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JP7603582B2 - 溶出試験用網 - Google Patents
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Description

本発明は、日本薬局方、米国薬局方または欧州薬局方の溶出試験法で規定するベッセル、または溶出試験で用いるベッセル、および攪拌翼と回転軸からなるパドルを備えた、懸濁剤または固形製剤の溶出試験装置において、攪拌翼の最下部から下方に配置し、かつベッセルの底面から上方の位置に配置される、溶出試験に用いるための網、詳しくは、攪拌翼の最下部から5~35mm下方の位置に配置される網、または、ベッセルの底面から1~30mm上方の位置に配置される網、当該網を配置するベッセル、および当該網を配置するベッセルならびに攪拌翼と回転軸を有するパドルを備える溶出試験装置に関する。
錠剤、カプセル剤等からの薬物の溶出性を評価する一般的な方法としては、日本薬局方( 通称”局方”) に規定された溶出試験法がある。この溶出試験法としては、溶出試験装置の溶出試験容器(以下、「ベッセル」という場合もある。)中に試験液をいれ、試験液中に製剤を入れたバスケットを回転させて、溶出率を測定する第1法(回転バスケット法)、ベッセル中に試験液をいれ、試験液中に製剤を投入し、試験液中でパドルの攪拌翼を回転させて、溶出率を測定する第2法(パドル法)がある。
特開平2-264862号公開特許公報 特開2004-233332号公開特許公報 特開2008-32482号公開特許公報
Biopharmaceutics Modeling and Simulations Theory, Practice, Methods and applications (Kiyohiko Sugano著)
上述の第2法(パドル法)で溶出試験を行う場合、溶出試験装置の攪拌翼の回転数は50~75rpmで試験を行うことが多い。しかし、非特許文献1によれば、消化管内の溶出性を再現する場合、攪拌翼の回転数は10~30rpmであり、上記の回転数より低い。このように、攪拌翼の回転数が低い場合、回転数が高い場合に比べ、難溶性薬物や不溶性添加剤を含有する錠剤やカプセル剤の1)製剤からの薬物の溶出率が低く、2)複数の同一製剤の溶出率を測定する際、溶出率のばらつきが大きい。
難溶性薬物を含有する錠剤やカプセル剤において、製剤からの薬物の溶出率が低く、また、複数の同一製剤の溶出率を測定する際、溶出率のばらつきが大きくなる原因を種々検討した。その結果、製剤中に含有する難溶性薬物や不溶性添加剤が、溶出試験装置のベッセル底部に堆積する、いわゆるコーニングという現象が生じたためであることが明らかとなった。
溶出試験機について、様々な特許が出願されている(特許文献1)。また、口腔内崩壊錠について、より生体内の条件に近い崩壊試験を行う装置が特許出願されている(特許文献2、3)。しかし、当該文献中において、消化管内での溶出性を考慮した装置や道具、さらにはコーニングを防止することについては、記載も示唆もされていない。
上記事情に鑑み、発明者らは鋭意検討し、溶出試験装置のベッセルの中に、網を配置し、当該網の上に、懸濁剤や固形製剤等を投入または載置すると、溶出試験装置の攪拌翼を低速に回転しても、製剤から継続的に薬物が溶出し、しかも同一製剤の溶出試験を複数行った場合、溶出率のばらつきが小さくなることを見出した。
すなわち、
(1)日本薬局方、米国薬局方または欧州薬局方の溶出試験法で規定するベッセル、または溶出試験で用いるベッセル、および攪拌翼と回転軸からなるパドルを備えた溶出試験装置において、攪拌翼の最下部から下方に配置し、かつベッセルの底面から上方の位置に配置される、懸濁剤または固形製剤の溶出試験に用いるための網、
(2)網が、攪拌翼の最下部から5~35mm下方の位置に配置される上記(1)記載の網、
(3)網が、ベッセルの底面から1~30mm上方の位置に配置される上記(1)記載の網、
(4)網が、攪拌翼の最下部から5~35mm下方の位置に配置され、かつベッセルの底面から1~30mm上方の位置に配置される上記(2)または(3)記載の網、
(5)網の形状が円形であり、当該網の直径が、10~95mmである、上記(1)から(4)のいずれかに記載の網、
(6)網の目開きが、2~200メッシュである、上記(1)から(5)のいずれかに記載の網、
(7)網の端に縁部を設けた、上記(1)から(6)のいずれかに記載の網、
(8)網に脚部を設けた、上記(1)から(7)のいずれかに記載の網、
(9)溶出試験における、懸濁剤または固形製剤のコーニングを防止するための上記(1)から(8)のいずれかに記載の網、
(10)日本薬局方、米国薬局方または欧州薬局方の溶出試験法で規定するベッセル、または溶出試験で用いるベッセル、および攪拌翼と回転軸からなるパドルを備えた溶出試験装置において、攪拌翼の最下部から下方に配置し、かつベッセルの底面から上方の位置に配置される、懸濁剤または固形製剤の溶出試験に用いるための網であって、当該網の形状が円形で、当該網の直径が10~95mmであり、当該網の目開きのサイズは2~200メッシュであり、溶出試験における、懸濁剤または固形製剤のコーニングを防止するための網、
(11)上記(1)から(10)のいずれかに記載の網を配置するベッセル、
(12)上記(11)のベッセル、および攪拌翼と回転軸を有するパドルを備える、溶出試験装置、
(13)上記(11)のベッセル、および攪拌翼と長さを調節できる回転軸を有するパドルを備える、溶出試験装置、
(14)上記(1)から(10)のいずれかに記載の網上に、懸濁剤または固形製剤を投入または載置し、溶出試験を行う方法、
(15)上記(1)から(10)のいずれかに記載の網上に、シンカーに入れた懸濁剤または固形製剤を投入または載置し、溶出試験を行う方法、
(16)上記(1)から(10)のいずれかに記載の網上に、懸濁剤または固形製剤を投入または載置し、パドルの回転数を10~75rpmとする、上記(14)または(15)記載の方法、
(17)上記(1)から(10)のいずれかに記載の網上に、懸濁剤または固形製剤を投入または載置し、パドルの回転数を10~75rpmとし、溶出率のCV%が20%以内である上記(14)から(16)のいずれかに記載の方法、
の発明に関する。
本発明の網の上に、難溶性薬物を含有する経口製剤、特に、懸濁剤、または錠剤やカプセル剤等の固形製剤を投入または載置し、消化管挙動に即して、パドル法で攪拌翼を低速に回転させて溶出試験を行っても、溶出試験装置のベッセルに製剤がほとんど堆積(コーニング)しない。このために、本発明の網の上に、懸濁剤、または錠剤やカプセル剤等の固形製剤を投入または載置し、パドル法で攪拌翼を低速に回転させても、複数の同一製剤を溶出試験した場合、製剤間で溶出率のばらつきを小さくすることができる。
溶出試験装置のベッセル内に、本願発明の網を配置した図 本願発明の縁部を設けた網の図 溶出試験装置のベッセル内に、本願発明の縁部を設けた網を配置した図 本願発明の脚部を設けた網の図 溶出試験装置のベッセル内に、本願発明の脚部を設けた網を配置した図 リピトール錠10mgの溶出挙動 バキソカプセル20の溶出挙動 セレコックス錠剤100mgの溶出挙動 セレコックス錠剤100mgのPK予測による血中動態 テグレトール錠剤200mgの溶出挙動 テグレトール錠剤200mgのPK予測による血中動態
以下、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の網は、日本薬局方、米国薬局方または欧州薬局方記載の溶出試験法における溶出試験装置(以下「溶出試験装置」という場合がある。)や日本薬局方に準拠しないものの、溶出試験法に用いる溶出試験装置の攪拌翼の最下部から下方の位置に配置し、かつベッセルの内底面から上方の位置に配置され、溶出試験に用いるための網である。本発明の網は、目開きのある網であればよいが、特にJIS規格の網の他、パンチング板、パンチングメタルという目開きのある板状のものであればよい。パンチング板、パンチングメタルとは、金属等の板をパンチングプレスの金型で穴を開けた加工した板である。なお、以下の網の配置位置、直径、厚さ等については、±2mm程度の誤差を生じる可能性がある。
本発明の網をベッセル内に配置するが、網は、図1の通り、日本薬局方に記載の「溶出試験法」で使用される溶出試験装置のパドルの攪拌翼とほぼ平行に配置する。当該ベッセルは、日本薬局方に記載の「溶出試験法」で使用される容器であればよい。すなわち、ベッセルは、横断面が円形、底部が半円球の円筒形で、容積は約1L、高さ160~210mm、内径は98~106mmで、容器の上部には出縁がある。試験液の蒸発を防ぐために,ベッセルに蓋をすることができる。ベッセルの材質としては、ガラス製やプラスチック製等、試験溶液で腐食されない材質であればよい。
本発明の網をベッセル内に配置するが、網は、日本薬局方に記載の「溶出試験法」で使用される溶出試験装置に準拠しないベッセルでも使用することができる。例えば、ベッセルの横断面が円形、底部が半円球の円筒形で、容積は約100ml~500ml、内径が30~120mm、高さが80~250mmである。例えば、内径41.0mm、高さ108.00mmのベッセル、内径41.0mm、高さ203.0mmのベッセル、内径41.0mm、高さ176.3mmのベッセル、内径101.0mm、高さ99.5mmのベッセルがある。容器の上部には出縁がある。試験液の蒸発を防ぐために,ベッセルに蓋をすることができる。ベッセルの材質としては、ガラス製やプラスチック製等、試験溶液で腐食されない材質であればよい。
本発明の網の形状は、ベッセルの空間におさまる形状であればよく、基本的には、円形であるが、三角形、四角形、五角形,六角形、八角形、十角形、星形等、円形以外の形状でもよい。
本発明の網は、溶出試験装置の攪拌翼の最下部から下方の位置に配置すればよいが、通常、攪拌翼の最下部から5~35mm下方、好ましくは攪拌翼の最下部から7.5~32.5mm下方、より好ましくは攪拌翼の最下部から7.5~30mm下方の位置に配置する。
日本薬局方、米国薬局方または欧州薬局方に記載の溶出試験法における溶出試験装置に用いる本発明の網は、通常、攪拌翼の最下部から5~35mm下方、好ましくは攪拌翼の最下部から10~32.5mm下方、より好ましくは攪拌翼の最下部から15~30mm下方、特に好ましくは攪拌翼の最下部から約25mm下方の位置に配置する。網の位置が、攪拌翼の最下部から、これよりも小さければ、攪拌翼と製剤が接触する恐れがあり、網の位置が、攪拌翼の最下部からこれよりも大きければ、適切な攪拌力が製剤に到達しない可能性がある。
本発明の網は、溶出試験装置のベッセルの内底面から上方に配置すればよいが、通常、ベッセルの底面から1~30mm上方、好ましくはベッセルの底面から1~27.5mm上方、より好ましくはベッセルの内底面から1~25mm上方の位置に配置する。
日本薬局方、米国薬局方または欧州薬局方記載の溶出試験法における溶出試験装置に用いる本発明の網は、溶出試験装置のベッセルの内底面から上方に配置すればよいが、通常、ベッセルの底面から5~30mm上方、好ましくはベッセルの底面から10~27.5mm上方、より好ましくはベッセルの内底面から15~25mm上方、特に好ましくは、溶出試験装置のベッセルの内底面から約16mm上方の位置に配置する。網の位置が、ベッセルの内底面から、これよりも小さければ、ベッセルの内底面と網の間の空間は、ほとんどなく、化合物や添加剤がベッセルの底部に堆積する恐れがあり、ベッセルの底面から、これよりも大きければ、適切な攪拌力がベッセルの底面に到達しない可能性がある。
本発明の網は、溶出試験装置の攪拌翼の最下部から下方の位置に配置し、ベッセルの内底面から上方に配置すればよいが、通常、攪拌翼の最下部から5~35mm下方であり、ベッセルの内底面から1~30mm上方の位置に配置、好ましくは攪拌翼の最下部から7.5~32.5mm下方であり、ベッセルの内底面から1~27.5mm上方の位置に配置、より好ましくは攪拌翼の最下部から7.5~30mm下方、ベッセルの内底面から1~25mm上方の位置に配置する。
日本薬局方、米国薬局方または欧州薬局方記載の溶出試験法における溶出試験装置に用いる本発明の網は、通常、攪拌翼の最下部から5~35mm下方であり、ベッセルの内底面から5~30mm上方の位置に配置、好ましくは攪拌翼の最下部から10~32.5mm下方であり、ベッセルの内底面から10~27.5mm上方の位置に配置、より好ましくは攪拌翼の最下部から15~30mm下方、ベッセルの内底面から15~25mm上方の位置に配置、特に好ましくは、攪拌翼の最下部から約25mm下方の位置、ベッセルの内底面から16mm上方の位置に配置する。
本発明の網の形状が、円形である場合、その網の直径は、ベッセル内に配置できるような直径であればよいが、通常、10~95mm、好ましくは、12.5~90mm、より好ましくは、15~85mmである。
日本薬局方、米国薬局方または欧州薬局方記載の溶出試験法における溶出試験装置に用いる網であって、当該網の形状が円形である場合、当該網の直径は、通常、40~95mm、好ましくは、45~90mm、より好ましくは、50~85mmである。網の直径が、これよりも小さければ、ベッセルの内底面と網の間の空間は、ほとんどなく、化合物や添加剤がベッセルの底部に堆積する可能性があり、これよりも大きければ、ベッセル内に配置できない可能性がある。
本発明の網の目開きのサイズは、通常、JIS規格における2~200メッシュ、好ましくは、5~100メッシュ、より好ましくは、10~60メッシュである。また、パンチング板、パンチングメタルの場合、その目開きが、0.07~12.0mm、好ましくは、0.14~4.6mm、より好ましくは0.25~2.3mmである。網、パンチング板、パンチングメタルの目開きが、これよりも大きければ、製剤自体が通過する恐れがあり、これよりも小さければ、崩壊した製剤中の化合物や添加剤等が網上に堆積する可能性がある。
本発明の網の厚さは、網が底面に配置されるので、網が水圧に耐え得る厚みであればよいが、通常、0.04~2mm、好ましくは、0.08~2mm、より好ましくは、0.1~1.2mmである。網の厚さが、これよりも小さければ、網が水圧や製剤の重量に耐えることができず、変形する可能性があり、これよりも大きければ、重量が重くなり、ベッセルを破損させる可能性がある。
本発明の網は、網の形状が円形である場合、通常、本発明の網の直径は10~95mm、網の目開きのサイズは2~200メッシュ、好ましくは、網の直径は12.5~90mm、網の目開きのサイズは5~100メッシュ、より好ましくは、網の直径は15~85mm、網の目開きのサイズは10~60メッシュの網である。このような網の構造とすることによって、崩壊した製剤中の化合物や添加剤等が網上に堆積する恐れは少ない。
本発明の網は、日本薬局方、米国薬局方または欧州薬局方記載の溶出試験法における溶出試験装置に用いる網であって、当該網の形状が円形である場合、通常、当該網の直径は、40~95mm、当該網の目開きのサイズは2~200メッシュ、好ましくは、当該網の直径は45~90mm、当該網の目開きのサイズは5~100メッシュ、より好ましくは、当該網の直径は、50~85mm、当該網の目開きのサイズは10~60メッシュの網である。このような網の構造とすることによって、崩壊した製剤中の化合物や添加剤等が網上に堆積する恐れは少なく、製剤間の溶出率のばらつきも少ない。
本発明の網は、日本薬局方、米国薬局方または欧州薬局方の溶出試験法で規定するベッセル、または溶出試験で用いるベッセル、および攪拌翼と回転軸からなるパドルを備えた溶出試験装置において、攪拌翼の最下部から下方に配置し、かつベッセルの底面から上方の位置に配置される、懸濁剤または固形製剤の溶出試験に用いるための網である。さらに、当該網の形状が円形の場合、当該網の直径が10~95mmであり、当該網の目開きのサイズは2~200メッシュ、好ましくは、当該網の直径は12.5~90mm、当該網の目開きのサイズは5~100メッシュ、より好ましくは、当該網の直径は50~85mm、当該網の目開きのサイズは10~60メッシュの網である。このような網の構造とすることによって、崩壊した製剤中の化合物や添加剤等が網上に堆積する恐れは少なく、製剤間の溶出率のばらつきも少ない。
本発明の網は、網の形状が円形である場合、通常、当該網の直径は10~95mm、当該網の目開きのサイズは2~200メッシュ、当該網の厚さは0.04~2mm、好ましくは、当該網の直径は12.5~90mm、当該網の目開きのサイズは5~100メッシュ、当該網の厚さは0.08~2mm、より好ましくは、当該網の直径は15~85mm、当該網の目開きのサイズは10~60メッシュ、当該網の厚さは0.1~1.2mmの網である。このような網の構造とすることによって、崩壊した製剤中の化合物や添加剤等が網上に堆積する恐れは少なく、製剤間の溶出率のばらつきも少ない。
本発明の網は、日本薬局方、米国薬局方または欧州薬局方記載の溶出試験法における溶出試験装置に用いる網であって、当該網の形状が円形である場合、通常、当該網の直径は、40~95mm、当該網の目開きのサイズは2~200メッシュ、当該網の厚さは0.04~2mm、好ましくは、当該網の直径は45~90mm、当該網の目開きのサイズは5~100メッシュ、当該網の厚さは0.08~2mm、より好ましくは、当該網の直径は50~85mm、当該網の目開きのサイズは10~60メッシュ、当該網の厚さは0.1~1.2mmの網である。このような網の構造とすることによって、崩壊した製剤中の化合物や添加剤等が網上に堆積する恐れは少なく、製剤間の溶出率のばらつきも少ない。
本発明の網は、日本薬局方、米国薬局方または欧州薬局方の溶出試験法で規定するベッセル、または溶出試験で用いるベッセル、および攪拌翼と回転軸からなるパドルを備えた溶出試験装置において、攪拌翼の最下部から下方に配置し、かつベッセルの底面から上方の位置に配置される、懸濁剤または固形製剤の溶出試験に用いるための網である。さらに、当該網の形状が円形の場合、当該網の直径が10~95mmであり、当該網の目開きのサイズは2~200メッシュ、当該網の厚さは0.04~2mm、好ましくは、網の直径は12.5~90mm、網の目開きのサイズは5~100メッシュ、当該網の厚さは0.08~2mm、より好ましくは、当該本発明の網の直径は50~85mm、当該網の目開きのサイズは10~60メッシュ、当該網の厚さは0.1~1.2mmの網である。このような網の構造とすることによって、崩壊した製剤中の化合物や添加剤等が網上に堆積する恐れは少なく、製剤間の溶出率のばらつきも少ない。
本発明の網の材質は、溶出試験液をいれた溶出試験容器の中に入れるので、化学的に不活性で、分析を妨害しない材質のものであればよい。網の材質として、具体的には、アルミ、ステンレス(SUS)、鉄等の金属やポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂等のプラスチックであればよい。
本発明の網は、網の強度を増すため、作業者の安全性を確保するため、あるいは、網をベッセル内に配置した場合に定位置に固定できるようにするため、図2のように、網の端に、網の目開きがない縁部を設けることができる。縁部は、幅が1~10mm、好ましくは、1~9mm、より好ましくは1~8mmである。この場合、網の目開き部分および縁部をあわせた網の外径は、通常、40~95mm、好ましくは、45~90mm、より好ましくは、50~85mmであり、網の目開き部分の網の内径は、通常、30~94mm、好ましくは、36~88mm、より好ましくは、42~82mmである。縁部を設けた網は、図3の通り、溶出試験装置のベッセル内に配置することができる。
本発明の網の縁部の材質は、水等で腐食せず、またベッセル等のガラスを傷つけないように、アルミ、ステンレス(SUS)、鉄等の金属やポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、テフロン(登録商標)等の不活性樹脂であればよい。
ベッセルと接触する、本発明の網の縁部の形状としては、ベッセルのRに沿うように、縁部にRの形状をつけることができる。また、網の端に、段差を設けることによって、網を安定に固定できる。段差の高さとしては、網が安定に固定できる高さであればよいが、通常、0.1~10mm、好ましくは0.2~7mm、より好ましくは0.2~6mmである。
本発明の網を定位置に固定できるようにするために、図4のように、網に脚をつけてもよい。網に脚をつける場合、脚の本数としては、網が固定できる脚の本数であればよいが、日本薬局方の溶出試験法に用いる溶出試験装置に配置する網であれば、3~6本であればよい。脚の高さとしては、網が安定に固定できる高さであればよいが、通常、0.1~10mm、好ましくは0.2~7mm、より好ましくは0.2~6mmである。脚部を設けた網は、図5の通り、溶出試験装置のベッセル内に配置することができる。
本発明の網を使用しない場合、懸濁剤や固形製剤を試験液中に入れたベッセル中に投入すると、懸濁剤や固形製剤に含有する成分がコーニングする場合があるが、本発明の網を使用すると、懸濁剤や固形製剤に含有する成分の、コーニングがほとんど生じない。コーニングとは、難溶性あるいは不溶性物質等製剤の崩壊物がベッセル底部に局所的に堆積する現象である。
本発明は、経口製剤、特に固形製剤の溶出試験用の網であるが、溶出試験は、日本薬局方 溶出試験法に記載の溶出試験装置を使用する。すなわち、溶出試験装置は、蓋ができるガラス又は透明で化学的に不活性な材質の容器、すなわち、ベッセル、モーター、回転軸及び攪拌翼を有するパドルを含む装置である。ベッセルは、適当な大きさの恒温水槽に設置するか又は恒温ジャケットなどに入れ、加温することができる。恒温水槽又は恒温ジャケットは、試験中の容器内温度が37±0.5℃となるように、また、恒温水槽内の液体が滑らかに動くように調整することができる。パドルの滑らかな回転以外には、装置が設置された周辺環境や装置に起因する揺動や振動が生じないようにする。
溶出試験装置の攪拌部は、日本薬局方に記載の「溶出試験法」で使用される攪拌部であればよい。攪拌部としては、攪拌翼と回転軸を有するパドルを用いることができる。攪拌翼の垂直方向の軸が回転軸の中心を貫通し、攪拌翼の下弦は、回転軸の下端と同一平面となるようにする。
溶出試験装置の攪拌翼は、日本薬局方に記載の「溶出試験法」で使用される攪拌翼であればよい。
溶出試験装置の回転軸は、日本薬局方に記載の「溶出試験法」で使用される回転軸であればよい。回転軸は、滑らかに回転させ、溶出の結果に影響を及ぼすような揺動及び振動が生じないようにする。なお、回転軸は、長さを調節できる回転軸であってもよい。例えば、ねじ付きの可動可能な回転軸や位置決めのアタッチメントによって、回転軸の長さを段階的に調節できる。
攪拌翼と回転軸は、金属又は化学的に不活性で堅牢な材質の一体化したものを用いる。試験中に攪拌翼と回転軸をしっかり固定できるならば、両者が取り外せるパドルを用いることができる。攪拌翼と回転軸は、化学的に不活性にするために適当な被覆剤で覆うことができる。
溶出試験装置は、日本薬局方のみならず、米国薬局方または欧州薬局方に収載されている溶出試験法で用いる溶出試験装置に準拠するものである。
本発明の網を使用して、懸濁剤または固形製剤中の薬物の溶出率を測定する場合、ベッセル内に配置した本発明の網上に、懸濁剤または固形製剤を投入または載置し、、溶出試験を行う。懸濁剤とは、日本薬局方に規定する懸濁剤、シロップ剤であり、有効成分を微細均質に懸濁した液、糖類又は甘味剤を含む粘稠性のある液状又は固形の製剤である。固形製剤とは、固形状の製剤であり、日本薬局方に規定する錠剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤等である。
懸濁剤または固形製剤等の溶出試験をおこなう試料は、攪拌翼の回転を始める前に、溶出試験容器に配置した網上に投入または載置する。この場合、「投入」とは、懸濁剤を網上に投入すること、「載置」とは、固形製剤を網の上に載せて置くことである。本発明の網上に、懸濁剤または固形製剤を投入または載置しても、当該固形製剤が浮遊することがある。この場合、ベッセル内に配置した本発明の網上に、シンカーに入れた懸濁剤または固形製剤を投入または載置し、溶出試験を行ってもよい。これによって、固形製剤が浮遊することを防止することができる。シンカーとは、らせん状に数回巻いた針金のような,化学的に不活性な材質でできた小型の締め付けない入れ物である。
懸濁剤または固形製剤としては、日本薬局方に規定する懸濁剤、シロップ剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤等であればよいが、特に、難溶性薬物および不溶性添加剤を含有する懸濁剤または固形製剤であれば、本発明の網の効果を発揮する。
薬物としては、固形状、粉状、結晶状、油状、溶液状など何れのものでもよいが、懸濁剤や固形製剤として製造できる薬物であればよい。例えば、滋養強壮保健薬、解熱鎮痛消炎薬、向精神薬、抗不安薬、抗うつ薬、催眠鎮静薬、鎮痙薬、中枢神経作用薬、脳代謝改善剤、脳循環改善剤、抗てんかん剤、交感神経興奮剤、胃腸薬、制酸剤、抗潰瘍剤、鎮咳去痰剤、鎮吐剤、呼吸促進剤、気管支拡張剤、抗アレルギー薬、歯科口腔用薬、抗ヒスタミン剤、強心剤、不整脈用剤、利尿薬、血圧降下剤、血管収縮薬、冠血管拡張薬、末梢血管拡張薬、高脂血症用剤、利胆剤、抗生物質、化学療法剤、糖尿病用剤、骨粗しょう症用剤、抗リウマチ薬、骨格筋弛緩薬、鎮けい剤、ホルモン剤、アルカロイド系麻薬、サルファ剤、痛風治療薬、血液凝固阻止剤、抗悪性腫瘍剤、アルツハイマー病治療薬などから選ばれた1種または2種以上の成分が用いられる。
本発明の網の上に、懸濁剤や固形製剤を投入または載置し、消化管の挙動に即して、溶出試験装置のパドルを回転させた場合、すなわち、パドルの回転数を10~75rpm、場合によっては10~50rpm、場合によっては10~30rpmとした場合であっても、懸濁剤や固形製剤中から薬物が溶出し、溶出試験の初期から継続的に懸濁剤や固形製剤中から薬物が溶出する。
本発明の網の上に、懸濁剤や固形製剤を投入または載置し、消化管の挙動に即して、溶出試験装置のパドルを回転させた場合、すなわち、パドルの回転数を10~75rpm、場合によっては10~50rpm、場合によっては10~30rpmとした場合であっても、懸濁剤や固形製剤中から薬物が溶出する。特に、同一製剤を反復して溶出試験を行う場合、本発明の網を用いた場合、用いない場合に比べて、溶出挙動のばらつきを低減することができ、溶出率のCV%を20%以内にすることができる。CV%とは、Coefficient of variationの略で、一般的にデータばらつきの指標として用いられており、以下の計算式で算出することができる。

CV%=(標準偏差/平均値)×100
本発明の網の上に、懸濁剤や固形製剤を投入または載置し、消化管の挙動に即して、溶出試験装置のパドルを回転させ、得られた溶出試験の結果を用いて算出した、消化管吸収からの血中濃度の予測値と、血中濃度の実測値を比較した場合、予測値と実測値はほぼ同等であり、本発明の網を使用して、溶出試験から消化管吸収の血中濃度を予測することができる。in vitroでの溶出結果から、in vivoでの消化管吸収からの血中濃度を予測する方法には、市販のヒトのPK予測ソフトを用いる方法などがある。
以下、実施例、比較例および参考例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明は、これらよって制限されるものではない。
1.リピトール錠10mg (原薬:アトルバスタチンカルシウム)の溶出試験
1)溶出試験法(パドル法、溶出試験第2法)
第17改正日本薬局方 溶出試験法に記載の溶出試験装置(富山産業株式会社製)のベッセル(底部が半円球の円筒形、容積:1L、高さ:約170mm、内径は約100mm)内に、溶出試験に用いるための網(直径:72mm、外径:72mm、内径:60mm、厚さ:0.37mm)を、攪拌翼の最下部から25mm下部、ベッセルの底部から16mm上部の位置に配置した。その後、空腹時人工小腸液 (FaSSIF)(pH約6.5)900mLをベッセル内に入れ、水温を37±0.5℃とし、網の上に、リピトール錠10mg(アステラス製薬株式会社製)を載置し、以下の条件で、溶出試験をおこなった。なお、本溶出試験は、3反復おこなった。
(溶出試験条件)
・試験法:日本薬局方 第2法(パドル法)
・攪拌翼の攪拌速度:30rpm
・試験液採取時間:0、5、10、15、20、30、45、60、75、90、120(分)
溶出試験は、本発明の網を配置した溶出試験(実施例1)、本発明の網を配置しない溶出試験(比較例1)、以下の回転バスケット法による溶出試験(比較例2)である。
2)溶出試験法(回転バスケット法、溶出試験第1法)
・試験法:日本薬局方 第1法(回転バスケット法)
・攪拌翼の攪拌速度:40rpm
・試験液採取時間:0、5、10、15、20、30、45、60、75、90、120(分)
3)分析方法
試料溶液および標準溶液を以下の分析条件で液体クロマトグラフィーにより測定を行い、化合物を測定した。
(分析条件)
カラム:AQUITY UPLC CSH C18,1.7 μm 2.1×50 mm (Waters製)
カラム温度:40℃
移動相の流量:0.4 mL/分
検出器:UV検出器(測定波長:246nm)
移動相A:50mMギ酸アンモニウム水溶液
移動相B:アセトニトリル
移動相比率:移動相A/移動相B=40/60
(実験結果)
3反復の溶出率の平均値および標準偏差の推移を図6に、溶出率の平均値、標準偏差、CV%の数値を表1に示す。
Figure 0007603582000001



比較例1および2製剤の溶出挙動は、実施例1製剤に比べ、低く推移した。また、比較例1および2製剤の溶出率の標準偏差やCV(%)は、実施例1製剤に比べ大きく、溶出率のばらつきが大きいことが明らかとなった。試験終了後、実施例1製剤は、コーニングが生じていなかったが、比較例1製剤は、溶出試験容器の底に、比較例2製剤は、バスケット中に、それぞれコーニングが生じていた。
2.バキソカプセル20(原薬:ピロキシカム)の溶出試験
1)溶出試験法(パドル法、溶出試験第2法)
第17改正日本薬局方 溶出試験法に記載の溶出試験装置(富山産業株式会社製)のベッセル(底部が半円球の円筒形、容積:1L、高さ:約170mm、内径は約100mm)内に、溶出試験に用いるための網(直径:72mm、外径:72mm、内径:60mm、厚さ:0.37mm)を、攪拌翼の最下部から25mm下部、ベッセルの底部から16mm上部の位置に配置した。その後、空腹時人工小腸液(FaSSIF)(pH約6.5)900mLをベッセル内に入れ、水温を37±0.5℃とし、網の上に、バキソカプセル20(富士フィルム富山化学株式会社製)を載置した。溶出試験の条件は、実施例1、比較例1および2の通りである。なお、本溶出試験は、3反復おこなった。
溶出試験は、本発明の網を配置した溶出試験(実施例2)、本発明の網を配置しない溶出試験(比較例3)、以下の回転バスケット法による溶出試験(比較例4)である。
2)分析方法
試料溶液および標準溶液を以下の分析条件で液体クロマトグラフィーにより測定を行い、化合物を測定した。
(分析条件)
カラム:AQUITY UPLC CSH C18,1.7 μm 2.1×50 mm (Waters製)
カラム温度:40℃
移動相の流量:0.4mL/分
検出器:UV検出器(測定波長:254nm)
移動相A:50mMギ酸アンモニウム水溶液
移動相B:アセトニトリル
移動相比率:移動相A/移動相B=40/60
(実験結果)
3反復の溶出率の平均値および標準偏差の推移を図7に、溶出率の平均値、標準偏差、CV%の数値を表2に示す。
Figure 0007603582000002



比較例3および4製剤の溶出試験初期の溶出挙動は、実施例2製剤に比べ、低く推移した。また、比較例3および4製剤の溶出試験初期の溶出率の標準偏差やCV(%)は、実施例2に比べ大きく、溶出試験初期における溶出率のばらつきが大きいことが明らかとなった。試験中、実施例2のカプセル剤中の顆粒は、カプセル剤皮が被さることなく存在したが、比較例3および4のカプセル剤中の顆粒には、カプセル剤皮が被さっていた。
3.セレコックス錠100mg(原薬:セレコキシブ)の溶出試験
1)溶出試験法(パドル法、溶出試験第2法)
第17改正日本薬局方 溶出試験法に記載の溶出試験装置(富山産業株式会社製)のベッセル(底部が半円球の円筒形、容積:1L、高さ:約170mm、内径は約100mm)内に、溶出試験に用いるための網(直径:72mm、外径:72mm、内径:60mm、厚さ:0.37mm)を、攪拌翼の最下部から25mm下部、ベッセルの底部から16mm上部の位置に配置した。その後、空腹時人工小腸液(FaSSIF)(pH約6.5)900mLをベッセル内に入れ、水温を37±0.5℃とし、網の上に、セレコックス錠100mg(アステラス製薬株式会社製)を載置した。溶出試験の条件は、実施例1の通りである。なお、本溶出試験は、3反復おこなった。
溶出試験は、本発明の網を配置した溶出試験(実施例3)、本発明の網を配置しない溶出試験(比較例5)である。
2)分析方法
試料溶液および標準溶液を以下の分析条件で液体クロマトグラフィーにより測定を行い、化合物を測定した。
(分析条件)
カラム:AQUITY UPLC CSH C18,1.7 μm 2.1×50 mm (Waters製)
カラム温度:40℃
移動相の流量:0.4mL/分
検出器:UV検出器(測定波長:249nm)
移動相A:50mMギ酸アンモニウム水溶液
移動相B:アセトニトリル
移動相比率:移動相A/移動相B=40:60

3)PK予測試験
PK予測ソフトGastroPlus(商標)9.6(SimulationPlus社製)を用い、表3及び表4に示すパラメータをインプットした。なお、対照として、溶出試験のデータをインプットせず、溶液製剤として投薬した場合の予測曲線も算出した。
Figure 0007603582000003
Figure 0007603582000004
(実験結果)
1)溶出試験
3反復の溶出率の平均値および標準偏差の推移を図8に、溶出率の平均値、標準偏差、CV%の数値を表5にそれぞれ示す。
Figure 0007603582000005


比較例5製剤の溶出試験初期の溶出挙動は、実施例3製剤に比べ、低く推移した。また、比較例5製剤の溶出試験の溶出率の標準偏差やCV(%)は、実施例3製剤に比べ大きく、溶出試験における溶出率のばらつきが大きいことが明らかとなった。試験終了後、実施例3製剤は、コーニングが生じていなかったが、比較例5製剤は、溶出試験容器の底に、コーニングが生じていた。
2)PK予測試験
実施例3製剤のPK予測による血中動態のグラフを図9に、PKの予測値のPE(%、実測に対する予測誤差)を表6にそれぞれ示す。図9および表6の「溶出過程あり」とは、本発明の溶出試験用網を用いて、溶出試験をおこなって得たデータをインプットして予測した場合、「溶出過程なし」とは、溶出データをインプットせず、溶液製剤として投薬したと仮定して予測した場合である。PEの絶対値が、20以下であると、予測値と実測値が良好に一致していることになる。本発明の網を使用して溶出試験を行い、血中濃度の予測値と、血中濃度の実測値を比較すると、CmaxおよびAUCとも、PEの絶対値が、20以下であり、予測値と実測値が良好に一致していることが明らかとなった。一方、溶出試験の結果を使用せずに予測したCmaxのPEの絶対値が、20以上であり、実測値と予想値が一致していないことが明らかとなった。
Figure 0007603582000006


4.テグレトール錠200mg(原薬:カルバマゼピン)の溶出試験
1)溶出試験法(パドル法、溶出試験第2法)
第17改正日本薬局方 溶出試験法に記載の溶出試験装置(富山産業株式会社製)のベッセル(底部が半円球の円筒形、容積:1L、高さ:約170mm、内径は約100mm)内に、溶出試験に用いるための網(直径:72mm、外径:72mm、内径:60mm、厚さ:0.37mm)を、攪拌翼の最下部から25mm下部、ベッセルの底部から16mm上部の位置に配置した。その後、空腹時人工小腸液(FaSSIF)(pH約6.5)900mLをベッセル内に入れ、水温を37±0.5℃とし、網の上に、テグレトール錠200mg(田辺三菱製薬株式会社製)を載置した。溶出試験の条件は、実施例1の通りである。なお、本溶出試験は、3反復おこなった。
溶出試験は、本発明の網を配置した溶出試験(実施例4)、本発明の網を配置しない溶出試験(比較例6)である。

2)分析方法
試料溶液および標準溶液を以下の分析条件で液体クロマトグラフィーにより測定を行い、化合物を測定した。
(分析条件)
カラム:AQUITY UPLC CSH C18,1.7 μm 2.1×50 mm (Waters製)
カラム温度:40℃
移動相の流量:0.4 mL/分
検出器:UV検出器(測定波長:286nm)
移動相A:50mMギ酸アンモニウム水溶液
移動相B:アセトニトリル
移動相比率:移動相A/移動相B=70:30

3)PK予測試験
PK予測ソフトGastroPlus(商標)9.6(SimulationPlus社製)を用い、表7及び表8に示すパラメータをインプットした。なお、対照として、溶出試験のデータをインプットせず、溶液製剤として投薬した場合の予測曲線も算出した。
Figure 0007603582000007
Figure 0007603582000008
(実験結果)
1)溶出試験
3反復の溶出率の平均値および標準偏差の推移を図10に、溶出率の平均値、標準偏差、CV%の数値を表9にそれぞれ示す。
Figure 0007603582000009

比較例6製剤の溶出試験初期の溶出挙動は、実施例4製剤に比べ、低く推移した。また、比較例6製剤の溶出試験の溶出率の標準偏差やCV(%)は、実施例4製剤に比べ大きく、溶出試験における溶出率のばらつきが大きいことが明らかとなった。試験終了後、実施例4製剤は、コーニングが生じていなかったが、比較例6製剤は、溶出試験容器の底に、コーニングが生じていた。
2)PK予測試験
実施例4製剤のPK予測による血中濃度のグラフを図11に、PKの予測値のPE(%、実測に対する予測誤差)を表10にそれぞれ示す。図11および表10の「溶出過程あり」とは、本発明の溶出試験用網を用いて、溶出試験をおこなって得たデータをインプットして予測した場合、「溶出過程なし」とは、溶出データをインプットせず、溶液製剤として投薬したと仮定して予測した場合である。PEの絶対値が、20以下であると、予測値と実測値が良好に一致していることになる.本発明の網を使用して溶出試験を行い、血中濃度の予測値と、血中濃度の実測値を比較すると、CmaxおよびAUCとも、PEの絶対値が、20以下であり、予測値と実測値が良好に一致していることが明らかとなった。一方、溶出試験の結果を使用せずに予測したCmaxのPEの絶対値が、20以上であり、実測値と予想値が一致していないことが明らかとなった。
Figure 0007603582000010


溶出試験装置のベッセル内に、本発明の網を配置し、当該網の上に、懸濁剤または固形製剤を投入または載置した場合、消化管内の溶出性に即して、パドルの回転数が低速であっても、製剤から薬物が溶出することが明らかとなった。また、複数の同一製剤の溶出率を測定しても、溶出率のばらつきがほとんどなかった。本発明の網、当該網を配置したベッセルおよび溶出試験装置によって、消化管内における難水溶性薬物や不溶性添加剤を含有する製剤からの薬物の溶出率を測定することができる。

Claims (10)

  1. 懸濁剤または固形製剤の溶出試験のために網を使用する方法であって、当該網の直径が10~95mmであり、かつ当該網の目開きが2~200メッシュであり、日本薬局方、米国薬局方または欧州薬局方の溶出試験法で規定するベッセルまたは溶出試験で用いるベッセル、および攪拌翼と回転軸からなるパドルを備えた溶出試験装置において、当該網を攪拌翼の最下部から下方、かつベッセルの底面から上方の位置に配置当該網上に懸濁剤または固形製剤を投入または載置する、の使用方法
  2. 、攪拌翼の最下部から5~35mm下方の位置に配置る請求項1記載の網の使用方法
  3. 、ベッセルの底面から1~30mm上方の位置に配置る請求項1記載の網の使用方法
  4. 、攪拌翼の最下部から5~35mm下方の位置に配置、かつベッセルの底面から1~30mm上方の位置に配置する請求項2または3記載の網の使用方法
  5. に縁部を設けた網を用いる、請求項1~のいずれかに記載の網の使用方法
  6. 部を設けた網を用いる、請求項1~のいずれかに記載の網の使用方法
  7. 溶出試験における、懸濁剤または固形製剤のコーニングを防止するための請求項1~のいずれかに記載の網の使用方法
  8. 上に、シンカーに入れた懸濁剤または固形製剤を投入または載置する、請求項1~7のいずれかに記載の網の使用方法。
  9. 懸濁剤または固形製剤の溶出試験の方法であって、日本薬局方、米国薬局方または欧州薬局方の溶出試験法で規定するベッセルまたは溶出試験で用いるベッセル、および攪拌翼と回転軸からなるパドルを備えた溶出試験装置において、網を攪拌翼の最下部から下方、かつベッセルの底面から上方の位置に配置し、当該網上に懸濁剤または固形製剤を投入または載置し、当該網の直径が10~95mmであり、かつ当該網の目開きが2~200メッシュである、溶出試験の方法。
  10. ドルの回転数を10~75rpmとする、請求項記載の方法。
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