以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることが可能である。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されない。
なお、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
また、本明細書等において、第1、第2等として付される序数詞は便宜上用いており、工程順又は積層順を示さない場合がある。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
また、本明細書等において、図面を用いて発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる。
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子について、図1を用いて以下説明する。
<発光素子の構成例1>
図1(A)は、本発明の一態様の発光素子150の断面模式図である。
発光素子150は、一対の電極(電極101及び電極102)を有し、該一対の電極間に設けられたEL層100を有する。EL層100は、少なくとも発光層140及び電子注入層130を有する。
また、図1(A)に示すEL層100は、発光層140、電子注入層130の他に、正孔注入層111、正孔輸送層112及び電子輸送層118等の機能層を有する。
なお、本実施の形態においては、一対の電極のうち、電極101を陽極として、電極102を陰極として説明するが、発光素子150の構成としては、その限りではない。つまり、電極101を陰極とし、電極102を陽極とし、当該電極間の各層の積層を、逆の順番にしてもよい。すなわち、陽極側から、正孔注入層111と、正孔輸送層112と、発光層140と、電子輸送層118と、電子注入層130と、が積層する順番とすればよい。
なお、EL層100の構成は、図1(A)に示す構成に限定されず、少なくとも発光層140及び電子注入層130を有し、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層118、はそれぞれ有していても、有していなくても良い。
また、一対の電極間のEL層には、必要な機能に応じた層が形成されれば良く、これに限らない。すなわち、一対の電極間のEL層は、正孔または電子の注入障壁を低減する、正孔または電子の輸送性を向上する、正孔または電子の輸送性を阻害する、または電極による消光現象を抑制する、等の機能を有する層を有する構成としても良い。
また、発光層140は、ホスト材料と、ゲスト材料(発光材料)と、を有すると好ましい。
また、ホスト材料としては、正孔を輸送する機能(正孔輸送性)を有する材料(正孔輸送性材料)、及び電子を輸送する機能(電子輸送性)を有する材料(電子輸送性材料)のいずれか一方または双方を用いることが好ましく、正孔輸送性及び電子輸送性を有する材料を用いてもよい。
また、ホスト材料が、電子輸送性材料と正孔輸送性材料との組み合わせ(混合ホスト)である場合、その混合比によってキャリアバランスを容易に制御することが可能となる。具体的には、電子輸送性材料:正孔輸送性材料=1:9から9:1(重量比)の範囲が好ましい。また、該構成を有することで、容易にキャリアバランスを制御することができることから、キャリア再結合領域の制御も簡便に行うことができる。
また、ゲスト材料としては、発光性の化合物を用いればよく、該発光性の化合物としては、蛍光を発することができる物質(以下、蛍光性化合物ともいう)または燐光を発することができる物質(以下、燐光性化合物ともいう)であると好適である。
発光素子の駆動電圧を低減させるためには、発光層140と電極102との間の電子注入障壁を小さくする必要がある。そのため、発光層140と電極102との間に電子注入層130を設けることが好ましい。従来の発光素子においては電子注入層130には仕事関数が小さい、アルカリ金属やアルカリ土類金属を有する金属材料が用いられている。しかし、仕事関数が小さい金属材料は酸素や水との反応性が高いため、発光素子中で酸素や水との反応が生じると、電子注入性が低下し、発光効率の低下、駆動電圧の上昇、素子寿命の低下や、シュリンク(発光部端部における非発光領域)発生等の原因になり、発光素子の特性低下や信頼性の低下に繋がる場合がある。換言すると、仕事関数が小さい金属材料が、素子劣化の要因となり得る。したがって、発光素子の特性低下や信頼性の低下を抑制するためには、発光素子がアルカリ金属およびアルカリ土類金属を有さないことが好ましい。
一方、仕事関数が大きい金属は酸素や水との反応性は低いものの、電子注入層130に用いた場合、発光層140と電極102との間の電子注入障壁が大きくなるため、発光素子の駆動電圧が高くなる場合や、発光効率が低下してしまうという問題点がある。
ここで、本発明者らは、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属とが相互作用することでSOMOを形成し、当該SOMOを形成する組み合わせの有機化合物と金属の複合材料を電子注入層に用いることで、陰極から発光層への電子注入障壁を低減し、且つ耐湿性に優れた発光素子が得られることを見出した。すなわち、アルカリ金属およびアルカリ土類金属を用いなくても電子注入層130が作製できることを見出した。
よって本発明の一態様の発光素子は、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属の複合材料を電子注入層に用いた発光素子である。
該有機化合物と金属とが相互作用することによりSOMOを形成する。該SOMOは、金属が有する不対電子に由来する軌道であるが、有機化合物の軌道上にも分布する。このことから、金属の電子軌道と有機化合物との電子軌道が相互作用していることが分かる。また、有機化合物と金属を効率良く相互作用させるためには、有機化合物は相互作用する原子を多く有すると好ましい。相互作用する原子を多く有する有機化合物は、金属と相互作用しやすいため、該有機化合物と金属を混合することで、容易にSOMOを形成することができる。そのため、本発明の一態様の発光素子に用いる有機化合物は3座または4座で金属と相互作用する機能を有すると好ましい。また、相互作用する原子を多く有する有機化合物と金属でSOMOを形成した場合、SOMO準位は高くなりやすく、陰極から発光層への電子注入特性が良好となる。また、高い仕事関数を有する金属とも相互作用し、SOMOを形成することができる。そのため、本発明の一態様の発光素子に用いる有機化合物は3座または4座で金属と相互作用する機能を有すると好ましい。
該金属と相互作用する原子としては有機化合物中で非共有電子対を有するヘテロ原子が挙げられる。例えば、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、リン(P)が挙げられるが窒素であると好ましい。窒素は電気陰性度が高いため、金属と相互作用しやすい。また、本発明の一態様の発光素子に用いる3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物は、電子注入層に用いるため、電子輸送性を有すると好ましい。そのため該有機化合物は共役が分子全体に広がった有機化合物が好ましい。ここで、窒素は有機化合物中において、共役結合を形成することができるため、窒素を分子中、特に複素芳香環中に用いることによって、キャリア輸送性が高い有機化合物とすることができる。よって、相互作用する原子は窒素であると好ましく、さらに窒素は有機化合物中において、複素芳香環に含まれているとより好ましい。該構成とすることによって、金属との相互作用能を有しつつ、キャリア輸送性に優れた有機化合物とすることができる。また、該複素芳香環は6員環や8員環等、偶数環であるとさらに好ましい。該構成とすることによって、窒素上の非共有電子対は共役に関与しないため、金属と相互作用しやすくなる。
3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属とが相互作用することでSOMOを形成するためには、当該有機化合物と金属の電子数の合計が奇数であると好ましい。したがって、当該有機化合物の電子数が偶数である場合、該金属は周期表における奇数の族であると好ましい。また、当該有機化合物の電子数が奇数である場合、該金属は周期表における偶数の族であると好ましい。
また、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する化合物としては、電子を輸送する機能を有する有機化合物が好ましい。また、該金属に対して電子受容体として機能する有機化合物が好ましい。
また、本発明の一態様に用いる有機化合物は、3座または4座で該金属と相互作用するため、金属と相互作用する機能が高い。そのため、3乃至11族の遷移金属だけでなく、閉核したd軌道を持つ12族や13族の金属も本発明の一態様に用いることができる。また、仕事関数が非常に大きい金(Au)やコバルト(Co)等の金属も好適に用いることができる。
第3乃至第13族に属する金属のような仕事関数が大きい金属は水や酸素との反応性が乏しいため、発光素子に用いた場合、仕事関数が小さい金属を用いた場合に懸念される、水や酸素による素子劣化が少ない。具体的には、金属の仕事関数は4.0eV以上5.3eV以下であると好ましく、より好ましくは4.2eV以上5.0eV以下、さらに好ましくは4.5eV以上5.0eV以下、さらに好ましくは4.7eV以上5.0eV以下である。該構成とすることで、本発明の一態様は耐湿性、耐酸素性に優れた発光素子を提供することができる。
図1(B)は本発明の一態様の発光素子における、電子注入層130の概略図を示す。電子注入層130は化合物131と金属132を有する。化合物131は3座または4座で金属132と相互作用する機能を有する。
図1(C)は本発明の一態様の発光素子における、電子注入層130におけるエネルギーダイヤグラムを示す。金属132と化合物131を混合すると、化合物131が金属132の原子と相互作用することで、SOMOが形成される。このとき、化合物131が金属132の原子と相互作用して形成されるHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)準位は元の化合物131が有するHOMO準位と同様であると好ましい。化合物131に電子を輸送する機能を有する有機化合物を用いる場合、化合物131が有するHOMO準位は低く、化合物131に正孔が注入されにくい。そのため、化合物131と金属132とが相互作用して形成するHOMO準位が元の化合物131が有するHOMO準位と同等である場合、電子注入層130と電極102との間の正孔注入障壁が大きくなるため、電子注入層130から電極102へ正孔が抜けにくく発光素子中のキャリアバランスを向上できるため好ましい。なお、本明細書等の中でHOMOとは、電子で満たされている最もエネルギーが高い分子軌道を指す。
SOMOは一つだけ電子を有する軌道であるため、発光素子150に電圧を印加するとSOMO中の電子が発光素子中のキャリアとなり、電子輸送層118、及び発光層140へ輸送される。また、電極102から電子注入層130へ容易に電子注入することが可能となり、さらに電子注入層130から電子輸送層118を通して発光層140へ容易に電子注入することが可能となる。すなわち、電子注入層130がSOMOを形成する組み合わせの材料を有することで、電極102から発光層140中に容易に電子注入を行うことができる。また、SOMO準位は化合物131が有するLUMO準位より、低いと好ましい。そのため、化合物131のLUMO準位は高い方が好ましい。具体的には、化合物131のLUMO準位が-3.6eV以上-2.3eV以下であると好ましい。このようなLUMO準位を有する有機化合物を金属と混合すると、相互作用により形成されるSOMO準位は電子注入に好適な準位となるため、電極102から発光層140への電子注入障壁を低減することができる。
なお、有機化合物のHOMO準位及びLUMO準位は一般にCV(サイクリックボルタンメトリー)や光電子分光法、光吸収分光法、逆光電子分光法等によって見積もられる。異なる化合物間の値を比較する場合は、同じ測定で見積もられた値を用いることが好ましい。
ここで上述の金属は第3族、第5族、第7族、第9族、第11族、第13族のいずれかに属すると好ましい。これら奇数族の金属は最外殻の軌道に1つ電子(不対電子)を有するため、化合物131とSOMOを形成しやすく、特に好ましい。
<量子化学計算による金属132と化合物131の相互作用におけるSOMO準位の見積もり>
本発明の一態様の発光素子において、化合物131と金属132がSOMOを形成するが、SOMO準位が著しく低い場合、電子注入層としては不適当である。そこで、化合物131が金属原子と相互作用した際に形成されるSOMOの準位について量子化学計算による見積もりを行った。その結果を表1に示す。なお、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物としては下記に示す、4’,4’’’’-(1,4-フェニレン)ビス(2,2’:6’,2“-テルピリジン)(略称:tPy2P)、4’,4’’’’-(9,10-アントリル)ビス(2,2’:6’,2“-テルピリジン)(略称:tPy2A)、2,2’-(ピリジン-2,6-ジイル)ビス(4-フェニルベンゾ[h]キナゾリン)(略称:2,6(P-Bqn)2Py)、2,2’-(2,2’-ビピリジン-6,6’-ジイル)ビス(4-フェニルベンゾ[h]キナゾリン)(略称:6,6’(P-Bqn)2BPy)、2,4,6-トリス(2-ピリジル)-1,3,5-トリアジン(略称:2Py3Tzn)、2,4,6-トリス(5-フェニルピリミジン-2-イル)-1,3,5-トリアジン(略称:PPm3Tzn)を用いた。
また、表1中の有機化合物のLUMO準位はサイクリックボルタンメトリー(CV)測定により算出した。
測定装置としては電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600Aまたは600C)を用いた。CV測定における溶液は、溶媒として脱水ジメチルホルムアミド(DMF)((株)アルドリッチ製、99.8%、カタログ番号;22705-6)を用い、支持電解質である過塩素酸テトラ-n-ブチルアンモニウム(n-Bu4NClO4)((株)東京化成製、カタログ番号;T0836)を100mmol/Lの濃度となるように溶解させ、さらに測定対象を2mmol/Lの濃度となるように溶解させて調製した。また、作用電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、PTE白金電極)を、補助電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、VC-3用Ptカウンター電極(5cm))を、参照電極としてはAg/Ag+電極(ビー・エー・エス(株)製、RE7非水溶媒系参照電極)をそれぞれ用いた。なお、測定は室温(20以上25℃以下)で行った。また、CV測定時のスキャン速度は、0.1V/secに統一し、参照電極に対する酸化電位Ea[V]および還元電位Ec[V]を測定した。Eaは酸化-還元波の中間電位とし、Ecは還元-酸化波の中間電位とした。ここで、本実施例で用いる参照電極の真空準位に対するポテンシャルエネルギーは、-4.94[eV]であることが分かっているため、HOMO準位[eV]=-4.94-Ea、LUMO準位[eV]=-4.94-Ecという式から、HOMO準位およびLUMO準位をそれぞれ求めることができる。
量子化学計算プログラムとしては、Gaussian09を使用した。計算は、ハイパフォーマンスコンピュータ(SGI社製、ICE X)を用いて行った。まず、有機化合物単体の基底状態、金属単体の基底状態、及び有機化合物と金属との複合材料の基底状態における最安定構造を密度汎関数法(DFT)で計算した。基底関数としては6-311G(d,p)およびLanL2DZを用い、汎関数としてはB3LYPを用いた。次に、有機化合物と金属との複合材料の全エネルギーと、有機化合物単体の全エネルギーと金属単体の全エネルギーの和と、の差より安定化エネルギーを算出した。すなわち、(安定化エネルギー)=(有機化合物と金属との複合材料の全エネルギー)-(有機化合物単体の全エネルギー)-(金属単体の全エネルギー)とした。なお、DFTの全エネルギーは、ポテンシャルエネルギー、電子間静電エネルギー、電子の運動エネルギーと複雑な電子間の相互作用を全て含む交換相関エネルギーの和で表される。DFTでは、電子密度で表現された一電子ポテンシャルの汎関数(関数の関数の意)で交換相関相互作用を近似しているため、計算は高精度である。
表1に、第7族の遷移金属であるマンガン(Mn)、第9族の遷移金属であるコバルト(Co)、第11族の遷移金属である銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、第13族の金属であるアルミニウム(Al)とインジウム(In)について、各有機化合物と各金属とが形成するSOMO準位の計算結果を示す。また、電子注入層材料として広く用いられている、リチウム(Li)と各有機化合物が形成するSOMO準位も合わせて計算した。計算の結果、表1に示す有機化合物と金属との組み合わせで、いずれも有機化合物が有する複素芳香環中の窒素付近において有機化合物と金属とが相互作用し安定化し、安定化エネルギーが負の値を示す結果が得られた。すなわち、これら有機化合物と金属とを混合した場合、有機化合物と金属とが相互作用した方が相互作用しない場合と比較して、エネルギーが安定になる。このように、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属とが相互作用することで安定な複合材料となる。また、表1より、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と各金属で形成するSOMO準位は、各有機化合物とLiとが形成するSOMO準位と概ね同等であった。よって、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と該金属との複合材料は、高い電子注入性を有していることが分かった。また、特に第11族元素である、Cu、Ag、Auや第9族元素であるCoを用いた複合材料は高いSOMO準位を示し、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と第9族または第11族に属する金属の複合材料は高い電子注入特性を有していることが分かった。
また、表1より、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と各金属で形成するSOMO準位は、各金属が有する仕事関数よりも、該有機化合物のLUMO準位に影響を受けることが示唆される。よって、LUMO準位が高い有機化合物を用いることによって、高いSOMO準位を有する、電子注入特性に優れた、有機化合物と金属の複合材料を作製することができる。上述の通り、該有機化合物のLUMO準位は-3.6eV以上-2.3eV以下であると好ましい。
一方、発光素子の作製工程を考慮すると、一般に発光素子のEL層、特に電子注入層や陰極は真空蒸着法によって成膜される場合が多い。このとき、用いる材料としては簡便に真空蒸着が行える材料、すなわち融点や沸点、昇華点が低い材料を用いることが好ましく、真空蒸着時の蒸気圧となる温度が低い材料を用いることが好ましい。ここで、第11族、第13族元素は第7族や第9族元素と比較し、融点が低いため、真空蒸着に好適に用いることができる。特に、AgやAl等の第11族元素や第13族元素は融点が低いため、真空蒸着法を用いることにより、簡便に金属原子と有機化合物を混合することができるため好ましい。
また、AgやCu、Au、Al、Inは陰極材料としても用いることができる。電子注入層130及び電極102に同一の材料を用いることによって発光素子の作製を簡便に行うことができるため好ましい。また、電子注入層130と電極102に同一の材料を用いることによって、電子注入層130と電極102の密着性を高めることができ、発光素子の信頼性を向上させることができる。また、発光素子の製造コストを低減することができる。
また、本発明の一態様の発光素子においては、仕事関数が大きい金属を電子注入層130へ用いることができる。そのため、電極102に含まれる金属の仕事関数以上の仕事関数を有する金属を電子注入層130へ用いることができる。本発明の一態様の発光素子においては仕事関数が大きい金属を用いても、電極102と電子注入層130との電子注入障壁を低減することができるため、駆動電圧を低減することができる。
また、化合物131が金属132と相互作用した場合、金属132が電子ドナー、化合物131が電子のアクセプターになると好ましい。この場合、化合物131は複数の電子不足型複素芳香環を有すると好ましい。このような構成の場合、化合物131は電子を受け取りやすいため、金属132原子と相互作用したときSOMOを形成しやすい。また、電子不足型複素芳香環を有する化合物は電子輸送性が良好なため、電子注入層に用いた場合、発光素子の駆動電圧を低減することができるため化合物131として好ましい。
該電子不足型複素芳香環は含窒素複素芳香環であると好ましく、ピリジン環、ジアジン環(ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環)、トリアジン環の少なくとも一つを有するとより好ましい。これらの環は電気化学的安定性に優れるため、信頼性の良好な発光素子を提供することができる。また、電子輸送性に優れるため、駆動電圧が低減された発光素子を提供することができる。なお、当該電子不足型複素芳香環を有する化合物としては、金属錯体であってもよい。
また、化合物131として有機化合物を用いる場合の炭素数は25以上100以下であると好ましい。このような炭素数とすることで、昇華性に優れた有機化合物とすることができるため、真空蒸着において有機化合物の熱分解を抑制することができ、良好な材料使用効率を得ることができる。さらに、ガラス転移点(Tg)が100℃以上であると好ましい。このようなTgを有する有機化合物をEL層に用いることで耐熱性に優れた発光素子とすることができる。
なお、本計算に用いた有機化合物は、配位原子であるNが複素環上に存在し、さらに複数の複素環を介し、N-C-C-Nの順に並んだ共役二重結合を有している。このような結合部位を有していると、化合物131と金属132とが相互作用した際にキレート環を形成する(化合物131と金属132とが相互作用し、環構造を形成する)ことが可能なためである。キレート環を形成できる化合物131と金属132の組合せは相互作用をしやすく、SOMOを形成しやすいため好ましい。
よって、本発明の一態様に係る発光素子に好適に用いることができる、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物は以下の一般式(G0)で表される構造である。
一般式(G0)中において、A1、A2及びA3はそれぞれ独立に、置換または無置換の炭素数1以上30以下の複素芳香環を表し、A1、A2及びA3は互いに縮合環を形成していても良い。
一般式(G0)で表される有機化合物は、複素芳香環上のNがN-C-C-Nの順に並んだ共役二重結合を有しており、三座以上で金属と相互作用する機能を有している。上述のように、このような構造を有する有機化合物は、金属と混合した際に、SOMOを形成しやすいため、本発明の一態様の発光素子に好適に用いることができる。
また、上記一般式(G0)中、A1、A2及びA3で表される置換または無置換の炭素数1以上30以下の複素芳香環としては、例えばピリジン環、ジアジン環(ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環)、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環、キナゾリン環、ベンゾキナゾリン環、フェナントロリン環、アザフルオランテン環、イミダゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環等があげられる。具体的には、以下(A-1)乃至(A-16)で示す複素芳香環があげられる。ただし、A1、A2及びA3で表される置換または無置換の炭素数1以上30以下の複素芳香環はこれらに限られない。A1、A2及びA3は互いに縮合環を形成していても良い。例えば、A1とA2が互いに結合し、フェナントロリン環を形成しても構わない。
また、本発明の一態様に係る発光素子に好適に用いることができる、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物は以下の一般式(G1)で表される構造である。
一般式(G1)中において、X1乃至X6はそれぞれ独立に、炭素(C)または窒素(N)を表し、炭素は、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数6以上25以下の芳香族炭化水素基または置換若しくは無置換の炭素数3以上30以下の複素芳香族炭化水素基を有し、R1乃至R4は、それぞれ独立に水素、炭素数1乃至4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数6以上25以下の芳香族炭化水素基または置換若しくは無置換の炭素数3以上30以下の複素芳香族炭化水素基を表し、Arは水素、炭素数1乃至4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、炭素数6以上60以下の芳香族炭化水素基、または炭素数2以上60以下の複素芳香族炭化水素基を表す。
一般式(G1)で表される有機化合物のように、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物がピリジン環、ジアジン環(ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環)、トリアジン環の少なくとも一つを有するとより好ましい。これらの環は電気化学的安定性に優れるため、信頼性の良好な発光素子を提供することができる。また、電子輸送性に優れるため、駆動電圧が低減された発光素子を提供することができる。
また、本発明の一態様に係る発光素子に好適に用いることができる、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物は以下の一般式(G2)で表される構造である。
一般式(G2)中において、X1及びX2はそれぞれ独立に、炭素(C)または窒素(N)を表し、炭素は、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数6以上25以下の芳香族炭化水素基または置換若しくは無置換の炭素数3以上30以下の複素芳香族炭化水素基を有し、R1乃至R8は、それぞれ独立に水素、炭素数1乃至4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数6以上25以下の芳香族炭化水素基または置換若しくは無置換の炭素数3以上30以下の複素芳香族炭化水素基を表し、Arは水素、炭素数1乃至4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、炭素数6以上60以下の芳香族炭化水素基、または炭素数3以上60以下の複素芳香族炭化水素基を表す。
ピリジン骨格を有する有機化合物は、高いLUMO準位を有する傾向がある。よって、一般式(G2)で表されるようなピリジン骨格を有する有機化合物を金属と混合した際に、高いSOMO準位を有する複合材料を作製できる。すなわち、ピリジン環を有し、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物を金属と混合することで、高い電子注入性を有する複合材料を作製することができる。
また、本発明の一態様に係る発光素子に好適に用いることができる、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物は以下の一般式(G3-1)乃至(G3-3)のいずれか一で表される。
一般式(G3-1)乃至(G3-3)中において、R1乃至R8は、それぞれ独立に水素、炭素数1乃至4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数6以上25以下の芳香族炭化水素基または置換若しくは無置換の炭素数3以上30以下の複素芳香族炭化水素基を表し、Arは水素、炭素数1乃至4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、炭素数6以上60以下の芳香族炭化水素基、または炭素数2以上60以下の複素芳香族炭化水素基を表す。
また、本発明の一態様に係る発光素子に好適に用いることができる、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物は以下の一般式(G4-1)乃至(G4-3)のいずれか一で表される。
一般式(G4-1)乃至一般式(G4-3)中において、Arは水素、炭素数1乃至4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、炭素数2以上60以下の芳香族炭化水素基、または炭素数2以上60以下の複素芳香族炭化水素基を表す。
<置換基の例>
一般式(G0)乃至(G3)において、R1乃至R8で表される置換基またはCが有する置換基としては、水素、炭素数1乃至4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数6以上25以下の芳香族炭化水素基または置換若しくは無置換の炭素数3以上30以下の複素芳香族炭化水素基があげられる。該アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ヘキシル基などを挙げることができ、該シクロアルキル基としては例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができ、該アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基などを具体例として挙げることができる。より具体的には例えば、下記構造式(R-1)乃至(R-56)で表される基が挙げられる。なお、R1乃至R8で表される置換基またはCが有する置換基はこれらに限定されない。
また、一般式(G0)乃至(G3)において、Arは水素、炭素数1乃至4のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、炭素数6以上60以下の芳香族炭化水素基、または炭素数3以上60以下の複素芳香族炭化水素基を表す。該アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ヘキシル基などを挙げることができ、該シクロアルキル基としては例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができ、該アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基などを具体例として挙げることができる。より具体的には例えば、下記構造式(Ar-1)乃至(Ar-48)で表される基が挙げられる。なお、Arで表される基はこれらに限定されず、置換基を有していても良い。
<化合物の具体例>
一般式(G0)乃至(G3)として表される化合物の具体的な構造としては、下記構造式(100)乃至(111)及び構造式(200)乃至(211)で表される有機化合物等を挙げることができる。なお、一般式(G0)乃至(G3)として表される有機化合物は、下記例示に限られない。
また、金属132の化合物131に対するモル比率が、0.1以上10以下であると好ましく、0.2以上2以下であるとより好ましく、0.2以上0.8以下であるとさらに好ましい。このような比率で、金属132と化合物131を混合することで、良好な電子注入性を有する発光素子を提供することができる。化合物131に対して、上記割合よりも金属132のモル比率が少なすぎる場合は、金属132と相互作用し、SOMOを形成する化合物131の量が少ないため、電子注入性が低下する場合がある。また、化合物131に対して、上記割合よりも金属132のモル比率が多すぎる場合は、電子注入層130の透過率が低下するため、発光素子の発光効率が低下する場合がある。
また、電子輸送層118に含まれる有機化合物のLUMO準位は、電子注入層130において形成されるSOMO準位よりも低いと好ましい。該構成とすることで、電子注入層130と電子輸送層118との間の電子注入障壁が小さくなるため、駆動電圧を低減することができる。また、電子輸送層118に含まれる有機化合物は電子輸送性が求められるため、電子不足型の複素芳香環を有すると好ましい。
また、電子注入層130の膜厚としては3nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましい。該構成とすることで、金属132と化合物131とが混合された複合材料として良好に機能させることができる。また、電子注入層130の膜厚としては、50nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、10nm以下がさらに好ましい。該構成とすることで、電子注入層130による光吸収の影響を小さくし、高い発光効率を示す発光素子を提供することができる。
<発光素子の構成例2>
次に、図1に示す発光素子150と異なる構成例について、図2(A)を用いて、以下説明を行う。
図2(A)は、本発明の一態様の発光装置を示す断面模式図である。なお、図2(A)において、図1に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンを用い、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
発光素子152は、一対の電極(電極101及び電極102)を有し、該一対の電極間に設けられたEL層100を有する。EL層100は、少なくとも発光層140及び電子注入層130を有する。さらにバッファ層127を有する。バッファ層127は電子注入層130と電極102の間に設けられる。
また、図2(A)に示すEL層100は、発光層140の他に、正孔注入層111、正孔輸送層112及び電子輸送層118等の機能層を有する。
本発明の一態様は電子注入層130には上述の化合物131と金属132の複合材料を用い、バッファ層127には電子不足型複素芳香環を有する化合物133を用いる。電子不足型複素芳香環は電子輸送性に優れるため発光素子の駆動電圧を低減することができる。
電子注入層130と電極102の間にバッファ層127を挟むことによって、電極102と電子注入層130との電子注入障壁を低減することができるため好ましい。また、バッファ層127の膜厚は1nm以上20nm以下が好ましい。該構成にすることで、高い電子輸送性を保ちつつ、電子注入障壁を低減することができる。
また、化合物133のLUMO準位は、電子注入層130で形成されるSOMO準位よりも低いと好ましい。このような構成にすることによって、電子注入層130と電極102との間の電子注入障壁を小さくすることができるため好ましい。
<発光素子の構成例3>
また、図1(A)に示す発光素子150及び図2(A)に示す発光素子152と異なる構成例について、図2(B)を用いて、以下説明を行う。
図2(B)は、本発明の一態様の発光素子を示す断面模式図である。なお、図2(B)において、図1に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンを用い、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
発光素子154は、一対の電極(電極101及び電極102)を有し、該一対の電極間に設けられたEL層100を有する。EL層100は、少なくとも発光層140及び電子注入層130を有する。さらに電荷発生層129を有する。電荷発生層129は電子注入層130と電極102の間に設けられる。
また、図2(B)に示すEL層100は、発光層140の他に、正孔注入層111、正孔輸送層112及び電子輸送層118等の機能層を有する。
電荷発生層129を図2(B)に示すように電極102と電子注入層130の間に設けることによって、電子注入層130が酸素や水分に接触する確率が低下するため、さらに発光素子の耐湿性や耐酸化性の向上が期待できる。
電荷発生層129は、正孔輸送性材料に電子受容性材料が添加された構成であっても、電子輸送性材料に電子供与性材料が添加された構成であってもよい。また、これらの両方の構成が積層されていても良いが、正孔輸送性材料に電子受容性材料が添加された構成であると、耐湿性が良好になり、積層数も少なくなるため好ましい。
上述のように、電荷発生層129は、正孔輸送性材料と電子受容性材料を有する構成の場合、電子注入層130に仕事関数が小さい、アルカリ金属やアルカリ土類を有する金属材料を用いると、電子注入層130に用いた材料から、電荷発生層129の電子受容性材料が電子を引き抜くため、電荷発生層129及び電子注入層130の界面近傍において空乏層が発生する。そのため駆動電圧が上昇する場合がある。該空乏層の発生を抑制するためには、電子注入層130と電荷発生層129との間に電子を受け渡す機能を有する層を設ける必要があった。
一方、本発明の一態様の発光素子では、電子注入層130に遷移金属と3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物との複合材料を用いることによって、上述の空乏層を発生させることなく電荷発生層129を設けることができるため、積層数が少なく、駆動電圧が低い発光素子が作製できる。
また、電荷発生層129の膜厚は特に制限は無く、適宜調整することができる。例えば、発光層140から電極102までの膜厚を調整することによって、発光層140から得られる発光を効率良く発光素子外部へ取り出すことができる。すなわち、電荷発生層129の膜厚を調整することによって、光取出し効率を向上させることができる。
また、電荷発生層129と電極102は接して設けられると好ましい。該構成とすることによって、電極102とEL層100との間の電子注入障壁を低減できるため発光素子の駆動電圧を低減することができる。さらに、電荷発生層129と電子注入層130が接しているとより好ましい。本発明の一態様では、電荷発生層129と電子注入層130が接している場合でも駆動電圧が低い発光素子が作製できるため、該構成とすることで、EL層100の積層数を低減することができる。
また、電荷発生層129が有する電子受容性材料としては、遷移金属酸化物を好適に用いることができる。該遷移金属酸化物としては、例えば、チタン酸化物、バナジウム酸化物、タンタル酸化物、モリブデン酸化物、タングステン酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、銀酸化物が挙げられる。特にモリブデン酸化物は大気中で安定であり、吸湿性も低く、安価であるため好ましい。該遷移金属酸化物を用いることによって、電極102と電荷発生層129の間の電子注入障壁を低減できるため好ましい。したがって、本発明の一態様は、電子注入層130が遷移金属元素を有し、且つ電荷発生層129が遷移金属元素を有する発光素子である。なお、電荷発生層129が有する電子受容性材料としては、上述の化合物に限られない。
また、電荷発生層129が有する正孔輸送性材料としては、ピロール骨格、チオフェン骨格、フラン骨格または芳香族アミン骨格のいずれか一を含む有機化合物を用いると好ましい。該骨格を有する有機化合物は、正孔輸送性が高いため、電荷発生層129に用いることによって発光素子の駆動電圧を低減することができる。電荷発生層129が有する正孔輸送性材料としては、上述の化合物に限られない。
なお、上記、金属132と3座または4座で金属と相互作用する機能を有する化合物131の複合材料は、薄膜太陽電池に用いることができる。より具体的には、薄膜太陽電池の電子注入層としても好適に用いることができる。
<発光素子の構成要素>
次に、図1及び図2に示す発光素子の構成要素の詳細について、以下説明を行う。
≪電子注入層≫
電子注入層130は、電子注入性の高い物質を含む層であり、上述の金属と3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物の複合材料を好適に用いることができる。該3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物としては、一般式(G0)乃至(G4-3)で表される有機化合物を用いることができ、具体的には構造式(100)乃至(111)及び構造式(200)乃至(211)で表される有機化合物を用いることができる。特に、ジアジン(ピリミジンやピラジン)骨格及びトリアジン骨格を有する複素環化合物は、電子輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与するため好ましい。また、金属と3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物は、1×10-6cm2/Vs以上の電子移動度を有すると好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子注入層130にて用いてもよい。
≪正孔注入層≫
正孔注入層111及び電荷発生層129は、一対の電極の一方(電極101または電極102)からのホ-ル注入障壁を低減することでホ-ル注入を促進する機能を有し、例えば遷移金属酸化物、フタロシアニン誘導体、あるいは芳香族アミンなどによって形成される。遷移金属酸化物としては、モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物などが挙げられる。フタロシアニン誘導体としては、フタロシアニンや金属フタロシアニンなどが挙げられる。芳香族アミンとしてはベンジジン誘導体やフェニレンジアミン誘導体などが挙げられる。ポリチオフェンやポリアニリンなどの高分子化合物を用いることもでき、例えば自己ドープされたポリチオフェンであるポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)などがその代表例である。
正孔注入層111及び電荷発生層129として、正孔輸送性材料と、これに対して電子受容性を示す材料の複合材料を有する層を用いることもできる。あるいは、電子受容性を示す材料を含む層と正孔輸送性材料を含む層の積層を用いても良い。これらの材料間では定常状態、あるいは電界存在下において電荷の授受が可能である。電子受容性を示す材料としては、キノジメタン誘導体やクロラニル誘導体、ヘキサアザトリフェニレン誘導体などの有機アクセプターを挙げることができる。具体的には、7,7,8,8-テトラシアノ-2,3,5,6-テトラフルオロキノジメタン(略称:F4-TCNQ)、クロラニル、2,3,6,7,10,11-ヘキサシアノ-1,4,5,8,9,12-ヘキサアザトリフェニレン(略称:HAT-CN)、1,3,4,5,7,8-ヘキサフルオロテトラシアノ-ナフトキノジメタン(略称:F6-TCNNQ)等の電子吸引基(特にフルオロ基のようなハロゲン基やシアノ基)を有する化合物を挙げることができる。特に、HAT-CNのように複素原子を複数有する縮合芳香環に電子吸引基が結合している化合物が、熱的に安定であり好ましい。また、電子吸引基(特にフルオロ基のようなハロゲン基やシアノ基)を有する[3]ラジアレン誘導体は、電子受容性が非常に高いため好ましく、具体的にはα,α’,α’’-1,2,3-シクロプロパントリイリデントリス[4-シアノ-2,3,5,6-テトラフルオロベンゼンアセトニトリル]、α,α’,α’’-1,2,3-シクロプロパントリイリデントリス[2,6-ジクロロー3,5-ジフルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンアセトニトリル]、α,α’,α’’-1,2,3-シクロプロパントリイリデントリス[2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゼンアセトニトリル]などが挙げられる。また、遷移金属酸化物、例えば第4族から第8族金属の酸化物を用いることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムなどである。中でも酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
正孔輸送性材料としては、電子よりも正孔の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10-6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する材料であることが好ましい。具体的には、発光層140に用いることができる正孔輸送性材料として挙げた芳香族アミン、カルバゾ-ル誘導体、芳香族炭化水素、スチルベン誘導体などを用いることができるが、二つ以上含む炭素数1から20の複素芳香族骨格を有すると特に好ましい。特に含窒素複素五員環骨格が好ましい。また、該正孔輸送性材料は高分子化合物であっても良い。
また、正孔輸送性材料として他には芳香族炭化水素が挙げられ、例えば、2-tert-ブチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:t-BuDNA)、2-tert-ブチル-9,10-ジ(1-ナフチル)アントラセン、9,10-ビス(3,5-ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2-tert-ブチル-9,10-ビス(4-フェニルフェニル)アントラセン(略称:t-BuDBA)、9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10-ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2-tert-ブチルアントラセン(略称:t-BuAnth)、9,10-ビス(4-メチル-1-ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、2-tert-ブチル-9,10-ビス[2-(1-ナフチル)フェニル]アントラセン、9,10-ビス[2-(1-ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7-テトラメチル-9,10-ジ(1-ナフチル)アントラセン、2,3,6,7-テトラメチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン、9,9’-ビアントリル、10,10’-ジフェニル-9,9’-ビアントリル、10,10’-ビス(2-フェニルフェニル)-9,9’-ビアントリル、10,10’-ビス[(2,3,4,5,6-ペンタフェニル)フェニル]-9,9’-ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11-テトラ(tert-ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。このように、1×10-6cm2/Vs以上の正孔移動度を有し、炭素数14乃至炭素数42である芳香族炭化水素を用いることがより好ましい。
なお、芳香族炭化水素は、ビニル骨格を有していてもよい。ビニル基を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’-ビス(2,2-ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10-ビス[4-(2,2-ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等が挙げられる。
また、4-{3-[3-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi-II)、4,4’,4’’-(ベンゼン-1,3,5-トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P-II)、1,3,5-トリ(ジベンゾチオフェン-4-イル)ベンゼン(略称:DBT3P-II)、2,8-ジフェニル-4-[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP-III)、4-[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]-6-フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP-IV)、4-[3-(トリフェニレン-2-イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:mDBTPTp-II)等のチオフェン化合物、フラン化合物、フルオレン化合物、トリフェニレン化合物、フェナントレン化合物等を用いることができる。上述した化合物の中でも、ピロ-ル骨格、フラン骨格、チオフェン骨格、芳香族アミン骨格を有する化合物は、安定で信頼性が良好であり好ましい。また、当該骨格を有する化合物は、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。
≪正孔輸送層≫
正孔輸送層112は正孔輸送性材料を含む層であり、正孔注入層111の材料として例示した材料を使用することができる。正孔輸送層112は正孔注入層111から注入された正孔を発光層140へ輸送する機能を有する。
このとき、正孔注入層111が有するアクセプター材料のLUMO準位と、発光層140が有する材料のHOMO準位との、間のHOMO準位を有する正孔輸送性材料を、正孔輸送層112に用いることが好ましい。また、正孔輸送層112は、単層だけでなく、二層以上積層してもよい。この場合、正孔注入層111側から発光層140へとHOMO準位が順に低くなるよう正孔輸送層性材料を積層することが好ましい。正孔輸送層112を二層以上積層する場合、正孔を円滑に輸送するためには、各正孔輸送性材料のHOMO準位の差としては、好ましくは0eV以上0.5eV以下、より好ましくは0eV以上0.3eV以下、より好ましくは0eV以上0.2eV以下である。
正孔輸送性を有する材料としては、例えば、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ジフェニル-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン(略称:TPD)、4,4’-ビス[N-(スピロ-9,9’-ビフルオレン-2-イル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4-フェニル-4’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4-フェニル-3’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、4-フェニル-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’-ジフェニル-4’’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4-(1-ナフチル)-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’-ジ(1-ナフチル)-4’’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、9,9-ジメチル-N-フェニル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]フルオレン-2-アミン(略称:PCBAF)、N-フェニル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]スピロ-9,9’-ビフルオレン-2-アミン(略称:PCBASF)などの芳香族アミン骨格を有する化合物や、1,3-ビス(N-カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、4,4’-ジ(N-カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、3,6-ビス(3,5-ジフェニルフェニル)-9-フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、3,3’-ビス(9-フェニル-9H-カルバゾール)(略称:PCCP)などのカルバゾール骨格を有する化合物や、4,4’,4’’-(ベンゼン-1,3,5-トリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(略称:DBT3P-II)、2,8-ジフェニル-4-[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP-III)、4-[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]-6-フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP-IV)などのチオフェン骨格を有する化合物や、4,4’,4’’-(ベンゼン-1,3,5-トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P-II)、4-{3-[3-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi-II)などのフラン骨格を有する化合物が挙げられる。上述した中でも、芳香族アミン骨格を有する化合物やカルバゾール骨格を有する化合物は、信頼性が良好であり、また、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与するため好ましい。また、以上で述べた正孔輸送性材料の他、様々な物質の中から正孔輸送性材料を選んでも良い。
さらに、正孔輸送性の高い物質として、例えば、3-[4-(1-ナフチル)-フェニル]-9-フェニル-9H-カルバゾール(略称:PCPN)、3-[4-(9-フェナントリル)-フェニル]-9-フェニル-9H-カルバゾール(略称:PCPPn)、4-フェニル-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4、4’-ジ(1-ナフチル)-4’’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、4-フェニルジフェニル-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)アミン(略称:PCA1BP)、3,3’-ビス(9-フェニル-9H-カルバゾール)(略称:PCCP)、N-[4-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]-N-(4-フェニル)フェニルアニリン(略称:YGA1BP)、1,3,5-トリ(ジベンゾチオフェン-4-イル)-ベンゼン(略称:DBT3P-II)、4,4’,4’’-(ベンゼン-1,3,5-トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P-II)、4-フェニル-4’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4-[3-(トリフェニレン-2-イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:mDBTPTp-II)、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα-NPD)やN,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ジフェニル-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン(略称:TPD)、4,4’,4’’-トリス(カルバゾール-9-イル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、4,4’,4’’-トリス(N,N-ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’-トリス[N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’-ビス[N-(スピロ-9,9’-ビフルオレン-2-イル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン骨格を有する化合物、3-[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6-ビス[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3-[N-(1-ナフチル)-N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)アミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等が挙げられる。その他、4,4’-ジ(N-カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5-トリス[4-(N-カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)等のカルバゾール化合物やアミン化合物、ジベンゾチオフェン化合物、ジベンゾフラン化合物、フルオレン化合物、トリフェニレン化合物、フェナントレン化合物等を用いることができる。ここに挙げた物質は、主に1×10-6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。ただし、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外の物質を用いてもよい。
なお、これら正孔輸送層として用いることが出来る化合物を、正孔注入層として用いても良い。また、電荷発生層129に用いられる正孔輸送材料としても好適に用いることができる。
≪発光層≫
発光層140は、紫色、青色、青緑色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、または赤色の少なくとも一つの発光を呈する機能を有する発光材料を有する。また、発光層140は、発光材料に加えて、ホスト材料として電子輸送性材料または正孔輸送性材料の一方または双方を含む。
また、発光材料としては、一重項励起エネルギーを発光に変換できる発光性物質や三重項励起エネルギーを発光に変換できる発光性物質を用いることができる。なお、上記発光性物質としては、以下のようなものが挙げられる。
一重項励起エネルギーを発光に変換できる発光性物質としては、蛍光を発する物質(蛍光性化合物)が挙げられる。蛍光性化合物としては、特に限定はないが、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、クリセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、スチルベン誘導体、アクリドン誘導体、クマリン誘導体、フェノキサジン誘導体、フェノチアジン誘導体などが好ましく、例えば以下の物質を用いることができる。
具体的には、5,6-ビス[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-2,2’-ビピリジン(略称:PAP2BPy)、5,6-ビス[4’-(10-フェニル-9-アントリル)ビフェニル-4-イル]-2,2’-ビピリジン(略称:PAPP2BPy)、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]ピレン-1,6-ジアミン(略称:1,6FLPAPrn)、N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ビス[3-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]ピレン-1,6-ジアミン(略称:1,6mMemFLPAPrn)、N,N’-ビス[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]-N,N’-ビス(4-tert-ブチルフェニル)-ピレン-1,6-ジアミン(略称:1,6tBu-FLPAPrn)、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]-3,8-ジシクロヘキシルピレン-1,6-ジアミン(略称:ch-1,6FLPAPrn)、N,N’-(ピレン-1,6-ジイル)ビス[(6,N-ジフェニルベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン)-8-アミン](略称:1,6BnfAPrn-03)、N,N’-ビス[4-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]-N,N’-ジフェニルスチルベン-4,4’-ジアミン(略称:YGA2S)、4-(9H-カルバゾール-9-イル)-4’-(10-フェニル-9-アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4-(9H-カルバゾール-9-イル)-4’-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9-ジフェニル-N-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:PCAPA)、ペリレン、2,5,8,11-テトラ(tert-ブチル)ペリレン(略称:TBP)、4-(10-フェニル-9-アントリル)-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、N,N’’-(2-tert-ブチルアントラセン-9,10-ジイルジ-4,1-フェニレン)ビス[N,N’,N’-トリフェニル-1,4-フェニレンジアミン](略称:DPABPA)、N,9-ジフェニル-N-[4-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:2PCAPPA)、N-[4-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)フェニル]-N,N’,N’-トリフェニル-1,4-フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’-オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン-2,7,10,15-テトラアミン(略称:DBC1)、クマリン30、N-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)-N,9-ジフェニル-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:2PCAPA)、N-[9,10-ビス(1,1’-ビフェニル-2-イル)-2-アントリル]-N,9-ジフェニル-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:2PCABPhA)、N-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)-N,N’,N’-トリフェニル-1,4-フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N-[9,10-ビス(1,1’-ビフェニル-2-イル)-2-アントリル]-N,N’,N’-トリフェニル-1,4-フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、9,10-ビス(1,1’-ビフェニル-2-イル)-N-[4-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]-N-フェニルアントラセン-2-アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9-トリフェニルアントラセン-9-アミン(略称:DPhAPhA)、クマリン6、クマリン545T、N,N’-ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)、ルブレン、2,8-ジ-tert-ブチル-5,11-ビス(4-tert-ブチルフェニル)-6,12-ジフェニルテトラセン(略称:TBRb)、ナイルレッド、5,12-ビス(1,1’-ビフェニル-4-イル)-6,11-ジフェニルテトラセン(略称:BPT)、2-(2-{2-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}-6-メチル-4H-ピラン-4-イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、2-{2-メチル-6-[2-(2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジン-9-イル)エテニル]-4H-ピラン-4-イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)、N,N,N’,N’-テトラキス(4-メチルフェニル)テトラセン-5,11-ジアミン(略称:p-mPhTD)、7,14-ジフェニル-N,N,N’,N’-テトラキス(4-メチルフェニル)アセナフト[1,2-a]フルオランテン-3,10-ジアミン(略称:p-mPhAFD)、2-{2-イソプロピル-6-[2-(1,1,7,7-テトラメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジン-9-イル)エテニル]-4H-ピラン-4-イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTI)、2-{2-tert-ブチル-6-[2-(1,1,7,7-テトラメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジン-9-イル)エテニル]-4H-ピラン-4-イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTB)、2-(2,6-ビス{2-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}-4H-ピラン-4-イリデン)プロパンジニトリル(略称:BisDCM)、2-{2,6-ビス[2-(8-メトキシ-1,1,7,7-テトラメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジン-9-イル)エテニル]-4H-ピラン-4-イリデン}プロパンジニトリル(略称:BisDCJTM)、5,10,15,20-テトラフェニルビスベンゾ[5,6]インデノ[1,2,3-cd:1’,2’,3’-lm]ペリレン、などが挙げられる。
また、三重項励起エネルギーを発光に変換できる発光性物質としては、例えば、燐光を発する物質(燐光性化合物)が挙げられる。燐光性化合物としては、イリジウム、ロジウム、または白金系の有機金属錯体、あるいは金属錯体が挙げられる。また、ポルフィリン配位子を有する白金錯体や有機イリジウム錯体が挙げられ、中でも有機イリジウム錯体、例えばイリジウム系オルトメタル錯体が好ましい。オルトメタル化する配位子としては4H-トリアゾール配位子、1H-トリアゾール配位子、イミダゾール配位子、ピリジン配位子、ピリミジン配位子、ピラジン配位子、あるいはイソキノリン配位子などが挙げられる。このとき、燐光性化合物は三重項MLCT(Metal to Ligand Charge Transfer)遷移の吸収帯を有する。
青色または緑色に発光ピークを有する物質としては、例えば、トリス{2-[5-(2-メチルフェニル)-4-(2,6-ジメチルフェニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-κN2]フェニル-κC}イリジウム(III)(略称:Ir(mpptz-dmp)3)、トリス(5-メチル-3,4-ジフェニル-4H-1,2,4-トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz)3)、トリス[4-(3-ビフェニル)-5-イソプロピル-3-フェニル-4H-1,2,4-トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrptz-3b)3)、トリス[3-(5-ビフェニル)-5-イソプロピル-4-フェニル-4H-1,2,4-トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPr5btz)3)、のような4H-トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス[3-メチル-1-(2-メチルフェニル)-5-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz1-mp)3)、トリス(1-メチル-5-フェニル-3-プロピル-1H-1,2,4-トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Prptz1-Me)3)のような1H-トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、fac-トリス[1-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2-フェニル-1H-イミダゾール]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrpmi)3)、トリス[3-(2,6-ジメチルフェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-f]フェナントリジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(dmpimpt-Me)3)のようなイミダゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス[2-(4’,6’-ジフルオロフェニル)ピリジナト-N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1-ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2-(4’,6’-ジフルオロフェニル)ピリジナト-N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス{2-[3’,5’-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト-N,C2’}イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CF3ppy)2(pic))、ビス[2-(4’,6’-ジフルオロフェニル)ピリジナト-N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))のような電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属イリジウム錯体が挙げられる。上述した中でも、4H-トリアゾール骨格、1H-トリアゾール骨格およびイミダゾール骨格のような含窒素五員複素環骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、高い三重項励起エネルギーを有し、信頼性や発光効率にも優れるため、特に好ましい。
また、緑色または黄色に発光ピークを有する物質としては、例えば、トリス(4-メチル-6-フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm)3)、トリス(4-t-ブチル-6-フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)3)、(アセチルアセトナト)ビス(6-メチル-4-フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(6-tert-ブチル-4-フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[4-(2-ノルボルニル)-6-フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(nbppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[5-メチル-6-(2-メチルフェニル)-4-フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(mpmppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス{4,6-ジメチル-2-[6-(2,6-ジメチルフェニル)-4-ピリミジニル-κN3]フェニル-κC}イリジウム(III)(略称:Ir(dmppm-dmp)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(4,6-ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(dppm)2(acac))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(3,5-ジメチル-2-フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr-Me)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(5-イソプロピル-3-メチル-2-フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr-iPr)2(acac))のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(2-フェニルピリジナト-N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy)3)、ビス(2-フェニルピリジナト-N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)2(acac))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)2(acac))、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)(略称:Ir(bzq)3)、トリス(2-フェニルキノリナト-N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(pq)3)、ビス(2-フェニルキノリナト-N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pq)2(acac))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス(2,4-ジフェニル-1,3-オキサゾラト-N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(dpo)2(acac))、ビス{2-[4’-(パーフルオロフェニル)フェニル]ピリジナト-N,C2’}イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(p-PF-ph)2(acac))、ビス(2-フェニルベンゾチアゾラト-N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bt)2(acac))など有機金属イリジウム錯体の他、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)3(Phen))のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。
また、黄色または赤色に発光ピークを有する物質としては、例えば、(ジイソブチリルメタナト)ビス[4,6-ビス(3-メチルフェニル)ピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(5mdppm)2(dibm))、ビス[4,6-ビス(3-メチルフェニル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(5mdppm)2(dpm))、ビス[4,6-ジ(ナフタレン-1-イル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(d1npm)2(dpm))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5-トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)2(acac))、ビス(2,3,5-トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)2(dpm))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3-ビス(4-フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)2(acac))のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(1-フェニルイソキノリナト-N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(piq)3)、ビス(1-フェニルイソキノリナト-N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)2(acac))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体の他、2,3,7,8,12,13,17,18-オクタエチル-21H,23H-ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)のような白金錯体や、トリス(1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)3(Phen))、トリス[1-(2-テノイル)-3,3,3-トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)3(Phen))のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。また、ピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、色度の良い赤色発光が得られる。
なお、三重項励起エネルギーを発光に変換できる材料としては、燐光性化合物の他に、熱活性化遅延蛍光(Thermally activated delayed fluorescence:TADF)材料が挙げられる。したがって、燐光性化合物と記載した部分に関しては、熱活性化遅延蛍光性化合物と読み替えても構わない。熱活性化遅延蛍光性化合物は、一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位との差が小さく、逆項間交差によって三重項励起エネルギーを一重項励起エネルギーへ変換する機能を有する材料である。そのため、わずかな熱エネルギーによって三重項励起状態を一重項励起状態にアップコンバート(逆項間交差)が可能で、一重項励起状態からの発光(蛍光)を効率よく呈することができる。熱活性化遅延蛍光が効率良く得られる条件としては、一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位との差が、好ましくは0eVより大きく0.3eV以下、より好ましくは0eVより大きく0.2eV以下、さらに好ましくは0eVより大きく0.1eV以下であることが挙げられる。
熱活性化遅延蛍光性化合物が、一種類の材料から構成される場合、例えば以下の材料を用いることができる。
まず、フラーレンやその誘導体、プロフラビン等のアクリジン誘導体、エオシン等が挙げられる。また、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、白金(Pt)、インジウム(In)、もしくはパラジウム(Pd)等を含む金属含有ポルフィリンが挙げられる。該金属含有ポルフィリンとしては、例えば、プロトポルフィリン-フッ化スズ錯体(SnF2(Proto IX))、メソポルフィリン-フッ化スズ錯体(SnF2(Meso IX))、ヘマトポルフィリン-フッ化スズ錯体(SnF2(Hemato IX))、コプロポルフィリンテトラメチルエステル-フッ化スズ錯体(SnF2(Copro III-4Me))、オクタエチルポルフィリン-フッ化スズ錯体(SnF2(OEP))、エチオポルフィリン-フッ化スズ錯体(SnF2(Etio I))、オクタエチルポルフィリン-塩化白金錯体(PtCl2OEP)等が挙げられる。
また、一種の材料から構成される熱活性化遅延蛍光性化合物としては、π電子過剰型複素芳香族骨格及びπ電子不足型複素芳香族骨格を有する複素環化合物も用いることができる。具体的には、2-(ビフェニル-4-イル)-4,6-ビス(12-フェニルインドロ[2,3-a]カルバゾール-11-イル)-1,3,5-トリアジン(略称:PIC-TRZ)、2-{4-[3-(N-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)-9H-カルバゾール-9-イル]フェニル}-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(略称:PCCzPTzn)、2-[4-(10H-フェノキサジン-10-イル)フェニル]-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(略称:PXZ-TRZ)、3-[4-(5-フェニル-5,10-ジヒドロフェナジン-10-イル)フェニル]-4,5-ジフェニル-1,2,4-トリアゾール(略称:PPZ-3TPT)、3-(9,9-ジメチル-9H-アクリジン-10-イル)-9H-キサンテン-9-オン(略称:ACRXTN)、ビス[4-(9,9-ジメチル-9,10-ジヒドロアクリジン)フェニル]スルホン(略称:DMAC-DPS)、10-フェニル-10H,10’H-スピロ[アクリジン-9,9’-アントラセン]-10’-オン(略称:ACRSA)等が挙げられる。該複素環化合物は、π電子過剰型複素芳香族骨格及びπ電子不足型複素芳香族骨格を有するため、電子輸送性及び正孔輸送性が高く、好ましい。中でも、π電子不足型複素芳香族骨格のうち、ジアジン骨格(ピリミジン骨格、ピラジン骨格、ピリダジン骨格)、またはトリアジン骨格は、安定で信頼性が良好なため、好ましい。また、π電子過剰型複素芳香族骨格の中でも、アクリジン骨格、フェノキサジン骨格、フェノチアジン骨格、フラン骨格、チオフェン骨格、及びピロール骨格は、安定で信頼性が良好なため、当該骨格の中から選ばれるいずれか一つまたは複数を有することが、好ましい。なお、ピロール骨格としては、インドール骨格、カルバゾール骨格、及び9-フェニル-3,3’-ビ-9H-カルバゾール骨格、が特に好ましい。なお、π電子過剰型複素芳香族骨格とπ電子不足型複素芳香族骨格とが直接結合した物質は、π電子過剰型複素芳香族骨格のドナー性とπ電子不足型複素芳香族骨格のアクセプター性が共に強く、一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位の差が小さくなるため、特に好ましい。
また、熱活性化遅延蛍光を示す材料は、単独で逆項間交差により三重項励起状態から一重項励起状態を生成できる材料であっても良いし、励起錯体(エキサイプレックス、またはExciplexともいう)を形成する複数の材料から構成されても良い。
また、発光層140に用いるホスト材料としては、正孔輸送性材料および電子輸送性材料を用いることができる。
また、発光層のホスト材料として用いることが可能な材料としては、特に限定はないが、例えば、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq3)、トリス(4-メチル-8-キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)(4-フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8-キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2-(2-ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体、2-(4-ビフェニリル)-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3-ビス[5-(p-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]ベンゼン(略称:OXD-7)、3-(4-ビフェニリル)-4-フェニル-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,2,4-トリアゾール(略称:TAZ)、2,2’,2’’-(1,3,5-ベンゼントリイル)トリス(1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、バソキュプロイン(略称:BCP)、9-[4-(5-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:CO11)などの複素環化合物、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα-NPD)、N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ジフェニル-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン(略称:TPD)、4,4’-ビス[N-(スピロ-9,9’-ビフルオレン-2-イル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物が挙げられる。また、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体等の縮合多環芳香族化合物が挙げられ、具体的には、9,10-ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、N,N-ジフェニル-9-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:CzA1PA)、4-(10-フェニル-9-アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、YGAPA、PCAPA、N,9-ジフェニル-N-{4-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]フェニル}-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:PCAPBA)、2PCAPA、6,12-ジメトキシ-5,11-ジフェニルクリセン、DBC1、9-[4-(10-フェニル-9-アントラセニル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:CzPA)、3,6-ジフェニル-9-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:DPCzPA)、9,10-ビス(3,5-ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2-tert-ブチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:t-BuDNA)、9,9’-ビアントリル(略称:BANT)、9,9’-(スチルベン-3,3’-ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’-(スチルベン-4,4’-ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、1,3,5-トリ(1-ピレニル)ベンゼン(略称:TPB3)などを挙げることができる。これら及び様々な物質の中から、上記発光材料のエネルギーギャップより大きなエネルギーギャップを有する物質を、一種もしくは複数種選択して用いればよい。また、発光材料が燐光性化合物である場合、ホスト材料としては、発光材料の三重項励起エネルギーよりも三重項励起エネルギーの大きい物質を選択すれば良い。
また、発光層のホスト材料として、複数の材料を用いる場合、励起錯体を形成する2種類の化合物を組み合わせて用いることが好ましい。この場合、様々なキャリア輸送材料を適宜用いることができるが、効率よく励起錯体を形成するために、電子輸送性材料と、正孔輸送性材料とを組み合わせることが特に好ましい。
なぜならば、電子輸送性材料と、正孔輸送性材料とを組み合わせて励起錯体を形成するホスト材料とする場合、電子輸送性材料及び正孔輸送性材料の混合比率を調節することで、発光層における正孔と電子のキャリアバランスを最適化することが容易となる。発光層における正孔と電子のキャリアバランスを最適化することにより、発光層中で電子と正孔の再結合が起こる領域が偏ることを抑制できる。再結合が起こる領域の偏りを抑制することで、発光素子の信頼性を向上させることができる。
電子輸送性材料としては、亜鉛やアルミニウムを有する金属錯体や、含窒素複素芳香族化合物のようなπ電子不足型複素芳香族化合物などを用いることができる。具体的には、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)(4-フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8-キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2-(2-ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体や、2-(4-ビフェニリル)-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(略称:PBD)、3-(4-ビフェニリル)-4-フェニル-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,2,4-トリアゾール(略称:TAZ)、1,3-ビス[5-(p-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]ベンゼン(略称:OXD-7)、9-[4-(5-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:CO11)、2,2’,2’’-(1,3,5-ベンゼントリイル)トリス(1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、2-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]-1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール(略称:mDBTBIm-II)などのアゾール骨格を有する複素環化合物や、2-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq-II)、2-[3’-(ジベンゾチオフェン-4-イル)ビフェニル-3-イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq-II)、2-[3’-(9H-カルバゾール-9-イル)ビフェニル-3-イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCzBPDBq)、2-[4-(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2CzPDBq-III)、7-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:7mDBTPDBq-II)、及び、6-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6mDBTPDBq-II)、4,6-ビス[3-(フェナントレン-9-イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mPnP2Pm)、4,6-ビス[3-(4-ジベンゾチエニル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mDBTP2Pm-II)、4,6-ビス[3-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mCzP2Pm)、4-{3-[3’-(9H-カルバゾール-9-イル)]ビフェニル-3-イル}ベンゾフロ[3,2-d]ピリミジン(略称:4mCzBPBfpm)などのジアジン骨格を有する複素環化合物や、2-{4-[3-(N-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)-9H-カルバゾール-9-イル]フェニル}-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(略称:PCCzPTzn)、2,4,6-トリス[3’-(ピリジン-3-イル)ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(略称:TmPPPyTz)、2,4,6-トリス(2-ピリジル)-1,3,5-トリアジン(略称:2Py3Tz)などのトリアジン骨格を有する複素環化合物や、3,5-ビス[3-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]ピリジン(略称:35DCzPPy)、1,3,5-トリ[3-(3-ピリジル)フェニル]ベンゼン(略称:TmPyPB)などのピリジン骨格を有する複素環化合物が挙げられる。上述した中でも、ジアジン骨格及びトリアジン骨格を有する複素環化合物やピリジン骨格を有する複素環化合物は、信頼性が良好であり好ましい。特に、ジアジン(ピリミジンやピラジン)骨格及びトリアジン骨格を有する複素環化合物は、電子輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。
正孔輸送性材料としては、π電子過剰型複素芳香族(例えばカルバゾール誘導体やインドール誘導体)又は芳香族アミンなどを好適に用いることができる。具体的には、2-[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]スピロ-9,9’-ビフルオレン(略称:PCASF)、4,4’,4’’-トリス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:1-TNATA)、2,7-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]-スピロ-9,9’-ビフルオレン(略称:DPA2SF)、N,N’-ビス(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N,N’-ジフェニルベンゼン-1,3-ジアミン(略称:PCA2B)、N-(9,9-ジメチル-2-ジフェニルアミノ-9H-フルオレン-7-イル)ジフェニルアミン(略称:DPNF)、N,N’,N’’-トリフェニル-N,N’,N’’-トリス(9-フェニルカルバゾール-3-イル)ベンゼン-1,3,5-トリアミン(略称:PCA3B)、2-[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]スピロ-9,9’-ビフルオレン(略称:PCASF)、2-[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]スピロ-9,9’-ビフルオレン(略称:DPASF)、N,N’-ビス[4-(カルバゾール-9-イル)フェニル]-N,N’-ジフェニル-9,9-ジメチルフルオレン-2,7-ジアミン(略称:YGA2F)、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ジフェニル-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン(略称:TPD)、4,4’-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’-ビス[N-(スピロ-9,9’-ビフルオレン-2-イル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4-フェニル-4’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4-フェニル-3’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-N-{9,9-ジメチル-2-[N’-フェニル-N’-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)アミノ]-9H-フルオレン-7-イル}フェニルアミン(略称:DFLADFL)、3-[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3-[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA1)、3,6-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA2)、N,N’-ビス{4-[ビス(3-メチルフェニル)アミノ]フェニル}-N,N’-ジフェニル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン(略称:DNTPD)、3,6-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-(1-ナフチル)アミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzTPN2)、3,6-ビス[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、4-フェニル-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’-ジフェニル-4’’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4-(1-ナフチル)-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’-ジ(1-ナフチル)-4’’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、3-[N-(1-ナフチル)-N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)アミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)、9,9-ジメチル-N-フェニル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]フルオレン-2-アミン(略称:PCBAF)、N-フェニル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]スピロ-9,9’-ビフルオレン-2-アミン(略称:PCBASF)、N-(4-ビフェニル)-N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9-フェニル-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:PCBiF)、N-(1,1’-ビフェニル-4-イル)-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:PCBBiF)などの芳香族アミン骨格を有する化合物や、1,3-ビス(N-カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、4,4’-ジ(N-カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、3,6-ビス(3,5-ジフェニルフェニル)-9-フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、9-フェニル-9H-3-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)カルバゾール(略称:PCCP)などのカルバゾール骨格を有する化合物や、4,4’,4’’-(ベンゼン-1,3,5-トリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(略称:DBT3P-II)、2,8-ジフェニル-4-[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP-III)、4-[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]-6-フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP-IV)などのチオフェン骨格を有する化合物や、4,4’,4’’-(ベンゼン-1,3,5-トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P-II)、4-{3-[3-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi-II)などのフラン骨格を有する化合物が挙げられる。上述した中でも、芳香族アミン骨格を有する化合物やカルバゾール骨格を有する化合物は、信頼性が良好であり、また、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与するため好ましい。
なお、励起錯体を形成するホスト材料の組み合わせとしては、上述した化合物に限定されることなく、キャリアを輸送でき、且つ励起錯体を形成できる組み合わせであり、当該励起錯体の発光が、発光材料の吸収スペクトルにおける最も長波長側の吸収帯(発光材料の一重項基底状態から一重項励起状態への遷移に相当する吸収)と重なっていればよく、他の材料を用いても良い。
また、発光層に用いるホスト材料として、熱活性化遅延蛍光材料を用いても良い。
また、発光層に用いる電子輸送性材料に、電子注入層に用いる電子輸送性材料と同じ材料を用いることができる。そうすることで、発光素子の作製を簡便に行うことができ、発光素子の製造コストを低減することができる。
≪電子輸送層及びバッファ層≫
電子輸送層118及びバッファ層127は、電子輸送性の高い物質を含む層である。電子輸送層118及びバッファ層127に用いることができる有機化合物としては、キノリン配位子、ベンゾキノリン配位子、オキサゾール配位子、あるいはチアゾール配位子を有する金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体などが挙げられる。また、電子注入層130に用いることができる化合物として例示した3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物も用いることができる。
上述のキノリン配位子、ベンゾキノリン配位子、オキサゾール配位子、あるいはチアゾール配位子を有する金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体として具体的には、Alq3、Almq3、BeBq2、BAlq、ビス(8-キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2-(2-ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体を用いることができる。また、2-(4-ビフェニリル)-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3-ビス[5-(p-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]ベンゼン(略称:OXD-7)、9-[4-(5-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:CO11)、3-(4’-tert-ブチルフェニル)-4-フェニル-5-(4’’-ビフェニリル)-1,2,4-トリアゾール(略称:TAZ)、3-(4-tert-ブチルフェニル)-4-(4-エチルフェニル)-5-(4-ビフェニリル)-1,2,4-トリアゾール(略称:p-EtTAZ)、4,4’-ビス(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)スチルベン(略称:BzOS)、2,2’,2’’-(1,3,5-ベンゼントリイル)トリス(1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、2-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]-1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール(略称:mDBTBIm-II)などのアゾール骨格を有する複素環化合物や、2-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq-II)、2-[3’-(ジベンゾチオフェン-4-イル)ビフェニル-3-イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq-II)、2-[3’-(9H-カルバゾール-9-イル)ビフェニル-3-イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCzBPDBq)、2-[4-(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2CzPDBq-III)、7-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:7mDBTPDBq-II)、及び、6-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6mDBTPDBq-II)、4,6-ビス[3-(フェナントレン-9-イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mPnP2Pm)、4,6-ビス[3-(4-ジベンゾチエニル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mDBTP2Pm-II)、4,6-ビス[3-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mCzP2Pm)、4-{3-[3’-(9H-カルバゾール-9-イル)]ビフェニル-3-イル}ベンゾフロ[3,2-d]ピリミジン(略称:4mCzBPBfpm)などのジアジン骨格を有する複素環化合物や、2-{4-[3-(N-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)-9H-カルバゾール-9-イル]フェニル}-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(略称:PCCzPTzn)、2,4,6-トリス[3’-(ピリジン-3-イル)ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(略称:TmPPPyTz)、2,4,6-トリス(2-ピリジル)-1,3,5-トリアジン(略称:2Py3Tz)などのトリアジン骨格を有する複素環化合物や、3,5-ビス[3-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]ピリジン(略称:35DCzPPy)、1,3,5-トリ[3-(3-ピリジル)フェニル]ベンゼン(略称:TmPyPB)、バソキュプロイン(略称:BCP)、2,9-ビス(ナフタレン-2-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(略称:NBPhen)などのピリジン骨格を有する複素環化合物が挙げられる。上述した中でも、ジアジン骨格及びトリアジン骨格を有する複素環化合物やピリジン骨格を有する複素環化合物は、信頼性が良好であり好ましい。特に、ジアジン(ピリミジンやピラジン)骨格及びトリアジン骨格を有する複素環化合物は、電子輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。ここに述べた物質は、主に1×10-6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子注入層130に用いてもよい。
また、電子輸送層118及びバッファ層127は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が2層以上積層してもよい。
また、電子輸送層118と発光層140との間に電子キャリアの移動を制御する層を設けても良い。これは上述したような電子輸送性の高い材料に、電子トラップ性の高い物質を少量添加した層であって、電子キャリアの移動を抑制することによって、キャリアバランスを調節することが可能となる。このような構成は、発光層を電子が突き抜けてしまうことにより発生する問題(例えば素子寿命の低下)の抑制に大きな効果を発揮する。
また、電子輸送層に用いる電子輸送性材料に、電子注入層に用いる電子輸送性材料と同じ材料を用いることができる。また、電子輸送層に用いる電子輸送性材料に、発光層に用いる電子輸送性材料と同じ材料を用いることができる。そうすることで、発光素子の作製を簡便に行うことができ、発光素子の製造コストを低減することができる。
なお、上述した、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、及び電子注入層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷等で形成することができる。また、上述した、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、及び電子注入層には、上述した材料の他、量子ドットなどの無機化合物、または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いてもよい。
なお、量子ドットとしては、コロイド状量子ドット、合金型量子ドット、コア・シェル型量子ドット、コア型量子ドット、などを用いてもよい。また、2族と16族、13族と15族、13族と17族、11族と17族、または14族と15族の元素グループを含む量子ドットを用いてもよい。または、カドミウム(Cd)、セレン(Se)、亜鉛(Zn)、硫黄(S)、リン(P)、インジウム(In)、テルル(Te)、鉛(Pb)、ガリウム(Ga)、ヒ素(As)、アルミニウム(Al)、等の元素を有する量子ドットを用いてもよい。
ウェットプロセスに用いる液媒体としては、たとえば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等の脂肪酸エステル類、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、デカリン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の有機溶媒を用いることができる。
また、発光層に用いることができる高分子化合物としては、例えば、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン](略称:MEH-PPV)、ポリ(2,5-ジオクチル-1,4-フェニレンビニレン)等のポリフェニレンビニレン(PPV)誘導体、ポリ(9,9-ジ-n-オクチルフルオレニル-2,7-ジイル)(略称:PF8)、ポリ[(9,9-ジ-n-オクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-alt-(ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール-4,8-ジイル)](略称:F8BT)、ポリ[(9,9-ジ-n-オクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-alt-(2,2’-ビチオフェン-5,5’-ジイル)](略称F8T2)、ポリ[(9,9-ジオクチル-2,7-ジビニレンフルオレニレン)-alt-(9,10-アントラセン)]、ポリ[(9,9-ジヘキシルフルオレン-2,7-ジイル)-alt-(2,5-ジメチル-1,4-フェニレン)]等のポリフルオレン誘導体、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)(略称:P3HT)等のポリアルキルチオフェン(PAT)誘導体、ポリフェニレン誘導体等が挙げられる。また、これらの高分子化合物や、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(2-ビニルナフタレン)、ポリ[ビス(4-フェニル)(2,4,6-トリメチルフェニル)アミン](略称:PTAA)等の高分子化合物に、発光性の低分子化合物をドープして発光層に用いてもよい。発光性の低分子化合物としては、先に挙げた蛍光性化合物を用いることができる。
≪一対の電極≫
電極101及び電極102は、発光素子の陽極または陰極としての機能を有する。電極101及び電極102は、金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物や積層体などを用いて形成することができる。
電極101または電極102の一方は、光を反射する機能を有する導電性材料により形成されると好ましい。該導電性材料としては、アルミニウム(Al)またはAlを含む合金等が挙げられる。Alを含む合金としては、AlとL(Lは、チタン(Ti)、ネオジム(Nd)、ニッケル(Ni)、及びランタン(La)の一つまたは複数を表す)とを含む合金等が挙げられ、例えばAlとTi、またはAlとNiとLaを含む合金等である。アルミニウムは、抵抗値が低く、光の反射率が高い。また、アルミニウムは、地殻における存在量が多く、安価であるため、アルミニウムを用いることによる発光素子の作製コストを低減することができる。また、銀(Ag)は光の反射率が高いため電極材料として好適に用いることができる。また、Agは11族の遷移金属であり、本発明の一態様である、電子注入層にAgを用いた発光素子の陰極としてAgを用いると、電極と電子注入層との密着性が向上するため好ましい。またはAgとN(Nは、イットリウム(Y)、Nd、マグネシウム(Mg)、イッテルビウム(Yb)、Al、Ti、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、スズ(Sn)、鉄(Fe)、Ni、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、または金(Au)の一つまたは複数を表す)とを含む合金等を用いても良い。銀を含む合金としては、例えば、銀とパラジウムと銅を含む合金、銀と銅を含む合金、銀とマグネシウムを含む合金、銀とニッケルを含む合金、銀と金を含む合金、銀とイッテルビウムを含む合金等が挙げられる。その他、タングステン、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、銅、チタンなどの遷移金属を用いることができる。
また、発光層から得られる発光は、電極101及び電極102の一方または双方を通して取り出される。したがって、電極101または電極102の少なくとも一方は、光を透過する機能を有する導電性材料により形成されると好ましい。該導電性材料としては、可視光の透過率が40%以上100%以下、好ましくは60%以上100%以下であり、かつその抵抗率が1×10-2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。
また、電極101及び電極102は、光を透過する機能と、光を反射する機能と、を有する導電性材料により形成されても良い。該導電性材料としては、可視光の反射率が20%以上80%以下、好ましくは40%以上70%以下であり、かつその抵抗率が1×10-2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。例えば、導電性を有する金属、合金、導電性化合物などを1種又は複数種用いて形成することができる。具体的には、例えば、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下ITO)、珪素または酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(略称:ITSO)、酸化インジウム-酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide)、チタンを含有した酸化インジウム-錫酸化物、インジウム-チタン酸化物、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウムなどの金属酸化物を用いることができる。また、光を透過する程度(好ましくは、1nm以上30nm以下の厚さ)の金属薄膜を用いることができる。金属としては、例えば、Ag、またはAgとAl、AgとMg、AgとAu、AgとYbなどの合金等を用いることができる。
なお、本明細書等において、光を透過する機能を有する材料は、可視光を透過する機能を有し、且つ導電性を有する材料であればよく、例えば上記のようなITOに代表される酸化物導電体に加えて、酸化物半導体、または有機物を含む有機導電体を含む。有機物を含む有機導電体としては、例えば、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料、有機化合物と電子受容体(アクセプター)とを混合してなる複合材料等が挙げられる。また、グラフェンなどの無機炭素系材料を用いても良い。また、当該材料の抵抗率としては、好ましくは1×105Ω・cm以下、さらに好ましくは1×104Ω・cm以下である。
また、上記の材料の複数を積層することによって電極101及び電極102の一方または双方を形成してもよい。
また、光取り出し効率を向上させるため、光を透過する機能を有する電極と接して、該電極より屈折率の高い材料を形成してもよい。このような材料としては、可視光を透過する機能を有する材料であればよく、導電性を有する材料であっても有さない材料であってもよい。例えば、上記のような酸化物導電体に加えて、酸化物半導体、有機物が挙げられる。有機物としては、例えば、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、または電子注入層に例示した材料が挙げられる。また、無機炭素系材料や光が透過する程度の金属薄膜も用いることができ、数nm乃至数十nmの層を複数積層させてもよい。
電極101または電極102が陰極としての機能を有する場合には、仕事関数が小さい(3.8eV以下)材料を有することが好ましい。
また、電極101または電極102を陽極として用いる場合、仕事関数の大きい(4.0eV以上)材料を用いることが好ましい。
また、電極101及び電極102は、光を反射する機能を有する導電性材料と、光を透過する機能を有する導電性材料との積層としてもよい。その場合、電極101及び電極102は、各発光層からの所望の波長の光を共振させ、所望の波長の光を強めることができるように、光学距離を調整する機能を有することができるため好ましい。
電極101及び電極102の成膜方法は、スパッタリング法、蒸着法、印刷法、塗布法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、CVD法、パルスレーザ堆積法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等を適宜用いることができる。
≪基板≫
また、本発明の一態様に係る発光素子は、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に作製すればよい。基板上に作製する順番としては、電極101側から順に積層しても、電極102側から順に積層しても良い。
なお、本発明の一態様に係る発光素子を形成できる基板としては、例えばガラス、石英、又はプラスチックなどを用いることができる。また可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレートからなるプラスチック基板等が挙げられる。また、フィルム、無機蒸着フィルムなどを用いることもできる。なお、発光素子、及び光学素子の作製工程において支持体として機能するものであれば、これら以外のものでもよい。あるいは、発光素子、及び光学素子を保護する機能を有するものであればよい。
例えば、本明細書等においては、様々な基板を用いて発光素子を形成することが出来る。基板の種類は、特に限定されない。その基板の一例としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含むセルロースナノファイバ(CNF)や紙、又は基材フィルムなどがある。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルムなどの一例としては、以下が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるプラスチックがある。または、一例としては、アクリル等の樹脂などがある。または、一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニルなどがある。または、一例としては、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、エポキシ、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。
また、基板として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、発光素子を形成してもよい。または、基板と発光素子との間に剥離層を設けてもよい。剥離層は、その上に発光素子を一部あるいは全部完成させた後、基板より分離し、他の基板に転載するために用いることができる。その際、耐熱性の劣る基板や可撓性の基板にも発光素子を転載できる。なお、上述の剥離層には、例えば、タングステン膜と酸化シリコン膜等の無機膜の積層構造や、基板上にポリイミド等の樹脂膜が形成された構成等を用いることができる。
つまり、ある基板を用いて発光素子を形成し、その後、別の基板に発光素子を転置し、別の基板上に発光素子を配置してもよい。発光素子が転置される基板の一例としては、上述した基板に加え、セロファン基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、又はゴム基板などがある。これらの基板を用いることにより、壊れにくい発光素子、耐熱性の高い発光素子、軽量化された発光素子、または薄型化された発光素子とすることができる。
また、上述した基板上に、例えば電界効果トランジスタ(FET)を形成し、FETと電気的に接続された電極上に発光素子150を作製してもよい。これにより、FETによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の表示装置を作製できる。
以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、実施の形態1に示す発光素子の構成と異なる構成の発光素子、及び当該発光素子の発光機構について、図3を用いて、以下説明を行う。なお、図3において、図1(A)に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンを用い、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
<発光素子の構成例4>
図3は、発光素子250a及び発光素子250bの断面模式図である。
発光素子250a及び発光素子250bは、基板200上に電極101と、電極102と、電極103と、電極104とを有する。また、電極101と電極102との間、及び電極102と電極103との間、及び電極102と電極104との間に、少なくとも発光ユニット106及び発光ユニット108と電子注入層130と、を有する。また、発光ユニット106と発光ユニット108との間には電荷発生層115が設けられる。なお、発光ユニット106と発光ユニット108は、同じ構成でも異なる構成でもよい。
発光ユニット106と発光ユニット108とに挟まれる電荷発生層115は、例えば電極101と電極102とに電圧を印加したときに、一方の発光ユニットに電子を注入し、他方の発光ユニットに正孔を注入するものであれば良い。例えば、図1において、電極102の電位の方が電極101の電位よりも高くなるように電圧を印加した場合、電荷発生層115は、発光ユニット106に電子を注入し、発光ユニット108に正孔を注入する。
また、発光ユニット106は、例えば正孔注入層111と、正孔輸送層112と、発光層140と、電子輸送層113と、を有する。また発光ユニット108は、例えば正孔注入層116と、正孔輸送層117と、発光層170と、電子輸送層118と、電子注入層119と、を有する。
ここで、図3に示すように、電子注入層130は電子輸送層113と隣接し且つ、発光ユニット108と電子輸送層113との間に設けられると好ましい。また、図3に示すように、電荷発生層115が電子注入層130に隣接しかつ、電子注入層130と発光ユニット108との間に設けられると好ましい。このような構成にすることで、発光ユニット106へ効率良く電子を輸送することができる。
なお、本実施の形態においては、電極101、電極103、及び電極104を陽極として、電極102を陰極として説明するが、発光素子250a及び発光素子250bの構成としては、その限りではない。つまり、電極101、電極103、及び電極104を陰極とし、電極102を陽極とし、当該電極間の各層の積層を、逆の順番にしてもよい。すなわち、発光ユニット106は、陽極側から、正孔注入層111と、正孔輸送層112と、発光層140と、電子輸送層113と、電子注入層130と、が積層する順番とすればよく、発光ユニット108は、陽極側から、正孔注入層116と、正孔輸送層117と、発光層170と、電子輸送層118と、電子注入層119と、が積層する順番とすればよい。
また、発光素子250a及び発光素子250bの構成としては、図3に示す構成に限定されず、少なくとも発光層140、発光層170、電荷発生層115、及び電子注入層130を有し、正孔注入層111、正孔注入層116、正孔輸送層112、正孔輸送層117、電子輸送層113、電子輸送層118、電子注入層119はそれぞれ有していても、有していなくても良い。
また、一対の電極間には、その機能に応じた層が形成されれば良く、これに限らない。すなわち、一対の電極間には、正孔または電子の注入障壁を低減する、正孔または電子の輸送性を向上する、正孔または電子の輸送性を阻害する、または電極による消光現象を抑制する、等の機能を有する層を有する構成としても良い。
なお、発光ユニット108のように、発光ユニットの陽極側の面が電荷発生層115に接している場合は、電荷発生層115が発光ユニット108の正孔注入層の役割も担うことができる場合があるため、該発光ユニットには正孔注入層を設けなくとも良い場合がある。
また、図3においては、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子としてもよい。発光素子250a及び発光素子250bに示すように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発生層で仕切って配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度発光を可能とし、さらに長寿命な発光素子を実現できる。また、消費電力が低い発光素子を実現することができる。
発光素子250aにおいて、電極101、電極103、及び電極104は、可視光を反射する機能を有し、電極102は、可視光を透過する機能を有する。また、発光素子250bにおいて、電極101、電極103、及び電極104は、可視光を透過する機能を有し、電極102は、可視光を反射する機能を有する。
そのため、発光素子250aが呈する光は、電極102を通して外部へ射出され、発光素子250bが呈する光は、電極101、電極103、及び電極104を通して外部へ射出される。ただし、本発明の一態様はこれに限定されず、発光素子が形成される基板200の上方及び下方の双方に光を取り出す発光素子であってもよい。
また、電極101は、導電層101aと、導電層101a上に接する導電層101bと、を有する。また、電極103は、導電層103aと、導電層103a上に接する導電層103bと、を有する。電極104は、導電層104aと、導電層104a上に接する導電層104bと、を有する。
導電層101b、導電層103b、及び導電層104bは、可視光を透過する機能を有する。また、発光素子250aにおいて導電層101a、導電層103a、及び導電層104aは、可視光を反射する機能を有する。また、発光素子250bにおいて、導電層101a、導電層103a、及び導電層104aは、可視光を透過する機能を有する。
図3(A)に示す発光素子250a、及び図3(B)に示す発光素子250bは、電極101と電極102とで挟持された領域222B、電極102と電極103とで挟持された領域222G、及び電極102と電極104とで挟持された領域222R、の間に、隔壁145を有する。隔壁145は、絶縁性を有する。隔壁145は、電極101、電極103、及び電極104の端部を覆い、該電極と重畳する開口部を有する。隔壁145を設けることによって、各領域の基板200上の該電極を、それぞれ島状に分離することが可能となる。
なお、図3においては、正孔注入層111、正孔注入層116、正孔輸送層112、正孔輸送層117、発光層140、発光層170、電子輸送層113、電子輸送層118、電子注入層119、電荷発生層115、及び電極102は、各領域でそれぞれ分離せずに共通して設けた状態で例示されているが、各領域でそれぞれ分離して設けても良い。
本発明の一態様の発光素子250a及び発光素子250bにおいては、領域222Bの一対の電極(電極101及び電極102)間、領域222Gの一対の電極(電極102及び電極103)間、及び領域222Rの一対の電極(電極102及び電極104)間に電圧を印加することにより、それぞれ陰極から電子が電子注入層119に注入され、陽極から正孔(ホール)が正孔注入層111に注入されることで電流が流れる。また、電荷発生層115から電子が電子注入層130に注入され、電荷発生層115から正孔(ホール)が正孔注入層116に注入される。そして、注入されたキャリア(電子及び正孔)が再結合することによって、励起子が形成される。発光材料を有する発光層140及び発光層170において、キャリア(電子及び正孔)が再結合し、励起子が形成されると、発光層140及び発光層170が有する発光材料が励起状態となり、発光材料から発光が得られる。
発光層140及び発光層170は、紫色、青色、青緑色、緑色、黄緑色、黄色、黄橙色、橙色、または赤色の光を呈する発光材料の中から選ばれるいずれか一つまたは複数を有すると好ましい。
また、発光層140及び発光層170は、2層が積層された構成としてもよい。2層の発光層に、第1の化合物及び第2の化合物という、異なる色を呈する機能を有する2種類の発光材料をそれぞれ用いることで、複数の発光を同時に得ることができる。特に発光層140及び発光層170が呈する発光によって白色またはそれに近い色となるよう、各発光層に用いる発光材料を選択すると好ましい。
また、発光層140及び発光層170は、3層以上が積層された構成としても良く、発光材料を有さない層が含まれていても良い。
また、発光素子250a及び発光素子250bは、領域222B、領域222G、及び領域222Rから呈される光が取り出される方向に、それぞれ光学素子224B、光学素子224G、及び光学素子224Rが設けられた基板220を有する。各領域から呈される光は、各光学素子を介して発光素子外部に射出される。すなわち、領域222Bから呈される光は、光学素子224Bを介して射出され、領域222Gから呈される光は、光学素子224Gを介して射出され、領域222Rから呈される光は、光学素子224Rを介して射出される。
また、光学素子224B、光学素子224G、及び光学素子224Rは、入射される光から特定の色を呈する光を選択的に透過する機能を有する。例えば、光学素子224Bを介して射出される領域222Bから呈される光は、青色を呈する光となり、光学素子224Gを介して射出される領域222Gから呈される光は、緑色を呈する光となり、光学素子224Rを介して射出される領域222Rから呈される光は、赤色を呈する光となる。
なお、図3(A)および図3(B)において、各光学素子を介して各領域から射出される光を、青色(B)を呈する光、緑色(G)を呈する光、赤色(R)を呈する光、として、それぞれ破線の矢印で模式的に図示している。図3(A)に示す発光素子250aはトップエミッション型の発光素子であり、図3(B)に示す発光素子250bはボトムエミッション型の発光素子である。
また、各光学素子の間には、遮光層223を有する。遮光層223は、隣接する領域から発せられる光を遮光する機能を有する。なお、遮光層223を設けない構成としても良い。また、光学素子224B、光学素子224G、または光学素子224Rのいずれか一つまたは2以上を設けない構成としてもよい。光学素子224B、光学素子224G、または光学素子224Rを設けない構成とすることで、発光素子から呈される光の取出し効率を高めることができる。
また、電荷発生層115としては、正孔輸送性材料に電子受容体(アクセプター)が添加された材料、または電子輸送性材料に電子供与体(ドナー)が添加された材料により、形成することができる。
ここで、発光素子の駆動電圧を低減させるためには、電荷発生層115から電子輸送層113への電子注入障壁を低減させ、電荷発生層115で発生した電子を電子輸送層113へ円滑に注入および輸送させる構成が好ましい。したがって、電荷発生層115及び電子輸送層113の間に電子注入層130を設けることが好ましい。電子注入層119や電子注入層130は高い電子注入性が求められるため、該電子注入層にはリチウム(Li)やセシウム(Cs)のようなアルカリ金属やこれらの化合物、カルシウム(Ca)のようなアルカリ土類金属やこれらの化合物が用いられる。しかし、該金属及び該化合物を電子注入層130に用いると、例えば図4に示すように電極103及び電極102の間に電圧を印加し領域222Gに電流を流した際に、電子注入層130及び電子輸送層113を介して、領域222Gに隣接する領域222B及び領域222Rにも電流が流れ、領域222Gから発光が呈されるだけでなく隣接する領域222B及び領域222Rからも発光が呈される現象(クロストークという)が生じる場合がある。なお、図4において領域222G、領域222R及び領域222Bに流れる電流を実線の矢印で表している。
発光素子においてクロストークが生じると、所望の領域(例えば領域222G)から発光が呈されるだけでなく、他の領域(例えば領域222B及び222R)からも発光が呈されるため、発光素子250a及び発光素子250bが呈する発光の色純度が低下する場合や、発光強度が低下する場合がある。
クロストークは、電荷発生層115及び電子輸送層113に挟持された電子注入層130に用いるアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはこれらの化合物が電子輸送層113に拡散し電子輸送層113の導電性(特に電圧を印加する方向に垂直な方向の導電性)が向上することが一因である。中でもLiやCaのような原子番号が小さい金属やこれらの化合物が電子注入層130に用いられると、該原子番号が小さい金属が電子輸送層113に拡散しやすい。したがって、クロストークを抑制するためには、電子注入層130がアルカリ金属およびアルカリ土類金属を有さないことが好ましい。一方、電子注入層130にアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いない場合、電荷発生層115から電子輸送層113への電子注入障壁が高くなるため、電子輸送層113に電子が注入されにくくなり、発光素子の駆動電圧が高くなる場合や発光効率が低下する場合がある。
したがって、発光素子の駆動電圧を低減し、発光効率を向上させ、クロストークを抑制するためには、電子注入性に優れ、有機化合物と混合した場合に、該有機化合物中を拡散しにくい金属を電子注入層130に用いることが好ましい。電子注入層130に用いる拡散しにくい金属としては、原子半径が大きい金属が好ましい。また、原子量が大きい金属が好ましい。
ここで、本発明の一態様の発光素子は、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属との複合材料を有する。該金属には第3族乃至第13族に属する原子量または原子半径が大きい金属を好適に用いることができる。そのため、本発明の一態様は、クロストークが抑制された発光素子を提供することができる。
特に、遷移金属は原子量が大きく有機化合物中を拡散しにくいため、クロストークが抑制された発光素子を提供することができる。
なお、発光ユニット106、発光ユニット108、及び電荷発生層115は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷等で形成することができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では実施の形態1及び実施の形態2で説明した発光素子を用いた発光装置について、図5(A)及び図5(B)を用いて説明する。
図5(A)は、発光装置を示す上面図、図5(B)は図5(A)を線A-Bおよび線C-Dで切断した断面図である。この発光装置は、発光素子の発光を制御するものとして、点線で示された駆動回路部(ソース側駆動回路)601、画素部602、駆動回路部(ゲート側駆動回路)603を含んでいる。また、604は封止基板、625は乾燥材、605はシール材であり、シール材605で囲まれた内側は、空間607になっている。
なお、引き回し配線608はソース側駆動回路601及びゲート側駆動回路603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基板(PWB:Printed Wiring Board)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、FPCもしくはPWBが取り付けられた発光装置も含むものとする。
次に、上記発光装置の断面構造について図5(B)を用いて説明する。素子基板610上に駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路601と画素部602中の一つの画素が示されている。
なお、ソース側駆動回路601はnチャネル型TFT623とpチャネル型TFT624とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路は種々のCMOS回路、PMOS回路、NMOS回路で形成しても良い。また本実施の形態では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路を基板上ではなく、外部に形成することもできる。
また、画素部602はスイッチング用TFT611と電流制御用TFT612とそのドレインに電気的に接続された第1の電極613とを含む画素により形成される。なお、第1の電極613の端部を覆うように絶縁物614が形成されている。絶縁物614は、ポジ型の感光性樹脂膜を用いることにより形成することができる。
また、絶縁物614上に形成される膜の被覆性を良好なものとするため、絶縁物614の上端部または下端部に曲率を有する面が形成されるようにする。例えば、絶縁物614の材料として感光性アクリルを用いた場合、絶縁物614の上端部のみに曲面をもたせることが好ましい。該曲面の曲率半径は0.2μm以上0.3μm以下が好ましい。また、絶縁物614として、ネガ型の感光材料、ポジ型の感光材料のいずれも使用することができる。
第1の電極613上には、EL層616、および第2の電極617がそれぞれ形成されている。ここで、陽極として機能する第1の電極613に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、ITO膜、またはケイ素を含有したインジウム錫酸化物膜、2wt%以上20wt%以下の酸化亜鉛を含む酸化インジウム膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる。
また、EL層616は、蒸着マスクを用いた蒸着法、インクジェット法、スピンコート法等の種々の方法によって形成される。EL層616を構成する材料としては、低分子化合物、または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマーを含む)であっても良い。
さらに、EL層616上に形成され、陰極として機能する第2の電極617に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Mg、Li、Ca、またはこれらの合金や化合物(MgAg、MgIn、AlLi等)等)を用いることが好ましい。なお、第2の電極617にEL層616で生じた光を透過させる場合には、第2の電極617として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(ITO、2wt%以上20wt%以下の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、ケイ素を含有したインジウム錫酸化物、酸化亜鉛(ZnO)等)との積層を用いるのが良い。
なお、第1の電極613、EL層616、第2の電極617により、発光素子618が形成されている。発光素子618は実施の形態1及び実施の形態2の構成を有する発光素子であると好ましい。なお、画素部には複数の発光素子が形成されているが、本実施の形態における発光装置では、実施の形態1及び実施の形態2で説明した構成を有する発光素子と、それ以外の構成を有する発光素子の両方が含まれていても良い。
さらにシール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、素子基板610、封止基板604、およびシール材605で囲まれた空間607に発光素子618が備えられた構造になっている。なお、空間607には、充填材が充填されており、該充填材としては、不活性気体(窒素やアルゴン等)、樹脂若しくは乾燥材又はその両方が用いられる場合もある。
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂やガラスフリットを用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板604として、ガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiber Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、実施の形態1及び実施の形態2で説明した発光素子を用いた発光装置を得ることができる。
<発光装置の構成例1>
図6には表示装置の一例として、白色発光を呈する発光素子および着色層(カラーフィルタ)を形成した発光装置を示す。
図6(A)には基板1001、下地絶縁膜1002、ゲート絶縁膜1003、ゲート電極1006、1007、1008、第1の層間絶縁膜1020、第2の層間絶縁膜1021、周辺部1042、画素部1040、駆動回路部1041、発光素子の第1の電極1024W、1024R、1024G、1024B、隔壁1026、EL層1028、発光素子の第2の電極1029、封止基板1031、シール材1032、赤色画素1044R、緑色画素1044G、青色画素1044B、白色画素1044Wなどが図示されている。
また、図6(A)、図6(B)には着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)を透明な基材1033に設けている。また、黒色層(ブラックマトリックス)1035をさらに設けても良い。着色層及び黒色層が設けられた透明な基材1033は、位置合わせし、基板1001に固定する。なお、着色層、及び黒色層は、オーバーコート層1036で覆われている。また、図6(A)においては、着色層を透過せずに外部へ出る光と、各色の着色層を透過して外部に出る光がある。着色層を透過しない光は白、着色層を透過する光は赤、青、緑となることから、4色の画素で映像を表現することができる。
図6(B)では赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034Bをゲート絶縁膜1003と第1の層間絶縁膜1020との間に形成する例を示した。図6(B)に示すように着色層は基板1001と封止基板1031の間に設けられても良い。
また、以上に説明した発光装置では、TFTが形成されている基板1001側に光を取り出す構造(ボトムエミッション構造)の発光装置としたが、封止基板1031側に発光を取り出す構造(トップエミッション構造)の発光装置としても良い。
<発光装置の構成例2>
トップエミッション型の発光装置の断面図を図7(A)及び(B)に示す。この場合、基板1001は光を通さない基板を用いることができる。TFTと発光素子の陽極とを接続する接続電極を作製するまでの工程は、ボトムエミッション型の発光装置と同様に行う。その後、第3の層間絶縁膜1037を電極1022を覆って形成する。この絶縁膜は平坦化の役割を担っていても良い。第3の層間絶縁膜1037は第2の層間絶縁膜1021と同様の材料の他、他の様々な材料を用いて形成することができる。
発光素子の下部電極1025W、下部電極1025R、下部電極1025G、下部電極1025Bはここでは陽極とするが、陰極であっても構わない。また、図7(A)及び(B)のようなトップエミッション型の発光装置である場合、下部電極1025W、下部電極1025R、下部電極1025G、下部電極1025Bは反射電極とすることが好ましい。なお、第2の電極1029は光を反射する機能と、光を透過する機能を有すると好ましい。また、第2の電極1029と下部電極1025W、下部電極1025R、下部電極1025G、下部電極1025Bとの間でマイクロキャビティ構造を適用し特定波長の光を増幅すると好ましい。EL層1028は、実施の形態1及び実施の形態2で説明したような構成とし、白色の発光が得られるような素子構造とする。
図6(A)、図6(B)、図7(A)及び(B)において、白色の発光が得られるEL層の構成は、発光層を複数層用いること、複数の発光ユニットを用いることなどにより実現すればよい。なお、白色発光を得る構成はこれらに限られない。
図7(A)及び(B)のようなトップエミッション構造では着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)を設けた封止基板1031で封止を行うことができる。封止基板1031には画素と画素との間に位置するように黒色層(ブラックマトリックス)1035を設けても良い。着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)や黒色層(ブラックマトリックス)はオーバーコート層によって覆われていても良い。なお封止基板1031は透光性を有する基板を用いる。
また、図7(A)では赤、緑、青の3色でフルカラー表示を行う構成を示したが、図7(B)に示すように、赤、緑、青、白の4色でフルカラー表示を行っても構わない。また、フルカラー表示を行う構成はこれらに限定されない。例えば、赤、緑、青、黄の4色でフルカラー表示を行ってもよい。
本発明の一態様に係る発光素子は、ゲスト材料として蛍光材料を用いる。蛍光材料は燐光材料と比較し、スペクトルがシャープであるため、色純度が高い発光を得ることができる。そのため、本実施の形態に示す発光装置に該発光素子を用いることによって、色再現性が高い発光装置を得ることができる。
以上のようにして、実施の形態1及び実施の形態2で説明した発光素子を用いた発光装置を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器及び表示装置について説明する。
本発明の一態様によって、平面を有し、発光効率が良好な、信頼性の高い電子機器及び表示装置を作製できる。また、本発明の一態様により、曲面を有し、発光効率が良好な、信頼性の高い電子機器及び表示装置を作製できる。本発明の一態様の発光素子からは色純度が高い発光を得ることができる。そのため、本実施の形態に示す発光装置に該発光素子を用いることによって、色再現性が高い電子機器及び表示装置を得ることができる。
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
図8(A)、(B)に示す携帯情報端末900は、筐体901、筐体902、表示部903、及びヒンジ部905等を有する。
筐体901と筐体902は、ヒンジ部905で連結されている。携帯情報端末900は、折り畳んだ状態(図8(A))から、図8(B)に示すように展開させることができる。これにより、持ち運ぶ際には可搬性に優れ、使用するときには大きな表示領域により、視認性に優れる。
携帯情報端末900には、ヒンジ部905により連結された筐体901と筐体902に亘って、フレキシブルな表示部903が設けられている。
本発明の一態様を用いて作製された発光装置を、表示部903に用いることができる。これにより、高信頼性を有する携帯情報端末を作製することができる。
表示部903は、文書情報、静止画像、及び動画像等のうち少なくとも一つを表示することができる。表示部に文書情報を表示させる場合、携帯情報端末900を電子書籍端末として用いることができる。
携帯情報端末900を展開すると、表示部903が曲率半径が大きい状態で保持される。例えば、曲率半径1mm以上50mm以下、好ましくは5mm以上30mm以下に湾曲した部分を含んで、表示部903が保持される。表示部903の一部は、筐体901から筐体902にかけて、連続的に画素が配置され、曲面状の表示を行うことができる。
表示部903は、タッチパネルとして機能し、指やスタイラスなどにより操作することができる。
表示部903は、一つのフレキシブルディスプレイで構成されていることが好ましい。これにより、筐体901と筐体902の間で途切れることのない連続した表示を行うことができる。なお、筐体901と筐体902のそれぞれに、ディスプレイが設けられる構成としてもよい。
ヒンジ部905は、携帯情報端末900を展開したときに、筐体901と筐体902との角度が所定の角度よりも大きい角度にならないように、ロック機構を有することが好ましい。例えば、ロックがかかる(それ以上に開かない)角度は、90度以上180度未満であることが好ましく、代表的には、90度、120度、135度、150度、または175度などとすることができる。これにより、携帯情報端末900の利便性、安全性、及び信頼性を高めることができる。
ヒンジ部905がロック機構を有すると、表示部903に無理な力がかかることなく、表示部903が破損することを防ぐことができる。そのため、信頼性の高い携帯情報端末を実現できる。
筐体901及び筐体902は、電源ボタン、操作ボタン、外部接続ポート、スピーカ、マイク等を有していてもよい。
筐体901または筐体902のいずれか一方には、無線通信モジュールが設けられ、インターネットやLAN(Local Area Network)、Wi-Fi(登録商標)などのコンピュータネットワークを介して、データを送受信することが可能である。
図8(C)に示す携帯情報端末910は、筐体911、表示部912、操作ボタン913、外部接続ポート914、スピーカ915、マイク916、カメラ917等を有する。
本発明の一態様を用いて作製された発光装置を、表示部912に用いることができる。これにより、高い歩留まりで携帯情報端末を作製することができる。
携帯情報端末910は、表示部912にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部912に触れることで行うことができる。
また、操作ボタン913の操作により、電源のON、OFF動作や、表示部912に表示される画像の種類の切り替えを行うことができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
また、携帯情報端末910の内部に、ジャイロセンサまたは加速度センサ等の検出装置を設けることで、携帯情報端末910の向き(縦か横か)を判断して、表示部912の画面表示の向きを自動的に切り替えることができる。また、画面表示の向きの切り替えは、表示部912に触れること、操作ボタン913の操作、またはマイク916を用いた音声入力等により行うこともできる。
携帯情報端末910は、例えば、電話機、手帳または情報閲覧装置等から選ばれた一つまたは複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとして用いることができる。携帯情報端末910は、例えば、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、動画再生、インターネット通信、ゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
図8(D)に示すカメラ920は、筐体921、表示部922、操作ボタン923、シャッターボタン924等を有する。またカメラ920には、着脱可能なレンズ926が取り付けられている。
本発明の一態様を用いて作製された発光装置を、表示部922に用いることができる。これにより、高信頼性を有するカメラを作製することができる。
ここではカメラ920を、レンズ926を筐体921から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ926と筐体921とが一体となっていてもよい。
カメラ920は、シャッターボタン924を押すことにより、静止画または動画を撮像することができる。また、表示部922はタッチパネルとしての機能を有し、表示部922をタッチすることにより撮像することも可能である。
なお、カメラ920は、ストロボ装置や、ビューファインダーなどを別途装着することができる。または、これらが筐体921に組み込まれていてもよい。
図9(A)は、掃除ロボットの一例を示す模式図である。
掃除ロボット5100は、上面に配置されたディスプレイ5101、側面に配置された複数のカメラ5102、ブラシ5103、操作ボタン5104を有する。また図示されていないが、掃除ロボット5100の下面には、タイヤ、吸い込み口等が備えられている。掃除ロボット5100は、その他に赤外線センサ、超音波センサ、加速度センサ、ピエゾセンサ、光センサ、ジャイロセンサなどの各種センサを備えている。また、掃除ロボット5100は、無線による通信手段を備えている。
掃除ロボット5100は自走し、ゴミ5120を検知し、下面に設けられた吸い込み口からゴミを吸引することができる。
また、掃除ロボット5100はカメラ5102が撮影した画像を解析し、壁、家具または段差などの障害物の有無を判断することができる。また、画像解析により、配線などブラシ5103に絡まりそうな物体を検知した場合は、ブラシ5103の回転を止めることができる。
ディスプレイ5101には、バッテリーの残量や、吸引したゴミの量などを表示することができる。掃除ロボット5100が走行した経路をディスプレイ5101に表示させてもよい。また、ディスプレイ5101をタッチパネルとし、操作ボタン5104をディスプレイ5101に設けてもよい。
掃除ロボット5100は、スマートフォンなどの携帯電子機器5140と通信することができる。カメラ5102が撮影した画像は、携帯電子機器5140に表示させることができる。そのため、掃除ロボット5100の持ち主は、外出先からでも、部屋の様子を知ることができる。また、ディスプレイ5101の表示をスマートフォンなどの携帯電子機器で確認することもできる。
本発明の一態様の発光装置はディスプレイ5101に用いることができる。
図9(B)に示すロボット2100は、演算装置2110、照度センサ2101、マイクロフォン2102、上部カメラ2103、スピーカ2104、ディスプレイ2105、下部カメラ2106および障害物センサ2107、移動機構2108を備える。
マイクロフォン2102は、使用者の話し声及び環境音等を検知する機能を有する。また、スピーカ2104は、音声を発する機能を有する。ロボット2100は、マイクロフォン2102およびスピーカ2104を用いて、使用者とコミュニケーションをとることが可能である。
ディスプレイ2105は、種々の情報の表示を行う機能を有する。ロボット2100は、使用者の望みの情報をディスプレイ2105に表示することが可能である。ディスプレイ2105は、タッチパネルを搭載していてもよい。また、ディスプレイ2105は取り外しのできる情報端末であっても良く、ロボット2100の定位置に設置することで、充電およびデータの受け渡しを可能とする。
上部カメラ2103および下部カメラ2106は、ロボット2100の周囲を撮像する機能を有する。また、障害物センサ2107は、移動機構2108を用いてロボット2100が前進する際の進行方向における障害物の有無を察知することができる。ロボット2100は、上部カメラ2103、下部カメラ2106および障害物センサ2107を用いて、周囲の環境を認識し、安全に移動することが可能である。
本発明の一態様の発光装置はディスプレイ2105に用いることができる。
図9(C)はゴーグル型ディスプレイの一例を表す図である。ゴーグル型ディスプレイは、例えば、筐体5000、表示部5001、スピーカ5003、LEDランプ5004、接続端子5006、センサ5007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい、又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン5008、第2の表示部5002、支持部5012、イヤホン5013等を有する。
本発明の一態様の発光装置は表示部5001および第2の表示部5002に用いることができる。
また、図10(A)、(B)に、折りたたみ可能な携帯情報端末5150を示す。折りたたみ可能な携帯情報端末5150は筐体5151、表示領域5152および屈曲部5153を有している。図10(A)に展開した状態の携帯情報端末5150を示す。図10(B)に折りたたんだ状態の携帯情報端末5150を示す。携帯情報端末5150は、大きな表示領域5152を有するにも関わらず、折りたためばコンパクトで可搬性に優れる。
表示領域5152は屈曲部5153により半分に折りたたむことができる。屈曲部5153は伸縮可能な部材と複数の支持部材とで構成されている。表示領域を折りたたむ場合は、伸縮可能な部材が伸びて、屈曲部5153は2mm以上、好ましくは5mm以上の曲率半径を有する。
なお、表示領域5152は、タッチセンサ(入力装置)を搭載したタッチパネル(入出力装置)であってもよい。本発明の一態様の発光装置を表示領域5152に用いることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を様々な照明装置に適用する一例について、図11を用いて説明する。本発明の一態様である発光素子を用いることで、発光効率が良好な、信頼性の高い照明装置を作製できる。
本発明の一態様の発光素子を、可撓性を有する基板上に作製することで、曲面を有する発光領域を有する電子機器、照明装置を実現することができる。
また、本発明の一態様の発光素子を適用した発光装置は、自動車の照明にも適用することができ、例えば、フロントガラス、天井等に照明を設置することもできる。
図11は、発光素子を室内の照明装置8501として用いた例である。なお、発光素子は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置を形成することもできる。その他、曲面を有する筐体を用いることで、発光領域が曲面を有する照明装置8502を形成することもできる。本実施の形態で示す発光素子は薄膜状であり、筐体のデザインの自由度が高い。したがって、様々な意匠を凝らした照明装置を形成することができる。さらに、室内の壁面に大型の照明装置8503を備えても良い。また、照明装置8501、8502、8503に、タッチセンサを設けて、電源のオンまたはオフを行ってもよい。
また、発光素子をテーブルの表面側に用いることによりテーブルとしての機能を備えた照明装置8504とすることができる。なお、その他の家具の一部に発光素子を用いることにより、家具としての機能を備えた照明装置とすることができる。
以上のようにして、本発明の一態様の発光装置を適用して照明装置及び電子機器を得ることができる。なお、本発明の一態様の発光装置は、本実施の形態に示したものに限らず、あらゆる分野の照明装置および電子機器に適用することが可能である。
また、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、本発明の一態様の発光素子である発光素子2乃至発光素子5及び比較発光素子1の作製例を示す。本実施例で作製した発光素子の断面模式図を図1(A)に、素子構造の詳細を表2及び表3にそれぞれ示す。また、本実施例で用いる有機化合物の化学式を以下に示す。なお、他の化合物の構造と略称については、先の実施の形態1を参酌すれば良い。
<発光素子の作製>
以下に、本実施例で作製した発光素子の作製方法を示す。比較発光素子1は電子注入層に一般的に用いられる、Li化合物であるLiFを用いた発光素子であり、発光素子2乃至発光素子5は本発明の一態様である、電子注入層に3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属の複合材料を用いた発光素子である。
≪比較発光素子1の作製≫
ガラス基板上に電極101として、ITSO膜を厚さが110nmになるように形成した。なお、電極101の電極面積は、4mm2(2mm×2mm)とした。
次に、電極101上に正孔注入層111として、DBT3P-IIと、酸化モリブデン(MoO3)と、を重量比(DBT3P-II:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが25nmになるように共蒸着した。
次に、正孔注入層111上に正孔輸送層112として、PCBBiFを厚さが20nmになるように蒸着した。
次に、正孔輸送層112上に発光層140として、2mDBTBPDBq-IIと、PCBBiFとIr(dmdppr-dmp)2(dpm)と、を重量比(2mDBTBPDBq-II:PCBBiF:Ir(dmdppr-dmp)2(dpm))が0.75:0.25:0.08になるように、且つ厚さが40nmになるように共蒸着した。なお、発光層140において、2mDBTBPDBq-II及びPCBBiFがホスト材料であり、Ir(dmdppr-dmp)2(dpm)がゲスト材料(燐光性化合物)である。
次に、発光層140上に電子輸送層118(1)として、2mDBTBPDBq-IIを厚さが20nmになるように蒸着した。
次に、電子輸送層118(1)上に電子輸送層118(2)として、NBPhenを厚さが15nmになるように蒸着した。
電子輸送層118(2)上に電子注入層130として、フッ化リチウム(LiF)を厚さが1nmになるように蒸着した。
次に、電子注入層130上に、電極102として、アルミニウム(Al)を厚さが200nmになるように形成した。
次に、封止を行わずに大気中で80℃にて1時間熱処理した。以上の工程により比較発光素子1を得た。
≪発光素子2乃至発光素子5の作製≫
発光素子2乃至発光素子5は、電子注入層130の形成工程以外は比較発光素子1と同様の工程で作製した。
<発光素子2の作製>
電子輸送層118(2)上に電子注入層130として、tPy2PとAgを重量比(tPy2P:Ag)が1:0.3、且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。
<発光素子3の作製>
電子輸送層118(2)上に電子注入層130として、2Py3TznとCuを重量比(2Py3Tzn:Cu)が1:0.3、且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。
<発光素子4の作製>
電子輸送層118(2)上に電子注入層130として、Pm3TznとCuを重量比(Pm3Tzn:Cu)が1:0.3、且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。
<発光素子5の作製>
電子輸送層118(2)上に電子注入層130として、tPy2PとCoを重量比(tPy2P:Co)が1:0.2、且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。
<発光素子の特性>
次に、上記作製した比較発光素子1及び発光素子2乃至発光素子5の素子特性を測定した。輝度およびCIE色度の測定には色彩輝度計(トプコン社製、BM-5A)を用い、電界発光スペクトルの測定にはマルチチャンネル分光器(浜松ホトニクス社製、PMA-11)を用いた。
作製した比較発光素子1及び発光素子2乃至発光素子5の電流効率-輝度特性を図12に、電流-電圧特性を図13に、外部量子効率-輝度特性を図14にそれぞれ示す。なお、各発光素子の測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。また、各発光素子に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の電界発光スペクトルを図15に示す。なお、測定は室温で行った。
また、1000cd/m2付近における、比較発光素子1及び発光素子2乃至発光素子5の素子特性を表4に示す。
図14及び表4で示すように、比較発光素子1及び発光素子2乃至発光素子5はいずれも外部量子効率が25%を超える、高い発光効率を示した。また、本発明の一態様である、発光素子2乃至発光素子5は電子注入層に一般的に用いられる材料であるLiFを用いた比較発光素子1と同等の高い効率を示した。
また、図13及び表4に示すように、比較発光素子1及び発光素子2乃至発光素子5は良好な電流-電圧特性を示した。発光素子2乃至発光素子5は比較発光素子1と同等の電流-電圧特性を示し、CuやAg、Coのような仕事関数が大きい(4.5eV以上)遷移金属と3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物との複合材料は、電子注入層に一般的に用いられる材料であるLiFと同等の非常に良好な電子注入性を有していることが分かった。
また、図15に示すように、比較発光素子1及び発光素子2乃至発光素子5の、電界発光スペクトルのピーク波長はいずれも619nm付近であり、半値全幅はいずれも58nm程度である赤色の発光を示した。得られた電界発光スペクトルから、ゲスト材料であるIr(dmdppr-dmp)2(dpm)からの発光であることが分かった。
<発光素子の定電流駆動試験結果>
次に、比較発光素子1及び発光素子2乃至発光素子5の1.0mAにおける定電流駆動試験を大気雰囲気下にて行った。その結果を図16に示す。なお、前述の通り、比較発光素子1及び発光素子2乃至発光素子5は封止を行っていない。図16から分かるように発光素子2乃至発光素子5は大気雰囲気下で比較発光素子1より良好な信頼性を有することが分かった。比較発光素子1には、仕事関数の小さな金属を有する材料を電子注入層に用いている。仕事関数の小さな金属は水との反応性が高く、発光素子内部に水分が侵入してしまう恐れがある。そのため、発光素子1を大気雰囲気下で駆動させた場合、水分の影響により信頼性が低下する。一方、本発明の一態様である発光素子は、水との反応性が乏しい仕事関数が大きな金属を電子注入層に用いることができる。そのため、本発明の一態様の発光素子は、発光素子内部に水分が侵入しにくく、大気雰囲気下で駆動させても信頼性の高い発光素子を実現することができる。また、発光素子3乃至発光素子5は、優れた信頼性を示している。このことから、CuやCoのような仕事関数が4.7eV以上の金属を用いることで、優れた信頼性を有する発光素子を実現することができる。
本実施例では、本発明の一態様の発光素子である発光素子7乃至発光素子10及び比較発光素子6の作製例を示す。本実施例で作製した発光素子の断面模式図を図1(A)に、素子構造の詳細を表5及び表6にそれぞれ示す。また、本実施例で用いる有機化合物の構造と略称については、先の実施の形態1及び実施例1を参酌すれば良い。
<発光素子の作製>
以下に、本実施例で作製した発光素子の作製方法を示す。比較発光素子6は電子注入層が形成されていない、電極と電子輸送層が接している発光素子であり、発光素子7乃至発光素子10は本発明の一態様である、電子注入層に3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属の複合材料を用いた発光素子である。
≪比較発光素子6の作製≫
比較発光素子6は、電子注入層130の形成工程以外は比較発光素子1と同様の工程で作製した。
比較発光素子6の電子注入層130は成膜せず、電子輸送層118上に電極102としてAlを厚さが200nmとなるように蒸着した。すなわち、比較発光素子6は電極102と電子輸送層118が接している。
≪発光素子7乃至発光素子10の作製≫
発光素子7乃至発光素子10は、電子注入層130の形成工程以外は比較発光素子1と同様の工程で作製した。
〈発光素子7の作製〉
電子輸送層118(2)上に発光素子7の電子注入層130として、tPy2PとAuを重量比(tPy2P:Au)が1:0.6、且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。
〈発光素子8の作製〉
電子輸送層118(2)上に発光素子8の電子注入層130として、2Py3TznとAgを重量比(2Py3Tzn:Ag)が1:0.5、且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。
〈発光素子9の作製〉
電子輸送層118(2)上に発光素子9の電子注入層130として、tPy2PとCuを重量比(tPy2P:Cu)が1:0.2、且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。
〈発光素子10の作製〉
電子輸送層118(2)上に発光素子10の電子注入層130として、2Py3TznとCoを重量比(2Py3Tzn:Co)が1:0.3、且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。
<発光素子の特性>
次に、上記作製した比較発光素子6及び発光素子7乃至発光素子10の素子特性を測定した。測定は実施例1と同様に行った。
作製した比較発光素子6及び発光素子7乃至発光素子10の電流効率-輝度特性を図17に、電流-電圧特性を図18に、外部量子効率-輝度特性を図19にそれぞれ示す。なお、各発光素子の測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。また、各発光素子に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の電界発光スペクトルを図20に示す。なお、測定は室温で行った。
また、1000cd/m2付近における、比較発光素子6及び発光素子7乃至発光素子10の素子特性を表7に示す。
図19及び表7で示すように、発光素子7乃至発光素子10は比較発光素子6よりも高い外部量子効率を示すことが分かった。特に発光素子9及び発光素子10は25%を超える高い外部量子効率を示した。また、図18に示すように、発光素子7乃至発光素子10は比較発光素子6よりも良好な電流-電圧特性を示した。特に、発光素子9では優れた電流-電圧特性を示した。これらの結果より、発光素子7乃至発光素子10は比較発光素子6よりも良好な電子注入特性を有していることが分かる。
比較発光素子6は電極と電子輸送層が接しており、発光素子7乃至発光素子10は、電極に使用したAlの仕事関数よりも仕事関数が高い金属を電子注入層に使用している。よって金属の仕事関数に着目すると、比較発光素子6の方が、発光素子7乃至発光素子10よりも、電子注入特性が良好であると予想される。しかし、上述の通り、発光素子7乃至発光素子10の方が、比較発光素子6よりも良好な電子注入特性を有している。よって、本発明の一態様の発光素子では、電子注入層に3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属の複合材料を用いることによって、電子注入層に該複合材料のSOMOが形成されるため、電極材料の仕事関数より高い仕事関数を有する金属を電子注入層に用いても、良好な電子注入特性を得ることができる。
また、図20に示すように、比較発光素子6及び発光素子7乃至発光素子10の、電界発光スペクトルのピーク波長はいずれも619nm付近であり、半値全幅はいずれも58nm程度である赤色の発光を示した。得られた電界発光スペクトルから、ゲスト材料であるIr(dmdppr-dmp)2(dpm)からの発光であることが分かった。
<発光素子の定電流駆動試験結果>
次に、比較発光素子6及び発光素子7乃至発光素子10の1.0mAにおける定電流駆動試験を大気雰囲気下にて行った。その結果を図21に示す。なお、比較発光素子6及び発光素子7乃至発光素子10は封止を行っていない。図21より、発光素子7乃至発光素子10は比較発光素子6よりも良好な信頼性を有していることが分かった。ここで、図18及び図19より比較発光素子6の電子注入特性は発光素子7乃至発光素子10よりも劣っており、比較発光素子6のキャリアバランスは悪く、信頼性にも悪影響を及ぼしている。一方、本発明の一態様である発光素子は、電子注入特性が良好なため、それぞれの発光素子中でのキャリアバランスが良好であるため、高い信頼性を有する発光素子を実現することができる。
本実施例では、本発明の一態様の発光素子である発光素子12乃至発光素子15及び比較発光素子11の作製例を示す。本実施例で作製した発光素子の断面模式図を図1(A)に、素子構造の詳細を表8及び表9にそれぞれ示す。また、本実施例で用いる有機化合物の化学式を以下に示す。なお、他の化合物の構造と略称については、先の実施例及び実施の形態1を参酌すれば良い。
<発光素子の作製>
以下に、本実施例で作製した発光素子の作製方法を示す。比較発光素子11は電子注入層に一般的に用いられるLi化合物であるLiFを使用した発光素子であり、発光素子12乃至発光素子15は本発明の一態様である、電子注入層に3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属の複合材料を用いた発光素子である。
≪比較発光素子11の作製≫
ガラス基板上に電極101として、ITSO膜を厚さが70nmになるように形成した。なお、電極101の電極面積は、4mm2(2mm×2mm)とした。
次に、電極101上に正孔注入層111として、DBT3P-IIと、酸化モリブデン(MoO3)と、を重量比(DBT3P-II:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが40nmになるように共蒸着した。
次に、正孔注入層111上に正孔輸送層112として、PCCPを厚さが20nmになるように蒸着した。
次に、正孔輸送層112上に発光層140として、9-[3-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル]-9’-フェニル-2,3’-ビ-9H-カルバゾール(略称:mPCCzPTzn-02)と、PCCPとGD270(吉林OLED社製)と、を重量比(mPCCzPTzn:PCCP:GD270)が0.5:0.5:0.1になるように、且つ厚さが40nmになるように共蒸着した。なお、発光層140において、mPCCzPTzn及びPCCPがホスト材料であり、GD270がゲスト材料(燐光性化合物)である。
次に、発光層140上に電子輸送層118(1)として、mPCCzPTzn-02を厚さが10nmになるように蒸着した。
次に、電子輸送層118(1)上に電子輸送層118(2)として、NBPhenを厚さが15nmになるように蒸着した。
電子輸送層118(2)上に電子注入層130として、LiFを厚さが1nmになるように蒸着した。
次に、電子注入層130上に、電極102として、アルミニウム(Al)を厚さが200nmになるように形成した。
次に、封止を行わずに大気中で80℃にて1時間熱処理した。以上の工程により比較発光素子11を得た。
≪発光素子12乃至発光素子15の作製≫
発光素子12乃至発光素子15は、電子輸送層118(2)及び電子注入層130の形成工程以外は比較発光素子11と同様の工程で作製した。
<発光素子12の作製>
電子輸送層118(1)上に電子輸送層118(2)としてNBPhenを厚さが15nmになるように蒸着した。次に、電子輸送層118(2)上に電子注入層130として、tPy2PとAgを重量比(tPy2P:Ag)が1:0.3、且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。
<発光素子13の作製>
電子輸送層118(1)上に電子輸送層118(2)としてNBPhenを厚さが10nmになるように蒸着した。次に、電子輸送層118(2)上に電子注入層130として、NBPhenとAgを重量比(NBPhen:Ag)が1:0.3、且つ厚さが5nmになるように共蒸着し、その上にtPy2PとAuを重量比(tPy2P:Au)が1:0.6、且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。
<発光素子14の作製>
電子輸送層118(1)上に電子輸送層118(2)としてNBPhenを厚さが15nmになるように蒸着した。次に、電子輸送層118(2)上に電子注入層130として、2Py3TznとCuを重量比(2Py3Tzn:Cu)が1:0.3、且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。
<発光素子15の作製>
電子輸送層118(1)上に電子輸送層118(2)としてNBPhenを厚さが10nmになるように蒸着した。次に、電子輸送層118(2)上に電子注入層130として、NBPhenとCuを重量比(NBPhen:Cu)が1:0.2、且つ厚さが5nmになるように共蒸着し、その上に2Py3TznとCoを重量比(2Py3Tzn:Co)が1:0.2、且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。
<発光素子の特性>
次に、上記作製した比較発光素子11及び発光素子12乃至発光素子15の素子特性を測定した。測定は実施例1と同様に行った。
作製した比較発光素子11及び発光素子12乃至発光素子15の電流効率-輝度特性を図22に、電流-電圧特性を図23に、外部量子効率-輝度特性を図24にそれぞれ示す。なお、各発光素子の測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。また、各発光素子に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の電界発光スペクトルを図25に示す。なお、測定は室温で行った。
また、1000cd/m2付近における、比較発光素子11及び発光素子12乃至発光素子15の素子特性を表10に示す。
図24及び表10で示すように、比較発光素子11と発光素子12乃至発光素子15とは同等の外部量子効率を示すことが分かった。また、発光素子12乃至発光素子14の外部量子効率は20%を超える高い値を示した。また、図23及び表10で示すように、比較発光素子11と発光素子12乃至発光素子15とは、同等の電流-電圧特性を示した。これらの結果より、発光素子12乃至発光素子15は電子注入層に一般的に用いられるLiFを用いた比較発光素子11と同等な電子注入性を有していることが分かる。
また、図25に示すように、比較発光素子11と発光素子12乃至発光素子15の、電界発光スペクトルのピーク波長はいずれも520nm付近であり、半値全幅はいずれも63nm程度である緑色の発光を示した。得られた電界発光スペクトルから、ゲスト材料であるGD270からの発光であることが分かった。
<発光素子の信頼性評価>
次に比較発光素子11と発光素子12乃至発光素子15について恒温恒湿保存試験を行った。各発光素子は封止を行っていないため、陰極及びEL層が試験環境の雰囲気に曝される状態の発光素子である。一般に、発光素子に水分が侵入すると、ダークスポット(発光部内部における非発光領域)やシュリンク(発光部端部における非発光領域)が発生し、発光素子の信頼性に悪影響を及ぼす。そのため、恒温恒湿保存試験を行うことで、発光素子の水分に対する信頼性を評価することができる。
比較発光素子11及び発光素子12乃至発光素子15をそれぞれ温度が40℃、湿度が90%の一定に保たれた恒温槽内に350時間放置した後、それぞれの発光素子の発光状態を調査した。
発光状態の評価は、恒温恒湿保存試験前後における、発光面積の割合を見積もることで行った。表11にその結果を示す。
表11中、発光面積比(%)=恒温恒湿保存試験後の発光面積/恒温恒湿試験前の発光面積×100である。表11より、アルカリ金属化合物である、LiFを電子注入層に用いた比較発光素子11は、保存試験により劣化し非発光となった。一方、本発明の一態様の発光素子である、発光素子12乃至発光素子15は、比較発光素子11よりも発光面積比が大きい結果となった。すなわち、本発明の一態様である発光素子は、アルカリ金属のような仕事関数の小さな材料を電子注入層に用いた発光素子よりも、耐湿性に優れることが示された。これは、仕事関数の小さな材料は水との反応性が高く、発光素子内部に水分が侵入してしまうためである。一方、本発明の一態様である発光素子は、水との反応性に乏しい、仕事関数が大きな金属を用いることができるため発光素子内部に水分が侵入しにくい。そのため、耐湿性が高い発光素子を実現することができる。
以上より、本発明の一態様である発光素子は、電子注入性に優れるため、駆動電圧が低く、発光効率の高い発光素子である。また、仕事関数が高い材料を用いることが可能であるため、耐湿性に優れた発光素子である。本実施例に示す構成は、他の実施例及び実施の形態と適宜組み合わせて用いる事ができる。
本実施例では、本発明の一態様に係る発光素子に用いることができる、有機化合物の例とその合成例について説明する。
<4’-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-2,2’:6’,2’’-ターピリジン(略称:PAtPy)(構造式(200))の合成>
100mL3口フラスコに4’-(4-ブロモフェニル)-2,2’:6’,2’’-ターピリジン1.0g(2.6mmol)、10-フェニル-9-アントリルボロン酸0.86g(2.9mmol)、炭酸ナトリウム0.85g(8.0mmol)、トルエン20mL、エタノール5mL、水5mLを加えた。この混合物を減圧下において攪拌しながら脱気し、その後、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)65mg(56μmol)を加え、窒素気流下、100℃で8時間還流した。撹拌後、反応混合物を室温まで冷却し、析出した固体を吸引濾過にて回収した。得られた固体のクロロホルム溶液を、水、飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。クロロホルム溶液と硫酸マグネシウムの混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体のメタノール懸濁液に超音波を照射し、固体を吸引濾過により回収した。さらに、トルエンにより再結晶したところ、目的物の淡赤色粉末を収量1.2g、収率81%で得た。本合成スキームを下記式(a-1)に示す。
得られた淡赤色粉末1.2gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力4.5Pa、アルゴン流量10mL/minの条件で、PAtPyを290℃で加熱して行った。昇華精製後のPAtPyの淡赤色粉末を0.55g、回収率47%で得た。
上記得られた淡赤色粉末を核磁気共鳴分光法(1H-NMR)により測定した。分析結果を下記に示す。
1H-NMR(CDCl3,300MHz):δ=7.34-7.40(m、6H)、7.49-7.79(m、11H)、7.91(dt、J=1.5Hz、7.2Hz、2H)、8.16(d、J=7.8Hz、2H)、8.72-8.78(m、4H)、8.93(s、2H)。
また、得られた淡赤色粉末の1H NMRチャートを図26(A)(B)に示す。なお、図26(B)は図26(A)における7.0ppmから9.5ppmの範囲の拡大図である。測定結果から目的物であるPAtPyが得られたことが分かった。
本実施例では、本発明の一態様に係る発光素子に用いることができる、有機化合物の例とその合成例について説明する。
<2-[4’-(2,2’:6’,2’’-ターピリジン-4’-イル)ビフェニル-4-イル]ベンゾオキサゾール(略称:BOxtPy)(構造式(201))の合成>
100mL3口フラスコに4’-(4-ブロモフェニル)-2,2’:6’,2’’-ターピリジン1.0g(2.6mmol)、4-(ベンゾオキサゾール-2-イル)フェニルボロン酸0.68g(2.9mmol)、炭酸ナトリウム0.62g(5.8mmol)、トルエン20mL、エタノール5mL、水3mLを加えた。この混合物を減圧下で攪拌しながら脱気し、その後フラスコ内を窒素置換した。この混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)63mg(55μmol)を加え、窒素気流下において、100℃で5時間還流した。還流後、この反応混合物を室温まで冷却し、析出した固体を吸引濾過にて回収した。得られた固体のクロロホルム溶液を、水、飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。得られたクロロホルム溶液と硫酸マグネシウムの混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体をトルエンにより再結晶し、目的物の淡赤色粉末を収量1.0g、収率78%で得た。本合成スキームを下記式(b-1)に示す。
得られたBOxtPyの粉末1.0gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力4.4Pa、アルゴン流量10mL/minの条件で、BOxtPyを280℃で加熱して行った。昇華精製後BOxtPyの淡赤色粉末を0.64g、回収率63%で得た。
上記得られた淡赤色粉末を核磁気共鳴分光法(1H-NMR)により測定した。分析結果を下記に示す。
1H-NMR(CDCl3,300MHz):δ=7.32-7.41(m、4H)、7.59-7.65(m、1H)、7.78-7.93(m、7H)、8.05(d、J=8.4Hz、2H)、8.37(d、J=7.8Hz、2H)、8.70(d、J=7.8Hz、2H)、8.75-8.77(m、2H)、8.81(s、2H)。
また、得られた淡赤色粉末の1H NMRチャートを図27(A)(B)に示す。なお、図27(B)は図27(A)における7.0ppmから9.0ppmの範囲の拡大図である。測定結果から目的物であるBOxtPyが得られたことが分かった。
本実施例では、本発明の一態様に係る発光素子に用いることができる、有機化合物の例とその合成例について説明する。
4’-{4-[4-(5-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニル]フェニル}-2,2’:6’,2’’-ターピリジン(略称:O11tPy)(構造式(202))の合成>
100mL3口フラスコに4’-(4-ブロモフェニル)-2,2’:6’,2’’-ターピリジン1.0g(2.6mmol)、4-(5-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニルボロン酸0.73g(2.7mmol)、炭酸ナトリウム0.71g(6.7mmol)、トルエン20mL、エタノール5mL、水3mLを加えた。この混合物を減圧下で攪拌する事で脱気し、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)68mg(59μmol)を加えた。この混合物を窒素気流下、100℃で9時間還流した。撹拌後、この混合物を室温まで冷却し、析出した固体を吸引濾過した。得られた固体のクロロホルム溶液を、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水により洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥した。この混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体をメタノールで洗浄後、さらに、トルエン/ヘキサンで再結晶したところ、目的物の白色粉末を収量0.72g、収率51%で得た。本合成スキームを下記式(c-1)に示す。
得られたO11tPyの粉末0.71gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力4.0Pa、アルゴン流量10mL/minの条件で、O11tPyを270℃で加熱して行った。昇華精製後O11tPyの白色粉末を0.29g、回収率41%で得た。
上記得られた白色粉末を核磁気共鳴分光法(1H-NMR)により測定した。分析結果を下記に示す。
1H-NMR(CDCl3,300MHz):δ=7.35-7.39(m、2H)、7.52-7.58(m、3H)、7.79-7.93(m、6H)、8.04(d、J=8.4Hz、2H)、8.16-8.19(m、2H)、8.24(d、J=8.4Hz、2H)、8.69(d、J=7.8Hz、2H)、8.74-8.76(m、2H)、8.80(s、2H)。
また、得られた白色粉末の1H NMRチャートを図28(A)(B)に示す。なお、図28(B)は図28(A)における7.0ppmから9.0ppmの範囲の拡大図である。測定結果から目的物であるO11tPyが得られたことが分かった。
本実施例では、本発明の一態様に係る発光素子に用いることができる、有機化合物の例とその合成例について説明する。
9,9’-[5-(2,2’:6’,2’’-ターピリジン-4’-イル)-1,3-フェニレン]ビス(9H-カルバゾール)(略称:Cz2PtPy)(構造式(203)の合成>
100mL3口フラスコに4’-ブロモ-2,2’:6’,2’’-ターピリジン0.94g(3.0mmol)、3,5-ビス(9H-カルバゾール-9-イル)フェニルボロン酸1.4g(3.2mmol)、炭酸ナトリウム0.86g(6.2mmol)、トルエン30mL、エタノール5mL、水3mLを加えた。この混合物を減圧下で攪拌する事で脱気し、フラスコ内を窒素置換した。この混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)72mg(62μmol)を加えた。この混合物を窒素気流下、80℃で7時間撹拌した。撹拌後、この混合物の水層をトルエンにより抽出し、抽出溶液と有機層とを合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水により洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥した。この混合物を自然濾過し、濾液を濃縮して固体を得た。得られた固体をメタノールで洗浄後、さらに、トルエンで再結晶したところ、目的物の白色粉末を収量1.1g、収率55%で得た。本合成スキームを下記式(d-1)に示す。
得られたCz2PtPyの粉末0.83gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力3.2Pa、アルゴン流量5.0mL/minの条件で、Cz2PtPyを290℃で加熱して行った。昇華精製後Cz2PtPyの白色粉末を0.71g、回収率86%で得た。
上記得られた白色粉末を核磁気共鳴分光法(1H-NMR)により測定した。分析結果を下記に示す。
1H-NMR(CDCl3,300MHz):δ=7.31-7.37(m、6H)、7.47(dt、J=0.9Hz、7.2Hz、4H)、7.59(d、J=8.1Hz、4H)、7.85-7.92(m、3H)、8.17-8.22(m、6H)、8.66-8.69(m、4H)、8.82(s、2H)。
また、得られた白色粉末の1H NMRチャートを図29(A)(B)に示す。なお、図29(B)は図29(A)における7.0ppmから9.0ppmの範囲の拡大図である。測定結果から目的物であるCz2PtPyが得られたことが分かった。
本実施例では、本発明の一態様に係る発光素子に用いることができる、有機化合物の例とその合成例について説明する。
2,4,6-トリス(5-フェニル-2-ピリミジン-2-イル)-1,3,5-トリアジン(略称:PPm3Tzn)(構造式(105)の合成>
50mL2口フラスコに5-フェニルピリミジン-2-カルボキシミドアミド0.80g(4.0mmol)、2-シアノ-5-フェニルピリジン1.4g(7.7mmol)、ジグライム2mL、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン1mLを加えた。この混合物を、窒素気流下、180℃で29時間、200℃で100時間撹拌した。撹拌後、この混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルにより洗浄したところ、褐色粉末を収量0.82gで得た。本合成スキームを下記式(e-1)に示す。また、後述する昇華精製を行う前の1H-NMRを測定したところ、プロトン比が、PPm3Tzn:5-フェニルピリミジン-2-カルボキシミドアミド=1:1.7であり、褐色粉末は目的物と原料が混在していることが分かった。また、2-シアノ-5-フェニルピリジンに由来するシグナルは観測されなかった。
得られた褐色粉末0.79gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力3.7Pa、アルゴン流量15mL/minの条件で、310℃で加熱して行った。昇華精製後2,4,6-トリス(5-フェニル-2-ピリミジン-2-イル)-1,3,5-トリアジンの淡褐色粉末を0.19gで得た。昇華精製後の1H-NMRを測定したところ、5-フェニルピリミジン-2-カルボキシミドアミドに由来するシグナルが消失していた。よって、昇華精製により簡便に目的物の精製を行えることが分かった。
上記得られた淡褐色粉末を核磁気共鳴分光法(1H-NMR)により測定した。分析結果を下記に示す。
1H-NMR(CDCl3,300MHz):δ=7.52-7.63(m、9H)、7.73(dd、J=1.5Hz、7.8Hz、6H)、9.35(s、6H)。
また、得られた淡褐色粉末の1H NMRチャートを図30(A)(B)に示す。なお、図30(B)は図30(A)における7.0ppmから9.5ppmの範囲の拡大図である。測定結果から目的物であるPPm3Tznが得られたことが分かった。
本発明の一態様の発光素子として、後述のタンデム素子の一例である発光素子16乃至発光素子21及び比較発光素子33及び比較発光素子34の作製例を示す。本実施例で作製した発光素子の断面模式図を図31に、素子構造の詳細を表12乃至表14にそれぞれ示す。また、本実施例で用いる有機化合物の化学式を以下に示す。なお、他の化合物の構造と略称については、先の実施例及び実施の形態1を参酌すれば良い。なお、発光素子16乃至発光素子21は一対の電極間に複数層のEL層を電荷発生層を介して直列に接続した素子(タンデム素子ともいう)において、EL層の間の電荷発生層(図31における電荷発生層115)に接する電子注入層(図31における電子注入層114)に3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属の複合材料を用いた発光素子の一例である。
≪発光素子16の作製≫
ガラス基板上に電極101として、ITSO膜を厚さが110nmになるように形成した。電極面積は4mm2(2mm×2mm)とした。
次に、電極101上に正孔注入層111として、DBT3P-IIと、MoO3と、を重量比(DBT3P-II:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが25nmになるように共蒸着した。
次に、正孔注入層111上に正孔輸送層112として、PCBBiFを厚さが20nmになるように蒸着した。
次に、正孔輸送層112上に発光層170として、2mDBTBPDBq-IIとPCBBiFとIr(dmdppr-dmp)2(dpm)を重量比(2mDBTBPDBq-II:PCBBiF:Ir(dmdppr-dmp)2(dpm))が0.75:0.25:0.08になるように、且つ厚さが40nmになるように共蒸着した。なお、発光層170において、2mDBTBPDBq-II及びPCBBiFがホスト材料であり、Ir(dmdppr-dmp)2(dpm)がゲスト材料(燐光性化合物)である。
次に、発光層170上に電子輸送層113(1)として、2mDBTBPDBq-IIを厚さが10nmになるように蒸着した。続いて、電子輸送層113(2)としてNBPhenを15nmとなるように蒸着した。
電子輸送層113(2)上に電子注入層114として、2,2’-(ピリジン-2,6-ジイル)ビス(4-フェニルベンゾ[h]キナゾリン)(略称:2,6(P-Bqn)2Py)とCuを重量比(2,6(P-Bqn)2Py:Cu)が1:0.2且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。
次に、電子注入層114上に電荷発生層115として、DBT3P-IIと、MoO3と、を重量比(DBT3P-II:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが80nmになるように共蒸着した。
次に、電荷発生層115上に正孔輸送層119として、PCBBiFを厚さが20nmになるように蒸着した。
次に、正孔輸送層119上に発光層140として、2mDBTBPDBq-IIと、PCBBiFとIr(dmdppr-dmp)2(dpm)と、を重量比(2mDBTBPDBq-II:PCBBiF:Ir(dmdppr-dmp)2(dpm))が0.75:0.25:0.08になるように、且つ厚さが40nmになるように共蒸着した。
次に、発光層140上に電子輸送層118(1)として、2mDBTBPDBq-IIを厚さが25nmになるように蒸着した。続いて、電子輸送層118(1)上に電子輸送層118(2)として、NBPhenを厚さが10nmになるように蒸着した。
電子輸送層118(2)上に電子注入層130として、NBPhenとCuを重量比(NBPhen:Cu)が1:0.2且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。
次に、電子注入層130上に、電極102として、Alを厚さが200nmになるように蒸着した。
次に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、封止するためのガラス基板を、有機EL用シール材を用いて、有機材料を形成したガラス基板に固定することで、発光素子16を封止した。具体的には、ガラス基板に形成した有機材料の周囲にシール材を塗布し、該ガラス基板と封止するためのガラス基板とを貼り合わせ、波長が365nmの紫外光を6J/cm2照射し、80℃にて1時間熱処理した。以上の工程により発光素子16を得た。
≪発光素子17乃至発光素子21、比較発光素子33及び比較発光素子34の作製≫
発光素子17乃至発光素子21、比較発光素子33及び比較発光素子34は、先に示す発光素子16と同様に作製した。素子構造の詳細は表12乃至表14に示す通りであるため、作製方法の詳細は省略する。
≪各発光素子の測定≫
上記作製した発光素子16乃至発光素子21、比較発光素子33及び比較発光素子34の素子特性を測定した。輝度およびCIE色度の測定には色彩輝度計(トプコン社製、BM-5A)を用い、電界発光スペクトルの測定にはマルチチャンネル分光器(浜松ホトニクス社製、PMA-11)を用いた。
作製した発光素子16乃至発光素子21、比較発光素子33及び比較発光素子34の電流効率-輝度特性を図32に、電流-電圧特性を図33に、電力効率-輝度特性を図34に、外部量子効率-輝度特性を図35にそれぞれ示す。なお、各発光素子の測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。また、各発光素子に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の電界発光スペクトルを図36に示す。なお、測定は室温で行った。
また、1000cd/m2付近における、発光素子16乃至発光素子21、比較発光素子33及び比較発光素子34の素子特性を表15に示す。
図36に示すように、発光素子16乃至発光素子21、比較発光素子33及び比較発光素子34の電界発光スペクトルのピーク波長はいずれも620nm付近であり、発光素子16乃至発光素子21、比較発光素子33及び比較発光素子34は、それぞれの発光素子が有するゲスト材料であるIr(dmdppr-dmp)2(dpm)に由来する発光を示すことがわかった。
また、図35及び表15で示すように、発光素子16乃至発光素子21はいずれも、比較発光素子33と同等の外部量子効率50%を超える、非常に高い発光効率を示した。また、図32及び図34に示すように、高い電流効率、高い電力効率を示した。一方、比較発光素子34は、外部量子効率が27.2%と低く、タンデム素子として十分な効率が得られなかった。これらの結果より、発光素子16乃至発光素子21は、EL層の間の電荷発生層に接する電子注入層に一般的に用いられるLi化合物であるLi2Oを用いた比較発光素子33と同等の電子注入性を有していることが分かる。
また、図33及び表15に示すように、発光素子16乃至発光素子21は、比較発光素子33及び比較発光素子34よりも駆動電圧が低く良好な電流-電圧特性を示した。また、比較発光素子34は、駆動電圧が非常に高く、電荷発生層からの電子注入性に問題があることが分かった。これらの結果より、発光素子16乃至発光素子21は、EL層の間の電荷発生層に接する電子注入層に一般的に用いられるLi化合物であるLi2Oを用いた比較発光素子33より電子注入性が良好であることが分かる。よって、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属の複合材料はタンデム素子におけるEL層の間の電荷発生層に接する電子注入層として用いても、良好な駆動電圧特性を示すことがわかった。
<発光素子の定電流駆動試験結果>
次に、発光素子18、発光素子19、比較発光素子33、及び比較発光素子34の1.0mAにおける定電流駆動試験を室温にて行った。その結果を図52に示す。図52から分かるように発光素子18及び発光素子19は比較発光素子33及び比較発光素子34より良好な信頼性を有することが分かった。これらの結果より、発光素子18及び発光素子19は、電荷発生層に接する電子注入層に一般的に用いられるLi化合物であるLi2Oを用いた比較発光素子33及び電荷発生層に接する電子注入層を有さない比較発光素子34より優れた信頼性を有していることが分かる。よって、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属の複合材料はタンデム素子におけるEL層の間の電荷発生層に接する電子注入層として用いることで、優れた信頼性を有する発光素子を実現することができる。
以上より、本発明の一態様である発光素子は、電子注入性に優れるため、駆動電圧が低く、発光効率の高い発光素子である。また、仕事関数が高い材料を用いることが可能であるため、耐湿性に優れ信頼性に優れた発光素子である。本実施例に示す構成は、他の実施例及び実施の形態と適宜組み合わせて用いる事ができる。
本発明の一態様の発光素子として、発光素子22乃至発光素子25の作製例を示す。本実施例で作製した発光素子の断面模式図を図1に、素子構造の詳細を表16にそれぞれ示す。なお、他の化合物の構造と略称については、先の実施例及び実施の形態1を参酌すれば良い。なお、発光素子22乃至発光素子25は3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属の複合材料に用いる金属として第13族に属する金属であるInを用いた発光素子である。
≪発光素子22の作製≫
発光素子22は、電子注入層130の形成工程以外は比較発光素子1と同様の工程で作製した。
発光素子22の電子注入層130として、電子輸送層118(2)上にtPy2PとInを重量比(tPy2P:In)が1:0.4且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。
≪発光素子23の作製≫
発光素子23は、電子輸送層118(2)及び電子注入層130の形成工程以外は比較発光素子1と同様の工程で作製した。
発光素子23の電子輸送層118(2)として、電子輸送層118(1)上に、NBPhenを膜厚が10nmとなるように蒸着した。
次に、電子注入層130(1)として、電子輸送層118(2)上にNBPhenとAgを重量比(NBPhen:Ag)が1:0.3且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。続いて、電子注入層130(2)として、電子注入層130(1)上に2Py3TznとInを重量比(2Py3Tzn:In)が1:0.6且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。
≪発光素子24及び発光素子25の作製≫
発光素子24及び発光素子25は、電子注入層130(2)の形成工程以外は発光素子23と同様の工程で作製した。
<発光素子24の作製>
発光素子24の電子注入層130(2)として、電子輸送層130(1)上に2,6(P-Bqn)2PyとInを重量比(2,6(P-Bqn)2Py:In)が1:0.3且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。
<発光素子25の作製>
発光素子25の電子注入層130(2)として、電子輸送層130(1)上に2,6(NP-PPm)2PyとInを重量比(2,6(NP-PPm)2Py:In)が1:0.3且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。
なお、発光素子22乃至発光素子25は比較発光素子1と同様に陰極を作製した後、封止を行わずに大気中で80℃にて1時間熱処理した。
≪各発光素子の測定≫
上記作製した発光素子22乃至発光素子25の素子特性を測定した。輝度およびCIE色度の測定には色彩輝度計(トプコン社製、BM-5A)を用い、電界発光スペクトルの測定にはマルチチャンネル分光器(浜松ホトニクス社製、PMA-11)を用いた。
作製した発光素子22乃至発光素子25の電流効率-輝度特性を図37に、電流-電圧特性を図38に、電力効率-輝度特性を図39に、外部量子効率-輝度特性を図40にそれぞれ示す。なお、各発光素子の測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。また、各発光素子に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の電界発光スペクトルを図41に示す。なお、測定は室温で行った。
また、1000cd/m2付近における、発光素子22乃至発光素子25の素子特性を表17に示す。
図41に示すように、発光素子22乃至発光素子25の電界発光スペクトルのピーク波長はいずれも615nm付近であり、発光素子22乃至発光素子25はそれぞれの発光素子が有するゲスト材料であるIr(dmdppr-dmp)2(dpm)に由来する発光を示すことがわかった。
また、図40及び表17で示すように、発光素子22乃至発光素子25はいずれも外部量子効率25%を超える、非常に高い発光効率を示した。図37及び図39に示すように、高い電流効率、高い電力効率を示した。よって、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属の複合材料に用いる金属としてInは好適であることが分かった。
また、図38に示すように、発光素子22乃至発光素子25は良好な電流-電圧特性を示した。よって、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属の複合材料に用いる金属としてInは好適であることが分かった。
以上より、本発明の一態様である発光素子は、電子注入性に優れるため、駆動電圧が低く、発光効率の高い発光素子である。また、仕事関数が高い材料を用いることが可能であるため、耐湿性に優れた発光素子である。本実施例に示す構成は、他の実施例及び実施の形態と適宜組み合わせて用いる事ができる。
本発明の一態様の発光素子の一例である発光素子26乃至発光素子28の作製例を示す。本実施例で作製した発光素子の断面模式図を図1に、素子構造の詳細を表18にそれぞれ示す。また、本実施例で用いる有機化合物の化学式を以下に示す。なお、他の化合物の構造と略称については、先の実施例及び実施の形態1を参酌すれば良い。なお、発光素子26乃至発光素子28は3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属の複合材料に用いる有機化合物として、トリアジン骨格またはビピリジン骨格を有する有機化合物を用いた発光素子の一例である。なお、本実施例において、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属の複合材料は電子注入層130に用いている。
≪発光素子26乃至発光素子28の作製≫
発光素子26乃至発光素子28は、電子注入層130の形成工程以外は比較発光素子1と同様の工程で作製した。
発光素子26の電子注入層130として、電子輸送層118(2)上にPPm3TznとCuを重量比(PPm3Tzn:Cu)が1:0.2且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。なお、PPm3Tznはトリアジン骨格を有する有機化合物の一例である。また、PPm3Tznはピリミジン骨格を有する有機化合物であるとも言える。
発光素子27の電子注入層130として、電子輸送層118(2)上に2,2’-(2,2’-ビピリジン-6,6’-ジイル)ビス(4-フェニルベンゾ[h]キナゾリン)(略称:6,6’(P-Bqn)2BPy)とAgを重量比(6,6’(P-Bqn)2BPy:Ag)が1:0.3且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。なお、6,6’(P-Bqn)2BPyはビピリジン骨格を有する有機化合物の一例である。また、6,6’(P-Bqn)2BPyはキナゾリン骨格を有する有機化合物であるとも言える。
発光素子28の電子注入層130として、電子輸送層118(2)上に6,6’(P-Bqn)2BPy)とCuを重量比(6,6’(P-Bqn)2BPy:Cu)が1:0.3且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。
なお、発光素子26乃至発光素子28は比較発光素子1と同様に陰極を作製した後、封止を行わずに大気中で80℃にて1時間熱処理した。
≪各発光素子の測定≫
上記作製した発光素子26乃至発光素子28の素子特性を測定した。輝度およびCIE色度の測定には色彩輝度計(トプコン社製、BM-5A)を用い、電界発光スペクトルの測定にはマルチチャンネル分光器(浜松ホトニクス社製、PMA-11)を用いた。
作製した発光素子26乃至発光素子28の電流効率-輝度特性を図42に、電流-電圧特性を図43に、電力効率-輝度特性を図44に、外部量子効率-輝度特性を図45にそれぞれ示す。なお、各発光素子の測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。また、各発光素子に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の電界発光スペクトルを図46に示す。なお、測定は室温で行った。
また、1000cd/m2付近における、発光素子26乃至発光素子28の素子特性を表19に示す。
図46に示すように、発光素子26乃至発光素子28の電界発光スペクトルのピーク波長はいずれも618nm付近であり、発光素子26乃至発光素子28はそれぞれの発光素子が有するゲスト材料であるIr(dmdppr-dmp)2(dpm)に由来する発光を示すことがわかった。
また、図45及び表19で示すように、発光素子26乃至発光素子28はいずれも外部量子効率29%を超える、非常に高い発光効率を示した。図42及び図44に示すように、高い電流効率、高い電力効率を示した。よって、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属の複合材料に用いる有機化合物として、トリアジン骨格(またはピリミジン骨格)またはビピリジン骨格(またはキナゾリン骨格)を有する有機化合物は好適であることが分かった。
また、図43に示すように、発光素子26乃至発光素子28は良好な電流-電圧特性を示した。よって、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属の複合材料に用いる有機化合物として、トリアジン骨格(またはピリミジン骨格)またはビピリジン骨格(またはキナゾリン骨格)を有する有機化合物は好適であることが分かった。
以上より、本発明の一態様である発光素子は、電子注入性に優れるため、駆動電圧が低く、発光効率の高い発光素子である。また、仕事関数が高い材料を用いることが可能であるため、耐湿性に優れた発光素子である。本実施例に示す構成は、他の実施例及び実施の形態と適宜組み合わせて用いる事ができる。
本発明の一態様の発光素子の一例である発光素子29乃至発光素子32の作製例を示す。本実施例で作製した発光素子の断面模式図を図1に、素子構造の詳細を表20にそれぞれ示す。また、本実施例で用いる有機化合物の化学式を以下に示す。なお、他の化合物の構造と略称については、先の実施例及び実施の形態1を参酌すれば良い。なお、発光素子29乃至発光素子32は3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属の複合材料に用いる有機化合物として、ピリジン骨格を有する有機化合物を用いた発光素子の一例である。なお、本実施例において、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属の複合材料は電子注入層130に用いている。
≪発光素子29乃至発光素子32の作製≫
発光素子29乃至発光素子32は、電子注入層130の形成工程以外は比較発光素子1と同様の工程で作製した。
発光素子29の電子注入層130として、電子輸送層118(2)上に2,6(P-Bqn)2PyとAgを重量比(2,6(P-Bqn)2Py:Ag)が1:0.3且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。なお、2,6(P-Bqn)2Pyはピリジン骨格を有する有機化合物の一例である。また、2,6(P-Bqn)2Pyはキナゾリン骨格を有する有機化合物であるとも言える。
発光素子30の電子注入層130として、電子輸送層118(2)上に2,6(P-Bqn)2PyとCuを重量比(2,6(P-Bqn)2Py:Cu)が1:0.2且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。
発光素子31の電子注入層130として、電子輸送層118(2)上に2,6’(NP-PPm)2PyとAgを重量比(2,6’(NP-PPm)2Py:Ag)が1:0.3且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。なお、2,6’(NP-PPm)2Pyはピリジン骨格を有する有機化合物の一例である。また、2,6’(NP-PPm)2Pyはピリミジン骨格を有する有機化合物であるとも言える。
なお、発光素子29乃至発光素子32は比較発光素子1と同様に陰極を作製した後、封止を行わずに大気中で80℃にて1時間熱処理した。
≪各発光素子の測定≫
上記作製した発光素子29乃至発光素子32の素子特性を測定した。輝度およびCIE色度の測定には色彩輝度計(トプコン社製、BM-5A)を用い、電界発光スペクトルの測定にはマルチチャンネル分光器(浜松ホトニクス社製、PMA-11)を用いた。
作製した発光素子29乃至発光素子32の電流効率-輝度特性を図47に、電流-電圧特性を図48に、電力効率-輝度特性を図49に、外部量子効率-輝度特性を図50にそれぞれ示す。なお、各発光素子の測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。また、各発光素子に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の電界発光スペクトルを図51に示す。なお、測定は室温で行った。
また、1000cd/m2付近における、発光素子29乃至発光素子32の素子特性を表21に示す。
図51に示すように、発光素子29乃至発光素子32の電界発光スペクトルのピーク波長はいずれも618nm付近であり、発光素子29乃至発光素子32はそれぞれの発光素子が有するゲスト材料であるIr(dmdppr-dmp)2(dpm)に由来する発光を示すことがわかった。
また、図50及び表21で示すように、発光素子29乃至発光素子32はいずれも外部量子効率28%を超える、非常に高い発光効率を示した。図47及び図49に示すように、高い電流効率、高い電力効率を示した。よって、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属の複合材料に用いる有機化合物として、ピリジン骨格(、ピリミジン骨格またはキナゾリン骨格)を有する有機化合物は好適であることが分かった。
また、図48に示すように、発光素子29乃至発光素子32は良好な電流-電圧特性を示した。よって、3座または4座で金属と相互作用する機能を有する有機化合物と金属の複合材料に用いる有機化合物として、トリアジン骨格(またはピリミジン骨格)またはビピリジン骨格(またはキナゾリン骨格)を有する有機化合物は好適であることが分かった。
以上より、本発明の一態様である発光素子は、電子注入性に優れるため、駆動電圧が低く、発光効率の高い発光素子である。また、仕事関数が高い材料を用いることが可能であるため、耐湿性に優れた発光素子である。本実施例に示す構成は、他の実施例及び実施の形態と適宜組み合わせて用いる事ができる。