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JP7601612B2 - 床上の断熱補強構造とその施工方法 - Google Patents
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Description

本発明は、建築構造物(例えば、集合住宅)における床上の断熱補強構造とその施工方法に関する。
従来から、断熱性は建築構造物にとって省エネルギーの観点から重要な要素であり、これまでは「次世代省エネルギー基準」(平成11年基準)に基づいて評価が行われていた。ところが実際には、建築構造物の外皮の断熱性能だけで評価し、設備の性能等も含めた建築構造物全体の一体的な評価がなされていなかった。そのため、建築構造物全体の省エネルギー性能を客観的に比較しにくいこともあり、評価の仕方が見直されてきた。
そこで、平成27年4月1日より「改正省エネルギー基準」(平成25年基準)が施工された。これにより、省エネルギー性能としては高レベルの断熱等性能等級4及び1~5地域において、さらに建築構造物の『床上への断熱補強』が義務化された。このため、従来の断熱補強構造及びその施工方法の延長線上での対応では、断熱性能の不具合や、工程及び労務への圧迫が懸念される。
従来の床上への断熱補構造としては床部(床パネル)の下面に発泡ウレタン性の断熱材を敷設し、床下からの冷気を防ぐ構造(例えば特許文献1参照。)が採用されていた。より詳細には、図3に示すとおり、フローリングの下面に床の断熱材が敷設されていた。さらに、外壁の内側には壁の断熱材が設けられており、床下のみならず外壁からの冷気を防ぐ構造が採用されていた。
特開2012-12767号公報
しかしながら、上述した従来の床上の断熱補強構造では、壁の断熱材と床の断熱材との間にセルフレベリング材が介在しているため、断熱効果に問題があった。すなわち、断熱材が連続していない部分が熱橋となり断熱性能を低下させるため、「改正省エネルギー基準」を満たさない恐れがある。
また、集合住宅においては、外壁、床及び内壁の施工手順が重要となっている。それぞれの施工担当が決まっており、効率的に施工しなければ工期が遅延したり無駄な工数が発生したりするからである。
そこで、本発明の第1の目的は、建築構造物の床上の断熱構造に生じる熱橋を改善し、断熱性能の向上を図る床上の断熱補強構造とその施工方法を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、施工手順の変更や追加をせずに上記熱橋問題を解消する床上の断熱補強構造とその施工方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明による床上の断熱補強構造の特徴は、床面に敷設するセルフレベリング材と外壁の内側に設ける壁断熱材との間に、床断熱材ではなく断熱モルタルを設けることにある。
すなわち、本発明は、外壁より内側かつ床スラブより上側に壁断熱材が設けられる建築構造物における床上の断熱補強構造であって、上記壁断熱材の直下から上記床スラブの上面に敷設されるセルフレベリング材と、上記壁断熱材の直下から上記セルフレベリング材の上面の一部に敷設される断熱モルタルと、上記セルフレベリング材の上面の一部に、その外側端面が上記断熱モルタルの内側面に当接する状態で敷設される床断熱材とを具備していることを特徴とする。
また、本発明は、外壁より内側かつ床スラブより上側に壁断熱材が設けてある建築構造物における床上の断熱補強構造の施工方法であって、上記壁断熱材が設けられる位置の直下から上記床スラブの上面にセルフレベリング材を敷設する工程と、上記壁断熱材が設けられる位置の直下から上記セルフレベリング材の上面の一部に断熱モルタルを敷設する工程と、上記セルフレベリング材の上面の一部に、その外側端面が上記断熱モルタルの内側面に当接する状態で床断熱材を敷設する工程とを具備していることを特徴とする。
本発明による床上の断熱補強構造は、壁断熱材が設けられる位置の直下からセルフレベリング材の上面の一部に敷設した断熱モルタルの内側面に当接する状態で床断熱材が敷設されることにより、壁断熱材、断熱モルタル及び床断熱材が連続して構成されるため、熱橋が生じることなく断熱性能の向上を図ることができる。さらに、壁断熱材からの局部圧縮が床断熱材に加わらないため、床断熱材の破損を回避することができる。
また、本発明による床上の断熱補強構造の施工方法では、セルフレベリング材を敷設する工程の直後に断熱モルタルを敷設する工程に進むことにより、これらの作業を同一の施工担当者が略同時に行うことができるため、新たに別の施工担当者が行う手間が発生しない。さらに、床断熱材を敷設する工程は、フローリングを敷設する工程と略同時に行うことができるため、造作工事や仕上げ工事中の養生が不要となる。
本発明の一実施形態における断熱補強構造の模式図である。 本発明の一実施形態における断熱補強構造の施工方法の模式図である。 従来の断熱補強構造の模式図である。
以下、図1~2を参照しつつ、本発明の一実施形態における断熱補強構造及びその施工方法を説明する。図1では、集合住宅の所定の居室に断熱補強構造を施した状態の一部の端面を示している。図2では、図1に示す断熱補強構造を施工順に示している。
なお、発明の構成を強調するため、説明上直接関係のない部位は破線にて描写している。
さて、図1に示すように本発明は、外壁1より内側かつ床スラブ2より上側に壁断熱材3が設けられる集合住宅における床上の断熱補強構造であって、この壁断熱材の直下から床スラブ2の上面に敷設されるセルフレベリング材4と、この壁断熱材の直下からこのセルフレベリング材の上面の一部に敷設される断熱モルタル5と、このセルフレベリング材の上面の一部に、その外側端面がこの断熱モルタルの内側面に当接する状態で敷設される床断熱材6とを具備している。
次に、上述した断熱補強構造を構成する各部材について、図1を参照しつつ説明する。
外壁1は、例えば外側から、タイル等の仕上げ材と、ALC(Autoclaved Lightweight Concrete)とを具備し、所定のアングル材で下部が他の外壁や梁Hに固定されるものでもよい。
床スラブ2は、例えばコンクリート製で、外側の端部が外壁や梁Hに固定されるものでもよい。
壁断熱材3は、例えば発泡ウレタン製で、外壁1より内側に位置し、その外側端面がこの外壁の内側面に当接してもよい。
壁下地及び壁材7は、例えば外側から、木下地と、せっこうボード等の板材とを具備しているものでよい。
なお、外壁1、床スラブ2、壁断熱材3及び壁下地及び壁材7は、上述したものに限定されず、適宜素材や構成を変更してもよい。
セルフレベリング材4は、床スラブ2の上面を被覆できる流動性を有するものでよい。セルフレベリング材4の形状に限定はなく、例えば段差部を設けて低い上面と高い上面とを形成するものでもよい。
断熱モルタル5は、所定の強度を有し、壁断熱材3から局部圧縮が加わっても変形しないものが好ましい。断熱モルタル5の形状は、シート状のものでよい。
なお、断熱モルタル5の長さ及び幅に限定はない。
床断熱材6は、断熱性を有する低ホルムアルデヒド素材でよく、例えば「ゼットロン(商標登録)」でもよい。床断熱材5の形状は、シート状のものでよい。
なお、床断熱材5の長さ及び幅に限定はない。
次に、本発明の一実施形態における床上の断熱補強構造の施工方法について、図2を参照しつつ説明する。
まず、図2(A)に示すとおり、梁H、外壁1及び床スラブ2が構築されていることを前提とする。
次に、図2(B)に示すとおり、セルフレベリング材4を、壁断熱材3が設けられる予定の位置の直下かつ床スラブ1の上面に、その外側端面が外壁1又はこの外壁を固定するアングル材の内側面に当接する状態で設ける。さらに、断熱モルタル5を、壁断熱材3が設けられる予定の位置の直下かつセルフレベリング材4の上面の一部に、その外側端面が外壁1又はこの外壁を固定するアングル材の内側面に当接する状態で連続的に敷設する。この手順により、セルフレベリング材4の敷設と略同時に断熱モルタル5を設置できるため、新たな手間は発生しない。
なお、セルフレベリング材4の上面、断熱モルタル5の上面及び床断熱材6の上面が面一になるよう、各々の形状及び寸法を調整してもよい。例えば、セルフレベリング材4に段差部を設け、低い方の上面に断熱モルタル5を敷設したとき、高い方の上面と断熱モルタル5及び床断熱材6との上面とが同じ高さになる形状及び寸法にしてもよい。
次に、図2(C)に示すとおり、壁断熱材3を、断熱モルタル5の上面にその下端面が、外壁1の内側面にその外側端面が、それぞれ当接する状態で設けてもよい。さらに、壁下地及び壁材7を、断熱モルタル5の上面に、その外側端面側が壁断熱材3の内側面に当接又は近接する状態で設ける。この手順により、断熱モルタル5に壁断熱材3並びに壁下地及び壁材7からの局部圧縮が加わる分、床断熱材6の局部的な変形を回避することができる。
そして、図2(D)に示すとおり、床断熱材6を、セルフレベリング材4の上面に、その外側端面側が断熱モルタル5の内側面に、その内側面側がセルフレベリング材4の段差部の側面に、各々当接し、セルフレベリング材4の上面、断熱モルタル5の上面及び床断熱材6の上面が面一となる状態で設ける。さらに、フローリングFを、セルフレベリング材4、断熱モルタル5及び床断熱材6の各々の上面に、その外側端面が壁下地及び壁材7の内側面に当接又は近接する状態で連続的に敷設してもよい。この手順により、フローリングFの敷設と略同時に床断熱材6を設置できるため、新たな手間は発生しない。
なお、壁下地及び壁材7とフローリングFとの間には巾木Bを挿入してもよい。
このように、本発明の一実施形態における床上の断熱補強構造は、壁断熱材3が設けられる位置の直下からセルフレベリング材4の上面の一部に敷設した断熱モルタル5の内側面に当接する状態で床断熱材6が敷設されることにより、この壁断熱材、断熱モルタル及び床断熱材が連続して構成されるため、熱橋が生じることなく断熱性能の向上を図ることができる。さらに、壁断熱材3からの局部圧縮が床断熱材5に加わらないため、この床断熱材の破損を回避することができる。
また、本発明に一実施形態における床上の断熱補強構造の施工方法では、セルフレベリング材4を敷設する工程の直後に断熱モルタル5を敷設する工程に進むことにより、これらの作業を同一の施工担当者が略同時に行うことができるため、新たに別の施工担当者が行う手間が発生しない。さらに、床断熱材6を敷設する工程は、フローリングFを敷設する工程と略同時に行うことができるため、造作工事や仕上げ工事中の養生が不要となる。
本発明における床上の断熱補強構造は、集合住宅のみならず、個別住宅、企業の建築物及び医療施設や介護施設等に関する産業に広く利用可能である。
1 外壁
2 床スラブ
3 壁断熱材
4 セルフレベリング材
5 断熱モルタル
6 床断熱材

Claims (1)

  1. 外壁より内側かつ床スラブより上側に壁断熱材が設けられる建築構造物における床上の断熱補強構造の施工方法であって、
    前記壁断熱材が設けられる位置の直下から前記床スラブの上面にセルフレベリング材を敷設する工程と、
    前記壁断熱材が設けられる位置の直下から前記セルフレベリング材の上面の一部に断熱モルタルを敷設する工程と、
    前記セルフレベリング材の上面の一部に、その外側端面が前記断熱モルタルの内側面に当接する状態で床断熱材を敷設する工程と
    前記セルフレベリング材、断熱モルタル及び床断熱材の各々の上面にフローリングを敷設する工程とを含み、
    前記セルフレベリング材を敷設する工程と、前記断熱モルタルを敷設する工程を略同時に行い、
    前記床断熱材を敷設する工程と、前記フローリングを敷設する工程を略同時に行
    ことを特徴とする床上の断熱補強構造の施工方法。
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