JP7601682B2 - コントロールケーブル用グリース組成物およびコントロールケーブル - Google Patents
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Description
〔1〕シリコーン基油、アミノ変性シリコーン、増ちょう剤、二硫化タングステンを含む層状構造の化合物粉末、およびポリテトラフルオロエチレン粉末を含有するコントロールケーブル用グリース組成物であって、二硫化タングステンの含有量が0.1~5.0質量%であるグリース組成物、
〔2〕前記シリコーン基油100質量部に対する前記層状構造の化合物粉末および前記ポリテトラフルオロエチレン粉末の合計含有量が5~30質量部である、上記〔1〕記載のグリース組成物、
〔3〕前記シリコーン基油100質量部に対する前記アミノ変性シリコーンの含有量が1.0~13質量部である、上記〔1〕または〔2〕記載のグリース組成物、
〔4〕前記二硫化タングステンの体積平均粒子径が9.0μm未満である、上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のグリース組成物、
〔5〕前記シリコーン基油の25℃における動粘度が50~2000mm2/sである、上記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のグリース組成物、
〔6〕前記アミノ変性シリコーンが、側鎖がアミノ基で変性されたシリコーンである、上記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載のグリース組成物、
〔7〕前記層状構造の化合物粉末が前記二硫化タングステンのみからなる、上記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載のグリース組成物、
〔8〕前記増ちょう剤がリチウム石けん系増ちょう剤である、上記〔1〕~〔7〕のいずれかに記載のグリース組成物、
〔9〕前記シリコーン基油の含有量が50~89質量%である、上記〔1〕~〔8〕のいずれかに記載のグリース組成物、
〔10〕前記増ちょう剤の含有量が5~44質量%である、上記〔1〕~〔9〕のいずれかに記載のグリース組成物、
〔11〕上記〔1〕~〔10〕のいずれかに記載のグリース組成物がインナーケーブルの外周面およびアウターケーシングの内周面に塗布されたコントロールケーブル、に関する。
本実施形態に係るグリース組成物は、シリコーン基油、アミノ変性シリコーン、増ちょう剤、二硫化タングステンを含む層状構造の化合物粉末、およびポリテトラフルオロエチレン粉末を必須の成分として含有する。本実施形態に係るグリース組成物に含有される上記各成分の含有量は、それぞれ、グリース組成物中の合計の含有量が100質量%以下となるように、記載の範囲内から適宜選択することができる。
シリコーン基油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、高重合メチルポリシロキサン等のジメチルシリコーン油;メチルフェニルポリシロキサン等のメチルフェニルシリコーン油;メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン油;ポリエーテル変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等の変性シリコーン;メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチコノール等が挙げられる。これらのシリコーン基油は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、シリコーン基油に、後述するアミノ変性シリコーンは含まれないものとする。
本実施形態に係るグリース組成物は、アミノ変性シリコーンを必須の成分として含有する。アミノ変性シリコーンを配合することで、グリース組成物の耐スティックスリップ性を顕著に向上させることができる。
増ちょう剤は、グリースの増ちょう剤として通常使用される材料であれば特に限定されない。増ちょう剤の具体的としては、例えば、金属石けん系増ちょう剤、複合体金属石けん系増ちょう剤、ウレア系化合物等が挙げられ、リチウム石けん系増ちょう剤が好ましい。
層状構造の化合物粉末は、層状の結晶構造を有する化合物の粉末であり、例えば、二硫化タングステン、二硫化モリブデン、黒鉛、フッ化黒鉛、雲母、MCA(Melamine Cyanurate Acid)、窒化ホウ素、遷移金属ジカルコゲナイド等のインカレーション化合物の粉末である。本実施形態に係る層状構造の化合物粉末は、二硫化タングステンを必須の成分と含有し、前記の二硫化タングステン以外の層状構造の化合物粉末を含有していてもよいが、層状構造の化合物粉末が二硫化タングステンのみからなることが好ましい。
二硫化タングステンを配合することにより、グリース組成物に優れた耐摩耗性や低摩擦特性を付与できるが、二硫化タングステンの比重が基油よりも高いことから、離油を促進しやすい性質があると考えられる。そうすると、離油により潤滑特性が向上する反面、離油度が大きすぎると油膜切れを起こしやすく、また飛散による摺動部周辺の汚染等が懸念される。そこでPTFEを併用することで、摩耗の抑制効果や低摩擦特性が向上するのみならず、離油度の安定性が保たれ、長期的に適度に離油することが可能となり、その結果、(ケーブル耐久試験において)長寿命化につながると考えられる。なお、適度な離油とは、例えば、JIS K 2220 11に準拠し、100℃で1000hにおいて、好ましくは1.0~30質量%、より好ましくは1.5~25質量%、さらに好ましくは2.0~20質量%の離油度を有する場合が挙げられる。
本実施形態に係るグリース組成物は、さらに下記に列挙する添加剤のうちの1種以上を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート、またはアルカリ土類金属サリシレート等の金属系清浄剤;、アルケニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸イミド硼素化変性物、ベンジルアミン、またはアルキルポリアミン等の清浄分散剤;メチレンビスジチオカーバメート、ポリカルボキシレート、亜鉛系耐摩耗剤、硫黄系耐摩耗剤、リン系耐摩耗剤等の耐摩耗剤;ポリメタクリレート系、エチレンプロピレン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体の水素化物、ポリイソブチレン等の増粘剤;2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール等のアルキルフェノール類、4,4’-メチレンビス-(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)等のビスフェノール類、n-オクタデシル-3-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェノール)プロピオネート等のフェノール系化合物、ナフチルアミン類もしくはジアルキルジフェニルアミン類等の芳香族アミン化合物等の酸化防止剤;硫化オレフィン、硫化油脂、メチルトリクロロステアレート、塩素化ナフタレン、ヨウ素化ベンジル、フルオロアルキルポリシロキサン、ナフテン酸鉛等の極圧剤;ステアリン酸等のカルボン酸、ジカルボン酸、金属石鹸、カルボン酸アミン塩、重質スルホン酸の金属塩、または多価アルコールのカルボン酸部分エステル等の防錆剤;ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール等の腐食防止剤等が挙げられる。
本実施形態に係るコントロールケーブルは、図1に示されるように、インナーケーブルがアウターケーシングに挿通され、かつ、本実施形態に係るグリース組成物がインナーケーブルの外周面およびアウターケーシングの内周面に塗布されて構成されたものである。インナーケーブルの外周面は樹脂または金属で構成されており、アウターケーシングの内周面は樹脂で構成されている。
を覆っており、シャフトと同じく適度な剛性を有する材料からなってもよいし、PA(polyamide)66等の樹脂からなってもよい。
シリコーン基油:ジメチルポリシロキサン
アミノ変性シリコーン:ダウ・東レ(株)製のDOWSIL CF 1029(側鎖がアルキルアミノ基で変性されたシリコーン)
増ちょう剤:堺化学工業(株)製のS7000(ステアリン酸リチウム)
二硫化タングステン1:粉末、体積平均粒子径0.6μm
二硫化タングステン2:粉末、体積平均粒子径7.0μm
窒化ホウ素:粉末、体積平均粒子径1.5μm
PTFE:粉末、体積平均粒子径4.0μm
表1に記載の処方に従い、各種原料を十分に攪拌させてリチウム石けんを分散させ、ミル処理を行なうことにより、リチウム石けんがシリコーン基油中に分散された各試験用グリース組成物を得た。
得られたグリース組成物を用いて、図1に示すコントロールケーブル10を作製した。図1は、コントロールケーブル10の横断面を模式的に示す図である。
得られたコントロールケーブル10に対して耐久試験を行なった。図2は、耐久試験に使用する装置の概略平面図である。
(初期の荷重効率)
A:91%以上
B:91%未満
(100万回後の荷重効率)
A:88%以上
B:88%未満
前記耐久試験の条件にてインナーケーブル20を100万回往復させた際のスティックスリップの有無を確認した。具体的には、インナーケーブル20の停止状態から動き出す際に必要な静摩擦係数由来の操作荷重F1、およびインナーケーブル20を一定速度で動かすために必要な動摩擦係数由来の操作荷重F2をそれぞれモニターし、F1/F2が0.005以上となることがない場合スティックスリップは発生していないものとし、スティックスリップ有りの場合を「+」、スティックスリップ無しの場合を「-」とそれぞれ表示した。
JIS K 2220 11に準拠し、100℃で1000h静置した後の、各試験用グリース組成物の離油度(質量%)を測定した。
(注1)R150×180°:曲げ半径Rが150mmで総曲がり角度180度となるようにコントロールケーブル10を配索する。ここで、曲げ半径Rは図2に示す「R」である。
Claims (11)
- シリコーン基油、アミノ変性シリコーン、増ちょう剤、二硫化タングステンを含む層状構造の化合物粉末、およびポリテトラフルオロエチレン粉末を含有するコントロールケーブル用グリース組成物であって、
二硫化タングステンの含有量が0.1~5.0質量%であるグリース組成物。 - 前記シリコーン基油100質量部に対する前記層状構造の化合物粉末および前記ポリテトラフルオロエチレン粉末の合計含有量が5~30質量部である、請求項1記載のグリース組成物。
- 前記シリコーン基油100質量部に対する前記アミノ変性シリコーンの含有量が1.0~13質量部である、請求項1または2記載のグリース組成物。
- 前記二硫化タングステンの体積平均粒子径が9.0μm未満である、請求項1~3のいずれか一項に記載のグリース組成物。
- 前記シリコーン基油の25℃における動粘度が50~2000mm2/sである、請求項1~4のいずれか一項に記載のグリース組成物。
- 前記アミノ変性シリコーンが、側鎖がアミノ基で変性されたシリコーンである、請求項1~5のいずれか一項に記載のグリース組成物。
- 前記層状構造の化合物粉末が前記二硫化タングステンのみからなる、請求項1~6のいずれか一項に記載のグリース組成物。
- 前記増ちょう剤がリチウム石けん系増ちょう剤である、請求項1~7のいずれか一項に記載のグリース組成物。
- 前記シリコーン基油の含有量が50~89質量%である、請求項1~8のいずれか一項に記載のグリース組成物。
- 前記増ちょう剤の含有量が5~44質量%である、請求項1~9のいずれか一項に記載のグリース組成物。
- 請求項1~10のいずれか一項に記載のグリース組成物がインナーケーブルの外周面およびアウターケーシングの内周面に塗布されたコントロールケーブル。
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