JP7600554B2 - 樹脂フィルム、積層体、および、包装袋 - Google Patents
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Description
上記構成によれば、転移温度と貯蔵弾性率とが上記範囲内である樹脂フィルムが好適に得られる。
上記構成によれば、外力が繰り返し印加された場合でも、積層体におけるガスバリア性の低下が抑えられるため、包装材としての利用に対する積層体の適性が高められる。
上記構成によれば、積層体のガスバリア性がより高められる。
上記構成によれば、第2バリア層による第1バリア層の保護およびガスバリア性の補完が可能である。
上記構成によれば、第2バリア層による第1バリア層の保護およびガスバリア性の補完の効果が高められる。
[樹脂フィルム]
図1を参照して、樹脂フィルム10の構成を説明する。樹脂フィルム10は、再生されたポリエチレンテレフタレート(PET)であるリサイクルPETを含む。リサイクルの対象のPET製品には使用済みペットボトルが含まれる。樹脂フィルム10が含むリサイクルPETは、メカニカルリサイクルにより再生されたPET、および、ケミカルリサイクルにより再生されたPETの少なくとも一方である。
さらに、樹脂フィルム10は、無延伸でもよく、延伸によって製造されてもよい。延伸方法は、一軸延伸、もしくは、二軸延伸など公知の延伸方法が用いられる。
図2を参照して、積層体20の構成を説明する。積層体20は、樹脂フィルム10と、ガスバリア層11とを備えている。ガスバリア層11は、積層体20におけるガスバリア性を高める機能を有する。
第2バリア層の厚さは、例えば、0.05μm以上30μm以下の範囲から選択される。
積層体20の形成には、ガスバリア層11や他の層の材料に応じて、各種の物理気相成長法や各種の塗布法の他、ドライラミネートや押出ラミネートなどが用いられる。
図3を参照して、包装袋30の構成を説明する。包装袋30は、積層体20から形成された袋状を有し、密封可能に構成されている。包装袋30において、ガスバリア層11は、樹脂フィルム10に対して内側に位置する。包装袋30の形状や大きさは特に限定されず、包装の対象物に応じて設計されていればよい。包装の対象物は、例えば、食品、医薬品、化粧品などである。
本願の発明者は、樹脂フィルム10の柔軟性が、積層体20におけるガスバリア性の低下の抑制に寄与することを見出した。そして、本願の発明者は、樹脂フィルム10の柔軟性を評価するためのパラメータとして、動的弾性率、すなわち、貯蔵弾性率G1、損失弾性率G2、および、損失正接(tanδ)に着目した。
また、ピーク位置の損失弾性率G2が0.37GPa以下であれば、積層体20における包装材としての適性の低下が抑えられやすい。
上述した樹脂フィルムおよび積層体について、具体的な実施例および比較例を用いて説明する。
三層の樹脂層を、共押出しにより積層して、実施例1の樹脂フィルムを形成した。各樹脂層は、メカニカルリサイクルによって再生されたリサイクルPETとバージンPETとが混合された層である。三層の樹脂層は、互いに同一の組成を有する。実施例1の樹脂フィルムが含有するリサイクルPETの質量割合は、樹脂フィルムの総質量の80%である。実施例1の樹脂フィルムの厚さは12μmである。
これにより、実施例1の積層体を得た。すなわち、実施例1の積層体は、樹脂フィルムと、第1バリア層および第2バリア層を含むガスバリア層とを備えている。
2つの第1樹脂層の間に第2樹脂層を挟むように、三層の樹脂層を積層して、実施例2の樹脂フィルムを形成した。第1樹脂層は、ケミカルリサイクルによって再生されたリサイクルPETからなる層である。第2樹脂層は、メカニカルリサイクルによって再生されたリサイクルPETに、ケミカルリサイクルによって再生された少量のリサイクルPETが混合された層である。実施例2の樹脂フィルムが含有するリサイクルPETの質量割合は、樹脂フィルムの総質量の100%である。実施例2の樹脂フィルムの厚さは12μmである。
2つの第1樹脂層の間に第2樹脂層を挟むように、三層の樹脂層を積層して、実施例3の樹脂フィルムを形成した。第1樹脂層は、バージンPETからなる層である。第2樹脂層は、ケミカルリサイクルによって再生されたリサイクルPETからなる層である。実施例3の樹脂フィルムが含有するリサイクルPETの質量割合は、樹脂フィルムの総質量の70%である。実施例3の樹脂フィルムの厚さは12μmである。
バージンPETからなる一層の樹脂層を形成することにより、比較例の樹脂フィルムを得た。比較例の樹脂フィルムは、リサイクルPETを含まない。比較例の樹脂フィルムの厚さは12μmである。
各実施例および比較例の樹脂フィルムから、帯状の試験片を作製した。試験片の長さは20mmであり、試験片の幅は10mmである。なお、樹脂フィルムの形成時の流れ方向(MD方向)を試験片の長さ方向とした。熱機械分析装置(日立ハイテクサイエンス社製:DMA7100)を用いて、各試験片における貯蔵弾性率G1と損失弾性率G2とを測定し、tanδを算出した。測定条件は、下記である。
周波数:10Hz
張力条件:歪振幅 10μm
:最小張力/圧縮力 50mN
:張力/圧縮力ゲイン 1.2
:力振幅初期値 50mN
加熱条件:昇温速度 2℃/min
:加熱温度 30℃~180℃
実施例1および比較例の積層体から、試験片を作製し、積層体のフレキシリビリティの評価のために、ゲルボフレックス試験を実施した。試験方法を下記に示す。そして、積層体のガスバリア性の評価のために、ゲルボフレックス試験を実施する前の積層体と、ゲルボフレックス試験を実施した後の積層体とに対し、酸素透過度および水蒸気透過度を測定した。測定方法を下記に示す。
フレキシリビリティ評価装置(テスター産業社製、ゲルボフレックステスター)を用いて、積層体のフレキシビリティを評価した。まず、評価装置の固定ヘッドに、試験片を円筒状になるよう取り付けた。続いて、試験片の両端を保持した状態で、初期把持間隔を175mmとし、87.5mmのストロークで440度のひねりを加える動作を、40回/分の速度で10回繰り返すことにより、積層体を屈曲した。
積層体の水蒸気透過度を、水蒸気透過度測定装置(Modern Control社製、PERMATRAN 3/31)を用いて、温度40℃、相対湿度90%の条件で測定した。測定方法は、JIS K-7129、ASTM F1249-90に準拠し、測定値の単位は[g(STP)/m2・day]とした。
積層体の酸素透過度を、酸素透過度測定装置(Modern Control社製、OXTRAN 2/20)を用いて、温度30℃、相対湿度70%の条件で測定した。測定方法は、JIS K-7126のB法(等圧法)、ASTM D3985-81に準拠し、測定値の単位は[cm3(STP)/m2・day・MPa]とした。
図4~図6は、各実施例および比較例の樹脂フィルムについての、動的弾性率の測定によって得られた曲線を示す。図4は貯蔵弾性曲線を示し、図5は損失弾性曲線を示し、図6は損失正接曲線を示す。なお、動的弾性率の測定は、実施例および比較例ごとに3つの試験片に対して行った。図4~図6に示す曲線は、3つの試験片に対する測定によって得られた曲線のうちの代表的な曲線を示す。
(1)樹脂フィルム10の貯蔵弾性曲線において、転移温度T1が80℃以上88℃以下であり、かつ、転移温度T1における貯蔵弾性率G1が3.8GPa以上4.1GPa以下である。これにより、包装袋30の使用環境において、樹脂フィルム10の弾性体としての性質の強さが好適となる。すなわち、樹脂フィルム10において、外力への応答に際しての弾性の寄与が大きくなりすぎないため、積層体20に外力が繰り返し印加された場合でも、樹脂フィルム10に積層されたガスバリア層11の動きが抑えられて、ガスバリア層11における欠陥の発生が抑えられる。それゆえ、積層体20のガスバリア性の低下を抑えることができる。一方、樹脂フィルム10の弾性体としての性質が弱くなりすぎないため、積層体20における包装材としての適性の低下が抑えられやすい。
(7)第2バリア層が、Si(OR1)4、もしくは、R2Si(OR3)3(OR1、OR3は加水分解性基であり、R2は有機官能基である。)で表されるケイ素化合物あるいはその加水分解物を1種以上と、水酸基を有する水溶性高分子と、を含むことにより、第2バリア層による第1バリア層の保護およびガスバリア性の補完の効果が高められる。
11…ガスバリア層
20…積層体
30…包装袋
Claims (7)
- ガスバリア性を有したガスバリア層を積層されることによって包装袋用の積層体を構成する樹脂フィルムであって、
ポリエチレンテレフタレート製の三層の樹脂層を備え、
前記三層の樹脂層のうちの少なくとも一層が、リサイクルポリエチレンテレフタレートを含み、
前記樹脂フィルムが含有する前記リサイクルポリエチレンテレフタレートの質量割合は、前記樹脂フィルムの総質量の70%以上であり、
前記樹脂フィルムの貯蔵弾性率と温度との関係を示す貯蔵弾性曲線において、ガラス状態からゴム状態への転移温度は、80℃以上88℃以下であり、かつ、前記転移温度における貯蔵弾性率は、3.8GPa以上4.1GPa以下である
樹脂フィルム。 - 前記リサイクルポリエチレンテレフタレートは、繰り返し単位中のジカルボン酸単位にテレフタル酸とイソフタル酸とを含む
請求項1に記載の樹脂フィルム。 - 請求項1または2に記載の樹脂フィルムと、
ガスバリア性を有するガスバリア層と、
を備える積層体。 - 前記ガスバリア層は、
酸化アルミニウムおよび酸化珪素の少なくとも一方を含む第1バリア層と、
高分子材料を含む第2バリア層と、を有する
請求項3に記載の積層体。 - 前記第2バリア層は、前記第1バリア層に隣接して積層されている
請求項4に記載の積層体。 - 前記第2バリア層は、Si(OR1)4、もしくは、R2Si(OR3)3(OR1、OR3は加水分解性基であり、R2は有機官能基である。)で表されるケイ素化合物あるいはその加水分解物を1種以上と、水酸基を有する水溶性高分子と、を含む
請求項4または5に記載の積層体。 - 対象物を包装するための包装袋であって、
請求項3~6のいずれか一項に記載の積層体から構成されている
包装袋。
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