JP7608079B2 - 溶接方法および溶接装置 - Google Patents
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図1は、第1実施形態のレーザ溶接装置100の概略構成図である。図1に示されるように、レーザ溶接装置100は、レーザ装置111と、レーザ装置112と、光学ヘッド120と、光ファイバ130と、コントローラ141と、を備えている。レーザ溶接装置100は、溶接装置の一例である。
ここで、金属材料の光の吸収率について説明する。図3は、照射するレーザ光Lの波長に対する各金属材料の光の吸収率を示すグラフである。図3のグラフの横軸は波長であり、縦軸は吸収率である。図3には、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、タンタル(Ta)、およびチタン(Ti)について、波長と吸収率との関係が示されている。
レーザ溶接装置100を用いた溶接にあっては、まず、不図示の保持具によって金属導体11と金属導体12とが一体的に仮止めされた溶接構造10が、レーザ光Lが表面Waに照射されるようにセットされる。そして、ビームB1およびビームB2を含むレーザ光Lが表面Waに照射されている状態で、レーザ光Lと溶接構造10とが相対的に動かされる。これにより、レーザ光Lが表面Wa上に照射されながら当該表面Wa上を掃引方向SDに移動する(掃引する)。レーザ光Lが照射された部分は、溶融し、その後、温度の低下に伴って凝固することにより、溶接部14を介して金属導体11と金属導体12とが接合され、溶接構造10が一体化される。
図4は、加工対象Wに形成された溶接部14の断面図である。図4は、掃引方向SD(図4ではX方向)と垂直であるとともに厚さ方向(Z方向)に沿う断面図である。溶接部14は、掃引方向SD、すなわち図4の紙面と垂直な方向に、延びている。なお、図4は、厚さ2[mm]の1枚の銅板である加工対象Wに形成された溶接部14の断面を示している。複数の金属導体11,12に渡り形成される溶接部14の形態は、図4に示される1枚の金属材料である加工対象Wに形成された溶接部14の形態と略同等であると推定できる。
図6は、加工対象Wの表面Wa上における第一レーザ光のパワー密度Pd1と第二レーザ光のパワー密度Pd2との組み合わせにおける溶接の実験結果を示すグラフである。図6中、「○」は、ブローホールが非常に少なかった場合(優)、「△」は、ブローホール数が少なかった場合、また、「×」は、ブローホールが多かった場合(不可)を示す。ここでは、一例として、「優」は、線状の溶接部位の単位長さ(例えば、1[cm])あたりのブローホール数が1個以下であった場合を示し、「良」は、溶接部位の単位長さあたりのブローホール数が2個以上かつ5個未満である場合を示し、「不可」は、溶接部位の単位長さあたりのブローホール数が5個以上であった場合を示す。また、この実験において、第一レーザ光の波長は、1070[nm]、出力は、1.5[kW]であり、第二レーザ光の波長は、450[nm]、出力は、150[W]であった。
また、図1に示されるように、光学ヘッド120は、コリメートレンズ121-1とミラー123との間に、DOE125を有している。
また、発明者らは、実験的な解析により、レーザ光Lが照射される表面Waを有する金属導体(図1の例では金属導体11)の厚さ、各ビームB1,B2の表面Wa上におけるビーム径(スポット径)、および各ビームB1,B2のパワーについて、溶接構造10において好適な溶接状態が得られる条件を見いだした。ここで、好適な溶接状態とは、ブローホールの状態が上記の「優」または「良」であることを意味する。
ビームB1によるスポット径(第一スポット径)が、20[μm]以上かつ80[μm]以下であり、かつ、
ビームB1のパワー(レーザ装置111の出力)が、0.3[kW]以上かつ6[kW]以下であり、かつ、
ビームB2によるスポット径(第一スポット径)が、50[μm]以上かつ400[μm]以下であり、かつ、
ビームB1のパワー(レーザ装置112の出力)が、0.05[kW]以上かつ1[kW]以下である場合に、好適な溶接状態が得られることが、判明した。
また、発明者らは、当該実験的な解析において、溶接構造10の単位体積あたりのレーザ光の照射のエネルギ密度という新規な指標を導入し、当該エネルギ密度について、好適な溶接状態が得られる条件を見いだした。当該エネルギ密度は、以下の式(1)で表すことができる。
En=Pn/(V×Dn×Ta) ・・・ (1)
ここに、Enは、エネルギ密度[J/mm3]、Pnは、レーザ装置によるレーザ光のパワー[W]、Vは、掃引速度[mm/s]、Dnは、表面Waにおけるスポット径[mm]、Taは、溶接構造10のZ方向の厚さ[mm]である(図1参照)。ここでは、下付のnにより、各パラメータを区別しており、n=1は、第一レーザ光のパラメータ、n=2は、第二レーザ光のパラメータを示す。
図8~15は、レーザ溶接装置100によって形成された溶接構造10(10-1~10-5)の例を示す。図8~15の例では、いずれも、金属導体11は、ハーネスの端部に接続された端子であり、金属導体12は、当該端子である金属導体11と溶接部14を介して電気的かつ機械的に接続されるバスバーである。なお、図8~15の例では、レーザ光Lの照射方向は、各溶接部14の深さ方向(後述)であり、Z方向の反対方向には限定されない。
図16は、第2実施形態のレーザ溶接装置100Aの概略構成図である。図16に示されるように、本実施形態では、駆動機構150は、加工対象Wを光学ヘッド120に対して相対的に移動することにより、光学ヘッド120から照射されるレーザ光Lを表面Wa上で掃引する。駆動機構150の作動は、コントローラ141によって制御される。この場合、レーザ光Lを表面Wa上で掃引方向SDに掃引するためには、駆動機構150は、加工対象Wを、光学ヘッド120に対して掃引方向SDとは反対方向に移動する。
図17は、第3実施形態のレーザ溶接装置100Bの概略構成図である。図17に示されるように、本実施形態では、光学ヘッド120は、フィルタ124と集光レンズ122との間に、ガルバノスキャナ126を有している。この点を除き、レーザ溶接装置100Bは、第1実施形態のレーザ溶接装置100と同様の構成を備えている。
11…金属導体(第一金属導体)
11a…貫通孔
12…金属導体(第一金属導体)
12a…端面
12b…突起
14…溶接部
14a…溶接金属
14a1…第一部位
14a2…第二部位
14b…熱影響部
100,100A,100B…レーザ溶接装置(溶接装置)
111…レーザ装置(レーザ発振器)
112…レーザ装置(レーザ発振器)
120…光学ヘッド
121,121-1,121-2…コリメートレンズ
122…集光レンズ
123…ミラー
124…フィルタ
125…DOE(回折光学素子)
125a…回折格子
126…ガルバノスキャナ
126a,126b…ミラー
127…フィルタ
128…ミラー
130…光ファイバ
141…コントローラ(検出機構、補正機構)
150…駆動機構(補正機構)
170…カメラ(検出機構)
A…結晶粒
B1…ビーム(第一スポット)
B1a…外縁
B2…ビーム(第二スポット)
B2a…外縁
B2b…領域
B2f…領域
BL1,BL2…境界
C…中心点
D1…スポット径(外径)
D2…スポット径(外径)
Dn…スポット径
d…深さ
En,E1,E2…エネルギ密度
I…領域
L…レーザ光
Pd1,Pd2…パワー密度
Pn…パワー
SD…掃引方向
T…(レーザ光が照射される金属導体の)厚さ
Ta…(加工対象の)厚さ
V…掃引速度
W…加工対象
Wa…表面
wb…(溶接金属の表面での)幅
X…方向
Y…方向
Z…方向
Z1…第一領域
Z2…第二領域
Claims (12)
- めっき層が形成された金属導体を少なくとも一つ含む複数の金属導体である加工対象の表面にレーザ光を照射しながら掃引して溶接部を形成することにより前記複数の金属導体を溶接する溶接方法であって、
前記レーザ光は、800[nm]以上かつ1200[nm]以下の波長の第一レーザ光と、500[nm]以下の波長の第二レーザ光と、を含み、
前記表面上において、前記第一レーザ光によって形成される第一スポットの全域は前記第二レーザ光によって形成される第二スポットと重なるとともに、前記第二スポットの第二外縁は、前記第一スポットの第一外縁を離隔して取り囲み、
前記第二レーザ光の照射により前記めっき層を除去し、
前記溶接部は、前記第二レーザ光によって形成され前記表面と接する第二部位と、前記第一レーザ光によって形成され前記第二部位に対して前記表面とは反対側に位置し当該第二部位と接する位置から前記レーザ光の照射方向に延びた第一部位と、を有し、
前記表面上において、前記第二レーザ光のパワー密度が、0.16[MW/cm 2 ]以上かつ1.5[MW/cm 2 ]以下である、溶接方法。 - 前記第二レーザ光の波長は、400[nm]以上かつ500[nm]以下である、請求項1に記載の溶接方法。
- 前記めっき層の融点は、前記複数の金属導体の融点よりも低い、請求項1または2に記載の溶接方法。
- 前記複数の金属導体のうち少なくとも一つの金属導体は、銅系材料で作られている、請求項1~3のうちいずれか一つに記載の溶接方法。
- 前記複数の金属導体のうち前記表面を有した金属導体の厚さは、0.5[mm]以上かつ1[mm]未満であり、
前記第一レーザ光によって前記表面が前記レーザ光と垂直な平面である場合の当該平面上に形成される第一スポットのスポット径は、20[μm]以上かつ80[μm]以下であり、
前記第一レーザ光のパワーは、0.3[kW]以上かつ6[kW]以下であり、
前記第二レーザ光によって前記表面が前記レーザ光と垂直な平面である場合の当該平面上に形成される第一スポットのスポット径は、50[μm]以上かつ400[μm]以下であり、
前記第二レーザ光のパワーは、0.05[kW]以上かつ1[kW]以下である、請求項1~4のうちいずれか一つに記載の溶接方法。 - 前記複数の金属導体の溶接部における前記レーザ光の照射方向の単位体積あたりの前記第一レーザ光のエネルギ密度は、200[J/mm3]以上であり、
前記溶接部における前記レーザ光の照射方向の単位体積あたりの前記第二レーザ光のエネルギ密度は、5[J/mm3]以上かつ49[J/mm3]以下である、請求項1~5のうちいずれか一つに記載の溶接方法。 - レーザ発振器と、
めっき層が形成された金属導体を少なくとも一つ含む複数の金属導体である加工対象の表面に前記レーザ発振器からのレーザ光を照射しながら掃引して溶接部を形成する光学ヘッドと、
を備え、前記複数の金属導体を溶接する、溶接装置であって、
前記レーザ光は、800[nm]以上かつ1200[nm]以下の波長の第一レーザ光と、500[nm]以下の波長の第二レーザ光と、を含み、
前記表面上において、前記第一レーザ光によって形成される第一スポットの全域は前記第二レーザ光によって形成される第二スポットと重なるとともに、前記第二スポットの第二外縁は、前記第一スポットの第一外縁を離隔して取り囲み、
前記第二レーザ光の照射により前記めっき層を除去し、
前記溶接部は、前記第二レーザ光によって形成され前記表面と接する第二部位と、前記第一レーザ光によって形成され前記第二部位に対して前記表面とは反対側に位置し当該第二部位と接する位置から前記レーザ光の照射方向に延びた第一部位と、を有し、
前記表面上において、前記第二レーザ光のパワー密度が、0.16[MW/cm 2 ]以上かつ1.5[MW/cm 2 ]以下である、溶接装置。 - 前記レーザ光を複数のビームに分割するビームシェイパを備えた、請求項7に記載の溶接装置。
- 前記レーザ光を前記表面上で掃引方向に掃引するよう、前記レーザ光の照射方向を変化させるガルバノスキャナを備えた、請求項7または8に記載の溶接装置。
- 前記レーザ光によって前記表面上に形成されるスポットの所定位置に対するずれを検出する検出機構と、
前記ずれを補正する補正機構と、
を備えた、請求項7~9のうちいずれか一つに記載の溶接装置。 - 前記補正機構は、前記複数の金属導体と前記光学ヘッドとの相対位置を変更する、請求項10に記載の溶接装置。
- 前記補正機構は、前記レーザ光を前記表面上で掃引方向に掃引するよう、前記レーザ光の照射方向を変化させるガルバノスキャナを含む、請求項10に記載の溶接装置。
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