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JP7606735B2 - 硬化材料の取り扱い方法及び硬化材料パッケージ - Google Patents
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Description

本発明は、硬化前の接着剤若しくは樹脂からなる硬化材料の取り扱い方法に関する。本発明は、この硬化材料と、この硬化材料を保存することが可能な容器とを含む硬化材料パッケージに関する。本発明は、接着剤によって接着された接着構造に関する。
2液性エポキシ接着剤や繊維強化複合材料(FRPs:Fiber Reinforced Plastics)の母相などに多用されるエポキシ樹脂、あるいはベンゾオキシ系樹脂は、アミン類等の硬化剤と混合されることにより、エポキシ基やベンゾオキシ基が開環し、重合することにより硬化する。
しかし、樹脂そのものに吸湿性がある上に硬化剤の多くは水溶性であるため、冷凍状態で氷が成長し、常温に戻った際に水滴となる。あるいは、冷凍保管庫から取り出した際の結露により、水分が内包・付着・吸収されると硬化剤が水中に溶出するため樹脂―硬化剤の当量比が不整合となる。その結果、重合が不良となることから硬化や接着の不良をもたらすおそれがある。
同様に、シアノアクリレート系接着剤、いわゆる瞬間接着剤では、水分の存在が重合反応を引き起こすため水の凝固点以下の冷凍庫で保管される。その結果、常温に戻り切らないまま露点以下の低温状態で使用される場合には結露を生じ、急速な硬化を生じて性能が低下する、あるいは被接着物と接触しないまま硬化してしまい接着力を発現しないおそれがある。
この様な、結露や含水の影響を回避する従来手法の代表的なものとして、乾燥空気や窒素ガスを吹き付けつつ常温に戻す、冷凍保管庫から取り出す際に乾燥雰囲気庫に入れて常温に戻るまで待つ、乾燥剤と同封する、真空パックされている樹脂の場合にはパックを開封せずに常温まで戻した後に開封する、等が行われている。
東レ株式会社、「トレカ(登録商標)プリプレグ」、[online]、[2020年8月3日検索]、インターネット〈https://www.torayca.com/download/pdf/prepreg.pdf〉 東亞合成株式会社、「瞬間接着剤アロンアルファ(登録商標)」、[online]、[2020年8月3日検索]、インターネット〈http://www.toagosei.co.jp/products/functional/catalog/pdf/index_pdf_01.pdf〉
従来技術では、間接的な手法で乾燥状態を維持する様に想定しているものの、樹脂や接着剤中及び表面の水分量を直接コントロールしていない。このため、乾燥状態であることを確実に保証する手法が求められる。
また、結露等を抑制することに成功した場合に於いても、樹脂中の水分が集合して氷結した箇所が解凍することにより液相に転じ、液滴を含んでいる状態となることから、水分の悪影響が生じていた。
さらに、乾燥剤、乾燥空気や窒素が高コストとなる問題があった。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、硬化前の接着剤若しくは樹脂からなる硬化材料の水分量を低減させ、結露を抑止しつつ、安価かつ簡便に乾燥状態を保障することにある。
本発明の一形態に係る硬化材料の取り扱い方法は、
水溶性の硬化剤により硬化される硬化前の接着剤若しくは樹脂、又は水分と重合反応する硬化前の接着剤若しくは樹脂からなり、吸湿性を有する硬化材料を真空容器に入れ、真空凍結乾燥し、
前記真空容器中で取り出し環境における露点を超える温度とした後に前記硬化材料を前記真空容器から取り出して硬化させる。
本発明によれば、吸湿性を有する硬化材料を真空凍結乾燥するため、硬化材料の水分量が極めて低くなる。さらに、露点を超える温度としてから硬化材料を硬化させるため、硬化材料が結露しない。これにより、吸湿性を有する硬化材料が水中に溶出することが無い。その結果、硬化後の硬化材料の力学的特性を高くすることができる。
前記硬化材料を前記真空容器中で露点を超える温度とする工程は、前記硬化材料の温度をモニターしながら前記硬化材料を加熱する。
本発明によれば、硬化材料の温度をモニターしながら硬化材料を加熱するため、容易かつ安定的に、適切な温度まで硬化材料を加熱することができる。
前記硬化材料を前記真空容器中で露点を超える温度とした後に前記真空容器中で30℃前後まで二次加熱し、その後前記硬化材料を前記真空容器から取り出して硬化させる。
本発明によれば、硬化材料を二次加熱するため、硬化材料中の水分をさらに確実に除去することができる。
前記二次加熱した前記硬化材料を前記真空容器から取り出してそのまま焼成工程に移し、焼成して硬化させる。
本発明によれば、硬化材料を取り出し後すぐに焼成して硬化させることで、焼成後の硬化材料の力学的特性を高くすることができる。
前記硬化材料は、エポキシ接着剤、エポキシ樹脂、ベンゾオキシ系接着剤、ベンゾオキシ系樹脂、シアノアクリレート樹脂又はシアノアクリレート系接着剤である。
これらの硬化材料は、吸湿性を有する。吸湿性を有する硬化材料を真空凍結乾燥するため、硬化材料の水分量が極めて低くなる。さらに、露点を超える温度としてから硬化材料を硬化させるため、硬化材料が結露しない。これにより、吸湿性を有する硬化材料が水中に溶出することが無い。その結果、硬化後の硬化材料の力学的特性を高くすることができる。
前記エポキシ接着剤は、ビスフェノールA型の接着剤である。
前記ビスフェノールA型の接着剤は、塩素を含んでもよい。
本発明の一形態に係る硬化材料パッケージは、
水溶性の硬化剤により硬化される硬化前の接着剤若しくは樹脂、又は水分と重合反応する硬化前の接着剤若しくは樹脂からなり、吸湿性を有する、真空凍結乾燥された硬化材料と、
前記硬化材料を真空凍結保存することが可能な真空容器と
を具備する。
これにより硬化材料パッケージを、硬化材料を使用する地点まで搬送し、硬化材料を使用する地点で、硬化材料パッケージを真空容器から出して使用できる。このため、硬化材料を使用する地点では、変質の無い硬化材料を使用することができる。
前記真空凍結乾燥された硬化材料は、真空凍結乾燥される工程を経ることなく硬化された硬化材料と比べ硬化後の破壊靭性値が1.2倍以上である。
硬化材料を真空凍結乾燥することにより、硬化材料の硬化後の破壊靭性値が向上する。
前記真空凍結乾燥された硬化材料は、ビスフェノールA型の接着剤である。
本発明の一形態に係る接着構造は、
ビスフェノールA型の接着剤によって接着された接着構造であって、真空凍結乾燥される工程を経ることなく硬化された前記硬化材料と比べ破壊靭性値が1.2倍以上である。
本発明によれば、硬化前の接着剤若しくは樹脂からなる硬化材料の水分量を低減させ、結露を抑止しつつ、安価かつ簡便に乾燥状態を保障することを図れる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本発明中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本発明の一実施形態に係る硬化材料の取り扱い方法を示すフローチャートである。 硬化材料の取り扱い方法を模式的に示す。 硬化材料パッケージの一例を示す。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
I.第1の実施形態
1.硬化材料の取り扱い方法
図1は、本発明の一実施形態に係る硬化材料の取り扱い方法を示すフローチャートである。図2は、硬化材料の取り扱い方法を模式的に示す。
ステップS1:硬化材料の準備
硬化材料を準備する。硬化材料は、吸湿性を有する。硬化材料は、水溶性の硬化剤により硬化される硬化前の接着剤若しくは樹脂からなる。あるいは、硬化材料は、水分と重合反応する硬化前の接着剤若しくは樹脂からなる。硬化材料は、合成樹脂、接着剤、フィルム状接着剤、瞬間接着剤である。具体的には、硬化材料は、エポキシ接着剤、エポキシ樹脂、ベンゾオキシ系接着剤、ベンゾオキシ系樹脂、シアノアクリレート樹脂又はシアノアクリレート系接着剤である。エポキシ接着剤は、ビスフェノールA型の接着剤である。ビスフェノールA型は、塩素を含んでもよい。硬化材料は、例えば、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)プリプレグロールである。CFRPプリプレグロールは、ボビン(芯材)に巻かれたロール状のCFRPプリプレグ(炭素繊維に樹脂を含浸させたシート状の材料)である。プリプレグは、航空機の胴体、主翼、尾翼等の主構造部材や、船舶や潜水艦のスクリュー等に使用される材料である。
ステップS2:硬化材料の冷凍
硬化材料が硬化しないように、硬化材料を冷凍する。具体的には、硬化材料を、―18℃~―24℃程度の冷凍庫に保管することにより冷凍する。硬化材料は、―18℃以下程度で冷凍すればよい。―18℃程度の冷凍庫で、硬化材料を半年間程度保管することができる。好ましくは、硬化材料は、―20℃以下で冷凍する。
ステップS3:硬化材料の真空凍結乾燥(フリーズドライ)
硬化材料を、冷凍庫から取り出す。硬化材料を真空容器に入れる。真空容器は、硬化材料を真空パック状態で真空凍結保存することが可能な容器(包装容器)である。冷凍状態の硬化材料の所定位置に、温度センサ(例えば、熱電対)を装着する。温度センサを装着した冷凍状態の硬化材料を、真空凍結乾燥器に入れる。真空ポンプで、真空凍結乾燥器内を減圧する。すると、真空凍結乾燥器内で、冷凍状態の硬化材料に含まれる氷が昇華して水蒸気になり、硬化材料に含まれる水分が除去される。真空凍結乾燥器は、コールドトラップ(冷却トラップとも呼ばれる)を有する。コールドトラップは、冷凍庫の一部であってもよい。コールドトラップは、真空凍結乾燥器内の水蒸気を除去する。温度センサを用いて、硬化材料の温度をモニターしながら、真空凍結乾燥器内を徐々に加熱する。硬化材料の温度が露点(真空凍結乾燥器内の露点)を上回ったことを確認した後、30℃程度(硬化材料に影響のない温度)まで二次加熱(二次乾燥)を行う。二次加熱により、硬化材料に残留する水(分子間で結合されている水)が蒸発し、硬化材料に含まれる水分がさらに除去される。これにより、真空容器に入れられた硬化材料が真空凍結乾燥(フリーズドライ)される。その結果、硬化材料パッケージが作製される。
図3は、硬化材料パッケージの一例を示す。
硬化材料パッケージ10は、真空凍結乾燥された硬化材料11が真空容器12に封入されたパッケージである。真空凍結乾燥前の硬化材料がプリプレグ等のジェル状の樹脂である場合、真空凍結乾燥された硬化材料11は、微細な多孔質排気流路を有する。硬化材料11は、ボビン(芯材)に巻かれたロール状のCFRPプリプレグである。
ステップS4:取り出し
硬化材料パッケージを真空凍結乾燥器から取り出す。硬化材料を使用する地点まで搬送してもよい。
ステップS5:硬化材料の使用
硬化材料パッケージを、恒温槽に入れる。恒温槽内を加熱することにより、硬化材料パッケージに含まれる真空凍結乾燥された硬化材料を加熱する。硬化材料の温度をモニターしながら硬化材料を加熱する。例えば、真空容器(包装容器)内の真空パック状態の硬化材料の温度を測定できる硬化材料パッケージの所定位置に、温度センサ(例えば、熱電対)を装着し、温度センサを用いて、硬化材料の温度をモニターしながら、恒温槽内を徐々に加熱する。加熱により、真空パック状態の硬化材料を、真空容器(包装容器)中で、取り出し環境(大気圧)における露点を超える温度とする。その後、真空パック状態の硬化材料を、真空容器(包装容器)中で30℃前後まで二次加熱することにより、硬化材料を解凍する。硬化材料パッケージを、恒温槽から取り出す。硬化材料パッケージの真空容器(包装容器)から、真空凍結乾燥された硬化材料を取り出す。真空凍結乾燥された硬化材料をそのまま焼成工程に移し、焼成して硬化や接着作業を実施する。
このとき、硬化材料は乾燥状態にあり、かつ、露点よりも高い温度であるため、結露することもない。その結果、液相の水分に伴う硬化剤の溶出や重合反応等、硬化や接着への悪影響が解決される。これにより、経験の乏しい作業員が実施する場合であっても、水分に起因する硬化不良や重合不良、接着不良を完全かつ簡便に回避することが出来る。
2.比較試験
硬化材料として、「3M社製AF555M ビスフェノールA型(塩素を含む)エポキシ系接着剤」を使用した。CFRP材として、「東レ株式会社製T800S/3900-2B 8枚積層1方向材」を使用した。真空凍結乾燥器として、「東京理化器械株式会社製EYELA FDU-1200型凍結乾燥器」を使用した。分析計測機器として、「島津製作所製オートグラフAG-X万能試験機」を使用した。試験方法として、JIS K7086 「炭素繊維強化プラスチックの層間破壊靭性試験方法」にて記載されるDCB(Double Cantilever Beam)試験法を使用した。
実施例として、硬化材料「3M社製AF555M ビスフェノールA型(塩素を含む)エポキシ系接着剤」を、本実施形態に係る硬化材料の取り扱い方法(図1のステップS1乃至S5)に従って、-20℃程度で冷凍後、真空凍結乾燥し、解凍した。解凍後の硬化材料の水分含有量を、カールフィッシャー水分計で計測すると、0.1%程度であった。真空凍結乾燥後に解凍した硬化材料を、2個のCFRP材の間に挟み、焼成して硬化させて2個のCFRP材を接着することにより、実施例に係る接着構造を作製した(フリーズドライ法を用いた乾燥処理施工)。
比較例として、同じ硬化材料「3M社製AF555M ビスフェノールA型(塩素を含む)エポキシ系接着剤」を、-20℃程度で冷凍し、解凍した。硬化材料は、解凍時に大気中の水分を吸湿する。解凍後の硬化材料の水分含有量を、カールフィッシャー水分計で計測すると、1%程度であった。冷凍後に解凍した硬化材料を、2個のCFRP材の間に挟み、焼成して硬化させて2個のCFRP材を接着することにより、比較例に係る接着構造を作製した(通常施工)。
測定にあたっては、測定に不可避のばらつきがあることを考慮して、試験片は3サンプル以上作成してそれらの平均値を測定値とすることが望ましい。従って、実施例に係る接着構造の3本の試験片と、比較例に係る接着構造の3本の試験片と、を含む計6本の試験片を製造し、3本ずつの平均値を測定値として比較対象とした。実施例に係る接着構造の試験片と、比較例に係る接着構造の試験片の製造条件は、本実施形態に係る硬化材料の取り扱い方法を除き同一である。計6本の試験片をJIS K7086が指示する同一の条件で試験を行った。破壊靭性値GICの算出には、JIS K7086が推奨する修正コンプライアンス較正法を用いた。表1は破壊靭性値(kJ/m)を示す。
Figure 0007606735000001
表1の上3段に示すように、比較例に係る接着構造の3本の試験片の破壊靭性値GICは、0.679(kJ/m)、0.773(kJ/m)、0.599(kJ/m)であった。実施例に係る接着構造の3本の試験片の破壊靭性値GICは、1.087(kJ/m)0.941(kJ/m)、0.974(kJ/m)であった。表1の最下段に示すように、比較例に係る接着構造の3本の試験片の破壊靭性値GICの平均値は0.684(kJ/m)であり、実施例に係る接着構造の3本の試験片の破壊靭性値GICの平均値は1.001(kJ/m)であった。真空凍結乾燥された硬化材料(実施例)は、真空凍結乾燥される工程を経ることなく硬化された硬化材料(比較例)と比べ硬化後の破壊靭性値がおよそ1.46倍となった(46%向上した)。以上より、真空凍結乾燥した硬化材料を用いることにより、力学的特性が向上したことがわかる。
II.第2の実施形態
第1の実施形態は、硬化材料を真空容器(硬化材料を真空凍結保存することが可能な容器)に入れ、真空容器に入れた硬化材料を真空凍結乾燥することにより、硬化材料パッケージ(真空凍結乾燥された硬化材料が真空容器に封入されたパッケージ)を作製する。この硬化材料パッケージは、硬化材料を使用する地点まで搬送してもよい。硬化材料の使用時に、硬化材料パッケージに封入された硬化材料が解凍される。これに対して、第2の実施形態は、冷凍した硬化材料を、使用時に、真空凍結乾燥及び解凍する。ユースケースとしては、冷凍状態の硬化材料を、硬化材料を使用する地点まで搬送し、硬化材料を使用する地点で、硬化材料を真空凍結乾燥及び解凍する。従って、第2の実施形態では、硬化材料パッケージを必ずしも作製しなくてもよい。以下の説明において、すでに説明した点は説明を省略し、異なる点を中心に説明する。第2の実施形態では、真空凍結乾燥器が真空容器(硬化材料を真空凍結保存することが可能な容器)に相当する。
図1を参照する。ステップS1(硬化材料の準備)及びステップS2(硬化材料の冷凍)は第1の実施形態の工程と同じである。
ステップS3:硬化材料の真空凍結乾燥(フリーズドライ)
硬化材料を、冷凍庫から取り出す。冷凍状態の硬化材料の所定位置に、温度センサ(例えば、熱電対)を装着する。温度センサを装着した冷凍状態の硬化材料を、真空凍結乾燥器に入れる。真空ポンプで、真空凍結乾燥器内を減圧する。すると、真空凍結乾燥器内で、冷凍状態の硬化材料に含まれる氷が昇華して水蒸気になり、硬化材料に含まれる水分が除去される。真空凍結乾燥器は、コールドトラップ(冷却トラップとも呼ばれる)を有する。コールドトラップは、冷凍庫の一部であってもよい。コールドトラップは、真空凍結乾燥器内の水蒸気を除去する。温度センサを用いて、硬化材料の温度をモニターしながら、真空凍結乾燥器内を徐々に加熱する。硬化材料の温度が露点(取り出し環境(大気圧)における露点)を上回ったことを確認した後、30℃程度(硬化材料に影響のない温度)まで二次加熱(二次乾燥)を行う。二次加熱により、硬化材料に残留する水(分子間で結合されている水)が蒸発し、硬化材料に含まれる水分がさらに除去される。これにより、硬化材料が真空凍結乾燥(フリーズドライ)される。
ステップS4:取り出し
真空凍結乾燥された硬化材料を真空凍結乾燥器から取り出す。
ステップS5:硬化材料の使用
真空凍結乾燥された硬化材料をそのまま焼成工程に移し、焼成して硬化や接着作業を実施する。
III.結語
第1及び第2の実施形態によれば、硬化材料を真空凍結乾燥するため、硬化材料の水分含有量が極めて低い。このため、真空凍結乾燥された硬化材料の解凍時に、硬化材料が結露せず、霜や水滴がつかない。これにより、吸湿性を有する硬化材料が水分を内包・付着・吸収しないため、硬化材料が水中に溶出しない。このため、硬化材料に含まれる材質の当量比が、整合な値を保つ。言い換えれば、硬化材料が変質しにくい。その結果、重合が不良となりにくく、硬化や接着の不良をもたらしにくい。また、真空凍結乾燥の工程では、冷凍庫から真空凍結乾燥器へ入れて、硬化材料の温度をモニターすればよいため、未熟な作業員でも容易に熟練工並みの乾燥状態が達成される。硬化材料を真空凍結乾燥することにより、結露を排除し、さらに、硬化材料に最初から含まれていた僅かな水分も脱水できる。このように事後的に真空凍結乾燥で硬化材料を脱水するため、硬化材料の製造工程(冷凍前)に於いても、高価な乾燥処理や脱水処理が不要となる。このため、化学反応時に水を生ずる安価な合成プロセスを採用することが出来る様になるため、硬化材料の製造コストが低減される。本実施形態は、冷蔵及び冷凍を要する硬化材料を使用するあらゆる分野で使用可能である。例えば、FRPプリプレグ及び接着剤を使用する製造業、メンテナンス、修理、オーバーホールなどの技術分野で、本実施形態を利用可能である。
本技術の各実施形態及び各変形例について上に説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
10:硬化材料パッケージ
11:真空凍結乾燥された硬化材料
12:真空容器
S1:硬化材料の準備
S2:硬化材料の冷凍
S3:硬化材料の真空凍結乾燥
S4:取り出し
S5:硬化材料の使用

Claims (8)

  1. 水溶性の硬化剤を含み、前記水溶性の硬化剤により硬化される硬化前の接着剤若しくは樹脂からなり、吸湿性を有する硬化材料、又は
    水分と重合反応する硬化前の接着剤若しくは樹脂からなり、吸湿性を有する硬化材料
    を真空容器に入れ、真空凍結乾燥し、
    前記真空容器中で取り出し環境における露点を超える温度とした後に前記硬化材料を前記真空容器から取り出して硬化させる
    硬化材料の取り扱い方法。
  2. 請求項1に記載の硬化材料の取り扱い方法であって、
    前記硬化材料を前記真空容器中で露点を超える温度とする工程は、前記硬化材料の温度をモニターしながら前記硬化材料を加熱する
    硬化材料の取り扱い方法。
  3. 請求項1又は2に記載の硬化材料の取り扱い方法であって、
    前記硬化材料を前記真空容器中で露点を超える温度とした後に前記真空容器中で30℃前後まで二次加熱し、その後前記硬化材料を前記真空容器から取り出して硬化させる
    硬化材料の取り扱い方法。
  4. 請求項3に記載の硬化材料の取り扱い方法であって、
    前記二次加熱した前記硬化材料を前記真空容器から取り出し、焼成して硬化させる
    硬化材料の取り扱い方法。
  5. 請求項1から4のうちいずれか1項に記載の硬化材料の取り扱い方法であって、
    前記硬化材料は、エポキシ接着剤、エポキシ樹脂、ベンゾオキシ系接着剤、ベンゾオキシ系樹脂、シアノアクリレート樹脂又はシアノアクリレート系接着剤である
    硬化材料の取り扱い方法。
  6. 請求項5に記載の硬化材料の取り扱い方法であって、
    前記エポキシ接着剤は、ビスフェノールA型の接着剤である
    硬化材料の取り扱い方法。
  7. 水溶性の硬化剤を含み、前記水溶性の硬化剤により硬化される硬化前の接着剤若しくは樹脂からなり、吸湿性を有する、真空凍結乾燥された硬化材料、又は
    水分と重合反応する硬化前の接着剤若しくは樹脂からなり、吸湿性を有する、真空凍結乾燥された硬化材料と、
    前記硬化材料を真空凍結保存することが可能な真空容器と
    を具備し、
    前記真空凍結乾燥された硬化材料が前記真空容器に封入された
    硬化材料パッケージ。
  8. 請求項7に記載の硬化材料パッケージであって、
    前記真空凍結乾燥された硬化材料は、ビスフェノールA型の接着剤である
    硬化材料パッケージ。
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