj
(k)から出力される信号と、を示している。
具体的には、第(k-1)層のニューロンN1
(k-1)乃至ニューロンNm
(k-1)のそれぞれの出力信号であるz1
(k-1)乃至zm
(k-1)が、ニューロンNj
(k)に向けて出力されている。そして、ニューロンNj
(k)は、z1
(k-1)乃至zm
(k-1)に応じてzj
(k)を生成して、zj
(k)を出力信号として第(k+1)層(図示しない。)の各ニューロンに向けて出力する。
前層のニューロンから次層のニューロンに入力される信号は、それらのニューロン同士を接続するシナプスの結合強度(以後、重み係数と呼称する。)によって、信号の伝達の度合いが定まる。ニューラルネットワーク100では、前層のニューロンから出力された信号と、対応する重み係数と、の積が次層のニューロンに入力される。第(k-1)層のニューロンNi
(k-1)と第k層のニューロンNj
(k)との間のシナプスの重み係数をwi
(k-1)
j
(k)としたとき、第k層のニューロンNj
(k)に入力される信号は、式(3.1)で表すことができる。
つまり、第(k-1)層のニューロンN1
(k-1)乃至ニューロンNm
(k-1)のそれぞれから第k層のニューロンNj
(k)に信号が伝達するとき、当該信号であるz1
(k-1)乃至zm
(k-1)には、それぞれの信号に対応する重み係数(w1
(k-1)
j
(k)乃至wm
(k-1)
j
(k))が乗じられる。そして、第k層のニューロンNj
(k)には、w1
(k-1)
j
(k)・z1
(k-1)乃至wm
(k-1)
j
(k)・zm
(k-1)が入力される。このとき、第k層のニューロンNj
(k)に入力される信号の総和uj
(k)は、式(3.2)となる。
また、重み係数w1
(k-1)
j
(k)乃至wm
(k-1)
j
(k)と、ニューロンの信号z1
(k-1)乃至zm
(k-1)と、の積和の結果には、バイアス(偏り)を与えてもよい。バイアスをbとしたとき、式(3.2)は、次の式に書き直すことができる。
ニューロンNj
(k)は、uj
(k)に応じて、出力信号zj
(k)を生成する。ここで。ニューロンNj
(k)からの出力信号zj
(k)を次の式で定義する。
関数f(uj
(k))は、階層型のニューラルネットワークにおける活性化関数であり、ステップ関数、ReLU関数(ランプ関数)、シグモイド関数などを用いることができる。なお、活性化関数は、全てのニューロンにおいて同一でもよいし、又は異なっていてもよい。加えて、ニューロンの活性化関数は、層毎において、同一でもよいし、異なっていてもよい。
ところで、各層のニューロンが出力する信号、重み係数w、または、バイアスbは、アナログ値としてもよいし、デジタル値としてもよいし、多値としてもよい。デジタル値としては、例えば、2値としてもよいし、また、多値としては、例えば、3値以上としてもよい。さらに大きなビット数の値でもよい。一例として、アナログ値の場合、活性化関数として、例えば、ReLU関数、シグモイド関数などを用いればよい。デジタル値の2値の場合、例えば、出力を-1若しくは1、又は、0若しくは1、とするステップ関数を用いればよい。また、各層のニューロンが出力する信号は3値以上としてもよい。例えば、3値を出力する活性化関数として、出力を-1、0、若しくは1とするステップ関数、又は、0、1、若しくは2とするステップ関数などを用いればよい。また、例えば、5値を出力する活性化関数として、出力を-2、-1、0、1、若しくは2とするステップ関数などを用いてもよい。各層のニューロンが出力する信号、重み係数w、または、バイアスbについて、少なくとも一つについて、デジタル値を用いることにより、回路規模を小さくすること、消費電力を低減すること、または、演算スピードを速くすること、などができる。また、各層のニューロンが出力する信号、重み係数w、または、バイアスbについて、少なくとも一つについて、アナログ値を用いることにより、演算の精度を向上させることができる。
ニューラルネットワーク100は、第1層(入力層)に入力信号が入力されることによって、第1層(入力層)から最後の層(出力層)までの各層において順次に、前層から入力された信号を基に、式(3.1)、式(3.2)(又は式(3.3))、式(3.4)を用いて出力信号を生成して、当該出力信号を次層に出力する動作を行う。最後の層(出力層)から出力された信号が、ニューラルネットワーク100によって計算された結果に相当する。
ニューラルネットワーク100が有する第1層(入力層)、隠れ層、最後の層(出力層)で行われる演算は、実施の形態1、及び実施の形態2で述べた演算回路MAC1乃至演算回路MAC3を用いることで行うことができる。
特に、式(3.3)のとおり、積和の結果に対して、バイアス(偏り)を加えたい場合は、実施の形態2で述べた演算回路MAC2を用いればよい。このとき、式(3.3)のバイアスbは、式(2.1)及び式(2.2)のIBIAS[1]に相当する。
実施の形態1、及び実施の形態2で述べた演算回路MAC1乃至演算回路MAC3の回路XLD、一例として、本実施の形態で述べた入力層として適用することができる。なお、ここでは、第2層にはニューロンN1
(2)乃至ニューロンNr
(2)(rは1以上の整数とする。)が含まれているものとして、第1層に含まれているニューロンから第2層に含まれているニューロンに対して信号が送られる場合を考える。この場合、演算回路MAC1乃至演算回路MAC3が有するメモリセルアレイCAは、メモリセルAMがp行r列のマトリクス状に配置されている構成とする。
第1層(入力層)のニューロンNs[1]
(1)(s[1]は1以上p以下の整数である)は、受け取った信号zs[1]
(1)を第2層(隠れ層)の全てのニューロンに出力する。信号zs[1]
(1)を、回路XLDから出力された電位(第2データ)とすることで、第1層(入力層)から出力された信号zs[1]
(1)を、配線XL[s[1]]を介して、メモリセルアレイCAに含まれるメモリセルAM[s[1],1]乃至メモリセルAM[s[1],r]、及びメモリセルAMr[s[1]]に入力することができる。
このとき、メモリセルアレイCAのs[2]列目(s[2]は1以上r以下の整数である。)の各メモリセルAMに、重み係数ws[1]
(1)
s[2]
(2)が第1データとして格納されていることで、第2層(隠れ層)のニューロンNs[2]
(2)における、信号zs[1]
(1)と重み係数ws[1]
(1)
s[2]
(2)との積和を演算することができる。具体的には、配線BL[s[2]]から回路ACTVに流れる電流IS[s[2]]より、信号zs[1]
(1)と重み係数ws[1]
(1)
s[2]
(2)との積和を求めることができる。加えて、回路ACTVによって当該積和の結果から活性化関数の値を求めることによって、活性化関数の値を第2層のニューロンNs[2]
(2)の出力信号zs[2]
(2)として、配線NIL[s[2]]から出力することができる。
また、実施の形態1、及び実施の形態2で述べた演算回路MAC1乃至演算回路MAC3を、上述した隠れ層として適用することができる。なお、ここでは、第(k-1)層に含まれているニューロンから第k層に含まれているニューロンに対して信号が送られる場合を考える。この場合、演算回路MAC1乃至演算回路MAC3が有するメモリセルアレイCAは、メモリセルAMがm行n列のマトリクス状に配置されている構成とする。
第(k-1)層のニューロンNi
(k-1)は、信号zi
(k-1)を第k層のニューロンN1
(k)乃至ニューロンNn
(k)に対して出力する。信号zi
(k-1)を、回路XLDから出力された電位(第2データ)とすることで、第(k-1)層から出力された信号zi
(k-1)を、配線XL[i]を介して、メモリセルアレイCAに含まれるメモリセルAM[i,1]乃至メモリセルAM[i,n]、及びメモリセルAMr[i]に入力することができる。
このとき、メモリセルアレイCAのj列目の各メモリセルAMに、重み係数wi
(k-1)
j
(k)が第1データとして格納されていることで、第k層のニューロンNj
(k)における、信号zi
(k-1)と重み係数wi
(k-1)
j
(k)との積和を演算することができる。具体的には、配線BL[j]から回路AVTCに流れる電流IS[j]より、信号zi
(k-1)と重み係数wi
(k-1)
j
(k)との積和を求めることができる。加えて、回路ACTVによって当該積和の結果から活性化関数の値を求めることによって、活性化関数の値を第k層のニューロンNj
(k)の出力信号zj
(k)として、配線NIL[j]から出力することができる。
また、実施の形態1、及び実施の形態2で述べた演算回路MAC1乃至演算回路MAC3を、上述した出力層として適用することができる。なお、ここでは、第(R-1)層にはニューロンN1
(R-1)乃至ニューロンNv
(R-1)(vは1以上の整数とする。)が含まれているものとして、第(R-1)層に含まれているニューロンから第R層に含まれているニューロンに対して信号が送られる場合を考える。この場合、演算回路MAC1乃至演算回路MAC3が有するメモリセルアレイCAは、メモリセルAMがv行q列のマトリクス状に配置されている構成とする。
第(R-1)層のニューロンNs[R-1]
(R-1)(s[R-1]は1以上v以下の整数である。)は、信号zs[R-1]
(R-1)を第R層のニューロンN1
(R)乃至ニューロンNq
(R)に対して出力する。信号zs[R-1]
(R-1)を、回路XLDから出力された電位(第2データ)とすることで、第(R-1)層から出力された信号zs[R-1]
(R-1)を、配線XL[s[R-1]]を介して、メモリセルアレイCAに含まれるメモリセルAM[s[R-1],1]乃至メモリセルAM[s[R-1],n]、及びメモリセルAMr[s[R-1]]に入力することができる。
このとき、メモリセルアレイCAのs[R]列目(s[R]は1以上q以下の整数である。)の各メモリセルAMに、重み係数ws[R-1]
(R-1)
s[R]
(R)が第1データとして格納されていることで、第R層のニューロンNs[R]
(R)における、信号zs[R-1]
(R-1)と重み係数ws[R-1]
(R-1)
s[R]
(R)との積和を演算することができる。具体的には、配線BL[s[R]]から回路ACTVに流れる電流IS[s[R]]から信号zs[R-1]
(R-1)と重み係数ws[R-1]
(R-1)
s[R]
(R)との積和を求めることができる。加えて、回路ACTVによって当該積和の結果から活性化関数の値を求めることによって、活性化関数の値を第R層のニューロンNs[R]
(R)の出力信号zs[R]
(R)として、配線NIL[s[R]]から出力することができる。
ところで、本実施の形態で述べた演算回路では、メモリセルAMの行数が前層のニューロンの数となる。換言すると、メモリセルAMの行数は、次層の1つのニューロンに入力される前層のニューロンの出力信号の数に対応する。また、本実施の形態で述べた演算回路では、メモリセルAMの列数が次層のニューロンの数となる。換言すると、メモリセルAMの列数は、次層のニューロンから出力される出力信号の数に対応する。つまり、前層、次層のそれぞれのニューロンの個数によって、演算回路のメモリセルアレイの行数、及び列数が定まるため、構成したいニューラルネットワークに応じて、メモリセルアレイの行数、及び列数を定めて、設計すればよい。
例えば、実施の形態1で述べた、演算回路MAC1を、上述した隠れ層として適用する場合、重み係数wi
(k-1)
j
(k)を第1データとして、第1データに応じた電位を同じ列のメモリセルAMに順次記憶させて、第(k-1)層のニューロンNi
(k-1)からの出力信号zi
(k-1)を第2データとして、第2データに応じた電位を回路XLDから各行の配線XLに対して供給することで、配線BL[k]から回路ACTVに流れる電流量ISから信号zi
(k-1)と重み係数wi
(k-1)
j
(k)との積和の値が求められ、回路ACTVによって当該値に応じた活性化関数の値を算出することができる。つまり、活性化関数の値を信号として第k層のニューロンNj
(k)の出力信号zj
(k)とすることができる。また、回路ACTVを活性化関数の値に応じた電位を出力する構成とし、第k層のニューロンNj
(k)の出力信号zj
(k)を別の演算回路MAC1に入力する構成とすることによって、その別の演算回路MAC1で第(k+1)層のニューロンから出力されるニューロンNs[k+1]
(k+1)(s[k+1]は1以上で、かつ第k+1層が有する全ニューロンの個数以下の整数とする。)の出力信号zs[k+1]
(k+1)を算出することができる。
具体的には、図13に示す演算回路MAC4を用いることによって、上述した演算を行うことができる。図13の演算回路MAC4は、一例として、図1の演算回路MAC1において回路WDDを設けていない構成の演算回路MAC1-1と、図1の演算回路MAC1において回路WDDと回路XLDを設けていない構成の演算回路MAC1-2と、回路WDDと、を有する。
なお、演算回路MAC1-1において、メモリセルアレイCA1は、図1の演算回路MAC1のメモリセルアレイCAに相当し、回路CMS1は図1の演算回路MAC1の回路CMSに相当し、回路XLD1は図1の演算回路MAC1の回路XLDに相当し、回路WLD1は図1の演算回路MAC1の回路WLDに相当し、回路ACTV1は図1の演算回路MAC1の回路ACTVに相当する。また、演算回路MAC1-2において、メモリセルアレイCA2は、図1の演算回路MAC1のメモリセルアレイCAに相当し、回路CMS2は図1の演算回路MAC1の回路CMSに相当し、回路WLD2は図1の演算回路MAC1の回路WLDに相当し、回路ACTV2は図1の演算回路MAC1の回路ACTVに相当する。
また、演算回路MAC1-1のメモリセルアレイCA1には、m×n個のメモリセルAMとm個のメモリセルAMrとがマトリクス状に配置され、演算回路MAC1-2のメモリセルアレイCA2には、n×t個(tは1以上の整数で、第(k+1)層が有する全ニューロンの個数とする。)のメモリセルAMとn個のメモリセルAMrとがマトリクス状に配置されている。
そのため、演算回路MAC1-1において、配線BL1[1]乃至配線BL1[n]は図1の演算回路MAC1の配線BL[1]乃至配線BL[n]に相当し、配線BLr1は図1の演算回路MAC1の配線BLrに相当し、配線XL1[1]乃至配線XL1[m]は図1の演算回路MAC1の配線XL[1]乃至配線XL[m]に相当し、配線WL1[1]乃至配線WL1[m]は図1の演算回路MAC1の配線WL[1]乃至配線WL[n]に相当し、配線WD1[1]乃至配線WD1[n]は図1の演算回路MAC1の配線WD[1]乃至配線WD[n]に相当し、配線WDr1は図1の演算回路MAC1の配線WDrに相当し、配線NIL1[1]乃至配線NIL1[n]は図1の演算回路MAC1の配線NIL乃至配線NIL[n]に相当する。また、演算回路MAC1-2において、配線BL2[1]乃至配線BL2[n]は図1の演算回路MAC1の配線BL[1]乃至配線BL[n]に相当し、配線BLr2は図1の演算回路MAC1の配線BLrに相当し、配線XL2[1]乃至配線XL2[n]は図1の演算回路MAC1の配線XL[1]乃至配線XL[m]に相当し、配線WL2[1]乃至配線WL2[n]は図1の演算回路MAC1の配線WL[1]乃至配線WL[n]に相当し、配線WD2[1]乃至配線WD2[t]は図1の演算回路MAC1の配線WD[1]乃至配線WD[n]に相当し、配線WDr2は図1の演算回路MAC1の配線WDrに相当する。
また、演算回路MAC1-1の配線NIL[1]乃至配線NIL[n]のそれぞれは、演算回路MAC1-2の配線XL[1]乃至配線XL[n]に電気的に接続されている。
例えば、図13の演算回路MAC1-1で、第(k-1)層のニューロンと第k層のニューロンとの間の重み係数を第1データとして、メモリセルアレイCA1のメモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[m,n]に保持し、第(k-1)層のニューロンNs[k-1]
(k-1)からの出力信号zs[k-1]
(k-1)を第2データとして、第2データに応じた電位を回路XLD1から各行の配線XL1に対して流すことで、配線BL1[1]乃至配線BL1[n]のそれぞれから、配線NIL1[1]乃至配線NIL1[n]のそれぞれを介して、第k層のニューロンN1
(k)乃至ニューロンNn
(k)の出力信号z1
(k)乃至zn
(k)を出力することができる。なお、出力信号z1
(k)乃至zn
(k)のそれぞれの値は、回路ACTV1から配線NIL1[1]乃至配線NIL1[n]のそれぞれに出力される電位として表すことができる。
ここで、図13の演算回路MAC1-2で、第k層のニューロンと第(k+1)層のニューロンとの間の重み係数を第1データとして、メモリセルアレイCA2のメモリセルAM[1,1]乃至メモリセルAM[n,t]に保持し、各行の配線XL2に供給される電位、すなわち第k層のニューロンN1
(k)乃至ニューロンNn
(k)の出力信号z1
(k)乃至zn
(k)を第2データとすることで、配線BL2[1]乃至配線BL2[t]のそれぞれから、配線NIL2[1]乃至配線NIL2[t]のそれぞれを介して、第(k+1)層のニューロンN1
(k+1)乃至ニューロンNt
(k+1)のそれぞれの出力信号z1
(k+1)乃至zt
(k+1)を出力することができる。なお、出力信号z1
(k+1)乃至zn
(k+1)のそれぞれの値は、回路ACTV2から配線NIL2[1]乃至配線NIL2[n]のそれぞれに出力される電位として表すことができる。
なお、図13の演算回路MAC4では、配線WD1[1]乃至配線WD1[n]と、配線WD2[1]乃至配線WD2[t]と、を図示しているが、同じ列に配置されている配線同士を1本の配線としてまとめてもよい。例えば、配線WD1[1]と配線WD2[1]とを1本の配線にまとめてもよいし、また、例えば、nがtよりも小さい場合には、配線WD1[n]と配線WD2[n]とを1本の配線にまとめてもよいし、また、例えば、nがtよりも大きい場合には、配線WD1[t]と配線WD2[t]とを1本の配線にまとめてもよい。また、同様に、配線WDr1と配線WDr2とを1本の配線にまとめてもよい。上述したとおり、配線WD1と配線WD2とを1本の配線にまとめることによって、第1データを送信する配線の数が少なくすることができるため、回路WDDに含まれる、配線ごとに必要な駆動回路の数を減らすことができる。つまり、回路WDDの回路面積を低減することができる。
上述したとおり、演算回路MAC1乃至演算回路MAC3は、階層型のニューラルネットワークの規模に応じて、メモリセルアレイCAの行数、及び列数を決めることができる。また、演算回路MAC1乃至演算回路MAC3の少なくとも一を用いて、図13に示すとおりに接続することによって、階層型のニューラルネットワークの層数に応じた演算を行うことができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した半導体装置の構成例、及び半導体装置に適用できるトランジスタの構成例について説明する。
<半導体装置の構成例>
図14に示す半導体装置は、トランジスタ300と、トランジスタ500と、容量素子600と、を有している。図16Aはトランジスタ500のチャネル長方向の断面図であり、図16Bはトランジスタ500のチャネル幅方向の断面図であり、図16Cはトランジスタ300のチャネル幅方向の断面図である。
トランジスタ500は、チャネル形成領域に金属酸化物を有するトランジスタ(OSトランジスタ)である。トランジスタ500は、オフ電流が小さく、また、高温でも電界効果移動度が変化しない特性を有する。トランジスタ500を、半導体装置、例えば、上記実施の形態で説明した演算回路MAC1、演算回路MAC2、演算回路MAC3、演算回路MAC4などに含まれるトランジスタに適用することにより、高温でも動作能力が低下しない半導体装置を実現できる。特に、オフ電流が小さい特性を利用して、トランジスタ500として、例えば、演算回路MAC1のトランジスタTr11に適用することにより、メモリセルの容量C1の第1端子に書き込んだ電位を長時間保持することができる。
図14に示す半導体装置において、トランジスタ500は、例えば、トランジスタ300の上方に設けられ、容量素子600は、例えば、トランジスタ300、及びトランジスタ500の上方に設けられている。なお、容量素子600は、上記実施の形態で説明した演算回路MAC1、演算回路MAC2、演算回路MAC3、演算回路MAC4などに含まれる容量などとすることができる。なお、回路構成によっては、図14に示す容量素子600は必ずしも設けなくてもよい。
トランジスタ300は、基板311上に設けられ、導電体316、絶縁体315、基板311の一部からなる半導体領域313、ソース領域又はドレイン領域として機能する低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bを有する。なお、トランジスタ300は、例えば、上記実施の形態で説明した演算回路MAC1、演算回路MAC2、演算回路MAC3、演算回路MAC4などに含まれるトランジスタなどに適用することができる。具体的には、例えば、演算回路MAC1が有するトランジスタTr12とすることができる。また、例えば、回路ACTVに含まれるトランジスタなどとすることができる。なお、図14では、トランジスタ300のゲートが、容量素子600の一対の電極の一方を介して、トランジスタ500のソース又はドレインの一方に電気的に接続されている構成を示しているが、演算回路MAC1、演算回路MAC2、演算回路MAC3、演算回路MAC4などの構成によっては、トランジスタ300のソース又はドレインの一方が、容量素子600の一対の電極の一方を介して、トランジスタ500のソース又はドレインの一方に電気的に接続されている構成としてもよく、また、トランジスタ300のソース又はドレインの一方が、容量素子600の一対の電極の一方を介して、トランジスタ500のゲートに電気的に接続されている構成としてもよく、また、トランジスタ300の各端子は、トランジスタ500の各端子、容量素子600の各端子のそれぞれに電気的に接続されない構成としてもよい。
また、基板311としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)を用いることが好ましい。
トランジスタ300は、図16Cに示すように、半導体領域313の上面及びチャネル幅方向の側面が絶縁体315を介して導電体316に覆われている。このように、トランジスタ300をFin型とすることにより、実効上のチャネル幅が増大することによりトランジスタ300のオン特性を向上させることができる。また、ゲート電極の電界の寄与を高くすることができるため、トランジスタ300のオフ特性を向上させることができる。
なお、トランジスタ300は、pチャネル型、あるいはnチャネル型のいずれでもよい。
半導体領域313のチャネルが形成される領域、その近傍の領域、ソース領域、又はドレイン領域となる低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bなどにおいて、シリコン系半導体などの半導体を含むことが好ましく、単結晶シリコンを含むことが好ましい。又は、Ge(ゲルマニウム)、SiGe(シリコンゲルマニウム)、GaAs(ガリウムヒ素)、GaAlAs(ガリウムアルミニウムヒ素)、GaN(窒化ガリウム)などを有する材料で形成してもよい。結晶格子に応力を与え、格子間隔を変化させることで有効質量を制御したシリコンを用いた構成としてもよい。又はGaAsとGaAlAs等を用いることで、トランジスタ300をHEMT(High Electron Mobility Transistor)としてもよい。
低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bは、半導体領域313に適用される半導体材料に加え、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、又はホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含む。
ゲート電極として機能する導電体316は、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、もしくはホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含むシリコンなどの半導体材料、金属材料、合金材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。
なお、導電体の材料によって仕事関数が決まるため、当該導電体の材料を選択することで、トランジスタのしきい値電圧を調整することができる。具体的には、導電体に窒化チタン、窒化タンタルなどの材料を用いることが好ましい。さらに導電性と埋め込み性を両立するために導電体にタングステン、アルミニウムなどの金属材料を積層として用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが耐熱性の点で好ましい。
なお、図14に示すトランジスタ300は一例であり、その構造に限定されず、回路構成、駆動方法等に応じて適切なトランジスタを用いればよい。例えば、半導体装置をOSトランジスタのみの単極性回路とする場合、図15に示すとおり、トランジスタ300の構成を、酸化物半導体を用いているトランジスタ500と同様の構成にすればよい。なお、トランジスタ500の詳細については後述する。
なお、図15において、トランジスタ300は、基板312上に設けられているが、この場合、基板312としては、図14の半導体装置の基板311と同様に半導体基板を用いてもよい。また、基板312としては、例えば、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、サファイアガラス基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどを用いることができる。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルムなどの一例としては、以下のものがあげられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるプラスチックがある。または、一例としては、アクリル等の合成樹脂などがある。または、一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニルなどがある。または、一例としては、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、エポキシ樹脂、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。
トランジスタ300を覆って、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326が順に積層して設けられている。
絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326として、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いればよい。
なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。また、本明細書中において、酸化窒化アルミニウムとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化アルミニウムとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
絶縁体322は、その下方に設けられるトランジスタ300などによって生じる段差を平坦化する平坦化膜としての機能を有していてもよい。例えば、絶縁体322の上面は、平坦性を高めるために化学機械研磨(CMP)法等を用いた平坦化処理により平坦化されていてもよい。
また、絶縁体324には、基板311、又はトランジスタ300などから、トランジスタ500が設けられる領域に、水素、不純物等が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、例えば、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ500等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、当該半導体素子の特性が低下する場合がある。したがって、トランジスタ500と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
水素の脱離量は、例えば、昇温脱離ガス分析法(TDS)などを用いて分析することができる。例えば、絶縁体324の水素の脱離量は、TDS分析において、膜の表面温度が50℃から500℃の範囲において、水素原子に換算した脱離量が、絶縁体324の面積当たりに換算して、10×1015atoms/cm2以下、好ましくは5×1015atoms/cm2以下であればよい。
なお、絶縁体326は、絶縁体324よりも誘電率が低いことが好ましい。例えば、絶縁体326の比誘電率は4未満が好ましく、3未満がより好ましい。また例えば、絶縁体326の比誘電率は、絶縁体324の比誘電率の0.7倍以下が好ましく、0.6倍以下がより好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
また、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326には容量素子600、又はトランジスタ500と接続する導電体328、及び導電体330等が埋め込まれている。なお、導電体328、及び導電体330は、プラグ又は配線としての機能を有する。また、プラグ又は配線としての機能を有する導電体は、複数の構造をまとめて同一の符号を付与する場合がある。また、本明細書等において、配線と、配線と接続するプラグとが一体物であってもよい。すなわち、導電体の一部が配線として機能する場合、及び導電体の一部がプラグとして機能する場合もある。
各プラグ、及び配線(導電体328、導電体330等)の材料としては、金属材料、合金材料、金属窒化物材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を、単層又は積層して用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステン、モリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、タングステンを用いることが好ましい。又は、アルミニウム、銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。低抵抗導電性材料を用いることで配線抵抗を低くすることができる。
絶縁体326、及び導電体330上に、配線層を設けてもよい。例えば、図14において、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354が順に積層して設けられている。また、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354には、導電体356が形成されている。導電体356は、トランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。なお導電体356は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体350は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体356は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体350が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
なお、水素に対するバリア性を有する導電体としては、例えば、窒化タンタル等を用いるとよい。また、窒化タンタルと導電性が高いタングステンを積層することで、配線としての導電性を保持したまま、トランジスタ300からの水素の拡散を抑制することができる。この場合、水素に対するバリア性を有する窒化タンタル層が、水素に対するバリア性を有する絶縁体350と接する構造であることが好ましい。
絶縁体354、及び導電体356上に、配線層を設けてもよい。例えば、図14において、絶縁体360、絶縁体362、及び絶縁体364が順に積層して設けられている。また、絶縁体360、絶縁体362、及び絶縁体364には、導電体366が形成されている。導電体366は、プラグ又は配線としての機能を有する。なお導電体366は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体360は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体366は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体360が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体364、及び導電体366上に、配線層を設けてもよい。例えば、図14において、絶縁体370、絶縁体372、及び絶縁体374が順に積層して設けられている。また、絶縁体370、絶縁体372、及び絶縁体374には、導電体376が形成されている。導電体376は、プラグ又は配線としての機能を有する。なお導電体376は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体370は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体376は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体370が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体374、及び導電体376上に、配線層を設けてもよい。例えば、図14において、絶縁体380、絶縁体382、及び絶縁体384が順に積層して設けられている。また、絶縁体380、絶縁体382、及び絶縁体384には、導電体386が形成されている。導電体386は、プラグ又は配線としての機能を有する。なお導電体386は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体380は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体386は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体380が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
上記において、導電体356を含む配線層、導電体366を含む配線層、導電体376を含む配線層、及び導電体386を含む配線層、について説明したが、本実施の形態に係る半導体装置はこれに限られるものではない。導電体356を含む配線層と同様の配線層を3層以下にしてもよいし、導電体356を含む配線層と同様の配線層を5層以上にしてもよい。
絶縁体384上には絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、及び絶縁体516が、順に積層して設けられている。絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、及び絶縁体516のいずれかは、酸素、水素等に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。
例えば、絶縁体510、及び絶縁体514には、例えば、基板311、又はトランジスタ300を設ける領域などから、トランジスタ500を設ける領域に、水素、不純物等が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。したがって、絶縁体324と同様の材料を用いることができる。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ500等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、当該半導体素子の特性が低下する場合がある。したがって、トランジスタ500と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
また、水素に対するバリア性を有する膜として、例えば、絶縁体510、及び絶縁体514には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、及びトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中及び作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ500への混入を防止することができる。また、トランジスタ500を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ500に対する保護膜として用いることに適している。
また、例えば、絶縁体512、及び絶縁体516には、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、これらの絶縁体に、比較的誘電率が低い材料を適用することで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体512、及び絶縁体516として、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、及び絶縁体516には、導電体518、及びトランジスタ500を構成する導電体(例えば、導電体503)等が埋め込まれている。なお、導電体518は、容量素子600、又はトランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。導電体518は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
特に、絶縁体510、及び絶縁体514と接する領域の導電体518は、酸素、水素、及び水に対するバリア性を有する導電体であることが好ましい。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、酸素、水素、及び水に対するバリア性を有する層で、分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体516の上方には、トランジスタ500が設けられている。
図16A、及び図16Bに示すように、トランジスタ500は、絶縁体514及び絶縁体516に埋め込まれるように配置された導電体503と、絶縁体516及び導電体503の上に配置された絶縁体520と、絶縁体520の上に配置された絶縁体522と、絶縁体522の上に配置された絶縁体524と、絶縁体524の上に配置された酸化物530aと、酸化物530aの上に配置された酸化物530bと、酸化物530b上に互いに離れて配置された導電体542a及び導電体542bと、導電体542a及び導電体542b上に配置され、導電体542aと導電体542bの間に重畳して開口が形成された絶縁体580と、開口の底面及び側面に配置された酸化物530cと、酸化物530cの形成面に配置された絶縁体550と、絶縁体550の形成面に配置された導電体560と、を有する。なお、本明細書等では、導電体542aと導電体542bとをまとめて、導電体542と記載する。
また、図16A、及び図16Bに示すように、酸化物530a、酸化物530b、導電体542a、及び導電体542bと、絶縁体580との間に絶縁体544が配置されることが好ましい。また、図16A、及び図16Bに示すように、導電体560は、絶縁体550の内側に設けられた導電体560aと、導電体560aの内側に埋め込まれるように設けられた導電体560bと、を有することが好ましい。また、図16A、及び図16Bに示すように、絶縁体580、導電体560、及び絶縁体550の上に絶縁体574が配置されることが好ましい。
なお、以下において、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cをまとめて酸化物530という場合がある。
なお、トランジスタ500では、チャネルが形成される領域と、その近傍において、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cの3層を積層する構成について示しているが、本発明の一態様はこれに限られるものではない。例えば、酸化物530bの単層、酸化物530bと酸化物530aの2層構造、酸化物530bと酸化物530cの2層構造、又は4層以上の積層構造を設ける構成にしてもよい。また、トランジスタ500では、導電体560を2層の積層構造として示しているが、本発明の一態様はこれに限られるものではない。例えば、導電体560が、単層構造であってもよいし、3層以上の積層構造であってもよい。また、図14、図16A、及び図16Bに示すトランジスタ500は一例であり、その構造に限定されず、回路構成、駆動方法等に応じて適切なトランジスタを用いればよい。
ここで、導電体560は、トランジスタのゲート電極として機能し、導電体542a及び導電体542bは、それぞれソース電極又はドレイン電極として機能する。上記のように、導電体560は、絶縁体580の開口、及び導電体542aと導電体542bに挟まれた領域に埋め込まれるように形成される。導電体560、導電体542a及び導電体542bの配置は、絶縁体580の開口に対して、自己整合的に選択される。つまり、トランジスタ500において、ゲート電極を、ソース電極とドレイン電極の間に、自己整合的に配置させることができる。よって、導電体560を位置合わせのマージンを設けることなく形成することができるので、トランジスタ500の占有面積の縮小を図ることができる。これにより、半導体装置の微細化、高集積化を図ることができる。
さらに、導電体560が、導電体542aと導電体542bの間の領域に自己整合的に形成されるので、導電体560は、導電体542a又は導電体542bと重畳する領域を有さない。これにより、導電体560と導電体542a及び導電体542bとの間に形成される寄生容量を低減することができる。よって、トランジスタ500のスイッチング速度を向上させ、高い周波数特性を有せしめることができる。
導電体560は、第1のゲート(トップゲートともいう)電極として機能する場合がある。また、導電体503は、第2のゲート(ボトムゲートともいう)電極として機能する場合がある。その場合、導電体503に印加する電位を、導電体560に印加する電位と、連動させず、独立して変化させることで、トランジスタ500のしきい値電圧を制御することができる。特に、導電体503に負の電位を印加することにより、トランジスタ500のしきい値電圧を0Vより大きくし、オフ電流を低減することが可能となる。したがって、導電体503に負の電位を印加したほうが、印加しない場合よりも、導電体560に印加する電位が0Vのときのドレイン電流を小さくすることができる。
導電体503は、酸化物530、及び導電体560と、重なるように配置する。これにより、導電体560、及び導電体503に電位を印加した場合、導電体560から生じる電界と、導電体503から生じる電界と、がつながり、酸化物530に形成されるチャネル形成領域を覆うことができる。本明細書等において、第1のゲート電極、及び第2のゲート電極の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(S-channel)構造とよぶ。
また、導電体503は、導電体518と同様の構成であり、絶縁体514及び絶縁体516の開口の内壁に接して導電体503aが形成され、さらに内側に導電体503bが形成されている。なお、トランジスタ500では、導電体503a及び導電体503bを積層する構成について示しているが、本発明の一態様はこれに限られるものではない。例えば、導電体503は、単層、又は3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。
ここで、導電体503aは、水素原子、水素分子、水分子、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する(上記不純物が透過しにくい。)導電性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい。)導電性材料を用いることが好ましい。なお、本明細書において、不純物、又は酸素の拡散を抑制する機能とは、上記不純物、又は上記酸素のいずれか一又は、すべての拡散を抑制する機能とする。
例えば、導電体503aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、導電体503bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。
また、導電体503が配線の機能を兼ねる場合、導電体503bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする、導電性が高い導電性材料を用いることが好ましい。また、当該配線の導電性を高く維持できる場合、導電体503aは、必ずしも設けなくともよい。なお、導電体503bを単層で図示したが、積層構造としてもよく、例えば、チタン、又は窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。
絶縁体520、絶縁体522、及び絶縁体524は、第2のゲート絶縁膜としての機能を有する。
ここで、酸化物530と接する絶縁体524は、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む絶縁体を用いることが好ましい。つまり、絶縁体524には、過剰酸素領域が形成されていることが好ましい。このような過剰酸素を含む絶縁体を酸化物530に接して設けることにより、酸化物530中の酸素欠損を低減し、トランジスタ500の信頼性を向上させることができる。
過剰酸素領域を有する絶縁体として、具体的には、加熱により一部の酸素が脱離する酸化物材料を用いることが好ましい。加熱により酸素を脱離する酸化物とは、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy)分析にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm3以上、好ましくは1.0×1019atoms/cm3以上、さらに好ましくは2.0×1019atoms/cm3以上、又は3.0×1020atoms/cm3以上である酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下、又は100℃以上400℃以下の範囲が好ましい。
また、上記過剰酸素領域を有する絶縁体と、酸化物530と、を接して加熱処理、マイクロ波処理、またはRF処理のいずれか一または複数の処理を行っても良い。当該処理を行うことで、酸化物530中の水、または水素を除去することができる。例えば、酸化物530において、VoHの結合が切断される反応が起きる、別言すると「VOH→VO+H」という反応が起きて、脱水素化することができる。このとき発生した水素の一部は、酸素と結合してH2Oとして、酸化物530、または酸化物530近傍の絶縁体から除去される場合がある。また、水素の一部は、導電体542a、及び導電体542bに拡散または捕獲(ゲッタリングともいう)される場合がある。
また、上記マイクロ波処理は、例えば、高密度プラズマを発生させる電源を有する装置、または、基板側にRFを印加する電源を有する装置を用いると好適である。例えば、酸素を含むガスを用い、且つ高密度プラズマを用いることより、高密度の酸素ラジカルを生成することができ、基板側にRFを印加することで、高密度プラズマによって生成された酸素ラジカルを、効率よく酸化物530、または酸化物530近傍の絶縁体中に導入することができる。また、上記マイクロ波処理は、圧力を133Pa以上、好ましくは200Pa以上、さらに好ましくは400Pa以上とすればよい。また、マイクロ波処理を行う装置内に導入するガスとしては、例えば、酸素と、アルゴンとを用い、酸素流量比(O2/(O2+Ar))が50%以下、好ましくは10%以上30%以下で行うとよい。
また、トランジスタ500の作製工程中において、酸化物530の表面が露出した状態で、加熱処理を行うと好適である。当該加熱処理は、例えば、100℃以上450℃以下、より好ましくは350℃以上400℃以下で行えばよい。なお、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気、または酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、もしくは10%以上含む雰囲気で行う。例えば、加熱処理は酸素雰囲気で行うことが好ましい。これにより、酸化物530に酸素を供給して、酸素欠損(VO)の低減を図ることができる。また、加熱処理は減圧状態で行ってもよい。または、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために、酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、または10%以上含む雰囲気で行ってもよい。または、酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、または10%以上含む雰囲気で加熱処理した後に、連続して窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気で加熱処理を行っても良い。
なお、酸化物530に加酸素化処理を行うことで、酸化物530中の酸素欠損を、供給された酸素により修復させる、別言すると「VO+O→null」という反応を促進させることができる。さらに、酸化物530中に残存した水素に供給された酸素が反応することで、当該水素をH2Oとして除去する(脱水化する)ことができる。これにより、酸化物530中に残存していた水素が酸素欠損に再結合してVOHが形成されるのを抑制することができる。
また、絶縁体524が、過剰酸素領域を有する場合、絶縁体522は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子など)の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)ことが好ましい。
絶縁体522が、酸素、不純物等の拡散を抑制する機能を有することで、酸化物530が有する酸素は、絶縁体520側へ拡散することがなく、好ましい。また、導電体503が、絶縁体524、及び酸化物530が有する酸素と反応することを抑制することができる。
絶縁体522は、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、又は(Ba,Sr)TiO3(BST)などのいわゆるhigh-k材料を含む絶縁体を単層又は積層で用いることが好ましい。トランジスタの微細化、及び高集積化が進むと、ゲート絶縁膜の薄膜化により、リーク電流などの問題が生じる場合がある。ゲート絶縁膜として機能する絶縁体にhigh-k材料を用いることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減が可能となる。
特に、不純物、及び酸素などの拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)絶縁性材料であるアルミニウム、ハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体を用いるとよい。アルミニウム、ハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。このような材料を用いて絶縁体522を形成した場合、絶縁体522は、酸化物530からの酸素の放出、及びトランジスタ500の周辺部から酸化物530への水素等の不純物の混入を抑制する層として機能する。
又は、これらの絶縁体に、例えば、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。又はこれらの絶縁体を窒化処理してもよい。上記の絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコン又は窒化シリコンを積層して用いてもよい。
また、絶縁体520は、熱的に安定していることが好ましい。例えば、酸化シリコン及び酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため、好適である。また、high-k材料の絶縁体と、酸化シリコン又は酸化窒化シリコンと、を組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造の絶縁体520を得ることができる。
なお、図16A、及び図16Bのトランジスタ500では、3層の積層構造からなる第2のゲート絶縁膜として、絶縁体520、絶縁体522、及び絶縁体524が図示されているが、第2のゲート絶縁膜は、単層、2層、又は4層以上の積層構造を有していてもよい。その場合、同じ材料からなる積層構造に限定されず、異なる材料からなる積層構造でもよい。
トランジスタ500は、チャネル形成領域を含む酸化物530に、酸化物半導体として機能する金属酸化物を用いることが好ましい。例えば、酸化物530として、In-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種)等の金属酸化物を用いるとよい。特に、酸化物530として適用できるIn-M-Zn酸化物は、CAAC-OS(C-Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)、CAC-OS(Cloud-Aligned Composite Oxide Semiconductor)であることが好ましい。また、酸化物530として、In-Ga酸化物、In-Zn酸化物、In酸化物などを用いてもよい。
また、トランジスタ500には、キャリア濃度の低い金属酸化物を用いることが好ましい。金属酸化物のキャリア濃度を低くする場合においては、金属酸化物中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性または実質的に高純度真性という。なお、金属酸化物中の不純物としては、例えば、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
特に、金属酸化物に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、金属酸化物中に酸素欠損を形成する場合がある。また、酸化物530中の酸素欠損に水素が入った場合、酸素欠損と水素とが結合しVOHを形成する場合がある。VOHはドナーとして機能し、キャリアである電子が生成されることがある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成する場合がある。従って、水素が多く含まれている金属酸化物を用いたトランジスタは、ノーマリーオン特性となりやすい。また、金属酸化物中の水素は、熱、電界などのストレスによって動きやすいため、金属酸化物に多くの水素が含まれると、トランジスタの信頼性が悪化する恐れもある。本発明の一態様においては、酸化物530中のVOHをできる限り低減し、高純度真性または実質的に高純度真性にすることが好ましい。このように、VOHが十分低減された金属酸化物を得るには、金属酸化物中の水分、水素などの不純物を除去すること(脱水、脱水素化処理と記載する場合がある。)と、金属酸化物に酸素を供給して酸素欠損を補填すること(加酸素化処理と記載する場合がある。)が重要である。VOHなどの不純物が十分に低減された金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
酸素欠損に水素が入った欠陥は、金属酸化物のドナーとして機能しうる。しかしながら、当該欠陥を定量的に評価することは困難である。そこで、金属酸化物においては、ドナー濃度ではなく、キャリア濃度で評価される場合がある。よって、本明細書等では、金属酸化物のパラメータとして、ドナー濃度ではなく、電界が印加されない状態を想定したキャリア濃度を用いる場合がある。つまり、本明細書等に記載の「キャリア濃度」は、「ドナー濃度」と言い換えることができる場合がある。
よって、金属酸化物を酸化物530に用いる場合、金属酸化物中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、金属酸化物において、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは1×1019atoms/cm3未満、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする。水素などの不純物が十分に低減された金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
また、酸化物530に金属酸化物を用いる場合、当該金属酸化物は、バンドギャップが高く、真性(I型ともいう。)、又は実質的に真性である半導体であって、かつチャネル形成領域の金属酸化物のキャリア濃度は、1×1018cm-3未満であることが好ましく、1×1017cm-3未満であることがより好ましく、1×1016cm-3未満であることがさらに好ましく、1×1013cm-3未満であることがさらに好ましく、1×1012cm-3未満であることがさらに好ましい。なお、チャネル形成領域の金属酸化物のキャリア濃度の下限値については、特に限定は無いが、例えば、1×10-9cm-3とすることができる。
また、酸化物530に金属酸化物を用いる場合、導電体542a及び導電体542bと酸化物530とが接することで、酸化物530中の酸素が導電体542a及び導電体542bへ拡散し、導電体542a及び導電体542bが酸化する場合がある。導電体542a及び導電体542bが酸化することで、導電体542a及び導電体542bの導電率が低下する蓋然性が高い。なお、酸化物530中の酸素が導電体542a及び導電体542bへ拡散することを、導電体542a及び導電体542bが酸化物530中の酸素を吸収する、と言い換えることができる。
また、酸化物530中の酸素が導電体542a及び導電体542bへ拡散することで、導電体542aと酸化物530bとの間、および、導電体542bと酸化物530bとの間に異層が形成される場合がある。当該異層は、導電体542a及び導電体542bよりも酸素を多く含むため、当該異層は絶縁性を有すると推定される。このとき、導電体542a又は導電体542bと、当該異層と、酸化物530bとの3層構造は、金属-絶縁体-半導体からなる3層構造とみなすことができ、MIS(Metal-Insulator-Semiconductor)構造と呼称する、またはMIS構造を主としたダイオード接合構造と呼称する場合がある。
なお、上記異層は、導電体542a及び導電体542bと酸化物530bとの間に形成されることに限られず、例えば、異層が、導電体542a及び導電体542bと酸化物530cとの間に形成される場合、及び導電体542a及び導電体542bと酸化物530bとの間、導電体542a及び導電体542bと酸化物530cとの間に形成される場合がある。
酸化物530においてチャネル形成領域にとして機能する金属酸化物は、バンドギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上のものを用いることが好ましい。このように、バンドギャップの大きい金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
酸化物530は、酸化物530b下に酸化物530aを有することで、酸化物530aよりも下方に形成された構造物から、酸化物530bへの不純物の拡散を抑制することができる。また、酸化物530b上に酸化物530cを有することで、酸化物530cよりも上方に形成された構造物から、酸化物530bへの不純物の拡散を抑制することができる。
なお、酸化物530は、各金属原子の原子数比が異なる複数の酸化物層により、積層構造を有することが好ましい。具体的には、酸化物530aに用いる金属酸化物において、構成元素中の元素Mの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における、構成元素中の元素Mの原子数比より、大きいことが好ましい。また、酸化物530aに用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物530bに用いる金属酸化物において、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物530aに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物530cは、酸化物530a又は酸化物530bに用いることができる金属酸化物を、用いることができる。
具体的には、酸化物530aとして、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:4、または1:1:0.5の金属酸化物を用いればよい。また、酸化物530bとして、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3、または1:1:1の金属酸化物を用いればよい。また、酸化物530cとして、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:4、またGaとZnの原子数比がGa:Zn=2:1、またはGa:Zn=2:5の金属酸化物を用いればよい。また、酸化物530cを積層構造とする場合の具体例としては、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3と、In:Ga:Zn=1:3:4との積層構造、またGaとZnの原子数比がGa:Zn=2:1と、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3との積層構造、GaとZnの原子数比がGa:Zn=2:5と、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3との積層構造、酸化ガリウムと、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3との積層構造などが挙げられる。
また、例えば、酸化物530aに用いる金属酸化物における元素Mに対するInの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における元素Mに対するInの原子数比より小さい場合、酸化物530bとして、InとGaとZnとの原子数比がIn:Ga:Zn=5:1:6またはその近傍、In:Ga:Zn=5:1:3またはその近傍、In:Ga:Zn=10:1:3またはその近傍などの組成であるIn-Ga-Zn酸化物を用いることができる。
また、上述した以外の組成としては、酸化物530bには、例えば、In:Zn=2:1の組成、In:Zn=5:1の組成、In:Zn=10:1の組成、これらのいずれか一の近傍の組成などを有する金属酸化物を用いることができる。
これらの酸化物530a、酸化物530b、酸化物530cを上記の原子数比の関係を満たして組み合わせることが好ましい。例えば、酸化物530a、および酸化物530cを、In:Ga:Zn=1:3:4の組成およびその近傍の組成を有する金属酸化物、酸化物530bを、In:Ga:Zn=4:2:3から4.1の組成およびその近傍の組成を有する金属酸化物とすることが好ましい。なお、上記組成は、基体上に形成された酸化物中の原子数比、またはスパッタターゲットにおける原子数比を示す。また、酸化物530bの組成として、Inの比率を高めることで、トランジスタのオン電流、または電界効果移動度などを高めることが出来るため好適である。
また、酸化物530a及び酸化物530cの伝導帯下端のエネルギーが、酸化物530bの伝導帯下端のエネルギーより高くなることが好ましい。また、言い換えると、酸化物530a及び酸化物530cの電子親和力が、酸化物530bの電子親和力より小さいことが好ましい。
ここで、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cの接合部において、伝導帯下端のエネルギー準位はなだらかに変化する。換言すると、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cの接合部における伝導帯下端のエネルギー準位は、連続的に変化又は連続接合するともいうことができる。このようにするためには、酸化物530aと酸化物530bとの界面、及び酸化物530bと酸化物530cとの界面において形成される混合層の欠陥準位密度を低くするとよい。
具体的には、酸化物530aと酸化物530b、酸化物530bと酸化物530cが、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする)ことで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、酸化物530bがIn-Ga-Zn酸化物の場合、酸化物530a及び酸化物530cとして、In-Ga-Zn酸化物、Ga-Zn酸化物、酸化ガリウムなどを用いるとよい。
このとき、キャリアの主たる経路は酸化物530bとなる。酸化物530a、酸化物530cを上述の構成とすることで、酸化物530aと酸化物530bとの界面、及び酸化物530bと酸化物530cとの界面における欠陥準位密度を低くすることができる。そのため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さくなり、トランジスタ500は高いオン電流を得られる。
酸化物530b上には、ソース電極、及びドレイン電極として機能する導電体542a、及び導電体542bが設けられる。導電体542a、及び導電体542bとしては、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ルテニウム、イリジウム、ストロンチウム、ランタンから選ばれた金属元素、又は上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いることが好ましい。例えば、窒化タンタル、窒化チタン、タングステン、チタンとアルミニウムを含む窒化物、タンタルとアルミニウムを含む窒化物、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物などを用いることが好ましい。また、窒化タンタル、窒化チタン、チタンとアルミニウムを含む窒化物、タンタルとアルミニウムを含む窒化物、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物は、酸化しにくい導電性材料、又は、酸素を吸収しても導電性を維持する材料であるため、好ましい。更に、窒化タンタルなどの金属窒化物膜は、水素又は酸素に対するバリア性があるため好ましい。
また、図16A、及び図16Bでは、導電体542a、及び導電体542bを単層構造として示したが、2層以上の積層構造としてもよい。例えば、窒化タンタル膜とタングステン膜を積層するとよい。また、チタン膜とアルミニウム膜を積層してもよい。また、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅-マグネシウム-アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造としてもよい。
また、チタン膜又は窒化チタン膜と、そのチタン膜又は窒化チタン膜上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜又は窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜又は窒化モリブデン膜と、そのモリブデン膜又は窒化モリブデン膜上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜又は窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫又は酸化亜鉛を含む透明導電材料を用いてもよい。
また、図16Aに示すように、酸化物530の、導電体542a(導電体542b)との界面とその近傍には、低抵抗領域として、領域543a、及び領域543bが形成される場合がある。このとき、領域543aはソース領域又はドレイン領域の一方として機能し、領域543bはソース領域又はドレイン領域の他方として機能する。また、領域543aと領域543bに挟まれる領域にチャネル形成領域が形成される。
酸化物530と接するように上記導電体542a(導電体542b)を設けることで、領域543a(領域543b)の酸素濃度が低減する場合がある。また、領域543a(領域543b)に導電体542a(導電体542b)に含まれる金属と、酸化物530の成分とを含む金属化合物層が形成される場合がある。このような場合、領域543a(領域543b)のキャリア濃度が増加し、領域543a(領域543b)は、低抵抗領域となる。
絶縁体544は、導電体542a、及び導電体542bを覆うように設けられ、導電体542a、及び導電体542bの酸化を抑制する。このとき、絶縁体544は、酸化物530及び絶縁体524のそれぞれの側面を覆い、絶縁体522と接するように設けられてもよい。
絶縁体544として、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、ネオジム、ランタン又は、マグネシウムなどから選ばれた一種、又は二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。また、絶縁体544として、窒化酸化シリコン又は窒化シリコンなども用いることができる。
特に、絶縁体544として、アルミニウム、又はハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体である、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム、及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。特に、ハフニウムアルミネートは、酸化ハフニウム膜よりも、耐熱性が高い。そのため、後の工程での熱処理において、結晶化しにくいため好ましい。なお、導電体542a、及び導電体542bが耐酸化性を有する材料、又は、酸素を吸収しても著しく導電性が低下しない場合、絶縁体544は、必須の構成ではない。求めるトランジスタ特性により、適宜設計すればよい。
絶縁体544を有することで、絶縁体580に含まれる水、及び水素などの不純物が酸化物530c、絶縁体550を介して、酸化物530bに拡散することを抑制することができる。また、絶縁体580が有する過剰酸素により、導電体560が酸化するのを抑制することができる。
絶縁体550は、第1のゲート絶縁膜として機能する。絶縁体550は、酸化物530cの内側(上面、及び側面)に接して配置することが好ましい。絶縁体550は、上述した絶縁体524と同様に、過剰に酸素を含み、かつ加熱により酸素が放出される絶縁体を用いて形成することが好ましい。
具体的には、過剰酸素を有する酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素、及び窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンを用いることができる。特に、酸化シリコン、及び酸化窒化シリコンは熱に対し安定であるため好ましい。
加熱により酸素が放出される絶縁体を、絶縁体550として、酸化物530cの上面に接して設けることにより、絶縁体550から、酸化物530cを通じて、酸化物530bのチャネル形成領域に効果的に酸素を供給することができる。また、絶縁体524と同様に、絶縁体550中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。絶縁体550の膜厚は、1nm以上20nm以下とすることが好ましい。
また、絶縁体550が有する過剰酸素を、効率的に酸化物530へ供給するために、絶縁体550と導電体560との間に金属酸化物を設けてもよい。当該金属酸化物は、絶縁体550から導電体560への酸素拡散を抑制することが好ましい。酸素の拡散を抑制する金属酸化物を設けることで、絶縁体550から導電体560への過剰酸素の拡散が抑制される。つまり、酸化物530へ供給する過剰酸素量の減少を抑制することができる。また、過剰酸素による導電体560の酸化を抑制することができる。当該金属酸化物としては、絶縁体544に用いることができる材料を用いればよい。
なお、絶縁体550は、第2のゲート絶縁膜と同様に、積層構造としてもよい。トランジスタの微細化、及び高集積化が進むと、ゲート絶縁膜の薄膜化により、リーク電流などの問題が生じる場合があるため、ゲート絶縁膜として機能する絶縁体を、high-k材料と、熱的に安定している材料との積層構造とすることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減が可能となる。また、熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。
第1のゲート電極として機能する導電体560は、図16A、及び図16Bでは2層構造として示しているが、単層構造でもよいし、3層以上の積層構造であってもよい。
導電体560aは、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(N2O、NO、NO2など)、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。導電体560aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、絶縁体550に含まれる酸素により、導電体560bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、又は酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。また、導電体560aとして、酸化物530に適用できる酸化物半導体を用いることができる。その場合、導電体560bをスパッタリング法で成膜することで、導電体560aの電気抵抗値を低下させて導電体にすることができる。これをOC(Oxide Conductor)電極と呼称することができる。
また、導電体560bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、導電体560bは、配線としても機能するため、導電性が高い導電体を用いることが好ましい。例えば、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることができる。また、導電体560bは積層構造としてもよく、例えば、チタン、又は窒化チタンと上記導電性材料との積層構造としてもよい。
絶縁体580は、絶縁体544を介して、導電体542a、及び導電体542b上に設けられる。絶縁体580は、過剰酸素領域を有することが好ましい。例えば、絶縁体580として、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素、及び窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコン、又は樹脂などを有することが好ましい。特に、酸化シリコン、及び酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため好ましい。特に、酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンは、後の工程で、容易に過剰酸素領域を形成することができるため好ましい。
絶縁体580は、過剰酸素領域を有することが好ましい。加熱により酸素が放出される絶縁体580を、酸化物530cと接して設けることで、絶縁体580中の酸素を、酸化物530cを通じて、酸化物530へと効率良く供給することができる。なお、絶縁体580中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。
絶縁体580の開口は、導電体542aと導電体542bの間の領域に重畳して形成される。これにより、導電体560は、絶縁体580の開口、及び導電体542aと導電体542bに挟まれた領域に、埋め込まれるように形成される。
半導体装置を微細化するに当たり、ゲート長を短くすることが求められるが、導電体560の導電性が下がらないようにする必要がある。そのために導電体560の膜厚を大きくすると、導電体560はアスペクト比が高い形状となりうる。本実施の形態では、導電体560を絶縁体580の開口に埋め込むように設けるため、導電体560をアスペクト比の高い形状にしても、工程中に導電体560を倒壊させることなく、形成することができる。
絶縁体574は、絶縁体580の上面、導電体560の上面、及び絶縁体550の上面に接して設けられることが好ましい。絶縁体574をスパッタリング法で成膜することで、絶縁体550、及び絶縁体580へ過剰酸素領域を設けることができる。これにより、当該過剰酸素領域から、酸化物530中に酸素を供給することができる。
例えば、絶縁体574として、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。
特に、酸化アルミニウムはバリア性が高く、0.5nm以上3.0nm以下の薄膜であっても、水素、及び窒素の拡散を抑制することができる。したがって、スパッタリング法で成膜した酸化アルミニウムは、酸素供給源であるとともに、水素などの不純物のバリア膜としての機能も有することができる。
また、絶縁体574の上に、層間膜として機能する絶縁体581を設けることが好ましい。絶縁体581は、絶縁体524などと同様に、膜中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。
また、絶縁体581、絶縁体574、絶縁体580、及び絶縁体544に形成された開口に、導電体540a、及び導電体540bを配置する。導電体540a及び導電体540bは、導電体560を挟んで対向して設ける。導電体540a及び導電体540bは、後述する導電体546、及び導電体548と同様の構成である。
絶縁体581上には、絶縁体582が設けられている。絶縁体582は、酸素、水素等に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。したがって、絶縁体582には、絶縁体514と同様の材料を用いることができる。例えば、絶縁体582には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、及びトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中及び作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ500への混入を防止することができる。また、トランジスタ500を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ500に対する保護膜として用いることに適している。
また、絶縁体582上には、絶縁体586が設けられている。絶縁体586は、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、これらの絶縁体に、比較的誘電率が低い材料を適用することで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体586として、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、絶縁体520、絶縁体522、絶縁体524、絶縁体544、絶縁体580、絶縁体574、絶縁体581、絶縁体582、及び絶縁体586には、導電体546、及び導電体548等が埋め込まれている。
導電体546、及び導電体548は、容量素子600、トランジスタ500、又はトランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。導電体546、及び導電体548は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、トランジスタ500の形成後、トランジスタ500を囲むように開口を形成し、当該開口を覆うように、水素、または水に対するバリア性が高い絶縁体を形成してもよい。上述のバリア性の高い絶縁体でトランジスタ500を包み込むことで、外部から水分、および水素が侵入するのを防止することができる。または、複数のトランジスタ500をまとめて、水素、または水に対するバリア性が高い絶縁体で包み込んでもよい。なお、トランジスタ500を囲むように開口を形成する場合、例えば、絶縁体514または絶縁体522に達する開口を形成し、絶縁体514または絶縁体522に接するように上述のバリア性の高い絶縁体を形成すると、トランジスタ500の作製工程の一部を兼ねられるため、好適である。なお、水素、または水に対するバリア性が高い絶縁体としては、例えば、絶縁体522と同様の材料を用いればよい。
続いて、トランジスタ500の上方には、容量素子600が設けられている。容量素子600は、導電体610と、導電体620、絶縁体630とを有する。
また、導電体546、及び導電体548上に、導電体612を設けてもよい。導電体612は、トランジスタ500と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。導電体610は、容量素子600の電極としての機能を有する。なお、導電体612、及び導電体610は、同時に形成することができる。
導電体612、及び導電体610には、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素を含む金属膜、又は上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化タンタル膜、窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。又は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を適用することもできる。
図14では、導電体612、及び導電体610は単層構造を示したが、当該構成に限定されず、2層以上の積層構造でもよい。例えば、バリア性を有する導電体と導電性が高い導電体との間に、バリア性を有する導電体、及び導電性が高い導電体に対して密着性が高い導電体を形成してもよい。
絶縁体630を介して、導電体610と重畳する領域を覆うように、導電体620が設けられる。なお、導電体620は、金属材料、合金材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステン、モリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが好ましい。また、導電体などの他の構造と同時に形成する場合は、低抵抗金属材料であるCu(銅)、Al(アルミニウム)等を用いればよい。
導電体620、及び絶縁体630上には、絶縁体650が設けられている。絶縁体650は、絶縁体320と同様の材料を用いて設けることができる。また、絶縁体650は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。
本構造を用いることで、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、電気特性の変動を抑制するとともに、信頼性を向上させることができる。又は、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、微細化又は高集積化を図ることができる。
なお、本発明の一態様の半導体装置は、トランジスタ300が形成されている基板311の下方に、例えば、回路が構成されている別の半導体基板を貼り合わせた構成としてもよい。図17は、図14の半導体装置の一部である層SAと、別の半導体基板上に回路が構成された層SBと、を貼り合わせた構成を示している。具体的には、図17に示す半導体装置は、層SAに含まれている基板311の下方に、層SBに含まれている回路などが構成されている基板211を貼り合わせた構成となっている。なお、図17では、層SAにおいて絶縁体360より上方の導電体、絶縁体などを省略している。
基板211上には、一例として、基板311上のトランジスタ300と同様に、トランジスタ200を覆うように、絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224、絶縁体226、及び絶縁体230が順に設けられている。
また、絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224、絶縁体226、絶縁体230、及び絶縁体231としては、例えば、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、絶縁体326、絶縁体230などに適用できる材料を用いることができる。また、絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224、絶縁体226、絶縁体230、及び絶縁体231としては、例えば、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、絶縁体326、絶縁体350などと同様の工程によって形成することができる。
また、絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224、及び絶縁体226には、導電体228、及び導電体229などが埋め込まれている。導電体228、及び導電体229は、導電体328、及び導電体330と同様に、プラグ又は配線としての機能を有する。また、導電体228、及び導電体229としては、導電体328、及び導電体330に適用できる材料を用いることができる。
絶縁体232は、後述する基板311の下方に設けられている絶縁体341に対する貼り合わせ層として機能する。また、絶縁体231、及び絶縁体232には、導電体229の一部と電気的に接続されるように導電体233が埋め込まれており、導電体233も貼り合わせ層の一部として機能する。
絶縁体232としては、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、窒化チタンなどを用いることができる。
導電体233としては、例えば、銅、アルミニウム、錫、亜鉛、タングステン、銀、白金または金などを用いることができる。後述する導電体342との接合のしやすさから、好ましくは銅、アルミニウム、タングステン、又は金を用いることが好ましい。
なお、導電体233は、複数の層を含む多層構造としてもよい。例えば、絶縁体231、及び絶縁体232の側面に第1の導電体を形成し、その後に絶縁体231、及び絶縁体232の開口部を埋めるように第2の導電体を形成してもよい。第1の導電体としては、例えば、窒化タンタルなど水素に対するバリア性を有する導電体を用いることができ、また、第2の導電体としては、例えば、導電性の高いタングステンを用いることができる。
また、層SAに含まれている基板311の下方には、絶縁体341が形成されている。絶縁体341は、基板211上の絶縁体232に対する貼り合わせ層として機能する。
絶縁体341としては、例えば、絶縁体232に適用できる材料を用いることができる。特に、絶縁体232と絶縁体341とを接合するため、絶縁体232及び絶縁体341は、同一の成分で構成されていることが好ましい。
層SAにおいて、絶縁体341、基板311、絶縁体320、及び絶縁体322には、導電体330の一部と電気的に接続されるように導電体342が埋め込まれており、導電体342も貼り合わせ層の一部として機能する。
導電体342としては、例えば、導電体233に適用できる材料を用いることができる。特に、導電体342と導電体233とを接合するため、導電体342及び導電体233は互いに同一の金属材料を用いることが好ましい。
なお、導電体342は、複数の層を含む多層構造としてもよい。例えば、絶縁体341、基板311、絶縁体320、及び絶縁体322の側面に第1の導電体を形成し、その後に絶縁体341、基板311、絶縁体320、及び絶縁体322の開口部を埋めるように第2の導電体を形成してもよい。第1の導電体としては、例えば、窒化タンタルなど水素に対するバリア性を有する導電体を用いることができ、また、第2の導電体としては、例えば、導電性の高いタングステンを用いることができる。
次に、層SAと層SBとの貼り合わせについて説明する。
層SAと層SBとの貼り合わせを行う前工程では、層SBにおいて、絶縁体226及び導電体229の表面はそれぞれ高さが一致するように平坦化が行われる。同様に、層SAにおいて、絶縁体341及び導電体342の表面はそれぞれ高さが一致するように平坦化が行われる。
貼り合わせ工程で、絶縁体232と絶縁体341との接合、つまり絶縁層同士の接合を行うとき、研磨などによって高い平坦性を与えた後に、酸素プラズマ等で親水性処理をした表面同士を接触させて仮接合し、熱処理による脱水で本接合を行う親水性接合法などを用いることができる。親水性接合法も原子レベルでの結合が起こるため、機械的に優れた接合を得ることができる。
また、例えば、導電体233と導電体342との接合、つまり導電体同士の接合をおこなうとき、表面の酸化膜および不純物の吸着層などをスパッタリング処理などで除去し、清浄化および活性化した表面同士を接触させて接合する表面活性化接合法を用いることができる。または、温度と圧力を併用して表面同士を接合する拡散接合法などを用いることができる。どちらも原子レベルでの結合が起こるため、電気的だけでなく機械的にも優れた接合を得ることができる。
上述した、貼り合わせ工程を行うことによって、層SAに含まれている導電体342を、層SBに含まれている導電体233に電気的に接続することができる。また、層SAに含まれている絶縁体341と、層SBに含まれている絶縁体232と、の機械的な強度を有する接続を得ることができる。
層SAと層SBを貼り合わせる場合、それぞれの接合面には絶縁層と金属層が混在するため、例えば、表面活性化接合法および親水性接合法を組み合わせて行えばよい。
例えば、研磨後に表面を清浄化し、金属層の表面に酸化防止処理を行ったのちに親水性処理を行って接合する方法などを用いることができる。また、金属層の表面を金などの難酸化性金属とし、親水性処理を行ってもよい。なお、上述した方法以外の接合方法を用いてもよい。
上述した、貼り合わせ工程を用いることによって、半導体装置に対して更に回路を追加することができる。そのため、半導体装置の回路面積の増大を抑制することができる。また、当該貼り合わせ工程によって、半導体装置に対して、別の半導体装置(例えば、論理回路、信号変換回路、電位レベル変換回路、電流源、電圧源、切り替え回路、増幅回路、光電変換回路、演算回路など)を電気的に接続することができる。そのため、新規な半導体装置を構成することができる。
なお、層SBに含まれている基板211上には、一例として、トランジスタ200が形成されている。なお、図17では、一例として、トランジスタ200をトランジスタ300と同様の構造として示しているが、トランジスタ200はトランジスタ300と異なる構造としてもよい。例えば、図18に示すとおり、トランジスタ200としては、OSトランジスタとして図16に示すトランジスタ500の構造としてもよい。なお、図18に示す基板212としては、例えば、図15に示す半導体装置の基板312に適用できる基板を用いることができる。
次に、図14、及び図15に図示している、OSトランジスタの別の構成例について説明する。
図19A、及び図19Bは、図16A、及び図16Bに示すトランジスタ500の変形例であって、図19Aは、トランジスタ500のチャネル長方向の断面図であり、図19Bはトランジスタ500のチャネル幅方向の断面図である。なお、図19A、及び図19Bに示す構成は、トランジスタ300等、本発明の一態様の半導体装置が有する他のトランジスタにも適用することができる。
図19A、及び図19Bに示す構成のトランジスタ500は、絶縁体402及び絶縁体404を有する点が、図16A、及び図16Bに示す構成のトランジスタ500と異なる。また、導電体540aの側面に接して絶縁体552が設けられ、導電体540bの側面に接して絶縁体552が設けられる点が、図16A、及び図16Bに示す構成のトランジスタ500と異なる。さらに、絶縁体520を有さない点が、図16A、及び図16Bに示す構成のトランジスタ500と異なる。
図19A、及び図19Bに示す構成のトランジスタ500は、絶縁体512上に絶縁体402が設けられている。また、絶縁体574上、及び絶縁体402上に絶縁体404が設けられている。
図19A、及び図19Bに示す構成のトランジスタ500では、絶縁体514、絶縁体516、絶縁体522、絶縁体524、絶縁体544、絶縁体580、及び絶縁体574が設けられており、絶縁体404がこれらを覆う構造になっている。つまり、絶縁体404は、絶縁体574の上面、絶縁体574の側面、絶縁体580の側面、絶縁体544の側面、絶縁体524の側面、絶縁体522の側面、絶縁体516の側面、絶縁体514の側面、絶縁体402の上面とそれぞれ接する。これにより、酸化物530等は、絶縁体404と絶縁体402によって外部から隔離される。
絶縁体402及び絶縁体404は、水素(例えば、水素原子、水素分子などの少なくとも一)又は水分子の拡散を抑制する機能が高いことが好ましい。例えば、絶縁体402及び絶縁体404として、水素バリア性が高い材料である、窒化シリコン又は窒化酸化シリコンを用いることが好ましい。これにより、酸化物530に水素等が拡散することを抑制することができるので、トランジスタ500の特性が低下することを抑制することができる。よって、本発明の一態様の半導体装置の信頼性を高めることができる。
絶縁体552は、絶縁体581、絶縁体404、絶縁体574、絶縁体580、及び絶縁体544に接して設けられる。絶縁体552は、水素又は水分子の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。たとえば、絶縁体552として、水素バリア性が高い材料である、窒化シリコン、酸化アルミニウム、又は窒化酸化シリコン等の絶縁体を用いることが好ましい。特に、窒化シリコンは水素バリア性が高い材料であるので、絶縁体552として用いると好適である。絶縁体552として水素バリア性が高い材料を用いることにより、水又は水素等の不純物が、絶縁体580等から導電体540a及び導電体540bを通じて酸化物530に拡散することを抑制することができる。また、絶縁体580に含まれる酸素が導電体540a及び導電体540bに吸収されることを抑制することができる。以上により、本発明の一態様の半導体装置の信頼性を高めることができる。
また、図19A、及び図19Bに示すトランジスタ500は、状況に応じて、トランジスタの構成を変更してもよい。例えば、図19A、及び図19Bのトランジスタ500は、変更例として、図20A、及び図20Bに示すトランジスタにすることができる。図20Aはトランジスタのチャネル長方向の断面図であり、図20Bはトランジスタのチャネル幅方向の断面図である。図20A、及び図20Bに示すトランジスタは、酸化物530cが酸化物530c1及び酸化物530c2の2層構造である点で、図19A、及び図19Bに示すトランジスタと異なる。
酸化物530c1は、絶縁体524の上面、酸化物530aの側面、酸化物530bの上面及び側面、導電体542a及び導電体542bの側面、絶縁体544の側面、及び絶縁体580の側面と接する。酸化物530c2は、絶縁体550と接する。
酸化物530c1として、例えばIn-Zn酸化物を用いることができる。また、酸化物530c2として、酸化物530cが1層構造である場合に酸化物530cに用いることができる材料と同様の材料を用いることができる。例えば、酸化物530c2として、In:Ga:Zn=1:3:4[原子数比]、Ga:Zn=2:1[原子数比]、またはGa:Zn=2:5[原子数比]の金属酸化物を用いることができる。
酸化物530cを酸化物530c1及び酸化物530c2の2層構造とすることにより、酸化物530cを1層構造とする場合より、トランジスタのオン電流を高めることができる。そのため、トランジスタは、例えばパワーMOSトランジスタとして適用することができる。なお、図16A、及び図16Bに示す構成のトランジスタが有する酸化物530cも、酸化物530c1と酸化物530c2の2層構造とすることができる。
図20A、及び図20Bに示す構成のトランジスタは、例えば、図14、図15に示すトランジスタ300に適用することができる。また、例えば、トランジスタ300は、前述のとおり、上記実施の形態で説明した半導体装置、例えば、演算回路MAC1、演算回路MAC2、演算回路MAC3、演算回路MAC4などに含まれるトランジスタなどに適用することができる。なお図20A、及び図20Bに示すトランジスタは、本発明の一態様の半導体装置が有する、トランジスタ300、及びトランジスタ500以外のトランジスタにも適用することができる。
次に、図14、及び図15の半導体装置に適用できる容量素子について説明する。
図21では、図14、及び図15に示す半導体装置に適用できる容量素子600の一例として容量素子600Aについて示している。図21Aは容量素子600Aの上面図であり、図21Bは容量素子600Aの一点鎖線L3-L4における断面を示した斜視図であり、図21Cは容量素子600Aの一点鎖線W3-L4における断面を示した斜視図である。
導電体610は、容量素子600Aの一対の電極の一方として機能し、導電体620は、容量素子600Aの一対の電極の他方として機能する。また、絶縁体630は、一対の電極に挟まれる誘電体として機能する。
絶縁体630としては、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、窒化酸化ハフニウム、窒化ハフニウム、酸化ジルコニウムなどを用いればよく、積層または単層で設けることができる。
なお、本明細書中において、酸化窒化ハフニウムとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化ハフニウムとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
また、例えば、絶縁体630には、酸化窒化シリコンなどの絶縁耐力が大きい材料と、高誘電率(high-k)材料との積層構造を用いてもよい。当該構成により、容量素子600Aは、高誘電率(high-k)の絶縁体を有することで、十分な容量を確保でき、絶縁耐力が大きい絶縁体を有することで、絶縁耐力が向上し、容量素子600Aの静電破壊を抑制することができる。
なお、高誘電率(high-k)材料(高い比誘電率の材料)の絶縁体としては、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化物、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化窒化物、シリコンおよびハフニウムを有する酸化物、シリコンおよびハフニウムを有する酸化窒化物またはシリコンおよびハフニウムを有する窒化物などがある。
または、絶縁体630は、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)または(Ba、Sr)TiO3(BST)などのhigh-k材料を含む絶縁体を単層または積層で用いてもよい。例えば、絶縁体630を積層とする場合、酸化ジルコニウムと、酸化アルミニウムと、酸化ジルコニウムと、が順に形成された3層積層、酸化ジルコニウムと、酸化アルミニウムと、酸化ジルコニウムと、酸化アルミニウムと、が順に形成された4層積層などを用いれば良い。また、絶縁体630としては、ハフニウムと、ジルコニウムとが含まれる化合物などを用いても良い。半導体装置の微細化、および高集積化が進むと、ゲート絶縁体、および容量素子に用いる誘電体の薄膜化により、トランジスタ、容量素子のリーク電流などの問題が生じる場合がある。ゲート絶縁体、および容量素子に用いる誘電体として機能する絶縁体にhigh-k材料を用いることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減、および容量素子の容量の確保が可能となる。
容量素子600は、導電体610の下部において、導電体546と、導電体548とに電気的に接続されている。導電体546と、導電体548は、別の回路素子と接続するためのプラグ、又は配線として機能する。また図21A乃至図21Cでは、導電体546と、導電体548と、をまとめて導電体540と記載している。
また、図21では、図を明瞭に示すために、導電体546及び導電体548が埋め込まれている絶縁体586と、導電体620及び絶縁体630を覆っている絶縁体650と、を省略している。
なお、図14、図15、図21A乃至図21Cに示す容量素子600はプレーナ型であるが、容量素子の形状はこれに限定されない。例えば、容量素子600は、図22A乃至図22Cに示すシリンダ型の容量素子600Bとしてもよい。
図22Aは容量素子600Bの上面図であり、図22Bは容量素子600Bの一点鎖線L3-L4における断面図であり、図22Cは容量素子600Bの一点鎖線W3-L4における断面を示した斜視図である。
図22Bにおいて、容量素子600Bは、導電体540が埋め込まれている絶縁体586上の絶縁体631と、開口部を有する絶縁体651と、一対の電極の一方として機能する導電体610と、一対の電極の他方として機能する導電体620と、を有する。
また、図22Cでは、図を明瞭に示すために、絶縁体586と、絶縁体650と、絶縁体651と、を省略している。
絶縁体631としては、例えば、絶縁体586と同様の材料を用いることができる。
また、絶縁体631には、導電体540に電気的に接続されるように導電体611が埋め込まれている。導電体611は、例えば、導電体330、導電体518と同様の材料を用いることができる。
絶縁体651としては、例えば、絶縁体586と同様の材料を用いることができる。
また、絶縁体651は、前述の通り、開口部を有し、当該開口部は導電体611に重畳している。
導電体610は、当該開口部の底部と、側面と、に形成されている。つまり、導電体610は、導電体611に重畳し、かつ導電体611に電気的に接続されている。
なお、導電体610の形成方法としては、エッチング法などによって絶縁体651に開口部を形成し、次に、スパッタリング法、ALD法などによって導電体610を成膜する。その後、CMP(Chemichal Mechanical Polishing)法などによって、開口部に成膜された導電体610を残して、絶縁体651上に成膜された導電体610を除去すればよい。
絶縁体630は、絶縁体651上と、導電体610の形成面上と、に位置する。なお、絶縁体630は、容量素子において、一対の電極に挟まれる誘電体として機能する。
導電体620は、絶縁体651の開口部が埋まるように、絶縁体630上に形成されている。
絶縁体650は、絶縁体630と、導電体620と、を覆うように形成されている。
図22に示すシリンダ型の容量素子600Bは、プレーナ型の容量素子600Aよりも静電容量の値を高くすることができる。
また、本発明の一態様の半導体装置は、図14、及び図15に示した半導体装置の容量素子600の上方に光電変換素子を設けてもよい。つまり、本発明の一態様としては、上記実施の形態で説明した演算回路MAC1などと、光電変換素子と、を含む半導体装置としてもよい。
光電変換素子は、入射された光に応じて電流を誘起させる機能を有する。これを利用して、複数の光電変換素子を、例えば、マトリクス状に配置することによって、撮像装置を得ることができる。
上記実施の形態で説明した演算回路MAC1、演算回路MAC2、演算回路MAC3、演算回路MAC4などと、撮像装置とを組み合わせることで、例えば、撮像装置によって撮像された画像情報を第2データとして演算回路に入力することができる。つまり、画像情報と第1データとの積和演算を実行することができる。特に、第1データをフィルタ値とすることで、画像情報の畳み込み処理を行うことができる。更に、撮像装置と演算回路MAC4などとを組み合わせることで、畳み込み処理を繰り返し行う構成にすることができる。この構成を利用することで、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の演算を行うことができる。
図23は、図14において、容量素子600の上方に光電変換素子700を設けた、半導体装置の構成例を示している。なお、光電変換素子700は、容量素子600の上方ではなく、トランジスタ300の下方に設けられていてもよい。
光電変換素子700は、一例として、層767aと、層767bと、層767cと、層767dと、層767eと、を有する。
図23に示す光電変換素子700は、有機光導電膜の一例であり、層767aは下部電極、層767eは透光性を有する上部電極であり、層767b、層767c、層767dは光電変換部に相当する。なお、図23に示す光電変換素子700の代わりとして、例えば、pn接合型フォトダイオード、アバランシェフォトダイオードなどを用いてもよい。
下部電極である層767aは、アノード又はカソードの一方とすることができ、上部電極である層767bは、アノード又はカソードの他方とすることができる。なお、本実施の形態では、層767aをカソードとし、層767bをアノードとする。
層767aとしては、例えば、低抵抗の金属層などとすることが好ましい。具体的には、層767aとしては、例えば、アルミニウム、チタン、タングステン、タンタル、銀またはそれらの積層を用いることができる。
層767eとしては、例えば、可視光に対して高い透光性を有する導電層を用いることが好ましい。具体的には、層767eとしては、例えば、インジウム酸化物、錫酸化物、亜鉛酸化物、インジウム-錫酸化物、ガリウム-亜鉛酸化物、インジウム-ガリウム-亜鉛酸化物、またはグラフェンなどを用いることができる。なお、層767eを省略した構成とすることもできる。
光電変換部の層767b、層767dのいずれか一方はホール輸送層、他方は電子輸送層とすることができる。また、層767cは光電変換層とすることができる。
ホール輸送層としては、例えば酸化モリブデンなどを用いることができる。電子輸送層としては、例えば、C60、C70などのフラーレン、またはそれらの誘導体などを用いることができる。
光電変換層としては、n型有機半導体およびp型有機半導体の混合層(バルクヘテロ接合構造)を用いることができる。
図23の半導体装置において、絶縁体751は、絶縁体650上に設けられ、層767aは、絶縁体751上に設けられている。また、絶縁体752は、絶縁体751上と層767a上と、に設けられている。層767bは、絶縁体752上と層767a上に設けられている。
また、層767b上には、層767c、層767d、層767e、絶縁体753が順に積層して設けられている。
絶縁体751は、一例として、層間絶縁膜として機能する。絶縁体751は、例えば、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。絶縁体751に水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることにより、トランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。そのため、絶縁体751としては、一例として、絶縁体324に適用できる材料を用いることができる。
絶縁体752は、一例として、素子分離層として機能する。絶縁体752は、図示しないが、隣に位置する別の光電変換素子との短絡を防止するために設けられている。絶縁体752としては、例えば、有機絶縁体などを用いることが好ましい。
絶縁体753は、一例として、透光性を有する平坦化膜として機能する。絶縁体753としては、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコンなどの材料を用いることができる。
絶縁体753の上方には、一例として、遮光層771と、光学変換層772と、マイクロレンズアレイ773と、が設けられている。
絶縁体753上に設けられている遮光層771は、隣接する画素への光の流入を抑えることができる。遮光層771には、アルミニウム、タングステンなどの金属層を用いることができる。また、当該金属層と反射防止膜としての機能を有する誘電体膜を積層してもよい。
絶縁体753上と遮光層771上とに設けられている光学変換層772には、カラーフィルタを用いることができる。カラーフィルタに(赤)、G(緑)、B(青)、Y(黄)、C(シアン)、M(マゼンタ)などの色を画素別に割り当てることにより、カラー画像を得ることができる。
また、光学変換層772に波長カットフィルタを用いれば、様々な波長領域における画像が得られる半導体装置とすることができる。
例えば、図23の半導体装置は、光学変換層772に可視光線の波長以下の光を遮るフィルタを用いることによって、赤外線撮像装置としての機能を有することができる。また、図23の半導体装置は、光学変換層772に近赤外線の波長以下の光を遮るフィルタを用いることによって、遠赤外線撮像装置としての機能を有することができる。また、図23の半導体装置は、光学変換層772に可視光線の波長以上の光を遮るフィルタを用いることによって、紫外線撮像装置としての機能を有することができる。
また、図23の半導体装置は、光学変換層772にシンチレータを用いることによって、X線撮像装置などに用いる放射線の強弱を可視化した画像を得る撮像装置としての機能を有することができる。被写体を透過したX線等の放射線がシンチレータに入射されると、フォトルミネッセンス現象により可視光線、紫外光線などの光(蛍光)に変換される。そして、当該光を光電変換素子700で検知することにより画像データを取得する。また、放射線検出器などに当該構成の半導体装置を用いてもよい。
シンチレータは、X線、ガンマ線などの放射線が照射されると、そのエネルギーを吸収して可視光、紫外光を発する物質を含む。例えば、Gd2O2S:Tb、Gd2O2S:Pr、Gd2O2S:Eu、BaFCl:Eu、NaI、CsI、CaF2、BaF2、CeF3、LiF、LiI、ZnOなどを樹脂、セラミクス等に分散させたものを用いることができる。
遮光層771上と、光学変換層772上にはマイクロレンズアレイ773が設けられる。マイクロレンズアレイ773が有する個々のレンズを通る光が直下の光学変換層772を通り、光電変換素子700に照射されるようになる。マイクロレンズアレイ773を設けることにより、集光した光を光電変換素子700に入射することができるため、効率よく光電変換を行うことができる。マイクロレンズアレイ773は、可視光に対して透光性の高い樹脂またはガラスなどで形成することが好ましい。
ところで、図23には、トランジスタ300、及びトランジスタ500の上方に有機光導電膜を用いた光電変換素子700を設けた半導体装置の構成を示しているが、本発明の一態様の半導体装置は、これに限定されない。例えば、本発明の一態様の半導体装置は、光電変換素子700の代わりとして、裏面照射型であってpn接合型の光電変換素子を設けた構成としてもよい。
図24は、図14において、トランジスタ300、及びトランジスタ500の上方に、裏面照射型であってpn接合型の光電変換素子700Aを設けた半導体装置の構成例を示している。図24に示している半導体装置は、トランジスタ300、トランジスタ500、及び容量素子600が設けられた基板311の上方に、光電変換素子700Aを有する構造体SCが貼り合わされた構成となっている。
なお、構造体SCには、遮光層771と、光学変換層772と、マイクロレンズアレイ773と、が含まれており、これらの説明については、上述した説明を参酌する。
光電変換素子700Aは、シリコン基板に形成されたpn接合型のフォトダイオードであり、p型領域に相当する層765bおよびn型領域に相当する層765aを有する。光電変換素子700Aは埋め込み型フォトダイオードであり、層765aの表面側(電流の取り出し側)に設けられた薄いp型の領域(層765bの一部)によって暗電流を抑えノイズを低減させることができる。
絶縁体701、導電体741、導電体742は、貼り合わせ層としての機能を有する。絶縁体754は、層間絶縁膜および平坦化膜としての機能を有する。絶縁体755は、素子分離層としての機能を有する。絶縁体756は、キャリアの流出を抑制する機能を有する。
シリコン基板には画素を分離する溝が設けられ、絶縁体756はシリコン基板上面および当該溝に設けられる。絶縁体756が設けられることにより、光電変換素子700A内で発生したキャリアが隣接する画素に流出することを抑えることができる。また、絶縁体756は、迷光の侵入を抑制する機能も有する。したがって、絶縁体756により、混色を抑制することができる。なお、シリコン基板の上面と絶縁体756との間に反射防止膜が設けられていてもよい。
素子分離層は、LOCOS(LOCal Oxidation of Silicon)法を用いて形成することができる。または、STI(Shallow Trench Isolation)法等を用いて形成してもよい。絶縁体756としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコンなどの無機絶縁膜、ポリイミド、アクリルなどの有機絶縁膜を用いることができる。なお、絶縁体756は多層構成であってもよい。
光電変換素子700Aの層765a(n型領域、カソードに相当)は、導電体741と電気的に接続される。層765b(p型領域、アノードに相当)は、導電体742と電気的に接続される。導電体741、導電体742は、絶縁体701に埋設された領域を有する。また、絶縁体701、導電体741、導電体742の表面は、それぞれ高さが一致するように平坦化されている。
絶縁体650の上方には、絶縁体691、絶縁体692が順に積層されている。また、絶縁体691、及び絶縁体692には開口部が設けられており、当該開口部を埋めるように導電体743が形成されている。
絶縁体691としては、例えば、絶縁体751に適用できる材料を用いることができる。
また、絶縁体692としては、例えば、絶縁体650に適用できる材料を用いることができる。
絶縁体693と、絶縁体701と、のそれぞれは貼り合わせ層の一部として機能する。また、導電体741、導電体742と、導電体743のそれぞれも貼り合わせ層の一部として機能する。
絶縁体693、及び絶縁体701としては、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、窒化チタンなどを用いることができる。特に、絶縁体693と絶縁体701とを接合するため、絶縁体693及び絶縁体701は、同一の成分で構成されていることが好ましい。
導電体741、導電体742、及び導電体743としては、例えば、銅、アルミニウム、錫、亜鉛、タングステン、銀、白金または金などを用いることができる。特に、導電体741と導電体743、及び導電体742と導電体743とを接合しやすくするには、銅、アルミニウム、タングステン、又は金を用いることが好ましい。
なお、導電体741、導電体742、及び導電体743は、複数の層を含む多層構造としてもよい。例えば、導電体741、導電体742、又は導電体743が設けられる開口部の側面に第1の導電体を形成し、その後に開口部を埋めるように第2の導電体を形成してもよい。第1の導電体としては、例えば、窒化タンタルなど水素に対するバリア性を有する導電体を用いることができ、また、第2の導電体としては、例えば、導電性の高いタングステンを用いることができる。
基板311側の貼り合わせ層と構造体SC側の貼り合わせ層との貼り合わせを行う前工程では、基板311側において、絶縁体693と導電体743との表面はそれぞれ高さが一致するように平坦化が行われる。同様に、構造体SC側において、絶縁体701と、導電体741と、導電体742と、の表面はそれぞれ高さが一致するように平坦化が行われる。
貼り合わせ工程で、絶縁体693と絶縁体701との接合、つまり絶縁層同士の接合を行うとき、研磨などによって高い平坦性を与えた後に、酸素プラズマ等で親水性処理をした表面同士を接触させて仮接合し、熱処理による脱水で本接合を行う親水性接合法などを用いることができる。親水性接合法も原子レベルでの結合が起こるため、機械的に優れた接合を得ることができる。
また、例えば、導電体741と導電体743との接合、及び導電体742と導電体743との接合、つまり導電体同士の接合をおこなうとき、表面の酸化膜および不純物の吸着層などをスパッタリング処理などで除去し、清浄化および活性化した表面同士を接触させて接合する表面活性化接合法を用いることができる。または、温度と圧力を併用して表面同士を接合する拡散接合法などを用いることができる。どちらも原子レベルでの結合が起こるため、電気的だけでなく機械的にも優れた接合を得ることができる。
上述した、貼り合わせ工程を行うことによって、基板311側の導電体743を、構造体SC側の導電体741、及び導電体742に電気的に接続することができる。また、基板311側の絶縁体693と、構造体SC側の絶縁体701と、の機械的な強度を有する接続を得ることができる。
基板311と構造体SCを貼り合わせる場合、それぞれの接合面には絶縁層と金属層が混在するため、例えば、表面活性化接合法および親水性接合法を組み合わせて行えばよい。
例えば、研磨後に表面を清浄化し、金属層の表面に酸化防止処理を行ったのちに親水性処理を行って接合する方法などを用いることができる。また、金属層の表面を金などの難酸化性金属とし、親水性処理を行ってもよい。なお、上述した方法以外の接合方法を用いてもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記の実施の形態で説明したOSトランジスタに用いることができる金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう。)について説明する。
金属酸化物は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、スズなどが含まれていることが好ましい。また、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウム、コバルトなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
<結晶構造の分類>
まず、酸化物半導体における、結晶構造の分類について、図25Aを用いて説明を行う。図25Aは、酸化物半導体、代表的にはIGZO(Inと、Gaと、Znと、を含む金属酸化物)の結晶構造の分類を説明する図である。
図25Aに示すように、酸化物半導体は、大きく分けて「Amorphous(無定形)」と、「Crystalline(結晶性)」と、「Crystal(結晶)」と、に分類される。また、「Amorphous」の中には、completely amorphousが含まれる。また、「Crystalline」の中には、CAAC(c-axis-aligned crystalline)、nc(nanocrystalline)、及びCAC(Cloud-Aligned Composite)が含まれる。なお、「Crystalline」の分類には、single crystal、poly crystal、及びcompletely amorphousは除かれる。また、「Crystal」の中には、single crystal、及びpoly crystalが含まれる。
なお、図25Aに示す太枠内の構造は、「Amorphous(無定形)」と、「Crystal(結晶)」との間の中間状態であり、新しい境界領域(New crystalline phase)に属する構造である。すなわち、当該構造は、エネルギー的に不安定な「Amorphous(無定形)」、及び「Crystal(結晶)」とは全く異なる構造と言い換えることができる。
なお、膜または基板の結晶構造は、X線回折(XRD:X-Ray Diffraction)スペクトルを用いて評価することができる。ここで、「Crystalline」に分類されるCAAC-IGZO膜のGIXD(Grazing-Incidence XRD)測定で得られるXRDスペクトルを図25Bに示す。なお、GIXD法は、薄膜法またはSeemann-Bohlin法ともいう。以降、図25Bに示すGIXD測定で得られるXRDスペクトルを、単にXRDスペクトルと記す。なお、図25Bに示すCAAC-IGZO膜の組成は、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]近傍である。また、図25Bに示すCAAC-IGZO膜の厚さは、500nmである。
図25Bに示すように、CAAC-IGZO膜のXRDスペクトルでは、明確な結晶性を示すピークが検出される。具体的には、CAAC-IGZO膜のXRDスペクトルでは、2θ=31°近傍に、c軸配向を示すピークが検出される。なお、図25Bに示すように、2θ=31°近傍のピークは、ピーク強度が検出された角度を軸に左右非対称である。
また、膜または基板の結晶構造は、極微電子線回折法(NBED:Nano Beam Electron Diffraction)によって観察される回折パターン(極微電子線回折パターンともいう。)にて評価することができる。CAAC-IGZO膜の回折パターンを、図25Cに示す。図25Cは、電子線を基板に対して平行に入射するNBEDによって観察される回折パターンである。なお、図25Cに示すCAAC-IGZO膜の組成は、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]近傍である。また、極微電子線回折法では、プローブ径を1nmとして電子線回折が行われる。
図25Cに示すように、CAAC-IGZO膜の回折パターンでは、c軸配向を示す複数のスポットが観察される。
<<酸化物半導体の構造>>
なお、酸化物半導体は、結晶構造に着目した場合、図25Aとは異なる分類となる場合がある。例えば、酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、上述のCAAC-OS、及びnc-OSがある。また、非単結晶酸化物半導体には、多結晶酸化物半導体、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)、非晶質酸化物半導体、などが含まれる。
ここで、上述のCAAC-OS、nc-OS、及びa-like OSの詳細について、説明を行う。
[CAAC-OS]
CAAC-OSは、複数の結晶領域を有し、当該複数の結晶領域はc軸が特定の方向に配向している酸化物半導体である。なお、特定の方向とは、CAAC-OS膜の厚さ方向、CAAC-OS膜の被形成面の法線方向、またはCAAC-OS膜の表面の法線方向である。また、結晶領域とは、原子配列に周期性を有する領域である。なお、原子配列を格子配列とみなすと、結晶領域とは、格子配列の揃った領域でもある。さらに、CAAC-OSは、a-b面方向において複数の結晶領域が連結する領域を有し、当該領域は歪みを有する場合がある。なお、歪みとは、複数の結晶領域が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。つまり、CAAC-OSは、c軸配向し、a-b面方向には明らかな配向をしていない酸化物半導体である。
なお、上記複数の結晶領域のそれぞれは、1つまたは複数の微小な結晶(最大径が10nm未満である結晶)で構成される。結晶領域が1つの微小な結晶で構成されている場合、当該結晶領域の最大径は10nm未満となる。また、結晶領域が多数の微小な結晶で構成されている場合、当該結晶領域の大きさは、数十nm程度となる場合がある。
また、In-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、スズ、チタンなどから選ばれた一種、または複数種)において、CAAC-OSは、インジウム(In)、及び酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛(Zn)、及び酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能である。よって、(M,Zn)層にはインジウムが含まれる場合がある。また、In層には元素Mが含まれる場合がある。なお、In層にはZnが含まれる場合もある。当該層状構造は、例えば、高分解能TEM像において、格子像として観察される。
CAAC-OS膜に対し、例えば、XRD装置を用いて構造解析を行うと、θ/2θスキャンを用いたOut-of-plane XRD測定では、c軸配向を示すピークが2θ=31°またはその近傍に検出される。なお、c軸配向を示すピークの位置(2θの値)は、CAAC-OSを構成する金属元素の種類、組成などにより変動する場合がある。
また、例えば、CAAC-OS膜の電子線回折パターンにおいて、複数の輝点(スポット)が観測される。なお、あるスポットと別のスポットとは、試料を透過した入射電子線のスポット(ダイレクトスポットともいう。)を対称中心として、点対称の位置に観測される。
上記特定の方向から結晶領域を観察した場合、当該結晶領域内の格子配列は、六方格子を基本とするが、単位格子は正六角形とは限らず、非正六角形である場合がある。また、上記歪みにおいて、五角形、七角形などの格子配列を有する場合がある。なお、CAAC-OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリー)を確認することはできない。即ち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC-OSが、a-b面方向において酸素原子の配列が稠密でないこと、金属原子が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
なお、明確な結晶粒界が確認される結晶構造は、いわゆる多結晶(polycrystal)と呼ばれる。結晶粒界は、再結合中心となり、キャリアが捕獲されトランジスタのオン電流の低下、電界効果移動度の低下などを引き起こす可能性が高い。よって、明確な結晶粒界が確認されないCAAC-OSは、トランジスタの半導体層に好適な結晶構造を有する結晶性の酸化物の一つである。なお、CAAC-OSを構成するには、Znを有する構成が好ましい。例えば、In-Zn酸化物、及びIn-Ga-Zn酸化物は、In酸化物よりも結晶粒界の発生を抑制できるため好適である。
CAAC-OSは、結晶性が高く、明確な結晶粒界が確認されない酸化物半導体である。よって、CAAC-OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、酸化物半導体の結晶性は不純物の混入、欠陥の生成等によって低下する場合があるため、CAAC-OSは不純物、欠陥(酸素欠損など)等の少ない酸化物半導体ともいえる。従って、CAAC-OSを有する酸化物半導体は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する酸化物半導体は熱に強く、信頼性が高い。また、CAAC-OSは、製造工程における高い温度(所謂サーマルバジェット)に対しても安定である。したがって、OSトランジスタにCAAC-OSを用いると、製造工程の自由度を広げることが可能となる。
[nc-OS]
nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。別言すると、nc-OSは、微小な結晶を有する。なお、当該微小な結晶の大きさは、例えば、1nm以上10nm以下、特に1nm以上3nm以下であることから、当該微小な結晶をナノ結晶ともいう。また、nc-OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc-OSは、分析方法によっては、a-like OS、又は非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。例えば、nc-OS膜に対し、XRD装置を用いて構造解析を行うと、θ/2θスキャンを用いたOut-of-plane XRD測定では、結晶性を示すピークが検出されない。また、nc-OS膜に対し、ナノ結晶よりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子線回折(制限視野電子線回折ともいう。)を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc-OS膜に対し、ナノ結晶の大きさと近いかナノ結晶より小さいプローブ径(例えば1nm以上30nm以下)の電子線を用いる電子線回折(ナノビーム電子線回折ともいう。)を行うと、ダイレクトスポットを中心とするリング状の領域内に複数のスポットが観測される電子線回折パターンが取得される場合がある。
[a-like OS]
a-like OSは、nc-OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。a-like OSは、鬆又は低密度領域を有する。即ち、a-like OSは、nc-OS及びCAAC-OSと比べて、結晶性が低い。また、a-like OSは、nc-OS及びCAAC-OSと比べて、膜中の水素濃度が高い。
<<酸化物半導体の構成>>
次に、上述のCAC-OSの詳細について、説明を行う。なお、CAC-OSは材料構成に関する。
[CAC-OS]
CAC-OSとは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上3nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つまたは複数の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上3nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
さらに、CAC-OSとは、第1の領域と、第2の領域と、に材料が分離することでモザイク状となり、当該第1の領域が、膜中に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。つまり、CAC-OSは、当該第1の領域と、当該第2の領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。
ここで、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSを構成する金属元素に対するIn、Ga、およびZnの原子数比のそれぞれを、[In]、[Ga]、および[Zn]と表記する。例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSにおいて、第1の領域は、[In]が、CAC-OS膜の組成における[In]よりも大きい領域である。また、第2の領域は、[Ga]が、CAC-OS膜の組成における[Ga]よりも大きい領域である。または、例えば、第1の領域は、[In]が、第2の領域における[In]よりも大きく、且つ、[Ga]が、第2の領域における[Ga]よりも小さい領域である。また、第2の領域は、[Ga]が、第1の領域における[Ga]よりも大きく、且つ、[In]が、第1の領域における[In]よりも小さい領域である。
具体的には、上記第1の領域は、インジウム酸化物、インジウム亜鉛酸化物などが主成分である領域である。また、上記第2の領域は、ガリウム酸化物、ガリウム亜鉛酸化物などが主成分である領域である。つまり、上記第1の領域を、Inを主成分とする領域と言い換えることができる。また、上記第2の領域を、Gaを主成分とする領域と言い換えることができる。
なお、上記第1の領域と、上記第2の領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、Inを主成分とする領域(第1の領域)と、Gaを主成分とする領域(第2の領域)とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC-OSをトランジスタに用いる場合、第1の領域に起因する導電性と、第2の領域に起因する絶縁性とが、相補的に作用することにより、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC-OSに付与することができる。つまり、CAC-OSとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。導電性の機能と絶縁性の機能とを分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。よって、CAC-OSをトランジスタに用いることで、高いオン電流(Ion)、高い電界効果移動度(μ)、および良好なスイッチング動作を実現することができる。
酸化物半導体は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a-like OS、CAC-OS、nc-OS、CAAC-OSのうち、二種以上を有していてもよい。
<酸化物半導体を有するトランジスタ>
続いて、上記酸化物半導体をトランジスタに用いる場合について説明する。
上記酸化物半導体をトランジスタに用いることで、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。また、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
トランジスタには、キャリア濃度の低い酸化物半導体を用いることが好ましい。例えば、酸化物半導体のキャリア濃度は1×1017cm-3以下、好ましくは1×1015cm-3以下、さらに好ましくは1×1013cm-3以下、より好ましくは1×1011cm-3以下、さらに好ましくは1×1010cm-3未満であり、1×10-9cm-3以上である。なお、酸化物半導体膜のキャリア濃度を低くする場合においては、酸化物半導体膜中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性又は実質的に高純度真性と言う。なお、キャリア濃度の低い酸化物半導体を、高純度真性又は実質的に高純度真性な酸化物半導体を呼称する場合がある。
また、高純度真性又は実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
また、酸化物半導体のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い酸化物半導体にチャネル形成領域が形成されるトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
従って、トランジスタの電気特性を安定にするためには、酸化物半導体中の不純物濃度を低減することが有効である。また、酸化物半導体中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
<不純物>
ここで、酸化物半導体中における各不純物の影響について説明する。
酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコン、又は炭素が含まれると、酸化物半導体において欠陥準位が形成される。このため、酸化物半導体におけるシリコン、又は炭素の濃度と、酸化物半導体との界面近傍のシリコン、又は炭素の濃度(二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体にアルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれると、欠陥準位を形成し、キャリアを生成する場合がある。従って、アルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、SIMSにより得られる酸化物半導体中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
また、酸化物半導体において、窒素が含まれると、キャリアである電子が生じ、キャリア濃度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を半導体に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。または、酸化物半導体において、窒素が含まれると、トラップ準位が形成される場合がある。この結果、トランジスタの電気特性が不安定となる場合がある。このため、SIMSにより得られる酸化物半導体中の窒素濃度を、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下にする。
また、酸化物半導体に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体において、SIMSにより得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは1×1019atoms/cm3未満、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満にする。
不純物が十分に低減された酸化物半導体をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態は、上記実施の形態に示す半導体装置などが形成された半導体ウェハ、及び当該半導体装置が組み込まれた電子部品の一例を示す。
<半導体ウェハ>
初めに、半導体装置などが形成された半導体ウェハの例を、図26Aを用いて説明する。
図26Aに示す半導体ウェハ4800は、ウェハ4801と、ウェハ4801の上面に設けられた複数の回路部4802と、を有する。なお、ウェハ4801の上面において、回路部4802の無い部分は、スペーシング4803であり、ダイシング用の領域である。
半導体ウェハ4800は、ウェハ4801の表面に対して、前工程によって複数の回路部4802を形成することで作製することができる。また、その後に、ウェハ4801の複数の回路部4802が形成された反対側の面を研削して、ウェハ4801の薄膜化してもよい。この工程により、ウェハ4801の反りなどを低減し、部品としての小型化を図ることができる。
次の工程としては、ダイシング工程が行われる。ダイシングは、一点鎖線で示したスクライブラインSCL1及びスクライブラインSCL2(ダイシングライン、又は切断ラインと呼称する場合がある)に沿って行われる。なお、スペーシング4803は、ダイシング工程を容易に行うために、複数のスクライブラインSCL1が平行になるように設け、複数のスクライブラインSCL2が平行になるように設け、スクライブラインSCL1とスクライブラインSCL2が垂直になるように設けることが好ましい。
ダイシング工程を行うことにより、図26Bに示すようなチップ4800aを、半導体ウェハ4800から切り出すことができる。チップ4800aは、ウェハ4801aと、回路部4802と、スペーシング4803aと、を有する。なお、スペーシング4803aは、極力小さくなるようにすることが好ましい。この場合、隣り合う回路部4802の間のスペーシング4803の幅が、スクライブラインSCL1の切りしろと、又はスクライブラインSCL2の切りしろとほぼ同等の長さであればよい。
なお、本発明の一態様の素子基板の形状は、図26Aに図示した半導体ウェハ4800の形状に限定されない。例えば、矩形の形状の半導体ウェハあってもよい。素子基板の形状は、素子の作製工程、及び素子を作製するための装置に応じて、適宜変更することができる。
<電子部品>
図26Cに電子部品4700および電子部品4700が実装された基板(実装基板4704)の斜視図を示す。図26Cに示す電子部品4700は、モールド4711内にチップ4800aを有している。なお、図26Cに示すとおり、チップ4800aは、回路部4802が積層された構成としてもよい。図26Cは、電子部品4700の内部を示すために、一部を省略している。電子部品4700は、モールド4711の外側にランド4712を有する。ランド4712は電極パッド4713と電気的に接続され、電極パッド4713はチップ4800aとワイヤ4714によって電気的に接続されている。電子部品4700は、例えばプリント基板4702に実装される。このような電子部品が複数組み合わされて、それぞれがプリント基板4702上で電気的に接続されることで実装基板4704が完成する。
図26Dに電子部品4730の斜視図を示す。電子部品4730は、SiP(System in package)またはMCM(Multi Chip Module)の一例である。電子部品4730は、パッケージ基板4732(プリント基板)上にインターポーザ4731が設けられ、インターポーザ4731上に半導体装置4735、および複数の半導体装置4710が設けられている。
電子部品4730では、半導体装置4710を有する。半導体装置4710としては、例えば、上記実施の形態で説明した半導体装置、広帯域メモリ(HBM:High Bandwidth Memory)などとすることができる。また、半導体装置4735は、CPU、GPU、FPGA、記憶装置などの集積回路(半導体装置)を用いることができる。
パッケージ基板4732は、セラミック基板、プラスチック基板、またはガラスエポキシ基板などを用いることができる。インターポーザ4731は、シリコンインターポーザ、樹脂インターポーザなどを用いることができる。
インターポーザ4731は、複数の配線を有し、端子ピッチの異なる複数の集積回路を電気的に接続する機能を有する。複数の配線は、単層または多層で設けられる。また、インターポーザ4731は、インターポーザ4731上に設けられた集積回路をパッケージ基板4732に設けられた電極と電気的に接続する機能を有する。これらのことから、インターポーザを「再配線基板」または「中間基板」と呼称する場合がある。また、インターポーザ4731に貫通電極を設けて、当該貫通電極を用いて集積回路とパッケージ基板4732を電気的に接続する場合もある。また、シリコンインターポーザでは、貫通電極として、TSV(Through Silicon Via)を用いることも出来る。
インターポーザ4731としてシリコンインターポーザを用いることが好ましい。シリコンインターポーザでは能動素子を設ける必要が無いため、集積回路よりも低コストで作製することができる。一方で、シリコンインターポーザの配線形成は半導体プロセスで行なうことができるため、樹脂インターポーザでは難しい微細配線の形成が容易である。
HBMでは、広いメモリバンド幅を実現するために多くの配線を接続する必要がある。このため、HBMを実装するインターポーザには、微細かつ高密度の配線形成が求められる。よって、HBMを実装するインターポーザには、シリコンインターポーザを用いることが好ましい。
また、シリコンインターポーザを用いたSiP、MCMなどでは、集積回路とインターポーザ間の膨張係数の違いによる信頼性の低下が生じにくい。また、シリコンインターポーザは表面の平坦性が高いため、シリコンインターポーザ上に設ける集積回路とシリコンインターポーザ間の接続不良が生じにくい。特に、インターポーザ上に複数の集積回路を横に並べて配置する2.5Dパッケージ(2.5次元実装)では、シリコンインターポーザを用いることが好ましい。
また、電子部品4730と重ねてヒートシンク(放熱板)を設けてもよい。ヒートシンクを設ける場合は、インターポーザ4731上に設ける集積回路の高さを揃えることが好ましい。例えば、本実施の形態に示す電子部品4730では、半導体装置4710と半導体装置4735の高さを揃えることが好ましい。
電子部品4730を他の基板に実装するため、パッケージ基板4732の底部に電極4733を設けてもよい。図26Dでは、電極4733を半田ボールで形成する例を示している。パッケージ基板4732の底部に半田ボールをマトリクス状に設けることで、BGA(Ball Grid Array)実装を実現できる。また、電極4733を導電性のピンで形成してもよい。パッケージ基板4732の底部に導電性のピンをマトリクス状に設けることで、PGA(Pin Grid Array)実装を実現できる。
電子部品4730は、BGAおよびPGAに限らず様々な実装方法を用いて他の基板に実装することができる。例えば、SPGA(Staggered Pin Grid Array)、LGA(Land Grid Array)、QFP(Quad Flat Package)、QFJ(Quad Flat J-leaded package)、またはQFN(Quad Flat Non-leaded package)などの実装方法を用いることができる。
次に、光電変換素子が含まれているイメージセンサチップ(撮像装置)を有する、電子部品について説明する。
図27Aは、イメージセンサチップを収めたパッケージの上面側の外観斜視図である。当該パッケージは、イメージセンサチップ4550(図27C参照)を固定するパッケージ基板4510、カバーガラス4520および両者を接着する接着剤4530等を有する。
図27Bは、当該パッケージの下面側の外観斜視図である。パッケージの下面には、半田ボールをバンプ4540としたBGA(Ball Grid Array)を有する。なお、BGAに限らず、LGA(Land Grid Array)、PGA(Pin Grid Array)などを有していてもよい。
図27Cは、カバーガラス4520および接着剤4530の一部を省いて図示したパッケージの斜視図である。パッケージ基板4510上には電極パッド4560が形成され、電極パッド4560およびバンプ4540はスルーホールを介して電気的に接続されている。電極パッド4560は、イメージセンサチップ4550とワイヤ4570によって電気的に接続されている。
また、図27Dは、イメージセンサチップをレンズ一体型のパッケージに収めたカメラモジュールの上面側の外観斜視図である。当該カメラモジュールは、イメージセンサチップ4551(図27Fを固定するパッケージ基板4511、レンズカバー4521、およびレンズ4535等を有する。また、パッケージ基板4511およびイメージセンサチップ4551の間には撮像装置の駆動回路および信号変換回路などの機能を有するICチップ4590(図27Fも設けられており、SiP(System in Package)としての構成を有している。
図27Eは、当該カメラモジュールの下面側の外観斜視図である。パッケージ基板4511の下面および側面には、実装用のランド4541が設けられたQFN(Quad Flat No-lead package)の構成を有する。なお、当該構成は一例であり、QFP(Quad Flat Package)、前述したBGA等が設けられていてもよい。
図27Fは、レンズカバー4521およびレンズ4535の一部を省いて図示したモジュールの斜視図である。ランド4541は電極パッド4561と電気的に接続され、電極パッド4561はイメージセンサチップ4551またはICチップ4590とワイヤ4571によって電気的に接続されている。
イメージセンサチップを上述したような形態のパッケージに収めることでプリント基板等への実装が容易になり、イメージセンサチップを様々な半導体装置、電子機器に組み込むことができる。例えば、上記の実施の形態で説明した演算回路にイメージセンサチップを組み込むことによって、イメージセンサチップによって撮像された情報を入力データとして、演算回路に入力することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した半導体装置を有する電子機器の一例について説明する。なお、図28には、当該半導体装置を有する電子部品4700が各電子機器に含まれている様子を図示している。また、図28には、電子部品4700を図示しているが、代わりに図27に示す撮像装置を適用してもよい。
[携帯電話]
図28に示す情報端末5500は、情報端末の一種である携帯電話(スマートフォン)である。情報端末5500は、筐体5510と、表示部5511と、を有しており、入力用インターフェースとして、タッチパネルが表示部5511に備えられ、ボタンが筐体5510に備えられている。
情報端末5500は、上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することで、人工知能を利用したアプリケーションを実行することができる。人工知能を利用したアプリケーションとしては、例えば、会話を認識してその会話内容を表示部5511に表示するアプリケーション、表示部5511に備えるタッチパネルに対してユーザが入力した文字、図形などを認識して、表示部5511に表示するアプリケーション、指紋、声紋などの生体認証を行うアプリケーションなどが挙げられる。
[ウェアラブル端末]
また、図28には、ウェアラブル端末の一例として腕時計型の情報端末5900が図示されている。情報端末5900は、筐体5901、表示部5902、操作ボタン5903、操作子5904、バンド5905などを有する。
ウェアラブル端末は、先述した情報端末5500と同様に、上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することで、人工知能を利用したアプリケーションを実行することができる。人工知能を利用したアプリケーションとしては、例えば、ウェアラブル端末を装着した人の健康状態を管理するアプリケーション、目的地を入力することで最適な道を選択して誘導するナビゲーションシステムなどが挙げられる。
[情報端末]
また、図28には、デスクトップ型情報端末5300が図示されている。デスクトップ型情報端末5300は、情報端末の本体5301と、ディスプレイ5302と、キーボード5303と、を有する。
デスクトップ型情報端末5300は、先述した情報端末5500と同様に、上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することで、人工知能を利用したアプリケーションを実行することができる。人工知能を利用したアプリケーションとしては、例えば、設計支援ソフトウェア、文章添削ソフトウェア、献立自動生成ソフトウェアなどが挙げられる。また、デスクトップ型情報端末5300を用いることで、新規の人工知能の開発を行うことができる。
なお、上述では、電子機器としてスマートフォン、デスクトップ用情報端末、ウェアラブル端末を例として、それぞれ図28に図示したが、スマートフォン、デスクトップ用情報端末、ウェアラブル端末以外の情報端末を適用することができる。スマートフォン、デスクトップ用情報端末、ウェアラブル端末以外の情報端末としては、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型情報端末、ワークステーションなどが挙げられる。
[電化製品]
また、図28には、電化製品の一例として電気冷凍冷蔵庫5800が図示されている。電気冷凍冷蔵庫5800は、筐体5801、冷蔵室用扉5802、冷凍室用扉5803等を有する。
電気冷凍冷蔵庫5800に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、人工知能を有する電気冷凍冷蔵庫5800を実現することができる。人工知能を利用することによって電気冷凍冷蔵庫5800は、電気冷凍冷蔵庫5800に保存されている食材、その食材の消費期限などを基に献立を自動生成する機能、電気冷凍冷蔵庫5800に保存されている食材に合わせた温度に自動的に調節する機能などを有することができる。
本一例では、電化製品として電気冷凍冷蔵庫について説明したが、その他の電化製品としては、例えば、掃除機、電子レンジ、電気オーブン、炊飯器、湯沸かし器、IH(Induction Heating)調理器、ウォーターサーバ、エアーコンディショナーを含む冷暖房器具、洗濯機、乾燥機、オーディオビジュアル機器などが挙げられる。
[ゲーム機]
また、図28には、ゲーム機の一例である携帯ゲーム機5200が図示されている。携帯ゲーム機5200は、筐体5201、表示部5202、ボタン5203等を有する。
更に、図28には、ゲーム機の一例である据え置き型ゲーム機7500が図示されている。据え置き型ゲーム機7500は、本体7520と、コントローラ7522を有する。なお、本体7520には、無線または有線によってコントローラ7522を接続することができる。また、図28に示していないが、コントローラ7522は、ゲームの画像を表示する表示部、ボタン以外の入力インターフェースとなるタッチパネル、スティック、回転式つまみ、スライド式つまみなどを備えることができる。また、コントローラ7522は、図28に示す形状に限定されず、ゲームのジャンルに応じて、コントローラ7522の形状を様々に変更してもよい。例えば、FPS(First Person Shooter)などのシューティングゲームでは、トリガーをボタンとし、銃を模した形状のコントローラを用いることができる。また、例えば、音楽ゲームなどでは、楽器、音楽機器などを模した形状のコントローラを用いることができる。更に、据え置き型ゲーム機は、コントローラを使わず、代わりにカメラ、深度センサ、マイクロフォンなどを備えて、ゲームプレイヤーのジェスチャー、及び/又は音声によって操作する形式としてもよい。
また、上述したゲーム機の映像は、テレビジョン装置、パーソナルコンピュータ用ディスプレイ、ゲーム用ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイなどの表示装置によって、出力することができる。
携帯ゲーム機5200に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、低消費電力の携帯ゲーム機5200を実現することができる。また、低消費電力により、回路からの発熱を低減することができるため、発熱によるその回路自体、周辺回路、及びモジュールへの影響を少なくすることができる。
更に、携帯ゲーム機5200に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、人工知能を有する携帯ゲーム機5200を実現することができる。
本来、ゲームの進行、ゲーム上に登場する生物の言動、ゲーム上で発生する現象などの表現は、そのゲームが有するプログラムによって定められているが、携帯ゲーム機5200に人工知能を適用することにより、ゲームのプログラムに限定されない表現が可能になる。例えば、プレイヤーが問いかける内容、ゲームの進行状況、時刻、ゲーム上に登場する人物の言動が変化するといった表現が可能となる。
また、携帯ゲーム機5200で複数のプレイヤーが必要なゲームを行う場合、人工知能によって擬人的にゲームプレイヤーを構成することができるため、対戦相手を人工知能によるゲームプレイヤーとすることによって、1人でもゲームを行うことができる。
図28では、ゲーム機の一例として携帯ゲーム機を図示しているが、本発明の一態様の電子機器はこれに限定されない。本発明の一態様の電子機器としては、例えば、家庭用の据え置き型ゲーム機、娯楽施設(ゲームセンター、遊園地など)に設置されるアーケードゲーム機、スポーツ施設に設置されるバッティング練習用の投球マシンなどが挙げられる。
[移動体]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、移動体である自動車、及び自動車の運転席周辺に適用することができる。
図28には移動体の一例である自動車5700が図示されている。
自動車5700の運転席周辺には、スピードメーターやタコメーター、走行距離、燃料計、ギア状態、エアコンの設定などを表示することができるインストゥルメントパネルが備えられている。また、運転席周辺には、それらの情報を示す表示装置が備えられていてもよい。
特に当該表示装置には、自動車5700に設けられた撮像装置(図示しない。)からの映像を映し出すことによって、ピラーなどで遮られた視界、運転席の死角などを補うことができ、安全性を高めることができる。すなわち、自動車5700の外側に設けられた撮像装置からの画像を表示することによって、死角を補い、安全性を高めることができる。
上記実施の形態で説明した半導体装置は人工知能の構成要素として適用できるため、例えば、当該コンピュータを自動車5700の自動運転システムに用いることができる。また、当該コンピュータを道路案内、危険予測などを行うシステムに用いることができる。当該表示装置には、道路案内、危険予測などの情報を表示する構成としてもよい。
なお、上述では、移動体の一例として自動車について説明しているが、移動体は自動車に限定されない。例えば、移動体としては、電車、モノレール、船、飛行体(ヘリコプター、無人航空機(ドローン)、飛行機、ロケット)なども挙げることができ、これらの移動体に本発明の一態様のコンピュータを適用して、人工知能を利用したシステムを付与することができる。
[カメラ]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、カメラに適用することができる。
図28には、撮像装置の一例であるデジタルカメラ6240が図示されている。デジタルカメラ6240は、筐体6241、表示部6242、操作ボタン6243、シャッターボタン6244等を有し、また、デジタルカメラ6240には、着脱可能なレンズ6246が取り付けられている。なお、ここではデジタルカメラ6240を、レンズ6246を筐体6241から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ6246と筐体6241とが一体となっていてもよい。また、デジタルカメラ6240は、ストロボ装置、ビューファインダー等を別途装着することができる構成としてもよい。
デジタルカメラ6240に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、低消費電力のデジタルカメラ6240を実現することができる。また、低消費電力により、回路からの発熱を低減することができるため、発熱によるその回路自体、周辺回路、及びモジュールへの影響を少なくすることができる。
更に、デジタルカメラ6240に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、人工知能を有するデジタルカメラ6240を実現することができる。人工知能を利用することによって、デジタルカメラ6240は、顔、物体など被写体を自動的に認識する機能、又は当該被写体に合わせたピント調節、環境に合わせて自動的にフラッシュを焚く機能、撮像した画像を調色する機能などを有することができる。
[ビデオカメラ]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、ビデオカメラに適用することができる。
図28には、撮像装置の一例であるビデオカメラ6300が図示されている。ビデオカメラ6300は、第1筐体6301、第2筐体6302、表示部6303、操作キー6304、レンズ6305、接続部6306等を有する。操作キー6304及びレンズ6305は第1筐体6301に設けられており、表示部6303は第2筐体6302に設けられている。そして、第1筐体6301と第2筐体6302とは、接続部6306により接続されており、第1筐体6301と第2筐体6302の間の角度は、接続部6306により変更が可能である。表示部6303における映像を、接続部6306における第1筐体6301と第2筐体6302との間の角度に従って切り替える構成としてもよい。
ビデオカメラ6300で撮影した映像を記録する際、データの記録形式に応じたエンコードを行う必要がある。人工知能を利用することによって、ビデオカメラ6300は、エンコードの際に、人工知能によるパターン認識を行うことができる。このパターン認識によって、連続する撮像画像データに含まれる人、動物、物体などの差分データを算出して、データの圧縮を行うことができる。
[PC用の拡張デバイス]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、PC(Personal Computer)などの計算機、情報端末用の拡張デバイスに適用することができる。
図29Aは、当該拡張デバイスの一例として、持ち運びのできる、演算処理が可能なチップが搭載された、PCに外付けする拡張デバイス6100を示している。拡張デバイス6100は、例えば、USB(Universal Serial Bus)などでPCに接続することで、当該チップによる演算処理を行うことができる。なお、図29Aは、持ち運びが可能な形態の拡張デバイス6100を図示しているが、本発明の一態様に係る拡張デバイスは、これに限定されず、例えば、冷却用ファンなどを搭載した比較的大きい形態の拡張デバイスとしてもよい。
拡張デバイス6100は、筐体6101、キャップ6102、USBコネクタ6103及び基板6104を有する。基板6104は、筐体6101に収納されている。基板6104には、上記実施の形態で説明した半導体装置などを駆動する回路が設けられている。例えば、基板6104には、チップ6105(例えば、上記実施の形態で説明した半導体装置、電子部品4700、メモリチップなど。)、コントローラチップ6106が取り付けられている。USBコネクタ6103は、外部装置と接続するためのインターフェースとして機能する。
拡張デバイス6100をPCなど用いることにより、当該PCの演算処理能力を高くすることができる。これにより、処理能力の足りないPCでも、例えば、人工知能、動画処理などの演算を行うことができる。
[放送システム]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、放送システムに適用することができる。
図29Bは、放送システムにおけるデータ伝送を模式的に示している。具体的には、図29Bは、放送局5680から送信された電波(放送信号)が、各家庭のテレビジョン受信装置(TV)5600に届くまでの経路を示している。TV5600は、受信装置を備え(図示しない。)、アンテナ5650で受信された放送信号は、当該受信装置を介して、TV5600に送信される。
図29Bでは、アンテナ5650は、UHF(Ultra High Frequency)アンテナを図示しているが、アンテナ5650としては、BS・110°CSアンテナ、CSアンテナなども適用できる。
電波5675A、電波5675Bは地上波放送用の放送信号であり、電波塔5670は受信した電波5675Aを増幅して、電波5675Bの送信を行う。各家庭では、アンテナ5650で電波5675Bを受信することで、TV5600で地上波放送を視聴することができる。なお、放送システムは、図29Bに示す地上波放送に限定せず、人工衛星を用いた衛星放送、光回線によるデータ放送などとしてもよい。
上述した放送システムは、上記実施の形態で説明した半導体装置を適用して、人工知能を利用した放送システムとしてもよい。放送局5680から各家庭のTV5600に放送データを送信するとき、エンコーダによって放送データの圧縮が行われ、アンテナ5650が当該放送データを受信したとき、TV5600に含まれる受信装置のデコーダによって当該放送データの復元が行われる。人工知能を利用することによって、例えば、エンコーダの圧縮方法の一である動き補償予測において、表示画像に含まれる表示パターンの認識を行うことができる。また、人工知能を利用したフレーム内予測などを行うこともできる。また、例えば、解像度の低い放送データを受信して、解像度の高いTV5600で当該放送データの表示を行うとき、デコーダによる放送データの復元において、アップコンバートなどの画像の補間処理を行うことができる。
上述した人工知能を利用した放送システムは、放送データの量が増大する超高精細度テレビジョン(UHDTV:4K、8K)放送に対して好適である。
また、TV5600側における人工知能の応用として、例えば、TV5600に人工知能を有する録画装置を設けてもよい。このような構成にすることによって、当該録画装置にユーザの好みを人工知能に学習させることで、ユーザの好みにあった番組を自動的に録画することができる。
[認証システム]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、認証システムに適用することができる。
図29Cは、掌紋認証装置を示しており、筐体6431、表示部6432、掌紋読み取り部6433、配線6434を有している。
図29Cには、掌紋認証装置が手6435の掌紋を取得する様子を示している。取得した掌紋は、人工知能を利用したパターン認識の処理が行われ、当該掌紋が本人のものであるかどうかの判別を行うことができる。これにより、セキュリティの高い認証を行うシステムを構築することができる。また、本発明の一態様に係る認証システムは、掌紋認証装置に限定されず、指紋、静脈、顔、虹彩、声紋、遺伝子、体格などの生体情報を取得して生体認証を行う装置であってもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
上記の実施の形態で説明した本発明の一態様の半導体装置に係る回路が適切に動作するかを確認するため、回路シミュレータを用いて計算を行った。本実施例では、当該計算とその結果について説明する。
<回路構成>
図30に示す回路ACTVaは、上記実施の形態で説明した図3Aの回路ACTVに含まれる回路の一例であって、回路シミュレータに入力した回路構成である。
なお、本実施例では、回路ACTVaの説明において、上記実施の形態で説明した図3Aの回路ACTVと内容が重複する箇所については、説明を省略する場合がある。
回路ACTVaは、トランジスタM1と、トランジスタM2と、アナログスイッチASW1と、アナログスイッチASW2と、オペアンプOPと、抵抗REと、を有する。また、回路ACTVaの外部には、電流源回路CC1と、電流源回路CC2と、が設けられている。
電流源回路CC1と、電流源回路CC2と、は、定電流を与えるための電流源として機能する。電流源回路CC1の入力端子には、配線VDLが電気的に接続され、電流源回路CC1の出力端子には、電流源回路CC2の入力端子と、トランジスタM2の第1端子と、アナログスイッチASW2の第1端子と、に電気的に接続されている。電流源回路CC2の出力端子は、配線VSLに電気的に接続されている。
アナログスイッチASW1は、図3Aの回路ACTVにおけるスイッチSW4B[1]乃至スイッチSW4B[n]の一に相当し、アナログスイッチASW2は、図3Aの回路ACTVにおけるスイッチSW4A[1]乃至スイッチSW4A[n]の一に相当する。また、アナログスイッチASW1の第1端子は、スイッチSW4B[1]乃至スイッチSW4B[n]のそれぞれの第1端子に相当し、アナログスイッチASW1の第2端子は、スイッチSW4B[1]乃至スイッチSW4B[n]のそれぞれの第2端子に相当する。また、アナログスイッチASW2の第1端子は、スイッチSW4A[1]乃至スイッチSW4A[n]のそれぞれの第1端子に相当し、アナログスイッチASW2の第2端子は、スイッチSW4A[1]乃至スイッチSW4A[n]のそれぞれの第2端子に相当する。
また、アナログスイッチASW1、及びアナログスイッチASW2のそれぞれは、第1制御端子と、第2制御端子と、を有する。アナログスイッチASW1、及びアナログスイッチASW2のそれぞれの第1制御端子は、配線SL4に電気的に接続され、アナログスイッチASW1、及びアナログスイッチASW2のそれぞれの第2制御端子は、配線SL4Bに電気的に接続されている。アナログスイッチASW1、及びアナログスイッチASW2のそれぞれは、第1制御端子に高レベル電位が入力され、かつ第2制御端子に低レベル電位が入力されたときにオン状態となり、第1制御端子に低レベル電位が入力され、かつ第2制御端子に高レベル電位が入力されたときにオフ状態となる。
配線SL4Bは、配線SL4に流れる信号の論理が反転された信号を送信する配線として機能する。
配線NILは、図3Aに示す配線NIL[1]乃至配線NIL[n]の一に相当する。
トランジスタM1は、トランジスタTr51[1]乃至トランジスタTr51[n]の一に相当し、トランジスタM2は、スイッチSW5[1]乃至スイッチSW5[n]の一に相当する。特に、トランジスタM2の第1端子は、アナログスイッチASW2の第1端子と、電流源回路CC1の出力端子と、電流源回路CC2の入力端子と、に電気的に接続され、トランジスタM2の第2端子は、配線VSLに電気的に接続され、トランジスタM2の制御端子は、配線WEに電気的に接続されている。
また、図30では、トランジスタM1の第1端子と、オペアンプOPの出力端子と、抵抗REの第2端子と、の電気的な接続点をノードNET2と記載している。また、図30では、トランジスタM1の第2端子と、アナログスイッチASW1の第1端子と、の電気的な接続点をノードNET2と記載している。
オペアンプOPは、図3Aの回路ACTVにおけるオペアンプOP[1]乃至オペアンプOP[n]の一に相当し、抵抗REは、図3Aの回路ACTVにおける抵抗RE[1]乃至抵抗RE[n]の一に相当する。
<計算条件及び計算結果>
トランジスタM1のサイズとしては、チャネル長を1μmとし、チャネル幅を20μmとし、トランジスタM1のしきい値電圧を-0.84Vとした。また、トランジスタM2のサイズとしては、例えば、チャネル長を2μmとし、チャネル幅1.5μmとし、トランジスタM2のしきい値電圧を0.83Vとした。
また、抵抗REの抵抗値は、153kΩとした。また、配線VdLに与えられる電圧を3Vとした。また、オペアンプOPとしては、高電源電位を6Vとし、低電源電位を接地電位(0V)とした。
電流源回路CC1の入力端子-出力端子間に流れる電流量ICC1を20μAとした。また、電流源回路CC2の入力端子-出力端子間に流れる電流量ICC2は、0μA以上40μA以下の範囲の電流とした。これにより、例えば、電流源回路CC2の入力端子-出力端子間に流れる電流量を0μAとすることで、電流源回路CC1の出力端子と電流源回路CC2の入力端子との電気的な接続点から、回路ACTVaに流れる掃き出し電流を最大の20μAとすることができる。また、例えば、電流源回路CC2の入力端子-出力端子間に流れる電流量を40μAとすることで、回路ACTVaから、電流源回路CC1の出力端子と電流源回路CC2の入力端子との電気的な接続点に流れる吸い込み電流を最大の20μAとすることができる。ここでは、電流源回路CC1の出力端子と電流源回路CC2の入力端子との電気的な接続点から、回路ACTVaに流れる電流量をIamacとする。すなわち、Iamac=ICC1-ICC2である。
また、配線VSLに与えられる電圧を接地電位(0V)とし、配線WEに与えられる電圧を0Vとし、配線SL4に与えられる電圧を高レベル電位とし、配線SL4に与えられる電圧を低レベル電位とした。つまり、トランジスタM2はオフ状態となり、アナログスイッチASW1及びアナログスイッチASW2のそれぞれは、オン状態となる。
ここで、配線VBAが与える電圧を0V(条件CD1)、1V(条件CD2)、2V(条件CD3)として、それぞれの条件において、電流源回路CC1及び電流源回路CC2が与える電流量Iamacに応じた、ノードNET3の電位を計算した。
図31は、電流量ICC2と、条件CD1乃至条件CD3のそれぞれにおけるノードNET3の電位VNET3と、の関係を示したグラフである。なお、図31には、電流量ICC2と、ノードNET2の電位VNET2と、の関係も示している。
図31より、ICC2=20μA(つまり、Iamac=0μA)とすることで、オペアンプOPの出力端子(ノードNET2)の電圧は、非反転入力端子に入力された配線VdLの電圧3Vと等しくなることが分かる。また、図31より、電位VNET2は、電流量ICC2に比例しており、オペアンプOPと抵抗REによる電流電圧変換回路が正常に動いていることが分かる。
次に、条件CD1乃至条件CD3のそれぞれにおけるノードNET3の電位VNET3について着目する。
例えば、条件CD1において、電流量ICC2を0μAから増加することによって、ノードNET2の電位VNET2も増加する。一方、ノードNET3の電位VNET3(CD1)は、電流量ICC2が概ね0μA以上9μA未満のとき、約1.3Vと一定となり、電流量ICC2が概ね9μA以上のとき、ノードNET2の電位VNET2とほぼ同じ電位となる。
また、例えば、条件CD2において、ノードNET3の電位VNET3(CD2)は、電流量ICC2が概ね0μA以上15μA未満のとき、約2.2Vと一定となり、電流量ICC2が概ね15μA以上のとき、ノードNET2の電位VNET2とほぼ同じ電位となる。
また、例えば、条件CD3において、ノードNET3の電位VNET3(CD3)は、電流量ICC2が概ね0μA以上20μA未満のとき、約3Vと一定となり、電流量ICC2が概ね20μA以上のとき、ノードNET2の電位VNET2とほぼ同じ電位となる。
条件CD1乃至条件CD3のそれぞれにおいて、トランジスタM1のゲート-ソース間電圧はしきい値電圧未満となっているとき、オン状態となる。このとき、電位VNET3は、電位VNET2とほぼ同じ電位となる。例えば、条件CD1では電流量ICC2が概ね9μA以上のとき、条件CD2では電流量ICC2が概ね15μA以上のとき、また、条件CD3では電流量ICC2が概ね20μA以上のとき、トランジスタM1がオン状態となる。
一方、トランジスタM1のゲート-ソース間電圧をしきい値電圧以上に高くして、トランジスタM1をサブスレッショルド領域で動作させることによって、電位VNET2と電位VNET3との間に電位差が現れる。例えば、条件CD1では電流量ICC2が概ね0μA以上9μA未満のとき、条件CD2では電流量ICC2が概ね0μA以上15μA未満のとき、また、条件CD3では電流量ICC2が0μA以上20μA未満のとき、トランジスタM1はサブスレッショルド領域で動作する。
図31の計算結果より、トランジスタM1は、トランジスタの第1端子に所定の値以下の電圧が入力されたとき、トランジスタの第2端子(ノードNET3)にはほぼ一定の電位が出力され、トランジスタの第1端子に所定の値を超えた電圧が入力されたとき、トランジスタの第2端子(ノードNET3)には、トランジスタの第1端子に入力された電圧とほぼ同じ電圧が出力される。つまり、トランジスタM1の第2端子に出力する電圧は、上記実施の形態で説明した式(1.2)、及び式(1.3)を概ね満たす結果となり、トランジスタM1は、トランジスタの第1端子に入力された電圧に対して、ReLU関数の演算を行って、トランジスタの第2端子に出力することがわかる。
また、電流量ICC2を図32Aに示すパルス電流として、回路ACTVaに入力したときの、ノードNET3の電位VNET3の電位の変化について説明する。
図32Aは、電流量ICC2の電流変化を示している。具体的には、電流源回路CC2が流す電流は、最大電流量を40μA(つまりIamac=-20μA)とし、最小電流量を0μA(つまりIamac=20μA)とした、周波数50kHzのパルス電流となっている。
図32Bは、図32Aのパルス電流を回路ACTVaに入力したときのノードNET3の電位VNET3の電位の変化を示したグラフである。つまり、図32Bは、パルス電流の入力による回路ACTVaの過渡解析の結果を示している。なお、図32Bには、ノードNET2の電位VNET2の電位の変化も示している。
また、図32Bには、配線VBAが与える電圧を0V(条件CD1)、1V(条件CD2)、2V(条件CD3)とした場合の計算結果も示している。
図32Bより、条件CD1乃至条件CD3のそれぞれにおいて、電流量ICC2として40μAが回路ACTVaに入力されたとき、ノードNET3の電位VNET3(CD1)乃至VNET3(CD3)は、いずれも6Vとなることが分かる。また、電流量ICC2として0μAが回路ACTVaに入力されたとき(電流源回路CC2が電流を供給しないとき)、条件CD1ではノードNET3の電位VNET3(CD1)が約1.5Vとなり、条件CD2ではノードNET3の電位VNET3(CD2)が約2.4Vとなり、条件CD3ではノードNET3の電位VNET3(CD3)が約3.2Vとなった。
図32Bに示す結果からも、上記実施の形態で説明した式(1.2)、及び式(1.3)を概ね満たしているといえる。