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JP7601733B2 - 動力出力装置 - Google Patents
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JP7601733B2 - 動力出力装置 - Google Patents

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Description

本発明は、出力軸に動力を出力可能な動力出力装置に関する。
特開2000-272361号公報(特許文献1)には、クランク軸を有するエンジンと、入力軸および出力軸を有する自動変速機と、回転軸を有するモータと、エンジンのクランク軸と自動変速機の入力軸とを断接可能な自動クラッチと、モータの回転軸と自動変速機の入力軸とを接続する減速機と、を備え、動力を出力軸に出力可能な動力出力装置が記載されている。
当該動力出力装置では、モータが減速機を介して自動変速機に接続されているため、モータの減速比をエンジンの減速比より大きく設定することができ、モータからのトルクの増幅を図ることができる。これにより、モータの小型化やモータのコスト低減を図っている。
特開2000-272361号公報
しかしながら、上述した公報に記載の動力出力装置では、モータの減速比をエンジンの減速比より大きく設定するための専用の減速機が必要であるため、当該減速機の分だけ動力出力装置が大型化すると共に装置全体としてコストアップに繋がり、装置のコンパクト化や装置のコスト低減という点において、なお改良の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、モータの減速比をエンジンの減速比より大きく設定可能でありながらも装置のコンパクト化を図ることができる動力出力装置を提供することを目的の一つとする。
本発明の動力出力装置は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る動力出力装置の好ましい形態によれば、出力軸に動力を出力可能な動力出力装置が構成される。当該動力出力装置は、クランク軸を有するエンジンと、回転軸を有するモータと、第1遊星歯車機構と、第1クラッチと、第2クラッチと、第3クラッチと、第1ブレーキと、を備えている。第1遊星歯車機構は、第1サンギヤと、当該第1サンギヤと同心上に配置された第1リングギヤと、第1サンギヤおよび第1リングギヤに噛合う複数の第1ピニオンギヤと、複数の等該第1ピニオンギヤを自転かつ公転自在に支持する第1キャリアと、を有している。第1クラッチは、クランク軸と第1キャリアとを断接可能である。第2クラッチは、第1キャリアと出力軸とを断接可能である。第3クラッチは、回転軸と出力軸とを断接可能である。第1ブレーキは、第1サンギヤおよび第1リングギヤの一方の回転を停止および停止解除可能である。そして、回転軸は、第1サンギヤおよび第1リングギヤの他方に接続されている。
本発明によれば、モータ専用の減速機を設けることなく、モータから出力軸までの減速比を、エンジンから出力軸までの減速比と異ならせることができる。即ち、専用の減速機を設けることなく、モータの減速比をエンジンの減速比より大きく設定することができる。これにより、モータからのトルクの増幅を図ることができるため、モータの小型化やモータのコスト低減を図ることができる。
本発明に係る動力出力装置の更なる形態によれば、エンジンおよびモータを駆動制御すると共に、第1,第2および第3クラッチと第1ブレーキとをオンオフ制御する制御部をさらに備えている。そして、制御部は、第2クラッチおよび第1ブレーキをオンすると共に第1および第3クラッチをオフする第1状態、または、第2および第3クラッチをオンすると共に第1クラッチおよび第1ブレーキをオフする第2状態に制御することで、モータからの動力を出力軸に出力可能なモータ出力モードを確立する。また、制御部は、第1,第2および第3クラッチをオンすると共に第1ブレーキをオフする第3状態、または、第1および第3クラッチと第1ブレーキとをオンすると共に第2クラッチをオフする第4状態に制御することで、エンジンおよびモータからの動力を出力軸に出力可能または出力軸からの動力をモータに入力可能なハイブリッド出力モードを確立する。さらに、制御部は、第1クラッチおよび第1ブレーキをオンすると共に第2および第3クラッチをオフする第5状態に制御することで、エンジンによってモータを駆動する充電モードを確立する。
本形態によれば、第1ブレーキや第1,第2および第3クラッチの係脱のみという簡易な構成で、モータ出力モードおよびハイブリッド出力モードの各々で異なる前進2段の減速比を確保することができる。
本発明に係る動力出力装置の更なる形態によれば、第2遊星歯車機構と、第2ブレーキと、第4クラッチと、をさらに備えている。第2遊星歯車機構は、第2サンギヤと、当該第2サンギヤと同心上に配置された第2リングギヤと、第2サンギヤおよび第2リングギヤに噛合う複数の第2ピニオンギヤと、複数の当該第2ピニオンギヤを自転かつ公転自在に支持する第2キャリアと、を有している。第2ブレーキは、第2リングギヤの回転を停止および停止解除可能である。第4クラッチは、第2キャリアと出力軸とを断接可能である。そして、第1サンギヤは、第1ブレーキに接続されている。また、回転軸は、第1リングギヤに接続されている。
本形態によれば、第1サインギヤが第1ブレーキに接続され、かつ、第1リングギヤが回転軸に接続された第1遊星歯車に加えて、第2遊星歯車機構をさらに備え、第2リングギヤが第2ブレーキによって回転が停止および停止解除可能であり、第2キャリが第4クラッチによって出力軸に断接可能であるため、ハイブリッド出力モードにおいて確立できる減速比幅を増加することができる。これにより、ハイブリッド出力モードにおけるエンジンの低燃費化を図ることができる。
本発明に係る動力出力装置の更なる形態によれば、制御部は、前記第1または第2状態で前記第2ブレーキをオンすると共に前記第4クラッチをオフする制御を実行することで前記モータ出力モードを実現し、前記第3状態で前記第4クラッチをオフする制御を実行することで前進1速ハイブリッド出力モードを実現し、前記第4状態で前記第4クラッチをオフする制御を実行することで前進2速ハイブリッド出力モードを実現し、前記第3状態で前記第4クラッチをオンする制御を実行することで前進3速ハイブリッド出力モードを実現し、前記第4状態で前記第4クラッチをオンする制御を実行することで前進4速ハイブリッド出力モードを実現し、前記第5状態で前記第4クラッチおよび前記第2ブレーキをオフする制御を実行して前記充電モードを実現する
本形態によれば、モータ出力モードでは、異なる前進2段の減速比を実現することができ、ハイブリッド出力モードでは、異なる前進4段の減速比を実現することができる。これにより、ハイブリッド出力モードにおけるエンジンの低燃費化を図ることができる。
本発明によれば、モータの減速比をエンジンの減速比より大きく設定可能でありながらも装置のコンパクト化を図ることができる。
本発明の実施の形態に係る動力出力装置1の構成の概略を示す概略構成図である。 動力出力装置1が備える各出力モード(EV出力モード、HV出力モード、停止時充電モード)と、ブレーキB1およびクラッチC1,C2,C3の状態と、の関係を示す作動表である。 遊星歯車機構10の各回転要素の回転数の関係を示す共線図である。 変形例の動力出力装置100の構成の概略を示す概略構成図である。 遊星歯車機構110の各回転要素の回転数の関係を示す共線図である。 変形例の動力出力装置200の構成の概略を示す概略構成図である。 動力出力装置200が備える各出力モード(EV出力モード、HV出力モード、停止時充電モード)と、ブレーキB1,B2およびクラッチC1,C2,C3,C4の状態と、の関係を示す作動表である。 遊星歯車機構110,210の各回転要素の回転数の関係を示す共線図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
本実施の形態に係る動力出力装置1は、図1に示すように、エンジン2と、エンジン2の出力軸としてのクランク軸2aに図示しないダンパを介して接続された遊星歯車機構10と、当該遊星歯車機構10に接続された発電可能なモータMGと、動力出力装置1全体を制御する電子制御ユニット70と、を備えている。動力出力装置1の出力は、ディファレンシャル装置Dfを介して駆動輪Wf,Wfに出力される。なお、動力出力装置1は、エンジン2の運転を伴わずにモータMGからの出力を駆動輪Wf,Wfに伝達するモータ出力モード(EV出力モード)や、エンジン2およびモータMGからの出力を駆動輪Wf,Wfに伝達するハイブリッド出力モード(HV出力モード)、車両が停止時にエンジン2によってモータMGを駆動して後述するバッテリ34の充電を行う停止時充電モードを備えている。停止時充電モードは、本発明における「充電モード」に対応する実施構成の一例である。
エンジン2は、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力する内燃機関として構成されている。エンジン2は、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)20により運転制御されている。エンジンECU20は、図示しないCPUやROM、RAM、入出力ポート、通信ポートを有するマイクロコンピュータを有している。エンジンECU20には、エンジン2を運転制御するために必要な各種センサからの信号が入力ポートから入力されている。また、エンジンECU20からは、エンジン2を運転制御するための各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。エンジンECU20は、電子制御ユニット70と通信ポートを介して接続されている。
遊星歯車機構10は、図1に示すように、外歯歯車であるサンギヤ10sと、内歯歯車であるリングギヤ10rと、サンギヤ10sおよびリングギヤ10rそれぞれと噛合う複数のピニオンギヤ10pと、複数のピニオンギヤ10pを自転かつ公転自在に支持するキャリア10cと、を有している。遊星歯車機構10は、本実施の形態では、シングルピニオンタイプとした。遊星歯車機構10は、本発明における「第1遊星歯車機構」に対応し、サンギヤ10sは、本発明における「第1サンギヤ」に対応し、リングギヤ10rは、本発明における「第1リングギヤ」に対応し、ピニオンギヤ10pは、本発明における「第1ピニオンギヤ」に対応し、キャリア10cは、本発明における「第1キャリア」に対応する実施構成の一例である。
サンギヤ10sは、図1に示すように、モータMGの回転軸RSに接続されている。モータMGの回転軸RSは、クラッチC3を介して出力軸OSに接続されている。リングギヤ10rは、ブレーキB1を介してケース90に支持されている。キャリア10cは、クラッチC1を介してエンジン2のクランク軸2aに接続されると共に、クラッチC2を介して出力軸OSに接続されている。なお、出力軸OSは、歯車機構Gbを介してディファレンシャル装置Dfに接続されている。
ブレーキB1は、リングギヤ10rをケース90に対して回転不能に固定(接続)すると共にリングギヤ10rをケース90に対して回転自在に解放する。ブレーキB1は、例えば、油圧駆動のバンドブレーキや、油圧駆動の多板ブレーキとして構成されている。クラッチC1は、キャリア10cとクランク軸2aとを接続すると共に両者の接続を解除する。クラッチC2は、キャリア10cと出力軸OSとを接続すると共に両者の接続を解除する。クラッチC3は、モータMGの回転軸RSと出力軸OSとを接続すると共に両者の接続を解除する。クラッチC1,C2,C3は、それぞれ、例えば、油圧駆動の多板ブレーキとして構成されている。ブレーキB1およびクラッチC1,C2,C3は、図示しない油圧制御装置によって、作動油が給排されることで作動する。油圧制御装置(図示せず)は、電子制御ユニット70により制御される。即ち、ブレーキB1およびクラッチC1,C2,C3は、油圧制御装置(図示せず)を介して、電子制御ユニット70によりオンオフ制御される。ブレーキB1は、本発明における「第1ブレーキ」に対応し、クラッチC1,C2,C3は、それぞれ本発明における「第1クラッチ」,「第2クラッチ」および「第3クラッチ」に対応する実施構成の一例である。
図2は、動力出力装置1が備える各出力モード(EV出力モード、HV出力モード、停止時充電モード)と、ブレーキB1およびクラッチC1,C2,C3の状態と、の関係を示す作動表であり、図3は、遊星歯車機構10の各回転要素(サンギヤ10s,リングギヤ10r,キャリア10c)の回転数の関係を示す共線図である。図3中、「λ」は、遊星歯車機構10の歯数比(サンギヤ10sの歯数/リングギヤ10rの歯数)である。遊星歯車機構10の共線図において、S軸は、モータMGの回転数や出力軸OSの回転数であるサンギヤ10sの回転数であり、C軸は、エンジン2の回転数や出力軸OSの回転数であるキャリア10cの回転数であり、R軸は、リングギヤ10rの回転数である。
遊星歯車機構10は、ブレーキB1およびクラッチC1,C2,C3が図2に示すように係合または解放(係合解除)されることにより、EV出力モードの前進1速段および前進2速段、HV出力モードの前進1速段および前進2速段、および、停止時充電モードが確立される。具体的には、EV出力モードの前進1速段は、ブレーキB1およびクラッチC2が係合されると共にクラッチC1,C3が解放されることにより確立され、EV出力モードの前進2速段は、クラッチC2,C3が係合されると共にブレーキB1およびクラッチC1が解放されることにより確立される(図2および図3参照)。また、HV出力モードの前進1速段は、クラッチC1,C2,C3が係合されると共にブレーキB1が解放されることにより確立され、HV出力モードの前進2速段は、ブレーキB1およびクラッチC1,C3が係合されると共にクラッチC2が解放されることにより確立される(図2および図3参照)。さらに、停止時充電モードは、ブレーキB1およびクラッチC1が係合されると共にクラッチC2,C3が解放されることにより確立される(図2参照)。なお、後進段は、EV出力モードの前進1速段と同じ状態、即ち、ブレーキB1およびクラッチC2を係合すると共にクラッチC1,C3を解放した状態で、モータMGの回転軸RSの回転方向をEV出力モード前進1速段とは逆回転す
ることにより確立される。ブレーキB1およびクラッチC2が係合されると共にクラッチC1,C3が解放された状態は、本発明における「第1状態」に対応し、クラッチC2,C3が係合されると共にブレーキB1およびクラッチC1が解放された状態は、本発明における「第2状態」に対応し、クラッチC1,C2,C3が係合されると共にブレーキB1が解放された状態は、本発明における「第3状態」に対応し、ブレーキB1およびクラッチC1,C3が係合されると共にクラッチC2が解放された状態は、本発明における「第4状態」に対応し、ブレーキB1およびクラッチC1が係合されると共にクラッチC2,C3が解放された状態は、本発明における「第5状態」に対応する実施構成の一例である。また、
モータMGは、例えば、同期発電モータとして構成されている。モータMGの回転軸RSは、上述したように、遊星歯車機構10のサンギヤ10sに接続されていると共にクラッチC3を介して出力軸OSに接続されている。モータMGは、インバータ32を介してバッテリ34に接続されている。インバータ32は、モータMGの駆動に用いられる。また、モータMGは、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)30によって、インバータ32の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
モータECU30は、図示しないCPUやROM、RAM、入出力ポート、通信ポートを有するマイクロコンピュータを備えている。モータECU30には、モータMGを駆動制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。また、モータECU30からは、インバータ32の図示しない複数のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU30は、電子制御ユニット70と通信ポートを介して接続されている。
電子制御ユニット70は、図示しないCPUやROM、RAM、入出力ポート、通信ポートを有するマイクロコンピュータを備えている。電子制御ユニット70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。電子制御ユニット70からは、各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。電子制御ユニット70から出力される信号としては、例えば、図示しない油圧制御装置(ブレーキB1やクラッチC1,C2,C3)への制御信号を挙げることができる。電子制御ユニット70は、上述したように、エンジンECU20やモータECU30と通信ポートを介して接続されている。電子制御ユニット70は、本発明における「制御部」に対応する実施構成の一例である。
こうして構成された動力出力装置1では、EV出力モードでは、基本的には、電子制御ユニット70は、アクセル開度と車速とに基づいて走行に要求される(駆動輪Wf,Wfに要求される)走行用トルクを設定し、設定した走行用トルクが駆動輪Wf,Wfに出力されるようにモータMGのトルク指令を設定し、設定したモータMGのトルク指令をモータECU30に送信する。モータECU30は、モータMGのトルク指令を受信すると、設定したトルク指令でモータMGが駆動されるようにインバータ32の複数のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
また、HV出力モードのときには、基本的には、電子制御ユニット70は、アクセル開度と車速とに基づいて走行用トルクを設定し、設定した走行用トルクに駆動輪Wf,Wfの回転数を乗じて走行に要求される走行用パワーを計算する。続いて、走行用パワーからバッテリ34の充放電要求パワー(バッテリ34から放電するときが正の値)を減じてエンジン2の目標パワーを演算し、演算した目標パワーがエンジン2から出力されると共に走行用トルクが駆動輪Wf,Wfに出力されるようにエンジン2の目標回転数や目標トルク、モータMGのトルク指令を設定する。そして、エンジン2の目標回転数や目標トルクをエンジンECU20に送信すると共に、モータMGのトルク指令をモータECU30に送信する。エンジンECU20は、エンジン2の目標回転数および目標トルクを受信すると、エンジン2が目標回転数および目標トルクに基づいて運転されるようにエンジン2の運転制御を行なう。エンジン2の運転制御としては、スロットルバルブの開度を制御する吸入空気量制御や、燃料噴射弁からの燃料噴射量を制御する燃料噴射制御、点火プラグの点火時期を制御する点火制御などを行なう。なお、モータECU30によるインバータ32の制御については上述したので省略する。
以上説明した本実施の形態に係る動力出力装置1によれば、ブレーキB1およびクラッチC1,C2,C3の係脱により、EV出力モードの前進1速段,前進2速段および後進段と、ハイブリッド出力モードの前進1速段および前進2速段と、を提供することができる。しかも、EV出力モードの前進1速段,前進2速段と、ハイブリッド出力モードの前進1速段および前進2速段と、では異なる減速比を設定することができる。これにより、専用の減速機を設けることなく、モータMGからのトルクの増幅を図ることができる。この結果、モータMGの小型化やモータMGのコスト低減を図ることができる。なお、ブレーキB1およびクラッチC1,C2,C3の係脱のみであるため、制御も簡易なものとなる。
本実施の形態では、サンギヤ10sをモータMGの回転軸RSに接続すると共に、ブレーキB1を介してリングギヤ10rをケース90に支持して、ブレーキB1によってリングギヤ10rをケース90に対して回転不能に固定(接続)または回転自在に解放可能な構成としたが、これに限らない。例えば、図4に例示する変形例の遊星歯車機構110に示すように、ブレーキB1を介してサンギヤ110sをケース90に支持すると共に、リングギヤ110rをモータMGの回転軸RSに接続し、ブレーキB1によってサンギヤ10sをケース90に対して回転不能に固定(接続)または回転自在に解放可能な構成としても良い。なお、モータMGの回転軸RSは、上述した本実施の形態の動力出力装置1と同様、クラッチC3を介して出力軸OSに接続されており、キャリア110cは、クラッチC1を介してエンジン2のクランク軸2aに接続されていると共にクラッチC2を介して出力軸OSに接続されている。なお、キャリア110cは、サンギヤ110sおよびリングギヤ110rそれぞれと噛合う複数のピニオンギヤ110pを自転かつ公転自在に支持する。遊星歯車機構110は、本発明における「第1遊星歯車機構」に対応し、サンギヤ110sは、本発明における「第1サンギヤ」に対応し、リングギヤ110rは、本発明における「第1リングギヤ」に対応し、ピニオンギヤ110pは、本発明における「第1ピニオンギヤ」に対応し、キャリア110cは、本発明における「第1キャリア」に対応する実施構成の一例である。
当該変形例の遊星歯車機構110を有する動力出力装置100においても、EV出力モードの前進1速段は、ブレーキB1およびクラッチC2が係合されると共にクラッチC1,C3が解放されることにより確立され、EV出力モードの前進2速段は、クラッチC2,C3が係合されると共にブレーキB1およびクラッチC1が解放されることにより確立される(図2および図5参照)。また、HV出力モードの前進1速段は、クラッチC1,C2,C3が係合されると共にブレーキB1が解放されることにより確立され、HV出力モードの前進2速段は、ブレーキB1およびクラッチC1,C3が係合されると共にクラッチC2が解放されることにより確立される(図2および図5参照)。さらに、停止時充電モードは、ブレーキB1およびクラッチC1が係合されると共にクラッチC2,C3が解放されることにより確立される(図2および図5参照)。なお、後進段は、EV出力モードの前進1速段と同じ状態、即ち、ブレーキB1およびクラッチC2を係合すると共にクラッチC1,C3を解放した状態で、モータMGの回転軸RSの回転方向を前進1速段とは逆回転することにより確立される。
本実施の形態および上述した変形例では、動力出力装置1,100は、1つの遊星歯車機構10,110を有する構成としたが、これに限らない。例えば、遊星歯車機構10,110の他に1つ以上の他の遊星歯車機構を有する構成としても良い。図6は、遊星歯車機構110と、遊星歯車機構210と、を備える変形例の動力出力装置200の構成の概略を示す概略構成図である。変形例の動力出力装置200は、遊星歯車機構210を有する点を除いて、変形例の動力出力装置100と同一の構成を有している。変形例の動力出力装置200の構成のうち変形例の動力出力装置100と同一の構成については同一の符号を付し、その説明は重複するため省略する。
遊星歯車機構210は、図6に示すように、外歯歯車であるサンギヤ210sと、内歯歯車であるリングギヤ210rと、サンギヤ210sおよびリングギヤ210rそれぞれと噛合う複数のピニオンギヤ210pと、複数のピニオンギヤ210pを自転かつ公転自在に支持するキャリア210cと、を有している。遊星歯車機構210は、シングルピニオンタイプとした。遊星歯車機構210は、本発明における「第2遊星歯車機構」に対応し、サンギヤ210sは、本発明における「第2サンギヤ」に対応し、リングギヤ210rは、本発明における「第2リングギヤ」に対応し、ピニオンギヤ210pは、本発明における「第2ピニオンギヤ」に対応し、キャリア210cは、本発明における「第2キャリア」に対応する実施構成の一例である。
サンギヤ210sは、図6に示すように、出力軸OSに接続されている。リングギヤ210rは、ブレーキB2を介してケース90に支持されている。キャリア210cは、クラッチC4を介して出力軸OSに接続されている。なお、キャリア210cは、サンギヤ210sおよびリングギヤ210rそれぞれと噛合う複数のピニオンギヤ210pを自転かつ公転自在に支持する。
ブレーキB2は、リングギヤ210rをケース90に対して回転不能に固定(接続)すると共にリングギヤ210rをケース90に対して回転自在に解放する。ブレーキB2は、ブレーキB1と同様、例えば、油圧駆動のバンドブレーキや、油圧駆動の多板ブレーキとして構成されている。クラッチC4は、キャリア210cと出力軸OSとを接続すると共に両者の接続を解除する。クラッチC4は、クラッチC1,C2,C3と同様、例えば、油圧駆動の多板ブレーキとして構成されている。ブレーキB2およびクラッチC4は、ブレーキB1およびクラッチ,C2,C3と同様、図示しない油圧制御装置によって、作動油が給排されることで作動する。ブレーキB1およびクラッチ,C2,C3は、油圧制御装置(図示せず)を介して、電子制御ユニット70によりオンオフ制御される。ブレーキB2は、本発明における「第2ブレーキ」に対応し、クラッチC4は、本発明における「第4クラッチ」に対応する実施構成の一例である。
図7は、動力出力装置200が備える各出力モード(EV出力モード、HV出力モード、停止時充電モード)と、ブレーキB1,B2およびクラッチC1,C2,C3,C4の状態と、の関係を示す作動表であり、図8は、遊星歯車機構110の各回転要素(サンギヤ110s,リングギヤ110r,キャリア110c)および遊星歯車機構210の各回転要素(サンギヤ210s,リングギヤ210r,キャリア210c)の回転数の関係を示す共線図である。図8中、「λ1」は、遊星歯車機構110の歯数比(サンギヤ110sの歯数/リングギヤ110rの歯数)であり、「λ2」は、遊星歯車機構210の歯数比(サンギヤ210sの歯数/リングギヤ210rの歯数)である。また、図8中、左側は、遊星歯車機構110の共線図であり、右側は、遊星歯車機構210の共線図である。遊星歯車機構110の共線図において、S1軸は、サンギヤ110sの回転数を示し、C1軸は、エンジン2の回転数や出力軸OSの回転数であるキャリア110cの回転数を示し、R1軸は、モータMGの回転数や出力軸OSの回転数であるリングギヤ110rの回転数を示す。また、遊星歯車機構210の共線図において、S2軸は、エンジン2の回転数や出力軸OSの回転数であるサンギヤ210sの回転数を示し、C2軸は、出力軸OSの回転数であるキャリア210cの回転数を示し、R2軸は、リングギヤ210rの回転数を示す。
遊星歯車機構110,210は、ブレーキB1,B2およびクラッチC1,C2,C3,C4が図7に示すように係合または解放(係合解除)されることにより、EV出力モードの前進1速段および前進2速段、HV出力モードの前進1速段,前進2速段,前進3速段,前進4速段、および、停止時充電モードが確立される。具体的には、EV出力モードの前進1速段は、ブレーキB1,B2およびクラッチC2が係合されると共にクラッチC1,C3,C4が解放されることにより確立され、EV出力モードの前進2速段は、ブレーキB2およびクラッチC2,C3が係合されると共にブレーキB1およびクラッチC1,C4が解放されることにより確立される(図7および図8参照)。また、HV出力モードの前進1速段は、ブレーキB2およびクラッチC1,C2,C3が係合されると共にブレーキB1およびクラッチC4が解放されることにより確立され、HV出力モードの前進2速段は、ブレーキB1,B2およびクラッチC1,C3が係合されると共にクラッチC2,C4が解放されることにより確立される(図7および図8参照)。さらに、HV出力モードの前進3速段は、クラッチC1,C2,C3,C4が係合されると共にブレーキB1,B2が解放されることにより確立され、HV出力モードの前進4速段は、ブレーキB1およびクラッチC1,C3,C4が係合されると共にブレーキB2およびクラッチC2が解放されることにより確立される(図7および図8参照)。また、停止時充電モードは、ブレーキB1およびクラッチC1が係合されると共にブレーキB2およびクラッチC2,C3,C4が解放されることにより確立される(図7参照)。なお、後進段は、EV出力モードの前進1速段と同じ状態、即ち、ブレーキB1,B2およびクラッチC2を係合すると共にクラッチC1,C3,C4を解放した状態で、モータMGの回転軸RSの回転方向をEV出力モードの前進1速段とは逆
回転することにより確立される。HV出力モードの前進1速段,前進2速段,前進3速段,前進4速段は、それぞれ本発明における「前進1速ハイブリッド出力モード」、「前進2速ハイブリッド出力モード」、「前進3速ハイブリッド出力モード」、「前進4速ハイブリッド出力モード」に対応する実施構成の一例である。
当該変形例の動力出力装置200によれば、ブレーキB1,B2およびクラッチC1,C2,C3,C4の係脱により、EV出力モードの前進1速段,前進2速段および後進段と、ハイブリッド出力モードの前進1速段,前進2速段,前進3速段,前進4速段と、を提供することができる。このように、変形例の動力出力装置200によれば、動力出力装置100と同様、EV出力モードとハイブリッド出力モードとで異なる減速比を設定することができる。これにより、専用の減速機を設けることなく、モータMGからのトルクの増幅を図ることができる。この結果、モータMGの小型化やモータMGのコスト低減を図ることができる。なお、ブレーキB1,B2およびクラッチC1,C2,C3,C4の係脱のみであるため、制御も簡易なものとなる。また、変形例の動力出力装置200によれば、ハイブリッド出力モードにおいて確立できる減速比幅を、動力出力装置100よりも増加することができる。これにより、ハイブリッド出力モードにおけるエンジンのより一層の低燃費化を図ることができる。
本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものである。したがって、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。なお、本実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。
1 動力出力装置(動力出力装置)
2 エンジン(エンジン)
2a クランク軸(クランク軸)
10 遊星歯車機構(第1遊星歯車機構)
10s サンギヤ(第1サンギヤ)
10r リングギヤ(第1リングギヤ)
10p ピニオンギヤ(第1ピニオンギヤ)
10c キャリア(第1キャリア)
20 エンジンECU
30 モータECU
32 インバータ
34 バッテリ
70 電子制御ユニット(制御部)
90 ケース
100 動力出力装置(動力出力装置)
110 遊星歯車機構(第1遊星歯車機構)
110s サンギヤ(第1サンギヤ)
110r リングギヤ(第1リングギヤ)
110p ピニオンギヤ(第1ピニオンギヤ)
110c キャリア(第1キャリア)
200 動力出力装置(動力出力装置)
210 遊星歯車機構(第2遊星歯車機構)
210s サンギヤ(第2サンギヤ)
210r リングギヤ(第2リングギヤ)
210p ピニオンギヤ(第2ピニオンギヤ)
210c キャリア(第2キャリア)
MG モータ(モータ)
Wf 駆動輪
Df ディファレンシャル装置
RS 回転軸(回転軸)
OS 出力軸(出力軸)
B1 ブレーキ(第1ブレーキ)
B2 ブレーキ(第2ブレーキ)
C1 クラッチ(第1クラッチ)
C2 クラッチ(第2クラッチ)
C3 クラッチ(第3クラッチ)
C4 クラッチ(第4クラッチ)
Gb 歯車機構
λ 遊星歯車機構の歯数比
λ1 遊星歯車機構の歯数比
λ2 遊星歯車機構の歯数比

Claims (4)

  1. 出力軸に動力を出力可能な動力出力装置であって、
    クランク軸を有するエンジンと、
    回転軸を有するモータと、
    第1サンギヤと、該第1サンギヤと同心上に配置された第1リングギヤと、前記第1サンギヤおよび前記第1リングギヤに噛合う複数の第1ピニオンギヤと、複数の該第1ピニオンギヤを自転かつ公転自在に支持する第1キャリアと、を有する第1遊星歯車機構と、
    前記クランク軸と前記第1キャリアとを断接可能な第1クラッチと、
    前記第1キャリアと前記出力軸とを断接可能な第2クラッチと、
    前記回転軸と前記出力軸とを断接可能な第3クラッチと、
    前記第1サンギヤおよび前記第1リングギヤの一方の回転を停止および停止解除可能な第1ブレーキと、
    を備え、
    前記回転軸は、前記第1サンギヤおよび前記第1リングギヤの他方に接続されている
    動力出力装置。
  2. 前記第1,第2および第3クラッチと前記第1ブレーキとをオンオフ制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記第2クラッチおよび前記第1ブレーキをオンすると共に前記第1および第クラッチをオフする第1状態、または、前記第2および第3クラッチをオンすると共に前記第1クラッチおよび前記第1ブレーキをオフする第2状態に制御することで、前記モータからの動力を前記出力軸に出力可能なモータ出力モードを確立し、前記第1,第2および第3クラッチをオンすると共に前記第1ブレーキをオフする第3状態、または、前記第1および第3クラッチと前記第1ブレーキとをオンすると共に前記第2クラッチをオフする第4状態に制御することで、前記エンジンおよび前記モータからの動力を前記出力軸に出力可能または前記出力軸からの動力を前記モータに入力可能なハイブリッド出力モードを確立し、または、前記第1クラッチおよび前記第1ブレーキをオンすると共に前記第2および第3クラッチをオフする第5状態に制御することで、前記エンジンによって前記モータを駆動する充電モードを確立する
    請求項1に記載の動力出力装置。
  3. 第2サンギヤと、該第2サンギヤと同心上に配置された第2リングギヤと、前記第2サンギヤおよび前記第2リングギヤに噛合う複数の第2ピニオンギヤと、複数の該第2ピニオンギヤを自転かつ公転自在に支持する第2キャリアと、を有する第2遊星歯車機構と、
    前記第2リングギヤの回転を停止および停止解除可能な第2ブレーキと、
    前記第2キャリアと前記出力軸とを断接可能な第4クラッチと、
    をさらに備え、
    前記第1サンギヤは、前記第1ブレーキに接続されており、
    前記回転軸は、前記第1リングギヤに接続されている
    請求項1または2に記載の動力出力装置。
  4. 制御部は、前記第1または第2状態で前記第2ブレーキをオンすると共に前記第4クラッチをオフする制御を実行することで前記モータ出力モードを実現し、前記第3状態で前記第4クラッチをオフする制御を実行することで前進1速ハイブリッド出力モードを実現し、前記第4状態で前記第4クラッチをオフする制御を実行することで前進2速ハイブリッド出力モードを実現し、前記第3状態で前記第4クラッチをオンする制御を実行することで前進3速ハイブリッド出力モードを実現し、前記第4状態で前記第4クラッチをオンする制御を実行して前進4速ハイブリッド出力モードを実現し、前記第5状態で前記第4クラッチおよび前記第2ブレーキをオフする制御を実行することで前記充電モードを実現する
    請求項2に従属する請求項3に記載の動力出力装置。
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