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JP7595424B2 - 眼鏡レンズの評価装置 - Google Patents
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JP7595424B2 - 眼鏡レンズの評価装置 - Google Patents

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Description

本発明は、眼鏡レンズの評価装置に関する。
各評価点に対して眼球を回旋させて、眼鏡レンズを通じて評価点を固視したときの見え方(言い換えると、中心窩でとらえた評価点の像の歪み等)を求めることにより、眼鏡レンズを評価する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。網膜は、中心窩での視力が際立って高い。そのため、中心窩でとらえた像の歪み等に基づいて眼鏡レンズを評価することにより、眼鏡レンズの適切な評価結果が得られる。
特許第4481093号公報
しかし、眼鏡レンズを装用する装用者によっては、中心窩以外の網膜周辺部でとらえた像の歪み等(言い換えると、視野内の周辺部の像の歪み等)を不快に感じることがある。両眼で対象物を見る場合、人は、左右眼の網膜上に生成される像の位置の差(すなわち視差)を手掛かりに、対象物の距離を感知する。網膜周辺部上の像に歪みがあると、人は、物が歪んで見えるだけではなく、本来の物体距離と異なる距離に物があるとご認識することがある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、中心窩だけでなく中心窩以外の網膜周辺部でとらえた像も考慮して眼鏡レンズを評価することができる、眼鏡レンズの評価装置を提供することである。
本発明の一実施形態に係る眼鏡レンズの評価装置は、評価対象となる空間上の特定位置を固視点と設定し、左右一対の眼鏡レンズを装用して固視点を固視する際のレンズ上の視線通過位置を設定する固視位置設定部と、空間上に設定された複数の評価点の各々に対し、左右一対の眼鏡レンズ装用し且つ視線通過位置を通して固視点を固視する状態での、見かけ上の位置を算出する見かけ位置算出部と、複数の評価点の各々について、算出された見かけ上の位置と、評価点の基準位置との差分を算出する差分算出部と、差分算出部により算出された評価点毎の差分を統計した評価指数を算出する評価指数算出部と、を備える。
本発明の一実施形態において、評価指数算出部は、次式を用いて評価指数を算出する構成としてもよい。
Figure 0007595424000001
但し、
DI :評価指数
n :空間上に設定される評価点のサンプル数
Δ :評価点毎の見かけ上の位置と基準位置との差分
である。
本発明の一実施形態において、評価点毎の見かけ上の位置と基準位置との差分は、例えば次式により定義される。
Δ=D-Di0
但し、
:評価点毎の見かけ上の位置から両眼中点までの距離の逆数
i0:評価点毎の基準位置から両眼中点までの距離の逆数
である。
本発明の一実施形態において、評価点毎の見かけ上の位置と基準位置との差分は、例えば次式により定義される。
Δ=|sinα
但し、
α:評価点毎の見かけ上の位置から両眼中点へのベクトルと、評価点毎の基準位置から両眼中点へのベクトルと、がなす角度
である。
本発明の一実施形態において、基準位置は、例えば空間上に設定された評価点の位置そのものである。
本発明の一実施形態において、眼鏡レンズが単焦点レンズ以外のレンズである場合、基準位置は、眼鏡レンズと同じ度数を持つ単焦点レンズを装用したときの見かけ上の位置であってもよい。
本発明の一実施形態によれば、眼鏡レンズの評価装置において、中心窩だけでなく中心窩以外の網膜周辺部でとらえた像も考慮して眼鏡レンズを評価することができる。
本発明の一実施形態に係る眼鏡レンズの評価装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態において実行される、眼鏡レンズの評価処理のフローチャートである。 本発明の一実施形態において仮想空間に設定される仮想光学モデルの一例を示す図である。 本発明の一実施形態において仮想空間に設定される仮想光学モデルの一例を示す図である。 本発明の一実施形態において仮想空間に設定される仮想光学モデルの一例を示す図である。 本発明の一実施形態において仮想空間内の評価点の見かけ上の位置である見かけ点を算出する方法の一例を説明するための図である。 本発明の一実施形態において見かけ点を算出する方法の一例を説明するための図である。 本発明の実施例1に係る眼鏡レンズ装用時において、無限遠距離にある評価範囲の球面をみたときの左右眼の視差を示す図である。 本発明の実施例1に係る眼鏡レンズ装用時において、286mm離れた評価範囲の球面をみたときの左右眼の視差を示す図である。 本発明の実施例2における評価範囲の平面の配置例を模式的に示す図である。 本発明の実施例2に係る眼鏡レンズ装用時において、斜め下方に配置された評価範囲の平面をみたときの左右眼の視差を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る眼鏡レンズの評価装置及びこの装置が実行する眼鏡レンズの評価方法について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る評価システム1の概略構成を示すブロック図である。評価システム1は、眼鏡レンズを評価するシステムであり、図1に示されるように、情報処理端末10、入力装置20及び表示装置30を備える。
情報処理端末10は、評価装置の一例である。本実施形態において、情報処理端末10は、例えばデスクトップPC(Personal Computer)である。
本実施形態において、入力装置20は、例えばマウス及びキーボードであり、表示装置30は、例えばディスプレイである。入力装置20及び表示装置30は、情報処理端末10に有線又は無線で接続される。
本実施形態では、情報処理端末10、入力装置20、表示装置30のそれぞれが別個の装置となっているが、別の実施形態では、これら装置が単一の装置に含まれていてもよい。このような装置の一例として、情報処理端末10、入力装置20及び表示装置30の機能を備えるノートPCやタブレット端末、スマートフォン等が挙げられる。この場合、評価システム1は、単一のノートPCや単一のタブレット端末、単一のスマートフォン等で構成される。この構成によれば、評価システム1の持ち運びが可能となる。
情報処理端末10は、制御部100及びメモリ110を備える。
制御部100は、例えばDSP(Digital Signal Processor)及びCPU(Central Processing Unit)を搭載したシステムLSI(Large-scale Integrated Circuit)である。メモリ110は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を含む。制御部100は、HDDやROMに格納されているプログラムを呼び出し、呼び出したプログラムをDSPやCPUで実行することにより、各種制御を行う。HDDやROM、RAMには、プログラムの実行に必要な制御パラメータも格納される。
HDDやROMに格納されるプログラムの1つに、眼鏡レンズを評価するための評価プログラムがある。図2に、評価プログラムを用いて実行される、眼鏡レンズの評価処理(評価方法)のフローチャートを示す。
図2に示されるように、制御部100は、評価対象の眼鏡レンズを評価するための仮想光学モデルを仮想空間に設定する(ステップS101)。評価対象の眼鏡レンズは、例えば眼鏡レンズメーカが設定する基本仕様の眼鏡レンズであってもよく、また、患者への販売を予定する眼鏡レンズであってもよい。
本実施形態では、発明の理解を容易にするため、制御部100が各要素(例えば後述の平面OP等)を仮想空間に設定し、設定した各要素に基づいて眼鏡レンズの評価結果(具体的には評価指数DI)を算出する内容を説明するが、仮想空間を用いた評価結果の算出方法は必須ではない。制御部100は、各要素を単に数値データとして保持しておき、これら数値データを用いた光線追跡や数式(詳しくは後述)を用いた演算を行って評価結果を得てもよい。
評価対象が患者への販売を予定する眼鏡レンズである場合、眼鏡レンズモデルLは、例えば眼鏡販売店の端末よりネットワークを介して受信した患者の処方データに基づいて設定される。この処方データには、一例として、眼鏡販売店での検眼結果(例えば、球面屈折力、乱視屈折力、乱視軸方向、プリズム屈折力、プリズム基底方向、加入度数、遠用PD(Pupillary Distance)、近用PD等の処方値データ)、レイアウトデータ(例えば、アイポイントの位置や前傾角、あおり角、頂点間距離、瞳孔間距離等)、フレームデータ(例えば、フレームトレーサの計測結果や型板(フレームシェイプ)の種類を示すデータ、フレームの品番を示すデータ等)、眼鏡レンズの種類(例えば、単焦点球面レンズ、単焦点非球面レンズ、疲労軽減用レンズ、近用専用レンズ、累進屈折力レンズ)が含まれる。眼鏡レンズの種類が累進屈折力レンズの場合は、更に、設計タイプ(例えば、近用の明視域が広いタイプ、遠用の明視域が広いタイプ等)が含まれてもよい。このような処方データに基づいて眼鏡レンズモデルLを設定する方法は公知であるため、具体的な説明は省略する。
図3は、ステップS101にて仮想空間に設定される仮想光学モデルの一例を示す図である。図3に示されるように、仮想光学モデルには、評価対象の眼鏡レンズを示す眼鏡レンズモデル(より詳細には、左右一対の眼鏡レンズモデルL、L)及び眼球モデルE(より詳細には、左右一対の眼球モデルE、E)が含まれる。
なお、本明細書では、左眼に対応する要素に「L」の下付き文字を付し、右眼に対応する要素に「R」の下付き文字を付す。また、左右両方の要素を総称する場合は、この要素を下付き文字無しで記す。眼鏡レンズモデルを例に取ると、左眼用の眼鏡レンズモデルが「眼鏡レンズモデルL」となり、右眼用の眼鏡レンズモデルが「眼鏡レンズモデルL」となり、これら眼鏡レンズモデルL及びLの総称が「眼鏡レンズモデルL」となる。
図3の例では、仮想空間の座標系はXYZ直交座標系である。X、Y、Zの3軸は、眼鏡レンズモデルLの中心Oと、眼鏡レンズモデルLの中心Oとの中点(以下「両眼中点O」と記す。)で互いに直交する。Z軸は、図3の紙面と平行な軸である。Z軸上には、中心O、両眼中点O及び中心Oが並んで配置される。X軸は、図3の紙面と平行な軸であり、Z軸と直交する。Y軸は、図3の紙面に対して鉛直方向に延びる軸であり、X軸及びZ軸と直交する。
眼球モデルは、グルストランドの模型眼のような一般によく知られているモデルであってもよく、また、眼球を構成する全ての組織を持つ複雑なモデルに限らず、例えば主な眼の要素(角膜と水晶体など)と網膜だけを持つ簡素なモデルであってもよい。
眼球モデルEに対する眼鏡レンズモデルLの位置及び角度(この角度は例えば患者の前額平行面に対する角度を想定したもの)は、例えばレイアウトデータに基づいて決定される。レイアウトデータがない場合は、規定の位置及び角度が適用される。
眼鏡レンズモデルLの形状は、例えばフレームデータに基づいて枠入れ後のレンズ形状(カットレンズ形状)に設定される。レイアウトデータがない場合は、規定のレンズ形状に設定される。なお、眼鏡レンズモデルLの形状は、カットレンズ形状でなく、アンカットレンズ形状であってもよい。
制御部100は、固視点FPを仮想空間に設定する(ステップS102)。制御部100は、光線追跡により、眼鏡レンズを装用して固視点FPを見る(固視する)ときの眼鏡レンズ上の視線通過位置FP’(眼鏡レンズモデルL上の視線通過位置FP’及び眼鏡レンズモデルL上の視線通過位置FP’)を演算して仮想空間に設定する。
制御部100は、各眼球モデルE、Eを回旋させ、仮想空間において、視線通過位置FP’及び眼鏡レンズモデルLを通して固視点FPを固視する固視状態を設定する(ステップS103)。
このように、ステップS102及びS103において、制御部100は、評価対象となる空間上の特定位置を固視点FPと設定し、左右一対の眼鏡レンズを装用して固視点FPを固視する際のレンズ上の視線通過位置FP’を設定する固視位置設定部として動作する。
制御部100は、評価対象となる空間内に複数の評価点P(点列)を設定(配置)する(ステップS104)。この点列は、評価対象をどのように設定するかによって変わる。例えば、空間全体の立体的な歪みを評価する場合、評価対象となる空間内に評価点Pが満遍なく分布するように点列が設定(すなわち、当該空間内の全体に亘り評価点PがXYZの各方向に等間隔で又は不均等な間隔で配置)される。また、装用者が例えば新聞紙を見る状況を想定して、評価点Pが眼前の有限距離の平面上に満遍なく分布するように点列が設定されてもよい。
制御部100は、ステップS104にて設定された複数の評価点Pの各々の見かけ上の位置であって、ステップS102及びS103にて設定された固視状態での、評価点Pの見かけ上の位置(以下、この位置を「見かけ点P’」と記す。)を算出する(ステップS105)。すなわち、ステップS105において、制御部100は、空間上に設定された複数の評価点Pの各々の見かけ上の位置P’であって、左右一対の眼鏡レンズ装用し且つ視線通過位置FP’を通して固視点FPを固視する状態での、見かけ上の位置P’を算出する見かけ位置算出部として動作する。本明細書において、見かけ点P’は、場合によっては、見かけ上の位置P’や見かけ上の点P’と称することがある。
制御部100は、ステップS104にて算出された各見かけ点P’の位置と、各評価点Pの基準位置との差分を算出し(ステップS106)、算出された評価点毎の位置の差分を統計した評価指数DIを算出する(ステップS107)。すなわち、ステップS106において、制御部100は、複数の評価点Pの各々について、位置算出部により算出された見かけ上の位置P’と、評価点Pの基準位置との差分を算出する差分算出部として動作する。また、ステップS107において、制御部100は、差分算出部により算出された評価点毎の、見かけ上の位置P’と、評価点Pの基準位置との差分を統計した評価指数を算出する評価指数算出部として動作する。
なお、評価指数DIは、評価対象の眼鏡レンズを装用して物を見るときの視野の変化(例えば歪みや矯正効果等)を評価する指標である。
各評価点Pの基準位置は、評価点Pが本来あるべき位置として予め設定された位置である。具体的には、各評価点Pの基準位置は、各評価点Pの位置そのもの又はある状況を基準としたときの各評価点Pの見かけ上の位置である。例えば、評価範囲が、両眼中点Oから特定の距離離れた固視点FPへの直線に垂直で且つ固視点FPを含む平面である場合を考える。この場合、両眼中点Oから固視点FPの見かけ上の点への直線に垂直で且つ固視点FPの見かけ上の点を含む平面上の位置が、各評価点Pの基準位置として設定される。また、評価範囲の平面内に設定された評価点Pの位置そのもの(裸眼で固視点FPを固視しているときの、当該評価点Pの見かけ上の位置)が、評価点Pの基準位置として設定されてもよい。また、評価対象の眼鏡レンズと同じ度数を持つ単焦点レンズ(例えば評価対象である遠近両方累進屈折力レンズの遠用度数と同じ度数を持つ単焦点レンズ)を装用した状態を想定したときの、当該評価点Pの見かけ上の位置が、評価点Pの基準位置として設定されてもよい。
統計する評価点P(言い換えると評価対象の空間の範囲)は、仮想空間に設定された全ての評価点Pであってもよく、また、仮想空間に設定された一部の評価点Pであってもよい。一部の評価点Pとは、例えば、眼鏡レンズ上の特定範囲(上半分、下半分、中心から半径20mm以内の部分など)を通して見える評価点Pであったり、仮想空間内の特定の距離範囲に設定された評価点Pであったりする。
例えば遠近両用累進屈折力レンズの近用部に対する評価を行う場合、固視点FPは、例えば眼鏡レンズモデルL(より具体的には、両眼中点O)から40cm程度離れた位置に設定される。この場合の眼鏡レンズ上の視線通過位置FP’は、眼鏡レンズの近用領域(一例として累進帯長が11mmの場合、レンズの幾何学中心から11mm下の位置)となる。すなわち、左右の眼が下方に回旋して固視点FPを固視することになる。
評価点Pは、例えば、装用者が読む新聞や書籍の紙面、ノートPCやタブレット端末の画面を想定した平面上に設定される。評価範囲に含まれるこのような平面(例示的には、固視点FPを固視する視線に垂直な平面)に符号OPを付す。評価点Pは、この平面OP内に満遍なく(XYの各方向に等間隔で又は不均等な間隔で)設定される。各評価点Pに対し固視状態において眼が感じる空間上の位置、すなわち、評価点Pの見かけ上の位置である見かけ点P’が求められる。各見かけ点P’を含む面(以下「見かけ面AP」と記す。)が、平面OPの見かけ上の形状を示す。
評価点Pの基準位置が裸眼状態での位置(すなわち、評価対象の空間内に設定された評価点Pの位置そのもの)の場合、各評価点Pの見かけ点P’と基準位置との差分を示す、平面OPと見かけ面APとの差分は、概念的には、図3のハッチング領域の面積で示される。図2のステップS106では、概念的には、このハッチング領域の面積が大きいほど基準状態(ここでは裸眼時)に対する眼鏡レンズ装用時の視野の変化(例えば歪みや矯正効果等)が大きい、との評価結果が得られる。
図4に、図3と同様の仮想光学モデルの一例を示す。図4は、図3に対して平面OP’を追加し、且つ平面OP’と見かけ面APとの間の領域をハッチングで示す図である。評価対象の眼鏡レンズ上の視線通過位置FP’において、ベースイン又はベースアウトのプリズム効果が若干あるため、固視点FPの見かけ上の位置が空間上の固視点FPの位置より奥又は手前にある。この例では、この固視点FPの見かけ上の位置を含む、両眼中点Oから固視点FPの見かけ上の位置への直線に垂直な平面OP’を、本来あるべき見かけ上の面と考える。この場合、基準状態に対する眼鏡レンズ装用時の視野の変化(評価結果)は、概念的には、図4のハッチング領域の面積と考えることができる。
図5に、図3と同様の仮想光学モデルの一例を示す。図5は、図3に対して曲面OP”を追加し、且つ曲面OP”と見かけ面APとの間の領域をハッチングで示す図である。曲面OP”は、評価対象の眼鏡レンズの代わりに同じ処方やフィッチング位置の単焦点レンズの眼鏡をかけて固視点FPを同じ位置を通して固視している状態での、平面OPの見かけ上の面である。評価対象の眼鏡レンズが単焦点レンズ以外のレンズ、例えば累進屈折力レンズの場合、各評価点Pの基準位置が曲面OP”上に設定される。この場合、基準状態に対する眼鏡レンズ装用時の視野の変化(評価結果)は、概念的には、図5のハッチング領域の面積と考えることができる。
制御部100は、ステップS104において、眼鏡レンズ上の評価領域(言い換えると、評価対象の空間であり、また、視野範囲の位置や大きさ)を設定することができる。ここで設定される視野範囲は、例えば、前述のケース(遠近両用累進屈折力レンズの近用部に対する評価を行うケース)で固視点FPを中心とした半径n1(一例としてn1は300mm)の円形面であったり、固視点FPを中心とした矩形面(縦n2×横n3:一例としてn2は400mm、n3は800mm)であったりする。
眼鏡レンズ全体を評価する場合は、視野全体の空間が評価対象の空間として設定され、設定されたこの空間に各評価点Pが設定される。
ステップS105において、制御部100は、仮想空間内の評価点Pの見かけ上の位置である見かけ点P’を算出する。図6及び図7に、その算出方法の一例を説明するための図を示す。図6は、図3に示される眼球モデルE及びEを拡大して示す図である。なお、図6では、図3で省略されていた水晶体も図示される。図7は、見かけ点P’を算出する方法の一例を概念的に示す図である。
固視点FPを両眼で固視した状態において、評価点Pからの主光線は、左右眼の瞳孔を通過し、それぞれの網膜周辺位置に到達する。左眼の主光線の角膜入射光線の方向ベクトルに符号Dを付し、角膜通過点に符号Kを付し、網膜到達点に符号Mを付する。また、右眼の主光線の角膜入射光線の方向ベクトルに符号Dを付し、角膜通過点に符号Kを付し、網膜到達点に符号Mを付する。網膜到達点Mと網膜到達点Mとの位置が異なることで視差が生じ、人は、空間上の位置を判別することができる。視差から見かけ上の位置を算出する一つの方法として、左右眼の入射主光線の延長線が交わる点P’を算出し、これを評価点Pの見かけ上の位置P’とする方法がある。
眼球モデルEの光学性能は既知である。そのため、制御部100は、角膜に入射される各光線の方向ベクトルと角膜上の通過点を計算することができる。具体的には、制御部100は、網膜到達点M(左右一対の網膜到達点M、M)から瞳孔中心を通過する光線を逆追跡し、逆追跡した光線が角膜を通過するときの角膜上の位置(左右一対の角膜通過点K、K)を計算するとともに、この光線が角膜に入射するときの入射方向(左右一対の角膜入射光線の方向ベクトルD、D)を計算する。なお、本明細書において、便宜上、方向ベクトルDに延びる直線にもこれと同じ符号Dを付して説明する場合がある。また、方向ベクトルDに延びる直線にもこれと同じ符号Dを付して説明する場合がある。また、図6及び図7では、矢印を用いてベクトルを表記しているが、本明細書では、便宜上、数式以外では矢印の表記を省略する。
左右一対の角膜入射光線の方向ベクトルに延びる直線Dと直線Dとの交点が評価点P(x,y,z)の見かけ上の点P’(x’,y’,z’)となる(すなわち、見かけ点P’となる。)。裸眼の場合は、角膜入射光線が眼鏡レンズで屈折されないため、両者は交わる。これに対し、眼鏡レンズ装用時には、角膜入射光線が眼鏡レンズで屈折されるため、両者は必ずしも交わらない。角膜入射光線が交わらない場合、図7に示されるように、平面LPと平面RPとが角度をなした状態にある。平面LPは、角膜通過点KとKとを結ぶ直線及び直線Dを含む面である。平面RPは、角膜通過点KとKとを結ぶ直線及び直線Dを含む面である。
制御部100は、見かけ点P’を求める方法の一つとして、平面LPと平面RPとの角度を二等分する平面CPに各直線D、Dを投影し、投影したこれらの直線が交わる平面CP上の点を見かけ点P’(x’,y’,z’)として求める。
見かけ点P’(x’,y’,z’)の具体的な求め方を説明する。まず、角膜通過点Kから角膜通過点Kへの単位ベクトルをNとする。平面LPの単位法線ベクトルN、平面RPの単位法線ベクトルN、平面CPの単位法線ベクトルNは、それぞれ、次式で示される。
Figure 0007595424000002
平面CPに投影した直線Dの単位ベクトルD’、平面CPに投影した直線Dの単位ベクトルD’は、それぞれ、次式で示される。
Figure 0007595424000003
制御部100は、単位ベクトルD’に延びる直線LN及び単位ベクトルD’に延びる直線LNを求め、平面CP上の三角形P’Kを正弦定理で解くことにより、見かけ点P’(x’,y’,z’)を得る。
制御部100は、全ての評価点Pについて見かけ上の点である見かけ点P’を求める。本実施形態では、平面OPが複数の評価点Pにより表現されるのと同様に、見かけ面APは、複数の見かけ点P’(ここで求められた全ての見かけ点P’)により表現される。
このように、ステップS105において、制御部100は、複数の見かけ点P’の集合を算出する。
ステップS106において、制御部100は、見かけ点P’の位置と、これに対応する評価点Pの基準位置との差分を算出する。本実施形態では、制御部100は、評価点Pを左右一対の眼鏡レンズ装用時に見たときの見かけ上の位置(すなわち見かけ点P’)と、この評価点Pの基準位置Pとの差分を算出する。
本実施形態では、見かけ点P’と基準位置Pとの差分を視方向の差ΔAと深度(両眼中点Oからの距離の逆数)の差ΔDに分けて算出することもできる。視方向の差は、評価点P毎の見かけ点P’から両眼中点Oへの直線P’Oの方向ベクトルと、評価点P毎の基準位置Pから両眼中点Oへの直線POの方向ベクトルとがなす角度αのサインの絶対値と定義する。
Figure 0007595424000004
また、深度は、両眼中点Oからの距離の逆数である。深度の差ΔDは、次式により示される。
Figure 0007595424000005
ステップS107において、制御部100は、評価対象の空間に設定された評価点Pの基準位置Pとその見かけ上の位置P’との差分を統計して評価指数DIを算出する。具体的には、次式(1)により、評価指数DIを算出する。
[式(1)]
Figure 0007595424000006
n :空間上に設定される評価点Pのサンプル数
Δ :評価点P毎の見かけ上の位置P’と基準位置Pとの差分
評価指数DIは、次式に示される評価指数DIAと評価指数DIDの一方又は両方で示されてもよい。評価指数DIAは、差分Δを視方向の差分ΔAで表したものであり、評価指数DIDは、差分Δを深度の差分ΔDで表したものである。
Figure 0007595424000007
但し、
DIA :視方向の差に基づく評価指数
DID :深度の差に基づく評価指数
ΔA :評価点P毎の|sinα
ΔD :評価点P毎の、見かけ上の位置P’から両眼中点Oまでの距離の逆数Dと、基準位置Pから両眼中点Oまでの距離の逆数Di0との差(すなわち、D-Di0
である。
なお、仮想空間の座標系は、XYZ直交座標系に限らず、方位角と深度で定義される座標系に代えてもよい。この場合、評価点P毎の位置は、例えばP(D,T,C)で表される。Dは、評価点Pの深度(深度は両眼中点Oからの距離の逆数)であり、Tは、縦方向方位角のタンジェント、Cは、横方向方位角のタンジェントである。深度D、縦方向方位角T、横方向方位角Cは、それぞれ、次式により示される。
Figure 0007595424000008
縦方向方位角Tと横方向方位角Cを極座標に変換し、半径方位角のタンジェントをρとし、象限方位角をθとすると、ρ、θは、次式により示される。
Figure 0007595424000009
評価点Pは、P(x,y,z)、P(D,T,C)、P(D,ρ,θ)の何れで示すこともできる。すなわち、評価点Pの点列は、xyz座標系において例えば各軸等間隔又は不均等な間隔でサンプリングすることができ、また、D-T-C座標系において各軸等間隔又は不均等な間隔でサンプリングすることもでき、D-ρ-θ座標系において各軸等間隔又は不均等な間隔でサンプリングすることもできる。
なお、上記式(1)において、nを、眼鏡レンズ前方の空間に並ぶ評価点Pのサンプル数とし、ΔDiを、この空間に並ぶ評価点P毎の位置の差ΔD(x,y,z)とすると、評価指数DIは、眼鏡レンズを介した前方空間の見え方を評価する評価結果となる。
評価範囲である前方空間が直方体の空間である場合、上記式(1)をより具体的な次式に置換することができる。
Figure 0007595424000010
但し、
:前方空間内のX軸方向に並ぶ評価点Pのサンプル数
:前方空間内のY軸方向に並ぶ評価点Pのサンプル数
:前方空間内のZ軸方向に並ぶ評価点Pのサンプル数
ΔAijk:前方空間内に設定される評価点P毎の視方向の差ΔA(x,y,z)
ΔDijk:前方空間内に設定される評価点P毎の深度の差ΔD(x,y,z)
(各方向において評価点Pは等間隔又は不均等な間隔で配置)
評価範囲である前方空間が両眼中点Oを頂点とする四角錐又は円錐の空間である場合、上記式(1)をより具体的な次式に置換することができる。
Figure 0007595424000011
但し、
D :前方空間内の深度方向に並ぶ評価点Pのサンプル数
T :前方空間内の縦方向方位角の方向に並ぶ評価点Pのサンプル数
C :前方空間内の横方向方位角の方向に並ぶ評価点Pのサンプル数
ΔAijk:前方空間内に設定される評価点P毎の視方向の差ΔA(D,T,C)
ΔDijk:前方空間内に設定される評価点P毎の深度の差ΔD(D,T,C)
(各方向において評価点Pは等間隔又は不均等な間隔で配置)
評価範囲である前方空間が両眼中点Oを頂点とする円錐の空間である場合、上記式(1)をより具体的な次式に置換することもできる。
Figure 0007595424000012
但し、
ρ :前方空間内の半径方位角の方向に並ぶ評価点Pのサンプル数
θ :前方空間内の象限方位角の方向に並ぶ評価点Pのサンプル数
ΔAijk:前方空間内に設定される評価点P毎の視方向の差ΔA(D,ρ,θ)
ΔDijk:前方空間内に設定される評価点P毎の深度の差ΔD(D,ρ,θ)
(各方向において評価点Pは等間隔又は不均等な間隔で配置)
前方空間内に配置された全ての評価点Pを統計して評価指数が算出されてもよいが、前方空間内に配置された一部の評価点Pに対して評価指数が算出されてもよい。
評価指数DI(又は評価指数DIA、DID)は、基準状態に対する眼鏡レンズ装用時の視野の変化を定量化して示す指標である。評価指数DIの値が大きいほど、基準状態に対する視野の変化が大きいという評価になる。評価指数DI(又は評価指数DIA、DID)は、設定された固視点FPを眼鏡レンズ上の視線通過位置FP’を通して固視した状態で、周囲の評価点Pの基準位置Pからの乖離を評価の対象として含めた指標となっている。すなわち、評価指数DIは、中心窩だけでなく中心窩以外の網膜周辺部でとらえた像も考慮した評価内容となっている。そのため、例えば、中心窩以外の網膜周辺部でとらえた像の歪み等(言い換えると、視野内の周辺部の像の歪み等)を不快に感じやすい患者に対し、例えば評価指数DI(又は評価指数DIA、DID)の値が小さい眼鏡レンズを提案することにより、その患者が納得する眼鏡レンズを提供することが可能となる。
具体的実施例を2つ説明する。実施例1では、評価範囲が眼鏡レンズの前方空間であり、実施例2では、評価範囲が両眼中点Oから特定の距離離れた平面である。実施例1、2の何れにおいても、評価対象は、遠近両用累進屈折力レンズであり、基準状態は裸眼状態である。
評価対象の遠近両用累進屈折力レンズは、実施例1と実施例2で共通である。この遠近両用累進屈折力レンズの仕様は次のとおりである。
右レンズ:S0.00D、ADD2.50D、累進帯長11mm
左レンズ:S0.00D、ADD2.50D、累進帯長11mm
遠用PD:64mm
前傾角 :0.0度
内傾角 :0.0度
CVD:14.5mm
なお、CVD(Corneal Vertex Distance)は、眼鏡レンズの後方頂点と角膜の前面(角膜頂点)との距離である角膜頂点間距離である。
[実施例1]
実施例1では、両眼中点Oを頂点とする半径角50.2度の円錐空間(便宜上「円錐空間CS」と記す。)を評価範囲とする。円錐空間CSの深度の範囲は、0D~3.5D(言い換えると、無限遠距離から286mmまで)の範囲である。無限遠距離に設定された固視点FPへの視線が通過する眼鏡レンズ上の位置は、眼鏡レンズの幾何学中心から4mm上の位置である。円錐空間CS全体を評価範囲としたときの、眼鏡レンズ上の評価領域(言い換えると、円錐空間CS全体に配置された各評価点Pへの視線が通過する眼鏡レンズ上の範囲)は、幾何学中心を中心とした約φ40mmの範囲である。便宜上、眼鏡レンズ上の評価領域を「レンズ評価領域EA」と記す。
図8は、実施例1の眼鏡レンズ(遠近両用累進屈折力レンズ)装用時において、深度が0Dのときの左右眼の視差(言い換えると、両眼中点Oから無限遠距離にある平面OPを見たときの左右眼の視差)を示す図である。図9は、実施例1の眼鏡レンズ装用時において、深度が3.5Dのときの左右眼の視差(言い換えると、両眼中点Oから286mm離れた平面OPを見たときの左右眼の視差)を示す図である。図8、図9の各図中、丸印は、評価点Pを右眼で見たときの評価点Pの位置を示し、三角印は、評価点Pを左眼で見たときの評価点Pの位置を示す。両者の位置が離れるほど視差が大きいことを示す。図8、図9の各図中、縦軸は、円錐空間CS内における垂直方向の位置を示し、横軸は、円錐空間CS内における水平方向の位置を示す。図8、図9の各図中、垂直方向における評価点Pの位置(T=tan α)及び水平方向における評価点Pの位置(C=tan β)は、タンジェントの値で示される。
深度、縦方向方位角、横方向方位角の各方向において、評価点Pは、等間隔で配置される。深度方向については、0.5D間隔(ΔD=0.5)で配置され、縦方向方位角及び横方向方位角の各方向については、0.15間隔(ΔT=0.15、ΔC=0.15)で配置される。円錐空間CS内に設定される評価点Pの総数は、1548である。
図8では、各評価点Pの右眼網膜位置を表す丸印と左眼網膜位置を表す三角印が、レンズの上半分においてほぼ重複していて(同じ位置にあり)、視差がゼロに近い。レンズ下半分では若干視差が生じている。図9では、物体距離が286mmと近いことから、視差の大きさが評価点P毎に比較的異なっており、また、レンズの上半分より、レンズの下半分の方が若干視差が大きい。
なお、眼鏡レンズ装用時の視差が視野内の周辺部で特に大きくなっていることを示す都合上、図9中、3つの評価点Pについて矢印マークを付記する。この矢印マークは、左眼で見たときの位置から右眼で見たときの位置に向かう矢印を示すマークとなっている。
図8、図9に示される視差情報を用いて、各評価点Pの見かけ上の位置P’を前述の方法で算出し、深度の差ΔDと視方向の差ΔAを指定範囲(評価対象となる空間)で統計することができる。円錐空間CS全体を評価範囲とした場合、評価点数は、1548であり、深度差に基づく評価指数DIDは、0.0857であり、視方向差に基づく評価指数DIAは、0.0326である。円錐空間CSのうち、レンズ評価領域EAの上半分の領域(便宜上「レンズ評価領域EA」と記す。)を通過する各視線の先にある評価点P(総数:600)が配置される空間を評価範囲とした場合、評価指数DIDは、0.0586であり、評価指数DIAは、0.0097である。円錐空間CSのうち、レンズ評価領域EAの下半分の領域(便宜上「レンズ評価領域EA」と記す。)を通過する各視線の先にある評価点P(総数:948)が配置される空間を評価範囲とした場合、評価指数DIDは、0.0991であり、評価指数DIAは、0.0409である。
円錐空間CS内において深度が0D(無限遠方物体)となる評価点Pのみを評価範囲(評価点Pの総数:192)とした場合、評価指数DIDは、0.0393であり、評価指数DIAは、0.0322である。レンズ評価領域EAを通過する各視線の先にある、深度が0Dの評価点P(総数:75)が配置される範囲を評価範囲とした場合、評価指数DIDは、0.0052であり、評価指数DIAは、0.0097である。レンズ評価領域EAを通過する各視線の先にある、深度が0Dの評価点P(総数:117)が配置される範囲を評価範囲とした場合、評価指数DIDは、0.0501であり、評価指数DIAは、0.0405である。
円錐空間CS内において深度が3.5D(286mm)となる評価点Pのみを評価範囲(評価点Pの総数:196)とした場合、評価指数DIDは、0.1385であり、評価指数DIAは、0.0335である。レンズ評価領域EAを通過する各視線の先にある、深度が3.5Dの評価点P(総数:75)が配置される範囲を評価範囲とした場合、評価指数DIDは、0.0970であり、評価指数DIAは、0.0099である。レンズ評価領域EAを通過する各視線の先にある、深度が3.5Dの評価点P(総数:121)が配置される範囲を評価範囲とした場合、評価指数DIDは、0.1588であり、評価指数DIAは、0.0419である。
実施例1にて算出される評価指数DIDから、遠近両用累進屈折力レンズでは、装用者が前方無限遠(ほぼ正面)を固視する状況において、物体距離が近いほど見かけ上の位置の深度と基準位置との差が大きくなる傾向にあることが判る。また、レンズ評価領域EAよりもレンズ評価領域EA(言い換えると、遠用部よりも近用部)を通して見たときの方が、見かけ上の位置の深度と基準位置との差が大きくなる傾向にあることが判る。一方、実施例1にて算出される評価指数DIAからは、評価点の深度に関係なく、レンズ評価領域EAよりもレンズ評価領域EA(言い換えると、遠用部よりも近用部)を通して見たときの方が、見かけ上の位置の視方向と基準位置との差が大きくなる傾向にあることが判る。
[実施例2]
実施例2では、遠近両用累進屈折力レンズの近用部を通して、新聞紙を広げてみる状況(図10)を評価する。固視点FPは、両眼中点Oから40cm離れた距離にある。近用部(具体的には、レンズの幾何学中心から11mm下方の位置)を通して見るため、固視点FPは、眼よりもやや斜め下方にある。両眼中点Oから固視点FPまでの直線に垂直な平面OPが新聞紙の紙面(平面)と設定され、この平面に評価点Pが設定される。具体的には、水平方向が80cmで垂直方向が40cmの矩形の平面が評価範囲である。評価点Pは、0.1間隔(ΔT=0.1、ΔC=0.1)で配置される。なお、図10では、便宜上、両眼中点Oを中心とする眼球モデルを図示する。
図11は、図8や図9と同様の図であって、実施例2の眼鏡レンズ(遠近両用累進屈折力レンズ)装用時において、斜め下方に配置された平面OPを見たときの左右眼の視差を示す図である。実施例2では、平面OP全体を評価範囲とした場合、評価指数DIDは、0.1165であり、評価指数DIAは、0.0350である。なお、図11にも、図9と同様の矢印マークを付記する。
図11を参照すると、実施例2の遠近両用累進屈折力レンズでは、装用者が斜め下方の近距離を見る状況(例えば装用者が新聞や書籍を読む状況や、ノートPCやタブレット端末の画面を見る状況)において、固視点FPから離れた、視野内の周辺部で裸眼状態に対する左右眼の視差が大きくなっていることが判る。この評価指数DID及びDIAを受け、眼鏡レンズを提供する側は、例えば視野内の周辺部の像の歪み等を不快に感じやすい患者に対し、例えば斜め下方の近距離を見る状況にて視野内の周辺部で像の歪み等が少ない眼鏡レンズを提案することができる。
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施形態等又は自明な実施形態等を適宜組み合わせた内容も本願の実施形態に含まれる。
1 評価システム
10 情報処理端末
20 入力装置
30 表示装置

Claims (4)

  1. 評価対象となる空間上の特定位置を固視点と設定し、左右一対の眼鏡レンズを装用して前記固視点を固視する際のレンズ上の視線通過位置を設定する固視位置設定部と、
    前記空間上に設定された複数の評価点の各々に対し、前記左右一対の眼鏡レンズを装用し且つ前記視線通過位置を通して前記固視点を固視する状態での、見かけ上の位置を算出する見かけ位置算出部と、
    前記複数の評価点の各々について、前記算出された見かけ上の位置と、前記評価点の基準位置との差分を算出する差分算出部と、
    前記差分算出部により算出された評価点毎の前記差分を統計した評価指数を算出する評価指数算出部と、
    を備え
    前記評価指数算出部は、次式を用いて前記評価指数を算出し、
    Figure 0007595424000013
    但し、
    DI :前記評価指数
    n :前記空間上に設定される評価点のサンプル数
    Δ :前記評価点毎の前記見かけ上の位置と前記基準位置との差分
    であり、
    前記評価点毎の前記見かけ上の位置と前記基準位置との差分は、次式により定義される、
    Δ =D -D i0
    但し、
    :前記評価点毎の前記見かけ上の位置から両眼中点までの距離の逆数
    i0 :前記評価点毎の前記基準位置から前記両眼中点までの距離の逆数
    である、
    眼鏡レンズの評価装置。
  2. 前記評価点毎の前記見かけ上の位置と前記基準位置との差分は、次式により定義される、
    Δ=|sinα
    但し、
    α:前記評価点毎の前記見かけ上の位置から両眼中点へのベクトルと、前記評価点毎の前記基準位置から前記両眼中点へのベクトルと、がなす角度
    である、
    請求項に記載の眼鏡レンズの評価装置。
  3. 前記基準位置は、
    前記空間上に設定された評価点の位置そのものである、
    請求項1または請求項2に記載の眼鏡レンズの評価装置。
  4. 前記眼鏡レンズが単焦点レンズ以外のレンズであり、
    前記基準位置は、
    前記眼鏡レンズと同じ度数を持つ単焦点レンズを装用したときの見かけ上の位置である、
    請求項1または請求項2に記載の眼鏡レンズの評価装置。
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