JP7607002B2 - ケイ酸アルカリ水溶液およびその製造方法 - Google Patents
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Description
・化学式A
2NaOH+nSiO2 → Na2O・nSiO2+H2O n:モル比
(ケイ酸ナトリウム水溶液)
・化学式B
Na2CO3+nSiO2 → Na2O・nSiO2+CO2 n:モル比
(ケイ酸ナトリウムカレット)
[1]
質量%表示でSiO2濃度に対するP2O5濃度の比P2O5/SiO2が1.0×10-3以上であり、SiO2濃度が8.9質量%~16.7質量%であり、光路長1cm、波長500nmにおける透過率(%T)が65%以上である、ケイ酸アルカリ水溶液。
[2]
モル%表示で(Na2O+K2O)濃度に対するSiO2濃度の比SiO2/(Na2O+K2O)が2.8~3.5である、[1]に記載のケイ酸アルカリ水溶液。
[3]
モル%表示でNa2O濃度に対するK2O濃度の比K2O/Na2Oが0.03~0.30である、[1]又は[2]に記載のケイ酸アルカリ水溶液。
[4]
目開き1μmのフィルタでケイ酸アルカリ水溶液をろ過した際に、フィルタ上に捕捉される固形分量が、ろ過前のケイ酸アルカリ水溶液の質量に対して100質量ppm未満である、[1]~[3]のいずれか1つに記載のケイ酸アルカリ水溶液。
[5]
湿式法シリカの原料として利用される、[1]~[4]のいずれか1つに記載のケイ酸アルカリ水溶液。
[6]
シリカ成分を含む植物灰、水酸化ナトリウムおよび水を混合して得られた原料ケイ酸アルカリ水溶液を、目開き50μm未満のフィルタによるろ過処理および吸着材を用いた吸着処理の一方または両方に供してケイ酸アルカリ水溶液を得ることを含む、ケイ酸アルカリ水溶液の製造方法。
[7]
植物灰がもみ殻灰である、[6]に記載のケイ酸アルカリ水溶液の製造方法。
本発明のケイ酸アルカリ水溶液は、質量%表示でSiO2濃度に対するP2O5濃度の比P2O5/SiO2が1.0×10-3以上であり、SiO2濃度が8.9質量%~16.7質量%であり、光路長1cm、波長500nmにおける透過率(%T)が65%以上である、ケイ酸アルカリ水溶液である。
本発明のケイ酸アルカリ水溶液の製造方法は、シリカ成分を含む植物灰、水酸化ナトリウムおよび水を混合して得られた原料ケイ酸アルカリ水溶液を、目開き50μm未満のフィルタによるろ過処理および吸着材を用いた吸着処理の一方または両方に供してケイ酸アルカリ水溶液を得ることを含む。この製造方法により、上述した本発明のケイ酸アルカリ水溶液を得ることができる。
本発明のケイ酸アルカリ水溶液を製造する際に使用する植物灰は、シリカ成分を含む植物材料の燃焼灰である。植物材料の種類および部位は、シリカ成分を含む植物および部位であれば、特に制限されない。シリカ成分を含む植物としては、例えば稲(稲わら、もみ殻)、麦、サトウキビ、竹などイネ科の植物が挙げられる。汚泥付着等の汚染が少なく、集積所に集まり、入手が容易である等の理由から、脱穀後のもみ殻(米殻)が最も好ましい。
このような方法によれば、植物灰の品質が安定しやすいため、本発明のケイ酸アルカリ水溶液のシリカ源としてより良好な植物灰となる。
本発明の製造方法において使用する水酸化ナトリウムおよび水は公知のものを使用できる。水酸化ナトリウム水溶液と植物灰を混合する態様において、水酸化ナトリウム水溶液の濃度は、特に制限されず、公知のものを使用することができる。一般的には、ケイ酸アルカリ水溶液の生産性の観点から、可能な限り高濃度の水酸化ナトリウム水溶液と植物灰を混合し、その後、所望のSiO2濃度になるように水で希釈することが好ましい。一方、植物灰は見かけ密度が非常に小さいため、水酸化ナトリウム水溶液の濃度が高すぎると、植物灰を水酸化ナトリウム水溶液へ投入しにくい場合がある。植物灰および水酸化ナトリウム水溶液を混合しやすくする観点から、水酸化ナトリウム水溶液の濃度は20質量%以下であることが実際的であり、15質量%以下または10質量%以下であっても良い。
本発明のケイ酸アルカリ水溶液は、シリカ成分を含む植物灰、水酸化ナトリウムおよび水を混合して得られる。植物灰、水酸化ナトリウムおよび水の混合の順序は特に制限されない。植物灰と水酸化ナトリウムを同時にまたは個別に水に入れてもよく、植物灰と水酸化ナトリウムの混合物を水に入れてもよく、水酸化ナトリウムを水に溶かした水酸化ナトリウム水溶液に植物灰を入れてもよく、植物灰を水に溶かした水溶液に水酸化ナトリウムを入れてもよい。
本発明のケイ酸アルカリ水溶液は、シリカ源の一部に、砂由来(珪砂や珪石、ケイ酸白土など)のシリカ材料を使用しても良い。湿式法シリカの品質を重視する場合には、砂由来のシリカ材料の割合を増やすことができ、環境への配慮(植物灰の再利用)を重視する場合には、植物灰の割合を増やすことができる。環境への配慮の観点から、植物灰を可能な限り多く使用することが好ましい。シリカ源中の植物灰の割合は、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。原料ケイ酸アルカリ水溶液の調製において、シリカ源として砂由来のシリカ材料を使用せず、植物灰の量を100質量%とすることもできる。
本発明のケイ酸アルカリ水溶液は、湿式法シリカ製造用の原料として使用することができる。本発明のケイ酸アルカリ水溶液は植物灰由来であるにもかかわらず、上記透過率(%T)が65%以上であり、着色原因となる不純物や異物の含有量が少ない。本発明のケイ酸アルカリ水溶液を原料として使用することにより、植物灰を使用して製造されたにも関わらず、従来の砂由来のケイ酸アルカリ水溶液を使用した場合と同程度に白色度が高い湿式法シリカの製造が可能である。また、本発明のケイ酸アルカリ水溶液は、不純物や異物の含有量が少ないため、不純物や異物の少ない高品質な湿式法シリカの製造が可能となる。
・化学式C(湿式法シリカの合成プロセスの例)
M2O・nSiO2+H2SO4 → nSiO2+M2SO4+H2O
ここで、Mはナトリウムおよびカリウムを含むアルカリを表し、nはモル比を表す。
植物灰を作製するための植物材料は、もみ殻と稲わらを用いた。もみ殻と稲わらは、125℃、2時間かけて充分乾燥させた。空気穴および蓋を備えた2mm厚のステンレス製匣鉢(300mm×300mm×115mm(高さ))に、500gのもみ殻(見掛け密度:約110g/L)または10cm程度にカットした250gの稲わらを入れ、これを2段重ねて卓上マッフル炉(型式:KDF S100G、(株)デンケン社製)にて空気雰囲気下で燃焼した。植物灰は、最大でも1回に200g前後しか得られないため、燃焼処理は必要な量の植物灰が得られるまで同一条件で複数回実施し、最後に混合した。また、900℃燃焼の際には、ステンレス製匣鉢に替えて、空気穴および蓋を備えたムライト製匣鉢(外寸210mm×210mm×70mm(高さ)、内寸194mm×194mm×56mm(高さ))を使用した。
●植物灰の白色度
白色度計(型式:NW-12 日本電色工業(株)社製)を用いて測定した。
炭素量は、酸素気流中燃焼-非分散赤外線吸収法による炭素分析装置(型式:CS744、LECOジャパン合同会社製)を用いて、温度1,350℃、酸素流入圧0.24MPa、測定時間50秒の条件で試料に加熱処理を行い、装置内の赤外線検出器(NDIR)でCOガスおよびCO2ガスを定量することにより測定した。植物灰は、前処理として105℃で2時間乾燥させた。
走査型蛍光エックス線分析装置(型式:ZSX PrimusII、リガク社製)を用いて、まず炭素を除く元素について定性分析を行い、検出された無機不純物の種類を確認し、その後、検出された無機不純物の定量分析を行った。測定試料は、植物灰をリング状の型に入れ加圧成型を行って作製したものである。定量した無機成分組成(炭素を除く)について、装置付属の解析ソフトで酸化物換算して濃度(質量%)を求めた。
125℃、2時間かけて十分に乾燥した後のもみ殻等の植物の質量に対する燃焼後の燃焼灰の質量%を測定した。
植物灰の見掛け密度は、JIS K5101-12-1:2004(顔料試験法-見掛け密度又は見掛け比容-静置法)に基づき、専用測定器(目開き0.5mmのふるい、漏斗、容量30mLのシリンダ受器、受器台及び漏斗台)を用いて求める。篩の上から刷毛で試料(植物灰)を漏斗に落とし、へらを用いて受器に山盛りに溜まった試料の山の部分を削り取り、その後、試料の質量を測定した。単位をg/Lとする植物灰の見掛け密度(かさ比重)を、その質量に基づいて次式によって算出した。
植物灰のかさ密度は、JIS K6220-1:2015(ゴム用配合剤-有機薬品-試験方法-第1部:全般)の「7.8 かさ密度」の項に基づき、専用測定器具(一般鋼材を用いて作製した内径22.00±0.05mm、内部深さ100mmのシリンダ、および外径21.80±0.05mm、長さ115mm、質量190gで内部に空洞のあるピストン)を用いて測定した。試料(植物灰)を入れる前のシリンダにピストンを自然に落下させて入れ、シリンダの上部に突出したピストンの高さを測定した。次いで、秤量した約1gの試料をシリンダに入れ、ピストンを5秒間かけて緩やかに落とし、木片でシリンダ側壁を軽くたたいてピストンをよくなじませ、シリンダの上部に突出したピストンの高さを測定した。シリンダ上部に突出したピストンの高さの変化とシリンダ内の底面積を用いて、単位をg/mLとするかさ密度(見掛比重)を次式によって算出した。
●一次処理(材料の混合とろ過)
撹拌装置を備えた3Lのステンレス容器に5.8質量%に調整した水酸化ナトリウム水溶液1,740gを投入し、85℃に加温した。続いて、撹拌を続けながら植物灰300gを試料液に投入し、85℃を維持したまま2時間かけて溶解し、試料液を室温まで冷却した。ここでは、植物灰に含まれるSiO2のうち90%が水酸化ナトリウム水溶液に溶解すると仮定し、目標SiO2濃度を12.0質量%と設定した。容量3Lの吸引ろ過瓶に150mmΦの磁性ブフナー漏斗(ヌッチェ)を取り付け、ポリエステル製平織ろ布(目開き約50μm×400μm)を使用し、試料液を吸引しながら粗ろ過を行って未溶解残渣を取り除いた。これにより、一次処理後のケイ酸アルカリ水溶液を得た。
一次処理後のケイ酸アルカリ水溶液について、以下に示す滴定法によりアルカリ濃度(Na2O+K2Oの質量%濃度)とSiO2濃度(質量%濃度)を測定した。
容量300mLのコニカルビーカーに1mgの単位まで正確に秤量した約2gの試料と約100mLの蒸留水を入れ、指示薬としてメチルオレンジ(0.1質量%水溶液)を2~3滴、試料液に加え、50mLビューレットを用いて1N-HClで滴定した。一滴で橙色を呈した点を終点とし、そのときの1N-HClの消費量から次式によってアルカリ濃度を求めた。
上記アルカリ濃度滴定終点液に、フッ化ナトリウム試薬5.0gを加え、よく振り混ぜた。その後、メチルレッドキシレンアノールFF指示薬約0.5mLを試料液に加え、1N-HClで滴定した。液が赤色を呈したときに更に1N-HClを2.0mL追加し、その滴定量a(mL)を記録した。ここで、メチルレッドキシレンアノールFF指示薬は、メチルレッド0.8gとキシレンシアノールFF0.2gをエタノール1,000mL中に溶解させたものである。
上記滴定法による測定結果に基づき、酸化物換算したときのSiO2濃度が目標SiO2濃度12.0質量%に近付くように、湿式法シリカおよび水の一方または両方を添加して成分の微調整を行った(追加溶解または追加加熱溶解)。本実施例および比較例においては、植物灰d、植物灰eおよび植物灰fをそれぞれ使用して得られたケイ酸アルカリ水溶液に二次処理を実施した。植物灰d由来のケイ酸アルカリ水溶液に対しては、湿式法シリカ(シリカ純度約93質量%、Nipsil LP、東ソー・シリカ社製)のみを添加し、加熱溶解を行ってSiO2濃度を調整した。植物灰e由来のケイ酸アルカリ水溶液に対しては、水および上記湿式法シリカを添加し、加熱溶解を行ってSiO2濃度を調整した。植物灰f由来のケイ酸アルカリ水溶液に対しては、上記湿式法シリカのみを添加し、加熱溶解を行ってSiO2濃度を調整した。植物灰fは、特許文献1に記載の方法に従って、空気過剰の状態において材料の流動なしに700℃で2時間もみ殻灰を燃焼した灰である。植物灰fの場合には、もみ殻の表面部分が先にガラス化し、ガラス化成分の多くは一次処理時の粗ろ過の残渣として除去される。したがって、植物灰dおよび植物灰eに比べて、SiO2濃度の調整に際し、より多くの湿式法シリカ量が必要であった。
珪砂由来のケイ酸ナトリウム水溶液:
容量5Lの圧力容器(オートクレーブ)に3,000gの水を仕込み、市販の珪砂を原料として製造された1,500gのケイ酸ナトリウムカレット(中モルグレード、Na2O:24.51%、SiO2:75.44%、純度99.9%以上、トクヤマ社製)を、圧力0.7MPaおよび温度160℃の条件下で60分間かけて溶解した。容器から2,000gのケイ酸ナトリウム水溶液を取り、これを水で2倍に希釈し、室温まで冷却した。その後、容量5Lの吸引ろ過瓶に150mmΦの磁性ブフナー漏斗(ヌッチェ)を取り付け、ポリエステル製平織ろ布(目開き約50μm×400μm)を使用して吸引しながら粗ろ過を行った。粗ろ過により未溶解残渣成分を取り除いて、珪砂由来のケイ酸ソーダ(ケイ酸アルカリ)水溶液を得た。
植物灰a~植物灰fをそれぞれ用いてケイ酸アルカリa~ケイ酸アルカリfを調製して、実施例1~実施例3ならびに比較例1~比較例3のケイ酸アルカリ水溶液を得た。参考例1のケイ酸アルカリ水溶液も含め、各水溶液について、下記の測定を行った。
目開き1μmのメンブレンフィルタ付きシリンジで抽出したケイ酸アルカリ水溶液試料を純水で希釈した。高分解能ICP発光分光分析装置(型式:PS3520DDII、(株)日立ハイテクサイエンス社製)を用い、各元素の検量線用標準液に基づいて試料の定量分析(単位:質量%)を行った。希釈倍率は、SiO2、Na2OおよびK2Oの定量分析のときは10,000倍(検量線用標準液:20質量ppm)、P2O5、CaO、MgO、Al2O3、Fe2O3、MnOの定量分析のときは1,000倍(検量線用標準液:10質量ppm)とした。
上記で測定したSiO2、Na2OおよびK2O質量濃度を、モル量に換算してSiO2/(Na2O+K2O)モル比とK2O/Na2Oモル比を求めた。具体的には、各成分のモル質量を60.08(SiO2)、61.98(Na2O)および94.19(K2O)とし、各モル比を次式により計算した。
市販の紫外可視分光光度計(型式:V-730、日本分光社製)を用いて波長200nm~800nmの透過率を測定した。測定では、ホウケイ酸ガラス製、光路長10mmの分光光度用標準セル(型式:S10-G-10、ジーエルサイエンス社製)を用い、純水での測定値を比較基準として行った。可視光波長(波長380nm~780nm)の中で着色の視認が容易な波長500nm(青と緑の境界付近)での透過率(%T)を、ケイ酸アルカリ水溶液の透過率(%T)とした。
湿式法シリカの原料とされるケイ酸アルカリ水溶液の未溶解残渣(目開き1μmのフィルタでろ過した際に、フィルタ上に捕捉される固形分量)を測定した。容量2Lの吸引ろ過瓶に110mmΦの磁性ブフナー漏斗(ヌッチェ)を取り付け、目開き1μmのろ紙(規格5C、ADVANTEC社製)を使用して1,000gのケイ酸アルカリ水溶液に対し吸引ろ過を行った。ろ過終了後、さらに1,000gの純水で洗浄し、箱型乾燥機により105℃で2時間乾燥した。その後、ろ紙上に捕捉された固形分の質量を求め、次式によって未溶解残渣の質量ppm濃度を求めた。
250mLのメスシリンダーに20±0.5℃に調整したケイ酸アルカリ水溶液を入れ、比重計(浮きばかり)を入れ静止した時点での目盛りを読み取った。
湿式法シリカであれば、ケイ酸アルカリ水溶液からシリカを析出するプロセスは基本的に全て同じ傾向を示すので、ケイ酸アルカリa~ケイ酸アルカリfをそれぞれ使用して、湿式法シリカのうち沈澱法シリカを下記方法により製造し、その物性を確認した(実施例1~実施例3、比較例1~比較例3)。加えて、珪砂由来のケイ酸ナトリウム水溶液を使用して沈澱法シリカを製造し、参考例1として品質を確認した。参考例1におけるケイ酸ナトリウムカレットおよびその水溶液は不純物を殆ど含まず、白色度の高い湿式法シリカの原料として広く一般に使用されている。物性は、下記表2に示す。
撹拌装置を備えた2Lのステンレス容器に、pHが11.8±0.2になるように温水495mLと試験に供するケイ酸アルカリ水溶液36mLを仕込み、75℃まで昇温した。温度とpHを維持するように撹拌を続けながらケイ酸アルカリ水溶液366mLと20質量%希硫酸約108mLを一定の流量で60分間かけて滴下した。その後、ケイ酸アルカリ水溶液の滴下を止め、pHが3になったら希硫酸の滴下も止めて中和反応を終了させた。容量2Lの吸引ろ過瓶に150mmΦの磁性ブフナー漏斗(ヌッチェ)を取り付け、目開き8μmのろ紙(規格5A、ADVANTEC社製)を使用して試料液に対し吸引ろ過を行い、更に600mLの純水で水洗し、125℃で8時間かけて静置乾燥を行い、これにより湿式法シリカ(沈澱法シリカ)を得た。
得られた湿式法シリカ粉末を乳鉢にて3分程度軽く再粉砕したのち、植物灰の白色度測定の場合と同一の方法で湿式法シリカの白色度を測定した。湿式法シリカの白色度が85以上である場合、高機能湿式法シリカとしての品質を満足するため、その原料であるケイ酸アルカリ水溶液をGOOD評価とし、湿式法シリカの白色度が85未満である場合、湿式法シリカは着色品(変色品)と判断し、その原料であるケイ酸アルカリ水溶液をNG評価とした。
全自動比表面積測定装置(型式:Macsorb HMmodel-1210、マウンテック社製)を用いて1点法で、湿式法シリカ粉末のBET比表面積を測定した。
植物灰の炭素量測定の場合と同一の方法で湿式法シリカ中の炭素量を測定した。
以下で説明するように、ケイ酸アルカリaおよびケイ酸アルカリbに対しろ過および吸着処理の一方または両方を実施して、湿式法シリカの品質に与える影響を評価した(ケイ酸アルカリ水溶液の実施例4および実施例5ならびに比較例4)。さらに、植物灰由来のケイ酸アルカリ水溶液と砂由来のケイ酸アルカリ水溶液とを混合した場合の品質確認を行った(ケイ酸アルカリ水溶液の実施例6~実施例8)。
容量3Lの吸引ろ過瓶に110mmΦの磁性ブフナー漏斗(ヌッチェ)を取り付け、ろ紙(目開き1μm、規格5C、ADVANTEC社製)を使用してケイ酸アルカリa(約2,000g)に対し吸引しながらろ過のみを行った。以下、上記ろ紙によるろ過を「5Cろ過」と称する。つまり、比較例4では、比較例1のケイ酸アルカリaに5Cろ過を実施して、ケイ酸アルカリ水溶液中に存在する固形異物を除去した。さらに、5Cろ過後のケイ酸アルカリaを原料として湿式法シリカを製造し、その品質を分析した。
ケイ酸アルカリa(約2,000g)に対し市販の粉末活性炭を20g投入し、24時間静して試料中の成分の吸着処理を実施した。その後、容量3Lの吸引ろ過瓶に150mmΦの磁性ブフナー漏斗(ヌッチェ)を取り付け、試料に対し5Cろ過を行った。つまり、実施例4では、比較例1のケイ酸アルカリaに吸着処理を実施して水溶液中の不純物を吸着除去し、かつ5Cろ過を実施してケイ酸アルカリ水溶液中に存在する固形異物を除去した。さらに、5Cろ過後のケイ酸アルカリaを原料として湿式法シリカを製造し、その品質を分析した。
容量3Lの吸引ろ過瓶に110mmΦの磁性ブフナー漏斗(ヌッチェ)を取り付け、ケイ酸アルカリb(約2,000g)に対し5Cろ過を行った。さらに、5Cろ過後のケイ酸アルカリbを原料として湿式法シリカを製造し、その品質を分析した。
実施例5で得た5Cろ過後のケイ酸アルカリ水溶液と、参考例1のケイ酸アルカリ水溶液とを4:6(実施例6:植物灰由来の水溶液が40質量%。以下同様)、6:4(実施例7)および8:2(実施例8)でそれぞれ混合したケイ酸アルカリ水溶液を製造した。さらに、それらのケイ酸アルカリ水溶液を原料として湿式法シリカを製造し、その品質を分析した。
表1に示す植物灰b~植物灰dの結果から、予備燃焼を行い、植物材料を充分に燃焼させることにより、植物灰中の不燃焼による炭素含有不純物が減少することが分かる。これに対し、植物灰aおよび植物灰eの結果から、燃焼温度が不充分であることにより、炭素含有不純物が多く残留することが分かる。また、植物灰fの結果から、予備燃焼なしに高温で燃焼する場合にも、炭素含有不純物が多く残留することが分かる。これは、高温燃焼により植物材料の表面がガラス化してしまい、酸素が充分に供給されない等の理由で材料内部では不燃焼状態になるためと考えられる。
Claims (11)
- 質量%表示でSiO2濃度に対するP2O5濃度の比P2O5/SiO2が1.0×10-3以上であり、SiO2濃度が8.9質量%~16.7質量%であり、光路長1cm、波長500nmにおける透過率(%T)が65%以上である、ケイ酸アルカリ水溶液。
- モル%表示で(Na2O+K2O)濃度に対するSiO2濃度の比SiO2/(Na2O+K2O)が2.8~3.5である、請求項1に記載のケイ酸アルカリ水溶液。
- モル%表示でNa2O濃度に対するK2O濃度の比K2O/Na2Oが0.03~0.30である、請求項1又は2に記載のケイ酸アルカリ水溶液。
- 目開き1μmのフィルタでケイ酸アルカリ水溶液をろ過した際に、フィルタ上に捕捉される固形分量が、ろ過前のケイ酸アルカリ水溶液の質量に対して100質量ppm未満である、請求項1又は2に記載のケイ酸アルカリ水溶液。
- 湿式法シリカの原料として利用される、請求項1又は2に記載のケイ酸アルカリ水溶液。
- シリカ成分を含む植物灰、水酸化ナトリウムおよび水を混合して得られた原料ケイ酸アルカリ水溶液を、目開き50μm未満のフィルタによるろ過処理および吸着材を用いた吸着処理の両方に供してケイ酸アルカリ水溶液を得ることを含む、ケイ酸アルカリ水溶液の製造方法。
- 前記ろ過処理の後に前記吸着処理を実施する、請求項6に記載のケイ酸アルカリ水溶液の製造方法。
- シリカ成分を含む植物灰、水酸化ナトリウムおよび水を混合して得られた原料ケイ酸アルカリ水溶液を、目開き50μm以上のフィルタによるろ過処理に供し、その後、目開き50μm未満のフィルタによるろ過処理および吸着材を用いた吸着処理の両方に供してケイ酸アルカリ水溶液を得ることを含む、ケイ酸アルカリ水溶液の製造方法。
- シリカ成分を含みかつ白色度が30以上である植物灰、水酸化ナトリウムおよび水を混合して得られた原料ケイ酸アルカリ水溶液を、目開き50μm未満のフィルタによるろ過処理に供してケイ酸アルカリ水溶液を得ることを含む、ケイ酸アルカリ水溶液の製造方法。
- シリカ成分を含みかつ白色度が30以上である植物灰、水酸化ナトリウムおよび水を混合して得られた原料ケイ酸アルカリ水溶液を、吸着材を用いた吸着処理に供してケイ酸アルカリ水溶液を得ることを含む、ケイ酸アルカリ水溶液の製造方法。
- 前記植物灰がもみ殻灰である、請求項6~10のいずれか1項に記載のケイ酸アルカリ水溶液の製造方法。
Priority Applications (4)
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