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JP7608017B2 - プレス成形金型及びプレス成形方法 - Google Patents
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本発明は、プレス成形金型及びプレス成形方法に関する。
図1に示す車体のサイドアウタパネル1は、通常、平置きした状態で上下からプレスして絞り成形を施すことで形成される。サイドアウタパネル1のドア開口部2の上部に設けられるルーフサイドレール3は、図2に点線で示すような負角部4を有しているため、上下方向にプレスする絞り成形では形成することができない。このため、サイドアウタパネル1を絞り成形した後、スライド型を用いた曲げ加工により負角部4を成形することが多い(例えば、下記の特許文献1参照)。
特開平8-164420号公報
上記のようなルーフサイドレール3を成形するスライド型は、ルーフサイドレール3に沿って車体前後方向に延びる長尺形状を成している。このような長尺のスライド型で、長手方向と直交する方向にワークをプレスすると、プレスの反力によりスライド型に撓みが生じることがある。長尺の金型に撓みが発生すると、金型の成形面間の隙間が過大あるいは過小となり、成形品質が低下する恐れがある。
例えば、長尺の金型の強度(剛性)を向上させれば、プレス時の撓みを抑制することができる。しかし、金型の強度を高めるためには、金型を高強度の材料で形成したり大型化したりする必要があるため、プレス成形金型のコストアップや大型化を招く。
以上のような事情に鑑み、本発明は、プレス成形金型のコストアップや大型化を招くことなく、長尺の金型のプレス成形時の撓みを抑え、成形品質の低下を防止することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、長尺の金型を有し、前記金型の長手方向と交差する方向にワークをプレスするプレス成形金型であって、前記金型に長手方向の圧縮応力あるいは引張応力を加える駆動手段を設けたプレス成形金型を提供する。
上記の駆動手段で、長尺の金型に長手方向の圧縮応力あるいは引張応力を加えることで、金型を、長手方向中間部が膨出するように撓ませることができる。従って、プレス成形時に金型に生じる撓みを相殺するように、駆動手段で金型に長手方向の圧縮応力あるいは引張応力を加えることにより、金型の撓みを抑えることができる。
例えば、長尺の金型のうち、撓みが生じる部分を背後(ワークと反対側)からシリンダ等で押圧すれば、金型の撓みを抑制することができる。しかし、この場合、金型の背後にシリンダ等を配置する必要があるため、プレス成形金型の大型化を招いたり、金型の背後の構造(例えば、金型をスライドさせるカム機構)の設計変更が必要になったりする。
そこで、上記の駆動手段が、互いに相対移動可能な第1部分と第2部分とを有し、この第1部分及び第2部分を、金型の長手方向に離間した2箇所に取り付けることが好ましい。このように、長尺の金型自体に駆動手段を取り付けることで、金型の背後にシリンダ等を設ける必要が無いため、プレス成形金型の大型化や設計変更を回避できる。
例えば、長尺の金型を、予めプレス時の撓み量を見込んで設計すれば、プレス時の金型の撓みを抑えることができる。しかし、金型の製造工程では、金型の成形面同士をワーク無しで合わせてみて成形面間の隙間を確認し、隙間が適正で無ければ金型の成形面の形状を修正し、再び金型の成形面同士を合わせて隙間を確認する、という作業を繰り返す。このため、プレス時の撓みを見込んで金型を形成すると、金型の成形面同士が合わなくなり、上記のような成形面の修正作業を行うことができなくなる恐れがある。
そこで、本発明は、長尺の金型と、前記金型に長手方向の圧縮応力あるいは引張応力を加える駆動手段とを有するプレス成形金型を用いて、前記金型の長手方向と交差する方向にワークをプレスするプレス成形方法であって、前記駆動手段で前記金型に応力を加えない状態で、前記金型の成形面とこれに対向する他の金型の成形面との間の隙間を確認する工程と、前記駆動手段で前記金型に長手方向の圧縮応力あるいは引張応力を加えた状態で、前記ワークをプレスする工程とを有するプレス成形方法を提供する。
このように、駆動手段で金型に応力を加えない状態で、金型の成形面間の隙間を確認することで、必要に応じて金型の成形面を修正することができる。そして、この金型を用いてワークをプレスする際に、駆動手段で金型に長手方向の圧縮応力あるいは引張応力を加えることで、プレス時の金型の撓みを抑えることができる。
以上のように、本発明によれば、コストアップやプレス成形金型全体の大型化を招くことなく、長尺の金型のプレス成形時の撓みを抑えることができるため、成形品質の低下を防止できる。
サイドアウタパネルを平置きした状態の平面図である。 図1のA-A線における断面図である。 曲げ工程のプレス成形金型を示す断面図であり、上型の降下開始前の状態を示す。 曲げ金型の平面図である。 プレス成形時の曲げ金型の変形の様子を示す平面図である。 曲げ工程のプレス成形金型を示す断面図であり、上型を降下させている途中の状態を示す。 曲げ工程のプレス成形金型を示す断面図であり、上型を下端位置まで降下させて曲げ成形が完了した状態を示す。 曲げ工程のプレス成形金型を示す断面図であり、上型を上端位置まで上昇させた状態を示す。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態では、図1に示す自動車の車体のサイドアウタパネル1をプレス成形する場合を示す。サイドアウタパネル1は、絞り成形工程と、曲げ工程とを経て成形される。特に、サイドアウタパネル1のドア開口部2の上部に設けられたルーフサイドレール3は、絞り成形工程で図2に実線で示す形状に成形された後、曲げ工程で点線に示す負角部4が成形される。絞り成形工程及び曲げ工程は、サイドアウタパネル1を平置きした状態で上方から上型(図示省略)を降下させて行われる。尚、図2の右側は、サイドアウタパネル1を車体に組み付けたときの上方であり、同上側は、サイドアウタパネル1を車体に組み付けたときの車幅方向外側である。
以下、ルーフサイドレール3の負角部4を成形する曲げ工程を説明する。曲げ工程は、図3に示すプレス成形金型10を用いて行われる。プレス成形金型10は、下型11と、上型(図示省略)と、内側曲げ型12と、外側曲げ型13とを備える。本実施形態では、下型11が固定型であり、上型が図中上下方向に昇降可能な可動型である。
内側曲げ型12及び外側曲げ型13は、上型の移動方向(図3の上下方向)と交差し、且つ、内側曲げ型12及び外側曲げ型13の長手方向(図3の紙面と直交する方向)と交差する方向にスライド可能なスライド型である。図示例では、内側曲げ型12及び外側曲げ型13が、上下方向及び長手方向と直交する方向(図3の左右方向)に移動可能である。上型には、内側曲げ型12を駆動する第1カム(図示省略)及び外側曲げ型13を駆動する第2カム(図示省略)が設けられる。
内側曲げ型12には、負角部4を成形する成形面12aと、上型に設けられた第1カムと当接するカム面(図示省略)が設けられる。外側曲げ型13には、負角部4を成形する成形面13aと、上型に設けられた第2カムと当接するカム面(図示省略)が設けられる。第1カム及び第2カムで内側曲げ型12及び外側曲げ型13のカム面を押し下げることで、内側曲げ型12及び外側曲げ型13が互いに接近する側に移動する。内側曲げ型12及び外側曲げ型13は、バネ等の付勢手段により、互いに離反する側に付勢される。内側曲げ型12及び外側曲げ型13のカム面に第1カム及び第2カムが当接していない状態では、内側曲げ型12及び外側曲げ型13は下型11に当接して互いに離反する側への移動が規制される。
内側曲げ型12及び外側曲げ型13は、図4に示すように、車体前後方向に延びる長尺な金型である。内側曲げ型12及び外側曲げ型13には、長手方向(図4の左右方向)の圧縮応力あるいは引張応力を加える駆動手段が取り付けられる。駆動手段としては、例えばアクチュエータ20が設けられる。アクチュエータ20は、円筒状の本体21(第1部分)と、本体21に対して相対移動可能に設けられたピン22(第2部分)とを有する。アクチュエータ20としては、ガススプリング、油圧シリンダ、電動シリンダ等を使用できる。内側曲げ型12に取り付けられたアクチュエータ20は、本体21及びピン22が、それぞれ内側曲げ型12の長手方向に離間した2箇所に設けられた取付部12bに固定される。外側曲げ型13に取り付けられたアクチュエータ20は、本体21及びピン22が、それぞれ外側曲げ型13の長手方向に離間した2箇所に設けられた取付部13bに固定される。
内側曲げ型12に取り付けられたアクチュエータ20は、内側曲げ型12の中心線L1(内側曲げ型12の重心を通り、長手方向に沿った直線)よりも成形面12a側にオフセットした位置に取り付けられる。外側曲げ型13に取り付けられたアクチュエータ20は、外側曲げ型13の中心線L2(外側曲げ型13の重心を通り、長手方向に沿った直線)よりも成形面13aから離反する側にオフセットした位置に取り付けられる。
尚、内側曲げ型12のアクチュエータ20を、中心線L1よりも成形面12aから離反する側にオフセットした位置に取り付けてもよい。また、外側曲げ型13のアクチュエータ20を、中心線L2よりも成形面13a側にオフセットした位置に取り付けてもよい。あるいは、アクチュエータ20を曲げ型12、13の中心線L1、L2の両側に設けてもよい。また、内側曲げ型12及び外側曲げ型13のうちの一方のみにアクチュエータ20を設けてもよい。
内側曲げ型12及び外側曲げ型13に設けるアクチュエータ20の数や位置、及び各アクチュエータ20の伸縮量は、プレス時に内側曲げ型12及び外側曲げ型13に加わる応力に基づいて設定される。具体的には、シミュレーションにより、プレス成形金型10でサイドアウタパネル1に曲げ加工を施したときに内側曲げ型12及び外側曲げ型13に加わる内部応力を算出する。そして、この内部応力が緩和されるように、アクチュエータ20の数、位置、及び伸縮量が設定される。
例えば、図5に示す長尺の内側曲げ型12及び外側曲げ型13でプレスしたときに、プレスの反力で曲げ型12、13が点線で示すように湾曲すると(図5では湾曲を誇張して示している)、中心線L1、L2よりも成形面12a、13a側には圧縮応力F1が加わり、中心線L1、L2よりも成形面12a、13aから離反する側には引張応力F2が加わる。この場合、図4に示す内側曲げ型12のように、アクチュエータ20が中心線L1よりも成形面12a側に設けられる場合は、アクチュエータ20のピン22を伸長させて金型に長手方向の引張応力を加えることで、プレス時に加わる圧縮応力F1が緩和され、内側曲げ型12の湾曲が抑えられる。一方、図4に示す外側曲げ型13のように、アクチュエータ20が中心線L2よりも成形面13aから離反する側に設けられる場合は、アクチュエータ20のピン22を退入させて金型に長手方向の圧縮応力を加えることで、プレス時に加わる引張応力F2が緩和され、外側曲げ型13の湾曲が抑えられる。
上記のプレス成形金型10を工場に設置した後、プレス成形を開始する前に、内側曲げ型12の成形面12a及び外側曲げ型13の成形面13aの修正が行われる。具体的には、内側曲げ型12及び外側曲げ型13に取り付けられたアクチュエータ20を駆動しない状態、すなわち、内側曲げ型12及び外側曲げ型13に長手方向の応力を加えない状態で、内側曲げ型12の成形面12aと外側曲げ型13の成形面13aとをワーク(サイドアウタパネル1)を挟まずに嵌め合わせる。この状態で、成形面12a、13a間の隙間の大きさや干渉の有無を確認する。そして、必要に応じて成形面12a、13aを削って形状を修正する。その後、再びワークを挟まずに成形面12a、13aを嵌め合わせて成形面12a、13a間の隙間を確認する。以上を繰り返すことで、成形面12a、13a間の隙間が適正な値に設定される。
こうして、曲げ型12、13の成形面12a、13aの修正が完了したら、各アクチュエータ20を上記で設定した伸縮量だけ伸長あるいは退入させて、曲げ型12、13の各部に所定の応力を加えて曲げ型12、13を変形(湾曲)させる。この状態で、サイドアウタパネル1の曲げ工程が行われる。以下、曲げ工程の手順を説明する。
まず、図3に示すように、下型11の上に、絞り工程を経たサイドアウタパネル1を平置きの状態で載置する。このときプレス成形金型10の内側曲げ型12及び外側曲げ型13は、それぞれ下型11あるいはこれに設けられたストッパに当接する位置まで後退している。このように、サイドアウタパネル1を下型11にセットする際に、外側曲げ型13を内側曲げ型12から離反する側(図3の右側)に退避させることで、サイドアウタパネル1と外側曲げ型13との干渉を回避できる。
そして、上型を降下させると、第1カムが内側曲げ型12のカム面に当接する。さらに上型を降下させると、第1カムにより内側曲げ型12が図中右側にスライドし、所定の位置に配される。本実施形態では、図6に示すように、内側曲げ型12が、下型11の上にセットされたサイドアウタパネル1に当接する位置(あるいは、当接する直前の位置)に配される。この位置で、内側曲げ型12は、第1カムにより図中左側への移動が規制されている。
その後、さらに上型を降下させると、第2カムが外側曲げ型13のカム面に当接する。さらに上型を降下させると、第2カムにより外側曲げ型13が図中左側にスライドし、サイドアウタパネル1のルーフサイドレール3が内側曲げ型12の成形面12aと外側曲げ型13の成形面13aとで挟持され、負角部4が成形される(図7参照)。
このように、長尺の曲げ型12、13により、それぞれの長手方向と交差する方向(本実施系形態では長手方向と略直交する方向)でサイドアウタパネル1をプレスすることで、このプレス時の反力により曲げ型12、13に撓みが生じる恐れがある(図5の点線参照)。本実施形態では、予め、アクチュエータ20で長尺の曲げ型12、13に長手方向の圧縮応力あるいは引張応力を加えて変形させることで、プレス時の撓みを見込んだ形状となっている。プレス時には、アクチュエータ20の応力による撓みとプレス時の反力による撓みとが相殺されるため、曲げ型12、13の撓みが抑えられる。これにより、曲げ型12、13の成形面12a、13a間の隙間が、予め設定した適正な大きさに近い状態となるため、曲げ加工の品質が高められる。また、プレス時の反力が大きい部品を成形する場合でも、曲げ型12、13を補強する構造を設けることなく、曲げ型12、13の撓みを抑制することができるため、金型構造の簡素化及び金型の軽量化に寄与できる。
上型を下端位置まで降下させた後、上型を上昇させると、内側曲げ型12及び外側曲げ型13が付勢手段の付勢力により、それぞれサイドアウタパネル1の負角部4から離反する側に移動する。そして、上型を上端位置まで上昇させると、内側曲げ型12及び外側曲げ型13が、負角部4とプレス方向(図中上下方向)で重ならない位置まで退避される(図8参照)。これにより、負角部4が成形されたサイドアウタパネル1を持ち上げた下型11から離反させることができる。
以上の実施形態では、駆動手段(アクチュエータ20)で長手方向の圧縮応力あるいは引張応力を加える長尺の金型がスライド型である場合を示したが、これに限らず、例えば、上型あるいは下型と一体に設けられた長尺の金型であってもよい。
また、本発明は、曲げ加工を行うプレス成形金型に限らず、絞り加工や打ち抜き加工等の他の加工を行うプレス成形金型に適用することもできる。
1 サイドアウタパネル(ワーク)
2 ドア開口部
3 ルーフサイドレール
4 負角部
10 プレス成形金型
11 下型
12 内側曲げ型(長尺の金型)
13 外側曲げ型(長尺の金型)
20 アクチュエータ(駆動手段)
21 本体(第1部分)
22 ピン(第2部分)

Claims (3)

  1. 長尺の金型を有し、前記金型の長手方向と交差する方向にワークをプレスするプレス成形金型であって、
    前記金型に長手方向の圧縮応力あるいは引張応力を加える駆動手段を設け、
    前記駆動手段が、互いに相対移動可能な第1部分と第2部分とを有し、
    前記第1部分及び前記第2部分が、前記金型の長手方向に離間した2箇所に固定されたプレス成形金型。
  2. 前記駆動手段が、前記金型のうち、前記金型の中心線よりも成形面から離反する側、あるいは、成形面側にオフセットした位置に取り付けられた請求項1に記載のプレス成形金型。
  3. 長尺の金型と、前記金型に長手方向の圧縮応力あるいは引張応力を加える駆動手段とを有するプレス成形金型を用いて、前記金型の長手方向と交差する方向にワークをプレスするプレス成形方法であって、
    前記駆動手段が、互いに相対移動可能な第1部分と第2部分とを有し、
    前記第1部分及び前記第2部分が、前記金型の長手方向に離間した2箇所に固定され
    前記駆動手段で前記金型に応力を加えない状態で、前記金型の成形面とこれに対向する他の金型の成形面との間の隙間を確認する工程と、
    前記駆動手段で前記金型に長手方向の圧縮応力あるいは引張応力を加えた状態で、前記ワークをプレスする工程とを有するプレス成形方法。
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